(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122706
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】電磁弁マニホールド
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
F16K27/00 B
F16K27/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026357
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 寿
(72)【発明者】
【氏名】小杉 光弘
(72)【発明者】
【氏名】小寺 康彦
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051AA10
3H051BB02
3H051BB10
3H051CC01
3H051CC14
3H051CC16
3H051DD07
(57)【要約】
【課題】第1導電部材及び第2導電部材を第1コネクタ部及び第2コネクタ部それぞれに容易に挿入接続することができるとともに、さらには、電磁弁マニホールドの体格の小型化を図ること。
【解決手段】第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90が平板状の基部71に一体化されてなるコネクタ部材70が、ベース部30に取り付けられている。よって、第1コネクタ部80と第2コネクタ部90との相対位置が予め定められた位置からずれてしまうことが無い。基部71は、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、第1導電部材及び第2導電部材における第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれへの挿入方向に対して交差する方向へ弾性変形可能である。したがって、コネクタ部材70をベース部30に取り付けるために、例えば、コネクタ部材70に、ベース部30の凹部に係止可能な細長板状の係止突起を設ける必要が無い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室を有するとともに、前記第1パイロット圧作用室及び前記第2パイロット圧作用室それぞれに対してパイロット流体が給排されることにより複数のポート間の連通を切り換える主弁部と、
第1ソレノイド部を有するとともに前記第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第1パイロット電磁弁と、
第2ソレノイド部を有するとともに前記第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第2パイロット電磁弁と、
前記第1パイロット電磁弁及び前記第2パイロット電磁弁それぞれの駆動を制御する回路基板を有する制御部と、
前記制御部を有するベース部と、を備え、
前記第1パイロット電磁弁と前記第2パイロット電磁弁とは互いに一体化された状態で並設されており、
前記第1パイロット電磁弁は、前記第1ソレノイド部に電気的に接続される第1導電部材を有し、
前記第2パイロット電磁弁は、前記第2ソレノイド部に電気的に接続される第2導電部材を有し、
前記ベース部には、
前記第1導電部材が挿入接続されるとともに前記第1導電部材と前記回路基板とを電気的に接続する第1コネクタ部と、
前記第2導電部材が挿入接続されるとともに前記第2導電部材と前記回路基板とを電気的に接続する第2コネクタ部と、が設けられ、
前記第1導電部材における前記第1コネクタ部に対する挿入方向と、前記第2導電部材における前記第2コネクタ部に対する挿入方向とは同一方向である電磁弁マニホールドであって、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部が平板状の基部に一体化されてなるコネクタ部材を備え、
前記基部は、前記基部を厚み方向に貫通する貫通孔を有し、
前記ベース部は、一対の係止突起を有し、
前記基部は、前記一対の係止突起が前記貫通孔の内側に挿入される際に、前記挿入方向に対して交差する方向へ弾性変形可能になっており、
前記コネクタ部材は、前記基部における前記貫通孔の周囲が前記一対の係止突起に係止されることにより、前記ベース部に取り付けられていることを特徴とする電磁弁マニホールド。
【請求項2】
前記ベース部は、
前記コネクタ部材が取り付けられる取付壁部と、
前記取付壁部から突出する柱状の突出部と、を有し、
前記各係止突起は、前記突出部の両側面からそれぞれ突出しており、
前記各係止突起の側面は、前記突出部の先端側から離間するにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面になっており、
前記貫通孔は、前記一対の係止突起が前記貫通孔の内側に挿入される際に、前記各係止突起の前記側面にそれぞれ案内される案内面を一対有し、
前記各案内面は、前記基部における前記取付壁部側の面から離間するにつれて互いに接近するように傾斜する傾斜面になっていることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁マニホールド。
【請求項3】
前記第1パイロット電磁弁は、前記第1導電部材を囲繞するとともに前記第1コネクタ部が内側に挿入される第1筒状部を有し、
前記第2パイロット電磁弁は、前記第2導電部材を囲繞するとともに前記第2コネクタ部が内側に挿入される第2筒状部を有し、
前記ベース部は、
前記第1コネクタ部を内側に配置するとともに前記第1筒状部が挿入される第1接続口と、
前記第2コネクタ部を内側に配置するとともに前記第2筒状部が挿入される第2接続口と、を有し、
前記第1筒状部の外周面と前記第1接続口の内周面との間には、前記第1筒状部と前記第1接続口との間をシールするゴム製の第1リップパッキンが設けられ、
前記第2筒状部の外周面と前記第2接続口の内周面との間には、前記第2筒状部と前記第2接続口との間をシールするゴム製の第2リップパッキンが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁マニホールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁マニホールドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、電磁弁マニホールドは、主弁部と、第1パイロット電磁弁と、第2パイロット電磁弁と、制御部と、ベース部と、を備えている場合がある。主弁部は、第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室を有している。主弁部は、第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室それぞれに対してパイロット流体が給排されることにより複数のポート間の連通を切り換える。
