(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122876
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】分注システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20230829BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G01N35/10 G
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026634
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 友希男
【テーマコード(参考)】
2G058
3C707
【Fターム(参考)】
2G058CC02
2G058EA02
2G058ED36
2G058GC02
2G058GC05
3C707AS09
3C707BS10
3C707KS31
3C707KV08
3C707KX07
(57)【要約】
【課題】チップに対するチップ取付部の押し込み量が不十分であることに起因して、チップを適切に取り付けられなくなることを抑制することが可能な分注システムを提供する。
【解決手段】
検査システム200は、ロボットアーム41と、ロボットアーム41に取り付けられるとともに、チップ230が取り付けられるチップ取付部61を含む第2ハンド60と、チップ取付部61にチップ230が取り付けられているか否かを検知する検知部64と、制御部140と、を備える。制御部140は、検知部64によりチップ230が取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込ませる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられるとともに、チップが取り付けられるチップ取付部を含む分注ハンドと、
前記チップ取付部に前記チップが取り付けられているか否かを検知する検知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検知部により前記チップが取り付けられていることが検知されるまで、前記ロボットアームを制御してチップ載置部に載置された前記チップに前記チップ取付部を押し込ませる、分注システム。
【請求項2】
前記分注ハンドは、
前記チップ取付部が配置される本体部と、
前記本体部を直線移動させるとともに保持する保持部と、をさらに含み、
前記検知部は、前記本体部が前記保持部に対して所定の位置に移動したことを検知し、
前記制御部は、前記検知部により前記本体部が前記所定の位置に移動したことが検知されることにより、前記チップ取付部に前記チップが取り付けられていると判定する、請求項1に記載の分注システム。
【請求項3】
前記保持部は、エアシリンダを含み、
前記検知部は、前記エアシリンダのピストンが前記所定の位置に移動したことを検知するオートスイッチを含む、請求項2に記載の分注システム。
【請求項4】
前記ロボットアームは、垂直多関節ロボットアームを含み、
前記制御部は、前記垂直多関節ロボットアームの姿勢に関わらず、前記検知部により前記本体部が前記所定の位置に移動したことが検知されるまで、前記垂直多関節ロボットアームを制御して前記チップ載置部に載置された前記チップに前記チップ取付部を押し込ませる、請求項2または請求項3に記載の分注システム。
【請求項5】
前記検知部は、
前記チップ載置部に載置された前記チップに前記チップ取付部を押し込む際に、前記本体部が前記所定の位置に移動したことを検知することに加えて、
検体の吸引のために前記チップが検体容器内に侵入され、前記チップが前記検体容器内の異物に接触した場合に、前記本体部が前記保持部に対して前記所定の位置に移動したことを検知する、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の分注システム。
【請求項6】
前記分注ハンドには、前記チップ取付部と、前記本体部と、前記保持部と、の組が複数組配置されており、
前記制御部は、複数の前記検知部の各々により前記チップが適切に取り付けられていることが検知されるまで、前記ロボットアームを制御して前記チップ載置部に載置された複数の前記チップの各々に前記複数のチップ取付部を押し込ませる、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の分注システム。
【請求項7】
前記分注ハンドに取り付けられる前記チップは、検体容器内の検体の吸引と、吸引した検体の吐出とを行う、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の分注システム。
【請求項8】
前記制御部は、採取された検体に対して測定を行う前の処理である前処理を前記ロボットアームに行わせる、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の分注システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分注システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分注システムが知られている。たとえば、特許文献1には、先端にピペットチップが取り付けられる分注装置が開示されている。特許文献1では、分注装置は、ロボットに取り付けられている。ロボットは、分注装置を、ピペットチップが保持されたチップラックまで移動させる。そして、ロボットは、分注装置の先端にピペットチップが取り付けられるように分注装置を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される分注装置のように、ロボットによって分注装置にピペットチップを取り付ける際、ピペットチップに対する分注装置のチップを取り付ける部分の押し込み量が不十分になることに起因して、ピペットチップを適切に分注装置に取り付けられない場合があるという問題点がある。
