IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社Vanwavesの特許一覧

<>
  • 特開-サウナストーブ及びサウナセット 図1
  • 特開-サウナストーブ及びサウナセット 図2
  • 特開-サウナストーブ及びサウナセット 図3
  • 特開-サウナストーブ及びサウナセット 図4
  • 特開-サウナストーブ及びサウナセット 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123239
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】サウナストーブ及びサウナセット
(51)【国際特許分類】
   F24C 5/02 20210101AFI20230829BHJP
   F23Q 25/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
F24C5/02 A
F23Q25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027196
(22)【出願日】2022-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月8日 サウナランドフェス2021主催者請求書 1 令和3年6月10日 サウナランドフェス2021主催者ホームページ 1 令和3年7月21日 出願人ホームページ 1 令和3年11月1日 出願人ホームページ 1
(71)【出願人】
【識別番号】520437962
【氏名又は名称】株式会社Vanwaves
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】深田 渚央
(57)【要約】
【課題】簡易にサウナ利用が可能となるためのサウナストーブ及びサウナセットを提供する。
【解決手段】本発明の一観点に係るサウナストーブは、液体燃料容器と、液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有する。
また、本発明の他の一観点に係る簡易サウナセットは、液体燃料容器と、液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有するサウナストーブと、サウナストーブを設置するとともに、蒸気を充満させる蒸気室を形成するためのテントと、を有する。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料容器と、
前記液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、
前記燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、
前記燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有するサウナストーブ。
【請求項2】
前記液体燃料容器が収容する液体燃料は、エタノールである請求項1記載のサウナストーブ。
【請求項3】
前記液体燃料の燃焼を止めるための火消蓋を備えており、
前記火消蓋は、
引掛孔が形成された板材と、
前記板材の前記引掛孔に挿入される突起部、把持するための把持部、前記突起部と前記把持部の中間にある中間部、前記中間部に設けられ前記板材にくっつけるための磁石を備えた支持棒と、を有する請求項1記載のサウナストーブ。
【請求項4】
前記燃焼室部材は、前面に開口部が形成され、
前記開口部を開閉可能に覆う開閉扉を有する請求項1記載のサウナストーブ。
【請求項5】
前記開閉扉に、導入空気量を調節する空気調整部、及び、内部を観測する観測窓を有する請求項4記載のサウナストーブ。
【請求項6】
前記支持脚は、細棒により形成される請求項1記載のサウナストーブ。
【請求項7】
液体燃料容器と、前記液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、前記燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、前記燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有するサウナストーブと、
前記サウナストーブを設置するとともに、蒸気を充満させる蒸気室を形成するためのテントと、を有する簡易サウナセット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナストーブ及びサウナセットに関する。
【背景技術】
【0002】
サウナは、燃焼炉を備え、燃焼炉で燃料を燃焼させて燃焼炉に載置した石を高温にするとともに、この石に水をかけて蒸気を発生し、サウナ室内に蒸気を充填させることでサウナ室内の利用者に発汗を促す蒸し風呂であり、近年その人気が非常に高まっている。
【0003】
サウナは、一般に、浴室と、浴室内に設置されるサウナストーブを有して構成される。サウナストーブに関しては、例えば下記非特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://onsen.community2.fmworld.net/articles/12084/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなサウナストーブは一般に備え付けであり、その施設に行かなければサウナの利用が難しいといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、簡易にサウナ利用が可能となるためのサウナストーブ及びサウナセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の一観点に係るサウナストーブは、液体燃料容器と、液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有するものである。
