(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123039
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 1/10 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
B65B1/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026869
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】593178317
【氏名又は名称】株式会社シンセイ
(71)【出願人】
【識別番号】000222783
【氏名又は名称】東洋水産株式会社
(74)【代理人】
【氏名又は名称】永島 郁二
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 伸男
(72)【発明者】
【氏名】小林 義和
(72)【発明者】
【氏名】小澤 雅樹
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA02
3E118AB08
3E118BA02
3E118BA08
3E118BB02
3E118BB08
3E118BB12
3E118DA02
3E118DA09
3E118EA03
3E118FA06
(57)【要約】
【課題】 本発明は、間歇走行するカップ内に薄平形をしたカマボコ等の小片具材を一枚ずつ計数して規定枚数を供給し、且つ小片具材の落載時の飛散を防止し整列して載せるようにすることを課題とする。
【解決手段】 本発明は、カップの走行路上の具材入りホッパー下にひとつの具材落下孔を上向き傾斜上に設けた平面視円形の受皿体を傾斜取り付け、該受皿体の底板上にU形切欠を周設した回転円板を設け、該ホッパーから受皿体に入るカマボコ等の小片具材をU形切欠の回転上動により一枚ずつ入れ送りして、ひとつの落下孔より間歇停止中のカップ内の麺上に規定枚数を供給するとともにカップを上動して小片具材の飛散を防止するようにして課題を解決する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間歇走行するカップ内の麺上にカマボコ等の小片具材を定数枚ずつ計数して供給する装置であって、前記カップの走行路上の具材入りホッパー下にひとつの具材落下孔を上向き傾斜上に設けた平面視円形の受皿体を傾斜取り付け、該受皿体の底板上にカマボコ等の小片具材を一枚ずつ入れ送りするU形切欠を周設した回転円板を設け、該ホッパーから受皿体に入るカマボコ等の小片具材をU形切欠の回転上動により一枚ずつ計数して、規定枚数のカマボコ等の小片具材をひとつの落下孔より間歇停止しているカップ内の麺上に順次供給するようにしたことを特徴とする整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置。
【請求項2】
受皿体の傾斜角度は45度近辺である請求項1に記載の整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置。
【請求項3】
U形切欠が回転通過する上方にカマボコ等の小片具材の計数用光センサーを設けた請求項1または2に記載の整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置。
【請求項4】
底板上面に小片具材と異なる彩色を施すことで回転上動するU形切欠内の小片具材の有無を正しく検知計数できるようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置。
【請求項5】
走行するカップは受皿体下にて間歇停止する間上動して小片具材の飛散を防止する請求項1乃至4のいずれかに記載の整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する即席カップ食品の具材供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、整列走行するカップ内にカマボコ等の小片具材を定数ずつ計数して供給する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
出願人はリテーナーコンベアにより麺などの食材を充填して吊下げ整列走行するカップ内に上方から具材を自動供給する装置として特許第5755267号公報を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の発明はカマボコ等の薄平形状の小片具材を数枚ずつ正確に計数して供給することができないという課題がある。
【0005】
すなわち、供給される小片具材の枚数が規定より多ければ損失が生じ、供給される小片具材の枚数が規定に反して多少すると商品検査で欠陥商品と判定されるおそれがあるという課題がある。
【0006】
また、正確な枚数にて供給されても小片具材が高みからカップ内に落載すると麺上で跳ねてカップ外に飛散したり、麺とカップの間に隠れ入って検査で確認できないことがあるという課題がある。また小片具材が麺上にちらかって載ることで見栄えが悪くなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カップの走行路上に設ける具材入りホッパー下に平面視円形の受皿体を傾斜取付け、該受皿体の傾斜上端にひとつの具材落下孔を設け、該受皿体の底板上にU形切欠を周設した回転円板を設け、該ホッパーから受皿体に入るカマボコ等の小片具材をU形切欠にて具材落下孔に向けて回転送りして計数した規定の枚数をひとつの落下孔より順次間歇停止中のカップ内の麺上に整列供給するようにして、前記した課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、カマボコ等の薄平形をした小片具材を計数して定数枚ずつカップ内の麺上に供給することができるという効果を生ずる。
