IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JFEスチール株式会社の特許一覧

特開2023-122862高炉用原料製造装置、および高炉用原料製造方法
<>
  • 特開-高炉用原料製造装置、および高炉用原料製造方法 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122862
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】高炉用原料製造装置、および高炉用原料製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10B 53/08 20060101AFI20230829BHJP
   C10B 47/20 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
C10B53/08
C10B47/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026615
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184859
【弁理士】
【氏名又は名称】磯村 哲朗
(74)【代理人】
【識別番号】100123386
【弁理士】
【氏名又は名称】熊坂 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196667
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘
(72)【発明者】
【氏名】横森 玲
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 成人
(72)【発明者】
【氏名】馬場 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】廣池 承一郎
【テーマコード(参考)】
4H012
【Fターム(参考)】
4H012KA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明の課題は、乾留炉炉体に流入する粉体量を低減することにより、フェロコークス等の成型コークス製造時の乾留炉内の粉体偏在を解消し、高品質かつ生産性の高い成型コークス製造方法および製造装置を提案すること。
【解決手段】炭素含有物質を乾留して成型コークスを製造するための乾留炉6と、前記炭素含有物質を外部から供給する装入シュート1とを備える高炉用原料製造装置であって、前記装入シュートが傾斜部を有し、前記装入シュートの傾斜部の下面側の少なくとも一部に篩2bを有し、前記炭素含有物質のうち前記篩を通過した小径のものを分離または回収する手段を有することを特徴とする高炉用原料製造装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素含有物質を乾留して成型コークスを製造するための乾留炉と、前記炭素含有物質を外部から供給する装入シュートとを備える高炉用原料製造装置であって、
前記装入シュートが傾斜部を有し、
前記装入シュートの傾斜部の下面側の少なくとも一部に篩を有し、
前記炭素含有物質のうち前記篩を通過した小径のものを分離または回収する手段を有することを特徴とする高炉用原料製造装置。
【請求項2】
前記装入シュートが分岐部を有し、該分岐部の一部が篩を有する傾斜部の一つであることを特徴とする請求項1に記載の高炉用原料製造装置。
【請求項3】
前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍の一部が篩を有する傾斜部の一つであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高炉用原料製造装置。
【請求項4】
前記装入シュートに設けられた篩がグリズリーであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高炉用原料製造装置。
【請求項5】
前記装入シュートの分岐部に設けられた篩がグリズリーであり、前記グリズリーを構成する棒材は炭素含有物質が装入シュート内を移動する方向に対し平行となるよう配置されていることを特徴とする請求項2に記載の高炉用原料製造装置。
【請求項6】
