(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123070
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】オムツ用センサ、紙オムツ、及び、紙オムツキット
(51)【国際特許分類】
G01N 27/00 20060101AFI20230829BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20230829BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20230829BHJP
A61F 5/44 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G01N27/00 H
G06K19/07 170
G06K19/07 230
G06K19/077 280
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026929
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】富永 梓己
(72)【発明者】
【氏名】中田 匡祐
【テーマコード(参考)】
2G060
4C098
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AE11
2G060AG09
2G060AG15
2G060JA06
2G060KA05
4C098CD09
(57)【要約】
【課題】オムツ用センサが液体に浸った旨をより確実に検知することが可能な構造の紙オムツを提供する。
【解決手段】オムツ用センサ100は、液体に濡れることにより破断ないしは損傷する回路60を含むシート状の濡れ検出センサ部90を備え、当該オムツ用センサ100において使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シート85と、高透水シート85と濡れ検出センサ部90との間に介装されている第1吸水シート81と、濡れ検出センサ部90を基準として高透水シート85側とは反対側に配置されている第2吸水シート83と、のうちの少なくともいずれか一方と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に濡れることにより破断ないしは損傷する回路を含むシート状の濡れ検出センサ部を備えるオムツ用センサであって、
当該オムツ用センサにおいて使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シートと、
前記高透水シートと前記濡れ検出センサ部との間に介装されている第1吸水シートと、前記濡れ検出センサ部を基準として前記高透水シート側とは反対側に配置されている第2吸水シートと、のうちの少なくともいずれか一方と、
を備えるオムツ用センサ。
【請求項2】
前記第1吸水シートと前記第2吸水シートとの双方を備える請求項1に記載のオムツ用センサ。
【請求項3】
前記濡れ検出センサ部は、
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に前記回路を構成している第2導電パターンと、
を備え、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
前記第2導電パターンは、液体に対して可溶であるか、もしくは液体に濡れて脆弱化する請求項1又は2に記載のオムツ用センサ。
【請求項4】
複数の前記第2導電パターンを有し、
前記基材は、前記複数の第2導電パターンとそれぞれ対応する複数の前記欠落部を有する請求項3に記載のオムツ用センサ。
【請求項5】
当該オムツ用センサはシート状に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載のオムツ用センサ。
【請求項6】
紙オムツ本体と、
前記紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位に設けられている第1オムツ用センサと、
前記紙オムツ本体において前記第1オムツ用センサとは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサと、
を備え、
前記第1オムツ用センサ及び前記第2オムツ用センサの各々は、請求項1から5のいずれか一項に記載のオムツ用センサである紙オムツ。
【請求項7】
前記第2オムツ用センサは、前記紙オムツ本体の周縁部に配置されている請求項6に記載の紙オムツ。
【請求項8】
紙オムツ本体と、
前記紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位とは異なる部位に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のオムツ用センサと、
を備える紙オムツ。
【請求項9】
請求項8に記載の紙オムツと、
尿漏れパッドと、
を備える紙オムツキットであって、
前記尿漏れパッドは、尿漏れパッド本体と、前記尿漏れパッド本体に設けられているパッド側センサ部と、を有し、
前記パッド側センサ部は、請求項1から5のいずれか一項に記載のオムツ用センサである紙オムツキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オムツ用センサ、紙オムツ、及び、紙オムツキットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紙オムツ本体と、オムツ本体において外尿道口と対応する部位に設けられているオムツ用センサ(同文献には、液体検知センサと記載)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者の検討によれば、特許文献1のオムツ用センサは、オムツ用センサが液体に浸った旨の検知の確実性について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、オムツ用センサが液体に浸った旨をより確実に検知することが可能な構造の紙オムツを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、液体に濡れることにより破断ないしは損傷する回路を含むシート状の濡れ検出センサ部を備えるオムツ用センサであって、
当該オムツ用センサにおいて使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シートと、
前記高透水シートと前記濡れ検出センサ部との間に介装されている第1吸水シートと、前記濡れ検出センサ部を基準として前記高透水シート側とは反対側に配置されている第2吸水シートと、のうちの少なくともいずれか一方と、
を備えるオムツ用センサが提供される。
【0007】
また、本発明によれば、紙オムツ本体と、
前記紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位に設けられている第1オムツ用センサと、
前記紙オムツ本体において前記第1オムツ用センサとは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサと、
を備え、
前記第1オムツ用センサ及び前記第2オムツ用センサの各々は、本発明に係るオムツ用センサである紙オムツが提供される。
【0008】
また、本発明によれば、本発明の紙オムツと、
尿漏れパッドと、
を備える紙オムツキットであって、
前記尿漏れパッドは、尿漏れパッド本体と、前記尿漏れパッド本体に設けられているパッド側センサ部と、を有し、
前記パッド側センサ部は、本発明に係るオムツ用センサである紙オムツキットが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オムツ用センサが液体に浸った旨をより確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態における紙オムツの端面図であり、オムツ用センサ及びその周辺構造を示す。
【
図2】実施形態における紙オムツの分解端面図であり、オムツ用センサ及びその周辺構造を示す。
【
図3】実施形態におけるオムツ用センサの平面図である。
【
図4】実施形態におけるオムツ用センサの基板の平面図である。
【
図5】実施形態におけるオムツ用センサの可溶層の平面図である。
【
図6】実施形態に係る紙オムツの模式的な展開図である。
【
図7】実施形態の変形例における紙オムツの端面図であり、オムツ用センサ及びその周辺構造を示す。
【
図8】実施形態の変形例における紙オムツの分解端面図であり、オムツ用センサ及びその周辺構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図6を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1は
図3に示す領域A(二点鎖線の枠で囲まれた領域)におけるB-B線に沿った切断端面を示しており、
図2は
図1と対応する部位の分解端面図である。
【0012】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るオムツ用センサ100(本実施形態の場合、後述する第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)は、液体に濡れることにより破断ないしは損傷する回路60を含むシート状の濡れ検出センサ部90を備えるオムツ用センサ100である。
