IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通クライアントコンピューティング株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図1
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図2
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図3
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図4
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図5
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図6
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図7
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図8
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図9
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図10
  • 特開-端末装置、および、プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012269
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】端末装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20230118BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230118BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20230118BHJP
【FI】
H04N5/232 290
H04N5/232 930
G03B17/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115803
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 明弘
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H102AA71
2H102BB08
2H102CA03
5C122EA42
5C122EA47
5C122EA48
5C122FH05
5C122FH09
5C122FH11
5C122FK12
5C122FK37
5C122FK41
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB10
(57)【要約】
【課題】端末装置で撮影対象物を撮影する場合の位置合わせの操作性を向上させる。
【解決手段】実施形態の端末装置は、撮影対象物について、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得するサイズ取得部と、端末装置の背面カメラの視野角に基づいて、前記撮影対象物と前記端末装置の適正な距離を算出する算出部と、前記背面カメラから前記撮影対象物の画像を含む撮影画像を取得する撮影画像取得部と、ユーザの視点位置に基づいて、前記撮影対象物を前記視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、前記端末装置に設けられた表示部に前記撮影画像における前記撮影対象物が表示されるように前記撮影画像を変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記撮影画像を前記表示部にプレビュー画像として表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影対象物について、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得するサイズ取得部と、
端末装置の背面カメラの視野角に基づいて、前記撮影対象物と前記端末装置の適正な距離を算出する算出部と、
前記背面カメラから前記撮影対象物の画像を含む撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
ユーザの視点位置に基づいて、前記撮影対象物を前記視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、前記端末装置に設けられた表示部に前記撮影画像における前記撮影対象物が表示されるように前記撮影画像を変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記撮影画像を前記表示部にプレビュー画像として表示させる表示制御部と、を備える端末装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記撮影対象物を前記視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、前記表示部に表示される場合の前記撮影対象物の表示部分の外周の少なくとも一部に、位置合わせガイド表示を、前記プレビュー画像に重畳して表示させる、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記変換部は、前記視点位置として、予め設定された視点位置の情報を用いる、請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
