(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123221
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/03 20060101AFI20230829BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230829BHJP
G06F 3/0362 20130101ALI20230829BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
G06F3/041 490
G06F3/0362 461
B60R16/02 630L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027167
(22)【出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 順子
(72)【発明者】
【氏名】江原 正大
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087BC13
(57)【要約】
【課題】ユーザが車両を利用するときに、様々な状況に円滑かつ適切に対応できるように支援する。
【解決手段】制御装置は、第1の表示部と、第1の表示部に対向する位置に設けられ、筒状の筐体を有し、第1の表示部の反対側の前記筐体の面に第2の表示部を有するとともに、ユーザの入力を受付ける操作部とを備える。そして、第2の表示部は、車両の周囲の環境または車両の状態に対応する処理に関連する画像を表示するとともに、ユーザからの操作により前記処理の実行を受け付ける。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部と、
前記第1の表示部に対向する位置に設けられ、筒状の筐体を有し、
前記第1の表示部の反対側の前記筐体の面に第2の表示部を有するとともに、ユーザの入力を受付ける操作部とを備え、
前記第2の表示部に車両の周囲の環境または前記車両の状態に対応する処理に関連する画像を表示するとともに、前記ユーザからの操作により前記処理の実行を受け付ける制御装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記車両の部品が点検、整備または交換を要する状態にあると判断すると音声で前記ユーザにその判断内容を報知するとともに、前記点検、整備または交換を業者に依頼する処理に関連する画像を前記第2の表示部に表示し、前記依頼する処理の実行を受け付ける請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記車両のメンテナンスを手配する時期になると音声で前記ユーザに車両のメンテナンスを促すとともに、メンテナンスを業者に依頼する処理に関連する画像を前記第2の表示部に表示し、前記依頼する処理の実行を受け付ける請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、気象に関連する情報を取得し、前記車両の窓が曇ると判断すると音声でユーザにその判断内容を報知するとともに、デフロスタを作動する処理に関連する画像を前記第2の表示部に表示し、前記作動する処理の実行を受け付ける請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、路面の状態に関連する情報を取得し、前記路面の状態に応じて前記車両の走行モードを切り替える処理に関連する画像を前記第2の表示部に表示し、前記走行モードを切り替える処理の実行を受け付ける請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第2の表示部に対する反対面である前記操作部の裏面は前記第1の表示部の画面に対向し、前記操作部の裏面と、前記第2の表示部との間には、前記裏面に対向する前記画面に表示された画像を前記第2の表示部に投影するオプティカルファイバが設けられている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には情報システムが搭載され、様々な機能が提供されている。このような情報システムは、各種の表示によりユーザをガイドしている。例えば、車両の部品に異常が検出されるとアラートがディスプレイ等に表示される。しかし、ユーザは表示されたアラートに戸惑いを感じ、直ちには対応できないことがある。また、車両には各種走行モードが用意され、現在の走行モードが計器盤、ディスプレイ等に表示される。しかし、ユーザは用意された各種走行モードを使い分けないで、同じ走行モードで走行することがある。さらに、車両の点検時期が来るなど、注意を喚起すべき状態が発生すると、その状態がディスプレイ等に表示される。ただし、ユーザはその状態がディスプレイ等に表示されて初めて整備会社等の業者にコンタクトする場合が多い。その結果、車両が適切な時期に点検または整備されていないことも生じ得る。さらにまた、急な環境の変化、例えば、天候の変化によって窓ガラスが曇ることがあるが、ユーザは、その状況を事前に予測できないことも多い。そのため、ユーザによる車内の環境調整のタイミングが遅れる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-71876号公報
【特許文献2】特開平6-250029号公報
【特許文献3】特開2018-34675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
