(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123335
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230829BHJP
G06Q 10/02 20120101ALN20230829BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022159141
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2022540801の分割
【原出願日】2022-02-24
(71)【出願人】
【識別番号】515158272
【氏名又は名称】株式会社PECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 純
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】動物患者に適切な輸送手段を提供することができるようにする。
【解決手段】獣医療を支援するシステムであって、動物の飼い主に対して質問を送信し、質問に対する回答を受信する問診部と、回答を出力する回答出力部と、動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、動物の検体を回収するか、動物を来院させるかを示す行動情報を取得する行動情報取得部と、行動情報が検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、動物を輸送する移動体を予約する予約部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
獣医療を支援するシステムであって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信する問診部と、
前記回答を出力する回答出力部と、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約する予約部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の獣医療支援システムであって、
前記回答に対応付けて前記行動情報を決定するための決定情報を記憶する決定情報記憶部をさらに備え、
前記行動情報取得部は、受信した前記回答に対応する前記決定情報を前記決定情報記憶部から読み出し、読み出した前記決定情報に基づいて前記行動情報を決定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記検体の回収を行うことが可能な看護師を特定する情報を記憶する記憶部と、
前記行動情報が前記検体を回収する場合に、前記記憶部を参照して、前記移動体により前記検体を回収しに行く看護師を決定するアサイン部と、
をさらに備えることを特徴とする獣医療支援システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の獣医療支援システムであって、
前記回答に基づいて前記行動情報を判定する判定部をさらに備え、
前記行動情報取得部は、判定結果を獣医療関係者に対して出力し、前記獣医療関係者から前記行動情報の入力を受け付けること、
を特徴とする獣医療支援システム。
【請求項5】
獣医療を支援する方法であって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信するステップと、
前記回答を出力するステップと、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得するステップと、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
【請求項6】
獣医療を支援するためのプログラムであって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信するステップと、
前記回答を出力するステップと、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得するステップと、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、獣医療支援システム、獣医療支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には動物の緊急搬送を行うシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動物患者に対して輸送手段を提供することは重要である。しかし、通院するまでもない状態の患者動物まで全て輸送することは飼主にとっても獣医療機関にとっても負担が大きい。