コンピュータを、
撮影対象物について、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得するサイズ取得部と、
端末装置の背面カメラの視野角に基づいて、前記撮影対象物と前記端末装置の適正な距離を算出する算出部と、
前記背面カメラから前記撮影対象物の画像を含む撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
ユーザの視点位置に基づいて、前記撮影対象物を前記視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、前記端末装置に設けられた表示部に前記撮影画像における前記撮影対象物が表示されるように前記撮影画像を変換する変換部と、
前記変換部によって変換された前記撮影画像を前記表示部にプレビュー画像として表示させる表示制御部と、して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端末装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラを搭載した端末装置(タブレット端末など)のユーザは、その端末装置で書類などの撮影対象物を撮影する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザは、端末装置で撮影対象物を撮影する場合に、端末装置の位置合わせに手間取ることがある。理由としては、例えば、ユーザの視点位置と撮影対象物の間に端末装置が入ることにより、ユーザが撮影対象物を直視できないことが挙げられる。具体的には、以下の通りである。
【0004】
ユーザは、端末装置に表示されるカメラ画像(以下、プレビュー画像ともいう。)において撮影対象物を見ながら端末装置の位置合わせを行うことになる。しかし、端末装置における背面カメラの取り付け位置が液晶表示部の中央に対応する位置ではないことなどによって、プレビュー画像の撮影対象物と直視した場合の撮影対象物でユーザから見た場合のサイズ、位置、形状が異なる。したがって、ユーザは、撮影対象物を撮影時の端末装置の位置合わせにおける端末装置の移動方向や移動量の判断を直感的に行うことができず、難しいと感じる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、端末装置で撮影対象物を撮影する場合の位置合わせの操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の端末装置は、撮影対象物について、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得するサイズ取得部と、端末装置の背面カメラの視野角に基づいて、前記撮影対象物と前記端末装置の適正な距離を算出する算出部と、前記背面カメラから前記撮影対象物の画像を含む撮影画像を取得する撮影画像取得部と、ユーザの視点位置に基づいて、前記撮影対象物を前記視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、前記端末装置に設けられた表示部に前記撮影画像における前記撮影対象物が表示されるように前記撮影画像を変換する変換部と、前記変換部によって変換された前記撮影画像を前記表示部にプレビュー画像として表示させる表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態のタブレット端末におけるハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。
図2図2は、実施形態において、直視した場合の書類とタブレット端末に表示された書類がユーザから同じように見えることの説明図である。
図3図3は、実施形態のタブレット端末における機能構成を模式的に示したブロック図である。
図4図4は、実施形態のタブレット端末に関するカメラモジュールの視野角と撮像範囲の関係等の説明図である。
図5図5は、実施形態のタブレット端末について撮像範囲と書類の縦横比が一致しない例を模式的に示した図である。
図6図6は、実施形態において、カメラモジュールの視野角と、タブレット端末と書類の適正な距離と、の関係を模式的に示した図である。
図7図7は、実施形態おいて、ユーザから見たタブレット端末の液晶表示部のイメージを模式的に示した図である。
図8図8は、実施形態においてユーザの前方からタブレット端末等を見た場合の様子を模式的に示した図である。
図9図9は、実施形態においてユーザの上および横からタブレット端末等を見た場合の様子を模式的に示した図である。
図10図10は、実施形態のタブレット端末による処理を示したフローチャートである。
図11図11は、従来技術において、直視した場合の書類とタブレット端末に表示された書類がユーザから異なって見えることの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の端末装置、および、プログラムの実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、撮影対象物として書類を例にとって説明するが、これに限定されない。撮影対象物は、例えば、書籍、名刺などの書籍以外の物であってもよい。また、端末装置としてタブレット端末を例にとって説明するが、これに限定されない。端末装置は、例えば、スマートフォンなどのタブレット端末以外の装置であってもよい。
【0009】
まず、本実施形態の理解を容易にするために、従来技術についてあらためて説明する。図11は、従来技術において、直視した場合の書類とタブレット端末に表示された書類がユーザから異なって見えることの説明図である。なお、実際にはユーザがタブレット端末を手で保持するが、図11では、タブレット端末と書類の位置関係等を見やすくするために、ユーザがタブレット端末を手で保持することは表現していない。
