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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122386
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】乾燥機および乾燥方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/40 20200101AFI20230825BHJP
   D06F 34/06 20200101ALI20230825BHJP
   D06F 35/00 20060101ALN20230825BHJP
【FI】
D06F58/40
D06F34/06
D06F35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026058
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 清和
(72)【発明者】
【氏名】椙山 秀昭
【テーマコード(参考)】
3B167
3B168
【Fターム(参考)】
3B167AA24
3B167AB42
3B167AC21
3B167AD02
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE07
3B167BA78
3B167HA11
3B167JA41
3B167JA68
3B167KA32
3B167LA08
3B167LA09
3B167LA23
3B167LA24
3B167LA32
3B167LA39
3B167LC10
3B167LE07
3B167LF01
3B167LG05
3B168AA24
3B168AB42
3B168AC21
3B168AD02
3B168AE04
3B168AE05
3B168AE07
3B168BA78
3B168JM01
3B168JM02
3B168JM03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マット状部材の蒸らし工程の前に予熱工程を導入して、マット状部材の過乾燥を軽減できる乾燥機および乾燥方法を提供する
【解決手段】乾燥機100はヒーター220と、排気ファン230と、載置部300を収容する乾燥空間Dと、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに送出する蒸気バルブ510と、蒸気バルブ510の開閉制御、および排気ファン230の駆動制御する制御手段400と、を備え、制御手段400は、蒸気バルブ230を閉状態として、ヒーター220からの温風によりマット状部材Fの内部温度が第1設定温度になるまでマット状部材Fを予熱し、蒸気バルブ510を開状態として、排気ファン230を第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、マット状部材Fを蒸らし、蒸気バルブ510を開状態として、蒸気を含んだ温風を用いて載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥する
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターと、
排気ファンと、
載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、
ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、
前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、
を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機であって、
前記制御手段は、
前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱し、
前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らし、
前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容する前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥する
ことを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
前記マット状部材を乾燥は、前記ヒーターから温風により前記マット状部材の内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥することを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記マット状部材の内部温度が第2設定温度以上に一定時間なった場合、前記マット状部材の内部温度が第3設定温度以下になるまで冷却することを特徴とする請求項2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記第1設定温度は45℃であり、第2設定温度は70℃であり、第3設定温度は50℃であることを特徴とする請求項2又は3に記載の乾燥機。
【請求項5】
ヒーターと、排気ファンと、載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機の乾燥方法であって、
前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱するステップと、
前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らしステップと、
