(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123092
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】脳活動解析システム、脳活動解析方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/372 20210101AFI20230829BHJP
A61B 5/245 20210101ALI20230829BHJP
A61B 5/0531 20210101ALI20230829BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
A61B5/372
A61B5/245
A61B5/0531
A61B5/02 310A
A61B5/02 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022026967
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 早人
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AB06
4C017AC26
4C017BD10
4C127AA03
4C127AA06
4C127AA10
4C127BB05
(57)【要約】
【課題】脳内信号の発信源の推定精度を高めることが可能な脳活動解析システム、脳活動解析方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る脳活動解析システムは、脳内信号を計測する第1計測部と、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する第2計測部と、第1計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する第1解析部と、第2計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する第2解析部と、第1範囲と第2範囲とに基づいて、脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した推定位置に関する情報を出力する処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳内信号を計測する第1計測部と、
脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する第2計測部と、
前記第1計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する第1解析部と、
前記第2計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する第2解析部と、
前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力する処理部と、を備える、
脳活動解析システム。
【請求項2】
前記第1範囲と前記第2範囲が重複するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1範囲と前記第2範囲が重複する場合、前記第1範囲を前記推定位置とする、
請求項1に記載の脳活動解析システム。
【請求項3】
前記第1範囲と前記第2範囲が重複するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記処理部は、前記第1範囲と前記第2範囲が重複する場合、前記第2範囲を前記推定位置とする、
請求項1に記載の脳活動解析システム。
【請求項4】
前記第1解析部によって複数の第1範囲が推定結果として得られた場合に、複数の前記第1範囲のうちのいずれかに重複する前記第2範囲が存在するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記処理部は、複数の前記第1範囲のうちのいずれかに重複する前記第2範囲が存在する場合、複数の前記第1範囲のいずれかのうち前記第2範囲に重複する前記第1範囲を推定位置とする、
請求項1に記載の脳活動解析システム。
【請求項5】
脳内信号を計測するステップと、
脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、
脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、
脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、
前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力するステップと、を含む、
脳活動解析方法。
【請求項6】
脳内信号を計測するステップと、
脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、
脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、
脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、
