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特開2023-123068製造関連情報処理システム、製造関連情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123068
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】製造関連情報処理システム、製造関連情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20230829BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20230829BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230829BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q50/04
G06Q30/06 300
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026924
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】土本 剛義
(72)【発明者】
【氏名】渋田 優輝
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA45
3C100BB02
3C100BB03
3C100BB15
3C100BB33
3C100BB36
5L049BB57
5L049BB63
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】製造管理に関する分析にあたり利用価値の高い情報を提供できるようにする。
【解決手段】製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製部と、前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計部と、前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成部とを備えて製造関連情報処理システムを構成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製部と、
前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計部と、
前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成部と
を備える製造関連情報処理システム。
【請求項2】
前記参照データ生成部により生成された参照データは、当該参照データを利用して構築したグラフを配置した分析表をユーザ端末にて出力させる分析表サーバにより取得される
請求項1に記載の製造関連情報処理システム。
【請求項3】
前記生製造関連データは、日付ごとに対応付けられた在庫数の情報を含み、
前記集計部は、日別に在庫数を集計した集計データと、曜日別に在庫数を集計した集計データとを少なくとも生成可能とされる
請求項1または2に記載の製造関連情報処理システム。
【請求項4】
製造関連情報処理システムにおける製造関連情報処理であって、
製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製ステップと、
前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計ステップと、
前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成ステップと
を含む製造関連情報処理方法。
【請求項5】
製造関連情報処理システムにおけるコンピュータを、
製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製部、
前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計部、
前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成部
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造関連情報処理システム、製造関連情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
部品の入庫量及び出庫量を含む在庫データとしきい値とを利用して、部品の発注量を決定するようにされた在庫管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-192143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製品を製造する工場を管理するユーザとしては、製造管理に関する分析に用いる情報として、できるだけ利用価値の高いものが提供されるようにすることが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、製造管理に関する分析にあたり利用価値の高い情報を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製部と、前