【0003】
第1パイロット電磁弁と第2パイロット電磁弁とは互いに一体化された状態で並設されている。第1パイロット電磁弁は、第1ソレノイド部を有している。第1パイロット電磁弁は、第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する。第2パイロット電磁弁は、第2ソレノイド部を有している。第2パイロット電磁弁は、第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する。第1パイロット電磁弁は、第1導電部材を有している。第1導電部材は、第1ソレノイド部に電気的に接続されている。第2パイロット電磁弁は、第2導電部材を有している。第2導電部材は、第2ソレノイド部に電気的に接続されている。
【0004】
制御部は、回路基板を有している。回路基板は、第1パイロット電磁弁及び第2パイロット電磁弁それぞれの駆動を制御する。ベース部は、制御部を有している。ベース部には、第1コネクタ部と、第2コネクタ部と、が設けられている。第1コネクタ部は、第1導電部材が挿入接続されるとともに第1導電部材と回路基板とを電気的に接続する。第2コネクタ部は、第2導電部材が挿入接続されるとともに第2導電部材と回路基板とを電気的に接続する。第1導電部材における第1コネクタ部に対する挿入方向と、第2導電部材における第2コネクタ部に対する挿入方向とは同一方向である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような電磁弁マニホールドにおいては、第1コネクタ部及び第2コネクタ部がそれぞれ別々の部材であると、第1コネクタ部と第2コネクタ部との相対位置が予め定められた位置からずれた状態で、ベース部に取り付けられてしまう場合がある。第1コネクタ部と第2コネクタ部との相対位置が予め定められた位置からずれていると、第1導電部材及び第2導電部材を第1コネクタ部及び第2コネクタ部それぞれに挿入接続することが困難となってしまう虞がある。
【0007】
また、第1コネクタ部及び第2コネクタ部をベース部に取り付ける手段として、スナップフィット構造を採用することが考えられる。例えば、第1コネクタ部及び第2コネクタ部それぞれに、ベース部の凹部に係止可能な細長板状の係止突起を設けて、係止突起を弾性変形させながらベース部の凹部に係止させる。しかしながら、このような場合、係止突起を弾性変形させる必要があるため、係止突起の長さをある程度確保する必要がある。よって、係止突起の配置スペースを確保する必要があるため、電磁弁マニホールドの体格が大型してしまう。したがって、第1導電部材及び第2導電部材を第1コネクタ部及び第2コネクタ部それぞれに容易に挿入接続することができるとともに、さらには、電磁弁マニホールドの体格の小型化を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する電磁弁マニホールドは、第1パイロット圧作用室及び第2パイロット圧作用室を有するとともに、前記第1パイロット圧作用室及び前記第2パイロット圧作用室それぞれに対してパイロット流体が給排されることにより複数のポート間の連通を切り換える主弁部と、第1ソレノイド部を有するとともに前記第1パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第1パイロット電磁弁と、第2ソレノイド部を有するとともに前記第2パイロット圧作用室に対してパイロット流体を給排する第2パイロット電磁弁と、前記第1パイロット電磁弁及び前記第2パイロット電磁弁それぞれの駆動を制御する回路基板を有する制御部と、前記制御部を有するベース部と、を備え、前記第1パイロット電磁弁と前記第2パイロット電磁弁とは互いに一体化された状態で並設されており、前記第1パイロット電磁弁は、前記第1ソレノイド部に電気的に接続される第1導電部材を有し、前記第2パイロット電磁弁は、前記第2ソレノイド部に電気的に接続される第2導電部材を有し、前記ベース部には、前記第1導電部材が挿入接続されるとともに前記第1導電部材と前記回路基板とを電気的に接続する第1コネクタ部と、前記第2導電部材が挿入接続されるとともに前記第2導電部材と前記回路基板とを電気的に接続する第2コネクタ部と、が設けられ、前記第1導電部材における前記第1コネクタ部に対する挿入方向と、前記第2導電部材における前記第2コネクタ部に対する挿入方向とは同一方向である電磁弁マニホールドであって、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部が平板状の基部に一体化されてなるコネクタ部材を備え、前記基部は、前記基部を厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記ベース部は、一対の係止突起を有し、前記基部は、前記一対の係止突起が前記貫通孔の内側に挿入される際に、前記挿入方向に対して交差する方向へ弾性変形可能になっており、前記コネクタ部材は、前記基部における前記貫通孔の周囲が前記一対の係止突起に係止されることにより、前記ベース部に取り付けられている。
【0009】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記ベース部は、前記コネクタ部材が取り付けられる取付壁部と、前記取付壁部から突出する柱状の突出部と、を有し、前記各係止突起は、前記突出部の両側面からそれぞれ突出しており、前記各係止突起の側面は、前記突出部の先端側から離間するにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面になっており、前記貫通孔は、前記一対の係止突起が前記貫通孔の内側に挿入される際に、前記各係止突起の前記側面にそれぞれ案内される案内面を一対有し、前記各案内面は、前記基部における前記取付壁部側の面から離間するにつれて互いに接近するように傾斜する傾斜面になっているとよい。
【0010】
