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特開2023-123381自動車用照明アセンブリ及び前記アセンブリを備える自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123381
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】自動車用照明アセンブリ及び前記アセンブリを備える自動車
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/05 20060101AFI20230829BHJP
   F21V 11/18 20060101ALI20230829BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20230829BHJP
【FI】
B60Q1/05
F21V11/18
F21W102:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023020934
(22)【出願日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】102022000003425
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ルカ ナリアーティ
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339BA01
3K339BA03
3K339BA04
3K339BA09
3K339BA16
3K339CA01
3K339EA05
3K339GB01
3K339HA01
3K339JA21
3K339KA06
3K339KA23
3K339KA27
3K339LA06
3K339LA07
3K339MA05
3K339MA06
3K339MC03
3K339MC17
3K339MC48
3K339MC65
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動車用照明アセンブリ、及びそのような照明アセンブリを備える自動車に関する。
【解決手段】自動車1用の照明アセンブリ3、4であって、使用時に、ロービームを透過させるように構成された、第1の表面5と、使用時に、ハイビームを透過するように構成された、第2の表面6と、第1の表面5及び第2の表面6から離れた第1の動作位置と、第1の表面5及び第2の表面6の少なくとも一方を遮る、第2の動作位置との間で、移動可能な不透明部品15とを備える照明アセンブリ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)用の照明アセンブリ(3、4)であって、
使用時に、ロービームを透過するように構成された、第1の透明表面(5)と、
使用時に、ハイビームを透過するように構成された、第2の透明表面(6)と、
不透明部品(15)であって、
前記第1及び第2の表面(5、6)から離れた、第1の動作位置と、
前記第1及び第2の表面(5、6)の一方を少なくとも部分的に遮る、第2の動作位置との間で移動することのできる、不透明部品(15)と、
使用時に、前記自動車(1)の車体(2)に固定することができるフレーム(18)と、
前記フレーム(18)に固定され、前記不透明部品(15)に動作可能に接続され、かつ、前記不透明部品(15)を、前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との間で移動させるために動作させることができる、動作機構(19)と、を備え、
次いで、前記動作機構(19)が、
前記フレーム(18)に固定された、モータ部材(21)と、
前記モータ部材(21)によって操作され、第1の軸線(A)を中心に回転することができる、出力シャフト(30)と、
前記不透明部品(15)に接続され、前記不透明部品(15)と一体的に、前記第1の軸線(A)を横断する第2の軸線(B)に沿って、移動することのできる、少なくとも1つのラック(35)と、
前記ラック(35)と噛み合い、前記出力シャフト(30)に動作可能に接続された、少なくとも1つのギア(31)と、を備え、
前記動作機構(19)が、前記モータ部材(21)と前記出力シャフト(30)との間に介在し、使用時に、前記第2の動作位置と前記第1の動作位置との間で前記不透明部品(15)が移動する間に、第1の閾値を超える負荷が前記不透明部品(15)に加えられた場合に、前記出力シャフト(30)を前記モータ部材(20)から切り離すように構成された、摩擦クラッチ(60)を備えることを特徴とする、照明アセンブリ(3、4)。
【請求項2】
前記不透明部品(15)が、使用時に、前記第2の動作位置に配置されるとき、前記第1の表面(5)を遮り、
前記不透明部品(15)が、使用時に、前記第2の動作位置に配置されるとき、前記第2の表面(6)を解放していることを特徴とする、請求項1に記載の照明アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の軸線(B)が湾曲していることを特徴とし、かつ/又は、