前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍に炭素含有物質を一時的に滞留させるためのゲートを有し、前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍に設けられた篩がグリズリーであり、前記グリズリーを構成する棒材は前記炭素含有物質が装入シュート内を移動する方向に対し直交するよう配置されていることを特徴とする請求項3に記載の高炉用原料製造装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の高炉用原料製造装置を用いて高炉用原料を製造することを特徴とする高炉用原料製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉用原料の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止の観点から、鉄鋼業界においてもCOガスの発生量低減が求められており、化石燃料使用量の削減が急務である。鉄鋼業においては、高炉内で鉄鉱石を炭素(石炭をコークス炉で乾留して製造したコークス)で還元することにより溶銑を製造しているが、コークス原単位低減のため、成型コークス、特にフェロコークスを高炉用原料として用いる技術の開発が行われている。フェロコークスは、石炭に鉄鉱石を一定量混合して塊成化した後、乾留処理を施すことでコークス中に微細な金属鉄粒子を分散させたものであり、分散した金属鉄の触媒作用によりコークスの反応性を高めるものである。
【0003】
フェロコークスの乾留方法としては竪型の乾留炉を用いるものが提案されており、たとえば特許文献1には、上部に乾留ゾーン、下部に冷却ゾーンを有する竪型乾留炉を用いたフェロコークス製造方法が開示されている。この方法は、炭素含有物質と鉄含有物質からなる成型物を成型物装入装置(以下、装入シュートという。)を用いて乾留炉に装入する装入工程と、乾留ゾーンにおいて加熱ガスを吹き込むことで成型物を乾留しフェロコークスを製造する乾留工程と、冷却ガス吹き込みによりフェロコークスを冷却する冷却工程と、乾留炉炉頂部の排出口から炉内ガスを排出する炉内ガス排出工程と、冷却ゾーン下部からフェロコークスを排出するフェロコークス排出工程を有する。乾留工程では、乾留ゾーン中間部分の低温ガス吹き込み羽口から低温ガスを、乾留ゾーン下部の高温ガス吹き込み羽口から高温ガスをそれぞれ炉内に吹き込むことで成型物を加熱する。また、冷却工程では冷却ゾーン下部の冷却ガス吹き込み羽口から冷却ガスを吹き込むことでフェロコークスの冷却を行う。ここで、フェロコークス生産量を増加させるためには乾留炉の容積を大きくする必要があるが、加熱ガスおよび冷却ガスを乾留炉内中央部まで浸透させるには乾留炉の奥行方向(成型物装入方向の水平成分に平行)の内寸を一定以下に抑える必要がある。よって、乾留炉は奥行方向に比べて炉幅方向(乾留炉横断面において奥行方向と直交)が長い形状となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-57970号公報
【特許文献2】特開2011-162271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように奥行方向に対し炉幅方向が長い構造を有する竪型乾留炉では、炉幅方向に成型物装入口を複数列配置した場合でも、均一な装入分布を得ることは困難である。特に、成型物と装入シュート壁面、もしくは成型物同士が衝突することで生成した粉体は乾留炉の炉体内部で偏析しやすく、装入口近傍に密集する傾向にある。これは、装入物中の粉体の大部分が成型物の間をすり抜けて沈降することで、乾留炉の炉体到達までに装入物が成型物層(上層)と粉体層(下層)の2層に分離するためである。仮に1tの成型物を装入シュートに供給した場合、乾留炉内に突入する際の装入物厚みは最大で150mm程度になり、上層の成型物粒子は装入口から離れた位置まで飛来しやすい一方で、下層の粉体は装入口近傍に落下しやすい。成型物はその安息角に応じた山を形成するため比較的均一な分布となるが、粉体は成型物間に潜り込むことで位置が固定されるため、粉体が一点に集中して落下した場合には著しい偏析が発生する。粉体偏析がもたらす問題としては、炉内のガス流れが不均一となり成型物の乾留に影響を与えることが挙げられる。
【0006】
材料の均一装入方法としては、特許文献2に搬送路の幅方向中央部から出口側へ向かって放射状に下る傾斜面を有する分散誘導部を設けることで材料を放射状に分散させる方法が開示されているが、この技術は炉幅方向の分散改善に特化したものである。分散誘導部の有無は粉体の飛距離に影響せず、分散誘導部設置によって装入口側の粉体偏析を解消することはできない。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、乾留炉の炉体に流入する粉体量を低減することにより、フェロコークス等の成型コークス製造時の乾留炉内の粉体の偏在を解消し、高品質かつ生産性の高い成型コークス製造方法および製造装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]炭素含有物質を乾留して成型コークスを製造するための乾留炉と、前記炭素含有物質を外部から供給する装入シュートとを備える高炉用原料製造装置であって、
前記装入シュートが傾斜部を有し、
前記装入シュートの傾斜部の下面側の少なくとも一部に篩を有し、
前記炭素含有物質のうち前記篩を通過した小径のものを分離または回収する手段を有することを特徴とする高炉用原料製造装置。
[2]前記装入シュートが分岐部を有し、該分岐部の一部が篩を有する傾斜部の一つであることを特徴とする[1]に記載の高炉用原料製造装置。
[3]前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍の一部が篩を有する傾斜部の一つであることを特徴とする[1]または[2]に記載の高炉用原料製造装置。
