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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122807
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】自律走行型ロボット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230829BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20230829BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230829BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G05D1/02 K
A47L9/28 E
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026531
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】円谷 優佑
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 則和
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚樹
【テーマコード(参考)】
2C032
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC08
2C032HC17
2C032HD23
2C032HD26
2C032HD29
3B057DA00
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】物体の位置を正確に把握し、作業の効率性を高めた自律走行型ロボットを提供する。
【解決手段】本発明のロボット掃除機100は、物体を認識する認識部101と、認識部101の認識結果に基づいて駆動部103を制御する制御部102を備えている。制御部102は、第1地点において認識部101が認識した物体が存在し得る領域と、前記第1地点とは異なる第2地点において認識部101が認識した物体が存在し得る領域とに基づいて、予め登録された地図情報を更新する。また、認識部101は、物体が存在しない領域を認識する。制御部102は、前記第1地点において物体が存在し得る領域で、且つ前記第2地点において物体が存在し得る領域は、物体が存在し得る領域として地図情報を更新する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部を制御して部屋を移動する自律走行型ロボットであって、
物体を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、第1地点において前記認識部が認識した物体が存在し得る領域と、前記第1地点とは異なる第2地点において前記認識部が認識した物体が存在し得る領域とに基づいて、予め登録された地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項2】
請求項1において、
前記認識部は、物体が存在しない領域を認識することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において物体が存在し得る領域で、且つ前記第2地点において物体が存在し得る領域は、物体が存在し得る領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項4】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において物体が存在し得る領域で、且つ前記第2地点において物体が存在しない領域は、物体が存在しない領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項5】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において物体が存在しない領域で、且つ前記第2地点において物体が存在し得る領域は、物体が存在しない領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項6】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において物体が存在しない領域で、且つ前記第2地点において物体が存在しない領域は、物体が存在しない領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項7】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において未観測領域で、且つ前記第2地点において物体が存在し得る領域は、物体が存在し得る領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項8】
請求項2において、
前記制御部は、前記第1地点において未観測領域で、且つ前記第2地点において物体が存在しない領域は、物体が存在しない領域として地図情報を更新することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項9】
