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特開2023-122881回転機械システム及び回転機械のメンテナンス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122881
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】回転機械システム及び回転機械のメンテナンス方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/28 20060101AFI20230829BHJP
   F16H 1/20 20060101ALI20230829BHJP
   F16H 1/08 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
F16H1/28
F16H1/20
F16H1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026639
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】永尾 英樹
(72)【発明者】
【氏名】宮田 寛之
【テーマコード(参考)】
3J009
3J027
【Fターム(参考)】
3J009DA14
3J009EA05
3J009EA11
3J009EA21
3J009EA35
3J009EA44
3J009FA30
3J027FA38
3J027FB40
3J027GA01
3J027GB05
3J027GB10
3J027GC13
3J027GC25
3J027GC27
3J027GC29
3J027GD02
3J027GD09
3J027GE01
3J027GE21
3J027GE27
3J027GE29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】メンテナンス性を高める。
【解決手段】回転機械システム1Aは、中心軸O回りに回転駆動される駆動軸21を有する駆動機2と、駆動軸に連結された主軸41、主軸に固定された主歯車42、主歯車に噛み合う副歯車46、副歯車に固定された副軸45、及び副軸と一体に回転する第一歯車48A、を備えた伝達部4Aと、第一歯車に噛み合う第二歯車56A、第二歯車が固定された入力軸、及び入力軸の回転数を変速して出力する出力軸58、を備えた変速機5と、出力軸に接続された回転機械軸35を有し、出力軸の回転が伝達されることで回転機械軸が回転駆動される回転機械3と、を備え、第一歯車は、歯すじが中心軸と平行な平歯である第一歯部48gを複数有する平歯車であり、第二歯車56gは、歯すじが中心軸と平行な平歯であって、隣り合う第一歯部の間に配置される第二歯部を複数有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸を有する駆動機と、
前記駆動軸に連結された主軸、前記主軸に固定された主歯車、前記主歯車に噛み合う副歯車、前記副歯車に固定された副軸、及び前記副軸と一体に回転する第一歯車、を備えた伝達部と、
前記第一歯車に噛み合う第二歯車、前記第二歯車の回転数を変速して出力する出力軸、を備えた変速機と、
前記出力軸に接続された回転機械軸を有し、前記出力軸の回転が伝達されることで前記回転機械軸が回転駆動される回転機械と、を備え、
前記第一歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯である第一歯部を複数有する平歯車であり、
前記第二歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部の間に配置される第二歯部を複数有する回転機械システム。
【請求項2】
前記伝達部は、前記主軸、前記主歯車、前記副歯車、及び前記副軸を覆うケーシングを有し、
前記第一歯車は、前記ケーシングの外部に配置されている請求項1に記載の回転機械システム。
【請求項3】
前記ケーシングは、前記第一歯車が挿通可能な大きさで形成され、前記副軸が挿通された挿通孔を有し、
前記第一歯車は、前記挿通孔を通して前記ケーシングから突出した前記副軸の端部に固定されている請求項2に記載の回転機械システム。
【請求項4】
前記変速機は、変速機ケーシングを備え、
前記変速機ケーシングは、
鉛直方向の下方から前記第二歯車、及び前記出力軸を覆う下半ケーシングと、
前記鉛直方向の上方から前記第二歯車、及び前記出力軸を覆い、前記下半ケーシングに対して着脱可能に配置された上半ケーシングと、を備える請求項2又は3に記載の回転機械システム。
【請求項5】
前記出力軸と前記回転機械軸とを着脱可能に連結するカップリングと、
前記カップリングを覆うカップリングカバーと、をさらに備え、
前記カップリングカバーは、
鉛直方向の下方から前記カップリングを覆う下部カバーと、
前記鉛直方向の上方から前記カップリングを覆い、前記下部カバーに対して着脱可能に配置された上部カバーと、を備える請求項1から4の何れか一項に記載の回転機械システム。
【請求項6】
前記第二歯車は、前記第二歯部を内周面に有した内歯車である請求項1から5の何れか一項に記載の回転機械システム。
【請求項7】
前記第二歯車は、前記第二歯部を内周面に有するとともに、外周面に複数の歯をさらに有する外歯車である請求項1から5の何れか一項に記載の回転機械システム。
【請求項8】
前記伝達部は、
前記主軸に対し、前記副軸が前記主軸の径方向の外側で周方向に間隔をあけて複数配置され、
複数の前記副軸のそれぞれに対応するように、各前記副軸の回転が伝達される前記変速機及び前記回転機械を複数備えている請求項1から7の何れか一項に記載の回転機械システム。
【請求項9】
前記駆動機はモータであり、前記回転機械は圧縮機である請求項1から8の何れか一項に記載の回転機械システム。
【請求項10】
中心軸回りに回転駆動される駆動軸を有する駆動機と、
前記駆動軸に連結された主軸、前記主軸に固定された主歯車、前記主歯車に噛み合う副歯車、前記副歯車に固定された副軸、及び前記副軸と一体に回転する第一歯車、を備えた伝達部と、
前記第一歯車に噛み合う第二歯車、前記第二歯車の回転数を変速して出力する出力軸、を備えた変速機と、
前記出力軸に接続された回転機械軸を有し、前記出力軸の回転が伝達されることで前記回転機械軸が回転駆動される回転機械と、を備え、
前記第一歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯である第一歯部を複数有し、
前記第二歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部の間に配置される第二歯部を複数有する回転機械システムのメンテナンス方法であって、
前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方を、前記中心軸の延びる軸線方向で離れるように相対的に移動させ、前記第一歯車と前記第二歯車との噛み合いを解除する工程と、
前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方にメンテナンスを施す工程と、