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計部と、前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成部とを備える製造関連情報処理システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、製造関連情報処理システムにおける製造関連情報処理であって、製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製ステップと、前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計ステップと、前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成ステップとを含む製造関連情報処理方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、製品の製造管理に関連し、前記製品の製造元から提供される生製造関連データを記憶するデータ収集装置から、所定のタイミングで生製造関連データを取得し、取得した生製造関連データを生製造関連データ記憶部に記憶させるデータ複製部、前記生製造関連データ記憶部に記憶された生製造関連データについて、所定の集計項目に従って集計した集計データを生成し、集計データ記憶部にする集計部、前記集計データ記憶部に記憶された集計データを利用して、ユーザ端末にて出力される分析表に配置するグラフの構築に用いられる参照データを生成する参照データ生成部として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、製造管理に関する分析にあたり利用価値の高い情報を提供できるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態における製造関連情報処理システムの全体的な構成例を示す図である。
図2】本実施形態の生産関連情報処理システムにおける各サーバの構成例と、データの流れについて説明する図である。
図3】本実施形態における製造関連データの構造例を示す図である。
図4】本実施形態における在庫数量データの構造例を示す図である。
図5】本実施形態における分析表の態様例を示す図である。
図6】本実施形態における分析表の態様例を示す図である。
図7】本実施形態における分析表の態様例を示す図である。
図8】本実施形態の生産関連情報処理システムにおける装置が実行する処理手順例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の製造関連情報処理システムの全体的な構成例を示している。同図の生産関連情報処理システムは、1以上の工場FC(同図においては、2つの工場FCを示す)のそれぞれに、製造に関連する分析情報を提供するシステムである。ここでの分析情報は、工場FCのそれぞれが、例えば在庫管理等の製造に関連する事項についての分析を行うのに利用される情報である。本実施形態の生産関連情報処理システムは、分析情報として分析項目に応じた1以上のグラフをレイアウトしたダッシュボードが、工場FCにおけるユーザ端末200にて出力されるようにする。
【0012】
1つの工場FC(製造元の一例)は、製造設備100とユーザ端末200とを備える。
製造設備100は、工場FCにて製品を製造する各種の装置を一括して示したものである。製造設備100は、例えば製造工程ごとに対応する製造装置、製造装置を制御する制御装置等を含む。
【0013】
製造設備100は、工場FCでの製品の製造に関連するデータ(製造関連データ)をデータ収集サーバ300に送信する。
【0014】
ユーザ端末200は、工場FCにて製造管理担当者(ユーザ)が使用する端末である。ユーザ端末200は、例えばパーソナルコンピュータなどの汎用の情報処理装置が用いられてよい。ユーザ端末200は、分析表の出力機能を有するアプリケーションまたはブラウザにより、後述の分析表サーバ600にアクセスすることで、分析表を表示することができる。
また、ユーザ端末200は、インストールされたウェブアプリケーションにユーザが登録したデータをデータ収集サーバ300に送信してよい。
【0015】
データ収集サーバ300(データ収集装置の一例)は、ネットワーク経由で各工場FCの製造設備100及びユーザ端末200と接続される。データ収集サーバ300は、各工場FCの製造設備100及びユーザ端末200から送信された製造関連データを記憶する。データ収集サーバ300は、例えば工場FCごとに管理されるようにして製造関連データを記憶してよい。
【0016】
データ収集サーバ300が記憶するデータは、製造設備100及びユーザ端末200から送信されたままのデータであって、後述の集計サーバ400及び参照データサーバ500等により加工される前の段階のデータである。そこで、データ収集サーバ300が記憶する製造関連データについては、生製造関連データともいうことにする。
【0017】
集計サーバ400は、ネットワーク経由でデータ収集サーバ300と接続される。集計サーバ400は、データ収集サーバ300から送信された生製造関連データを記憶する。これにより、集計サーバ400に生製造関連データが登録される。
また、集計サーバ400は、所定のバッチ処理タイミングにて、蓄積された生製造関連データを用いて集計処理を実行し集計データを生成する。
