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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122771
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】監視制御装置及び監視制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20230829BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20230829BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230829BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/00 510M
G08B21/02
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026462
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】308024395
【氏名又は名称】荏原環境プラント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】北井 豪太
(72)【発明者】
【氏名】長 洋光
【テーマコード(参考)】
5C054
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C054FF06
5C054HA18
5C086AA22
5C086BA20
5C086BA30
5C086CA28
5C086CA30
5C086CB36
5C086CB40
5C086DA14
5C086DA33
5C086DA40
5C086FA02
5C086FA06
5C086FA11
5C086FA17
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087AA32
5C087AA37
5C087AA40
5C087AA44
5C087AA51
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD27
5C087DD49
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5C087GG84
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業員が作業を行う施設において、より適切に施設を稼働させることが可能な監視制御装置及び監視制御方法を提供する。
【解決手段】監視システム100において、監視制御装置40は、監視対象施設90の作業員に異常が発生しているか否か判定し、異常が判定された場合に、異常が判定された作業員に関する情報を、監視対象施設の他の作業員に対して通知する制御部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象施設の作業員において異常が発生しているか否か判定し、異常が判定された場合に、異常が判定された作業員に関する情報を、前記監視対象施設の他の作業員に対して通知する制御部、
を備える、監視制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記異常が判定された作業員の近くに位置する撮像装置によって撮像された画像を前記他の作業員に対して出力する、請求項1に記載の監視制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記異常が判定された作業員の近くに位置する音声出力装置又は前記異常が判定された作業員の端末装置から音響信号又は音声を出力する、請求項1又は2に記載の監視制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記異常が判定された場合に、他の監視制御装置に対して、自装置において実行される機能の一部又は全部を一時的に実行することを要求する信号を送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の監視制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記異常が判定された場合に、異常が判定されていない場合にくらべて、他の監視制御装置に対して、自装置において前記監視対象施設に設置された機器から取得される情報をより多く送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載の監視制御装置。
【請求項6】
監視対象施設の作業員において異常が発生しているか否か判定し、異常が判定された場合に、異常が判定された作業員に関する情報を、前記監視対象施設の他の作業員に対して通知する制御ステップ、
を有する、監視制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設における監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却施設について、遠隔操作や操業の自動化が図られている。例えば特許文献1に記載の技術では、高精度でリアルタイムの低位発熱量を給じん速度の算出に用いることにより、給じん速度を適切にして自動的にごみの燃焼を安定させ得る焼却施設の制御方法が提案されている。このように焼却施設の自動化が進むことに伴って、焼却施設をより少ない作業員で稼働させることも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-180971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように焼却施設においてより少ない作業員で稼働させることが推進されるにつれて、同時に施設内に居る作業員の数が減ることから、緊急事態において作業員の安全を確保しつつ如何にして適切に施設を稼働させるかが課題となってきている。このような問題は、焼却施設に限った問題ではなく、作業員が作業を行う施設にとって共通の問題である。