すなわち、従来の技術では、ユーザの操作の迷い、または、予期していなかった状況へのユーザの対応を支援することについて、十分な配慮がなされていない。開示の実施形態の1つの側面は、ユーザが車両を利用するときに、様々な状況に円滑かつ適切に対応できるように支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の実施形態は、制御装置によって例示される。本制御装置は、第1の表示部と、第1の表示部に対向する位置に設けられ、筒状の筐体を有し、第1の表示部の反対側の前記筐体の面に第2の表示部を有するとともに、ユーザの入力を受付ける操作部とを備える。そして、第2の表示部は、車両の周囲の環境または車両の状態に対応する処理に関連する画像を表示するとともに、ユーザからの操作により前記処理の実行を受け付ける。
【発明の効果】
【0006】
本情報システムの制御装置は、ユーザが車両を利用するときに、様々な状況に円滑かつ適切に対応できるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、車載システムの表示装置と操作部を例示する図である。
【
図2】
図2は、操作部の構造を例示する分解斜視図である。
【
図3】
図3は、操作部内のオプティカルファイバの束による効果を例示する図である。
【
図4】
図4は、操作部の変形例による効果を例示する図である。
【
図5】
図5は、車載システムのハードウェア構成を例示する図である。
【
図6】
図6は、車載システムが操作部に表示するシンボルの例である。
【
図7】
図7は、車載システムの機能構成を例示する機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、車載システムにおける運転支援処理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る車載システム100および車載システム100が実行する制御方法を説明する。車載システム100は、例えば、車両の運転席の前面に配置されるCenter Information Display(CID)を有し、制御装置の一例として、ユーザに対話型システムとして処理を実行する。車載システム100は、車両に搭載される情報システムということができる。
【0009】
<構成>
まず、
図1乃至
図5により、車載システム100が提供する各部の構成を例示する。
図1は、車載システム100のCIDとなる表示装置14と操作部20を例示する図である。なお、
図1の例では、表示装置14は、車両のインストルメントパネル40に埋め込まれている。
【0010】
操作部20は、筐体201と、筐体201を支持する支持機構30とを有する。筐体201は、例えば、筒状であり、中心軸に垂直な2つの端面を有する。また、筐体201は、2つの端面に開口が形成され、開口の縁および筐体201の断面はリング状となっている。なお、操作部20は、円筒形状であってもよく、角筒形状で合っても良い。ただし、操作部20の形状が筒状、円筒形状、角筒形状等に限定される訳でなく、テーパ、勾配等を有する円筒形状、角筒形状、多面体、2次曲面を含む形状等、様々な形状であってもよい。操作部20は、第1の表示部としての表示装置14に対向する位置に設けられる。ここで、筐体201の表示装置14に対向する裏面を対向面と呼び、対向面の反対面を前面202と呼ぶ。筐体201内には、オプティカルファイバ203の束(
図2から
図4参照)が前面202の開口と対向面(裏面)の開口とを結ぶ方向に設けられ、表示装置14の画面14Aの光を前面202に投影する導光路を形成している。そのため、操作部20は、前面202が表示部として作用し、前面202の反対面である対向面(裏面)に対向する画面14Aの一部分を前面202に投影可能である。すなわち、車載システム100において、表示装置14は第1の表示部として機能する。また、操作部20の前面202は、第2の表示部として機能する。そして、操作部20は、対向面に対して反対側の筐体201の面である前面202に第2の表示部を有するといえる。なお、操作部20自体が表示装置としての機能を備えてもよい。具体的にはディスプレイなどの表示装置を筐体201内に備え、ディスプレイが支持機構30などを介して配線されるものであってもよい。また、操作部20は、支持機構30によって、操作部を鉛直方向で下側から支持する。
【0011】
図2は、操作部20の構造を例示する分解斜視図である。
図1で説明した通り、操作部20は、その裏面が表示装置14に対向して備え付けられる。
図2のように操作部20は、筐体201と、指紋センサ22と、タッチセンサ23と、ダイヤルスイッチ25と、プッシュスイッチ26と、オプティカルファイバ203とを有している。
【0012】
筐体201は、筒状で、操作部20の断面リング状の側面を形成するとともに、筒状の両端部にリング状の縁を形成する。これにより、筐体201は、両端部がリング状に開口した外殻を構成する。筐体201には、装飾が施される場合もあり、加飾部とも呼ばれる。
【0013】
操作部20の前面202には、平板状で円形のタッチセンサ23が設けられている。タッチセンサ23は、通常のモバイル装置、例えば、スマートフォン等に設けられるタッチ
パネルと同様の構成である。例えば、タッチセンサ23は、平面上で第1方向(X軸方向とする)に平行に配列される第1の電極列と、第1方向に垂直な第2に方向(Y軸方向とする)に平行に配列される第2の電極列とを有する。タッチセンサ23は、2つの電極列で、ユーザの指からの静電容量の変化を基にX軸およびY軸の座標値でユーザの指の動作を検知する。ただし、タッチセンサ23が、静電容量方式のセンサに限定される訳ではなく、例えば、感圧式のセンサであってもよい。なお、