前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、脳活動解析システム、脳活動解析方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳科学の医療、ヘルスケアへの適用が進んでおり、脳情報の分析、可視化のニーズが高まっている。脳波計や脳磁計を用いた脳活動の信号源解析方法として、等価電流双極子法や空間フィルタ法が知られている。例えば、下記の特許文献1では、空間フィルタ法により脳内の信号源を推定して、表示装置に表示する脳活動解析方法が開示されている。当該の脳活動解析方法は、信号源からの信号を推定して表示する際に、空間的に最大値、及び極大値となる箇所のみを抽出して平均化して表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、信号源推定の空間分解能は、信号対雑音比(S/N(Signal to Noize)比)に依存するため、雑音が多い環境で脳波計や脳磁計を使用すると、信号源推定の空間分解能が低下する課題がある。本開示は本課題を鑑み、脳内信号の発信源の推定精度を高めることが可能な脳活動解析システム、脳活動解析方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る脳活動解析システムは、脳内信号を計測する第1計測部と、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する第2計測部と、前記第1計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する第1解析部と、前記第2計測部による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する第2解析部と、前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力する処理部と、を備える。
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る脳活動解析方法は、脳内信号を計測するステップと、脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力するステップと、を含む。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係るプログラムは、脳内信号を計測するステップと、脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、前記第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、前記脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した前記推定位置に関する情報を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、脳内信号の発信源の推定精度を高めることが可能な脳活動解析システム、脳活動解析方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示に係る脳活動解析システムの構成例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、脳活動に付随して発生する生体反応と脳活動の発生箇所、及び生体反応計測手段の関係を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る脳活動解析方法のフローを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第1の表示態様を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第2の表示態様を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第3の表示態様を示す図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る脳活動解析方法のフローを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係る脳活動解析システムの第1の表示態様を示す図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る脳活動解析システムの第2の表示態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本開示が限定されるものではない。
【0011】
(第1実施形態)
(脳活動解析システムの構成)
図1は、本開示に係る脳活動解析システムの構成例を模式的に示す図である。
【0012】
図1に示すように、本開示に係る脳活動解析システム10は、第1計測部11と、第2計測部12と、記憶部13と、制御部14と、表示部15と、通信部16と、を備える。なお、脳活動解析システム10は、ネットワークNを介して外部装置30に通信可能に接続される。
【0013】
第1計測部11は、脳内信号を計測する計測機器である。第1計測部11は、例えば、脳波計(EEG:Electroencephalography)や、脳磁計(MEG:Magnetoencephalography)であってよい。脳波計は、脳内の神経細胞の活動によって生じる生体活動電位(20μV前後)を導出する電極を頭皮に当てて、電極が受け取った信号を増幅して、脳内の神経細胞の生体活動電位を計測する。例えば、脳波計は導電性ジェルを頭皮と電極の間に配置することで、電極と頭皮の間の接触抵抗を下げるタイプや、頭皮と電極の間にスポンジを設けてスポンジに電解液を含ませるタイプ、電極の直近にアンプを内蔵し高い入力インピーダンスで電気信号を受け取り、低い出力インピーダンスで出力するタイプなどによって実現されてよい。
【0014】
