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  • 特開-シリコン・インソール 図1
  • 特開-シリコン・インソール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123399
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】シリコン・インソール
(51)【国際特許分類】
   A43B 17/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A43B17/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023025290
(22)【出願日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】202210172994.X
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523062556
【氏名又は名称】東莞市徳勝服飾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dongguan Desheng Garment Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 301, No. 6, East Second Lane, Xiazhengkeng, Shipai Town, Dongguan City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】趙 永
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050EA01
4F050HA55
4F050HA77
4F050HA82
4F050HA87
(57)【要約】      (修正有)
【課題】足への圧力を分散でき、食品レベルのシリコンの保護下で長時間立ったりスポーツしたりするのに適し、インソールを必要とする靴に適しその性能を向上させ、これにより、摩擦、防水、微通気性、湿気と汗の吸収、柔らかさ、環境保護、無毒、無臭、保証されたリバウンドタッチ、高品質、耐老化性、帯電防止などの利点が活用される、シリコンインソールを提供する。
【解決手段】シリコン・インソールは、下部インソール層、ポリマー接着剤層、表面処理剤層、及び上部シリコン平坦層を備え、これらの下部インソール層、ポリマー接着剤層、表面処理剤層、及び上部シリコン平坦層は、この順序で下から上に配置される。上部シリコン平坦層は、食品レベルのシリコンで作られ、上部シリコン平坦層の上端面は、溝や突起のない平坦な構造である。シリコン・インソールの全体的な接続は、より強固で耐久性がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部インソール層、ポリマー接着剤層、表面処理剤層、及び上部シリコン平坦層を備え、前記下部インソール層、前記ポリマー接着剤層、前記表面処理剤層、及び前記上部シリコン平坦層がこの順序で下から上に配置され、前記上部シリコン平坦層は食品レベルのシリコンで作られ、上部シリコン平坦層の上端面は、溝や突起のない平坦な構造である、シリコン・インソール。
【請求項2】
前記表面処理剤層の材料は、カップリング剤を含む、請求項1に記載のシリコン・インソール。
【請求項3】
前記上部シリコン平坦層の厚さは、0.5mm~2.0mmの範囲である、
請求項1に記載のシリコン・インソール。
【請求項4】
前記ポリマー接着剤層の材料は、環境保護接着剤を含む、請求項1に記載のシリコン・インソール。
【請求項5】
前記下部インソール層は、食品レベルのシリコンで作られる、請求項1に記載のシリコン・インソール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、日用品の技術分野に関し、特に、シリコン・インソールに関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンは優れた科学技術材料であり、次の特徴がある。
1、シリコン材料は、優れたシール性、高温耐性、耐候性、耐老化性、損傷耐性、耐振動性、防水性を示し、あらゆる種類の滑らかな表面材料にも適合する。
