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特開2023-122385洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、およびコインランドリーの洗い方支援方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122385
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、およびコインランドリーの洗い方支援方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/50 20200101AFI20230825BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20230825BHJP
   D06F 34/28 20200101ALI20230825BHJP
   D06F 101/06 20200101ALN20230825BHJP
【FI】
D06F33/50
D06F95/00
D06F34/28
D06F101:06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026056
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】511265305
【氏名又は名称】有限会社ウィンダム
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手塚 伸光
(72)【発明者】
【氏名】中島 奈々子
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AC21
3B167AE01
3B167AE03
3B167BA69
3B167BA91
3B167HA07
3B167HA08
3B167HA10
3B167HA16
3B167HA31
3B167HA41
3B167HA47
3B167HA52
3B167HA53
3B167JA03
3B167KA03
3B167LC25
3B167LG11
3B167MA03
3B167MA12
(57)【要約】
【課題】利用者に洗い方の詳細な情報を簡単に提供できる洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、および洗い方支援方法を提供する。
【解決手段】実施形態の洗濯レシピカードは、利用者に提供される洗濯レシピが記載されるカードであって、前記カードには、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コードとが記載され、前記識別コードには、前記洗い方の詳細な情報が提供可能なURLアドレスが記録され、当該識別コードは携帯端末によって読み取ることが可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に提供される洗濯レシピが記載されるカードであって、
前記カードには、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コードとが記載され、
前記識別コードには、前記洗い方の詳細な情報が提供可能なURLアドレスが記録され、当該識別コードは携帯端末によって読み取ることが可能である洗濯レシピカード。
【請求項2】
前記カードには、サポートセンターの連絡先番号が更に掲載されていることを特徴とする請求項1に記載の洗濯レシピカード。
【請求項3】
店舗内にランドリー装置が設置されているコインランドリーに配置され、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コードが記載される洗濯レシピカードと、
前記洗濯レシピカードの前記識別コードを読み取り、当該識別コードが示すURLアドレスにアクセスした携帯端末に対し、前記洗い方の詳細な情報を提供する洗濯レシピ提供装置と、
を有することを特徴とするコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項4】
前記洗濯レシピ提供装置から前記携帯端末に提供される前記識別コードに対応するトップ画面には、
サポートセンターにコールできる画面を読み出すことが可能なサポートアイコンと、
被洗濯物毎の前記洗い方の詳細な情報を直接読み出すことが可能な洗濯メニューアイコンと、
が表示される請求項3に記載のコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項5】
つめもの素材の確認用の画面から前記被洗濯物の素材情報を受信した時、
前記洗濯レシピ提供装置は、
前記素材情報に基づき洗える素材か否かを判断し、
洗える素材と判断した場合は、前記携帯端末に向けて前記洗い方の詳細な情報を提供することを特徴とする請求項3に記載のコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項6】
前記被洗濯物の素材が分からないとの情報を受信した場合は、前記サポートセンターにコールできる画面を提供する請求項5に記載のコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項7】
前記洗濯レシピ提供装置は、前記洗い方の詳細な情報中に洗い方の複数のステップに参考になる画像を含めて提供することを特徴とする請求項3に記載のコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項8】
前記洗濯レシピ提供装置は、前記洗い方の詳細な情報中に注意事項および必要なアドバイス情報を含めて提供することを特徴とする請求項3又は7に記載のコインランドリーの洗い方支援システム。
【請求項9】
店舗内にランドリー装置が設置されているコインランドリーに配置され、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コードが記載される洗濯レシピカードを用いたコインランドリーの洗い方支援方法であって、
携帯端末を用いて前記洗濯レシピカードの前記識別コードを読み取り、前記識別コードが示すURLアドレスにアクセスし、
前記アクセスを受信した洗濯レシピ提供装置から前記携帯端末に対し、前記URLアドレスが示す被洗濯物に係る洗い方の詳細の情報を提供する
ことを特徴とするコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項10】
前記携帯端末に提供される前記識別コードに対応するトップ画面に表示されるサポートアイコンによって、サポートセンターにコールできる画面を読み出すことができる請求項9に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項11】