脳磁計は、頭皮に多数の測定コイルを配置して、神経細胞の生体活動によって生じた磁場により測定コイルに流れる誘導電流を計測する。脳磁計には、測定コイルの代わりにトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto Resistance)素子を用いてもよい。トンネル磁気抵抗素子は、絶縁体を二枚の強磁性体で挟んだトンネル接合により構成される。電子の絶縁体を透過するトンネル伝導の発生確率が、電子のスピン状態(アップスピン、又はダウンスピン)で異なる性質を利用して磁界を計測する。また、脳磁計の測定コイルの代わりに、超電導量子干渉計(SQUID:Superconductive Quantum Interface Device)を用いてもよい。超電導量子干渉計は、環状超伝導体にジョセフソン接合を含む素子を用いることで、極めて弱い磁場の検出が可能となる非常に感度が高い磁気センサである。なお、ジョセフソン接合は、薄い常伝導体や絶縁体を超伝導体で挟んだ構造の接合である。超伝導状態では、環状超伝導体に外部から磁場を加えると、環状超伝導体の中に磁場を通過させないように、これを打ち消すような遮断電流が流れる。環状超伝導体がジョセフソン接合を有すると、僅かな遮断電流が流れただけでジョセフソン接合において超伝導状態が崩れて、電気抵抗が生じ、電圧が発生する。この電圧を計測することで僅かな磁場の変化を計測することができる。
【0015】
第2計測部12は、脳内の神経細胞の反応、すなわち脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する。
【0016】
第2計測部12は、例えば、皮膚の電気活動状態を検出する皮膚電気活動(EDA:Electro Dermal Actibity)センサであってもよい。皮膚電気活動センサは、皮膚の汗腺(例えば、エクリン腺)から分泌される汗による皮膚の電気活動状態を計測する。皮膚電気活動は、皮膚電位と、皮膚コンダクタンスに大別される。皮膚電位は、皮膚電位水準と、皮膚電位反射に区別される。皮膚電位水準は、皮膚電位の直流成分であり、覚醒水準が高いときは陰性に高い値を示す。眠気を感じた場合や、リラックスした状態では陽性の値を示す。皮膚電位反射は、皮膚電位の交流成分であり、痛覚、触覚、聴覚、視覚などの刺激の発生時や、深呼吸や身体の動き、暗算や考え事をしている時に皮膚電位反射が頻発する。
【0017】
第2計測部12は、例えば、脈波情報を検出する脈波センサであってもよい。脈波センサは、心臓が血液を送り出すことに伴い発生する血管の容積変化を波形として捉えるセンサである。脈波センサは、赤外線や赤色光、550nm付近の緑色波長の光を生体に向けて照射し、フォトダイオード又はフォトトランジスタを用いて、生体内を透過または反射した光を計測する。動脈の血液内には酸化ヘモグロビンが存在し、入射光を吸収する性質があるため、心臓の脈動に伴って変化する血液量(血管の容量変化)を時系列に計測することで脈波信号を得ることができる。
【0018】
第2計測部12は、例えば、瞳孔反射を検出するカメラであってもよい。カメラは、光学素子と撮像素子とを含む。光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどである。
【0019】
記憶部13は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部14が実行するプログラム、あるいは、制御部14が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部14が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0020】
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部13に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、オペアンプ等の電子回路を用いたアナログ回路等により実現されてもよい。
【0021】
制御部14は、第1解析部21と、第2解析部22と、判定部23と、処理部24を備える。制御部14は、第1解析部21と、第2解析部22と、判定部23と、処理部24の処理を実行する脳活動解析装置とも呼べる。制御部14は、例えば、記憶部13からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、第1解析部21と第2解析部22と判定部23と処理部24を実現して、それらの処理を実行する。なお、制御部14は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、これらの処理の少なくとも一部を、集積回路やアナログ回路等で実現してもよい。
【0022】
第1解析部21は、第1計測部11による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する。例えば、第1計測部11が脳波計である場合、第1解析部21は、脳波を検出した電極の位置に基づいて発信源を推定する。脳波計は、頭皮に21個の電極を配置して脳内の神経細胞の生体活動電位を計測する。電極の配置は、国際10-20法と呼ばれる方法で定められており、2つの耳たぶを基準電位として頭皮上の電位を測定する。そのため、電位変化を検出した電極の位置により、脳波の発信源を推定することができる。ただし、電極の配置は任意であってよい。
【0023】
第1解析部21は、第1計測部11が脳波計と脳磁計である場合は、空間フィルタ法によって脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する。空間フィルタ法は、頭蓋内の関心領域を格子状に区切り、関心領域の外の信号をノイズとして除去する処理を行うものである。これにより、妨害信号に埋もれた弱い信号を検出することが可能となる。また、第1解析部21は、第1計測部11が脳波計と脳磁計である場合は、頭皮上で計測されるそれぞれ電位と磁場にもっともよく近似する電流双極子を求める等価電流双極子(ECD:Equivalent Current Dipole)法を用いてもよい。等価電流双極子法では、双極子が電極位置に発生する電位と、測定電位との差の二乗平均が最小になる電流双極子を求める。