【0008】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、液体燃料容器が収容する液体燃料は、エタノールであることが好ましい。
【0009】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、液体燃料の燃焼を止めるための火消蓋を備えており、火消蓋は、引掛孔が形成された板材と、板材の引掛孔に挿入される突起部、把持するための把持部、突起部と把持部の中間にある中間部、中間部に設けられ板材にくっつけるための磁石を備えた支持棒と、を有することが好ましい。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、燃焼室部材は、前面に開口部が形成され、開口部を開閉可能に覆う開閉扉を有することが好ましい。
【0011】
開閉扉に、導入空気量を調節する空気調整部、及び、内部を観測する観測窓を有することが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけでは無いが、支持脚は、細棒により形成されることが好ましい。
【0013】
また、本発明の他の一観点に係る簡易サウナセットは、液体燃料容器と、液体燃料容器を収容するとともに排気する煙突を備える燃焼室部材と、燃焼室部材を設置面から離間させて支持する支持脚と、燃焼室部材の天井部材の周縁に設けられる支板と、を有するサウナストーブと、サウナストーブを設置するとともに、蒸気を充満させる蒸気室を形成するためのテントと、を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によって、簡易にサウナ利用が可能となるためのサウナストーブ及びサウナセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るサウナストーブの概略を示す図である。
図2】本実施形態に係るサウナストーブの概略を示す図である。
図3】本実施形態に係る火消蓋の概略を示す図である。
図4】本実施形態に係る火消蓋の概略を示す図である。
図5】本実施形態に係るテントの概略を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、また以下に示す実施形態、実施例において記載される具体的な例示についても適宜変更及び調整が可能であり、これらに限定されるものではない。
【0017】
図1、2は、本実施形態に係るサウナストーブ(以下「本ストーブ」という。)1の概略を示す図である。具体的に図2は、石を本ストーブに乗せた場合の概略図であり、図1は石を載せていない場合の概略図である。
【0018】
本図で示すように、本ストーブ1は、液体燃料容器2と、液体燃料容器2を収容するとともに排気する煙突3を備える燃焼室部材4と、燃焼室部材4を設置面Gから離間させて支持する支持脚5と、燃焼室部材4の天井部材43の周縁431に設けられる支板6と、を有するものである。
【0019】
また図3は、本ストーブ1における液体燃料容器2、並びに、火消蓋7、具体的にはその鋼製部材である板材7及び支持棒72の概略を示すものであり、図4は、板材71及び支持棒72の断面の概略を示す図である。
【0020】
上記図で示されるように、本ストーブ1における液体燃料容器2は、液体燃料を収容することができる空間を備えたものであり、底面部材21及び側面部材22を備え、上面に開口部23が形成されている。また、液体燃料容器2の上面には、板材7が開口部23に入ってしまわないよう板材7を支える縁部24が形成されている。改めて後述するが板材7はこの縁部24によって支えられ、液体燃料容器2の蓋となる。
【0021】
また、本ストーブ1において、限定されるわけでは無いが、液体燃料容器2が収容する液体燃料は、エタノールであることが好ましい。燃料にエタノールを用いることで燃焼させたとしても水と二酸化炭素しか発生せず、木材や石油等を用いた場合に比べ、極めて煤や煙等が発生しにくいといった利点があり、室内において燃焼させても問題は少ない。特に後述のテントなどの狭い空間であっても燃焼させて水と二酸化炭素しか生じさせず、特に燃焼によって水を多く発生させるため、サウナの燃料としては最適である。また、植物を発酵させる等によって製造されるバイオエタノールを用いることで、近年積極的に導入されている環境に対する持続可能性を高めることができるといった利点もある。
【0022】
また、本ストーブ1における燃焼室部材4は、本ストーブ1の骨格をなす主要な部材であり、液体燃料容器2を収容するとともに排気する煙突3を備えている。
【0023】
本ストーブ1の燃焼室部材4は、上記の通り液体燃料容器2を収容するものであるとともに、内部で液体燃料を燃焼させることができる内部空間を備えたものである。具体的には、底面部材41と、側壁部材42、天井部材43と、を備えており、底面部材41上に上記液体燃料容器2を設置できるようにしておくことが好ましい。なお、液体燃料容器2については、取り外しが可能なものとしておいてもよいが、溶接等によって燃焼室部材4に固定されていてもよい。
【0024】
また、本ストーブ1の燃焼室部材4の内部空間には煙突3が接続されており、天井部材43を貫通して外部に発生する水及び二酸化炭素並びに熱を排出させることができる。煙突3の高さは適宜調節可能であるが、設置面から1m以上2m以下の範囲でその先端が設けられていることが好ましい。
【0025】
