(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123076
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ハンダ処理用レーザ装置
(51)【国際特許分類】
B23K 1/005 20060101AFI20230829BHJP
H01S 5/02251 20210101ALI20230829BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20230829BHJP
【FI】
B23K1/005 A
H01S5/02251
B23K1/005 C
B23K26/064 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026938
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 正樹
【テーマコード(参考)】
4E168
5F173
【Fターム(参考)】
4E168CA06
4E168CA11
4E168CB22
4E168DA02
4E168DA03
4E168EA08
4E168EA17
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4E168JB01
5F173MA08
5F173MB03
5F173ME23
5F173ME32
5F173ME44
5F173MF03
5F173MF18
5F173MF23
5F173MF27
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】波長の異なる複数のレーザ光をハンダ処理部位に照射する場合でも、品質良くハンダ処理が可能なハンダ処理用レーザ装置を提供する。
【解決手段】赤外波長域の第一レーザ光を発する複数の第一レーザ素子と、青色波長域の第二レーザ光を発する複数の第二レーザ素子と、前記第一、第二レーザ光の両者が入射可能な集光光学系と、前記第一、第二レーザ素子、及び前記集光光学系を搭載する光源モジュールと、前記光源モジュールに対して接続されており、前記集光光学系を通過した前記第一、第二レーザ光の両者が入射可能な光ファイバと、前記光ファイバを通じて伝搬された前記第一、第二レーザ光が入射可能な照射ヘッドと、前記照射ヘッドの内部に収容され、前記第一、第二レーザ光を導光する照射光学系と、前記照射光学系を介して導光された前記第一、第二レーザ光を、ハンダ処理部位に向けて照射する照射口とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外波長域の第一レーザ光を発する複数の第一レーザ素子と、
青色波長域の第二レーザ光を発する複数の第二レーザ素子と、
前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光の両者が入射可能な集光光学系と、
前記第一レーザ素子、前記第二レーザ素子、及び前記集光光学系を搭載する光源モジュールと、
前記光源モジュールに対して接続されており、前記集光光学系を通過した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光の両者が入射可能な光ファイバと、
前記光ファイバを通じて伝搬された前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光が入射可能な照射ヘッドと、
前記照射ヘッドの内部に収容され、前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光を導光する照射光学系と、
前記照射光学系を介して導光された前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光を、前記照射ヘッドの外部に位置するハンダ処理部位に向けて照射する照射口とを備えたことを特徴とする、ハンダ処理用レーザ装置。
【請求項2】
照射面において、前記第二レーザ光のスポット径が前記第一レーザ光のスポット径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項3】
前記光源モジュールにおいて、同じ波長域のレーザ素子が配列する方向を行としたときに、前記第一レーザ素子の行数が、前記第二レーザ素子の行数よりも多いことを特徴とする、請求項1に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項4】
前記第一レーザ素子から前記光ファイバまでの前記第一レーザ光の光路長が、前記第二レーザ素子から前記光ファイバまでの前記第二レーザ光の光路長よりも短いことを特徴とする、請求項1に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項5】
前記照射ヘッド内に配置され、前記照射光学系と分岐して連絡された撮像光学系を更に備え、
前記照射光学系は、前記第一レーザ光と同一波長を含む波長帯に属する第一赤外光及び前記第二レーザ光と同一波長を含む波長帯に属する青色光と、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の波長帯に属する非青色可視光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、
前記撮像光学系は、前記第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に撮像素子を含み、
前記光ファイバから入射した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光は、いずれも前記第一波長分離光学系に入射されると前記照射口に導かれ、
前記照射口から入射された可視光に含まれる前記非青色可視光は、前記第一波長分離光学系に入射されると前記撮像光学系内の前記撮像素子に導かれることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項6】
前記第一波長分離光学系は、前記第一赤外光及び前記青色光を透過して前記非青色可視光を反射するダイクロイックミラーであることを特徴とする、請求項5に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項7】
前記撮像光学系は、前記第一波長分離光学系と前記撮像素子との間の光路上の位置に、前記第一赤外光及び前記青色光と、前記非青色可視光とを選択的に分離する第二波長分離光学系を有し、
前記第二波長分離光学系を通過した前記非青色可視光は、前記撮像素子に導かれることを特徴とする、請求項5に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項8】
前記照射ヘッド内に配置され、前記照射光学系と分岐して連絡された温度計測光学系を更に備え、
前記照射光学系は、前記第一レーザ光と同一波長を含む波長帯に属する第一赤外光及び前記第二レーザ光と同一波長を含む波長帯に属する青色光と、前記第一赤外光よりも長波長の波長帯に属する第二赤外光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、
前記温度計測光学系は、前記第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に放射温度センサを含み、
前記光ファイバから入射した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光は、いずれも前記第一波長分離光学系に入射されると前記照射口に導かれ、
