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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122595
(43)【公開日】2023-09-01
(54)【発明の名称】物品供給装置及び物品供給システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20230825BHJP
   G07F 11/44 20060101ALI20230825BHJP
   G06Q 10/0836 20230101ALI20230825BHJP
【FI】
G07F9/02 102
G07F11/44
G06Q10/0836
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101197
(22)【出願日】2023-06-20
(62)【分割の表示】P 2022025874の分割
【原出願日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス(ア)掲載日:令和3年7月19日 掲載アドレス:https://twitter.com/SAIKYO_JUMP/status/1416792405466963969 最強ジャンプの公式twitterアカウント(イ)掲載日:令和3年7月19日 掲載アドレス:https://www.shonenjump.com/j/saikyo/news02.html 最強ジャンプ公式サイト(2)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス ウェブサイトの掲載日 令和3年7月19日 掲載アドレス:https://gashapon.jp/saikyojump/ 最強ガシャステーション公式サイト(3)公開日及び設置場所 公開日:令和3年8月2日 設置場所:リストに記載された店舗(4)公開日及び設置場所 公開日:令和3年9月16日 公開日:令和3年9月17日 設置場所:リストに記載された店舗(5)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス 掲載日 令和3年8月4日 掲載日 令和3年8月30日 掲載日 令和3年9月3日 掲載日 令和3年9月10日 掲載日 令和3年9月27日 掲載日 令和3年10月4日 掲載日 令和3年10月12日 掲載日 令和3年11月1日 掲載日 令和3年11月11日 掲載日 令和3年12月3日 掲載日 令和4年1月5日 掲載日 令和4年2月4日 掲載アドレス:https://gashapon.jp/saikyojump/about/ 最強ガシャステーション公式サイト(6)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス 掲載日 令和3年8月4日 掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=rIsAOd8Uc08 YouTube内「ガシャポン」公式サイト(7)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス 掲載日 令和3年9月3日 掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=UxzVyY7dRWY YouTube内「ガシャポン」公式サイト(8)ウェブサイトの掲載日及び掲載アドレス ・掲載日:令和3年11月4日 ・掲載アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=UEqDEK8eWnQ YouTube内「ガシャポン」公式サイト
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(71)【出願人】
【識別番号】508207790
【氏名又は名称】有限会社 和晃
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 創
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】水科 晃
【テーマコード(参考)】
3E044
3E046
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044EA01
3E044EB02
3E044EB05
3E046AA02
3E046BA01
3E046BB07
3E046CA15
3E046HA04
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物品供給装置の状態を報知すること。
【解決手段】物品供給装置は、ロックを解除するための認証先を含む第1識別情報を表示している表示部と、物品の代価の支払いを検出可能な検出部と、ロックを解除する制御部と、ユーザに物品供給装置の状態を報知する報知部と、ロックの解除の認証を待機する第1状態と、物品の代価の支払いを待機する第2状態と、ロックが解除された第3状態と、操作部の操作が完了した第4状態と、を異なる報知形式で報知可能に制御する報知制御部と、を備える。第1識別情報を取得したことによって物品を供給する物品供給装置が特定されたことを条件として第1状態を報知部に報知させ、検出部によって代価の支払いを検出したことを条件に第2状態を報知部に報知させ、ロックを解除するための認証が完了したことを条件として第3状態を報知部に報知させ、操作部の操作を検出したことを条件として第4状態を報知部に報知させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給可能な物品供給装置であって、
物品を収容している収容部と、
前記収容部に収容されている前記物品を供給する供給部と、
前記供給部から前記物品を供給すべく操作可能な操作部と、
前記操作部の操作を操作不可能にロックするロック部と、
前記ロック部のロックを解除するための認証先を含む第1識別情報を表示している表示部と、
前記物品の代価の支払いを検出可能な検出部と、
前記ロック部のロックを解除する制御部と、
ユーザに物品供給装置の状態を報知する報知部と、
前記報知部を、前記ロック部のロックの解除の認証を待機する第1状態と、前記物品の代価の支払いを待機する第2状態と、前記ロック部のロックが解除された第3状態と、前記操作部の操作が完了した第4状態と、を異なる報知形式で報知可能に制御する報知制御部と、
を備え、
前記報知制御部は、前記第1識別情報を取得したことによって前記物品を供給する物品供給装置が特定されたことを条件として前記第1状態を前記報知部に報知させ、前記検出部によって代価の支払いを検出したことを条件に前記第2状態を前記報知部に報知させ、前記ロック部を解除するための認証が完了したことを条件として前記第3状態を前記報知部に報知させ、前記操作部の操作を検出したことを条件として前記第4状態を前記報知部に報知させる、
物品供給装置。
【請求項2】
前記第1識別情報は、前記ロック部を解除する第2識別情報を取得するための手段へのアクセス情報を含んでいる、
請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記第2識別情報は、前記物品供給装置外に表示されている、
請求項2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記第1識別情報は、前記物品供給装置を識別する識別情報を含んでいる、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記第1識別情報は、前記収容部に収容されている物品を識別する物品識別情報を含んでいる、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記報知部は、発光部を備え、
前記報知制御部は、前記発光部の点灯、消灯、及び点滅を制御することによって、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態、及び前記第4状態を、異なる報知形式で報知可能に制御する、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項7】
物品を供給可能な物品供給システムであって、
物品を収容している収容部と、
前記収容部に収容されている前記物品を供給する供給部と、
前記供給部から前記物品を供給すべく操作可能な操作部と、
前記操作部の操作を操作不可能にロックするロック部と、
前記ロック部のロックを解除するための認証先を含む第1識別情報を表示している表示部と、
前記物品の代価の支払いを検出可能な検出部と、
前記ロック部のロックを解除する制御部と、
ユーザに物品供給装置の状態を報知する報知部と、
前記報知部を、前記ロック部のロックの解除の認証を待機する第1状態と、前記物品の代価の支払いを待機する第2状態と、前記ロック部のロックが解除された第3状態と、前記操作部の操作が完了した第4状態と、を異なる報知形式で報知可能に制御する報知制御部と、
を備え、
前記報知制御部は、前記第1識別情報を取得したことによって前記物品を供給する物品供給装置が特定されたことを条件として前記第1状態を前記報知部に報知させ、前記検出部によって代価の支払いを検出したことを条件に前記第2状態を前記報知部に報知させ、前記ロック部を解除するための認証が完了したことを条件として前記第3状態を前記報知部に報知させ、前記操作部の操作を検出したことを条件として前記第4状態を前記報知部に報知させる、
る物品供給システム。
【請求項8】
前記報知部は、発光部を備え、
