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特開2023-122687間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法
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  • 特開-間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法 図1
  • 特開-間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法 図2
  • 特開-間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法 図3
  • 特開-間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122687
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20230829BHJP
   E04B 1/61 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
E04B2/74 501G
E04B1/61 505Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026334
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】矢田 洋平
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA53
2E125AG02
(57)【要約】
【課題】間仕切り壁のT字部や十字部において複数のスタッドの相互固定が効率的に行え、また、間仕切り壁に補強用の補強面材を取り付ける施工がスタッド自体の加工無しで行える間仕切り壁下地構造を提供する。
【解決手段】間仕切り壁下地構造1は、スタッド3と、ハット形部材4とを備えている。間仕切り壁の延設方向に、2本のスタッド3が互いの非貼付面3bを対向させて離間して位置している。上記2本のスタッド3・3の面材貼付面3a・3a間に渡ってハット形部材4が位置している。貫通長螺子S2は、上記スタッド3の両非貼付面3b・3bを貫通するとともに、上記ハット形部材4の中央側平板部4aを貫通している。この貫通長螺子S2によって、上記T字部のスタッド3がハット形部材4を介して上記2本のスタッド3・3に連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面材が貼付される面材貼付面が背向するとともに、面材が貼付されない非貼付面が背向するスタッドと、
中央側平板部と、この中央側平板部の両側で当該中央側平板部に段を介して平行に形成されたサイド平板部とを有し、横断面が略ハット形状であるハット形部材とを、備えており、
間仕切り壁の延設方向に2本の上記スタッドが互いの非貼付面を対向させて離間して位置しており、
上記延設方向に直交する少なくとも片側の直交延設方向側で上記離間して位置するスタッドの上記面材貼付面間に渡って上記ハット形部材が位置し、当該ハット形部材の上記サイド平板部によって当該ハット形部材が上記離間して位置するスタッドに固定されており、
上記2本のスタッドとは別のスタッドが当該スタッドの一方の非貼付面を上記ハット形部材の中央側平板部に接して位置しており、当該別のスタッドの両非貼付面を貫通するとともに、上記ハット形部材の上記中央側平板部を貫通した貫通長螺子によって、上記別のスタッドが上記ハット形部材を介して上記離間して位置する2本のスタッドに連結されたことを特徴とする間仕切り壁下地構造。
【請求項2】
請求項1に記載の間仕切り壁下地構造において、上記ハット形部材の高さは上記スタッドの高さよりも低く、当該スタッドに対して複数個のハット形部材が固定されていることを特徴とする間仕切り壁下地構造。
【請求項3】
面材が貼付される面材貼付面が背向するとともに、面材が貼付されない非貼付面が背向するスタッドと、
中央側平板部と、この中央側平板部の両側で当該中央側平板部に段を介して平行に形成されたサイド平板部とを有し、横断面が略ハット形状であるハット形部材とを、備えており、
上記スタッドの少なくとも一方の非貼付面に、上記ハット形部材が、当該ハット形部材のサイド平板部によって固定されており、上記ハット形部材の上記段による凹み領域に補強面材が嵌め込まれていることを特徴とする間仕切り壁下地構造。