[4]前記装入シュートに設けられた篩がグリズリーであることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の高炉用原料製造装置。
[5] 前記装入シュートの分岐部に設けられた篩がグリズリーであり、前記グリズリーを構成する棒材は炭素含有物質が装入シュート内を移動する方向に対し平行となるよう配置されていることを特徴とする[2]に記載の高炉用原料製造装置。
[6]前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍に炭素含有物質を一時的に滞留させるためのゲートを有し、前記装入シュートの前記乾留炉との接続部近傍に設けられた篩がグリズリーであり、前記グリズリーを構成する棒材は前記炭素含有物質が装入シュート内を移動する方向に対し直交するよう配置されていることを特徴とする[3]に記載の高炉用原料製造装置。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の高炉用原料製造装置を用いて高炉用原料を製造することを特徴とする高炉用原料製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高炉装入用の成型コークスの品質が改善されるとともに生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る設備の(a)正面図および(b)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
高炉用原料である成型コークスの一種のフェロコークスの製造工程を例に、以下に本発明の一実施形態を説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための高炉用原料製造装置や高炉用原料製造方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
図1は本発明におけるフェロコークス製造装置である乾留炉および装入シュートの正面図および側面図である。乾留炉は原料の装入方向である奥行方向に比べて炉幅方向(乾留炉横断面において奥行方向と直交)が長い形状であり、以下は炉幅方向を横に見た側を正面とする。まず、装入シュート1にフェロコークスの原料となる炭素含有物質(石炭等)と鉄含有物質(鉄鉱石等)から成る成型物が外部から供給される。成型物供給時、装入シュートの乾留炉との接続部近傍に設けられたゲート5は閉鎖された状態であり、ゲート5上流側に1バッチ分の成型物が堆積する。続いて、ゲート5を開にし、装入シュートより低い位置に設置された乾留炉の炉体6の内部に成型物が装入されるが、この時、成型物は炉幅方向の分散を促進する拡散部4を通過して乾留炉内に落下する。なお、拡散部は装入シュートより炉幅方向の長さが大きい構造である。
【0013】
本発明では、乾留炉における粉体偏在を解消するため、装入シュートの傾斜部の一部に篩を設け、傾斜部に沿って装入物が通過する際に装入物のうち小径のもの(以下、小径の粉体および粉体ともいう。)のみを分離し篩の下部に回収する手段を有する。ここで、装入物のうち小径の粉体とは、粒径が成型物平均粒径の3分の2以下の粒子のことをいう。前述の通り、装入シュート内を移動する間に装入物中の粉体が成型物の隙間を通って沈降するため、また、粉体は装入シュート入口側だけでなく装入シュート出口近傍でも生成するため、粉体回収率を高めるには篩を設置する傾斜部は装入シュートの乾留炉との接続部近傍の一部であることが望ましい。具体的には、装入シュートの乾留炉との接続部近傍のゲート5の上流部の下面側2bが好ましく、ゲート5と篩の距離は0.5m以下であることが好ましい。また、装入シュートが途中で二又以上に分岐する場合には、分岐部の下面側2aも篩設置箇所として好ましい。前述の通り、装入物中の粉体は成型物の隙間を通って沈降するが、沈降の度合いは装入物量(装入物層の厚み)に左右される。装入物量が多い(層が厚い)程、元々上層にあった粉体粒子が最下層に到達するまでに移動する距離が長くなるので沈降しづらいといえる。よって、篩で粉体を効率良く分離回収するにあたって重要なことは、篩上を通過する装入物の供給速度を抑え、できるだけ多くの粉体を最下層まで沈降させることである。分岐部はある程度の長さをもつ傾斜面であり、装入物が滞留することなく小流量で連続的もしくは断続的に通過するため、好適である。また、篩にグリズリータイプのものを採用することは、目詰まりを抑制しつつ効率的に粉体を回収することが可能であるため好ましい。ここで、グリズリータイプの篩とは、一方向に棒材が並んでいる形状の篩のことを指す。なお、回収された粉体7は再度成型後、再び装入シュートに供給してもよい。
【0014】