図2では省略されているが、タッチセンサ23の上面(前面202側)に透明の保護膜が設けられてもよい。
【0014】
指紋センサ22は、例えば、静電容量式のセンサである。すなわち、指紋センサ22には、タッチセンサ23と同様の電極がタッチセンサ23よりも狭い範囲に狭い間隔で設けられている。そのため、指紋センサ22はタッチセンサ23よりもきめの細かい、高分解能での画像を形成する。すなわち、指紋センサ22は、操作部20の前面202に接触する指紋の凹凸に基づく静電容量を計測し、2次元の画像を形成することで、指紋の画像を形成する。ただし、指紋センサ22が静電容量方式のものに限定される訳ではない。例えば、指紋センサ22は、Charge Coupled Device(CCD)またはMetal-Oxide-Semiconductor(MOS)イメージセンサの配列であってもよい。指紋センサ22がイメージセンサの配列の場合には、カメラ21と同様の作用で指紋の画像を生成する。
【0015】
ダイヤルスイッチ25は、ユーザが筐体201を時計回りまたは半時計回りに回転させたときに、回転量に対応する物理量、または、電気信号を出力する。車載システム100は、ダイヤルスイッチ25から回転量に応じた物理量の値または、電気信号強度の値を取得する。ダイヤルスイッチ25は、筐体201の筒状の内面に摺動可能に内接する筒状の形状である。
【0016】
ユーザが筐体201を時計回りまたは半時計回りに回転させると、筐体201の内面とダイヤルスイッチ25との接触点が変化し、ダイヤルスイッチ25から引き出された端子間の電気抵抗値、電圧値等が変化する。車載システム100は、ダイヤルスイッチ25の端子間の電気抵抗値、電圧値等の変化から、筐体201の回転量および回転の向きを検知する。例えば、筐体201が時計回りに回転すると、電気抵抗値、電圧値等が初期値から増加(または減少)する。また、例えば、筐体201が反時計回りに回転すると、電気抵抗値、電圧値等が初期値から減少(または増加)する。また、車載システム100は、ダイヤルスイッチ25から出力される端子間の電気抵抗値、電圧値等の変化が基準値以内の場合に、スイッチオフとし、変化が基準値を超える場合に、スイッチオンと判定してもよい。以上の通り、操作部20は、ユーザの回転操作を受け付けることができる。すなわち、操作部20は、物理的に回転可能であってもよい。ただし、ダイヤルスイッチ25は省略されてもよい。ダイヤルスイッチ25は省略される場合、操作部20の筐体201は回転しなくてもよい。操作部20の筐体201が回転しない場合には、操作部20は、タッチセンサ23によって、ユーザの手による回転操作を検知してもよい。
【0017】
なお、ダイヤルスイッチ25は、端子間の電気抵抗値、電圧値等の変化を検出するものに限定される訳ではない。ダイヤルスイッチ25として、例えば、一般的なロータリエンコーダが使用されてもよい。例えば、ダイヤルスイッチ25は、その筒状の側壁に複数の窓が周回方向に設けられ、ダイヤルスイッチ25の筒状の側壁の内側と、外側(筐体201の内面側)との間で、光の透過の有無が判断されるものであってもよい。例えば、筐体201の内面側にLED等の発光部を設け、ダイヤルスイッチ25の筒状の側壁の内側に窓を通過した発光部からの光を受光するフォトダイオード等の受光部を設ければよい。窓の大きさを大中小のように段階的に変更して配列することで、受光部で受光される光量または受光時間が変化する。この変化の方向が大中小となるか否かによって回転の向きも判定可能となる。
【0018】
プッシュスイッチ26は、押圧を受けることで、接点が閉じて、接点間に電気信号が流れて、ユーザの操作を検出する。本実施形態では、ダイヤルスイッチ25と、その下側に設けられたリング204との間にプッシュスイッチ26が4個設けられている。4個のプッシュスイッチ26は、リング204を4分割するそれぞれの円弧の領域、例えば、円形状のリング204をリング204の中心で90度に分割される扇形の円弧の中央位置に配置されている。したがって、ユーザが筐体201を均等に押圧すると、4個のプッシュスイッチ26を同時にオフからオンにすることができる。また、ユーザが、リング204から2つに分割される一方のリング部分の中間付近に対応する筐体201の位置を押圧すると、2個のプッシュスイッチ26をオフからオンにすることができる。さらに、ユーザが、リング204から4つに分割される90度の扇形部分に対応する筐体201の位置を押圧すると、1個のプッシュスイッチ26だけをオフからオンにすることができる。なお、プッシュスイッチ26の数が4個に限定される訳ではなく、1乃至3個でもよいし、5個以上でもよい。プッシュスイッチ26の数が4個未満の場合、車載システム100は、簡易なユーザインターフェースを構築できる。また、プッシュスイッチ26の数が5個以上の場合、車載システム100は、きめ細かくユーザ操作を検知できる。操作部20は、ユーザからの操作を受け付け可能といえる。
【0019】
オプティカルファイバ203は、筐体201の内側の筒状空間で、操作部20の裏面の開口から前面202の開口までの間に束となって挿入されている。オプティカルファイバ203の束は、操作部20の裏面に対向する画面14Aの部分を操作部20の前面202に投影する。
【0020】
図3は、操作部20内のオプティカルファイバ203の束による効果を例示する図である。
図2で述べた通り、オプティカルファイバ203によって操作部20の裏面に対向する画面14Aの部分が操作部20の前面202に投影される。すると、ユーザは、画面14Aの表示が操作部20の前面202に出てくるように視認され、擬人化された車載システム100であるエージェントとの対話感が向上する。すなわち、車載システム100のエージェントとしてのコミュニケーション能力が向上する。
