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特開2023-123403インイヤーウェアラブルデバイス及びそのパネル組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123403
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】インイヤーウェアラブルデバイス及びそのパネル組立体
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
H04R1/10 104
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026148
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】202210171922.3
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522205415
【氏名又は名称】聴智慧(南京)科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】汪 迎偉
(57)【要約】      (修正有)
【課題】部品をコンパクトに配置することによりパネル上及び筐体内に占める空間を低減できるパネル組立体及びインイヤーウェアラブルデバイスを提供する。
【解決手段】カスタム・インイヤーウェアラブルデバイスにおいて、パネル組立体100は、パネル110、メインボード120、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、収音装置180、スピーカ組立体190及び無線通信モジュールを備える。パネル又は操作装置に垂直な平面内において、操作装置の正射影と充電装置の正射影とは部分的に重なり、パネル又は操作装置が位置する平面内において、操作装置の正射影の最小外接円と充電装置の正射影の最小外接円とは、少なくとも部分的に重なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インイヤーウェアラブルデバイスのパネル組立体(100、200)であって、
パネル(110、210)、メインボード(120、220)、操作装置(130、230)、充電装置(140、240)、バッテリ(150、250)、アンテナ装置(160、260)、収音装置(180、280)、スピーカ組立体(190、290)及び無線通信モジュールを備え、
前記操作装置(130、230)は、前記パネル(110、210)の上方で操作可能なタッチパッドであり、前記充電装置(140、240)は、前記インイヤーウェアラブルデバイスを前記パネル(110、210)の上方から充電することができる装置であり、
前記パネル(110、210)又は前記操作装置(130、230)に垂直な平面内において、前記操作装置(130、230)の正射影と前記充電装置(140、240)の正射影とは部分的に重なり、
前記パネル(110、210)又は前記操作装置(130、230)が位置する平面内において、前記操作装置(130、230)の正射影の最小外接円と前記充電装置(140、240)の正射影の最小外接円とは少なくとも部分的に重なる、パネル組立体。
【請求項2】
前記操作装置(130、230)の正射影の最小外接円と前記充電装置(140、240)の正射影の最小外接円の重なり率Rは、
R=S/max(S,S
で、前記重なり率Rは70%~100%であり、
ここで、Sは、前記操作装置(130、230)の正射影の最小外接円の面積を表し、Sは、前記充電装置(140、240)の正射影の最小外接円の面積を表し、Sは、当該2つの最小外接円の重なる部分の面積を表し、max(S,S)は、S及びSのうちの大きい値を表す、請求項1に記載のパネル組立体。
【請求項3】
前記充電装置(140、240)は複数の充電ピンを備え、前記複数の充電ピンは前記操作装置(130、230)を経て前記パネル(110、210)の開口内に挿入される、請求項1に記載のパネル組立体。
【請求項4】
前記操作装置(130、230)は、前記複数の充電ピンが通過するための貫通孔及び/又は凹部を備える、請求項3に記載のパネル組立体。
【請求項5】
前記操作装置(130、230)は、中心部に位置する第1貫通孔と非中心部に位置する第2貫通孔又は凹部とを備える、請求項4に記載のパネル組立体。
【請求項6】
前記複数の充電ピンは、少なくとも1つの第1極性の充電ピンと少なくとも1つの第2極性の充電ピンとを備え、前記第1極性の充電ピンは前記第1貫通孔を介して前記パネル(110、210)の開口内に挿入され、前記第2極性の充電ピンは前記第2貫通孔又は凹部を介して前記パネル(110、210)の開口内に挿入される、請求項5に記載のパネル組立体。
【請求項7】
前記第1極性の充電ピンの数は1つであり、前記第2極性の充電ピンの数は3つであり、前記第2極性の充電ピンは、前記第1極性の充電ピンを中心として正三角形状に配列されている、請求項6に記載のパネル組立体。
【請求項8】
前記複数の充電ピンと前記操作装置(130、230)の外輪郭との最小距離は2mm以内である、請求項3に記載のパネル組立体。
【請求項9】
前記複数の充電ピンの上端はいずれも前記パネル(110、210)の上面と同一平面にあり、又は、前記複数の充電ピンの上端はいずれも前記パネル(110、210)の上面よりも下にあり、又は、前記複数の充電ピンのうちの少なくとも1つの充電ピンの上端は前記パネル(110、210)の上面と同一平面にありかつ他の充電ピンの上端は前記パネル(110、210)の上面よりも下にある、請求項3に記載のパネル組立体。
【請求項10】
前記操作装置(130、230)は略円形又は略楕円形であり、前記操作装置(130、230)の最小外接円の直径は5~8mm又は5~6mmである、請求項1に記載のパネル組立体。
【請求項11】
磁石(170)をさらに備え、前記磁石(170)の断面における前記操作装置(130、230)と前記充電装置(140、240)との正射影が該横断面内に位置する、請求項1に記載のパネル組立体。
【請求項12】
