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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023122949
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】車椅子用テーブル
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/10 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A61G5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026730
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】517319710
【氏名又は名称】第一ボデー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128277
【弁理士】
【氏名又は名称】專徳院 博
(72)【発明者】
【氏名】久保 光隆
(57)【要約】
【課題】好ましい着座姿勢を取り得る車椅子用テーブルを提供する。
【解決手段】天板10の高さを調節可能な左右一対の交差脚20を備える折り畳み可能な車椅子用テーブル1であって、略半円状の凹部15を有する天板10と、第1脚体21と第2脚体26とがX字状に配置され連結ピン30を介して回動自在に連結された、左右一対の前記交差脚20と、左右の前記第1脚体21の下端部に掛け渡すように設けられた連結板70と、を備え、前記連結板70に車椅子のフットサポートが通過可能な凹部72を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の高さを調節可能な左右一対の交差脚を備える折り畳み可能な車椅子用テーブルであって、
略半円状の凹部を有する天板と、
第1脚体と第2脚体とがX字状に配置され連結ピンを介して回動自在に連結された、左右一対の前記交差脚と、
左右の前記第1脚体の下端部に掛け渡すように設けられた第1連結体と、
を備え、
前記第1連結体に車椅子のフットサポートが通過可能な凹部を備えることを特徴とする車椅子用テーブル。
【請求項2】
さらに高さを調節可能な足置き台を備え、
前記足置き台は、前端が前記第1連結体に回動自在に連結され、後部裏面に高さ調節手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車椅子用テーブル。
【請求項3】
左右の前記第1脚体は、それぞれ上端が前記天板後部の裏面に回動自在に取付けられ、
左右の前記第2脚体は、互いの上端部に掛け渡すように取付けられた第2連結体で連結され、
前記第2連結体を前後方向に進退させ、前記第2脚体の前記第1脚体に対する交差角度を可変させる脚角度調節手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車椅子用テーブル。
【請求項4】
前記第2連結体を前記第1脚体の上端側に移動させることで前記交差脚が折り畳まれ、
前記交差脚が折り畳まれたとき前記第2連結体が前記天板の凹部に位置し、
前記第2連結体を持ち手として折り畳まれたテーブルを持ち運び可能に構成されてなることを特徴とする請求項3に記載の車椅子用テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子に着座し食事等をする際に使用する車椅子用テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者、足腰の不自由な人などで車椅子に着座した状態で食事する人も多く、これまでに食事に適した車椅子用テーブルが多く開発されている。このような車椅子用テーブルは、車椅子本体に取付け使用するタイプのテーブルと、脚を有し自立可能なタイプのテーブルとに大別できる。
【0003】
車椅子本体に取付け使用するタイプのテーブルとしては、車椅子のアームレストを利用し、ここにテーブルを取付け使用するものがある(例えば特許文献1参照)。一方、脚を有し自立可能なタイプのテーブルとしては、標準車椅子に適した車椅子用テーブル(例えば特許文献2参照)、キャスター付きの食事用移動テーブルがある(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-111091号公報
【特許文献2】実用新案登録第3213668号公報
【特許文献3】特開2013-215499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車椅子に着座した状態で食事する場合、姿勢が悪いと食物の取込み、咀嚼、嚥下が難しくなり、さらに誤嚥のリスクが高くなることが指摘されている。車椅子での食事の際に誤嚥を防ぐには、足底が床あるいは足置き台に、大腿部が座面に、身体が背もたれにしっかりと接地し、股・膝の屈曲角度が直角である姿勢が好ましいとされている。
【0006】
以上のような好ましい着座姿勢とするためには車椅子とテーブルとの位置関係、具体的にはテーブル、床あるいは足置き台の高さ、テーブルと背もたれとの間隔などがポイントとなる。一般的な車椅子は、基本的にフットサポート以外、各部所の高さが固定されているため、テーブル側で高さ等を調節する必要がある。
【0007】
