(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122690
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
H01H25/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026337
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若野 春人
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀樹
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS01H
5G031AS35H
5G031AS38H
5G031AS45H
5G031AS46H
5G031AS52H
5G031DS12H
5G031GS21
5G031HS22
5G031HU24
5G031KS03
5G031KS04
5G031RS04
5G031RS11
5G031RS16
5G031RS24
5G031RS32
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上させることができる操作装置を提供する。
【解決手段】実施形態の一態様に係る操作装置は、パネルに取り付けられる。操作装置は、発光部と、可動部と、固定部とを備える。可動部は、内部に中空部が形成されるとともに、回転可能に取り付けられてユーザの回転操作を受け付ける。固定部は、可動部の中空部に配置され、回転不能に固定される。また、可動部は、発光部から固定部を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに取り付けられる操作装置であって、
発光部と、
内部に中空部が形成されるとともに、回転可能に取り付けられてユーザの回転操作を受け付ける可動部と、
前記可動部の前記中空部に配置され、回転不能に固定される固定部と
を備え、
前記可動部は、
前記発光部から前記固定部を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射する、
操作装置。
【請求項2】
前記可動部は、
おもて面に形成されるおもて側反射面
を備え、
前記固定部は、
前記可動部の裏面と対向する位置に形成され、前記おもて側反射面より光の透過率が低い固定部側反射面
を備え、
前記可動部は、
前記発光部から前記固定部を介して入射される光を前記おもて側反射面と前記固定部側反射面との間で反射する、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記可動部の前記中空部において、前記固定部の側面を覆うように配置される環状の導光部材
を備え、
前記可動部はさらに、
前記発光部から前記導光部材を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射する、
請求項1または2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記可動部は、
おもて面に形成されるおもて側反射面と、
裏面に形成され前記おもて側反射面より光の透過率が低い裏側反射面と
を備え、
前記可動部は、
前記発光部から前記導光部材を介して入射される光を前記おもて側反射面と前記裏側反射面との間で反射する、
請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
ユーザによる前記可動部への操作に基づいて前記発光部の光を制御することで、前記可動部から出射される光の態様を制御する制御部
を備える請求項1~4のいずれか一つに記載の操作装置。
【請求項6】
前記可動部は、
ユーザの押圧操作を受け付け可能に構成され、
前記制御部は、
前記可動部への押圧操作に応じて、前記可動部から出射される光の態様を制御する、
請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記可動部は、
ユーザの押圧操作により車両のハザードランプの動作指示を受け付ける、
請求項6に記載の操作装置。
【請求項8】
前記可動部に設けられ、前記可動部を操作するユーザの認証に用いられる認証センサ
を備え、
前記制御部は、
前記認証センサを用いた認証結果に応じて、前記可動部から出射される光の態様を制御する、
請求項6または7に記載の操作装置。
【請求項9】
前記可動部の前記中空部に配置され、前記可動部の外部を撮像するカメラ
を備える請求項1~8のいずれか一つに記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車内における各種のノブやスイッチ等の操作部を光らせることで、ユーザが夜間等でも操作部を容易に視認できる操作装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、操作装置の意匠性を向上させるという点で、さらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、意匠性を向上させることができる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、パネルに取り付けられる操作装置であって、発光部と、可動部と、固定部とを備える。可動部は、内部に中空部が形成されるとともに、回転可能に取り付けられてユーザの回転操作を受け付ける。固定部は、前記可動部の前記中空部に配置され、回転不能に固定される。また、前記可動部は、前記発光部から前記固定部を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作装置の意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る操作装置の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、可動部の導光部材による光の状態を説明する図である。
【
図6】
図6は、可動部の導光部材の反射原理を示す図である。
【
図7】
図7は、可動部の発光態様の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る操作装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、発光態様情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る操作装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る操作部の断面図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係る操作装置の構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態における変形例を示す図である。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る操作部の断面図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る操作装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する操作装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