請求項1において、
前記制御部は、地図情報が更新された物体が存在し得る領域を前記自律走行型ロボットが回避するように制御することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項10】
請求項3において、
前記制御部は、地図情報が更新された物体が存在し得る領域に前記自律走行型ロボットを移動させるように制御することを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項11】
請求項1において、
前記自律走行型ロボットと物体との距離を測定する測距センサ部を備えたことを特徴とする自律走行型ロボット。
【請求項12】
請求項11において、
前記制御部は、前記測距センサ部で検出された前記自律走行型ロボットと物体との距離に応じて、物体が存在し得る領域に前記自律走行型ロボットが侵入するよう制御することを特徴とする自律走行型ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行型ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行型ロボットの一例として、部屋の掃除を行うロボット掃除機がある。ロボット掃除機は、掃除の途中で障害物等によってスタックすることなく部屋全体の掃除を完了させることが望まれる。障害物等を回避して掃除を行う技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1では、カメラセンサで撮影された第1画像を分割して画像領域を得ている。また、第1画像を撮影してから所定時間経過後に第2画像を撮影し、第2画像を分割して画像領域を得ている。そして、第1画像に含まれる複数の画像領域と、第2画像に含まれる複数の画像領域とを比較し、マッチングさせることにより障害物に関する情報を得るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2020-518062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した特許文献1には、第1画像及び同方向に移動して撮影した第2画像の複数の画像から障害物に関する情報を得るようにしているが、複数の画像を取得する為の移動方法については開示されていない。このため、障害物の正確な位置を把握することができず、障害物(物体)を回避して効率良く掃除等の作業を行うことができなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決し、物体の位置を正確に把握し、作業の効率性を高めた自律走行型ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、駆動部を制御して部屋を移動する自律走行型ロボットであって、物体を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて前記駆動部を制御する制御部を備え、前記制御部は、第1地点において前記認識部が認識した物体が存在し得る領域と、前記第1地点とは異なる第2地点において前記認識部が認識した物体が存在し得る領域とに基づいて、予め登録された地図情報を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、異なる方向から物体を把握して地図情報を更新するようにしているので、物体の位置をより正確に把握でき、作業の効率性を高めた自律走行型ロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係るロボット掃除機のシステム構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る地点Aから見た障害物が存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。
図3】本発明の実施例1に係る地点Bから見た障害物が存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。
図4】本発明の実施例1に係る更新された地図情報を示す模式図である。
図5】本発明の実施例1に係る地図情報と、地点Aからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。
図6】本発明の実施例1に係る地図情報と、地点Bからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。
図7】本発明の実施例1に係るロボット掃除機の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例1に係る制御部における地図情報の更新方法を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例2に係る地点Aから見たゴミが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。
図10】本発明の実施例2に係る地点Bから見たごみが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。
図11】本発明の実施例2に係る更新された地図情報を示す模式図である。
