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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122755
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】笑顔形成用補助具
(51)【国際特許分類】
A45D 44/22 20060101AFI20230829BHJP
A61Q 19/00 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
A45D44/22 A
A61Q19/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026440
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】307024325
【氏名又は名称】株式会社Feel.
(74)【代理人】
【識別番号】100090402
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 法明
(72)【発明者】
【氏名】多田 優子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083CC07
4C083DD12
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】鏡を見ることなく、自然な笑顔を、自分の意思で素速く作ることができるようにする。
【解決手段】笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具10であって、顔に貼り付けて使用するシート状の素材からなり、貼り付けられる顔の口に対応した部位に開口部20を有し、開口部20は口角部が上がった口の形状に近似した形状になっている。口元付近を被覆する口元被覆部12と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部14,14と、鼻を被覆する鼻被覆部16とを有している。顎からこめかみにかけての部分を被覆する一対の羽根部18,18を有していてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具であって、顔に貼り付けて使用するシート状の素材からなり、貼り付けられる顔の口に対応した部位に開口部を有し、該開口部は口角部が上がった口の形状に近似した形状になっていることを特徴とする笑顔形成用補助具。
【請求項2】
美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられていることを特徴とする請求項1に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項3】
口元付近を被覆する口元被覆部と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部と、鼻を被覆する鼻被覆部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項4】
前記鼻被覆部の周囲に切り込みが入っていることを特徴とする請求項3に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項5】
顔の顎からこめかみにかけての部分を被覆する一対の羽根部を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の笑顔形成用補助具。
【請求項6】
輪郭が描かれていることを特徴とする請求項1に記載の笑顔形成用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔に貼り付けて使用するものであって、笑顔の際の顔の表情筋の状態を体感で学ぶことができる笑顔形成用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
人は、美味しいものを食べたり、会いたい人に会ったりすると、嬉しくなり、顔は自然と笑顔になる。また、人は、笑顔の人を見ると、緊張がほぐれ、気持ちが明るくなり、自然に笑顔になる。また、人は、笑っている赤ちゃんを見ると、心が癒やされ、自然に笑顔になる。笑顔になると、笑顔の人も、笑顔を見た人も、気持ちが明るく、ポジティブになる。このように、笑顔は本人にとっても、他人にとっても、とても良いものである。
【0003】
ところで、人は時として、沈んだ気持ちや、不快な気持ち又は怒りの気持ちになることがある。もし、笑顔を意識して作ることができれば、笑顔を見た他人は、沈んだ気持ちや、不快な気持ち又は怒りの気持ちから解放され、気持ちが明るくポジティブになる。笑顔の本人も、沈んだ気持ち、不快な気持ち又は怒りの気持ちから解放され、気持ちが明るくポジティブになる。
【0004】
また、知らない人や気遣いな人と行き会うと人は緊張する。もし、どちらかが笑顔を意識して作ることができれば、緊張している人は緊張から解放され、双方がリラックスしてお話しをすることができ、良好な人間関係が速やかに構築される。