【0005】
本開示は、チップに対するチップ取付部の押し込み量が不十分であることに起因して、チップを適切に取り付けられなくなることを抑制することが可能な分注システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の局面による分注システムは、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられるとともに、チップが取り付けられるチップ取付部を含む分注ハンドと、チップ取付部にチップが取り付けられているか否かを検知する検知部と、制御部と、を備え、制御部は、検知部によりチップが取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアームを制御してチップ載置部に載置されたチップにチップ取付部を押し込ませる。
【0007】
この開示の一の局面による分注システムは、上記のように、制御部は、検知部によりチップが取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアームを制御してチップ載置部に載置されたチップにチップ取付部を押し込ませる。これにより、検知部によりチップが取り付けられていることが検知されるまで、チップ取付部がチップに押し込まれるので、チップ取付部のチップに対する押し込み量が不十分になることを抑制できる。その結果、チップに対するチップ取付部の押し込み量が不十分であることに起因して、チップを適切に取り付けられなくなることを抑制できる。
【0008】
本開示の技術によれば、チップに対するチップ取付部の押し込み量が不十分であることに起因して、チップを適切に取り付けられなくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態による検査システムの構成を示す平面図である。
【
図2】一実施形態による開栓分注ユニットの構成を示す平面図である。
【
図3】一実施形態による検体供給部の構成を示す斜視図である。
【
図4】
図3の400-400線に沿った断面図である。
【
図5】一実施形態による第1ハンドの構成を示す斜視図である。
【
図6】一実施形態による第1ハンドおよびセンサの構成を示す概念図である。
【
図7】一実施形態による第2ハンドの構成を示す斜視図である。
【
図8】一実施形態による検査システムの分注本体部を示す図である。
【
図9】一実施形態による試薬供給部の構成を示す斜視図である。
【
図10】検体容器内でスワブとチップとが接触し、スワブが折れた状態を示す図である。
【
図12】一実施形態による検査システムの検査手順の前半を示すフロー図である。
【
図13】一実施形態による検査システムの検査手順の後半を示すフロー図である。
【
図14】一実施形態による検査システムのチップの取り付け手順を示すフロー図である。
【
図15】一実施形態による検査システムの検体の吸引および分注の手順を示すフロー図である。
【
図16】チップが検体容器内に侵入する状態を示す図である。
【
図17】チップがスワブに接触した状態を示す図である。
【
図18】チップがスワブに接触した後に水平移動した状態を示す図である。
【
図19】検体を採取するためにチップが下降する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1から
図19までを参照して、本実施形態による検査システム200の構成について説明する。なお、本願明細書において、上下方向をZ方向とする。上方側をZ1側とし、下方側をZ2側とする。Z方向に直交する方向をX方向とする。X方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とする。Z方向およびX方向に直交する方向をY方向とする。Y方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側とする。検査システム200は、分注システムの一例である。
【0011】
図1に示すように、検査システム200は、開栓分注ユニット1と、核酸抽出ユニット2と、試薬調整ユニット3と、PCR測定ユニット4と、全体制御盤5と、を備えている。開栓分注ユニット1では、検体に対して測定を行うための前処理が行われる。核酸抽出ユニット2では、検体の前処理として、検体から核酸の抽出が行われる。試薬調整ユニット3では、試薬の調整が行われる。PCR測定ユニット4では、RT-PCR検査により検体中に感染性ウイルスが含まれているかを測定する処理が行われる。全体制御盤5には、制御盤や配電盤が配置されている。
【0012】
(開栓分注ユニット)
開栓分注ユニット1の具体的な構成について説明する。
図2に示すように、開栓分注ユニット1は、検体供給部10、DWP供給部20、および、チップ供給部30を備える。DWPとは、ディープウェルプレートを意味する。また、開栓分注ユニット1は、ロボット40、第1ハンド50、センサ51、第2ハンド60、および、検知部64を備えている。また、開栓分注ユニット1は、検体キャッパー部70、バーコードリーダ71、分注作業台80、試薬供給部90、チップ置台100、PC/NC置台110、および、チップ廃棄部120を備える。PCおよびNCは、それぞれ、ポジティブコントロ―ル、および、ネガティブコントロールを意味する。また、開栓分注ユニット1は、受渡台130を備えている。また、開栓分注ユニット1は、制御部140を備えている。第2ハンド60は、分注ハンドの一例である。チップ置台100は、チップ載置部の一例である。
