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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122514
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】圧力安全装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/38 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
F16K17/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022093888
(22)【出願日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0023242
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジョンヒョン
【テーマコード(参考)】
3H061
【Fターム(参考)】
3H061AA07
3H061BB09
3H061BB13
3H061CC01
3H061CC06
3H061DD02
3H061EA32
3H061EC05
3H061EC11
3H061FA02
3H061FC01
3H061GG05
3H061GG17
3H061GG18
(57)【要約】
【課題】ヒューズ部材が溶融する量に関係なく気体の迅速な排出を実現することにより作動性能の信頼性が向上する、金属溶融タイプのTPRDを提供する。
【解決手段】本発明による圧力安全装置は、内部空間が形成されるハウジング部材と、前記ハウジング部材の前記内部空間に備えられるピストン部材と、前記ピストン部材の下部領域に備えられる溶融部材とを含み、前記ピストン部材は、前記上下方向(H)に上部端部に形成される上部端部領域と、前記上部端部領域の下部に形成され、前記上部端部領域から連結されて下方に延びる連結領域とを含み、前記上部端部領域の左右方向(A)の幅である第1幅(W1)は、前記連結領域の前記左右方向(A)の幅である第2幅(W2)と同じであるか、又は前記第2幅(W2)より小さい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間が形成され、前記内部空間が上部領域を介して外部に連通するハウジング部材と、
前記ハウジング部材の前記内部空間に備えられ、上下方向(H)に移動可能に備えられるピストン部材と、
前記ピストン部材の下部領域に備えられる溶融部材とを含み、
前記ピストン部材は、
前記上下方向(H)に上部端部に形成される上部端部領域と、
前記上部端部領域の下部に形成され、前記上部端部領域から連結されて下方に延びる連結領域とを含み、
前記上部端部領域の左右方向(A)の幅である第1幅(W1)は、前記連結領域の前記左右方向(A)の幅である第2幅(W2)と同じであるか、又は前記第2幅(W2)より小さい、圧力安全装置。
【請求項2】
前記連結領域の外面を囲むように備えられる第1密封部材をさらに含む、請求項1に記載の圧力安全装置。
【請求項3】
前記連結領域の外面を囲むように備えられ、前記第1密封部材の下部に備えられる第1バックアップ部材をさらに含む、請求項2に記載の圧力安全装置。
【請求項4】
前記ピストン部材は、
前記連結領域の下部に形成され、前記左右方向(A)に前記第2幅(W2)より大きい第3幅(W3)を有する突出領域と、
前記突出領域の下部に形成され、かつ前記突出領域から連結されて下方に延び、前記左右方向(A)に前記第3幅(W3)より小さい幅である第4幅(W4)を有するように形成される湾入領域とをさらに含み、
前記圧力安全装置は、前記湾入領域の外面を囲むように備えられる第2密封部材をさらに含む、請求項1に記載の圧力安全装置。
【請求項5】
前記湾入領域の外面を囲むように備えられ、前記第2密封部材の下部に備えられる第2バックアップ部材をさらに含む、請求項4に記載の圧力安全装置。
【請求項6】
前記第1バックアップ部材の脆性は、前記第1密封部材の脆性より大きい、請求項3に記載の圧力安全装置。
【請求項7】
前記第1密封部材の伸び率は、前記第1バックアップ部材の伸び率より大きい、請求項3に記載の圧力安全装置。
【請求項8】
前記内部空間は、
前記ハウジング部材の上部領域を介して外部に連通し、前記左右方向(A)に第1空間幅(S1)が形成される第1内部空間と、