【請求項4】
請求項3に記載の間仕切り壁下地構造において、上記ハット形部材の高さは上記スタッドの高さよりも低く、当該スタッドに対して複数個のハット形部材が固定されていることを特徴とする間仕切り壁下地構造。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の間仕切り壁下地構造と請求項3または請求項4に記載の間仕切り壁下地構造の両方を有することを特徴とする間仕切り壁。
【請求項6】
請求項5に記載の間仕切り壁において、請求項1または請求項2に記載の間仕切り壁下地構造で用いる上記ハット形部材と請求項3または請求項4に記載の間仕切り壁下地構造で用いる上記ハット形部材の形状および寸法が同じであることを特徴とする間仕切り壁。
【請求項7】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の間仕切り壁下地構造を作製する方法であって、上記スタッドに上記ハット形部材を固定する際に、上記ハット形部材の上記サイド平板部に貼られた両面テープまたはマグネットテープによって当該ハット形部材を上記スタッドに固定する工程を含むことを特徴とする間仕切り壁下地構造の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の間仕切り壁下地構造のT字構造部101を示している。このT字構造部101は、4本のスタッド102を備えている。この4本のうちの3本のスタッド102は、間仕切り壁の延設方向に並んで互いに接しており、中央のスタッド102に両隣のスタッド102が貫通長螺子103によって固定されている。また、4本のうちの1本のスタッド102は、上記3本のスタッド102に接して位置し、貫通長螺子103によって中央のスタッド102に固定されている。そして、上記スタッド102に石こうボード104が螺子留めされている。
【0003】
なお、特許文献1には、複数の間仕切りスタッドが間隔をあけて立設され、各間仕切りスタッドの両面にそれぞれ面板が取着された間仕切りにおいて、ハット型連結金具を用いる間仕切り壁が開示されている。また、特許文献2には、スタッドと当該スタッドに接合された下地板又はランナーとからなる下地面が同一平面となるように、スタッドの下地板又はランナーと重なる部位に下地板又はランナーの厚さと略等しい凹部を形成したスタッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3287822号
【特許文献2】特開2004-100446号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図4に示す従来の間仕切り壁下地構造のT字構造部101は、中央のスタッド102の周囲に位置する3本のスタッド102が貫通長螺子103によって中央のスタッド102に固定される構造であり、この貫通長螺子103の打ち込み箇所が多くなるため、施工性が低下するという課題がある。また、貫通長螺子103は一般螺子に比べて高価であり、その本数が多くなると、施工コストが割高になる。
【0006】
また、特許文献1の技術では、コーナースタッドを包み込むような大型のハット型連結金具を用いており、このような大型のハット型連結金具は嵩張るため、その搬送効率が低下するという問題がある。また、上記ハット型連結金具は、手摺装着等に対する補強用の補強面材の取り付けに適するものではない。
【0007】
また、特許文献2の技術では、スタッドの四隅に補強凹部が形成されており、スタッド作製コストが割高になる。また、補強用の補強面材を取り付けない箇所にも上記補強凹部が存在する無駄が生じる。
【0008】
この発明は、間仕切り壁のT字部や十字部において複数のスタッドの相互固定が効率的に行え、また、間仕切り壁に補強用の補強面材を取り付ける施工がスタッド自体の加工無しで行える間仕切り壁下地構造、間仕切り壁および間仕切り壁下地構造の作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の間仕切り壁下地構造は、面材が貼付される面材貼付面が背向するとともに、面材が貼付されない非貼付面が背向するスタッドと、
中央側平板部と、この中央側平板部の両側で当該中央側平板部に段を介して平行に形成されたサイド平板部とを有し、横断面が略ハット形状であるハット形部材とを、備えており、
間仕切り壁の延設方向に2本の上記スタッドが互いの非貼付面を対向させて離間して位置しており、
