(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122471
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】アジャスト機能付きカバー部材およびノートパソコン用ケース
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230825BHJP
A45C 7/00 20060101ALI20230825BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20230825BHJP
A45C 13/02 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G06F1/16 313C
A45C7/00 A
A45C11/00 E
A45C13/02 G
A45C11/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026205
(22)【出願日】2022-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135759
【氏名又は名称】株式会社バンビ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】百々 哲也
(72)【発明者】
【氏名】関口 由季乃
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA42
3B045BA21
3B045BA26
3B045CB03
3B045DA22
3B045DA23
3B045DA43
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
(57)【要約】
【課題】 ノートパソコンなどカバー対象物のサイズを問わず、いずれのサイズにも対応できる調整自在なアジャスト機能を有するカバー部材を提供することにある。
【解決手段】 カバー部材10は、カバー本体20と、保持片30と、接合体40と、接合部25と、を備える。カバー対象物のサイズに合わせて保持片30,30をカバー本体20の内側へ折り曲げる。それと同時に、カバー本体20の内側と当接する保持片30の当接面31側へ接合体40を折り曲げながら、接合体40の面ファスナー41と接合部(面ファスナー)25とを接合させる。これによって、カバー対象物の四隅を差し込む差込空間(ポケット)がカバー対象物のサイズに合わせて形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー対象物のサイズに調整自在なアジャスト機能を有するカバー部材であって、
カバー本体の四隅の隣り合う一対のコーナー部にそれぞれ、サイズ調整方向へ向けてコーナー部からカバー本体外側へ延伸するとともにカバー本体内側へ折り曲げてカバー対象物の四隅を保持する保持片を備え、カバー対象物のサイズに合わせて折り曲げた保持片とカバー部材内側とを接合可能にしたことを特徴とするアジャスト機能付きカバー部材。
【請求項2】
保持片は、折り曲げた保持片のカバー部材内側と当接する当接面に、カバー部材内側との接合を可能にする接合体を設けたことを特徴とする請求項1記載のアジャスト機能付きカバー部材。
【請求項3】
接合体は保持片に連接されており、接合体を折り曲げることで保持片は当接面に接合体を設けたことを特徴とする請求項2記載のアジャスト機能付きカバー部材。
【請求項4】
カバー本体内側は、折り曲げた保持片と当接する範囲で、保持片との接合を可能にする接合部を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアジャスト機能付きカバー部材。
【請求項5】
保持片とカバー部材内側との接合は面ファスナーによるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアジャスト機能付きカバー部材。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のアジャスト機能付きカバー部材に持ち手を備えて、ノートパソコンをカバー対象物としたことを特徴とするノートパソコン用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ノートパソコンや書籍などのカバー対象物にカバーをする「カバー部材」に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンは持ち運び可能で様々な場所で利用できるものである一方、精密機械でもあるため、カバーやケースで保護することが多い(特許文献1等)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ノートパソコンはメーカーや機種などによってそのサイズが異なるため、自ずとそのカバーやケースはそのサイズに対応したものが製造・販売されている。