前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方を、前記軸線方向に近づけるように相対的に移動させ、前記第一歯車と前記第二歯車との噛み合わせる工程と、を含む回転機械のメンテナンス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転機械システム及び回転機械のメンテナンス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ等の駆動機と、駆動機によって駆動される回転機械との間における駆動力の伝達に、ギヤが多用されている。例えば、特許文献1には、モータの回転駆動軸と軸流ファンの回転軸とが、ギヤボックスに収容されたギヤを介して連結される構成が開示されている。この構成において、軸流ファンの回転軸は、ギヤボックスに収容された回転軸を有している。ギヤボックスには、モータの回転駆動軸は、ギヤボックスに形成された貫通孔に挿通されている。軸流ファンの回転軸に備えられた軸流ファン側のギヤと、モータの回転駆動軸に備えられたモータ側のギヤとは、ギヤボックス内で噛み合っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-38679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、例えばメンテナンスのためにモータと軸流ファンとを切り離そうとすると、ギヤボックスを分解し、ギヤボックスからモータの回転駆動軸等を取り外さなければならない。このように、駆動機と回転機械との間の連結を切り離すには、手間が掛かる。特に、駆動機と回転機械との間に変速機が配置される等した場合、駆動機と変速機との間においても同様の問題が生じる。このため、回転機械の回転軸同士の連結部分を有するシステムにおいては、メンテナンス性を高めることが望まれている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、メンテナンス性を高めることができる回転機械システム及び回転機械のメンテナンス方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る回転機械システムは、中心軸回りに回転駆動される駆動軸を有する駆動機と、前記駆動軸に連結された主軸、前記主軸に固定された主歯車、前記主歯車に噛み合う副歯車、前記副歯車に固定された副軸、及び前記副軸と一体に回転する第一歯車、を備えた伝達部と、前記第一歯車に噛み合う第二歯車、前記第二歯車の回転数を変速して出力する出力軸、を備えた変速機と、前記出力軸に接続された回転機械軸を有し、前記出力軸の回転が伝達されることで前記回転機械軸が回転駆動される回転機械と、を備え、前記第一歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯である第一歯部を複数有する平歯車であり、前記第二歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部の間に配置される第二歯部を複数有する。
【0007】
本開示に係る回転機械システムのメンテナンス方法は、中心軸回りに回転駆動される駆動軸を有する駆動機と、前記駆動軸に連結された主軸、前記主軸に固定された主歯車、前記主歯車に噛み合う副歯車、前記副歯車に固定された副軸、及び前記副軸と一体に回転する第一歯車、を備えた伝達部と、前記第一歯車に噛み合う第二歯車、前記第二歯車の回転数を変速して出力する出力軸、を備えた変速機と、前記出力軸に接続された回転機械軸を有し、前記出力軸の回転が伝達されることで前記回転機械軸が回転駆動される回転機械と、を備え、前記第一歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯である第一歯部を複数有し、前記第二歯車は、歯すじが前記中心軸と平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部の間に配置される第二歯部を複数有する回転機械システムのメンテナンス方法であって、前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方を、前記中心軸の延びる軸線方向で離れるように相対的に移動させ、前記第一歯車と前記第二歯車との噛み合いを解除する工程と、前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方にメンテナンスを施す工程と、前記伝達部及び前記変速機の少なくとも一方を、前記軸線方向に近づくように相対的に移動させ、前記第一歯車と前記第二歯車との噛み合わせる工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示の回転機械システム及び回転機械システムのメンテナンス方法によれば、メンテナンス性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第一実施形態に係る回転機械システムの概略構成を示す模式図である。
図2図1のA-A矢視断面図である。
図3図2のB-B矢視断面図である。
図4】本開示の実施形態に係る回転機械システムのメンテナンス方法の手順を示すフローチャートである。
図5】回転機械システムの変速機ケーシングの上半ケーシング、及びカップリングカバーの上部カバーを取り外した状態を示す図である。
図6】回転機械システムの第一歯車と第二歯車とを切り離した状態を示す図である。
図7】本開示の第二実施形態に係る回転機械システムの概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本開示による回転機械システム、及び回転機械システムのメンテナンス方法を実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0011】
(圧縮機システムの構成)
図1に示すように、回転機械システム1Aは、一つの駆動機2で複数の圧縮機3を高速運転させる。回転機械システム1Aでは、駆動機2に対して複数の圧縮機3が同じサイドに並んでおり、一つの駆動機2に対して複数の圧縮機3が並列に繋がれている。図1に示すように、本実施形態の回転機械システム1Aは、駆動機2と、複数の回転機械としての圧縮機3と、伝達部4Aと、変速機5と、を備えている。回転機械システム1Aにおいて、駆動機2、伝達部4A、変速機5、及び複数の圧縮機3は、中心軸Oが延びる軸線方向Daの第一の側Da1から第二の側Da2に向けて、この順で配置されている。本実施形態の回転機械システム1Aでは、一つの駆動機2のみが配置されている。
【0012】
駆動機2は、圧縮機3を駆動させるための動力を発生させるように回転駆動される。駆動機2は、中心軸Oを中心に回転する駆動軸21を有している。駆動軸21は、一つのみ配置されている。駆動軸21は、中心軸Oを中心とする円柱状に形成されている。本実施形態の駆動機2は、駆動軸21を駆動させるモータである。なお、駆動機2としては、圧縮機3を駆動させるための動力を発生させることができればよく、モータ以外に蒸気タービン等を採用することができる。
【0013】
圧縮機3は、中心軸Oと平行に延びる第一中心線O1を中心に回転する回転機械軸35を有している。回転機械軸35は、第一中心線O1を中心とする円柱状に形成されている。圧縮機3は、作動流体としてガスを圧縮する。圧縮機3は、回転機械軸35に備えられたインペラ(不図示)を用いてガスを圧縮する。本実施形態の圧縮機3は、例えば、水素ガスを圧縮する一軸多段遠心圧縮機である。本実施形態の圧縮機3として、第一圧縮機31、第二圧縮機32、及び第三圧縮機(不図示)の三つを有している。第一圧縮機31、第二圧縮機32、及び第三圧縮機は、配管(不図示)を介して順に接続されている。回転機械システム1Aでは、圧縮すべきガスが、第一圧縮機31、第二圧縮機32、及び第三圧縮機の順に導入されて順次圧縮される。ガスは、第三圧縮機において圧縮された後、回転機械システム1Aの外部の供給先に供給される。なお、複数の圧縮機3は、互いに繋がるよう順に接続されるように配置されていることに限定されるものではない。複数の圧縮機3は、互いに切り離されて独立して運転可能なように、並列に配置されていてもよい。
