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特開2023-122811掃除システム、電気掃除機およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122811
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】掃除システム、電気掃除機およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A47L9/28 A
A47L9/28 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026535
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】関野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 彬夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 翔太
(72)【発明者】
【氏名】吉野 知也
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA03
3B057DE01
(57)【要約】
【課題】
トレードオフの関係である複数の制御要素を有する電気掃除機100に対して、より適切に制御を実現すること。
【解決手段】
電気掃除機100とアンケート装置200や利用者端末300を有する掃除システムにおいて、電気掃除機100は、所定の機能を実現するために運転する運転部と、第1制御値に従い、運転部を制御する制御部4を有し、第1制御値に従った運転についての質問を示すアンケート質問情報を作成するアンケート部201と、アンケート質問情報に対するアンケート回答情報に基づいて第1制御値から第2制御値に変更する制御値変更部202を有し、制御部4は、第2制御値に従って、運転部を制御する掃除システム。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機と掃除管理装置を有する掃除システムにおいて、
前記電気掃除機は、所定の機能を実現するために運転する運転部と、第1制御値に従い、前記運転部を制御する制御部を有し、
前記第1制御値に従った運転についての質問を示すアンケート質問情報を作成するアンケート部と、前記アンケート質問情報に対するアンケート回答情報に基づいて前記第1制御値から第2制御値に変更する制御値変更部を有し、
前記制御部は、前記第2制御値に従って、前記運転部を制御する掃除システム。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除システムにおいて、
前記掃除管理装置は、さらに、前記第1制御値および前記第2制御値を記憶する記憶部を有し、
前記記憶部は、前記第1制御値および前記第2制御値を、運転モードごとに記憶する掃除システム。
【請求項3】
請求項2に記載の掃除システムにおいて、
前記電気掃除機は、さらに、電力源となる蓄電池を有し、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記運転部における運転のための電流の第1閾値、第2閾値および前記蓄電池からの入力電力が含まれ、
前記第1閾値は、前記第1閾値までは前記入力電力を一定に保つよう電流を上げる制御を行うために用いられ、前記電流が第1閾値に達した場合は、前記入力電力を下げるよう制御を行うために用いられ、
前記第2閾値は、前記入力電力を下げるよう制御を行った場合、前記電流が前記第2閾値に達した場合は、当該第2閾値で略一定に保つ制御を行うために用いられ、
前記運転モードには、前記運転部の稼働状況がそれぞれ異なる強運転モードおよび標準モードが含まれる掃除システム。
【請求項4】
請求項3に記載の掃除システムにおいて、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記蓄電池に対する充電電圧が含まれる掃除システム。
【請求項5】
請求項3に記載の掃除システムにおいて、
前記制御値変更部は、前記アンケート回答情報における複数の制御要素に対する選択に応じて、前記第2制御値への変更を実行する掃除システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の掃除システムにおいて、
前記制御値変更部は、前記電気掃除機のユーザに対する通知を行ってから前記第2制御値への変更を実行する掃除システム。
【請求項7】
請求項6に記載の掃除システムにおいて、
前記掃除管理装置は、前記ユーザが利用する利用者端末もしくはサーバ装置で実現されるアンケート装置である掃除システム。
【請求項8】
所定の機能を実現するために運転する運転部と、
第1制御値に従い、前記運転部を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第1制御値に従った運転についての質問を示すアンケート質問情報に対するアンケート回答情報に基づいて前記第1制御値から変更された第2制御値に従って、前記運転部を制御する電気掃除機。
【請求項9】
請求項8に記載の電気掃除機において、
前記第1制御値および前記第2制御値は、運転モードごとに設定される電気掃除機。
【請求項10】
請求項9に記載の電気掃除機において、
さらに、電力源となる蓄電池を有し、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記運転部における運転のための電流の第1閾値、第2閾値および前記蓄電池からの入力電力が含まれ、
前記第1閾値は、前記第1閾値までは前記入力電力を一定に保つよう電流を上げる制御を行うために用いられ、前記電流が第1閾値に達した場合は、前記入力電力を下げるよう制御を行うために用いられ、
前記第2閾値は、前記入力電力を下げるよう制御を行った場合、前記電流が前記第2閾値に達した場合は、当該第2閾値で略一定に保つ制御を行うために用いられ、
前記運転モードには、前記運転部の稼働状況がそれぞれ異なる強運転モードおよび標準モードが含まれる電気掃除機。
【請求項11】
請求項10に記載の電気掃除機において、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記蓄電池に対する充電電圧が含まれる電気掃除機。
【請求項12】
請求項10に記載の電気掃除機において、
前記第2制御値への変更は、前記アンケート回答情報における複数の制御要素に対する選択に応じて実行される電気掃除機。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれかに記載の電気掃除機において、
当該電気掃除機のユーザに対する通知を行ってから前記第2制御値への変更が実行される電気掃除機。
【請求項14】
電気掃除機と接続し、当該電気掃除機のユーザが利用するコンピュータである利用者端末を、
前記電気掃除機から、第1制御値に従った運転を実行したことを示す終了通知を受け付ける通信部と、
前記第1制御値に従った運転についての質問を示すアンケート質問情報を作成するアンケート部と、
前記アンケート質問情報に対するアンケート回答情報に基づいて前記第1制御値から第2制御値に変更する制御値変更部として機能させ、