【0009】
U形切欠にあらわれる底板に小片具材と異なる彩色を施こすことで、計数用センサーによる小片具材の計数ミスを防止することができるという効果を生ずる。
【0010】
受皿体下にてカップが間歇停止する間、当該カップを上動して落載する小片具材の飛散,散乱を防止するとともに麺上に整列した状態にて載せることができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の1実施例を示す図で、(a)はカップの走行時の正面図、(b)は具材カマボコを落載する間歇停止の間にカップを上動した滋養耐を示す正面図
【
図3】(a)は側壁付き底板と回転円板を各別にて示す平面図、(b)は回転円板の回転にてU形切欠に入った小片カマボコがカマボコ落下孔に向けて運ばれてる状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0012】
1はホッパー
1aはシュート
2は受皿体
2aは底板
2bはカマボコ落下孔
2cはU形切欠
2dは回転円板
2eは受皿体周囲の側壁
2fは内向き鍔
2gは計数用光センサー
2hは落載筒
3はリテーナーコンベア
4は上下動機構
Gは薄平形をした小片カマボコ
Cはカップ
Mは麺
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、カップの走行路上に設備する具材入りホッパー下にひとつの具材落下孔を上向き傾斜上に設けた平面視円形の受皿体を傾斜取り付け、該受皿体の底板上にU形切欠を周設した回転円板を設け、該ホッパーから受皿体に落入するカマボコ等の小片具材を回転円板の回転にて周設のU形切欠により一枚ずつ入れ送り上動させ、その間に入り送り枚数を計数して、ひとつの落下孔より順次間歇停止中のカップ内の麺上に落下供給し、且つこの間カップを上動して小片具材のカップ外飛散を防止するようにする。
【0014】
以下図面に基づいて小片カマボコの計数供給について実施例を説明する。
図1,2に示すように薄平形をした小片カマボコGを多数収容したホッパー1をカップCの走行路上に設け、該ホッパー1につながるシュート1a下に受皿体2を傾斜させて取り付ける。受皿体2は平面視円形で傾斜上端の底板2a上にひとつのカマボコ落下孔2bを設けている。底板2a上に一定間隔を置いてカマボコGを一枚ずつ入れ送りするU形切欠2cを周設した回転円板2dを設ける。各U形切欠2cは1枚の小片カマボコGを入れやすくするために外端を開くとともに入れ送りする大きさと高さを有している。2eは底板2の周囲の側壁で、傾斜下方側に向けて高さを漸次大きくして且つ内向き鍔2fを設ける。2gは具材落下孔2bの手前上方位置で入れ送り通過する小片カマボコGを一枚ずつ検知して計数する計数用光センサー、2hはカマボコ落下孔2b下に連なる落載筒、3はカップCを間歇走行させるリテーナーコンベア、4は落載筒2h下において間歇停止するカップCを上動させる上下動機構である。
【0015】
ホッパー1のシュート1aから小片カマボコGは受皿体2の傾斜した下方側に落下し、この小片カマボコGは回転円板2dの回転により一枚ずつU形切欠2c内に入って底板2aの傾斜上端に運ばれてカマボコ落下孔2bより順次落下することになる。小片カマボコGは運ばれる途中にある計数用光センサー2gにて一枚ずつ検知され計数して間歇停止しているカップC内の麺M上に設定した定数枚、例えば三枚の小片カマボコGを順次落載筒2hよりカップC内の麺M上に供給し、回転円板2dは回転を停止して、次のU形切欠2c内の小片カマボコGは落下孔2bより落下しないことになる。このカップCは
図1(b)に示すように間歇停止している間上下動機構4により上動して落載筒2hと麺Mとの距離をごく近くにして、落載する小片カマボコGを麺M上にて跳ねてカップCの外に飛び出したり、麺MとカップCの間に入り込んだり、乱雑落載を防止して、麺M上に整容載上するようにする。
【0016】
受皿体2の傾斜下方部分に落入した小片カマボコGは下方部の側壁2eが高く設けてあることと内向き鍔2fの存在によって外にこぼれることがなく、受皿体2が傾斜していることで、小片カマボコGはU形切欠2c内に一枚ずつ入って、その一枚以外の小片カマボコGは滑り落ちて下方に戻ることになる。受皿体2の傾斜角度は小片カマボコGの大きさや質にもよるが40~50度の範囲、望ましくは45度程度とすることが落入漏れの少ない能率的な作動を実現したことが判明している。角度が浅すぎるとU形切欠2c内に入らない他の小片カマボコGも重なったまま一緒に移動してしまうことがあり、また角度が深すぎると小片カマボコGがU形切欠2c内に入らないで空回りすることが生ずることになる。
【0017】
また、
図3に示すように底板2aに小片カマボコGの白色と異なる識別性の高い彩色、例えば青色を施すことで、色の明確な違いによってU形切欠2c内の小片カマボコGの有無を計数用光センサー2gが間違いなく検知して正確に計数するようになる。
【0018】
受皿体2はカップCの走行列ごとに備えるものであるが、ホッパー1は単体または複数体にてそれぞれシュート1aを分岐することで複数の受皿体2に小片カマボコGを連続供給することができる。また小片カマボコGは小片ナルトなど他の具材とすることもある。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、カマボコ等の小片具材を一枚ずつ計数して設定した枚数を正確にカップ内に供給することで広く利用されるものである。