【0014】
(伝達部の構成)
伝達部4Aは、駆動軸21の回転を増速させて複数の変速機5に伝達する。伝達部4Aは、一つの駆動軸21と、複数の変速機5とを接続している。本実施形態の伝達部4Aは、ケーシング40と、主軸41と、主歯車42と、主軸軸受43と、副軸45と、副歯車46と、第一軸受47と、第一歯車48Aと、を有している。
【0015】
ケーシング40は、伝達部4Aにおける外装を構成している。ケーシング40は、主軸41と、主歯車42と、主軸軸受43と、副軸45と、副歯車46と、第一軸受47と、を内部に収容している。
【0016】
主軸41は、駆動軸21とともに回転する。主軸41は、主歯車42を介して、駆動軸21の回転を副歯車46に伝達する。主軸41は、ケーシング40の外部で駆動軸21の端部と接続されている。主軸41は、駆動軸21によって中心軸Oまわりに回転駆動される。主軸41は、中心軸Oを中心とする円柱状に形成されている。つまり、主軸41は、駆動軸21と同軸となるように配置されている。主軸41は、先端がケーシング40内に配置されるようにケーシング40を貫通している。
【0017】
主歯車42は、ケーシング40内で主軸41に固定されている。主歯車42は、中心軸Oを中心とする円板状に形成された外歯車である。本実施形態の主歯車42は、伝達部4A、及び変速機5で使用される歯車の中でも最も外径が大きい。なお、主歯車42は、伝達部4Aで使用される歯車の中でも最も外径が大きい形状であることに限定されるものではない。
【0018】
主軸軸受43は、ケーシング40に対して主軸41を回転可能に支持している。主軸軸受43は、ケーシング40の内部に固定されている。本実施形態の主軸軸受43は、ジャーナル軸受である。主軸軸受43は、主歯車42を挟むように、主軸41に対して一対配置されている。
【0019】
副軸45は、主軸41の径方向の外側で、周方向に間隔をあけて複数配置されている。変速機5は、複数の副軸45のそれぞれに対応するように、各副軸45の回転が伝達される。各副軸45は、主軸41の回転が伝達され、主軸41とともに回転する。副軸45は、中心軸Oと平行に延びる第一中心線O1を中心とする円柱状に形成されている。副軸45は、主軸41に対して、主軸41の径方向の外側に離れた位置に配置されている。副軸45は、主軸41と平行に延びている。副軸45は、主軸41が回転することで、第一中心線O1を中心に回転する。副軸45における軸線方向Daの第二の側Da2の端部は、ケーシング40の外部に配置している。つまり、副軸45は、ケーシング40から飛び出すように延びている。
【0020】
副歯車46は、主歯車42と噛み合っている。副歯車46は、副軸45に固定されている。副歯車46は、第一中心線O1を中心とする円板状に形成された外歯車である。本実施形態の副歯車46は、主歯車42よりも外径が小さい。なお、副歯車46は、主歯車42よりも外径が小さいことに限定されるものではない。例えば、副歯車46は、主歯車42と同じ径であってもよい。
【0021】
図1及び図2に示すように、第一軸受47は、副軸45をケーシング40に対して回転可能に支持している。第一軸受47は、ケーシング40の内部に固定されている。本実施形態の第一軸受47は、ジャーナル軸受である。第一軸受47は、ジャーナル軸受であれば、主軸軸受43と同じ種類及び大きさの軸受であってもよく、異なる種類及び大きさの軸受であってもよい。したがって、第一軸受47は、転がり軸受やすべり軸受であってもよい。第一軸受47がすべり軸受の場合には、例えば、周方向に分割されていない筒状のスリーブタイプの軸受であってもよい。また、第一軸受47がすべり軸受の場合には、例えば、周方向に分割された複数のパッドを有するティルティングパッド軸受であってもよい。第一軸受47は、副歯車46を挟むように、副軸45に対して一対配置されている。
【0022】
第一歯車48Aは、副軸45に固定されている。第一歯車48Aは、副軸45と一体に第一中心線O1を中心に回転する。第一歯車48Aは、副軸45において軸線方向Daの第二の側Da2の端部に固定されている。第一歯車48Aは、ケーシング40から軸線方向Daの第二の側Da2に突出するように、ケーシング40の外部に配置されている。第一歯車48Aは、第一中心線O1を中心とする円板状に形成された外歯車である。本実施形態の第一歯車48Aは、副歯車46よりも外径が大きい。第一歯車48Aは、歯すじが中心軸O(第一中心線O1)と平行な平歯である第一歯部48gを複数有する平歯車である。複数の第一歯部48gは、第一中心線O1を中心とする第一歯車48Aの周方向Dcに等間隔に離れて配置されている。第一歯部48gにおける周方向Dcを向く歯面は、中心軸O(第一中心線O1)と平行な面とされている。
【0023】
副軸45は、ケーシング40に形成された第一挿通孔(挿通孔)40hに挿通された状態で配置されている。第一挿通孔40hは、ケーシング40において軸線方向Daの第二の側Da2の壁面を貫通するように形成されている。第一挿通孔40hは、第一歯車48Aが挿通可能な大きさで形成されている。
【0024】
(遊星歯車機の構成)
変速機5は、第一歯車48Aの回転を増速させて圧縮機3に伝達する。変速機5は、一つの第一歯車48Aと、一つの変速機5とを接続している。変速機5は、伝達部4Aとともに、圧縮機3の定格運転時に、後述する太陽軸58を10000回転以上100000回転以内程度の周速まで増速させて回転させる。本実施形態の変速機5は、複数の遊星歯車機構50と、変速機ケーシング60と、を備えている。
【0025】
複数の遊星歯車機構50は、主軸41を囲むように配置されている歯車機構である。各遊星歯車機構50は、対応する一つの圧縮機3と一対一の関係で接続されている。各遊星歯車機構50は、主軸41の回転を対応する一つの圧縮機3の回転機械軸35に伝達する。本実施形態では、第一圧縮機31に接続された第一遊星歯車機構50A、第二圧縮機32に接続された第二遊星歯車機構50B、及び第三圧縮機に接続された第三遊星歯車機構(不図示)の三つが、変速機ケーシング60内に均等に離れて配置されている。本実施形態では、第一遊星歯車機構50A、第二遊星歯車機構50B、及び第三遊星歯車機構(不図示)は、同じ構成となされている。図2に示すように、本実施形態における各遊星歯車機構50は、複数の遊星歯車53と、複数の遊星歯車軸54と、歯車支持部55と、第二歯車56Aと、太陽歯車57と、太陽軸(出力軸)58と、第二軸受59とを有している。
【0026】
複数の遊星歯車53は、第二歯車56Aを介して第一歯車48Aの回転が伝達され、副軸45の回転とともに回転する。複数の遊星歯車53は、副軸45に対して、副軸45の径方向Drの外側Droに配置されている。複数の遊星歯車53は、図3に示すように、太陽軸58の周方向Dcに互いに間隔をあけて配置されている。本実施形態では、三つの遊星歯車53が周方向Dcに均等に離れて配置されている。なお、遊星歯車53の数は、三つに限定されるものではなく二つ以上であればよく、四つ以上配置されていてもよい。その際、遊星歯車53の数は、三つ以上が均等に離れて配置されることが好ましい。各遊星歯車53は、第二中心線O2を中心とする円板状に形成された外歯車である。複数の遊星歯車53は、公転せずに、自身の中心線である第二中心線O2を中心として自転のみする。
【0027】