前記携帯端末に提供される前記識別コードに対応するトップ画面に表示される洗濯メニューのアイコンによって、被洗濯物毎の前記洗い方の詳細な情報を直接読み出すことができる請求項9に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項12】
前記携帯端末から「つめもの素材の確認」画面から被洗濯物の素材情報を受信した時、
前記洗濯レシピ提供装置は、
前記素材情報に基づき洗える素材か否かを判断し、
洗える素材と判断した場合は前記携帯端末に向けて前記洗い方の詳細な情報を提供する請求項9に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項13】
前記洗い方の詳細な情報中に洗い方の複数のステップに参考になる画像を含めて提供する請求項12に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項14】
前記洗い方の詳細な情報中に注意事項および必要なアドバイス情報を含めて提供することを特徴とする請求項12に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【請求項15】
前記被洗濯物の素材が分からないとの情報を受信した場合は、前記サポートセンターにコールできる画面を提供する請求項12に記載のコインランドリーの洗い方支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、およびコインランドリーの洗い方支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コインランドリーの需要が高まり、各地でコインランドリーの設置数が増加している。コインランドリーに設けられるランドリー装置(洗濯乾燥機、洗濯機、乾燥機の総称)は、洗濯容量が大きく、乾燥温度が高いので、いろんなものが洗濯・乾燥出来る特徴と有している。コインランドリーのランドリー装置を用いれば、例えば敷布団や掛布団、ぬいぐるみ、リュック、カーテン、クッション、ダウンジャケット、カーペット等も簡単に洗濯・乾燥することが出来る。しかしながら、利用者は、コインランドリーで何が洗えて、何が洗えないかの認識が低い。このため、コインランドリーのランドリー装置の利用率はまだまだが低い。
【0003】
出願人は、各種洗濯物の洗濯レシピをポストカードの大きさで作成して、利用者に提供している。洗濯レシピカードには、洗えるものと洗えないものを区別し、洗えるものはその作業手順を明記している。このような洗濯レシピカードを利用者に提供して、ランドリー装置の利用率を上げることを促進している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-159224号公報
【特許文献2】特開2021-170407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、利用者に洗い方の詳細な情報を簡単に提供できる洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、およびコインランドリーの洗い方支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の洗濯レシピカードは、利用者に提供される洗濯レシピが記載されるカードであって、前記カードには、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コードとが記載され、前記識別コードには、前記洗い方の詳細な情報が提供可能なURLアドレスが記録され、当該識別コードは携帯端末によって読み取ることが可能であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る洗濯レシピカードを提供するコインランドリーの店舗レイアウトの一例を示す図である。
図2】洗濯レシピカードを掲載する洗濯レシピラックの形状、並びに洗濯レシピラックに備え付けられる商品の一例を示す図である。
図3図2に示す洗濯レシピカードを拡大した図である。
図4】(a)は図1に示す大物洗いブースを右側面から見た図であり、(b)は大物洗いブースを左側面から見た図である。
図5図1に示す一般洗いブースを右又は左側面から見た図である。
図6】(a)は、第1ランドリー装置列の配置図を示す図であり、同(b)は第2ランドリー装置列の配置図を示す図である。
図7】(a)は小規模のコインランドリー等に設置される洗濯レシピラックを示す図、(b)小規模のコインランドリーのレイアウト例を示す図である。
図8】「敷布団」の洗濯レシピカードの一例を示す図である。
図9】「掛布団」の洗濯レシピカードの一例を示す図である。
図10】「まくら」の洗濯レシピカードの一例を示す図である。
図11】実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムの構成を示す図である。
図12】(a)は「敷布団」の洗濯レシピカードの識別コードを読取った時に携帯端末に表示されるトップ画面、(b)はトップ画面の「洗濯メニュー」アイコンをタッチした時に携帯端末に表示される画面、(c)はトップ画面の「サポート」アイコンをタッチした時にサービスセンターへのコールを案内する画面、をそれぞれ示す図である。
図13図12(a)の画面から「キルティングあり」を選択した時に移行する「つめもの素材」を入力する画面例を示す図である。
図14】(a)は図13(c)の後に表示される「注意事項」のお知らせ画面、(b)は(a)の画面から「ほつれ」を選択した時に表示されるほつれのサンプル画像の画面、をそれぞれ示す図である。
図15】(a)は敷布団-キルティングありの所要時間目安と料金目安とを示す画面、(a)の次へのボタンをタッチした後の洗い方を案内する開始画面、をそれぞれ示す図である。
図16】(a)、(b)は洗い方のStep.1「布団をたたむ」の画面を示す図である。
図17】(a)はStep.2「洗濯機に入れる」を示す画面、(b)はStep.3「洗濯開始」の要領を示す画面、(c)は洗濯開始にあたってのワンポイントアドバイス画面、をそれぞれ示す図である。
図18】(a)はStep.4「敷ふとん乾燥機に入れる」を示す画面、(c)は敷ふとん乾燥機に布団をセットする画面、(b)はStep.5「敷ふとん乾燥機で30分の乾燥」を示す画面、をそれぞれ示す図である。
図19】(a)はStep.6「ドラム乾燥機でふわふわ仕上げ」を示す画面、(b)はドラム乾燥機に布団をセットする画像を示す画面、(c)Step.7「ふっくら仕上げにお布団に!」の画面、をそれぞれ示す図である。