【0010】
タブレット端末は、ユーザによって撮影操作されると、カメラによって書類を撮影し、液晶表示部に書類を表示させる。その場合、図11に示すように、ユーザが視点位置から書類を直視した場合(点線)と、ユーザが液晶表示部に表示されたプレビュー画像における書類を見る場合(実線)で、見えている書類の位置、サイズ、形状が不一致となる。したがって、ユーザは、書類撮影時のタブレット端末の位置合わせにおけるタブレット端末の移動方向や移動量の判断を直感的に行うことができず、難しいと感じる場合がある。
【0011】
そこで、以下では、タブレット端末で書類を撮影する場合の位置合わせの操作性を向上させることができる技術について説明する。
【0012】
図1は、実施形態のタブレット端末100におけるハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。タブレット端末100は、RAM(Random Access Memory)1と、CPU(Central Processing Unit)2と、GPU(Graphics Processing Unit)3と、液晶表示部4(表示部)と、タッチパネル5と、ストレージ6と、EC(Embedded Controller)7と、イメージシグナルプロセッサ8と、カメラモジュール9と、を備える。
【0013】
RAM1は、CPU2のワークエリアとして用いられ、各種データを揮発的に記憶する。
【0014】
CPU2は、各種演算処理を行い、タブレット端末100の全体を制御する。
【0015】
GPU3は、液晶表示部4に表示する画像描写のための演算を行う。
【0016】
液晶表示部4は、LCD(Liquid Crystal Display)であり、各種情報を表示する。
【0017】
タッチパネル5は、ユーザによる操作入力を受け付ける。
【0018】
ストレージ6は、各種データを記憶し、例えば、OS(Operating System)61と、アプリ62と、を記憶する。OS61は、タブレット端末100が動作するための基本ソフトウェアである。アプリ62は、タブレット端末100が本実施形態の動作を行うためのアプリケーションプログラムである。
【0019】
EC7は、タブレット端末100の内部デバイスの制御を行う。
【0020】
イメージシグナルプロセッサ8は、カメラモジュール9(イメージセンサ92)から入力された画像データ(撮影画像)に対して、画像フォーマット変換や画質調整を行う。
【0021】
カメラモジュール9(カメラ)は、レンズ91と、イメージセンサ92と、VCM(Voice Coil Motor)93と、を備える。レンズ91は、通過する光を屈折させる。イメージセンサ92は、所定の視野角内の撮影領域を撮影し、撮影画像を出力する。VCM93は、レンズ91を移動させる。
【0022】
ここで、併せて図2を参照して、タブレット端末100による動作の概要を説明する。図2は、実施形態において、直視した場合の書類とタブレット端末100に表示された書類がユーザから同じように見えることの説明図である。なお、実際にはユーザUがタブレット端末100を手で保持するが、図2では、タブレット端末100と書類Dの位置関係等を見やすくするために、ユーザUがタブレット端末100を手で保持することは表現していない。
【0023】
タブレット端末100の電源投入後に、CPU2は、OS61をRAM1にロードして実行を開始し、また、ユーザUの指示などによりアプリ62をRAM1にロードして実行を開始する。また、CPU2は、アプリ62を用いてOS61のカメラモジュール9を操作するコマンドを使用してイメージセンサ92による撮影画像を連続して取得し、RAM1に一時的に格納し、GPU3にデータを送り、液晶表示部4に連続する画像を表示し、プレビュー画像(プレビュー映像)を実現する。
【0024】
このときに、タブレット端末100は、プレビュー画像におけるユーザUから見た書類(表示された書類D1)のサイズ、位置、形状が、ユーザUが直視した場合の書類Dのサイズ、位置、形状と同じになるように、撮影画像を変換してプレビュー画像を表示する。また、CPU2はアプリ62によってユーザUから撮影の指示を受け取ると、上記の変換を行うことなく、撮影画像をストレージ6に保存する。このようにして、ユーザUの視点位置Pと書類Dの間にタブレット端末100が入っている場合でも、書類Dを撮影時のタブレット端末100の位置合わせの操作性を向上させることができる。以下、これらについて詳細に説明する。
【0025】
図3は、実施形態のタブレット端末100における機能構成を模式的に示したブロック図である。図1のCPU2がOS61やアプリ62を読み出すことで、取得部111と、算出部112と、変換部113と、制御部114と、が実現される。
【0026】
取得部111は、各種情報を取得する。取得部111(サイズ取得部)は、例えば、書類Dについて、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得する。具体的には、例えば、液晶表示部4に表示されたA4、B5などの複数のサイズ候補からユーザがいずれかを選択すると、取得部111は、選択されたサイズを取得する。また、取得部111は、ユーザによって入力された書類のサイズ(縦横の長さ)の情報を取得してもよい。
【0027】
また、取得部111(撮影画像取得部)は、例えば、イメージセンサ92から書類Dの画像を含む撮影画像を取得する。
【0028】
算出部112は、カメラモジュール9の視野角(仕様により既知)に基づいて、書類Dとタブレット端末100の適正な距離を算出する。これについて、図4を参照して説明する。図4は、実施形態のタブレット端末100に関するカメラモジュール9の視野角と撮像範囲の関係等の説明図である。
【0029】