前記第1内部空間の下部に備えられ、前記第1内部空間に連通し、前記左右方向(A)に前記第1空間幅(S1)より大きい第2空間幅(S2)が形成される第2内部空間とを含み、
前記連結領域及び前記突出領域は、前記第2内部空間内に挿入される、請求項4に記載の圧力安全装置。
【請求項9】
前記第1密封部材の前記左右方向(A)の幅は、前記第1内部空間の前記第1空間幅(S1)より大きい、請求項8に記載の圧力安全装置。
【請求項10】
前記内部空間は、
前記第2内部空間の下部に備えられ、前記第2内部空間に連通し、前記左右方向(A)に前記第2空間幅(S2)より大きい第3空間幅(S3)が形成される第3内部空間をさらに含む、請求項8に記載の圧力安全装置。
【請求項11】
前記ピストン部材の外面を囲むように備えられ、前記ピストン部材を下方に加圧するように備えられるスプリング部材をさらに含む、請求項10に記載の圧力安全装置。
【請求項12】
前記スプリング部材は、前記第3内部空間内に挿入され、
前記スプリング部材の前記左右方向(A)の幅は、前記第2空間幅(S2)より大きい、請求項11に記載の圧力安全装置。
【請求項13】
前記溶融部材の下部領域に備えられ、前記溶融部材を上方に支持する多孔性部材をさらに含む、請求項1に記載の圧力安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力安全装置に関し、より詳細には、気体の圧力上昇時に気体を安全に排出できる構造を有する温度感応型圧力安全装置(Thermally Activated Pressure Relief Device)に関する。
【背景技術】
【0002】
気体を貯蔵するタンクに結合される温度感応型圧力安全装置(Thermally Activated Pressure Relief Device,以下、「TPRD」)は、平常時は気体が排出されないように密封状態を維持していて、タンク又は周辺の温度が上昇すると、タンク内部の気体を排出できるように経路を形成することにより、タンクの損傷や爆発を防止するための装置である。
【0003】
このようなTPRDには、大きく分けてガラスバルブ(glass bulb)タイプと金属溶融タイプがある。ガラスバルブタイプのTPRDは、平常時はガラスバルブがTPRD内部の流路を閉塞していて、ガラスバルブの温度が所定値を超えると破断されて気体が排出される流路が確保される構造を有する。それに対して、金属溶融タイプのTPRDは、低融点の材質からなるヒューズ部材の温度が所定値を超えると溶融することにより気体が排出される流路が確保される構造を有する。これらのうち、金属溶融タイプのTPRDの場合、溶融部材が金属材質であるか又は金属材質を含むので、外部の衝撃及び振動に強いという利点がある。
【0004】
しかし、従来技術による金属溶融タイプのTPRDの場合、ヒューズ部材が溶融する量に応じて気体の排出流量が決定されるので、気体の迅速な排出を担保することができず、TPRDの作動性能に対する信頼性が低いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ヒューズ部材が溶融する量に関係なく気体の迅速な排出を実現することにより作動性能の信頼性が向上する、金属溶融タイプのTPRDを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、内部空間が形成され、前記内部空間が上部領域を介して外部に連通するハウジング部材と、前記ハウジング部材の前記内部空間に備えられ、上下方向(H)に移動可能に備えられるピストン部材と、前記ピストン部材の下部領域に備えられる溶融部材とを含み、前記ピストン部材は、前記上下方向(H)に上部端部に形成される上部端部領域と、前記上部端部領域の下部に形成され、前記上部端部領域から連結されて下方に延びる連結領域とを含み、前記上部端部領域の左右方向(A)の幅である第1幅(W1)は、前記連結領域の前記左右方向(A)の幅である第2幅(W2)と同じであるか、又は前記第2幅(W2)より小さい、圧力安全装置が提供される。
【0007】
前記圧力安全装置は、前記連結領域の外面を囲むように備えられる第1密封部材をさらに含んでもよい。
【0008】
前記圧力安全装置は、前記連結領域の外面を囲むように備えられ、前記第1密封部材の下部に備えられる第1バックアップ部材をさらに含んでもよい。
【0009】