図12】本発明の実施例3に係るゴミが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。
図13】本発明の実施例3に係る認識部の認識可能範囲を説明するための模式図である。
図14】本発明の実施例4に係るロボット掃除機のシステム構成図である。
図15】本発明の実施例4に係る地図情報と、地点Aからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
【0011】
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0012】
以下の実施例では、自律走行型ロボットの一例として、ロボット掃除機に適用した例について説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の実施例1に係るロボット掃除機のシステム構成図である。ロボット掃除機100は、周囲を認識するための認識部101と、認識部101で認識された情報に基づいて駆動部103を制御する制御部102を備えている。
【0014】
本実施例の認識部101はカメラであり、物体と物体の存在する方向を認識する。認識部101は認識した物体の方向を制御部102に送信する。また、本実施例では認識部101をカメラ(単眼カメラ)としたが、この限りでなく、超音波センサ、光学センサ、変位センサ等でも良い。カメラを単眼カメラとした場合、システムを安価に構成することができる。
【0015】
制御部102には、図示しない記憶部が備えられており、記憶部には認識部101で認識した画像データを処理するプログラム、ロボット掃除機100を走行させる駆動部103のプログラム、地図情報などが記憶される。
【0016】
一般的にロボット掃除機は、1回目、2回目の走行で部屋全体の状態を把握し、地図情報として記憶する。地図情報は、認識部101で認識した画像データを処理して作成される。また、ロボット掃除機は、例えば本体から周囲に向かって赤外線を発光し、壁等によって反射された赤外線を受光して自己位置を検出している。
【0017】
次に障害物の検知方法について説明する。図2は、本発明の実施例1に係る地点Aから見た障害物が存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。図3は、本発明の実施例1に係る地点Bから見た障害物が存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。図2及び図3では、障害物204に対し、異なる方向から認識部101で認識するようにしている。
【0018】
ロボット掃除機100は、事前走行により部屋200の地図情報を取得する。そして、ロボット掃除機100は、例えば部屋200全体を50mm×50mmの複数の領域として認識する。ロボット掃除機100が掃除を開始する前には、複数の領域は未観測領域203の地図情報として記憶されている。そして、認識部101の認識結果に応じて、制御部102が地図情報を更新して行く。図2図3において、部屋200には、障害物204(物体)の一例として電気コードが放置されている。電気コードは、ロボット掃除機の駆動輪に巻き付くと、ロボット掃除機が動作不能となる。このため、ロボット掃除機が電気コードに近付かないよう回避することが望まれる。
【0019】
図2において、ロボット掃除機100は地点A(第1地点)に位置している。認識部101は障害物204である物体を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいて障害物204が存在し得る領域201aと、障害物204が存在しない領域202aとを算出し、未観測領域203の地図情報を更新して記憶部に記憶する。制御部102は、障害物204が存在し得る領域201aに侵入しないよう駆動部103を制御して走行を行う。
【0020】
次に図3において、ロボット掃除機100は地点Aから移動し、地点Aとは異なる地点B(第2地点)に位置している。認識部101は、地点Aとは異なる方向から障害物204である物体を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいて障害物204が存在し得る領域201bと、障害物204が存在しない領域202bとを算出し、未観測領域203の地図情報を更新して記憶部に記憶する。制御部102は、障害物204が存在し得る領域201bに侵入しないよう駆動部103を制御して走行を行う。
【0021】
次に制御部102は、過去に更新された地図情報(地点A)と現在の地図情報(地点B)を比較し、地図情報を更新する。図4は、本発明の実施例1に係る更新された地図情報を示す模式図である。図4に示すように制御部102は過去の地点Aにおいて記憶した地図情報と、現在の地点Bにおいて取得した地図情報に基づいて、障害物204が存在し得る領域201と、障害物204の存在しない領域202と、未観測領域203を更新し、更新された地図情報として記憶部に記憶する。
【0022】
地図情報では、以下のように更新されて記憶される。
(1)地点Aにおいて障害物204が存在し得る領域201aで、且つ地点Bにおいて障害物204が存在し得る領域201bは、障害物204が存在し得る領域201cとして地図情報が更新される。
(2)地点Aにおいて障害物204が存在し得る領域201aで、且つ地点Bにおいて障害物204が存在しない領域202bは、障害物204が存在しない領域202として地図情報が更新される。
