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  • 特開-画像形成システムおよび通信端末 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122368
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】画像形成システムおよび通信端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20230825BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F3/12 322
G06F3/12 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026035
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧沢 英俊
(57)【要約】
【課題】なりすまし等を防止して、強固なセキュリティを担保する画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システムは、ネットワークを介して通信を行う通信端末を備え、ユーザの認証に関する認証情報を取得する認証情報取得部23と、画像を記憶する記憶部25と、認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する制御部24と、認証結果を承認者の通信端末に送信し、承認者の通信端末から送信された承認回答を受信する通信部26とを備える。制御部24は、承認回答に基づいて、画像の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信を行う通信端末を備える画像形成システムであって、
ユーザの認証に関する認証情報を取得する認証情報取得部と、
画像を記憶する記憶部と、
前記認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する制御部と、
前記認証結果を承認者の通信端末に送信し、前記承認者の通信端末から送信された承認回答を受信する通信部とを備え、
前記制御部は、前記承認回答に基づいて、前記画像の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施すること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成システムであって、
ユーザからの入力を受け付ける入力操作部を備え、
前記認証情報は、ユーザの認証に関する生体情報を含み、
前記制御部は、前記入力操作部からの入力結果と前記生体情報とに基づいて、前記認証結果を判断すること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成システムであって、
前記制御部は、前記入力操作部によって入力を受け付けてから、予め設定された認証規定時間以内に前記生体情報を取得したとき、ユーザの認証を有効にし、前記認証規定時間以内に前記生体情報を取得していないとき、ユーザの認証を無効にすること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記制御部は、前記認証結果を送信してから、予め設定された承認規定時間以内に前記承認回答を受信したとき、前記許可判定を実施し、前記承認規定時間以内に前記承認回答を受信していないとき、前記許可判定を実施しないこと
を特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記記憶部は、前記承認回答を要求するかどうかの承認要求と前記画像とを関連付けて記憶し、
前記制御部は、前記承認要求と関連付けられた前記画像を出力する際、前記許可判定を実施すること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成システムであって、
前記許可判定によって前記画像の出力が許可されたことを示す出力許可画面を表示する表示部を備えること
を特徴とする画像形成システム。
【請求項7】
ネットワークを介して、他の通信端末との間で通信を行う通信端末であって、
ユーザの認証に関する認証情報を取得する認証情報取得部と、
前記認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する制御部と、
前記認証結果を承認者の通信端末に送信し、前記承認者の通信端末から送信された承認回答を受信する通信部とを備え、
前記制御部は、前記承認回答に基づいて、画像の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施すること