前記電気掃除機は、前記第2制御値に従って運転するプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムにおいて、
前記利用者端末は、さらに、前記第1制御値および前記第2制御値を記憶する記憶部を有し、
前記記憶部は、前記第1制御値および前記第2制御値を、運転モードごとに記憶するプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムにおいて、
前記電気掃除機は、さらに、電力源となる蓄電池を有し、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記電気掃除機の運転部における運転のための電流の第1閾値、第2閾値および前記蓄電池からの入力電力が含まれ、
前記第1閾値は、前記第1閾値までは前記入力電力を一定に保つよう電流を上げる制御を行うために用いられ、前記電流が第1閾値に達した場合は、前記入力電力を下げるよう制御を行うために用いられ、
前記第2閾値は、前記入力電力を下げるよう制御を行った場合、前記電流が前記第2閾値に達した場合は、当該第2閾値で略一定に保つ制御を行うために用いられ、
前記運転モードには、前記運転部の稼働状況がそれぞれ異なる強運転モードおよび標準モードが含まれるプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のプログラムにおいて、
前記第1制御値および前記第2制御値には、前記蓄電池に対する充電電圧が含まれるプログラム。
【請求項18】
請求項16に記載のプログラムにおいて、
前記制御値変更部は、前記アンケート回答情報における複数の制御要素に対する選択に応じて、前記第2制御値への変更を実行するプログラム。
【請求項19】
請求項14乃至18のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記制御値変更部は、前記電気掃除機のユーザに対する通知を行ってから前記第2制御値への変更を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機を含む家電機器の制御に関する。その中でも特に、互いにトレードオフ関係である制御要素を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家電機器について、ユーザからのレスポンス(フィードバック)に応じて制御する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、洗濯運転の結果に関するアンケートを送信し、アンケート結果に応じて次回以降の洗濯運転を制御する機能が備わる洗濯機が記載されている。また、特許文献2には、スマートフォン等の無線通信機器で、トレードオフの関係にある二要素(例:吸引力と運転時間)の少なくともどちらか一方を変化させる入力を受け付け、他方を演算し制御値を決め、掃除機本体と通信して、駆動を制御する機能が備わる掃除機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-45236号公報
【特許文献2】特開2020-32173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、洗濯機のため、「運転時間を短くしたい」という要望に対して、「洗い」、「すすぎ」、「脱水」の3要素が制御可能であるが、これらはトレードオフの関係とは言い難い。つまり、特許文献1では、トレードオフの関係にある制御要素に対する適切な制御が考慮されていない。
【0005】
また、特許文献2は、ユーザ自身でトレードオフの関係の2要素(例:吸引力と運転時間)を設定できるが、掃除機側からの提案がないため、その設定がユーザ及び掃除機本体にとって適切なのか知ることができないという課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、トレードオフの関係である複数の制御要素を有する家電機器に対して、より適切に制御を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明では、ユーザからのアンケート回答情報に従って、電気掃除機の運転を制御する。より具体的には、電気掃除機と掃除管理装置を有する掃除システムにおいて、前記電気掃除機は、所定の機能を実現するために運転する運転部と、第1制御値に従い、前記運転部を制御する制御部を有し、前記第1制御値に従った運転についての質問を示すアンケート質問情報を作成するアンケート部と、前記アンケート質問情報に対するアンケート回答情報に基づいて前記第1制御値から第2制御値に変更する制御値変更部を有し、前記制御部は、前記第2制御値に従って、前記運転部を制御する掃除システムである。
【0008】
また、本発明には、掃除システムの電気掃除機や掃除管理装置も含まれる。さらに、掃除管理装置には、ユーザが利用する利用者端末やサーバで実現されるアンケート装置が含まれる。さらに、利用者端末やアンケート装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムやこれを格納する記憶媒体も本発明に含まれる。なお、本発明は、電気掃除機以外の家電機器にも適用できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの好みに応じて、より適切に家電機器を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の電気掃除機をスティック状態にて充電台に収納した状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態における電気掃除機の第1使用例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態における電気掃除機の第2使用例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態における電気掃除機のシステム構成図である。
図5】本発明の一実施形態における操作スイッチの外観図である。
図6】本発明の一実施形態における電気掃除機の状態遷移図である。
図7】本発明の一実施形態における掃除システムのシステム構成図である。
図8】本発明の一実施形態におけるアンケート回答画面を示す図である。
図9】本発明の一実施形態におけるステップS25の処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態におけるステップS251で2項目選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態におけるステップS251で全項目が選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施形態におけるステップS251で「不満な項目はない」が選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の一実施形態における利用者端末のハードウエア構成図である。
図14】本発明の一実施形態の利用者端末で用いられるアンケート情報を示す図である。
図15】本発明の一実施形態の利用者端末で用いられる制御値情報を示す図である。