【0013】
図3に示すように、検体供給部10は、トレイ11と、搬送部15とを含む。トレイ11には、ユーザにより検体容器210が配置される。トレイ11は、ユーザにより、搬送部15に載置される。トレイ11は、搬送部15に着脱可能である。トレイ11および搬送部15は、たとえば、2つずつ配置されている。
【0014】
図4に示すように、トレイ11は、第1板部12と、第2板部13とを含む。第1板部12は、複数の検体容器210の各々が挿入される複数の第1孔部12aが配置されている。第2板部13は、第1板部12と上下方向に離間した状態で配置されている。第2板部13は、複数の検体容器210の各々が挿入される複数の第2孔部13aが配置されている。検体容器210は、第1孔部12aと第2孔部13aとに挿入される。第1孔部12aは、Z方向から見て、円形状を有する。第1孔部12aは、千鳥格子状に配置されている。第1孔部12aは、貫通孔である。第2孔部13aは、Z方向から見て、円形状を有する。第2孔部13aは、千鳥格子状に配置されている。第2孔部13aは、凹形状を有する。第2孔部13aの直上に第1孔部12aが配置される。第1板部12と第2板部13とは、柱部14により接続されている。
【0015】
第1孔部12aの上部の開口の縁部12bおよび第2孔部13aの上部の開口の縁部13bは、面取りされている。すなわち、第1孔部12aおよび第2孔部13aの半径は、Z1方向側に向かって徐々に大きくなる。
【0016】
図3に示すように、トレイ11は、把持部12cを含む。把持部12cは、ユーザによって把持される。把持部12cは、第1板部12のX方向の両端部に配置されている。把持部12cは、長孔状の貫通孔である。
【0017】
図2に示すように、搬送部15は、複数の検体容器210が配置されたトレイ11をユーザが搬送部15に配置する位置P1と、ロボット40との間において、トレイ11を往復移動させる。位置P1は、開栓分注ユニット1のX2方向側の端部に位置している。
図3に示すように、搬送部15は、トレイ11を直線移動させる直動アクチュエータ15aと、センサ15bとを含む。直動アクチュエータ15aには、トレイ11が載置される。直動アクチュエータ15aは、トレイ11を、位置P1とロボット40との間において直線移動させる。搬送部15は、直動アクチュエータ15a上におけるトレイ11の位置を検出する。センサ15bは、トレイ11の有無を検知する。トレイ11および搬送部15は、たとえば、2つずつ配置されている。
【0018】
図2に示すように、DWP供給部20は、搬送部21を含む。搬送部21は、ユーザがDWP220を搬送部21に配置する位置P2と、ロボット40との間において、DWP220を往復移動させる。位置P2は、開栓分注ユニット1のX2方向側の端部に位置している。搬送部21は、直動アクチュエータ22と、センサ23とを含む。直動アクチュエータ22は、トレイ24に載置されたDWP220を直線移動させる。搬送部21は、搬送部21上におけるDWP220の位置を検出する。センサ23は、DWP220の有無およびDWP220の高さを検知する。トレイ24および搬送部21は、たとえば、2つずつ配置されている。
【0019】
チップ供給部30は、搬送部31を含む。搬送部31は、ユーザがチップ230を搬送部31に配置する位置P3と、ロボット40との間において、チップ230を往復移動させる。位置P3は、開栓分注ユニット1のX1方向側の端部に位置している。搬送部31は、直動アクチュエータ32と、センサ33とを含む。直動アクチュエータ32は、トレイ34に載置された複数のチップ230を直線移動させる。搬送部31は、搬送部31上におけるチップ230の位置を検出する。センサ33は、チップ230の有無を検知する。トレイ34および搬送部31は、たとえば、2つずつ配置されている。
【0020】
図2に示すように、ロボット40は、開栓分注ユニット1内に配置されている。ロボット40は、ロボットアーム41を含む。ロボットアーム41は、たとえば、垂直多関節ロボットアームである。
【0021】
図5に示すように、第1ハンド50は、ロボットアーム41の先端に取り付けられる。
図6に示すように、本実施形態では、検体容器210は、円筒形状を有する。検体容器210は、検体が収容される本体部211と蓋部212とを含む。第1ハンド50は、トレイ11に配置されている検体容器210の本体部211を把持する。具体的には、第1ハンド50は、チャック52を含む。チャック52によって、検体容器210の本体部211が把持される。
【0022】
センサ51は、第1ハンド50に配置されている。センサ51は、トレイ11に検体容器210が配置されているか否かを検知する。センサ51は、Z1方向側から検体容器210の有無を検出する。ロボット40は、検体供給部10のトレイ11に検体容器210が配置されていることが検知されたことに基づいて、第1ハンド50によりトレイ11に配置された検体容器210を把持するとともに、把持した検体容器210を検体キャッパー部70に搬送する。また、ロボット40は、分注処理が行われた後の検体容器210を第1ハンド50により把持する。また、センサ51によってトレイ11上の異物の有無が確認される。そして、ロボット40は、センサ51によってトレイ11上に異物が無いことが確認された後、分注処理が行われた後の検体容器210をトレイ11に返却する。
【0023】