図20】(a)は側生地および充てん物の素材を選択入力したときに「洗えない素材」と判定された時に示す画面、(b)は洗えない素材に対してドラム乾燥機を使用して乾燥を案内する画面(Step.1)、(c)は洗えない素材に対してドラム乾燥機を使用して乾燥を案内する画面(Step.2)、をそれぞれ示す図である。
図21図13のつめもの素材の確認画面において、「素材が分からない」を選択した場合の案内画面を示す図である。
図22図10に示す「まくら」の洗濯レシピカードの識別コードを携帯端末で読み取った時のトップ画面(ご注意事項)の画面例を示す図である。
図23図22(c)の画面上のボタン「ポリエステル」をタッチした時に、当該「枕(ポリエステル)」の所要時間と料金目安と洗い方の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る洗濯レシピカード、コインランドリーの洗い方支援システム、およびコインランドリーの洗い方支援方法について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る洗濯レシピカードを提供するコインランドリーを上面から見た店舗レイアウトの一例を示している。例示したコインランドリー100の全面積は、例えば約40坪である。コインランドリー100は、利用者の店舗出入口である自動扉10と、入口(自動扉10)から入室した直前に設置される洗濯レシピラック20と、洗濯レシピラック20から奥に向かって設けられる布団等の大物の被洗濯物を扱うときに使用する大物洗いブース(第1作業テーブル)30と、大物洗いブース30と並行して設置される一般洗いブース(第2作業テーブル)40と、大物洗いブース30の奥に設置された第1ランドリー装置列50(洗濯乾燥機列)と、一般洗いブース40に並行して設置された第2ランドリー装置列(乾燥機列)60と、が配置又は設置されている。大物洗いブース30と一般洗いブース40とに対し、第1ランドリー装置列50および第2ランドリー装置列60が利用し易いようにL字形状に配置されている。大物洗いブース30が入口側に設置されているので、利用者に対してコインランドリー100で布団類が洗えることがアピールでき、その結果、コインランドリー100の利用率を向上させることができる。
【0009】
一般洗いブース40は、第1ランドリー装置列50および第2ランドリー装置列60の近い位置に配置されているので、一般の被洗濯物の洗濯、乾燥作業の作業性が良い形状となっている。更に、コインランドリー100には、スタッフルーム70、スニーカーランドリー80、利用者の待合場所でもあり休憩場所でもあるテーブル&椅子セット90a、90b、90c、トイレ等が配置されている。出入口の自動扉10と対峙する洗濯レシピラック20と自動扉10間の距離L1は、例えば120cm~180cm(好ましくは150cm)である。洗濯レシピラック20は、自動扉10と第1ランドリー装置列50との動線上、又は自動扉10と第2ランドリー装置列60との動線上に設置される。つまり、入口とコインランドリー装置群との間に、洗濯レシピラック20が設けられる構造である。また、コインランドリー100内には、人が通る通路幅が確保されている。例えば、大物洗いブース30と第1ランドリー装置列50との距離L2は、大型洗濯乾燥機の開閉扉を開けた時でも通行の邪魔にならない距離が保たれている。また、引出式布団乾燥機62が設置される場所は、引出式布団乾燥機62を引き出せる距離L3が確保されている。第2ランドリー装置列1060と一般洗いブース1040との間も、作業者と通行者が邪魔にならない距離を有している。なお、図1には、ランドリー装置の電気、ガス、水等の配管、並びに複数の柱等は省略している。
【0010】
大物洗いブース30の側面中央には、後述する洗濯ナビ端末32が設けられる。洗濯ナビ端末32は、布団等の大物の被洗濯物の洗える素材、洗えない素材を示すと共に、洗える素材についてはその洗い方を伝授する端末である。一般洗いブース40は、造作たたみ台40a、40bが設けられる。入口側の造作たたみ台40aは、間仕切りによって例えば6つに仕切られており、洗濯・乾燥を終えた被洗濯物を折り畳む等、利用者によって自由に利用することができる。造作たたみ台40bは、仕切りの無い大きな作業テーブルであり、利用者によって自由に利用することができる。造作たたみ台40a、40bの下には、キャスター付きのランドリー籠45(図1の破線)が12台配置されている。ランドリー籠45は、洗濯乾燥前後の被洗濯物を搭載して、ランドリー装置と造作たたみ台40a、40bとの間の移動時に使用することができる。
【0011】
図2は、洗濯レシピカードを掲載する洗濯レシピラック20の形状(正面図、側面)、並びにラックに備え付けている商品の一例を示している。洗濯レシピラック20は、基台200と、基台200の上面と天井の間をアジャスター機構により高さ調整可能な2本の支柱210と、2本の支柱210間に設けられる収納ラック部220と、により構成されている。基台200と2本の支柱210とにより、洗濯レシピラック20は転倒しないようしっかりと固定される。基台200は、例えば幅120cm、高さ約100cm、奥行き30cmである。基台200の上部には、籠230が備え付けるための収納スペース235が設けられている。籠230には、布団洗いネットを縛る長さと色が異なる3種類のバンド240が収納される。バンド240は、中綿のヨレを防止するためのバンドであり、布団を洗濯乾燥する際に必要な道具の一つである。中綿の厚みによって使用するバンド240(長さが50cm、90cm、150cm)の一つを選んで使用する。また、バンド240は座布団やまくら等にも使用しても良い。
【0012】
収納スペース235の下側には、布団洗いネットを掛けるルームバー(掛棒)250が2本取り付けられている。利用者は、洗濯レシピラック20の後方にある大物洗いブース30のテーブルを利用して、広げた布団等を布団洗いネットを用いて使用例に示すように縛る作業を実施することができる。そして、布団洗いネットで縛った布団は、大型のランドリー装置を用いて洗濯乾燥が行われる。布団洗いネットをルームバー250に掛けて収納することで風通しが良く、カビ対策になる。またルームバー250に布団洗いネットが掛かっていることで、引き出しを引くなどのアクション無しで、パッと見ただけで布団洗いネットの収納場所が分かる。
【0013】
洗濯レシピラック20の収納ラック部220には、ポストカードの大きさを有する洗濯レシピカード260を配列する収納枠(ポケット)270が設けられている。収納枠270は、洗濯レシピカード260の全体が見えるように、且つ重なりがないように、太めの針金等で7列×3段(合計21ポケット)形成されている。収納ラック部220は、基台200の上に設けられている。即ち、床面から100cm(腰の高さ程度)の高さに位置するので、利用者が歩行する時の目線(視野内)の高さで洗濯レシピカード260が掲載されている。