ユーザーが前記インイヤーウェアラブルデバイスを装着した場合、前記ユーザーの耳方向における前記パネル(110、210)の投影は耳輪郭内にある、請求項1に記載のパネル組立体。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のパネル組立体(100、200)と、筐体(500)とを備える、インイヤーウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記パネル(110、210)又は前記操作装置(130、230)が位置する平面内において、前記筐体(500)の正射影は、前記パネル(110、210)、操作装置(130、230)、充電装置(140、240)、バッテリ(150、250)、アンテナ装置(160、260)及び収音装置(180、280)の正射影の全ての面積又は大部分の面積をカバーし、
前記筐体(500)の正射影が前記パネル(110、210)、操作装置(130、230)、充電装置(140、240)、バッテリ(150、250)、アンテナ装置(160、260)及び収音装置(180、280)の正射影の大部分の面積をカバーするということは、前記パネル(110、210)又は前記操作装置(130、230)が位置する平面内において、前記パネル(110、210)、操作装置(130、230)、充電装置(140、240)、バッテリ(150、250)、アンテナ装置(160、260)及び収音装置(180、280)の正射影の外輪郭によって規定される領域の85%以上の面積が、前記筐体(500)の正射影の範囲内にあることを指す、請求項13に記載のインイヤーウェアラブルデバイス。
【請求項15】
前記筐体(500)は、ユーザーの耳の形状及びサイズに基づいて形成されたカスタム筐体であり、前記筐体(500)は、第1突出部(510)と第2突出部(520)とを備え、ユーザーが前記インイヤーウェアラブルデバイスを装着した場合、前記第1突出部(510)は、前記ユーザーの耳甲介腔又は前記ユーザーの耳甲介腔と外耳道に位置し、前記第2突出部(520)は、前記ユーザーの耳甲介舟に位置し、及び/又は
前記インイヤーウェアラブルデバイスは、耳挿入検出センサ、体温センサ、血圧センサ、血中酸素センサ、心拍数センサ及び血糖センサのうちの少なくとも一方を備える、請求項13に記載のインイヤーウェアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェアラブルデバイスに関し、具体的にはインイヤーウェアラブルデバイス及びそのパネル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、スマートウォッチ、スマートブレスリング、スマートメガネ、仮想現実/拡張現実(VR/AR)デバイスのようなスマートウェアラブルデバイスが普及し、人々の生活における重要な構成部分となっている。インイヤーウェアラブルデバイスは、装着のしやすさや手の動きを邪魔しないなどの利点から、スマートウェアラブルの中でも重要なタイプの1つとなっている。
【0003】
しかしながら、現在のインイヤーウェアラブルデバイスの多くは標準サイズの製品であり、各ユーザーの耳道の形状及びサイズが異なるため、標準サイズの製品には、ユーザーの装着感が悪く、装置が脱落しやすい等の問題が存在するため、デバイスの装着に関して装着時間及び応用シーンを制限する。したがって、カスタマイズされたインイヤーウェアラブルデバイスがより多く注目されている。
【発明の概要】
【0004】
カスタム・インイヤーウェアラブルデバイスの場合、そのカスタマイズされた部分(例えば筐体)はユーザによってその形状及びサイズが異なるため、デバイスの外部と相互作用したりデバイスの外部に通信したりする必要がある部品を、カスタマイズされた部分に取り付けることは困難である。この場合、本発明は、これらの部品をパネル、例えばパネルの下方に取り付けることを考慮するが、各部品をどのように設置することでそれが正常に動作できる状況でより少ないパネルスペース及びデバイス内部の空間を占めるかが、本発明の解決しようとする課題の一つとなる。
【0005】
本発明は少なくとも一部の部品をコンパクトに配置することによりパネル上及び筐体内に占める空間を低減して、これらの部品が正常に動作できる状況でパネル組立体及びデバイスのサイズを低減し、パネル組立体の適応率及び装置の装着快適性を向上させる。
【0006】
一実施例において、インイヤーウェアラブルデバイスのパネル組立体であって、パネル、メインボード、操作装置、充電装置、バッテリ、アンテナ装置、収音装置、スピーカ組立体及び無線通信モジュールを備え。
【0007】
操作装置は、パネルの上方で操作可能なタッチパッドであり、充電装置は、インイヤーウェアラブルデバイスをパネルの上方から充電することができる装置であり パネル又は操作装置に垂直な平面内において、操作装置の正射影と充電装置の正射影とは部分的に重なり、
【0008】
パネル又は操作装置が位置する平面内において、操作装置の正射影の最小外接円と充電装置の正射影の最小外接円とは少なくとも部分的に重なる、パネル組立体を提供する。
【0009】
一実施例において、操作装置の正射影の最小外接円と充電装置の正射影の最小外接円の重なり率Rは、
R=S/max(S,S
で、重なり率Rは70%~100%であり、
ここで、Sは、操作装置の正射影の最小外接円の面積を表し、Sは、充電装置の正射影の最小外接円の面積を表し、Sは、当該2つの最小外接円の重なる部分の面積を表し、max(S,S)は、S及びSのうちの大きい値を表す。
【0010】
一実施例において、充電装置は複数の充電ピンを備え、複数の充電ピンは操作装置を経てパネルの開口内に挿入されてもよい。
【0011】
一実施例において、操作装置は、複数の充電ピンが通過するための貫通孔及び/又は凹部を備えてもよい。
一実施例において、操作装置は、中心部に位置する第1貫通孔と非中心部に位置する第2貫通孔又は凹部とを備えてもよい。
【0012】
一実施例において、複数の充電ピンは、少なくとも1つの第1極性の充電ピンと少なくとも1つの第2極性の充電ピンとを備え、第1極性の充電ピンは第1貫通孔を介してパネルの開口内に挿入され、第2極性の充電ピンは第2貫通孔又は凹部を介してパネルの開口内に挿入されてもよい。
【0013】
一実施例において、第1極性の充電ピンの数は1つであり、第2極性の充電ピンの数は3つであり、第2極性の充電ピンは、第1極性の充電ピンを中心として正三角形状に配列されてもよい。
【0014】
一実施例において、貫通孔は円形孔、楕円形孔又は弧状孔であってもよい。
【0015】
一実施例において、複数の充電ピンと操作装置の外輪郭との最小距離は2mm以内であってもよい。
【0016】