前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容した前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥するステップと、
を有することを特徴とする乾燥方法。
【請求項6】
前記乾燥するステップは、前記ヒーターから温風により前記マット状部材の内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥することを特徴とする請求項5に記載の乾燥方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乾燥機および乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄などによって水分を含んだ布団やマットレス等のマット状部材を乾燥させる乾燥機が知られている。このような乾燥機として、ガスヒーターからの加熱された空気が流入する乾燥空間が筐体内に画成され、この乾燥空間内にマット状部材の載置部を配し、この載置部の内部に画成された内部空間と乾燥空間とを連通させ、載置されたマット状部材に加熱された空気を通過させることによってマット状部材の乾燥を行うものがある。
【0003】
また、先行技術として、乾燥室への加熱蒸気の供給を停止させた後に、該乾燥室内に蒸気が充満した状態を暫く維持し、その後に熱風乾燥行程を行なう構成とするものが提案されている(特許文献1)。しかしながら、先行技術では、蒸気供給手段により乾燥室内に加熱蒸気を供給することで、加熱蒸気が寝具類の表面から内部に浸透し、寝具類の内部に至るまで殺菌を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-276799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明が解決しようとする課題は、マット状部材の蒸らし工程の前に予熱工程を導入して、高温の温風に蒸気を含めることでマット状部材の過乾燥を軽減できる乾燥機および乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の乾燥機は、ヒーターと、排気ファンと、載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機である。前記制御手段は、前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱し、前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らし、前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容する前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態の乾燥機の概略の構成を示す図である。
図2】ボイラーからの蒸気を乾燥空間に噴霧する一例を示す図である。
図3】実施形態に係る乾燥機の制御装置の構成例を示す図である。
図4】実施形態に係る乾燥機の動作を示す第1フローチャートである。
図5】実施形態に係る乾燥機の動作を示す第2フローチャートである。
図6】ボイラーの設置位置、並びに蒸気噴霧部材の構成例1を示す図である。
図7】ボイラーの設置位置、並びに蒸気噴霧部材の構成例2を示す図である。
図8】ボイラーの設置位置、並びに蒸気噴霧部材の構成例3を示す図である。
図9】ボイラーの設置位置、並びに蒸気噴霧部材の構成例4を示す図である
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0009】
図1は、コインランドリーに設置される実施形態の乾燥機の概略の構成例を示す図である。乾燥機100は、本体部200と、本体部200内に収容されて、乾燥機100による乾燥対象物であるマット状部材F(例えば、各種の繊維で作られた敷布団や掛布団、毛布、カーテン等)を載置するための可動型のマット載置部300とを備える。
【0010】
本体部200は、筐体210と、ガスヒーター220と、排気ファン230と、制御部400(図3を参照)とを備える。筐体210は、全体として中空略直方体の箱状に形成され、上方壁部、一対の側方壁部、後方壁部、底壁部、扉部により囲われた乾燥空間Dが内部に画成される。この乾燥空間D内に可動型のマット載置部300を収容する。
【0011】
マット載置部300のマット状部材Fの載置部には、多数の貫通孔が千鳥状又は格子状に設けられている。乾燥空間Dに送風された温風は、マット状部材Fの繊維内を通過することで乾燥が行われる。繊維内を通過することで水分を吸収した温風は、マット載置部300の多数の貫通孔を介して内側を通り抜け、下方排気流路260、垂直流路270を介して外部に排出される。下方排気流路260には、マット状部材Fを透過した排出風温度を推定するための温度センサー450が設けられる。温度センサー450は、マット状部材Fの内部温度を間接的に測定する。
【0012】
筐体210の扉部(例えば、筐体210の右側)は、一方の側方壁部に蝶番等により開閉可能に取り付けられ、前方側から乾燥空間Dへのマット載置部300の出し入れを可能としている。扉部の一部は、例えばガラスなどの光透過性を有する窓部として形成され、さらに使用者が扉部を開閉させるための把持部が設けられている。マット載置部300の上にマット状部材Fを掛ける場合、筐体210の乾燥空間Dから外側に引き出され、載置後は元の位置に戻される。
【0013】
ガスヒーター220は、筐体210の上方壁部に設けられており、ガスバーナを有する。このガスバーナにより温風取り込み口240から蒸発板250に流入する空気を加熱する。加熱された空気は温風Aとなって、接続パイプを介して乾燥空間Dに向けて吐出される。
【0014】