前記報知制御部は、前記発光部の点灯、消灯、及び点滅を制御することによって、前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態、及び前記第4状態を、異なる報知形式で報知可能に制御する、
請求項7に記載の物品供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給装置及び物品供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置本体内に収納されたカプセルトイの物品を供給するにあたって、物品が排出される直前に、今から排出される物品に関する情報をユーザに通知する物品供給装置がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-268247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排出される物品に関する情報の報知ではなく、物品供給装置自体の状態に関する情報を報知されることが望まれている。本発明は、物品供給装置の状態を報知することが可能な物品供給装置、及び物品供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、物品を供給可能な物品供給装置であって、物品を収容している収容部と、前記収容部に収容されている前記物品を供給する供給部と、前記供給部から前記物品を供給すべく操作可能な操作部と、前記操作部の操作を操作不可能にロックするロック部と、前記ロック部のロックを解除する制御部と、前記ロック部のロックが解除された第1状態と、前記操作部の操作が完了した第2状態と、を異なる報知形式で報知する報知部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、物品供給装置の状態を報知することが可能な物品供給装置、及び物品供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本願発明における物品供給装置の正面図である。
図2図2は、第1の実施の形態における物品供給装置のブロック図である。
図3図3は、第1の実施の形態の物品供給装置の動作を説明するためのフロー図である。
図4図4は、第1の実施の形態の報知を説明するためのタイムライン図である。
図5図5は、変形例1の物品供給装置のブロック図である。
図6図6は、第2の実施の形態における物品供給装置システムの概略図である。
図7図7は、本願発明における物品供給装置の正面図である。
図8図8は、物品供給装置の一例である。
図9図9は、第2の実施の形態における物品供給装置のブロック図である。
図10図10は、第2の実施の形態における端末の一例である。
図11図11は、第2の実施の形態における端末のブロック図である。
図12図12は、第2の実施の形態におけるサーバ3のブロック図である。
図13図13は、物品供給装置データD1の一例を示す図である。
図14図14は、シリアルコードデータD2の一例を示す図である。
図15図15は、第2の実施の形態における物品供給装置システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図16図16は、第2の実施の形態の物品供給装置の動作を説明するためのフロー図である。
図17図17は、情報表示体の撮影例である。
図18図18は、端末に表示されたシリアルコード入力画面の一例である。
図19図19は、端末に表示される案内情報の一例である。
図20図20は、サーバの動作を説明するためのフロー図である。
図21図21は、物品供給装置のエラーの案内情報の一例を示す図である。
図22図22は、シリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面の一例である。
図23図23は、第2の実施の形態の報知を説明するためのタイムライン図である。
図24図24は、第3の実施の形態における物品供給装置のブロック図である。
図25図25は、第3の実施の形態の物品供給装置の動作を説明するためのフロー図である。
図26図26は、第3の実施の形態の報知を説明するためのタイムライン図である。
図27図27は、第4の実施の形態における物品供給装置のブロック図である。
図28図28は、第4の実施の形態における物品供給装置システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図29図29は、第4の実施の形態のサーバの動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の実施の形態の概略>
本発明の実施の形態の概略を説明する。
【0009】
ユーザが物品供給装置から物品の供給を受けるには、ユーザ自身が物品供給装置を操作しなければならない。物品供給装置は、盗難や誤操作を防ぐために、ユーザが操作できる時間が設けられている。そのため、ユーザが操作のタイミングを間違えることなく物品供給装置を操作するために、物品供給装置は自装置の状態をユーザに報知することが好ましい。
【0010】
例えば、物品供給装置に液晶ディスプレイのような表示画面を設け、物品供給の手順やタイミングを表示画面に表示する構成にすると、ユーザの操作を正しく導くことができる。しかしながら、物品供給装置は、屋外を含む様々な場所に多数設置することを目的としているため、物品供給装置の設置費用、設置場所及び維持管理等を考慮して簡易的な構造にし、コストも抑えるように作られている。そこで、物品供給装置の構成を簡易的なものにしながらも、ユーザが操作のタイミングを間違えることなく操作できるように、物品供給装置の状態をユーザに報知することが望まれる。
【0011】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態について説明する。尚、本実施の形態では、物品供給装置は、ユーザによる操作が可能な操作可能状態、及びユーザが操作完了した操作完了状態を報知する物品供給装置の構成を例にして説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態の物品供給装置システムにおける物品供給装置1の一例の正面図である。物品供給装置1は、複数個の物品を収容しており、その収容している複数個の物品から1つの物品をユーザに対して無作為に供給する装置である。物品を収容する物品収容部12と、物品収容部12に収容されている物品の内容を表示したディスプレイ13と、硬貨の投入口14と、操作部としてのハンドル15と、物品が供給される取出口16と、硬貨の返却口17と、報知部18と、が設けられている。
【0013】
物品収容部12は、物品収容部12を手前に引き、物品供給装置1の手前から物品を投入することで、容易に物品を収容することができるように構成されている。
ディスプレイ13は、同一の物品を供給する物品供給装置1について同じものが使用されている。物品収容部12に収容される物品が変更されると、ディスプレイ13に示される物品情報も変更される。物品情報には、物品の商品名と、物品の説明情報と、物品の説明画像とが含まれている。
【0014】
報知部18は、LED等の発光素子と透明部材によって構成され、発光素子の光は透明部材を通して視認可能となる。発光素子の色の種類及び数は問わないが、本実施の形態では緑の発光素子が配置される例を用いて説明する。尚、報知部18は、音を出力するスピーカであっても良い。
【0015】
次に、各装置の構成について説明する。
図2は、物品供給装置1の機能ブロック図である。物品供給装置1は、物品収容部101と、物品供給部102と、ロック部103と、操作部104と、制御部105と、報知制御部107と、現金受付部108とを備える。
【0016】
物品収容部101は、図1に示した物品収容部12と同一であり、多数の物品を収容する。物品収容部101内の下部には、1つの物品が通り抜けられる大きさの孔を有する回転盤を備える物品供給部102が設置されている。
ロック部103は、操作部104のロック及びロック解除を行う。ロック部103は、操作部104のロックを実行すると、ロックしたことを報知制御部107に通知する。同様に、ロック部103は、操作部104のロック解除を実行すると、ロック解除したことを報知制御部107に通知する。
【0017】
操作部104は、図1に示したハンドル15の操作を物品供給部102の回転盤に伝える。操作部104はロック部103によりロックされており、ロックが解除されることにより、ハンドル15がユーザの操作により回転可能となる。ロックを解除する機構としては、例えばソレノイドロックを用いたロック解除機構を用いる。この場合、ソレノイドロックを用いてハンドル15を回転不能状態(ロック状態)にし、ソレノイドに通電することによってロックを解除してハンドル15を回転可能状態とする。なお、ソレノイドロックを用いたロック解除機構に限定されず、他のロック解除機構を用いてもよい。そして、ロック部22がロック解除状態において、ハンドル15を所定角度回転させることによって回転盤が連動して回転し、回転盤の孔と、物品収容部101の底に設けられた落下口とが対向すると、その落下口から、1つの物品が、取出口16に連通する通路を通って取出口16に供給される。
【0018】
制御部105は、ロック部103のロックとそのロックの解除とを制御するものである。制御部105によるロック部103のロックの解除は、投入口14に投入された現金による決済により行われる。また、制御部105は、物品の取出口16への排出の検知後に、又は、ロックの解除後所定時間経過後に、ロック部103をロックさせる。更に、制御部105は、外部から制御されるロック信号により、ロック部103をロックさせても良い。
【0019】