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、動物患者に適切な輸送手段を提供することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、獣医療を支援するシステムであって、動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信する問診部と、前記回答を出力する回答出力部と、前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得する行動情報取得部と、前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約する予約部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動物患者に適切な輸送手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】管理サーバ20の動作について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
獣医療を支援するシステムであって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信する問診部と、
前記回答を出力する回答出力部と、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得する行動情報取得部と、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約する予約部と、
を備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目2]
項目1に記載の獣医療支援システムであって、
前記回答に対応付けて前記行動情報を決定するための決定情報を記憶する決定情報記憶部をさらに備え、
前記行動情報取得部は、受信した前記回答に対応する前記決定情報を前記決定情報記憶部から読み出し、読み出した前記決定情報に基づいて前記行動情報を決定すること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目3]
項目1又は2に記載の獣医療支援システムであって、
前記検体の回収を行うことが可能な看護師を特定する情報を記憶する記憶部と、
前記行動情報が前記検体を回収する場合に、前記記憶部を参照して、前記移動体により前記検体を回収しに行く看護師を決定するアサイン部と、
をさらに備えることを特徴とする獣医療支援システム。
[項目4]
項目1ないし3のいずれか1項に記載の獣医療支援システムであって、
前記回答に基づいて前記行動情報を判定する判定部をさらに備え、
前記行動情報取得部は、判定結果を獣医療関係者に対して出力し、前記獣医療関係者から前記行動情報の入力を受け付けること、
を特徴とする獣医療支援システム。
[項目5]
獣医療を支援する方法であって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信するステップと、
前記回答を出力するステップと、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得するステップと、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約するステップと、
をコンピュータが実行することを特徴とする獣医療支援方法。
[項目6]
獣医療を支援するためのプログラムであって、
動物の飼い主に対して質問を送信し、前記質問に対する回答を受信するステップと、
前記回答を出力するステップと、
前記動物を来院させずに獣医師の判断を伝えるか、前記動物の検体を回収するか、前記動物を来院させるかを示す行動情報を取得するステップと、
前記行動情報が前記検体を回収すること又は前回来院させることを示す場合に、前記動物を輸送する移動体を予約するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0011】
<システムの概要>
以下、本発明の一実施形態に係る獣医療支援システムについて説明する。本実施形態の獣医療支援システムは、自宅と獣医療時間との間で動物患者1(及び飼主2)を輸送する移動体3の予約(移動体3を特定の期間中、動物患者1(及び飼主2)のために利用可能に設定することをいう。)を行う。移動体3は例えば自動車である。
【0012】
図1は、獣医療支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の獣医療支援システムは、管理サーバ20を含んで構成される。管理サーバ20は、ユーザ端末10及び獣医療機関端末30と通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0013】
ユーザ端末10は、飼主2が操作するコンピュータであり、例えばスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。ユーザ端末10はカメラ機能を備えることができる。飼主2はユーザ端末10を操作して管理サーバ20に対して動物患者1を移動体3により獣医療機関まで輸送する依頼(以下、輸送依頼という。)を送信することができる。また、飼主2は、ユーザ端末10を操作して問診に対する回答を行うことができる。
【0014】
