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特開2023-12312報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラム
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  • 特開-報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012312
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230118BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20230118BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230118BHJP
   H02B 3/00 20060101ALN20230118BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q50/06
G05B19/418 Z
H02B3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115881
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000220642
【氏名又は名称】東京電設サービス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501464255
【氏名又は名称】株式会社テプコシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 秀之
(72)【発明者】
【氏名】濱田 浩
(72)【発明者】
【氏名】望月 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松本 和幸
(72)【発明者】
【氏名】青木 洸暉
(72)【発明者】
【氏名】本郷 拓人
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA63
3C100BB13
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC03
5L049CC06
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を自動的に生成することができる報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成支援システムであって、作業対象に対する作業時の工程に応じて作業データを入力し、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データを生成する端末装置と、前記端末装置から取得した前記作業データと前記撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理すると共に、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する、報告書作成装置と、を備える報告書作成支援システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成支援システムであって、
作業対象に対する作業時の工程に応じて作業データを入力し、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データを生成する端末装置と、
前記端末装置から取得した前記作業データと前記撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理すると共に、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する、報告書作成装置と、を備える
報告書作成支援システム。
【請求項2】
前記報告書作成装置は、前記作業データの内容に応じた文章を自動編集し、前記作業報告書に入力する、
請求項1に記載の報告書作成支援システム。
【請求項3】
前記報告書作成装置は、前記文章と連動して前記撮像データを自動編集し前記作業報告書に入力する、
請求項2に記載の報告書作成支援システム。
【請求項4】
前記報告書作成装置は、所定の様式の前記作業報告書に前記文章及び前記撮像データを入力する、
請求項3に記載の報告書作成支援システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記工程の順に従って前記作業データを入力させるデータ入力画面を表示する、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の報告書作成支援システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記データ入力画面において前記撮像データを入力させる画像入力画面を表示する、
請求項5に記載の報告書作成支援システム。
【請求項7】
作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置であって、
作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理すると共に、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する管理部を備える、
報告書作成装置。
【請求項8】