前記照射口から入射された前記ハンダ処理部位が出射する前記第二赤外光は、前記第一波長分離光学系に入射されると前記温度計測光学系内の前記放射温度センサに導かれることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【請求項9】
前記照射ヘッドは、前記光ファイバが連結されている箇所から、前記照射口側を臨んだときに、前記照射口の近傍において前記照射口に近づくほどに幅が狭い外観形状を呈していることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のハンダ処理用レーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンダ処理に用いるレーザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンダ処理工程として、レーザ光照射によるハンダ処理工法(「レーザソルダリング」とも称される)が知られている。電子部品をプリント基板にハンダ処理するに際し、レーザソルダリングは従来のハンダごてを用いた工法と比較すると、基板に対して非接触でハンダ処理を行うことができるなどのメリットがある。
【0003】
レーザ光を使用して、電子部品をプリント基板にハンダ処理する従来の方法について、
図10A~
図10Dを参照して説明する。
図10Aは、プリント基板50に形成された端子51に、電子部品53から延伸するリード52を、照射ヘッド55から照射されるレーザ光L10とハンダ供給部56から供給される線状ハンダ54を使用してハンダ処理する状況を模式的に示す図面である。この詳細な手順について、
図10B~
図10Dを参照して説明する。
【0004】
まず、
図10Bに示すように、レーザ光L10を端子51とリード52とに照射することにより、当該端子51とリード52の予備加熱を行う。次に、
図10Cに示すように、線状ハンダ54をハンダ処理部位P10に供給しつつ、レーザ光L10により溶融させ、溶融したハンダ(溶融ハンダ)54aをハンダ処理部位P10全体に拡散させる。その後、
図10Dに示すように、拡散した溶融ハンダ54aをレーザ光L10で加熱することで、当該端子51及びリード52とハンダの結合部に合金層を形成する。これにより、ハンダ処理が完了する。
【0005】
レーザ光L10は、一般的には赤外波長域のレーザ光であるが、端子51及びリード52の材質や線状ハンダ54のレーザ光の吸収率に応じて、波長が選択される。端子51、リード52又は線状ハンダ54の吸収率が高い波長のレーザ光L10を用いることにより、ハンダ処理部位P10の加熱速度が速まるため、ハンダ処理に要する時間が短縮できる。ハンダ処理に要する時間が短縮できれば、プリント基板や電子部品への加熱によるダメージを最小限にでき、ハンダ処理の品質が向上することが期待できる。
【0006】
ハンダ処理部位P10を構成する、端子51やリード52の主材料は、一般に銅又は金である。また、ハンダ(54,54a)の主材料は、錫である。
図11は、銅、金及び錫の、光の波長別の吸収率を示すグラフである。
図11に示すように、銅及び金の場合は、波長800nm~1000nmの赤外波長域のレーザ光よりも、波長400nm~500nmの青色波長域のレーザ光の吸収率が格段に高い。一方で、錫の場合は、波長に対する吸収率の依存性が銅及び金と比べて小さく、赤外波長域のレーザ光を用いた加熱が十分可能である。このため、ハンダ処理に際して、赤外波長域のレーザ光と共に青色波長域のレーザ光を使用することも行われている。
【0007】
例えば、下記特許文献1には、赤外波長域と青色波長域の両方のレーザ光を使用するハンダ処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、鋭意研究の結果、本発明者は、上記特許文献1のように、赤外波長域のレーザ光と青色波長域のレーザ光とを用いてハンダ処理を行った場合、ハンダ処理の品質が低下しやすいことに気づいた。一方で、ハンダ処理の品質を高めるべく、レーザ光の照射線量を高めると、基板に対して損傷が生じやすくなることが確認された。
【0010】
本発明者は、この点に関してさらに検討を進めた結果、赤外波長域のレーザ光と青色波長域のレーザ光の照射位置にズレが生じやすく、その結果、ハンダ処理の品質が低下しやすくなるのではないかと推察した。端子やリードは、青色波長域のレーザ光で予備加熱された後、拡散した溶融ハンダとともに赤外波長域のレーザ光で加熱され、ハンダとの結合部で合金層を形成する。このため、これらのレーザ光の照射位置のズレが大きいと、一方のレーザ光の加熱が程度良く行えても、他方のレーザ光の加熱が十分ではなかったり、逆に加熱をし過ぎてしまう、という問題が生じやすい。この結果、従来の方法によれば、品質の良いハンダ処理が実現できない場合があると考えられる。
【0011】
本発明は、上記事情に基づき、波長の異なる複数のレーザ光をハンダ処理部位に照射する場合でも、品質良くハンダ処理が可能なハンダ処理用レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るハンダ処理用レーザ装置は、
赤外波長域の第一レーザ光を発する複数の第一レーザ素子と、
青色波長域の第二レーザ光を発する複数の第二レーザ素子と、
前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光の両者が入射可能な集光光学系と、
前記第一レーザ素子、前記第二レーザ素子、及び前記集光光学系を搭載する光源モジュールと、
前記光源モジュールに対して接続されており、前記集光光学系を通過した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光の両者が入射可能な光ファイバと、
前記光ファイバを通じて伝搬された前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光が入射可能な照射ヘッドと、
前記照射ヘッドの内部に収容され、前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光を導光する照射光学系と、
前記照射光学系を介して導光された前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光を、前記照射ヘッドの外部に位置するハンダ処理部位に向けて照射する照射口とを備える。
【0013】
レーザ光の照射位置のズレが生じる原因として、光源モジュールから照射ヘッドにレーザ光を伝搬する光ファイバの接続位置のズレや、レーザ光を照射部位に導光する光学系の配置のズレなどが挙げられる。仮に、前記第一レーザ素子と前記第二レーザ素子をそれぞれ別々の光源モジュールに搭載すると、光源モジュールから照射ヘッドにレーザ光を伝搬する光ファイバがそれぞれ必要となるため、上述した光ファイバの接続位置にズレが生じる確率が高まる。一方で、上記構成によれば、前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光を伝搬する光ファイバが共通であるため、光ファイバの接続位置のズレについての影響を従来よりも小さくできるので、それぞれのレーザ光の照射位置のズレが生じにくく、品質の良いハンダ処理を行うことができる。なお、「前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光の両者が入射可能な集光光学系」との記載は、集光光学系に対して、第一レーザ光及び第二レーザ光が「同時に」入射される場合に限らず、同一のタイミング下においては、第一レーザ光のみが入射されるものの、別のタイミング下においては、第二レーザ光のみが入射される場合も含まれる。
【0014】