報知制御部107は、報知部18の発光素子の点灯、消灯及び点滅の速度を制御することによって、物品供給装置1の状態を報知する。発光素子の点灯、消灯及び点滅のパターンは、物品供給装置1の状態に応じて異なる。本実施の形態において報知する物品供給装置1の状態の種類は、操作可能状態(第1状態)と、操作完了状態(第2状態)とである。従って、報知制御部107は、操作可能状態(第1状態)の点灯、消灯及び点滅のパターンと、操作完了状態(第2状態)の点灯、消灯及び点滅のパターンと、が異なるパターンとなるように、発光素子の点灯、消灯及び点滅の速度を制御する。
【0020】
操作可能状態は、ロック部103が解除された状態である。ロック部103のロックが解除されると、物品供給装置1は、ユーザによる操作部104(ハンドル15)の操作を待っている状態となる。制御部105は、ロック部103のロック解除を、後述する現金受付部108が物品の価格分の金銭の投入を検出したことを条件に実行する。即ち、報知制御部107は、ユーザによる代価の支払いを条件として、操作可能状態を報知するように制御する。報知制御部107は、操作可能状態では、発光素子を所定の間隔で点滅させる制御により報知する。
【0021】
操作完了状態は、ユーザによる操作部104の操作が完了し、ロック部103がロックされ、操作部104を操作することができない状態である。報知制御部107は、ロック部103がロックされたことを条件として、報知部18を制御して操作完了状態を報知する。報知制御部107は、操作完了状態では、報知部18を制御して発光素子を常時点灯させることにより報知する。尚、操作部104が操作された後は一連の供給処理が終了したことになるため、ロック部103がロックされた後は、物品供給装置1が次の供給処理を待機しているスタンバイ状態である。そのため、操作完了状態(第2状態)はスタンバイ状態ともいえる。従って、以下の説明では、操作完了状態をスタンバイ状態(第2状態)と記載して説明する。
【0022】
現金受付部108は、投入された金銭が物品の供給価格に達したかを検出する。現金受付部108は、サーバ3から通信部106を介してロック解除信号を受信すると、投入された硬貨を選別する硬貨選別部(図示せず)の機能を初期の無効状態(オフ状態)から有効状態(オン状態)に切り替える。投入口14から投入された硬貨の通路は、内部の硬貨選別部(図示せず)を経て、返却口17へ向かう通路と、硬貨が格納される格納部(図示せず)に向かう通路とに分かれている。硬貨選別部が無効状態の場合、投入された硬貨は、硬貨選別部をそのまま通過して返却口17から排出される。硬貨選別部が有効状態の場合、硬貨選別部は、硬貨を選別し、支払いに使用可能な硬貨を格納部(図示せず)に送り、不適切な硬貨を返却口17から排出させる。また、硬貨選別部は、支払いに使用可能な硬貨を種類毎に分別する。現金受付部108は、硬貨選別部により分別された種類毎の硬貨の枚数をセンサにより計数し、投入された金額を取得する。そして、現金受付部108は、投入された金額が、設定されている物品の代価に達した場合、ロック解除信号を制御部105に送る。物品の代価(金額)はサーバ3又は手動により現金受付部108に設定される。
【0023】
続いて、本実施の形態における物品供給装置1の動作について図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施の形態における物品供給装置1の報知処理のフロー図である。図4は、報知制御部107の制御による報知方式を説明するためのタイムラインである。
報知制御部107は、供給を待機していることを示すスタンバイ状態を報知するために、報知部18を制御して発光素子を点灯させる(Step20)。この時の報知部18は、図4(1)に示す通り、点灯している。
現金受付部108は、投入された金額が物品の代価に達したかを判定する(Step21)。投入された金額が物品の代価に達した場合、ロック解除信号を制御部105に送る(Step22)。制御部105は、ロック解除信号を現金受付部108から受信すると、ロック部103のロックを解除する(Step23)。
ロック部22から解除の通知を受けて、報知制御部107は、ハンドル15の操作が可能であることを示す操作可能状態(第1状態)を報知するために、報知部18を制御して発光素子を点滅させる(Step24)。この時の報知部18は、図4(2)に示す通り、点滅している。
【0024】
物品供給装置1の制御部105は、物品の供給の判定を行うために、操作部104のハンドル15の操作(例えば、1回転)がされたかを判断する(Step25)。ハンドル15の操作(例えば、1回転)がされると(Step25:Yes)、物品供給部102から、ひとつの物品が取出口16に供給される(Step26)。そして、制御部105は、ロック部103をロックする(Step27)。
一方、制御部105は、ハンドル15の操作がない場合(Step25:No)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過しているかを判断する(Step29)。制御部105は、ハンドル15の操作がなく(Step25:No)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過している場合(Step29:Yes)、ロック部103をロックする(Step26)。
【0025】
ロック部103からロックの通知を受けて、報知制御部107は、操作完了状態(スタンバイ状態)を報知するために、報知部18を制御して発光素子を点灯させる(Step28)。この時の報知部18は、図4(3)に示す通り、点灯している。
【0026】
上述の通り、本発明の報知制御部107は、報知部18の発光素子を点滅する制御を行って操作可能状態を報知し、報知部18を点灯する制御を行って操作完了状態を報知するというように、発光素子の点灯又は点滅によって物品供給装置の状態を報知する。これによりユーザは物品供給装置1を操作するタイミングを知ることができる。ゆえに、ユーザによる物品供給における操作のミスを防止することが可能となる。
また、報知部を発光素子とすることによって、物品供給装置の構成を簡易的なものにすることにより、設置場所及び維持管理等を容易にすることができる。
【0027】
<変形例1>
上記実施の形態では、現金による決済の構成を用いて説明したが、電子決済であっても良い。
図5は、本変形例における物品供給装置1のブロック図である。上記実施の形態と異なる点は、現金受付部108の代わりに電子決済部110が設けられている点である。
電子決済部110は、外部にある電子決済サーバとのやり取りで決済を確認する。電子決済部110は、電子決済サーバから決済終了を示すロック解除信号を受信すると、これを制御部105に通知する。
本変形例1の構成であっても、本発明の報知制御部107は、報知部18を点滅する制御を行って操作可能状態を報知し、報知部18を点灯する制御を行って操作完了状態を報知するというように、発光素子の点灯又は点滅によって物品供給装置の状態を報知する。これによりユーザは物品供給装置1を操作するタイミングを知ることができる。ゆえに、ユーザによる物品供給における操作のミスを防止することが可能となる。
【0028】
<変形例2>
上記実施の形態では、報知部18は、物品供給装置1の正面に独立して設けられている構成であった。本変形例2では、報知部18以外の構成部と一体とした構成を例にして説明する。
物品供給装置1は、物品の供給価格に関する供給価格情報を表示している供給価格表示部を備える。
例えば、供給価格表示部を透明部材によって構成し、報知部18を供給価格表示部の後ろに設ける構成にする。このような構成の場合、報知部18の発光素子が発光すると、その発光素子の光が供給価格表示部から透過し、その明滅状態がわかる。。
通常、ユーザは代価を支払うにあたって、価格分の金銭を物品供給装置1に投入しなければならないため、供給価格表示部に表示されている価格に注目する。本変形例のように、ユーザが必ず注目する箇所において報知すると、ユーザは物品供給装置1の状態が変更したことに気づきやすくなり、ユーザは正しいタイミングで操作を行うことが可能となる。尚、この供給価格表示部の近傍に報知部18を設けることも可能である。
【0029】
<第2の実施の形態>
上記実施の形態では、物品供給装置1は、操作可能状態(第1状態)及び操作完了状態(第2状態)を報知する物品供給装置の構成を例にして説明した。本実施の形態では、操作可能状態、操作完了状態及び認証待ち状態(第3状態)を報知する物品供給装置の構成について説明する。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0030】
図6は、本実施の形態の物品供給装置システムの概略図である。物品供給システムは、物品供給装置1とユーザの端末2とサーバ3とから構成されている。物品供給装置1と端末2とサーバ3とは、通信網4に接続されており、相互に通信可能である。通信網4は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信網4は、接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含み、通信方法については有線/無線を問わない。
【0031】
物品供給装置1は、雑誌5を購入したユーザに対して物品を供給する。雑誌5は、ユーザが購入した商品である。雑誌5には、物品の供給を認証するための第2識別情報19(シリアルコード)が記載されている。第2識別情報19は、雑誌5一冊ごとに異なるユニークなシリアルコード等である。このようなシリアルコードは、チェックディジット等を用いて生成することができる。