上記延設方向に直交する少なくとも片側の直交延設方向側で上記離間して位置するスタッドの上記面材貼付面間に渡って上記ハット形部材が位置し、当該ハット形部材の上記サイド平板部によって当該ハット形部材が上記離間して位置するスタッドに固定されており、
上記2本のスタッドとは別のスタッドが当該スタッドの一方の非貼付面を上記ハット形部材の中央側平板部に接して位置しており、当該別のスタッドの両非貼付面を貫通するとともに、上記ハット形部材の上記中央側平板部を貫通した貫通長螺子によって、上記別のスタッドが上記ハット形部材を介して上記離間して位置する2本のスタッドに連結されたことを特徴とする(この項において第1構成という。)。
【0010】
上記の構成であれば、間仕切り壁のT字部や十字部において、上記別のスタッドが上記ハット形部材を介して上記離間して位置する2本のスタッドに連結されるので、従来のスタッドを3本並べる構造に対して、スタッドを1本減らすことができる。また、上記貫通長螺子の本数も減らせるので、間仕切り壁の施工効率が向上する。また、上記ハット形部材は上記スタッドを包み込むようなハット形の部材に比べて小型化可能であり、搬送効率も向上する。
【0011】
上記ハット形部材の高さは上記スタッドの高さよりも低く、当該スタッドに対して複数個のハット形部材が固定されていてもよい(この項において第2構成という。)。これによれば、スタッドの全高に渡ってハット形部材を設ける構成に比べて、使用材料量を減らすことができる。
【0012】
また、この発明の間仕切り壁下地構造は、面材が貼付される面材貼付面が背向するとともに、面材が貼付されない非貼付面が背向するスタッドと、
中央側平板部と、この中央側平板部の両側で当該中央側平板部に段を介して平行に形成されたサイド平板部とを有し、横断面が略ハット形状であるハット形部材とを、備えており、
上記スタッドの少なくとも一方の非貼付面に、上記ハット形部材が、当該ハット形部材のサイド平板部によって固定されており、上記ハット形部材の上記段による凹み領域に補強面材が嵌め込まれていることを特徴とする(この項において第3構成という。)。
【0013】
上記の構成であれば、上記補強面材を取り付ける施工がスタッド自体の加工無しで行える。すなわち、スタッド自体は他の箇所でも使える共用物とし、補強面材を取り付ける箇所のみ上記ハット形部材を取り付ければよいので、スタッドの加工費用の上昇を抑えることができる。また、必要な箇所にのみ上記ハット形部材を取り付ければよいので、補強面材を取り付けない箇所にも補強凹部が存在するといった無駄も解消できる。
【0014】
上記ハット形部材の高さは上記スタッドの高さよりも低く、当該スタッドに対して複数個のハット形部材が固定されていてもよい(この項において第4構成という。)。これによれば、スタッドの全高に渡ってハット形部材を設ける構成に比べて、使用材料量を減らすことができる。
【0015】
また、この発明の間仕切り壁は、上記第1構成または上記第2構成の間仕切り壁下地構造と、上記第3構成または上記第4構成の間仕切り壁下地構造の両方を有することを特徴とする。これによれば、これらの間仕切り壁下地構造の双方の利点を得た間仕切り壁とすることができる。
【0016】
上記の間仕切り壁において、上記第1構成または上記第2構成の間仕切り壁下地構造で用いる上記ハット形部材と、上記第3構成または上記第4構成の間仕切り壁下地構造で用いる上記ハット形部材の形状および寸法が同じであってもよい。これによれば、上記ハット形部材の共通化によって、コスト低減および施工効率の向上が図れる。
【0017】
また、この発明の間仕切り壁下地構造の作製方法は、上記スタッドに上記ハット形部材を固定する際に、上記ハット形部材の上記サイド平板部に貼られた両面テープまたはマグネットテープによって当該ハット形部材を上記スタッドに固定する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
かかる方法であれば、上記ハット形部材を手で押さえながら固定するといった作業を無くせるので、作業の効率化が図れる。なお、養生テープ等で当該ハット形部材を上記スタッドに仮固定することもできるが、これでは、上記サイド平板部と上記スタッドとの間に養生テープが残置する構造とはならない。上記両面テープまたはマグネットテープとして強靭な接着が可能であるものを用い、これが上記サイド平板部と上記スタッドとの間に残置されると、上記ハット形部材を固定する螺子本数の削減、或いは螺子無し固定とすることが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明であれば、間仕切り壁のT字部や十字部において複数のスタッドの相互固定が効率的に行え、また、間仕切り壁への補強面材の取り付けがスタッド自体の加工無しで行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態の間仕切り壁下地構造を備える間仕切り壁のT字部を示した説明図である。