また、プリント基板に対してレーザソルダリングを行うに際しては、品質の良いハンダ処理とともに、作業効率の向上が求められる。したがって、プリント基板上の複数のハンダ処理部位に対して、連続的にハンダ処理を行うにあたっては、なるべく高速で照射ヘッドが動作されるのが好ましい。一方で、昨今の集積回路の精緻化に伴い、プリント基板の回路パターンはより複雑で微細なものとなっており、照射ヘッドの動作もより高速かつ緻密なものとなる。このため、照射ヘッドの動作による振動影響が蓄積し、照射ヘッド内の光学系の位置ズレが生じ、レーザ光の照射位置のズレが生じる懸念もある。しかし、上記構成によれば、照射ヘッド内の照射光学系について、前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光に対して共通のものが使用できるため、上述したような照射ヘッドの動作による振動影響が抑制され、それぞれのレーザ光の照射位置のズレが生じにくく、品質の良いハンダ処理を行うことができる。
【0015】
さらに、照射ヘッド内の照射光学系がそれぞれのレーザ光に対して共通であるため、照射ヘッドをコンパクトに設計することができる。
【0016】
また、レーザ装置のメンテナンスや、消耗品の交換作業を想定した場合、光学系や光ファイバの取付に際しては、上述したような配置のズレを防ぐために細心の注意が必要である。上記構成によれば、前記第一レーザ光と前記第二レーザ光について、光ファイバ及び照射ヘッド内の照射光学系が共通であるため、メンテナンス等の交換作業における作業負担を軽減することができる。
【0017】
前記ハンダ処理用レーザ装置は、照射面において、前記第二レーザ光のスポット径が前記第一レーザ光のスポット径よりも小さいものとしても構わない。
【0018】
上述したように、赤外波長域のレーザ光はハンダを含むハンダ処理部位の全体に照射され、青色波長域のレーザ光は端子やリードに照射されることが想定される。また、一般的に、プリント基板に施されている基板レジストは青色波長域の吸収率が高いため、青色波長域のレーザ光がプリント基板に照射されると、プリント基板が劣化しやすい。よって、青色波長域のレーザ光は、端子やリードを除く照射対象外の領域に照射されにくいようにスポット径を小さくし、ハンダ処理部位の全体に照射する赤外波長域のレーザ光のスポット径を大きくすることが好ましい。すなわち、照射面において、前記第二レーザ光のスポット径が前記第一レーザ光のスポット径よりも小さいものとすることで、品質の良いハンダ処理を行うことができる。
【0019】
なお、レーザ光のスポット径は、例えばビームプロファイラ等を用いて計測した結果に基づいて決定される。典型的には、光強度が最大強度の1/e2になる位置をスポット径として構わない。
【0020】
前記ハンダ処理用レーザ装置は、前記光源モジュールにおいて、同じ波長域のレーザ素子が配列する方向を行としたときに、前記第一レーザ素子の行数が、前記第二レーザ素子の行数よりも多いものとしても構わない。
【0021】
光源モジュールにおいて、レーザ素子から出射されるレーザ光は、集光光学系で集光されて、光ファイバに入射する。後に詳述するように、レーザ光が集光光学系に入射する際の、入射面におけるレーザ光が分布する面積が大きいと、照射ヘッドから照射されるレーザ光のスポット径は大きくなる。同じ波長域のレーザ素子が配列する方向を行としたときに、レーザ素子の行数を多くすれば、集光光学系の入射面におけるレーザ光が分布する面積を大きくできる。よって、第一レーザ素子の行数が、第二レーザ素子の行数よりも多いものとすれば、照射面において、第一レーザ光のスポット径が第二レーザ光のスポット径よりも大きいものとでき、品質の良いハンダ処理を行うことができる。
【0022】
前記ハンダ処理用レーザ装置は、前記第一レーザ素子から前記光ファイバまでの前記第一レーザ光の光路長が、前記第二レーザ素子から前記光ファイバまでの前記第二レーザ光の光路長よりも短いものとしてもよい。
【0023】
前記ハンダ処理レーザ装置は、前記照射ヘッド内に配置され、前記照射光学系と分岐して連絡された撮像光学系を更に備え、
前記照射光学系は、前記第一レーザ光と同一波長を含む第一赤外波長帯に属する第一赤外光及び前記第二レーザ光と同一波長を含む青色波長帯に属する青色光と、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の波長帯に属する非青色可視光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、
前記撮像光学系は、前記第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に撮像素子を含み、
前記光ファイバから入射した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光は、いずれも前記第一波長分離光学系に入射されると前記照射口に導かれ、
前記照射口から入射された可視光に含まれる前記非青色可視光は、前記第一波長分離光学系に入射されると前記撮像光学系内の前記撮像素子に導かれるものとしても構わない。
【0024】
ハンダ処理の品質を確認する方法として、ハンダ処理中や処理後のハンダの形状を観察する方法が知られている。一般的に、端子及びリードとハンダが接する境界部分に、滑らかな裾拡がりの曲面が存在するかどうかでハンダ処理の品質を定性的に判断できる。そのため、ハンダ処理の様子を観察しながら、ハンダ処理を行うことで、照射条件の修正などが迅速に行うことができ、品質の良いハンダ処理を行うことができる。
【0025】
本発明に係るハンダ処理用レーザ装置は、照射光学系として、第一レーザ光と同一波長である第一赤外光及び第二レーザ光と同一波長である青色光と、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の非青色可視光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、撮像光学系として、第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に撮像素子を含む。これにより、光ファイバから入射した第一レーザ光及び第二レーザ光は、いずれも第一波長分離光学系に入射されると照射口に導かれる。また、照射口から入射された外部の環境光由来の可視光に含まれる非青色可視光は、第一波長分離光学系に入射されると撮像光学系内の撮像素子に導かれ、ハンダ処理部位の観察を行うことが可能となる。ここで、波長分離光学系には、ダイクロイックミラーやバンドパスフィルタ等を用いることができる。
【0026】
なお、「選択的に分離」とは、ある波長帯A1に属する光a1と、別の波長帯A2に属する光a2とが混合して入射された場合において、光a1に対する透過率が70%以上であって反射率が30%未満である一方、光a2に対する透過率が30%未満であって反射率が70%以上であるものとして構わない。より好ましくは、光a1に対する透過率が80%以上であって反射率が20%未満である一方、光a2に対する透過率が20%未満であって反射率が80%以上であるものとして構わない。
【0027】
前記第一波長分離光学系は、前記第一赤外光及び前記青色光を透過して前記非青色可視光を反射するダイクロイックミラーとしても構わない。
【0028】
前記撮像光学系は、前記第一波長分離光学系と前記撮像素子との間の光路上の位置に、前記第一赤外光及び前記青色光と、前記非青色可視光とを選択的に分離する第二波長分離光学系を有し、
前記第二波長分離光学系を通過した前記非青色可視光は、前記撮像素子に導かれるものとしても構わない。
【0029】