先ず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る操作装置の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る操作装置の一例を示す図である。また、
図1は、操作装置の正面図である。なお、
図1および後述する各図は、いずれも模式図である。
【0011】
また、
図1においては、理解の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向で規定される3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、直交座標系は、操作装置1が図示された状態にあるときのX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向であり、操作装置1の取り付け方向や配置方向等を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、操作装置1は、例えば、車両に搭載される車載装置Aを操作する装置である。車載装置Aは、例えばオーディオ装置であるが、これに限られず、ナビゲーション装置やエアコン装置などその他の装置であってもよい。
【0013】
本実施形態に係る操作装置1は、車載装置Aのフレーム部100におけるパネル101に取り付けられる。操作装置1は、操作部10を備える。操作部10は、車両の乗員を含むユーザによる操作を受け付け、車載装置Aにおける種々の機能を動作させるための部材である。一例として、操作部10は、ダイヤル式(ロータリー式)の操作部であり、ユーザによる回転操作を受け付けて、オーディオ装置におけるボリューム等を調節することができる。
【0014】
ところで、従来技術にあっては、操作装置の操作部において意匠性の低下を招くおそれがあり、改善の余地があった。すなわち、例えば従来技術に係る操作部にあっては、中央に配置され回転しない円柱状の中央部材と、かかる中央部材の周縁に配置され回転可能に取り付けられた環状のノブ部材とを備え、ノブ部材がユーザによる回転操作を受け付けるように構成されていた。このような構成の場合、操作部の外観上において、中央部材とノブ部材との間に溝(切れ目)ができてしまい、意匠性の低下を招くおそれがあった。そこで、本実施形態に係る操作部10にあっては、意匠性を向上させることができる構成としたが、これについては後述する。
【0015】
また、操作部10は、後述する発光部20(
図3参照)の光によって光ることで、夜間等においてユーザの視認性を確保して意匠性をさらに向上させることができるが、これについても後に説明する。また、操作部10は、奥行き感のある発光態様となるように構成されるが、これについても後述する。
【0016】
フレーム部100およびパネル101は、操作装置1のフレームとして機能し、また車載装置Aが有する表示部102のカバーとして機能する。また、パネル101には、操作部10が設けられる。詳しくは、パネル101には、円形の開口が形成され、かかる開口に操作部10の一部が露出するように設けられる。表示部102は、例えば液晶ディスプレイであり、各種情報を表示することができる。
【0017】
次に、
図2~
図4を用いて、操作部10について詳細に説明する。
図2は、操作部10の外観を示す斜視図である。
図3は、操作部10の分解斜視図である。
図4は、
図1のIV-IV線断面図であり、操作部10等の断面図である。なお、
図2以降では、フレーム部100、パネル101および表示部102の図示を省略している。
【0018】
図2~
図4に示すように、操作部10は、発光部20と、検出センサ30(
図2で見えず)と、固定部40と、第1導光部材50と、可動部(ノブ部)60と、第2導光部材70とを備える。
【0019】
発光部20は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの光源である。発光部20は、フレーム部100(
図1参照)の内部に配置された基板110に設けられ、第1導光部材50や第2導光部材70へ向けて光を出射する。
【0020】
詳しくは、発光部20は、
図3に示すように、内周側発光部20aと、外周側発光部20bとを含む。内周側発光部20aおよび外周側発光部20bはそれぞれ、円周方向に沿って所定角度(例えば90度)の間隔で配置される。なお、
図3では、理解の便宜のため、内周側発光部20aが配置される円周(内周)を仮想線Raで示し、外周側発光部20bが配置される円周(外周)を仮想線Rbで示している。
図3から分かるように、内周側発光部20aは、外周側発光部20bに対して円の径方向の内側(内周側)に配置される。
【0021】
内周側発光部20aは、
図4に示すように、第1導光部材50の裏側(Y軸負方向側)に配置され、第1導光部材50へ向けて光を発する。外周側発光部20bは、第2導光部材70の裏側(Y軸負方向側)に配置され、第2導光部材70へ向けて光を発する。
【0022】
なお、ここでは、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bがそれぞれ、複数(ここでは4個)である例を示したが、これに限られず、3個以下あるいは5個以上であってもよい。また、以下では、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bを特に区別せずに説明する場合には「発光部20」と記載する。
【0023】
検出センサ30は、操作部10に対するユーザの操作を検出する。具体的には、検出センサ30は、可動部60に対するユーザの回転操作(詳しくは可動部60の回転量や回転位置等)を検出するセンサである。検出センサ30としては、例えば中空のロータリーエンコーダを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
検出センサ30は、本体部31と、回転部32とを備え、上記した基板110に設けられる。本体部31は、中空状に形成され、詳しくは環状に形成され、基板110に取り付けられる。また、本体部31には、例えばユーザの回転操作の検出に用いられる各種電子部品などが収容される。
【0025】
回転部32は、中空状に形成され、詳しくは環状に形成される。回転部32は、本体部31の外周側に位置し、本体部31に対してY軸を中心とした周方向に回転可能に取り付けられる。回転部32には、第1導光部材50を介して可動部60が接続される。従って、可動部60に対する回転操作に伴って回転部32は回転し、検出センサ30は、かかる回転部32の回転を検出することで、操作部10(可動部60)に対するユーザの回転操作を検出することができる。
【0026】
固定部40は、例えば透明(もしくは半透明)の円盤状の部材であり、操作部10において回転不能に固定される。すなわち、固定部40は、操作部10(可動部60)に対するユーザの回転操作がなされた場合であっても周方向に回転しないように固定される。
【0027】