前記ピストン部材は、前記連結領域の下部に形成され、前記左右方向(A)に前記第2幅(W2)より大きい第3幅(W3)を有する突出領域と、前記突出領域の下部に形成され、かつ前記突出領域から連結されて下方に延び、前記左右方向(A)に前記第3幅(W3)より小さい幅である第4幅(W4)を有するように形成される湾入領域とをさらに含み、前記圧力安全装置は、前記湾入領域の外面を囲むように備えられる第2密封部材をさらに含んでもよい。
【0010】
前記圧力安全装置は、前記湾入領域の外面を囲むように備えられ、前記第2密封部材の下部に備えられる第2バックアップ部材をさらに含んでもよい。
【0011】
前記第1バックアップ部材の脆性は、前記第1密封部材の脆性より大きくてもよい。
【0012】
前記第1密封部材の伸び率は、前記第1バックアップ部材の伸び率より大きくてもよい。
【0013】
前記内部空間は、前記ハウジング部材の上部領域を介して外部に連通し、前記左右方向(A)に第1空間幅(S1)が形成される第1内部空間と、前記第1内部空間の下部に備えられ、前記第1内部空間に連通し、前記左右方向(A)に前記第1空間幅(S1)より大きい第2空間幅(S2)が形成される第2内部空間とを含み、前記連結領域及び前記突出領域は、前記第2内部空間内に挿入されてもよい。
【0014】
前記第1密封部材の前記左右方向(A)の幅は、前記第1内部空間の前記第1空間幅(S1)より大きくてもよい。
【0015】
前記内部空間は、前記第2内部空間の下部に備えられ、前記第2内部空間に連通し、前記左右方向(A)に前記第2空間幅(S2)より大きい第3空間幅(S3)が形成される第3内部空間をさらに含んでもよい。
【0016】
前記圧力安全装置は、前記ピストン部材の外面を囲むように備えられ、前記ピストン部材を下方に加圧するように備えられるスプリング部材をさらに含んでもよい。
【0017】
前記スプリング部材は、前記第3内部空間内に挿入され、前記スプリング部材の前記左右方向(A)の幅は、前記第2空間幅(S2)より大きくてもよい。
【0018】
前記圧力安全装置は、前記溶融部材の下部領域に備えられ、前記溶融部材を上方に支持する多孔性部材をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ヒューズ部材が溶融する量に関係なく気体の迅速な排出を実現することにより作動性能の信頼性が向上する、金属溶融タイプのTPRDを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による圧力安全装置の構造を示す断面図である。
図2】本発明による圧力安全装置に備えられるピストン部材の上部部分及びその周辺の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明による圧力安全装置について説明する。
【0022】
図1は本発明による圧力安全装置の構造を示す断面図であり、図2は本発明による圧力安全装置に備えられるピストン部材の上部部分及びその周辺の拡大断面図である。
【0023】
本発明による圧力安全装置10は、気体を貯蔵するタンクに結合される構成であって、貯蔵タンクの温度が上昇するとタンクに貯蔵された気体が排出される経路を提供することによりタンクの耐圧を低減するための構成であってもよい。一例として、本発明による圧力安全装置10は、水素貯蔵タンクに結合することができる。例えば、圧力安全装置10は、温度感応型安全弁(Thermally Activated Pressure Relief Device,TPRD)であってもよい。
【0024】
図1及び図2を参照すると、圧力安全装置10は、内部空間が形成され、かつ前記内部空間が上部領域を介して外部に連通するハウジング部材100を含んでもよい。圧力安全装置10がタンクに結合される場合、ハウジング部材100に形成される内部空間は、タンクの内部空間に連通するように、弁部材(図示せず)に締結されてもよい。後述するように、内部空間は、左右方向Aの幅によって複数の空間に区別されてもよい。
【0025】
また、圧力安全装置10は、ハウジング部材100の内部空間に備えられ、上下方向Hに移動可能に備えられるピストン部材200をさらに含んでもよい。ピストン部材200は、ハウジング部材100の内部空間を密閉するように備えられてもよい。圧力安全装置10は、ピストン部材200の下部領域に備えられ、ピストン部材200を上方に支持する溶融部材300をさらに含んでもよい。溶融部材300は、溶融点の低い材質からなるようにしてもよい。より詳細には、溶融部材300の溶融点は、ハウジング部材100及びピストン部材200の溶融点より低くてもよい。一例として、溶融部材300は、低溶融点の合金であってもよく、溶融部材300の溶融点は、摂氏約110度前後であってもよい。