上述したように、第一波長分離光学系は、第一レーザ光と同一波長である第一赤外光及び第二レーザ光と同一波長である青色光と、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の非青色可視光とを、選択的に分離する。しかし、例えばダイクロイックミラー等の第一波長分離光学系のみによって、両者の光を完全に分離することは難しい場合がある。すなわち、一部の前記青色光は前記非青色可視光と完全には分離されず、前記非青色可視光とともに、撮像素子に入射することが想定される。このように、第二レーザ光由来の青色光が撮像素子に入射すると、撮像素子においてハレーションを起こし、観察像が白くぼやけて、ハンダ処理部位の観察を行う妨げになる場合がある。よって、上記構成においては、第一波長分離光学系と撮像素子との間の光路上の位置に、前記第一赤外光及び前記青色光と、前記非青色可視光とを選択的に分離する第二波長分離光学系を配置する。仮に、第一波長分離光学系及び第二波長分離光学系の双方ともが、入射された複数の波長帯の光を完全に分離することができなかったとしても、例えば複数枚のダイクロイックミラーを通過させることで、青色光が非青色可視光の進行する側に混在する割合を大幅に低下できる。この結果、第二波長分離光学系を通過した前記非青色可視光が、撮像素子に導かれることで、撮像素子に入射する青色光が低減し、ハレーションを抑制して、ハンダ処理部位の観察を行うことが可能となる。
【0030】
前記ハンダ処理用レーザ装置は、前記照射ヘッド内に配置され、前記照射光学系と分岐して連絡された温度計測光学系を更に備え、
前記照射光学系は、前記第一レーザ光と同一波長を含む第一赤外波長帯に属する第一赤外光及び前記第二レーザ光と同一波長を含む青色波長帯に属する青色光と、前記第一赤外光よりも長波長の第二赤外波長帯に属する第二赤外光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、
前記温度計測光学系は、前記第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に放射温度センサを含み、
前記光ファイバから入射した前記第一レーザ光及び前記第二レーザ光は、いずれも前記第一波長分離光学系に入射されると前記照射口に導かれ、
前記照射口から入射された前記ハンダ処理部位が出射する前記第二赤外光は、前記第一波長分離光学系に入射されると前記温度計測光学系内の前記放射温度センサに導かれるものとしても構わない。
【0031】
ハンダ処理の品質は、ハンダ処理中のハンダ処理部位の温度(以下、「ハンダ処理温度」と便宜上記載する。)に影響される。また、使用するハンダの融点及びプリント基板の耐熱性によって、適切なハンダ処理温度が異なる。そのため、ハンダ処理温度を計測しながらハンダ処理を行うことで、照射条件の修正などを迅速に行うことができ、品質の良いハンダ処理を行うことができる。
【0032】
本発明に係るハンダ処理用レーザ装置は、照射光学系として、第一レーザ光と同一波長である第一赤外光及び第二レーザ光と同一波長である青色光と、前記第一赤外光よりも長波長の第二赤外光とを、選択的に分離する第一波長分離光学系を含み、温度計測光学系として、第一波長分離光学系よりも光路上の後段の位置に放射温度センサを含む。これにより、光ファイバから入射した第一レーザ光及び第二レーザ光は、いずれも第一波長分離光学系に入射されると照射口に導かれる。また、照射口から入射されたハンダ処理部位が出射する第二赤外光は、第一波長分離光学系に入射されると放射温度センサに導かれ、ハンダ処理温度の計測を行うことが可能となる。
【0033】
前記照射ヘッドは、前記光ファイバが連結されている箇所から、前記照射口側を臨んだときに、前記照射口の近傍において前記照射口に近づくほどに幅が狭い外観形状を呈しているものとしても構わない。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るハンダ処理用レーザ装置によれば、波長の異なる複数のレーザ光をハンダ処理部位に照射する場合でも、品質の良いハンダ処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に係るハンダ処理用レーザ装置の第一実施形態の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。
【
図2A】光源モジュールの内部の構成を示す模式図である。
【
図3A】光源モジュール内の第一レーザ光の光路を示す模式図である。
【
図3B】光源モジュール内の第二レーザ光の光路を示す模式図である。
【
図4A】
図3Aにおいて点線D1で示した集光レンズの入射面における、第一レーザ光の分布を示す概念図である。
【
図4B】
図3Bにおいて点線D1で示した集光レンズの入射面における、第二レーザ光の分布を示す概念図である。
【
図5】
図1の照射ヘッド部分を拡大してレーザ光の光路を示す模式図である。
【
図6】
図1の照射ヘッド部分を拡大して環境光由来の可視光の光路を示す模式図である。
【
図7】本発明に係るハンダ処理用レーザ装置の第二実施形態の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。
【
図8】本発明に係るハンダ処理用レーザ装置の第一実施形態の変形例の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。
【
図9】本発明に係るハンダ処理用レーザ装置の第一実施形態の他の変形例の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。
【
図10A】レーザ光を使用して、電子部品をプリント基板にハンダ処理する方法を概略的に示す模式図である。
【
図10B】レーザ光を使用して、電子部品をプリント基板にハンダ処理する方法を概略的に示す模式図である。
【
図10C】レーザ光を使用して、電子部品をプリント基板にハンダ処理する方法を概略的に示す模式図である。
【
図10D】レーザ光を使用して、電子部品をプリント基板にハンダ処理する方法を概略的に示す模式図である。
【
図11】銅、金及び錫の光の波長別の吸収率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係るハンダ処理用レーザ装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
【0037】
[全体構成]
図1は、本発明に係るハンダ処理用レーザ装置1の一実施形態の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。ハンダ処理用レーザ装置1は光源モジュール2と、光ファイバ3と、照射ヘッド4と、照射口5とを備える。
【0038】
光源モジュール2内に、
図2を参照して後述する、複数の第一レーザ素子、複数の第二レーザ素子及び集光光学系が搭載されている。光ファイバ3は、光源モジュール2に接続され、第一レーザ素子が発する第一レーザ光及び第二レーザ素子が発する第二レーザ光の両者が入射可能である。光ファイバ3を通じて伝搬された第一レーザ光及び第二レーザ光が、照射ヘッド4に入射される。照射ヘッド4内には、後述する照射光学系20が収容されており、照射光学系20を介して導光された第一レーザ光及び第二レーザ光が、照射口5から照射ヘッド4の外部に照射される。
【0039】
[光源モジュール]
光源モジュール2の内部の構成を、
図2A及び
図2Bを用いて説明する。
図2Aは光源モジュール2の内部の構成を示す模式図である。以下の各図では、レーザ素子がレーザ光を出射する方向をZ方向とし、Z方向に直交し、かつ互いに直交する方向をそれぞれX方向及びY方向とする、X-Y-Z座標系が必要に応じて適宜併記されている。この定義を用いて説明すると、
