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  • 特開-配線基板 図1
  • 特開-配線基板 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123142
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
H05K1/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027027
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100195659
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】西村 充
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 憲三
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 康行
(72)【発明者】
【氏名】高木 桂二
(72)【発明者】
【氏名】服部 晃佳
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA02
5E338AA15
5E338AA18
5E338BB05
5E338BB12
5E338BB75
5E338CD24
5E338CD32
5E338EE02
(57)【要約】
【課題】加工ばらつきがあったとしても部材間での絶縁性を確保しつつ、電子部品から発生した熱を効率よく放熱できる配線基板を提供する。
【解決手段】配線基板であって、電子部品が搭載される絶縁基板と、絶縁基板のうち電子部品の側の面である第1面に配置され、電子部品と接続する第1配線と、絶縁基板のうち第1面とは反対側の面である第2面に配置された第2配線と、を備え、絶縁基板は、第1面のうち、第1面から第2面を透過視したときに第2配線が配置されておらず、かつ、第1配線が配置された部分に、非貫通ビアが形成されており、非貫通ビアの少なくとも一部は、絶縁基板よりも熱伝導率の高い材料によって構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板であって、
電子部品が搭載される絶縁基板と、
前記絶縁基板のうち前記電子部品の側の面である第1面に配置され、前記電子部品と接続する第1配線と、
前記絶縁基板のうち前記第1面とは反対側の面である第2面に配置された第2配線と、を備え、
前記絶縁基板は、前記第1面のうち、前記第1面から前記第2面を透過視したときに前記第2配線が配置されておらず、かつ、前記第1配線が配置された部分に、非貫通ビアが形成されており、
前記非貫通ビアの少なくとも一部は、前記絶縁基板よりも熱伝導率の高い材料によって構成されていることを特徴とする、配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板であって、
前記非貫通ビアの側面と接続する配線が存在しないことを特徴とする、配線基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の配線基板であって、
前記非貫通ビアの底面と接続する配線が存在しないことを特徴とする、配線基板。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記非貫通ビアの最大幅は、前記非貫通ビアの上に位置する前記第1配線の最小幅以下であることを特徴とする、配線基板。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記第1面から前記非貫通ビアの底面までの長さは、前記非貫通ビアが形成された部分における前記第1面から前記第2面までの長さの3分の2以下の長さであることを特徴とする、配線基板。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記絶縁基板を構成する材料は、AlN、Al23、SiN、SiCのうちいずれかを含むことを特徴とする、配線基板。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の配線基板であって、