一実施例において、複数の充電ピンの上端はいずれもパネルの上面と同一平面にあり、又は、複数の充電ピンの上端はいずれもパネルの上面よりも下にあり、又は、複数の充電ピンのうちの少なくとも1つの充電ピンの上端はパネルの上面と同一平面にありかつ他の充電ピンの上端はパネルの上面よりも下にあってもよい。
【0017】
一実施例において、操作装置は略円形又は略楕円形であってもよい。
【0018】
一実施例において、操作装置の最小外接円の直径は5~8mmであってもよい。
【0019】
一実施例において、操作装置の最小外接円の直径は5~6mmであってもよい。
【0020】
一実施例において、磁石をさらに備え、磁石の断面における操作装置と充電装置との正射影が該横断面内に位置してもよい。
【0021】
一実施例において、ユーザーがインイヤーウェアラブルデバイスを装着した場合、ユーザーの耳方向におけるパネルの投影は耳輪郭内にあってもよい。
【0022】
一実施例において、前記のパネル組立体と、筐体とを備える、インイヤーウェアラブルデバイスを提供する。
【0023】
一実施例において、パネル又は操作装置が位置する平面内において、筐体の正射影は、パネル、操作装置、充電装置、バッテリ、アンテナ装置及び収音装置の正射影の全ての面積又は大部分の面積をカバーする。
【0024】
一実施例において、筐体の正射影がパネル、操作装置、充電装置、バッテリ、アンテナ装置及び収音装置の正射影の大部分の面積をカバーするということは、パネル又は操作装置が位置する平面内において、パネル、操作装置、充電装置、バッテリ、アンテナ装置及び収音装置の正射影の外輪郭によって規定される領域の85%以上の面積が、筐体の正射影の範囲内にあることを指す。
【0025】
本発明は、例えば、操作装置としてタッチパッドを採用し、操作装置に垂直な方向に操作装置の正射影と部分的に重なり、操作装置に平行な方向に操作装置の正射影の最小外接円と少なくとも部分的に重なる充電装置を採用することにより、操作装置及び充電装置がパネル上及び筐体内に占める空間を低減して、操作装置及び充電装置が正常に動作できる状況でパネル組立体及びインイヤーウェアラブルデバイスのサイズを低減し、パネル組立体の適応率及びデバイスの装着快適性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、図面を参照して本願の例示的な実施例の特徴、利点及び技術的効果を説明する。
【0027】
図1】本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイスの斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイスの分解図である。
図3】本発明の一実施例に係るパネル組立体の部品組立図である。
図4】本発明の一実施例に係る操作装置と充電装置の概略図である。
図5】本発明の一実施例における操作装置と充電装置の概略図である。
図6】本発明の一実施例における操作装置と充電装置の概略図である。
図7】本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイスの斜視図である。
図8】ユーザーの耳の構造概略図である。
図9】本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイスの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の符号を用いて同一又は類似の部品を示し、かつ簡略化のためにその重複説明を省略する。
【0029】
図1は本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の斜視図である。カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、例えば、カスタムワイヤレスイヤホンであってもよい。図1では単一のデバイス(例えば左耳に装着するデバイス)のみを示すが、当業者には、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10が、左耳と右耳のそれぞれに装着される2つのデバイスを備えることができることを理解しており、これらの構造は基本的に対称でありまた無線通信が可能であり、ここでは、簡略化のために、そのうちの一つのデバイスのみについて図示と説明を行う。図1を参照し、該実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10はパネル組立体100及びカスタム筐体500を備える。筐体500は、ユーザの耳の形状及びサイズに基づいて形成されたカスタム筐体であってもよく、例えばユーザの耳(外耳道、耳甲介腔及び/又は耳甲介舟等を含む部位)に対して耳型を取り、製造装置により取った耳型に基づいて製造され、製造方法は例えば3D印刷であってもよい。カスタム筐体500のサイズは取った耳型と同じであってもよく、一部の敏感なユーザーの装着快適性を向上させるために耳型よりも僅かに小さくてもよい。
【0030】
現在のインイヤーウェアラブルデバイスの多くは標準サイズの製品であり、各ユーザーの耳道の形状及びサイズが異なるため、標準サイズの製品には、ユーザーの装着感が悪く、装置が脱落しやすいなどの問題が存在するため、デバイスの装着時間及び応用シーンを制限する。デバイスが標準サイズの製品の場合、多くのユーザーの耳のサイズ(例えば耳甲介腔)に適応するためには、そのサイズはできるだけ小さくする必要があるが、落下しないように安定的に装着するためには、いくつかの突出部を設けてデバイスを耳に安定的に留めて置く必要がある。この場合、標準サイズの製品は装着時に多くのユーザーの耳道又は耳郭のいくつかの部位に圧迫を生じ、長時間の装着による不快感をもたらすという問題を引き起こす。例えば、デバイスを30分、或いはそれ以上の時間装着していると、多くのユーザーが耳に不快感を感じる。また、標準サイズのデバイスはいくつかの突出部を設けることにより装着の安定性を向上させるが、その向上の程度は限られ、依然としてデバイスが脱落しやすいという問題が存在する。本発明では、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の筐体500はユーザーに対してカスタマイズされているため、ユーザーの耳に圧迫がほとんど発生しないため、本発明のカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、標準サイズのデバイスに比べて、装着快適性が向上する。また、筐体500は、ユーザ用にカスタマイズされているため、ユーザの耳(例えば外耳道)への密着性により優れ、装着がしっかりしており、外れにくい構造となっている。装着の快適性と堅固性がいずれも良好であれば、ユーザーはデバイスを例えば数時間からそれ以上、より長時間装着することができる。さらに、ユーザーはデバイスをより長時間に装着することができるため、ユーザーがそれを例えば従来の映像サービスに加えて、音声やビデオ電話の接続、ゲーム、様々な仮想現実イベントなど、様々なシーンで利用する可能性が高まる。
