IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社STANDAGEの特許一覧

特開2023-122610支援システム、支援方法およびプログラム
<>
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図1
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図2
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図3
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図4
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図5
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図6
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図7
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図8
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図9
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図10
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図11
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図12
  • 特開-支援システム、支援方法およびプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122610
(43)【公開日】2023-09-04
(54)【発明の名称】支援システム、支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/00 20120101AFI20230828BHJP
【FI】
G06Q20/00
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026272
(22)【出願日】2022-02-23
(71)【出願人】
【識別番号】518172509
【氏名又は名称】株式会社STANDAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120581
【弁理士】
【氏名又は名称】市原 政喜
(72)【発明者】
【氏名】足立 彰紀
(72)【発明者】
【氏名】大森 健太
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】事前に必要なデータを入力するなどの準備をほとんどすることなく、貿易関連手続きを支援して、様々なサービスを提供する支援システム、支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、貿易関連手続支援サーバ101は、輸出業者端末111からアクセスを受け、商品情報や、自社の情報提供サイトのアドレスを受信して、海外の買い手向けに提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するチャット管理モジュール202、貿易支援プラットフォームに取り込まれた種々の情報に基づいて貿易関連書類の自動生成や作成支援を行う書類生成管理モジュール203、および貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貿易関連手続きを支援する支援システムであって、
輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから該対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出手段と、
前記抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込み手段と、
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、前記貿易関連書類に前記商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出手段と、
前記商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、前記抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成手段と
を備えることを特徴とする支援システム。
【請求項2】
前記貿易関連書類は、船積書類であることを特徴とする請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータは、チャットにより交換されることを特徴とする請求項1または2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータは、輸出業者と輸入業者との間の質問と、その回答を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の支援システム。
【請求項5】
前記書類生成手段は、補充される対象の前記貿易関連書類の補充すべき項目を強調表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の支援システム。
【請求項6】
前記商品情報以外の必要データは、輸出業者および輸入業者に関連する企業情報または個人情報を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の支援システム。
【請求項7】
前記対象商品の国内販売関連サイトから該対象商品の商品情報および前記関係者との間の通信を提供するポータルサイトをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の支援システム。
【請求項8】
