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特開2023-122650録画システム、録画方法及び録画プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122650
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】録画システム、録画方法及び録画プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2747 20110101AFI20230829BHJP
   H04N 21/24 20110101ALI20230829BHJP
   H04N 5/761 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H04N21/2747
H04N21/24
H04N5/761
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020254
(22)【出願日】2022-02-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】504339929
【氏名又は名称】リビング・バイ・ブルー有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081318
【弁理士】
【氏名又は名称】羽切 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100132458
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 圭代
(74)【代理人】
【識別番号】100165146
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 博喜
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅一
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA04
5C164SA11S
5C164SA21S
5C164SB36S
5C164SB41P
5C164SD13P
5C164YA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】録画装置を所有する必要がなく、視聴する番組や広告を番組配信サービス側に制限されることのない録画システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】録画システムは、位置情報取得、ユーザ情報取得及び位置情報照合を実行する位置情報確認部と、ユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶部と、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持部と、ユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定部と、所定の放送局の送出部が送出する放送データを受信する受信部と、受信部で受信した放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶部と、端末からの録画指示に基づいて、受信エリア決定部で決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する録画画定部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画システムであって、
前記端末の位置情報を取得する位置情報取得、
前記録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び
前記位置情報と前記ユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、
を実行する位置情報確認部と、
前記ユーザ情報取得で取得した前記ユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶部と、
受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持部と、
前記ユーザの住所から、前記ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定部と、
前記所定の放送局の送出部から送出される前記放送データを受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶部と、
前記端末からの前記録画指示に基づいて、前記受信エリア決定部で決定された受信エリアと前記対応関係情報に基づいて決定される前記所定の放送局の前記放送データの録画を画定する録画画定部と、
を備える、ことを特徴とする録画システム。
【請求項2】
前記端末は、前記録画画定部が録画した録画データの再生を指示する録画再生指示部を備え、前記録画システムは、前記録画再生指示部からの再生指示に基づいて録画再生を実行する録画再生実行部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の録画システム。
【請求項3】
前記受信部が受信する前記放送データの放送区域が、前記ユーザの受信エリアである場合に、前記録画指示に基づいて、前記録画画定部は、すべての前記放送データの録画を画定することを特徴とする請求項1に記載の録画システム。
【請求項4】
前記所定の放送局の送出部から送出される前記放送データは、ベースバンドで伝送される信号で通信網を介して送出され、前記受信部は、前記通信網を介して前記信号を変調や復調することなく受信する、ことを特徴とする請求項1に記載の録画システム。
【請求項5】
前記位置情報確認部は、前記位置情報照合で前記位置情報と前記ユーザの住所の差異が所定の範囲内でない場合に、照合エラーとなったことを通知する照合エラー通知部を備えることを特徴とする請求項1に記載の録画システム。
【請求項6】
端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画方法であって、
前記録画方法は、位置情報確認部、ユーザ情報記憶部、エリア対応放送局情報保持部、受信エリア決定部、受信部、放送データ記憶部、録画画定部を備えた録画システムによって実行され、
前記エリア対応放送局情報保持部が、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持ステップと、
前記受信部が、前記所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信する受信ステップと、
前記放送データ記憶部が、前記受信ステップで受信した前記放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶ステップと、
前記位置情報確認部が、前記端末の位置情報を取得する位置情報取得、前記録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び、前記位置情報と前記ユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、を実行する位置情報確認ステップと、