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、作業員が作業を行う施設において、より適切に施設を稼働させることを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、監視対象施設の作業員において異常が発生しているか否か判定し、異常が判定された場合に、異常が判定された作業員に関する情報を、前記監視対象施設の他の作業員に対して通知する制御部、を備える、監視制御装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の監視制御装置であって、前記制御部は、前記異常が判定された作業員の近くに位置する撮像装置によって撮像された画像を前記他の作業員に対して出力する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の監視制御装置であって、前記制御部は、前記異常が判定された作業員の近くに位置する音声出力装置又は前記異常が判定された作業員の端末装置から音響信号又は音声を出力する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の監視制御装置であって、前記制御部は、前記異常が判定された場合に、他の監視制御装置に対して、自装置において実行される機能の一部又は全部を一時的に実行することを要求する信号を送信する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の監視制御装置であって、前記制御部は、前記異常が判定された場合に、異常が判定されていない場合にくらべて、他の監視制御装置に対して、自装置において前記監視対象施設に設置された機器から取得される情報をより多く送信する。
【0011】
本発明の一態様は、監視対象施設の作業員において異常が発生しているか否か判定し、異常が判定された場合に、異常が判定された作業員に関する情報を、前記監視対象施設の他の作業員に対して通知する制御ステップ、を有する、監視制御方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、作業員が作業を行う施設において、より適切に施設を稼働させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】発明の監視システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
図2】端末装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図3】監視制御装置40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
図4】異常判定部453の制御に応じて監視制御装置40又は端末装置30に表示された画面の具体例を示す図である。
図5】異常判定部453の制御に応じて監視制御装置40又は端末装置30に表示された画面の具体例を示す図である。
図6】遠隔監視制御装置50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の監視システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。監視システム100は、監視対象施設90にて稼働する設備を監視するためのシステムである。監視対象施設90は、例えば焼却施設であってもよいし、製品の製造施設であってもよいし、他の施設であってもよい。監視システム100は、複数の撮像装置10、複数の音声出力装置20、複数の端末装置30、監視制御装置40及び遠隔監視制御装置50を含む。複数の撮像装置10及び複数の端末装置30は、監視制御装置40と通信可能に接続される。これらの装置は、構内ネットワーク(有線LANや無線LAN)を用いて通信可能に構成されてもよいし、インターネット等の外部ネットワークを用いて通信可能に構成されてもよい。音声出力装置20と監視制御装置40との間は、有線のメタルケーブル(信号線)などで接続されてもよいし、有線又は無線のネットワークで接続されていてもよい。監視制御装置40と遠隔監視制御装置50とは、ネットワーク60を介して通信可能に接続される。ネットワーク60は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク60は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0015】
撮像装置10は、静止画像の撮像装置であってもよいし、動画像の撮像装置であってもよい。また、撮像装置10は、マイク(音声入力装置)を備えてもよい。撮像装置10は、可動部を備えていてもよい。撮像装置10は、所定の撮像領域の画像(静止画像又は動画像)を撮像し、監視制御装置40へ画像データを送信する。撮像装置10は、マイクを備えている場合には、マイクを介して入力された音声信号を音声データに変換し、音声データをさらに監視制御装置40へ送信してもよい。
【0016】
撮像装置10は、例えば予め所定の場所に固定的に設置されている。その場合、撮像装置10は、自装置に予め付与されている識別情報とともに画像データや音声データを監視制御装置40に送信してもよい。この場合、監視制御装置40は、各撮像装置10の識別情報と設置位置とを対応付けたデータベースを有していてもよい。このように構成されることによって、監視制御装置40において、撮像装置10から受信する画像データや音声データについて、監視対象施設90のどの位置に置いて得られた画像及び音声であるか判定できる。
【0017】
撮像装置10は、例えばドローンやロボット等の自動走行可能な装置に設置されていてもよい。その場合、撮像装置10は、ドローンやロボットや自装置に備えられている位置取得装置によって得られた自装置の位置情報とともに画像データや音声データを監視制御装置40に送信してもよい。このように構成されることによっても、監視制御装置40において、撮像装置10から受信する画像データや音声データについて、監視対象施設90のどの位置に置いて得られた画像及び音声であるか判定できる。
【0018】
音声出力装置20は、固定的に設置されたスピーカーや、装着型のスピーカー(イヤフォン、ヘッドフォンなど)として構成される。音声出力装置20は、監視制御装置40の制御に応じて音声を出力する。
【0019】
端末装置30は、監視対象施設90の作業員によって携帯される端末装置である。端末装置30は、スマートフォンやタブレット等の情報処理装置であってもよいし、腕時計型などのウェアラブルな情報処理装置であってもよい。
【0020】
図2は、端末装置30の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。端末装置30は、通信部31、入力部32、出力部33、生体情報取得部34、記憶部35及び制御部36を備える。
【0021】
通信部31は、通信機器である。通信部31は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部31は、制御部36の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部31は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0022】