図7は、本実施の形態における物品供給装置1の一例の正面図である。物品供給装置1は、上記実施の形態の構成に加えて、第1識別情報11(情報表示体:QRコード(登録商標))が設けられている。物品供給装置1の前面に表示されている第1識別情報11は、物品供給装置1を識別するユニークな物品供給装置識別情報(装置ID)と、第2識別情報19を認証するためのページへのリンク情報であるURL(Uniform Resource Locator)と、を少なくとも含んでいる。
尚、第1識別情報11には、上述した以外にも、他の情報、例えば、物品供給装置1が設置されている場所を識別する位置情報や店名、物品の価格等の情報、物品供給装置1を管理するために必要な管理情報も含んでも良い。また、第1識別情報11の表示方法であるが、本例では、情報表示体としてのQRコードを物品供給装置1の前面に装着して表示する方法を採用したが、これに限られない。例えば、物品供給装置1が液晶などの表示部を備える場合、その表示部に第1識別情報11の情報表示体を表示するようにしても良い。更に、第1識別情報11を表示する位置であるが、物品供給装置1の前面には限られない。例えば、図8に示すように、返却口17の近傍に返却口17の底面を良く視認できるような位置に表示しても良い。そのような位置に第1識別情報11を表示しておくことにより、ユーザが誤って投入した硬貨が返却口17に返却された場合、ユーザは返却された硬貨に気づきやすくなるという効果を有する。また、ディスプレイ13は、第1識別情報11とは異なる位置、例えば物品収容部12の正面に表示されるのが好ましい。
【0032】
図9は、物品供給装置1の機能ブロック図である。物品供給装置1は、上記実施の形態1の構成に加えて通信部106を備える。
通信部106は、通信網4を介して、サーバ3と通信可能である。通信部106は、サーバ3から各種制御信号を受信する。
【0033】
制御部105は、後述するサーバ3において第2識別情報19であるシリアルコードの認証が完了した際に送信されるロック解除信号を受信すると、ロック部103のロック解除を実行する。ロック解除信号は、後述する端末2が物品供給装置1に表示されている第1識別情報によって特定された物品供給装置1に対してサーバ3から送付される。
【0034】
報知制御部107は、報知部18を制御して、操作可能状態(第1状態)と、操作完了状態(第2状態)と、認証待ち状態(第3状態)を、物品供給装置1の状態として報知する。
報知制御部107は、ロック部103によるロック解除実行の通知を受けると、報知部18を制御して操作可能状態を報知する。ロック解除信号を受信することはシリアルコードが認証されたことを示しているため、報知制御部107は、シリアルコードが認証されたことを条件として、報知部18を制御して操作可能状態を報知するともいえる。
報知制御部107は、ロック部103によりロックが実行されると、報知部18を制御して操作完了状態を報知する。
報知制御部107は、サーバ3から認証中信号を、通信部106を介して受信すると、報知部18を制御して認証待ち状態を報知する。報知制御部107は、認証待ち状態では、報知部18の発光素子を所定の間隔で点滅させることにより報知するが、認証待ち状態の報知方式では第1の点滅速度で報知し、操作可能状態では第2の点滅速度で報知する。本実施の形態では、第1の点滅速度を第2の点滅速度よりも遅い点滅速度である例を用いて説明するが、第1の点滅速度と第2の点滅速度とが異なれば良い。
【0035】
端末2は、例えば、パソコン、タブレット型コンピュータ、スマートフォンや、携帯電話機等である。図10は端末2の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図10に示すように、端末2は、ディスプレイ21と、ディスプレイ21と一体構成されるタッチ操作パネル22と、内蔵されたスピーカ23とカメラ24とを備える。また、端末2には、図示されていない制御基板、内蔵バッテリー、電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。制御基板には、CPUやGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、ASIC、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ、携帯電話基地局と無線通信するための無線通信モジュール等が搭載されている。また、制御基板には、タッチ操作パネル32のドライバ回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)等が搭載されている。これら制御基板に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0036】
図11は端末2の機能構成例を示すブロック図である。図11に示すように、端末2は、操作入力部301と、撮影部302と、処理部303と、画像表示部304と、音出力部305と、通信部306と、記憶部307とを備える。
【0037】
操作入力部301は、ユーザの各種操作を入力するためのものであり、操作入力に応じた操作入力信号を処理部303に出力する。操作入力部301の機能は、例えば、タッチ操作パッド、ホームボタン、ボタンスイッチや、ジョイスティック、トラックボールといった直接ユーザが指で操作する素子はもちろん、加速度センサや角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサといった、運動や姿勢を検知する素子等によっても実現できる。図10では、タッチ操作パネル22がこれに該当する。
【0038】
撮影部302は、第1識別情報11の情報表示体(QRコード)の撮影処理行い、撮影した画像を処理部303に出力する。撮影部302は、レンズと撮像素子とこれらを制御するコントローラとを備える。図10では、カメラ24がこれに該当する。
【0039】
処理部303は、記憶部307に格納されるプログラムやデータ、操作入力部301からの操作入力信号等に基づいて端末2の動作を統括的に制御する。処理部303の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部303は、主な機能部として、演算部51と、画像生成部52と、音生成部53と、通信制御部54とを備える。
【0040】
演算部51は、画像生成部52と、音生成部53と、通信制御部54とに出力する。演算部51は、情報表示体取得部510と、シリアルコード取得部511と、供給情報案内部512とを含む。
情報表示体取得部510は、撮影部302が撮影した物品供給装置1の情報表示体を読み取り、第1識別情報11を取得する。
【0041】
シリアルコード取得部511は、情報表示体取得部510により取得された第1識別情報11に基づいて、取得した装置IDを含むシリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストを送信する。本実施形態では、このリクエストの送信先(リンク先)はサーバ3である。そして、シリアルコードの入力画面を受信し、画像生成部52を介して、シリアルコードの入力画面を画像表示部304に表示する。また、シリアルコードの入力画面に入力されたシリアルコードを、サーバ3に送信する。
【0042】
供給情報案内部512は、サーバ3は、シリアルコードの認証結果や、物品の供給についての案内、エラー(供給不可能)の案内を、画像生成部52を介して、画像表示部304に表示する。
【0043】
尚、情報表示体取得部510と、シリアルコード取得部511と、供給情報案内部512との機能は、端末2に搭載されているWebブラウザで実現することが可能であり、また、専用のアプリケーションでも実現することができる。
【0044】
画像生成部52は、演算部51の処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚の画像を生成し、生成した画像信号を画像表示部304に出力する。画像生成部52の機能は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ、テクスチャデータの展開用に使用されるICメモリ等によって実現できる。
【0045】
音生成部53は、演算部51の処理結果に基づいて効果音、各種操作音等の音信号を生成し、音出力部305に出力する。音生成部53の機能は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現できる。
通信制御部54は、サーバ3等とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行う。
【0046】
画像表示部304は、画像生成部52から入力される画像信号に基づいて画面を表示する。画像表示部304の機能は、例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった表示装置によって実現できる。図10では、画像表示部304は、ディスプレイ21に該当する。
【0047】
音出力部305は、音生成部53から入力される音信号に基づいて効果音等を音出力するためのものである。図10では、音出力部203は、スピーカ23に該当する。
【0048】
通信部306は、通信回線Nと接続して通信を実現する。通信部306の機能は、例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。
【0049】
記憶部307には、端末2を動作させ、端末2が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め記憶され、或いは処理の都度一時的に記憶される。記憶部307は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。具体的には、記憶部307には、システムプログラムと、制御プログラムとが格納される。システムプログラムは、端末2のコンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。制御プログラムは、処理部31の演算部51(情報表示体取得部510、シリアルコード取得部511、供給情報案内部512)として機能させるためのプログラムである。