図7に示すように、本実施形態では、第2ハンド60は、ロボットアーム41の先端に取り付けられる。第2ハンド60は、検体容器210内の検体を吸引および吐出するチップ230と、チップ230からの検体が吐出されるDWP220とのうちの少なくとも一方を保持する。具体的には、第2ハンド60は、チップ230とDWP220との両方を保持する。
【0024】
本実施形態では、
図7に示すように、第2ハンド60には、チップ取付部61が複数配置されている。チップ取付部61にはエアシリンダが配置されており、エアシリンダの吸引力によって、チップ取付部61にチップ230が取り付けられる。また、第2ハンド60は、DWP220を把持するチャック62を含む。
【0025】
図8に示すように、第2ハンド60は、分注本体部65と、移動機構部66とを含む。チップ取付部61は、分注本体部65に取り付けられている。移動機構部66は、分注本体部65をZ方向に沿って直線移動させるとともに分注本体部65を保持している。移動機構部66は、たとえば、エアシリンダ66aである。分注本体部65は、重力によって、移動機構部66の下端に位置している。第2ハンド60には、チップ取付部61と、分注本体部65と、移動機構部66と、の組が複数組配置されている。第2ハンド60には、チップ取付部61と、分注本体部65と、移動機構部66と、の組は、たとえば、4組配置されている。すなわち、1つの第2ハンド60には、4つのチップ230が取り付けられる。分注本体部65は、本体部の一例である。移動機構部66は、保持部の一例である。
【0026】
本実施形態では、検知部64は、第2ハンド60に配置されている。検知部64は、チップ取付部61にチップ230が適切に取り付けられているか否かを検知する。また、検知部64は、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したことを検知する。検知部64は、たとえば、オートスイッチである。オートスイッチは、磁気を検出することにより位置を検出するセンサである。移動機構部66は、ピストン66bを有するエアシリンダ66aを含む。オートスイッチは、移動機構部66のエアシリンダ66aのピストン66bが所定の位置Pに移動したことを検知する。スワブ213は、異物の一例である。
【0027】
本実施形態では、検知部64は、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動したことを検知する。具体的には、検知部64は、チップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込む際に、分注本体部65が所定の位置Pに移動したことを検知する。たとえば、分注本体部65に磁石が取り付けられている。ロボットアーム41によって第2ハンド60が下降される。これにより、分注本体部65が下降して、チップ取付部61がチップ置台100に載置されたチップ230に押し込まれる。これにより、チップ取付部61がチップ230に接触する。このため、分注本体部65の下降が停止される一方、移動機構部66は、第2ハンド60とともに下降を続ける。これにより、分注本体部65が移動機構部66に対して相対的にZ1方向側に移動する。そして、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動した際に、分注本体部65の磁石の磁気が検知部64に検知される。所定の位置Pは、分注本体部65の磁石の磁気を検知部64が検知可能な位置である。
【0028】
本実施形態では、検知部64は、検体の吸引のためにチップ230が検体容器210内に侵入され、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した場合に、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動したことを検知する。たとえば、ロボットアーム41によって第2ハンド60が下降される。これにより、分注本体部65が下降して、チップ230が検体容器210内に配置されているスワブ213に接触したとする。このため、分注本体部65の下降が停止される一方、移動機構部66は、第2ハンド60とともに下降を続ける。これにより、分注本体部65が移動機構部66に対して相対的にZ1方向側に移動する。そして、分注本体部65の磁石の磁気が検知部64に検知されることにより、検知部64は、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したことを検知する。
【0029】
第1ハンド50および第2ハンド60は、ロボットアーム41に対して着脱可能である。
図5に示すように、第1ハンド50には、自動工具交換装置53が配置されている。
図7に示すように、第2ハンド60には、自動工具交換装置63が配置されている。自動工具交換装置53によって、第1ハンド50がロボットアーム41に自動的に取り付けられる。自動工具交換装置63によって、第2ハンド60がロボットアーム41に自動的に取り付けられる。ロボットアーム41は、第1ハンド50および第2ハンド60に対して共通に配置されている。
【0030】
図2に示すように、検体キャッパー部70は、ロボット40により搬送された検体容器210の蓋部212の開栓および閉栓を行う。バーコードリーダ71は、ロボット40により搬送された検体容器210に貼付されたバーコードを読み取る。検体キャッパー部70には、検体容器210の有無を検知するセンサ70aが配置されている。
【0031】
分注作業台80は、DWP220に対する分注量を測定する。分注作業台80には、DWP220に貼付されたバーコードを読み取るバーコードリーダ81が配置されている。分注作業台80には、DWP220の有無を検知するセンサ82が配置されている。
【0032】