上記電磁弁マニホールドにおいて、前記第1パイロット電磁弁は、前記第1導電部材を囲繞するとともに前記第1コネクタ部が内側に挿入される第1筒状部を有し、前記第2パイロット電磁弁は、前記第2導電部材を囲繞するとともに前記第2コネクタ部が内側に挿入される第2筒状部を有し、前記ベース部は、前記第1コネクタ部を内側に配置するとともに前記第1筒状部が挿入される第1接続口と、前記第2コネクタ部を内側に配置するとともに前記第2筒状部が挿入される第2接続口と、を有し、前記第1筒状部の外周面と前記第1接続口の内周面との間には、前記第1筒状部と前記第1接続口との間をシールするゴム製の第1リップパッキンが設けられ、前記第2筒状部の外周面と前記第2接続口の内周面との間には、前記第2筒状部と前記第2接続口との間をシールするゴム製の第2リップパッキンが設けられているとよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、第1導電部材及び第2導電部材を第1コネクタ部及び第2コネクタ部それぞれに容易に挿入接続することができるとともに、さらには、電磁弁マニホールドの体格の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における電磁弁マニホールドを示す断面図である。
【
図2】電磁弁マニホールドの一部分を拡大して示す断面図である。
【
図3】コネクタ部材を基部の第2面側から見た平面図である。
【
図5】コネクタ部材がベース部に取り付けられている状態を示す断面図である。
【
図6】コネクタ部材がベース部に取り付けられている状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、電磁弁マニホールドを具体化した一実施形態を
図1~
図6にしたがって説明する。
<電磁弁マニホールド10>
図1に示すように、電磁弁マニホールド10は、電磁弁11を備えている。電磁弁11は、主弁部12と、第1パイロット電磁弁50と、第2パイロット電磁弁60と、を備えている。したがって、電磁弁マニホールド10は、主弁部12と、第1パイロット電磁弁50と、第2パイロット電磁弁60と、を備えている。電磁弁11は、ダブルソレノイドタイプのパイロット形電磁弁である。また、電磁弁マニホールド10は、制御部40と、ベース部30と、を備えている。
【0014】
<主弁部12>
主弁部12は、バルブケーシング13を有している。バルブケーシング13は、長四角ブロック状である。バルブケーシング13は、バルブボディ14と、第1連結ブロック15と、第2連結ブロック16と、を有している。バルブボディ14は、長四角ブロック状である。第1連結ブロック15は、バルブボディ14の長手方向の第1端に連結されている。第2連結ブロック16は、バルブボディ14の長手方向の第2端に連結されている。バルブボディ14は、ベース部30に対向する本体対向面14aを有している。
【0015】
バルブケーシング13は、スプール弁孔17を有している。スプール弁孔17は、バルブボディ14に形成されている。スプール弁孔17は、円孔状である。スプール弁孔17は、バルブボディ14の長手方向に延びている。スプール弁孔17の第1端は、バルブボディ14の長手方向の第1端面に開口している。スプール弁孔17の第2端は、バルブボディ14の長手方向の第2端面に開口している。よって、スプール弁孔17は、バルブボディ14を長手方向に貫通している。
【0016】
各電磁弁11は、スプール弁18を有している。スプール弁18は、スプール弁孔17内に収容されている。スプール弁18は、スプール弁18の軸方向がスプール弁孔17の軸方向に一致した状態でスプール弁孔17内に収容されている。スプール弁18は、スプール弁孔17内を往復動可能に収容されている。
【0017】
各電磁弁11は、供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2を有している。したがって、本実施形態の各電磁弁11は、5ポート電磁弁である。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、バルブボディ14に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2は、スプール弁孔17にそれぞれ連通している。
【0018】
第1排出ポートR1、第1出力ポートA、供給ポートP、第2出力ポートB、第2排出ポートR2は、バルブボディ14の長手方向の第1端から第2端に向かうにつれて、この順に並んでバルブボディ14に形成されている。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第1端はスプール弁孔17に連通している。供給ポートP、第1出力ポートA、第2出力ポートB、第1排出ポートR1、及び第2排出ポートR2それぞれの第2端は、バルブボディ14の本体対向面14aに開口している。
【0019】
各電磁弁11は、第1ピストン19と、第2ピストン20と、を有している。第1ピストン19は、円板状である。第1ピストン19は、スプール弁18の第1端に連結されている。第1ピストン19は、スプール弁18と一体的に移動する。第2ピストン20は、円板状である。第2ピストン20は、スプール弁18の第2端に連結されている。第2ピストン20は、スプール弁18と一体的に移動する。
【0020】
第1連結ブロック15には、円孔状の第1ピストン収容凹部21が形成されている。第1ピストン収容凹部21には、第1ピストン19が往復動可能に収容されている。そして、第1ピストン収容凹部21と第1ピストン19とによって、第1パイロット圧作用室22が区画されている。したがって、主弁部12は、第1パイロット圧作用室22を有している。第1パイロット圧作用室22には、パイロット流体が給排される。
【0021】
第2連結ブロック16には、円孔状の第2ピストン収容凹部23が形成されている。第2ピストン収容凹部23には、第2ピストン20が往復動可能に収容されている。そして、第2ピストン収容凹部23と第2ピストン20とによって、第2パイロット圧作用室24が区画されている。したがって、主弁部12は、第2パイロット圧作用室24を有している。第2パイロット圧作用室24には、パイロット流体が給排される。
【0022】
<ベース部30>
ベース部30は、マニホールドブロック31を有している。マニホールドブロック31は、長四角ブロック状である。マニホールドブロック31は、載置面31aを有している。載置面31aには、電磁弁11が搭載されている。マニホールドブロック31の長手方向は、バルブケーシング13の長手方向に一致している。
【0023】
マニホールドブロック31は、供給流路32、第1出力流路33、第2出力流路34、第1排出流路35、及び第2排出流路36、を有している。供給流路32、第1出力流路33、第2出力流路34、第1排出流路35、及び第2排出流路36は、載置面31aに開口している。
【0024】