を特徴とする通信端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して通信を行う通信端末と、それを備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不特定多数のユーザに利用される装置等では、ユーザを特定するために、本人認証を行うシステムが採用されている。本人認証を行うシステムでは、例えば、ICカードに埋め込まれたパスワードによる照合方式や、ICカードの表面に印刷された顔写真を対面で照合する方式などが挙げられる。ところで、顔写真の照合については、人間が対処するのではなく、機械によって自動的に行う手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-128527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の顔画像認証機能付き駅務機器システムは、ICカードを利用する利用者の顔画像を撮像するカメラと、カメラで撮像した顔画像とICカードに書き込まれている顔画像とを照合する顔画像照合手段と、顔画像が一致しない場合にエラー処理を行う制御手段とを備える。
【0005】
近年では、コンビニエンスストアなどに設置されている画像形成装置でも、本人認証システムを採用することが検討されており、本人以外がなりすました不正な印刷を防止することが要望されており、より強固なセキュリティを担保する必要がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、なりすまし等を防止して、強固なセキュリティを担保する画像形成システムおよび通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、ネットワークを介して通信を行う通信端末を備える画像形成システムであって、ユーザの認証に関する認証情報を取得する認証情報取得部と、画像を記憶する記憶部と、前記認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する制御部と、前記認証結果を承認者の通信端末に送信し、前記承認者の通信端末から送信された承認回答を受信する通信部とを備え、前記制御部は、前記承認回答に基づいて、前記画像の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像形成システムは、ユーザからの入力を受け付ける入力操作部を備え、前記認証情報は、ユーザの認証に関する生体情報を含み、前記制御部は、前記入力操作部からの入力結果と前記生体情報とに基づいて、前記認証結果を判断する構成としてもよい。
【0009】
本発明に係る画像形成システムでは、前記制御部は、前記入力操作部によって入力を受け付けてから、予め設定された認証規定時間以内に前記生体情報を取得したとき、ユーザの認証を有効にし、前記認証規定時間以内に前記生体情報を取得していないとき、ユーザの認証を無効にする構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る画像形成システムでは、前記制御部は、前記認証結果を送信してから、予め設定された承認規定時間以内に前記承認回答を受信したとき、前記許可判定を実施し、前記承認規定時間以内に前記承認回答を受信していないとき、前記許可判定を実施しない構成としてもよい。
【0011】
本発明に係る画像形成システムでは、前記記憶部は、前記承認回答を要求するかどうかの承認要求と前記画像とを関連付けて記憶し、前記制御部は、前記承認要求と関連付けられた前記画像を出力する際、前記許可判定を実施する構成としてもよい。
【0012】
本発明に係る画像形成システムは、前記許可判定によって前記画像の出力が許可されたことを示す出力許可画面を表示する表示部を備える構成としてもよい。
【0013】
本発明に係る通信端末は、ネットワークを介して、他の通信端末との間で通信を行う通信端末であって、ユーザの認証に関する認証情報を取得する認証情報取得部と、前記認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する制御部と、前記認証結果を承認者の通信端末に送信し、前記承認者の通信端末から送信された承認回答を受信する通信部とを備え、前記制御部は、前記承認回答に基づいて、画像の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、認証情報によってユーザを認証するだけでなく、承認者の承認を得てから画像の出力を許可するので、なりすまし等を防止して、強固なセキュリティを担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムを示すシステム構成図である。
図2】申請者端末の概略構成を示す概略構成図である。
図3】画像形成装置を示す外観正面図である。
図4】表示部に表示される入力画面を示す説明図である。