【0031】
図2は本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の分解図である。図1と同様に、該実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、パネル組立体100とカスタム筐体500を備える。図2を参照すると、本実施例のパネル組立体100は、パネル110、メインボード120、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、収音装置180、スピーカ組立体190及び無線通信モジュール(図示せず)を備えてもよい。操作装置130はパネル110の上方で操作可能なタッチパッドであり、充電装置140はインイヤーウェアラブルデバイス10をパネル110の上方から充電することができる装置である。タッチパッドは、例えば、指などの身体部位によってタッチパッド上のタッチの抵抗又は容量等のパラメータを変更することによりタッチ制御を実現する装置であってもよく、機械式ノブ又は機械式スイッチなどの機械的操作装置と異なる点は、タッチパッドは一般的に目に見える機械的な動きを発せさせず該タッチパネルに対する操作を可能にする。抵抗又は容量等のパラメータを変更する技術以外、パネル110の上方で操作可能であれば、本発明は他のタッチ制御技術を利用してもよい。本明細書ににおけるパネル110の上方での操作には、パネル110を介してタッチパッド(操作装置130)を操作する方式と、パネル110からタッチパッドを部分的に露出させて操作する方式等の操作方法が含まれる。
【0032】
カスタム筐体500を採用する場合、筐体500はユーザの耳に基づいてカスタマイズされ、その形状及びサイズはユーザによって異なるため、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の操作装置130、充電装置140及び収音装置180等のような外部と相互作用したり通信したりする必要がある部品については、その外部と相互作用又は通信する部位又はインタフェースを筐体500に設けることが困難である。そこで本発明では、操作装置130、充電装置140及び/又は収音装置180などのような部品の外部と相互作用又は通信する部位又はインタフェースをパネル110に設ける。
【0033】
カスタム筐体500を採用する場合、パネル110が大き過ぎる、例えば、カスタム筐体500のパネル110側の端部よりもはるかに大きく、又は装着時にユーザーの耳(例えば耳甲介腔及び/又は耳甲艇)から出っ張りが多く(例えば棒状のイヤホンのようなロッド部を有する)と、耳の外側に位置する部分のサイズ及び重量が大きいため、ユーザーの装着快適性及び装着堅牢性が大幅に低下し、ノイズ(例えば風切り音)が増大する。そこで、本発明では、パネル110を筐体500のパネル110側の端部形状と略同様に設計する。つまり、パネル110は、筐体500に対して大きな突出部、例えば、筐体500から張り出した棒状部がない。一実施例において、パネル110又は操作装置130が位置する平面内には、筐体500の正射影がパネル110、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160及び収音装置180の正射影の全ての面積又は大部分の面積をカバーする。ここで、全体の面積をカバーするということは、例えば、パネル110又は操作装置130が位置する平面内において、パネル110、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160及び収音装置180の正射影が、筐体500の正射影範囲内にあることを指す。ここで、大部分の面積をカバーするということは、例えば、パネル110又は操作装置130が位置する平面内において、パネル110、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160及び収音装置180の正射影の外輪郭によって規定される領域の85%以上の面積が、筐体500の正射影の範囲内にあることを指す。複数の部品の正射影の外輪郭は、従来の方法で得られた外輪郭、例えば、複数の部品によって形成された複数の正射影の外部エッジに沿って、曲線、折れ線等を利用して得られた、これらの複数の正射影をカバーすることができる最小の輪郭線であってよい。
【0034】
上記のように、パネル110のサイズが大きすぎてはならない場合、操作装置130、充電装置140及び/又は収音装置180等のような部品の外部と相互作用又は通信する部位又はポートを、どのようにパネル110に収容するかが、本発明の解決しようとする課題の一つとなる。
【0035】
本発明は、例えば、操作装置130としてタッチパッドを採用し、操作装置130に垂直な方向に操作装置130の正射影と部分的に重なり、操作装置に平行な方向に操作装置の正射影の最小外接円と少なくとも部分的に重なる充電装置140を採用することにより、操作装置130及び充電装置140がパネル110上及び筐体500内に占める空間を低減して、操作装置130及び充電装置140が正常に動作できる状況でパネル組立体100及びインイヤーウェアラブルデバイス10のサイズを低減し、パネル組立体100の適応率及び装置の装着快適性を向上させる。
【0036】
一実施例では、パネル110又は操作装置130に垂直な平面内において、操作装置130の正射影と充電装置140の正射影とは部分的に重なる。例えば、パネル110又は操作装置130に垂直な方向において、充電装置140は操作装置130を貫通し、又は操作装置130の一部又は外側から通過する。パネル110又は操作装置130が位置する平面内において、操作装置130の正射影の最小外接円と充電装置140の正射影の最小外接円とは少なくとも部分的に重なる。
【0037】