前記出力シャフト(30)の両側に配置され、前記ラック(35)のそれぞれと噛み合う、一対のギア(31、32)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の照明アセンブリ。
【請求項4】
前記フレーム(18)が、使用時に、前記第2の位置に配置されるとき、前記不透明部品(15)が突き当たる一対の突き当て面(72)を画定し、
前記不透明部品(15)が、前記第1の動作位置に配置されるとき、少なくとも前記第1の動作位置から前記第2の動作位置への移動の、第1のセグメントに沿って、前記一対の突き当て面(72)から離間していることを特徴とする、請求項1に記載の照明アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのラック(35)に一体化され、着脱可能な接続手段(40)によって前記不透明部品(15)に接続された、プレート(39)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の照明アセンブリ。
【請求項6】
自動車であって、
前記自動車(1)の前進方向を基準として、前部(8)を画定する車体(2)と、
前記前部(8)に固定された、請求項1から5のいずれか一項に記載の前記照明アセンブリ(3、4)と、
前記モータ部材(21)を制御するようにプログラムされた、制御ユニット(20)と、
前記自動車(1)を取り囲む環境の明るさのレベルに関連する、第1の信号を生成するように設計された、薄暮センサ(10)と、
前記自動車の速度に関連する、第2の信号を生成するように設計された、速度計(11)と、
前記ロービームを生成するために動作させることができる、動作制御部と、を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記不透明部品(15)を前記第2の動作位置に配置するようにプログラムされており、
前記制御ユニット(20)が、前記第1及び第2の信号の少なくとも一方がそれぞれの第2の閾値を超えたとき、並びに/又は、前記動作制御部が作動されたときに、前記第2の動作位置から前記第1の動作位置へ、前記不透明部品(15)を移動させるように更にプログラムされている、自動車。
【請求項7】
前記速度計(11)が、使用中に、前記第2の閾値を下回る第3の信号を生成するとき、前記不透明部品(15)を、前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に戻すように、前記制御ユニット(20)がプログラムされることを特徴とする、請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
電子制御ユニット(100)と、
即時介入要求に関連する、前記動作機構(19)の異常動作についての、第1の表示灯(102)と、
非即時介入要求に関連する、前記動作機構(19)の異常動作についての、第2の表示灯(101)と、を備えることを特徴とし、
使用時に、前記動作機構(19)が前記不透明部品(15)を前記第2の動作位置から前記第1の動作位置に移動させることができない場合に、前記第1の表示灯(102)が作動され、
使用時に、前記動作機構(19)が前記不透明部品(15)を前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に移動させることができない場合、及び/又は、
使用時に、前記自動車の前記電子制御ユニット(100)が、前記照明アセンブリ(3、4)の少なくとも1つの動作パラメータが基準値のそれぞれの所定範囲内にないことを検出した場合、及び/又は、
使用時に、前記第2の動作位置と前記第1の動作位置との間の前記不透明部品(15)の移動中に、前記第1の閾値を超える前記負荷が前記不透明部品(15)に加えられる場合に、前記第2の表示灯(101)が作動される、請求項6に記載の自動車。
【請求項9】
自動車であって、
前記自動車(1)の前進方向を基準として、前部(8)を画定する車体(2)と、
前記前部(8)に固定された、照明アセンブリ(3、4)と、
モータ部材(21)を制御するようにプログラムされた、制御ユニット(20)と、
前記自動車(1)を取り囲む環境の明るさのレベルに関連する、第1の信号を生成するように設計された、薄暮センサ(10)と、
前記自動車の速度に関連する、第2の信号を生成するように設計された、速度計(11)と、
ロービームを生成するために動作させることのできる、動作制御部と、を備え、
前記照明アセンブリ(3、4)が、
使用時に、ロービームを透過するように構成された、第1の透明表面(5)と、
使用時に、ハイビームを透過するように構成された第2の透明表面(6)と、
不透明部品(15)であって、前記第1及び第2の表面(5、6)から離れる第1の動作位置と、前記第1及び第2の表面(5、6)の一方を少なくとも部分的に遮る、第2の動作位置との間で、移動することのできる、不透明部品(15)と、
使用時に、前記自動車(1)の前記車体(2)に固定することができる、フレーム(18)と、