また、集計サーバ400は、蓄積した生製造関連データを、過去の製造関連データ(過去製造関連データ)として記憶しておくようにされてよい。
【0018】
参照データサーバ500は、ネットワーク経由で集計サーバ400と接続される。参照データサーバ500は、集計サーバ400から集計データを取得し、取得した集計データを利用して参照データを生成する。参照データは、分析表サーバ600が生成する分析表データにより表示される分析表におけるグラフごとに対応するデータである。参照データサーバ500は、生成した参照データを記憶する。
【0019】
分析表サーバ600は、ユーザ端末200に分析表を表示させるサービスを提供するサーバである。分析表サーバ600は、参照データサーバ500が記憶する参照データのうちから、ユーザ端末200から要求された分析表に配置させるグラフに対応する参照データを取得し、取得した参照データを利用して構築したグラフを配置した分析表のデータ(分析表データ)を生成する。
分析表サーバ600は、生成した分析表データを分析表の要求元のユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、受信した分析表データにより分析表を表示する。
【0020】
図2を参照して、本実施形態の生産関連情報処理システムにおける各サーバの構成例と、データの流れについて説明する。ここでは、1つの工場FCに対応するデータの流れを説明する。また、同図を参照して説明する各装置の機能は、装置が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0021】
1の工場FCの製造設備100及びユーザ端末200は、対応の工場FCの生製造関連データD1に含まれるデータを、データ収集サーバ300に送信する。
図3は、製造関連データの構造例を示している。
生製造関連データD1は、在庫データ、生産データ、品質データ、マスタデータ等を含む。生製造関連データD1に含まれる在庫データ、生産データ、品質データ、マスタデータは、それぞれ、製造設備100とユーザ端末200とから送信されたデータが統合されたものとされてよい。なお、製造設備100とユーザ端末200とのいずれかから送信されるデータにより、データ収集サーバ300が生製造関連データD1を得ることのできる場合があってよい。
在庫データは、工場FCにおいて製品の製造に用いる部品、材料等の在庫に関するデータである。在庫データには、在庫数量データ、在庫履歴データ、在庫移動データ、棚卸データ等が含まれてよい。また、このような在庫数量データ、在庫履歴データ、在庫移動データ、棚卸データ等は、部品、材料等の種別に応じた在庫種別ごとに対応して設けられてよい。また、在庫データは、例えば在庫種別ごとの在庫の入荷、製造ラインへの投入、払出などのイベント(在庫についての工程)単位での数量等に関するデータを含んでよい。
【0022】
また、図3における在庫数量データは、図4のような構造を有してよい。同図の在庫数量データは、日別在庫数量データ、曜日・時間別在庫数量データ、イベント別数量データを含む。
日別在庫数量データは、日ごとの在庫数量に関するデータである。1の日付に対応する日別在庫数量データは、対応の日付、在庫ID、在庫数量等の情報を含む。在庫IDは、例えば在庫種別、在庫の入荷単位などに対応して所定のひとまとまりの在庫単位に付される識別子である。
曜日・時間別在庫数量データは、各曜日における時間ごとの在庫数量に関するデータである。1の曜日における曜日・時間別在庫数量データは、日付(曜日も含む)、時間、イベントID、在庫ID、在庫数量等の情報を含む。イベントIDは、該当のイベントを示す識別子である。
イベント別在庫数量データは、イベント別の在庫数量に関するデータである。1のイベントに対応するイベント別在庫数量データは、日付、イベントID、在庫ID、在庫数量等の情報を含む。
【0023】
説明を図3に戻す。
生産データは、製造設備100における各製造工程での製造装置等の稼働履歴等を示すデータである。また、生産データは、製造に関する進捗等の情報も含んでよい。
品質データは、製造設備100により製造された製品についての品質に関するデータである。
マスタデータは、在庫データ、品質データ、生産データ等で管理される各種のIDやコードと、名称等の情報に変換するのに用いられるデータであり、得意先名、品名、機械名、工程名等とID、コード等との対応が示されるデータである。
【0024】
このような生製造関連データD1は、例えば製造設備100における装置が稼働結果に応じて生成してよい。また、生製造関連データD1は、製造設備100における装置に対する作業者の入力作業により入力されたデータを含んでよい。
【0025】
説明を図2に戻す。
データ収集サーバ300は、生製造関連データ記憶部301を備える。生製造関連データ記憶部301は、製造元(製造設備100、ユーザ端末200)から送信された生製造関連データD1を記憶する。
【0026】
データ収集サーバ300は、所定のタイミングで、生製造関連データを集計サーバ400に登録するため、生製造関連データ記憶部301が記憶している生製造関連データD1を集計サーバ400に送信する。
【0027】
集計サーバ400において、データ複製部401は、データ収集サーバ300から送信された生製造関連データD1を受信し、受信した生製造関連データD1を、生製造関連データ記憶部402に記憶させる。このようにして、集計サーバ400には、データ収集サーバ300が記憶する生製造関連データD1が複製されるようにして蓄積される。