前記非貫通ビアの少なくとも一部を構成する材料は、Cu、W、Au、Mo、Agのうちいずれかを含むことを特徴とする、配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体や発光素子等の電子部品が搭載される配線基板において、その電子部品の稼働に応じて発生する熱を放熱する構造が提案されている。例えば、特許文献1に開示された配線基板では、絶縁基体の上面に形成された有底穴内の金属体の上側に発光素子が搭載されており、その金属体と、絶縁基体の下面に配置された外部接続端子とが、配線基板の厚み方向で上下に重なっていることにより、発光素子から発生した熱が金属体から外部接続端子を介して系外へ放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-109079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般的に、有底穴の形成には加工ばらつきがあり、有底穴の深さが変動して予め設定された深さよりも深くなってしまうことがある。このような変動が生じた場合、特許文献1に開示された配線基板では、有底穴(絶縁基体の上面に形成)内の金属体と、絶縁基体の下面に配置された外部接続端子とが、配線基板の厚み方向で上下に重なっていることから、金属体と外部接続端子との間における絶縁性が確保できなくなる虞がある。このため、加工ばらつきがあったとしても部材間での絶縁性を確保しつつ、電子部品から発生した熱を効率よく放熱できる配線基板の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、加工ばらつきがあったとしても部材間での絶縁性を確保しつつ、電子部品から発生した熱を効率よく放熱できる配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、配線基板が提供される。この配線基板は、電子部品が搭載される絶縁基板と、前記絶縁基板のうち前記電子部品の側の面である第1面に配置され、前記電子部品と接続する第1配線と、前記絶縁基板のうち前記第1面とは反対側の面である第2面に配置された第2配線と、を備え、前記絶縁基板は、前記第1面のうち、前記第1面から前記第2面を透過視したときに前記第2配線が配置されておらず、かつ、前記第1配線が配置された部分に、非貫通ビアが形成されており、前記非貫通ビアの少なくとも一部は、前記絶縁基板よりも熱伝導率の高い材料によって構成されている。
【0008】
この構成によれば、第1面のうち第1配線が配置された部分に、少なくとも一部が絶縁基板よりも熱伝導率の高い材料により構成された非貫通ビアが形成されている。このため、電子部品から発生した熱の少なくとも一部が第1配線から絶縁基板を介して第2配線へと伝達される際、第1配線から非貫通ビアを経由したのち絶縁基板から第2配線へと伝達されることから、電子部品から発生した熱を効率よく放熱することができる。また、この構成によれば、非貫通ビアは、絶縁基板における第1面のうち、第1面から第2面を透過視したときに第2配線が配置されていない部分に形成されている。このため、加工ばらつきにより非貫通ビアの深さ(第1面から非貫通ビアの底面までの長さ)が変動して予め設定された深さよりも深くなってしまったとしても、非貫通ビアの底面に対向する第2面の部分には第2配線が配置されていないことから、非貫通ビアと第2配線との間での絶縁性を確保することができる。したがって、この構成の配線基板によれば、非貫通ビアの加工ばらつきがあったとしても、非貫通ビアと第2配線との間での絶縁性を確保しつつ、電子部品から発生した熱を効率よく放熱できる。
【0009】
(2)上記態様の配線基板において、前記非貫通ビアの側面と接続する配線が存在しなくてもよい。
この構成によれば、非貫通ビアの側面と接続する配線が存在しないため、配線から生じた熱が非貫通ビアに集中してしまうことを抑制できる。したがって、局所的な発熱を避けながら、非貫通ビアにおいて第1配線から伝達された熱を非貫通ビアの底面に向かって効率よく伝達することができる。
【0010】
(3)上記態様の配線基板において、前記非貫通ビアの底面と接続する配線が存在しなくてもよい。
この構成によれば、非貫通ビアと第2配線との間での絶縁性を確保しやすくすることができる。非貫通ビアの底面と接続する配線が存在する場合、配線は第1面もしくは第2面と略平行に引き回される傾向にあり、非貫通ビアの底面と接続する配線と第2配線との距離が小さいため絶縁性が確保できない可能性がある。また、非貫通ビアの側面と接続する配線及び底面と接続する配線のいずれもが存在しない場合には、非貫通ビアは導電機能を担っていないことから、非貫通ビアを構成する材料に関して電気伝導率を考慮せずに熱伝導率のみを考慮した材料を選択することができる。
【0011】
(4)上記態様の配線基板において、前記非貫通ビアの最大幅は、前記非貫通ビアの上に位置する前記第1配線の最小幅以下であってもよい。
この構成によれば、第1配線の最小幅は、他の部材との絶縁性が確保されるように設計されていることから、この最小幅より小さい最大幅を有する非貫通ビアについても他の部材との絶縁性を確保することができる。
【0012】
(5)上記態様の配線基板において、前記第1面から前記非貫通ビアの底面までの長さは、前記非貫通ビアが形成された部分における前記第1面から前記第2面までの長さの3分の2以下の長さであってもよい。