図2に示すように、遊星歯車軸54は、遊星歯車53とともに回転する遊星歯車軸である。遊星歯車軸54は、中心軸O及び第一中心線O1と平行に延びる第二中心線O2を中心とする円柱状に形成されている。遊星歯車軸54は、副軸45に対して、副軸45の径方向Drの外側Droに離れた位置に配置されている。遊星歯車軸54は、主軸41及び副軸45と平行に延びている。遊星歯車軸54は、第二中心線O2を中心として自転可能に遊星歯車53を支持する。
【0028】
歯車支持部55は、複数の遊星歯車53を自転可能に支持する。本実施形態の歯車支持部55は、第一歯車支持部55Aと、第二歯車支持部55Bとを有している。具体的には、第一歯車支持部55A及び第二歯車支持部55Bは、第二中心線O2を中心として回転可能に複数の遊星歯車軸54の両端を支持している遊星キャリアである。第一歯車支持部55A及び第二歯車支持部55Bは、複数の遊星歯車軸54が移動しないように、複数の遊星歯車軸54の相互の位置を維持している。第一歯車支持部55Aは、変速機ケーシング60に対して移動不能な状態で固定されている。第二歯車支持部55Bは、変速機ケーシング60に対して固定されていない。
【0029】
図1及び図2に示すように、第二歯車56Aは、第一歯車48Aと噛み合っている。第二歯車56Aは、変速機ケーシング60内に配置されている。本実施形態の第二歯車56Aは、第一中心線O1を中心として軸線方向Daに延びる円筒状に形成されている。第二歯車56Aは、第一歯車48Aが挿入可能な大きさで形成されている。第二歯車56Aの軸線方向Daの第一の側Da1の端部には、第二歯部56gが形成されている。第二歯部56gは、第二歯車56Aにおいて径方向Drの内側Driを向く内周面に形成されている。つまり、第二歯車56Aは、第二歯部56gを内周面に有した内歯車である。第二歯部56gは、第二歯車56Aの周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。各第二歯部56gは、歯すじが中心軸Oと平行な平歯である。第二歯部56gにおける周方向Dcを向く歯面は、中心軸O(第一中心線O1)と平行な面とされている。第二歯部56gは、第一歯部48gに対して噛み合っている。第一歯部48gの歯数と、第二歯部56gの歯数とは、同一である。第二歯部56gは、周方向Dcで隣り合う第一歯部48gの間に配置される。第二歯車56Aが第一歯車48Aと噛み合った状態では、第二歯部56gが第一歯部48gに接触した状態となる。その結果、第二歯車56Aは、副軸45と一体に回転する。
【0030】
第二歯車56Aの軸線方向Daの第二の側Da2の端部には、複数の遊星歯車53と噛み合う遊星噛合歯56sが形成されている。遊星噛合歯56sは、第二歯車56Aの内周面に形成されている。遊星噛合歯56sは、複数の遊星歯車53と噛み合っている。図3に示すように、第二歯車56Aは、内部に収容された複数の遊星歯車53に対して径方向Drの外側Droから噛み合っている。第二歯車56Aは、第一歯車48A、及び副軸45とともに回転することで、内部に配置された複数の遊星歯車53に対して副軸45の回転を伝達する。なお、遊星噛合歯56sは、第二歯部56gと一体に形成されていてもよく、離れて形成されていてもよい。
【0031】
太陽歯車57は、複数の遊星歯車53に対して内側で噛み合っている出力歯車である。太陽歯車57は、第一中心線O1を中心とする円板状に形成された外歯車である。太陽歯車57は、複数の遊星歯車53よりも外径が小さい。なお、太陽歯車57は、円板状であることに限定されるものではなく、円筒状であってもよい。つまり、太陽歯車57の厚みは何ら限定されるものではない。また、太陽歯車57は、複数の遊星歯車53よりも外径が小さいことに限定されるものではない。したがって、太陽歯車57の大きさ、複数の遊星歯車53と同じ又は大きく形成されていてもよい。
【0032】
図2に示すように、太陽軸58は、その一方の端部(駆動機2に近い端部)に太陽歯車57が固定されている出力軸である。太陽軸58は、遊星歯車53の回転が伝達された太陽歯車57とともに、第一中心線O1を中心として回転する。太陽軸58は、第一中心線O1を中心とする円柱状に形成されている。太陽軸58の軸線は、副軸45の第一中心線O1と一致している。つまり、太陽軸58は、駆動軸21に対して平行かつ径方向の外側にずれた位置となるように配置されている。
【0033】
第二軸受59は、太陽軸58を変速機ケーシング60に対して回転可能に支持している。第二軸受59は、第一歯車支持部55Aに固定されている。本実施形態の第二軸受59は、ティルティングパッド軸受である。第二軸受59は、太陽歯車57に対して圧縮機3に近い位置に配置されている。第二軸受59は、変速機ケーシング60に対して移動不能な状態とされていればよく、第一歯車支持部55Aに固定された構造に限定されるものではない。例えば、第二軸受59は、変速機ケーシング60に直接固定されていてもよい。また、第二軸受59は、太陽軸58の振動を減衰させるようなダンピング機能が付加された軸受であってもよい。
【0034】
変速機ケーシング60は、複数の遊星歯車53、複数の遊星歯車軸54、歯車支持部55、第二歯車56A、太陽歯車57と、太陽軸58と、及び第二軸受59を収容している。変速機ケーシング60は、軸線方向Daの第二の側Da2が開口した筒状に形成されている。変速機ケーシング60における軸線方向Daの第二の側Da2の開口は、第一歯車48Aが挿通可能な大きさの第二挿通孔60hを形成している。図2に示すように、本実施形態の変速機ケーシング60は、下半ケーシング61と、上半ケーシング62と、を備えている。
【0035】
下半ケーシング61は、鉛直方向Dvの下方Dvbから複数の遊星歯車53、複数の遊星歯車軸54、歯車支持部55、第二歯車56A、太陽歯車57、太陽軸58と、及び第二軸受59を覆っている。図3に示すように、下半ケーシング61は、軸線方向Daから視た際に、例えば半円弧状の断面形状を有し、鉛直方向Dvの上方Dvuに向かって開口している。
【0036】
上半ケーシング62は、鉛直方向Dvの上方Dvuから複数の遊星歯車53、複数の遊星歯車軸54、歯車支持部55、第二歯車56A、太陽歯車57と、太陽軸58と、及び第二軸受59を覆っている。上半ケーシング62は、軸線方向Daから視た際に、例えば半円弧状の断面形状を有し、鉛直方向Dvの下方Dvbに向かって開口している。上半ケーシング62は、下半ケーシング61に対して、周方向Dcの両端部でボルト等の固定部材によって着脱可能に接続されている。
【0037】
図1及び図2に示すように、太陽軸58は、軸線方向Daの第一の側Da1の先端が変速機ケーシング60内に配置されるように、変速機ケーシング60を貫通している。なお、太陽軸58は、先端が変速機ケーシング60内に配置されるように、変速機ケーシング60を貫通した構造に限定されるものではない。太陽軸58は、継手を用いる場合には、変速機ケーシング60内に収容されていればよく、変速機ケーシング60を貫通した構造でなくてもよい。
【0038】
本実施形態の回転機械システム1Aは、カップリング100と、カップリングカバー120とをさらに備えている。カップリング100は、太陽軸58の軸線方向Daの第二の側Da2の端部と、圧縮機3の回転機械軸35の端部とを接続している。カップリング100の軸線方向Daの第一の側Da1の端部は、太陽軸58に、ボルト等の固定部材により着脱可能に接続されている。カップリング100の軸線方向Daの第二の側Da2の端部は、回転機械軸35に、ボルト等の固定部材により着脱可能に接続されている。
【0039】
カップリングカバー120は、変速機ケーシング60と圧縮機3との間で、カップリング100を覆っている。図2に示すように、本実施形態のカップリングカバー120は、下部カバー121と、上部カバー122と、を備えている。