2、シリコン材料は裏面接着剤による自己粘着性があり、シール性が向上する。裏面接着剤は高温耐性があり、長期間使用しても剥がれない。シリコン材料は、環境保護、安全性、優れた断熱性、高温耐性、小さな圧縮変形、高弾性、及び無毒という利点がある。
3、シリコン材料は、環境保護、無毒、無臭、優れた弾力性、優れた柔軟性、表面に気泡や毛穴がないこと、高強度、長寿命、製品の絶縁環境保護、高温/低温耐性、耐圧縮性、耐酸性・耐アルカリ性、耐老化性、及び抗紫外線などの利点がある。
4、表面が平らなで、受けた力が均等に分散される。
5、優れた非粘着性表面と通気性がある。
6、シリコン材料は環境基準に適合する。
7、温度抵抗は、―70℃から300℃までである。
8、耐熱性がある。即ち、シリコンは一般的なゴムや他の発泡材料よりも優れた耐熱性を持ち、150℃では性能変化なしにほぼ永久に使用でき、200℃以下では10000時間連続使用することができ、350℃以下ではある期間使用することもできる。
9、耐候性がある。即ち、靴内の過酷な条件では、ゴムや化学繊維生地で作られた通常の靴は、混合臭や微量の有毒物質の放出などを発生しやすい。ただし、シリコンの物理的特性は、人体の力によって物理的及び/又は化学的に変化しない。
10、シリコン自体は非常に不活性であるため、老化/腐食抵抗にも優れている。
【0003】
靴の機能の補足及び強化としてのインソールは、サービス、耐荷重、柔らかさ、力伝導、摩擦、帯電防止、防水、通気性、無毒、環境保護、耐候性、耐老化性においてますます重要になってきており、生活の進歩と科学の継続的な発展に伴い、人々はインソールに対してより多くの要件を持っている。
【0004】
既存のシリコン・インソールには大きな欠点がある:
1、製造プロセスで従来の成形圧力を使用するため、材料の使用率が低くなり、材料の無駄が生じ、コストが高くなる。
2、製品設計の方向性が不十分である。従来の方式で前部が低く、後部が高いインソールを設計する。これは、消費用途のシナリオと既存の靴の形状が適切かどうかを考慮していない。
3、材料特性の理解と発掘が不十分である。プロセス開発が荒く、社会的なシナリオと消費用途が限られている。
4、既存のシリコン・インソールは柔らかくて靴を脱ぐときに取り出しやすく、非常に使いにくい。
5、既存のシリコン・インソールは柔らかく、厚くて元の靴を変形させやすいため、靴を傷つけてしまうことに繋がる。
6、既存のインソールは(摩擦を増やすために)表面がでこぼこになり、足がインソールに接触するときに隙間ができてしまい、インソールの摩擦力が減少することに繋がる。
7、でこぼこになるインソール表面が、インソールと足の表面との間の力の接触面積を低減してしまう。長時間使用すると足裏にストレスがかかり、疲れやすくなるなど弊害が生じてしまう。
8、既存のシリコン・インソールは靴底に接続されておらず、インソールについて理解とシーンへの適用が不十分である。
9、選択された材料は不十分で、工業レベルの材料は人体への無毒の適用の基準を満たしていない。
10、既存のシリコン・インソールは通常の工業用接着剤で処理されているため、全体の厚さが厚すぎて通気性に影響を与える。
11、既存のシリコン・インソールには穴が開いているため、インソールは防水性がなく、湿気が増えると靴が濡れて滑りやすくなる。また、
12、複合接着剤は通常、無毒という環境保護要件を満たしていない。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、従来技術に存在する上記の問題の少なくとも1つを解決するシリコン・インソールを提供することである。
【0006】
上記の目的を達成するために、本開示は以下の技術方式を採用する。
【0007】
シリコン・インソールは、下部インソール層、ポリマー接着剤層、表面処理剤層、及び上部シリコン平坦層を備える。これらの下部インソール層、ポリマー接着剤層、表面処理剤層、及び上部シリコン平坦層は、この順序で下から上に配置される。上部シリコン平坦層は、食品レベルのシリコンで作られる。上部シリコン平坦層の上端面は、溝や突起のない平坦な構造である。
【0008】
本開示の図示された実施形態では、表面処理剤層の材料はカップリング剤を含む。
【0009】
本開示の図示された実施形態では、上部シリコン平坦層の厚さは、0.5mmから2.0mmの範囲である。
【0010】
本開示の図示された実施形態では、ポリマー接着剤層の材料は、環境保護接着剤を含む。
【0011】