【0050】
サーバ3は、単数又は複数のサーバ装置や記憶装置等を含んで構成されたサーバシステムである。サーバ3は、認証処理等の処理を行う。図12はサーバ3の機能構成例を示すブロック図である。サーバ3は、記憶部61と、処理部62と、通信部63とを備える。
【0051】
記憶部61は、例えばRAMやROM、フラッシュメモリ等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現され、システムプログラムと、機能プログラムとが格納される。システムプログラムは、コンピュータとしての基本機能を実現するためのプログラムである。機能プログラムは、処理部62を、後述する物品供給装置判定部621と、シリアルコード認証部622と、ロック制御部623として機能させるためのプログラムである。また、後述する物品供給装置データD1とシリアルコードデータD2とが格納されている。
【0052】
物品供給装置データD1は、物品供給装置1の装置IDと、その物品供給装置1の物品の在庫数と、が記憶されている。図13は物品供給装置データD1の一例を示す図である。図13に示すように、物品供給装置データD1は、物品供給装置1の装置IDと、その装置IDの物品供給装置1の物品の在庫数と、が関連付けられて記憶されている。
【0053】
シリアルコードデータD2は、雑誌5に記載されたシリアルコードを記憶したものである。シリアルコードは、雑誌5毎に異なる番号が付与され、互いに重複しないコード番号である。このようなシリアルコードは、チェックディジット等を用いて生成することができる。図14はシリアルコードデータD2の一例を示す図である。図14に示すように、シリアルコードデータD2は、ユニークなシリアルコードと、認証フラグと、が関連付けられて記憶されている。後述するように、シリアルコードにより、シリアルコード認証部622がユーザの物品取得権を認証し、物品供給装置1から物品の供給が完了すると、そのシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグが付与される。
【0054】
処理部62は、記憶部61に格納されるプログラムやデータに基づいて、サーバ3の動作を統括的に制御する。処理部62の機能は、例えば、CPUやGPU等のマイクロプロセッサ、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現できる。この処理部62は、主な機能部として、物品供給装置判定部621と、シリアルコード認証部622と、ロック制御部623とを備える。
【0055】
物品供給装置判定部621は、端末2からのシリアルコードの入力画面のリクエストを受信し、リクエストに含まれている装置IDを取得し、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかを判断する。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1に含まれている場合、その装置IDの物品供給装置1の在庫数を確認し、在庫数がある場合、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能な物品供給装置1であると判断する。そして、物品供給装置判定部621は、ロック解除信号の送信先である物品供給装置1を特定する。判断、特定が完了すると、物品供給装置判定部621は、シリアルコードの入力画面を、端末2に送信する。更に、物品供給装置判定部621は、特定した物品供給装置1に対して、シリアルコードの認証処理に入ったことを示す認証中信号を送信する。
一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1に含まれていない、又は、物品供給装置データD1に含まれていても在庫がない場合は、物品の供給が不可能であることを案内するエラー画面を端末2に送信する。尚、物品供給装置1から物品を供給可能な供給可能期間が予め定められており、その供給可能期間経過後に、端末2からのシリアルコードの入力画面のリクエストを受信した場合も、物品の供給が不可能であることを案内するエラー画面を端末2に送信する。
【0056】
シリアルコード認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードと、シリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、入力画面に入力されたシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証フラグが立っていない場合には、入力画面に入力されたシリアルコードは認証されたものとする。そして、物品の供給を案内する案内情報を、ユーザの端末2に送信する。尚、シリアルコード認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。一方、シリアルコード認証部622は、シリアルコードを認証できなかった場合(有効期限が切れており、認証できない場合も含む)、シリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末2に送信する。
【0057】
ロック制御部623は、物品供給装置判定部621により装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能と判断し、シリアルコード認証部622によりシリアルコードが認証された場合、取得した装置IDの物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する。
【0058】
(動作)
本実施の形態の物品供給システムの動作について説明する。図15は、本実施の形態の物品供給システムのシーケンス図である。図16は、物品供給装置1のフローチャートである。
まず、図15を用いて物品供給装置システムの動作について説明する。
【0059】
物品供給装置1は、報知処理を実行する(Step1)。報知処理(Step1)の詳細は、後述する。
【0060】
ユーザは、物品供給装置1が設置されている場所に赴き、その物品供給装置1に表示されている第1識別情報11の情報表示体を取得する。情報表示体の取得は、ユーザの操作に応じて、端末2の撮影部302の撮影機能を用いて行われる(Step2)。図17は端末2の撮影部302による物品供給装置1の第1識別情報11の情報表示体の撮影例を示した図である。ユーザは、物品供給装置1の前に立ち、端末2のディスプレイ31に第1識別情報11の情報表示体が表示されるように端末2を操作し、情報表示体を撮影する。
【0061】
端末2の情報取得部510は、撮影された第1識別情報11の情報表示体から第1識別情報11を取得する。本例では、取得された第1識別情報11は、物品供給装置1の装置IDを含み、シリアルコード12を認証するための手段へのリンク先情報(例えば、URL)である(Step3)。本例では、取得した装置IDが“12560”とし、リンク先はサーバ3が設定されているものとする。
【0062】
端末2のシリアルコード取得部511は、物品供給装置1の装置IDを含むリンク先に基づいて、シリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストをサーバ3に送信する(Step4)。
【0063】
サーバ3は、端末2からのリクエストを受信し、認証処理を行う(Step5)。サーバ3は、認証処理を開始すると、物品供給装置1に対して認証中信号を送信する。認証処理の詳細は、後述する。
端末2は、サーバ3からエラーの案内画面を受信せず、シリアルコード入力画面を受信すると、端末2のシリアルコード取得部511は、シリアルコード入力画面を表示する(Step6)。図18は端末2に表示されたシリアルコード入力画面の一例である。ユーザは、表示された入力画面に記されている入力案内文に従ってシリアルコードを入力する(Step7)。本例では、ユーザは、シリアルコード“1VB3588”を、シリアルコード入力画面に入力したものとする。そして、シリアルコード取得部511は、シリアルコードをサーバ3に送信する(Step8)。
【0064】
サーバ3は、シリアルコードを受信し、認証処理を行う(Step5)。サーバ3は、シリアルコードを認証できた場合、案内情報を端末2に送信する。また、サーバ3は、物品供給装置1が特定され、シリアルコードが認証できた場合は、物品供給装置1にロック解除信号を送信する。
【0065】
端末2の供給情報案内部512は、サーバ3から案内情報を受信し、案内情報を表示する(Step9)。図19は端末2に表示される案内情報の一例である。図19の案内情報では、シリアルコードが認証されたこと、物品供給装置1のハンドル15を操作して物品を受け取ること、1分間でハンドル15がロックされること、が案内されている。ユーザは、案内情報に従って、物品供給装置1を操作する。
【0066】
そして、ユーザによって操作部104の操作が行われると、物品供給装置1は供給報告をサーバ3に送信する。
【0067】
サーバ3のシリアルコード認証部622は、供給報告を受信し、供給報告が正常に物品を供給した報告である場合、シリアルコードデータD2の該当するシリアルコードの認証フラグのフィールドに認証が済んだことを示す認証済みフラグを付与し、シリアルコードの再度の使用を不可能にする(Step10)。また、供給報告を送信した物品供給装置1の在庫数を1個減数する。
以上が全体の動作の説明である。
【0068】