【0026】
上述したように、ピストン部材200は、平常時はハウジング部材100の内部空間を密閉するように備えられてもよい。そうしているうちに、圧力安全装置10の温度が上昇すると、溶融部材300が溶融してピストン部材200が下方に移動することにより、ピストン部材200による内部空間の密閉状態が解除される。よって、ハウジング部材100の上部領域を介して流入した気体が内部空間を経て排出されるようになる。
【0027】
一方、ピストン部材200は、上下方向Hに上部端部に形成される上部端部領域210と、上部端部領域210の下部に形成され、上部端部領域210から連結されて下方に延びる連結領域220とを含んでもよい。
【0028】
ここで、図1及び図2に示すように、本発明によれば、上部端部領域210の左右方向Aの幅である第1幅W1は、連結領域220の左右方向Aの幅である第2幅W2と同じであるか、又は第2幅W2より小さくてもよい。これは、ピストン部材200の上部端部領域210が左右方向Aに突出した形状を有しないものと理解される。
【0029】
上述したように、溶融部材300が溶融してピストン部材200が下方に移動した場合、圧力安全装置10が結合されたタンクから流入した気体は、ハウジング部材100の内部空間の中でピストン部材200とハウジング部材100間の空間を経て排出される。ここで、本発明によれば、ピストン部材200の中で内部空間に流入した気体が最も先に到達する上部端部領域210が左右方向Aに突出しない形状を有するようにすることにより、ピストン部材200とハウジング部材100との間隔が増大する。よって、本発明によれば、溶融部材300が溶融した場合、気体の迅速な排出が行われる。
【0030】
図1及び図2を参照し続けると、本発明による圧力安全装置10は、連結領域220の外面を囲むように備えられる第1密封部材410と、連結領域220の外面を囲むように備えられ、第1密封部材410の下部に備えられる第1バックアップ部材420とをさらに含んでもよい。
【0031】
第1密封部材410は、ハウジング部材100とピストン部材200間の空間を密封することにより、平常時はハウジング部材100に形成される内部空間をより効果的に密封するための構成であってもよく、第1バックアップ部材420は、第1密封部材410を上方に支持するための構成であってもよい。より詳細には、第1密封部材410は、ハウジング部材100とピストン部材200間の空間を密封することにより、平常時はタンク内の気体が圧力安全装置10を介して流出することを防止するための構成であってもよい。
【0032】
ここで、本発明によれば、第1密封部材410の伸び率(elongation)は、第1バックアップ部材420の伸び率より大きくてもよい。伸び率とは、試験片に引張力が加わったときに試験片の長さが変化する程度を示す程度を意味する。よって、伸び率について説明した内容は、同じ大きさの引張力が第1密封部材410及び第1バックアップ部材420にそれぞれ加わった場合、第1密封部材410の長さの変化量が第1バックアップ部材420の長さの変化量より大きいものと理解される。第1密封部材410の伸び率が相対的に大きいのは、内部空間を規定するハウジング部材100の内面及びピストン部材200の外面により効果的に密着することにより密封性を向上させるためのものであり得る。一例として、第1密封部材410は、ゴム製のOリング(O-ring)であってもよい。
【0033】
なお、本発明によれば、第1バックアップ部材420の脆性(brittleness)は、第1密封部材410の脆性より大きくてもよい。脆性とは、外力により破損する程度を意味する。第1バックアップ部材420の脆性(brittleness)が第1密封部材410の脆性より大きいのは、溶融部材300が溶融してピストン部材200が下降することにより気体が排出されると気体の圧力により破断しやすくすることにより、気体の迅速な排出を実現するためのものであり得る。
【0034】