オムツ用センサ100は、当該オムツ用センサ100において使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シート85と、高透水シート85と濡れ検出センサ部90との間に介装されている第1吸水シート81と、濡れ検出センサ部90を基準として高透水シート85側とは反対側に配置されている第2吸水シート83と、のうちの少なくともいずれか一方と、を備える。
また、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々は、高透水シート85よりも吸水性が高い(吸水性に優れる)。
【0013】
本実施形態によれば、オムツ用センサ100が少なくとも第1吸水シート81と第2吸水シート83とのうちの少なくともいずれか一方を備えているので、第1吸水シート81又は第2吸水シート83によって、液体(尿)を速やかに吸水し濡れ検出センサ部90に供給することができる。よって、オムツ用センサ100が液体に浸った際に回路60がより確実に破断ないしは損傷するようにできる。すなわち、オムツ用センサ100が液体に浸った旨をより確実に検知することが可能となる。
加えて、オムツ用センサ100は、使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シート85を備えているので、使用者が排尿した場合、高透水シート85によって使用者の排尿を回路60に向けて速やかに透過させることができ、このことによっても、オムツ用センサ100が液体に浸った旨をより確実に検知することが可能となる。しかも、高透水シート85が使用者の体表側に配置される表面を構成するので、高透水シート85を備える構造においても、オムツ用センサ100における使用者の体表側の面のさらさら感を維持し、使用者の不快感を低減することができる。
【0014】
また、
図1から
図6に示すように、本実施形態に係る紙オムツ300は、紙オムツ本体301(
図6参照)と、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位302(
図6参照)に設けられている第1オムツ用センサ110と、紙オムツ本体301において第1オムツ用センサ110とは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサ120と、を備える。
第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、上記のオムツ用センサである。
なお、
図3においては、第1吸水シート81、第2吸水シート83及び高透水シート85の図示を省略している。また、
図6においては、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位302を二点鎖線で示している。
【0015】
本実施形態によれば、紙オムツ300は、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位に設けられている第1オムツ用センサ110と、紙オムツ本体301において第1オムツ用センサ110とは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサ120と、を備える。
これにより、使用者が紙オムツ300に排尿すると、第1オムツ用センサ110によって使用者の排尿を検出することができる。更には、第2オムツ用センサ120によって、紙オムツ300における外尿道口と対応する部位以外での尿の存在を検出することができる。このため、例えば、使用者の尿が、紙オムツ本体301から漏れ出た場合、あるいは漏れだしそうな場合(以下、単に「尿の漏れ」と称する)に、当該尿の漏れを第2オムツ用センサ120によって検出することができる。
すなわち、本実施形態によれば、使用者の排尿と、紙オムツ本体301からの尿の漏れと、をそれぞれ個別に検出することができる。
【0016】
以下では、紙オムツ300の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、
図1における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、上下方向に対して直交する方向を水平方向などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、紙オムツ300の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、
図1~
図3における左右方向をX方向と称し、
図3における上下方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、紙オムツ300の面方向に対して平行な方向(水平方向)であり、
図1における上下方向(紙オムツ300)の面直方向)に対して直交している。
【0017】
本実施形態の場合、一例として、第1オムツ用センサ110と第2オムツ用センサ120とは、互いに同様に構成されている。
オムツ用センサ100(第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)はシート状に形成されている。より詳細には、オムツ用センサ100(第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)の全体は柔軟な(可撓性の)シート状に形成されている。
また、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)は、例えば、平板状に形成されている積層体である。第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)の平面形状は、特に限定されないが、一例として、
図3に示すように一方向に長尺な略矩形状(例えば角丸の矩形状)とすることができる。
本実施形態の場合、実装部品50は、一例として、RFID用途のチップ(一般的にはICチップとも呼ばれる)であり、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)は、RFIDタグである。
【0018】
より詳細には、
図1から
図3に示すように、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々の濡れ検出センサ部90は、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10と、第1導電パターン30と相補的に回路60を構成している第2導電パターン40と、を備えている。
基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっている。また、第2導電パターン40の各々は、液体に対して可溶であるか、もしくは液体との接触によって脆弱化する。
ここで、基材11において第2導電パターン40と対応する部位とは、平面視において(第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)の面直方向に視たときに)、第2導電パターン40と対応する(重なる)部位である。
また、第2導電パターン40が液体に対して可溶であるとは、液体との接触により第2導電パターン40が溶解する(溶ける)ことであり、より詳細には、例えば、水(水分)との接触により第2導電パターン40が溶解することである。すなわち、第2導電パターン40は、例えば、水溶性である。
第2導電パターン40が液体との十分な接触により溶解した状態又は脆弱化した状態において、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。例えば、回路60の断線を検出することによって、オムツ用センサ100が液体に浸ったことを検出することができる。
【0019】
本実施形態によれば、オムツ用センサ100(第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)が基板10を備えることにより、オムツ用センサ100の構造的強度を十分に得ることができる。しかも、基材11において第2導電パターン40と対応する部位が欠落部12となっているため、液体(尿)が欠落部12を介して容易に第2導電パターン40に対して接触するようにできる。よって、オムツ用センサ100が液体に浸った際に第2導電パターン40がより確実に溶解するようにできる。このため、オムツ用センサ100の構造的強度と、オムツ用センサ100が液体に浸った旨の検出の確実性と、を良好に両立することが可能となる。
【0020】
更に、本実施形態の場合、濡れ検出センサ部90は、基材11に対して対向して配置されているとともに、液体に対して可溶であるか、もしくは液体に濡れて脆弱化する可溶層21を備えている。可溶層21の他方の面21bには、第2導電パターン40が形成されている。
このような構成によれば、第2導電パターン40を保持している可溶層21が液体との十分な接触により溶解した状態において、第2導電パターン40に対して軽微な外力が加わると、第2導電パターン40が容易に破断したり、第2導電パターン40に亀裂が生じたりし、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。すなわち、より確実に、オムツ用センサ100が液体に浸ったことを検知することができる。