排気ファン230は、例えばガスヒーター220の横側に設けられている。排気ファン230の後方には、空気の逆流を防止するためのチャッキダンパ235が設けられている。排気ファン230は、乾燥空間D内の空気を吸気し、チャッキダンパ235を介して外部へ排出する。乾燥空間D内のマット状部材Fに向けて送風された温風は、マット状部材Fの繊維内を通過することで温度が下がった空気となり、マット載置部300の多数の貫通孔を介して内側を通り抜け、更に下方排気流路260、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して外部に排出される。
【0015】
乾燥機100は、乾燥空間D内のマット状部材Fを洗浄する機構として、ボイラー500と、蒸気バルブ510と、が設けられる。ボイラー500は、水蒸気を発生して、蒸気バルブ510に供給する。蒸気バルブ510は、制御部400によりその開閉時間が制御される。これにより、蒸気バルブ510の開閉時間で水分量が調整された蒸気が生成されて、蒸気吹込み口520から筐体210の乾燥空間D内に吹き込まれる。
【0016】
蒸気吹込み口520からの蒸気は、筐体210の乾燥空間D内に吹き込まれる。乾燥空間D内には、ガスヒーター220で生成された温風Aが送風されおり、乾燥空間D内では、温風と蒸気とが混ざり合った湿気を含んだ温風が生成される。この湿気を含んだ温風が乾燥風となってマット状部材Fの繊維内を通過して乾燥処理が実行される。繊維内の湿気を吸収した空気は、マット載置部300の多数の貫通孔を介して内側を通り抜け、更に下方排気流路260、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して外部に排出される。
【0017】
図2は、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに噴霧する一例を示す図である。
図2(a)では、左側壁の中央上部(それ以外の上部位置でも可)にボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに噴霧する1つの噴霧孔550が設けられている構成を示す。
図2(b)(c)では、左右の側壁の対角線上の上部にボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに噴霧する2つの噴霧孔550a、550bが設けられている構成を示す。2つの噴霧孔550a、550bは、図2(c)に示すように噴霧孔550aは奥側(図では上部)に設けられ、噴霧孔550bは手前側(図では下側)の対角線上にそれぞれ設けられる。ボイラー500は、開閉制御される蒸気バルブ510、510a、510bによって、噴霧孔550、550a、550bから噴霧される蒸気量が制御される。ここでは、1つの噴霧孔500、又は2つの噴霧孔550a、550bを設けるとしたが、3つ以上の噴霧孔を設けても良い。また、噴霧孔500、550a、550bは、乾燥空間Dの全体に水蒸気が短時間で満遍なく噴霧できる位置を選んで設けることが望ましい。
【0018】
乾燥機100を使用する際は、使用者が扉部を開けて、乾燥空間Dに収容されたマット載置部300を外部に引き出し、その上にマット状部材Fを載置する。載置後にマット載置部300を後方(収納方向)に移動させて、再度乾燥空間Dに収納して、扉部を閉める。その後、使用者が操作パネル(不図示)を操作して、乾燥機100に所望の乾燥運転を設定して開始させることにより、マット状部材Fの乾燥が行われる。
【0019】
図2(a)では、ボイラー500からの蒸気を噴霧孔550から乾燥空間Dに、後述する設定時間の間で噴霧する。図2(b)(c)では、ボイラー500からの水蒸気を噴霧孔550a、550bから乾燥空間Dに、後述する設定時間の間で噴霧する。これにより、排気ファン230を駆動された状態では、乾燥空間D内に噴霧された蒸気がマット状部材F内を通過する。そして、内部空間D、T、下方排気流路260、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して湿気を含む空気が外部へ排出される。これにより、マット状部材Fの洗浄を行うことができる。
【0020】
図3は、実施形態の乾燥機100の制御装置の構成例を示す図である。
制御装置は、ROM/RAM410やタイマー420等を内蔵する制御部400に、上述したガスヒーター220、排気ファン230、ボイラー500、蒸気バルブ510が接続されている。また、制御部400には、乾燥機100に設けられる操作入力部(例えば、タッチパネル)430、料金入力部440、温度センサー450等が接続されている。制御部400は、ROMに記憶したプログラムによって乾燥機100全体を制御する。RAM410は、作業メモリとして用いられる。操作入力部430は、利用者によって操作され、乾燥時間の設定や被乾燥物の素材等が入力される。料金入力部440には、利用者によって乾燥時間に応じた利用料金が入力される。料金入力部440に代えて、集中精算機からの料金入力信号を受信する構成であっても良い。
【0021】
図4図5は、実施形態に係る乾燥機100の動作を示すフローチャートである。
利用者は、マット状部材Fを乾燥空間Dに収容して、温風が通過可能な状態に載置する(S100)。そして、操作入力部440から乾燥時間(例えば、15分)等を入力して、開始指示を行う。乾燥機100は制御部400の制御下で、予熱工程-蒸らし工程-乾燥工程-冷却工程の自動運転を開始する。
【0022】
(予熱工程)
制御部400は、ガスヒーター220、排気ファン230、ボイラー500等を作動する。この時の排気ファン230のモータ駆動周波数は、例えば50Hz程度が好ましい。温風取り込み口240から吸気された空気は、ガスヒーター220により暖められて温風Aとなって、乾燥空間Dに向けて供給する(S110)。