【0040】
下部カバー121は、鉛直方向Dvの下方Dvbから、カップリング100、カップリング100に接続される太陽軸58の端部、及び回転機械軸35の端部を覆っている。下部カバー121は、軸線方向Daから視た際に、例えば半円弧状の断面形状を有し、鉛直方向Dvの上方Dvuに向かって開口している。下部カバー121は、基礎に対して着脱可能とされている。
【0041】
上部カバー122は、鉛直方向Dvの上方Dvuから、カップリング100、カップリング100に接続される太陽軸58の端部、及び回転機械軸35の端部を覆っている。上部カバー122は、軸線方向Daから視た際に、例えば半円弧状の断面形状を有し、鉛直方向Dvの下方Dvbに向かって開口している。上部カバー122は、下部カバー121に対して、周方向Dcの両端部でボルト等の固定部材により着脱可能に接続されている。
【0042】
(回転機械システムのメンテナンス方法)
次に、上記したような回転機械システム1Aのメンテナンス方法S10について説明する。図4に示すように、本開示の実施形態に係る回転機械システム1Aのメンテナンス方法S10は、カバーを取り外す工程S11と、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合いを解除する工程S12と、メンテナンスを施す工程S13と、第一歯車48Aと第二歯車56Aとを噛み合わせる工程S14と、カバーを取り付ける工程S15と、を含む。
【0043】
カバーを取り外す工程S11では、変速機ケーシング60の上半ケーシング62と下半ケーシング61との固定部材による固定を解除する。同様に、上部カバー122と下部カバー121との固定部材による固定を解除する。その後、図5に示すように、上半ケーシング62を下半ケーシング61から取り外す。これにより、遊星歯車機構50の鉛直方向Dvの上方Dvuの部分が露出される。その後、上部カバー122及び下部カバー121を取り外す。これにより、カップリング100が露出される。
【0044】
第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合いを解除する工程S12では、図6に示すように、伝達部4A及び変速機5の少なくとも一方を、軸線方向Daで離れるように相対的に移動させる。本実施形態では、変速機5を、軸線方向Daの第二の側Da2に移動させることで、変速機5を、伝達部4Aから軸線方向Daに離れるように移動させる。具体的には、カップリング100が、太陽軸58及び回転機械軸35から取り外される。そして、カップリング100及びカップリングカバー120が取り除かれたスペースを利用して、変速機5が圧縮機3に近づくように移動される。この際、第一歯部48gと第二歯部56gは、それぞれ歯筋が中心軸Oと平行な平歯である。そのため、伝達部4Aの第一歯車48Aと、変速機5の第二歯車56Aとは、中心軸Oの延びる軸線方向Daに離れるように相対的に移動させることで、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合いが解除される。
【0045】
メンテナンスを施す工程S13では、伝達部4A及び変速機5の少なくとも一方に所要のメンテナンスを施す。本実施形態では、工程S13で実施するメンテナンスの内容について限定するものではない。伝達部4Aは、ケーシング40に第一挿通孔40hが形成されている。そのため、この第一挿通孔40hを通して、ケーシング40内の状態を目視により確認することができる。また、変速機5は、上半ケーシング62を取り外した状態で、その内部の遊星歯車機構50に対するメンテナンス作業を行うことができる。変速機5は、カップリング100が取り外されて圧縮機3との接続が解除されているため、クレーン等により変速機5を回転機械システム1Aから取り出してメンテナンスを行うようにしてもよい。
【0046】
第一歯車48Aと第二歯車56Aとを噛み合わせる工程S14では、工程S13における所要のメンテナンスの終了後、第一歯車48Aと第二歯車56Aとを噛み合わせる。これには、伝達部4A及び変速機5の少なくとも一方を、軸線方向Daに近づくように相対的に移動させ、第一歯車48Aと第二歯車56Aとを噛み合わせる。本実施形態では、変速機5を、軸線方向Daの第一の側Da1に移動させることで、変速機5を、伝達部4Aに対して軸線方向Daで接近するように移動させる。この際、第一歯部48gと第二歯部56gは、それぞれ歯筋が中心軸Oと平行な平歯である。そのため、伝達部4Aの第一歯車48Aと、変速機5の第二歯車56Aとを軸線方向Daに近づけるように相対的に移動させることで、第一歯車48Aと第二歯車56Aとを噛み合わせることができる。
【0047】
カバーを取り付ける工程S15では、カップリング100が、太陽軸58及び回転機械軸35に取り付けられる。その後、上部カバー122及び下部カバー121を取り付けられる。さらに、上半ケーシング62が下半ケーシング61に取り付けられる。このようにして、回転機械システム1Aのメンテナンスが終了する。
【0048】
(作用効果)
本実施形態の回転機械システム1A及びメンテナンス方法S10では、伝達部4Aと変速機5とは、伝達部4Aの第一歯車48Aと、変速機5の第二歯車56Aとが噛み合っている。これにより、伝達部4Aに伝達された駆動軸21の回転が、変速機5に伝達される。その結果、駆動軸21の回転は、伝達部4A及び変速機5を介して、圧縮機3の回転機械軸35に伝達される。さらに、互いに噛み合う第一歯部48g及び第二歯部56gは、それぞれ歯筋が中心軸Oと平行な平歯とされている。そのため、伝達部4Aの第一歯車48Aと、変速機5の第二歯車56Aとは、軸線方向Daに相対移動させることができる。したがって、伝達部4A及び変速機5の少なくとも一方を、軸線方向Daで離れるように相対的に移動させることで、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を切り替えることができる。これにより、伝達部4A及び変速機5の少なくとも一方にメンテナンスを施す際に、伝達部4A及び変速機5を容易に分解や組み立てすることができる。つまり、メンテナンス作業に、容易に移行できる。このようにして、伝達部4Aと変速機5との切り離し作業及び接続作業を容易に行うことが可能となり、回転機械システム1Aのメンテナンス性を高めることができる。
【0049】
また、第一歯車48Aは、ケーシング40の外部に配置されている。そのため、伝達部4Aと変速機5との切り離し作業及び接続作業を行う際に、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を目視により確認しやすくできる。したがって、回転機械システム1Aのメンテナンス性をより向上させることができる。
【0050】
さらに、ケーシング40に形成された第一挿通孔40hが、第一歯車48Aが挿通可能な大きさで形成されているそのため、第一挿通孔40hを通して、伝達部4Aのケーシング40の内部の状態を、目視により確認しやすくできる。したがって、伝達部4Aのメンテナンス性を向上させることができる。
【0051】
また、変速機ケーシング60が、下半ケーシング61と上半ケーシング62とに分割可能とされている。そのため、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合いの解除作業、及び第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合わせ作業を行う際に、上半ケーシング62を下半ケーシング61から取り外すことができる。したがって、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態の目視によって確認しながら、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を切り替えられる。さらに、変速機5の内部のメンテナンス作業を容易に行うことができる。したがって、回転機械システム1Aのメンテナンス性をより一層向上させることができる。