これは、ノートパソコンのユーザにとって不便であり、環境面からみても、無駄が多いと言える。
【0005】
そこで、本願発明者は、ノートパソコンなどカバー対象物のサイズを問わず、いずれのサイズにも対応できる調整自在なアジャスト機能を有するカバー部材の提供を目的として種々の試験・研究を行い、本願発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、カバー対象物のサイズに調整自在なアジャスト機能を有するカバー部材であって、カバー本体の四隅の隣り合う一対のコーナー部にそれぞれ、サイズ調整方向へ向けてコーナー部からカバー本体外側へ延伸するとともにカバー本体内側へ折り曲げてカバー対象物の四隅を保持する保持片を備え、カバー対象物のサイズに合わせて折り曲げた保持片とカバー部材内側とを接合可能にしたことを特徴とするものである。
第2の発明は、保持片が、折り曲げた保持片のカバー部材内側と当接する当接面に、カバー部材内側との接合を可能にする接合体を設けたことを特徴とする同アジャスト機能付きカバー部材である。
第3の発明は、接合体が保持片に連接されており、接合体を折り曲げることで保持片は当接面に接合体を設けたことを特徴とする同アジャスト機能付きカバー部材である。
第4の発明は、カバー本体内側が、折り曲げた保持片と当接する範囲で、保持片との接合を可能にする接合部を備えたことを特徴とする同アジャスト機能付きカバー部材である。
第5の発明は、保持片とカバー部材内側との接合は面ファスナーによるものであることを特徴とする同アジャスト機能付きカバー部材である。なお、保持片とカバー部材内側との接合は「面ファスナー」に限らず、ホックやボタンなど公知の技術を利用してもよい。
第6の発明は、上記第1から第5の発明に係るアジャスト機能付きカバー部材に持ち手を備えて、ノートパソコンをカバー対象物としたことを特徴とするノートパソコン用ケースである。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)カバー本体の四隅の隣り合う一対のコーナー部にそれぞれ保持片を備えることで、カバー対象物のサイズに合わせてその保持片を折り曲げてカバー部材内側と接合できる。そして、折り曲げた保持片とカバー部材内側の接合によって形成される差込空間にカバー対象物の四隅を差し込むことで、カバー部材はカバー対象物のサイズを問わずにどのサイズのカバー対象物も確実に固定できる。
(2)保持片が、折り曲げた保持片のカバー部材内側と当接する当接面に、カバー部材内側との接合を可能にする接合体を設けたことで、保持片とカバー部材内側は接合とともに上記ポケットを確実に形成できる。
(3)接合体が保持片に連接されており、接合体を折り曲げることで保持片は当接面に接合体を設けることになるので、この接合体は上記差込空間に差し込まれたカバー対象物とカバー部材内側の間に挟まれてカバー部材内側から離反できない状態となって、接合体とカバー部材内側との接合がより確実なものとなる。
(4)カバー本体内側が、折り曲げた保持片と当接する範囲で、保持片との接合を可能にする接合部を備えたことで、折り曲げた保持片とカバー本体内側との接合をより確実に行える。
(5)保持片とカバー部材内側との接合は面ファスナーによるものであることで、簡易で且つ確実に折り曲げた保持片とカバー本体内側との接合を行える。
(6)上記したアジャスト機能付きカバー部材に持ち手を備えて、ノートパソコンをカバー対象物としたことで、ノートパソコンのサイズを問わずフリーサイズのパソコンケースとして、持ち運びにも利用できるとともに、ケース(カバー部材)を付けたままパソコンを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願発明のアジャスト機能付きカバー部材の実施形態を示す説明図(1)。
【
図2】本願発明のアジャスト機能付きカバー部材の実施形態を示す説明図(2)。
【
図3】本願発明のアジャスト機能付きカバー部材の実施形態を示す説明図(3)。
【
図4】本願発明のノートパソコン用ケースの実施形態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係るアジャスト機能付きカバー部材(以下「カバー部材」)を示す全体図であり、左図はカバー部材の外側、中図はカバー部材の側面、右図はカバー部材の内側を図示している。
図1に図示するカバー部材10は、カバー本体20と、保持片30と、接合体40と、接合部25と、を備える。
【0010】