前記フレーム(18)に固定され、かつ、前記不透明部品(15)に動作可能に接続され、前記不透明部品(15)を前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との間で移動させるために、動作させることができる動作機構(19)と、を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記不透明部品(15)を前記第2の動作位置に配置するように、プログラムされており、
次いで、前記動作機構(19)が、
前記フレーム(18)に固定された、モータ部材(21)と、
前記モータ部材(21)によって作動され、第1の軸線(A)を中心に回転することができる、出力シャフト(30)と、
前記不透明部品(15)に接続され、前記不透明部品(15)と一体的に、前記第1の軸線(A)を横断する第2の軸線(B)に沿って移動することのできる、少なくとも1つのラック(35)と、
前記ラック(35)と噛み合い、前記出力シャフト(30)に動作可能に接続された、少なくとも1つのギア(31)と、を備え、
前記制御ユニット(20)が、前記第1及び第2の信号の少なくとも一方が、それぞれの第2の閾値を超えたとき、並びに/又は、前記動作制御部が作動されたときに、前記第2の動作位置から前記第1の動作位置へ、前記不透明部品(15)を移動させるように更にプログラムされている、自動車。
【請求項10】
前記速度計(11)が、使用中に、前記第2の閾値を下回る第3の信号を生成するとき、前記不透明部品(15)を、前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に戻すように、前記制御ユニット(20)がプログラムされることを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【請求項11】
電子制御ユニット(100)と、
即時介入要求に関連する、前記動作機構(19)の異常動作についての、第1の表示灯(102)と、
非即時介入要求に関連する、前記動作機構(19)の異常動作についての、第2の表示灯(101)と、を備えることを特徴とし、
使用時に、前記動作機構(19)が前記不透明部品(15)を前記第2の動作位置から前記第1の動作位置に移動させることができない場合に、前記第1の表示灯(102)が作動され、
使用時に、前記動作機構(19)が、前記不透明部品(15)を、前記第1の動作位置から前記第2の動作位置に移動させることができない場合、及び/又は、
前記自動車の前記電子制御ユニット(100)が、使用中に、前記照明アセンブリ(3、4)の少なくとも1つの動作パラメータが、基準値のそれぞれの所定範囲内にないことを検出した場合、及び/又は、
使用時に、前記第2の動作位置と前記第1の動作位置との間の、前記不透明部品(15)の移動中に、前記第1の閾値を超える前記負荷が前記不透明部品(15)に加えられる場合に、前記第2の表示灯(101)が作動される、請求項9に記載の自動車。
【請求項12】
前記不透明部品(15)が、使用時に、前記第2の動作位置に配置されるときに、前記不透明部品(15)が、前記第1の表面(5)を遮り、
前記不透明部品(15)が、使用時に、前記第2の動作位置に配置されたときに、前記第2の表面(6)を解放していることを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【請求項13】
前記第2の軸線(B)が湾曲していることを特徴とし、かつ/又は、前記出力シャフト(30)の両側に配置され、それぞれのラック(35)と噛み合う、一対のギア(31、32)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【請求項14】
前記フレーム(18)が、使用時に、前記第2の位置に配置されるときに、前記不透明部品(15)が突き当たる、一対の突き当て面(72)を画定し、
前記不透明部品(15)が、前記第1の動作位置に配置され、少なくとも前記第1の動作位置から前記第2の動作位置への移動の、第1のセグメントに沿って、前記一対の突き当て面(72)から離間していることを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【請求項15】
前記照明アセンブリ(3、4)が、前記少なくとも1つのラック(35)に一体化され、かつ、着脱可能な接続手段(40)によって、前記不透明部品(15)に接続されるプレート(39)を備えることを特徴とする、請求項9に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年2月24日に出願されたイタリア特許出願第102022000003425号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、自動車用照明アセンブリ、及びそのような照明アセンブリを備える自動車に関する。
【0003】
この照明アセンブリは、自動車の前方照明アセンブリであることが好ましい。
【背景技術】
【0004】
自動車の前方照明アセンブリが知られており、これは基本的に、以下のもので構成される。
・自動車の車体に固定されたフレーム。
・フレームの内部に配置された前照灯。
・フレームを閉じるように配置され、フレームに接続された透明部品。
【0005】
更に、この透明部品は、以下のもので構成される。