1つ以上の形状の最小外接円とは、一平面内にその1つ以上の形状を収めることができる最小の円を指す。例えば、パネル110が位置する平面内おける操作装置130の正射影の最小外接円とは、パネル110の上面、下面又は全体面(例えば、パネル110の中心又は重心を通ってパネル全体と略平行な平面)が位置する平面内又はこれらの平面のうちの一つに平行な平面内において、操作装置130の正射影(射影の基準となる上述平面に垂直な方向上の射影)により形成される各形状がいずれもそのうちにある最小円を指す。パネル110の上面とは、パネル110が筐体500に取り付けられた場合に外部に位置する表面、又は、ユーザがインイヤーウェアラブル10を装着した場合にユーザの耳の外部に向かう表面を指す。パネル110の下面は、上面と反対側の面である。その他の部品の上面と下面も同様の意味である。同様に、操作装置130が位置する平面内おける操作装置130の正射影の最小外接円とは、操作装置130の上面、下面又は全体面(例えば、操作装置130の中心又は重心を通って操作装置全体と略平行な平面)が位置する平面内又はこれらの平面のうちの一つに平行な平面内において、操作装置130の正射影(基準となる前記平面に垂直な方向上の射影)により形成された各形状がいずれもそのうちにある最小円を指す。図2に示す実施例において、操作装置130が位置する平面を射影基準としかつ操作装置130の外輪郭が円形とする場合、操作装置130の正射影の最小外接円は、操作装置130の外輪郭である円となる。充電装置140の正射影の最小外接円は、操作装置130と同様であり、ここでは説明を省略する。
【0038】
一実施例において、パネル110又は操作装置130が位置する平面内において、充電装置140の正射影の最小外接円は、操作装置130の正射影の最小外接円内に位置してもよく(逆も同様である)、両者は完全に重なり合う(大きさ及び位置がいずれも同じである)、又は充電装置140の正射影の最小外接円は、操作装置130の正射影の最小外接円と部分的に重なってもよい。
【0039】
一実施形態では、操作装置130と充電装置140との、パネル110又は操作装置130が位置する平面内の正射影の最小外接円の少なくとも部分的な重なりは、重なり率を用いて表すことができる。パネル110又は操作装置130が位置する平面内において、操作装置130の正射影の最小外接円の面積をSとし、充電装置140の正射影の最小外接円の面積をSとし、これら2つの最小外接円の重なる部分の面積をSとすると、操作装置130の正射影の最小外接円と充電装置140の正射影の最小外接円との重なり率Rは以下のとおりである。
R=S/max(S,S
上式において、max(S,S)はS及びSのうちの大きい値を表す。実施例において、重なり率Rは70%~100%である。2つの最小外接円が完全に重なる場合、重なり率Rは100%である。実施例において、重なり率Rは85%~100%である。
【0040】
実施例において、パネル組立体100は磁石170をさらに備え、磁石170の断面における操作装置130及び充電装置140の正射影が該横断面内に位置してもよい。この場合、操作装置130及び充電装置140の外輪郭は、磁石170の断面より小さい。一実施例において、図2に示すように、磁石170は、メインボード120と充電装置140との間に配置されてもよい。一実施例において、収音装置180は、第1収音装置181及び第2収音装置182を備えてもよい。図2では、収音装置180が2つの収音装置181、182を備えるように示しているが、他の実施例では、実際の需要に応じて、より多い又はより少ない収音装置を採用してもよい。一例として、収音装置は例えばMEMSマイクロフォン(シリコンマイクとも呼ばれる)のようなマイクロフォンであってもよい。
【0041】
インイヤーウェアラブルデバイスは、耳挿入検出センサと、体温センサと、血圧センサと、血中酸素センサと、心拍センサと、血糖センサとの少なくとも一方を備えることができる。一実施例において、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10が装着状態であるか否かを検出する耳挿入検出センサ(in-ear detection sensor)600を備えることができる。、耳挿入検出センサ600は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10が非装着状態であることを検出した場合、その信号(すなわち、インイヤーウェアラブルデバイス10が非装着状態であることを示す信号)をカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の操作装置に送信して、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を待機状態、その他の非動作状態又はオフとすることができ、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10が装着状態であると検出した場合、その信号(すなわち、インイヤーウェアラブルデバイス10が装着状態であることを示す信号)をカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の操作装置に送信して、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を動作状態に設定する、つまりカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10がオフしている場合にそれをオンにするか又は元々動作して状態で動作状態を続けるようにする。耳挿入検出センサ600はパネル組立体100内に含まれてもよいし、パネル組立体100とは別の部品であってもよい。耳挿入検出センサ600は、光検出、赤外線検出、圧力検出などのいずれか1つ以上の方法を利用してインイヤーウェアラブルデバイスの装着状態検出を実現することができ、本発明に限定されるものではない。
【0042】
一実施例において、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、耳挿入検出センサ600の代わりに他の種類のセンサを備えてもよいし、或いは、耳挿入検出センサ600に加えて、他のタイプのセンサを備えてもよい。これらの他のセンサには、例えば、体温センサ、血圧センサ、血中酸素センサ、心拍センサ、血糖センサなどがある。一実施例において、1種類のセンサを利用して複数の種類の検出を実現することができ、例えば、赤外線検出方式を採用した1つの耳挿入検出センサ600は、装着状態検出も体温検出も行うことができる。一実施例において、複数種類のセンサを利用して単一の検出を実現することができ、例えば体温センサと心拍数センサの両方を利用して装着状態検出を行うことができる。