前記受信エリア決定部が、前記ユーザの住所から、前記ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定ステップと、
前記ユーザ情報記憶部が、前記ユーザ情報取得で取得した前記ユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶ステップと、
前記録画画定部が、前記端末からの前記録画指示に基づいて、前記受信エリア決定ステップで決定された受信エリアと前記対応関係情報に基づいて決定される前記所定の放送局の前記放送データの録画を画定する録画画定ステップと、
を実行することを特徴とする録画方法。
【請求項7】
端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画プログラムであって、
前記録画プログラムは、位置情報確認部、ユーザ情報記憶部、エリア対応放送局情報保持部、受信エリア決定部、受信部、放送データ記憶部、録画画定部を備えた録画システムに、
前記エリア対応放送局情報保持部が、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持機能と、
前記受信部が、前記所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信する受信機能と、
前記放送データ記憶部が、前記受信機能で受信した前記放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶機能と、
前記位置情報確認部が、前記端末の位置情報を取得する位置情報取得、前記録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び、前記位置情報と前記ユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、を実行する位置情報確認機能と、
前記受信エリア決定部が、前記ユーザの住所から、前記ユーザが前記放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定機能と、
前記ユーザ情報記憶部が、前記ユーザ情報取得で取得した前記ユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶機能と、
前記録画画定部が、前記端末からの前記録画指示に基づいて、前記受信エリア決定機能で決定された受信エリアと前記対応関係情報に基づいて決定される前記所定の放送局の前記放送データの録画を画定する録画画定機能と、
を実行させることを特徴とする録画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、番組の録画を画定する録画システム、録画方法及び録画プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末、録画装置、動画共有サービス等の普及により、テレビでテレビ番組を視聴する視聴者数が減少している一方、視聴方法が多様化してきている。図10は、近年のテレビ番組を視聴する方法を示した図である。
【0003】
図10に示すパターン1及び2は、制作された番組が各放送局により送出部から送出され、衛星や地上波を介して受信機を有する各家庭へと送られるパターンを示す。受信した番組をテレビで視聴するといった従来の視聴方法に加え、パターン1では、自宅に所有する録画装置に録画した録画データを視聴するパターンを示す。パターン2では、該録画装置に録画した録画データを通信網を介してスマートフォン等の携帯端末機で視聴するパターンを示す。
【0004】
図10に示すパターン3乃至5は、制作された番組を放送局内で番組配信サービス用に加工し、番組配信サービスを介して、加工済番組を各ユーザの使用するスマートフォン、パソコン、テレビ等へ提供するパターンを示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“4Kチューナー内蔵 全自動ディーガ DMR-4X1000”,[online],パナソニック株式会社,[令和3年12月17日検索],インターネット<URL:https://panasonic.jp/diga/products/4x1000.html>
【非特許文献2】“スマートフォンアプリ「どこでもディーガ」”,[online],パナソニック株式会社,[令和3年12月17日検索],インターネット<URL:https://panasonic.jp/diga/apps.html>
【非特許文献3】“TVerとは”,[online],株式会社TVer,[令和3年12月17日検索],インターネット<URL:https://tver.jp/info/about.html>
【非特許文献4】“TVerの運用型広告”,[online],株式会社TVer,[令和3年12月17日検索],インターネット<URL:https://biz.tver.co.jp/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_term=tver_ad&utm_content=no3_0804&utm_campaign=adgroup1&gclid=EAIaIQobChMImNi1tY3q9AIVnL2WCh2qtw_8EAAYASAAEgIKYPD_BwE>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1には、レコーダーの設定をすれば、逐次録画予約しなくても、約1か月分の番組を全部自動録画する録画装置が開示されている。そして非特許文献2には、該録画装置で録画した番組をスマートフォンで視聴するアプリが開示されており、自宅に所有する録画装置に録画する点と該録画装置の録画データをスマートフォン等の携帯端末機で視聴する点において、図10のパターン1及び2に示す視聴方法に分類される。
【0007】
上記非特許文献1及び2に示す録画装置においては、レコーダー等の録画装置を個人で所有する必要がある。該録画装置を所有する場合、メンテナンスや修理、データ容量の管理等といった作業が生じる。また、自動録画をするためには、チャンネル数の制限があるため、録画対象のチャンネルを予め設定し、登録済チャンネル以外の番組を録画するためには、別途番組録画予約を行う必要がある。また、録画装置の寿命は一般的に5~10年といわれており、処分や買替作業も発生する。こうした録画装置の廃棄は、持続可能な開発目標(SDGs)や環境問題の課題としても挙げられている。
【0008】
非特許文献3には、該番組配信サービスが連携する民放テレビ局の番組を番組放送終了から約7日間視聴可能な番組配信サービスが開示されている。非特許文献4には、該番組配信サービスにおいて、各放送局で放送する広告とは別の広告を番組コンテンツの間に配信するサービスが開示されている。非特許文献3及び4は、番組配信サービス用に加工された加工済番組を提供する点において、図10のパターン3乃至5に示す視聴方法に分類される。
【0009】
上記非特許文献3及び4の番組配信サービスは、地上波放送や衛星放送の番組すべてを配信するものではなく、ユーザが視聴可能な番組は該番組配信サービスが決定する番組に限定されており、そこにユーザの選択権はない。また、該番組配信サービスが民放テレビ局から番組を購入して配信する、という性質上、配信中の番組内で、しばしば「権利の都合上配信できない」旨の文言が流れて、映像や楽曲が停止又は差し換え画面が表示され、通常放送される番組と同一のものを視聴することができるとは限らない。さらに、広告は番組配信サービス用の広告に置き換えられているため、通常放送される広告すべて視聴することができない。従って、配信されない番組、番組中の映像・楽曲や広告等をユーザが視聴する場合には、リアルタイムにテレビ等で視聴する、もしくは、非特許文献1に示す録画装置等を個人で所有することが必要となる。