【0021】
図4は、
図3に例示した操作部20の変形例による効果を例示する。すなわち、
図4では、オプティカルファイバ203の束が操作部20の裏面から前面202に至る範囲で徐々に拡大し、テーパ形状となっている。すなわち、オプティカルファイバ203の束において、操作部20の裏面に近い部分ではオプティカルファイバ203間の隙間が狭く密集し、操作部20の前面202に近い部分ではオプティカルファイバ203間の隙間が拡がっている。あるいは、操作部20の裏面に近い部分では1つ1つのオプティカルファイバ203の外径が細く、操作部20の前面202に近い部分ではオプティカルファイバ203の外径が太くなっていてもよい。このようなオプティカルファイバ203の束によって、前面202においては、表示装置14の画面14Aよりも、画像の単位面積あたりの画素数が低下し、きめ細かさ(分解能)が低下するが、画像全体が拡大される。すなわち、操作部20の裏面に対向する画面14Aの部分が拡大されて前面202に投影される。したがって、車載システム100のエージェントとしてのコミュニケーション能力または演出がさらに向上する。操作部20は、ユーザの視覚を介してユーザに情報を提供可能といえる。
【0022】
図5は、車載システム100のハードウェア構成を例示する。車載システム100は、制御部10と、制御部10にインターフェース(I/F)を通じて接続される外部機器を有する。制御部10は、CPU11と、主記憶装置12とを有する。外部機器は、外部記憶装置13、表示装置14、入力部15、通信装置16、マイクロフォン17、操作部20および支援機器群50を有している。
【0023】
CPU11は、主記憶装置12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムを実行し、車載システム100の機能を提供する。CPU11はプロセッサとも呼ばれる。ただし、CPU11は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、CPU11は、単一のソケットで接続される単一のプロセッサであって、マルチコア構成のものであってもよい。さらに、車載システム100の少なくとも一部の処理がDigital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサ、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)等によって提供されてもよい。また、車載
システム100の少なくとも一部が、Field-Programmable Gate Array(FPGA)等の専用large scale integration(LSI)、その他のデジタル回路であってもよい。また、車載シス
テム100の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。
【0024】
主記憶装置12は、単にメモリとも呼ばれ、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置12は、Dynamic Random Access Memory(DRAM)、Static Random Access Memory(SRAM)、Read Only Memory(ROM)等である。
【0025】
外部記憶装置13は、例えば、主記憶装置12を補助する記憶領域として使用され、CPU11が実行するコンピュータプログラム、CPU11が処理するデータ等を記憶する。外部記憶装置13は、ハードディスクドライブ、Solid State Drive(SSD)等であ
る。さらに、車載システム100には、着脱可能記憶媒体の駆動装置を設けてもよい。着脱可能記憶媒体は、例えば、ブルーレイディスク、Digital Versatile Disc(DVD)、Compact Disc(CD)、フラッシュメモリカード等である。
【0026】
表示装置14は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル等である。入力部15は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等である。本実施形態では、ポインティングデバイスとしてタッチパネルが例示される。
【0027】
通信装置16は、無線ネットワーク上の他の装置とデータを授受する。無線ネットワークは、例えば、携帯電話網である。この場合には、通信装置16は、LTE、5G、6G等の携帯網を介して、例えば、インターネットその他のネットワークにアクセスする。
【0028】
マイクロフォン17は、ユーザの音声を取得する。マイクロフォン17は、1個に限定される訳ではなく、複数個設けられてもよい。なお、マイクロフォン17は、操作部20内に設けられてもよい。
【0029】
カメラ21は操作部20の近くに配置されても良く、車室内の任意の場所に配置され得る。カメラ21は、指紋センサ22と同様、CCDまたはMOSイメージセンサの配列を有し、画素配列のデータである画像をCPU11に送信する。CPU11は、所定のフレームレート、例えば、10フレーム/秒から120フレーム/秒等で、カメラ21から映像を取得する。本実施形態では、複数の一連のフレームを含む画像を映像という。また、1つのフレームに含まれるものを単に画像ということにする。
【0030】
スピーカ28は、例えば圧電素子(ピエゾ素子)を有する。スピーカ28は、電気信号が入力され、電気信号を圧電素子(ピエゾ素子)の機械振動に変換し、表示装置14の前面で音を発生させる。スピーカ28は操作部20近くに配置されても良い。また、スピーカ28は車室内の任意の場所に配置されてもよい。