図4に示すように、カメラモジュール9の視野は円錐状になる。また、カメラモジュール9の内部のイメージセンサ92は一般に長方形であり、撮像範囲Rは円錐底面(円)に対して内側に位置する長方形となる。また、イメージセンサ92の縦横比は仕様によって異なり、例えば、6:4や16:9であり、撮像範囲Rの縦横比もそれらに合わせたものとなる。
【0030】
なお、カメラモジュール9の動作状態を変更し、解像度を変更すると、撮像範囲Rの縦横比が変わる場合もある。また、最大解像度から異なる解像度に変更すると、撮像範囲Rが縮小され、上下、左右、または上下左右に撮像されない領域が発生するものがある。それらの場合、撮像範囲Rもそれらに合わせたものとなる。
【0031】
以下では、撮像範囲Rが最大の場合で、且つ、撮像範囲Rがカメラモジュール9の視野に内接している場合について述べるが、これに限定されない。例えば、撮像範囲Rが変わった場合や撮像範囲Rがカメラモジュール9の視野に内接しない場合は、それらに適した算出方法を採用してもよいし、簡便のため、内接している場合の方法を採用してもよい。
【0032】
ここでは、所望の解像度における撮像範囲Rに書類が最大に位置する状態を基準とする。なお、書類の縦横比と、撮像範囲Rの縦横比とが一致しない場合について、図5を用いて説明する。
【0033】
図5は、実施形態のタブレット端末100について撮像範囲Rと書類Dの縦横比が一致しない例を模式的に示した図である。撮像範囲Rの縦横比と書類Dの縦横比が決まれば、カメラモジュール9と書類Dとの距離は以下のように算出できる。
【0034】
まず、書類Dの縦横比を「X1(横):Y1(縦)」とする。
また、撮像範囲Rの縦横比を「X2(横):Y2(縦)」とする。
このとき、以下の方法で、XとYを算出する。
【0035】
(1)X1/Y1>X2/Y2の場合(図5(b)に示す、書類のほうが横長の場合)
X=書類Dの横の長さ
Y=X×Y2÷X2
【0036】
(2)X1/Y1≦X2/Y2の場合(図5(a)に示す、撮像範囲のほうが横長の場合)
Y=書類Dの縦の長さ
X=Y×X2÷Y2
【0037】
こうして算出されたX、Yは、それぞれ、書類Dを最大に収容する場合の撮像範囲Rの横の長さと縦の長さを示す。なお、撮像範囲Rの縦横比と書類Dの縦横比が一致する場合は、書類Dの横の長さと縦の長さをそのままX、Yとすればよい。
【0038】
ここで、図6は、実施形態において、カメラモジュール9の視野角と、タブレット端末100と書類Dの適正な距離と、の関係を模式的に示した図である。
撮像範囲Rの対角線の長さを2dとすると、
2d=√(X+Y
となる。
【0039】
また、カメラモジュール9と書類Dの間の距離h(垂直距離)は、視野角をθとすると、
tan(θ/2)=d/hなので、
h=d/(tan(θ/2))
となる。
【0040】
このようにして、カメラモジュール9と書類Dの間の適正な距離を決定することができる。なお、ユーザUの視点位置P(図2)は、例えば、身長などの身体情報やタブレット端末100の持ち方などを調査して平均的なものとする。あるいは、視点位置Pを検出する手段をタブレット端末100が有してもよい。
【0041】
また、各計算の誤差を考慮して、例えば、カメラモジュール9と書類Dの間の適正な距離を少し大きめに算出するようにしてもよい。そうすれば、各計算の誤差によって撮像範囲R内に書類Dが収まっていないという事態を回避できる。
【0042】
図3に戻って、変換部113は、ユーザの視点位置に基づいて、書類Dを視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状(長方形、台形など)で、液晶表示部4に撮影画像における書類が表示されるように撮影画像を変換する。また、変換部113は、視点位置として、例えば、予め設定された視点位置の情報を用いる。
【0043】
また、制御部114は、各種制御を行う。制御部114(表示制御部)は、例えば、変換部113によって変換された撮影画像を液晶表示部4にプレビュー画像として表示させる。また、制御部114は、例えば、書類Dを視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、液晶表示部4に表示される場合の書類Dの表示部分の外周の少なくとも一部に、位置合わせガイド表示を、プレビュー画像に重畳して表示させる。
【0044】
ここで、図7は、実施形態おいて、ユーザから見たタブレット端末100の液晶表示部4のイメージを模式的に示した図である。また、図8は、実施形態においてユーザの前方からタブレット端末100等を見た場合の様子を模式的に示した図である。また、図9は、実施形態においてユーザの上および横からタブレット端末100等を見た場合の様子を模式的に示した図である。
【0045】
大まかな様子は、図8図9に示す通りである。図9(a)はユーザの上から見た図で、図9(b)はユーザの横から見た図である。そして、図7に示すように、タブレット端末100の位置合わせの指標としての位置合わせガイド表示Gをプレビュー画像上に表示する。この位置合わせガイド表示Gの位置は、タブレット端末100を適正な位置に調整した場合における、ユーザの視点から見た書類Dの位置を示す。
【0046】
また、タブレット端末100が適正な位置よりも書類Dに接近すると、プレビュー画像における書類(表示された書類D1)は位置合わせガイド表示Gより大きくなる(位置合わせガイド表示Gをはみ出す)。また、逆に、タブレット端末100が適正な位置よりも書類Dから離れると、プレビュー画像における書類(表示された書類D1)は位置合わせガイド表示Gよりも小さくなる。これにより、ユーザはタブレット端末100の位置合わせの調整が必要なことを認識できる。
【0047】