【0010】
本発明の目的は、私的利用のための録画を行う録画装置を個人で所有する必要がなく、視聴する番組や広告を番組配信サービス側に制限されることのない、各ユーザが録画及び視聴の選択権を有する録画システム、録画方法及び録画プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画システムであって、端末の位置情報を取得する位置情報取得、録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、を実行する位置情報確認部と、ユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶部と、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持部と、ユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定部と、所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信する受信部と、受信部で受信した放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶部と、端末からの録画指示に基づいて、受信エリア決定部で決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する録画画定部と、を備える、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の端末は、録画画定部が録画した録画データの再生を指示する録画再生指示部を備え、録画システムは、録画再生指示部からの再生指示に基づいて録画再生を実行する録画再生実行部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明は、受信部が受信する放送データの放送区域が、ユーザの受信エリアである場合に、録画指示に基づいて、録画画定部は、すべての放送データの録画を画定することを特徴とする。
【0014】
本発明の所定の放送局の送出部から送出される放送データは、ベースバンドで伝送される信号で通信網を介して送出され、受信部は、通信網を介して信号を変調や復調することなく受信する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明の位置情報確認部は、位置情報照合で位置情報とユーザの住所の差異が所定の範囲内でない場合に、照合エラーとなったことを通知する照合エラー通知部を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明は、端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画方法であって、録画方法は、位置情報確認部、ユーザ情報記憶部、エリア対応放送局情報保持部、受信エリア決定部、受信部、放送データ記憶部、録画画定部を備えた録画システムによって実行され、エリア対応放送局情報保持部が、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持ステップと、受信部が、所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信する受信ステップと、放送データ記憶部が、受信ステップで受信した放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶ステップと、位置情報確認部が、端末の位置情報を取得する位置情報取得、録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び、位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、を実行する位置情報確認ステップと、受信エリア決定部が、ユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定ステップと、ユーザ情報記憶部が、ユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶ステップと、録画画定部が、端末からの録画指示に基づいて、受信エリア決定ステップで決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する録画画定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0017】
本発明は、端末からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画プログラムであって、録画プログラムは、位置情報確認部、ユーザ情報記憶部、エリア対応放送局情報保持部、受信エリア決定部、受信部、放送データ記憶部、録画画定部を備えた録画システムに、エリア対応放送局情報保持部が、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持するエリア対応放送局情報保持機能と、受信部が、所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信する受信機能と、放送データ記憶部が、受信機能で受信した放送データを記憶部に記憶する放送データ記憶機能と、位置情報確認部が、端末の位置情報を取得する位置情報取得、録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得、及び、位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する位置情報照合、を実行する位置情報確認機能と、受信エリア決定部が、ユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する受信エリア決定機能と、ユーザ情報記憶部が、ユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶するユーザ情報記憶機能と、録画画定部が、端末からの録画指示に基づいて、受信エリア決定機能で決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する録画画定機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置情報確認部の実行する位置情報照合により、ユーザの住所と端末の位置情報の距離の範囲を照合することで、ユーザの本人確認を確実かつ容易に行うことが可能となる。また、端末からの録画指示に基づいてユーザの録画データとして録画画定部により画定されるため、あたかも録画装置を所有しているかのように、ユーザ自身の録画データを選択して、視聴することができる。
【0019】
本発明によれば、録画再生指示部からの再生指示に基づいて録画再生実行部の録画再生が実行されるため、端末でいつでも録画データを視聴することが可能となる。端末さえあればいつでも再生可能であるため、いつでもどこでも視聴を楽しむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る録画システムの基本構成を示す機能ブロック図である。