獣医療機関端末30は、獣医療機関の従業者が操作するコンピュータであり、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。獣医療機関の従事者は、例えば、獣医師、看護師4、スタッフ5などを含む。獣医療機関端末30は管理サーバ20からのメッセージを受信して従事者に対して出力することができる。
【0015】
管理サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。管理サーバ20は、ユーザ端末10からの輸送依頼に応じて、問診を行い、問診結果を獣医療機関端末30に送信することができる。
【0016】
本実施形態の獣医療支援システムでは、移動体3の予約を行うにあたり、飼主2に対して動物患者1の状態を問う問診を行い、問診の結果に応じて、遠隔診療を行うか、動物患者1の検体を回収するか、依頼どおりに動物患者1を獣医療機関に来院させるかを決定する。来院させると決定された場合には移動体3が予約される。
【0017】
遠隔診療とは、動物患者を獣医療機関に輸送せずに獣医師の判断を伝えることをいう。例えば、電話やビデオ通話などにより獣医師と飼主2とが会話するようにしてもよいし、電子メールやチャット、テキストメッセージなどにより獣医師の判断を飼主2に伝達するようにしてもよい。この場合、問診の結果のみから獣医師の判断がなされるようにしてもよいし、飼主2がユーザ端末10を撮影した写真や動画を獣医療機関端末30に送信し、この画像に基づいて判断がなされるようにしてもよい。
【0018】
検体の回収とは、血液や尿、排泄物などの検体を採取して獣医療機関に持ち帰ることをいう。獣医療機関(又は獣医療機関から委託された外部機関)で当該検体の検査を行い、検査結果がユーザ端末10に伝達されるようにすることができる。ここで必要に応じて獣医療機関への来院を提案するようにすることもできる。
【0019】
<管理サーバ>
図2は、管理サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。管理サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワーク3に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する管理サーバ装置20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0020】
図3は、管理サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。管理サーバ20は、飼主情報記憶部231、動物情報記憶部232、医療機関情報記憶部233、移動体情報記憶部234、輸送予約情報記憶部235、質問記憶部236、回答記憶部237、決定情報記憶部238、従事者情報記憶部239、輸送依頼受信部211、問診部212、回答出力部213、行動情報取得部214、判定部215、予約部216、を備える。
【0021】
飼主情報記憶部231は、飼主2に関する情報(以下、飼主情報という。)を記憶する。飼主情報には、飼主2を特定する飼主IDに対応付けて、飼主2の氏名、住所、連絡先などを含めることができる。
【0022】
動物情報記憶部232は、動物患者1に関する情報(以下、動物情報という。)を記憶する。動物情報には、動物患者1を特定する動物IDに対応付けて、当該動物患者1の飼主2を示す飼主ID、動物患者1が受診する獣医療機関を示す医療機関ID、ならびに動物患者1の名前、動物種及び品種などを含めることができる。
【0023】
医療機関情報記憶部233は、獣医療機関に関する情報(以下、医療機関情報という。)を記憶する。医療機関情報には、獣医療機関を特定する医療機関IDに対応付けて、獣医療機関の名称や住所を含めることができる。
【0024】
移動体情報記憶部234は、移動体3に関する情報(以下、移動体情報という。)を記憶する。移動体情報には、移動体3を特定する移動体IDに対応付けて、移動体3が待機している場所(待機場所)、移動体3の定員、移動体3が備える機能を含めることができる。移動体3の定員は、例えば、人間の定員としてもよいし、動物種ごとに定員を設定するようにしてもよいし、人間の人数(飼主の数)に対応付けて、動物種毎の動物の数の定員を設定するようにしてもよい。移動体3の機能は、例えば、人工呼吸器や検査装置の有無など、動物患者1の自宅において、又は自宅から獣医療機関までの道中に動物患者1に対して施す必要のある処置に用いる各種の機能の有無を設定することができる。
【0025】
輸送予約情報記憶部235は、移動体3の予約に関する情報(以下、輸送予約情報という。)を記憶する。輸送予約情報には、移動体3を特定する移動体IDに対応付けて、獣医療機関を示す医療機関ID、飼主2を示す飼主ID、来院フラグ、乗車日時、乗務員IDを含めることができる。来院フラグは、自宅から獣医療機関への輸送であるか否かを示す。例えば、来院フラグが「真」である場合には、自宅から獣医療機関への輸送であること、すなわち、飼主IDに対応する飼主情報の住所から、医療機関IDに対応する医療機関情報の住所までの輸送であることを示し、来院フラグが「偽」である場合には、獣医療機関から自宅への輸送であること、すなわち、医療機関IDに対応する医療機関情報の住所から飼主IDに対応する飼主情報の住所までの輸送であることを示す。乗車日時は、出発地点(自宅の住所又は獣医療機関の住所)において移動体3に動物患者1を乗せる予定の日時である。乗務員IDは、移動体3に乗車する予定の獣医療機関の従事者を示す従事者IDである。動物患者1の検体を回収する場合には、乗務員IDには看護師4を示す従事者IDが設定(アサイン)される。また、問診結果から推測される動物患者1の容態に応じて、獣医師や看護師4が乗務員としてアサインされることもある。それ以外の場合には、獣医師及び看護師4以外のスタッフ5が乗務員としてアサインされうる。