すなわち、平常時は、ハウジング部材100とピストン部材200間の密封性を確保するために第1密封部材410の位置が固定されなければならないが、気体の排出が必要な場合は、第1バックアップ部材420が第1密封部材410を支持する必要がない。よって、第1バックアップ部材420の脆性が相対的に大きい場合、第1バックアップ部材420は気体の圧力により破断しやすく、それにより第1密封部材410はピストン部材200から離脱しやすいので、ハウジング部材100とピストン部材200間の空間を介して気体が迅速に排出されるようになる。一例として、第1バックアップ部材420は、ポリエーテルエーテルケトン(Polyether ether ketone,PEEK)であってもよい。他の例として、第1バックアップ部材420は、ポリアミド(Polyamide)又はポリイミド(Polyimide)であってもよい。
【0035】
図1及び図2を参照し続けると、ピストン部材200は、連結領域220の下部に形成され、かつ連結領域220から連結されて下方に延び、左右方向Aに第2幅W2より大きい第3幅W3を有する突出領域230と、突出領域230の下部に形成され、かつ突出領域230から連結されて下方に延び、左右方向Aに第3幅W3より小さい幅である第4幅W4を有するように形成される湾入領域240とをさらに含んでもよい。これは、突出領域230ではピストン部材200が左右方向Aに突出した形状を有し、湾入領域240ではピストン部材200が左右方向Aに湾入した形状を有するものと理解される。
【0036】
ここで、圧力安全装置10は、湾入領域240の外面を囲むように備えられる第2密封部材430と、湾入領域240の外面を囲むように備えられ、第2密封部材430の下部に備えられる第2バックアップ部材440とをさらに含んでもよい。
【0037】
第2密封部材430は、第1密封部材410に対応する構成であってもよく、第2バックアップ部材440は、第1バックアップ部材420に対応する構成であってもよい。よって、第1密封部材410及び第1バックアップ部材420について説明した内容は、それぞれ第2密封部材430及び第2バックアップ部材440にも同様に適用することができる。
【0038】
すなわち、第2密封部材430は、ハウジング部材100とピストン部材200間の空間を密封することにより、ハウジング部材100に形成される内部空間をより効果的に密封するための構成であってもよく、第2バックアップ部材440は、第2密封部材430を上方に支持するための構成であってもよい。また、第2密封部材430の伸び率は、第2バックアップ部材440の伸び率より大きくてもよく、第2バックアップ部材440の脆性は、第2密封部材430の脆性より大きくてもよい。
【0039】
図1及び図2を参照し続けると、上述したハウジング部材100の内部空間は、左右方向Aの幅によって複数の空間に分けられてもよい。
【0040】
より詳細には、ハウジング部材100の内部空間は、ハウジング部材100の上部領域を介して外部に連通し、左右方向Aに第1空間幅S1が形成される第1内部空間P1と、第1内部空間P1の下部に備えられ、第1内部空間P1に連通し、左右方向Aに第1空間幅S1より大きい第2空間幅S2が形成される第2内部空間P2とを含んでもよい。
【0041】
ここで、本発明によれば、連結領域220及び突出領域230は、第2内部空間P2内に挿入されてもよい。また、上部端部領域210は、第1内部空間P1内に挿入されてもよい。
【0042】
また、本発明によれば、図1及び図2に示すように、第1密封部材410の左右方向Aの幅は、第1内部空間P1の第1空間幅S1より大きくてもよい。これは、第1内部空間P1を規定するハウジング部材100の内面と第2内部空間P2を規定するハウジング部材100の内面との境界に段差領域が形成されるものと理解される。よって、本発明によれば、溶融部材300が溶融していない状態では、第1密封部材410がピストン部材200の上部端部領域210を介して外部に離脱することを防止することができる。
【0043】
すなわち、本発明によれば、第1密封部材410の幅が第1内部空間P1の第1空間幅S1より大きいので、第1密封部材410がピストン部材200に対して上方に移動しようとする場合、第1密封部材410は、図2に示すように、第1内部空間P1を規定するハウジング部材100の内面と第2内部空間P2を規定するハウジング部材100の内面との境界に形成される段差領域と干渉するようになる。よって、ピストン部材200の上部端部領域210が左右方向Aに突出するように形成することなく、溶融部材300が溶融する前は第1密封部材410がピストン部材200から離脱することを効果的に防止することができる。
【0044】