【0052】
さらに、太陽軸58と回転機械軸35とを連結するカップリング100を覆うカップリングカバー120が、下部カバー121と上部カバー122とに分割可能とされている。上部カバー122を下部カバー121から取り外すことによって、カップリング100を取り外して太陽軸58と回転機械軸35との解除作業を容易に行うことができる。その結果、変速機5と圧縮機3との間に空間を容易に確保できる。つまり、変速機5を、軸線方向Daで伝達部4Aから離れるように移動させる空間を容易に確保できる。これにより、変速機5を移動して、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を切り替えることができる。したがって、回転機械システム1Aのメンテナンス性をより一層向上させることができる。
【0053】
本実施形態の回転機械システム1Aでは、駆動機2はモータであり、圧縮機3は圧縮機である。これにより、モータによって圧縮機を駆動する回転機械システム1Aにおいて、伝達部4Aと、各変速機5との切り離し作業、及び接続作業を容易に行うことができるので、そのメンテナンス性を高めることができる。
【0054】
<第二実施形態>
次に、本開示に係る回転機械システムの第二実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二実施形態においては、上記第一実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、第二実施形態の回転機械システム1Bでは、伝達部4Bと変速機5Bとの接続部分の構成が、第一実施形態と異なっている。
【0056】
伝達部4Bでは、第一歯車48Bの構成が異なっている。第一歯車48Bは、副軸45Bに固定されている。第一歯車48Bは、副軸45Bと一体に第一中心線O1を中心に回転する。第一歯車48Bは、副軸45Bにおいて軸線方向Daの第二の側Da2の端部に固定されている。第一歯車48Bは、ケーシング40から軸線方向Daの第二の側Da2に突出するように、ケーシング40の外部に配置されている。第一歯車48Aは、第一中心線O1を中心とする円板状に形成された外歯車である。第二実施形態の第一歯車48Bは、副歯車46よりも外径が小さい。第一歯車48Bは、第一中心線O1を中心とする円板状に形成された外歯車である。第一歯車48Bは、歯すじが第一中心線O)と平行な平歯である第一歯部48gを複数有する平歯車である。
【0057】
第二実施形態の変速機5Bは歯車機構70を有している。歯車機構70は、主軸41を囲むように複数(本実施形態では三つ)配置されている。歯車機構70は、対応する一つの圧縮機3と一対一の関係で接続されている。歯車機構70は、主軸41の回転を対応する一つの圧縮機3の回転機械軸35に伝達する。複数の歯車機構70は、同じ構成となされている。歯車機構70は、複数の遊星歯車53と、複数の遊星歯車軸54と、歯車支持部55と、第二歯車56Bと、外周歯車71と、太陽歯車57と、太陽軸(出力軸)58と、第二軸受59とを有している。
【0058】
第二歯車56Bは、第一歯車48Bと噛み合っている。第二歯車56Bは、変速機ケーシング60内に配置されている。第二歯車56Bは、第一中心線O1を中心とする円板状の外歯車である、第二歯車56Bは、軸線方向Daから視た際に、中央部に貫通孔56kが形成されている。第二歯車56Bは、貫通孔56kの内周面に、第二歯部56gを有している。第二歯部56gは、第二歯車56Bの周方向Dcに間隔をあけて複数形成されている。各第二歯部56gは、歯すじが中心軸Oと平行な平歯である。第二歯部56gは、第一歯部48gに噛み合っている。第一歯部48gの歯数と、第二歯部56gの歯数とは、同一である。第二歯部56gは、周方向Dcで隣り合う第一歯部48gの間に配置される。すなわち、第二歯車56Bの貫通孔56kに対し、第一歯車48Bがスプライン嵌合している。第二歯車56Bが第一歯車48Bと噛み合った状態では、第二歯部56gが第一歯部48gに接触した状態となる。その結果、第二歯車56Bは、副軸45Bと一体に回転する。
【0059】
第二実施形態の第二歯車56Bは、外周面に複数の外歯56tをさらに有する外歯車である。第二歯車56Bは、例えば、副歯車46と同じ外径とされている。なお、第二歯車56Bは、副歯車46と同じ外径であることに限定されるものではない。例えば、第二歯車56Bは、副歯車46よりも外径が大きくてもよく、小さくてもよい。第二歯車56Bは、一つの副歯車46に対して一つが対応して配置されている。
【0060】
外周歯車71は、第二歯車56Bに対して、第一中心線O1を中心とした径方向Drの外側Droに配置されている。外周歯車71は、遊星歯車53とは異なる歯車である。外周歯車71は、遊星歯車53に対して、軸線方向Daの第一の側Da1に離れた位置で遊星歯車軸54に固定されている。外周歯車71は、遊星歯車53に対して駆動機2に近い位置に配置されている。外周歯車71は、第二中心線O2を中心とする円板状に形成された外歯車である。外周歯車71は、第二歯車56Bの外周面に形成された複数の外歯56tに噛み合っている。
【0061】
外周歯車71は、例えば、遊星歯車53よりも外径が小さい。なお、外周歯車71は、遊星歯車53よりも外径が小さいことに限定されるものではない。例えば、外周歯車71は、遊星歯車53よりも外径が大きくてもよく、同じであってもよい。外周歯車71は、一つの遊星歯車53に対して一つが対応して配置されるように、複数配置されている。複数の外周歯車71は、第二中心線O2を中心として自転する。外周歯車71及び第二歯車56Bは、軸線方向Daにおける位置が、第一歯車48Bと重なっている。
【0062】
このような回転機械システム1Bにおいても、第一実施形態と同様に、回転機械システム1Bのメンテナンスを行うに際し、伝達部4B及び変速機5Bの少なくとも一方を、軸線方向Daで相対的に移動させることで、第一歯車48Bと第二歯車56Bとの噛み合いの解除、第一歯車48Bと第二歯車56Bとの噛み合わせを、容易に行うことができる。つまり、回転機械システム1Bのメンテナンスは、上記第一実施形態で図4に示した、回転機械システム1Aのメンテナンス方法S10と同様にして実施することができる。
【0063】
(作用効果)
この回転機械システム1Bは、伝達部4Bの第一歯車48Bと、変速機5Bの第二歯車56Bとは、軸線方向Daに相対移動させることができる。したがって、伝達部4Bと変速機5Bとの切り離し作業及び接続作業を容易に行うことが可能となり、回転機械システム1Bのメンテナンス性を高めることができる。
【0064】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0065】
なお、本実施形態では、太陽軸58を10000回転以上の周速まで増速させて高速で複数の圧縮機3を運転させているが、高速運転するのであれば、複数の圧縮機3の回転数は異なっていてもよい。つまり、第一圧縮機31、第二圧縮機32、及び第三圧縮機は、それぞれ異なる回転数で運転されてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、回転機械として、圧縮機3を例示したが、回転機械の用途、構成等について何ら問うものではない。例えば、回転機械は、船舶等に備えられるプロペラシャフト回りの駆動系や、風車等であってもよい。