【0014】
図3は、洗濯レシピカード260を拡大した図である。洗濯レシピカード260のうち被洗濯物のレシピカードとして、例えば「敷布団」「掛布団」「毛布」「こたつ布団」「まくら」「ダウンジャケット」「ぬいぐるみ」「長座布団」「クッション」「座布団」「カーテン」「ラグ・カーペット」「リュック」等が用意されている。また、被洗濯物以外のレシピカードとして、例えば「プレミアムコース」「除菌消臭スプレー」「静電気防止シート」「シミ抜き剤」「敷ふとん乾燥機」「圧縮機」「夜間割&深夜割」等が用意されている。被洗濯物の各カードの表面にはレシピ名とイラスト図、裏面には洗濯乾燥の手順、所要時間、料金目安等の洗い方の概要が記載されている。被洗濯物によっては、注意事項やマイスターからのアドバイス等も記載されている。
【0015】
図4(a)は、大物洗いブース30を右側面(図1の上側)から見た図であり、図4(b)は、大物洗いブース30を左側面(図1の下側)から見た図である。大物洗いブース30のテーブル36は、例えば幅120cm、長さ500cmの大型たたみ台テーブルである。大物洗いブース30の側面中央には、洗濯ナビ端末32が埋め込まれて設置されている。大物洗いブース30の上方には、照明ランプ34が所定の間隔で複数取り付けられている。大型のテーブル36の下段の複数棚には、図2に示した籠220や布団洗いネットを収納しても良い。大物洗いブース30の主な利用は、布団等の大物洗いの準備として、テーブル36上に布団を広げて、布団洗いネットのネット掛け作業を行う領域として使用される。但し、大物洗いの利用に限定されることなく、利用者の自由な作業エリアとして利用されるものである。
【0016】
図5は、一般洗いブース40を右側面(左側面も同じ)から見た図である。一般洗いブース40は、例えば幅150cm、長さ3mの造作たたみ台40a(第2テーブルA)と、例えば幅150cm、長さ3mの造作たたみ台40b(第2テーブルB)と、で構成される。造作たたみ台40aは、間仕切りにより2×3の6つのブロックに区分けされたテーブルである。1つのブロックは、例えば幅75cm×長さ100cmの大きさである。間仕切りによってプライバシーが保護された状態でコインランドリーを利用することができる。造作たたみ台40bは、区分けの無い大型のテーブルである。造作たたみ台40a、40bの上方には所定の間隔で複数の照明ランプ42が設けられている。造作たたみ台40a、40bの下段スペース(高さ約95cm)には、キャスター付きのランドリー籠45が12台装備されている。利用者は、ランドリー籠45を利用して被洗濯物を移動することができる。そして、造作たたみ台40a、又は40bを利用して、洗濯乾燥を終えた被洗濯物を綺麗に折り畳んで持ち帰ることができる。布団等の大きさに応じて、大物洗いブース30と一般洗いブース40とを使い分けるようにすると良い。
【0017】
図6(a)は、第1ランドリー装置列50の配置図を示す図であり、同(b)は第2ランドリー装置列60の配置図を示す図である。ランドリー装置列50では、例えば、洗濯32kg/乾燥22kgの大型洗濯乾燥機52が3台と、洗濯22kg/乾燥15kgの中型洗濯乾燥機54が2台と、集中精算機56が1台と、がランドリー装置の大きさに従って据え付けられている。第2ランドリー装置列60では、例えば、引出式布団乾燥機62が1台と、乾燥25kgの大型ガス乾燥機64が2台と、乾燥15kg×2の中型2段式ガス乾燥機66が4列(合計8台)と、が据え付けられている。集中精算機56は、ランドリー装置列50,60の洗濯乾燥機および乾燥機の16機と接続されている。集中精算機56は、第1ランドリー装置列50と第2ランドリー装置列60の中間位置にあるので、移動時の負担を軽減している。利用者は、集中精算機56を用いて、被洗濯物を挿入したランドリー装置を選び、表示される設定メニューに従って洗濯回数、すすぎ回数、乾燥時間等を設定する。そして、その設定内容に応じた利用料金を支払うことで、洗濯乾燥又は乾燥が開始される。
【0018】
図7(a)は、小規模のコインランドリー等に設置される第2洗濯レシピラック290を示している。例えば、20坪程度の広さのコインランドリーでは、洗濯レシピラックと設置するスペースを確保できないことがある。そこで、小規模のコインランドリーに設けられる作業テーブル上に、洗濯レシピラック290を設置することで対処する。洗濯レシピラック290の基本的構成は、図2に示した洗濯レシピラック20と同じであるが、収納スペース235の下側が無い。
【0019】
図7(b)は、小規模のコインランドリー(例えば、横幅940cm×奥行き500cm)のレイアウト例を示している。図7(b)では、入口の左右に作業用のカウンターが設置されており、内側に向かって右側のカウンター292には、第2洗濯レシピラックが2台設置されている。第2洗濯レシピラック290aは、外側(例えば、通行人)に向けて洗濯レシピカードが見えるように設置され、第2洗濯レシピラック290bは、内側(利用者)に向けて洗濯レシピカードが見えるように設置されている。小規模のコインランドリーでは、入口とランドリー装置との間は例えば300cm程度しか確保できないので、内部に設置されるカウンター292を利用して、その上に第2洗濯レシピラック290を設置する構成とする。
【0020】
第2洗濯レシピラック290a、290bは、収納スペース235が基台200となってカウンター292上に設置される。これにより、小規模のコインランドリーにおいて、第2洗濯レシピラック290を用いて、ポストカードの大きさを有する洗濯レシピカードを配列して提供される。洗濯レシピカード260は、同様に利用者が歩行する時の目線の視野内の高さで洗濯レシピカード260が提供される。また安全確保のため、天井の間を高さ調整可能な2本の支柱210により転倒しないようしっかりと固定される。洗濯レシピラック290を設置することで、小規模のコインランドリーであっても、洗濯レシピカードを配列して利用者に提供することができる。
【0021】
次に、実施形態の洗濯レシピカードの一例について説明する。
図8は、「敷布団」の洗濯レシピカードの一例である。図9は、「掛布団」の洗濯レシピカードの一例である。図10は、「まくら」の洗濯レシピカードの一例である。
利用者は、希望する洗濯レシピカード260を収納枠270から取り出して、例えばランドリー装置の前で、当該洗濯レシピカード260に記載される操作手順を確認しながら、ランドリー装置の作業等を行うことができる。これにより、不慣れな布団等の大物洗いであっても、熟練マイスターの指導を受けることなく、利用者自身で洗濯乾燥を行うことができるようになる。このように、洗濯レシピカード260には、それぞれの大物洗いについて、ランドリー装置を使った洗濯、乾燥の一部の情報(簡単な操作手順)が記載されているので、利用者に分かり易く使い勝手の良いコインランドリーを提供することができる。