【0028】
集計サーバ400において、集計部403は、所定のバッチ処理タイミングにて、生製造関連データ記憶部402に記憶された生製造関連データD1を用いて集計処理を実行し集計データD2を生成する。集計部403は、生成した集計データD2を、集計データ記憶部404に記憶させる。
【0029】
集計データD2は、在庫集計データ、生産集計データ、及び品質集計データを含んでよい。
在庫集計データは、生製造関連データにおける在庫データを利用して在庫に関する所定の集計項目ごとに集計を行うことで生成される集計データD2である。
生産集計データは、生製造関連データにおける生産集計データを利用して生産に関する所定の集計項目ごとに集計を行うことで生成される集計データD2である。
品質集計データは、生製造関連データにおける品質データを利用して品質に関する所定の集計項目ごとに集計を行うことで生成される集計データD2である。
【0030】
また、集計部403は、生製造関連データ記憶部402が記憶する生製造関連データD1を、過去の製造関連データ(過去製造関連データD3)として、過去製造関連データ記憶部405に記憶しておくようにされてよい。
【0031】
参照データサーバ500において、参照データ生成部501は、所定のバッチ処理タイミングで、集計サーバ400の集計データ記憶部404に記憶されている集計データのうちから、工場FCに対応する分析表の表示に用いる参照データの生成に必要な集計データを取得する。参照データは、分析表において配置されるグラフごとに対応して生成されてよい。参照データ生成部501は、取得した集計データを利用して参照データD4を生成する。参照データ生成部501は、生成した参照データD4を参照データ記憶部502に記憶させる。
【0032】
分析表サーバ600は、ユーザ端末200に分析表を提供する。工場FCのユーザは、ユーザ端末200を分析表サーバ600にアクセスさせる。ユーザ端末200は、アクセスにより接続された分析表サーバ600に分析表を要求する。分析表サーバ600において分析表処理部601は、要求された分析表に配置するグラフの構築に用いる参照データD4を、参照データサーバ500の参照データ記憶部502から取得する。分析表処理部601は、取得した参照データD4ごとに対応するグラフを構築し、構築したグラフを配置した分析表の分析表データを生成する。分析表処理部601は、生成した分析表データD5を分析表の要求元のユーザ端末200に送信する。
ユーザ端末200は、受信した分析表データD5による分析表の出力を行う。ユーザ端末200は、分析表を表示により出力してよい。また、ユーザ端末200は、分析表を印刷により出力させてもよい。
【0033】
図5図7は、ユーザ端末200にて表示される分析表の例を示している。
図5は、材料の在庫管理における入荷実績に関する分析表である。同図の分析表(ダッシュボード)においては、日別入荷数グラフエリアAR11、曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12、層別入荷数グラフエリアAR13が配置されている。
【0034】
日別入荷数グラフエリアAR11は、日別の入荷された在庫数(日別入荷数)を示すグラフが示されるエリアである。
【0035】
曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12は、曜日単位での時間ごとに入荷された在庫数(曜日・時間別入荷数)を示す。曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12においては、縦軸を曜日、横軸を時間としたマトリクスにおいて形成されるマス内に入荷数を示す数字が表示されたマトリクス形式のグラフが含まれる。
【0036】
層別入荷数グラフエリアAR13は、曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12におけるマトリクス形式のグラフにおいて配置されるマスのうちから選択されたマスの曜日と時間の際に入荷された在庫の(入荷数)を示すグラフである。
層別入荷数グラフエリアAR13においては、切口選択エリアAR14に対する操作によりプルダウンメニューから選択された切口(項目)における内訳(層)ごとの入荷数が示される。例えば切口選択エリアAR14にて切口として「種類」が選択されている場合、層別入荷数グラフエリアAR13においては、材料の種類(種別)ごとの入荷数が示される。なお、材料の種類(種別)は、在庫IDにより識別される。
また、例えば切口選択エリアAR14にて切口として「得意先」が選択されている場合、層別入荷数グラフエリアAR13においては、得意先としての製品の納入企業ごとに対応する在庫の入荷数が示される。つまり、層別入荷数グラフエリアAR13は、曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12におけるマスごとについてのより詳細な入荷数の情報を提示する。
【0037】
図5の分析表における曜日・時間別入荷数グラフエリアAR12によれば、入荷在庫数は、曜日と時間との組み合わせのもとで規則性がある。そこで、ユーザは、図5の分析表を見て、どの曜日におけるどの時間において入荷が多い傾向にあり、どの曜日におけるどの時間において入荷が少ない傾向にあるのかを把握する。ユーザは、把握した結果から、入荷の多い曜日における時間には、入荷に対応する作業員を増加させ、入荷の少ない曜日における時間には入荷に対応する作業員を少なくし、入荷以外で人員が必要な他の作業に余剰の作業員を割り当てるといったように、適切な人員配置を構築する。このように、工場FCのユーザは、図5の分析表を利用することで、工場FCにおける人員配備の策定に役立てることができる。