詳しくは、固定部40は、円盤状の導光部材41を備える。導光部材41の材質としては、例えばガラス、有機ガラス、またはポリカーボネートのような透光性を有する材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
導光部材41は、内周側発光部20aからの光を導光する。また、導光部材41のおもて面(言い換えると、おもて側に位置する主面)41aには、固定部側反射面42(
図6参照)が形成されるが、これについては後述する。なお、本明細書では、操作部10において可動部60に近い側の面あるいは正面視においてユーザから視認される側の面を「おもて面」と記載し、おもて面とは反対側の面を「裏面」と記載する。
【0029】
第1導光部材50は、例えば透明(もしくは半透明)の円盤状、あるいは円柱状の部材である。第1導光部材50の材質としては、例えば乳白色の樹脂など透光性を有する材料を用いることができる。なお、第1導光部材50の材質は、上記した樹脂に限られず、ガラスなどその他の材質であってもよい。
【0030】
第1導光部材50は、厚さが固定部40より大きくなるように形成される。
図3に示すように、第1導光部材50の側面50cには、複数の係止爪51(
図3では1つのみ見える)が側方(径方向における外方)へ向けて突出するように形成される。第1導光部材50は、検出センサ30の本体部31の中空部分に配置され、かかる係止爪51によって本体部31に係止されて固定される。
【0031】
第1導光部材50のおもて面50aには、上記した固定部40が取り付けられる。詳しくは、第1導光部材50のおもて面50aと固定部40の裏面41bとは、例えば接着剤などによって接着される。これにより、固定部40は、上記したように回転不能に固定される。
【0032】
また、
図4に示すように、第1導光部材50の裏面50bに対応する位置には、内周側発光部20aが配置される。従って、第1導光部材50は、内周側発光部20aからの光を導光する。詳しくは、第1導光部材50は、内周側発光部20aから入射される光を導光し、おもて面50aに取り付けられた固定部40へ出射する。
【0033】
可動部60は、ユーザによって操作される部位であり、詳しくは回転操作される部位である。すなわち、可動部60は、回転可能に取り付けられてユーザの回転操作を受け付ける。
【0034】
具体的には、可動部60は、天面部61と、側壁部62と、中空部63とを備える。天面部61は、円盤状に形成される。天面部61は、操作部10のおもて側に位置し、正面視においてユーザに視認可能な位置に設けられる部位である。
【0035】
天面部61は、導光部材65を備える。導光部材65は、例えば透明(もしくは半透明)の円盤状の部材であり、別言するとレンズである。導光部材65の材質としては、例えばガラス、有機ガラス、またはポリカーボネートのような透光性を有する材料を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
導光部材65は、内周側発光部20aからの光や外周側発光部20bの一部を外部に導光する。また、導光部材65のおもて面65aには、おもて側反射面66(
図6参照)が形成され、裏面65bには、裏側反射面67(
図6参照)が形成される。また、導光部材65の側面65cには、側面側反射面68(
図6参照)が形成される。
【0037】
これにより、導光部材65は、外周側発光部20bからの光をおもて側反射面66と裏側反射面67との間で反射を繰り返しながら中央へ導光することができる。また、導光部材65は、内周側発光部20aからの光をおもて側反射面66と上記した固定部側反射面42との間で反射を繰り返しながら中央へ導光することができる。なお、これらの導光や反射等については、
図5,6を参照して後述する。
【0038】
側壁部62は、天面部61から操作部10における奥側(言い換えると基板110側。Y軸負方向)へ向けて延在するように形成されるとともに、環状に形成される。また、
図4に示すように、側壁部62の内周面62aには、複数の係止爪69が可動部60の中心方向へ向けて突出するように形成される。可動部60は、かかる係止爪69によって第2導光部材70に係止されて接続される。この第2導光部材70は、後述するように、検出センサ30の回転部32に接続されることから、可動部60は周方向に回転可能とされる。
【0039】
中空部63は、可動部60の内部に形成される。言い換えると、中空部63は、天面部61および側壁部62によって囲まれた空間である。このように、可動部60は、操作部10における奥側(Y軸負方向)が開放されるように形成される。
【0040】
第2導光部材70は、例えば透明(もしくは半透明)の環状の部材である。第2導光部材70の材質としては、例えば乳白色の樹脂など透光性を有する材料を用いることができる。なお、第2導光部材70の材質は、上記した樹脂に限られず、ガラスなどその他の材質であってもよい。
【0041】
第2導光部材70は、環状部71と、鍔部72とを備える。なお、第2導光部材70は、導光部材の一例である。環状部71は、中空状に形成される。環状部71の内周面71a側には、上記した固定部40および第1導光部材50が配置される。
【0042】
また、環状部71の内周面71aには、複数の係止爪73(
図3参照)が環状部71の中心方向へ向けて突出するように形成される。第2導光部材70は、かかる係止爪73によって検出センサ30の回転部32に係止されて接続される。上記したように、第2導光部材70は可動部60に接続されることから、可動部60の回転(回転操作)は、第2導光部材70を介して検出センサ30の回転部32に伝達され、これにより検出センサ30は可動部60に対するユーザの回転操作を検出する。
【0043】
また、環状部71の内周面71a側には、固定部40および第1導光部材50が配置される。すなわち、第2導光部材70の環状部71は、固定部40および第1導光部材50の側面を覆うように配置される。
【0044】
鍔部72は、環状部71の基板110側の端部から側方(径方向における外方)へ向けて突出する部位である。また、
図4に示すように、鍔部72の裏面72bに対応する位置には、外周側発光部20bが配置される。従って、第2導光部材70は、外周側発光部20bからの光が鍔部72に入射され、入射された光を環状部71を介して導光し、後述するように可動部60(詳しくは天面部61、より詳しくは導光部材65)へ出射する。
【0045】
そして、上記した固定部40、第1導光部材50および第2導光部材70は、可動部60の中空部63に配置される。言い換えると、固定部40、第1導光部材50および第2導光部材70(正確には第2導光部材70の環状部71)は、可動部60によって覆われるようにして配置される。
【0046】
これにより、操作部10にあっては、外観上において従来技術のような部材間の溝(切れ目)をなくすことができ、よって意匠性(見栄え等)を向上させることができる。また、従来技術のような溝があると、埃や塵が侵入して汚れやすくなるが、本実施形態に係る操作部10にあっては、溝がないため、埃や塵が侵入せず汚れにくくすることができる。
【0047】