【0031】
図2で述べたように、操作部20は、指紋センサ22、タッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26を有する。これら操作部20の各部はインターフェー
スI/Fを介してCPU11に接続されている。このうち、指紋センサ22、タッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26は、すでに
図2で説明した。
【0032】
支援機器群50は、気温計測機51、湿度計測機52、気象予報情報の取得装置53、路面情報の取得装置54、および空調機器55を含む。CPU11は、インターフェースI/Fを通じて、気温計測機51、湿度計測機52、気象予報情報の取得装置53および路面情報の取得装置54における計測値(または観測データ)を取得する。また、CPU11は、インターフェースI/Fを通じて、空調機器55を制御する。
【0033】
気温計測機51は、車室内の気温を計測する。なお、支援機器群50は、気温計測機51として車室外の気温を計測できるセンサを有してもよい。湿度計測機52は、車室内の湿度を計測する。気象予報情報の取得装置53は、例えば、LTE、5G、6G等の携帯網にアクセスする通信装置、VICS(登録商標)による周波数変調(FM)多重波の受信装置、無線Local Area Network(LAN)にアクセスする通信装置等である。気象予報情報の取得装置53は、車外の無線通信媒体を介してインターネット等の公衆網にアクセスし、気象予報情報を取得し、CPU11に提供する。なお、気象予報情報の取得装置53は、通信装置16と同一の装置であってもよい。
【0034】
路面情報の取得装置54は、例えば、LTE、5G、6G等の携帯網にアクセスする通信装置、VICS(登録商標)によるFM多重波の受信装置、無線LANにアクセスする通信装置等である。路面情報の取得装置54は、車外の無線通信媒体を介してインターネット等の公衆網にアクセスし、路面情報を取得し、CPU11に提供する。なお、路面情報の取得装置53は、通信装置16と同一の装置であってもよい。また、路面情報の取得装置54は、車外の状況を撮影するカメラ、例えば、ドライブレコーダであってもよい。すなわち、路面情報の取得装置54は、画像データで路面情報をCPU11に提供してもよい。
【0035】
<機能例>
図6を参照して、車載システム100の機能を例示する。
図6は、車載システム100が操作部20に表示するシンボルの例である。ここで、シンボルは、車両の周囲の環境または車両の状態に対応する処理に関連する画像ということができる。また、シンボルは、車両の周囲の環境または車両の状態に応じて、車載システム100が推奨する処理の実施を促す象徴的なグラフィック表現(マーク)であり、パターンともいう。また、シンボルは、車載システム100がユーザからの操作を受け付けるための操作部品を表現するためのグラフィック表現ということもできる。車載システム100は、グラフィック表現を用いて、推奨する処理を分かりやすくユーザに伝達する。例えば、操作部20は、オプティカルファイバ203の束によって、操作部20の裏面に対向する表示装置14の画面部分を操作部20の前面202に投影する。また、操作部20は、ダイヤルスイッチ25への操作、プッシュスイッチ26への操作、カメラ21を通じたジェスチャ等により、ユーザの操作を受け付ける。したがって、操作部20は、シンボルで表示された操作を受け付ける操作部品として動作する。ただし、車載システム100は、操作部20の他、マイクロフォン17を通じた音声等により、ユーザの操作を受け付けてもよい。
【0036】
図6のAは、車両の不調または要注意事項が検知されたときに操作部20の前面202の中央付近に表示されるシンボルである。車両の不調または要注意事項が検知されたときは、車両の部品が点検、整備または交換を要する状態にあると判断される時期ということもできる。車載システム100は、そのときの状況に対して最も適切な処理をスピーカ28から音声で指示する。そして、シンボルが表示された操作部20は、カスタマーセンタへの直通ボタンになる。すなわち、車載システム100は、例えば、操作部20のタッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26等への操作、または、カメラ
21で撮影されたジェスチャ等を通じて、ユーザの操作を受け付ける。そして、車載システム100は、カスタマーセンタへ検知された状況を連絡する。ここで、不調または要注意事項とは、例えば、バッテリにおける異常検知、ラジエータの温度の急上昇または温度が高温に維持されていること等である。
【0037】
図6のBは、車両のメンテナンス時期に操作部20に表示されるシンボルである。車載システム100は、車両のメンテナンス時期に、スピーカ28から音声で車両のメンテナンス時期になったことをユーザに知らせる。また、車載システム100は、メンテナンス業者への連絡の要否をユーザに確認する。そして、シンボルが表示された操作部20は、メンテナンス業者への連絡スイッチになる。車載システム100は、例えば、操作部20のタッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26等への操作、または、カメラ21で撮影されたジェスチャ等を通じて、ユーザの操作を受け付ける。そして、車載システム100は、メンテナンスの要否、希望日程等をメンテナンス業者に連絡する。また、車載システム100は、ユーザの操作に応答し、メンテナンス業者に架電する。
【0038】