前記対象商品の国内販売関連サイトのアドレスを受信するアドレス受信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の支援システム。
【請求項9】
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間でチャット通信を提供するチャット手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の支援システム。
【請求項10】
貿易関連手続きを支援する支援方法であって、
輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから該対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出ステップと、
前記抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込みステップと、
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、前記貿易関連書類に前記商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出ステップと、
前記商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、前記抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成ステップと
を備えることを特徴とする支援方法。
【請求項11】
コンピュータに貿易関連手続きを支援する支援方法を実行させるプログラムであって、該支援方法は、
輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから該対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出ステップと、
前記抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込みステップと、
前記貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、前記貿易関連書類に前記商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出ステップと、
前記商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、前記抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成ステップと
を備えることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は支援システム、支援方法およびプログラムに関し、より具体的には、貿易関連手続きを支援して、様々なサービスを提供することができる支援システム、支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、海外との輸出入を行う際は、直接の関係者である輸出業者および輸入業者のほかに、仲介業者や官公庁など多くの関係者がかかわり、また、煩雑な貿易書類が必要なため、専門的な知識と経験が必要である。近年では、インターネットの普及や小規模ビジネスの拡充などに伴い、海外に容易に製品情報を発信し、また海外との情報交換が可能になっているが、実際に海外に輸出あるいは海外から輸入する際には専門的な知識や経験が必要となり、特にインボイスなどの各種船積書類あるいは貿易書類を用意することは容易ではないため、このような専門的な処理を支援する技術が提案されている。
【0003】
例えば、簡単、迅速かつ正確に仲介貿易におけるインボイスを作成することを課題として、出荷主又は売主である第1の貿易者、仲介者である第2の貿易者及び荷受人又は買主である第3の貿易者の間で行う仲介貿易における貨物明細書、請求書及び税関申告書としての機能を持つインボイスを作成する装置であって、第1及び第2の貿易者間のインボイスに絶対的に許されない瑕疵であるエラーがあるか否かを判断する判断手段(303,304)と、エラーがないときには前記第1及び第2の貿易者間のインボイスを基に第2及び第3の貿易者間のインボイスを自動的に作成するインボイス作成手段(305)と、を有するインボイス作成装置が提案されている(特許文献1を参照)。また、港湾での各取引関連業者の役割、業態の多様性に適応してその取引の管理や取引に際して必要な手続の効率化を図ることのできる貿易業務支援装置を提供することを目的として、本船情報を含む港湾貨物取引の基礎的情報を蓄積する基礎情報格納手段2、港湾貨物取引の複数種類の付加的情報を蓄積する付加情報格納手段4、および港湾貨物取引単位での振り分けにより付加的情報を基礎的情報に関連付ける関連テーブル5を備えた取引情報データベース6と、取引情報データベース6における特定の本船情報を含む港湾貨物取引の所定項目を管理情報出力命令に従って管理情報として抽出する管理情報抽出手段8と、管理情報を出力する出力部9と、基礎的情報の入力後に該基礎的情報と対象の港湾貨物取引を共通にする付加的情報が逐次入力されるとともに、特定の本船情報を指定してなされる管理情報出力命令が入力される入力部10とを有する貿易業務支援装置が提案されている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-157313号公報
【特許文献1】特開2015-106400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のインボイス作成装置や貿易業務支援装置などの支援システムは、迅速かつ正確に仲介貿易におけるインボイスを作成できたり、港湾での各取引の管理や取引に際して必要な手続の効率化を図ることのできたりするといった一定の支援が可能ではあるものの、その準備のために様々なデータを事前に登録しておかなければならないという問題がある。
【0006】
