(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012294
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230118BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
G01C21/34
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115839
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(72)【発明者】
【氏名】大槻 幸平
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC08
2C032HC14
2C032HD16
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC16
2F129DD29
2F129DD51
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE72
2F129EE89
2F129HH12
2F129HH25
(57)【要約】
【課題】経路探索途中でも有料道路料金を考慮した探索枝のコスト比較を行うことができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置は、目的地を設定する目的地設定部30と、道路に対応する複数のリンクのそれぞれについて通過時間としての第1のコストを含む地図データを格納する地図データ記憶装置3、地図バッファ10と、格納された地図データに基づいて目的地までの走行経路を探索する際に、有料道路の利用料金に対応する第2のコストを第1のコストに加算して走行経路を探索し、目的地に至るまでのコスト合計が最も少ない走行経路を決定する経路探索処理部22とを備える。経路探索処理部22は、比較対象となる複数の探索枝のそれぞれに入口が異なる共通の有料道路が含まれている場合に、この共通の有料道路において以後に到来する出口までの利用料金を用いて第2のコストを設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を設定する目的地設定手段と、
道路に対応する複数のリンクのそれぞれについて通過時間としての第1のコストを含む地図データを格納する地図データ格納手段と、
前記地図データ格納手段に格納された地図データに基づいて前記目的地までの走行経路を探索する際に、有料道路の利用料金に対応する第2のコストを前記第1のコストに加算して走行経路を探索し、前記目的地に至るまでのコスト合計が最も少ない走行経路を決定する経路探索手段と、
を備え、前記経路探索手段は、コスト比較の対象となる複数の探索枝の中からコスト最少の探索枝を選択する処理を前記目的地まで繰り返し行うとともに、比較対象となる複数の探索枝のそれぞれに入口が異なる共通の有料道路が含まれている場合に、この共通の有料道路において以後に到来する出口までの利用料金を用いて前記第2のコストを設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記出口は、前記共通の有料道路に含まれて最初に到来する出口であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第2のコストは、利用料金に比例した値を有することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記利用料金に対応する短縮時間が設定されており、前記経路探索手段は、前記有料道路が含まれる探索枝を選択することにより、前記短縮時間以上に、通過時間が短縮可能な場合に、この選択肢を選択することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記短縮時間は、利用者によって変更可能であることを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
所定時間短縮するために支払可能な許容料金が設定されており、前記経路探索手段は、前記有料道路が含まれる探索枝を選択することによる走行時間の短縮時間を算出し、この短縮時間に対応する前記許容料金よりも前記有料道路の利用料金の方が安い場合に、この選択肢を選択することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記許容料金は、利用者によって変更可能であることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの走行経路を探索するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IN側料金所ノードとOUT側料金所ノードとを総当たりさせてペアを作成し、全てのペアについて有料道路の料金を求め、全てのペアの有料道路を採用した場合の出発地・目的地間の総コストを求め、その中からコストが最少となる経路を特定する経路探索を行うようにしたナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、ナビゲーション装置における経路探索は、探索枝を1本1本拡張しながら、最少コストとなる経路をその都度採用することで、最終的に出発地・目的地間のコスト最少経路を特定している。
【0005】