次に、操作部10が発光部20の光によって光る構成について詳しく説明する。本実施形態において、可動部60の導光部材65は、合わせ鏡となる2つの反射面の間で、発光部20からの光を反射させることにより、奥行き感のある光を演出することができる。上記した2つの反射面の間は、おもて側反射面66と固定部側反射面42との間、あるいは、おもて側反射面66と裏側反射面67との間である。おもて側反射面66と固定部側反射面42との間は、内周側発光部20aからの光を反射させる。おもて側反射面66と裏側反射面67との間は、外周側発光部20bからの光を反射させる。これについて、
図5および
図6を参照して説明する。
【0048】
図5は、可動部60の導光部材65による光の状態(発光態様)を説明する図である。
図6は、可動部60の導光部材65の反射原理を示す図である。なお、
図5の上段は簡略化した導光部材65の斜視図であり、下段は導光部材65の正面図である。
【0049】
図5に示すように、導光部材65は、発光部20(
図4,6参照)の光が入射すると、合わせ鏡の原理により、導光部材65の裏面65b(
図4,6参照)から、円状の複数の光La,Lbが奥行き方向に向かって同心円状に並んで見える。なお、光Laは、内周側発光部20aの光によるものであり、光Lbは、外周側発光部20bの光によるものである。
【0050】
具体的には、複数の光La,Lbは、半径が小さいほど、導光部材65の正面視で中央に寄りつつ、導光部材65の裏面65bからさらに奥側に位置しているように見える。換言すれば、複数の光La,Lbにより、導光部材65の正面視で中央に向かって階段状に空間が狭くなるような奥行き感が演出される。
【0051】
そして、この複数の光La,Lbは、導光部材65の厚みに依存することなく配列されている。つまり、ユーザは、複数の光La,Lb(光La,Lbの虚像)により、導光部材65の厚み以上に奥側に空間が存在しているように錯覚して見える。このように、導光部材65は、奥行き感のある光La,Lbを演出することができる。ここで、この複数の光La,Lbが見える原理について、
図6を用いて説明する。
【0052】
図6に示すように、導光部材65の裏面65b側には、固定部40が配置される。詳しくは、固定部40は、おもて面41a(正確には導光部材41のおもて面41a)が導光部材65の裏面65bと対向するようにして配置される。
【0053】
固定部40のおもて面41aには、上記したように固定部側反射面42が形成される。すなわち、固定部側反射面42は、可動部60の導光部材65の裏面65bと対向する位置に形成される。かかる固定部側反射面42と、おもて側反射面66とは、導光部材65を介して合わせ鏡のように向かい合って配置され、内周側発光部20aからの光をおもて側反射面66と固定部側反射面42との間で反射する。なお、ユーザは、おもて側反射面66側から導光部材65を見ることになる。
【0054】
具体的には、おもて側反射面66は、固定部側反射面42や裏側反射面67側へ湾曲する湾曲形状に形成される。言い換えると、おもて側反射面66は、固定部側反射面42や裏側反射面67側に向かって凹んだ形状に形成される。
【0055】
具体的には、おもて側反射面66は、所定の曲率を有する湾曲面である。より具体的には、おもて側反射面66は、中央部において固定部側反射面42や裏側反射面67との距離が最も近くなるように構成される。換言すれば、おもて側反射面66は、中央から周端に向かうほど、固定部側反射面42や裏側反射面67との距離が遠くなる湾曲面である。
【0056】
おもて側反射面66は、固定部側反射面42や裏側反射面67より光の透過率が高くなるように構成される。換言すれば、おもて側反射面66は、固定部側反射面42や裏側反射面67より反射率が低くなるように構成される。
【0057】
具体的には、おもて側反射面66は、いわゆるハーフミラーである。例えば、おもて側反射面66は、光の透過率が所定透過率以上の反射面であり、また、光の反射率が所定反射率未満となるように構成される。なお、おもて側反射面66は、例えばおもて側反射面66の素材の蒸着処理によって形成されるが、これに限定されるものではない。
【0058】
固定部側反射面42は、平坦状(平面形状)に形成される。固定部側反射面42は、おもて側反射面66より光の透過率が低くなるように構成される。換言すれば、固定部側反射面42は、おもて側反射面66より反射率が高くなるように構成される。
【0059】
具体的には、固定部側反射面42は、いわゆる全反射ミラー(フルミラー)である。例えば、固定部側反射面42は、光の透過率が所定透過率未満の反射面であり、また、光の反射率が所定反射率以上となるように構成される。なお、固定部側反射面42は、例えば固定部側反射面42の素材の蒸着処理によって形成されるが、これに限定されるものではない。
【0060】
また、固定部側反射面42には、内周側発光部20aからの光を出射する出射部42aが形成される。詳しくは、固定部40には、内周側発光部20aの光が第1導光部材50を介して入射され、入射された光を導光部材41で導光する。そして、導光部材41において導光された内周側発光部20aからの光が出射部42aから出射される。
【0061】
なお、可動部60の導光部材65の裏面65bにおいて、出射部42aおよび固定部側反射面42に対応(対向)する位置には、裏側反射面67が形成されないように構成される。従って、出射部42aから出射された内周側発光部20aの光は、裏面65bから導光部材65に入射される。
【0062】
なお、上記した出射部42aは、例えばレーザーカット処理などを用いて、固定部側反射面42を部分的にカットすることで形成される。従って、出射部42aは、固定部40のおもて面41aのうち、固定部側反射面42が存在しない部位であるともいえる。
【0063】
なお、上記では、固定部側反射面42をカットすることで、出射部42aが形成されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、マスキングや、固定部側反射面42において光を出射させる部分の透過率が他の部分に比べて高くなるように構成するなどその他の手法によって出射部42aが形成されてもよい。
【0064】
上記のように構成されることで、固定部側反射面42では、光が主として反射する。一方で、おもて側反射面66は、固定部側反射面42より透過率が高いため、光が反射するとともに、一部が透過して外部へ光Laとして出射される。
【0065】
さらに、おもて側反射面66が湾曲形状であるため、出射部42aから出射しておもて側反射面66で反射した光は、導光部材65の中央に向かいながらおもて側反射面66および固定部側反射面42の間を繰り返し反射することになる。このため、
図5で示したように、外部に出射される複数の光Laは、徐々に導光部材65の中央に寄ることとなる。また、中央に位置する光Laほど、おもて側反射面66および固定部側反射面42での反射回数が多くなるため、すなわち、合わせ鏡の原理により、中央に位置する光Laほど、奥側に位置するように錯覚して見える。言い換えると、光Laは、奥行き感のある発光態様となる。
【0066】
このように、本実施形態に係る可動部60は、発光部20(ここでは内周側発光部20a)から第1導光部材50および固定部40を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射するようにした。これにより、操作部10にあっては、例えば夜間等においてユーザの視認性を確保して意匠性をさらに向上させることができる。