【0024】
第2解析部22は、第2計測部12による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する。第2解析部22による脳内信号の発信源の推定方法について
図2を用いて説明する。
図2は、脳活動に付随して発生する生体反応と脳活動の発生箇所、及び生体反応計測手段の関係を示す図である。第2解析部22は、例えば、生体反応信号の種類と脳内信号の発生源との対応関係を記憶部13などから読み出して取得して、第2計測部12が計測した生体反応信号の種類と、その対応関係とに基づいて、脳内信号の発信源を推定してよい。例えば、
図2に示すように、脈波計によって自律神経反応に対応する生体反応信号が検出された場合は、第2解析部22は、脳内信号の発信源を「間脳」と推定する。また、第2解析部22は、カメラにより、瞳孔反射が検出された場合は、脳内信号の発信源を「中脳」と推定する。また、第2解析部22は、皮膚電気活動センサにより発汗に対応する生体反応信号が検出された場合は、脳内信号の発信源を「延髄」と推定する。ただし、
図2に示す生体反応信号と脳活動の発生箇所の対応関係は一例であり、その他の任意の対応関係に基づいて推定してもよい。
【0025】
第2計測部12は、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測している。従って、例えば、第1計測部11により脳波が検出された時点から所定の時間の遅れを伴って、第2計測部12により生体反応信号が検出された場合、第2計測部12により検出された生体反応信号に対応する脳内信号の発信源を、第2解析部22が推定する脳内信号の発信源として推定してよい。なお、この場合の所定の時間は、生体反応信号の種類に応じて任意に設定してよい。例えば、脈波信号の場合であれば、脳内信号の検出から3秒程度、遅れて脳内信号に付随する脈波信号が検出されるとしてよい。
【0026】
第2解析部22は、第1計測部11によって計測された脳内信号と、第2計測部12によって計測された生体反応信号とを、対応付けるともいえる。より詳しくは、第2解析部22は、第2計測部12によって計測された生体反応信号が、どの脳内信号に付随するものかを判定し、その判定結果に基づいて第2範囲を推定する。第2解析部22は、任意の方法で脳内信号と生体反応信号とを対応付けてよいが、例えば、脳内信号が検出された時刻から所定時間内に検出された生体反応信号を、その脳内信号に付随したものと判断してよい。また例えば、脳内信号が発生する時刻から生体反応が発生する時刻までの期間は、生体反応の種類によって異なる場合がある。従って、第2解析部22は、生体反応信号の種類に基づいて所定時間を設定して、生体反応信号を検出した時刻から、その所定時間遡った時刻に検出された脳内信号と、その生体反応信号とを、対応付けてもよい。生体反応信号の種類に基づいた所定時間の設定方法は任意であるが、例えば、生体反応信号の種類と所定時間との対応関係が予め設定されていてもよい。
【0027】
判定部23は、第1計測部11による計測データに基づいて推定された脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲と、第2計測部12による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲が重複するか否かを判定する。ここで、第1範囲と第2範囲が重複するとは、第1範囲に第2範囲の一部または全部が含まれる状態、または、第2範囲に第1範囲の一部または全部が含まれる状態のことを指す。判定部23は、第2解析部22によって対応付けられた脳内信号と生体反応信号について、第1範囲と第2範囲が重複するかを判定することが好ましい。第1解析部21が推定する第1範囲は、所定の広がりを持って脳内信号の発信源が推定される。これに対し第2範囲は、
図2に示すように、「間脳」、「中脳」、「延髄」という脳内の所定の箇所を指す。
【0028】
処理部24は、第1範囲と第2範囲とに基づいて、脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した推定位置に関する情報を出力する。。なお、処理部24が出力する推定位置に関する情報については後述するが、後述のものに限られず任意であってよく、例えば、医師が脳活動の診断に用いることが可能な脳活動の評価を加えた情報を出力してもよい。
【0029】
表示部15は、処理部24が推定した推定位置に基づいて脳内信号の発信源を表示する。表示部15は、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等であってよい。
【0030】
通信部16は、脳活動解析システム10の内部と外部を相互に通信可能に接続し、内部と外部との間で情報を送受信する。通信部16は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部16は、後述して説明するネットワークNと有線または無線で接続され、後述して説明する外部装置30との間で情報の送受信を行う。
【0031】
ネットワークNは、有線又は無線により情報の送受信を担う通信網である。有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(Ethernet;登録商標)であってよい。無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN、Bluethooth(登録商標)、第4世代移動通信システム(4G)や第5世代移動通信システム(5G)を用いて実現されてよい。
【0032】
外部装置30は、ネットワークNを介して脳活動解析システム10と通信可能に接続する情報処理装置である。外部装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。