図2Bは
図2AをX方向に見た時の模式図である。また、
図2A及び
図2Bでは、一部のレーザ光の進行の態様が一点鎖線にて模式的に図示されている。以下の図面においても同様である。
【0040】
なお、以下の説明では、方向を表現する際に正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。
【0041】
図2Aに示すように、光源モジュール2は、赤外波長域の第一レーザ光L1を発する複数の第一レーザ素子11と、青色波長域の第二レーザ光L2を発する複数の第二レーザ素子12とを搭載する。第一レーザ光L1のピーク波長の波長域は、800nm~1000nmが好ましく、より好ましい波長域としては、800nm~815nm、870nm~890nm又は970nm~990nmが挙げられる。一方、第二レーザ光L2のピーク波長の波長域は、400nm~500nmが好ましく、より好ましくは、440nm~470nmである。
【0042】
なお、
図2Aでは、一部のレーザ光の進行の態様が一点鎖線にて模式的に図示されているが、レーザ光の進行の態様については、後に
図3A及び
図3Bを用いて詳述される。本実施形態においては、第一レーザ素子11が14個、第二レーザ素子12が4個搭載される例が示されている。また、同じ波長域のレーザ素子が配列する方向、すなわちX方向を行としたとき、本実施形態においては、第一レーザ素子11の行数は2行、第二レーザ素子12の行数は1行である例が示されている。
【0043】
光源モジュール2は、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2の両者が入射可能な集光光学系13を搭載する。また、
図2Aに示すように、光源モジュール2は、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2が入射されるダイクロイックミラー17を備えてもよい。例えば、ダイクロイックミラー17は、第一レーザ光L1を透過し、第二レーザ光L2を反射するものであり、ダイクロイックミラー17を通過した第一レーザ光L1と、ダイクロイックミラー17で反射した第二レーザ光L2とが、共通の光軸方向(+Y方向)に進行して、集光光学系13に入射される。
図2Aでは、集光光学系13が、平凹レンズ16、コリメータレンズ15、及び集光レンズ14を備える例が図示されているが、平凹レンズ16及びコリメータレンズ15を備えるか否かは任意である。
【0044】
図2Aに示すように、光源モジュール2は、反射ミラー18a,18b,18cを備えてもよい。例えば、反射ミラー18a,18bは、それぞれの第一レーザ素子11から出射された第一レーザ光L1の進行方向を+Y方向に統一させた状態で、ダイクロイックミラー17に向かわせるために設けられる。また、反射ミラー18cは、それぞれの第二レーザ素子12から出射された第二レーザ光L2の進行方向を-X方向に統一させた状態で、ダイクロイックミラー17に向かわせるために設けられる。
【0045】
また、
図2Bに示すように、光源モジュール2は、反射ミラー19を備えてもよい。この反射ミラー19は、例えば階段状に配置されており、異なるレーザ素子から出射された同一波長帯のレーザ光を、そのレーザ光同士の間隔を狭めつつダイクロイックミラー17側に向かわせる目的で設けられる。
【0046】
第一レーザ光L1が進行する光路について、
図3Aを用いてより詳細に説明する。
図3Aは光源モジュール内の第一レーザ光L1の光路を示す模式図である。第一レーザ素子11から+Z方向に出射された第一レーザ光L1は、
図2B及び
図3Aに示すように、反射ミラー19に入射して+Y方向に進行する。第一レーザ素子11が配列する2行のうち、-X側の行に属する第一レーザ素子11から出射された第一レーザ光L1は、反射ミラー19に入射して+Y方向に進行した後、ダイクロイックミラー17に入射して、平凹レンズ16に入射する。一方で、第一レーザ素子11が配列する2行のうち、+X側の行に属する第一レーザ素子11から出射された第一レーザ光L1は、反射ミラー19に入射して+Y方向に進行し、反射ミラー18aで-X方向に向かって反射された後、さらに反射ミラー18bで+Y方向に向かって反射され、ダイクロイックミラー17に入射して、平凹レンズ16に入射する。反射ミラー18bは、前述の-X側の行に属する第一レーザ素子11から出射された第一レーザ光L1の光路と重ならない位置に配置されている。
【0047】
同様に、第二レーザ光L2が進行する光路について、
図3Bを用いてより詳細に説明する。
図3Bは光源モジュール内の第二レーザ光L2の光路を示す模式図である。第二レーザ素子12から+Z方向に出射された第二レーザ光L2は、
図3bに示すように、反射ミラー19に入射して+Y方向に進行し、反射ミラー18cで-X方向に向かって反射された後、ダイクロイックミラー17に入射して+Y方向に反射され、平凹レンズ16に入射する。
【0048】
平凹レンズ16に入射した第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は、平凹レンズ16によって発散され、コリメータレンズ15に入射し、再び+Y方向に進行する光に略平行化される。その後、集光レンズ14に入射して、光ファイバ3に向かって集光され、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2の両者は光ファイバ3に入射する(
図3A、
図3B参照)。
【0049】
図4Aは、
図3Aの点線D1で示す集光レンズ14の入射面における、第一レーザ光L1の分布を示す概念図である。同様に、
図4Bは、
図3Bの点線D1で示す集光レンズ14の入射面における、第二レーザ光L2の分布を示す概念図である。
図4Aと
図4Bを比較すると、第二レーザ光L2が分布する面積の方が、第一レーザ光L1が分布する面積よりも小さい。これは、第一レーザ素子11の行数が第二レーザ素子12の行数よりも多いことに起因する。第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は、集光レンズ14を介して光ファイバ3に入射し、照射ヘッド4に伝搬され、後述する照射光学系20によって導光された後、ハンダ処理部位P1に照射される。このため、ハンダ処理部位P1の照射面における第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2のスポット径の大小関係は、集光レンズ14の入射面における、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2が分布する面積の大小関係に依存する。したがって、照射口5から照射される際の、照射面における第二レーザ光L2のスポット径は、第一レーザ光L1のスポット径よりも小さくなる。このように、第一レーザ素子11の行数を第二レーザ素子12の行数よりも多くすることで、照射面において、照射口5から照射される第二レーザ光L2のスポット径を、第一レーザ光L1のスポット径よりも小さくすることができる。
【0050】
また、光源モジュール2内において、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は、上述したように、適宜、反射ミラー18によって進行方向が変更され、ダイクロイックミラー17に入射して、集光レンズ14等を介して光ファイバ3に入射する(
図3A、