【0067】
また、可動部60は、発光部20(ここでは内周側発光部20a)から固定部40を介して入射される光をおもて側反射面66と固定部側反射面42との間で反射するようにした。そして、可動部60は、おもて側反射面66および固定部側反射面42の間で反射を繰り返す過程で、ハーフミラーであるおもて側反射面66から一部の光を外部へ導光して出射するようにした。これにより、可動部60の正面視において、光Laについて奥行き感を演出するような発光態様とすることができる。
【0068】
なお、上記では、可動部60は、発光部20(ここでは内周側発光部20a)の光の一部をハーフミラーであるおもて側反射面66から外部に導光するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば奥行き感を演出するような発光態様を有しない場合、おもて側反射面66や固定部側反射面42が除去され、可動部60は、発光部20の光の全部を外部に導光するような構成であってもよい。すなわち、可動部60は、発光部20からの光の少なくとも一部を外部に導光する構成であればよい。
【0069】
なお、上記では、出射部42aが円状に形成されるため、光Laが円状となる例を示したが、出射部42aの形状は、文字やその他の図形などであってもよい。
図7は、可動部60の発光態様の例を示す図であり、詳しくは出射部42aが、円状に加えて、文字Mの形に形成された例を示している。
【0070】
図7に示すように、可動部60には、内周側発光部20aから固定部40の出射部42a(
図6参照)を介して出射される光によって文字Mが表示され、かかる文字Mを表す光も奥行き感のある発光態様とすることができる。また、出射部42aは、回転不能に固定された固定部40の固定部側反射面42に形成されている。そのため、例えば可動部60がユーザの操作によって回転する場合であっても、文字Mを表す光は回転することはなく、よってユーザは文字Mを天地(上下)が正しい向きで視認することができる。
【0071】
図5および
図6に戻って、裏側反射面67および光Lbなどについて説明する。裏側反射面67は、平坦状(平面形状)に形成される。裏側反射面67は、おもて側反射面66より光の透過率が低くなるように構成される。換言すれば、裏側反射面67は、おもて側反射面66より反射率が高くなるように構成される。
【0072】
具体的には、裏側反射面67は、いわゆる全反射ミラー(フルミラー)である。例えば、裏側反射面67は、光の透過率が所定透過率未満の反射面であり、また、光の反射率が所定反射率以上となるように構成される。なお、上記した所定透過率および所定反射率は、例えば発光態様など各種の条件に応じて任意の値に設定可能である。また、裏側反射面67は、例えば裏側反射面67の素材の蒸着処理によって形成されるが、これに限定されるものではない。
【0073】
また、裏側反射面67には、外周側発光部20bからの光が入射する入射部67aが形成される。詳しくは、導光部材65においては、外周側発光部20bから第2導光部材70を介して出射された光が入射部67aから入射される。
【0074】
なお、上記した入射部67aは、例えばレーザーカット処理などを用いて、裏側反射面67を部分的にカットすることで形成される。従って、入射部67aは、導光部材65の裏面65bのうち、裏側反射面67が存在しない部位であるともいえる。
【0075】
なお、上記では、裏側反射面67をカットすることで、入射部67aが形成されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、マスキングや、裏側反射面67において光を入射させる部分の透過率が他の部分に比べて高くなるように構成するなどその他の手法によって入射部67aが形成されてもよい。
【0076】
上記のように構成されることで、裏側反射面67では、光が主として反射する。一方で、おもて側反射面66は、裏側反射面67より透過率が高いため、光が反射するとともに、一部が透過して外部へ光Lbとして出射される。
【0077】
さらに、おもて側反射面66が湾曲形状であるため、入射部67aから出射しておもて側反射面66で反射した光は、導光部材65の中央に向かいながらおもて側反射面66および裏側反射面67の間を繰り返し反射することになる。このため、
図5で示したように、外部に出射される複数の光Lbは、徐々に導光部材65の中央に寄ることとなる。また、中央に位置する光Lbほど、おもて側反射面66および裏側反射面67での反射回数が多くなるため、すなわち、合わせ鏡の原理により、中央に位置する光Lbほど、奥側に位置するように錯覚して見える。言い換えると、光Lbは、奥行き感のある発光態様となる。
【0078】
なお、
図6に示すように、光は、裏側反射面67の端部に形成された入射部67aから入射するため、実際には、入射直後の光は、おもて側反射面66で反射すると、一度導光部材65の側面方向へ進む。導光部材65の側面には、上記した側面側反射面68が形成されるため、導光部材65の側面方向へ進んだ光は、側面側反射面68で反射して、裏側反射面67へ進み、以降、おもて側反射面66および裏側反射面67の間の繰り返し反射しつつ、導光部材65の中央へ向かうこととなる。
【0079】
このように、本実施形態に係る可動部60は、発光部20(ここでは外周側発光部20b)から第2導光部材70を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射するようにした。これにより、操作部10にあっては、例えば夜間等においてユーザの視認性を確保して意匠性をさらに向上させることができる。また、可動部60は、複数の光La,Lbを発光させるようにしたので、複数の光La,Lbの組み合わせ(例えば、各種の色や輝度、点灯あるいは点滅などの組み合わせ)により、種々の発光態様を演出することが可能になる。
【0080】
また、可動部60は、発光部20(ここでは外周側発光部20b)から第2導光部材70を介して入射される光をおもて側反射面66と裏側反射面67との間で反射するようにした。そして、可動部60は、おもて側反射面66および裏側反射面67の間で反射を繰り返す過程で、ハーフミラーであるおもて側反射面66から一部の光を外部へ導光して出射するようにした。これにより、可動部60の正面視において、光Lbについて奥行き感を演出するような発光態様とすることができる。
【0081】
次に、
図8~
図10を用いて、第1の実施形態に係る操作装置1の制御方法について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る操作装置1の構成例を示すブロック図である。なお、
図8等のブロック図では、第1の実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0082】
換言すれば、
図8等のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0083】
図8に示すように、第1の実施形態に係る操作装置1は、上記した検出センサ30と、内周側発光部20aと、外周側発光部20bと、制御部200と、記憶部210とを備える。
【0084】