図16】本発明の一実施形態のアンケート装置で用いられるアンケート情報を示す図である。
図17】本発明の一実施形態のアンケート装置で用いられる制御値情報を示す図である。
図18】本発明の一実施形態で用いられるユーザ管理情報を示す図である。
図19】本発明の一実施形態における制御値の変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態では、家電機器の運転の際もしくはその後にアンケートを送信し、アンケート結果に応じてユーザの好みの運転方法に制御することを課題とする。また、本実施形態では、家電機器の運転履歴(1回あたりの運転時間、総運転時間、総運転時間に対する強モードの割合)のデータも用いて、受け取ることで、蓄電池(二次電池)の劣化を抑制する運転モードの提案をする機能を組み込むことを課題とする。以下、本実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、制御対象である家電機器の一例として、電気掃除機を例示して説明する。また、以下では、本実施形態での構成および情報について説明し、次に処理内容について説明する。
【0012】
<構成・情報>
まず、図1は、本実施形態の電気掃除機100をスティック状態にて充電台70aに収納した状態を示す斜視図である。そして、電気掃除機100は、掃除機本体1、ハンドル部12、操作スイッチ13、延長管30および標準吸口40を備えて構成されている。また、電気掃除機100は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用状態に変更して掃除を行うことができるものである。電気掃除機100が収納される充電台70aは、電気掃除機100をスティック状態で収納するものであり、ベース部材71と3つのスタンド部材72とホルダ部材73を備えて構成されている。
【0013】
また、電気掃除機100において、掃除機本体1は、ハンドル部12と操作スイッチ13を前方に向けるようにホルダ部材73の上に設置されている。また、充電台70aにおいて、ホルダ部材73には、電気掃除機100に装着されている蓄電池3を充電するためのACアダプタの出力プラグが取り付けられるようになっている。そして、電気掃除機100を充電台70aにセットすると、出力プラグが電気掃除機100の入力ジャックに接続されて、充電できるようになっている。
【0014】
更に、ホルダ部材73は延長管30が有する係合部と係合する保持部(凹部)を有する。これによって、図1に示すように、延長管30をコンパクトに収納することができる。このようにすることで充電台70a自体には電気部品を設けることなく構成することができコストを抑える事や生産性の向上を図ることができる。また、スタンド部材72の有無で電気的な接続の変化が無いため、製品の信頼性を確保することができる。
【0015】
次に、図2は、本実施形態における電気掃除機100の第1使用例を示す図である。図2に示す第1使用例は、電気掃除機100に気密保持部材90を装着したまま、延長管30および標準吸口40を接続してスティック状態にし、ユーザが電気掃除機100を前方に突き出して床面を掃除する場合を示す。この場合、ユーザは、ハンドル部12を把持しながら、電気掃除機100や標準吸口40を周期的に前後に動かして掃除を行うことができる。この標準吸口40は、不図示の電動式の回転ブラシと回転ブラシ用電動機401(図4参照)とを有する吸口体で構成される。
【0016】
また、ハンドル部12の前部には操作スイッチ13が設けられている。さらに、掃除機本体1の前下部には、ダストケース2が装着され、掃除機本体1の後下部には、蓄電池3が装着されている。ダストケース2と蓄電池3は、掃除機本体1に着脱可能である。ダストケース2と蓄電池3に挟まれるようにモータケース部11が配置され、排気口16が開口している。
【0017】
次に、図3は、本実施形態における電気掃除機100の第2使用例を示す図である。ここで、電気掃除機100をスティック状態にしたときに重心が先端側にある先行例(特開2016-137165号公報参照)では、電気掃除機100を床面より高い場所で掃除する場合、ユーザが電気掃除機100の先を上向きに持ち上げる必要があるので、手首に負担が掛かり易くなる。そこで、本使用例では、図3に示すように、電気掃除機100の重量物である標準吸口40や蓄電池3がハンドル部12に近い位置(手元に近い位置)に設けているので、電気掃除機100の重心Gが、ユーザの手元に近くなる。これにより、ユーザは、電気掃除機100をスティック状態にできる。ユーザが電気掃除機100を床面より高い場所を掃除する場合であっても、スティック状態により掃除し易くなり、使い勝手を向上できる。
【0018】
図3では、階段を掃除する場合を例に挙げて説明したが、電気掃除機100を持ち上げてエアコンの室内機のパネルなどを掃除する場合にも有効である。
【0019】
次に、図4は、本実施形態における電気掃除機100のシステム構成図である。本システム構成図では、電気掃除機100の機能、動作を実現するための機能ブロックを示す。図4において、電気掃除機100は、蓄電池3、制御部4、回転ブラシ用電動機401、電動送風機5、LED6(Light Emitting Diode)、サーミスタ7、充電基板8、DC電流検出回路9、操作スイッチ13および通信部14を含む。これら構成のうち、回転ブラシ用電動機401は、標準吸口40に設けられている。また、制御部4は、マイクロコンピュータで実現でき、そのソフトウエアに従って、電気掃除機100を統括制御するものである。また、制御部4は、かつ運転モード切替の際または/および吸口持ち上げ状態から床面接地状態に遷移してから所定時間においては、負荷電流の判定をマスクすることも可能である。
【0020】
また、回転ブラシ用電動機401は、標準吸口40(吸口体)に設けられており、吸口体の回転ブラシを回転させるモータである。回転ブラシ用電動機401には、蓄電池3の出力電圧が印加される。また、制御部4が、PWM(Pulse Width Modulation)信号を回転ブラシ用電動機401に出力して、これを駆動させる。なお、吸口電流信号は、回転ブラシ用電動機401の負荷状態を反映する負荷電流である。さらに、制御部4は、回転ブラシ用電動機401の負荷電流のデューティが異常であれば、この負荷電流のデータを判定から除外する。このように、本実施形態では、電気掃除機100は、回転ブラシ用電動機401、電動送風機5といった運転部を有する。この運転部とは、制御部4の制御により、掃除といった家電機器のために運転されるもので、他の家電機器でも有することになる。
【0021】
また、蓄電池3は、この電気掃除機100の電力源である、回転ブラシ用電動機401に出力電圧を印加する。また、制御部4は、蓄電池3に過放電防止電流を流し、蓄電池3から電源電圧信号の入力を受け付け、マイコン間通信によって蓄電池3の充電を制御する。さらに、制御部4は、蓄電池3の出力電圧の変動が所定値を超えたならば、回転ブラシ用電動機401の負荷電流の判定をマスクする。
【0022】
また、サーミスタ7は、この電気掃除機100の不図示の基板の温度を検知する。このため、制御部4は、サーミスタ7から基板温度信号の入力を受け付ける。また、充電基板8は、蓄電池3の充電を行う基板である。このため、制御部4は、充電基板8に充電管理FET駆動信号を出力し、充電器接続信号と充電終了信号と充電電圧信号の入力を受け付ける。