【0021】
ただし、本発明は上記の例に限定されず、例えば、可溶層21と第2導電パターン40とのいずれか一方が、液体に対して可溶であってもよい。
可溶層21と第2導電パターン40とのうち可溶層21のみが液体に対して可溶である場合、第2導電パターン40を保持している可溶層21が液体との十分な接触により溶解した状態において、第2導電パターン40に対して軽微な外力が加わると、第2導電パターン40が容易に破断したり、第2導電パターン40に亀裂が生じたりし、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。そして、回路60の特性の変化(例えば、回路60の断線)を検出することによって、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が液体に浸ったことを検出することができる。
可溶層21と第2導電パターン40とのうち第2導電パターン40のみが液体に対して可溶である場合、上述のように、第2導電パターン40の各々が液体との十分な接触により溶解又は脆弱化することによって、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。これにより、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が液体に浸ったことを検出することができる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、濡れ検出センサ部90において、基材11の一方の面11a上に第1導電パターン30が直に積層されており、第1導電パターン30上に第2導電パターン40が直に積層されている。また、可溶層21が、第1導電パターン30及び第2導電パターン40を介して基材11上に積層されている。
【0023】
図3及び
図4に示すように、本実施形態の場合、基材11は、例えば、後述する複数の第2導電パターン40とそれぞれ対応する複数の欠落部12を有する。
より詳細には、基板10は、例えば、左右一対の欠落部12を有しており、左右の欠落部12は互いに同一形状に配置されており、左右対称に配置されている。より詳細には、欠落部12は、例えば、Y方向に長尺な略矩形状(例えば角丸の矩形状)に形成されている。ただし、欠落部12の形状は、特に限定されない。
各欠落部12は、基材11に形成されている開口孔である。すなわち、各欠落部12は、基材11の表裏を貫通している。各欠落部12の存在領域においては、第1導電パターン30は非形成となっている。各欠落部12は、スリット状であってもよい。
【0024】
本実施形態の場合、第1導電パターン30は、一例として、それぞれ以下に説明するアンテナ配線部と部品実装配線部とを有する。
【0025】
アンテナ配線部は、
図4において左側に位置する第1アンテナ配線部と、右側に位置する第2アンテナ配線部と、を有する。第1アンテナ配線部は、例えば、平面視においてY方向に長尺な略矩形状に形成されている広幅部31aと、広幅部31aよりも細幅に形成されていてY方向にジグザグに振れつつX方向に延在しているジグザグ部32aと、を有する。ジグザグ部32aの左端は広幅部31aと接続されており、ジグザグ部32aの右端は部品実装配線部と接続されている。第2アンテナ配線部は、例えば、第1アンテナ配線部と左右対称に形成されており、広幅部31bとジグザグ部32bとを有する。ジグザグ部32bの右端は広幅部31bと接続されており、ジグザグ部32bの左端は部品実装配線部と接続されている。
【0026】
部品実装配線部は、ジグザグ部32aの右端に接続されていてX方向に延在している直線パターン構成部33aと、左側の欠落部12を間に挟んで直線パターン構成部33aの延長上に配置されていてX方向に延在している直線パターン構成部34aと、直線パターン構成部34aの右側に連接されていてX方向に延在している直線パターン構成部34bと、右側の欠落部12を間に挟んで直線パターン構成部34bの延長上に配置されていてX方向に延在している直線パターン構成部33bと、を有する。
部品実装配線部は、更に、それぞれ以下に説明する連結部35、環状パターン構成部36a、37a、38a、39a、301a、36b、37b、38b、39b及び301bを有する。
連結部35の一端は、直線パターン構成部34aと直線パターン構成部34bとの境界部に接続されており、連結部35は、当該境界部からY方向における一方(
図4における下方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。
環状パターン構成部36aは、連結部35の他端に接続されていて、連結部35の他端から左方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部37aは、左側の欠落部12を間に挟んで環状パターン構成部36aの延長上に配置されていてX方向に延在している。環状パターン構成部38aの一端は、環状パターン構成部37aの左端に接続されており、環状パターン構成部38aは、環状パターン構成部37aの左端からY方向における一方(
図4における下方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部39aは、環状パターン構成部38aの他端に接続されており、環状パターン構成部38aの他端から右方に延伸している(つまりX方向に延在している)。環状パターン構成部301aは、左側の欠落部12を間に挟んで環状パターン構成部39aの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部36bは、連結部35の他端に接続されていて、連結部35の他端から右方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部37bは、右側の欠落部12を間に挟んで環状パターン構成部36bの延長上に配置されていてX方向に延在している。環状パターン構成部38bの一端は、環状パターン構成部37bの右端に接続されており、環状パターン構成部38bは、環状パターン構成部37bの右端からY方向における一方(
図4における下方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部39bは、環状パターン構成部38bの他端に接続されており、環状パターン構成部38bの他端から左方に延伸している(つまりX方向に延在している)。環状パターン構成部301bは、右側の欠落部12を間に挟んで環状パターン構成部39bの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部301aと環状パターン構成部301bとは、互いに延長上に配置されている。
【0027】
可溶層21は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)を含んで構成されている。可溶層21がPVAを含んで構成されていることによって、オムツ用センサ100が水分と接触すると可溶層21が良好に溶解する構造を実現することができる。
ただし、可溶層21が水溶性である場合に、可溶層21の材料は、PVAに限らず、例えば、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、または水溶性の紙素材、でんぷん成分を由来とするシート素材などであってもよい。
更に、本実施形態の場合、可溶層21は、ホットメルト特性を有する樹脂を含有しており、基材11及び第1導電パターン30の各々に対してホットメルト接合される。つまり、可溶層21は、基材11及び第1導電パターン30の各々に対して融着接合される。
ただし、本発明はこの例に限定されず、可溶層21は、例えば、水溶性の粘着剤(不図示)によって、基材11及び第1導電パターン30の各々に対して接合されてもよい。
【0028】
第2導電パターン40は、例えば、可溶層21の他方の面21b側に形成されている。
図5に示すように、オムツ用センサ100は、第2導電パターン40として、例えば、それぞれX方向に延在するブリッジ部41a、41b、42a、42b、43a及び43bを有する。すなわち、オムツ用センサ100は、例えば、複数の第2導電パターン40を有する。
図3に示すように、ブリッジ部41aは、直線パターン構成部33aの右端部と直線パターン構成部34aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部41bは、直線パターン構成部34bの右端部と直線パターン構成部33bの左端部とを相互に接続している。これにより、直線パターン構成部33a、ブリッジ部41a、直線パターン構成部34a、直線パターン構成部34b、ブリッジ部41b及び直線パターン構成部33bによって、X方向において直線状に延在していて第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部とを相互に接続する直線パターンが構成されている。
