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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122864
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/26 20060101AFI20230829BHJP
   E06B 1/32 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
E06B3/26
E06B1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026617
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 琢二
(72)【発明者】
【氏名】高木 翔平
(72)【発明者】
【氏名】松村 心互
【テーマコード(参考)】
2E011
2E014
【Fターム(参考)】
2E011CA06
2E011CB01
2E011CC05
2E014AA02
2E014BA00
2E014BA08
2E014BD03
2E014BD04
(57)【要約】
【課題】製造性及び止水性に優れた複合枠材を用いた建具を提供する。
【解決手段】見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、前記金属枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ金属係合片を有し、前記樹脂枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ樹脂係合片を有し、屋外側の前記金属係合片と屋外側の前記樹脂係合片、及び、屋内側の前記金属係合片と屋内側の前記樹脂係合片がいずれも、見込み方向において互いに当接した状態で係合して、前記金属枠材と前記樹脂枠材とが接合されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、
前記金属枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ金属係合片を有し、
前記樹脂枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ樹脂係合片を有し、
屋外側の前記金属係合片と屋外側の前記樹脂係合片、及び、屋内側の前記金属係合片と屋内側の前記樹脂係合片がいずれも、見込み方向において互いに当接した状態で係合して、前記金属枠材と前記樹脂枠材とが接合されていることを特徴とする建具。
【請求項2】
見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、
前記金属枠材は、金属係合片と、前記金属係合片と見込み方向に間隔を空けて対面する対面片を有し、
前記樹脂枠材は、前記金属係合片と前記対面片との間に位置して前記金属係合片と係合する樹脂係合片と有し、
前記対面片は、屈曲されて前記樹脂係合片を前記金属係合片とともに挟持していることを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建具であって、
前記金属枠材は、障子が開閉自在に支持される見込み面を有する見込み壁部を有し、
前記樹脂枠材は、前記見込み壁部よりも前記枠体の内周側に張り出して前記障子の戸当たり部をなす張出部を有し、
前記金属係合片及び前記樹脂係合片は、前記見込み壁部よりも前記枠体の外周側に設けられており、
前記金属枠材は、前記張出部の屋外側に、当該張出部に沿って前記枠体の内周側に突出する突出片を有することを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材を用いた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルミ押出形材によって形成された金属製枠材と、樹脂押出形材によって形成された樹脂製枠材とが組み合わされた複合枠材を上枠、下枠及び左右の縦枠に用いた建具は知られている(例えば、特許文献1参照)。この建具が備える複合枠材は、樹脂製枠材の見付け片部がネジにより金属製枠材の樹脂枠取付片部に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―1470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の建具の上枠、下枠及び左右の縦枠に用いられる複合枠材が、樹脂製枠材と金属製枠材とがネジ止めされて形成されているので、各複合枠材を各々ネジ止めしなければならず製造が煩雑であり、コストが嵩む。複合枠材の製造を容易にすべく、例えば、樹脂製枠材を金属製枠材に係合して取り付けることは可能である。しかし、樹脂製枠材を金属製枠材に単純に係合する構成とすると、樹脂製枠材と金属製枠材との係合部に生じる隙間から雨水などが浸入する虞があるという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造性及び止水性に優れた複合枠材を用いた建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための主たる発明は、見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、前記金属枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ金属係合片を有し、前記樹脂枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ樹脂係合片を有し、屋外側の前記金属係合片と屋外側の前記樹脂係合片、及び、屋内側の前記金属係合片と屋内側の前記樹脂係合片がいずれも、見込み方向において互いに当接した状態で係合して、前記金属枠材と前記樹脂枠材とが接合されていることを特徴とする建具である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、製造性及び止水性に優れた複合枠材を用いた建具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る建具の横断面図である。