供給流路32における載置面31a側の端部は、供給ポートPに連通している。第1出力流路33における載置面31a側の端部は、第1出力ポートAに連通している。第2出力流路34における載置面31a側の端部は、第2出力ポートBに連通している。第1排出流路35における載置面31a側の端部は、第1排出ポートR1に連通している。第2排出流路36における載置面31a側の端部は、第2排出ポートR2に連通している。
【0025】
供給流路32における載置面31aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体供給源に接続されている。第1出力流路33における載置面31aとは反対側の端部、及び第2出力流路34における載置面31aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して、図示しない流体圧機器にそれぞれ接続されている。第1排出流路35における載置面31aとは反対側の端部、及び第2排出流路36における載置面31aとは反対側の端部は、例えば、配管等を介して大気に連通している。
【0026】
電磁弁マニホールド10は、環状のガスケット37を備えている。ガスケット37は、例えば、薄板状である。ガスケット37は、電磁弁11のバルブボディ14とマニホールドブロック31との間をシールしている。
【0027】
<制御部40>
制御部40は、マニホールドブロック31の内部に内蔵されている。したがって、ベース部30は、制御部40を有している。制御部40は、回路基板41を有している。回路基板41には、例えば、図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器からの電力が供給される。回路基板41は、マニホールドブロック31の内部に内蔵されている。回路基板41は、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60それぞれの駆動を制御する。
【0028】
<第1パイロット電磁弁50>
第1パイロット電磁弁50は、第1ソレノイド部51を有している。第1パイロット電磁弁50は、第1パイロット圧作用室22に対してパイロット流体を給排する。第1パイロット電磁弁50は、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が行われると、図示しない流体供給源からの圧縮された流体を第1パイロット圧作用室22へパイロット流体として供給する。一方、第1パイロット電磁弁50は、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が停止されると、流体供給源からの圧縮された流体における第1パイロット圧作用室22への供給を停止する。そして、第1パイロット電磁弁50は、第1パイロット圧作用室22内のパイロット流体を大気へ排出する。
【0029】
<第2パイロット電磁弁60>
第2パイロット電磁弁60は、第2ソレノイド部61を有している。第2パイロット電磁弁60は、第2パイロット圧作用室24に対してパイロット流体を給排する。第2パイロット電磁弁60は、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が行われると、流体供給源からの圧縮された流体を第2パイロット圧作用室24へパイロット流体として供給する。一方、第2パイロット電磁弁60は、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が停止されると、流体供給源からの圧縮された流体における第2パイロット圧作用室24への供給を停止する。そして、第2パイロット電磁弁60は、第2パイロット圧作用室24内のパイロット流体を大気へ排出する。
【0030】
第1パイロット電磁弁50と第2パイロット電磁弁60とは互いに一体化された状態で並設されている。具体的には、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60は、第1連結ブロック15におけるバルブボディ14とは反対側に位置している。第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60は、第1連結ブロック15に対して並設されている。
【0031】
<スプール弁18の第1位置及び第2位置>
スプール弁18は、第1位置と、第2位置と、に切り換え可能である。例えば、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が行われているとともに、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が停止されているとする。すると、第1パイロット電磁弁50によって、流体供給源からの圧縮された流体が第1パイロット圧作用室22にパイロット流体として供給される。一方で、第2パイロット電磁弁60によって、第2パイロット圧作用室24内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁18が第2ピストン収容凹部23に向けて移動する。その結果、スプール弁18は、供給ポートPと第1出力ポートAとを連通し、且つ第2出力ポートBと第2排出ポートR2とを連通する第1位置に切り換わる。また、スプール弁18が第1位置に切り換わると、供給ポートPと第2出力ポートBとの間が遮断されるとともに、第1出力ポートAと第1排出ポートR1との間が遮断される。
【0032】
また、例えば、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が停止されているとともに、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が行われているとする。すると、第2パイロット電磁弁60によって、流体供給源からの圧縮された流体が第2パイロット圧作用室24にパイロット流体として供給される。一方で、第1パイロット電磁弁50によって、第1パイロット圧作用室22内のパイロット流体が大気へ排出される。これにより、スプール弁18が第1ピストン収容凹部21に向けて移動する。その結果、スプール弁18は、供給ポートPと第2出力ポートBとを連通し、且つ第1出力ポートAと第1排出ポートR1とを連通する第2位置に切り換わる。また、スプール弁18が第2位置に切り換わると、供給ポートPと第1出力ポートAとの間が遮断されるとともに、第2出力ポートBと第2排出ポートR2との間が遮断される。
【0033】
このように、第1パイロット電磁弁50における第1パイロット圧作用室22に対するパイロット流体の給排、及び第2パイロット電磁弁60における第2パイロット圧作用室24に対するパイロット流体の給排が行われる。これにより、スプール弁18が第1位置と第2位置との間でスプール弁孔17内を往復動する。そして、スプール弁18が第1位置と第2位置とに切り換わることにより、各ポート間の連通が切り換えられる。したがって、主弁部12は、第1パイロット圧作用室22及び第2パイロット圧作用室24それぞれに対してパイロット流体が給排されることにより複数のポート間の連通を切り換える。なお、