グリズリーを構成する棒材は、分岐部の下面側2aでは装入物が傾斜部に沿って移動する方向と平行に、装入シュート出口ゲートの上流部の下面側2bでは装入物が傾斜部に沿って移動する方向に直交するように配置することが望ましい。前述の通り、装入シュート出口に近いゲート上流部の下面側にあるグリズリー上に一時的に装入物を滞留させるため、装入シュート内を通過する間に成型物の隙間を通って沈降した装入物中の粉体を回収できる。次いで、ゲート5を開にした後は短時間に多量の装入物粒子がグリズリー上を通過することになる。ゲート5を開にした直後は、グリズリーの棒材間(孔)に成型物が詰まった状態のため粉体回収率が低く、グリズリー上に滞留していた成型物が乾留炉の炉体6内に流れ落ち、グリズリー上に存在する粒子数が減るにつれ、粉体回収率が上昇する。ここで、グリズリーを構成する棒材が装入物の流れ方向に対し平行に配置されている場合、ゲートを開にした直後は滞留していた成型物が孔に沿って孔を塞ぎながら滑り落ちるため、グリズリーはそのほぼ全域が閉塞した状態となり、粉体回収率は一時的に0%まで低下する。一方で、装入物の流れ方向と直交するよう棒材を配置した場合には、グリズリー上を流れ落ちる成型物はグリズリーの孔に沿って移動することはできず、孔への落下運動と、棒材が形成する段差を乗り越える運動とを繰り返して進行することとなる。すなわち、成型物は振動しているような軌道を描き、成型物とグリズリー間に隙間が生まれる。よって、ゲート5を開にした直後も粉体を回収することが可能となり、最終的な粉体回収率が大幅に上昇する。なお、装入物の流れ方向に対し直交するように棒材を配置した場合、乾留炉への装入完了後もグリズリー上に成型物が残留するが、この残留分は粉体回収率に悪影響を与えるものではない。装入シュート出口近傍のグリズリーは前述の通り短時間で多量の装入物粒子が通過するため、装入物粒子同士の相互干渉が強く、グリズリー上に残留した成型物は新たに供給された装入物粒子によってその大部分が押し流される。
【0015】
一方で、装入シュート分岐部にグリズリーを設置した場合は装入された成型物は振り分けダンパー3により適宜落下する経路が振り分けられ、装入物が滞留することなく滑り落ちる。この場合、装入物の粒子同士の相互干渉が弱いため、一度グリズリー上に停滞した成型物を押し流すのは容易ではない。また、成型物が孔に沿って滑り落ちる場合でもグリズリー全域を閉塞することはなく、加えて棒材を装入物の流れ方向に直交させた場合には装入物の一部が棒材側面に衝突して飛び上がる、すなわちグリズリーと装入物の接触時間が短くなることで数%程度ではあるが粉体回収率が低下するため、装入物が滞留しない分岐部ではグリズリーを装入物の流れ方向に対し直交させる利点はない。
【0016】
上記の装置および方法により、乾留炉の炉体に流入する粉体量を低減することができる。これにより、成型コークス製造時の乾留炉内の粉体の偏在を解消することができ、炉体内での通気性が向上する。すなわち、粉体偏在箇所への乾留ガス供給不足による乾留不良が発生しづらくなるため乾留物の品質が安定する他、炉下部の冷却ガス供給不足により乾留物が高温のまま排出され、乾留物から出火して火災になるといった操業に影響を与えかねないトラブルを未然に防ぎ、品質と生産性の高い成型コークスの製造装置および製造方法が実現できる。
【実施例0017】
図1のフェロコークス製造装置を模擬した試験用装置を用い、成型物および粉体を装入した際の粉体回収率を調査した。装入量は250kg、初期粉率は重量割合で8%である。ここで、篩目20mmの篩上(直径20mm以上)を成型物、篩下(直径20mm未満)を粉体としている。グリズリー直下および装入シュート出側に回収ボックスをそれぞれ設置し、各回収ボックス中の粉体重量を測定した。全回収ボックスの粉体重量を合計した値に対し、各グリズリー直下の回収ボックス中の粉体重量が占める割合を求め、「粉体回収率」とした。なお、成型物径が約30mmであることを考慮し、グリズリーの棒材間隔(棒材端面間の距離)は25mmとした。また、棒材は直方体であり、装入物の流れ方向に平行な面の幅は10mmとした。
[実施例1]
装入シュート分岐部におけるグリズリー設置効果を調査した。結果を表1に示す。なお、グリズリーを設置したのは分岐部のみであり、装入シュート出口近傍(ゲート上流側)はグリズリーを設置していない。表1より、グリズリーを構成する棒材を装入物が傾斜部に沿って移動する方向(流れ方向)に対して平行になるように配置することで、目詰まりを発生させることなく粉体の約半量を回収することが可能である。
【0018】
【表1】
【0019】
[実施例2]
装入シュート出口近傍(ゲート上流側)におけるグリズリー設置効果を調査した。結果を表2に示す。なお、グリズリーを設置したのは装入シュート出口近傍のみであり、分岐部はグリズリーを設置していない。表2より、グリズリーを構成する棒材を装入物が傾斜部に沿って移動する方向(流れ方向)に対して直交するように配置することで、粉体の約7割を回収することが可能である。また、グリズリー上への成型物残留が確認されるものの、繰り返し装入を行っても粉体回収率の低下が見られないことから、グリズリー上に残留した成型物は粉体回収率に悪影響を与えないことがわかる。
【0020】
【表2】
【符号の説明】
【0021】
1:装入シュート
2a:分岐部の下面側の篩(グリズリー)
2b:装入シュート出口近傍の下面側の篩(グリズリー)
3:振り分けダンパー
4:拡散部
5:ゲート
6:乾留炉の炉体
7:回収された粉体
図1