図3B参照)。ここで、第一レーザ素子11が構成する行のうち、-X側に位置する行に属する第一レーザ素子11から出射される第一レーザ光L1については、反射ミラー19が第一レーザ光L1をY方向に反射した後、反射ミラー18によって進行方向が変更されることがなく、ダイクロイックミラー17に入射する。また、第一レーザ素子11が構成する行のうち、+X側に位置する行に属する第一レーザ素子11から出射される第一レーザ光L1については、反射ミラー18a及び反射ミラー18bによって進行方向が変更されるが、当該第一レーザ素子11が配列する行のさらに+X側に位置する行に属する第二レーザ素子12から出射される第二レーザ光L2よりも内側を通って、ダイクロイックミラー17に入射する。すなわち、第一レーザ素子11から光ファイバ3までの第一レーザ光L1の光路長は、第二レーザ素子12から光ファイバ3までの第二レーザ光L2の光路長よりも短くなるように配置される。
【0051】
一般的に、ハンダ処理部位P1全体に照射される第一レーザ光L1を出射する第一レーザ素子11の方が、第二レーザ素子12よりも多く配置されることが想定される。前述の通り、ハンダの主材料である錫は、赤外波長域及び青色波長域の光に対する吸収率の差が小さく、青色波長域のレーザ光はプリント基板を劣化させる懸念が赤外波長域よりも大きいためである。したがって、仮に、第一レーザ素子11から光ファイバ3までの第一レーザ光L1の光路長よりも、第二レーザ素子12から光ファイバ3までの第二レーザ光L2の光路長が短くなるように配置すると、第一レーザ光L1を+X側からダイクロイックミラー17に入射させるために必要な部品数が増えてしまう。よって、上記のように配置することで、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2を導光する集光光学系13の部品点数を少なくし、光源モジュール2を小型に構成することが可能となる。
【0052】
[照射光学系]
次に、照射ヘッド4の内部に収容される、照射光学系20について説明する。
図1に示すように、照射光学系20は、光ファイバ3から照射ヘッド4に伝搬された第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2が入射されるコリメータレンズ21を備える。さらに、照射光学系20は当該コリメータレンズ21よりも光路上の後段の位置に、後述する第一ダイクロイックミラー22を備え、さらにその後段に集光レンズ23を備える。なお、
図1では、照射光学系20が、コリメータレンズ21及び第一ダイクロイックミラー22を備える例が図示されているが、コリメータレンズ21及び第一ダイクロイックミラー22を備えるか否かは任意である。
【0053】
本実施形態において、第一ダイクロイックミラー22は、第一波長分離光学系の一例である。例えば、第一ダイクロイックミラー22は、第一レーザ光L1のピーク波長を含む第一赤外波長域の第一赤外光と、第二レーザ光L2のピーク波長を含む青色波長域の青色光とを実質的に透過しつつ、青色波長域よりも長波長である少なくとも一部の可視域の光を実質的に反射する。
【0054】
具体的な例として、第一ダイクロイックミラー22は、800nm~1000nmの波長範囲に属する第一赤外波長域の光と、400~500nmの波長範囲に属する青色波長域の光を透過するものであっても構わない。より詳細には、前記第一赤外波長域の光の波長範囲は、例えば800nm~815nmでも構わないし、870nm~890nmでも構わないし、970nm~990nmでも構わない。さらに、前記青色波長域の光の波長範囲は、440nm~470nmであっても構わない。また、前記第一赤外波長域の光と、前記青色波長域の光に対する第一ダイクロイックミラー22の透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。さらに、第一ダイクロイックミラー22は、500nm~800nmの非青色可視域の光に対しては、反射率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。ただし、第一ダイクロイックミラー22で反射される非青色可視域の光は、後述するように、撮像光学系30に導かれて、撮像光として利用される。このため、第一ダイクロイックミラー22で反射される光の波長域は、撮像光として利用可能な波長域であればよく、必ずしも青色波長域よりも長波長の全ての可視域の光を反射させる必要はない。つまり、第一ダイクロイックミラー22によって実質的に反射される波長域としては、少なくとも500nm~800nmの範囲内に含まれる波長域であればよい。なお、反射対象となる波長域が狭くなるほど、撮像光学系30に導かれる光量が低下するため、撮像光として利用可能な範囲内で、反射対象となる波長域が適宜選択されるものとして構わない。また、前記青色波長域の光について、第一ダイクロイックミラー22が上記の透過率を示す光の波長範囲が440nm~470nmである場合には、第一ダイクロイックミラー22は、400nm~440nmの青色波長域及び470nm~800nmの非青色波長域の光に対して、上記の反射率を示すものとしても構わない。
【0055】
図5は、
図1の照射ヘッド4部分を拡大してレーザ光の光路を示す模式図である。光ファイバ3から照射ヘッド4に入射した第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は、コリメータレンズ21に入射して、略平行化された後、第一ダイクロイックミラー22に入射する。前述の通り、第一ダイクロイックミラー22は、第一レーザ光L1と第二レーザ光L2を透過するため、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は直進する。その後、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2は、集光レンズ23に入射し、照射口5に向かって集光され、照射口5から外部のハンダ処理部位P1に照射される。
【0056】
[撮像光学系]
また、
図1に示すように、照射ヘッド4の内部には、照射光学系20と分岐して連絡された撮像光学系30が配置される。撮像光学系30は、第一ダイクロイックミラー22よりも光路上の後段の位置に、後述する第二ダイクロイックミラー31を有する。さらに、撮像光学系30は、第二ダイクロイックミラー31の後段の位置に反射ミラー34、次いで集光レンズ32を有し、さらにその後段の位置に撮像素子33を有する。
【0057】
本実施形態において、第二ダイクロイックミラー31は、第二波長分離光学系の一例である。例えば、第二ダイクロイックミラー31は、第一レーザ光L1のピーク波長を含む第一赤外波長域に属する第一赤外光と、第二レーザ光L2のピーク波長を含む青色波長域に属する青色光とを実質的に反射しつつ、青色波長域よりも長波長である少なくとも一部の可視域の光を実質的に透過する。
【0058】
具体的な例として、第二ダイクロイックミラー31は、800nm~1000nmの波長範囲に属する第一赤外波長域の光と、400nm~500nmの波長範囲に属する青色波長域の光を反射するものであっても構わない。より詳細には、前記第一赤外波長域の光の波長範囲は、例えば800nm~815nmでも構わないし、870nm~890nmでも構わないし、970nm~990nmでも構わない。さらに、前記青色波長域の光の波長範囲は、440nm~470nmであっても構わない。また、前記第一赤外波長域の光と、前記青色波長域の光に対する第二ダイクロイックミラー31の反射率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。また、第二ダイクロイックミラー31は、500nm~800nmの非青色可視域の光に対しては、透過率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上である。なお、第二ダイクロイックミラー31で実質的に透過される波長域は、第一ダイクロイックミラー22によって実質的に反射される波長域と同様に設定されるものとして構わない。また、前記青色波長域の光について、第二ダイクロイックミラー31が上記の反射率を示す光の波長範囲が440nm~470nmである場合には、第二ダイクロイックミラー31は、400nm~440nmの青色波長域及び470nm~800nmの非青色波長域の光に対して、上記の透過率を示すものとしても構わない。