図1及び図2を参照し続けると、ハウジング部材100の内部空間は、第2内部空間P2の下部に備えられ、第2内部空間P2に連通し、左右方向Aに第2空間幅S2より大きい第3空間幅S3が形成される第3内部空間P3をさらに含んでもよい。これは、第2内部空間P2を規定するハウジング部材100の内面と第3内部空間P3を規定するハウジング部材100の内面との境界に段差領域が形成されるものと理解される。また、圧力安全装置10は、ピストン部材200の外面を囲むように備えられ、ピストン部材200を下方に加圧するように備えられるスプリング部材500をさらに含んでもよい。スプリング部材500は、溶融部材300が溶融すると、ピストン部材200を下方に加圧してピストン部材200を下方に移動させることにより、相対的に低圧状態でも、溶融部材300が溶融したときに気体が迅速に排出されるようにするための構成であってもよい。
【0045】
ここで、スプリング部材500は、第3内部空間P3に挿入されてもよく、スプリング部材500の左右方向Aの幅は、第2空間幅S2より大きくてもよい。よって、第2内部空間P2を規定するハウジング部材100の内面と第3内部空間P3を規定するハウジング部材100の内面との境界に形成される段差領域がスプリング部材500を加圧することができ、それによりスプリング部材500がピストン部材200を下方に加圧することができる。
【0046】
一方、図1及び図2に示すように、本発明による圧力安全装置10は、ハウジング部材100の上部領域の外面を囲むようにハウジング部材100に結合されるように備えられるOリング部材550と、Oリング部材550の下部に備えられ、Oリング部材550を上方に支持するためのバックアップリング部材600とをさらに含んでもよい。Oリング部材550は、ハウジング部材100がタンクの弁に締結される領域から気体(例えば、水素)が漏れることを防止するための構成であってもよく、バックアップリング部材600は、Oリング部材550を支持することによりOリング部材550の密封性能を維持するための構成であってもよい。
【0047】
また、圧力安全装置10は、ハウジング部材100の下部領域の側面に形成される貫通領域に挿入結合されるプラグ部材650をさらに含んでもよい。溶融部材300が溶融することにより気体がハウジング部材100とピストン部材200の間の空間を通過して流動する場合、気体がプラグ部材650に形成される排出口を介して圧力安全装置10から外部に排出される。
【0048】
また、圧力安全装置10は、溶融部材300の下部領域に備えられ、溶融部材300を上方に支持する多孔性部材700をさらに含んでもよい。多孔性部材700は、平常時は、溶融部材300を支持してハウジング部材100が下方に移動できないようにしていて、溶融部材300が溶融すると、溶融部材300から溶融した流体が通過する経路を提供する。よって、溶融部材300が多孔性部材700を経て外部に排出されることによりハウジング部材100が下方に移動し、それにより気体が圧力安全装置10を経て排出される。一例として、多孔性部材700は、メッシュ(mesh)部材であってもよい。
【0049】
図1及び図2を参照し続けると、圧力安全装置10は、ハウジング部材100の下部領域に挿入結合されるキャップ部材750をさらに含んでもよい。キャップ部材750は、ハウジング部材100の内部空間へ外部の異物が流入することを防止する構成であってもよい。
【0050】
以上、本発明は、限定された実施形態と図面により説明されたが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により本発明の技術思想と添付の特許請求の範囲の均等範囲内で様々な実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
10 圧力安全装置
100 ハウジング部材
200 ピストン部材
210 上部端部領域
220 連結領域
230 突出領域
240 湾入領域
300 溶融部材
410 第1密封部材
420 第1バックアップ部材
430 第2密封部材
440 第2バックアップ部材
500 スプリング部材
550 Oリング部材
600 バックアップリング部材
650 プラグ部材
700 多孔性部材
A 左右方向
H 上下方向
P1 第1内部空間
P2 第2内部空間
P3 第3内部空間
S1 第1空間幅
S2 第2空間幅
S3 第3空間幅
W1 第1幅
W2 第2幅
W3 第3幅
W4 第4幅
図1
図2