【0005】
しかし、笑顔は、本来、幸せな時や、嬉しい時に、自然に顔に出てくる性質のものであり、意識して作ることはなかなか難しい。笑顔は、顔の表情筋を動かしたり、緊張させたりすることによって作られているが、我々は、顔の表情筋のどの部位をどのように動かしたり、どのように緊張させれば、どのような感じの笑顔を作ることができるのか、明確には認識していない。
【0006】
このため、意識して作られた笑顔は不自然な感じのものになりがちであり、思い通りの自然な笑顔を作ることは、なかなか難しいものである。もし、顔の表情筋をどのように動かしたり、どの程度緊張させたら、自然な笑顔になるのかを、鏡を見ることなく、体感で学んだり、習慣化することができる補助具があったら、とても便利である。
【0007】
そこで、本発明者はそのような補助具について鋭意研究し、フェイスパックないしフェイスマスク(
図3参照)を応用すればそのような補助具が得られるのではないかと考え、本発明を成すに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6918335号公報
【特許文献2】特許第6281037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、鏡を見ることなく、自然な笑顔を意識して作ることができるようになることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具であって、顔に貼り付けて使用するシート状の素材からなり、貼り付けられる顔の口に対応した部位に開口部を有し、該開口部は口角部が上がった口の形状に近似した形状になっていることを最も主要な特徴とする。
【0011】
前記シート状の素材には美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられている。前記シート状の素材は、口元付近を被覆する口元被覆部と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部と、鼻を被覆する鼻被覆部とに区画され、本笑顔形成用補助具が形成されている。鼻被覆部の周囲には切り込みが入っている。本笑顔形成用補助具は、顔の顎からこめかみにかけての部分を被覆する一対の羽根部を有していてもよい。また、本笑顔形成用補助具には輪郭(縁取り)が描かれていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本笑顔形成用補助具は次のように使用すれば、笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶことができる。まず、鏡を見ながら、本笑顔形成用補助具を、口の周囲に、該開口部を合わせた状態にして、貼り付ける。ここで、該開口部は、口角部が上がった口の形状に近似した形状になっているので、貼り付けるときは、該口の口角部の表情筋を意識的に上げて、該口の形を該開口部の形状に近似させ、この状態で、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付ける。
【0013】
次に、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けた後、該口角部の表情筋をリラックスさせ、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けたままにして過ごす。該口角部の表情筋をリラックスさせ、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けたままにして過ごしていると、該口角部の表情筋は本笑顔形成用補助具によって引っ張り上げられた感じになる。この状態で過ごしていると、該口角部を上げている表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができる。
【0014】
次に、口の周囲に本笑顔形成用補助具を貼り付けてから所定時間が経過した後、本笑顔形成用補助具を顔から剥がす。本笑顔形成用補助具を顔から剥がした後も、該口角部を上げている表情筋は体感で記憶しているので、笑顔を意識的に作る必要が生じた場合、この表情筋を自分の意思で意識して上げる。表情筋を意識して上げると、自分の顔は自分の意思に従って笑顔になる。
【0015】
本発明に係る笑顔形成用補助具は、該口の周囲に貼り付け、該口角部を上げている該表情筋をリラックスさせたままにして過ごせば、該口角部の表情筋が本笑顔形成用補助具によって引っ張り上げられた感じになり、笑顔の際の自分の表情筋を、体感で認識することができ、従って、該表情筋を上げれば、鏡を見ない状態でも、自然な笑顔を意図的に作ることができるということを学習することができるという効果を有する。
【0016】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、上述したようにして繰り返し使用していれば、貼り付けていないときでも、該口角部を上げるための表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができ、従って、鏡を見ていない状態でも、きれいな口角ラインの自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるという効果を有する。