【0059】
図6を用いて、照射口5から入射される外部の環境光由来の可視光L3の光路について説明する。
図6は、
図1の照射ヘッド4を拡大して環境光由来の可視光L3の光路を示す模式図である。環境光由来の可視光L3は、照射口5から入射した後、集光レンズ23を介して、第一ダイクロイックミラー22に入射する。前述の通り、第一ダイクロイックミラー22は、第一レーザ光L1と同一波長を含む第一赤外波長域に属する第一赤外光及び第二レーザ光L2と同一波長を含む青色波長域に属する青色光を透過して、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の波長域に属する非青色可視光を反射する。よって、環境光由来の可視光L3のうち、非青色可視光L4が選択的に反射される。その後、非青色可視光L4は、第二ダイクロイックミラー31に入射する。前述の通り、第二ダイクロイックミラー31は、前記第一赤外光及び前記青色光を反射して前記非青色可視光を透過するものであるため、非青色可視光L4は、第二ダイクロイックミラー31を透過する。その後、非青色可視光L4は、反射ミラー34において反射され、集光レンズ32に入射して撮像素子33に向かって集光され、撮像素子33に入射する。このように、撮像素子33に入射される非青色可視光L4を用いて、ハンダ処理部位P1の観察を行うことが可能である。
【0060】
一方で、ハンダ処理部位P1において反射された第一レーザ光(図示せず)及び第二レーザ光(図示せず)も、照射口5から入射される。これらのレーザ光も可視光L3と同様に、集光レンズ23を介して、第一ダイクロイックミラー22に入射する。ここで、一部の第一レーザ光(図示せず)及び第二レーザ光(図示せず)は非青色可視光L4と完全には分離されないことが想定される。しかし、これらのレーザ光及び非青色可視光L4は、前述の第二ダイクロイックミラー31に入射し、第二ダイクロイックミラー31において、第一レーザ光(図示せず)及び第二レーザ光(図示せず)は反射されるので、これらのレーザ光が非青色可視光L4の進行する側に混在する割合を大幅に低下できる。このように、第二ダイクロイックミラー31を配置することで、第二レーザ光由来の青色光が撮像素子33に入射することによる撮像素子33のハレーションを防ぐことができる。
【0061】
[照射ヘッドの外観形状]
図1に示すように、照射ヘッド4は、光ファイバ3が連結されている側から、照射口5側を臨んだときに、照射口5の近傍において照射口5に近づくほどに幅が狭い外観形状を呈する。このような形状とすることで、ハンダ処理部位P1において反射され、照射口5に入射する第一レーザ光(図示せず)及び第二レーザ光(図示せず)を少なくすることができ、撮像素子33のハレーションを低減することができる。しかし、特にハンダ処理用レーザ装置1が撮像光学系30を備えない場合には、このような形状に限られない。
【0062】
[作用]
以上説明したように、本発明に係るハンダ処理用レーザ装置1によれば、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2を伝搬する光ファイバ3が共通であるため、光ファイバ3の接続位置のズレについての影響を従来よりも小さくできるので、それぞれのレーザ光の照射位置のズレが生じにくい。また、照射ヘッド4内の照射光学系20について、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2に対して共通のものが使用できるため、上述したような照射ヘッド4の動作による振動の影響が抑制され、それぞれのレーザ光の照射位置のズレが生じにくい。このように、それぞれのレーザ光の照射位置のズレが生じにくいことによって、波長の異なる複数のレーザ光(L1,L2)をハンダ処理部位P1に照射する場合でも、品質の良いハンダ処理が可能となる。また、必要に応じて、第一レーザ光L1のスポット径よりも、第二レーザ光L2のスポット径を小さくしたり、ハンダ処理部位P1の観察やハンダ処理温度の計測を行うことが可能であり、より品質の良いハンダ処理が可能となる。
【0063】
[第二実施形態]
本発明のハンダ処理用レーザ装置1の第二実施形態の構成につき、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
【0064】
図7は、
図1に倣って、ハンダ処理用レーザ装置1の第二実施形態の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。本実施形態のハンダ処理用レーザ装置1は、第一実施形態と比較して、撮像光学系30に代えて温度計測光学系40を備える点が異なっている。
【0065】
すなわち、
図7に示すように、照射ヘッド4の内部には、照射光学系20と分岐して連絡された温度計測光学系40が配置される。温度計測光学系40は、第一ダイクロイックミラー22よりも光路上の後段の位置に、反射ミラー42、次いで集光レンズ41を有し、さらにその後段の位置に放射温度センサ43を有している。
【0066】
また、本実施形態において、照射光学系20が含む第一ダイクロイックミラー22は、第一レーザ光L1のピーク波長を含む第一赤外波長域に属する第一赤外光と、第二レーザ光L2のピーク波長を含む青色波長域に属する青色光とを実質的に透過する点は、第一実施形態と同様である。一方で、本実施形態の第一ダイクロイックミラー22は、第一実施形態と比較して、第一赤外波長域よりも長波長である少なくとも一部の第二赤外光を実質的に反射する点が異なっている。
【0067】
すなわち、第一ダイクロイックミラー22の透過波長域については、第一実施形態と同様に設定することができる。一方、第一ダイクロイックミラー22の反射波長域については、例えば8μm~14μmとすることができる。より具体的には、第一ダイクロイックミラー22は、8μm~14μmの第二赤外波長域の光に対しては、反射率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上である。ただし、第一ダイクロイックミラー22で反射される第二赤外光は、温度計測光学系40に導かれて、温度計測光として利用される。このため、第一ダイクロイックミラー22で反射される光の波長域は、温度計測光として利用可能な波長域であればよく、必ずしも第一赤外波長域よりも長波長の全ての第二赤外波長域の光を反射させる必要はない。つまり、第一ダイクロイックミラー22によって実質的に反射される波長域としては、8μm~14μmの範囲内に含まれ、好ましくは少なくとも10μmを含む波長域であればよい。
【0068】
ハンダ処理部位P1は、第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2の照射により加熱され、高温になることで第一赤外波長域よりも長波長の第二赤外光を出射する。図示は省略するが、この第二赤外光は、
図6を用いて説明した可視光L3及び非青色可視光L4と同様に、照射口5から照射ヘッド4内に入射し、第一ダイクロイックミラー22で反射されて、集光レンズ41等を介して放射温度センサ43に入射する(
図6及び
図7参照)。このように、放射温度センサ43に入射される第二赤外光を用いて、ハンダ処理温度の計測を行うことが可能である。
【0069】
[変形例]
〈1〉
図1、
図5及び