アームレストを利用しテーブルを取付ける場合には、テーブルと背もたれとの間隔の調節は比較的容易であるが、テーブルをアームレストに固定するため高さ調節が難しい。一方、自立可能なタイプのテーブルは、テーブルの高さ調節は容易であるが、テーブルの脚が車椅子に接触し、テーブルを背もたれ側に十分に近づけることが難しい場合がある。
【0008】
車椅子用テーブルは、基本的に食事の時以外には使用されないためコンパクトに保管できるなど保管性も重要である。特に高齢者施設・病院等で使用する場合には、数も多いためコンパクトで保管スペースの小さい車椅子用テーブルが好ましい。これまでの車椅子用テーブルは、保管性に対する検討が十分とは言い難い。
【0009】
本発明の目的は、好ましい着座姿勢を取り得る車椅子用テーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、天板の高さを調節可能な左右一対の交差脚を備える折り畳み可能な車椅子用テーブルであって、略半円状の凹部を有する天板と、第1脚体と第2脚体とがX字状に配置され連結ピンを介して回動自在に連結された、左右一対の前記交差脚と、左右の前記第1脚体の下端部に掛け渡すように設けられた第1連結体と、を備え、前記第1連結体に車椅子のフットサポートが通過可能な凹部を備えることを特徴とする車椅子用テーブルである。
【0011】
本発明に係る車椅子用テーブルにおいて、さらに高さを調節可能な足置き台を備え、前記足置き台は、前端が前記第1連結体に回動自在に連結され、後部裏面に高さ調節手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る車椅子用テーブルにおいて、左右の前記第1脚体は、それぞれ上端が前記天板後部の裏面に回動自在に取付けられ、左右の前記第2脚体は、互いの上端部に掛け渡すように取付けられた第2連結体で連結され、前記第2連結体を前後方向に進退させ、前記第2脚体の前記第1脚体に対する交差角度を可変させる脚角度調節手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る車椅子用テーブルにおいて、前記第2連結体を前記第1脚体の上端側に移動させることで前記交差脚が折り畳まれ、前記交差脚が折り畳まれたとき前記第2連結体が前記天板の凹部に位置し、前記第2連結体を持ち手として折り畳まれたテーブルを持ち運び可能に構成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、好ましい着座姿勢を取り得る車椅子用テーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の正面図である。
図3】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の平面図である。
図4】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の側面図である。
図5】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の交差脚20を畳んだ状態の底面図である。
図6】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の交差脚20を畳んだ状態の側面図ある。
図7】本発明の第1実施形態の交差脚20が畳まれた車椅子用テーブル1を持ち運んでいる状態を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の使用状態を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1図2図3図4は、それぞれ本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の斜視図、正面図、平面図、側面図である。図5図6図7は、それぞれ本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の交差脚20を畳んだ状態の底面図、側面図、交差脚20が畳まれた車椅子用テーブル1を持ち運んでいる状態を示す図である。図8図9は、本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1の使用状態を示す図である。
【0017】
図及び明細書中のX軸、Y軸、Z軸は、3次元直交座標のX軸、Y軸、Z軸と一致し、X(X軸)方向、Y(軸)方向、Z(軸)方向は、3次元直交座標のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向と一致する。また明細書中、+X方向は図中に示されたX軸の矢印の方向を意味し、-X方向とは図中に示されたX軸の矢印と反対方向を意味する。+Y方向、-Y方向、+Z方向、-Z方向についても同様である。
【0018】
本発明の第1実施形態の車椅子用テーブル1は、天板10の高さを調節可能な左右一対の交差脚20を備える折り畳み可能な車椅子用テーブルである。図1図6において、+X方向が前、-X方向が後、+Z方向が左、-Z方向が右、+Y方向が上、-Y方向が下であり、天板10の短手方向がX軸に平行に、天板10の長手方向がZ軸に平行である。
【0019】
天板10は、平面視において矩形形状を有し、後部に略半円状の凹部15が設けられてなる(図3参照)。凹部15は、車椅子100に着座した者200の胴部が入るように設けられている。天板10の上面11の外周縁12は、物の落下を防ぐべく少し盛り上がっている。天板10の横幅(Z方向)は、車椅子100の横幅よりも大きく設定されている。
【0020】
