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  • 特開-睡眠時用足置き具 図1
  • 特開-睡眠時用足置き具 図2
  • 特開-睡眠時用足置き具 図3
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  • 特開-睡眠時用足置き具 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123004
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】睡眠時用足置き具
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/02 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A47C20/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026812
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】520178467
【氏名又は名称】信州ドクターズサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 規敬
(57)【要約】
【課題】持ち運びが容易であって、こむらがえり、尖足および足の浮腫が防止可能な睡眠時用足置き具を提供すること。
【解決手段】第1壁体12と、第1壁体12の左右両端部に取り付けられた第2壁体14および第3壁体16とを有し、平面視形状がコ字状体をなす側壁部10と、側壁部10の下部において、第2壁体14および第3壁体16のコ字状体における開口部の側から第1壁体12の側に向けて上り傾斜面を形成する傾斜板20と、傾斜板20の上面22において第2壁体14と第3壁体16との間に掛け渡された足置き体30と、を具備することを特徴とする睡眠時用足置き具100である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1壁体と、前記第1壁体の左右両端部に取り付けられた第2壁体および第3壁体とを有し、平面視形状がコ字状体をなす側壁部と、
前記側壁部の下部において、前記第2壁体および前記第3壁体の前記コ字状体における開口部の側から前記第1壁体の側に向けて上り傾斜面を形成する傾斜板と、
前記傾斜板の上面において前記第2壁体と前記第3壁体との間に掛け渡された足置き体と、を具備することを特徴とする睡眠時用足置き具。
【請求項2】
前記側壁部を固定する底板をさらに有していることを特徴とする請求項1記載の睡眠時用足置き具。
【請求項3】
前記第2壁体と前記第3壁体にはそれぞれ貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の睡眠時用足置き具。
【請求項4】
前記第2壁体と前記第3壁体との間に掛け渡され、前記第1壁体の上端面に対して接離動可能な着脱押え体をさらに有していることを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか一項記載の睡眠時用足置き具。
【請求項5】
前記第2壁体および前記第3壁体の内側面と前記着脱押え体には凹凸嵌合部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の睡眠時用足置き具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は睡眠時用足置き具に関する。より詳細には、持ち運びが容易であると共にどのような夜具(布団・ベッド)の上であっても簡単に設置でき、下脚部・足背部でのこむらがえり、麻痺後の尖足および足の浮腫・静脈瘤増悪が予防可能な睡眠時用足置き具に関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠中に下肢や足部を体幹部よりも高い位置に載置するための寝具が公知である。このような寝具としては、特許文献1(特開2006-61232号公報)に開示されているような構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-61232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている寝具は、睡眠中において胴体の位置よりも下肢・足部を高い位置にした状態を維持させることにより、下肢の静脈還流を促進することにより快適な睡眠を可能にしているが、自宅以外での使用が困難であるといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、持ち運びが容易であると共にどのような夜具(布団・ベッド)の上であっても簡単に設置でき、下脚部・足背部でのこむらがえり、麻痺後の尖足および足の浮腫・静脈瘤増悪を予防することが可能な睡眠時用足置き具を提供することにある。
【0006】
すなわち本発明は、第1壁体と、前記第1壁体の左右両端部に取り付けられた第2壁体および第3壁体とを有し、平面視形状がコ字状体をなす側壁部と、前記側壁部の下部において、前記第2壁体および前記第3壁体の前記コ字状体における開口部の側から前記第1壁体の側に向けて上り傾斜面を形成する傾斜板と、前記傾斜板の上面において前記第2壁体と前記第3壁体との間に掛け渡された足置き体と、を具備することを特徴とする睡眠時用足置き具である。
【0007】
これにより、持ち運びが容易であると共にどのような夜具(布団・ベッド)の上であっても簡単に設置でき、下脚部・足背部でのこむらがえり、尖足および足の浮腫・静脈瘤増悪を予防することができる。
【0008】
また、前記側壁部を固定する底板をさらに有していることが好ましい。
【0009】
これにより、より安定した状態で睡眠時用足置き具を使用することができる。
【0010】