図2図1に示す基本構成に係るエリア対応放送局情報を保持するエリア対応放送局情報保持部13のテーブル構成図である。
図3(A)】本発明の実施形態1において、電波を介して放送データを受信する場合の機能ブロック図である。
図3(B)】本発明の実施形態1において、通信網を介して放送データを受信する場合の機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態1に係る録画システムの録画代行申込の処理フロー図である。
図5】本発明の実施形態1に係る録画システムの初期表示から録画指示の処理フロー図である。
図6】本発明の実施形態1に係る録画システムの録画画定の処理フロー図である。
図7】本発明の実施形態1に係る録画システムの録画データの視聴の処理フロー図である。
図8】本発明の実施形態1におけるユーザ・端末情報のテーブル構成図である。
図9(A)】本発明の実施形態1における端末に表示するチャンネル選択画面である。
図9(B)】本発明の実施形態1における端末に表示する録画指示画面である。
図10】従来のテレビ番組を視聴する仕組みの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る録画システムの基本構成を説明する。本実施形態の録画方法及び録画プログラムは上記録画システムを用いて実行又は実現される。
【0022】
[基本構成]
図1を参照すると、録画システム1は、位置情報確認部11、ユーザ情報記憶部12、エリア対応放送局情報保持部13、受信エリア決定部14、受信部15、録画画定部16、放送データ記憶部17を備え、放送局2と接続され、通信網5を介して端末4と接続されている。
【0023】
録画システム1は、サーバ装置やクラウドシステム等により実現されるものであり、実施の態様に応じて適宜構成すればよく、構成は限定しない。また、録画システム1は、録画(代行)事業を取り扱う企業によって実装されて、私的利用のため録画を行うユーザ3へ録画(代行)事業を提供するものである。
【0024】
放送局2は、放送を行う事業体であり、明細書中ではテレビの放送局として取り扱うものとし、放送データを送出する送出部21を備える。送出部21とは、放送局における放送データを送出する機能を担う。電波6を介して送出する場合、地上波放送であれば、電波塔92などの送信機9に向けて放送を送出し、衛星放送であれば、送信機9を介して人工衛星91などの中継機器に向けて放送を送出する。また、通信網5を介して送出してもよい。
【0025】
放送データとは、放送局2の放送するテレビ番組データ、テレビCMデータ、字幕、電子番組表、2か国語放送等の放送局から取得可能なデータすべてを指すものであり、送出部21の送出する情報すべてを放送データとして取り扱う。
【0026】
端末4は、スマートフォン、携帯電話、PC(Personal Computer)、タブレット等であり、位置情報を取得可能な機器であり、本実施形態の端末としての機能を実施できるものであればよい。
【0027】
通信網5は、インターネット(The Internet)、公衆交換電話網(PSTN)、携帯電話網、IP電話網、閉域網、無線LAN、ケーブルテレビ網、光回線等であり、ネットワークその他の通信網として機能するものであればよい。
【0028】
録画システム1の位置情報確認部11は、端末4の位置情報を取得して確認するものであり、位置情報取得、ユーザ情報取得、及び、位置情報照合、を実行する(位置情報確認機能)。
【0029】
ユーザ情報記憶部12は、位置情報確認部11のユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部121に登録する(ユーザ情報記憶機能)。ここでいうユーザ情報とは、ユーザ3の情報を示す。ユーザ3とは、端末4から放送データの録画指示を実行するユーザであり、端末4の所有者として録画システム1から特定された個人のことを指す。また、録画システム1を録画(代行)事業として提供する企業が、複数のユーザ3と契約を締結している場合も想定される。
【0030】
エリア対応放送局情報保持部13は、受信エリアに対応する所定の放送局2との対応関係情報を保持する(エリア対応放送局情報保持機能)。受信エリアとは、放送局2の放送データの放送区域であり、当該放送データを受信可能なエリアである。図2には、エリア対応放送局情報保持部13をデータベース上に構成した場合のテーブル構成図を示しており、受信エリア欄に複数の受信エリア(都道府県)と、放送局欄に放送局2が、それぞれ対応して記憶されている。図2では、都道府県単位で受信エリアを設定した一例を示す。受信エリア決定部14は、エリア対応放送局情報保持部13に基づいて、ユーザ3の住所から、ユーザ3が放送データを受信可能な受信エリアを決定する(受信エリア決定機能)。なお、放送区域を日本全国とする衛星放送等の放送局は、各都道府県をそれぞれ受信エリアとして紐付ける形式で保存されている(図示せず)。
【0031】
受信部15は、所定の放送局の送出部から送出される放送データを受信するものであり(受信機能)、当該放送データを受信可能な機器上に構成される。一例として、電波6で送信された放送データを受信する場合、地上デジタル放送であればUHFアンテナ、BSデジタル放送であればパラボラアンテナ、等のアンテナ上に構成され、ベースバンド伝送された放送データを受信する場合、復調可能な機器上に構成されることとなる。
【0032】
放送データ記憶部17は、受信部15の受信する放送データを記憶部171に記憶する(放送データ記憶機能)。録画画定部16は、記憶部171に記憶された放送データを、端末4からの録画指示に基づいて、ユーザ3の録画データとして画定する(録画画定機能)。明細書中において画定とは、範囲や区切りを定めることであり、記憶部171に記憶された放送データをユーザ3の録画データとして取り扱い可能な状態となることを指す。一例として、記憶部171に放送データとユーザID(ユーザ3を一意に識別するための番号)とを対応させて記憶する、また、記憶部121にユーザ情報と放送データID(放送データを一意に識別するための番号)とを対応させて記憶する、等の方法により、放送データをユーザ3の録画データとして画定させてもよいものである。
【0033】
以上、各部の構成は、基本の構成として示したものであり、実施の態様に応じて適宜構成すればよく、上述の構成に限定するものではない。
【0034】
上記構成を採用することにより、録画システム1から特定されたユーザ3は、端末4を所持していれば、放送局2の放送する放送データそのものを録画画定し、視聴することが可能となる。
[実施形態1]
基本構成では、録画システム1の基本的な構成を説明したが、実施形態1では、録画システム1を企業がクラウドサーバ上に構築し、私的利用を目的としたユーザ3へテレビ録画代行ビジネスとして提供する一例を図3乃至図7を参照して説明する。
【0035】
図3(A)を参照すると、クラウドサーバ上に構築される録画システム1は、受信部15、通信部18、制御部19、記憶部を備え、電波6を介して送信機9と接続され、通信網5を介して端末4と接続されている。送信機9は、放送局2の送出部21と通信網5を介して接続されている。実施形態1において、通信網5は暗号化された安全性の高い通信網を採用しているものとして取り扱う。なお、放送局2と送信機9を接続する通信網5に、専用線や閉域網を採用する際には、録画システム1と端末4とを接続する通信網5と、別の回線として取り扱う必要がある。
【0036】