図5】表示部に表示される出力許可画面を示す説明図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像を印刷する際の処理フローを示すフロー図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像を印刷する際の処理フローを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムについて、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムを示すシステム構成図である。
【0018】
画像形成システムでは、ネットワークNWを介して通信端末同士が通信を行う。通信端末は、例えば、携帯電話端末や、タブレットや、パーソナルコンピューターなどである。以下では説明のため、複数の通信端末を区別するため、申請者US1が利用(所持)する通信端末を申請者端末20と呼び、承認者US2が利用(所持)する通信端末を承認者端末30と呼ぶことがある。申請者US1は、画像形成装置1の近傍に位置している。
【0019】
図2は、申請者端末の概略構成を示す概略構成図である。
【0020】
申請者端末20は、入力操作部21、表示部22、認証情報取得部23、制御部24、記憶部25、および通信部26を備えている。申請者端末20は、携帯電話端末とされており、入力操作部21と表示部22とを兼ね備えたタッチパネルディスプレイを有している。入力操作部21は、ユーザからの入力を受け付ける。制御部24は、申請者端末20に設けられたCPUであって、申請者端末20の各種動作を制御する。記憶部25は、メモリーやHDDなどの記憶媒体であって、各種情報を記憶する。通信部26は、ネットワークや短距離無線通信を介して、各種端末と通信する。
【0021】
認証情報取得部23は、ユーザの認証に関する認証情報を取得する。具体的に、認証情報取得部23は、カメラやセンサであって、ユーザの顔画像を撮影したり、ユーザの指紋を読み取ったりする。つまり、認証情報は、ユーザの認証に関する生体情報を含んでいる。なお、認証情報は、これに限定されず、ユーザに関連付けられたIDやパスワードを含んでいてもよく、入力操作部21によって、ユーザからの入力を受け付ければよい。
【0022】
図3は、画像形成装置を示す外観正面図である。
【0023】
画像形成装置1は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機2と、現金等の入金を受け付ける入金端末3とで構成されている。複合機2と入金端末3とは、互いに接続されており、両者の間でデータ通信を行って連係動作する。また、入金端末3の上方には、表示パネル11が取り付けられている。表示パネル11は、タッチパネルディスプレイとされている。なお、これに限定されず、表示パネル11を単なるディスプレイとし、入力を受け付けるボタン等を別途設けてもよい。
【0024】
入金端末3は、情報取得部12、媒体接続部13、硬貨投入口14、領収書排出口15、紙幣投入口16、硬貨返却口17、および用紙排出口18を備えている。媒体接続部13は、メモリーカード等の記録媒体の挿入口や、ケーブル等を接続するためのコネクタが設けられている。情報取得部12は、ICカードや携帯電話端末等の情報保持媒体のリーダーであって、電子マネー決済に関する電子マネー情報等を、情報保持媒体から読み取る。硬貨投入口14および紙幣投入口16は、入金を受け付ける入金部に相当し、硬貨や紙幣の投入を受け付ける。硬貨返却口17では、釣り銭等に応じて、返却する硬貨を排出する。
【0025】
入金端末3は、感熱紙などの用紙に印刷する領収書印刷部を内部に備えており、領収書印刷部によって印刷した領収書を領収書排出口15から排出する。また、入金端末3は、用紙に画像を印刷するプリンタを内部に備えており、プリンタによって印刷した用紙を用紙排出口18から排出する。
【0026】
複合機2には、表示パネル11と略同様の機能を備えた操作パネル19が設けられている。また、複合機2では、画像形成部によって形成した用紙が、胴内に設けられた排出トレイに排出される。
【0027】
画像形成装置1では、印刷における用紙のサイズや色などの印刷条件に応じて、複合機2の画像形成部や、入金端末3の領収書印刷部およびプリンタから選択して、用紙に印刷すればよい。
【0028】
図4は、表示部に表示される入力画面を示す説明図である。
【0029】
入力画面GM1は、第1指示コメントCM1、および認証情報表示領域NHを含んでいる。第1指示コメントCM1は、ユーザに対して操作を促す通知とされており、例えば、「IDとパスワードを入力してください。」といった文言が表示される。認証情報表示領域NHは、ユーザによって入力された認証情報を表示する。
【0030】
図5は、表示部に表示される出力許可画面を示す説明図である。
【0031】
出力許可画面GM2は、第2指示コメントCM2、および承認画像SZを含んでいる。第2指示コメントCM2は、ユーザに対して操作を促す通知とされており、例えば、「バーコードをコピー機にかざしてください。」といった文言が表示される。承認画像SZは、承認情報に対応する画像であって、例えば、バーコードとされており、画像形成装置1の情報取得部12に読み取らせる情報とされている。なお、出力許可画面GM2に表示するのは、承認画像SZに限定されず、承認情報に対応した暗証番号などとされていてもよい。