図6のCは、車両の窓ガラスが曇ると予測される場合に、車両の窓ガラスが曇る前に操作部20に表示されるシンボル(デフロスタのマーク)である。車載システム100は、通信装置16または気象予報情報の取得装置53を介して、インターネット上の情報配信サーバから、刻々、現在の気象情報および気象の予報情報を取得している。ここで、情報配信サーバは、例えば、情報提供業者が運用するサーバである。ただし、車載システム100は、例えば、気象庁のウェブサイトから、気象情報、防災情報等を取得してもよい。また、車載システム100は、気温計測機51により車室内の温度および車室外の温度をモニタしている。また、車載システム100は、湿度計測機52により車室内の湿度をモニタしている。
【0039】
そして、車載システム100は、気象に関連する情報として、現在の気象情報、気象の予報情報、車室内外の温度、および車室内の湿度の少なくとも1つを用いて、車両の窓ガラスが曇る時期または結露する時期を予測する。車載システム100は、車両の窓ガラスが曇る時期または結露する時期から所定時間前にデフロスタのシンボルを操作部20に表示し、音声とともにユーザに操作を促す。車載システム100は、例えば、操作部20のタッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26等への操作、または、カメラ21で撮影されたジェスチャを通じて、ユーザの操作を受け付け、空調機器55のデフロスタ機能を作動させる。なお、「所定時間前」が具体的にいつかについては、例えば、車両メーカ、販売業者、またはメンテナンス業者等の経験値で決定され、外部記憶装置13等に保存されていてもよい。また、「所定時間前」の値は、ユーザごとに個別に設定され、外部記憶装置13等に保存されていてもよい。
【0040】
図6のDは、路面が凍結されると予測される場合に、実際の凍結前に操作部20に表示されるシンボル(雪による凍結の表示)である。車載システム100は、路面情報の取得装置54を介して、インターネット上の情報配信サーバから、刻々、路面情報を取得している。路面情報のうち、例えば、路面凍結情報は、路面凍結が予測される当日の時間帯と、エリアを含む。また、例えば、路面凍結情報は、現在時点から数時間の範囲で路面凍結が予測されるエリアを含む。エリアは、例えば、数キロ×数キロから数十キロ×数十キロ等のメッシュで、緯度と経度で指定される。ここで、情報配信サーバは、例えば、上述と同様、情報提供業者が運用するサーバである。路面情報の情報配信サーバは、現在の気象情報および気象の予報情報を配信するサーバと同一のサーバであっても、異なるサーバであってもよい。また、車載システム100は、車外を撮影可能なカメラ、例えば、ドライブレコーダで取得される画像から路面の状態を取得してもよい。
【0041】
そして、車載システム100は、現在の気象情報、気象の予報情報、車室外の温度、路
面凍結情報およびカメラで撮影した路面の状態の少なくとも1つから、現在の路面の状態を判定する。また、車載システム100は、現在位置、現在の進行方向、および現在の速度(例えば、所定時間間隔ごとの平均速度)から、路面凍結エリアに入る時期を予測する。また、車載システム100は、現在位置、カーナビゲーションシステムでの目的地および現在の速度(例えば、所定時間間隔ごとの平均速度)から、路面凍結エリアに入る時期を予測する。
【0042】
車載システム100は、路面の凍結が予測される時期から所定時間前に路面凍結のシンボルを操作部20に表示し、ユーザに操作を促す。車載システム100は、例えば、操作部20のタッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26等への操作、または、カメラ21で撮影されたジェスチャを通じて、ユーザの操作を受け付け、運転モードをスノーモードに設定する。なお、「所定時間前」が具体的にいつかについては、例えば、車両メーカ、販売業者、またはメンテナンス業者等の経験値で決定され、外部記憶装置13等に保存されていてもよい。また、「所定時間前」の値は、ユーザごとに個別に設定され、外部記憶装置13等に保存されていてもよい。
【0043】
なお、ここでは、運転モードとして、スノーモードを例示したが、車載システム100による運転モードの設定は、スノーモードの設定に限定される訳ではない。車載システム100は、ナビゲーションシステムが利用する地図情報から、例えば、走行中の経路、例えば、目的地までの経路がアップダウンまたはカーブの多い、スポーツモードに合致する状況を判断する。そして、経路がスポーツモードに合致する状況の場合、車載システム100は、音声と、スポーツモード(パワーモードともいう)を示すシンボルでユーザにスポーツモードの設定を促してもよい。そして、操作部20から操作を受け付けたときに、車載システム100は、走行モードをスポーツモードに設定すればよい。
【0044】
図7は、車載システム100の機能構成を例示する機能ブロック図である。車載システム100は、制御部10と、検出部9と、操作部20とを有する。検出部9は、車両の周囲の環境または車両の各部の状態を監視し、環境情報または各部の状態を検知する。検出部9は、例えば、気温計測機51、湿度計測機52、通信装置16、気象予報情報の取得装置53、路面情報の取得装置54等である。なお、検出部9は、バッテリの電圧センサ、電流センサ、ラジエータの温度センサ、ドライブレコーダのカメラ等を含んでもよい。制御部10は、コンピュータプログラムの処理により、変化検出部101、出力部102、受付部103、および処理部104として機能する。変化検出部101は、検出部9で検出された環境の情報または各部の状態を基に、環境または状態の変化を検知し、出力部102を介して、ユーザに操作を促す情報を操作部20に出力する。出力部102は、例えば、表示装置14と操作部20のスピーカ28を含む。すなわち、制御部10は、環境または状態の変化に対応して、表示装置14から操作部20にシンボルを出力するとともに、音声でユーザに操作を促す。受付部103は、操作部20のタッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26、カメラ21等を通じてユーザの操作を受け付ける。処理部104は、ユーザから受け付けた操作にしたがい、対応する処理を実行する。実行される処理は、たとえば、例えば、車両の各部への設定または業者のシステムとの連携である。車両の各部への設定は、空調機器55の制御、車両のドライブモードの切り替え等である。業者のシステムとの連携は、例えば、カスタマーセンタへの連絡、メンテナンス業者への連絡、架電等の処理である。