図2】縦枠を構成する金属枠材及び樹脂枠材を示す図である。
図3図1におけるA部の拡大図である。
図4図3におけるB部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る建具について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る建具1の一例として、図1に示すように、建物の躯体に固定され開口1bを形成する枠体2と、枠体2にヒンジ1aを介して開閉自在に取り付けられている障子としての扉3を有する建具1を例に挙げて説明する。
【0010】
本実施形態の建具1は、図1に示すように、扉3が、枠体2を構成する左側の縦枠20にヒンジ1aを介して開閉自在に取り付けられている。以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態の建具1を、屋内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、屋内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、見込み方向において、扉3が開く際に移動する側を屋外側、反対側であって、戸当たりが設けられている側を屋内側とし、また、枠体2の内側となる開口1b側を内周側、枠体2において開口1bとは反対の外側を外周側として説明する。
【0011】
縦枠20は、見込み方向における屋外側に配置される金属製の金属枠材21と、見込み方向における屋内側に配置される合成樹脂製の樹脂枠材22とが係合されて接合された複合枠材である。また、金属枠材21及び樹脂枠材22は、いずれも上下方向(長手方向)を押し出し方向とする押し出し形材である。
【0012】
金属枠材21は、断面が見込み方向に長いほぼ矩形状をなし上下方向に貫通する金属枠中空部21aを有している。金属枠材21は、金属枠中空部21aを形成し、枠体2が形成する開口1b側となる内周側にて見込み面を形成する内周側見込み壁部21bと、内周側見込み壁部21bと左右方向に間隔を空け外周側にて対向する外周側見込み壁部21cと、内周側見込み壁部21bの屋外側の端と外周側見込み壁部21cとを繋ぎ見付け面を形成する屋外見付け面部21dと、内周側見込み壁部21bの屋内側の端と外周側見込み壁部21cとを繋ぎ見付け面を形成する屋内見付け面部21eと、外周側見込み壁部21cから外周側に突出し躯体にビス止めされる固定片21fとを有している。
【0013】
内周側見込み壁部21bは、屋外側の屋外側部位21gと屋内側の屋内側部位21hとを有しており、屋内側部位21hが屋外側部位21gよりも外周側に位置して段差が設けられている。内周側見込み壁部21bの屋外側部位21gには、扉3がヒンジ1aを介して開閉自在に取り付けられている。ここで、内周側見込み壁部21bが、障子が開閉自在に支持される見込み壁部に相当し、開口1bに臨む屋外側見込み面21i及び屋内側見込み面21jが、障子が開閉自在に支持される見込み壁部が有する見込み面に相当する。
【0014】
屋内見付け面部21eは、屋内側部位21hの屋内側の端から外周側に延出されており、延出された外周側の端が外周側見込み壁部21cと繋がる端部に屋外側に窪む凹部21kが設けられている。
【0015】
屋内見付け面部21eの内周側の端の近傍には、屋内側に延出されて、延出された端が内周側に延出され、樹脂枠材22と係合する第1金属係合片21lが設けられている。また、屋内見付け面部21eの内周側には、屋内側部位21hよりも内周側に突出する突出片21mが、屋内見付け面部21eに沿って延出されて設けられている。
【0016】
突出片21mは、その先端が、屋外側部位21gの開口1bに臨む屋外側見込み面21iと、屋内側部位21hの開口1bに臨む屋内側見込み面21jの段差分だけ突出している。
【0017】
外周側見込み壁部21cは、屋外見付け面部21dよりも屋外側に、また、屋内見付け面部21eよりも屋内側にそれぞれ延出されている。
外周側見込み壁部21cの屋内側の端には、内周側に延出された屋内側延出片21nが設けられており、屋内側延出片21nの屋外側に、樹脂枠材22と係合する第2金属係合片21oが設けられている。第2金属係合片21oは、屋内側延出片21nの屋外側にて僅かに間隔を空けて対面するように設けられている。
【0018】
第2金属係合片21oの内周側の端には、屋内側に突出するフック片21pが設けられている。ここで、第1金属係合片21lが、金属枠材21において、屋外側に設けられた金属係合片に相当し、第2金属係合片21oが、金属枠材21において、屋内側に設けられた樹脂係合片に相当する。また、屋内側延出片21nが、金属係合片(第2金属係合片21o)と見込み方向に間隔を空けて対面する対面片に相当する。
【0019】