図9に示すように、試薬供給部90は、可溶化液供給部91、磁性粒子供給部92、および、ProK供給部93を含む。ユーザは、可溶化液供給部91に可溶化液が収容されたリザーバを供給する。ユーザは、磁性粒子供給部92に磁性粒子入りのDWP220を供給する。ユーザは、ProK供給部93にProK入りのDWP220を供給する。可溶化液供給部91には、リザーバの有無を検出するためのセンサ91aが配置されている。磁性粒子供給部92には、磁性粒子入りのDWP220の有無を検出するためのセンサ92aが配置されている。ProK供給部93には、ProK入りのDWP220の有無を検出するためのセンサ93aが配置されている。
【0033】
図9に示すように、チップ置台100には、チップ供給部30によって搬送されたチップ230が、ロボット40により載置される。なお、チップ230は、アダプタに複数のチップ230が載置された状態で搬送される。チップ置台100には、チップ230の有無を検知するセンサ101が配置されている。
【0034】
図9に示すように、PC/NC置台110には、検査精度確認用のポジティブコントロ―ルおよびネガティブコントロールが各々収容される複数の容器112が配置されている。PC/NC置台110には、容器112の有無を検知するセンサ111が配置されている。
【0035】
図2に示すように、チップ廃棄部120には、使用済みのチップ230が廃棄される。チップ廃棄部120には、使用済みのチップ230が満杯になっているか否かを検知するセンサ121が配置されている。
【0036】
制御部140は、開栓分注ユニット1に配置されている機器を制御する。
【0037】
図10に示すように、検体容器210内には、被検者から検体を採取するためのスワブ213が収容されている。スワブ213は、唾液などの検体がしみ込まされている綿棒である。
図11に示すように、スワブ213には、切断しやすいように予め形成されたブレイクポイント213aが配置されている。作業者は、ブレイクポイント213aでスワブ213を切断した状態で、検体容器210内に挿入する。しかしながら、
図10に示すように、作業者がブレイクポイント213a以外の箇所でスワブ213を切断した際、ブレイクポイント213aが残った状態のスワブ213が検体容器210に挿入される場合がある。この場合、検体容器210内に侵入するチップ230の先端とスワブ213とが接触した後、チップ230の位置を変更せず検体容器210内へのチップ230の侵入が継続されると、スワブ213の切断点においてスワブ213が折れて、折れたスワブ213が飛び散る場合がある。このため、検体容器210内の検体が跳ね出てしまう。
【0038】
(検査システムの検査手順)
検査システム200の検査手順について説明する。本実施形態では、制御部140は、採取された検体に対して測定を行う前の処理である前処理をロボットアーム41に行わせる。なお、以下のステップS1は、ユーザによって行われる手順である。その他のステップは、制御部140によって制御されている。
【0039】
図12に示すように、ステップS1において、ユーザは、検体容器210を検体供給部10に配置する。ユーザは、DWP220をDWP供給部20に配置する。ユーザは、チップ230をチップ供給部30に配置する。ユーザは、試薬供給部90に、可溶化液、磁性粒子およびProKを供給する。
【0040】
ステップS2において、ロボット40は、第2ハンド60を装着する。
【0041】
ステップS3において、検体供給部10は、検体容器210をロボット40の近傍まで搬送する。DWP供給部20は、DWP220をロボット40の近傍まで搬送する。チップ供給部30は、チップ230をロボット40の近傍まで搬送する。
【0042】
ステップS4において、本実施形態では、ロボット40は、第2ハンド60によりDWP220を把持するとともに、把持したDWP220を分注作業台80に搬送する。センサ82は、DWP220の有無を検知する。バーコードリーダ81は、DWP220に貼付されたバーコードを読み取る。
【0043】
ステップS5aにおいて、ロボット40は、チップ置台100に配置されたチップ230を第2ハンド60に取り付ける。本実施形態では、制御部140は、検知部64によりチップ230が取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込ませる。具体的には、
図14に示すステップS31において、制御部140は、ロボットアーム41によって第2ハンド60を下降させる。これにより、分注本体部65が下降して、チップ取付部61がチップ置台100に載置されたチップ230に押し込まれる。チップ取付部61がチップ230に接触し、分注本体部65の下降が停止される一方、移動機構部66は、第2ハンド60とともに下降を続ける。そして、ステップS32において、制御部140は、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されたか否かを判定する。ステップS32において、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、ステップS31とステップS32とが繰り返される。すなわち、制御部140は、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されることにより、チップ取付部61にチップ230が取り付けられていると判定する。すなわち、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されることに基づき、チップ取付部61にチップ230が適切に取り付けられたと判定される。また、チップ取付部61にチップ230が適切に取り付けられたとは、チップ230に対するチップ取付部61の押し込み量が十分であることを意味する。