【0017】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、鏡を見ていない状態で、自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるようになるので、いつも明るい笑顔でいて、周囲をいつも明るくすることができるという効果を有する。
【0018】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、鏡を見ていない状態で、自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるようになるので、意識的に笑顔を作って、面識が無い人や良く知らない人と友好的な人間関係を積極的に築くことができるという効果を有する。
【0019】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、顔に貼り付けて使用した場合、使用している本人の気持ちを明るく、ポジティブにしてくれるという効果を有する。また、顔に貼り付けていないときでも、笑顔を意図的に作って、本人の気持ちを明るく、ポジティブにしてくれるという効果を有する。
【0020】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、輪郭(縁取り)が描かれていると、笑顔がより判り易く、装着し易くなるという効果を有する。また、本発明の笑顔形成用補助具は、何度も使い続けているうちに、自然な笑顔を意図的に作ることを習慣化することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明に係る笑顔形成用補助具の平面図である。
【
図2】
図2は本発明に係る笑顔形成用補助具の使用状態を斜め方向から見た説明図である。
【
図3】
図3は従来のフェイスパックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
自然な笑顔を、鏡を見ることなく、自分の意思で素速く作ることができるようにするという目的を、簡単な補助具を使用するだけで、面倒なトレーニングをすることなく実現した。
【実施例0023】
図1は本発明に係る笑顔形成用補助具の平面図である。同図中、10は笑顔形成用補助具であり、笑顔形成用補助具10は、口元付近を被覆する口元被覆部12と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部14,14と、鼻を被覆する鼻被覆部16と、フェイスライン付近、すなわち顎からこめかみにかけての部分を被覆する左右一対の羽根部18,18とからなる。
【0024】
口元被覆部12の中央付近には開口部20が形成されている。開口部20は、貼り付けられる顔の口の形状であって、口角部が上がった状態の口の形状に近似した形状になっている。口角部が上がった口の形状に近似した形状とは、三日月を横に置いたような形状である。この三日月の下側の縁は大きく湾曲しており、三日月の上側の縁は下側の縁より湾曲が緩くなっている。
【0025】
開口部20は、貼り付けられる顔の口に対応した部位に形成されている。開口部20の大きさは、笑顔形成用補助具10を顔に貼り付ける際に、開口部20を通して口の形状が見えるように、口の大きさより少し大きめに形成されているのが好ましい。
【0026】
左右一対の頬被覆部14,14は、各々が口元被覆部12の両側に連続的に延長形成されている。左右一対の頬被覆部14,14の上縁は、貼り付けられる顔の下瞼のラインに沿うように緩やかな曲線になっている。
【0027】
鼻被覆部16は口元被覆部12の上方に延長形成されている。鼻被覆部16の周囲、鼻の脇部分と鼻の下部分には切れ込み22が入っており、笑顔形成用補助具10を顔に貼り付ける際に、鼻被覆部16の外縁が周囲から離れて単独で鼻を被覆することができるようになっている。
【0028】
口元被覆部12,12と頬被覆部14,14の下方には、左右一対の羽根部18,18が延長形成されている。羽根部18は、口元被覆部12の下側の顎に接触する付近で、口元被覆部12と部分的に繋がっている。羽根部18と頬被覆部14とは、切れ込み24を介して、隣り合っている。左右一対の羽根部18,18は、顎に接触する付近で、切れ込み26を介して、隣り合っている。
【0029】
上述した口元被覆部12、頬被覆部14,14、鼻被覆部16は明確な境界を持っていない。口元被覆部12は口元付近の領域を被覆している部分、頬被覆部14,14は頬付近の領域を被覆している部分、鼻被覆部16は鼻付近の領域を被覆している部分という意味であり、これら被覆部12,14,16が全体として笑顔形成用補助具10を形成している。
【0030】
笑顔形成用補助具10の各部12,14,16,18はシート状素材を切り抜くことによって形成されている。シート状素材としては、例えば紙又は薄い不織布を使用することができるが、紙又は薄い不織布と同程度の特性を有するものであれば、紙又は薄い不織布以外のものを使用してもよい。厚さや伸縮性は任意である。笑顔形成用補助具10の各部12,14,16,18や、各切れ込み22,24,26の外縁には輪郭(縁取り)が描かれていてもよいし、輪郭が描かれていなくてもよい。