また、前記第2壁体と前記第3壁体にはそれぞれ貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0011】
これにより、睡眠時用足置き具の位置がずれても、使用者が自身の足先を貫通孔に引っ掛けることで睡眠時用足置き具の位置を適正化することができる。さらには、就寝時における足部の発汗作用を軽減することができ、体温調整が容易になる。
【0012】
また、前記第2壁体と前記第3壁体との間に掛け渡され、前記第1壁体の上端面に対して接離動可能な着脱押え体をさらに有していることが好ましい。また、前記第2壁体および前記第3壁体の内側面と前記着脱押え体には凹凸嵌合部が形成されていることがより好ましい。
【0013】
これらにより、シーツや掛布団を側壁部と着脱押え体とで挟み込むことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の構成によれば、持ち運びが容易であると共にどのような夜具(布団・ベッド)の上であっても簡単に設置でき、下脚部・足背部でのこむらがえり、尖足および足の浮腫・静脈瘤増悪を予防することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態における睡眠時用足置き具の正面図、右側面図、左側面図、平面図および底面図である。
図2図1中の矢印II-A、II-B、II-Cにおける断面図である。
図3】第2実施形態における睡眠時用足置き具の正面図、右側面図、左側面図、平面図および底面図である。
図4図3中の矢印IV-A、IV-B、IV-Cにおける断面図である。
図5】第2実施形態における睡眠時用足置き具の使用状況説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかる睡眠時用足置き具100の実施形態について説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における睡眠時用足置き具100の正面図、右側面図、左側面図、平面図および底面図である。図2は、図1中のII-A線、II-B線、II-C線における断面図である。なお、図1中の破線は陰線である。本実施形態における睡眠時用足置き具100は、平面視形状がコ字状体をなす側壁部10と、側壁部10の下部に配設された傾斜板20と、側壁部10の対向面間に掛け渡された足置き体30と、上面に側壁部10が取り付けられる底板40を具備し、本立て状の箱型に形成されている。
【0018】
側壁部10は、矩形板に形成された第1壁体12と、扇形状板に形成された第2壁体14および第3壁体16とを有している。側壁部10は、第1壁体12の左右両端部に第2壁体14と第3壁体16の内側面である内側の主面14A,16Aが取り付けられていて、平面視形状がコ字状体に形成されている。本実施形態における側壁部10は、矩形板に形成された底板40の上面に釘打ちや接着等に代表される公知の手法により固定されている。図からも明らかなとおり、底板40は、側壁部10の幅方向寸法が同一寸法に形成されていると共に、奥行方向の寸法は側壁部10よりも長く形成されていて、底板40の奥行方向における一部範囲が側壁部10からはみ出した状態になっている。
【0019】
扇形状板に形成された第2壁体14および第3壁体16は同一形状に形成されている。第2壁体14および第3壁体16の主面14A,16Aには厚さ方向に貫通する貫通孔14B,16Bが形成されている。この貫通孔14B,16Bにより側壁部10の軽量化が可能になると共に、使用時に睡眠時用足置き具100の位置がずれた際に、使用者のつま先部分等を貫通孔14Bまたは貫通孔16Bに引っ掛けるようにして移動させることができる。これにより、就寝時に使用者が寝床の外に出て睡眠時用足置き具100の位置調整をする必要がなく好都合である。さらには、就寝時における足部の強い発汗作用を抑制することで、足部の蒸れを防止することができる。
【0020】
側壁部10の下部であって底板40の上面には、側壁部10のコ字状部分における開口部から奥行方向(コ字状部分における内底部)に向けて上り傾斜面を形成する傾斜板20が取り付けられている。傾斜板20は側壁部10の開口側端部位置から第1壁体12と当接する範囲にわたって配設されており、底板40との境界部分に段差が生じないように、底板40との当接面24が斜めに切り欠かれた状態で公知の手法で底板40に取り付けられている。就寝時に傾斜板20の上に使用者の足LGを載せることで、就寝時における足LG(図5参照)の位置を胴体の位置よりもやや高い位置にすることができ、下肢の静的な静脈圧が確保され、こむらがえりや下肢や足LGの浮腫の発生を防止することができる。
【0021】
また、傾斜板20の上面22には第2壁体14と第3壁体16とを掛渡す配置で足置き体30が配設されている。本実施形態における足置き体30は丸棒を用いているが、足置き体30は丸棒に限定されるものではない。就寝時における使用者の足LGを載せる傾斜板20の上面22に足置き体30を配設することで、使用者は踵の上方で凹んでいるアキレス腱の部分(踵骨と脛骨との間の部分)を足置き体30に載せた状態で就寝すれば、就寝中の足LGの位置を維持することができる点において好都合である。また、就寝中に自らの足LG(図5参照)の重さにより足置き体30による指圧効果も得ることができる。さらには、就寝時における足関節を直角位に保持することで、足部にかかる掛け布団の重さを軽減することができ、下腱三頭筋の弛緩がはかられ、睡眠時に頻発するこむらがえり・下肢麻痺後の尖足防止・下肢の静脈血行障害を予防することができる。
【0022】
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態における睡眠時用足置き具100の正面図、右側面図、左側面図、平面図および底面図である。図4は、図3中のIV-A線、IV-B線、IV-C線における断面図である。図5は第2実施形態における睡眠時用足置き具100の使用状況説明図である。なお、図3における破線は陰線である。本実施形態において第1実施形態と同様の構成については第1実施形態で用いた符号と同符号を付すことにより、ここでの繰り返しの説明は省略している。