作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置が備えるコンピュータが処理する報告書作成方法であって、
作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとを取得する工程と、
前記作業データと前記撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理する工程と、
前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する工程と、を備える、
報告書作成方法。
【請求項9】
作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置が備えるコンピュータにインストールされるプログラムであって、
作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとを取得させ、
前記作業データと前記撮像データとに基づいて、複数の前記作業対象に応じた複数の作業スケジュールの進行度合いを管理させ、
前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業対象への作業に対する報告書を作成する報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
配電盤等を備える電気設備は、定期的に保守、更改、改修、新設等の作業が行われている。作業者は、作業終了後に報告書を作成している。作業者は、報告書を作成する際に、大量に撮像された撮像画像と手書きのチェックシート等のデータ書類を整合させ作業を行うため、労力を要している。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気設備の点検作業後に電子報告書を作成するシステムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、電気設備から取得した計測値と、点検時に撮像された撮像データとに基づいて報告書を作成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-193497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業対象に対する作業においては、リアルタイムに作業の内容に応じた進捗状況を管理することが望まれている。特許文献1に記載されたシステムによれば、計測値や撮像データを報告書に入力するものであり、作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を作成するものではなかった。
【0006】
本発明は、作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を自動的に生成することができる報告書作成支援システム、報告書作成装置、報告書作成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成支援システムであって、作業対象に対する作業時の工程に応じて作業データを入力し、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データを生成する端末装置と、前記端末装置から取得した前記作業データと前記撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理すると共に、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する、報告書作成装置と、を備える報告書作成支援システムである。
【0008】
本発明によれば、作業時の工程に応じて入力された作業データ及び撮像された撮像データに基づいて報告書作成装置が作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を自動的に生成することができる。本発明によれば、報告書がリアルタイムに自動的に作成されるため、作業者が作業日毎に膨大な撮像データや作業データを整合させて報告書を作成する手間を無くし報告書を作成する負担を大幅に低減することができる。
【0009】
また、本発明の前記報告書作成装置は、前記作業データの内容に応じた文章を自動編集し、前記作業報告書に入力してもよい。
【0010】
本発明によれば、報告書作成装置が作業データの内容に応じた文章を自動編集して作業報告書に入力するため、作業者が文章を入力する手間を不要とし、報告書作成の負担を大幅に低減することができる。
【0011】
また、本発明の前記報告書作成装置は、前記文章と連動して前記撮像データを自動編集し前記作業報告書に入力してもよい。
【0012】
本発明によれば、文章と連動して撮像データが自動編集されて作業報告書に自動的に入力されるため、作業者が膨大な撮像データを編集する手間を不要とし、報告書作成の負担を大幅に低減することができる。
【0013】
また、本発明の前記報告書作成装置は、所定の様式の前記作業報告書に前記文章及び前記撮像データを入力してもよい。
【0014】
本発明によれば、作業者が作業データ及び撮像データを入力するだけで、作業報告書にユーザが指定する所定の様式が用いられていても、様式に応じて文章及び撮像データが入力されるため、ユーザの利便性が向上すると共に、報告書作成の負担を大幅に低減することができる。
【0015】
また、本発明の前記端末装置は、前記工程の順に従って前記作業データを入力させるデータ入力画面を表示してもよい。
【0016】
本発明によれば、作業者は、データ入力画面に基づいて作業を行うと共に、データを入力することで、作業に対する経験が不足していても確実に作業を行うことができる。