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、輸出入を専門としない中小企業、メーカー、個人などの貿易関連ビジネスを専門としない売り手などに対して、全般的な貿易ビジネスプラットフォームを提供することにより支援し、特に事前の準備をほとんどすることなく、船積書類の作成を支援することが可能な支援システム、支援方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、貿易関連手続きを支援する支援システムであって、輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出手段と、抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込み手段と、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、貿易関連書類に商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出手段と、商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の支援システムにおいて、貿易関連書類は、船積書類であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の支援システムにおいて、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータは、チャットにより交換されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の支援システムにおいて、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータは、輸出業者と輸入業者との間の質問と、その回答を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の支援システムにおいて、書類生成手段は、補充される対象の貿易関連書類の補充すべき項目を強調表示することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の支援システムにおいて、商品情報以外の必要データは、輸出業者および輸入業者に関連する企業情報または個人情報を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の支援システムにおいて、対象商品の国内販売関連サイトから対象商品の商品情報および前記関係者との間の通信を提供するポータルサイトをさらに備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の支援システムにおいて、対象商品の国内販売関連サイトのアドレスを受信するアドレス受信手段をさらに備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の支援システムにおいて、貿易関連手続きにかかる関係者との間でチャット通信を提供するチャット手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の支援システム。
【0014】
請求項10に記載の発明は、貿易関連手続きを支援する支援方法であって、輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出ステップと、抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込みステップと、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、貿易関連書類に商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出ステップと、商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成ステップとを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、コンピュータに貿易関連手続きを支援する支援方法を実行させるプログラムであって、支援方法は、輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出ステップと、抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込みステップと、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、貿易関連書類に商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出ステップと、商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、輸出対象となる対象商品の国内販売関連サイトから対象商品の商品情報を抽出する商品情報抽出手段と、抽出された商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込む埋め込み手段と、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、貿易関連書類に商品情報以外の必要データを抽出する必要データ抽出手段と、商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成して提示し、補充された貿易関連書類を生成する書類生成手段を備えるので、事前に必要なデータを入力するなどの準備をほとんどすることなく、船積書類の作成を支援することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸出業者端末の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸入業者端末の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態の貿易関連ビジネス支援処理の一例の全体のフローを説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのログイン画面の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける商品情報提供画