図2図1の間仕切り壁下地構造で用いられたハット形部材を示す図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は平面図である。
図3】他の実施形態の間仕切り壁下地構造を有する間仕切り壁を示した説明図である。
図4】従来の間仕切り壁下地構造をT字構造部に有する間仕切り壁を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、この発明の一態様に係る実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、この実施形態の間仕切り壁下地構造1を備える間仕切り壁のT字部を示している。
【0022】
上記間仕切り壁下地構造1は、鋼製のスタッド3および鋼製のハット形部材4を備えている。間仕切り壁は、上記間仕切り壁下地構造1の上記スタッド3に面材である石こうボード2等が螺子5によって固定されることで製作される。
【0023】
スタッド3は、石こうボード2が螺子5によって留付けられる面材貼付面3aが背向し、また、石こうボード2が貼付されない非貼付面3bが背向しており、横断面が略方枠形状である。
【0024】
ハット形部材4は、図2にも示すように、中央側平板部4aと、この中央側平板部4aの両側で当該中央側平板部4aに段を介して平行に形成されたサイド平板部4bとを有しており、横断面が略ハット形状である。また、このハット形部材4の高さは、スタッド3の高さよりも低く、1本のスタッド3に対して縦方向に複数個のハット形部材4が螺子留めされる。ハット形部材4の高さは、例えば、150mmであり、横幅は、スタッド3の非貼付面3bの横幅と同じ幅である。また、この実施形態では、サイド平板部4bの接合面側には、両面テープ41が貼付されている。
【0025】
そして、この実施形態の間仕切り壁下地構造1においては、間仕切り壁の延設方向に図示しないランナーが床および天井に固定されており、当該ランナー内に2本の上記スタッド3が互いの非貼付面3bを対向させて離間して位置している。さらに、上記延設方向に直交する片側の直交延設方向側にT字をなすように、図示しない別のランナーが床および天井に固定されている。
【0026】
ハット形部材4は、上記離間して位置する2本のスタッド3・3の上記面材貼付面3a・3a間に渡って位置しており、当該ハット形部材4の上記サイド平板部4bに打たれた螺子S1によって当該ハット形部材4が上記離間して位置するスタッド3・3に固定されている。
【0027】
さらに、この間仕切り壁下地構造1の上記別のランナー側には、上記2本のスタッド3とは別の1本のスタッド3(3A)が、当該スタッド3の一方の非貼付面3bを上記ハット形部材4の中央側平板部4aに接して位置している。そして、上記スタッド3(3A)の両非貼付面3bを貫通するとともに、上記ハット形部材4の上記中央側平板部4aを貫通した貫通長螺子S2によって、当該スタッド3(3A)が上記ハット形部材4を介して上記離間して位置する2本のスタッド3・3に連結されている。
【0028】
上記貫通長螺子S2は、スタッド3の2つの非貼付面3b・3bを貫通する際に、両方の非貼付面3b・3bに螺子山が掛かることによる不具合発生を防止するために、一部に螺子山の無い部位を有する特殊な螺子である。
【0029】
上記の間仕切り壁下地構造1であれば、例えば、上記T字部において、上記スタッド3(3A)が上記ハット形部材4を介して上記離間して位置する2本のスタッド3・3に連結されるので、従来のスタッドを間仕切り延設方向に3本並べる構造に対して、スタッドを1本減らすことができる。また、上記貫通長螺子S2の本数も減らせるので、間仕切り壁の施工効率を向上でき、コストダウンも図れる利点がある。
【0030】
上記ハット形部材4の高さは上記スタッド3の高さよりも低く、当該スタッド3に対して複数個のハット形部材4が螺子留めされるので、スタッド3の全高に渡る長尺のハット形部材を設けるよりも、鋼材使用量を減らすことができる。
【0031】
上記の例では、間仕切り壁のT字部を示したが、間仕切り壁の十字部においても、同様に上記ハット形部材4を用いた間仕切り壁下地構造1とすることができる。