ところで、高速道路等の料金は、入口ICと出口ICが決まらないと計算できないため、入口ICが異なる複数の経路の一部が重複した際に、最初の入口ICから2番目の入口ICまでの料金が決まらず、料金を考慮したコスト比較を行うことができなかった。したがって、2番目の入口ICまで高速道路を経由した第1の経路と、一般道を経由して2番目の入口ICに到達した第2の経路とがあったときに、第1の経路に含まれる高速道路の料金が決まらず、この料金を考慮したコスト比較ができないことになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、経路探索途中でも有料道路(高速道路)料金を考慮した探索枝のコスト比較を行うことができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、目的地を設定する目的地設定手段と、道路に対応する複数のリンクのそれぞれについて通過時間としての第1のコストを含む地図データを格納する地図データ格納手段と、地図データ格納手段に格納された地図データに基づいて目的地までの走行経路を探索する際に、有料道路の利用料金に対応する第2のコストを第1のコストに加算して走行経路を探索し、目的地に至るまでのコスト合計が最も少ない走行経路を決定する経路探索手段とを備え、経路探索手段は、コスト比較の対象となる複数の探索枝の中からコスト最少の探索枝を選択する処理を目的地まで繰り返し行うとともに、比較対象となる複数の探索枝のそれぞれに入口が異なる共通の有料道路が含まれている場合に、この共通の有料道路において以後に到来する出口までの利用料金を用いて第2のコストを設定する。
【0008】
これにより、選択対象となる複数の探索枝に含まれる有料道路の利用料金を設定してこれらの複数の探索枝のコスト比較を行うことができるため、経路探索途中でも有料道路(高速道路)料金を考慮した探索枝のコスト比較を行うことが可能となる。
【0009】
また、上述した出口は、共通の有料道路に含まれて最初に到来する出口であることが望ましい。これにより、利用料金の算出対象となる有料道路の区間の特定が容易となり、経路探索の処理負担を軽減することができる。
【0010】
また、上述した第2のコストは、利用料金に比例した値を有することが望ましい。これにより、利用料金に応じたコストを経路探索に反映させることができ、利用料金を支払ってまでその有料道路を利用した方がよいか否かを判断することが可能となる。
【0011】
また、上述した利用料金に対応する短縮時間が設定されており、経路探索手段は、有料道路が含まれる探索枝を選択することにより、短縮時間以上に、通過時間が短縮可能な場合に、この選択肢を選択することが望ましい。あるいは、所定時間短縮するために支払可能な許容料金が設定されており、経路探索手段は、有料道路が含まれる探索枝を選択することによる走行時間の短縮時間を算出し、この短縮時間に対応する許容料金よりも有料道路の利用料金の方が安い場合に、この選択肢を選択することが望ましい。これにより、利用料金と短縮時間とを関連付けた経路探索が可能となる。
【0012】
また、上述した短縮時間や許容料金は、利用者によって変更可能であることが望ましい。これにより、利用者ごとに時間短縮に許容できる利用料金を反映させた経路探索が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【
図2】経路探索を行う動作手順を示す流れ図である。
【
図3】入口が異なる有料道路が含まれる2つの探索枝の説明図である。
【
図4】高速料金を反映したコスト比較の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、一実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
図1に示すナビゲーション装置は、ナビゲーションコントローラ1、地図データ記憶装置3、操作部4、車両位置検出部5、表示装置6、オーディオ部7を含んで構成されている。このナビゲーション装置は、車両に搭載されている。
【0016】
ナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することにより、自車位置周辺の地図画像表示動作や施設検索動作、経路探索・誘導動作などの各種機能を実現する。ナビゲーションコントローラ1の詳細構成については後述する。
【0017】
地図データ記憶装置3は、地図表示、施設検索、経路探索、経路誘導などに必要な地図データが格納されている記憶媒体およびその読み取り装置である。この地図データ記憶装置3には、経度および緯度で適当な大きさに区切られた矩形形状の図葉を単位とした地図データが格納されている。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。地図データ記憶装置3は、ハードディスク装置や半導体メモリによって、あるいは、DVDとその読み取り装置によって実現される。また、地図データ記憶装置3を通信装置に置き換えて、外部の地図配信サーバ(図示せず)などから必要なデータを取得するようにしてもよい。
【0018】
操作部4は、利用者の指示(操作)を受け付けるためのものであり、各種の操作ボタンや操作つまみ類を備えている。また、操作部4は、表示装置6の画面に取り付けられたタッチパネルを含んでおり、画面上の一部を直接利用者が指等で指し示すことにより、操作指示を行うことができるようになっている。車両位置検出部5は、例えば、GPS受信機、方位センサ、距離センサなどを備えており、所定のタイミングで車両位置(経度、緯度)の検出を行い、検出結果を出力する。
【0019】