【0031】
笑顔形成用補助具10には、美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられている。美容成分としては、セラミド、プラセンタエキス、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、レチノール、フラーレン等を挙げることができるが、これら以外の成分が含まれていてもよい。
【0032】
次に、本発明に係る笑顔形成用補助具の使用方法について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0033】
まず、包装袋から本発明に係る笑顔形成用補助具10を指で摘んで取り出す。笑顔形成用補助具10の頬被覆部14の両端を両手の指で各々摘んで笑顔形成用補助具10を拡げ、鏡を見ながら、笑顔形成用補助具10を顔の前に持って行く。口元被覆部12の開口部20を口の位置に合わせ、この状態で口元被覆部12を口元に貼り付ける。笑顔形成用補助具10には美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられているので、口元被覆部12は口元に貼り付く。
【0034】
ここで、口元被覆部12を口元に貼り付けるときは、鏡を見ながら、口の口角部を意識して引き上げ、口の形状を開口部20の形状に合わせる。口元被覆部12の開口部20は口角部が上がった口の形状に近似した形状になっているので、口角部を上げて口の形状を開口部20の形状に合わせれば、顔は自然と笑顔になる。
【0035】
口元被覆部12を口元に貼り付けるとき、頬被覆部14の上縁は目の下、下瞼のラインに沿わせるようにする。頬被覆部14の上縁をこのように沿わせると、口元被覆部12と頬被覆部14は顔にスムーズに貼り付けることができる。口元被覆部12と頬被覆部14を顔にこのように貼り付けると、目元の潤いがより高まる。口元被覆部12と頬被覆部14は顔の下半分程度の大きさなので、取り回しが容易で、貼り付ける位置の調整は比較的容易である。
【0036】
また、鼻は鼻被覆部16で被覆する。鼻被覆部16の周囲には切り込み22が入っているので、鼻を鼻被覆部16で被覆した場合、鼻は鼻被覆部16によって立体的に被覆することができる。左右一対の羽根部18,18は、両頬を羽根部18,18で包み上げるような感じで持ち上げ、羽根部18,18を頬部に貼り付ける。
【0037】
笑顔形成用補助具10を顔に貼り付けた後、口角部を上げている表情筋をリラックスさせ、この状態でしばらく過ごす。該口角部の表情筋をリラックスさせ、笑顔形成用補助具10を該口元に貼り付けたままにして過ごしていると、該口角部の表情筋は笑顔形成用補助具10によって引っ張り上げられた感じになる。この状態で過ごしていると、該口角部を上げている表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができる。
【0038】
次に、笑顔形成用補助具10を顔から剥がし、口角部の表情筋を上げて笑顔を意識的に作ることを試みてみた。笑顔形成用補助具10を顔に貼り付けていた後なので、どの表情筋が口角部を引き上げていたかを体感で記憶しており、引き上げの程度も体感で記憶しており、口角部を引き上げるための表情筋を容易に上げることができ、自然な、バランスの良い笑顔を、鏡を見ることなく,容易に作ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、顔に貼り付けて使用することができるシート状の素材に、顔の口角部以外の部分を位置合わせすることができるようにしておくことで、笑顔以外の表情筋を体感で認識させ、これを意識的に動かすことができるように学習するという用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0040】
10 笑顔形成用補助具
12 口元被覆部
14 頬被覆部
16 鼻被覆部
18 羽根部
20 開口部
22 切れ込み
24 切れ込み
26 切れ込み
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具であって、顔に貼り付けて使用するシート状の素材からなり、貼り付けられる顔の口に対応した部位に開口部を有し、該開口部は口角が上がった口の形状に近似した形状になっており、該開口部の、口の口角に相当する部位である口角部の近傍は、貼り付けられる顔の口の口角より上の高さ位置で、該口角部から該開口部の内側に向けて、該開口部の一部として開口していることを特徴とする笑顔形成用補助具。
【請求項2】
美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられていることを特徴とする請求項1に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項3】