(3)地点Aにおいて障害物204が存在しない領域202aで、且つ地点Bにおいて障害物が存在し得る領域201bは、障害物204が存在しない領域202cとして地図情報が更新される。
(4)地点Aにおいて障害物204が存在しない領域202aで、且つ地点Bにおいて障害物204が存在しない領域202bは、障害物204が存在しない領域202cとして地図情報が更新される。
(5)地点Aにおいて未観測領域203で、且つ地点Bにおいて障害物204が存在し得る領域201bは、障害物204が存在し得る領域201cとして地図情報が更新される。
(6)地点Aにおいて未観測領域203で、且つ地点Bにおいて障害物204が存在しない領域202bは、障害物204が存在しない領域202cとして地図情報が更新される。
(7)地点Aにおいて未観測領域203で、且つ地点Bにおいて未観測領域203については地図情報を更新しない。
【0023】
実施例1では、異なる方向から検出した認識部101の情報に基づき、制御部102が上記(1)~(6)のようにして地図情報を更新し、障害物204の位置を特定する。なお、実施例1では、部屋200は50mm×50mmの複数の領域からなるとしたが、この限りでなく、他の大きさでもよい。
【0024】
次に、ロボット掃除機100の動作について説明する。図5は、本発明の実施例1に係る地図情報と、地点Aからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。図6は、本発明の実施例1に係る地図情報と、地点Bからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。図7は、本発明の実施例1に係るロボット掃除機の動作を示すフローチャートである。図8は、本発明の実施例1に係る制御部における地図情報の更新方法を示すフローチャートである。
【0025】
図7において、ロボット掃除機100の制御が開始され、ロボット掃除機100が走行を開始すると、制御部102は認識部101を動作させ、認識部101の認識結果に応じて地図情報を更新する(ステップS701)。
【0026】
次に、制御部102は、認識部101の認識結果からロボット掃除機100の前方に障害物が存在し得る領域があるか否かを判断する(ステップS702)。図5に示すように障害物204が存在し得る領域201がある場合には(ステップS702のYES)、制御部102は障害物204が存在し得る領域201を回避するようにロボット掃除機100の進む方向を変更する(ステップS703)。
【0027】
ロボット掃除機100の進む方向を変更後、制御部102は、走行終了(掃除終了)するか否か判断する(ステップS704)。走行(掃除)を終了する場合には(ステップS704のYES)、制御部102は、ロボット掃除機100を充電台へ帰還させ、制御を終了する。走行(掃除)を継続する場合には(ステップS704のNO)、制御部102は、ステップS701からの動作を繰り返す。
【0028】
ステップS702において、障害物が存在し得る領域201がない場合には(ステップS702のNO)、制御部102は、認識部101の認識結果からロボット掃除機100の前方に壁があるか否かを判断する(ステップS705)。
【0029】
ステップS705において、ロボット掃除機100の前方に壁がある場合には(ステップS705のYES)、制御部102は壁を回避するようにロボット掃除機100の進む方向を変更する(ステップS703)。
【0030】
ステップS705において、ロボット掃除機100の前方に壁がない場合には(ステップS705のNO)、制御部102はロボット掃除機100を直進させる(ステップS706)。
【0031】
制御部102はロボット掃除機100を直進させた後、ステップS704の処理を実行する。
【0032】
本実施例のロボット掃除機100は、認識部101の認識結果から制御部102が地図情報を更新する。地図情報の更新方法について図5図6図8を用いて説明する。
【0033】
ステップS701で地図情報更新が開始されると、制御部102は認識部101からの物体の情報を取得する(ステップS801)。
【0034】
図5及び図6には、ロボット掃除機100、障害物が存在し得る領域201、障害物の存在しない領域202、未観測領域203、電気コード等の障害物204、走行経路501,601が示されている。
【0035】
ロボット掃除機100が移動し、図5の地点Aに達すると、認識部101が物体として障害物204を認識する。障害物204の存在は領域毎に行う。領域とは部屋200を50mm×50mmの複数に分割した領域の1単位を意味する。
【0036】
認識部101が障害物204を認識すると、制御部102は、障害物204が存在する領域があるか否かを判断する(ステップS802)。
【0037】
ステップS802において、障害物204が存在し得る領域がある場合には(ステップS802のYES)、制御部102は、障害物204が存在し得る領域として地図情報を更新する(ステップS803)。
【0038】
地図情報を更新後、更新された領域について、過去に更新された地図情報があるか否かを判断する(ステップS804)。
【0039】
ステップ804において、障害物204が存在し得る領域ついて過去に更新された地図情報がある場合には(ステップS804のYES)、制御部102は、過去に更新された地図情報の領域が、障害物204が存在し得ると判断された領域であるか否かを判断する(ステップS805)。