また、本ストーブ1の燃焼室部材4の天井部材43の上側には石を搭載することができ、この石は内部空間において液体燃料を燃焼させた場合に熱せられることになる。そしてこの石に水をかけることで蒸気を発生させて室内に蒸気を充満させるいわゆるロウリュを行うことができる。
【0026】
また、石を安定的に配置させるため、本ストーブ1燃焼室部材4の天井部材43の周縁431には支板6が設けられている。支板6を設けることで、石を積んでもこぼれにくくなり、またロウリュを行った際に余分な水が側壁に滴り落ちてしまうことを防ぐことができるようになる。なお支板6は、その天井部材43の周縁431全体を覆ってもよいが、開閉扉44が設けられている前面側及びその両側面側の一部のみを覆い、その他の部分において設けられていない部分を備えていてもよい。このようにすることで、デザイン性が優れるものとなるだけでなく、全体を覆いすぎて蒸気等の逃げ場をふさいでしまうことや使用後の洗浄等をしやすくすることができるといった利点がある。
【0027】
また、本ストーブ1の燃焼室部材4は、側壁部材42の一つである前面に開口部421が形成され、開口部421を開閉可能に覆う開閉扉44を有することが好ましい。この開口部421を設けることで、内部に収容される液体燃料容器2内に液体燃料を供給することが可能となる。
【0028】
また、本ストーブ1の燃焼室部材4において、開閉扉44には、導入空気量を調節する空気調整部441を有することが好ましい。空気調整部441は、つまみ4411とこのつまみに固定される切りかかれた板部材4412を備えており、開閉扉44につまみを回転可能としつつ固定されている一方、開閉扉44にはこの切りかかれた板部材4412に合わせた形状の孔が形成されている。このような構成を採用することで、つまみ4411を回転させることで孔を開いた状態にする、又は閉じた状態にすることが可能となる。
【0029】
また、本ストーブ1の燃焼室部材4において、開閉扉44には、内部空間を観測する観測窓442が設けられていることが好ましい。この観測窓442を設けることで内部を確認する、より具体的には火力の状態及び炎を見ることが可能となり、視覚からサウナとしての効果を高めることが可能となる。
【0030】
また、本ストーブ1は、燃焼室部材4を設置面Gから離間させて支持する支持脚5を備えている。支持脚5を備えることで、設置面から熱源を離し、床に損傷を与えてしまうといったおそれを防止できる。
【0031】
また、本ストーブ1において、支持脚5は、上記機能を有するものである限りにおいて限定されるわけでは無いが、細棒によって形成されること、より具体的には細棒を折り曲げることにより脚として構成されていることが好ましい。細棒によって形成されることでより少ない設置面積となり、床に対する損傷の可能性を抑えることが可能となる。
【0032】
また、本ストーブ1では、液体燃料の燃焼を止めるための火消蓋7を備えている。この構成は上記示したとおりであるが、具体的に説明すると、火消蓋7は、引掛孔711が形成された板材71と、板材71の引掛孔711に挿入される突起部721、把持するための把持部722、突起部721と把持部722の中間にある中間部723、中間部723に設けられ板材にくっつけるための磁石724を備えた支持棒72と、を有することが好ましい。
【0033】
板材71は、火消蓋7の実質的な本体部材であり、液体燃料容器2の上面開口部を覆い、液体燃料が収容されている場合はこれを蓋として用い液体燃料の蒸発を防ぐことが可能となる一方、液体燃料が燃焼している状態でこの燃焼を終了させたい場合、上面開口部に設置することで酸素欠乏状態を作り出して燃焼を終了させることができるようになる。
【0034】
板材71は、上記の通り燃焼を終了させるとともに未使用時に液体燃料の蒸発を抑えることができる限りにおいて限定されるわけでは無いが、磁石をくっつけることができることが好ましく、磁性のある金属、具体的には鉄を含んで構成されていることが好ましい。
【0035】
また火消蓋7の支持棒72は上記のとおりであり、板材71から着脱可能に構成されている。より具体的には、支持棒72は、使用者が把持するための把持部722を設けており、その先には、中間部723、その先の突起部721が設けられている。突起部721は上記の通り、板材71に開けられた引掛孔711に挿入されるものであり、突起部721を挿入することで板材71と支持棒72の接続関係(支持方向等)を固定することが可能となる。また、中間部723には磁石724が固定されているため、これにより支持棒72と板材71とを着脱可能に固定することができる。このイメージについては上記図3、4に示すとおりである。
【0036】
支持棒72は、限定されるわけでは無いが、高熱の部材に接触しても変形しない程度に固い材質であることが好ましく、金属であることが好ましい。金属を用いることで高温であっても発火するおそれがない。なお、金属とすることで、例えば液体燃料を発火させる際、板材71から分離した支持棒72の突起部721を液体燃料に浸し、突起部を手元に引き寄せて着火させ、この突起部の炎を液体燃料に接触させることで液体燃料の燃焼を開始させることが可能になる。
【0037】
また、本ストーブ1は、サウナストーブを設置するとともに、蒸気を充満させる蒸気室を形成するためのテント8と、を有することで、屋外においても簡便にサウナとして利用することができるようになる。この場合のイメージ図を図5に示しておく。これにより、どのような室内、たとえテントであっても快適にサウナを楽しむことが可能となる。
【0038】
以上、本ストーブ1及びテント8によって、簡易にサウナ利用が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、サウナストーブ及びサウナセットとして産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3
図4
図5