【0022】
図8の「敷布団」の洗濯レシピカード260は、情報量が多いのでポストカードの2倍の大きさであり、半分に折り畳んで掲載される。これに限定されず、ポストカードに統一するために、別々な2枚で作成しても良いし、1枚に収まるように縮小しても良い。「敷布団」の洗濯レシピカード260には「大物洗いサポートセンター」の連絡先電話番号280が掲載されている。洗濯レシピカード260は利用者が自由に持ち帰ることができるので、自宅に居ながら、「大物洗いサポートセンター」へ洗濯、乾燥に関する不明点や不安点等の質問ができる。布団等の大物は、家から持ち出すのは大変な作業である。従って、コインランドリーに布団等を持ち運ぶ前にサポートセンターへ問合せができるので、不安が解消できる。その結果、計画的に大物を洗うようになる。また、「敷布団」の洗濯レシピカード260には、後述する洗い方の詳細な情報を提供する識別コード290(例えば、QRコード(登録商標))が掲載されている。この識別コード290は、利用者が所有する携帯端末(例えば、スマートフォン又はタブレット)によって読み取ることができる。これにより、お客様が安心してコインランドリーを利用して大物洗いを行って頂けるようになり、コインランドリーの利用率向上に繋がる。
【0023】
図9の「掛布団」の洗濯レシピカード260にも、「大物洗いサポートセンター」の連絡先電話番号280および「掛布団」の洗い方の詳細な情報を提供する識別コード290が掲載されている。また、図10の「まくら」の洗濯レシピカード260にも、「大物洗いサポートセンター」の連絡先電話番号280および「まくら」の洗い方の詳細な情報を提供する識別コード290が掲載されている。
【0024】
以下に、図11乃至図23を用いて、大物洗いの洗濯レシピカード260の識別コード290を読み取り、その洗い方の詳細な情報を提供(取得)する手順について説明する。
【0025】
図11は、実施形態に係るコインランドリーの洗い方支援システム500の構成を示している。コインランドリーの洗い方支援システム500は、利用者が所有する携帯端末400(例えば、スマートフォンやタブレット)と、携帯端末400とネットワーク接続される洗濯レシピ提供装置(例えば、サーバー装置)480と、サービスセンター490を有している。コインランドリーの洗い方支援システム500は、利用者の所有する携帯端末400に向けて、問合せを受けた被洗濯物の洗い方に係る詳細な情報を提供する。ここで言う「洗い方」とは、洗濯乾燥を示す場合と、乾燥のみの場合を含むものである。それらは、被洗濯物の素材によって、洗える素材であれば洗濯、乾燥を案内するように移行し、洗えない素材であれば乾燥のみを案内するように移行する仕組みとなっている。
【0026】
図11において、各種の洗濯レシピカード260に記載されている識別コード290(例えば、図8乃至図10を参照)を、携帯端末400を用いて読み取る。識別コード290には、洗濯レシピカード260(被洗濯物)の洗い方を提供するURLアドレスが記載されている。利用者は、携帯端末400に装備されている識別コードの読取り機能を作動させて、識別コード290の読取りを実行する。その識別コード290の読取りによって、携帯端末400の画面にはURLアドレス410が表示される。利用者が、そのURLアドレス410をタッチすると、ネットワーク450を介して携帯端末400と洗濯レシピ提供装置480との接続が完了する。すると、洗濯レシピ提供装置480から洗い方法の詳細な情報が携帯端末400に向けて送信される。洗濯レシピ提供装置480は、ネットワーク450を介して多数の利用者の携帯端末400に、以下の図12乃至図24に示すような洗い方情報を提供することができる。なお、洗濯レシピ提供装置480は、図1に示した洗濯ナビ端末32とネットワークを介して接続して、同じような洗い方情報を提供しても良い。
【0027】
以下、「敷布団」を例に、洗濯レシピ提供装置480からネットワーク450を介して携帯端末400に提供される洗い方情報の各画面例を説明する。
図12(a)は、携帯端末400を用いて、図8に示した「敷布団」の洗濯レシピカードの識別コード290を読取った時に、携帯端末400に表示されるトップ画面505を示している。敷布団では、キルティング加工ありのものと、キルティング加工なしのものとがある。最初に、キルティング加工の確認画面510が携帯端末400に表示される。洗いたい敷布団がキルティング加工ありの場合は、画面上の「キルティングあり」512をタッチする。洗いたい敷布団がキルティング加工なしの場合は、画面上の「キルティングなし」514をタッチする。もしも、キルティング加工あり/加工なしが分からない場合は、「見分け方動画を見る」515をタッチする。すると、布団の上下の生地が縫い合わされているかどうか縫い目を確認してキルティング加工の有無を判断する動画が流れ、それを閲覧することができる。
【0028】
図12(a)のトップ画面505の「キルティング加工の確認」510の横には、「洗濯メニュー」アイコン517と、「サポート」アイコン519が表示されている。そして、「洗濯メニュー」アイコン517をタッチすると、図12(b)に示す画面が表示される。
【0029】
図12(b)では、「洗濯ナビ」の画面530として、被洗濯物(例えば、敷布団、掛布団、枕…)を直接指定して、その洗い方の詳細な情報が閲覧(取得)可能なように設定されている。従って、例えば「敷布団(キルティングあり)」ボタン530aをタッチすれば、他の手順を踏むことなくダイレクトにその洗い方情報を閲覧することができる。これにより、少ない操作で目的の情報を得ることができる。
被洗濯物としては、「敷布団(キルティングあり)」「敷布団(キルティングなし)」「敷布団-綿(和布団)」「掛布団」「カーテン」「クッション」「こたつ布団」「ダウンジャケット」「ぬいぐるみ」「ラグ・カーペット」「リュック」「座布団(綿)」「座布団(洗濯ネット使用)」「長座布団(ポリエステル)」「長座布団(綿)」「枕(ポリエステル)」「枕(羽毛)」「毛布」等)等がある。つまり、上記した被洗濯物の洗濯レシピカード260が存在することを意味する。
【0030】
洗濯レシピカード260は、コインランドリー100から自由に持ち出すことができる。従って、大物洗いのセルフ洗いをコインランドリー100に行かなくても、自宅でも、外出先でも、見て学習することができる。そして、コインランドリー100でいろいろな大物洗いができることが利用者に認知されて広がることによって、コインランドリー100の利用率を図ることができる。
【0031】