録画システム1の通信部18及び制御部19の構成を以下に説明する。その他の構成は、基本構成と同様の構成とする。
【0037】
通信部18は、受信部15で受信した放送データの制御部19への出力や、端末4との通信時に介在する。以降の処理フローの説明において、録画システム1と端末4との通信時に通信部18を介在するが、通信部18は既存のデバイスであるため、その詳細な説明は省略する。
【0038】
制御部19は、位置情報確認部11、ユーザ情報記憶部12、エリア対応放送局情報保持部13、受信エリア決定部14、録画画定部16、放送データ記憶部17を備えている。記憶部は、記憶部121、記憶部171を備え、それぞれ、ユーザ情報記憶部12、放送データ記憶部17と、接続されている。
【0039】
次に、録画代行申込の処理フローについて図4を参照して説明する。端末4から録画代行申込を開始し、録画システム1でユーザ情報入力画面を表示する(図4のステップS1)。端末4はユーザ・端末情報を出力し(図4のステップS2)、録画システム1の位置情報確認部11はユーザ・端末情報を取得する(図4のステップS3)。当該ユーザ・端末情報は、ユーザ情報入力画面を介して端末4から取得できる住所、氏名、電話番号を含むユーザ情報と、端末4の端末識別番号及び位置情報を含む情報を端末情報とする。当該取得する情報は、端末4を介し、ユーザ3の許可を適宜得るものとする。また、図4のステップS1乃至ステップS3のいずれかの処理として、ショートメッセージサービス(SMS)等を利用した本人確認(電話番号確認)を含めて実行させてもよいものとする。ショートメッセージサービス(SMS)による本人確認は、既存の方法であるため、その詳細な説明は省略する。
【0040】
次に、録画システム1の位置情報確認部11は、端末4の位置情報とユーザ3の住所の距離が所定の範囲内であるか否か位置情報を照合する(図4のステップS4、位置情報確認ステップ、位置情報確認機能)。なお、所定の範囲とは、例えば、ユーザ3の住所を起点とした円環状の範囲を規定する半径に対応する距離であり、位置情報照合とは、上記円環状の範囲内に端末4の位置情報が存在するか否かを照合する位置情報確認部11の機能の一つである。また、所定の範囲は本発明を実施するにあたり、予め設定しておくべき値である。実施形態1では5キロメートルを所定の範囲として設定するものとして説明する。
【0041】
ここで、図示しないが、エリア対応放送局情報保持部13は、エリア対応放送局情報保持ステップとして、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持している。
【0042】
所定の範囲外(図4のステップS4 範囲外)、すなわち、距離が5キロメートル以上離れている場合には、録画システム1の照合エラー通知部(図示せず)がエラー画面を表示して照合エラーを通知する(図4のステップS7)。そして、端末4でエラー画面の確認(図4のステップS8)が実行された場合には、図4のステップS2のユーザ・端末情報の出力へ戻る。所定の範囲内(図4のステップS4 範囲内)、すなわち、5キロメートル未満である場合には、録画システム1の受信エリア決定部14が、ユーザ3の住所から、ユーザ3が放送データを受信可能な受信エリアを決定し(図4のステップS5、受信エリア決定ステップ、受信エリア決定機能)、ユーザ情報記憶部12が、仮契約の対象者として記憶部121に登録(図4のステップS6)し、アカウントを登録(ログインIDの発行を含む)する。
【0043】
図8は、ユーザ情報記憶部12がデータベース上に構成された記憶部121に記憶するユーザ・端末情報のテーブル構成図の一例を示したものである。図8に示す記憶部121には、[ユーザID]、[端末識別番号]、[氏名]、[電話番号]、[住所]、[受信エリア]、[録画指示]、[指示チャンネル]を記憶している。[端末識別番号]は端末4を識別する番号、[氏名]、[電話番号]、及び[住所]は、ユーザ3の情報であり、いずれも図4のステップS3で取得したユーザ・端末情報である。[ユーザID]はユーザ3を特定するIDであり、図4のステップS3で取得する、又は、録画システム1にて自動的に割り振る、等、適宜設定すればよい。実施形態1では、図4のステップS6で、ユーザ情報記憶部12が採番して記憶部121へ登録する。[受信エリア]は、図4のステップS5で受信エリア決定部14が決定したエリアである。[録画指示]及び[指示チャンネル]は、端末4からの録画指示に基づいて更新する項目であり、図4のステップS6においては、ブランクで登録する。
【0044】
録画システム1は、図4のステップS6までに取得した情報を基に、テレビ録画代行システムの私的利用を行うための契約に必要な書類を作成して送付する(図4のステップS9)。図4のステップS9で送付された契約必要書類を返送(図4のステップS10)し、録画システム1は契約必要書類の不備がないかチェックを行う(図4のステップS11)。
【0045】
契約必要書類に不備がある場合(図4のステップS11 不備あり)、図4のステップS9の契約必要書類の送付へ戻る。契約必要書類に不備がない場合(図4のステップS11 不備なし)、録画システム1のユーザ情報記憶部12が契約対象者として記憶部121へ記憶し(図4のステップS12、ユーザ情報記憶ステップ、ユーザ情報記憶機能)、録画代行申込は終了する。
【0046】
本実施形態1は、ユーザ3は不特定のユーザではなく、特定されたユーザを前提としており、録画システム1の位置情報確認部11の実行する位置情報照合により、住所と位置情報の距離の範囲を照合が可能となり、本人確認(ユーザを特定)することができる。
【0047】
例えば、住所が東京都であり、位置情報も所定の範囲内(一例として、5キロメートルキロメートル圏内)である場合、住所の信頼性は高いものとして判断されるため、図4のステップS6で仮契約の登録を行うことができる。また、住所が東京都であるが、端末の位置情報が所定の範囲外(一例として、5キロメートル圏外、外国等)である場合、住所の信頼性は低いものとし、図4のステップS7でエラーとして除外する。ユーザ3が出張等の何らかの事情により位置情報が所定の範囲外となった場合には、当該事情が解消した際、再度録画代行申込を再開すればよいものとする。
【0048】
なお、録画代行申込の処理フローとして、図4のステップS1乃至ステップS12の処理を実施形態1では説明したが、ユーザ3の本人確認(ユーザを特定)ができればよく、上記の方法に限定するものではない。
【0049】
一例として、上記の図4のステップS10では、図4のステップS9で送付された契約必要書類を返送する方法を採用しているが、当該契約必要書類にパスワード等の契約に必要なログイン情報を記載し、端末4から録画システム1へログインさせてもよいものとする。録画システム1のユーザ情報記憶部12は当該ログインを契機として、ユーザ3を契約対象者として記憶部121へ記憶(図4のステップS12)させてもよい。この方法を採用することで、録画システム1を録画(代行)事業として提供する企業は、送付物(契約必要書類)の到着確認及び本人確認(住所確認)を行うことができると同時に、契約必要書類の返送が不要であるため、ユーザ3の手間を削減することにも繋がる。
【0050】