この構成によれば、絶縁基板の剛性を維持しつつ、第1面から前記非貫通ビアの底面までの長さについて、ある程度の長さを確保することができる。
【0013】
(6)上記態様の配線基板において、前記絶縁基板を構成する材料は、AlN、Al23、SiN、SiCのうちいずれかを含んでもよい。
この構成によれば、絶縁基板は、絶縁性に加えて耐熱性や耐摩耗性等を有する。
【0014】
(7)上記態様の配線基板において、前記非貫通ビアの少なくとも一部を構成する材料は、Cu、W、Au、Mo、Agのうちいずれかを含んでもよい。
この構成によれば、非貫通ビアは高い熱伝導率を有することから、電子部品から発生した熱をより一層効率よく放熱することができる。
【0015】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、絶縁基板、配線基板、半導体用配線基板、およびこれらを備える部品、絶縁基板の製造方法、配線基板の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の配線基板の断面構成を模式的に示す説明図である。
図2】配線基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態の配線基板1の断面構成を模式的に示す説明図である。図1には、方向を特定するために、互いに直交するXYZ軸が示されている。図2は、配線基板1の平面図である。図2のF1-F1線における断面図が図1にあたる。配線基板1は、電子部品として、半導体チップSCが搭載される配線基板である。配線基板1は、第1絶縁基板10を備える。また、配線基板1は、第1絶縁基板10から見て半導体チップSCが搭載される側に、第1配線12と、拡散防止層14と、導電性被膜16と、バンプ18と、を備える。また、配線基板1は、第1絶縁基板10から見て半導体チップSCが搭載される側とは反対側に、第2配線22と、拡散防止層24と、導電性被膜26と、半田29と、第2絶縁基板30と、を備える。
【0018】
第1絶縁基板10は、Al23を含む絶縁材料によって形成されたセラミック基板である。また、第1絶縁基板10は、絶縁性を有する限り、金属板の表面に絶縁膜が塗布された基板であってもよい。第1絶縁基板10のうち半導体チップSC側(図1では+Z軸方向側)の面である第1面10Fには、第1配線12が配置されている。配線基板1において、第1配線12を構成する材料は、Cuである。第1配線12には、半導体チップSCのX軸方向における各々の端部と電気的に接続する第1配線12Pと、半導体チップSCのX軸方向における中央部分と電気的に接続する第1配線12Nと、がある。図2において第1配線12は、導電性被膜16に覆われていることにより本来視認できないため、破線にて示されている。
【0019】
拡散防止層14は、第1配線12と後述する導電性被膜16との間に配置され、第1配線12と導電性被膜16との間において金属原子が拡散により相互移動するのを防止する。拡散防止層14を構成する材料としては、例えば、Ni、Pd、Tiやこれら金属の化合物が挙げられる。導電性被膜16は、拡散防止層14を覆う導電性の膜である。配線基板1において、導電性被膜16を構成する材料は、Auである。バンプ18は、導電性被膜16と半導体チップSCとを接続している。図1では、バンプ18のうち半導体チップSCと接触している側の部分は、半導体チップSCの表面に沿って広がっている。配線基板1において、バンプ18を構成する材料は、導電性被膜16と同様に、Auである。
【0020】
一方、第1絶縁基板10のうち第1面10Fとは反対側の面である第2面10Bには、第2配線22が配置されている。配線基板1において、第2配線22を構成する材料は、第1配線12と同様に、Cuである。図1において、-X軸方向側に配置された第2配線22を第2配線22Lと呼び、+X軸方向側に配置された第2配線22を第2配線22Rと呼ぶ。
【0021】
拡散防止層24は、第2配線22と後述する導電性被膜26との間に配置されている点を除いて、上述した拡散防止層14と同様である。導電性被膜26は、上述した導電性被膜16と同様に、拡散防止層24を覆う導電性の膜である。半田29は、導電性被膜26と後述する第2絶縁基板30とを接続している。第2絶縁基板30は、第1絶縁基板10と同様の基板である。
【0022】
図2に図示された白抜き矢印は、通電経路を示している。図2に示されるように、第1絶縁基板10には、貫通ビアPV1,PV2が形成されている。貫通ビアPV1は、第2配線22L(図1に図示)と第1配線12Pとを接続している。貫通ビアPV2は、第2配線22R(図1に図示)と第1配線12Nとを接続している。通電時には、第2配線22Lから貫通ビアPV1を介して第1配線12Pに流れた電流は、半導体チップSCを通ったのち、第1配線12Nから貫通ビアPV2を経由して第2配線22Rに流れる。