【0040】
ステップS804において、障害物204が存在し得る領域ついて過去に更新された地図情報がない場合には(ステップS804のNO)、制御部102は、ステップS802からのステップを繰り返す。
【0041】
ステップ805において、障害物204が存在し得る領域ついて過去に更新された地図情報がある場合には(ステップS805のYES)、制御部102は、障害物204が存在し得る領域として地図情報を更新する(ステップS806)。
【0042】
ステップ805において、障害物204が存在し得る領域ついて過去に更新された地図情報がない場合には(ステップS805のNO)、制御部102は、障害物204が存在しない領域として地図情報を更新する(ステップS807)。
【0043】
ステップS802において、障害物204が存在し得る領域がない場合には(ステップS802のNO)、制御部102は、障害物204が存在しない領域として地図情報を更新する(ステップS807)。
【0044】
なお、ステップS802において、障害物204が存在し得る領域がない場合には、過去の地図情報の更新に関わらず、障害物204が存在しない領域として地図情報を更新する。
【0045】
以上のステップにより、制御部102はロボット掃除機100を制御し、地図情報を更新する。
【0046】
図5に示すように、ロボット掃除機100は、部屋200全体を走行して掃除を行うために、直進し、前方に壁もしくは障害物が存在し得る領域201を検知した場合に、ロボット掃除機100の幅分横に移動し、再度直進する。ロボット掃除機100は、これを繰り返し行い、走行経路501に示すように走行し、掃除を行う。
【0047】
図6に示すようにロボット掃除機100は、部屋200の角に到達すると、図5の進行方向と直交する方向に進行方向を変え、走行経路601に示すように走行し、未掃除領域の掃除を行う。ロボット掃除機100は、地点Bに到達すると、障害物204を検知し、障害物204を回避する。そして、制御部102は、障害物204を異なる複数の方向から認識し、地図情報を更新する。
【0048】
実施例1によれば、障害物204を異なる複数の方向から認識するようにしているので、障害物204の位置をより正確に特定することができ、電気コードのような障害物204を巻き込んでロボット掃除機100が動作不能となることを抑制できると共に、障害物204の近傍まで掃除を行うことができる。
【0049】
また、実施例1によれば、単眼カメラを用いて障害物を把握するようにしているので、システムを安価に構成することができる。
【0050】
図6では、図5で直進した方向と直交する方向にロボット掃除機100を進行させるようにしたが、方向はこの限りでなく、他の角度でもよい。また、実施例1において部屋全体を走行するために、直進し、前方に壁もしくは障害物が存在し得る領域201を検知した場合にロボット掃除機100の幅分横に移動させ、再度直進し、これを繰り返し行う経路を生成するとしたが、この限りでなく、他の経路生成手法でもよい。
【実施例0051】
次に本発明の実施例2について、図9乃至図11を用いて説明する。実施例1と共通する構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施例2では、ゴミ(物体)が存在する位置を検知し、その位置を重点的に掃除する手法を提供する。
【0052】
次にゴミの検知方法について説明する。図9は、本発明の実施例2に係る地点Aから見たゴミが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。図10は、本発明の実施例2に係る地点Bから見たごみが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。図9及び図10では、ゴミ904に対し、異なる方向から認識部101で認識するようにしている。
【0053】
ロボット掃除機100は、事前走行により部屋200の地図情報を取得する。そして、ロボット掃除機100は、部屋200全体を50mm×50mmの複数の領域として認識する。ロボット掃除機100が掃除を開始する前には、複数の領域は未観測領域203の地図情報として記憶されている。そして、認識部101の認識結果に応じて、制御部102が地図情報を更新して行く。図9及び図10に示すように、部屋200にはゴミ904が堆積している。
【0054】
図9において、ロボット掃除機100は地点Aに位置している。認識部101はゴミ904を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいてゴミ904が存在し得る領域901aと、ゴミ904が存在しない領域902aとを算出し、未観測領域903の地図情報を更新して記憶部に記憶する。制御部102は、ゴミ904が存在し得る領域201aに侵入しないよう駆動部103を制御して走行を行う。
【0055】
次に図10において、ロボット掃除機100は地点Aから移動し、地点Bに位置している。認識部101はゴミ904である物体を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいてゴミ904が存在し得る領域901bと、ゴミ904が存在しない領域902bとを算出し、未観測領域903の地図情報を更新して記憶部に記憶する。制御部102は、ゴミ904が存在し得る領域901bに侵入しないよう駆動部103を制御して走行を行う。