また、タブレット端末100が適正な位置から水平方向にずれている場合、ユーザはプレビュー画像における書類が位置合わせガイド表示Gに一致するように水平方向にタブレット端末100を移動させればよい。このように、プレビュー画像の書類のサイズ、位置、形状を、書類を直視したときのものと一致させることで、ユーザは、タブレット端末100の位置合わせ調整時のタブレット端末100の移動方向と移動量を直感的に判断できる。
【0048】
図3に戻って、ユーザがタブレット端末100において撮影を指示した場合、制御部114は、カメラモジュール9から取り込んだ撮影画像をストレージ6に保存する。このときには視点位置による変換を行わない。なお、撮影画像の保存先は、ストレージ6に限定されず、タブレット端末100に接続した周辺機器やネットワーク経由の別のストレージでも構わない。また、タブレット端末100で実行されるアプリ62が撮影タイミングを判断しても構わない。
【0049】
次に、図10を参照して、実施形態のタブレット端末100による処理について説明する。図10は、実施形態のタブレット端末100による処理を示したフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1において、取得部111は、書類Dについて、ユーザ操作によって指定されたサイズを取得する。
【0051】
次に、ステップS2において、算出部112は、カメラモジュール9の視野角に基づいて、書類Dとタブレット端末100の適正な距離を算出する。
【0052】
次に、ステップS3において、処理部110は、ユーザによってプレビュー画像の表示開始の操作が行われたか否かを判定し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS3に戻る。
【0053】
ステップS4において、取得部111は、イメージセンサ92から撮影画像を取得する。
【0054】
次に、ステップS5において、変換部113は、ユーザの視点位置に基づいて、書類Dを視点位置から直視した場合と同じサイズ、位置、形状で、液晶表示部4に撮影画像における書類Dが表示されるように撮影画像を変換する。
【0055】
次に、ステップS6において、制御部114は、位置合わせガイド表示Gを含むプレビュー画像を液晶表示部4に表示する(図7)。
【0056】
次に、ステップS7において、制御部114は、ユーザによって撮影画像の保存操作が行われたか否かを判定し、Yesの場合はステップS8に進み、Noの場合はステップS9に進む。
【0057】
ステップS8において、制御部114は、撮影画像をストレージ6に保存する。このときには視点位置による変換を行わない。
【0058】
次に、ステップS9において、処理部110は、ユーザによって、プレビュー画像の表示終了の操作が行われたか否かを判定し、Yesの場合は処理を終了し、Noの場合はステップS4に戻る。
【0059】
つまり、ステップS3でYesの後、ステップS9でYesになるまで、イメージセンサ92が連続して撮影する画像に対してステップS4~S6の処理が行われ、視点位置による変換を行ったプレビュー画像(プレビュー映像)が液晶表示部4に表示される。また、その途中で、ユーザが撮影画像の保存操作をした場合(ステップS7でYes)、撮影画像が保存される(ステップS8)。
【0060】
このように、本実施形態のタブレット端末100によれば、上述の変換を行った撮影画像をプレビュー画像として液晶表示部4に表示させることで、プレビュー画像と直視の場合とで書類Dのサイズ、位置、形状が一致する(つまり、疑似的に書類を直視している状態を実現する)ので、タブレット端末100で書類Dを撮影時のタブレット端末100の位置合わせの操作性を向上させることができる。例えば、ユーザは、タブレット端末100の位置調整時の移動方向だけでなく、移動量についても直感的に判断できるようになる。
【0061】
また、位置合わせガイド表示Gをプレビュー画像に重畳して表示させることで、タブレット端末100の撮影時の位置合わせの操作性をさらに向上させることができる。
【0062】
なお、本実施形態のタブレット端末100で実行されるプログラムは、例えば、ROM等に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0063】
さらに、当該プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、当該プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0064】
また、当該プログラムは、処理部110の各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはプロセッサがROMから当該プログラムを読み出して実行することにより各機能部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0065】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0066】
例えば、タブレット端末100にユーザの視点位置を変更するための仕組みを入れてもよい。具体的には、例えば、ユーザが身長情報を入力または選択した場合に、その身長情報に基づいて視点位置を調整(変更)するようにすればよい。
【符号の説明】
【0067】
1…RAM、2…CPU、3…GPU、4…液晶表示部、5…タッチパネル、6…ストレージ、7…EC、8…イメージシグナルプロセッサ、9…カメラモジュール、61…OS、62…アプリ、91…レンズ、92…イメージセンサ、100…タブレット端末、110…処理部、111…取得部、112…算出部、113…変換部、114…制御部、D…書類、D1…表示された書類、G…位置合わせガイド表示、P…視点位置、R…撮像範囲、U…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11