【0043】
本明細書では、パネル組立体100はパネル110と各部品を備えるものとして例示されているが、これはパネル110及び各部品が一体として形成されることを必要とするものではなく、状況に応じて分離して構成されてもよく、例えばパネル110は一部の部品と第1部分に組み立て、他の部品は第2部分に組み立てて、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の後半の組立段階でこの2つの部分を筐体500に取り付けてもよい。例えば、パネル110、操作装置130、充電装置140、バッテリ150を一つのモジュールに設け、他の部品を別のモジュールに設けることができ、もちろん、他の設置方式を採用することもできるが、本発明に限定されるものではない。図3は、本発明の一実施例に係るパネル組立体100の部品組み立て図である。パネル組立体100はパネル110を備えるが、図3では明確化のためにパネル110を示していない。図3に示すように、各部品は、ボルト、溶接、接着、係合等で一体に組み立てられてよい。
【0044】
図2に戻って参照すると、メインボード120、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、磁石170、収音装置180、スピーカ組立体190及び無線通信モジュール等の部品は、パネル110とカスタム筐体500により形成された空間内に位置することができる。具体的には、これらの部品は、主にカスタム筐体500のキャビティ501内に位置し、パネル110はキャビティ501を密封するに用いられる。パネル110は平坦なカバープレートであってもよく、凹凸やその他不平坦なカバープレートであってもよく、他の部品が正常に動作するようにすればよい。
【0045】
本発明において、パネル組立体100の適応率とは、一定数のユーザーに対して、該パネル組立体100がユーザー用に製造されるカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10に適用できるユーザー数が集計された総ユーザー数に占める割合を指す。例えば、パネル110のサイズが大きすぎると、パネル組立体100はユーザ用にカスタマイズされた筐体500とユーザの耳にマッチングすることができないが、このような場合は適応しないことになる。適応率の計算は、簡単な数学的方法でも任意の他の統計方法でも採用することができる。本発明は、操作装置130及び充電装置140の配置を設計することにより、操作装置130及び充電装置140がパネル110上及び筐体500内に占める空間を低減して、操作装置130及び充電装置140を正常に動作させながらパネル組立体100及びカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10のサイズを低減し、パネル組立体100の適応率及びデバイスの装着快適性を向上させる。
【0046】
図2に戻って参照すると、本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を説明し続ける。一実施例において、メインボード120、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、磁石170、収音装置180、スピーカ組立体190及び無線通信モジュールのパネル110が位置する平面上の正射影がパネル110内に配置されている。上述したように、パネル110は平坦なカバープレートであってもよく、凹凸又はその他不平坦なカバープレートであってもよい。パネル110が凹凸又はその他不平坦なカバープレートである場合、パネル110が位置する平面、すなわちパネル110が形成できるおおよその平面は、その大部分が該平面内にある必要はなく、例えばパネル110の該平面以上と以下の部分が同じ又は近いものであってもよい。上記各部品をその正射影がパネル110内にあるように配置するのは、主に、パネル110が各部品をカバーすることができるようにすることで、パネル110がパネル組立体100を容易に形成し、カスタム筐体500との取り付けを容易にするためである。一つ又は複数の部品の正射影がパネル110の外部に突出している場合、即ちパネル110がこの一つ又は複数の部品をカバーできない場合、部品の突出によってカスタム筐体500に取り付けられない、又は部品に打撲を起こして部品の電気的接続性に影響を及ぼす等の問題が発生する可能性がある。
【0047】
図2に示すように、一実施例において、操作装置130、磁石170、メインボード120及びバッテリ150はパネル110の下方に順に配置されてもよい。このように配置することにより、カスタム筐体500のキャビティ501内に各部品をよりよく収容することができる。これはカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10では特に重要である。これは、大きな外付けレバー部又は豆部を設けることができる非カスタムイヤホンの場合とは異なり、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、耳に垂直な方向(すなわち、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着した場合にパネル110に対して略垂直な方向)のみに僅かな突出(例えば、パネル110とカスタム筐体500の一部)を有し、耳に平行な方向(すなわち、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着した場合にパネル110に対して平行な方向)にはほとんど突出がないからである。したがって、カスタム筐体500のキャビティ501の体積が非常に小さく、キャビティ501内に各部品を収容するには、各部品の位置及び順序を十分に設計する必要がある。
【0048】
図2に示すように、一実施例において、操作装置130は、パネル110の上方で操作可能なタッチパッドであり、操作装置130は、略円形又は略楕円形であってもよく、その他の形状を採用してもよい。操作装置130(タッチパッド)が略円形又は略楕円形であることは、操作装置130全体の外輪郭の形状が円形又は楕円形であることをいい、操作装置130に若干の貫通孔又は凹部を有する場合があるが、操作装置130全体の外輪郭の形状に影響を及ぼすものではない。当業者は、操作装置130の略形状を容易に判断することができる。
【0049】