・ハイビームを透過するように適合された、第1の表面。
・ロービームを透過するように適合された、第2の表面。
【0006】
照明アセンブリのデザインは、公知の方策では、第1及び第2の表面の形状によって制約される。
【0007】
特に、スポーティなデザインを伴う高級車の場合、特に自動車の駐車時に照明アセンブリのデザインに影響を及ぼす、これらの制約を克服する必要がある。
【0008】
更に、ハイビームは通常、緊急時に使用され、ロービームは通常、昼間の運転中には使用されないという事実を考慮して、運転時の自動車の動作安全性を損なうことなく、これらの制約を克服する必要がある。
【0009】
日本国特許第62122841号、仏国特許第2082777号、日本国特許第6178044号、日本国実用新案第658164101号、日本国特許第6998091号、及び米国特許第3445644号には、請求項1のプリアンプルに係る照明アセンブリ、及び請求項9のプリアンブルに係る自動車が記載されている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、上述した必要性を満たすことのできる、照明アセンブリを提供することである。
【0011】
上述した目的は、請求項1に記載の照明アセンブリに関して、本発明によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明をよりよく理解するために、非限定的な実施例として、添付の図面を参照して、以下に2つの好適な実施形態の説明を行う。
【0013】
図1】本発明の明細書に従って提供される、照明アセンブリを備える、自動車の斜視図である。
図2】それぞれの動作構成における、図1の照明アセンブリを、著しく拡大した斜視図である。
図3】それぞれの動作構成における、図1の照明アセンブリを、著しく拡大した斜視図である。
図4図1図3の照明アセンブリの、第1の構成要素を更に大きく拡大し、明確にするために部品を取り除いた、部分分解斜視図である。
図5図4の照明アセンブリの、第1の構成要素の、いくつかの詳細部の斜視図である。
図6】明確にするために部品を取り除いた、図4の線VI-VIに沿った、断面図である。
図7図1図6の照明アセンブリの更なる詳細を、拡大して示す図である。
図8】第1の視角による、図7の更なる詳細部を更に拡大して示す図である。
図9】別の視角による、図7及び図8の更なる詳細部を示す斜視図である。
図10図1の自動車、及び図2から図9の照明アセンブリの、更なる詳細部の機能略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照すると、車体2、及び一対の照明アセンブリ3、4を備える自動車が、符号1で示されている。
【0015】
照明アセンブリ3は、車体2の前部8に配置されることが好ましい。
【0016】
なお、以下の説明で使用される、「上部」、「下部」、「前部」、「後部」といった表現は、自動車1が通常の前進移動を行う状態を基準とする。
【0017】
照明アセンブリ3、4は、互いに同一のものであるため、照明アセンブリ3についてのみ、以下に説明を行う。
【0018】
照明アセンブリ3は、以下のものを備える。
・1つ又はそれ以上の光源(図示せず)。
・複数の反射面。
・自動車1の外部に光ビームを透過させるように設計された、一対の透明表面5、6。
【0019】
より具体的には、表面5は、ロービームを透過するように構成され、表面6は、ハイビームを透過するように構成される。
【0020】
図示した事例では、表面5は、表面6の上方に配置されている。
【0021】
自動車1は、更に以下のものを備える。
・自動車1を取り囲む環境の明るさのレベルが、第1の閾値を下回ると、第1の信号を生成するように設計された(図10に概略的にのみ示されている)薄暮センサ10。
・自動車1の速度に関連する、第2の信号を生成するように設計された、(図10に概略的にのみ示されている)速度計11。
・ロービームを生成するために、自動車1の内部から操作することができる操作制御部。
・自動車1の点火を制御するために、キーを挿入することのできる、(図1に概略的にのみ示されている)制御パネル16。
・照明アセンブリ3、4の動作温度を検出するように設計された、(図10に概略的にのみ示されている)センサ75。
【0022】
自動車1は、照明アセンブリ3の複数の動作パラメータを検出するように設計された、複数のセンサを更に備える。
【0023】
有利には、照明アセンブリ3は、以下の間で移動可能な、不透明部品15を備える。
・表面5、6から離れた、第1の動作位置(図3)。
・表面5を遮る、第2の動作位置(図1及び図2)。
【0024】
言い換えれば、不透明部品15は、第2の動作位置に配置されたときに、表面5を覆う。
【0025】
照明アセンブリ3は、不透明部品15を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための、動作機構19を更に備える。
【0026】
より具体的には、動作機構19は、以下のものを備える(図4及び図7から図10)。
・車体2の前部8に固定された、フレーム18(図4)。
・(図10に概略的にのみ示されている)制御ユニット20。