【0017】
また、本発明の前記端末装置は、前記データ入力画面において前記撮像データを入力させる画像入力画面を表示してもよい。
【0018】
本発明によれば、データ入力画面において画像入力画面により撮像データを入力するため、作業者は、報告書の作成において膨大な撮像データと作業データとを整合させる必要が無くなり、報告書作成の負担を大幅に低減することができる。
【0019】
本発明の一態様は、作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置であって、作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理すると共に、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する管理部を備える報告書作成装置である。
【0020】
本発明によれば、報告書がリアルタイムに自動的に作成されるため、作業者が作業日毎に膨大な撮像データや作業データを整合させて報告書を作成する手間を無くし報告書を作成する負担を大幅に低減することができる。
【0021】
本発明の一態様は、作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置が備えるコンピュータが処理する報告書作成方法であって、作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとを取得する工程と、前記作業データと前記撮像データとに基づいて、前記作業対象に応じた作業スケジュールの進行度合いを管理する工程と、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する工程と、を備える報告書作成方法である。
【0022】
本発明によれば、報告書がリアルタイムに自動的に作成されるため、作業者が作業日毎に膨大な撮像データや作業データを整合させて報告書を作成する手間を無くし報告書を作成する負担を大幅に低減することができる。
【0023】
本発明の一態様は、作業対象に対する作業に関する報告書を生成する報告書作成装置が備えるコンピュータにインストールされるプログラムであって、作業対象に対する作業時の工程に応じて入力される作業データと、前記工程に対応して前記作業対象の状態を撮像した撮像データとを取得させ、前記作業データと前記撮像データとに基づいて、複数の前記作業対象に応じた複数の作業スケジュールの進行度合いを管理させ、前記進行度合いに応じて前記作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成させるプログラムである。
【0024】
本発明によれば、報告書がリアルタイムに自動的に作成されるため、作業者が作業日毎に膨大な撮像データや作業データを整合させて報告書を作成する手間を無くし報告書を作成する負担を大幅に低減することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を自動的に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係る報告書作成支援システムの構成を概略的に示す図である。
図2】報告書作成支援システムの構成を示すブロック図である。
図3】端末装置に表示されるデータ入力画面の一例を示す図である。
図4】端末装置に表示される画像入力画面の一例を示す図である。
図5】端末装置に表示される画像選択画面の一例を示す図である。
図6】管理装置に表示される管理画面の一例を示す図である。
図7】管理装置に表示される報告書画面の一例を示す図である。
図8】報告書作成支援システムにおいて実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る報告書作成支援システムの実施形態について説明する。
【0028】
図1に示されるように、報告書作成支援システム1は、施設Cにおける作業対象Hn(nは自然数)に対する所定の作業を行う際に作業対象に関する報告書を生成するように構成されている。施設Cには、例えば、複数の作業対象Hnが設置されている。報告書作成支援システム1は、複数の作業対象Hnを点検する際に端末装置3を用いて所定の作業内容が確実に行われると共に、リアルタイムに作業報告書を自動的に作成することを支援する。
【0029】
端末装置3からは、所定の作業を行う際に入力される情報がネットワークWを介して管理装置10(報告書作成装置ともいう)に送信される。ネットワークWは、公衆通信網、構内LAN(Local Area Network)等の汎用通信設備である。管理装置10は、ネットワークWを介して接続されたサーバであってもよい。管理装置10は、端末装置3により点検される複数の作業対象Hnに対する複数の作業スケジュールの進行度合いを管理する共に、進行度合いに応じて作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に生成する。
【0030】
作業現場は、例えば、工場やビルディング等の大規模な施設内に設けられた複数の変電設備である。各変電設備は、施設内の複数の領域毎に電力を分配する複数の配電盤(以下、適宜作業対象Hnと呼ぶ)が設けられている。配電盤は、例えば、施設内の所定領域に電力を配分するための操作用の機器である。作業対象Hnは、定期的又は必要に応じて保守(点検)、更改、改修、新設等の所定の作業が行われている。
【0031】