本開示の図示された実施形態では、下部インソール層は食品レベルのシリコンで作られる。
【0012】
本開示の実施形態によれば、有利な効果が奏する。具体的には、本開示において、ポリマー接着剤層、表面処理剤層及び上部シリコン平坦層は、シリコン・インソールの表面層として使用することができるか、または重量、厚さ、サイズなどの方面で元の靴の履き心地を変えずに、元のインソールに貼り付けて表面層として単独で直接使用することができる。これにより、生活に適用するのがより便利になる。上部シリコン平坦層の下端面は、表面処理剤層を介してポリマー接着剤層と結合し、その後、下部インソール層と一体化してインソール本体を形成することにより、従来脱落しやすいという痛点を解決し、全体的な接続をより強固で耐久性のあるものにする。上部シリコン平坦層は食品レベルのシリコンで作られ、環境保護や無毒などの利点がある。上部シリコン平坦層の上端面は溝や突起のない平坦な構造で、より完全に足の圧力を分散し、柔らかい食品レベルのシリコンの保護下で長時間立ったりスポーツしたりするのにより適し、また、インソールを必要とする現在のすべての靴に適しその性能を向上させる。高摩擦、防水、微通気性、湿気や汗の吸収、柔らかさ、環境保護、無毒、無臭、保証されたリバウンドタッチ、高品質、耐老化性、帯電防止、技術的センス、より優れた着用感、低コスト、簡単な折り畳み、より持ち運びやすいこと、生地の感触が保たれることなどの利点が活用され、より実用的である。
【0013】
先行技術と比較して、本開示によって提供されるシリコン・インソールは、以下の有益な効果を奏する:
1、シリコン材料は、高温や天候に強く、老化防止、衝突防止、耐衝撃性、防水性があり、表面が親和性に優れている。
2、加工により脱落することなく過酷な環境で使用でき、優れた断熱性、高温/低温耐性、及び小さな圧縮変形を有する。
3、食品レベルの環境保護材料を使用し、無毒、無臭、弾力性・柔軟性、高強度、長寿命、耐圧性、耐酸性・耐アルカリ性、耐老化性、及び抗紫外線が保証される。
4、表面は平らでシリコンの摩擦力を維持し、足と靴の間の親和性を高める。
5、長期間のテストを通じて、接着剤処理のさまざまな方式が利用されて空気透過性(既存のインソールはシンプルで、接着剤で完全に覆われて気密フィルムを形成するため、空気透過性に影響が与えられてしまう)及び防湿性を維持する。
6、防水性能、耐酸性、耐アルカリ性、無臭、脱臭、消臭により、靴内環境が改善される。
7、数多くの長期実験と実用的な最適化を通じて、材料の選択、技術、機能から革新が実現される。これにより、コストを最適化し、社会的経済効果を高める。
8、グローバルなインソール分野において、独自の開発と設計を通じて、革新的な表面を備えるシリコン・インソールは、国内のインソールの品質を向上させ、業界の圧倒的な高さを占めている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示のシリコン・インソールの概略効果図を示す。
図2】本開示のシリコン・インソールの概略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態または先行技術における技術方式をより明確に説明するために、本開示は、図面及び実施形態または先行技術の説明と組み合わせて以下に簡単に紹介される。以下の図面の構造の説明は、本開示のいくつかの実施形態にすぎないことは明らかである。当業者であれば、創造的な作業なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることができる。ここで、これらの実施形態の説明は、本開示の理解を助けるために使用されるが、本開示を限定するものではないことに留意されたい。
【0016】
図1に示すように、実施形態は、下部インソール層1、ポリマー接着剤層2、表面処理剤層3および上部シリコン平坦層4を備えるシリコン・インソールを提供する。これらの下部インソール層1、ポリマー接着剤層2、表面処理剤層3および上部シリコン平坦層4は、この順序で下から上に配置される。上部シリコン平坦層4の下端面は、表面処理剤層3を介してポリマー接着剤層2と結合し、下部インソール層1と一体化してインソール本体を形成する。これにより、シリコン・インソールの全体的な接続をより強固で耐久性のあるものにする。上部シリコン平坦層4は、食品レベルのシリコンで作られる。上部シリコン平坦層4の上端面は、溝や突起のない平坦な構造であり、インソールを必要とする現在のすべての靴に適してその性能を向上させる。これにより、高摩擦、防水、微通気性、柔らかさ、環境保護、無毒、無臭、保証されたリバウンドタッチ、高品質、耐老化性、帯電防止、技術的センスなど、シリコン材料の利点を最大限に活用する。