入力部32は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部32は、ユーザーの指示を端末装置30に入力する際にユーザーによって操作される。入力部32は、入力装置を端末装置30に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部32は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を端末装置30に入力する。入力部32は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部32はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を端末装置30に入力する。入力部32は、ユーザーの指示を端末装置30に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0023】
出力部33は、端末装置30に接続された不図示の出力装置を介し、端末装置30のユーザーに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力装置は、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置を用いて構成されてもよい。
【0024】
生体情報取得部34は、端末装置30のユーザーの生体情報を取得する。生体情報取得部34は、例えば運動量計を用いて構成されてもよいし、脈拍センサーや血圧センサーや心拍センサーや脳波センサー等の装置を用いて構成されてもよい。生体情報取得部34は、取得された生体情報を制御部36に出力する。
【0025】
記憶部35は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部35は、制御部36が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。
【0026】
制御部36は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部36は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、通知部361及び出力制御部362として機能する。なお、制御部36の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0027】
通知部361は、生体情報取得部34によって取得された生体情報の一部又は全部を監視制御装置40に通知する。
【0028】
出力制御部362は、監視制御装置40から受信された情報の一部又は全部を、出力部33を介して出力する。
【0029】
監視制御装置40は、監視対象施設90の作業員によって操作される装置である。監視制御装置40は、監視対象施設90にて稼働する設備を監視するための装置である。図3は、監視制御装置40の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。監視制御装置40は、通信部41、入力部42、出力部43、記憶部44及び制御部45を備える。
【0030】
通信部41は、通信機器である。通信部41は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部41は、制御部45の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部41は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0031】
入力部42は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部42は、ユーザーの指示を監視制御装置40に入力する際にユーザーによって操作される。入力部42は、入力装置を監視制御装置40に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部42は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を監視制御装置40に入力する。入力部42は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部42はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を監視制御装置40に入力する。入力部42は、ユーザーの指示を監視制御装置40に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0032】
出力部43は、監視制御装置40に接続された不図示の出力装置を介し、監視制御装置40のユーザーに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRTや液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力装置は、LED等の発光装置を用いて構成されてもよい。
【0033】
記憶部44は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部44は、制御部45が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部44は、各撮像装置10の識別情報と設置位置とを対応付けたデータベースを記憶してもよい。このデータベースを用いることにより、制御部45は撮像装置10から識別情報付きの画像データを受信した際に、どの撮像装置10から得られた画像データであるか判定することができる。例えば、記憶部44は、各音声出力装置20の識別情報と設置位置とを対応付けたデータベースを記憶してもよい。このデータベースを用いることにより、制御部45は任意の音声出力装置20から任意の音響情報を出力することが可能となる。例えば、記憶部44は、各作業員の識別情報と作業員の属性情報(識別情報、氏名、年齢など)とを対応付けたデータベースを記憶してもよい。識別情報は、例えば作業員によって携帯される端末装置30が有する識別情報であってもよいし、作業員を画像上で識別するための情報(例えば顔の特徴量を示す情報、各作業員の顔の画像を機械学習で学習することで得られた学習済みモデルなど)であってもよい。このデータベースを用いることにより、制御部45は、撮像装置10から得られる画像データにおいて各作業員が写っているか否か判定することができる。さらに上述した撮像装置10の位置を示すデータベースも用いることによって、各作業員を画像上で追跡することが可能となる。
【0034】