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームのメッセージ通信画面の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類作成処理の一例のフローを説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類作成画面の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類の仮生成画面の一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームで使用するデータベースの一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける商品の詳細情報を提供する画面の一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるコンシェルジュ処理機能を提供する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の支援システム、支援方法およびプログラムについて、図面を参照して実施形態を説明する。なお、異なる図面でも、同一の処理、構成を示すときは同一の符号を用いる。
【0019】
本実施形態は、貿易関連ビジネスにおいて当事者である輸出業者が、主に国内向けに販売している製品を、海外に販売展開することを支援し、従来専門性を要した手続きを容易に進めることができるようにするものである。本実施形態の支援システムは、情報提供、コミュニケーション、手続き支援など簡便なユーザインタフェースで貿易関連ビジネスの支援を提供する貿易支援プラットフォームを中心に、特に貿易関連の船積書類等の書類作成の支援を提供する。ここで、貿易支援プラットフォームである、「貿易用マーケットプレイス」は、例えば図5に示すように関係者間で通信のやり取りを可能にするメッセージ処理機能505、商品情報を買い手に提供する商品情報処理機能506、買い手からのオファーを処理する注文処理機能507、配送関連の処理を実行する配送処理機能508、相談対応や具体的な支援を提供するコンシェルジュ処理機能509および書類作成支援処理機能510など貿易関連ビジネスで必要な支援機能を網羅的に提供する。本実施形態では、貿易用マーケットプレイス内で以上のような各機能を提供するが、これに限られることなく本技術分野で知られるような形態で、複数のプラットフォームに分割することもでき、また、以上列挙した機能に加え、本技術分野で知られる種々の機能を加えることもできる。
【0020】
(システム構成)
本発明の一実施形態で用いる貿易支援プラットフォームの主な動作及び処理をまず説明し、次に書類作成支援処理について説明する。図1は、本発明の一実施形態の全体のシステム構成図である。本システムは、貿易支援処理の主な機能を実行し、輸出業者などの売り手に対して様々な貿易関連の支援を提供したり、システム全体を制御したりするための貿易関連手続支援サーバ101を備えており、ネットワーク103を介して利用者である輸出業者端末111、112や輸入業者端末121、122に接続されている。本実施形態では、このサーバ101の機能は、クラウドを通じて各端末に提供することもできる。この場合、各端末ではブラウザや専用アプリを使用して主に入力、表示のみの処理を行い、データの管理、種々の処理は基本的にサーバ上で行われるが、クラウドの構成とせずインターネットや専用のネットワークを介して直接クライアントや端末などに提供するような構成とするなど、本技術分野で知られたいずれの構成とすることもできる。
【0021】
サーバとしては、貿易関連手続支援サーバ101に加え、本技術分野で知られた様々なサービスを提供する各種サーバを備えることができる。また、図示しないデータベースを備え、データベースには、本実施形態で必要とされる各種データを格納しておくことができる。
【0022】
本実施形態では、利用者側の端末として、輸出業者端末111、112が用いられ、貿易関連ビジネスの諸手続きの支援の提供を受けることができるが、これらの端末は貿易関連支援サービスを依頼するクライアントの個人情報や企業データの入力などのために用いることもできる。また、同様に海外の買い手である輸入業者は、輸入業者端末121、122を使用して、貿易支援プラットフォームから提供される商品情報に基づいて所望の商品の購入を決定し、輸出業者に対してオファーを行った後、メッセージ処理機能を用いて例えば、チャットにより輸出業者とで情報を交換して、売買条件、その他を決定することができる。なお、本実施形態では、日本国内の売り手と海外の買い手とが売買を行う場合で説明するが、これに限られることなく日本国内の買い手と海外の売り手との取引にも同様に適用することができる。
【0023】
端末111、112、121および122は、基本的に無線でネットワーク103に接続されており、スマートフォン、あるいはタブレット端末等とすることができるが、そのほか例えばモバイルパソコン等とすることができる。ここで、本実施形態でネットワーク103との接続は、携帯電話の回線や、Wi-fi、BLUETOOTH(登録商標)等の無線ネットワークにより行うことができるが、基本的にネットワークを介して貿易支援プラットフォームにアクセスして入力画面を表示、およびタッチパネル、マウスまたはキーボードで一定の入力操作をすることができれば、タブレット端末のほか、モバイルあるいはデスクトップのパソコン、専用端末などいずれの装置を用いることもできる。また、本実施形態の貿易関連ビジネス支援サービスに関する処理を主に実行するサーバとしては、貿易関連手続支援サーバ101のみで処理を行うようにしているが、これに限られず複数のサーバに分けて、機能分担させることもできる。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸出業者端末の機能ブロック図である。貿易関連手続支援サーバ101は、輸出業者端末111からアクセスを受け、商品情報や、自社の情報提供サイトのアドレスを受信して、海外の買い手向けに提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するチャット管理モジュール202、貿易支援プラットフォームに取り込まれた種々の情報に基づいて貿易関連書類の自動生成や作成支援を行う書類生成管理モジュール203、および貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204を備える。