また、一例として、位置情報確認部11の実行する位置情報照合により、本人確認(ユーザを特定)完了後、すなわち、図4のステップS6で仮契約の登録をした後に、後述する録画指示、録画画定、録画再生処理(図5のステップS13乃至ステップS16、図6のステップS161乃至ステップS168、図7のステップS17乃至ステップS21)を実行可能な状態とさせてもよい。この方法を採用することにより、ユーザ3は、申込から契約完了までのタイムラグを発生させることなく、録画システム1をすぐに利用することが可能となる。なお、図4のステップS11において、契約必要書類に不備がある場合には、ユーザ3のアカウントを凍結(録画システム1へのログイン不可や再生視聴の停止等を含む)する必要があるが、録画代行ビジネスとして提供する企業が適宜設計すればよく、説明を省略する。
【0051】
次に、初期表示から録画指示の処理フローについて図5を参照して説明する。
【0052】
端末4から録画システム1へログインをする(図5のステップS13)。この時に使用する、ログインIDやパスワード等のログインに必要な情報は、図4のステップS1乃至ステップS12までのいずれかの段階で端末4又はユーザ3へ通知しているものとする。
【0053】
録画システム1は、初期画面を表示する(図5のステップS14)。ここで表示する初期画面は、ユーザ3が契約後にログインして最初に表示される画面であり、契約事項の確認画面や設定等を表示する。
【0054】
初期画面から録画指示画面へと遷移し、端末4から録画指示を行う(図5のステップS15)。端末4の録画指示の画面表示の一例を図9に示す。図9(A)はチャンネル選択画面であり、受信エリア411には、図4のステップS5で決定した受信エリアを表示し、録画チャンネル選択412には、当該受信エリアで受信可能な放送局のリストを表示している。ユーザ3により録画チャンネル選択412が選択され、選択ボタン413を押下すると、図9(B)の録画指示画面へと画面遷移する。図9(B)の録画指示画面では、チャンネル選択画面の録画チャンネル選択412で選択した放送局を録画対象チャンネル414として表示し、録画ボタン415押下にて、端末4から録画指示が録画システム1へと送信される。
【0055】
なお、実施形態1では、図5のステップS15、図9(A)及び(B)に記載の通り、録画指示を行う対象は、端末4から選択された「録画チャンネル」であり、特に番組名や時間帯を選択していないため、「録画チャンネル」の放送データの全録、すなわち、全自動録画であるものとして取り扱う。
【0056】
録画システム1は、録画指示を受信すると、ユーザ情報記憶部12が記憶部121の[録画指示]と[指示チャンネル]を記憶する(図5のステップS16)。ここで記憶する内容の一例として、図8のユーザID「10001」の[録画指示]を「済」、[指示チャンネル]を「テレビ局A」、「テレビ局B」、「テレビ局D」、に示す。
【0057】
図9に示す端末4の画面は一例であり、画面のレイアウト、選択可能なチャンネル数、時間指定やキーワード等の設定項目、表示項目等限定されるものではなく、通常のテレビ番組の録画において想定される項目を、採用すればよいものである。
【0058】
次に、録画画定の処理フローについて図6を参照して説明する。図5のステップS16で録画指示が記憶されると、録画システム1が放送データを受信した際、当該録画指示のあるユーザ3の録画が画定される(録画画定ステップ、録画画定機能)。
【0059】
放送局2の送出部21が番組を放送データとして送出し(図6のステップS161)、録画システム1の受信部15が放送データを受信し(受信ステップ、受信機能)、放送データ記憶部17が記憶部171へ記憶する(図6のステップS162、放送データ記憶ステップ、放送データ記憶機能)。実施形態1では、図6のステップS162の放送データ受信後、エリア対応放送局情報保持部13から、当該放送データを送出する放送局2に紐付く放送区域(受信エリア)を取得する。
【0060】
実施形態1では、図3に示すように送出部21が通信網5を介して放送データを電波塔92などの送信機9へ送出し、電波塔92等の送信機9から電波6を介して送信される放送データを録画システム1の受信部15が受信する。
【0061】
録画システム1は、受信部15が受信した放送データの録画画定処理を開始する。ユーザ情報の読込を行う(図6のステップS163)。ユーザ情報とは、例えば、図4のステップS6で登録した図8に示す記憶部121のデータである。具体的には、ユーザID、端末識別番号、氏名、電話番号、住所、年齢、性別、受信エリア、暗証番号を含めることができる。
【0062】
次に録画指示の有無を確認する(図6のステップS164)。録画指示がある場合(図6のステップS164 Yes)、放送データに含まれる放送区域と、記憶部121に記憶する[受信エリア]とを比較する(図6のステップS165)。放送区域が受信エリアである場合(図6のステップS165 Yes)、放送データと記憶部121に記憶する[指示チャンネル]とを比較する(図6のステップS166)。放送データが指示チャンネルである場合(図6のステップS166 Yes)、録画画定部16は、記憶部171に記憶された放送データを、ユーザ3の録画データとして画定する(図6のステップS167)。
【0063】
なお、本発明の実施形態1では、放送区域を日本全国とする衛星放送等の放送局(以下、全国放送局)についてもエリア対応放送局情報保持部13で保持しているため、図6のステップS165乃至図6のステップ167の処理が可能となるが、エリア対応放送局情報保持部13で保持しない構成を採用する場合には、図6のステップS162の放送データ受信後に全国放送局であるか否かを判定し、全国放送局である場合には、図6のステップS165の受信エリア判定を省略する、等、適宜構成すればよいものである。
【0064】
図6のステップS167の録画データの画定は、記憶部171に記憶された放送データを記憶部121と対応させてユーザ3の録画データとして画定する方法(方法1)、ユーザ3の録画データとして記憶部171上に複製して画定する方法(方法2)、等により行われる。前述の方法1を採用する場合には、放送データとユーザ情報とを対応させて録画データとして画定するための対応表(又はそれに相当するもの)が必要となると考えられるが、リレーショナルデータベース等で構成すればよく、従来技術であるため、その詳細な説明は省略する。実施形態1では、記憶部171上にユーザ3の録画データを複製して画定する方法2を採用するものとして説明する。録画データの画定については、当該方法に限定するものではなく、放送データをユーザ3の録画データとして画定できればよく、実施の態様に応じて適宜決定する。
【0065】
図6のステップS163と同様に、ユーザ情報の読込を行う(図6のステップS168)。記憶部121に記憶するユーザ情報が終了するまで図6のステップS164乃至ステップS168を繰り返す。
【0066】
録画指示がない場合(図6のステップS164 No)、放送区域が受信エリアでない場合(図6のステップS165 No)、放送データが指示チャンネルでない場合(図6のステップS166 No)、図6のステップS168を実行する。
【0067】
放送局2が「テレビ局B」である場合の上記の処理を、図8の記憶部121のデータを参照して説明する。放送局2「テレビ局B」が番組を放送データとして送出し(図6のステップS161)、録画システム1は当該放送データを受信し記憶する。ユーザ情報の読込を行い(図6のステップS163)、[ユーザID]「10001」のユーザ情報を取得する。当該ユーザ情報の[録画指示]は「済」であり(図6のステップS164 Yes)、放送区域と[受信エリア]とを比較する。
【0068】