樹脂枠材22は、断面が左右方向に長いほぼ矩形状をなし上下方向に貫通する樹脂枠中空部22aを有している。樹脂枠材22は、樹脂枠中空部22aを形成し、枠体2の外周側にて見込み面を形成する樹脂見込み壁部22bと、樹脂枠中空部22aの屋外側に設けられるシール材4が嵌合されるシール材嵌合部22cと、シール材嵌合部22cと見付面22mで繋がって外周側に延出され、第1金属係合片21lと係合される第1樹脂係合片22dと、を有している。
【0020】
樹脂見込み壁部22bは、屋内側に延出されて躯体にビス止めされる樹脂固定片22eを有している。樹脂固定片22eには、樹脂枠中空部22aを形成し、屋内側に臨む屋内壁部22fより屋内側に、外周側に突出して第2金属係合片21mと係合される第2樹脂係合片22gが設けられている。
【0021】
第2樹脂係合片22gは、先端側となる外周側に、内周側の部位よりも屋外側に位置して見付け面を形成する先端見付け面部22hを有している。ここで、第1樹脂係合片22dが、樹脂枠材22において、屋外側に設けられた樹脂係合片に相当し、第2樹脂係合片22gが、樹脂枠材22において、屋内側に設けられた樹脂係合片に相当する。
樹脂見込み壁部22bの屋外側の端は、外周側に延出され、延出された端が屋外側に延出された樹脂延出片22iを有している。
【0022】
縦枠20は、図3に示すように、樹脂枠材22の第1樹脂係合片22dが金属枠材21の第1金属係合片21lと係合し、樹脂枠材22の第2樹脂係合片22gが金属枠材21の第2金属係合片21oと係合することにより、樹脂枠材22と金属枠材21とが接合されている。金属枠材21と接合された樹脂枠材22は、屋外側部位21g及び屋内側部位21hの開口1bに臨む屋外側見込み面21i及び屋内側見込み面21jよりも内周側に張り出しており、張り出している張出部22lの屋外側にシール材4が設けられ、張出部22lがシール材4と共に扉3の戸当たり部をなしている。
【0023】
樹脂枠材22と金属枠材21とが接合された状態で、屋外側において第1樹脂係合片22dの屋内側の面22jが、第1金属係合片21lの屋外側の面21qに当接して係合し、屋内側において、第2樹脂係合片22gの屋外側の面22kが、第2金属係合片21oの屋内側の面21rに当接して係合して、金属枠材21と樹脂枠材22とが接合されている。また、樹脂枠材22の樹脂延出片22iは、金属枠材21の外周側見込み壁部21cに当接しており、その先端が凹部21kに挿入され、第2樹脂係合片22gの先端見付け面部22hが金属枠材21のフック片21pの外周側に配置されることにより、金属枠材21と樹脂枠材22との左右方向における相対移動が規制される。
【0024】
また、樹脂枠材22と金属枠材21とが接合された状態では、金属枠材21の突出片21mが、張出部22lにおける屋外側の見付け面22mと対面し、張出部22lに嵌合されているシール材4側に突出している。
【0025】
本実施形態の建具1によれば、建具1の枠体2に用いられている複合枠材でなる縦枠20は、第1金属係合片21lと第1樹脂係合片22dとが係合され、第2金属係合片21oと第2樹脂係合片22gとが係合されて接合されているので、ビスなどにより接合する場合よりも、簡単に製造することが可能であり、製造時間が短縮されるのでコストを抑えることが可能である。
【0026】
また、金属枠材21及び樹脂枠材22は、見込み方向における屋外側では、第1樹脂係合片22dの屋内側の面22jが、第1金属係合片21lの屋外側の面21qに当接し、屋内側では、第2樹脂係合片22gの屋外側の面22kが、第2金属係合片21oの屋内側の面21rに当接している。すなわち、第1及び第2金属係合片21l、21oを第1及び第2樹脂係合片22d、22gで挟持している。このため、見込み方向における屋外側と屋内側とにおいて、いずれも第1樹脂係合片22dと第1金属係合片21lとの間、及び、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oとの間に隙間が生じないので、第1樹脂係合片22dと第1金属係合片21l、及び、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oが係合している部位から雨水等は浸入し難い。このため、製造性及び止水性に優れた縦枠20を用いた建具1を提供することが可能となる。
【0027】
また、金属枠材21は、樹脂枠材22において金属枠材21の内周側見込み壁部21bより内周側に張り出す張出部22lの屋外側に、張出部22lに沿って枠体2の内周側に突出する突出片21mを有しているので、扉3と金属枠材21との間から進入する雨水等は突出片21mに妨げられ、張出部22lに直接進入し難い。また、突出片21mは、第1及び第2金属係合片21l、21oと第1及び第2樹脂係合片22d、22gの内周側に設けられている内周側見込み壁部21bよりも更に内周側の張出部22lに沿って設けられているので、雨水等が扉3と金属枠材21との間から進入したとしても、張出部22lと突出片21mとの間を通って第1及び第2金属係合片21l、21oと第1及び第2樹脂係合片22d、22g側に浸入することが抑制される。このためより止水性に優れた建具1を提供することが可能となる。
【0028】