図6を参照して上述した第一実施形態において、第一ダイクロイックミラー22は、光ファイバ3から入射された第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2を透過させ、照射口5から入射された環境光由来の可視光L3に含まれる非青色可視光L4を反射させるものとした。しかし、これらの透過と反射は逆転しても構わない。
【0070】
図8は、
図1に倣って、ハンダ処理用レーザ装置1の変形例の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。
図8に示すように、光ファイバ3から照射ヘッド4に入射する第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2を、反射ミラー24及び第一ダイクロイックミラー22を用いて、照射口5に導光することもできる。この場合、第一ダイクロイックミラー22においては、第一実施形態の第一ダイクロイックミラー22における透過と反射が逆転している。すなわち、本変形例の第一ダイクロイックミラー22は、第一レーザ光L1と同一波長を含む第一赤外波長域に属する第一赤外光及び第二レーザ光L2と同一波長を含む青色波長域に属する青色光を反射して、前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の波長帯に属する非青色可視光を透過するものである。一方で、本変形例の第二ダイクロイックミラー31は、第一実施形態の第二ダイクロイックミラー31と同様に、前記第一赤外光及び前記青色光を反射して前記非青色可視光を透過するものであって、撮像素子33と第一ダイクロイックミラー22の間に配置される。
【0071】
なお、詳細な説明は省略するが、
図8と同様の光学系の配置とすることで、第二実施形態においても、第一ダイクロイックミラー22が透過させる光と反射させる光を逆転させても構わない。すなわち、第一ダイクロイックミラー22は、光ファイバ3から入射された第一レーザ光L1及び第二レーザ光L2を反射させる一方、照射口5から入射された、加熱対象物からの放射光由来の第二赤外光を透過させるものとしても構わない。
【0072】
〈2〉
ハンダ処理用レーザ装置1は、撮像光学系30と温度計測光学系40の両者を備えていても構わない。
図9は、
図1に倣って、ハンダ処理用レーザ装置1の他の変形例の構成を示す模式図であって、照射ヘッドを断面にして示す図である。この場合、温度計測光学系40は、第三ダイクロイックミラー44を含む。第三ダイクロイックミラー44は、第一レーザ光L1と同一波長を含む第一赤外波長域に属する第一赤外光、第二レーザ光L2と同一波長を含む青色波長帯に属する青色光及び前記青色光よりも長波長且つ前記第一赤外光よりも短波長の波長帯に属する非青色可視光を透過して、前記第一赤外光よりも長波長の第二赤外波長域に属する第二赤外光を反射するもので構成される。このように、本変形例によれば、ハンダ処理に際してハンダ処理部位P1を観察するとともに、ハンダ処理温度を計測することができる。
【0073】
なお、
図9では、照射光学系20を同方向から挟み込むように、撮像光学系30と温度計測光学系40とが配置されているように図示されているが、これはあくまで図示の便宜上であって、このような配置に限定するものではない。例えば、照射光学系20を基準としたときに、撮像光学系30と温度計測光学系40とが互いに90°回転した位置に配置されていても構わない。
【0074】
〈3〉
上記においては、ハンダ処理用レーザ装置1は、照射ヘッド4の内部に撮像光学系30及び温度計測光学系40を備えるものとして説明した。撮像光学系30は、ハンダ処理部位P1の観察を行う目的で採用され、温度計測光学系40はハンダ処理温度の計測を行う目的で採用されるものである。しかし、このような観察及び計測が必要ない場合には、必ずしもハンダ処理用レーザ装置1が撮像光学系30及び温度計測光学系40を備える必要はない。この場合、照射光学系20に含まれる第一ダイクロイックミラー22も不要である。このような場合としては、例えば、ハンダ処理の際のレーザ光の照射条件や、レーザ光の照射場所の設定がプログラム等によって自動化されている場合などが挙げられる。
【0075】
〈4〉
また、上記においては、光源モジュール2内に、第一レーザ素子11が14個、第二レーザ素子12が4個搭載されるものとして説明したが、第一レーザ素子11及び第二レーザ素子12の個数や比率は、ハンダ処理部位P1のハンダ処理に必要な出力に応じて選択され、上記の個数や比率に限られない。
【0076】
〈5〉
さらに、上記においては、光源モジュール2内の第一レーザ素子11の行数が2行、第二レーザ素子12の行数が1行であるものとして説明したが、第一レーザ素子11及び第二レーザ素子12の行数は、ハンダ処理部位P1のハンダ処理に必要な出力に応じて選択され、上記の行数に限られない。また、上述したように、第一レーザ素子11の行数を第二レーザ素子12の行数よりも多くすることで、照射面において、照射口5から照射される第二レーザ光L2のスポット径を、第一レーザ光L1のスポット径よりも小さくすることができる。しかし、このような制御が必要ない場合には、第一レーザ素子11の行数が第二レーザ素子12の行数と等しくてもよいし、第二レーザ素子12の行数の方が多くてもよい。このような場合としては、例えば、ハンダ処理対象のプリント基板に施されている基板レジストによる青色光の吸収率が低く、青色光の照射によるプリント基板の劣化の恐れが少ない場合などが挙げられる。
【0077】
〈6〉
照射面における第二レーザ光L2及び第一レーザ光L1のスポット径についても同様の議論が可能である。上記においては、照射面における第二レーザ光L2のスポット径が第一レーザ光L1のスポット径よりも小さいものとして説明したが、例えば、青色光の照射によるプリント基板の劣化の恐れが少ない場合には、第二レーザ光L2のスポット径が第一レーザ光L1のスポット径よりも大きくても構わないし、両者のスポット径が同等でも構わない。
【0078】
〈7〉
また、上記においては、光源モジュール2内における、第一レーザ素子11から光ファイバ3までの第一レーザ光L1の光路長は、第二レーザ素子12から光ファイバ3までの第二レーザ光L2の光路長よりも短いものとして説明した。しかし、光源モジュール2内の集光光学系13の部品点数や、光源モジュール2の大きさを考慮しない場合には、上記構成に限られず、第一レーザ素子11から光ファイバ3までの第一レーザ光L1の光路長が、第二レーザ素子12から光ファイバ3までの第二レーザ光L2の光路長よりも長いものとしても構わない。
【符号の説明】
【0079】
1 :ハンダ処理用レーザ装置
2 :光源モジュール
3 :光ファイバ
4 :照射ヘッド
5 :照射口
11 :第一レーザ素子
12 :第二レーザ素子
13 :集光光学系
14 :集光レンズ
15 :コリメータレンズ
16 :平凹レンズ
17 :ダイクロイックミラー
18,18a,18b,18c :反射ミラー
19 :反射ミラー
20 :照射光学系
21 :コリメータレンズ
22 :第一ダイクロイックミラー
23 :集光レンズ
24 :反射ミラー
30 :撮像光学系
31 :第二ダイクロイックミラー
32 :集光レンズ
33 :撮像素子
34 :反射ミラー
40 :温度計測光学系
41 :集光レンズ
42 :反射ミラー
43 :放射温度センサ
44 :第三ダイクロイックミラー
50 :プリント基板
51 :端子
52 :リード
53 :電子部品
54 :線状ハンダ
54a :溶融ハンダ
55 :照射ヘッド
56 :ハンダ供給部
L1 :第一レーザ光
L2 :第二レーザ光
L3 :可視光
L4 :非青色可視光
P1,P10 :ハンダ処理部位