[ユーザID]「10001」の[受信エリア]は「東京都」である。放送局2の放送区域は、放送局2を検索キーとして、図2に示すエリア対応放送局情報保持部13の[放送局]を検索し、対応する[受信エリア][小区分]を放送区域として取得する。「テレビ局B」で検索した場合には、「茨城県」、「神奈川県」、「東京都」を放送区域として取得する。
【0069】
従って、[ユーザID]「10001」の[受信エリア]は、放送局2「テレビ局B」の放送区域に該当するため(図6のステップS165 Yes)、放送データと記憶部121に記憶する[指示チャンネル]とを比較する。[ユーザID]「10001」の[指示チャンネル]は、「テレビ局A」、「テレビ局B」、「テレビ局D」、であり、放送局2「テレビ局B」は[ユーザID]「10001」の[指示チャンネル]であることがわかる(図6のステップS166 Yes)。従って、録画画定部16は、記憶部171に記憶された放送データを、[ユーザID]「10001」の録画データとして画定する(図6のステップS167)。
【0070】
次に、ユーザ情報の読込を行い(図6のステップS168)、[ユーザID]「10002」のユーザ情報を取得する。当該ユーザ情報の[録画指示]はブランクであり録画指示がなされていないため(図6のステップS164 No)、当該ユーザの録画画定処理は行わず、次のユーザ情報の読込を行う(図6のステップS168)。このように、記憶部121に記憶するユーザ情報が終了するまで図6のステップS164乃至ステップS168を繰り返す。
【0071】
次に、録画データを視聴する処理フローについて図7を参照して説明する。
【0072】
端末4から録画システム1へログインをする(図7のステップS17)。録画システム1の録画画定部16は、図6のステップS167で画定した録画データの一覧を記憶部171から取得して表示する(図7のステップS18)。
【0073】
端末4の録画再生指示部(図示せず)が、視聴対象として選択された録画データの再生指示を録画システム1へ実行し(図7のステップS19)、録画システム1が録画データを記憶部171から取得して、端末4へ送信し(図7のステップS20)、端末4の録画再生実行部(図示せず)が当該録画データを再生する(図7のステップS21)。
【0074】
図7のステップS18で表示する録画データの一覧は、ユーザ3の画定した録画データを端末4で表示できればよく、レイアウトを限定するものではない。ユーザ3の受信エリアの番組表等の通常採用されている録画データの表示方法を採用するものとし、既存技術であるためその詳細な説明は省略する。
【0075】
なお、実施形態1では、図4のステップS1乃至ステップS12の録画代行の申込及び契約手続と、図5のステップS13乃至ステップS16の録画指示においては、ユーザ3の端末4を介して実行されるものとして説明しているが、図7の録画データの視聴については、その限りではない。具体的には、通信網5に接続される、ユーザ3の所有するテレビやその他の端末(端末4以外)から、図7のステップS17のログイン処理を実行し、視聴可能としてもよいものである。
【0076】
なお、実施形態1では、図3(A)に記載のユーザ31及び32は、ユーザ3本人のことを指す。なお、ユーザ3は特定されたユーザであればよいため、図4のステップS12で締結する契約内容によっては、ユーザ3の家族まで含めてもよく、録画システム1を録画代行ビジネスとして提供する企業が適宜決定するものとする。上述の通り、図3(A)の端末4は、契約を締結して録画指示を行う端末であり、端末41は、ユーザ31によって操作される、録画データを視聴するために用いるタブレット端末やパーソナルコンピュータ等の端末であり、端末42は、ユーザ32によって操作される、録画データを視聴するために用いるテレビ等の端末である。
【0077】
上記構成を採用する録画代行ビジネスとして提供する企業側のメリットとして、費用、リスク、手間の削減と、質の高いユーザの獲得が挙げられる。録画代行の契約締結前に、ユーザの住所と端末の位置情報の距離の範囲を照合する方法を採用することで、一定数の悪意のあるユーザやその他エラーを排除することができ、企業側のリスクを減らすことへつながる。そして、位置情報照合をクリアした場合にのみ、契約必要書類を送付してユーザ3の住所へ届け、その返送をもって契約を締結する、といった複数の本人確認方法により、信頼性の高いユーザを獲得することができる。同時に、企業側の返送費用や手間の削減を行うことができる。
【0078】
上記構成を採用したユーザ側のメリットとして、録画機器を私的に所有することなく、利用が可能となるため、テレビ番組を簡単に録画して視聴できることが挙げられる。録画機器を所有するデメリットである、購入費用、メンテナンス費用及びその時間、といったものを被ることなく、自分の録画指示を行った録画データをいつでも視聴することができる、といったメリットのみ享受することが可能となる。
【0079】
また、大画面で視聴したい場合にはテレビ、出張等で居住地外へ行った際にはタブレット、等、ユーザ3が視聴端末を選択可能とすることで、様々な媒体から気軽に視聴を楽しむことが可能となる。
【0080】
また、ユーザ3自身が選択して録画指示を行ったチャンネルについて、CMを含むすべての放送データを楽しむことが可能となる。
【0081】
上記構成を採用し、録画代行ビジネスとして企業が提供する場合、放送局2に生じる負担やデメリットは全くなく、ユーザ3が気軽にテレビ番組の録画を視聴可能となることにより、テレビ離れを防止するといったメリットを享受することが可能となる。
【0082】
また、録画システム1へ番組視聴率を含む番組視聴データを取得する機能を付加して構成すれば、放送局2は正確な視聴率を含む番組視聴データを取得することが可能となる。
【0083】
[実施形態2]
実施形態1では、放送局2の送出部21は通信網5を介して放送データを送出し、電波塔92等の送信機9から送信される放送データを録画システム1の受信部15が受信するものとして説明した。実施形態2は、送信機9を介することなく、放送局2の送出部21から通信網5を介して送出される放送データを、録画システム1の通信部18を介して受信部15が受信する構成を、図3(B)を参照して説明する。
【0084】
図3(B)を参照すると、放送局2の送出部21と、録画システム1の通信部18が通信網5を介して接続されている。その他の構成については、実施形態1と同様の構成とする。なお、放送局2と録画システム1を接続する通信網5に、専用線や閉域網を採用する際には、録画システム1と端末4とを接続する通信網5と、別の回線として取り扱う必要がある。
【0085】
次に録画画定の処理フローについて図6を参照して説明する。放送局2の送出部21が番組を放送データとして、ベースバンドで伝送される信号で送出し(図6のステップS161)、録画システム1の受信部15は通信網5と通信部18を介して、放送データを変調や復調することなく受信し、放送データ記憶部17が記憶部171へ記憶する(図6のステップS162)。
【0086】
上述の構成において、放送局の送出部と録画システム1の通信部の間には、放送データの送受信が可能なよう、エンコーダー等の機器を設置する等の調整を実施の態様に応じて決定するものとする。
【0087】
図6のステップ163乃至、ステップS168、図4のステップS1乃至ステップS12、図5のステップS13乃至ステップS16、図7のステップS17乃至ステップS21については、実施形態1と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0088】