【0038】
図6は、材料の発注分析に用いられる分析表の例を示している。同図の分析表においては、日別入荷予定数・実績グラフエリアAR21、期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22、日別在庫数エリアAR23、日別投入・払出グラフエリアAR24が配置される。
日別入荷予定数・実績グラフエリアAR21は、日別の入荷予定数と入荷実績数と入荷差分との各グラフが示されるエリアである。
期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22は、例えば日別入荷予定数・実績グラフエリアAR21において示される期間における入荷予定数と入荷実績数とのグラフが示されるエリアである。同図の期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22においては、切口として材料の種類ごとのグラフが示されている。ユーザは、切口選択エリアAR25を操作して、プルダウンメニューから、期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22において提示するグラフの切口を選択することができる。
日別在庫数エリアAR23は、日別の在庫数のグラフが示されるエリアである。
日別投入・払出グラフエリアAR24は、在庫についての日別の投入数、払出数のグラフが示されるエリアである。
【0039】
ユーザは、日別入荷予定数・実績グラフエリアAR21を見ることで、例えば在庫の入荷の想定と実際の入荷状況との乖離の状況(乖離度合い、日の推移に応じた乖離傾向の変化など)を把握できる。また、ユーザは、期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22により、上記の乖離度合いについて、材料の種類別などのように、詳細に確認できる。このような日別入荷予定数・実績グラフエリアAR21、期間入荷予定数・実績グラフエリアAR22から、ユーザは、例えば入荷数量について過不足なく適正となるように調整することができる。
【0040】
また、ユーザは、日別在庫数エリアAR23、日別投入・払出グラフエリアAR24等を見ることで、在庫の投入と払出とのバランスを把握することができる。そのうえで、ユーザは、在庫の投入と払出とのバランスの把握結果から、材料の発注のタイミングを決定することができる。例えば、在庫の投入に対して払出が少ないと把握された場合には、例えば不良品を多く生産したなどの理由で在庫の消費が想定よりも進んでいることから、ユーザは、材料の発注のタイミングをどの程度早くすればよいのかといったように決定できる。また、例えば、在庫の投入に対して払出が多いと把握された場合には、例えば不良品の生産が少ないなどの理由で在庫の消費が想定よりも遅れていることから、ユーザは、材料の発注のタイミングをどの程度遅くすればよいのかといったように決定できる。
【0041】
図7は、廃棄在庫の分析に用いられる分析表の一例を示している。同図の分析表においては、5つの廃棄在庫数エリアAR31(AR31-1~AR31-5)が配置されている。
廃棄在庫数エリアAR31-1は、主材についての廃棄在庫数のグラフが示されるエリアである。
廃棄在庫数エリアAR31-2は、副資材についての廃棄在庫数のグラフが示されるエリアである。
廃棄在庫数エリアAR31-3は、治工具についての廃棄在庫数のグラフが示されるエリアである。
廃棄在庫数エリアAR31-4は、半製品についての廃棄在庫数のグラフが示されるエリアである。
廃棄在庫数エリアAR31-5は、部品についての廃棄在庫数のグラフが示されるエリアである。
また、廃棄在庫数エリアAR31のそれぞれにおいては、対象の在庫についての切口をプルダウンメニューから選択する操作が可能とされている。
このような分析表における各種材料の廃棄在庫数は、廃棄のイベントIDが付された在庫数量データを利用して生成された参照データD4により構築されてよい。
ユーザは、図7の分析表について、適宜、切口の選択を変更しつつ、各種別の在庫廃棄状況を確認することで、例えば廃棄在庫の原因等を分析することができる。
【0042】
図8のシーケンス図を参照して、本実施形態の生産関連情報処理システムにおける装置が実行する処理手順例について説明する。
ステップS100:前述のように、データ収集サーバ300は、各工場FCの製造設備100とユーザ端末200から送信された生製造関連データを記憶している。そして、データ収集サーバ300と集計サーバ400とは、生製造関連データを同期させるデータ同期を実行する。ステップS100としてのデータ同期は、以下のステップS110、S112により実行される。
【0043】
ステップS110:データ収集サーバ300は、生製造関連データ記憶部301に記憶された生製造関連データD1を集計サーバ400に登録する。