表示装置6は、例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、ナビゲーションコントローラ1から出力される映像信号に基づいて自車位置周辺の地図画像や、目的地までの走行経路や分岐地点における拡大案内画像などを表示する。オーディオ部7は、ナビゲーションコントローラ1から入力される音声信号に基づいて生成した案内音声などを車室内に出力する。
【0020】
次に、ナビゲーションコントローラ1の詳細構成について説明する。
図1に示すナビゲーションコントローラ1は、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14、車両位置計算部20、経路探索処理部22、探索条件設定部24、経路誘導処理部28、目的地設定部30、入力処理部50、表示処理部60を含んで構成されている。
【0021】
地図バッファ10は、地図データ記憶装置3から読み出された地図データを一時的に格納する。地図読出制御部12は、車両位置計算部20により算出される車両位置や利用者が操作部4を操作して指定した位置に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求を地図データ記憶装置3に出力する。地図描画部14は、地図バッファ10に格納された地図データに基づいて、表示装置6に地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。
【0022】
車両位置計算部20は、車両位置検出部5から出力される検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には、自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。
【0023】
経路探索処理部22は、経路探索処理を行って、出発地と目的地との間を所定の探索条件にしたがって結ぶ走行経路(誘導経路)を探索する。
【0024】
探索条件設定部24は、経路探索処理部22による経路探索の際の探索条件を設定するとともに、利用者の指示に応じて変更する。本実施形態では、有料道路としての高速道路の利用料金に関する各種の設定や変更が行われる。
【0025】
経路誘導処理部28は、経路探索処理部22によって得られた走行経路に沿って、表示や音声によって自車両の走行を案内する経路誘導処理を行う。
【0026】
目的地設定部30は、経路探索処理部22によって行われる経路探索処理に必要な目的地を設定する。例えば、施設検索部(図示せず)による検索によって抽出された施設を目的地として設定する場合や、利用者が操作部4を操作して直接指定した地図画像上の地点を目的地として設定する場合などが考えられる。
【0027】
入力処理部50は、操作部4から入力される各種の操作指示に対応する動作を行うための命令をナビゲーションコントローラ1内の各部に向けて出力する。
【0028】
表示処理部60は、地図描画部14によって作成される地図画像描画データが入力されており、この描画データに基づいて所定範囲の地図画像を表示装置6の画面に表示する。また、経路誘導処理部28によって作成された案内画像を示す描画データが入力されると、表示処理部60は、この画像を地図画像に重ねて表示装置6の画面に表示する。
【0029】
上述した目的地設定部30が目的地設定手段に、地図データ記憶装置3、地図バッファ10が地図データ格納手段に、経路探索処理部22が経路探索手段にそれぞれ対応する。
【0030】
本実施形態のナビゲーション装置はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
【0031】
図2は、経路探索を行う動作手順を示す流れ図である。ナビゲーション装置が起動されて自車位置周辺の地図画像表示を開始した後に、経路探索処理部22は、目的地設定部30によって目的地が設定されたか否かを判定する(ステップ100)。未設定の場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、目的地が設定されるとステップ100の判定において肯定判断が行われる。
【0032】
次に、経路探索処理部22は、経路探索の指示があったか否かを判定する(ステップ102)。指示がない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、指示があった場合にはステップ102の判定において肯定判断が行われる。
【0033】
次に、経路探索処理部22は、選択可能な探索条件を表示する(ステップ104)。例えば、操作部4のタッチパネルを用いて経路探索が指示されたときに、「時間優先」、「一般道優先」、「有料道路優先」、「道路料金反映」などの各探索条件がプルダウンメニューの形式で表示される。この中で「道路料金反映」は、有料道路の料金に比例するコストを経路探索に反映させた探索条件であり、この反映の手法については後述する。
【0034】
次に、経路探索処理部22は、「道路料金反映」の探索条件が選択されたか否かを判定する(ステップ106)。例えば、利用者が操作部4のタッチパネルを操作して、プルダウンメニューの中から「道路料金反映」を選択するとこの判定において肯定判断が行われる。
【0035】
次に、経路探索処理部22は、「道路料金反映」の探索条件下で経路探索を行って、目的地までの走行経路を算出する(ステップ108)。
【0036】
「道路料金反映」の探索条件下では、目的地までの走行経路を探索する際に、有料道路の利用料金に対応する第2のコストを、各リンクのそれぞれに対応する通過時間としての第1のコストに加算し、目的地に至るまでのコスト合計が最も少ない走行経路を決定する。例えば、第2のコストとしては、利用料金に比例した値(例えば、利用料金100円を通過時間1分に対応させる)が用いられる。なお、この第2のコストと利用料金との関係は、使用者の指示に応じて変更できるようにしてもよい。