【0023】
本実施形態における睡眠時用足置き具100は、第1壁体12の高さ寸法が第2壁体14および第3壁体16の高さ寸法よりも低く形成され、上端面の幅方向の全範囲にわたって凹部12Cが形成されている。また、第2壁体14および第3壁体16においても、第1壁体12の高さ方向の延長部分に凹部14C,16Cが形成されている。また、本実施形態における側壁部10は、第2壁体14と第3壁体16との間に掛け渡され、第1壁体12の上端面に対して接離動(高さ方向にスライド移動する)着脱押え体50を有している。着脱押え体50は、第1壁体12の上端面に形成された凹部12Cと第2壁体14および第3壁体16の内側面における第1壁体12の高さ方向の延長部分に形成された凹部12C,14Cに凹凸嵌合する凸部52が周設されている。
【0024】
本実施形態における着脱押え体50の凸部52は、第1壁体12,第2壁体14および第3壁体16に形成された凹部12C,14C,16Cに嵌合する大きさよりも小さく形成されている。このような凸部52を採用することにより、第1壁体12の上端面を横断させたシーツ90の上から着脱押え体50を図5中の矢印Z方向に移動させることで、側壁部10と着脱押え体50との間にシーツ90を挟み込んだ状態で着脱押え体50を側壁部10に嵌合させることができる点において好都合である。これにより、足置き体30の上にシーツ90を被せた状態にすることができるため、違和感なく就寝することができる。
【0025】
以上に本発明における睡眠時用足置き具100の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、各種の改変を行うことが可能である。例えば、本実施形態においては、側壁部10を底板40の上面に固定した形態を例示しているが底板40の構成は省略することもできる。また、本発明における睡眠時用足置き具100は箱型形状をなしているので、掛布団(図示はせず)は睡眠時用足置き具100の上面に被さった状態になるため、足先に掛布団の重さが直接作用しなくなる。これによっても麻痺後の尖足を予防することができる。
【0026】
また、以上の実施形態においては、第2壁体14と第3壁体16はいずれも扇形状板に形成された形態を例示しているが、第2壁体14と第3壁体16の形状は特に限定されるものではない。また、第2壁体14と第3壁体16に貫通孔14B,16Bが配設された形態を例示しているが、本発明は貫通孔14B,16Bの配設を省略した形態を採用することもできる。そして、第1壁体12、第2壁体14、第3壁体16および底板40はいずれも板状体により形成されているが、ブロック体により形成することもできる。
【0027】
また、以上の実施形態においては、傾斜板20の上面22に足置き体30を載置した状態で配設した形態を例示しているが、本発明は傾斜板20の上面22と足置き体30とを所要間隔あけた状態で配設した形態を採用することもできる。このような形態を採用することにより、足置き体30と傾斜板20との間に埃等が溜まらないようにすることができる。仮に埃が溜まったとしても掃除機により簡単に吸い取ることで除去が可能である。
【0028】
また、以上の実施形態においては、側壁部10の下部に傾斜板20を配設しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。傾斜板20の構成に代えて、側壁部10を載置する底板40の上面に傾斜面部分を形成する傾斜凸部を設けた形態を採用することもできる。
【0029】
また、第2実施形態における着脱押え体50は側壁部10から完全に取り外すことが可能な形態を例示しているがこの形態に限定されるものではない。着脱押え体50は、第2壁体14または第3壁体16の少なくとも一方に設けたストッパ(図示はせず)により高さ方向への移動量を規制した形態を採用することもできる。着脱押え体50は、第1壁体12の上端面との間に隙間を形成することができ、隙間部分からシーツ90を挿通させた後、第1壁体12と着脱押え体50とでシーツ90を挟持することができればよい。
【0030】
そして、第2実施形態においては、第1壁体12と着脱押え体50とでシーツ90を挟持する形態を例示しているが、第1壁体12と着脱押え体50とでタオルケット等の掛布団を挟持させることもできる。
【0031】
また、第2実施形態においては、第1壁体12の上端面、第2壁体14および第3壁体16における第1壁体12の高さ方向における延長線上の部分にそれぞれ凹部12C,14C,16Cが配設された形態を例示しているが、これらの凹部12C,14C,16Cを凸部(図示はせず)に変更した形態を採用することもできる。この場合、着脱押え体50における凸部52は凹部(図示はせず)に変更すれば、第2実施形態と同様に使用することができる。また、凹部12Cと着脱押え体50の底面に配設した凸部52は配設を省略することもできる。さらには、凹部12C,14C,16Cと凸部52の配設をすべて省略した形態を採用することもできる。この場合、着脱押え体50と第1壁体12または着脱押え体50と第2壁体14および第3壁体16とを着脱可能に固定する着脱押え体固定手段(図示はせず)を配設すれば、第2実施形態と同様に使用することができる。
【0032】
そして、以上の実施形態における各種の変形例を適宜組み合わせた形態を採用することもできる。
【符号の説明】
【0033】
10:側壁部
12:第1壁体,14:第2壁体,16:第3壁体
14A,16A:主面
14B,16B:貫通孔
12C,14C,16C:凹部
20:傾斜板
22:上面
24:当接面
30:足置き体
40:底板
50:着脱押え体
52:凸部
90:シーツ
100:睡眠時用足置き具
LG:足
図1
図2
図3
図4
図5