【0044】
また、本実施形態では、制御部140は、ロボットアーム41の姿勢に関わらず、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込ませる。ここで、ロボットアーム41の姿勢によって、チップ取付部61をチップ230に押し込むためのロボットアーム41の力が異なる。たとえば、ロボットアーム41の関節の開き角度が大きく、ロボットアーム41の姿勢が直線に近い場合、チップ取付部61をチップ230に押し込むためのロボットアーム41の力が弱くなる。このため、チップ230に対するチップ取付部61の押し込み量が不十分になる場合がある。そこで、ロボットアーム41の姿勢に関わらず、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、チップ取付部61をチップ230に押し込むことにより、チップ230に対して、チップ取付部61の押し込み量が十分になる。
【0045】
また、本実施形態では、制御部140は、複数の検知部64の各々によりチップ230が適切に取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置された複数のチップ230の各々に複数のチップ取付部61を押し込ませる。つまり、制御部140は、ロボットアーム41を制御して、複数の検知部64の全てが、チップ230が適切に取り付けられていることを検知するまで、複数のチップ230の各々に複数のチップ取付部61を押し込ませる。
【0046】
図12に示すように、ステップS5bにおいて、ロボット40は、チップ230により可溶化液供給部91に配置された可溶化液を吸引し、吸引した可溶化液を分注作業台80に載置されたDWP220に分注する。分注後、ロボット40は、チップ廃棄部120にチップ230を廃棄する。
【0047】
ステップS6aにおいて、ロボット40は、チップ置台100に配置されたチップ230を第2ハンド60に取り付ける。なお、ステップS6aの動作は、ステップS31およびステップS32の動作が行われる。
【0048】
ステップS6bにおいて、ロボット40は、チップ230により磁性粒子供給部92に配置された磁性粒子を吸引し、吸引した磁性粒子を分注作業台80に載置されたDWP220に分注する。分注後、ロボット40は、チップ廃棄部120にチップ230を廃棄する。
【0049】
ステップS7aにおいて、ロボット40は、チップ置台100に配置されたチップ230を第2ハンド60に取り付ける。なお、ステップS7aの動作は、ステップS31およびステップS32の動作が行われる。
【0050】
ステップS7bにおいて、ロボット40は、チップ230によりProK供給部93に配置されたProKを吸引し、吸引したProKを分注作業台80に載置されたDWP220に分注する。分注後、ロボット40は、チップ廃棄部120にチップ230を廃棄する。
【0051】
ステップS8において、ロボット40は、第2ハンド60を取り外した後、第1ハンド50を装着する。
【0052】
ステップS9において、第1ハンド50に配置されているセンサ51は、検体供給部10のトレイ11に検体容器210が配置されているか否かを検知する。
【0053】
センサ51によって検体容器210が検知された場合、ステップS10において、ロボット40は、第1ハンド50によって検体容器210を把持するとともに、検体容器210を検体キャッパー部70に搬送する。検体キャッパー部70のバーコードリーダ71は、検体容器210に貼付されたバーコードを読み取る。検体キャッパー部70は、検体容器210の蓋部212を開栓する。
【0054】
図13に示すように、ステップS11において、ロボット40は、第1ハンド50を取り外した後、第2ハンド60を装着する。
【0055】
ステップS12aにおいて、ロボット40は、チップ置台100に配置されたチップ230を第2ハンド60に取り付ける。なお、ステップS12aの動作は、ステップS31およびステップS32の動作が行われる。
【0056】
次に、ステップS12bにおいて、ロボット40は、チップ230により検体容器210に収容された検体を吸引し、吸引した検体を分注作業台80に載置されたDWP220に分注する。具体的には、
図15のステップS21において、本実施形態では、
図16に示すように、制御部140は、検体の吸引のためにチップ230を検体容器210内に侵入させるようにロボットアーム41を制御する。制御部140は、第2ハンド60に取り付けられたチップ230を検体容器210内に侵入させるようにロボットアーム41を制御する。
【0057】
また、制御部140は、検体の吸引のためにチップ230を検体容器210内に下降させるようにロボットアーム41を制御する。具体的には、制御部140は、第2ハンド60を下降させるように、ロボットアーム41を制御する。制御部140は、Z1方向から見て、円筒形状の検体容器210の本体部211の中心にチップ230が下降されるように、ロボットアーム41を制御する。
【0058】
ステップS22において、制御部140は、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したか否かを判定する。制御部140は、検知部64の検知結果に基づいて、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したか否かを判定する。
【0059】
図17に示すように、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した場合、ステップS23に進む。ステップS23において、