【0023】
図1の断面において、第1面10Fのうち第1配線12Pが配置された部分は、第1面10Fから第2面10Bを透過視したときに第2配線22がそれぞれ配置されている部分である。一方、図1の断面において、第1面10Fのうち第1配線12Nが配置された部分は、第1面10Fから第2面10Bを透過視したときに第2配線22が配置されていない部分である。このような部分に、非貫通ビアNVが形成されている。非貫通ビアNVは、第1絶縁基板10上に窪み部を形成したのち、その窪み部を熱伝導性の高い材料で埋めることによって形成されている。非貫通ビアNVは、第1絶縁基板10よりも熱伝導性の高い材料によって構成されている。配線基板1においては、非貫通ビアNVは、Cuによって構成されていることから、第1配線12を構成する材料と、非貫通ビアNVを構成する材料は同じである。なお、図2において本来視認できない非貫通ビアNVは破線にて示されている。
【0024】
図1,2において、幅L1は、非貫通ビアNVの任意のXZ断面における幅(X軸方向に沿った長さ)を示している。幅L2は、非貫通ビアNVの上に配置された第1配線12Nの任意の位置における幅(X軸方向に沿った長さ)を示している。図1,2では、幅L1の最大幅と、幅L2の最大幅をそれぞれ図示している。ここで、非貫通ビアNVの幅L1の最大幅は、非貫通ビアNVの上に位置する第1配線12Nの幅L2の最小幅以下である。配線基板1においては、非貫通ビアNVの幅は一定であるとともに、非貫通ビアNVの上に位置する第1配線12Nの幅も一定であることから(図2参照)、幅L1は幅L2以下であるともいえる。
【0025】
配線基板1において、第1面10Fから非貫通ビアNVの底面BMまでの長さ(図1ではZ軸方向に沿った長さ)は、非貫通ビアNVが形成された部分における第1面10Fから第2面10Bまでの長さの3分の2以下の長さである。本実施形態においては、第1面10Fから非貫通ビアNVの底面BMまでの長さは、非貫通ビアNVが形成された部分における第1面10Fから第2面10Bまでの長さの2分の1の長さである。
【0026】
また、配線基板1において、非貫通ビアNVの側面SDと接続する配線は存在しない。また、非貫通ビアNVの底面BMと接続する配線も存在しない。すなわち、非貫通ビアNVの側面SD及び底面BMから引き回される配線は存在せず、非貫通ビアNVには第1配線12N及び第1絶縁基板10のみが接触している。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の配線基板1によれば、第1面10Fのうち第1配線12Nが配置された部分に、第1絶縁基板10よりも熱伝導率の高い材料により構成された非貫通ビアNVが形成されている。このため、半導体チップSCから発生した熱の少なくとも一部が第1配線12Nから第1絶縁基板10を介して第2配線22へと伝達される際(図1参照)、第1配線12Nから非貫通ビアNVを経由したのち第1絶縁基板10から第2配線22へと伝達されることから、電子部品から発生した熱を効率よく放熱することができる。また、本実施形態の配線基板1によれば、非貫通ビアNVは、第1面10Fのうち第1面10Fから第2面10Bを透過視したときに第2配線22が配置されていない部分に形成されている。このため、加工ばらつきにより非貫通ビアNVの深さ(第1面10Fから非貫通ビアNVの底面BMまでの長さ)が変動して予め設定された深さよりも深くなってしまったとしても、非貫通ビアNVの底面BMに対向する第2面10Bの部分には第2配線22が配置されていないことから、非貫通ビアNVと第2配線22との間での絶縁性を確保することができる。したがって、本実施形態の配線基板1によれば、非貫通ビアNVの加工ばらつきがあったとしても、非貫通ビアNVと第2配線22との間での絶縁性を確保しつつ、半導体チップSCから発生した熱を効率よく放熱できる。
【0028】
また、本実施形態の配線基板1では、図1の断面において、第1面10Fのうち第1配線12Pが配置された部分は、第1面10Fから第2面10Bを透過視したときに第2配線22(22L,22R)がそれぞれ配置されている部分である。したがって、第1配線12Pから第2配線22(22L,22R)までの距離は比較的短いことから、電子部品から発生した熱を効率よく放熱することができる。これに対して、図1の断面において、第1面10Fのうち第1配線12Nが配置された部分は、第1面10Fから第2面10Bを透過視したときに第2配線22(22L,22R)が配置されていない部分である。したがって、第1配線12Nから第2配線22(22L,22R)までの距離は、第1配線12Pから第2配線22(22L,22R)までの距離より長いことから、非貫通ビアNVを形成することにより、放熱効率を補填しているともいえる。