【0026】
質問記憶部236は、問診に係る質問を含む情報(以下、質問情報という。)を記憶する。質問情報には、獣医療機関を特定する医療機関IDと、当該獣医療機関において行う問診を示す問診IDとに対応付けて、質問を特定する質問ID、当該質問が対象とする動物種及び品種(動物種及び品種のいずれかを省略してもよい。)、ならびに質問内容を含む。なお、質問記憶部231は、例えば、医療機関ID、動物種、品種に対応付けて、複数の問診を管理するようにしてもよい。質問内容には、回答の選択肢を含めるようにしてもよい。つまり、質問内容には、フリーテキストでの回答を予定する質問、2択または3択以上の選択肢から1つ以上を選択する回答を予定する質問、所定の範囲内での値(実数または整数)の回答を予定する質問などを含めることができる。本実施形態では、選択肢の中から1つを選択する回答を予定している。
【0027】
回答記憶部237は、質問に対する回答を含む情報(以下、回答情報という。)を記憶する。回答情報には、回答を行った飼い主を示す飼い主ID、動物患者を示す動物ID、獣医療機関を示す医療機関ID、回答日時及び質問に対する飼主2からの回答内容が含まれる。回答内容は画像であってもよい。すなわち、飼主2がユーザ端末10のカメラを用いて動物患者1を撮影した画像(静止画像又は動画像)が回答内容であってもよい。
【0028】
決定情報記憶部238は、遠隔診療を行うか、動物患者1の検体を回収するか、依頼どおりに動物患者1を獣医療機関に来院させるかを示す情報(以下、行動情報という。)を決定するための情報(以下、決定情報という。)を記憶する。決定情報には、動物種、品種及び問診における質問に対する回答に対応付けて、行動情報を含めることができる。品種は省略してもよい。回答は複数の回答の組み合わせであってもよい。また、質問を決定情報に含めることもできる。
【0029】
従事者情報記憶部239は、獣医療機関の従事者に関する情報(以下、従事者情報という。)を記憶する。本実施形態ではとくに、従事者情報記憶部239は、検体回収を行うことが可能な看護師についての従事者情報を記憶することができる。従事者情報には、従事者を特定する従事者IDに対応付けて、従事者の氏名、従事者が所持している資格(獣医師、看護師、麻酔、検査機器の操作などを含む。)、対応可能作業を含めることができる。対応可能作業には、検体の回収、動物患者1の状態の判断、移動体1の運転などを含めることができる。
【0030】
輸送依頼受信部211は、ユーザ端末10から輸送依頼を受信する。輸送依頼には、飼主2を示す飼主ID、動物患者1を示す動物ID及び獣医療機関を示す医療機関IDが設定される。輸送依頼に飼主IDが設定されていない場合には、輸送依頼受信部211は、動物IDに対応する飼主IDを動物情報記憶部232から読み出すことができる。輸送依頼に動物IDが設定されていない場合には、輸送依頼受信部211は、ユーザ端末10に対して動物IDを問い合わせるようにすることができる。輸送依頼には、受診希望日時(又は希望する期間)が設定されていてもよい。
【0031】
問診部212は、動物患者1に係る問診を行う。問診部212は、動物患者1の飼主2に対して質問を送信し、質問に対する回答を受信することができる。問診部212は、例えば、質問記憶部236に記憶されている質問をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10から質問に対する回答を受信することができる。問診部212は、例えば、1つの質問を送信し、当該質問に対する回答を受信して、回答に応じて次の質問を決定するようにしてもよいし、複数の質問を一度に送信して、複数の質問に対する回答を受信するようにしてもよい。問診部212は、受信した回答を、飼主を示す飼主ID、動物患者を示す動物ID、獣医療機関を示す医療機関ID及び日時に対応付けて回答記憶部237に登録することができる。
【0032】
回答出力部213は、問診による質問に対する飼主2からの回答を出力する。回答出力部213は、獣医療機関端末30に対して問診の回答を出力することができる。
【0033】
行動情報取得部214は、行動情報を取得する。本実施形態では、行動情報取得部214は、問診による回答を出力した獣医療機関端末30から行動情報の入力を受け付けることができる。行動情報取得部214は、例えば、「遠隔診療」、「検体回収」、「来院」の選択肢を示して、問診結果(回答)を閲覧した獣医療機関の従事者に選択肢を選択させることができる。
【0034】