現場には、複数の作業者がそれぞれ割り当てられ、所定の作業が行われる。各作業者は、所定の作業において端末装置3に表示される表示内容に従って作業内容における各工程を進行する。作業者は、端末装置3に作業対象に対する作業時の工程に応じて作業データを入力する。作業者は、端末装置3を用いて工程に対応して作業対象の状態を撮像する。作業者は、端末装置3に表示される表示内容に従って各工程を進行しつつ、作業データの入力や撮像を行うことで、作業内容を漏れなく確実に行うことができる。
【0032】
端末装置3は、例えば、タブレット型端末、スマートフォン等の汎用の携帯型の情報処理端末により構成されている。端末装置3は、例えば、撮像用にスマートフォンが使用され、作業スケジュールの進捗管理においてはタブレット型端末が使用される等、現場nにおいて目的に応じて使い分けられていてもよい。端末装置3は、画像を表示可能な表示部5を有する。表示部5は、タッチパネル式の液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。表示部5は、入力部としても機能する。表示部5には、作業者による操作を入力するためのキーボード画像などの入力インタフェースが表示される。入力インタフェースは、音声入力であってもよい。
【0033】
端末装置3は、入力インタフェースから受け付けられた操作に基づいて作業の支援を開始する。制御部6は、作業スケジュールに基づく作業の工程を示す表示画像を表示部5に表示する。作業の各工程は、作業対象HnのIDに基づいて、個別に設定されている。
【0034】
作業者は、表示部5に表示される工程に従って点検作業を進行する(図3参照)。作業者は、経験が不足していても、端末装置3の表示部5に表示される工程に従って点検作業を進行する。端末装置3は、入力インタフェースから受け付けられた操作に基づいて作業対象HnのIDを特定する。作業対象HnのIDは、例えば、施設内における部屋番号、作業対象Hnの配列位置、作業対象Hnに付されている管理番号などの情報を入力することにより特定される。作業対象HnのIDは、作業対象Hnに付された二次元コードに基づいて管理されていてもよい。
【0035】
端末装置3は、入力インタフェースから受け付けられた操作に基づいて撮像画像を取得する撮像部4を備える。撮像部4は、例えば、カメラセンサ等の撮像素子により構成されている。端末装置3における撮像、その他の動作は、制御部6により総合的に制御される。撮像部4により撮像された撮像画像は、記憶部8に記憶される。記憶部8は、例えば、フラッシュメモリ等の記憶媒体により構成されている。
【0036】
図3に示されるように、端末装置3は、工程の順に従って作業データを入力させるデータ入力画面M1を表示する。データ入力画面M1には、例えば、作業対象Hnの作業前の第1画像の撮像をするための操作ボタン、作業内容を実行させる操作ボタン、作業対象Hnに発生した異常等に対応する対応策を選択するための操作ボタン、作業後の作業対象Hnの第2画像を撮像するための操作ボタン等が設けられている。作業者は、データ入力画面M1に表示される操作ボタンを操作することで作業データや撮像画像を順次入力することができる。
【0037】
図4に示されるように、端末装置3は、データ入力画面M1において撮像画像を入力させる画像入力画面M2を表示する。作業者は、画像入力画面M2に基づいて、作業対象Hnを撮像し、撮像画像を取得することができる。撮像画像は、工程毎に対応付けられて撮像データとして記憶部8に記憶される。撮像データは、静止した撮像画像の他、動画であってもよい。
【0038】
図5に示されるように、工程毎に撮像された複数の撮像画像は、画像選択画面M3において選択される。作業者は、工程毎に報告するための撮像画像を選択することができる。作業者は、作業における工程毎に設定されたデータ入力画面M1、画像入力画面M2、画像選択画面M3に基づいて操作を行うことにより、最後の作業工程までに作業を確実に実行することができる。データ入力画面M1には、工程毎に開始や終了を通知する操作ボタンが設けられており、管理装置10にリアルタイムに進捗状況を報告することができる。図示したデータ入力画面M1、画像入力画面M2、画像選択画面M3は一例であり、操作ボタンの構成、配置はこの限りではなく、作業データが入力可能であれば他の構成であってもよい。
【0039】
データ入力画面M1、画像入力画面M2、画像選択画面M3に基づいて入力された作業データ及び撮像データは、作業対象HnのID、端末装置3のID、工程等の付帯情報が付加され通信部7を介して管理装置10に送信される。管理装置10は、端末装置3から取得した作業データ及び撮像データに基づいて、作業対象Hnに応じた作業スケジュールの進行度合いを管理する。管理装置10において、管理部11は、通信部14を介して作業データ及び撮像データ、及び付帯情報を取得し、記憶部13に記憶する。管理部11は、付帯情報に基づいて、端末装置3のID及び作業対象HnのIDを特定し、作業スケジュールの進行度合(進捗状況)を管理する管理画面Q1を生成し、表示部12に表示させる。
【0040】
図6に示されるように、管理画面Q1は、作業対象Hnの作業における作業スケジュールの進捗状況の情報が表示される。管理部11は、現場における複数の作業対象Hnの作業における複数の作業スケジュールを同時に管理する。管理者は、表示部12に表示される情報に基づいて、複数の現場における複数の作業対象Hnの状態を管理することもできる。管理部11は、作業スケジュールの進行度合いに応じて作業内容に関する作業報告書を自動的に生成する。
【0041】
図7に示されるように、管理部11は、報告書画面Q2を生成し表示部12に表示させる。管理部11は、例えば、作業データの内容に応じた文章を自動編集し、作業報告書に入力する。管理部11は、例えば、記憶部13に記憶された作業データに対応する定型文を読み出し、文章を生成する。管理部11は、例えば、保守(点検)、更改、改修、新設等の所定の作業の各工程において行われる作業内容に応じた文章を生成する。管理部11は、作業データに作業者が入力したコメントなどのテキストデータが付帯されている場合、このテキストデータを報告書の備考欄に入力する。