機械式ノブ又は機械式スイッチではなく、タッチパッドによる操作により、ユーザーがより小さい力を加えることでカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を制御することができるため、ユーザーがデバイスを装着している間の操作に伴う耳への圧力が低下される。また、タッチパッドは長寿命で安定性が高いため、操作装置130の故障率も低下する。タッチパッドは、従来の抵抗式又は静電容量式のものを採用してもよく、その他のタッチ操作技術を採用してもよく、本発明に限定されるものではない。
一実施例では、操作装置130(タッチパネル)の最小外接円の直径は5~8mmであってもよく、このサイズでは、操作装置130(タッチパネル)の正常且つ信頼できるタッチ制御を確実に実現することができる(小さ過ぎると、正常なタッチ制御はできない)、また、パネルにスペースを取り過ぎてパネル110が大きくなり、パネル組立体100の適応率や装置の装着快適性が低下することはない。一方、このサイズであれば、操作装置130に充電装置140が通過するように貫通孔や凹部を設けてもよい。一実施例にでは、操作装置130の最小外接円の直径が5~6mmであり、この場合、パネル110の適応率及び装置の装着快適性がさらに向上する。
【0050】
操作装置130の貫通孔及び凹部は、種々の形状を採用することができ、例えば、貫通孔は、円形孔、楕円形孔又は弧状孔であってもよく、凹部は、弧状の凹部又はその他の形状の凹部であってもよい。
【0051】
操作装置130の操作により、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10のスイッチ、動作モード、ノイズ低減のオン及びモード、音量の調節、オーディオビデオ再生の開始、一時停止、前曲、次曲、早送り、早戻し等を制御することができる。カスタム無線ヘッドセット10の動作モードとしては、例えば、Hi-Fi(High Fidelity、ハイファイ)音楽モード、通話モード、クリアモード等であってもよい。例えば、Hi-Fi音楽モードでは、オーディオ出力モードを音楽再生に適すたモードに調整し、最大ノイズ低減をオンにすることで、ユーザーは良好な音楽体験を得ることができる。通話モードでは、音声を強化し、適切なノイズ低減をオンにすることで、ユーザーは明瞭な音声又はビデオ通話を行うことができる。クリアモードでは、ノイズ低減をオンにしなく外音を耳に送るため、ユーザーはデバイスを装着していないかのように外音を正常に感知し、外部又は他人との対話を正常に行うことができる。ノイズ低減モードには、例えば、最大ノイズ低減、適切ノイズ低減、非ノイズ低減などがあってもよく、例えば航空機ノイズ低減、高速鉄道ノイズ低減、地下鉄ノイズ低減、オフィスノイズ低減など、適用シーンに応じて定義された各種のノイズ低減モードがあってもよい。具体的な操作内容は、以上に限らず他のものであってもよく、操作内容は予め設定されたものであってもよく、ユーザーがカスタマイズしたものであってもよい。
【0052】
一実施例において、充電装置140は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10をパネル110の上方から充電可能な充電ピンである。図2に示すように、充電装置140は、例えば操作装置130を介してパネル110の開口に挿入された複数の充電ピンを備えてもよい。複数の充電ピンは、パネル110の開口を介してパネルの上方から充電器又は充電台の金属接点に接触してカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を充電することができる。
【0053】
操作装置130は複数本の充電ピンを通す貫通孔及び/又は凹部を備えることができる。一実施例において、図2に示すように、操作装置130は、中心部に第1貫通孔131と、非中心部に第2貫通孔132とを有する。該実施例において、操作装置130は、1つの第1貫通孔131と3つの第2貫通孔132とを備える。他の実施例において、操作装置130は、他の数の第1貫通孔131と第2貫通孔132、例えば、1つの第1貫通孔131と1つの第2貫通孔132、1つの第1貫通孔131と2つの第2貫通孔132、2つの第1貫通孔131と1つの第2貫通孔132、2つの第1貫通孔131と2つの第2貫通孔132等を備えることができる。第1貫通孔131と第2貫通孔132の位置は必要に応じて種々に設置することができ、例えば、操作装置130が1つの第1貫通孔131と1つの第2貫通孔132を有する場合、第1貫通孔131と第2貫通孔132は操作装置130の中心に対して対称にしてもよく、もちろん非対称にしてもよい。一実施例において、図2に示すように、操作装置130が1つの第1貫通孔131と3つの第2貫通孔132を有する場合、第2貫通孔132は、第1貫通孔131を中心として正三角形状に配列されている。上記で操作装置130の貫通孔の数及び位置の設置について説明したが、当業者であれば、貫通孔の数及び位置は、充電ピンの数及び位置に基づいて決定されてもよいことを理解する。すなわち、貫通孔の数は充電ピンの数以上にし、かつ充電ピンを通すことができる位置に充電ピンに対応する貫通孔を設けてもよい。
【0054】
図2では、充電ピンが操作装置130の貫通孔を介してパネル110内に挿入されるように示しているが、充電ピンは他の方法で操作装置130を貫通してもよく、例えば、操作装置130(タッチパッド)の外周部の凹部を介してパネル110に伸ばされたり、操作装置130の外輪郭の外側を介してパネル110に伸ばされたりするようにしてもよい。
【0055】
図4は、本発明の一実施例に係る操作装置130及び充電装置140の概略図である。図4に示すように、操作装置130(タッチパネル)の外周には、充電装置140の複数本の充電ピンを通す凹部133がもうけられている。第2貫通孔132と同様に、凹部133の数は一つ又は複数であってもよい。複数の凹部133が存在する場合、凹部133は、操作装置130の外周に均一に配置されてもよく、操作装置130の外周に不均一に配置されてもよい。充電ピンの操作装置130を通過する位置は、充電装置140の存在によりパネル110の大型化が生じないように、操作装置130上の凹部がない場合の外輪郭内に配置することができる。図4に示す実施例では、操作装置130は、凹部133に加えて1つの第1貫通孔131を有する。一実施例において、操作装置130は、貫通孔なしに凹部133のみを有してもよい。一実施例では、操作装置130は、貫通孔、凹部、外輪郭の外側などのうちの少なくとも一方を有してもよい。