【0032】
上記間仕切り壁下地構造1の作製方法を以下に述べる。この作製方法は、上記スタッド3に上記ハット形部材4を固定する際に、上記ハット形部材4の上記サイド平板部4bに貼られた両面テープ41によって当該ハット形部材4を上記スタッド3に固定する工程を含む。
【0033】
かかる方法であれば、上記ハット形部材4を手で押さえながら螺子留めするといった作業を無くせるので、作業の効率化が図れる。なお、養生テープ等で当該ハット形部材4を上記スタッド3に仮固定することもできるが、これでは、上記サイド平板部4bと上記スタッド3との間に養生テープが残置する構造とはならない。上記両面テープ41として強靭な接着が可能であるものを用い、これが上記サイド平板部4bと上記スタッド3との間に残置されると、上記ハット形部材4を固定する螺子本数の削減、或いは螺子無し固定とすることが可能になる。上記両面テープ41に代えてマグネットテープを用いる場合も同様の効果が期待できる。
【0034】
(実施形態2)
以下、他の態様に係る実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図3に示すように、この実施形態2の間仕切り壁下地構造1Aは、実施形態1で用いたスタッド3およびハット形部材4を用いている。すなわち、実施形態1の間仕切り壁下地構造1と実施形態2の間仕切り壁下地構造1Aにおいては、それぞれ同一形状で同一寸法のスタッド3およびハット形部材4を用いる。
【0035】
この間仕切り壁下地構造1Aにおいては、例えば、間仕切り壁の延設方向に図示しないランナーが床および天井に固定されており、当該ランナー内の所定位置に1本のスタッド3が位置しており、当該1本のスタッド3に対して所定距離おいて図示しない他のスタッド3が位置している。そして、上記の所定距離おいて位置する2本のスタッド3の対向する非貼付面3bに、それぞれハット形部材4が、当該ハット形部材4のサイド平板部4bに打たれた螺子S1により固定されている。
【0036】
上記ハット形部材4の固定によって、上記ハット形部材4の上記段による凹み領域が、上記の所定距離おいて位置する2本のスタッド3の非貼付面3b側に形成される。そして、上記2本のスタッド3の間の凹み領域に、手摺の装着等のための補強用の補強面材6が嵌め込まれている。補強面材6の板厚は、当該補強面材6が上記凹み領域に設けられた状態で上記面材貼付面3aと略面一になる厚さとされる。
【0037】
上記の間仕切り壁下地構造1Aであれば、上記補強面材6を取り付ける施工がスタッド自体の加工無しで行える。すなわち、スタッド3自体は他の箇所でも使える共用物とし、補強面材6を取り付ける箇所のみ上記ハット形部材4を取り付ければよいので、スタッド3の加工費用の上昇を抑えることができる。また、必要な箇所にのみ上記ハット形部材4を取り付ければよいので、補強面材を取り付けない箇所にも補強凹部が存在するといった無駄も解消できる。
【0038】
また、上記ハット形部材4を用いることで、スタッド3の全高に渡る長尺のハット形部材を設けるよりも、鋼材使用量を減らすことができる。もちろん、実施形態1,2において、スタッド3の全高に渡る長尺のハット形部材を用いてもよいものである。
【0039】
上記間仕切り壁下地構造1Aにおいても、スタッド3にハット形部材4を固定する際に、上記ハット形部材4の上記サイド平板部4bに貼られた両面テープ41やマグネットテープによって当該ハット形部材4を上記スタッド3に固定するようにしてもよう。
【0040】
また、上記間仕切り壁下地構造1と、上記間仕切り壁下地構造1Aの両方を有する間仕切り壁であれば、これらの間仕切り壁下地構造1,1Aの各々の上記利点を得ることができる。
【0041】
また、このような間仕切り壁において、上記間仕切り壁下地構造1で用いる上記ハット形部材4と、上記間仕切り壁下地構造1Aで用いる上記ハット形部材4の形状および寸法が同じであると、上記ハット形部材4の共通化によって、コスト低減および施工効率の向上が図れる。
【0042】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 :間仕切り壁下地構造
1A :間仕切り壁下地構造
2 :石こうボード(面材)
3 :スタッド
3a :面材貼付面
3b :非貼付面
4 :ハット形部材
4a :中央側平板部
4b :サイド平板部
5 :螺子
6 :補強面材
41 :両面テープ
S1 :螺子
S2 :貫通長螺子
図1
図2
図3
図4