【0033】
外部装置30は、脳活動解析システム10の通信部16及びネットワークNを介して、処理部24が処理したデータを受信する。そして、外部装置30が備える表示装置によって処理部24が処理したデータを表示してもよいし、外部装置30によって例えば、睡眠アプリ等の各種のアプリケーションに利用してもよい。
【0034】
(推定位置に関する情報の出力処理)
次に本実施形態に係る脳活動解析方法(推定位置に関する情報の出力処理)を、
図3を用いて説明する。
図3は、第1実施形態に係る脳活動解析方法のフローを示すフローチャートである。
図3を用いて、本開示に係る脳活動解析方法をステップごとに説明する。
【0035】
まず、第1実施形態に係る脳活動解析方法においては、第1計測部11により、脳内信号を計測する(ステップS101)。次に、第1解析部21が、第1計測部11が計測した脳内信号を取得して、取得した脳内信号の計測データに基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する(ステップS102)。そして、第2計測部12により、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する(ステップS103)。そして、第2解析部22が、第2計測部12が計測した生体反応信号を取得して、脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する(ステップS104)。そして、処理部24は、第1範囲と第2範囲が重複するか否かを判定する(ステップS105)。そして、第1範囲と第2範囲が重複する場合(ステップS105;YES)、第1範囲と第2範囲を区別して両方とも表示する(ステップS106-1)か、第1範囲を表示する(ステップS106-2)か、第2範囲を表示する(ステップS106-3)。つまり、ステップS106においては、第1範囲と第2範囲のどれを表示させるかを事前に設定しておくことも、都度ユーザーが手動で切り替えることも可能である。
【0036】
第1範囲と第2範囲を両方とも表示する(ステップS106-1)を選択する場合は、例えば、第1範囲が正確な信号源であることをユーザーに知らせる場合である。第1範囲を表示する(ステップS106-2)を選択する場合は、例えば、第1範囲が第2範囲に含まれる場合である。生体反応信号によって判定された脳活動の発生箇所はそれぞれ大きさが異なり、例えば小脳は他の箇所に比べて大きく、第2範囲が小脳と推定された場合、第1範囲が小脳よりも小さい可能性がある。第1範囲を表示することにより、信号源の推定精度を高める目的を達成することができる。また、第1範囲と第2範囲が重複していることから、第1範囲と第2範囲と一致しており、第1計測部11の計測データに基づいて推定された第1範囲が妥当であると考えられる。すなわち、第1計測部11への雑音などの影響が少ないことが確認できる。第2範囲を表示する(ステップS106-3)を選択する場合は、例えば、第2範囲の方が狭い場合であり、これにより信号源の推定精度を高める目的を達成することができる。なお、第1範囲と第2範囲が重複しない場合には(ステップS105;NO)、後述の第2実施形態と同様、第1範囲と第2範囲を区別して両方とも表示してもよい(ステップS106-1)。
【0037】
ここで、表示部15が第1範囲と第2範囲を区別して表示する例について説明する。つまり、表示部15は、第1範囲と第2範囲を異なる態様で表示する。言い換えると、表示部15は、第1範囲の表示態様と、第2範囲の表示態様を異ならせて表示する。
【0038】
図4は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第1の表示態様を示す図である。
図4に示すように、第1実施形態に係る脳活動解析システム10は、第1解析部21によって推定された第1範囲と、第2解析部22によって推定された第2範囲を、区別して表示する。例えば、第1範囲と第2範囲を色分けして表示してもよいし、それぞれに対して異なるハッチングを用いて表示してもよい。
【0039】
図5は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第2の表示態様を示す図である。
図5に示すように、第2の表示態様においては、脳活動解析システム10は、第1範囲を表示する。これにより、第1計測部11に基づく信号源の推定精度を高める目的を達成することができる。
【0040】
図6は、第1実施形態に係る脳活動解析システムの第3の表示態様を示す図である。
図6に示すように、第3の表示態様においては、脳活動解析システム10は、第2範囲を表示する。上述した通り、この表示態様は、例えば、第2範囲の方が狭い場合であり、これにより信号源の推定精度を高める目的を達成することができる。
【0041】
なお、上述した脳活動解析方法は、脳活動解析システム10を用いて実行されてもよいし、その他の任意の手段によって実行されてもよい。また、上述した脳活動解析方法を、制御部14が備えるコンピュータに実行させるプログラムによって実行させることもできる。
【0042】
これにより、生体反応信号に基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と、第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る脳活動解析システム10について説明する。第2実施形態に係る脳活動解析システム10は、第1実施形態に係る脳活動解析システム10に対して、処理部24の処理が異なる。そのため、第2実施形態に係る構成のうち、第1実施形態に係る構成と異なる点について説明する。
【0044】