検出センサ30は、可動部60に対するユーザの回転操作を検出する。検出センサ30は、検出した回転操作を示す信号(例えば可動部60の回転量や回転位置、回転方向等を示す信号)を制御部200へ出力する。
【0085】
内周側発光部20aおよび外周側発光部20bは、制御部200からの制御信号に応じて発する光が制御される。
【0086】
記憶部210は、例えば、不揮発性メモリやデータフラッシュ、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部210には、発光態様情報211および各種プログラムなどが記憶される。
【0087】
発光態様情報211は、可動部60から出射される光の態様に関する情報である。ここでの光の態様には、例えば光La,Lbや文字Mの光(
図5,7参照)の態様などが含まれる。
【0088】
ここで、
図9を用いて、発光態様情報211について説明する。
図9は、発光態様情報211の一例を示す図である。
図9に示すように、発光態様情報211には、「発光態様ID」、「可動部の機能」、「可動部への操作内容」および「発光態様」等の項目が含まれ、各項目は互いに関連付けられている。
【0089】
「発光態様ID」は、発光態様情報を識別する識別情報である。「可動部の機能」は、可動部60に対して予め設定される機能を示す情報である。例えば「可動部の機能」には、オーディオ装置におけるボリューム調節機能などが設定される。
【0090】
なお、「可動部の機能」は、上記したボリューム調節機能に限定されるものではなく、例えばエアコン装置の温度調節機能、風量調節機能などその他の機能が設定されてもよい。また、
図9に示す例では、便宜上、「可動部の機能」を「機能B1」といったように抽象的な記載とするが、「機能B1」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報についても抽象的に記載する場合がある。
【0091】
「可動部への操作内容」は、可動部60に対してなされたユーザの操作を示す情報である。例えば「可動部への操作内容」には、ユーザの操作によって回転した可動部60の回転方向(時計回り、反時計回り)、回転量、回転位置等などが設定される。例えば、ユーザがボリュームを上げることを所望する場合、可動部60は時計回りに回転操作される。他方、ユーザがボリュームを下げることを所望する場合、可動部60は反時計回りに回転操作される。「可動部への操作内容」には、このような時計回りあるいは反時計回りの回転操作を示す情報が予め設定される。なお、図示は省略するが、可動部60に対する回転操作がなされると、回転操作に応じてオーディオ装置のボリュームが調節される。
【0092】
「発光態様」は、可動部60から出射される光の発光態様を示す情報である。「発光態様」には、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bそれぞれにおける、色、輝度、点灯あるいは消灯、点滅などの各種の情報が含まれる。例えば、可動部60が時計回りに回転操作されてボリュームを上げることが所望されたときの「発光態様」は、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bの一方あるいは両方の輝度が高くなるように設定される。他方、可動部60が反時計回りに回転操作されてボリュームを下げることが所望されたときの「発光態様」は、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bの一方あるいは両方の輝度が低くなるように設定される、あるいは色が変化するように設定される。
【0093】
図9に示す発光態様情報211の例において、発光態様ID「A1」で識別されるデータは、可動部の機能が「機能B1」、可動部への操作内容が「操作C1」、発光態様が「態様D1」であることを示している。なお、上記では、理解に便宜のため、「可動部の機能」、「可動部への操作内容」および「発光態様」について具体的に説明したが、これらはあくまでも例示であって限定されるものではない。
【0094】
図8の説明に戻ると、制御部200は、検出部201と、発光制御部202とを備え、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0095】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部200の検出部201および発光制御部202として機能する。また、制御部200の検出部201および発光制御部202の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0096】
検出部201は、検出センサ30の出力に基づいて可動部60に対するユーザの回転操作(例えば可動部60の回転量や回転位置、回転方向等)を検出する。検出部201は、検出した可動部60に対する回転操作を示す情報を発光制御部202へ出力する。
【0097】
発光制御部202は、ユーザによる可動部60への操作に基づいて発光部20の光を制御することで、可動部60から出射される光の態様を制御する。例えば、発光制御部202は、記憶部210にアクセスして発光態様情報211を読み込み、検出された可動部60に対する回転操作を示す情報と、発光態様情報211とに基づいて発光部20(詳しくは内周側発光部20aおよび外周側発光部20b)を制御する。
【0098】
発光制御部202は、この発光部20の制御により、光La,Lbや文字Mの光(
図5,7参照)の態様を制御する。例えば、発光制御部202は、検出された可動部60に対する回転操作を示す情報が時計回りの回転操作を示す情報である場合、内周側発光部20aおよび外周側発光部20bの一方あるいは両方の輝度が高くするように制御し、光La,Lbの態様を変化させる制御を行う。
【0099】
これにより、本実施形態において、ユーザは、光La,Lbの態様の変化を視認することで、ユーザ自身の操作が操作装置1に受け付けられたことを認識することができる。また、ユーザは、光La,Lbの態様の変化を視認することで、ユーザが行った操作をユーザ自身が容易に把握することも可能になる。
【0100】
次に、
図10を用いて、第1の実施形態に係る操作装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図10は、第1の実施形態に係る操作装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
図10に示すように、操作装置1の制御部200は、可動部60に対するユーザの操作(例えば回転操作)を検出する(ステップS10)。次いで、制御部200は、検出された可動部60に対するユーザの操作に応じて、可動部60から出射される光の態様(発光態様)を制御する(ステップS11)。
【0102】
上述してきたように、第1の実施形態に係る操作装置1は、パネル101に取り付けられる。操作装置1は、発光部20と、可動部60と、固定部40とを備える。可動部60は、内部に中空部63が形成されるとともに、回転可能に取り付けられてユーザの回転操作を受け付ける。固定部40は、可動部60の中空部63に配置され、回転不能に固定される。また、可動部60は、発光部20から固定部を介して入射される光の少なくとも一部を導光して外部に出射する。これにより、操作装置1の意匠性を向上させることができる。