【0067】
<付記>
各実施形態に記載の回転機械システム1A、1B、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス方法S10は、例えば以下のように把握される。
【0068】
(1)第1の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、中心軸O回りに回転駆動される駆動軸21を有する駆動機2と、前記駆動軸21に連結された主軸41、前記主軸41に固定された主歯車42、前記主歯車42に噛み合う副歯車46、前記副歯車46に固定された副軸45、45B、及び前記副軸45、45Bと一体に回転する第一歯車48A、48B、を備えた伝達部4A、4Bと、前記第一歯車48A、48Bに噛み合う第二歯車56A、56B、前記第二歯車56A、56Bの回転数を変速して出力する出力軸58、を備えた変速機5、5Bと、前記出力軸58に接続された回転機械軸35を有し、前記出力軸58の回転が伝達されることで前記回転機械軸35が回転駆動される回転機械3と、を備え、前記第一歯車48A、48Bは、歯すじが前記中心軸Oと平行な平歯である第一歯部48gを複数有する平歯車であり、前記第二歯車56A、56Bは、歯すじが前記中心軸Oと平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部48gの間に配置される第二歯部56gを複数有する。
駆動機2の例としては、モータや蒸気タービンが挙げられる。
回転機械3の例としては、圧縮機、船舶等に備えられるプロペラシャフト回りの駆動系、風車が挙げられる。
【0069】
この回転機械システム1A、1Bは、伝達部4A、4Bと変速機5、5Bとは、伝達部4A、4Bの第一歯車48A、48Bと、変速機5、5Bの第二歯車56A、56Bとが噛み合っている。これにより、伝達部4A、4Bに伝達された駆動軸21の回転が、変速機5、5Bに伝達される。その結果、駆動軸21の回転は、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bを介して、圧縮機3の回転機械軸35に伝達される。さらに、互いに噛み合う第一歯部48g及び第二歯部56gは、それぞれ歯筋が中心軸Oと平行な平歯とされている。そのため、第一歯車48Aと第二歯車56Aとは、軸線方向Daに相対移動させることができる。したがって、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bの少なくとも一方を、軸線方向Daで離れるように相対的に移動させることで、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を切り替えることができる。これにより、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bの少なくとも一方にメンテナンスを施す際に、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bを容易に分解や組み立てすることができる。つまり、メンテナンス作業に、容易に移行できる。このようにして、伝達部4A、4Bと変速機5、5Bとの切り離し作業及び接続作業を容易に行うことが可能となり、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス性を高めることができる。
【0070】
(2)第2の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(1)の回転機械システム1A、1Bであって、前記伝達部4A、4Bは、前記主軸41、前記主歯車42、前記副歯車46、及び前記副軸45、45Bを覆うケーシング40を有し、前記第一歯車48A、48Bは、前記ケーシング40の外部に配置されている。
【0071】
これにより、伝達部4A、4Bと変速機5、5Bとの切り離し作業及び接続作業を行う際に、第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合い状態を目視により確認しやすくできる。したがって、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス性をより向上させることができる。
【0072】
(3)第3の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(2)の回転機械システム1A、1Bであって、前記ケーシング40は、前記第一歯車48A、48Bが挿通可能な大きさで形成され、前記副軸45、45Bが挿通された挿通孔40hを有し、前記第一歯車48A、48Bは、前記挿通孔40hを通して前記ケーシング40から突出した前記副軸45、45Bの端部に固定されている。
【0073】
これにより、第一挿通孔40hを通して、伝達部4A、4Bのケーシング40の内部の状態を、目視により確認しやすくできる。したがって、伝達部4A、4Bのメンテナンス性を向上させることができる。
【0074】
(4)第4の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(2)又は(3)の回転機械システム1A、1Bであって、変速機5、5Bは、変速機ケーシング60を備え、前記変速機ケーシング60は、鉛直方向Dvの下方Dvbから前記第二歯車56A、56B、及び前記出力軸58を覆う下半ケーシング61と、前記鉛直方向Dvの上方Dvuから前記第二歯車56A、56B、及び前記出力軸58を覆い、前記下半ケーシング61に対して着脱可能に配置された上半ケーシング62と、を備える。
【0075】
これにより、第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合いの解除作業、及び第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合わせ作業を行う際に、上半ケーシング62を下半ケーシング61から取り外すことができる。したがって、第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合い状態の目視によって確認しながら、第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合い状態を切り替えられる。さらに、変速機5の内部のメンテナンス作業を容易に行うことができる。したがって、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス性をより一層向上させることができる。
【0076】
(5)第5の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(1)から(4)の何れか一つの回転機械システム1A、1Bであって、前記出力軸58と前記回転機械軸35とを着脱可能に連結するカップリング100と、前記カップリング100を覆うカップリングカバー120と、をさらに備え、前記カップリングカバー120は、鉛直方向Dvの下方Dvbから前記カップリング100を覆う下部カバー121と、前記鉛直方向Dvの上方Dvuから前記カップリング100を覆い、前記下部カバー121に対して着脱可能に配置された上部カバー122と、を備える。
【0077】