【0042】
管理部11は、文章と連動して撮像データを自動編集し作業報告書に入力する。管理部11は、撮像データを作業報告書に入力する際に撮像データのサイズを自動調整してもよい。管理部11は、撮像データについては記憶部13またはネットワークWを介して接続された外部サーバ(不図示)に記憶し、報告書画面Q2にサムネイル画像を表示し、ネットワークWを介してリンクさせ、作業報告書を閲覧するユーザがサムネイル画像をクリックした際にユーザの端末に表示させるようにしてもよい。
【0043】
管理部11は、所定の様式の作業報告書に文章及び撮像データを入力する。所定の様式とは、ユーザが設定したページ、入力欄、入力項目等が設定された電子ファイルである。電子ファイルは、ユーザの指定する任意のファイル形式が用いられてもよい。管理部11は、作業の終了を示す付帯情報を受信した場合、作業報告書を最終的に更新する。管理部11は、最終的な作業報告書については更新を終了する。
【0044】
管理部11は、作業の各工程の終了時に作業報告書を更新し、端末装置3及び作業報告書を使用するユーザの端末にネットワークWを介して公開する。報告書画面Q2は、工程の進行度合いに応じて更新される。現場の作業者及び作業管理者は、端末装置3を介して作業報告書を閲覧し、自身が担当する現場の作業の進捗状況だけでなく、他の現場の作業の進捗状況もリアルタイムに把握することができる。現場の作業者及び作業管理者は、膨大な撮像データや作業データを整合して作業報告書を毎日の作業終了後に作成する必要が無くなり、負担を軽減することができる。作業報告書を使用するユーザも端末を介して作業報告書を閲覧し、自身が管理する設備の作業の進捗状況をリアルタイムに把握することができる。
【0045】
次に、報告書作成支援システム1における報告書作成方法の処理について説明する。
【0046】
図8に示されるように、作業者は、作業対象Hnの作業の各工程において設定された作業を行い、端末装置3に表示されたデータ入力画面M1に基づいて、工程に応じた作業データ及び作業対象の状態を撮像した撮像データを入力する(ステップS100)。作業データ及び撮像データは、ネットワークWを介して管理装置10に送信される。管理装置10は、端末装置3から取得した作業データ及び撮像データに基づいて、複数の作業対象に応じた複数の作業スケジュールの進行度合いを管理し、作業スケジュールの進捗状況を更新する(ステップS102)。
【0047】
管理装置10は、作業スケジュールの進行度合いに応じて作業対象の状態を管理する作業報告書を自動的に更新する(ステップS104)。管理装置10は、作業データが作業における工程の最初の工程である場合、作業報告書を自動的に生成し、次の工程からは作業報告書を更新する。管理装置10は、ネットワークWを介して作業報告書を端末装置3等の関係者の端末装置にアクセス可能に公開する。管理装置10は、作業データに付帯される付帯情報に基づいて、作業が終了したか否かを判定する(ステップS106)。
【0048】
管理装置10は、作業が終了していない場合、ステップS100に処理を戻し、作業報告書の更新を継続する。管理装置10は、作業が終了した場合、作業報告書の更新を終了し、作業報告書を完成させる。管理装置10は、ネットワークWを介して作業報告書を端末装置3等の関係者の端末装置にアクセス可能に公開する。
【0049】
上述したように、報告書作成支援システム1によれば、作業の内容に応じた進捗状況に基づく報告書を自動的に生成することができる。報告書作成支援システム1によれば、作業者が作業の工程に応じて端末装置3に作業データ及び撮像データを入力することで、管理装置10が作業スケジュールを更新すると共に、作業スケジュールに応じた作業報告書を自動的に生成、更新するため、作業者の報告書を作成する負担を大幅に軽減することができる。
【0050】
上述した報告書作成支援システム1の構成要素の一部又は全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが、記憶部に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。報告書作成方法は、報告書作成支援システム1が有するコンピュータにインストールされたプログラムを実行することにより処理される。また、これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されていてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されていてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態において報告書作成支援システムは、配電盤に対して行われる作業の報告書を自動的に生成することについて例示したが、これに限らず配電盤以外の電気設備、その他の設備に対して行われる作業の報告書を自動的に生成するものであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 報告書作成支援システム
3 端末装置
4 撮像部
5 表示部
6 制御部
7 通信部
8 記憶部
10 管理装置(報告書作成装置)
11 管理部
12 表示部
13 記憶部
14 通信部
Hn 作業対象
M1 データ入力画面
M2 画像入力画面
M3 画像選択画面
Q1 管理画面
Q2 報告書画面
W ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8