【0103】
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る操作装置1の操作部10の構成について
図11などを参照しつつ説明する。
図11は、第2の実施形態に係る操作部10の断面図であり、
図4と同様な断面図である。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0104】
第2の実施形態に係る操作部10は、上記した回転操作に加え、ユーザによる押圧操作を受け付けることができる。具体的には、可動部60は、ユーザの押圧操作を受け付け可能に構成される。
【0105】
例えば、
図11に示すように、可動部60に接続される第2導光部材70において、環状部71は、検出センサ30に対し、環状部71の軸方向(Y軸方向)に沿って移動可能に接続される、言い換えるとスライド可能に接続される。また、第2導光部材70および可動部60は、図示しないばねなどの弾性部材によって検出センサ30や基板110から離間する方向(Y軸正方向)に向けて付勢される。
【0106】
また、第2導光部材70の鍔部72は、側方(径方向における外方)へ向けて延在するように形成される。また、基板110において、延在した鍔部72の裏面72bに対応する位置には、押圧スイッチ120が配置される。押圧スイッチ120は、可動部60に対するユーザの押圧操作を検出する。
【0107】
上記のように構成される操作部10において、可動部60がユーザによって押圧操作されると(矢印D参照)、可動部60および第2導光部材70は、上記した弾性部材の付勢力に抗しつつ基板110方向(Y軸負方向)に移動する。この移動により、第2導光部材70の鍔部72が、押圧スイッチ120に接触し、よって押圧スイッチ120は、可動部60に対するユーザの押圧操作を検出することができる。なお、上記した可動部60が押圧操作を受け付ける構成は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0108】
次に、
図12を用いて、第2の実施形態に係る操作装置1の制御方法について説明する。
図12は、第2の実施形態に係る操作装置1の構成例を示すブロック図である。
【0109】
図12に示すように、第2の実施形態に係る操作装置1は、上記した押圧スイッチ120を備える。押圧スイッチ120は、可動部60に対するユーザの押圧操作を検出した場合、検出した押圧操作を示す信号を制御部200へ出力する。
【0110】
第2の実施形態に係る記憶部210の発光態様情報211において、「可動部への操作内容」(
図9参照)には、可動部60に対してなされたユーザの押圧操作を示す情報も含まれる。
【0111】
また、第2の実施形態に係る操作装置1にあっては、可動部60が押圧操作されるたびに、可動部60に設定される機能が切り替わるように構成されてもよい。すなわち、例えばボリューム調整機能が設定されている可動部60に対して、押圧操作がなされると、可動部60の機能が、ボリューム調整機能からエアコンの温度調整機能に切り替わるようにしてもよい。
【0112】
また、発光態様情報211の「発光態様」(
図9参照)には、可動部60に対して設定される機能と、可動部60に対する操作(押圧操作や回転操作)とを紐付けた発光態様の情報が含まれる。
【0113】
そして、制御部200の発光制御部202は、可動部60への押圧操作に応じて、可動部60から出射される光の態様を制御する。例えば、発光制御部202は、可動部60にボリューム調整機能が設定された状態のとき、内周側の光Laと文字M(
図7参照)が点灯する発光態様となるように発光部20(正確には内周側発光部20a)を制御する。
【0114】
続いて、可動部60が押圧操作されると、可動部60の機能がボリューム調整機能からエアコンの温度調整機能に切り替わる。従って、発光制御部202は、切替先の機能(すなわちエアコンの温度調整機能)に対応した発光態様となるように発光部20を制御する。例えば、発光制御部202は、可動部60にエアコンの温度調整機能が設定された状態のとき、内周側の光Laと文字Mを消灯し、外周側の光Lbが点灯する発光態様となるように発光部20(正確には外周側発光部20b)を制御する。なお、上記した発光態様は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0115】
このように、第2の実施形態にあっては、可動部60が押圧操作を受け付け可能に構成することで、可動部60に対して各種の機能を設定することが可能となり、操作装置1の汎用性を向上させることができる。
【0116】
また、第2の実施形態において、制御部200は、可動部60への押圧操作に応じて可動部60から出射される光の態様を制御するようにした。これにより、第2の実施形態にあっては、ユーザは、発光態様の変化を視認することで、ユーザ自身の押圧操作が操作装置1に受け付けられたことを認識することができる。また、ユーザは、発光態様の変化を視認することで、ユーザが行った操作(押圧操作)をユーザ自身が容易に把握することも可能になる。
【0117】
なお、上記した第2の実施形態において、可動部60は、ボリューム調整機能やエアコンの温度調整機能などの機能切り替えを受け付けるようにしたが、これらは例示であって限定されるものではない。
【0118】
図13は、第2の実施形態における変形例を示す図であり、変形例に係る可動部60の正面図である。
図13に示すように、可動部60は、ユーザの押圧操作により車両のハザードランプの動作指示を受け付けるように構成されてもよい。
【0119】
例えば、変形例に可動部60にあっては、ハザードランプを示す図形Maを表す光が奥行き感のある発光態様で表示される。また、制御部200の発光制御部202は、初期状態(ハザードランプが動作していない状態)のとき、比較的輝度が低くなるようにした内周側の光Laが点灯する発光態様となるように発光部20(正確には内周側発光部20a)を制御する。すなわち、光Laは奥行き感の浅い演出とされる。
【0120】
そして、可動部60が押圧操作されてハザードランプの動作指示を受け付けると、発光制御部202は、比較的輝度が高くなるようにした外周側の光Lbが点滅する発光態様となるように発光部20(正確には外周側発光部20b)を制御する。すなわち、光Lbは奥行き感の深い演出とされる。光Lbは、上記したように点滅することから、可動部60にあっては、奥行き感の浅い演出と奥行き感の深い演出とが交互に行われる。これにより、変形例にあっては、ユーザは、押圧操作によってハザードランプが動作したことを容易に把握することが可能になる。
【0121】
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態に係る操作装置1の操作部10の構成について
図14などを参照しつつ説明する。
図14は、第3の実施形態に係る操作部10の断面図であり、
図4と同様な断面図である。
【0122】
第3の実施形態に係る操作部10は、ユーザを認証する認証機能を有するように構成され、認証結果に応じて可動部60の発光態様を制御する。
【0123】
具体的に説明すると、