【0023】
また、DC電流検出回路9は、回転ブラシ用電動機401に流れる負荷電流を検出する検知部である。そして、制御部4は、モータ位相信号と直流電流1,2の入力を受け付ける。
【0024】
また、電動送風機5は、吸引力を発生するためのファンとそのモータである。そして、制御部4は、6相のPWM信号を出力して、この電動送風機5を駆動させる。
【0025】
また、LED6は、蓄電池3の充電状態を示す電池表示部131およびフィルターの目詰まりを示すフィルターお手入れ表示部132を有する。これら各表示部については、図5を用いて後述する。これら表示部での表示のために、制御部4は、LED6にON/OFF信号を出力する。また、操作スイッチ13は、この電気掃除機100を操作するためのスイッチであり、後記する図5で説明する。制御部4は、操作スイッチ13からアナログ信号の入力を受け付ける。また、通信部14は、他の装置との通信を行うための構成である。つまり、本実施形態における運転設定を、他の装置と連携して行う際に用いられる。このため、電気掃除機100単体で運転設定を実行する場合、通信部14は省略できる。なお、通信部14の機能については、図7などを用いて後述する。
【0026】
次に、図5は、本実施形態における操作スイッチ13の外観図である。図5において、操作スイッチ13は、切ボタン135、標準ボタン134、強ボタン133、フィルターお手入れ表示部132および電池表示部131とを有する。
【0027】
まず、切ボタン135は、掃除機本体1の電動送風機5および電気掃除機100の回転ブラシ用電動機401の運転を停止するスイッチである。切ボタン135が押されると、電気掃除機100は、制御部4に従って電動送風機5のおよび回転ブラシ用電動機401運転を停止する。
【0028】
また、標準ボタン134による運転の制御は、掃除機本体1が停止している場合と強運転(高速)モードの場合で異なる。まず、掃除機本体1が停止しているときに標準ボタン134が押されると、電動送風機5の標準運転(低速)モードを開始、および電気掃除機100の回転ブラシ用電動機401の運転を開始する。また、電動送風機5が強運転(高速)モードで運転しているときに標準ボタン134が押されると、電動送風機5の運転を標準運転(低速)モードに切り替える。このように、本実施形態の運転モードには、運転部における稼働状況がそれぞれ異なる複数の運転モードが含まれる。より具体的には、運転モードとして、より強力(高速)に稼働する強運転モードおよびより微力(低速)に稼働する標準モードが含まれる。
【0029】
また、強ボタン133による運転の制御は、掃除機本体1が停止している場合と標準運転(低速)モードをしている場合で異なる。掃除機本体1が停止しているときに強ボタン133が押されると、電動送風機5の強運転(高速)モードを開始、および電気掃除機100の回転ブラシ用電動機401の運転を開始する。また、電動送風機5が標準運転(低速)モードで運転しているときに強ボタン133を押されると、電動送風機5の運転を強運転(高速)モードに切り替える。
【0030】
また、フィルターお手入れ表示部132は、この電気掃除機100のフィルターが目詰まりして手入れが必要な場合に点灯する。これは、上述のLED6の一部で実現できる。また、電池表示部131は、この電気掃除機100の蓄電池3の充電が必要な場合に点灯する。これは、上述のLED6の一部LEDで実現できる。
【0031】
以上の電気掃除機100においては、アンケート結果に応じて、ユーザの好みの運転方法に制御される。これらの処理は、電気掃除機100単体で行ってもよいし、他の装置と連携して行ってもよい。以下、他の装置と連携した処理を行うための一構成例を説明する。
【0032】
図7は、本実施形態における掃除システムのシステム構成図である。この掃除システムにおける電気掃除機100は、アンケート装置200や利用者端末300と連携して、本実施形態での処理を実行する。このため、電気掃除機100は、利用者端末300やアンケート装置200と通信可能である。利用者端末300と電気掃除機100は、ルータ400やネットワーク500を介して通信してもよいし、近距離無線通信機能などを利用して接続してもよい。この通信により、利用者端末300は、電気掃除機100に対して、制御指示を送信することが可能となる。また、利用者端末300は、ネットワーク500を介して、アンケート装置200と接続される。
【0033】
以下、電気掃除機100を除く図7に示す各装置の概要について説明する。図7において、利用者端末300は、利用者により操作され、スマートフォン、タブレット、PC(Personal Computer)といった各種コンピュータで実現できる。そして、利用者端末300は、アンケート部301、制御値変更部302、通信部303、入力部304、出力部305および記憶部306を有する。なお、アンケート部301および制御値変更部302は、同様の機能をアンケート装置200に設ければ、省略可能である。また、アンケート部301および制御値変更部302のいずれか一方を設けてもよい。
【0034】
アンケート部301は、電気掃除機100の運転に対するアンケート処理を実行する。この際、アンケート部301は、電気掃除機100が運転自体もしくはその終了を条件に、当該運転についての質問を示すアンケート質問情報を作成する。このために、アンケート部301は、アンケート情報307を用いる。ここで、アンケート情報307について、説明する。図14は、本実施形態の利用者端末300で用いられるアンケート情報307を示す図である。図14において、アンケート情報307は、ユーザに対する電気掃除機100の運転、制御についてのアンケートを示す情報である。このため、アンケート情報307は、制御要素ごとに、アンケートの内容を示す質問項目およびその回答項目が記録されている。
【0035】
そこで、アンケート部301は、アンケート情報307に含まれる質問項目を抽出し、これらを含むアンケート質問情報として用いる。図14の例では、「吸引力が物足りない」「運転時間短い」「音がうるさい」「不満なし」により、アンケート質問情報が構成されることになる。なお、アンケート質問情報はこれらのうち少なくとも一部を含めばよく、他の項目を追加してもよい。
【0036】
そして、アンケート部301は、このようにして作成されたアンケート質問情報に対するユーザからのアンケート回答情報を受け付けた場合、アンケート情報の回答項目に記録する。ここで、アンケート回答情報は、回答項目の組合せで構成される。なお、本実施形態では、回答項目として質問項目が当てはまるかにより「〇」「×」が記録される。また、回答については、複数の質問項目を選択できてもよいし、1つの質問項目しか選択できない構成としてもよい。本実施形態では、複数の質問項目を選択できるものとする。
【0037】
さらに、本実施形態では、「不満」な観点での質問項目を用いるが、満足な観点での質問項目としてもよい。また、アンケート情報307は、上述のような選択式でなく、記述式での入力としてもよい。また、制御要素は、上述に限定されず、他の制御項目を追加してもよいし、一部の制御要素を省略してもよい。
【0038】