口元付近を被覆する口元被覆部と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部と、鼻を被覆する鼻被覆部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項4】
前記鼻被覆部の周囲に切り込みが入っていることを特徴とする請求項3に記載の笑顔形成用補助具。
【請求項5】
顔の顎からこめかみにかけての部分を被覆する一対の羽根部を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の笑顔形成用補助具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔に貼り付けて使用するものであって、笑顔の際の顔の表情筋の状態を体感で学ぶことができる笑顔形成用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
人は、美味しいものを食べたり、会いたい人に会ったりすると、嬉しくなり、顔は自然と笑顔になる。また、人は、笑顔の人を見ると、緊張がほぐれ、気持ちが明るくなり、自然に笑顔になる。また、人は、笑っている赤ちゃんを見ると、心が癒やされ、自然に笑顔になる。笑顔になると、笑顔の人も、笑顔を見た人も、気持ちが明るく、ポジティブになる。このように、笑顔は本人にとっても、他人にとっても、とても良いものである。
【0003】
ところで、人は時として、沈んだ気持ちや、不快な気持ち又は怒りの気持ちになることがある。もし、笑顔を意識して作ることができれば、笑顔を見た他人は、沈んだ気持ちや、不快な気持ち又は怒りの気持ちから解放され、気持ちが明るくポジティブになる。笑顔の本人も、沈んだ気持ち、不快な気持ち又は怒りの気持ちから解放され、気持ちが明るくポジティブになる。
【0004】
また、知らない人や気遣いな人と行き会うと人は緊張する。もし、どちらかが笑顔を意識して作ることができれば、緊張している人は緊張から解放され、双方がリラックスしてお話しをすることができ、良好な人間関係が速やかに構築される。
【0005】
しかし、笑顔は、本来、幸せな時や、嬉しい時に、自然に顔に出てくる性質のものであり、意識して作ることはなかなか難しい。笑顔は、顔の表情筋を動かしたり、緊張させたりすることによって作られているが、我々は、顔の表情筋のどの部位をどのように動かしたり、どのように緊張させれば、どのような感じの笑顔を作ることができるのか、明確には認識していない。
【0006】
このため、意識して作られた笑顔は不自然な感じのものになりがちであり、思い通りの自然な笑顔を作ることは、なかなか難しいものである。もし、顔の表情筋をどのように動かしたり、どの程度緊張させたら、自然な笑顔になるのかを、鏡を見ることなく、体感で学んだり、習慣化することができる補助具があったら、とても便利である。
【0007】
そこで、本発明者はそのような補助具について鋭意研究し、フェイスパックないしフェイスマスク(
図3参照)を応用すればそのような補助具が得られるのではないかと考え、本発明を成すに至った。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6918335号公報
【特許文献2】特許第6281037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、鏡を見ることなく、自然な笑顔を意識して作ることができるようになることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶための笑顔形成用補助具であって、顔に貼り付けて使用するシート状の素材からなり、貼り付けられる顔の口に対応した部位に開口部を有し、該開口部は口角が上がった口の形状に近似した形状になっていることを最も主要な特徴とする。
【0011】
前記シート状の素材には美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられている。前記シート状の素材は、口元付近を被覆する口元被覆部と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部と、鼻を被覆する鼻被覆部とに区画され、本笑顔形成用補助具が形成されている。鼻被覆部の周囲には切り込みが入っている。本笑顔形成用補助具は、顔の顎からこめかみにかけての部分を被覆する一対の羽根部を有していてもよい。また、本笑顔形成用補助具には輪郭(縁取り)が描かれていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本笑顔形成用補助具は次のように使用すれば、笑顔の際の表情筋の状態を体感で学ぶことができる。まず、鏡を見ながら、本笑顔形成用補助具を、口の周囲に、該開口部を合わせた状態にして、貼り付ける。ここで、該開口部は、口角が上がった口の形状に近似した形状になっているので、貼り付けるときは、該口の口角の表情筋を意識的に上げて、該口の形を該開口部の形状に近似させ、この状態で、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付ける。
【0013】