図14に示すように、第3の実施形態に係る操作部10にあっては、認証センサ130を備える。認証センサ130は、例えばユーザの指紋認証に用いられるセンサである。なお、認証センサ130としては、光学方式のセンサを用いることができるが、これに限られず、例えば静電容量方式や超音波方式などその他の方式のセンサを用いてもよい。
【0124】
認証センサ130は、可動部60に設けられる。例えば、認証センサ130は、可動部60の中空部63に配置される。なお、認証センサ130の配置位置は、あくまでも例示であって限定されるものではない。そして、ユーザが可動部60の天面部61に指を押し当てることで、認証センサ130は、ユーザの指紋を検出する。なお、可動部60においては、認証センサ130が指紋を検出できるように、認証センサ130と対応する位置の裏側反射面67(
図6参照)が部分的にカットされてもよい。
【0125】
次に、第3の実施形態に係る操作装置1の制御方法について
図15を用いて説明する。
図15は、第3の実施形態に係る操作装置1の構成例を示すブロック図である。
【0126】
図15に示すように、第3の実施形態に係る操作装置1は、上記した認証センサ130を備える。認証センサ130は、ユーザの指紋を検出した場合、検出した指紋を示す信号を制御部200へ出力する。
【0127】
第3の実施形態に係る記憶部210には、ユーザ情報212が記憶される。ユーザ情報212は、正規のユーザに関する情報である。例えば、ユーザ情報212には、正規のユーザとして設定されるユーザの指紋を示す情報が予め設定される。
【0128】
第3の実施形態に係る記憶部210の発光態様情報211において、「可動部の機能」(
図9参照)には、ユーザを認証する認証機能を示す情報も含まれる。また、発光態様情報211の「可動部への操作内容」(
図9参照)には、可動部60に対してユーザが認証を受ける操作(すなわち指紋を読み込ませる操作)の結果、すなわち認証結果を示す情報も含まれる。認証結果を示す情報には、ユーザが正規のユーザであったことを示す情報、および、ユーザが正規のユーザではないこと(すなわち非正規のユーザであったこと)を示す情報が含まれる。また、発光態様情報211の「発光態様」(
図9参照)には、認証結果と紐付けた発光態様の情報が含まれる。
【0129】
制御部200は、上記した検出部201および発光制御部202に加えて、認証部203を備える。認証部203は、認証センサ130から検出した指紋を示す信号が入力されると、記憶部210のユーザ情報212を読み込み、検出した指紋が正規のユーザの指紋と一致するか否かを判定する、すなわち、指紋を検出したユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。
【0130】
具体的には、認証部203は、検出した指紋が正規のユーザの指紋と一致する場合に、指紋を検出したユーザが正規のユーザであると判定する。一方、認証部203は、検出した指紋が正規のユーザの指紋と一致しない場合(不一致の場合)、指紋を検出したユーザが正規のユーザではないと判定する、言い換えると、非正規のユーザであると判定する。そして、認証部203は、認証結果を示す情報を発光制御部202へ出力する。
【0131】
発光制御部202は、認証部203から入力された認証結果、詳しくは認証センサ130を用いた認証結果に応じて、可動部60から出射される光の態様を制御する。例えば、発光制御部202は、ユーザが正規のユーザであるという認証結果である場合、光La,Lbの色が回転する発光態様となるように発光部20を制御する。
【0132】
他方、発光制御部202は、ユーザが非正規のユーザであるという認証結果である場合、例えば光La,Lbの輝度が低くなる発光態様となるように発光部20を制御する。なお、上記した発光態様は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0133】
このように、第3の実施形態にあっては、可動部60にユーザを認証する認証機能を設定することが可能となり、操作装置1の汎用性を向上させることができる。また、第3の実施形態にあっては、発光制御部202が、認証結果に応じて、可動部60から出射される光の態様を制御するようにしたので、ユーザは、発光態様の変化を視認することで、ユーザ自身が認証されたか否かを容易に把握することが可能になる。
【0134】
なお、上記では、認証センサ130が、指紋認証に用いられるセンサである例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば顔認証や静脈認証などその他の種類の生体認証に用いられるセンサであってもよい。
【0135】
また、第3の実施形態に係る操作部10にあっては、可動部60に認証センサ130を設けるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、第3の実施形態に係る操作部10は、認証センサ130に加えてあるいは代えて、
図14,15に想像線で示すようなカメラ140を備えてもよい。
【0136】
カメラ140は、可動部60に設けられる。例えば、カメラ140は、可動部60の中空部63に配置され、可動部60の外部を撮像する。具体的には、カメラ140は、可動部60の外部の空間、すなわち、車室内を撮像する。
【0137】
なお、可動部60においてはカメラ140が撮像できるように、カメラ140と対応する位置の裏側反射面67(
図6参照)が部分的にカットされてもよい。また、可動部60には、ハーフミラーであるおもて側反射面66(
図6参照)が形成されるため、カメラ140は外部から見えにくくすることができる。なお、カメラ140が配置される位置は、
図14の例に限定されるものではなく、例えば操作装置1(可動部60)の近くなど、車室内の任意の場所に配置されてもよい。
【0138】
カメラ140は、例えばレンズと、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子とを備えたカメラであるが、これに限定されるものではない。カメラ140は、撮像された撮像画像を制御部200へ出力する。
【0139】
制御部200の検出部201は、カメラ140で撮像された撮像画像(言い換えると車室内画像)を検出し、検出した撮像画像を記憶部210に記憶する。このように、第3の実施形態にあっては、可動部60にカメラ140が設けられることで、可動部60を含む操作部10を、車室内を監視するドライブレコーダとして機能させることが可能になり、操作装置1の汎用性をより向上させることができる。
【0140】
なお、上記した各実施形態では、操作装置1が、インストルメントパネル(パネル101)に取り付けられる例を示したが、これに限定されるものではなく、例えばディスプレイなどの表示パネルや、タッチパネルなどに取り付けられてもよい。
【0141】
また、上記では、操作装置1が車載装置Aにおけるパネル101に取り付けられる例を示したが、これに限られず、例えばオーディオ装置、スマートフォン、テレビ、カメラ、パーソナルコンピュータ、各種の家電機器など、車載装置以外の装置のパネルに取り付けられてもよい。
【0142】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 操作装置
10 操作部
20 発光部
40 固定部
60 可動部
63 中空部
101 パネル
200 制御部