・制御ユニット20によって制御される、モータ21。
・モータ21と不透明部品15との間に介在し、モータ21の動作の結果として、フレーム18に対して不透明部品15が移動できるように設計された、伝達アセンブリ22。
【0027】
更に、伝達アセンブリ22は、以下のものを備える(図7から図9)。
・モータ21によって動作可能な、シャフト30。
・シャフト30のそれぞれの端部33に配置された、一対のピニオン31。
・それぞれのピニオン31と噛み合う、一対のラック35。
【0028】
伝達アセンブリ22は、更に以下のものを備える(図4から図6)。
・モータ21によって動作される、ウォームスクリュー(図示せず)。
・ウォームギアと噛み合い、シャフト30上に配置された、ギア(図示せず)。
・ラック35と一体であり、着脱可能な接続手段40によって、不透明部品15が固定される、可動式の支持体39。
【0029】
図示の事例の場合、シャフト30は、六角形の断面を有し、使用時に実質的に水平な軸線Aに沿って延在する。
【0030】
モータ21は、軸線Aに沿って各ピニオン31の間に介在し、シャフト30の中間点に配置される。
【0031】
ラック35はそれぞれ、互いに平行であり、軸線Aに直交する、湾曲した軸線Bを有する。
【0032】
軸線Bは、照明アセンブリ3に隣接する前部8の形状、及び照明アセンブリ3の表面5の形状に一致するように適合される。
【0033】
接続手段40は、具体的には、以下のものを備える。
・支持体39の側で不透明部品15に接着され、支持体39に向かって片持ち状に突出する、図示の事例では3つの、複数のねじ込みピン41。
・支持体39に固定され、支持体39に向かって片持ち状に突出し、それぞれのピン41にねじ込まれる、図示の事例では3つの、複数のナット42。
【0034】
伝達アセンブリ22は、モータ21と伝達アセンブリ22との間に介在する、クラッチ60を更に備える(図8及び図9)。
【0035】
図示の事例では、クラッチ60は、シャフト30のそれぞれの片方の間に介在している。
【0036】
クラッチ60は、以下のような寸法になっている。
・不透明部品15に加えられる負荷が第4の閾値を下回るとき、モータ21及び伝達アセンブリ22を動作可能に接続したままにする。
・加えられた負荷が第4の閾値を超えるとき、モータ21と伝達アセンブリ22との連結を解除する。
【0037】
上述した第4の閾値は、不透明部品15に通常作用する空気力学的負荷よりも高く、かつ、第1の動作位置と第2の動作位置との間の、不透明部品15の弦に沿った位置で、誤って人を傷つける可能性がある負荷よりも低い。
【0038】
更に、フレーム18は、以下のものを備える。
・モータ21及び伝達アセンブリ22を支持するための、主支持体70。
・主支持体70のそれぞれの側面に配置され、不透明部品15が第2の動作位置に到達したときに、それに対して突き当たる、それぞれの端面72を画定する、一対の側壁71。
【0039】
図示の事例では、面72はPTFE製であり、不透明部品15は炭素製である。
【0040】
制御ユニット20は、不透明部品15を第2の動作位置に維持することを、モータ21に命令するようにプログラムされている。
【0041】
制御ユニット20はまた、キーが自動車1の制御パネル16に挿入され、かつ、以下の条件のうち、少なくとも1つが発生したときに、不透明部品15を第2の動作位置から第1の動作位置に移動させることを、モータ21に命令するようにプログラムされる。
・自動車1を取り囲む環境の明るさのレベルが、第1の閾値を下回っていることを、薄暮センサ10が検出する、かつ/又は、
・自動車1の速度が第2の閾値、例えば90km/hを上回っていることを、速度計11が検出する、かつ/又は、
・ユーザが、ロービームを生成するために、動作制御部を操作する。
【0042】
特に、制御ユニット20は、自動車1の速度が第1の閾値よりも低い第3の閾値、例えば80km/hを下回ったことを、速度計11が検出したときに、第1の動作位置から第2の動作位置に戻ることを、モータ21に命令するようにプログラムされる。
【0043】
制御ユニット20は、更に以下のものを生成するようにプログラムされる。
・モータ21が、第2の動作位置から第1の動作位置に不透明部品15を移動させることができない場合の、第1のエラー信号。
・モータ21が、第2の動作位置から第1の動作位置に不透明部品15を移動させることができない場合の、第2のエラー信号。
【0044】
制御ユニット20は、以下のように、自動車1の(図10に概略的にのみ示されている)電子制御ユニット100と接続される。
・制御ユニット20が、第1の信号を生成した場合に、自動車1の内部で見える、(図10に概略的にのみ示されている)赤色表示灯102を作動させる。
・制御ユニット20が、第2の信号を生成した場合に、自動車1の内部で見える、(図10に概略的にのみ示されている)黄色表示灯101を作動させる。
【0045】
制御ユニット20はまた、以下のことを特定するようにプログラムされる。
・追加のセンサ及びセンサ75によって検出されたすべてのパラメータが、それぞれの範囲内にある場合の、標準動作条件、又は、
・追加のセンサ及びセンサ75によって検出されたパラメータの少なくとも一方が、それぞれの範囲外である場合の、非標準動作状態。