次に、図20のフローチャートを用いて、サーバ3の認証処理(Step5)を説明する。
サーバ3の物品供給装置判定部621は、端末2からリクエストを受信すると(Step100)、リクエストに含まれている装置IDを取得する(Step101)。本例では、取得した装置IDは“12560”である。
【0069】
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1を用いて、装置IDの判定を行う(Step102)。装置IDの判定は、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかの判定である。取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれている場合は(Step103:Yes)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌5とのコラボレーションの対象となる物品を供給可能な物品供給装置1であると判断する。一方、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれていない場合は(Step103:No)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が雑誌5とのコラボレーションの対象となる物品を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末2に送信する(Step110)。図21は物品供給装置のエラーの案内情報の一例を示す図である。
【0070】
本例では、取得した装置IDは“12560”であり、物品供給装置データD1に含まれているので、取得した装置ID“12560”の物品供給装置1は雑誌4とのコラボレーションの対象となる物品を供給可能な物品供給装置1であると判断する。
【0071】
続いて、物品供給装置判定部621は、取得した装置IDの物品供給装置1の物品の在庫があるかの確認を行う(Step104)。物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”でない場合、取得した装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能と判断して、認証中信号を物品供給装置1に送信する(Step105)。そして、物品供給装置判定部621は、シリアルコードの入力画面を端末2に送信する(Step106)。
一方、物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1における取得した装置IDの在庫数が“0”である場合(Step104:No)、エラーの案内情報を端末2に送信する(Step110)。例えば、図21に示すようなエラーの案内情報を端末2に送信する。
【0072】
本例では、物品供給装置データD1における取得した装置ID“12560”の物品供給装置1の在庫数は、“0”ではないので(Step104:Yes)、シリアルコードの入力画面を端末2に送信する(Step106)。
【0073】
次に、シリアルコード認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードを受信すると(Step107)、取得したシリアルコードの認証処理を行う(Step108)。本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコード“1VB3588”が認証対象である。
【0074】
シリアルコード認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証済みフラグが立っていない場合には、取得したシリアルコードが認証されたものと判断する(Step109)。尚、シリアルコード認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。シリアルコード認証部622は、シリアルコードの有効期限が有効であり、シリアルコードを認証した場合、物品供給に関する案内情報を送信する(Step112)。
【0075】
一方、シリアルコード認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていない、又は、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれていても、そのシリアルコードに認証済みフラグが付与されている場合、シリアルコードに有効期限が設定されており、その有効期限が切れている場合、取得したシリアルコードを不適切なものと判断し、認証しない。シリアルコード認証部622は、シリアルコードを認証できなかった場合(有効期限が切れており、認証できない場合も含む)、シリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面を端末2に送信する(Step112)。図22はシリアルコードの認証ができなかったことを案内するエラー画面の一例である。エラー画面には、エラーの原因、これからの操作等のような、ユーザにエラーの詳細を説明する情報が含まれる。
【0076】
本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコードデータD2に含まれており、認証済みフラグが付与されていない。また、シリアルコードに有効期限も設定されていない。よって、シリアルコード認証部622は、取得したシリアルコード“1VB3588”は認証されたものと判断し、物品供給に関する案内情報を送信する。
【0077】
ロック制御部623は、物品供給装置判定部621により装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能と判断され、シリアルコード認証部622によりシリアルコードが認証された場合、物品供給装置判定部621が特定した装置IDの物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する(Step111)。本例では、ロック制御部623は、装置ID“12560”の物品供給装置1に、ロック解除信号を送信する。
以上で、サーバ3の認証処理(Step5)の説明を終わる。
【0078】
続いて、図16のフローチャートを用いて、物品供給装置1の報知処理(Step10)について説明し、図23のタイムラインを用いて、報知制御部107が制御する報知方式を説明する。
報知制御部107は、報知部18を制御してスタンバイ状態を報知する(Step200)。この時、図23(1)に示されているように報知部18の発光素子が点灯している。
通信部106が認証中信号を受信すると(Step201:Yes)、報知制御部107は、報知部18を制御して、認証待ち状態を報知する(Step202)。この時、図23(2)に示されているように、報知部18の発光素子が第1の点滅速度で点滅する。
通信部106がロック解除信号を受信すると(Step203:Yes)、制御部105はロック部22のロックを解除する(Step204)。ロック部22から解除の通知を受けて、報知制御部107は報知部18を制御して操作可能状態を報知する(Step205)。この時、報知制御部107は、図23(3)に示すように、報知部18の発光素子が第2の点滅速度で点滅するように制御する。
【0079】
物品供給装置1の制御部105は、物品の供給の判定を行うために、操作部104のハンドル15の操作(例えば、1回転)がされたかを判断する(Step206)。ハンドル15の操作(例えば、1回転)がされると(Step206:Yes)、物品供給部102から、ひとつの物品が取出口16に供給される(Step207)。そして、制御部105は、ロック部103をロックする(Step208)。
一方、制御部105は、ハンドル15の操作がない場合(Step206:No)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過しているかを判断する(Step210)。制御部105は、ハンドル15の操作がなく(Step206:No)、ロック解除から所定時間(例えば、1分間)経過している場合(Step210:Yes)、ロック部103をロックする(Step208)。
【0080】
ロック部103からロックの通知を受けて、報知制御部107は、報知部18を制御してスタンバイ状態を報知する(Step209)。この時、報知制御部107は、図23(3)に示すように、報知部18の発光素子を点灯する。
最後に、制御部105は、正常に物品が供給された場合には正常に物品が供給された旨の供給報告を行い、物品が供給されなかった場合には物品が供給されなかった旨の供給報告を行う(Step211)。
【0081】
尚、ロック部103のロック解除からロックまでの制御であるが、上述した例では、制御部105がロック解除から所定時間経過しているかを判断し、所定時間経過した場合に、ロック部103をロック状態にする例を説明した。これは一例であり、例えば、サーバ3のロック制御部623がロック解除信号の送信から時間の計測を行い、所定時間が経過するまでに、正常に物品が供給された旨の供給報告を受信しない場合、制御部105が物品供給装置1の制御部105にロック信号を送信するように構成しても良い。この場合、制御部105は、ロック信号を受信すると、ロック部103をロック状態にする。
【0082】
また、報知制御部107に対するロック部103のロック及び解除の通知であるが、上述した例ではロック部が行う構成を用いて説明したが、制御部105が通知する構成であっても良い。
以上で、物品供給装置1の報知処理(Step10)の説明を終わる。
【0083】