【0017】
本開示において、高分子接着剤層2、表面処理剤層3、および上部シリコン平坦層4は、シリコン・インソールの表面層として使用することができ、または元のインソールに貼り付け、靴の空洞/靴の内部空間が重量、厚さ、サイズなどの方面で変化せずに表面層のみとして直接使用することができる。これにより、元の靴の快適なデザインを維持し、日常生活に適用するのがより便利である。上部シリコン平坦層4の下端面は、表面処理剤層3を介してポリマー接着剤層2と結合し、下部インソール層1と一体化してインソール本体を形成する。これにより、脱落しやすいという既存技術の痛点を変更することができ、全体的な接続をより強固で耐久性のあるものにする。上部シリコン平坦層4は食品レベルのシリコンで作られており、環境保護や無毒などの利点がある。上部シリコン平坦層4の上端面は、溝や突起のない平坦な構造であり、足の圧力をより完全に分散でき、柔らかい食品レベルのシリコンの保護下で長時間立ったりスポーツしたりするのに適し、また、インソールを必要とする現在のすべての靴に適しその性能を向上させる。これにより、高摩擦、防水、微通気性、湿気や汗をよく吸収、柔らかさ、環境保護、無毒、無臭、保証されたリバウンドタッチ、品質、耐老化性、帯電防止、技術的センス、より優れた着用感、低コスト、簡単に折りたため、持ち運びやすさ、生地の感触が保たれるなどの利点が活用され、より実用的である。
【0018】
先行技術と比較して、本開示によって提供されるシリコン・インソールは、以下の有益な効果を奏する:
1、シリコン材料は、高温や天候に強く、老化防止、衝突防止、耐衝撃性、防水性があり、表面が親和性に優れている;
2、加工により脱落することなく過酷な環境で使用でき、優れた断熱性、高温/低温耐性、及び小さな圧縮変形を有する;
3、食品レベルの環境保護材料を使用し、無毒、無臭、弾力性・柔軟性、高強度、長寿命、耐圧性、耐酸性・耐アルカリ性、耐老化性、及び抗紫外線が保証される;
4、表面は平らでシリコンの摩擦力を維持し、足と靴の間の親和性を高める;
5、長期間のテストを通じて、接着剤処理のさまざまな方式が利用されて空気透過性(既存のインソールはシンプルで、接着剤で完全に覆われて気密フィルムを形成するため、空気透過性に影響が与えられてしまう)及び防湿性を維持する;
6、防水性能、耐酸性、耐アルカリ性、無臭、脱臭、消臭により、靴内環境が改善される;
7、数多くの長期実験と実用的な最適化を通じて、材料の選択、技術、機能から革新が実現される。これにより、コストを最適化し、社会的経済効果を高める;
8、グローバルなインソール分野において、独自の開発と設計を通じて、革新的な表面を備えるシリコン・インソールは、国内のインソールの品質を向上させ、業界の圧倒的な高さを占めている。
【0019】
例示された実施形態として、表面処理剤層3の材料がカップリング剤を含む。カップリング剤がポリマー接着剤層2と結合して下部インソール層1の接着を行うことができる。これにより、上部のシリコンの平らな層4はより硬く、簡単に剥がれない。
【0020】
図示の実施形態として、上部シリコン平坦層4の厚さが0.5mm~2.0mmの範囲にあり、上部シリコン平坦層4がシリコンの通気性を保持し、通気性を高める。これにより、インソール機能を強化し、靴内環境が改善される。
【0021】
例示された実施形態として、ポリマー接着剤層2の材料は環境保護接着剤を含む。環境保護接着剤は無毒の環境保護の要件を満たし、インソールの品質を向上させる。
【0022】
例示された実施形態として、下側インソール層1が、環境保護、無毒及び快適な食品レベルのシリコンで作られる。
【0023】
最後に、上記の説明は本開示の例示的な実施形態にすぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されないことに留意されたい。本開示の精神及び原則の範囲内でなされた修正、同等の置換及び改良は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0024】
1 下部インソール層
2 ポリマー接着剤層
3 表面処理剤層
4 上部シリコン平坦層
図1
図2
【外国語明細書】