交差脚20は、第1脚体21と第2脚体26とが連結ピン30を介して、互いに回動自在にX字状に配置されてなる。交差脚20は、天板10の左右にそれぞれ取付けられ、左右一対の交差脚20で天板10を支持する。左右の交差脚20は、同一の形状・構造からなる。左右の交差脚20の間隔は、車椅子100の横幅よりも大きく設定され、交差脚20の高さは、天板10の位置が車椅子100のアームサポート(アームレスト)104よりも高くなるように設定されている。これにより車椅子100を車椅子用テーブル1の下に入れることができる(図8参照)。
【0021】
第1脚体21は、細長い肉厚の板状部材であり、下端22が前側に位置し床面300に接する。第1脚体21は、下端22及び上端23が側面視において略半円形を有し、長手方向中央に連結ピン30が挿通する貫通孔を有する。第1脚体21は、上端23が、天板10の裏面13に固定された脚取付具35に連結ピン32を介して回動自在に取付けられている。第1脚体21の下端22であって床面300に接する部分には、滑り止め用のテープ(図示省略)が取付けられている。
【0022】
第2脚体26は、細長い肉厚の板状部材であり、下端27が後側に位置し床面300に接する。第2脚体26は、下端27及び上端28が側面視において略半円形を有し、長手方向中央に連結ピン30が挿通する貫通孔を有する。第2脚体26は、第1脚体21の内側(中央より)に配置され、左右の第2脚体26の上端28が連結棒40で連結されている。第2脚体26の下端27であって床面300に接する部分には、滑り止め用のテープ(図示省略)が取付けられている。
【0023】
連結棒40は、丸棒であり、天板10の裏面13に取付けられた天板高さ調整具50に係合する。本実施形態において連結棒40が、第2連結体に該当する。
【0024】
連結ピン30は、第1脚体21及び第2脚体26それぞれに設けられた貫通孔に挿通し、第1脚体21と第2脚体26とを回動自在に連結する。
【0025】
脚取付具35は、天板10の長さ(X方向)よりも僅かに短いL字状のアングル材である。脚取付具35は、天板10の裏面13の両サイドにX軸に平行に固定されている。脚取付具35の後端から少し前方に寄った位置に貫通孔が設けられ、ここに第1脚体21の上端23が連結ピン32を介して回動自在に取付けられる。
【0026】
天板高さ調整具50は、左右の第2脚体26の上端28をつなぐ連結棒40を前後方向に進退させ、天板10の高さを可変させる調整具である。連結棒40を後方に移動させると第2脚体26と第1脚体21との交差角度θが小さくなり、天板10の位置が高くなり、逆に連結棒40を前方に移動させると第2脚体26と第1脚体21との交差角度θが大きくなり、天板10の位置が低くなる。天板高さ調整具50は、第2脚体26と第1脚体21との交差角度を可変させる脚角度調節手段ということができる。
【0027】
天板高さ調整具50は、ねじ部52を備え連結棒40を後方に押し出す押出具51と、押出具51の先端部に取付けられ、連結棒40が天板10の裏面13から大きく離れないよう支持する支持板55と、押出具51のねじ部52が螺合する雌ねじ部を有し、押出具51を支持する押出具支持体60と、を備える。
【0028】
押出具支持体60は、天板10の横幅(Z方向)よりも僅かに短い中空の角パイプ材であり、天板10の裏面13の前端にZ軸に平行に取付けられている。押出具支持体60の長手方向中央には、押出具51のねじ部52が螺合する雌ねじ部が設けられている。押出具51は、押出具支持体60に取付けられた状態でねじ部52がX軸に平行である。押出具51は、ねじ部52の基端にノブ53を備え、ノブ53を回転させることでねじ部52が前進・後退する。
【0029】
支持板55は、側面視において略L字形状を有する長さ(Z方向)が連結棒40の1/3程度の板材である。支持板55は、連結棒40と接続しておらず、連結棒40の前部及び下部を支持する。支持板55は、前面に押出具51のねじ部52の先端が回転自在に嵌り込む連結具58を備える。このため押出具51をねじ込んでも支持板55は回転することなく後退する。連結棒40の移動は、支持板55で制限されており、支持板55及び押出具51は、連結棒40の移動を阻止するストッパーということもできる。
【0030】
本実施形態の車椅子用テーブル1は、さらに天板10の裏面13に連結棒40が前進・後退するときの移動をガイドする左右一対のガイドレール65を備える。ガイドレール65は、細長い帯状の部材であり、左右の脚取付具35の内側(中央より)にX軸に平行に取付けられている。ガイドレール65と天板10の裏面13との間隔は、連結棒40の直径よりも僅かに大きく設定されている。ガイドレール65は、前端及び後端が折り曲げられ、前端は押出具支持体60に、後端は連結ピン32の僅か後方に取付けられた固定具67に取付けられている。
【0031】
以上からなる車椅子用テーブル1は、押出具51を押し込むことで連結棒40が後方に押し出され、交差脚20の交差角度θが小さくなり天板10の位置が高くなる。逆に押出具51を緩めると連結棒40が支持板55に支持されながら前方に移動し、交差脚20の交差角度θが大きくなり天板10の位置が低くなる。
【0032】
交差脚20は、連結棒40をガイドレール65の後端に接するように後方に目一杯移動させると、第1脚体21と第2脚体26とが重なるように畳むことができる。さらに第1脚体21は、天板10と連結ピン32を介して回動自在に連結されているので、交差脚20を天板10の裏面13に接するようにコンパクトに折り畳むことができる(図6参照)。このため持ち運びに便利であり、さらに保管スペースも小さく保管性に優れる。