ブリッジ部42aは、環状パターン構成部37aの右端部と環状パターン構成部36aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部42bは、環状パターン構成部36bの右端部と環状パターン構成部37bの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部43aは、環状パターン構成部39aの右端部と環状パターン構成部301aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部43bは、環状パターン構成部301bの右端部と環状パターン構成部39bの左端部とを相互に接続している。これにより、環状パターン構成部301a、ブリッジ部43a、環状パターン構成部39a、環状パターン構成部38a、環状パターン構成部37a、ブリッジ部42a、環状パターン構成部36a、環状パターン構成部36b、ブリッジ部42b、環状パターン構成部37b、環状パターン構成部38b、環状パターン構成部39b、ブリッジ部43b及び環状パターン構成部301bによって、環状の環状パターンが構成されている。環状パターンは、例えば、平面視において、略矩形環状に形成されている。環状パターンは、環状パターン構成部301aと環状パターン構成部301bとの間で不連続となっている。すなわち、環状パターンは、開口部を有する形状(開環状の形状)となっている。
連結部35は、直線パターンと環状パターンとを相互に連結している。
【0029】
ここで、ブリッジ部41a、ブリッジ部42a及びブリッジ部43aの各々は、左側の欠落部12を跨いで配置されており、ブリッジ部41b、ブリッジ部42b及びブリッジ部43bの各々は、右側の欠落部12を跨いで配置されている。
図1に示すように、ブリッジ部43aは、環状パターン構成部39aと環状パターン構成部301aとの間に架設されて、環状パターン構成部39aと環状パターン構成部301aとを相互に電気的に接続している。同様に、ブリッジ部43bは、環状パターン構成部301bと環状パターン構成部39bとの間に架設されて、環状パターン構成部301bと環状パターン構成部39bとを相互に電気的に接続している。
同様に、ブリッジ部41aは、直線パターン構成部33aと直線パターン構成部34aとの間に架設されて直線パターン構成部33aと直線パターン構成部34aとを相互に電気的に接続しており、ブリッジ部41bは、直線パターン構成部34bと直線パターン構成部33bとの間に架設されて直線パターン構成部34bと直線パターン構成部33bとを相互に電気的に接続しており、ブリッジ部42aは、環状パターン構成部37aと環状パターン構成部36aとの間に架設されて環状パターン構成部37aと環状パターン構成部36aとを相互に電気的に接続しており、ブリッジ部42bは、環状パターン構成部36bと環状パターン構成部37bとの間に架設されて環状パターン構成部36bと環状パターン構成部37bとを相互に電気的に接続している。
【0030】
このように、第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42a、42b、43a及び43bの各々)は、欠落部12を跨いで配置されているとともに、第1導電パターン30における第1部分と、第1導電パターン30において欠落部12を間に挟んで第1部分とは離間している部分である第2部分と、の間に架設されて、第1部分と第2部分とを相互に電気的に接続している。すなわち、第2導電パターン40の各々は、ブリッジ配線となっている。第2導電パターン40は、平面視において、欠落部12の周囲縁部の一部分から、欠落部12を横切って、欠落部12の周縁部の他の部分に亘って延在している。
【0031】
なお、オムツ用センサ100は、第2導電パターン40として、上記のブリッジ部41a~43b以外の部分を有していてもよいが、ブリッジ部41a~43bは、回路60を構成する配線部である。
すなわち、第2導電パターン40において欠落部12と対応する部位(ブリッジ部41a~43b)は、回路60を構成する配線部であり、電極等ではない。
【0032】
第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42a、42b、43a及び43bの各々)は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(直線パターン構成部33a、33b、34a、34b、36a、36b、37a、37b、39a、39b、301a、301b)よりも太幅に形成されていることが好ましい。このようにすることによって、基板10と可溶層21とを位置合わせして基板10と可溶層21とを相互に組み付けるとともに、第2導電パターン40と第1導電パターン30とを相互に電気的に接続する際に、基板10と可溶層21とが面方向において相対的にわずかに位置ずれしても、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して適切に位置合わせして接続することができる。なお、第1導電パターン30が例えば金属箔に由来するパターンであり、そのインピーダンスが低く仕上がっている場合に、第2導電パターン40が印刷により形成された塗膜であると、第2導電パターン40のインピーダンスが上記金属箔によるパターンのインピーダンスよりも高い数値になってしまうことが予想されるが、上述のように第2導電パターン40を第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位よりも太幅に形成しておくことで、第1導電パターン30と第2導電パターン40のそれぞれのインピーダンスを低い状態で整合できるといった点でも有利となる。
ただし、第2導電パターン40は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位と同幅に形成されていてもよいし、当該部位よりも細幅に形成されていてもよい。
【0033】
各第2導電パターン40の長さは、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(直線パターン構成部33a、33b、34a、34b、36a、36b、37a、37b、39a、39b、301a、301b)の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
特に、各第2導電パターン40において第1導電パターン30間(第1部分と第2部分との間)に架設されている部分の長さ(架設長)が、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
【0034】
第2導電パターン40は、例えば、水溶性銀パターンである。
第2導電パターン40の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上50μm以下であることが好ましい。第2導電パターン40の厚み寸法が10μm以上であることにより、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が液体と接触する前の段階においては、回路60の安定的な特性を得ることができる。第2導電パターン40の厚み寸法が50μm以下であることにより、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が液体と接触した際に、第2導電パターン40が速やかに溶解もしくは脆弱化するようにできる。
【0035】
本実施形態の場合、回路60の複数箇所にブリッジ配線としての第2導電パターン40が配置されているので、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が液体に接触した際に、いずれかの第2導電パターン40が破断したり、いずれかの第2導電パターン40に亀裂が生じたり、いずれかの第2導電パターン40が溶解もしくは脆弱化したりする可能性を高めることができる。
【0036】
本実施形態の場合、基材11は液体に対して不溶である。このため、保管時等に第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が意図せず液体に接触した際においても、基材11が溶解することに起因して第1導電パターン30が破断したり第1導電パターン30に亀裂が生じたりして回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。
液体に対して不溶の基材11は、例えば、紙又は樹脂フィルムにより構成することができる。この樹脂フィルムを構成する樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルであることが挙げられる。
ただし、本発明は、この例に限らず、基材11が液体に対して可溶であってもよい。
基材11の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上100μm以下であることが好ましい。基材11の厚み寸法が10μm以上であることにより、基材11によって第1導電パターン30を安定的に支持することができるとともに、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)の構造的強度を十分に得ることができる。
基材11の厚み寸法が100μm以下であることにより、第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)の良好な可撓性が得られる。
【0037】