【0045】
<処理例>
図8は、車載システム100における運転支援処理を例示する図である。車載システム100のCPU11は、主記憶装置12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、
図8の運転支援処理を実行する。なお、運転支援処理は、例えば、車載システム100が起動中に常時または所定の時間間隔で実行される。
【0046】
この処理では、車載システム100は、車両の周囲の環境および車両の状態を監視し、環境または状態に変化があったか否かを判定する(S1)。ここで、車両の周囲の環境とは、現在の気象情報、気象の予報情報、路面凍結の情報、路面の画像、車外の気温等である。また、車両の状態とは、バッテリの充電状態、ラジエータの温度、車室内外の温度、車室内の湿度等である。また、環境または状態の変化は、例えば、バッテリでの異常の検知、ラジエータの温度が急速に上昇していていること、ラジエータの温度が基準値よりも高温になったこと等である。また、環境または状態の変化とは、窓ガラスの曇りまたは結露が所定時間内に予測されること、路面の凍結が所定時間内に予測されること、メンテナンス時期を示すタイマイベントの発生等であってもよい。
【0047】
S1で車両の周囲の環境および車両の状態を監視し、環境または状態に変化があったと判断される場合は、車両の部品が点検、整備または交換を要する状態にあると判断される場合である。また、この場合は、例えば、車両のメンテナンスを手配する時期になった場合である。また、この場合は、例えば、車両の窓が曇ると判断される場合である。また、この場合は、例えば、路面の状態に応じて前記車両の走行モードを切り替えることが望ましいと判断される場合である。
【0048】
環境または状態に変化がない場合(S2でNO)、車載システム100は、制御をS1に戻し、処理を継続する。一方、環境または状態に変化があった場合(S2でYES)、車載システム100は、環境または状態の変化に対して、提案できる機能があるか否かを判定する(S3)。
【0049】
そして、提案できる機能がある場合(S3でYES)、その機能を実行するための操作を所定時間促す(S4)。ここで、操作を促し続ける所定時間は、経験的、実験的に決定されてもよい。また、所定時間は、ユーザごとに個別に設定されてもよい。また、S3の処理では、車載システム100は、音声と、
図6に例示したシンボルの表示とによってユーザに操作を促す。したがって、S4の処理は、車両の周囲の環境または車両の状態に対応する処理に関連する画像を第2の表示面である前面202に表示することの一例といえる。車載システム100は、例えば、操作部20によって実現される操作部への操作を促す。すなわち、操作は、カスタマーセンタへの直通ボタンに対する操作、メンテナンス業者への連絡スイッチに対する操作、デフロスタの作動させる操作部への操作、運転モードを設定する操作部への操作等である。そして、車載システム100は、所定時間以内にユーザの操作があったか否かを判定する(S5)。所定時間以内にユーザの操作があった場合(S5でYES)、車載システム100は、操作部20で受け付けた操作に対応する処理を実行し、機能を提供し、走行する(S6)。すなわち、車載システム100は、例えば、カスタマーセンタへの連絡、メンテナンス業者への連絡、デフロスタの作動、運転モードの設定等を実行し、走行する。S6の処理は、ユーザからの操作により処理の実行を受け付けることの一例といえる。また、S6の処理は、業者に点検、整備または交換を依頼する処理の実行を受け付けることの一例といえる。また、S6の処理は、業者にメンテナンスを依頼する処理の実行を受け付けることの一例といえる。また、S6の処理は、デフロスタを作動する処理の実行を受け付けることの一例といえる。また、S6の処理は、走行モードを切り替える処理の実行を受け付けることの一例といえる。
【0050】
一方、所定時間以内にユーザの操作がない場合(S5でNO)、車載システム100は、処理をS8に進める。また、提案できる機能がない場合(S3でNO)、車載システム100は、通常の走行を行う(S7)。そして、車載システム100は、処理を終了するか否かを判定する(S8)。車載システム100は、処理を終了しない場合、制御S1に戻し、処理を継続する。
【0051】
なお、S8の判定の実行は、S6またはS7の処理の後に限定される訳ではない。すなわち、車載システム100は、走行中は、S1からS7までの処理を継続して実行すればよい。そして、ユーザから終了の指示を受けたときに、S8の判定を行い、処理を終了すればよい。
【0052】
<実施形態の効果>
以上述べたように、本実施形態の車載システム100は、操作部20を有する。車載システム100は、第1の表示部としての表示装置14の反対側の筐体201の面である前面202に第2の表示部としての表示機能有するとともに、ユーザの入力を受付ける操作部20を備える。したがって、ユーザは表示装置14とは異なる第2の表示部としての操作部20に表示された情報を把握しつつ、操作部20を操作できる。このため、車載システム100は、操作性を高めたユーザインターフェースを提供できる。そして、車載システム100は、CPU11と主記憶装置12が制御部10として