【0033】
以上のように車椅子用テーブル1を折り畳むと、天板10に対する連結ピン32及びガイドレール65の後端の位置の関係から平面視において、連結棒40が凹部15の前後方向の中間部に位置する(図5参照)。このため連結棒40を持ち手として車椅子用テーブル1を持ち運ぶことができる(図7参照)。
【0034】
本実施形態の車椅子用テーブル1は、左右の第1脚体21の下端22に掛け渡すように連結板70が取付けられている。連結板70は、左右の第1脚体21のねじれを防ぐ補強具としての機能、さらに足置き台80を取付けるための取付け台としての機能を備える。連結板70には、左右の両端から少し内側(中央寄り)に凹部72を備える。左右の凹部72の間に足置き台80の取付け部75が設けられている。本実施形態において連結板70が、第1連結体に該当する。
【0035】
凹部72は、車椅子用テーブル1の下に車椅子100を入れたとき、車椅子100のフットサポート(フットレスト)105が通過できるように設けられている(図8,9参照)。このため車椅子用テーブル1に対して、天板10の後端に車椅子100のバックサポート102が接するまで車椅子100を押し込むことができる。これにより車椅子100に着座する者200は、天板10に十分に近づくことができる。
【0036】
足置き台80は、矩形の平板であり、車椅子100に着座する者200の足を置くに十分な大きさを有する。足置き台80は、前端部が蝶番85を介して連結板70の取付け部75の上端に回動自在に取付けられており、側面視において連結板70と一直線状となるように起こすことができる(図6参照)。足置き台80を倒すと、蝶番85を起点に回動し、高さ調整具86の受材87が床面300に接し、足置き台80を支持する。
【0037】
足置き台80は、裏面82に足置き台80の高さを調整する高さ調整具86を備える。高さ調整具86は、床面300に接し荷重を支持する受材87と、受材87と足置き台80とをつなぐねじ部を備える連結具88とで構成される。足置き台80の裏面82の後部には連結具88が螺合する雌ねじ部が設けられ、連結具88をここにねじ込むことで受材87が足置き台80と連結される。足置き台80の高さの調整は、連結具88の長さを変えることで行う。
【0038】
以上からなる車椅子用テーブル1と車椅子100との関係を説明する。図8及び図9に示す車椅子100は、手押しハンドル101、バックサポート(背もたれ)102、シート(座シート)103、アームサポート104、フットサポート105、駆動輪107、ハンドリム108、キャスタ110を備える一般的な車椅子100である。
【0039】
車椅子用テーブル1は、自立可能であり、横幅が車椅子100の横幅よりも大きく、天板10の高さが車椅子100のアームサポート104よりも高い。このような車椅子用テーブル1に対して、天板10の凹部15側から車椅子100を差し込むと、車椅子100のアームサポート104は天板10の下を、車椅子100のフットサポート105は連結板70の凹部72を通過することができるため車椅子100を車椅子用テーブル1に十分に近付けることができる(図8図9参照)。
【0040】
車椅子用テーブル1は、天板10及び足置き台80の高さを調節可能なため車椅子100に着座する者200は、食事等において好ましい着座姿勢、つまり足底202を置き台80に、大腿部204をシート103に、上半身206をバックサポート102にしっかりと接地させることができ、股208及び膝210の屈曲角度を直角にすることができ、また腕212を無理なく天板10の上に置くことができる。
【0041】
図9の車椅子100のようにシート103、バックサポート102が傾斜している場合には、図9に示すように尻205及び大腿部204とシート103との間、背中207とバックサポート102との間にクッション150、151等を置けばよい。車椅子用テーブル1を使用する際は、図9に示すように車椅子用テーブル1と車椅子100とを紐などの固定具120を用いて車椅子用テーブル1と車椅子100とを結束する。固定具120は、車椅子用テーブル1に設けていてもよい。
【0042】
以上、第1実施形態の車椅子用テーブル1を用いて本発明に係る車椅子用テーブルを説明したが、本発明に係る車椅子用テーブルは、上記実施形態に限定されるものでなく、要旨を変更しない範囲で変更してもよい。
【0043】
上記実施形態では、天板高さ調整具50として、押出具51と、支持板55と、押出具支持体60とを備える天板高さ調整具を示したが、天板高さ調整具は、交差脚20の第1脚体21と第2脚体26との交差角度を調節することが可能であればよく、上記実施形態に限定されるものではない。車椅子用テーブルの材質は、特に限定されるものでないが、天板、交差脚、連結板、足置き台は木材が好ましい。
【0044】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
【符号の説明】
【0045】
1 車椅子用テーブル
10 天板
20 交差脚
21 第1脚体
22 下端
26 第2脚体
30 連結ピン
40 連結棒
50 天板高さ調整具
51 押出具
70 連結板
72 凹部
80 足置き台
86 高さ調整具
100 車椅子
102 バックサポート
103 シート
104 アームサポート
105 フットサポート
150,151 クッション材
200 着座する者
202 足底
208 股
210 膝
212 腕
300 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9