上記実施の形態では、複数の物品供給装置が設けられている構成を例にして説明したが、物品供給装置が1つであってもよい。この場合、第1識別情報11に含まれる情報は、シリアルコードを認証するためのページへのリンク情報のみとなる。従って、報知制御部107は、シリアルコードを認証するためのページへのリンク情報を含む第1識別情報を端末2が取得したことを条件として、報知部18を制御して認証待ち状態を報知する構成となる。
【0084】
また、上記実施の形態では、報知制御部107は、報知部18を制御して、認証待ち状態の報知方式を第1の点滅速度で報知し、操作可能状態の報知方式を第2の点滅速度で報知する構成を用いて説明したが、認証待ち状態と操作可能状態との報知方式が異なれば他の報知方式であっても良い。例えば、点滅する発光素子の色を変えて、認証待ち状態と操作可能状態とを異なる報知方式で報知する構成であっても良い。
【0085】
上記実施の形態では、第1識別情報に、装置IDと識別情報を認証するためのページへのリンク情報であるURLとが含まれている構成を用いて説明したが、物品収容部12に収容されている物品を識別する物品識別情報が第1識別情報に含まれる構成であっても良い。この構成の場合、端末2が物品識別情報を取得するとサーバ3に送信し、サーバ3が物品識別情報に基づいて読み出した物品情報を端末2のディスプレイに表示する。
【0086】
上述の通り、本発明の報知制御部107は、操作手順の進捗に応じて遷移する物品供給装置の状態を、発光素子の点灯及び点滅からなる、異なる報知形式を用いて報知する。これによりユーザは物品供給装置1の操作手順が遷移していることを把握することができるため、物品の供給を受けるための操作を行うタイミングを知ることができる。ゆえに、ユーザによる物品供給における操作手順の間違えを防止できる。
また、本発明では、シリアルコードの入力を促す入力画面、物品供給装置1の操作を促す案内情報、エラー内容を通知するエラー画面等のような、ユーザに詳細に通知しなければならない情報を端末2に表示する構成である。そのため、物品供給装置1を発光素子のように機械的な表示部で構成しても、ユーザが操作手順を間違えてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0087】
<第3の実施の形態>
上記実施の形態では、報知制御部107は、シリアルコードが認証されたことを条件として、操作可能状態を報知する制御を行っていた。本実施の形態では、報知制御部107は、シリアルコードが認証された後に代価の支払いが行われたことを条件として、操作可能状態を報知する構成を例にして説明する。尚、上記実施の形態と同様の構成については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図24は、本実施の形態における物品供給装置1のブロック図である。
通信部106は、ロック解除信号を受け付けると、現金受付部108に通知する。
【0088】
続いて、本実施の形態の物品供給システムの動作について説明する。上記実施の形態の動作とは、Step10の報知処理が異なるため、図25のフロー図を用いて、本実施の形態の報知処理を説明する。尚、本実施の形態の報知処理は、図16を用いて説明したStep203とStep204との間にStep212からStep214が追加されるため、同様の動作については説明を省略する。
【0089】
物品供給装置1の報知制御部107は、報知部18を制御して物品供給装置1がスタンバイ状態であることを報知する(Step200)。このとき、物品供給装置1の報知制御部107は、図23(1)に示す通り、発光素子を点灯させている。
通信部106が認証中信号を受信すると(Step201:Yes)、報知制御部107は、報知部18を制御して、認証待ち状態を報知する(Step202)。この時、図23(2)に示されているように、報知部18の発光素子が第1の点滅速度で点滅する。
通信部106がロック解除信号を受信すると(Step203:Yes)、現金受付部108は硬貨選別部の機能を初期の無効状態(オフ状態)から有効状態(オン状態)に切り替える(Step212)。
【0090】
現金受付部108は、投入された金銭が物品の代価に達したかを判定する(Step214)。投入された金額が物品の代価に達した場合、ロック解除信号を制御部105に送る(Step214)。制御部105は、ロック解除信号を現金受付部108から受信すると、ロック部103のロックを解除する(Step204)。この時、図23(3)に示されているように、報知部18の発光素子が第2の点滅速度で点滅する。
以上で、本実施の形態における物品供給装置1の報知処理(Step10)の説明を終わる。
【0091】
上述の通り、本発明の報知制御部107は、操作手順の進捗に応じて遷移する物品供給装置の状態を、発光素子の点灯及び点滅からなる、異なる報知形式を用いて報知する制御を行う。これによりユーザは物品供給装置1の操作手順が遷移していることを把握することができるため、物品の供給を受けるための操作を行うタイミングを知ることができる。ゆえに、ユーザによる物品供給における操作のタイミングの間違えを防止できる。
【0092】
また、本発明では、シリアルコードの入力を促す入力画面、物品供給装置1の操作を促す案内情報、エラー内容を通知するエラー画面等のような、ユーザに詳細に通知しなければならない情報を端末2に表示する構成である。そのため、物品供給装置1を発光素子のように機械的な表示部で構成しても、ユーザが操作のタイミングを間違えてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0093】
〈変形例3〉
本実施の形態における変形例3を説明する。上記実施の形態では、報知制御部107は、ロック解除信号を受信後に、物品の価格分の金銭の投入を検出したことを条件として操作可能状態を報知する制御を行う構成を用いて説明したが、他の構成であっても良い。例えば、報知制御部107は、ロック解除信号を受信したことを条件として、決済受付状態になったことを報知する制御を行う構成であってもよい。
本変形例3における報知方式を図26のタイムライン図を用いて説明する。
図26に示されている(1)スタンバイ状態、(2)認証待ち状態、(3)操作可能状態、及び(4)スタンバイ状態は、上記で説明した図23と同じである。図23と異なる点は、(2)認証待ち状態と(3)操作可能状態との間に、決済受付状態(第5状態)がある点である。ここでは、決済受付状態の報知を、発光素子を消灯することによって報知する報知方式を用いて説明するが、スタンバイ状態、認証待ち状態、及び操作可能状態と区別できる報知方式であれば他の報知方式であっても良い。
【0094】
<第4の実施の形態>
上記実施の形態では、第1識別情報子11の情報表示体は、識別情報を認証するためのページへのリンク情報と、装置IDとを含んでいる場合を用いて説明した。本実施の形態では、識別情報を認証するためのページへのリンク情報と、装置IDとが異なる情報表示体で構成されている場合を例にして説明する。尚、本実施の形態では、上記第1の実施の形態に適応させた構成を用いて説明するが、第2の実施の形態に適応させても良い。
【0095】
図27は、本実施の形態の物品供給装置1の正面図である。本例では、識別情報を認証するためのページへのリンク情報としてQRコード(二次元コード)を、装置ID情報の情報表示体としてバーコード(一次元コード)を、物品供給装置1の前面に装着して表示する方法を採用して説明する。
【0096】
物品供給装置1のディスプレイ13には、上記実施の形態で説明したとおり、物品の説明等が記載されている。本実施の形態では、更に、第1種別の第1識別情報111(情報表示体:QRコード)が表示(印刷)されている。第1種別の第1識別情報111は、雑誌5に記載された第2識別情報112を認証するためのページへのリンク情報であるURLを少なくとも含む。尚、第1種別の第1識別情報111は、上述した以外にも、物品識別情報(物品ID)、物品の価格等の情報も含んでも良い。物品供給装置1の表面には、第2種別の第1識別情報112(情報表示体:バーコード)が表示(印刷)されている。第2種別の第1識別情報112は、物品供給装置1を識別するユニークな物品供給装置識別情報(装置ID)を少なくとも含む。第1種別の第1識別情報111と、第2種別の第1識別情報112は異なる位置に配置されており、第1種別の第1識別情報111の方が第2種別の第1識別情報112よりも高い位置に配置されている。
【0097】
本実施の形態の物品供給システムの全体の流れを、図28のシーケンス図を用いて説明する。
物品供給装置1は、報知処理を実行する(Step1)。
【0098】
ユーザは、物品供給装置1に表示されている第1種別の第1識別情報111の情報表示体を取得する。情報表示体の取得は、ユーザの操作に応じて、端末2の撮影部302の撮影機能を用いて行われる(Step201)。ユーザは、物品を供給可能な複数台の物品供給装置1のうちいずれかの物品供給装置1のディスプレイ13の第1種別の第1識別情報111の情報表示体が表示されるように端末2を操作し、情報表示体を撮影する。
【0099】
端末2の情報取得部510は、撮影された第1種別の第1識別情報111の情報表示体から第1種別の第1識別情報111を取得する。本例では、取得された第1種別の第1識別情報111は、シリアルコード12を認証するための手段へのリンク先情報(例えば、URL)である(Step202)。本例では、リンク先はサーバ3が設定されているものとする。
【0100】
端末2のシリアルコード取得部511は、リンク先に基づいて、シリアルコードの入力画面の送信を要求するリクエストをサーバ3に送信する(Step203)。
【0101】
サーバ3は、端末2からのリクエストを受信し、認証処理を行う(Step204)。認証処理の詳細は、後述する。