これにより、上部カバー122を下部カバー121から取り外すことによって、カップリング100を取り外して太陽軸58と回転機械軸35との解除作業を容易に行うことができる。その結果、変速機5、5Bと圧縮機3との間に空間を容易に確保できる。つまり、変速機5、5Bを、軸線方向Daで伝達部4A、4Bから離れるように移動させる空間を容易に確保できる。これにより、変速機5、5Bを移動して、第一歯車48A、48Bと第二歯車56A、56Bとの噛み合い状態を切り替えることができる。したがって、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス性をより一層向上させることができる。
【0078】
(6)第6の態様に係る回転機械システム1Aは、(1)から(5)の何れか一つの回転機械システム1Aであって、前記第二歯車56Aは、前記第二歯部56gを内周面に有した内歯車である。
【0079】
(7)第7の態様に係る回転機械システム1Bは、(1)から(5)の何れか一つの回転機械システム1Bであって、前記第二歯車56Bは、前記第二歯部56gを内周面に有するとともに、外周面に複数の歯をさらに有する外歯車である。
【0080】
(8)第8の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(1)から(7)の何れか一つの回転機械システム1A、1Bであって、前記伝達部4A、4Bは、前記主軸41に対し、前記副軸45、45Bが前記主軸41の径方向の外側で周方向に間隔をあけて複数配置され、複数の前記副軸45、45Bのそれぞれに対応するように、各前記副軸45、45Bの回転が伝達される前記変速機5、5B及び前記回転機械3を複数備えている。
【0081】
これにより、伝達部4A、4Bが、主軸41に対して、主軸41の径方向の外側で周方向に間隔をあけて複数配置された副軸45、45Bを備え、それぞれの副軸45、45Bに対応して変速機5、5B及び回転機械3が配置されている。このような構成において、副軸45、45Bのそれぞれと一体に回転する第一歯車48A、48Bと、それぞれの副軸45、45Bに対応して変速機5、5Bの第二歯車56A、56Bとが噛み合っている。各副軸45、45Bの第一歯車48A、48Bと、各副軸45、45Bに対応する変速機5、5Bの第二歯車56A、56Bとは、中心軸Oに沿った軸線方向Daに相対移動させることができる。したがって、伝達部4A、4Bと、各変速機5、5Bとの切り離し作業、及び接続作業を容易に行うことができる。
【0082】
(9)第9の態様に係る回転機械システム1A、1Bは、(1)から(8)の何れか一つの回転機械システム1A、1Bであって、前記駆動機2はモータであり、前記回転機械3は圧縮機である。
【0083】
これにより、モータによって圧縮機を駆動する回転機械システム1A、1Bにおいて、伝達部4A、4Bと、各変速機5、5Bとの切り離し作業、及び接続作業を容易に行うことができるので、そのメンテナンス性を高めることができる。
【0084】
(10)第10の態様に係る回転機械システム1A、1Bのメンテナンス方法S10は、中心軸O回りに回転駆動される駆動軸21を有する駆動機2と、前記駆動軸21に連結された主軸41、前記主軸41に固定された主歯車42、前記主歯車42に噛み合う副歯車46、前記副歯車46に固定された副軸45、45B、及び前記副軸45、45Bと一体に回転する第一歯車48A、48B、を備えた伝達部4A、4Bと、前記第一歯車48A、48Bに噛み合う第二歯車56A、56B、前記第二歯車56A、56Bの回転数を変速して出力する出力軸58、を備えた変速機5、5Bと、前記出力軸58に接続された回転機械軸35を有し、前記出力軸58の回転が伝達されることで前記回転機械軸35が回転駆動される回転機械3と、を備え、前記第一歯車48A、48Bは、歯すじが前記中心軸Oと平行な平歯である第一歯部48gを複数有し、前記第二歯車56A、56Bは、歯すじが前記中心軸Oと平行な平歯であって、隣り合う前記第一歯部48gの間に配置される第二歯部56gを複数有する回転機械システム1A、1Bのメンテナンス方法S10であって、前記伝達部4A、4B及び前記変速機5、5Bの少なくとも一方を、前記中心軸Oの延びる軸線方向Daで離れるように相対的に移動させ、前記第一歯車48A、48Bと前記第二歯車56A、56Bとの噛み合いを解除する工程S12と、前記伝達部4A、4B及び前記変速機5、5Bの少なくとも一方にメンテナンスを施す工程S13と、前記伝達部4A、4B及び前記変速機5、5Bの少なくとも一方を、前記軸線方向Daに近づくように相対的に移動させ、前記第一歯車48A、48Bと前記第二歯車56A、56Bとを噛み合わせる工程S14と、を含む。
【0085】
この回転機械システム1A、1Bのメンテナンス方法S10は、伝達部4A、4Bと変速機5、5Bとは、伝達部4A、4Bの第一歯車48A、48Bと、変速機5、5Bの第二歯車56A、56Bとが噛み合っている。これにより、伝達部4A、4Bに伝達された駆動軸21の回転が、変速機5、5Bに伝達される。その結果、駆動軸21の回転は、伝達部4A44及び変速機5、5Bを介して、圧縮機3の回転機械軸35に伝達される。さらに、互いに噛み合う第一歯部48g及び第二歯部56gは、それぞれ歯筋が中心軸Oと平行な平歯とされている。そのため、第一歯車48Aと第二歯車56Aとは、軸線方向Daに相対移動させることができる。したがって、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bの少なくとも一方を、軸線方向Daで離れるように相対的に移動させることで、第一歯車48Aと第二歯車56Aとの噛み合い状態を切り替えることができる。これにより、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bの少なくとも一方にメンテナンスを施す際に、伝達部4A、4B及び変速機5、5Bを容易に分解や組み立てすることができる。つまり、メンテナンス作業に、容易に移行できる。このようにして、伝達部4A、4Bと変速機5、5Bとの切り離し作業及び接続作業を容易に行うことが可能となり、回転機械システム1A、1Bのメンテナンス性を高めることができる。
【符号の説明】
【0086】
1A、1B…回転機械システム
2…駆動機
3…圧縮機(回転機械)
4A、4B…伝達部
5、5B…変速機
21…駆動軸
31…第一圧縮機
32…第二圧縮機
35…回転機械軸
40…ケーシング
40h…第一挿通孔(挿通孔)
41…主軸
42…主歯車
43…主軸軸受
45、45B…副軸
46…副歯車
47…第一軸受
48A、48B…第一歯車
48g…第一歯部
50…遊星歯車機構
50A…第一遊星歯車機構
50B…第二遊星歯車機構
53…遊星歯車
54…遊星歯車軸
55…歯車支持部
55A…第一歯車支持部
55B…第二歯車支持部
56A、56B…第二歯車
56g…第二歯部
56k…貫通孔
56s…遊星噛合歯
56t…外歯
57…太陽歯車
58…太陽軸(出力軸)
59…第二軸受
60…変速機ケーシング
60h…第二挿通孔
61…下半ケーシング
62…上半ケーシング
70…歯車機構
71…外周歯車
100…カップリング
120…カップリングカバー
121…下部カバー
122…上部カバー
Da…軸線方向
Da1…第一の側
Da2…第二の側
Dc…周方向
Dr…径方向
Dri…内側
Dro…外側
Dv…鉛直方向
Dvu…上方
Dvb…下方
O…中心軸
O1…第一中心線
O2…第二中心線
S10…回転機械システムのメンテナンス方法
S11…カバーを取り外す工程
S12…第一歯車と第二歯車との噛み合いを解除する工程
S13…メンテナンスを施す工程
S14…第一歯車と第二歯車とを噛み合わせる工程
S15…カバーを取り付ける工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7