図8に例示した処理を実行する。すなわち、車載システム100は、車両の周囲の環境または車両の状態に対応する処理に関連する画像であるシンボルを操作部20の前面202に表示する。すなわち、車載システム100は、車両の周囲の環境または車両の状態に応じて、例えば、推奨する処理の実施を受け付けるためのシンボルを操作部20の前面202である表示面に表示する。そして、車載システム100は、ユーザからの操作により処理の実行を受け付ける。ユーザは、車両の周囲の環境および車両の状態に応じてシンボルが表示された操作部20を操作すればよい。ユーザの操作は、タッチセンサ23、ダイヤルスイッチ25、プッシュスイッチ26,カメラ21等を通じて、車載システム100に受け付けられる。すなわち、操作部20は、これらの操作を受け付ける操作部品として機能する。
【0053】
車載システム100は、車両の周囲の環境および車両の状態から、ある程度の時間をかけて、ユーザに、車両を利用するときの様々な状況に円滑に対応できるように支援することができる。例えば、車載システム100は、窓ガラスが曇ると予想される時期、路面が凍結されると予想される時期から所定時間前にユーザに操作を促す。したがって、ユーザには判断する余裕が与えられ、車両の周囲の環境および車両の状態の変化に戸惑う状況が改善される。
【0054】
また、車載システム100は、車両の部品が点検、整備または交換を要する状態にあると判断すると音声でユーザにその判断内容を報知する。また、車載システム100は、音声での報知とともに、メンテナンス業者、車両の販売会社、修理業者等に点検、整備または交換を依頼する操作のためのシンボルを操作部20に表示する。ユーザは、シンボルが表示された操作部20を操作することで、メンテナンス業者に点検、整備または交換を依頼することができる。すなわち、車載システム100は、操作部20により、車両の周囲の環境および車両の状態から推奨すべき処理を提示して操作を促すとともに、その操作部20により、その処理を実行するための操作を受け付ける。したがって、ユーザは車両の周囲の環境および車両の状態の変化に対応する場合に、戸惑う状況が改善され、ユーザの直感的な判断と直接的な操作が可能となる。
【0055】
また、車載システム100は、車両のメンテナンスを手配する時期になると音声でユーザに車両のメンテナンスを促すとともに、メンテナンス業者にメンテナンスを依頼する操作のためのシンボルを操作部20に表示する。ユーザは、シンボルが表示された操作部20を操作することで、メンテナンス業者にメンテナンスを依頼することができる。
【0056】
また、車載システム100は、気象に関連する情報を取得し、車両の窓が曇るか結露すると判断すると音声でユーザにその判断内容を報知するとともに、デフロスタ機能を作動させるためのシンボルを操作部20に表示する。ユーザは、シンボルが表示された操作部20を操作することで、空調機器55のデフロスタ機能を作動できる。
【0057】
また、車載システム100は、路面の状態に関連する情報を取得し、路面の状態に応じて車両の走行モードを切り替える操作のためのシンボルを操作部20に表示する。ユーザは、シンボルが表示された操作部20を操作することで、路面の状態に応じて車両の走行モードを設定できる。
【0058】
また、操作部20は、操作部20の裏面と、操作部20の前面202との間には、裏面に対向する画面に表示された画像を操作部の前面202に投影するオプティカルファイバ203が設けられている。このため、ユーザは、画面14Aの表示が操作部20の前面202に出てくるようになり、視認性が向上する。また、車載システム100は、操作部20でのシンボルの表示と音声の少なくとも一方で、ユーザに操作を促し、ユーザの操作を受け付けるので、車両の周囲の環境および車両の状態の変化に対応する操作を行う場合の戸惑いも軽減される。
【0059】
<変形例>
図8に例示した車載システム100の処理の少なくとも一部をインターネット等のネットワーク上のサーバが実行してもよい。例えば、
図8のS1の処理において、車載システム100は、車両の周囲の環境または車両の状態をネットワーク上のサーバに刻々通知してもよい。ネットワーク上のサーバは、車載システム100から通知された車両の周囲の環境および車両の状態基に、環境または状態に変化があったか否かを判定し、判定結果を車載システム100に返信してもよい。このような外部のサーバを利用することで、車載システム100は、外部のサーバのデータ処理能力を活用し、高度なサービスをユーザに提供できる。
【0060】
<コンピュータが読み取り可能な記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0061】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コンピュータ
等に固定された記録媒体としても利用可能である。
【符号の説明】
【0062】
9 検出部
10 制御部
11 CPU
12 主記憶装置
13 外部記憶装置
14 表示装置
15 入力部
16 通信装置
17 マイクロフォン
20 操作部
21 カメラ
22 指紋センサ
23 タッチセンサ
25 ダイヤルスイッチ
26 プッシュスイッチ
28 スピーカ
30 支持機構
100 車載システム
101 変化検出部
102 出力部
103 受付部
104 処理部
201 筐体
203 オプティカルファイバ