本実施形態の場合、第1導電パターン30も液体に対して不溶である。このため、保管時等に第1オムツ用センサ110(第2オムツ用センサ120)が意図せず液体に接触した際においても、第1導電パターン30が溶解することに起因して回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。特に、回路60の過半部が、液体に対して不溶の第1導電パターン30により構成されていることが好ましい。
ただし、本発明は、この例に限らず、第1導電パターン30が液体に対して可溶であってもよい。
第1導電パターン30は、例えば、印刷により形成された塗膜、又は、金属箔である。
第1導電パターン30は、例えば、導電性フィラーと、熱可塑性樹脂を含有するバインダーと、を含んで構成された塗膜である。導電性フィラーは、例えば、金、銀、銅又はカーボン等によって構成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
金属箔の第1導電パターン30は、例えば、打抜き加工又はエッチングにより形成することができる。
第1導電パターン30の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0038】
なお、基板10(基材11)の外形形状と、可溶層21の外形形状は、互いに等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。本実施形態の場合、例えば、基板10(基材11)の外形形状と、可溶層21の外形形状は、互いに等しく、平面視において互いに一致している。
【0039】
詳細な図示は省略するが、実装部品50は、例えば、素子を樹脂モールドすることにより構成された部品本体と、部品本体の下面に沿って設けられている実装端子と、を備えており、素子と実装端子とが樹脂モールドの内部において相互に電気的に接続されている。
実装部品50が備える実装端子の数は、特に限定されないが、本実施形態の場合、実装部品50は、2つの実装端子を備えており、各実装端子が、それぞれ第1導電パターン30に対して電気的に接続されている。より詳細には、実装部品50の一方の実装端子は、環状パターン構成部301aの右端部に対して電気的に接続されており、実装部品50の他方の実装端子は、環状パターン構成部301bの左端部に対して電気的に接続されている。すなわち、実装部品50は、環状パターン構成部301aと環状パターン構成部301bとに跨がって配置されている。
このように、実装部品50は部品実装配線部に実装されている。
【0040】
アンテナ配線部は、例えば、図示しない外部機器(例えば、RFIDリーダライタ)との間で信号の送受信を行う。アンテナ配線部が外部機器から受信した信号あるいは電波が実装部品50に入力される。実装部品50は、部品実装配線部及びアンテナ配線部を介して、外部機器に信号を送信する。なお、部品実装配線部の一部分又は全体も、アンテナ配線部との協働でアンテナとしての機能を担う場合もあり得る。
実装部品50は、例えば、外部機器からアンテナ配線部を介して励起された電力によって動作するパッシブ型である。
【0041】
本実施形態の場合、第1オムツ用センサ110(又は第2オムツ用センサ120)が液体と接触することに起因して第2導電パターン40が溶解(又は脆弱化)することによって、第1オムツ用センサ110(又は第2オムツ用センサ120)の通信機能が消失又は劣化する。当該通信機能の消失又は劣化を外部機器が検出することによって、第1オムツ用センサ110(又は第2オムツ用センサ120)が液体と接触したことを検出することができる。
【0042】
ここで、
図1及び
図2に示すように、本実施形態の場合、オムツ用センサ100(第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)は、第1吸水シート81と第2吸水シート83との双方を備える。
これにより、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々によって液体(尿)を吸水できるので、液体を第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができる。しかも、尿や液体に溶解した第2導電パターン40や可溶層21の浸み出しを、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々によって抑制することができ、使用者の不快感を低減することが可能である。
より詳細には、第1オムツ用センサ110においては、使用者の排尿を、第1吸水シート81によって第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができる。
第2オムツ用センサ120においては、吸収体350からオムツ本体300aに漏れ出た尿を、第2吸水シート83によって第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができるとともに、第1吸水シート81によって、尿や液体に溶解した第2導電パターン40や可溶層22の使用者側への浸み出しを抑制することができる。
。
更には、高透水シート85によって、使用者の排尿を、第1吸水シート81ひいては第2導電パターン40や可溶層21に対して速やかに供給することができる。このため、オムツ用センサ100における使用者の体表側の面(高透水シート85)のさらさら感を維持することができるので、使用者の不快感を低減することができる。
【0043】
本実施形態の場合、一例として、第1吸水シート81は、濡れ検出センサ部90の一方の面(一方の面21a)上に直に積層されており、第2吸水シート83は、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面11b)下に直に配置されている。また、高透水シート85は、第1吸水シート81の上に直に積層されている。
【0044】
上述のように、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々は、高透水シート85よりも吸水性が高い(吸水性に優れる)。
より詳細には、一例として、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々の吸い上げ性は、高透水シート85の吸い上げ性よりも高い。
ここで「吸い上げ性」とは、例えば、JIS L 1907(繊維製品の吸水性試験方法)に規定する試験方法によって評価することができる。この試験方法では、先ず、繊維方向が長手になるよう十分な長さに切り出した不織布を吊るした状態において、当該不織布の先端を色を付けた水に60秒浸漬し、30分放置する。そして、当該不織布の長手方向における水が上昇した高さ(吸い上げた高さ)を評価する。
【0045】
第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々は、特に限定されないが、一例として、パルプ、コットン、麻、レーヨンの高吸水性(高保水性)の不織布である。また、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々の吸い上げ性は、一例として、100mm以上200mm以下であることが好ましく、より好ましくは、110mm以上180mm以下である。
高透水シート85は、特に限定されないが、一例として、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製で、目付が例えば5g/m2以上100g/m2以下で、望ましくは10g/m2以上50g/m2以下の不織布である。これにより、高透水シート85の透水性を良好に確保することができる。
【0046】
上述のように、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、紙オムツ300(
図6参照)に設けられている。なお、
図6では、紙オムツ300において、使用者の肌と接触する側の面を示している。
【0047】
紙オムツ本体301は、例えば
図6に示すように、使用者の背側に配置される後部310と、使用者の腹側に配置される前部320と、後部310と前部320とを連結している連結部330と、後部310の側部に形成されている複数の面ファスナー部340と、を備える。面ファスナー部340を介して、後部310と前部320の両側部をそれぞれ連結することによって、紙オムツ300を使用者に装着させることができる。
紙オムツ300において、使用者の肌と接触する側の面には、液体を吸収可能に構成されている吸収体350が形成されている。
吸収体350は、例えば、後部310と、前部320と、連結部330と、に亘って前後方向に延在している。
紙オムツ300が使用者に装着されている状態において、吸収体350は使用者の外尿道口と接触する位置に配置されており、使用者が排尿すると当該尿は吸収体350によって吸収される。
【0048】
第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、例えば、紙オムツ本体301において使用者の肌と接触する側の面に配置されていることが好ましい。
本実施形態の場合、一例として、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、両面テープ88や面ファスナー(不図示)等を介して紙オムツ本体301に対して接着されている。