【0056】
次に制御部102は、過去に更新された地図情報(地点A)と現在の地図情報(地点B)を比較し、地図情報を更新する。図11は、本発明の実施例2に係る更新された地図情報を示す模式図である。図11に示すように制御部102は過去の地点Aにおいて記憶した地図情報と、現在の地点Bにおいて取得した地図情報に基づいて、ゴミ904が存在し得る領域901と、ゴミ904の存在しない領域902と、未観測領域903を更新し、更新された地図情報として記憶部に記憶する。
【0057】
地図情報では、以下のように更新されて記憶される。
(1)地点Aにおいてゴミ904が存在し得る領域901aで、且つ地点Bにおいてゴミ904が存在し得る領域901bは、ゴミ904が存在し得る領域901として地図情報が更新される。
(2)地点Aにおいてゴミ904が存在し得る領域901aで、且つ地点Bにおいてゴミ904が存在しない領域902bは、ゴミ904が存在しない領域902として地図情報が更新される。
(3)地点Aにおいてゴミ904が存在しない領域902aで、且つ地点Bにおいて障害物が存在し得る領域901bは、ゴミ904が存在しない領域902として地図情報が更新される。
(4)地点Aにおいてゴミ904が存在しない領域902aで、且つ地点Bにおいてゴミ904が存在しない領域902bは、ゴミ904が存在しない領域902として地図情報が更新される。
(5)地点Aにおいて未観測領域903で、且つ地点Bにおいてゴミ904が存在し得る領域901bは、ゴミ904が存在し得る領域901として地図情報が更新される。
(6)地点Aにおいて未観測領域903で、且つ地点Bにおいてゴミ904が存在しない領域902bは、ゴミ904が存在しない領域902として地図情報が更新される。
(7)地点Aにおいて未観測領域203で、且つ地点Bにおいて未観測領域903については地図情報を更新しない。
【0058】
実施例2では、異なる方向から検出した認識部101の情報に基づき、制御部102が上記(1)~(6)のようにして地図情報を更新し、ゴミ904の位置を特定する。
【0059】
そして、制御部102は、特定したゴミ904が存在し得る領域にロボット掃除機100を移動させ、その位置を重点的に掃除するよう制御する。なお、実施例2では、部屋200は50mm×50mmの複数の領域からなるとしたが、この限りでなく、他の大きさでもよい。
【0060】
ロボット掃除機100の動作、地図更新方法については実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
実施例2によれば、ゴミ904が堆積している位置をより正確に特定することができるので、その地点を重点的に掃除することができる。
【実施例0062】
次に本発明の実施例3について、図12及び図13を用いて説明する。実施例1及び2と共通する構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施例2では、異なる方向からゴミが存在する位置を検知した後、検知した位置を掃除するようにしたが、実施例3ではある位置からゴミを検知した後、掃除を行い、その後異なる方向からゴミの検知を行うようにしている。
【0063】
図12は、本発明の実施例3に係るゴミが存在し得る領域を示す地図情報の模式図である。図13は、本発明の実施例3に係る認識部の認識可能範囲を説明するための模式図である。
【0064】
ロボット掃除機100は、事前走行により部屋200の地図情報を取得する。そして、ロボット掃除機100は、部屋200全体を50mm×50mmの複数の領域として認識する。ロボット掃除機100が掃除を開始する前には、複数の領域は未観測領域203の地図情報として記憶されている。そして、認識部101の認識結果に応じて、制御部102が地図情報を更新して行く。図12に示すように、部屋200にはゴミ904が堆積している。
【0065】
図12において、ロボット掃除機100は地点Aに位置している。認識部101はゴミ904を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいてゴミ904が存在し得る領域901と、ゴミ904が存在しない領域902とを算出し、未観測領域903の地図情報を更新して記憶部に記憶する。制御部102は、ゴミ904が存在し得る領域901にロボット掃除機100が侵入するよう駆動部103を制御して走行を行う。
【0066】
制御部102は、周囲にゴミの存在し得る領域が無い場合に未観測領域903をなくすために、直進し、前方に壁を検知した場合には認識部101が物体を検知可能である幅分横に移動し、再度直進する。ロボット掃除機100は、走行経路905のように走行する。制御部102は、これを繰り返し行うよう、ロボット掃除機100を制御する。
【0067】
実施例3では、認識範囲400を広げるために以下のように構成している。図13に示すように認識部101が物体を認識できる角度をθ、物体を検知できる最大距離をlとすると、認識部101が物体を検知可能である幅Lは以下の数(1)によって求まる。幅Lを算出することにより、認識部101の認識範囲400が定まる。
【0068】
【数1】
【0069】
これにより、ロボット掃除機100は部屋200全体の領域におけるゴミの有無を認識部101で取得することが可能となり、ゴミのある箇所を優先して走行し、掃除を行うことができる。