さらに、アンケート部301は、電気掃除機100の運転が終了(停止)した際に、アンケート依頼を作成し、通信部303を用いてこれをアンケート装置200に送信することが望ましい。また、アンケート部301は、アンケート装置200から受け付けたアンケート質問情報を、出力部305に表示する。そして、アンケート部301は、アンケート質問情報に対する回答に従って、アンケート回答情報を作成して、通信部303を用いて、アンケート装置200に通知する。これらのうち少なくとも一部は、アンケート装置200でアンケート質問情報を作成する場合に実行する機能であり、アンケート部201でアンケート質問情報を作成する場合には、省略できる。
【0039】
また、制御値変更部302は、アンケート回答情報に従って、制御値情報308を変更する。上述のとおり、アンケート回答情報は、アンケート情報307の各回答項目の内容である。ここで、制御値情報308について説明する。図15は、本実施形態の利用者端末300で用いられる制御値情報308を示す図である。図15において、制御値情報308は、電気掃除機100を制御するための制御値を示す情報である。より具体的には、制御値情報308は、運転モードごとの第1制御値および第2制御値を有する。そして、第1制御値は、アンケート回答情報に従って、第2制御値に変更されることになる。つまり、制御値変更部302は、アンケート回答情報に従って、第1制御値を第2制御値に変更する。このため、第2制御値に変更された場合、この第2制御値が有効な制御値として扱われる。また、第1制御値が変更されない場合、第1制御値が有効な制御値として記録されていることになる。
【0040】
また、第1制御値および第2制御値は、それぞれ制御値として、運転部の運転のための電流の第1閾値、第2閾値および蓄電池3からの入力電力を含む。そして、電流の第1閾値および第2閾値は強運転モードでの制御値である。また、入力電力が標準運転モードの制御値である。
【0041】
ここで、上述のように、第1制御値は、アンケート前に設定されたデフォルトの制御値を示す。そして、第2の制御値は、アンケート結果に応じて、つまり、アンケート回答情報に従って、変更された制御値を示す。さらに、本実施形態では、第1閾値は、第1閾値までは入力電力を一定に保つよう電流を上げる制御を行い、電流が第1閾値に達した場合は、入力電力を下げるよう制御を行うために用いられる。また、さらに、第2閾値は、入力電力を下げるよう制御を行った場合、電流が第2閾値に達した場合は、当該第2閾値で略一定に保つ制御を行うために用いられる。またさらに、入力電力は、標準運転モードになっている場合に、当該入力電力を略一定に保つために用いられる。
【0042】
なお、本実施形態の運転モードは、上述のように高速の強運転モードとより低速な標準運転モードが存在するが、これらに限定されない。また、本実施形態では、運転モードごとに、制御値を有するが、制御要素など他の項目ごとの情報としてもよい。さらに、アンケート結果に応じた制御値を複数設けてもよい。さらに、これらアンケート情報307や制御値情報308は、いわゆるオンラインストレージに記憶されていてもよい。また、アンケート情報307や制御値情報308は、後述するアンケート情報205や制御値情報206があれば、省略可能である。なお、アンケート部301や制御値変更部302を電気掃除機100に設けてもよい。この場合、アンケート情報205や制御値情報206も、電気掃除機100に記憶することが望ましい。
【0043】
また、通信部303は、ルータ400やネットワーク500を介して、他の装置と通信する機能を有する。また、通信部303は、近距離無線通信機能により、電気掃除機100と接続する機能を有してもよい。
【0044】
また、入力部304は、図4の操作スイッチ13に該当し、ユーザからの操作を受け付ける。また、出力部305は、ユーザに対する情報を出力する。さらに、記憶部306は、上述の各部での機能を実行するための情報が記憶される。例えば、記憶部306は、アンケート情報307や制御値情報308を記憶する。なお、アンケート情報307や制御値情報308は、1つの情報で構成してもよいし、個別情報で構成してもよい。これら各情報については、後述する。さらに、図7に示すように、利用者端末300は、複数台用意することも可能である。
【0045】
ここで、図13を用いて、利用者端末300の実装例について説明する。図13は、本実施形態における利用者端末300のハードウエア構成図である。図13では、利用者端末300を、スマートフォンで実現した例で説明する。図13において、利用者端末300は、タッチパネル31、処理装置32、通信装置33および記憶装置34を有する。タッチパネル31は、図7の入力部304および出力部305に該当する。このため、タッチパネル31の代わりもしくはこれに加えて、マウスやキーボードのような入力装置およびディスプレイのような出力装置を設けてもよい。
【0046】
処理装置32は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する掃除機管理プログラム35に従って演算を実行する。このため、処理装置32で行う処理は、図7のアンケート部301および制御値変更部302での処理に該当する。
【0047】
また、通信装置33は、ネットワーク500やルータ400を介して、電気掃除機100などの他の装置との通信を行う。また、通信装置33は、近距離無線通信機能を有し、これにより電気掃除機100と通信してもよい。以上のように、通信装置33は、図7の通信部303に該当する。
【0048】
記憶装置34は、掃除機管理プログラム35、アンケート情報307および制御値情報308を記憶する。このため、記憶装置34は、図7の記憶部306に該当する。また、掃除機管理プログラム35は、電気掃除機100を管理するためのプログラムであって、いわゆるアプリで実現できる。また、掃除機管理プログラム35は、アンケートモジュール36および制御値変更モジュール37を有する。なお、これらは、独立したプログラム(アプリ)として実現してもよい。さらに、掃除機管理プログラム35は、他の機能が含まれることを阻害しない、例えば、掃除機管理プログラム35を複数の家電機器を制御、管理するための統合管理プログラム(アプリ)として実現してもよい。なお、掃除機管理プログラム35や電気掃除機100で用いられるプログラムは、各記憶部などの記憶媒体に格納されることになる。
【0049】
なお、掃除機管理プログラム35の各モジュールと図7の各部の対応関係は、以下のとおりである。
アンケートモジュール36:アンケート部301
制御値変更モジュール37:制御値変更部302
以上で、利用者端末300やその情報の説明を終わり、図7の説明に戻る。図7のアンケート装置200は、サーバ等のコンピュータで実現される。なお、アンケート装置200は、一般的なコンピュータのハードウエアで実現可能であるため、その実装についての説明は省略する。
【0050】
また、アンケート装置200は、電気掃除機100の製造メーカ等で運用され、電気掃除機100やそのユーザに関する管理を行うことが可能である。このために、アンケート装置200は、アンケート部201、制御値変更部202、通信部203および記憶部204を有する。まず、通信部203は、ネットワーク500を介して他の装置と通信する。
【0051】