図12(a)の画面510で、「サポート」アイコン519をタッチすると、図12(c)に示す「大物洗いサポートセンター」へのコールを案内する画面540が表示される。画面540には、大物洗いサポートセンターの連絡先電話番号が表示される。画面540の網掛けエリア540aのどこかをタッチすると、自動的に大物洗いサポートセンター490に電話接続でき、通話が行える。これにより、大物洗いサポートセンター490に常駐する熟練マイスターから、「洗い方」が分からないこと、或いは「被洗濯物」の扱いで不安に思っていること等を直接問い合わせして、確認することができる。「大物洗いサポートセンター」の画面540は、「サポート」アイコン519だけでなく、後述する図20の画面からも、読み出す(移行する)ことが出来る。
【0032】
図13は、図12(a)の画面から「キルティングあり」512を選択した時に移行(遷移)する「つめもの素材の確認」の画面520を示している。なお、「敷/キ」は敷布団(キルティングあり)の略称を示している。
図13の画面520において、利用者が「側生地」の領域522の網掛け領域内をタッチすると、そのタッチ動作に応じて素材が一つ一つ領域522に表示される。該当する素材が表示されたとき、タッチを止めると素材選択が完了する。同様にして、「充てん物(つめもの)」の領域524の網掛け領域内をタッチする動作で素材を選択入力する。
【0033】
図13の画面520では、「側生地」素材として「ポリエステル」が選択入力され、「充てん物(つめもの)」として「ポリエステル」が選択入力されたときの画面を示している。システムは、素材の入力を受信すると、自動的に洗える素材か否かが判断できるようになっている。画面520では、入力された素材の組み合わせが「洗える素材」526であると判断している。そして、「洗濯方法はこちら」528をタッチすると、洗い方を案内する画面へと移行する。
【0034】
入力された素材の組み合わせが洗える素材であるか否かの判断は、洗濯レシピ提供装置480において行われる。即ち、洗濯レシピ提供装置480は、被洗濯物の素材が洗える素材か洗えない素材かを判断する判断基準テーブル(図示せず)を記憶している。判断基準テーブルは、例えば「敷布団」であれば、横軸に「側生地」の素材、縦軸に「つめもの」の素材が配列され、その組み合わせで洗える素材か洗えない素材かを判別できるように構成されている。例えば、「側生地」の素材が「ポリエステル」「綿」「ポリエステル綿混合」と、「つめもの」の素材が「ポリエステル」「綿」「羊毛50%ポリエステル50」との組み合わせであれば、いずれも「洗える素材」と判断する。それ以外の組み合わせは「洗えない素材」と判断する。
【0035】
14(a)は、図13の「洗濯方法はこちら」528をタッチした後に表示される「ご注意事項」画面550である。同(b)は、画面550から「ほつれ」552をタッチした時に表示される「ほつれ」のサンプル画像554を示す画面である。
図14(a)の画面550では、洗い方を案内する前に「ご注意事項」のお知らせを通知している。即ち、画面550に記述しているように、経年劣化した布団には、「ほつれ」「破れ」「縮み」「色落ち」「ヨレ」「色移り」等の破損リスクがあることを利用者にお知らせする。そして、破損リスクが生じることを納得頂いた上で、利用者にセルフ洗いを実施して頂くことにしている。破損リスクを分かり易く理解頂くために、各リスクの画像を見せる工夫が施されている。例えば、画面550の「ほつれ」552をタッチすると、図14(b)の画面554に示すように「ほつれ」画像を表示して、注意を喚起している。
【0036】
図15(a)は、図14(a)の画面550からボタン「次へ」554をタッチした後に表示される「敷布団-キルティングあり」の所要時間目安と料金目安とを示す画面560、同(b)は同(a)のボタン「次へ」562をタッチした後の洗い方を案内する開始画面564を示している。
【0037】
図15(a)の画面560では、敷布団(シングルサイズの場合)の洗濯、乾燥時間として、工程「1.洗濯」「2.敷ふとん乾燥機」「3.追加のドラム乾燥機」の所要時間目安(推薦時間)を案内する。また、上記の所要時間目安に対応して、工程「1.洗濯」「2.敷ふとん乾燥機」「3.追加のドラム乾燥機」の料金目安を案内する。実際の時間設定と料金支払いは、コインランドリーの設備に応じて、例えば、図6に示す洗濯乾燥機52,54、ふとん乾燥機62、ガス乾燥機64、66から直接的に、又は集中精算機56から間接的に、時間設定および料金支払いを行うことができる。
【0038】
図15(b)の画面564は、洗い方を案内する開始画面として、敷布団の画像566を表示している。この画面564からは、携帯端末400の表示画面に指先を接触した状態で上下に移動する操作に応じて、画面がスクロールアップ又はスクロールダウンさせて、見たい画面を指先操作で見ることができる。
【0039】
図16(a)、(b)の画面570は、工程「1.洗濯」における、洗い方のStep.1「布団をたたむ」を案内表示している。布団を、図6に示した洗濯乾燥機52のドラム内に収納するための折り畳みとして、縦側に二つ折りした後、更に二つ折りする作業を案内する。その折り畳み形状を示す画像として、最初に(a)に示す、布団を広げた画像572を表示、次に(b)に示す、縦側に二つ折りした画像574、更に二つ折りした画像576を表示している。これらの画像572、574、576により、布団の折り畳み作業が一目で理解できる。
【0040】
図17(a)は、洗い方のStep.2「洗濯機に入れる」の案内する画面580、同(b)は洗い方のStep.3「洗濯開始」の案内する画面590、同(c)は洗濯開始にあたってのワンポイントアドバイスを示す画面600を示している。
図17(a)の画面580では、図16(b)に示す画像576の形状に折り畳んだ布団を洗濯乾燥機52のドラム内に入れる動作を案内する。画面580の画像582には、折り畳んだ布団をそのまま洗濯乾燥機のドラムの奥に押し込む様子を表示している。続く図17(b)の画面590では、布団をドラム内に完全に収納した状態の画像592を表示して、洗濯開始を案内する。続く図17(c)の画面600では、布団をドラム内に収納するときの大切なアドバイス(目立つ配色で表示)として「ドラム側面に沿うように布団をドーナツ状に収める」602を表示して、アドバイスを送る。このアドバイスにより、布団をドラム側面に沿うようにドーナツ状に収めることを学習できるので、洗濯時のヨレの発生を防止できる。その結果、「敷布団」を壊すことなくセルフ洗いが実施可能となる。
【0041】
図18(a)は、洗い方のStep.4「敷ふとん乾燥機に入れる」を示す画面610、同(b)は同じStep.4における敷ふとん乾燥機に布団をセットする画像614を示す画面、同(c)は洗い方のStep.5「敷ふとん乾燥機で30分の乾燥」を示す画面620を示している。