図1では、スプール弁18が第2位置に位置している状態を示している。
【0034】
<第1導電部材52>
図2に示すように、第1パイロット電磁弁50は、第1導電部材52を有している。第1導電部材52は、第1ソレノイド部51に電気的に接続されている。第1パイロット電磁弁50は、第1導電部材52を2つ有している。2つの第1導電部材52の一方は、正極ラインを構成するとともに、2つの第1導電部材52の他方は、負極ラインを構成している。各第1導電部材52は、例えば、柱状である。
【0035】
<第1筒状部53>
第1パイロット電磁弁50は、第1筒状部53を有している。第1筒状部53は、2つの第1導電部材52を囲繞している。具体的には、第1筒状部53は、2つの第1導電部材52における第1ソレノイド部51とは反対側の端部である先端部を囲繞している。第1筒状部53は、円筒状である。各第1導電部材52の先端は、第1筒状部53の開口を介して第1筒状部53外へ突出ている。第1筒状部53の軸方向は、各第1導電部材52の先端部の延在方向と同一方向である。第1パイロット電磁弁50は、第1筒状部53の開口がベース部30側を向くようにベース部30に対して配置されている。したがって、各第1導電部材52の先端部は、ベース部30側を向いている。
【0036】
第1筒状部53の外周面には、第1装着溝53aが形成されている。第1装着溝53aは、環状である。第1装着溝53aには、第1リップパッキン54が装着されている。第1リップパッキン54は、ゴム製である。第1リップパッキン54は、円環状である。
【0037】
<第2導電部材62>
第2パイロット電磁弁60は、第2導電部材62を有している。第2導電部材62は、第2ソレノイド部61に電気的に接続されている。第2パイロット電磁弁60は、第2導電部材62を2つ有している。2つの第2導電部材62の一方は、正極ラインを構成するとともに、2つの第2導電部材62の他方は、負極ラインを構成している。各第2導電部材62は、例えば、柱状である。
【0038】
<第2筒状部63>
第2パイロット電磁弁60は、第2筒状部63を有している。第2筒状部63は、2つの第2導電部材62を囲繞している。具体的には、第2筒状部63は、2つの第2導電部材62における第2ソレノイド部61とは反対側の端部である先端部を囲繞している。第2筒状部63は、円筒状である。各第2導電部材62の先端は、第2筒状部63の開口を介して第2筒状部63外へ突出している。第2筒状部63の軸方向は、各第2導電部材62の先端部の延在方向と同一方向である。第2パイロット電磁弁60は、第2筒状部63の開口がベース部30側を向くようにベース部30に対して配置されている。したがって、各第2導電部材62の先端部は、ベース部30側を向いている。
【0039】
第2筒状部63の軸方向は、第1筒状部53の軸方向と同一方向である。そして、各第2導電部材62の先端部の延在方向は、各第1導電部材52の先端部の延在方向と同一方向である。
【0040】
第2筒状部63の外周面には、第2装着溝63aが形成されている。第2装着溝63aは、環状である。第2装着溝63aには、第2リップパッキン64が装着されている。第2リップパッキン64は、ゴム製である。第2リップパッキン64は、円環状である。
【0041】
<コネクタ部材70>
電磁弁マニホールド10は、コネクタ部材70を備えている。コネクタ部材70は、基部71、第1コネクタ部80、及び第2コネクタ部90を有している。コネクタ部材70は、ベース部30に設けられている。したがって、ベース部30には、第1コネクタ部80と、第2コネクタ部90と、が設けられている。コネクタ部材70は、第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90が基部71に一体化されてなる。
【0042】
<基部71>
図3及び
図4に示すように、基部71は、平板状である。基部71は、薄板状である。基部71は、樹脂製である。基部71は、平面視すると、長四角板状である。基部71は、第1面711及び第2面712を有している。第1面711は、基部71の厚み方向の一方に位置する面である。第1面711は、平坦面状である。第2面712は、基部71の厚み方向の他方に位置する面である。第2面712は、平坦面状である。第1面711と第2面712とは互いに平行に延びている。
【0043】
基部71は、基部71の長手方向X1に延びる一対の長側縁71aと、基部71の短手方向W1に延びる一対の短側縁71bと、を有している。一対の長側縁71aは、互いに平行に延びている。一対の短側縁71bは、互いに平行に延びている。一対の短側縁71bの一方は、各長側縁71aの長手方向X1の第1端同士を接続している。一対の短側縁71bの他方は、各長側縁71aの長手方向X1の第2端同士を接続している。各長側縁71aは、湾曲部71cをそれぞれ有している。各湾曲部71cは、各長側縁71aの中央部において互いに接近する方向へ凹むように弧状に湾曲している。
【0044】
<貫通孔72>
基部71は、貫通孔72を有している。貫通孔72は、基部71を厚み方向に貫通している。貫通孔72は、基部71の中央部に位置している。貫通孔72は、平面視すると、長四角孔形状である。貫通孔72の長手方向は、基部71の長手方向X1に一致している。貫通孔72は、平面視すると、基部71の短手方向W1で両湾曲部71cに挟み込まれている。したがって、各湾曲部71cは、各長側縁71aから貫通孔72に向けて凹むように弧状に湾曲している。そして、基部71に両湾曲部71cが形成されていることにより、基部71における貫通孔72の周囲は、基部71の短手方向W1に弾性変形し易くなっている。
【0045】
基部71は、延長孔73,74を有している。延長孔73は、貫通孔72の長手方向の第1端から二股に分かれるように基部71の長手方向X1に延びている。延長孔74は、貫通孔72の長手方向の第2端から二股に分かれるように基部71の長手方向X1に延びている。そして、基部71に各延長孔73,74が形成されていることにより、基部71における貫通孔72の周囲は、基部71の短手方向W1にさらに弾性変形し易くなっている。
【0046】
<第1コネクタ部80>
図2に示すように、第1コネクタ部80は、第1端子収容部81と、第1接続端子82と、を有している。