【0037】
ところで、2つの探索枝のコスト比較を行う場合に、これら2つの探索枝に入口が異なる共通の有料道路が含まれる場合がある。
【0038】
図3は、入口が異なる有料道路が含まれる2つの探索枝の説明図である。
図3に示す例では、入口Aから高速道路に進入する探索枝と入口Bから高速道路に進入する探索枝がリンクL1で重複している。このリンクL1までの各探索枝においては、高速道路の出口が決まっていないため、高速道路の料金も決まらない。
【0039】
そこで、本実施形態では、コストの比較対象となる2つの探索枝に、入口が異なる共通の高速道路(有料道路)が含まれている場合には、この共通の高速道路において以後に到来する出口(最も望ましくは直近の出口)を特定し、この出口までの高速料金を算出している。
図3に示す例では、一方の探索枝に対応して入口Aから出口Cまでの高速料金が算出され、他方の探索枝に対応して入口Bから出口Cまでの高速料金が算出され、さらにこれらの高速料金に比例する第2のコストが決定する。
【0040】
図4は、高速料金を反映したコスト比較の具体例を示す図である。この例では、利用料金100円を通過時間1分に対応させる場合が示されている。
図4に示すように、入口Aを経由して出口Cに至るまでの探索枝の探索コスト(通過時間としての第1のコストに対応する)が10(分)、高速料金が600円、高速料金に対応する料金コスト(第2のコスト)が6(分)とすると、これらの合計コストは16(分)となる。また、入口Bを経由して出口Cに至るまでの探索枝の探索コスト(第1のコスト)が12(分)、高速料金が300円、高速料金に対応する料金コスト(第2のコスト)が3(分)とすると、これらの合計コストは15(分となる)。
【0041】
料金コストを考慮しない場合(従来)では、これら2つの探索枝のコスト(探索コスト)は入口A経由の探索枝の方が少なくなるため、この探索枝が選択される。しかし、料金コストを考慮した場合には、これら2つの探索枝のコスト(合計コスト)は入口B経由の探索枝の方が少なくなるため、この探索枝が選択される。
【0042】
なお、利用者が「道路料金反映」以外の探索条件を選択した場合にはステップ106の判定において否定判断が行われる。次に、経路探索処理部22は、選択された探索条件で経路探索を行う(ステップ110)。
【0043】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、入口が異なる共通の高速道路について次の出口を特定することにより、選択対象となる複数の探索枝に含まれる高速道路の料金を算出してこれら複数の探索枝のコスト比較を行うことができるため、経路探索途中でも高速料金を考慮した探索枝のコスト比較を行うことが可能となる。特に、共通の高速道路について最初に到来する出口を特定することにより、高速料金の算出対象となる高速道路の区間の特定が容易となり、経路探索の処理負担を軽減することができる。また、高速料金に対応する第2のコストを高速料金に比例した値とすることにより、高速料金に応じたコストを経路探索に反映させることができ、高速料金を支払ってまでその高速道路を利用した方がよいか否かを判断することが可能となる。
【0044】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、有料道路の利用料金(高速料金)に比例する値を有する第2のコストを設定し、探索枝としての道路の通過時間に対応する第1のコストに加算して合計コストを算出した上で合計コストの比較を行ってコスト最少の探索枝を選択するようにしたが、合計コストの大小を単純に比較するだけでなく、以下の(1)あるいは(2)の内容を加えるようにしてもよい。
【0045】
(1)利用料金に対応する短縮時間を設定しておいて(例えば、設定画面にて利用者が100円で何分短縮したいかを所定範囲内で任意に設定する場合が考えられる)、経路探索処理部22は、有料道路が含まれる探索枝を選択することにより、利用料金に対応する短縮時間以上に、通過時間が短縮可能な場合に、この選択肢を選択するようにしてもよい。
【0046】
(2)所定時間短縮するために支払可能な許容料金を設定しておいて(例えば、設定画面にて利用者が1分短縮するために許容できる金額を設定する場合が考えられる)、経路探索処理部22は、有料道路が含まれる探索枝を選択することによる走行時間の短縮時間を算出し、この短縮時間に対応する許容料金よりも有料道路の利用料金の方が安い場合に、この選択肢を選択するようにしてもよい。
【0047】
これらの探索手法によれば、利用料金と短縮時間とを関連付けた経路探索が可能となる。また、利用者が短縮時間を設定する場合には、利用者ごとに時間短縮に許容できる利用料金を反映させた経路探索が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
上述したように、本発明によれば、選択対象となる複数の探索枝に含まれる有料道路の利用料金を設定してこれらの複数の探索枝のコスト比較を行うことができるため、経路探索途中でも有料道路(高速道路)料金を考慮した探索枝のコスト比較を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1 ナビゲーションコントローラ
3 地図データ記憶装置
4 操作部
5 車両位置検出部
6 表示装置
7 オーディオ部
10 地図バッファ
12 地図読出制御部
14 地図描画部
20 車両位置計算部
22 経路探索処理部
24 探索条件設定部
28 経路誘導処理部
30 目的地設定部
50 入力処理部
60 表示処理部