処理部24は、第1範囲に第2範囲が含まれる場合、第2範囲を推定位置とする。第1実施形態に係る処理部24は、第1範囲に第2範囲が含まれる場合、第1範囲を推定位置としたが、第2実施形態に係る処理部24は、上述した通り、第1範囲に第2範囲が含まれる場合、第2範囲を推定位置とする。
【0045】
次に、第2実施形態に係る脳活動解析方法を、
図7を用いて説明する。
図7は、第2実施形態に係る脳活動解析方法のフローを示すフローチャートである。
図7を用いて、第2実施形態に係る脳活動解析方法をステップごとに説明する。なお、第2実施形態に係る脳活動解析方法は、ステップS201からステップS204までが、第1実施形態に係る脳活動解析方法のステップS101からステップS104と同じであるから、ステップS201からステップS204の説明を省略する。
【0046】
第2実施形態に係る脳活動解析方法において、第2実施形態に係る脳活動解析方法のステップS101からS104と同じステップS201からステップS204を実行した後、第1範囲と第2範囲が重複するか否かを判定する(ステップS205)。第1範囲と第2範囲が重複する場合(ステップS205;YES)、判定部23は、第2範囲が第1範囲に含まれるか否かを判定する(ステップS206)。第2範囲が第1範囲に含まれる場合(ステップS206;YES)、第2範囲を、推定位置を示す情報として表示させる(ステップS207-1)。第2範囲が第1範囲に含まれない場合(ステップS206;NO)、第1範囲を、推定位置を示す情報として表示させる(ステップS207-2)。
【0047】
第1範囲と第2範囲が重複しない場合(ステップS205;NO)、第1範囲と第2範囲を区別して両方とも表示する(ステップS207-3)。これにより、両方を表示することで、第1範囲が正確な信号源でない可能性をユーザーに知らせることができる。なお、ステップ205において、第1範囲と第2範囲が不一致となる原因として、雑音が多い環境で使用したことによる第1計測部11への雑音混入による第1範囲の誤推定、電極や磁気センサの装着不良による第1計測部11への雑音混入による第1範囲の誤推定、が想定される。
【0048】
第2実施形態に係る脳活動解析システム10の表示態様は、第1実施形態に係る脳活動解析システム10の表示態様と同様に
図4、
図5、及び
図6に示す3つの表示態様により表示が行われる。そのため、第2実施形態に係る脳活動解析システム10の表示態様の説明は省略する。
【0049】
これにより、第1範囲と第2範囲を比較することができるため、第1範囲があっているかの確認、及び第1範囲の精度をより高くすることができる。
【0050】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る脳活動解析システム10について説明する。第3実施形態に係る脳活動解析システム10は、第1実施形態に係る脳活動解析システム10に対して、判定部23、及び処理部24の処理が異なる。そのため、第3実施形態に係る構成のうち、第1実施形態に係る構成と異なる点について説明する。
【0051】
判定部23は、第1解析部21によって複数の第1範囲が一度の推定結果として得られた場合に、複数の第1範囲に重複する第2範囲が存在するか否かを判定する。第1実施形態に係る判定部23は、第1範囲が1つだけ推定される場合の処理を実行するが、第3実施形態に係る判定部23は、第1解析部21によって複数の第1範囲が一度の推定結果として得られた場合の処理を実行する。この場合、判定部23は、第1解析部21によって推定された複数の第1範囲のうちのいずれかに重複する第2範囲が存在するか否かを判定する。
【0052】
処理部24は、複数の第1範囲のうちのいずれかに重複する第2範囲が存在する場合、複数の第1範囲のいずれかのうち第2範囲と重複する第1範囲を推定位置とする。例えば、第1解析部21によって、第1範囲が、第1範囲(1)と第1範囲(2)と第1範囲(3)の合計三つ推定されたとする。この場合、判定部23が三つの第1範囲のうちのいずれかに、第2範囲が重複するか否かを判定する。判定部23が、三つの第1範囲の内の一つの第1範囲(2)に第2範囲が重複すると判定した場合、処理部24は第1範囲(2)を推定位置とする。なお、処理部24は、第1範囲(2)と第2範囲を重ねた位置を推定位置に関する情報として出力してよい。
【0053】
処理部24は、複数の第1範囲のうちのいずれかに重複する第2範囲が存在しない場合、第2範囲を推定位置とする。例えば、第1解析部21によって、第1範囲が、第1範囲(1)と第1範囲(2)と第1範囲(3)の合計三つ推定されたとする。しかしながら、判定部23がこの三つの第1範囲のうちのいずれにも、第2範囲が重複しないと判定したとする。この場合、処理部24は第2範囲を推定位置に関する情報として出力する。
【0054】
ここで、第3実施形態に係る脳活動解析システム10の第1の表示態様について
図8を用いて説明する。
図8は、第3実施形態に係る脳活動解析システムの第1の表示態様を示す図である。
図8に示すように、第3実施形態に係る脳活動解析システム10は、第1解析部21によって推定された複数の第1範囲のうちのいずれかに第2範囲が重複するかを判定し、第2範囲と重複する第1範囲、及び第2範囲を重ねて表示する。なお、
図8に図示はしていないが、第2範囲と重複する第1範囲だけを表示してもよい。また、全ての第1範囲を表示し、第2範囲と重複する第1範囲は異なる態様で表示してもよい。
【0055】
次に、第3実施形態に係る脳活動解析システム10の第2の表示態様について
図9を用いて説明する。
図9は、第3実施形態に係る脳活動解析システムの第2の表示態様を示す図である。
図9に示すように、第3実施形態に係る脳活動解析システム10は、第1解析部21によって推定された複数の第1範囲のうちのいずれにも第2範囲が含まれない場合、第2範囲だけを表示する。
【0056】