図18(a)および(b)の画面610では、工程「2.敷ふとん乾燥機(図6のふとん乾燥機62を参照)」を用いた乾燥の操作を案内する。画像612と画像614では、ふとん乾燥機62に敷布団をセットして、面ファスナーで固定する状態を表示している。図18(c)の画面620では、画像622の表示と共に、ふとん乾燥機62を奥まで戻して、30分の乾燥することを案内している。これらの画像により、ふとん乾燥機62を用いた布団乾燥の仕方を容易に理解することができる。
【0042】
図19(a)は洗い方のStep.6「ドラム乾燥機でふわふわ仕上げ」を示す画面630、同(b)は同じStep.6におけるドラム乾燥機(図6の中型洗濯乾燥機54)に布団を再度セットして乾燥を案内する画像634を示す画面、同(c)は洗い方のStep.7「ふっくら仕上げにお布団に!」を示す画面640を示している。
図19(a)および(b)の画面630は、工程「3.追加ドラム乾燥機」の操作を案内表示する。同(a)の画像632は、布団を縦側に半分に折った後、三つ折りにした画像を表示している。同(b)の画像634は、ドラム乾燥機を用いて40~50分の乾燥処理を案内表示している。図19(c)の画面640は、ドラム乾燥機を用いた乾燥処理の後、布団を広げてクールダウンすることを案内すると共に、ふっくら仕上げの布団の画像642を表示している。これらの画像により、ドラム乾燥機を用いた追加の布団乾燥によって、布団をセルフ洗いでふっくら仕上げることが容易に理解することができる。
【0043】
上述したように、敷布団のセルフ洗いをStep.1~Step.7の各段階に分けて案内すると共に、参考になる画像や必要なアドバイスを提供(表示)しているので、利用者は布団等の大物のセルフ洗いを容易に理解することができる。上述した洗い方の詳細な情報は事前の学習だけでなく、コインランドリー100で持参した大物のセルフ洗いを行う時にリアルタイムに閲覧しながら作業しても良い。
【0044】
図20は、図13のつめもの素材の確認画面520において、洗えない素材を選択した場合の案内画面を示している。
図20(a)は、図13において、側生地として「やぶれ・ほつれ等がある」を入力し、充てん物(つめもの)の素材として「マットレス」を入力したときの画面650、同(b)は洗えない素材の「Step.1」の画面660、同(c)は洗えない素材の「Step.2」の画面670を示している。
【0045】
図13で説明したように、洗濯レシピ提供装置480は、被洗濯物の素材が洗える素材か洗えない素材かを判断する判断基準テーブルを記憶する。その判断基準テーブルを参照して、素材入力された「やぶれ・ほつれ等がある」と「マットレス」の組み合わせは、「洗えない素材」652と判定して、画面650に表示する。更に、ドラム乾燥機を用いて、洗濯はできないが、乾燥だけでも実施すると、湿気を飛ばすと共にダニ対策になることを案内する。そして、その乾燥の仕方をStep.1の画面660、Step.2の画面670のように案内する。
図20(b)の画面660では、布団カバーを外してドラム乾燥機内に入れる画像662を表示している。同(c)の画面670では、ドラム乾燥機で30~40分程度乾燥する画像672を表示すると共に、乾燥後はクールダウンを実施することを案内している。
【0046】
このように、被洗濯物の素材が洗えない素材であっても、利用者は乾燥だけでも実施すると、布団の湿気を飛ばすと共にダニ対策になることが理解できる。よって、利用者は安心してコインランドリーを利用することができ、コインランドリーの利用率を向上することができる。
【0047】
図21は、図13のつめもの素材の確認画面520において、「素材が分からない」を選択した場合の案内画面を示している。
図21(a)は、図13において、「敷き布団」の側生地および充てん物(つめもの)の素材選択のタッチ操作で、「素材が分からない」を選択したときの画面680、同(b)は「掛け布団」の側生地および充てん物(つめもの)について、「素材が分からない」を選択したときの画面690を示している。両画面680、690に表示される「サポートセンターへ」682、692をタッチすると、図12(c)に示した「大物洗いサポートセンター」の画面540に移行する。そして、図12(c)の領域540aをタッチすると、サポートセンター490の熟練マイスターとの通話を直ちに行うことができる。
【0048】
図22は、図10に示す「まくら」の洗濯レシピカード260の識別コード290を携帯端末400で読み取った時のトップ画面(ご注意事項)700を示している。画面700は、スクロールにより(b)(c)が表示される。
図22(a)では、ビーズ枕、およびそばがら枕は、洗濯も乾燥もNGであることを案内712している。同(b)では、ウレタンフォームの枕、および低反発/高反発の枕は、洗濯はNGであるが、乾燥はOKであることを案内714している。同(c)では、ポリエステルの枕、および羽毛の枕は、洗濯も乾燥もOKであることを案内716している。これにより、持参した「まくら」が洗えるものか、洗えないが乾燥はできるものであるかを容易に判断することができる。
【0049】
図23は、図22(c)の画面上のボタン「ポリエステル」718をタッチした時に、当該「枕(ポリエステル)」の所要時間と料金目安と洗い方の一例を示している。
図23(a)は、「枕(ポリエステル)」の所要時間目安と料金目安を案内する画面720を示し、工程「洗濯・乾燥コース」の所要時間目安(推薦時間):60分を案内する。また、工程「洗濯・乾燥Sサイズ」の料金、「洗濯・乾燥Mサイズ」の料金目安を案内する。図23(b)の「洗い方」画面740では、まくらの画像742が表示される。なお、時間設定および料金支払いは、洗濯乾燥機54から直接的に、又は集中精算機56から間接的に行うことができる。
【0050】
以上のように、実施形態の洗濯レシピカードは、利用者に提供される洗濯レシピが記載されるカード260であって、カード260には、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コード290とが記載され、識別コード290には、洗い方の詳細な情報が提供可能なURLアドレス410が記録され、当該識別コード290は携帯端末400によって読み取ることが可能である。これにより、コインランドリー100の利用者に提供される洗濯レシピカード260から、布団等の大物のセルフ洗いの洗い方情報を簡単に取得することが出来る。洗濯レシピカード260により、コインランドリー100でなくても、自宅に居ても又は外出先であっても大物のセルフ洗いを学習することが出来る。従って、利用者の知識が高まり、コインランドリー100の利用率を向上することが出来る。
【0051】