【0025】
一方、輸出業者端末111は、輸出業者に関する情報を入力させ、入力された輸出業者に関する情報を管理するデータ入力管理モジュール205、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール206、およびチャットによる関係者との通信による貿易関連ビジネス支援サービスを提供するチャット通話モジュール207を備える。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態の貿易関連手続支援サーバおよび輸入業者端末の機能ブロック図である。貿易関連手続支援サーバ101は、輸入業者端末121からアクセスを受けて、輸出業者の商品情報を提供する商品情報管理抽出モジュール201、輸出入業者を含め関係者間で情報を交換可能な通信手段を提供するチャット管理モジュール202、貿易支援プラットフォームに取り込まれた種々の情報に基づいて貿易関連書類の自動生成や作成支援を行う書類生成管理モジュール203、および貿易関連ビジネス支援サービスに伴う種々の通信を行う通信モジュール204を備える。
【0027】
一方、輸入業者端末121は、輸入業者に関する情報を入力させ、入力された輸入業者に関する情報を管理するデータ入力管理モジュール301、様々なデータを送受信するデータ送受信モジュール302、およびチャットによる関係者との通信による貿易関連ビジネス支援サービスを提供するチャット通話モジュール303を備える。
【0028】
(本実施形態の貿易関連手続支援処理)
図4ないし7、12および13を参照して、本実施形態の貿易関連手続支援処理を説明する。図4は、本発明の一実施形態の貿易関連ビジネス支援処理の一例の全体のフローを説明するための図であり、図5は、本実施形態の貿易支援プラットフォームのログイン画面の一例を示す図である。図6は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける商品情報提供画面の一例を示す図であり、図7は、本実施形態の貿易支援プラットフォームのメッセージ通信画面の一例を示す図である。図12は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける商品の詳細情報を提供する画面の一例を示す図であり、図13は、本実施形態の貿易支援プラットフォームにおけるコンシェルジュ処理機能を提供する画面の一例を示す図である。
【0029】
自社製品を海外にも展開しようと考えるメーカーや国内向けに販売している商品を海外にも流通させようとする企業は、事前に貿易支援プラットフォーム501に自社の情報を入力して会員登録しておき(ステップS401)、貿易支援プラットフォームのログイン画面501で設定されたID502とパスワード503を入力してログインすることができる。会員登録したメーカーや企業は、貿易支援プラットフォームにログインした後、海外展開しようとする商品情報を登録する(ステップS402)ことにより、貿易関連手続サーバは、提供された情報に基づいて情報を収集し、買手が貿易支援プラットフォーム501の商品情報506を選択すると、図6に示す商品情報提供画面601が買い手に閲覧可能となる。図6の商品情報提供画面601は、提供される商品の画像602および603をリストアップされており、その画像をクリックすると、図12に示すような詳細情報1201が表示され、買い手は商品のスペックや販売条件などを確認することができる。本実施形態では、商品の画像をリストアップして、これをクリックすると詳細情報が表示されるような構成になっているが、商品情報の提供方法はその他、本技術分野で知られたいずれの方法とすることもできる。
【0030】
海外在住の邦人や外国人から商品情報を見て購入のオファーがあると(ステップS403のYes)、貿易関連手続サーバは輸出業者にその旨通知するので、輸出業者がメッセージ505を選択すると、図7に示すようなチャット画面701が表示される。図7に示すチャット画面701において、その後オファーを提供した輸入業者とチャット通信を行って、具体的な取引内容を調整することができる(ステップS404)。図7に示すように、チャット通信においては、輸入業者のメッセージ702に対し、輸出業者のメッセージ703や他の関係者のメッセージ704等が交換されて情報が共有され、売買の契約内容が調整されて合意まで進めることができる。輸出業者と輸入業者とが合意に達すると、輸出業者は図5に示す書類支援510の文書作成支援処理を選択して、貿易支援プラットフォームの支援の下インボイスなどの貿易関連書類を用意する(ステップS405)が、本処理は以下の本実施形態の文書作成支援処理において詳述する。
【0031】
また、配送処理機能508が選択されると配送手配の支援処理が実行される。なお、本実施形態では、海外との取引であることから買い手の支払いを預託して商品の配送と連携して、配送が完了した後売り手に支払いが行なわれるようにすることにより取引の安全を図っている。すなわち、基本的に買い手による代金分の預託を条件に、売り手は配送処理を行い、運送業者による配送完了を条件に預託された代金を売り手に送金することもできる。運送業者への配送の依頼方法や、具体的な手続きについては本技術分野で知られたいずれの方法でも実行することができるが、一般に配送を依頼すると、ユニークな配送識別情報が付与されるため、売り手からあるいは自ら配送識別情報を入手し、これに基づいて処理が進められる。売り手が、運送業者に配送を依頼すると、配送識別情報が設定されるので、これが通知されるか、運送業者から連絡させる等により対応する取引と関連付けられて配送識別情報を取得できる。具体的には、配送処理がなされ配送識別情報が設定された場合は、配送が完了すると通知を受信するように着荷確認を設定する。現在、国内外の運送業者の多くが自社あるいは関連情報処理企業等の外部機関・企業で、取り扱う荷物の配送管理、追跡システムを有しており、出荷、着荷だけでなく途中の営業所の通過などの情報もリアルタイムで入手できるようになっている。近年では、このような運送会社個別の追跡システムだけではなく、複数の運送会社の情報を収集して提供する企業も登場し、特に海外も含め配送を行う場合は、このような企業の提供する情報を使用することもできる。本実施形態では、例えばAfterShipといったサービスにより、海外も含む主要な運送業者の追跡が可能とすることができるが、これに限られず様々な企業が提供する同種のサービスを利用することもできる。着荷の確認は、使用する追跡サービスにもよるが、本実施形態では上述の様に、配送識別情報を設定しておいて配送が完了すると(買い手が商品を受け取ると)、その旨通知を受けるように予め設定しているので、追跡サービスから指定の荷物が着荷したとの通知を待ってその後の処理を行えばよい。ここで、配送識別情報は、運送業者に配送を依頼した際に設定される問合せ番号とすることができるが、これに限られず配送する荷物を特定できるものであれば商品番号等、いずれかの識別力ある情報とすることもできる。