データ収集サーバ300から集計サーバ400への生製造関連データD1の登録は、予め定められた所定タイミングごとにバッチ処理として行われるようにされてもよい。あるいは、データ収集サーバ300から集計サーバ400への生製造関連データD1の登録にあたり、データ収集サーバ300が、製造元から送信された生製造関連データD1を受信して生製造関連データ記憶部301に記憶させたタイミングで、集計サーバ400に生製造関連データD1を送信するようにしてよい。この場合、データ収集サーバ300の生製造関連データ記憶部301から集計サーバ400の生製造関連データ記憶部402への生製造関連データD1の複製がリアルタイムに行われることとなる。
生製造関連データの登録にあたり、データ収集サーバ300は、登録対象の生製造関連データD1を集計サーバ400に送信する。
ステップS112:集計サーバ400において、データ複製部401は、データ収集サーバ300から送信された生製造関連データD1を、生製造関連データ記憶部402に記憶させる。
【0044】
ステップS200:集計サーバ400は、データ集計を実行する。当該ステップS200としてのデータ集計は、以下のステップS210、S212、S124により実行される。
ステップS210:集計サーバ400において集計部403は、所定のバッチ処理タイミングに至るのを待機しており、バッチ処理タイミングに至ると起動する。
ステップS212:起動した集計部403は、データ集計処理を実行する。データ集計処理にあたり、集計部403は、生製造関連データ記憶部402に記憶されている生製造関連データのうちで集計対象の生製造関連データを取得する。集計部403は、取得した生製造関連データについて集計項目ごとに集計を行って集計データD2を生成する。
ステップS214:集計部403は、ステップS212により生成された集計データD2を集計データ記憶部404に記憶させる。
【0045】
なお、同図においては、集計部403による過去製造関連データD3の記憶に関する処理は省略している。
【0046】
ステップS300:参照データサーバ500は、参照データの生成を行う。当該ステップS300としてのデータ集計は、ステップS310、S312、S314、S316により実行される。
【0047】
ステップS310:参照データサーバ500において、参照データ生成部501は、所定のバッチ処理タイミングに至るのを待機しており、バッチ処理タイミングに至ると起動する。
ステップS312:起動した参照データ生成部501は、集計サーバ400の集計データ記憶部404から、参照データの生成に用いる集計データD2を取得する。
なお、生成する参照データによっては、集計サーバ400の過去製造関連データ記憶部405に記憶される過去製造関連データD3も利用する場合があってよい。この場合、参照データ生成部501は、過去製造関連データ記憶部405から必要な過去製造関連データD3を取得してよい。
ステップS314:参照データ生成部501は、ステップS312により取得した集計データD2(及び過去製造関連データD3)を利用して参照データD4を生成する処理(参照データ生成処理)を実行する。
ステップS316:参照データ生成部501は、ステップS314により生成した参照データD4を、参照データ記憶部502に記憶させる。
【0048】
ステップS400:分析表サーバ600は、ユーザ端末200からのアクセスに応じた分析表の出力を行う。分析表の出力に対応する分析表サーバ600とユーザ端末200との処理は、以下のステップS410、S412、S414、S416、S418により実行される。
【0049】
ステップS410:ユーザ端末200は、ネットワーク経由で分析表サーバ600にアクセスし、分析表を要求する。
ステップS412:分析表サーバ600において分析表処理部601は、参照データサーバ500の参照データ記憶部502から、要求された分析表の生成に必要な参照データD4を取得する。
ステップS414:分析表処理部601は、ステップS412により取得した参照データを利用してグラフを描画し、描画したグラフを配置した分析表を生成する。
ステップS416:分析表処理部601は、ステップS414により生成した分析表の分析表データD5を、ユーザ端末200に送信する。
ステップS418:ユーザ端末200は、受信した分析表データD5による分析表を、表示や印刷により出力する。
【0050】
なお、製造関連情報処理システムにおけるサーバとしての装置は、適宜、所定の2以上が統合されたり、或る1つのサーバが複数の装置に分散されたりして構成されてもよい。一例として、集計サーバ400と参照データサーバ500とが1のサーバとして統合されてもよい。
【0051】
なお、上述の製造関連情報処理システムにおける各装置としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の製造関連情報処理システムにおける各装置としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。
【符号の説明】
【0052】
100 製造設備、200 ユーザ端末、300 データ収集サーバ、301 生製造関連データ記憶部、310 生製造関連データ機構部、400 集計サーバ、401 データ複製部、402 生製造関連データ記憶部、403 集計部、404 集計データ記憶部、405 過去製造関連データ記憶部、500 参照データサーバ、501 参照データ生成部、502 参照データ記憶部、600 分析表サーバ、601 分析表処理部
図1
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図8