【0032】
なお、上述した入力画面GM1および出力許可画面GM2は、表示部22に表示する画面の一例であって、ユーザに通知する内容に応じた画面を適宜表示してもよい。
【0033】
画像形成システムでは、申請者US1が画像形成装置1によって画像を印刷する際、承認者の承認を得ることで、画像の出力が許可される。そこで、画像形成システムにおいて、承認者の承認を得る際の処理フローを、図6を参照して説明する。
【0034】
図6は、本発明の第1実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像を印刷する際の処理フローを示すフロー図である。
【0035】
ステップS01では、認証情報取得部23によって、認証情報を取得する。具体的に、図4に示す入力画面GM1を申請者端末20の表示部22に表示し、申請者に認証情報を入力させる。また、IDやパスワードの入力に加えて、申請者の生体情報を取得する処理を実施してもよい。つまり、入力操作部21からの入力結果と生体情報とに基づいて、制御部24が認証結果を判断する構成としてもよい。このように、ユーザから入力される情報と、ユーザ個人を特定するための顔画像や指紋といった生体情報とを組み合わせて、多重の認証を行うことで、より強固なセキュリティを実現できる。
【0036】
ステップS02では、制御部24によって、申請者本人であると認証できたかどうかを判断する。ここでは、制御部24が認証情報に基づいて、ユーザの認証結果を判断する。認証情報については、予め記憶部25にユーザと関連付けて記憶されており、記憶部25に記憶された認証情報と、ステップS01で取得した認証情報とを照合する。その結果、申請者本人であると認証できた場合(ステップS02:Yes)には、ステップS03へと進む。一方、申請者本人であると認証できない場合(ステップS02:No)には、ステップS01へと戻る。
【0037】
ステップS03では、制御部24によって、印刷するファイルを選択する。ファイルは、画像や文書などであって、記憶部25に記憶されている。ここでは、表示部22にファイルの一覧などを表示し、申請者から受け付けた入力に基づいて、印刷するファイルを選択すればよい。なお、申請者端末20の記憶部25では、ファイル自体を記憶する換わりに、ファイルに関連付けられたアドレスを記憶していてもよい。画像形成装置1では、申請者端末20から通知されたアドレスに基づいて、印刷するファイルを入手すればよい。
【0038】
ステップS04では、通信部26によって、承認者端末30に印刷許可依頼を送信する。ここで、承認者端末30には、申請者US1とステップS03で選択されたファイルとを通知するメールを送信する。また、申請者端末20では、印刷許可依頼を送信した後、承認者からの回答待ちであることを通知する画面を表示部22に表示してもよい。
【0039】
ステップS05では、制御部24によって、承認回答を受信したかどうかを判断する。承認者端末30では、印刷許可依頼に対して返信することで、申請者端末20に対し、印刷許可チケット(承認回答)が送信される。承認者端末30では、受信した印刷許可チケットのチェックサムを読み取って、正当性を確認してもよい。このように、制御部24は、承認回答に基づいて、ファイル(画像)の出力を許可するかどうかを判定する許可判定を実施する。その結果、承認回答を受信した場合(ステップS05:Yes)には、ステップS06へ進む。一方、承認回答を受信していない場合(ステップS05:No)には、承認回答を受信するまで待機する。
【0040】
ステップS06では、表示部22によって、承認情報を表示する。具体的に、図5に示す出力許可画面GM2を申請者端末20の表示部22に表示し、承認情報を表示する。このように、出力許可画面GM2を見ることで、申請者は画像の出力が許可されたことを把握できる。また、出力許可画面GM2を表示することで、これを他の装置(画像形成装置1)に読み取らせることができ、他の装置との連携を図ることができる。
【0041】
ステップS07では、画像形成装置1によって、ファイルの印刷を実行し、処理を終了する。画像形成装置1では、承認情報に対応する承認画像SZを読み取ったり、申請者から承認情報の入力を受け付けたりして、ファイルの出力が許可されたことを把握する。
【0042】
上述したように、認証情報によってユーザを認証するだけでなく、承認者US2の承認を得てから画像の出力を許可するので、なりすまし等を防止して、強固なセキュリティを担保することができる。
【0043】
また、画像形成システムでは、申請者端末20によって、画像の出力を許可するかどうかを判断しており、画像形成装置1では、本人認証等を行っていない。そのため、画像形成装置1には、本人認証を行うための機構を設ける必要がない。