上記実施形態においては、第1樹脂係合片22dと第1金属係合片21l、及び、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oが見込み方向に当接しつつ係合している例について説明したが、例えば、図4に示すように、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oが係合し、更に金属枠材21が有する屋内側延出片21nをかしめるなどして、第2金属係合片21o側に屈曲させることにより、第2樹脂係合片22gを第2金属係合片21oと屋内側延出片21nにより挟持する構成としてもよい。この場合には、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oとがより確実に当接されて隙間が生じないので、より止水性に優れた建具1を提供することが可能となる。
【0029】
また、この場合には、温度変化により樹脂枠材22が伸縮したとしても、第2樹脂係合片22gを第2金属係合片21oと屋内側延出片21nにより挟持された状態が維持されるので、第2樹脂係合片22gと第2金属係合片21oとの間に隙間が生じることを防止することが可能となる。
【0030】
上記実施形態においては、左側の縦枠20を例に挙げて説明したが、右側の縦枠20も同様である。
また、上記実施形態においては、第1及び第2金属係合片21l、21oを第1及び第2樹脂係合片22d、22gで挟持している例について説明したが、これに限らず、第1及び第2樹脂係合片を第1及び第2金属係合片で挟持する構成であっても構わない。
【0031】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
【0032】
見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、前記金属枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ金属係合片を有し、前記樹脂枠材は、見込み方向における屋外側と屋内側とにそれぞれ樹脂係合片を有し、屋外側の前記金属係合片と屋外側の前記樹脂係合片、及び、屋内側の前記金属係合片と屋内側の前記樹脂係合片がいずれも、見込み方向において互いに当接した状態で係合して、前記金属枠材と前記樹脂枠材とが接合されていることを特徴とする建具である。
【0033】
このような建具によれば、建具の枠体に用いられている複合枠材は、金属係合片と樹脂係合片とが係合されて接合されているので、ビスなどにより接合する場合よりも、簡単に製造することが可能であり、製造時間が短縮されるのでコストを抑えることが可能である。
【0034】
また、金属枠材及び樹脂枠材は、屋外側の金属係合片と屋外側の樹脂係合片が見込み方向において互いに当接した状態で係合し、屋内側の金属係合片と屋内側の樹脂係合片が見込み方向において互いに当接した状態で係合している。このため、金属枠材と樹脂枠材とを接合している屋外側と屋内側の係合部分は、いずれも当接して隙間が生じないので、樹脂係合片と金属係合片とが係合している部位から雨水等は浸入し難い。このため、製造性及び止水性に優れた複合枠材を用いた建具を提供することが可能となる。
【0035】
また、見込み方向に隣接する金属製の金属枠材と合成樹脂製の樹脂枠材とを有する複合枠材が枠組みされた枠体を有する建具であって、前記金属枠材は、金属係合片と、前記金属係合片と見込み方向に間隔を空けて対面する対面片を有し、前記樹脂枠材は、前記金属係合片と前記対面片との間に位置して前記金属係合片と係合する樹脂係合片と有し、前記対面片は、屈曲されて前記樹脂係合片を前記金属係合片とともに挟持していることを特徴とする建具である。
【0036】
このような建具によれば、建具の枠体に用いられている複合枠材は、金属係合片と樹脂係合片とが係合され、屈曲された対面片が樹脂係合片を金属係合片とともに挟持して接合されているので、ビスなどにより接合する場合よりも、簡単に製造することが可能となる。
【0037】
また、金属係合片と対面片との間に位置して係合する樹脂係合片は、屈曲された対面片と金属係合片とで挟持されているので、樹脂係合片と金属係合片とをより確実に当接させることが可能となる。また、温度変化により樹脂枠材が変形したとしても、樹脂係合片と金属係合片とが当接した状態が維持される。このため、より止水性に優れた建具を提供することが可能となる。
【0038】
かかる建具であって、前記金属枠材は、障子が開閉自在に支持される見込み面を有する見込み壁部を有し、前記樹脂枠材は、前記見込み壁部よりも前記枠体の内周側に張り出して前記障子の戸当たり部をなす張出部を有し、前記金属係合片及び前記樹脂係合片は、前記見込み壁部よりも前記枠体の外周側に設けられており、前記金属枠材は、前記張出部の屋外側に、当該張出部に沿って前記枠体の内周側に突出する突出片を有することを特徴とする。
【0039】
このような建具によれば、金属枠材は、金属枠材の見込み壁部より枠体の内周側に張り出す張出部の屋外側に、張出部に沿って枠体の内周側に突出する突出片を有しているので、障子と金属枠材との間から進入する雨水等は突出片に妨げられ、張出部に直接進入し難い。また、突出片は、金属係合片及び樹脂係合片の内周側に設けられている見込み壁部よりも更に内周側の張出部に沿って設けられているので、雨水等が障子と金属枠材との間から進入したとしても、張出部と突出片との間を通って金属係合片及び樹脂係合片側に浸入することが抑制される。このためより止水性に優れた建具を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1 建具、2 枠体、3 扉、4 シール材、20 縦枠、
21 金属枠材、21b 内周側見込み壁部、21i 屋外側見込み面、
21j 屋内側見込み面、21l 第1金属係合片、21m 突出片、
21n 屋内側延出片、21o 第2樹脂係合片、22 樹脂枠材、
22d 第1樹脂係合片、22g 第2樹脂係合片、
図1
図2
図3
図4