これにより、第1解析部21によって複数の第1範囲が推定された場合であっても、第2範囲が重複する第1範囲を推定位置に関する情報として出力することで、脳内信号の発信源の推定精度を上げることができる。
【0057】
(構成と効果)
本開示に係る脳活動解析システム10は、脳内信号を計測する第1計測部11と、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測する第2計測部12と、第1計測部11による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定する第1解析部21と、第2計測部12による計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定する第2解析部22と、第1範囲と第2範囲とに基づいて、脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した推定位置に関する情報を出力する処理部24と、を備える。
【0058】
この構成によれば、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、第1計測部11が計測した脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0059】
本開示に係る脳活動解析システム10は、第1範囲と第2範囲が重複するか否かを判定する判定部23をさらに備え、処理部24は、第1範囲と第2範囲が重複する場合、第1範囲を推定位置とする。
【0060】
この構成によれば、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、第1計測部11が計測した脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0061】
本開示に係る脳活動解析システム10は、第1範囲と第2範囲が重複するか否かを判定する判定部23をさらに備え、処理部24は、第1範囲と第2範囲が重複する場合、第2範囲を推定位置とする。
【0062】
この構成によれば、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、第1計測部11が計測した脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0063】
本開示に係る脳活動解析システム10は、第1解析部21によって複数の第1範囲が推定結果として得られた場合に、複数の前記第1範囲のうちのいずれかに重複する第2範囲が存在するか否かを判定する判定部23をさらに備え、処理部24は、複数の第1範囲のうちのいずれかに含まれる第2範囲が存在する場合、複数の第1範囲のいずれかのうち第2範囲に重複する第1範囲を推定位置とする。
【0064】
この構成によれば、第1計測部11が計測した脳内信号に基づく脳内信号の発信源を示す第1範囲が複数推定された場合であっても、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を、脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0065】
本開示に係る脳活動解析方法は、脳内信号を計測するステップと、脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、第1範囲と第2範囲とに基づいて、脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した推定位置に関する情報を出力するステップと、を含む。
【0066】
この構成によれば、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、第1計測部11が計測した脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0067】
本開示に係るプログラムは、脳内信号を計測するステップと、脳内信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第1範囲を推定するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号を計測するステップと、脳活動に付随して発生する生体反応信号の計測データに基づいて脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定するステップと、第1範囲と前記第2範囲とに基づいて、脳内信号の発信源の推定位置を算出して、算出した推定位置に関する情報を出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0068】
この構成によれば、第2計測部12が計測した生体反応信号に基づいて、脳内信号の発信源の範囲を示す第2範囲を推定し、第1計測部11が計測した脳内信号に基づいて推定された脳内信号の発信源を示す第1範囲と第2範囲の両方を脳内信号の発信源の推定に用いることから、脳内信号の発信源の推定精度を高めることができる。
【0069】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0070】
本開示は、SDGs(Sutainable Development Goals)(持続可能な開発目標)の「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献し、ヘルスケア製品・サービスによる価値創出に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0071】
10 脳活動解析システム
11 第1計測部
12 第2計測部
13 記憶部
14 制御部
15 表示部
16 通信部
21 第1解析部
22 第2解析部
23 判定部
24 処理部
30 外部装置