次に、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けた後、該口角の表情筋をリラックスさせ、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けたままにして過ごす。該口角の表情筋をリラックスさせ、本笑顔形成用補助具を該口の周囲に貼り付けたままにして過ごしていると、該口角の表情筋は本笑顔形成用補助具によって引っ張り上げられた感じになる。この状態で過ごしていると、該口角を上げている表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができる。
【0014】
次に、口の周囲に本笑顔形成用補助具を貼り付けてから所定時間が経過した後、本笑顔形成用補助具を顔から剥がす。本笑顔形成用補助具を顔から剥がした後も、該口角を上げている表情筋は体感で記憶しているので、笑顔を意識的に作る必要が生じた場合、この表情筋を自分の意思で意識して上げる。表情筋を意識して上げると、自分の顔は自分の意思に従って笑顔になる。
【0015】
本発明に係る笑顔形成用補助具は、該口の周囲に貼り付け、該口角を上げている該表情筋をリラックスさせたままにして過ごせば、該口角の表情筋が本笑顔形成用補助具によって引っ張り上げられた感じになり、笑顔の際の自分の表情筋を、体感で認識することができ、従って、該表情筋を上げれば、鏡を見ない状態でも、自然な笑顔を意図的に作ることができるということを学習することができるという効果を有する。
【0016】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、上述したようにして繰り返し使用していれば、貼り付けていないときでも、該口角を上げるための表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができ、従って、鏡を見ていない状態でも、きれいな口角ラインの自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるという効果を有する。
【0017】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、鏡を見ていない状態で、自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるようになるので、いつも明るい笑顔でいて、周囲をいつも明るくすることができるという効果を有する。
【0018】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、鏡を見ていない状態で、自然な笑顔を意図的に速やかに作ることができるようになるので、意識的に笑顔を作って、面識が無い人や良く知らない人と友好的な人間関係を積極的に築くことができるという効果を有する。
【0019】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、顔に貼り付けて使用した場合、使用している本人の気持ちを明るく、ポジティブにしてくれるという効果を有する。また、顔に貼り付けていないときでも、笑顔を意図的に作って、本人の気持ちを明るく、ポジティブにしてくれるという効果を有する。
【0020】
また、本発明の笑顔形成用補助具は、輪郭(縁取り)が描かれていると、笑顔がより判り易く、装着し易くなるという効果を有する。また、本発明の笑顔形成用補助具は、何度も使い続けているうちに、自然な笑顔を意図的に作ることを習慣化することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は本発明に係る笑顔形成用補助具の平面図である。
【
図2】
図2は本発明に係る笑顔形成用補助具の使用状態を斜め方向から見た説明図である。
【
図3】
図3は従来のフェイスパックの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
自然な笑顔を、鏡を見ることなく、自分の意思で素速く作ることができるようにするという目的を、簡単な補助具を使用するだけで、面倒なトレーニングをすることなく実現した。
【実施例0023】
図1は本発明に係る笑顔形成用補助具の平面図である。同図中、10は笑顔形成用補助具であり、笑顔形成用補助具10は、口元付近を被覆する口元被覆部12と、頬付近を被覆する左右一対の頬被覆部14,14と、鼻を被覆する鼻被覆部16と、フェイスライン付近、すなわち顎からこめかみにかけての部分を被覆する左右一対の羽根部18,18とからなる。
【0024】
口元被覆部12の中央付近には開口部20が形成されている。開口部20は、貼り付けられる顔の口の形状であって、口角が上がった状態の口の形状に近似した形状になっている。口角が上がった口の形状に近似した形状とは、三日月を横に置いたような形状である。この三日月の下側の縁は大きく湾曲しており、三日月の上側の縁は下側の縁より湾曲が緩くなっている。
【0025】
開口部20は、貼り付けられる顔の口に対応した部位に形成されている。
開口部20の、口の口角に相当する部位である口角部の近傍は、図2に示すように、貼り付けられる顔の口の口角より上の高さ位置で、該口角部から開口部20の内側に向けて、開口部20の一部として開口している。開口部20の大きさは、笑顔形成用補助具10を顔に貼り付ける際に、開口部20を通して口の形状が見えるように、口の大きさより少し大きめに形成されているのが好ましい。