制御部45は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部45は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、監視制御部451、追跡部452及び異常判定部453として機能する。なお、制御部45の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0035】
監視制御部451は、監視対象施設90にて稼働する設備を監視するための処理(以下「監視制御処理」という。)を実行する。監視制御装置40には不図示の複数のカメラやセンサーが通信可能に接続されており、監視制御部451はカメラやセンサーによって得られた情報を収集する。監視制御部451は、カメラやセンサーによって得られた情報を閲覧するための画面(監視用画面)を生成し、出力部43を介して出力する。監視制御部451は、収集された情報に基づいて設備に異常が生じていないか判定し、出力部43を介して判定結果を出力する。異常が生じていると判定された場合には、監視制御部451は、作業員に対し異常に関する情報を出力する。例えば、監視制御部451は、異常の種別や異常が生じている場所や異常の内容を示す情報を出力してもよい。また、監視制御部451は、カメラやセンサーによって得られた情報を、ネットワーク60を介して遠隔監視制御装置50に送信する。
【0036】
追跡部452は、複数の撮像装置10から得られる対象施設90内の複数の画像に基づいて、各作業員の位置を追跡する。追跡部452は、各作業員の位置の追跡結果を記憶部44に記録する。追跡結果は、例えば位置情報と時刻情報とを含む情報であってもよい。
【0037】
異常判定部453は、監視対象施設90内の各作業員の状況について異常の発生を判定する。異常判定部453は、例えば各作業員が有している端末装置30から受信される生体情報に基づいて作業員の異常の発生を判定してもよい。異常判定部453は、撮像装置10によって得られる画像に基づいて作業員の異常の発生を判定してもよい。例えば、異常判定部453は、追跡部452の追跡結果に基づいて作業員の異常の発生を判定してもよい。
【0038】
異常判定部453は、判定された異常の種別に応じて異なる対応処理を実行してもよい。例えば、作業員において眠気が生じていることを示す異常が判定された場合には、眠気を覚ますように予め設定された処理が実行されてもよい。具体的には、異常判定部453は、その作業者の氏名を表す音声を、その作業者が有している端末装置30や、その作業者の位置の近くに設置されている音声出力装置20から出力させてもよい。このとき、異常判定部453は、眠気に応じた警報音や音声(例えば「起きろ」など)を出力してもよい。また、異常判定部453は、作業員毎に異なる警報音等の対処処理が記憶部44に定義されている場合には、その定義にしたがって異常が判定された作業員に対する処理を行ってもよい。また、異常判定部453は、作業員毎に眠気が判定された履歴を記録し、所定の条件(例えば所定時間内に判定回数が閾値を超えることなど)が満たされた場合には、満たされた条件に応じた処理を実行してもよい。例えば、異常判定部453は、眠気が判定された回数が多いほどより大きな音量で音響情報を出力してもよい。
【0039】
異常判定部453は、作業員において作業継続が困難な状況として予め定義された異常の発生が判定された場合には、その作業員を示す識別情報を監視制御装置40の出力部43に出力してもよい。このような状況の具体例として、例えば生体情報が示す値(脈拍、血圧、体温、心拍、呼吸数など)が予め定められた閾値を超えた場合や、画像において作業員が倒れている状態が検知された場合や、作業員の位置が所定の時間にわたって変化しない場合などがある。作業員の位置が所定の時間にわたって変化しないことについては、例えば追跡部452の追跡結果に基づいて判定されてもよいし、追跡部452の追跡結果で示される位置を撮像範囲にしている撮像装置10が撮像した画像において所定の時間以上にわたって作業員が画像に映らない(検出されない)ことに基づいて判定されてもよい。これらの条件は複数組み合わせて定義されてもよい。例えば、生体情報が示す値(脈拍、血圧、体温、心拍、呼吸数など)が予め定められた閾値を超えて、且つ、作業員の位置が所定の時間にわたって変化しない場合に異常が発生したと判定されてもよい。
【0040】
異常判定部453は、判定された異常を示す情報や、異常が判定された作業員の識別情報(例えば氏名など)や、異常が判定された作業員の位置を示す情報や、その位置が撮影領域に入っている撮像装置10から得られる画像データを出力部43に出力してもよい。この場合、異常判定部453は、異常の発生が判定された作業員とは異なる他の作業員の端末装置30に対して、これらの情報を送信してもよい。また、異常判定部453は、異常の発生が判定された作業員の端末装置30に対しては、作業員を覚醒させることを目的とした所定の動作を実行させるように制御を行ってもよい。例えば、異常判定部453は、異常の発生が判定された作業員の端末装置30の出力部43(スピーカー)から警報などの音響信号を出力させてもよいし、作業員の氏名を示す音声を出力させてもよい。このとき、異常判定部453は、上述した眠気の異常が判定された場合に比べて、より大きな音量で音響信号や音声を出力させてもよい。異常判定部453は、異常の発生が判定された作業員の端末装置30に備えられているバイブレーターを動作させてもよい。異常判定部453は、その作業者の氏名を表す音声や警報を示す音響信号を、異常が判定された作業者の近くに設置されている音声出力装置20から出力させてもよい。この場合も、異常判定部453は、上述した眠気の異常が判定された場合に比べて、より大きな音量で音響信号や音声を出力させてもよい。このように構成されることによって、異常が判定された作業員本人が覚醒する可能性を高めることができるとともに、探しに来た他の作業員に、異常が判定された作業員の位置を音で知らせることも可能になる。また、例えばトイレ内(特にトイレの個室内)や死角となりやすい場所に作業員が位置していたとしても、異常が発生しているか否か判定することが可能であり、万が一異常が発生していた場合にはそのことやその場所について他の作業員に正しく伝えることが可能となる。特にトイレなどの寒くなりやすい場所では、心筋梗塞等の発症も起きやすいが、このようなシステムによりその発生後に素早く作業員の救助を行うことが可能となる。
【0041】