【0023】
制御部は、温風による予熱を開始すると、温度センサー450の測定値からマット状部材Fの内部温度が第1設定温度(例えば、45℃)以上になったか否かを確認する(S120)。温度センサー450によって測定した出口排気温度が35℃程度になれば、マット状部材Fの内部が45℃以上になったと判断することが出来る。制御部400は、出口排気温度が35℃程度になるまで、温風の送風を続ける。乾燥空間Dの室温にもよるが、2分~3分で出口排気温度は35℃となる。こうして、マット状部材Fの内部温度を上げた状態を作ることができる。マット状部材Fが冷たいと、その表面が結露しまう虞がある。すると、この後の蒸らし工程において、マット状部材Fの内部に蒸気を透湿させることが出来なくなるが、実施形態では結露の発生を防止し、且つ蒸気の透湿を高めて洗浄作業の効果を上げることが出来る。
【0024】
なお、マット状部材Fの内部温度(第1設定温度)は、45℃±10で制御することが好ましい。内部温度が60℃以上では、単位時間あたりの蒸気量が多く必要となってしまう。また、内部温度が30℃以下では、マット状部材Fの表面で結露しすぎてしまうため、以降の工程での乾燥に時間が掛かる。
【0025】
(蒸らし工程)
制御部400は、マット状部材Fの内部が45℃以上になったと判断すると、蒸気バルブ510を常時開(オープン)状態に設定して、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに供給する(S130)。乾燥空間Dに蒸気が供給されると、制御部400は排気ファン230を第1設定時間(例えば、35秒)停止する(S140)。その後、排気ファン230を第2設定時間(例えば、25秒)駆動する(S150)。排気ファン230のモータ駆動周波数は、例えば15Hz程度が好ましい。制御部400は、排気ファン230を第1設定時間の停止動作と第2設定時間の駆動動作のファン間欠運転を3回(N=N+1)繰り返し実行する。繰り返し回数Nは、任意に設定可能であるが3~4回が好ましい。
【0026】
蒸らし工程における排気ファン230のモータ駆動周波数は、予熱工程より低い駆動周波数(15Hz程度)で駆動しているので、ゆっくりと効率よく乾燥空間D内の調湿することが出来る。なお、排気ファン230の間欠運転が1~2回であると、乾燥空間D内の湿度が100%にならない虞がある。また、排気ファン230の間欠運転が5回以上(特に、10回以上)であると、乾燥空間Dの水分量が多くなりすぎて、その後の乾燥工程での乾燥時間が長くなる。
【0027】
このように、予熱工程後の第1設定時間(例えば、35秒)の排気ファン230の停止によって、蒸気バルブ510からの蒸気が乾燥空間Dに充満して、乾燥空間Dを湿度100%にすることが出来る。そして、第2設定時間(例えば、25秒)の排気ファン230を低速回転で駆動することで、湿度100%の空気がマット状部材Fの内部を透過して排気される。このサイクルを設定回数(例えば、3回)実行することで、合計3分、100%湿度を維持したこととなる。実施形態では、蒸らし工程で蒸気を用いているので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。従って、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。
【0028】
蒸らし工程のポイントは以下の通り
1)排気ファン230を停止して蒸気を乾燥空間Dに供給する。
2)湿気が必要なため、水やお湯の空間散布でも構わない。
3)乾燥空間Dを湿度100%以上にする。
4)マット状部材Fに湿気を透過させるため微風で排気する。
5)排気は乾燥空間Dの湿度が約100%を保てる状態を維持できる量とする。
6)排気の量は排気ファン230のON/OFF間欠運転で調整しても良い。
【0029】
制御部400は、排気ファン230の間欠運転を設定回数(例えば3回)実行した後、蒸気バルブ510を閉塞する(S180)と共に、排気ファン230を駆動する。その後、加工剤を乾燥空間Dに噴霧する加工剤噴霧工程を実施する(S190)。加工剤としては、消臭/除菌/香り付け/防ダニ等を目的としたものが使用される。
【0030】
(乾燥工程)
制御部400は、蒸気バルブ510を開状態にして、ガスヒーター220からの温風Aを乾燥空間Dのマット状部材Fに向けて送風する(S200)。この時の排気ファン230のモータ駆動周波数は、例えば50Hz程度が好ましい。乾燥空間Dでは、蒸気を含んだ状態であるので、湿った温風が乾燥風となってマット状部材Fに向けて送風される。そして、マット状部材Fの内部温度が第2設定温度(例えば、70℃)以上になるまで継続する(S210-S200)。上述した温度管理にて、温度センサー450によって測定した出口排気温度が60℃程度になれば、マット状部材Fの内部が70℃以上になったと判断することが出来る。マット状部材Fの内部温度が70℃以上で一定時間(例えば、1分程度)保つ状態となったならば、乾燥が終わったと判断して冷却工程に移行する(S210のYes)。なお、乾燥工程の温風は、調湿しても、調湿しなくても良い。調湿しない場合は、蒸気バルブ510は閉状態にして乾燥しても良い。また、マット状部材Fの内部温度(例えば70℃)は、ダニ死滅温度60℃以上をターゲットにしている。
【0031】
(冷却工程)
制御部400は、ガスヒーター220の動作を停止して、冷風を乾燥空間Dのマット状部材Fに向けて送風する(S220)。上述した温度管理にて、温度センサー450によって測定した出口排気温度が50℃以下になれば、マット状部材Fの内部が50℃以下になったと判断することが出来る。そして、マット状部材Fの内部温度が第3設定温度(例えば、50℃)以下になった時点で乾燥機100の動作を停止する。マット状部材Fの内部温度が50℃で停止するので、適度の柔らかさを残すので、ふんわり仕上げの乾燥を行うことが出来る。