図4に示すように、第1端子収容部81は、基部71の第1面711から突出する筒状である。第1端子収容部81は、例えば、四角筒状である。第1端子収容部81は、基部71の第1面711における貫通孔72よりも基部71の長手方向の第1端寄りに配置されている。第1端子収容部81は、基部71を平面視すると、基部71の長手方向で貫通孔72と隣り合っている。
【0047】
図2に示すように、第1端子収容部81は、第1端子収容室83を2つ有している。各第1端子収容室83は、第1端子収容部81の軸方向に対して直交する方向に並んで配置されている。両第1端子収容室83は、第1端子収容部81の一部である第1隔壁84によって隔たれている。各第1端子収容室は、基部71に形成された各第1端子挿通孔85を介して基部71の第2面712に開口している。また、第1端子収容部81の先端面には、第1導電部材挿通孔86が2つ形成されている。各第1端子収容室83は、各第1導電部材挿通孔86を介して第1端子収容部81の先端面に開口している。
【0048】
第1コネクタ部80は、第1接続端子82を2つ有している。各第1接続端子82は、各第1端子収容室83にそれぞれ収容されている。各第1接続端子82には、各第1導電部材挿通孔86を介して各第1端子収容室83内に挿入された各第1導電部材52が挿入接続可能である。したがって、各第1接続端子82は、各第1導電部材挿通孔86を介して各第1端子収容室83内に挿入された各第1導電部材52が挿入接続可能となるように、各第1端子収容室83に収容されている。
【0049】
また、各第1接続端子82における第1導電部材52とは反対側の端部は、各第1端子挿通孔85を介して回路基板41に電気的に接続されている。よって、各第1接続端子82は、各第1導電部材52と回路基板41とを電気的に接続している。したがって、第1コネクタ部80は、第1導電部材52が挿入接続されるとともに第1導電部材52と回路基板41とを電気的に接続する。
【0050】
<第2コネクタ部90>
第2コネクタ部90は、第2端子収容部91と、第2接続端子92と、を有している。
図4に示すように、第2端子収容部91は、基部71の第1面711から突出する筒状である。第2端子収容部91は、例えば、四角筒状である。第2端子収容部91は、基部71の第1面711における貫通孔72よりも基部71の長手方向の第2端寄りに配置されている。第2端子収容部91は、基部71を平面視すると、基部71の長手方向で貫通孔72と隣り合っている。
【0051】
図2に示すように、第2端子収容部91は、第2端子収容室93を2つ有している。各第2端子収容室93は、第2端子収容部91の軸方向に対して直交する方向に並んで配置されている。両第2端子収容室93は、第2端子収容部91の一部である第2隔壁94によって隔たれている。各第2端子収容室は、基部71に形成された各第2端子挿通孔95を介して基部71の第2面712に開口している。また、第2端子収容部91の先端面には、第2導電部材挿通孔96が2つ形成されている。各第2端子収容室93は、各第2導電部材挿通孔96を介して第2端子収容部91の先端面に開口している。
【0052】
第2コネクタ部90は、第2接続端子92を2つ有している。各第2接続端子92は、各第2端子収容室93にそれぞれ収容されている。各第2接続端子92には、各第2導電部材挿通孔96を介して各第2端子収容室93内に挿入された各第2導電部材62が挿入接続可能である。したがって、各第2接続端子92は、各第2導電部材挿通孔96を介して各第2端子収容室93内に挿入された各第2導電部材62が挿入接続可能となるように、各第2端子収容室93に収容されている。
【0053】
また、各第2接続端子92における第2導電部材62とは反対側の端部は、各第2端子挿通孔95を介して回路基板41に電気的に接続されている。よって、各第2接続端子92は、各第2導電部材62と回路基板41とを電気的に接続している。したがって、第2コネクタ部90は、第2導電部材62が挿入接続されるとともに第2導電部材62と回路基板41とを電気的に接続する。
【0054】
<取付壁部42>
図2及び
図5に示すように、ベース部30は、取付壁部42を有している。取付壁部42には、コネクタ部材70が取り付けられている。取付壁部42は、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60に対向している。取付壁部42は、外面42aと、内面42bと、を有している。取付壁部42の外面42aは、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60に対向する面である。取付壁部42の内面42bは、外面42aとは反対側の面であって、コネクタ部材70が取り付けられる面である。
【0055】
<第1接続口43>
図2に示すように、ベース部30は、第1接続口43を有している。第1接続口43は、取付壁部42を貫通している。第1接続口43は、第1端子収容部81を内側に配置する。したがって、第1接続口43は、第1コネクタ部80を内側に配置する。第1接続口43には、第1筒状部53が挿入されている。このとき、第1筒状部53の内側には、第1端子収容部81が挿入されている。したがって、第1パイロット電磁弁50は、第1コネクタ部80が内側に挿入される第1筒状部53を有している。そして、第1筒状部53の外周面と第1接続口43の内周面との間には、第1リップパッキン54が設けられている。第1リップパッキン54は、第1筒状部53と第1接続口43との間をシールする。
【0056】
<第2接続口44>
ベース部30は、第2接続口44を有している。第2接続口44は、取付壁部42を貫通している。第2接続口44は、第2端子収容部91を内側に配置する。したがって、第2接続口44は、第2コネクタ部90を内側に配置する。第2接続口44には、第2筒状部63が挿入されている。このとき、第2筒状部63の内側には、第2端子収容部91が挿入されている。したがって、第2パイロット電磁弁60は、第2コネクタ部90が内側に挿入される第2筒状部63を有している。そして、第2筒状部63の外周面と第2接続口44の内周面との間には、第2リップパッキン64が設けられている。第2リップパッキン64は、第2筒状部63と第2接続口44との間をシールする。
【0057】
<挿入方向Z1>
第1筒状部53が第1接続口43の内側に挿入されると、各第1導電部材52が、各第1導電部材挿通孔86を介して各第1端子収容室83内に挿入されて、各第1接続端子82に挿入接続される。このようにして、各第1導電部材52が第1コネクタ部80に挿入接続される。また、第2筒状部63が第2接続口44の内側に挿入されると、各第2導電部材62が、各第2導電部材挿通孔96を介して各第2端子収容室93内に挿入されて、各第2接続端子92に挿入接続される。このようにして、各第2導電部材62が第2コネクタ部90に挿入接続される。