また、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、例えば、濡れ検出センサ部90の一方の面(一方の面21a)側が、使用者の肌と接触する側に配置され、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面11b)側が、使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわちオムツ本体301側)に配置された姿勢で紙オムツ本体301に対して取り付けられる。
図1及び
図2に示す例では、第2吸水シート83が、両面テープ88を介して紙オムツ本体301の使用者の肌と接触する側の面に対して取り付けられている。
【0049】
第1オムツ用センサ110は、例えば、紙オムツ本体301の吸収体350に設けられている。第1オムツ用センサ110は、吸収体350において、外尿道口と対応する部位302の範囲内であれば、連結部330と対応する部位に設けられていてもよいし、前部320と対応する部位に設けられていてもよい。すなわち、第1オムツ用センサ110の配置位置を、外尿道口と対応する部位302の範囲内で任意に変えることができるので、使用者の性別に問わず対応することができる。
図6に示す例では、第1オムツ用センサ110は、当該第1オムツ用センサ110の長手方向が前後方向となる姿勢で配置されている。
【0050】
第2オムツ用センサ120は、例えば、紙オムツ本体301において、外尿道口と対応する部位302以外の部位の周縁(例えば、後部310の上縁310aや前部320の下縁等)に沿って配置されていることが好ましい。
本実施形態の場合、第2オムツ用センサ120は、例えば、紙オムツ本体301の外周部(例えば、背側)に配置されている。
これにより、紙オムツ本体301から漏れ出た尿を、第2オムツ用センサ120によってより確実に検出することができる。
より詳細には、第2オムツ用センサ120は、例えば、使用者の背側に配置される後部310の上縁310aに沿って設けられている。また、第2オムツ用センサ120は、例えば、当該第2オムツ用センサ120の長手方向が左右方向となる姿勢で配置されている。
【0051】
ただし、本発明において、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々の形状、向き、配置及び姿勢等は特に限定されず、紙オムツ本体301の大きさや用途等に応じて適宜設定することができる。
より詳細には、例えば、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、濡れ検出センサ部の一方の面(一方の面21a)が紙オムツ本体301側となり、濡れ検出センサ部の他方の面(他方の面11b)が使用者の肌と接触する側となる姿勢で配置されていてもよい。また、例えば、第2オムツ用センサ120は、帯状に形成されており、当該第2オムツ用センサ120が、後部310の上縁310aに沿って設けられていてもよい。この場合、第2導電パターン40は、例えば、第2オムツ用センサ120の長手方向に沿って、複数箇所に設けられていることが好ましい。
また、本発明において、紙オムツ300が有する第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々の数は、特に限定されず、紙オムツ300が有する第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々の数は、2つ以上であってもよい。
この場合、例えば、第1オムツ用センサ110は、外尿道口と対応する部位302において、前後方向に複数並んで配置されていてもよい。また、第2オムツ用センサ120は、例えば、後部310の上縁310aに沿って複数並んで配置されていてもよい。
【0052】
また、本発明は上記の例に限定されず、例えば、紙オムツ300と、尿漏れパッド(不図示)と、を備える紙オムツキットであってもよい。
この場合、尿漏れパッドは、尿漏れパッド本体(不図示)と、尿漏れパッド本体に設けられているパッド側センサ部と、を有し、パッド側センサ部はオムツ用センサ100である。
また、紙オムツ300は、紙オムツ本体301と、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位302とは異なる部位に設けられているオムツ用センサ100と、を備える。
尿漏れパッドは、例えば、当該尿漏れパッドを紙オムツ本体301に装着するための粘着層などを有していて、紙オムツ本体301に装着して用いられる。
このような構成によれば、使用者が尿漏れパッドに排尿すると、パッド側センサ部によって使用者の排尿を検出することができる。また、使用者の尿が、尿漏れパッドから漏れ出た場合に、当該尿の漏れをオムツ用センサ100によって検出することができる。すなわち、使用者の排尿と、尿漏れパッドからの尿の漏れと、をそれぞれ個別に検出することができる。
【0053】
次に、本実施形態における第1オムツ用センサ110の製造方法を説明する。
本実施形態における第1オムツ用センサ110の製造方法は、基板10を準備する工程と、第2導電パターン40が形成された可溶層21を準備する工程と、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程と、を備える。
基板10を準備する工程では、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10(
図4参照)を準備する。
可溶層21を準備する工程では、可溶層21の他方の面21bに第2導電パターン40を印刷形成する。
基板10と可溶層21とを相互に組み付ける工程では、第1導電パターン30と第2導電パターン40とで相補的に回路60が構成されるとともに、基材11において第2導電パターン40と対応する部位が、欠落した欠落部12となるように、基板10と可溶層21とを相互に組み付ける。すなわち、基板10と可溶層21とを相互に対向させて位置合わせし、基板10と可溶層21とを相互に貼り合わせる。
これにより、本実施形態における第1オムツ用センサ110が得られる。第2オムツ用センサ120についても、上記と同様の製造方法によって得られる。
【0054】
基板10と可溶層21との貼り合わせは、基板10と可溶層21とを相互に熱圧着(熱ラミネート)することにより行うことができる。一例として、基板10と可溶層21とを相互に熱圧着する工程は、好ましくは80℃以上150℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下で行う。また、加熱時間は、例えば、5~10秒間程度とすることができる。また、熱圧着する工程は、0.3MPa以上3.0MPa以下の加圧条件で行うことが好ましく、1.0MPa以上2.0MPa以下の加圧条件で行うことがより好ましい。
このように基板10と可溶層21とを貼り合わせることによって、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して良好に電気的に接続することができる。
【0055】
基板10に欠落部12を形成する手法は特に限定されないが、一例として、打ち抜き加工によって形成され、主として刃型やパンチ型を適用することが代表的な手段であるといえる。ただし、本発明はこの例に限定されず、例えばレーザー加工等も適用することが可能である。
【0056】
<変形例>
次に、
図7及び
図8を用いて変形例を説明する。
本実施形態に係るオムツ用センサ100は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るオムツ用センサ100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るオムツ用センサ100と同様に構成されている。
【0057】
上記の実施形態では、可溶層21が、第1導電パターン30及び第2導電パターン40を介して基材11上に積層されている例を説明したが、本変形例の場合、
図7及び
図8に示すように、基材11が、可溶層21上に直に積層されている。
【0058】
より詳細には、本変形例の場合、濡れ検出センサ部90において、基材11の他方の面11b下に可溶層21が配置されている一方で、第2導電パターン40の一部分は第1導電パターン30上に積層されている。換言すると、基材11及び第1導電パターン30を含む基板10は、上下方向において、第2導電パターン40の一部分と可溶層21との間に配置されている。
すなわち、本変形例の場合、濡れ検出センサ部90における着用者の肌と接触する側の面は、第2導電パターン40の一方の面40aによって構成されており、濡れ検出センサ部90における使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわちオムツ本体301側)の面は、可溶層21の他方の面21bによって構成されている。
このような構成によれば、紙オムツ本体301から漏れ出た尿と可溶層21ひいては回路60とが容易に接触するようにできる。よって、より確実に、尿の漏れをオムツ用センサ100によって検出することができる。
【0059】
より詳細には、本変形例の場合も、上記の実施形態と同様に、基板10において、第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっている。そして、第2導電パターン40の一部分は、欠落部12の内部に入り込んでおり、当該欠落部12を介して可溶層21の一方の面21aと接続されている。このようにして、第2導電パターン40と可溶層21とは、基板10を間に介して互いに接続されている。