上記構成を採用した場合、電波を介さないため、受信部15は高画質な放送データを受信することが可能となる。録画システム1は、高画質な放送データとして録画すること、もしくは、画質を設定して録画することが可能となり、ユーザ3の録画の画質の要求へ応えることが可能となる。
【0089】
なお、実施形態2では、放送局2から通信網5を介して録画システム1へ放送データを送出する(図6のステップS161)際、ベースバンドで伝送される信号を送出する構成を示したが、これは実施の形態に応じて適宜決定すればよいものである。一例として、放送局2がケーブルテレビ局である場合は、通信網5はケーブルテレビ網を採用してケーブルテレビ網で伝送可能な方式の信号が送出される。
【0090】
実施形態1では、放送局2の送出部21は通信網5を介して放送データを送出し、電波塔92等の送信機9から送信される放送データを録画システム1の受信部15が受信する構成、実施形態2は、送信機9を介することなく、放送局2の送出部21から通信網5を介して送出される放送データを、録画システム1の通信部18を介して受信部15が受信する構成を説明したが、両方の構成を併用することも可能である。例えば、天災等の不測の事態により通常のテレビを視聴することができない場合でも、録画システム1では、複数の通信経路を備えるために、ユーザ3は、録画システム1を介してテレビを視聴することが可能となる。
【0091】
続いて、本発明の実施形態における録画方法について説明する。
【0092】
本発明の実施形態における録画方法は、端末4からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画方法であって、録画方法は、位置情報確認部11、ユーザ情報記憶部12、エリア対応放送局情報保持部13、受信エリア決定部14、受信部15、放送データ記憶部17、録画画定部16を備えた、録画(代行)事業を提供する企業に実装された、録画システムによって実行される。
【0093】
予め、エリア対応放送局情報保持ステップで、エリア対応放送局情報保持部13が、受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持する。
【0094】
放送局の送出部から放送データが送出されると、受信ステップで、受信部15が受信し、放送データ記憶ステップで、放送データ記憶部17が受信ステップで受信した放送データを記憶部に記憶する。
【0095】
端末4からの録画代行申込が開始されると、位置情報確認ステップで位置情報の確認を行う。具体的には、録画システムの位置情報確認部11の位置情報取得で端末4の位置情報を取得し、ユーザ情報取得で録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得し、位置情報照合で位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する。
【0096】
端末4の位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内である場合、受信エリア決定ステップで、受信エリア決定部14が、ユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する。そして、ユーザ情報記憶ステップで、ユーザ情報記憶部12が、受信エリア決定ステップで決定した受信エリアと、ユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶する。
【0097】
端末4からの録画指示に基づいて、録画画定ステップは、録画画定部16が、受信エリア決定ステップで決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する。
【0098】
以上の構成によれば、ユーザの住所と端末4の位置情報の距離の範囲を照合することで、ユーザの本人確認を確実かつ容易に行うことが可能となる。また、端末4からの録画指示に基づいてユーザの録画データとして録画画定部16により画定されるため、あたかも録画装置を所有しているかのように、ユーザ自身の録画データを選択して、視聴することができる。
【0099】
続いて、本発明の実施形態における録画プログラムについて説明する。
【0100】
本発明の実施形態における録画プログラムは、端末4からの録画指示に基づいて、放送局の送出する放送データの録画を画定する録画プログラムであって、録画プログラムは、位置情報確認部11、ユーザ情報記憶部12、エリア対応放送局情報保持部13、受信エリア決定部14、受信部15、放送データ記憶部17、録画画定部16を備えた、録画(代行)事業を提供する企業に実装された、録画システムによって実行されるコンピュータプログラムである。
【0101】
予め、エリア対応放送局情報保持機能により、エリア対応放送局情報保持部13に受信エリアに対応する所定の放送局との対応関係情報を保持する。
【0102】
放送局の送出部から放送データが送出されると、受信機能が、受信部15を実行して放送局の送出部から送出される放送データを受信し、放送データ記憶機能が、放送データ記憶を実行して受信機能で受信した放送データを記憶部に記憶する。
【0103】
端末4からの録画代行申込が開始されると、位置情報確認機能が位置情報の確認を行う。具体的には、録画システムの位置情報確認部11の位置情報取得で端末4の位置情報を取得し、ユーザ情報取得で録画指示を出すユーザの住所を含むユーザ情報を取得し、位置情報照合で位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内であるか否かを照合する。
【0104】
端末4の位置情報とユーザの住所の距離が所定の範囲内である場合、受信エリア決定機能が、受信エリア決定部14を実行してユーザの住所から、ユーザが放送データを受信可能な受信エリアを決定する。そして、ユーザ情報記憶機能が、受信エリア決定機能で決定した受信エリアと、ユーザ情報記憶部12を実行してユーザ情報取得で取得したユーザ情報を、契約対象者として記憶部に記憶する。
【0105】
端末4からの録画指示に基づいて、録画画定機能は、録画画定部16を実行して、端末4からの録画指示に基づいて、受信エリア決定機能で決定された受信エリアと対応関係情報に基づいて決定される所定の放送局の放送データの録画を画定する。
【0106】
以上の構成によれば、ユーザの住所と端末4の位置情報の距離の範囲を照合することで、ユーザの本人確認を確実かつ容易に行うことが可能となる。また、端末4からの録画指示に基づいてユーザの録画データとして録画画定部16により画定されるため、あたかも録画装置を所有しているかのように、ユーザ自身の録画データを選択して、視聴することができる。
【0107】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0108】
1 録画システム
11 位置情報確認部
12 ユーザ情報記憶部
121 記憶部
13 エリア対応放送局情報保持部
14 受信エリア決定部
15 受信部
16 録画画定部
17 放送データ記憶部
171 記憶部
18 通信部
19 制御部
2 放送局
3 ユーザ
31 ユーザ
32 ユーザ
4 端末
41 端末
42 端末
411 受信エリア
412 録画チャンネル選択
413 選択ボタン
414 録画対象チャンネル
415 録画ボタン
5 通信網
6 電波
9 送信機
91 人工衛星
92 電波塔
図1
図2
図3(A)】
図3(B)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9(A)】
図9(B)】
図10