【0058】
各第1導電部材52における第1コネクタ部80に対する挿入方向と、各第2導電部材62における第2コネクタ部90に対する挿入方向とは同一方向である。なお、以下の説明では、「各第1導電部材52における第1コネクタ部80に対する挿入方向」及び「各第2導電部材62における第2コネクタ部90に対する挿入方向」のことを、単に「挿入方向Z1」と記載する場合もある。
【0059】
<突出部45>
ベース部30は、突出部45を有している。突出部45は、柱状である。突出部45は、取付壁部42から突出している。
図5に示すように、突出部45は、平面視すると、長四角形状である。突出部45は、突出部45の長手方向に延びる一対の長側面45aと、突出部45の短手方向に延びる一対の短側面45bと、を有している。一対の長側面45aは、互いに平行に延びている。一対の短側面45bは、互いに平行に延びている。一対の短側面45bの一方は、各長側面45aの長手方向の第1端同士を接続している。一対の短側面45bの他方は、各長側面45aの長手方向の第2端同士を接続している。
【0060】
<係止突起46>
ベース部30は、一対の係止突起46を有している。各係止突起46は、突出部45の両長側面45aからそれぞれ突出している。したがって、両長側面45aは、各係止突起46がそれぞれ突出する突出部45の両側面である。
【0061】
図6に示すように、各係止突起46の側面46aは、突出部45の先端側から離間するにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面になっている。各係止突起46は、段差面46bを有している。段差面46bは、係止突起46の側面46aにおける突出部45の先端側とは反対側の端縁と突出部45の長側面45aとを接続している。段差面46bは、突出部45の長側面45aに対して直交する方向に起立している。一対の係止突起46には、基部71における貫通孔72の周囲が係止可能になっている。基部71の第1面711は、取付壁部42の内面42bに対向している。
【0062】
<案内面75>
貫通孔72は、案内面75を一対有している。各案内面75は、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、各係止突起46の側面46aにそれぞれ案内される。各案内面75は、基部71における取付壁部42側の面である第1面711から離間するにつれて互いに接近するように傾斜する傾斜面になっている。
【0063】
<コネクタ部材70とベース部30との関係>
図5及び
図6に示すように、貫通孔72の長手方向と突出部45の長手方向とが一致した状態で、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入されるように、コネクタ部材70をベース部30に対して配置する。このとき、基部71の厚み方向は、挿入方向Z1に一致している。基部71は、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、挿入方向Z1に対して交差する方向へ弾性変形可能になっている。具体的には、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、基部71における貫通孔72の周囲は、基部71の短手方向W1に弾性変形し易くなっている。
【0064】
そして、貫通孔72が一対の係止突起46を乗り越えると、基部71における貫通孔72の周囲が弾性変形する前の原形状に復帰して、基部71における貫通孔72の周囲が、一対の係止突起46の段差面46bに係止する。このように、コネクタ部材70は、基部71における貫通孔72の周囲が一対の係止突起46に係止されることにより、ベース部30に取り付けられている。なお、コネクタ部材70は、ベース部30に取り付けられた状態において、基部71の長手方向X1及び基部71の短手方向W1それぞれへの僅かな移動が許容されている。
【0065】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90が基部71に一体化されてなるコネクタ部材70が、ベース部30に取り付けられているため、第1コネクタ部80と第2コネクタ部90との相対位置が予め定められた位置からずれてしまうことが無い。したがって、第1導電部材52及び第2導電部材62が第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれに容易に挿入接続される。
【0066】
例えば、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が行われているとともに、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が停止されていると、スプール弁18が第1位置に切り換わる。スプール弁18が第1位置に切り換わると、供給ポートPに供給されている流体は、第1出力ポートA及び第1出力流路33を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの圧力流体が、第2出力流路34、第2出力ポートB、及び第2排出ポートR2を介して第2排出流路36から外部へ排出される。
【0067】
一方で、
図1に示すように、例えば、回路基板41から第1ソレノイド部51への電圧の印加が停止されているとともに、回路基板41から第2ソレノイド部61への電圧の印加が行われていると、スプール弁18が第2位置に切り換わる。スプール弁18が第2位置に切り換わると、供給ポートPに供給されている流体は、第2出力ポートB及び第2出力流路34を介して流体圧機器に出力される。そして、流体圧機器からの圧力流体が、第1出力流路33、第1出力ポートA、及び第1排出ポートR1を介して第1排出流路35から外部へ排出される。
【0068】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90が平板状の基部71に一体化されてなるコネクタ部材70が、ベース部30に取り付けられている。これによれば、第1コネクタ部80と第2コネクタ部90との相対位置が予め定められた位置からずれてしまうことが無い。したがって、第1導電部材52及び第2導電部材62を第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれに容易に挿入接続することができる。
【0069】