図18に示すように、制御部140は、チップ230の侵入方向と交差する方向にチップ230を移動させるようにロボットアーム41を制御する。具体的には、制御部140は、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した場合、チップ230を上昇させるとともに、スワブ213を避けるように、水平方向に移動させるようにロボットアーム41を制御する。チップ230は、検体容器210の外まで上昇されてもよいし、検体容器210から出ないように上昇されてもよい。制御部140は、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した場合、チップ230を上昇させるとともに、スワブ213を避けるように、円筒形状の検体容器210の半径rよりも小さい距離分、水平方向に移動させる。検体容器210の半径rとは、円筒形状の検体容器210の内径である。制御部140は、複数のチップ230のうちの少なくとも1つが検体容器210内のスワブ213に接触した場合、第2ハンド60の位置を変更するようにロボットアーム41を制御する。そして、ステップS24に進む。
【0060】
そして、ステップS24において、本実施形態では、
図19に示すように、制御部140は、チップ230を再び侵入させてチップ230により検体容器210内の検体を吸引させるようにロボットアーム41および第2ハンド60を制御する。具体的には、制御部140は、チップ230を再び下降させて検体容器210内の検体を吸引させるようにロボットアーム41および第2ハンド60を制御する。
【0061】
なお、ステップS24において、チップ230が再び下降された場合において、再び、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した際には、チップ230がスワブ213に接触しなくなるまで、ステップS22およびS23の動作が繰り返される。
【0062】
図9に示すように、ステップS12cにおいて、分注後、検体キャッパー部70は、検体容器210の蓋部212を閉栓する。そして、分注後、ロボット40は、チップ廃棄部120にチップ230を廃棄する。
【0063】
図13に示すように、ステップS13において、ロボット40は、第2ハンド60を取り外した後、第1ハンド50を装着する。
【0064】
ステップS14において、第1ハンド50に配置されているセンサ51は、検体キャッパー部70に検体容器210が配置されているか否かを検知する。また、センサ51によってトレイ11上の異物の有無が確認される。
【0065】
センサ51によって検体容器210が検知され、かつ、トレイ11上に異物が無いことが確認された場合、ステップS15において、ロボット40は、第1ハンド50によって検体容器210を把持するとともに、検体供給部10のトレイ11に検体容器210を搬送する。ステップS9からS15までの動作が、複数の検体容器210の分、行われる。
【0066】
ステップS16において、ロボット40は、第1ハンド50を取り外した後、第2ハンド60を装着する。
【0067】
ステップS17において、ロボット40は、第2ハンド60によって検体が分注されたDWP220を核酸抽出ユニット2に受け渡すための受渡台130に搬送する。
【0068】
[本実施形態の効果]
制御部140は、検知部64によりチップ230が取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込ませる。これにより、検知部64によりチップ230が取り付けられていることが検知されるまで、チップ取付部61がチップ230に押し込まれるので、チップ取付部61のチップ230に対する押し込み量が不十分になることを抑制できる。その結果、チップ230に対するチップ取付部61の押し込み量が不十分であることに起因して、チップ230を適切に取り付けられなくなることを抑制できる。
【0069】
検知部64は、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動したことを検知し、制御部140は、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されることにより、チップ取付部61にチップ2230が取り付けられていると判定する。これにより、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、チップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61が押し込まれるので、チップ取付部61のチップ230に対する押し込み量が不十分になることを検知部64により容易に抑制できる。
【0070】
検知部64は、エアシリンダ66aのピストン66bが所定の位置Pに移動したことを検知するオートスイッチを含む。ここで、エアシリンダ66aにはピストン66bの位置を検知するために予めオートスイッチが設けられている場合がある。予め設けられているオートスイッチを用いて分注本体部65が所定の位置Pに移動したことを検知することにより、チップ230を適切に取り付けるための検知部64を別途設ける必要がないので、検査システム200の構成が複雑になることを抑制できる。
【0071】
制御部140は、ロボットアーム41の姿勢に関わらず、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込ませる。ここで、ロボットアーム41の姿勢によって、チップ取付部61をチップ230に押し込むためのロボットアーム41の力が変化する場合がある。そこで、ロボットアーム41の姿勢に関わらず、検知部64により分注本体部65が所定の位置Pに移動したことが検知されるまで、チップ230にチップ取付部61が押し込まれることにより、ロボットアーム41の姿勢に関わらず、適切にチップ230を取り付けることができる。