図4及び図5は、異常判定部453の制御に応じて監視制御装置40又は端末装置30に表示された画面の具体例を示す図である。例えば、図4に示されるように、画面には監視制御装置40の地図のうち異常が判定された作業員(たかしさん)の現在位置の付近の地図を示す画像と、作業員の位置を示す画像と、作業員の識別情報(名)を示す画像と、が表示されてもよい。例えば、図5に示されるように、異常が判定された作業員の位置が撮影領域に入っている撮像装置10から得られる画像が表示されてもよい。この画像では、画面奥に作業員(たかしさん)が倒れているのが見えている。さらに、その位置を示す情報(例えば“2階北側”)が表示されてもよい。
【0042】
異常判定部453は、作業員について異常が判定されると、自装置における監視制御部451において実行される機能の一部又は全部を、遠隔監視制御装置50において一時的に実行することを依頼する信号(以下「監視代行要求信号」という。)を、遠隔監視制御装置50に送信する。遠隔監視制御装置50は、監視代行要求信号を受信すると、監視代行要求信号の送信元である監視制御装置40の作業員によって実行されている監視作業が遠隔監視制御装置50のユーザー(監視員)によって実行できるように、監視制御装置40で表示される画面の一部又は全部が遠隔監視制御装置50で出力されるように制御する。この場合、例えば監視代行要求信号が送信される前よりもより多くの情報を遠隔監視制御装置50に送信するように構成されてもよい。このように構成されることによって、異常が発生した作業員の場所へ他の作業員(本来は監視制御装置40を操作している作業員)が移動することで、監視制御装置40を正常に運用することが難しくなった場合であっても、遠隔監視制御装置50において正常な運用の代行や補助を行うことが可能となる。そのため、監視対象施設90内の作業員の数が少ない場合であっても、異常が判定された作業員の救出と監視対象施設90の正常な運用とを両立させることが可能となる。
【0043】
遠隔監視制御装置50は、監視対象施設90から離れた場所に位置する監視員によって操作される装置である。遠隔監視制御装置50は、監視対象施設90にて稼働する設備を遠隔から監視するための装置である。図6は、遠隔監視制御装置50の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。遠隔監視制御装置50は、通信部51、入力部52、出力部53、記憶部54及び制御部55を備える。
【0044】
通信部51は、通信機器である。通信部51は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部51は、制御部55の制御に応じて、ネットワーク60を介して他の装置とデータ通信する。通信部51は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0045】
入力部52は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部52は、ユーザーの指示を遠隔監視制御装置50に入力する際にユーザーによって操作される。入力部52は、入力装置を遠隔監視制御装置50に接続するためのインタフェースであっても良い。この場合、入力部52は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を遠隔監視制御装置50に入力する。入力部52は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部52はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を遠隔監視制御装置50に入力する。入力部52は、ユーザーの指示を遠隔監視制御装置50に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0046】
出力部53は、遠隔監視制御装置50に接続された不図示の出力装置を介し、遠隔監視制御装置50のユーザーに対してデータの出力を行う。出力装置は、例えば画像や文字を画面に出力する装置を用いて構成されても良い。例えば、出力装置は、CRTや液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を用いて構成できる。また、出力装置は、文字を音声に変換して出力する装置を用いて構成されても良い。この場合、出力装置は、音声合成装置及び音声出力装置(スピーカー)を用いて構成できる。出力装置は、LED等の発光装置を用いて構成されてもよい。
【0047】
記憶部54は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部54は、制御部55が動作する際に使用されるプログラムやデータを記憶する。
【0048】
制御部55は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部55は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、遠隔監視制御部551として機能する。なお、制御部55の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0049】
遠隔監視制御部551は、監視対象施設90にて稼働する設備を遠隔から監視するための処理(以下「遠隔監視制御処理」という。)を実行する。遠隔監視制御装置50には、対象施設90において設置されている不図示の複数のカメラやセンサーによって得られる情報が届く。これらの情報は、各装置から直接遠隔監視制御装置50宛に送信されてもよいし、監視制御装置40から遠隔監視制御装置50宛に送信されてもよい。遠隔監視制御部551は、カメラやセンサーによって得られた情報を閲覧するための画面(監視用画面)を生成し、出力部53を介して出力する。遠隔監視制御部551は、収集された情報に基づいて設備に異常が生じていないか判定し、出力部53を介して判定結果を出力する。異常が生じていると判定された場合には、遠隔監視制御部551は、監視員に対し異常に関する情報を出力する。例えば、遠隔監視制御部551は、異常の種別や異常が生じている場所や異常の内容を示す情報を出力してもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100…監視システム, 10…撮像装置, 20…音声出力装置, 30…端末装置, 40…監視制御装置, 50…遠隔監視制御装置, 60…ネットワーク, 90…監視対象施設, 31…通信部, 32…入力部, 33…出力部, 34…生体情報取得部, 35…記憶部, 36…制御部, 361…通知部, 362…出力制御部, 41…通信部, 42…入力部, 43…出力部, 44…記憶部, 45…制御部, 451…監視制御部, 452…追跡部, 453…異常判定部, 51…通信部, 52…入力部, 53…出力部, 54…記憶部, 55…制御部, 551…遠隔監視制御部
図1
図2
図3
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図6