【0060】
本変形例の場合、第2導電パターン40を形成する際には、先ず、可溶層21の一方の面21a上に直に基板10を積層する。そして、第1導電パターン30上、及び欠落部12の内部に亘って第2導電パターン40を印刷形成する。
【0061】
以上、図面を参照して実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0062】
例えば、上記においては、第1オムツ用センサ110と第2濡れ検出部とは、互いに同様に構成されている例を説明したが、本発明はこの例に限らず、第1オムツ用センサ110と第2濡れ検出部とは、互いに異なる構成となっていてもよい。
この場合、第1オムツ用センサ110と第2オムツ用センサ120との少なくとも一方について、複数の第2導電パターンを有し、基材11は、複数の第2導電パターン40とそれぞれ対応する複数の欠落部12を有する。
【0063】
また、上記においては、オムツ用センサ100が、第1吸水シート81と第2吸水シート83との双方を備えている例を説明したが、本発明はこの例に限らず、オムツ用センサ100が、第1吸水シート81と第2吸水シート83とのいずれか一方のみを備えていてもよい。
この場合、例えば、第1オムツ用センサ110は、高透水シート85と濡れ検出センサ部90との間に介装されている第1吸水シート81と、濡れ検出センサ部90を基準として高透水シート85側とは反対側に配置されている第2吸水シート83と、のうち第1吸水シート81を備えていることが好ましい。
このようにすることにより、高透水シート85及び第1吸水シート81を介して、使用者の排尿をより容易に回路60に供給することができる。
また、例えば、第2オムツ用センサ120は、高透水シート85と濡れ検出センサ部90との間に介装されている第1吸水シート81と、濡れ検出センサ部90を基準として高透水シート85側とは反対側に配置されている第2吸水シート83と、のうち第2吸水シート83を備えていることが好ましい。
このようにすることにより、紙オムツ本体301側から漏れ出た尿を第2吸水シート83によって良好に吸水できるので、当該尿をより容易に回路60に供給することができる。
【0064】
また、上記においては、第1吸水シート81が直に濡れ検出センサ部90の一方の面に直に積層されている例を説明したが、本発明はこの例に限定されず、オムツ用センサ100は、第1吸水シート81と濡れ検出センサ部90の一方の面との間に介装されているシート状のスペーサ(不図示)を有し、スペーサにおいて第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部となっていてもよい。
同様に、第2吸水シート83上に濡れ検出センサ部90の他方の面が直に積層されている例を説明したが、本発明はこの例に限定されず、オムツ用センサ100は、第2吸水シート83と濡れ検出センサ部90の他方の面との間に介装されているシート状のスペーサ(不図示)を有し、スペーサにおいて第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部となっていてもよい。
【0065】
また、上記においては、実装部品50がRFIDチップである例を説明したが、本発明は、この例に限らず、実装部品50は、その他の電子部品、例えば、コンデンサや抵抗であってもよい。
【0066】
また、上記においては、第2導電パターン40が、第1導電パターン30における第1部分と、第1導電パターン30において欠落部12を間に挟んで第1部分とは離間している部分である第2部分と、の間に架設されている例を説明したが、本発明は、この例に限らず、第2導電パターン40は第1導電パターン30間に架設されたものではなく、単に第1導電パターン30に連接されたものであってもよい。単純な一例として、
図1に示す回路60の左半分が第1導電パターン30により構成され、右半分が第2導電パターン40により構成されている、といったものが挙げられる。
【0067】
また、上記においては、基板10が2つの欠落部12を有する例を説明したが、基板10が有する欠落部12の数は特に限定されず、例えば、3つ以上でもよい。
【0068】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)液体に濡れることにより破断ないしは損傷する回路を含むシート状の濡れ検出センサ部を備えるオムツ用センサであって、
当該オムツ用センサにおいて使用者の体表側に配置される表面を構成する高透水シートと、
前記高透水シートと前記濡れ検出センサ部との間に介装されている第1吸水シートと、前記濡れ検出センサ部を基準として前記高透水シート側とは反対側に配置されている第2吸水シートと、のうちの少なくともいずれか一方と、
を備えるオムツ用センサ。
(2)前記第1吸水シートと前記第2吸水シートとの双方を備える(1)に記載のオムツ用センサ。
(3)前記濡れ検出センサ部は、
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に前記回路を構成している第2導電パターンと、
を備え、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
前記第2導電パターンは、液体に対して可溶であるか、もしくは液体に濡れて脆弱化する(1)又は(2)に記載のオムツ用センサ。
(4)複数の前記第2導電パターンを有し、
前記基材は、前記複数の第2導電パターンとそれぞれ対応する複数の前記欠落部を有する(3)に記載のオムツ用センサ。
(5)当該オムツ用センサはシート状に形成されている(1)から(4)のいずれか一項に記載のオムツ用センサ。
(6)紙オムツ本体と、
前記紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位に設けられている第1オムツ用センサと、
前記紙オムツ本体において前記第1オムツ用センサとは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサと、
を備え、
前記第1オムツ用センサ及び前記第2オムツ用センサの各々は、(1)から(5)のいずれか一項に記載のオムツ用センサである紙オムツ。
(7)前記第2オムツ用センサは、前記紙オムツ本体の周縁部に配置されている(6)に記載の紙オムツ。
(8)紙オムツ本体と、
前記紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位とは異なる部位に設けられている、(1)から(5)のいずれか一項に記載のオムツ用センサと、
を備える紙オムツ。
(9)(8)に記載の紙オムツと、
尿漏れパッドと、
を備える紙オムツキットであって、
前記尿漏れパッドは、尿漏れパッド本体と、前記尿漏れパッド本体に設けられているパッド側センサ部と、を有し、
前記パッド側センサ部は、(1)から(5)のいずれか一項に記載のオムツ用センサである紙オムツキット。
【符号の説明】
【0069】
10 基板
11 基材
11a 一方の面
11b 他方の面
12 欠落部
21 可溶層
21a 一方の面
21b 他方の面
30 第1導電パターン
30a、30b 端
31a、31b 広幅部
32a、32b ジグザグ部
33a、33b、34a、34b 直線パターン構成部
35 連結部
36a、36b、37a、37b、38a、38b、39a、39b、301a、301b 環状パターン構成部
40 第2導電パターン
41a、41b、42a、42b、43a、43b ブリッジ部
50 実装部品
60 回路
81 第1吸水シート
83 第2吸水シート
85 高透水シート
88 両面テープ
90 濡れ検出センサ部
100 オムツ用センサ
110 第1オムツ用センサ
120 第2オムツ用センサ
300 紙オムツ
301 紙オムツ本体
302 外尿道口と対応する部位
310 後部
310a 上縁
320 前部
330 連結部
340 面ファスナー部
350 吸収体
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
特許文献1には、紙オムツ本体と、紙オムツ本体において外尿道口と対応する部位に設けられているオムツ用センサ(同文献には、液体検知センサと記載)について記載されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、
図1から
図6に示すように、本実施形態に係る紙オムツ300は、紙オムツ本体301(
図6参照)と、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位302(
図6参照)に設けられている第1オムツ用センサ110と、紙オムツ本体301において第1オムツ用センサ110とは異なる部位に設けられている第2オムツ用センサ120と、を備える。
第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、上記のオムツ用センサ
100である。
なお、
図3においては、第1吸水シート81、第2吸水シート83及び高透水シート85の図示を省略している。また、