【0044】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成システムについて、図面を参照して説明する。なお、第2実施形態に係る画像形成システムの構成については、図1ないし図6に示す第1実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。
【0045】
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成システムにおいて、画像を印刷する際の処理フローを示すフロー図である。
【0046】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、処理フローの一部が異なっており、第1実施形態と略同様の構成とされているので、処理フローの異なる部分を詳しく説明し、他の部分の説明を省略する。
【0047】
ステップS11については、図6のステップS01と同じであるので、説明を省略する。
【0048】
ステップS12では、図6のステップS02と同様に、制御部24によって、申請者本人であると認証できたかどうかを判断する。その結果、申請者本人であると認証できた場合(ステップS12:Yes)には、ステップS13へと進む。一方、申請者本人であると認証できない場合(ステップS12:No)には、ステップS11へと戻る。
【0049】
ここで、制御部24は、入力操作部21によって入力を受け付けてから生体情報を取得するまでの経過時間を測定している。そして、予め設定された認証規定時間以内に生体情報を取得したとき、ユーザの認証を有効にし、認証規定時間以内に生体情報を取得していないとき、ユーザの認証を無効にする。ユーザの認証を無効にしたとき、ステップS11へ戻ってもよいし、処理を終了してもよい。ユーザ本人が操作していると、時間を掛けることなく認証の処理を行うことができ、時間がかかった場合には、なりすましの可能性があるので、不正な処理を阻止して、安全性を担保することができる。
【0050】
ステップS13については、図6のステップS03と同じであるので、説明を省略する。
【0051】
ステップS14では、制御部24によって、承認要求ファイルであるかどうかを判断する。本実施の形態において、記憶部25は、承認回答を要求するかどうかの承認要求とファイル(画像)とを関連付けて記憶しており、承認回答を要求するファイルを、承認要求ファイルと呼ぶ。制御部24は、ステップS13で選択されたファイルが承認要求ファイルである場合、許可判定を実施する。従って、出力するファイルが承認要求ファイルである場合(ステップS14:Yes)には、ステップS15へ進む。一方、出力するファイルが承認要求ファイルでない場合(ステップS14:No)には、ステップS19へ進む。
【0052】
このように、画像のそれぞれについて、承認を要求するかどうかを設定することで、重要度や印刷料金等に応じて、強固なセキュリティを担保すべきものと、円滑に処理すべきものとを区別できる。
【0053】
ステップS15については、図6のステップS04と同じであるので、説明を省略する。
【0054】
ステップS16では、図6のステップS05と同様に、制御部24によって、承認回答を受信したかどうかを判断する。その結果、承認回答を受信した場合(ステップS16:Yes)には、ステップS18へ進む。一方、承認回答を受信していない場合(ステップS16:No)には、ステップS17へ進む。
【0055】
ステップS17では、制御部24によって、回答受付時間(承認規定時間)を過ぎたかどうかを判断する。ここで、制御部24は、認証結果を送信してから、通信部26によって承認回答を受信するまでの経過時間を測定している。そして、予め設定された承認規定時間以内に承認回答を受信したとき、許可判定を実施し、承認規定時間以内に承認回答を受信していないとき、許可判定を実施しない。このように、時間が掛かっても承認回答を受信できないときには、許可判定が実施されないので、不正な処理を阻止して、安全性を担保することができる。従って、回答受付時間を過ぎた場合(ステップS17:Yes)には、処理を終了する。一方、回答受付時間を過ぎていない場合(ステップS17:No)には、ステップS16へ戻って、承認回答を受信するまで待機する。
【0056】
ステップS18およびステップS19については、図6のステップS06およびステップS07と同じであるので、説明を省略する。
【0057】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 画像形成装置
20 申請者端末(通信端末の一例)
21 入力操作部
22 表示部
23 認証情報取得部
24 制御部
25 記憶部
26 通信部
30 承認者端末(通信端末の一例)
US1 申請者(ユーザの一例)
US2 承認者(ユーザの一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7