判定部215は、回答に応じて、遠隔診療、検体回収又は来院のいずれかの行動情報を決定することができる。なお、判定部215は省略してもよい。判定部215は、回答に対応する行動情報が決定情報記憶部238に登録されていた場合には、当該行動情報を取得することができる。
【0035】
なお、判定部215は、機械学習により学習された学習モデルを用いて行動情報を決定することもできる。この場合、管理サーバ20は、学習モデルを記憶するモデル記憶部を備えることができる。学習モデルは、例えば、動物種(品種を加えてもよい)及び質問への回答を特徴量とし、獣医療機関の従事者が判断した行動情報を教師データとして機械学習を行うことにより作成及び更新することができる。判定部215は、動物患者1の動物種(及び品種)と回答とを学習モデルに与えることにより行動情報を推論することができる。
【0036】
行動情報取得部214は、判定部215が決定した行動情報を獣医療機関端末30に出力して、獣医療機関の従事者に確認(出力した行動情報の承認又は修正)をとることができる。
【0037】
予約部216は、行動情報が検体回収又は来院である場合に、患者動物1を輸送する移動体3を予約する。予約部216は、輸送予約情報を作成して輸送予約情報記憶部235に登録することができる。予約部216は、例えば、現在時刻を乗車日時として設定してもよいし、輸送依頼に受診希望日時が設定されている場合には、当該希望日時又は当該希望日時から所定時間(例えば、獣医療機関から動物患者の住所までにかかる時間)前の日時を乗車日時として設定してもよい。
【0038】
また、予約部216は、行動情報が検体回収の場合に、移動体3の乗務員として看護師4をアサインすることができる。予約部216は、行動情報が検体回収である場合に、従事者情報記憶部239を参照して、看護師の資格を有する従事者を特定し、特定した従事者を示す従事者IDを、輸送予約情報の乗務員IDに設定することにより、看護師4を移動体3の乗務員としてアサインすることができる。
【0039】
<動作>
図4は、管理サーバ20の動作について説明する図である。
【0040】
管理サーバ20は、動物患者1の飼主2のユーザ端末10から輸送依頼を受信すると(S301)、飼主2に対して動物患者1についての問診を行う(S302)。管理サーバ20は、例えば、輸送依頼の動物IDに対応する動物種及び品種を動物情報記憶部232から特定し、特定した動物種及び品種ならびに輸送依頼に設定されている医療機関IDに対応する質問内容を質問情報記憶部236から読み出して、ユーザ端末10に送信し、質問に対する回答をユーザ端末10から受信することができる。
【0041】
管理サーバ20は、問診結果(回答)に応じて行動情報を取得する(S303)。上述したように、管理サーバ20は、回答を獣医療機関端末30に対して出力し、獣医療機関の従事者から行動情報の入力を受け付けるようにしてもよいし、回答に基づいて行動情報を決定し、決定した行動情報を獣医療機関の従事者に確認してもらうようにしてもよい。
【0042】
取得した行動情報が検体回収である場合には(S304:YES)、管理サーバ20は、看護師4を乗務員として移動体3を予約する(S305)。管理サーバ20は、看護師の資格を有する従事者を従事者情報記憶部239から検索し、検索した従事者IDを乗務員IDとして輸送予約情報に設定することができる。
【0043】
なお、管理サーバ20は、獣医療機関に配置されている移動体3(待機場所が当該獣医療機関である移動体情報)の移動体IDについて、現在日時から所定時間後の日時までの間の乗車日時の輸送予約情報が輸送予約情報記憶部235に存在している場合には、例えば、新しい乗車日時を、登録されている乗車日時から所定時間後の日時以後に変更するようにしてもよいし、別の医療機関を待機場所としている移動体3を予約するようにしてもよい。
【0044】
一方、取得した行動情報が検体回収ではなく(S304:NO)、来院である場合には(S306:YES)、管理サーバ20は、任意の従事者を乗務員として移動体3を予約する(S307)。
【0045】
取得した行動情報が検体回収でも来院でもない場合には(S304:NO、S306:NO)、管理サーバ20は、移動体3の予約を行わずに処理を終了する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の獣医療支援システムによれば、輸送依頼に応じて問診を行い、問診結果に基づいて来院の必要性があるかどうかを判断し、来院の必要性がある場合に移動体3を飼主2に移動させるように予約することができる。
【0047】
また、来院は不要でも検体回収が必要である場合には、看護師4を移動させるように移動体3を予約することができる。これにより動物患者1を獣医療機関に移動させることなく対応することができる。したがって、動物患者1及び飼主2に移動の負担を負わせることがなく、また獣医療機関の混雑緩和も期待することができる。
【0048】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 動物患者
2 飼主
3 移動体
4 看護師
5 スタッフ
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
30 獣医療機関端末