【0032】
図6乃至図9は、ボイラーの設置位置、並びに蒸気噴霧部材の構成例を示している。
図6(a)は構成例1に係る乾燥機100の斜視図、同(b)は正面図を示している。図6では、ボイラ500を乾燥機100の外側に配置した構成である。ボイラ500の内部には水が貯蔵されており、その水が加熱されることで高圧高温の水蒸気が発生される。ボイラ500は、蒸気バルブ(不図示)を介して載置台300の上部左右の乾燥空間Dに設けられた蒸気噴霧部材(以下、蒸気噴霧パイプと称する)530、540に接続されている。蒸気噴霧パイプ530、540には、長手方向に載置台300に向けた多数の小孔が設けられている。
【0033】
ボイラ500からの蒸気は、図6(b)に示すように、蒸気噴霧パイプ530、540の多数の小孔から乾燥空間Dに向けて噴霧される。図1で示したように、排気ファン230による吸引が開始して、乾燥空間Dの載置台300に載置されるマット状部材Fに向けて多数の小孔から高温の蒸気を噴霧すると、内部空間Pに向けて吸引される。マット状部材Fを通過した蒸気は、内部空間T、下方排気流路260、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して外部へ排出される。これにより、マット状部材Fの洗浄が行なわれる。図6では、蒸気噴霧パイプ530、540の多数の小孔から、例えば矢印で示す3方向に噴霧している様子を示している。水蒸気を噴出する小孔の形状や数、噴霧する方向等は、最適なものが設計されて良い。
【0034】
図7(a)は構成例2に係る乾燥機100の斜視図、同(b)は正面図を示している。図7では、構成例1と同様にボイラ500を乾燥機100の外側に配置した構成である。構成例1との違いは、蒸気噴霧パイプ530が載置台300の下側(内部空間T)に設けられている点である。即ち、図7(b)に示すように、ボイラ500からの蒸気は、蒸気バルブ510を介して乾燥機100の載置台300の中央下部(正面から見た場合)に設けられた蒸気噴霧パイプ530から内部空間Pに向けて噴霧される。載置台300には、マット状部材Fが載置されるので、蒸気噴霧パイプ530から内部空間Pを経由して、内側からマット状部材Fに向けて高温の蒸気を噴霧することによって、マット状部材Fを洗浄することが出来る。マット状部材Fを通過した蒸気は開閉窓(シャッター)535、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して外部へ排出される。開閉窓535は、洗浄工程における排気ファン230の稼働と共に、開状態を維持するよう制御される。
【0035】
図7の蒸気噴霧パイプ530にも、水蒸気を内部空間Pに向けて噴出する小孔が長手方向に多数設けられている。図7(b)では、蒸気噴霧パイプ530から、例えば矢印で示す7方向に噴霧している様子を示している。水蒸気を噴出する小孔の形状や数、噴霧する上向き方向等は、最適なものが設計されて良い。なお、図7では蒸気噴霧パイプ530を台座部32の内部空間Tに設ける構成としたが、載置台300の内部空間Pに設けても良い。
【0036】
図8は、構成例3の乾燥機100の斜視図、同(b)は正面図を示している。図8では、図7と同じく下側に蒸気噴霧パイプ530aを設けると共に、載置台300の内部空間Pの上側にも蒸気噴霧パイプ530bを設けた構成を示す。蒸気噴霧パイプ530bは、配管545によってボイラ500に接続されている。この例では、蒸気噴霧パイプ530aから矢印で示す6方向に蒸気を噴霧し、蒸気噴霧パイプ530bから矢印で示す5方向に水蒸気を噴霧するとしているが、蒸気を噴出する小孔の形状や数、噴霧する方向等は、最適なものが設計されて良い。図8(b)に示すように、載置台300には、マット状部材Fが載置されるので、蒸気噴霧パイプ530a、530bから内部空間Pを経由して、内側からマット状部材Fに向けて高温の蒸気を噴霧することによって、マット状部材Fを洗浄することが出来る。マット状部材Fを通過した蒸気は、開閉窓535、垂直流路270、チャッキダンパ235を介して外部へ排出する。開閉窓535は、洗浄工程における排気ファン230の稼働と共に、開状態を維持するよう制御される。
【0037】
図9(a)は構成例4に係る乾燥機100の斜視図、同(b)は正面図を示している。図9では、ボイラ500を乾燥機100に内蔵した構成である。乾燥機100に内蔵のボイラ500は、蒸気バルブ(不図示)を介して配管570を経由して左右の蒸気噴霧パイプ530、540に接続されている。蒸気噴霧パイプ530、540に長手方向に設けられる多数の小孔から乾燥空間Dに向けて蒸気が噴霧される。その他の構成および動作は、図6に示した構成例1と同じなので説明は省略する。構成例4においても、載置台300には、マット状部材Fが載置されるので、乾燥空間Dのマット状部材Fに向けて高温の蒸気を噴霧することによって、マット状部材Fを洗浄することが出来る。
【0038】
このように実施形態の乾燥機によれば、予熱工程によってマット状部材Fの内部温度を第1設定温度以上に上げているので、蒸らし工程における蒸気の透湿を高めることが出来る。また、蒸気での蒸らし工程であるので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。また、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。
【0039】