また、アンケート部201は、電気掃除機100の運転に対するアンケート処理を実行する。つまり、アンケート部201は、アンケート部301と同様に、アンケート質問情報の作成およびアンケート回答情報の記録を行う。但し、アンケート部201では、アンケート情報205や制御値情報206を用いる。まず、図16は、本実施形態のアンケート装置200で用いられるアンケート情報205を示す図である。アンケート情報205は、アンケート情報307と同様に、ユーザに対する電気掃除機100の運転、制御についてのアンケートを示す情報である。そして、アンケート情報205は、制御要素ごとに、アンケートの内容を示す質問項目およびその回答項目がユーザごとに記録されている。つまり、アンケート情報205は、アンケート情報307と比較して、ユーザごとに回答項目が設けられている点である。このため、アンケート部201は、アンケート部301と同様にアンケート質問情報を作成するが、アンケート回答情報を、図16に示すようにユーザごとの回答項目に記録する。
【0052】
また、制御値変更部202は、アンケート回答情報に従って、制御値情報206を変更する。つまり、制御値変更部202は、制御値変更部302と同様の処理を実行するが、その対象である制御値情報が異なる。ここで、図17は、本実施形態のアンケート装置200で用いられる制御値情報206を示す図である。
【0053】
この制御値情報206は、制御値情報308と同様に、電気掃除機100を制御するための制御値を示す情報である。より具体的には、制御値情報206は、運転モードごとの第1制御値およびユーザごとの第2制御値を有する。つまり、制御値情報206は、制御値情報308と比較して、第2の制御値がユーザごとに設けられている点で異なるが、他の項目やその内容は同様である。したがって、制御値変更部202は、アンケート回答情報に従って、概要のユーザの第2制御値を変更する。
【0054】
また、記憶部204は、アンケート情報205、制御値情報206およびユーザ管理情報207を記憶する。このため、記憶部204は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった記憶装置で実現できる。また、記憶部204は、オンラインストレージのように、アンケート装置200の外部に設けたデータベースシステムとして構成してもよい。
【0055】
以下、ユーザ管理情報207について、説明する。図18は、本実施形態で用いられるユーザ管理情報207を示す図である。ユーザ管理情報207は、電気掃除機等の家電機器のユーザを管理するための情報である。このため、ユーザ管理情報207は、ユーザごとに、保有する家電機器および制御値を有する。ここで、ユーザ管理情報207の家電機器には、電気掃除機以外の洗濯機等を含めてもよいし、電気掃除機に限定してもよい。また、制御値は、該当の家電機器で有効である制御値を示すが、この項目は省略してもよい。さらに、ユーザ管理情報207自体を省略してもよいし、ユーザ管理情報207には、ユーザの連絡先、住所等を含めてもよい。以上で、本実施形態における構成および情報についての説明を終わる。
【0056】
<処理内容>
以下、上述した構成や情報を用いた、本実施形態の処理内容について説明する。まず、図6は、本実施形態における電気掃除機100の状態遷移図である。図6では、状態遷移として、制御部4に従った運転モードの変更(遷移)が示されている。まず、停止モードM10のときに、標準ボタン134が押されると、標準運転(低速)モードM20に移行する。さらに、停止モードM10のときに、強ボタン133が押されると強運転(高速)モードM30に移行する。
【0057】
また、標準運転モードM20のときに、切ボタン135が押されると、停止モードM10に移行する。さらに、強ボタン133が押されると強運転(高速)モードM30に移行する。また、強運転モードM30のときに、切ボタン135が押されると、停止モードM10に移行する。さらに、強運転モードM30のときに、標準ボタン134が押されると標準運転(低速)モードM30に移行する。以上のように、本実施形態では、電気掃除機100に対する操作に応じて、運転モードが変更される。そして、本実施形態では、これら運転モードでの制御値が、アンケート結果に応じて変更されることになる。以下、制御値を変更する処理について説明する。
【0058】
図19は、本実施形態における制御値の変更処理を示すフローチャートである。以下で、本フローチャートに沿って、本実施形態の処理を説明するが、その処理主体は図4図7に示す各構成要素を用いて説明する。
【0059】
まず、ステップS11において、電気掃除機100は、ユーザの操作に従って起動する。より具体的には、操作スイッチ13もしくは利用者端末300の入力部304が、ユーザから起動指示を受け付け、制御部4が電動送風機5や回転ブラシ用電動機401を起動する。
【0060】
次に、ステップS12において、電気掃除機100は、ユーザの操作および有効な制御値に従って運転する。このために、制御部4が、自身もしくは利用者端末300やアンケート装置200に記憶された有効な制御値に従って、電動送風機5や回転ブラシ用電動機401などの電気掃除機100の運転を制御する。
【0061】
また、ステップS13において、制御部4は、電気掃除機100の運転が終了したかを判定する。このために、制御部4は、操作スイッチ13の切ボタン135が押されたか、もしくは利用者端末300で停止指示を受け付けたかを検知する。この結果、終了した場合は(Y)、ステップS14に遷移する。また、終了していない場合は(N)、ステップS12に遷移し、電気掃除機100の運転が継続される。
【0062】
また、ステップS14において、制御部4は、通信部14を用いて、利用者端末300へ、電気掃除機100の運転が終了したことを通知する。
【0063】
そして、ステップS31において、利用者端末300の通信部303が、ステップS14の通知を受け付ける。そして、アンケート部301が、アンケート依頼を作成する。そして、アンケート部301は、通信部303を用いて、アンケート装置200に、アンケート依頼を送信する。このアンケート依頼には、該当の電気掃除機100ないし利用者端末300のユーザを識別する情報を含むことが望ましい。
【0064】
次に、ステップS21において、アンケート装置200の通信部203が、アンケート依頼を受け付ける。そして、アンケート部201が、電気掃除機100の運転に対するアンケート処理を実行する。このために、まず、アンケート部201が、アンケート情報205を用いて、アンケート依頼に応じたアンケート質問情報を作成する。つまり、アンケート部201は、アンケート情報205の質問項目を抽出し、これらを含むアンケート質問情報を作成する。
【0065】
次に、ステップS22において、アンケート部201が通信部203を用いて、利用者端末300へ、作成されたアンケート質問情報を通知する。
【0066】
次に、ステップS32において、利用者端末300の通信部203が、通知されたアンケート質問情報を受け付ける。そして、アンケート部201は、出力部305を用いて、受け付けられたアンケート質問情報を、アンケート回答画面として出力する。そして、次に、ステップS33において、入力部304が、ユーザからアンケート質問情報に対する回答を受け付ける。
【0067】
ここで、ステップS32およびステップS33の具体例を説明する。図8は、本実施形態におけるアンケート回答画面を示す図である。このアンケート回答画面は、出力部305の一態様であるタッチパネル31に表示される。
【0068】