【0029】
また、本実施形態の配線基板1では、非貫通ビアNVの側面SDと接続する配線が存在しない。このため、非貫通ビアNVの側面SDと接続する配線が存在しないため、配線から生じた熱が非貫通ビアNVに集中してしまうことを抑制できる。したがって、局所的な発熱を避けながら、非貫通ビアNVにおいて第1配線12Nから伝達された熱を非貫通ビアNVの底面BMに向かって効率よく伝達することができる。
【0030】
また、本実施形態の配線基板1では、非貫通ビアNVの底面BMと接続する配線が存在しない。このため、非貫通ビアNVと第2配線22との絶縁性を確保することができる。非貫通ビアNVの底面BMと接続する配線が存在する場合、配線は第1面10Fもしくは第2面10Bと略平行に引き回される傾向にあり、非貫通ビアNVの底面BMと接続する配線と第2配線22との距離が小さいため絶縁性が確保できない可能性が高い。また、非貫通ビアNVの側面SDと接続する配線及び底面BMと接続する配線のいずれもが存在しない場合には、非貫通ビアNVは導電機能を担っていないことから、非貫通ビアNVを構成する材料に関して電気伝導率を考慮せずに熱伝導率のみを考慮した材料を選択することができる。
【0031】
また、本実施形態の配線基板1では、非貫通ビアNVの最大幅は、非貫通ビアNVの上に位置する第1配線12Nの最小幅以下である。このため、第1配線12Nの最小幅は、他の部材(例えば、第1配線12Pや第2配線22等)との絶縁性が確保されるように設計されていることから、この最小幅より小さい最大幅を有する非貫通ビアNVについても他の部材との絶縁性を確保することができる。
【0032】
また、本実施形態の配線基板1では、第1面10Fから非貫通ビアNVの底面BMまでの長さは、非貫通ビアNVが形成された部分における第1面10Fから第2面10Bまでの長さの3分の2以下の長さである。このため、第1絶縁基板10の剛性を維持しつつ、第1面10Fから非貫通ビアNVの底面BMまでの長さについて、ある程度の長さを確保することができる。
【0033】
また、本実施形態の配線基板1では、第1絶縁基板10及び第2絶縁基板30を構成する材料は、Al23を含んでいる。このため、第1絶縁基板10及び第2絶縁基板30は、絶縁性に加えて耐熱性や耐摩耗性等を有する。
【0034】
また、本実施形態の配線基板1では、非貫通ビアNVは、Cuによって構成されている。このため、非貫通ビアNVは高い熱伝導率を有することから、半導体チップSCから発生した熱をより一層効率よく放熱することができる。
【0035】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0036】
上記実施形態は、配線基板の一例であり、配線基板が備える構成については種々変形可能である。例えば、配線基板に搭載される電子部品は、半導体チップに限られず、LEDチップ等の発光素子であってもよいし、他の電子部品であってもよい。また、第1配線及び第2配線の配置は、図1,2に図示されたような配置でなくてもよい。また、第1絶縁基板及び第2絶縁基板を構成する材料は、Al23に限られず、AlN、SiN、SiCのうちいずれかを含んでいてもよい。また、第1絶縁基板を構成する材料と、第2絶縁基板を構成する材料とは、異なる材料であってもよい。
【0037】
非貫通ビアを構成する材料は第1配線を構成する材料と同じであったが、第1配線を構成する材料とは異なる材料であってもよい。また、非貫通ビアは、第1絶縁基板よりも熱伝導性の高い材料によって構成されていたが、これに限られず、非貫通ビアの一部が第1絶縁基板よりも熱伝導性の高い材料によって構成されていてもよく、第1絶縁基板よりも熱伝導性の高い材料とは異なる材料が非貫通ビアに含まれていてもよい。また、非貫通ビアを構成する熱伝導性の高い材料は、Agであってもよいし、CuとAgとの両方を含んでいてもよいし、Cu及びAgとは異なる材料(例えば、W、Au、Mo等)を含んでいてもよいし、さらには、熱伝導性が高ければ金属材料でなくてもよく、固形を維持できる材料である限り、どのような種類の材料であってもよい。また、上記実施形態は、非貫通ビアの側面と接続する配線及び底面と接続する配線のいずれもが存在しない形態であったが、非貫通ビアの側面と底面とのうち少なくとも一方と接続する配線が存在してもよい。
【0038】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…配線基板
10…第1絶縁基板
10F…第1面
10B…第2面
12,12P,12N…第1配線
14…拡散防止層
16…導電性被膜
18…バンプ
22,22L,22R…第2配線
24…拡散防止層
26…導電性被膜
29…半田
30…第2絶縁基板
NV…非貫通ビア
PV1,PV2…貫通ビア
図1
図2