上記のように実施形態の乾燥機は、ヒーター220と、排気ファン230と、載置部300を収容する乾燥空間Dにヒーター220から温風が送出される筐体210と、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに送出する蒸気バルブ510と、蒸気バルブ510の開閉制御、および排気ファン230の駆動制御する制御手段400と、を備え、載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥する乾燥機であって、制御手段400は、蒸気バルブ230を閉状態として、ヒーター220からの温風によりマット状部材Fの内部温度が第1設定温度になるまでマット状部材Fを予熱し、蒸気バルブ510を開状態として、排気ファン230を第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、マット状部材Fを蒸らし、蒸気バルブ510を開状態として、蒸気を含んだ温風を用いて乾燥空間Fに収容する載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥するものである。これにより、マット状部材Fの内部温度を第1設定温度以上に上げているので、蒸らし工程における蒸気の透湿を高めることが出来る。また、蒸気での蒸らし工程であるので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。また、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。
【0040】
また、実施形態の乾燥機は、マット状部材Fの乾燥はヒーター220から温風によりマット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥する。これにより、マット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上となれば、ダニを死滅させることが出来る。
【0041】
また、実施形態の乾燥機の制御手段400は、マット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上に一定時間なった場合、マット状部材Fの内部温度が第3設定温度以下になるまで冷却するとしている。これにより、第3設定温度以下になると停止するので、適度の柔らかさを残すので、ふんわり仕上げの乾燥を行うことが出来る。
【0042】
また、実施形態の乾燥機は、第1設定温度は45℃であり、第2設定温度は70℃であり、第3設定温度は50℃であるとしている。これにより、第1設定温度は45℃によりマット状部材Fの結露を防ぐことが出来、また第2設定温度は70℃によりダニ等を死滅することが出来る。また、第3設定温度が50℃で停止するので、適度の柔らかさを残すので、ふんわり仕上げの乾燥を行うことが出来る。
【0043】
上記した実施形態の乾燥方法は、ヒーター230と、排気ファン230と、載置部300を収容する乾燥空間Dにヒーター230から温風が送出される筐体210と、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに送出する蒸気バルブ510と、蒸気バルブ510の開閉制御、および排気ファン230の駆動制御する制御手段400と、を備え、載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥する乾燥機の乾燥方法であって、蒸気バルブ510を閉状態として、ヒーター220からの温風によりマット状部材Fの内部温度が第1設定温度になるまでマット状部材Fを予熱するステップ(S110、S120)と、蒸気バルブ510を開状態として、排気ファン230を第1設定時間停止し、その後に第2設定時間駆動するサイクルを実行して、マット状部材Fを蒸らしステップ(S130-S170)と、蒸気バルブ510を開状態として、蒸気を含んだ温風を用いて乾燥空間Dに収容した載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥するステップ(S220、S210)と、を有するものである。これにより、マット状部材Fの内部温度を第1設定温度以上に上げているので、蒸らし工程における蒸気の透湿を高めることが出来る。また、蒸気での蒸らし工程であるので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。また、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。
【0044】
また、実施形態の乾燥方法の乾燥するステップ(S220、S210)は、ヒーター220から温風によりマット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥するものである。これにより、マット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上となれば、ダニを死滅させることが出来る。
【0045】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
100…乾燥機、200…本体部、 210…筐体、 220…ガスヒーター
230…排気ファン、 235…チャッキダンパ、 240…温風取り込み口
250…蒸発板、 260…下方排気流路260、 270…垂直流路
300…マット載置部、 400…制御部、 410…RAM、 420…タイマー
430…操作入力部、 440…料金入力部、 450…温度センサー
500…ボイラー、 510…蒸気バルブ、 520…蒸気吹込み口
530、530a、530b、540…蒸気噴霧パイプ
550、550a、550b…噴霧孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターと、
第1モータ駆動周波数と、前記第1モータ駆動周波数より低い第2モータ駆動周波数と、によって駆動可能な排気ファンと、
載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、
ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、
前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、
を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機であって、
前記制御手段は、
前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱し、
前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後前記排気ファンを前記第2モータ駆動周波数で第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らし、
前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容する前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥する
ことを特徴とする乾燥機。
【請求項2】
前記第2モータ駆動周波数は、前記第1モータ駆動周波数の1/2以下であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
前記排気ファンの停止と駆動のサイクルを設定回数実行して、前記乾燥空間の湿度を調整する請求項に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記マット状部材を前記第1設定温度になるまで予熱したあと、前記ヒーターから温風により前記マット状部材の内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥し、
前記マット状部材の内部温度が第2設定温度以上に一定時間なった場合、前記マット状部材の内部温度が第3設定温度以下になるまで冷却し、
前記第1設定温度は45℃であり、前記第2設定温度は70℃であり、前記第3設定温度は50℃であることを特徴とする請求項に記載の乾燥機。
【請求項5】
ヒーターと、第1モータ駆動周波数と、前記第1モータ駆動周波数より低い第2モータ駆動周波数と、によって駆動可能な排気ファンと、載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機の乾燥方法であって、
前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱するステップと、
前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後前記排気ファンを前記第2モータ駆動周波数で第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らしステップと、
前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容した前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥するステップと、
を有することを特徴とする乾燥方法。
【請求項6】
前記排気ファンの停止と駆動のサイクルを設定回数実行して、前記乾燥空間の湿度を調整する請求項5に記載の乾燥方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
実施形態の乾燥機は、ヒーターと、第1モータ駆動周波数と、前記第1モータ駆動周波数より低い第2モータ駆動周波数と、によって駆動可能な排気ファンと、載置部を収容する乾燥空間に前記ヒーターから温風が送出される筐体と、ボイラーからの蒸気を前記乾燥空間に送出する蒸気バルブと、前記蒸気バルブの開閉制御、および前記排気ファンの駆動制御する制御手段と、を備え、前記載置部に載置したマット状部材を乾燥する乾燥機である。前記制御手段は、前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを閉状態として、前記ヒーターからの前記温風により前記マット状部材の内部温度が第1設定温度になるまで前記マット状部材を予熱し、前記蒸気バルブを開状態として、前記排気ファンを第1設定時間停止し、その後前記排気ファンを前記第2モータ駆動周波数で第2設定時間駆動するサイクルを実行して、前記マット状部材を蒸らし、前記排気ファンを前記第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、前記蒸気バルブを開状態として、前記蒸気を含んだ温風を用いて前記乾燥空間に収容する前記載置部に載置した前記マット状部材を乾燥することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
上記のように実施形態の乾燥機は、ヒーター220と、第1モータ駆動周波数と、第1モータ駆動周波数より低い第2モータ駆動周波数と、によって駆動可能な排気ファン230と、載置部300を収容する乾燥空間にヒーター220から温風が送出される筐体210と、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに送出する蒸気バルブ510と、蒸気バルブ510の開閉制御、および排気ファン230の駆動制御する制御手段400と、を備え、載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥する乾燥機であって、制御手段400は、排気ファン230を第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、蒸気バルブ230を閉状態として、ヒーター220からの温風によりマット状部材Fの内部温度が第1設定温度になるまでマット状部材Fを予熱し、蒸気バルブ510を開状態として、排気ファン230を第1設定時間停止し、その後排気ファン230を第2モータ駆動周波数で第2設定時間駆動するサイクルを実行して、マット状部材Fを蒸らし、排気ファン230を第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、蒸気バルブ510を開状態として、蒸気を含んだ温風を用いて乾燥空間に収容した載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥するものである。これにより、マット状部材Fの内部温度を第1設定温度以上に上げているので、蒸らし工程における蒸気の透湿を高めることが出来る。また、蒸気での蒸らし工程であるので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。また、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。また、蒸らし工程における排気ファン230のモータ駆動周波数は、予熱工程より低い駆動周波数で駆動しているので、ゆっくりと効率よく乾燥空間D内の調湿することが出来る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
また、実施形態の乾燥機は、第2モータ駆動周波数は、第1モータ駆動周波数の1/2以下とする。これにより、蒸らし工程における排気ファン230のモータ駆動周波数は、予熱工程の第1モータ駆動周波数より低い(1/2以下)第2モータ駆動周波数で駆動しているので、ゆっくりと効率よく乾燥空間D内の調湿することが出来る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
また、実施形態の乾燥機は、排気ファン230の停止と駆動のサイクルを設定回数実行して、乾燥空間Dの湿度を調整する。排気ファン230を停止して蒸気を吹き込めば飽和した水分が乾燥空間D内に結露する。過剰に飽和(結露)させないため、排気ファン230を駆動すると蒸気がマット状部材Fに透過させながら排気される。従って、排気ファン230の停止と駆動のサイクルを設定回数実行することで、乾燥空間Dの湿度を調整することが出来る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
また、実施形態の乾燥機は、マット状部材Fを第1設定温度になるまで予熱したあと、ヒーター220から温風によりマット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上になるまで乾燥し、マット状部材Fの内部温度が第2設定温度以上に一定時間なった場合、マット状部材Fの内部温度が第3設定温度以下になるまで冷却する。そして、第1設定温度は45℃であり、第2設定温度は70℃であり、第3設定温度は50℃であるとしている。これにより、第1設定温度は45℃によりマット状部材Fの結露を防ぐことが出来、また第2設定温度は70℃によりダニ等を死滅することが出来る。また、第3設定温度が50℃で停止するので、適度の柔らかさを残すので、ふんわり仕上げの乾燥を行うことが出来る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
上記した実施形態の乾燥方法は、ヒーター230と、第1モータ駆動周波数と、第1モータ駆動周波数より低い第2モータ駆動周波数と、によって駆動可能な排気ファン230と、載置部300を収容する乾燥空間Dにヒーター230から温風が送出される筐体210と、ボイラー500からの蒸気を乾燥空間Dに送出する蒸気バルブ510と、蒸気バルブ510の開閉制御、および排気ファン230の駆動制御する制御手段400と、を備え、載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥する乾燥機の乾燥方法であって、排気ファン230を第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、蒸気バルブ510を閉状態として、ヒーター230からの温風によりマット状部材Fの内部温度が第1設定温度になるまでマット状部材Fを予熱するステップ(S110、S120)と、蒸気バルブ510を開状態として、排気ファン230を第1設定時間停止し、その後排気ファン230を第2モータ駆動周波数で第2設定時間駆動するサイクルを実行して、マット状部材Fを蒸らしステップ(S130-S170)と、排気ファン230を第1モータ駆動周波数で駆動すると共に、蒸気バルブ510を開状態として、蒸気を含んだ温風を用いて乾燥空間Dに収容した載置部300に載置したマット状部材Fを乾燥するステップ(S220、S210)と、を有するものである。これにより、マット状部材Fの内部温度を第1設定温度以上に上げているので、蒸らし工程における蒸気の透湿を高めることが出来る。また、蒸気での蒸らし工程であるので、洗う代わりに「水分」をマット状部材Fに浸透させることが出来る。また、マット状部材Fへの透湿が十分行われることになり、後続する乾燥工程によってマット状部材Fに対しリフレッシュを行うことが出来る。また、蒸らし工程における排気ファン230のモータ駆動周波数は、予熱工程より低い駆動周波数で駆動しているので、ゆっくりと効率よく乾燥空間D内の調湿することが出来る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
また、実施形態の乾燥方法は、排気ファン230の停止と駆動のサイクルを設定回数実行して、乾燥空間Dの湿度を調整する。排気ファン230を停止して蒸気を吹き込めば飽和した水分が乾燥空間D内に結露する。過剰に飽和(結露)させないため、排気ファン230を駆動すると蒸気がマット状部材Fに透過させながら排気される。従って、排気ファン230の停止と駆動のサイクルを設定回数実行することで、乾燥空間Dの湿度を調整することが出来る。