【0070】
また、図示はしないが、ロボット掃除機100は、部屋200の角に到達すると、図12の進行方向と直交する方向に進行方向を変える。その際、地点Aとは異なる方向から再度ゴミの有無を認識部101で取得する。ゴミがある場合には、その箇所を優先して走行し、掃除を行う。
【0071】
実施例3によれば、認識部101の権利範囲を拡大し、認識部101でゴミを認識後、その認識した箇所を走行して掃除を行うので、早期に掃除を行うことができる。さらに、制御部102は、認識部101により異なる方向からゴミを認識するようにしているので、ゴミの取り残しを少なくすることができる。
【0072】
実施例3では、部屋全体を走行するために、直進し、ロボット掃除機100の幅分横に移動、再度直進、これを繰り返し行う経路を生成するとしたが、この限りでなく、他の経路生成手法でもよい。
【実施例0073】
次に本発明の実施例4について、図14及び図15を用いて説明する。実施例1乃至3と共通する構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。実施例4では、測距センサ部を用いて障害物との距離を測定している。
【0074】
図14は、本発明の実施例4に係るロボット掃除機のシステム構成図である。
図15は、本発明の実施例4に係る地図情報と、地点Aからのロボット掃除機の走行経路を示す図である。
【0075】
ロボット掃除機100は、事前走行により部屋200の地図情報を取得する。そして、ロボット掃除機100は、部屋200全体を50mm×50mmの複数の領域として認識する。ロボット掃除機100が掃除を開始する前には、複数の領域は未観測領域1503の地図情報として記憶されている。そして、認識部101の認識結果に応じて、制御部102が地図情報を更新して行く。図15に示すように、部屋200には障害物1504が存在している。
【0076】
図15において、ロボット掃除機100は地点Aに位置している。認識部101は障害物1504を認識し、認識した結果を制御部102に送信する。制御部102は、認識部101から受信した物体の方向に基づいて障害物1504が存在し得る領域1501と、障害物1504が存在しない領域1502とを算出し、未観測領域1503の地図情報を更新して記憶部に記憶する。さらに測距センサ部104が障害物1504との距離を測定し、制御部102に送信する。測距センサ部は、例えば、光学方式のLiDAR(light detection and ranging)、ミリ波センサ、超音波センサ等を用いる。
【0077】
制御部102は、測距センサ部104の検出結果により、ロボット掃除機100と障害物1504との距離が把握できるので、障害物1504が存在し得る領域1501にロボット掃除機100が侵入するよう駆動部103を制御して走行を行う。そして、障害物1504と衝突する手前でロボット掃除機100の向きを変え、衝突を回避する。
【0078】
制御部102は、周囲に障害物が存在し得る領域が無い場合に未観測領域1503をなくすために、直進し、前方に壁を検知した場合には認識部101が物体を検知可能である幅分横に移動し、再度直進する。ロボット掃除機100は、走行経路1505のように走行する。制御部102は、これを繰り返し行うよう、ロボット掃除機100を制御する。
【0079】
また、図示はしないが、ロボット掃除機100は、部屋200の角に到達すると、図15の進行方向と直交する方向に進行方向を変える。その際、地点Aとは異なる方向から再度障害物の有無を認識部101で取得する。ロボット掃除機100の進行方向に障害物1504が存在し得る領域がある場合には、制御部102は、測距センサ部104で障害物1504との距離を測定し、ロボット掃除機100を障害物1504が存在し得る領域に浸入させ、障害物1504の手前まで移動させて掃除を行うよう制御する。
【0080】
実施例4によれば、測距センサ部104で障害物1504との距離を測定しているので、障害物1504が存在し得る領域にロボット掃除機100を侵入させることができ、掃除の領域を広げることができる。
【0081】
実施例4では、部屋全体を走行するために、直進し、ロボット掃除機100の幅分横に移動、再度直進、これを繰り返し行う経路を生成するとしたが、この限りでなく、他の経路生成手法でもよい。
【0082】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
【符号の説明】
【0083】
100…ロボット掃除機、101…認識部、102…制御部、103…駆動部、104…測距センサ部、200…部屋、201,201a,201b,201c…障害物が存在し得る領域、202,202a,202b,202c…障害物が存在しない領域、203…未観測領域、204…障害物、400…認識範囲、501…走行経路、601…走行経路、901,901a,901b…ゴミが存在し得る領域、902,902a,902b…ゴミの存在しない領域、903…未観測領域、904…ゴミ、905…走行経路、1501…障害物が存在し得る領域、1502…障害物の存在しない領域、1503…未観測領域、1504…障害物、1505…走行経路
図1
図2
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図4
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図15