【0026】
左右一対の頬被覆部14,14は、各々が口元被覆部12の両側に連続的に延長形成されている。左右一対の頬被覆部14,14の上縁は、貼り付けられる顔の下瞼のラインに沿うように緩やかな曲線になっている。
【0027】
鼻被覆部16は口元被覆部12の上方に延長形成されている。鼻被覆部16の周囲、鼻の脇部分と鼻の下部分には切れ込み22が入っており、笑顔形成用補助具10を顔に貼り付ける際に、鼻被覆部16の外縁が周囲から離れて単独で鼻を被覆することができるようになっている。
【0028】
口元被覆部12,12と頬被覆部14,14の下方には、左右一対の羽根部18,18が延長形成されている。羽根部18は、口元被覆部12の下側の顎に接触する付近で、口元被覆部12と部分的に繋がっている。羽根部18と頬被覆部14とは、切れ込み24を介して、隣り合っている。左右一対の羽根部18,18は、顎に接触する付近で、切れ込み26を介して、隣り合っている。
【0029】
上述した口元被覆部12、頬被覆部14,14、鼻被覆部16は明確な境界を持っていない。口元被覆部12は口元付近の領域を被覆している部分、頬被覆部14,14は頬付近の領域を被覆している部分、鼻被覆部16は鼻付近の領域を被覆している部分という意味であり、これら被覆部12,14,16が全体として笑顔形成用補助具10を形成している。
【0030】
笑顔形成用補助具10の各部12,14,16,18はシート状素材を切り抜くことによって形成されている。シート状素材としては、例えば紙又は薄い不織布を使用することができるが、紙又は薄い不織布と同程度の特性を有するものであれば、紙又は薄い不織布以外のものを使用してもよい。厚さや伸縮性は任意である。笑顔形成用補助具10の各部12,14,16,18や、各切れ込み22,24,26の外縁には輪郭(縁取り)が描かれていてもよいし、輪郭が描かれていなくてもよい。
【0031】
笑顔形成用補助具10には、美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられている。美容成分としては、セラミド、プラセンタエキス、ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、レチノール、フラーレン等を挙げることができるが、これら以外の成分が含まれていてもよい。
【0032】
次に、本発明に係る笑顔形成用補助具の使用方法について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
【0033】
まず、包装袋から本発明に係る笑顔形成用補助具10を指で摘んで取り出す。笑顔形成用補助具10の頬被覆部14の両端を両手の指で各々摘んで笑顔形成用補助具10を拡げ、鏡を見ながら、笑顔形成用補助具10を顔の前に持って行く。口元被覆部12の開口部20を口の位置に合わせ、この状態で口元被覆部12を口元に貼り付ける。笑顔形成用補助具10には美容成分を含むクリーム、ジェルないし水溶液が塗布又は含浸させられているので、口元被覆部12は口元に貼り付く。
【0034】
ここで、口元被覆部12を口元に貼り付けるときは、鏡を見ながら、口の口角を意識して引き上げ、口の形状を開口部20の形状に合わせる。口元被覆部12の開口部20は口角が上がった口の形状に近似した形状になっているので、口角を上げて口の形状を開口部20の形状に合わせれば、顔は自然と笑顔になる。
【0035】
口元被覆部12を口元に貼り付けるとき、頬被覆部14の上縁は目の下、下瞼のラインに沿わせるようにする。頬被覆部14の上縁をこのように沿わせると、口元被覆部12と頬被覆部14は顔にスムーズに貼り付けることができる。口元被覆部12と頬被覆部14を顔にこのように貼り付けると、目元の潤いがより高まる。口元被覆部12と頬被覆部14は顔の下半分程度の大きさなので、取り回しが容易で、貼り付ける位置の調整は比較的容易である。
【0036】
また、鼻は鼻被覆部16で被覆する。鼻被覆部16の周囲には切り込み22が入っているので、鼻を鼻被覆部16で被覆した場合、鼻は鼻被覆部16によって立体的に被覆することができる。左右一対の羽根部18,18は、両頬を羽根部18,18で包み上げるような感じで持ち上げ、羽根部18,18を頬部に貼り付ける。
【0037】
笑顔形成用補助具10を顔に貼り付けた後、口角を上げている表情筋をリラックスさせ、この状態でしばらく過ごす。該口角の表情筋をリラックスさせ、笑顔形成用補助具10を該口元に貼り付けたままにして過ごしていると、該口角の表情筋は笑顔形成用補助具10によって引っ張り上げられた感じになる。この状態で過ごしていると、該口角を上げている表情筋を体感として認識し、体感として記憶することができる。
【0038】
次に、笑顔形成用補助具10を顔から剥がし、口角の表情筋を上げて笑顔を意識的に作ることを試みてみた。笑顔形成用補助具10を顔に貼り付けていた後なので、どの表情筋が口角を引き上げていたかを体感で記憶しており、引き上げの程度も体感で記憶しており、口角を引き上げるための表情筋を容易に上げることができ、自然な、バランスの良い笑顔を、鏡を見ることなく,容易に作ることができた。