図6においては、紙オムツ本体301において外尿道口と対応する部位302を二点鎖線で示している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
以下では、紙オムツ300の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、
図1における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、上下方向に対して直交する方向を水平方向などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、紙オムツ300の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、
図1~
図3における左右方向をX方向と称し、
図3における上下方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、紙オムツ300の面方向に対して平行な方向(水平方向)であり、
図1における上下方向(紙オムツ30
0の面直方向)に対して直交している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42a、42b、43a及び43bの各々)は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(直線パターン構成部33a、33b、34a、34b、環状パターン構成部36a、36b、37a、37b、39a、39b、301a、301b)よりも太幅に形成されていることが好ましい。このようにすることによって、基板10と可溶層21とを位置合わせして基板10と可溶層21とを相互に組み付けるとともに、第2導電パターン40と第1導電パターン30とを相互に電気的に接続する際に、基板10と可溶層21とが面方向において相対的にわずかに位置ずれしても、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して適切に位置合わせして接続することができる。なお、第1導電パターン30が例えば金属箔に由来するパターンであり、そのインピーダンスが低く仕上がっている場合に、第2導電パターン40が印刷により形成された塗膜であると、第2導電パターン40のインピーダンスが上記金属箔によるパターンのインピーダンスよりも高い数値になってしまうことが予想されるが、上述のように第2導電パターン40を第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位よりも太幅に形成しておくことで、第1導電パターン30と第2導電パターン40のそれぞれのインピーダンスを低い状態で整合できるといった点でも有利となる。
ただし、第2導電パターン40は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位と同幅に形成されていてもよいし、当該部位よりも細幅に形成されていてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
各第2導電パターン40の長さは、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(直線パターン構成部33a、33b、34a、34b、環状パターン構成部36a、36b、37a、37b、39a、39b、301a、301b)の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
特に、各第2導電パターン40において第1導電パターン30間(第1部分と第2部分との間)に架設されている部分の長さ(架設長)が、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
ここで、
図1及び
図2に示すように、本実施形態の場合、オムツ用センサ100(第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120)は、第1吸水シート81と第2吸水シート83との双方を備える。
これにより、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々によって液体(尿)を吸水できるので、液体を第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができる。しかも、尿や液体に溶解した第2導電パターン40や可溶層21の浸み出しを、第1吸水シート81及び第2吸水シート83の各々によって抑制することができ、使用者の不快感を低減することが可能である。
より詳細には、第1オムツ用センサ110においては、使用者の排尿を、第1吸水シート81によって第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができる。
第2オムツ用センサ120においては、吸収体350から
紙オムツ本体30
1に漏れ出た尿を、第2吸水シート83によって第2導電パターン40や可溶層21に対して十分に供給することができるとともに、第1吸水シート81によって、尿や液体に溶解した第2導電パターン40や可溶層2
1の使用者側への浸み出しを抑制することができる
。
更には、高透水シート85によって、使用者の排尿を、第1吸水シート81ひいては第2導電パターン40や可溶層21に対して速やかに供給することができる。このため、オムツ用センサ100における使用者の体表側の面(高透水シート85)のさらさら感を維持することができるので、使用者の不快感を低減することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、例えば、紙オムツ本体301において使用者の肌と接触する側の面に配置されていることが好ましい。
本実施形態の場合、一例として、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、両面テープ88や面ファスナー(不図示)等を介して紙オムツ本体301に対して接着されている。
また、第1オムツ用センサ110及び第2オムツ用センサ120の各々は、例えば、濡れ検出センサ部90の一方の面(一方の面21a)側が、使用者の肌と接触する側に配置され、濡れ検出センサ部90の他方の面(他方の面11b)側が、使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわち
紙オムツ本体301側)に配置された姿勢で紙オムツ本体301に対して取り付けられる。
図1及び
図2に示す例では、第2吸水シート83が、両面テープ88を介して紙オムツ本体301の使用者の肌と接触する側の面に対して取り付けられている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
<変形例>
次に、
図7及び
図8を用いて変形例を説明する。
本
変形例に係るオムツ用センサ100は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るオムツ用センサ100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るオムツ用センサ100と同様に構成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
より詳細には、本変形例の場合、濡れ検出センサ部90において、基材11の他方の面11b下に可溶層21が配置されている一方で、第2導電パターン40の一部分は第1導電パターン30上に積層されている。換言すると、基材11及び第1導電パターン30を含む基板10は、上下方向において、第2導電パターン40の一部分と可溶層21との間に配置されている。
すなわち、本変形例の場合、濡れ検出センサ部90における着用者の肌と接触する側の面は、第2導電パターン40の一方の面40aによって構成されており、濡れ検出センサ部90における使用者の肌と接触する側とは反対側(すなわち紙オムツ本体301側)の面は、可溶層21の他方の面21bによって構成されている。
このような構成によれば、紙オムツ本体301から漏れ出た尿と可溶層21ひいては回路60とが容易に接触するようにできる。よって、より確実に、尿の漏れをオムツ用センサ100によって検出することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
より詳細には、本変形例の場合も、上記の実施形態と同様に、基材11において、第2導電パターン40と対応する部位は、基材11が欠落した欠落部12となっている。そして、第2導電パターン40の一部分は、欠落部12の内部に入り込んでおり、当該欠落部12を介して可溶層21の一方の面21aと接続されている。このようにして、第2導電パターン40と可溶層21とは、基板10を間に介して互いに接続されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
例えば、上記においては、第1オムツ用センサ110と第2オムツ用センサ120とは、互いに同様に構成されている例を説明したが、本発明はこの例に限らず、第1オムツ用センサ110と第2オムツ用センサ120とは、互いに異なる構成となっていてもよい。
この場合、第1オムツ用センサ110と第2オムツ用センサ120との少なくとも一方について、複数の第2導電パターン40を有し、基材11は、複数の第2導電パターン40とそれぞれ対応する複数の欠落部12を有する。