図8において、アンケート回答画面は、制御要素として、不満な項目を選択する表示となっている。つまり、選択肢として、「吸引力が物足りない」、「運転時間が短い」、「音がうるさい」を含む。さらに、本実施形態では、選択肢として「不満な項目はない」も表示される。そして、ユーザはこれらの選択肢に対する指定を行い、「回答」を指定する。このことで、入力部304の一態様であるタッチパネル31が、ユーザから回答を受け付けることになる。以上で、ステップS32およびステップS33の説明を終わる。
【0069】
次に、ステップS34において、アンケート部301が、ステップS33で受け付けられた回答に従って、アンケート回答情報を作成する。このアンケート回答情報は、制御要素に対する質問項目である「吸引力が物足りない」、「運転時間が短い」、「音がうるさい」に対する選択を示す。
【0070】
次に、ステップS35において、アンケート部301が通信部303を用いて、作成されたアンケート回答情報を、アンケート装置200に通知する。
【0071】
そして、ステップS23において、アンケート装置200の通信部203が、通知されたアンケート回答情報を受け付ける。また、アンケート部201が、受け付けられたアンケート回答情報を、アンケート情報205に記録する。
【0072】
次に、ステップS24において、アンケート部201が、制御値情報の変更が必要かを判定する。アンケート部201は、アンケート回答情報において「不満な項目はない」が選択されていない場合には、変更が不要(N)と判定する。この結果、本処理フローを終了する。また、「不満な項目はない」が選択されている場合には、変更が必要(Y)と判定され、ステップS25に遷移する。
【0073】
そして、ステップS25において、制御値変更部202が、アンケート結果に応じて、つまり、アンケート回答情報に従って制御値情報206を変更(更新)する。以下、このステップS25の一例について説明する。図9は、本実施形態におけるステップS25の処理の一例を示すフローチャートである。ステップS251において、制御値変更部202は、受け付けられたアンケート回答情報の選択数を判定する。この結果、制御要素として2項目が選択されている場合、図10に示す処理へ遷移する。
【0074】
また、制御要素として全項目が選択されている場合、図11に示す処理へ遷移する。さらに、制御要素として「不満な項目はない」が選択されている場合、図12に示す処理へ遷移する。またさらに、制御要素として1項目が選択された場合、ステップS252へ遷移する。このように、本実施形態では、制御値変更部202は、アンケート回答情報における複数の制御要素に対する選択に応じた、制御値情報の変更を実行する。
【0075】
ここで、図19のステップS24において、アンケート部201が制御値情報の変更が必要かを判定している。しかしながら、図9に示す処理例を実行する場合には、ステップS24はスキップすることになる。また、ステップS24を実行する場合、図9の処理フローにおいて、図12への遷移の判定を省略することになる。なお、図10図12の処理については、追って説明する。
【0076】
次に、ステップS252において、制御値変更部202は、アンケート回答情報の内容を判別する。つまり、制御値変更部202は、選択された1項目が「吸引力が物足りない」であるか、「運転時間短い・音がうるさい」であるかを判別する。この結果、「吸引力が物足りない」である場合には、ステップS253に遷移する。また、「運転時間短い・音がうるさい」である場合には、ステップS255に遷移する。
【0077】
また、ステップS253において、制御値変更部202は、通信部203を用いて、利用者端末300に、運転時間が短くなるというお知らせを通知する。この結果、利用者端末300の出力部305が、運転時間が短くなるというお知らせを出力する。
【0078】
また、ステップS254において、制御値変更部202は、各運転モードの制御、つまり、制御値情報206を変更する。具体的には、制御値変更部202は、強運転モードでは、電流の第1閾値を上げ、標準運転モードでは、入力を上げる。そして、制御値変更部202は、これら変更された第1閾値および入力電流を、第2制御値として、制御値情報206に設定する。なお、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この第2制御値を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。
【0079】
また、ステップS255において、制御値変更部202は、通信部203を用いて、吸引力が弱くなるというお知らせを通知する。この結果、利用者端末300の出力部305が、吸引力が弱くなるというお知らせを出力する。また、ステップS256において、制御値変更部202は、各運転モードの制御、つまり、制御値情報206を変更する。具体的には、制御値変更部202は、強運転モードでは、電流の第1閾値を下げ、標準運転モードでは、入力電力を下げる変更を行う。そして、制御値変更部202は、これら変更された第1閾値および入力電流を、第2制御値として、制御値情報206に設定する。なお、ステップS254と同様に、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この第2制御値を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。以上で、図9の説明を終わる。
【0080】
次に、ステップS33で、図8に示すアンケート回答画面で「吸引力が物足りない」、「運転時間が短い」、「音がうるさい」のいずれか2項目が選択された場合の処理を説明する。図10は、本実施形態におけるステップS251で2項目が選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS261において、制御値変更部202は、選択された2項目(回答パターン)が、以下のいずれであるかを判定する。
回答パターンA:「吸引力が物足りない」「運転時間短い」が選択
回答パターンB:「吸引力が物足りない」「音がうるさい」が選択
回答パターンC:「運転時間短い」「音がうるさい」が選択
この結果、回答パターンAもしくはBの場合は、ステップS262に遷移する。また、回答パターンCの場合は、ステップS267に遷移する。
【0081】
また、ステップS262において、制御値変更部202は、通信部203を用いて、利用者端末300へ、以下の(a)~(c)の選択肢を通知する。
(a)運転時間を重視する
(b)変更しない(運転時間と吸引力のバランスが良い状態)
(c)吸引力を重視する
この結果、利用者端末300の出力部305が、これら(a)~(c)を出力することになる。この際、利用者端末300の入力部304が、ユーザからこれら選択肢に対する選択を受け付ける。そして、利用者端末300の通信部303が、選択結果を、アンケート装置200に通知する。
【0082】
次に、ステップS263において、制御値変更部202は、選択結果が(a)~(c)のいずれであるかを判別する。この結果、(a)が選択されている場合、ステップS264に遷移する。また、(b)が選択されている場合、ステップS265に遷移する。さらに、(c)が選択されている場合、ステップS266に遷移する。
【0083】