【0102】
端末2は、第2種別の第1識別情報112の入力画面をサーバ3から受信すると、受信した入力画面を表示する(Step205)。
ユーザは、物品を供給可能な複数台の物品供給装置1のうちいずれかの物品供給装置1(読み取った第1種別の第1識別情報111の情報表示体が表示されている物品供給装置1と異なる物品供給装置1でも良い)の第2種別の第1識別情報112の情報表示体が端末2のディスプレイ31に表示されるように端末2を操作し、情報表示体を撮影する(Step206)。
【0103】
端末2の情報取得部510は、撮影された第2種別の第1識別情報112の情報表示体から第2種別の第1識別情報112を取得する(Step207)。本例では、取得された第2種別の第1識別情報112は、物品供給装置1の装置ID(“12560”)とする。情報取得部510は、リンク先に基づいて、装置ID(“12560”)をサーバ3に送信する(Step211)。
【0104】
サーバ3は、端末2からの装置IDを受信し、認証処理(Step204)を実行する。サーバ3は、装置IDから特定した物品供給装置1に対して認証中信号を送信する。報知処理を行う(Step10)。
【0105】
端末2は、サーバ3からエラー通知画面では無く、シリアルコード入力画面を受信すると、端末2のシリアルコード取得部511は、シリアルコード入力画面を表示する(Step208)。ユーザは、表示された入力画面にシリアルコードを入力する(Step209)。本例では、ユーザは、シリアルコード“1VB3588”を、シリアルコード入力画面に入力したものとする。そして、シリアルコード取得部511は、シリアルコードをサーバ3に送信する(Step210)。
【0106】
サーバ3は、シリアルコードを受信し、認証処理を行う(Step204)。認証処理の詳細は、後述する。
【0107】
端末2の供給情報案内部512は、案内情報を受信すると、案内情報を表示する(Step009)。
【0108】
次に、図29のフローチャートを用いて、サーバ3の認証処理(Step204)を説明する。
【0109】
サーバ3のシリアルコード認証部622は、端末2からリクエストを受信すると(Step400)、装置ID(第2種別の第1識別情報)の入力画面を送信する(Step401)。物品供給装置判定部621は、入力画面に入力された装置IDを受信する(Step402)。本例では、受信した装置IDは“12560”である。
物品供給装置判定部621は、物品供給装置データD1を用いて、装置IDの判定を行う(Step403)。装置IDの判定は、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれているかの判定である。取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれている場合は(Step403:Yes)、その装置IDの物品供給装置1の在庫数を確認する(Step404)。在庫数がある場合、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能な物品供給装置1であると判断し、認証中信号を物品供給装置1に送信する(Step405)。本例では、取得した装置IDは“12560”であり、物品供給装置データD1に含まれている。
一方、取得した装置IDが物品供給装置データD1に含まれていない場合は(Step403:No)、ユーザが取得した装置IDの物品供給装置1が物品を供給可能な物品供給装置1ではないと判断し、エラーの案内情報を端末3に送信する(Step412)。図21は物品供給装置のエラーの案内情報の一例を示す図である。
次に、シリアルコード認証部622は、シリアルコード入力画面を端末2に送信する(Step406)。シリアルコード認証部622は、入力画面に入力されたシリアルコードを受信すると(Step407)、取得したシリアルコードの認証処理を行う(Step408)。本例では、取得したシリアルコードは“1VB3588”であり、シリアルコード“1VB3588”が認証対象である。シリアルコード認証部622は、取得したシリアルコードとシリアルコードデータD2のシリアルコードとを照合し、取得したシリアルコードがシリアルコードデータD2に含まれており、かつ、そのシリアルコードに認証済みフラグが立っていない場合には、取得したシリアルコードを認証し、ユーザのシリアルコードが認証されたものと判断する(Step409:Yes)。尚、シリアルコード認証部622は、シリアルコードに有効期限が設定されている場合、入力画面に入力されたシリアルコードの有効期限の認証も行う。シリアルコード認証部622は、シリアルコードの有効期限が有効であり、シリアルコードを認証した場合、物品供給装置判定部621は、物品供給に関する案内情報を送信する(Step410)。物品供給装置判定部621が特定した装置IDの物品供給装置1に、供給許可信号を送信する(Step411)。本例では、供給制御部623は、装置ID“12560”の物品供給装置1に、供給許可信号を送信する。
【0110】
一方、認証できなかった場合(Step409:No)、エラーの案内情報を端末2に送信する(Step4112)。例えば、図21に示すようなエラーの案内情報を端末2に送信する。
以上で、サーバ3の認証処理(Step204)の説明を終わる。
【0111】
本実施の形態は、上記実施の形態の効果に加えて、以下の効果を有する。
本実施の形態は、物品に共通する第1種別の第1識別情報と、物品供給装置に固有の第2種別の第1識別情報と、を分けて使用している。このようにすることにより、物品供給装置の収納部に収納される物品を他の物品に変更する場合、物品供給装置に表示されている第2種別の第1識別情報を変更することなく、物品供給装置のディスプレイ13に表示される第1種別の第1識別情報だけを変更すればよいため、本システムの運営側の作業負担を軽減することができる。
【0112】
[付記1]
物品を供給可能な物品供給装置であって、
物品を収容している収容部と、
前記収容部に収容されている前記物品を供給する供給部と、
前記供給部から前記物品を供給すべく操作可能な操作部と、
前記操作部の操作を操作不可能にロックするロック部と、
前記ロック部のロックを解除する制御部と、
前記ロック部のロックが解除された第1状態と、前記操作部の操作が完了した第2状態と、を異なる報知形式で報知する報知制御部と、
を備える物品供給装置。
【0113】
[付記2]
前記制御部は、代価の支払いが完了したこと、及び、前記ロック部のロックを解除するための認証が完了したこと、の少なくとも1つを条件として、前記ロックを解除する、
付記1に記載の物品供給装置。
【0114】
[付記3]
前記物品の代価の支払いを検出可能な検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部が前記物品の代価の支払いの完了を検出したことを条件として、前記ロックを解除する、
付記1又は付記2に記載の物品供給装置。
【0115】
[付記4]
前記ロック部のロックを解除するための認証先を含む第1識別情報を表示する表示部を備え、
前記報知制御部は、前記第1状態と、前記第2状態と、前記認証先で行われる、前記ロック部のロックの解除の認証を待機する第3状態と、を異なる報知形式で報知する、
付記1から付記3のいずれかに記載の物品供給装置。
【0116】
[付記5]
前記制御部は、前記第1識別情報を取得したことによって前記物品を供給する物品供給装置が特定されたこと、及び、前記ロック部を解除するための認証が完了したことを条件として、前記ロックを解除する、
付記4に記載の物品供給装置。
【0117】
[付記6]
前記第1識別情報は、前記ロック部を解除する第2識別情報を取得するための手段へのアクセス情報を含む、
付記4又は付記5に記載の物品供給装置。
【0118】
[付記7]
前記第2識別情報は、前記物品供給装置外に表示されている、
付記6に記載の物品供給装置。
【0119】
[付記8]
前記第1識別情報は、前記物品供給装置を識別する識別情報を含んでいる、
付記4から付記7のいずれかに記載の物品供給装置。
【0120】
[付記9]
前記第1識別情報は、前記収容部に収容されている物品を識別する物品識別情報を含んでいる、
付記4から付記8のいずれかに記載の物品供給装置。
【0121】
[付記10]
前記報知制御部は、前記第1状態と、前記第2状態と、前記第3状態と、前記物品供給装置が前記物品の供給を待機している第4状態と、を異なる報知形式で報知する、
付記1から付記9のいずれかに記載の物品供給装置。
【0122】
[付記11]
前記報知制御部は、発光部の消灯、発光部の点灯、発光部の点滅、及び発光部の異なる速度での点滅のいずれか組み合わせた、異なる形式で報知する、
付記1から付記10のいずれかに記載の物品供給装置。
【0123】
[付記12]
物品を供給可能な物品供給システムであって、
物品を収容している収容部と、
前記収容部に収容されている前記物品を供給する供給部と、
前記供給部から前記物品を供給すべく操作可能な操作部と、
前記操作部の操作を操作不可能にロックするロック部と、
前記ロック部のロックを解除する制御部と、
前記ロック部のロックが解除された第1状態と、前記操作部の操作が完了した第2状態と、を異なる報知形式で報知する報知制御部と、
を備える物品供給システム。
【0124】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0125】
1 物品供給装置
2 端末
3 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図24
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図26
図27
図28
図29