【0046】
制御ユニット20はまた、次の場合に、第1の
信号の生成をもたらすように、プログラムされる。
・センサ75が事前に設定した範囲外の温度を検出し、かつ/又は、自動車1の電子制御ユニット100との通信が中断される、かつ/又は、
・クラッチ60が、モータ21と伝達アセンブリ22との結合を解除し、かつ/又は、
・制御ユニット20が、非標準動作状態を検出する。
【0047】
照明アセンブリ3の動作について、自動車が静止している、例えば駐車している初期状態から、説明を行う。この初期状態では、制御ユニット20は、表面5を覆うために、不透明部品15を第2の動作位置に維持するように、モータ21に命令する。
【0048】
第2の動作位置にあるとき、不透明部品15は、主支持体70の面72に寄りかかっている。
【0049】
制御パネル16にキーが挿入されると、制御ユニット20は、不透明部品15を第2の動作位置に維持するように、モータ21に命令する。
【0050】
制御ユニット20は、次の場合に、不透明部品15を第2の動作位置からロービーム用の表面5を解放する、第1の動作位置に移動させるように、モータ21に命令する。
・自動車1を取り囲む環境の明るさのレベルが、第1の閾値を下回っていることを、薄暮センサ10が検出する、かつ/又は、
・自動車1の速度が第2の閾値、例えば90km/hを上回っていることを、速度計11が検出する、かつ/又は、
・ユーザが、ロービームを生成するために、動作制御部を操作する。
【0051】
速度計11が、自動車1の速度が第1の閾値よりも低い、第3の下方閾値、例えば80km/hを下回って戻ったことを検出した場合、制御ユニット20は、不透明部品15を第2の動作位置に戻すように、モータ21に命令する。
【0052】
不透明部品15の可動領域に、指又は他の身体部分を誤って挿入した人が傷つくことを防止するために、クラッチ60は、加えられた負荷が第4の閾値よりも大きい場合、モータ21と伝達アセンブリ22との結合を解除する。
【0053】
モータ21が、不透明部品15を第2の動作位置から第1の動作位置に移動させることができない場合、自動車1の電子制御ユニット100は、自動車1の内部で見える、赤色表示灯102を作動させる。
【0054】
自動車1の電子制御ユニット100は、次の場合に、自動車1の内部で見える黄色表示灯101を作動させる。
・モータ21が、不透明部品15を第2の動作位置から第1の動作位置に移動させることができない。
・センサ75が事前に設定した範囲外の温度を検出し、かつ/又は、自動車1の電子制御ユニット100との通信が中断される。かつ/又は、
・クラッチ60が、モータ21と伝達アセンブリ22との連結を解除する、かつ/又は、
・制御ユニット20が、非標準動作状態を検出する。
【0055】
照明アセンブリ4の動作は、照明アセンブリ3と同一のものであり、同時に行われるため、詳細な説明は行わない。
【0056】
本発明による照明アセンブリ3、4の考察から、本発明によって達成することのできる利点は明らかである。
【0057】
より具体的には、不透明部品15は、次のものの間で移動することができる。
・表面5、6から離れた第1の動作位置。
・表面5を遮る、第2の動作位置。
【0058】
それにより、表面5の形状によって強いられる制約を克服しつつ、かつ、自動車1の適正で安全な動作を損なうことなく、照明アセンブリ3、4の所望のデザインを達成することができる。
【0059】
特に、不透明部品15は、自動車1が駐車しているときに、第2の動作位置に配置される。
【0060】
制御ユニット20は、次の場合に、表面5を遮る第2の動作位置から、表面5から離れる第1の動作位置に、不透明部品15を移動させる。
・自動車1を取り囲む環境の明るさのレベルが、第1の閾値を下回っていることを、薄暮センサ10が検出する、かつ/又は、
・自動車1の速度が、第2の閾値、例えば90km/hを上回っていることを、速度計11が検出する、かつ/又は、
・ユーザが、ロービームを生成するために、動作制御部を作動させる。
【0061】
したがって、特定の動作条件における自動車1の安全な動作を損なうことなく、自動車1の駐車中、及び自動車1の走行中の両方で、照明アセンブリ3、4の所望の美的印象を達成することができる。
【0062】
速度計11が、自動車1の速度が第1の閾値よりも低い第3の閾値、例えば80km/hを下回って戻ったことを検出した場合、不透明部品15は、第2の動作位置に戻る。
【0063】
したがって、自動車1の動作状態が許せば、直ちに不透明部品15を第2の動作位置に戻すことができる。
【0064】
クラッチ60は、不透明部品15の移動領域に、指又は他の身体部分を誤って挿入した人が傷つくことを防止するために、加えられた負荷が第4の閾値よりも大きい場合、モータ21と伝達アセンブリ22との連結を解除する。
【0065】
最後に、本発明に従って提供される照明アセンブリ3、4には、特許請求の範囲によって規定される保護の範囲から逸脱することなく、修正及び変更することができることは明らかである。
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【外国語明細書】