【0072】
検知部64は、チップ置台100に載置されたチップ230にチップ取付部61を押し込む際に、分注本体部65が所定の位置Pに移動したことを検知することに加えて、検体の吸引のためにチップ230が検体容器210内に侵入され、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触した場合に、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動したことを検知する。これにより、チップ取付部61にチップ230を取り付けるための検知部64と、チップ230がスワブ213に接触したことを検知する検知部64とが兼用されるので、検査システム200の構成が複雑になることを抑制できる。
【0073】
制御部140は、複数の検知部64の各々によりチップ230が適切に取り付けられていることが検知されるまで、ロボットアーム41を制御してチップ置台100に載置された複数のチップ230の各々に複数のチップ取付部61を押し込ませる。これにより、複数の検知部64の各々によりチップ230が適切に取り付けられていることが検知されるまで複数のチップ取付部61が押し込まれるので、第2ハンド60に対する複数のチップ取付部61の取り付け位置がばらついている場合でも、複数のチップ取付部61の各々に適切にチップ230を取り付けることができる。
【0074】
第2ハンド60に取り付けられるチップ230は、検体容器210内の検体の吸引と、吸引した検体の吐出とを行う。これにより、検体容器210内の検体の吸引と吐出とを行うチップ230をチップ取付部61に適切に取り付けることができる。
【0075】
制御部140は、採取された検体に対して測定を行う前の処理である前処理をロボットアーム41に行わせる。これにより、検体に対して前処理を行うためのチップ230を、チップ取付部61に適切に取り付けることができる。
【0076】
[変形例]
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0077】
上記実施形態では、分注本体部65が移動機構部66に対して所定の位置Pに移動したことが検知部64により検知されることにより、チップ230が適切に取り付けられていると判断される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、カメラなどによりチップ230が適切に取り付けられているか否かを検知してもよい。
【0078】
上記実施形態では、移動機構部66がエアシリンダ66aを含む例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、移動機構部66がスライダなどであってもよい。
【0079】
上記実施形態では、ロボットアーム41が垂直多関節ロボットアームを含む例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、X軸、Y軸およびZ軸に移動する直交ロボットに本開示を適用してもよい。
【0080】
上記実施形態では、チップ230が適切に取り付けられているか否かを検知する検知部64が、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したことを検知する検知部64を兼ねている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、チップ230が適切に取り付けられているか否かを検知する検知部と、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したことを検知する検知部とを別個に配置してもよい。
【0081】
上記実施形態では、検知部64が、チップ230が検体容器210内のスワブ213に接触したことを検知する例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、検知部64が、チップ230が検体容器210内のスワブ213以外の異物に接触したことを検知してもよい。
【0082】
上記実施形態では、第2ハンド60に、チップ取付部61と、分注本体部65と、移動機構部66と、の組が複数組配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第2ハンド60に、チップ取付部61と、分注本体部65と、移動機構部66と、の組が1組配置されていてもよい。
【0083】
上記実施形態では、検知部64がオートスイッチである例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、検知部64が光センサや接触センサであってもよい。
【0084】
上記実施形態では、ロボット40は、採取された検体に対して測定を行う前の処理である前処理を行う例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、ロボット40が、前処理以外の処理を行ってもよい。
【0085】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【符号の説明】
【0086】
41 ロボットアーム
60 第2ハンド(分注ハンド)
61 チップ取付部
64 検知部
65 分注本体部(本体部)
66 移動機構部(保持部)
66a エアシリンダ
66b ピストン
100 チップ置台(チップ載置部)
140 制御部
200 検査システム(分注システム)
210 検体容器
213 スワブ(異物)
230 チップ
P 所定の位置