保持片30は、カバー本体20の四隅の隣り合う一対のコーナー部21,21にそれぞれ設けられており、サイズ調整方向へ向けてコーナー部21からカバー本体20の外側へ延伸するようになっている。
そして、保持片30は、カバー本体20の内側へ折り曲げるようになっている。
【0011】
接合体40は、保持片30に連接されており、保持片30の先端から保持片30の折り曲げ線と平行で且つカバー本体20の外側へ延伸している。
そして、接合体40は、片面に面ファスナー41を備えて保持片30へ折り曲げるようになっている。保持片30に折り曲げた接合体40は、保持片30をカバー本体20の内側へ折り曲げることで、カバー本体20の四隅に設けられた接合部25と接合する。接合部25は、折り曲げた保持片30に連接する接合体40と当接する範囲で、保持片30との接合を可能にする面ファスナーからなるものである。
【0012】
この保持片30(接合体40)とカバー本体20の内側(接合部25)とで接合された構造が、アジャスト機能となっている。アジャスト機能は、カバー部材10に一組あればよく、コーナー部21,21と相対するコーナー部22,22には略L字形の固定式保持具23,23を備えている。但し、本願発明のカバー部材10は、コーナー部22,22にも上記するアジャスト機能を備えることを否定するものではない。
また、カバー本体20には、略U字形の持ち手29,29を備える。
【0013】
図2は、カバー部材10のアジャスト機能を示す説明図である。
まず、
図2(A)に図示する状態から、
図2(B)に図示するようにカバー対象物(図示省略)のサイズに合わせて保持片30,30をカバー本体20の内側へ折り曲げる。それと同時に、カバー本体20の内側と当接する保持片30の当接面31側へ接合体40を折り曲げながら、接合体40の面ファスナー41と接合部(面ファスナー)25とを接合させる。これによって、カバー対象物の四隅を差し込む差込空間がカバー対象物のサイズに合わせて形成される。
【0014】
図2(C)は、接合体40を接合部25の最も内寄りに接合させた状態を図示したもので、カバー部材10においてカバー可能な最小サイズになっている。
図2(D)は、接合体40を接合部25の最も外寄りに接合させた状態を図示したもので、カバー部材10においてカバー可能な最大サイズになっている。
すなわち、カバー部材10は、接合体40の接合が可能な矢印の範囲内でサイズ調整を自在に行えるアジャスト機能を備えるものである。
【0015】
図2(C)の状態のカバー部材10全体を図示したものが、
図3左図である。
図2(D)の状態のカバー部材10全体を図示したものが、
図3右図である。
すなわち、
図3に図示するカバー部材10は、矢印の長さの差の分だけアジャスト機能を発揮できる。
【0016】
図4は、持ち手29,29を備えたカバー部材10をノートパソコン60のノートパソコンケース50として使用した状態を図示した説明図である。
まず、
図4左図に図示するように、ノートパソコン60の上端四隅61,61をカバー本体20の固定式保持具23,23で保持する。
次に、
図4右図に図示するように、ノートパソコン60のサイズに合わせて調整された保持片30と接合体40と接合部25とを接合することで形成する差込空間27,27にノートパソコン60の下端四隅62,62を差し込み保持する。
【0017】
ここで、ノートパソコン60の下端四隅62を差込空間27に差し込むと、接合体40はノートパソコン60と接合部25の間に挟まれることになる。このため、ノートパソコン60の下端四隅62を差込空間27から外さない限り、接合体40と接合部25の接合状態が解消されることはなく、接合状態(アジャスト位置)を確実に維持できる。
【0018】
ノートパソコンケース50は、ノートパソコン60に取り付けたまま、ノートパソコン60を開き作業が行える。
一方、ノートパソコン60を閉じると、持ち手29,29を備えるノートパソコンケース50は、そのまま移動鞄(手提鞄)になり、持ち運びに便利である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本願発明に係るアジャスト機能付きカバー部材は、ノートパソコンに限らず、スマートフォンや書籍などカバー部材でカバーすることが求められているものに広く利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
10 アジャスト機能付きカバー部材(カバー部材)
20 カバー本体
21 コーナー部
22 コーナー部
23 固定式保持具
25 接合部(面ファスナー)
27 差込空間
29 持ち手
30 保持片
31 当接面
40 接合体
41 面ファスナー
50 ノートパソコンケース
60 ノートパソコン
61 上端四隅
62 下端四隅