【0032】
さらに、貿易支援プラットフォーム501のコンシェルジュ509を選択すると図13に示すように、貿易関連ビジネスを具体的に支援する企業1302や機関1303が予め登録されており、登録された企業及び機関をリストアップする画面1301が表示され、相談ボタン1304を押下すると、必要な企業や機関に接続されて相談や依頼が可能となる。
【0033】
(本実施形態の文書作成支援処理)
図8ないし10を参照して、本実施形態の文書作成支援処理を説明する。図8は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類作成処理の一例のフローを説明するための図であり、図9は、本実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類作成画面の一例を示す図である。また、図10は、本発明の一実施形態の貿易支援プラットフォームにおける船積書類の仮生成画面の一例を示す図であり、図11は、本実施形態の貿易支援プラットフォームで使用するデータベースの一例を示す図である。
【0034】
まず、輸出業者が貿易支援プラットフォームの書類生成510を選択すると、図9に示すような選択画面901として、例えばインボイス・パッキングリスト902、売買契約903および通関委任状904の選択肢を含む選択画面が表示されるが、これに限られず、貿易関連手続きに必要な種々の書類を選択するようにすることもできる。本実施形態では、例としてインボイスの作成支援について以下説明する。
【0035】
図9においてインボイス・パッキングリスト902が選択されると、本実施形態の文書作成支援処理が開始される。一般に、通常のメーカーや販売店などは、国内向けの商品についても、自社サイトなどで商品情報を提供していることから、輸出対象となる対象商品の商品情報を、別途あるいは改めて入力することなく、国内販売関連サイトなどから抽出することができる(ステップS801)。具体的には、輸出業者が商品情報を登録すると自社サイトなどの情報提供サイトから情報が収集されるので、図11に示す書類データ1101に抽出されたデータが格納される。ここで、本実施形態では、国内販売関連サイトから、対象商品の商品情報を抽出するが、これに限られず、貿易支援プラットフォームなどで別途商品情報や企業情報を予め入力して、保存しておき使用することもできる。情報を収集すると、貿易関連の諸書類は一定のフォーマットを有していることがほとんどなので、抽出された海外展開しようとする商品の商品情報を所定の形式の貿易関連書類のひな型に埋め込むことができる(ステップS802)。
【0036】
輸出業者と輸入業者との間では、契約合意に至るまで、例えばチャット通信などにより輸出業者と輸入業者との間などで質問や回答などの情報のやり取りがなされ、これらのやり取りには、各種の貿易関連手続きに必要な情報が添付され、書類作成に必要な種々の情報が交換される。以上のように、貿易関連手続きにかかる関係者との間で通信されたデータから、貿易関連書類に商品情報以外の必要データを抽出し(ステップS803)、商品情報を埋め込まれた書類ひな型に、抽出した必要データをさらに組み込んで書類を仮生成し、図10に示すように書類1001を表示する(ステップS804)。本表示にあたっては、補充に必要な項目を強調表示して入力を促すようにすることもできる。
【0037】
具体的には、図11に示す商品情報が組み込まれた書類データ1101に抽出された商品情報以外の必要データがさらに格納され、書類データ1101の内容を書類のひな型に埋め込んで図10に示すように表示される。本実施形態では、この段階で商品情報以外の必要データを抽出するが、これにかかわらず、例えば図7に示すようなチャットによる情報交換時に予め必要データを抽出しておくこともできる。
【0038】
表示された書類1001にはS801~S803で得られたデータが組み込まれるが、輸出業者などの書類作成者は、表示された書類を確認し、以上の処理で書類が完成していれば、補充を行う必要なく(ステップS805のNo)、書類をそのまま出力することができる。通常は、その他入力が必要なデータが存在するので、書類作成者により必要なデータが補充され、書類データ1101に格納され(ステップS805のYes)、補充された書類が出力される。ここで、出力はPDFなどの電子データのほか、紙に印刷するなど、本技術分野で知られたいずれの形態であって、商取引や手続きに用いることが可能ないずれかの方法で出力することができる。
【0039】
以上のように本実施形態を用いることにより、事前にデータを用意したり、改めてデータ入力したりすることなく、貿易関連の専門的な知識や経験を有していなくても、貿易支援プラットフォームの支援を受けて容易に必要な書類の作成を行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
101 貿易関連手続支援サーバ
103 ネットワーク
111、112 輸出業者端末
121、122 輸入業者端末
501 ログイン画面
601 商品情報提供画面
701 メッセージ通信画面
901 船積書類作成画面
1001 船積書類の仮生成画面
1201 詳細情報を提供する画面
1301 コンシェルジュ処理機能を提供する画面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13