また、ステップS264において、制御値変更部202は、強運転モードにおける電流の第1閾値を下げ、標準運転モードにおける入力電力を下げる変更を行う。そして、制御値変更部202は、これら変更された第1閾値や入力電力を、第2の制御値として制御値情報206に設定する。なお、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この第2制御値を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。
【0084】
また、ステップS265において、制御値変更部202は、第1制御値を維持する。つまり、制御値の変更は行われない。さらに、ステップS266において、制御値変更部202は、強運転モードにおける電流の第1閾値を上げ、標準運転モードにおける入力電力の入力を上げる変更を行う。そして、制御値変更部202は、変更された第1閾値や入力電力を、第2の制御値として制御値情報206に設定する。なお、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この第2制御値を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。
【0085】
また、ステップS267において、制御値変更部202は、通信部203を用いて、利用者端末300へ、吸引力が弱くなることを通知する。この結果、利用者端末300の出力部305により、この通知内容が出力される。ここで、出力部305は、この出力内容を受け入れるの確認画面を出力してもよい。そして、利用者端末300がユーザから受け入れることを示す入力を受け付けたことを条件に、ステップS268を実行することが望ましい。さらに、ステップS267を省略してもよい。
【0086】
そして、ステップS268において、制御値変更部202は、強運転モードにおける電流の第1閾値を下げ、標準運転モードにおける入力電力を下げる変更を行う。そして、制御値変更部202は、変更された第1閾値や入力電力制御を、第2制御値として制御値情報206に設定する。なお、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この第2制御値を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。以上で図10の説明を終わる。
【0087】
次に、ステップS33で、図8に示すアンケート回答画面で「吸引力が物足りない」、「運転時間が短い」、「音がうるさい」の各項目が選択された場合の処理を説明する。図11は、本実施形態におけるステップS251で全項目が選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートでは、制御値情報206が、図10におけるステップS261~S266を実行する。このため、これらの詳細の説明は省略する。
【0088】
次に、ステップS33で、図8に示すアンケート回答画面で「不満な項目はない」が選択された場合の処理の一例を説明する。図12は、本実施形態におけるステップS251で「不満な項目はない」が選択された場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
まず、ステップS271において、制御値情報206が、通信部203を用いて、利用者端末300に、蓄電池劣化抑制モードに切り替える提案内容を通知する。ここでは、運転時間がより短くなるとの通知も含めてもよい。この結果、利用者端末300の出力部305が、通知された提案内容を出力する。また、入力部304は、提案内容に対するユーザからの回答を受け付ける。そして、通信部303が、アンケート装置200へ回答を通知する。
【0090】
そして、アンケート装置200の制御値変更部202は、回答が提案内容の「了承」か「拒否」かを判定する。この結果、「了承」の場合は、ステップS272に遷移する。また、「拒否」の場合、ステップS273に遷移する。
【0091】
また、ステップS272において、制御値変更部202は、制御値情報206の充電上限電圧を下げる変更を行う。そして、制御値変更部202は、変更された充電上限電圧を、制御値情報206に設定する。なお、制御値変更部202は、通信部203を用いて、この充電上限電圧を、電気掃除機100や利用者端末300に送信してもよい。
【0092】
また、ステップS273において、制御値変更部202は、第1制御値を維持する。つまり、制御値の変更は行われない。以上で、図12の説明を終わるが、本処理は省略し、処理を終了してもよい。
【0093】
なお、本実施形態では、電気掃除機100の運転が終了した際に、制御値情報の変更を行っているが、運転を実行している際に変更してもよい。この場合、電気掃除機100の制御部4は、運転中に変更された制御値情報を反映した制御を実行してもよいし、次回以降の運転の際に、変更された制御値情報を用いて制御を実行してもよい。
【0094】
以上の本実施形態では、電気掃除機において、ユーザが使用後に送信されるアンケートに回答することで、吸引力や運転時間をユーザの好みに設定できる。また、アンケート結果およびこれまでの運転履歴情報に応じて掃除機側からおすすめの運転方法を提案することができる。
【0095】
また、本発明は、本実施形態に限定されず、様々な変形例も含まれる。例えば、本実施形態では、電気掃除機100、アンケート装置200および利用者端末300が連携して、アンケート処理を実行しているが、各装置単体で実行してもよいし、2つの装置で実行してもよい。特に、2つの装置として、電気掃除機100と、アンケート装置200および利用者端末300で代表される掃除管理装置のいずれか一方を用いることができる。つまり、掃除システムを電気掃除機100と管理装置で構成できる。この場合、掃除管理装置が、アンケート質問情報を作成し、アンケート回答情報に従って制御値情報を変更する。
【0096】
また、制御対象は、電気掃除機100に限定されず、他の家電機器にも適用できる。また、上述の実施形態では、ステップS253、ステップS255やステップS257において、ユーザに対するお知らせ(通知)を行ってから制御値を変更しているが、これらは省略可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 掃除機本体
2 ダストケース
3 蓄電池 (電源)
4 制御部
5 電動送風機
6 LED
7 サーミスタ
8 充電基板
9 DC電流検出回路 (検知部)
10 本体部
11 モータケース部
12 ハンドル部
13 操作スイッチ
14 通信部
100 電気掃除機
131 電池表示部
132 フィルターお手入れ表示部
133 強ボタン
134 標準ボタン
135 切ボタン
16 排気口
70a 充電台
71 ベース部材
72 スタンド部材
73 ホルダ部材
90 気密保持部材
30 延長管
40 標準吸口 (吸口体)
401 回転ブラシ用電動機
200 アンケート装置
201 アンケート部
202 制御値変更部
203 通信部
204 記憶部
205 アンケート情報
206 制御値情報
207 ユーザ管理情報
300 利用者端末
301 アンケート部
302 制御値変更部
303 通信部
304 入力部
305 出力部
306 記憶部
400 ルータ
500 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19