さらには、基部71は、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、第1導電部材52及び第2導電部材62における第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれへの挿入方向に対して交差する方向へ弾性変形可能である。したがって、コネクタ部材70をベース部30に取り付けるために、例えば、コネクタ部材70に、ベース部30の凹部に係止可能な細長板状の係止突起を設ける必要が無い。
【0070】
例えば、コネクタ部材70に細長板状の係止突起を設ける場合、係止突起を弾性変形させる必要があるため、係止突起の長さをある程度確保する必要がある。よって、係止突起の配置スペースを確保する必要があるため、電磁弁マニホールド10の体格が大型化してしまう。しかし、コネクタ部材70は、基部71における貫通孔72の周囲が一対の係止突起46に係止されることにより、ベース部30に取り付けられている。したがって、コネクタ部材70に細長板状の係止突起を設けなくても、コネクタ部材70をベース部30に取り付けることができるため、電磁弁マニホールド10の体格の小型化を図ることができる。以上により、第1導電部材52及び第2導電部材62を第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれに容易に挿入接続することができるとともに、さらには、電磁弁マニホールド10の体格の小型化を図ることができる。
【0071】
(2)各係止突起46の側面46aは、突出部45の先端側から離間するにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面になっている。貫通孔72の各案内面75は、基部71における取付壁部42側の面から離間するにつれて互いに接近するように傾斜する傾斜面になっている。これによれば、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、貫通孔72の各案内面75が各係止突起46の側面46aに案内される。したがって、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入され易くなるため、コネクタ部材70をベース部30に取り付け易くすることができる。
【0072】
(3)第1筒状部53の外周面と第1接続口43の内周面との間には、第1筒状部53と第1接続口43との間をシールするゴム製の第1リップパッキン54が設けられている。第2筒状部63の外周面と第2接続口44の内周面との間には、第2筒状部63と第2接続口44との間をシールするゴム製の第2リップパッキン64が設けられている。これによれば、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60とベース部30との間の寸法公差を第1リップパッキン54及び第2リップパッキン64それぞれの弾性変形によって吸収することができる。したがって、第1導電部材52及び第2導電部材62を第1コネクタ部80及び第2コネクタ部90それぞれにさらに容易に挿入接続し易くすることができる。
【0073】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0074】
・実施形態において、各係止突起46が、突出部45の両長側面45aからそれぞれ突出しているのではなく、例えば、突出部45の両短側面45bからそれぞれ突出していてもよい。この場合、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、基部71における貫通孔72の周囲は、基部71の長手方向X1に弾性変形する。要は、基部71は、一対の係止突起46が貫通孔72の内側に挿入される際に、挿入方向Z1に対して交差する方向へ弾性変形可能になっていればよい。そして、コネクタ部材70は、基部71における貫通孔72の周囲が一対の係止突起46に係止されることにより、ベース部30に取り付けられていればよい。
【0075】
・実施形態において、各係止突起46の側面46aが、突出部45の先端側から離間するにつれて互いに離間するように傾斜する傾斜面でなくてもよい。例えば、各係止突起46の側面46aが、突出部45における取付壁部42からの突出方向と同一方向に延びる平坦面であってもよい。この場合、貫通孔72の各案内面75が、基部71における取付壁部42側の面から離間するにつれて互いに接近するように傾斜する傾斜面になっていなくてもよい。例えば、貫通孔72の各案内面75が、基部71の厚み方向と同一方向に延びる平坦面であってもよい。
【0076】
・実施形態において、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60とベース部30との間に環状のガスケットが設けられていてもよい。そして、当該ガスケットにより、第1パイロット電磁弁50及び第2パイロット電磁弁60とベース部30との間がシールされていてもよい。この場合、電磁弁マニホールド10は、第1リップパッキン54及び第2リップパッキン64を備えていない構成であってもよい。
【0077】
・実施形態において、第1導電部材52の数は特に限定されるものではない。
・実施形態において、第2導電部材62の数は特に限定されるものではない。
・実施形態において、第1パイロット電磁弁50は、第1筒状部53を有していない構成であってもよい。
【0078】
・実施形態において、第2パイロット電磁弁60は、第2筒状部63を有していない構成であってもよい。
・実施形態において、基部71は、延長孔73,74を有していない構成であってもよい。
【0079】
・実施形態において、突出部45の形状は特に限定されるものではない。そして、貫通孔72の形状は、突出部45の形状に合わせて適宜変更してもよい。
・実施形態において、電磁弁11は、例えば、第2排出ポートR2を省略した4ポート電磁弁であってもよい。要は、電磁弁11は、少なくとも1つの排出ポートを有していればよい。また、電磁弁11は、供給ポート、出力ポート、及び排出ポートを有する3ポート電磁弁であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…電磁弁マニホールド、12…主弁部、22…第1パイロット圧作用室、24…第2パイロット圧作用室、30…ベース部、40…制御部、41…回路基板、42…取付壁部、43…第1接続口、44…第2接続口、45…突出部、45a…側面としての長側面、46…係止突起、46a…側面、50…第1パイロット電磁弁、51…第1ソレノイド部、52…第1導電部材、53…第1筒状部、54…第1リップパッキン、60…第2パイロット電磁弁、61…第2ソレノイド部、62…第2導電部材、63…第2筒状部、64…第2リップパッキン、70…コネクタ部材、71…基部、72…貫通孔、75…案内面、80…第1コネクタ部、90…第2コネクタ部。