また、実施形態の洗濯レシピカードには、サポートセンター490の連絡先番号280が掲載されている。これにより、洗濯レシピカード260は利用者が自由に持ち帰ることができるので、自宅に居ても又は外出先であっても、「サポートセンター」へ洗濯乾燥の問合せすることできる。布団等の大物は、家から持ち出すのは大変な作業である。従って、コインランドリー100に布団等を持ち運ぶ前にサポートセンター490へ質問ができるので、大物のセルフ洗いにおける不安が解消できる。
【0052】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムは、店舗内にランドリー装置が設置されているコインランドリー100に配置され、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コード290が記載される洗濯レシピカード260と、洗濯レシピカード260の識別コード290を読み取り、当該識別コード290が示すURLアドレス410にアクセスした携帯端末400に対し、洗い方の詳細な情報を提供する洗濯レシピ提供装置480と、を有する構成である。これにより、コインランドリーの利用者に提供される洗濯レシピカード260から、布団等の大物のセルフ洗いの洗い方情報を簡単に取得することが出来る。洗濯レシピカード260により、コインランドリー100でなくても、自宅に居ても又は外出先であっても大物のセルフ洗いを学習することが出来る。従って、利用者の知識が高まり、コインランドリー100の利用率を向上することが出来る。
【0053】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムおよび洗い方支援方法において、洗濯レシピ提供装置480から携帯端末400に提供される識別コード290に対応するトップ画面505には、サポートセンター490にコールできる画面540を読み出すことが可能なサポートアイコン519と、被洗濯物毎の洗い方の詳細な情報を直接読み出すことが可能な洗濯メニューアイコン517と、が表示される。これにより、サービスセンター490への問合せが簡単に行うことが出来る。また、被洗濯物毎の洗い方の詳細な情報を少ない手順で簡単に取得することが出来る。
【0054】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムおよび洗い方支援方法において、つめもの素材の確認用の画面から被洗濯物の素材情報を受信した時、洗濯レシピ提供装置480は、素材情報に基づきに洗える素材か否かを判断し、洗える素材と判断した場合は、携帯端末400に向けて洗い方の詳細な情報を提供するものである。これにより、被洗濯物の素材入力を行うだけで、洗濯レシピ提供装置480が洗える素材であるか否かを判断するので、大物セルフ洗いの不安を解消することが出来る。
【0055】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムおよび洗い方支援方法において、洗濯レシピ提供装置480は、被洗濯物の素材が分からないとの情報を受信した場合、サポートセンター490にコールできる画面680、690、540を提供するものである。これにより、被洗濯物の素材が分からない場合には、直ちにサービスセンター490へ問合せができて、後の処理方法を確認することが出来る。その結果、大物セルフ洗いの不安を解消することが出来る。
【0056】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムおよび洗い方支援方法において、洗濯レシピ提供装置480は、洗い方の詳細な情報中に、洗い方の複数のステップに参考になる画像を含めて提供するものである。これにより、洗い方の複数のステップに参考になる画像が案内表示されるので、洗い方要領の理解を深めることが出来る。その結果、利用者の大物セルフ洗いの不安を解消することが出来る。
【0057】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援システムのおよび洗い方支援方法において、洗濯レシピ提供装置480は、洗い方の詳細な情報に注意事項および必要なアドバイス情報を含めて提供するものである。これにより、大物セルフ洗いにおける破損リスクを事前に学習することが出来る。また、アドバイス情報に従って作業することで、被洗濯物を壊すようなこと避けることが出来る。
【0058】
また実施形態のコインランドリーの洗い方支援方法は、店舗内にランドリー装置が設置されているコインランドリー100に配置され、少なくとも洗い方の一部の情報と識別コード290が記載される洗濯レシピカード260を用いたコインランドリーの洗い方支援方法であって、携帯端末400を用いて洗濯レシピカード260の識別コード290を読み取り、識別コード290が示すURLアドレス410にアクセスし、アクセスを受信した洗濯レシピ提供装置480から携帯端末400に対し、URLアドレス410が示す被洗濯物に係る洗い方の詳細な情報を提供するものである。これにより、コインランドリー100の利用者に提供される洗濯レシピカード260から、利用者は布団等の大物のセルフ洗いの洗い方の詳細な情報を簡単に取得することが出来る。また、洗濯レシピカード260により、コインランドリー100でなくても、自宅に居ても又は外出先であっても大物のセルフ洗いを学習することが出来る。従って、利用者の知識が高まり、コインランドリー100の利用率を向上することが出来る。
【0059】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
100…コインランドリー
10…出入口の自動扉、 20…洗濯レシピラック
30…大物洗いブース(第1作業テーブル)、 32…洗濯ナビ端末
34、42…照明ランプ、 40…一般洗いブース(第2作業テーブル)
40a、40b…造作たたみ台、 45…キャスター付きのランドリー籠
50…第1ランドリー装置列(洗濯乾燥機)、 52…大型洗濯乾燥機
54…中型洗濯乾燥機、 56…集中精算機
60…第2ランドリー装置列(乾燥機)、 62…引出式布団乾燥機
64…大型ガス乾燥機、 66…中型2段式ガス乾燥機
70…ペットランドリー室、 80…トイレ付きのスタッフルーム
90…スニーカーランドリー、 95a、95b…テーブル&椅子セット
200…基台、 210…支柱、 220…収納ラック部、 230…籠
235…収納スペース、 240…バンド、 250…ルームバー(掛棒)
260…洗濯レシピカード、 270…収納枠(ポケット)
400…携帯端末(スマートフォン又はタブレット)、 450…ネットワーク
480…洗濯レシピ提供装置(サーバー装置)
490…サービスセンター
図1
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