【0056】
操作装置130に貫通孔又は凹部を形成して充電ピンを通すことで、操作装置130及び充電装置140の配置をよりコンパクトにすることができ、従って、パネル110上及び筐体500においてこれらの部品が占める空間をさらに減少することができ、操作装置130及び充電装置140が正常に動作させながら、パネル組立体100及びカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を小型化することができ、パネル組立体100の適応率及びデバイスの装着快適性を向上させることができる。
【0057】
図5は、本発明の一実施例に係る操作装置130及び充電装置140の概略図である。実施例において、図5に示すように、充電装置140の複数本の充電ピンは操作装置130の外輪郭の外側の近傍に配置されて操作装置130に貫通孔又は凹部を形成する必要がない。この場合、複数本の充電ピンと操作装置130の外輪郭との最小距離を例えば2mm以内(例えば、0.5~2mm)とすることで、距離が離れすぎて部品配置がコンパクトにならなかったり、パネル110上及び筐体500内に空間を取り過ぎたりする問題を回避することができる。
【0058】
本発明において、充電装置140の複数本の充電ピンは、操作装置130の貫通孔、凹部及び外輪郭の外側のうちの一方、両方又は三方によってパネル110の開口内に挿入ことができる。一実施例において、図2に示すように、充電装置140の複数本の充電ピンはいずれも操作装置130の貫通孔を介してパネル110の開口に挿入されている。一実施例において、充電装置140の複数本の充電ピンはいずれも操作装置130上の凹部を介してパネル110の開口内に挿入されている。一実施例において、図5に示すように、充電装置140の複数本の充電ピンはいずれも操作装置130の外輪郭の外側からパネル110の開口に伸び、操作装置130には貫通孔又は凹部が設けられていない。一実施例において、図4に示すように、充電装置140の少なくとも一本の充電ピンは操作装置130上の貫通孔を介してパネル110の開口に伸び込み、他の充電ピンは操作装置130上の凹部を介してパネル110の開口に伸びこんでいる。一実施例において、充電装置140の少なくとも一本の充電ピンは操作装置130上の貫通孔又は凹部を介してパネル110の開口内に挿入され、他の充電ピンは操作装置130の外輪郭の外側近傍に配置されている。一実施例において、充電装置140の少なくとも一本の充電ピンは操作装置130上の貫通孔を介してパネル110の開口に挿入され、少なくとも一本の充電ピンは操作装置130上の凹部を介してパネル110の開口に挿入され、他の充電ピンは操作装置130の外輪郭の外側近傍に配置されている。
【0059】
図6は本発明の実施例に係る操作装置130及び充電装置140の概略図である。図6に示す実施例において、操作装置130は円環に構成され、充電装置140の全ての充電ピンはいずれも円環の内部を通ってパネル110の開口内に伸びる。他の実施例において、一部の充電ピンが円環内部を通過してパネル110内に伸び、他の充電ピンが貫通孔、凹部及び外輪郭の外側のうちの少なくとも一つによりパネル110内に伸びる方式を採用してもよい。
【0060】
充電装置140の複数本の充電ピンはパネル110の開口から張り出してもよく、すなわち充電ピンの上端がパネル110の上面より高くてもよいが、この場合には、充電ピンは充電器又は充電台の金属接点とよく接触することができるが、操作装置130のタッチ制御に影響を及ぼす可能性がある。したがって、一実施例では、充電ピンはパネル110の開口から張り出していなくてもよく、すなわち、充電ピンの上端がパネル110の上面と同一平面又はパネル110の上面よりも下にあってもよく、従って、充電ピンがパネル110から突出することにより操作装置130のタッチ制御に影響を及ぼすことがない。充電ピンの上端がパネル110の上面より低い場合、充電ピンの上端をパネル110の上面よりもやや低く設置することができ、例えば、パネル110の厚さが1mmである場合、充電ピンの上端とパネル110の上面とのパネル110の上面に垂直な方向の距離を0.1~0.8mmとすることができる。この場合、充電ピンの上端をパネル110の下面よりも高く設置し、パネル110の開口により充電ピンの位置を制限することができ、充電ピンと充電器又は充電台の金属接点との接触信頼性をさらに向上させることができる。
【0061】
充電ピンの上端がパネル110の上面よりも低い場合には、充電ピンに対応する充電器または充電台の金属接点は、充電ピンを収容するパネル110の開口に伸びて充電ピンと接触する必要がある。一実施例において、複数の充電ピンの上端は、パネル110の上面と同一平面にある。一実施例において、複数の充電ピンの上端は、いずれもパネル110の上面よりも低い。一実施例において、複数の充電ピンのうちの少なくとも1つの充電ピンの上端がパネル110の上面と同一平面にあり、他の充電ピンの上端はパネル110の上面よりも低い位置にある。ここで、「充電ピンの上端」とは、充電ピンがパネル110の開口内に挿入される端部、または、パネル110の上面に近接する端部を指す。
【0062】
充電ピンの本数は2本でもよいし、3本、4本など、2より大きい他の数でもよい。複数の充電ピンは、少なくとも1つの第1極性(例えば正極又は負極)の充電ピンと少なくとも1つの第2極性(例えば負極又は正極)の充電ピンとを備えてもよく、第1極性の充電ピンは、例えば、操作装置130の中心部にある第1の開口を介してパネル110の開口内に伸張することができ、第2極性の充電ピンは、例えば、操作装置130の第2貫通孔や凹部などを介してパネル110の開口内に伸張することができる。第2貫通孔または凹部の数は、1つ以上であってもよい。一実施例では、第1極性の充電ピンの本数は1本であり、第2極性の充電ピンの本数は3本である。一実施例では、第1極性の充電ピンを中心に3本の第2極性の充電ピンが正三角形に配列される。同一極性の充電ピンは一般的には電気的に接続される。例えば、ワイヤまたは金属シートにより電気的に接続される。
【0063】
一実施例において、図2にしめすように、充電装置140は4本の充電ピンを備え、正極の1本の充電ピンが中央に配置されていてもよく、例えば操作装置130、バッテリ150、磁石170の中心に対応していてもよい。負極の3本の充電ピンは正極の充電ピンを等間隔で囲むことができる。ある極性に複数本の充電ピンを設置することで、充電器や充電台との接続信頼性を高めることができ、すなわち一部の充電ピンが汚れ、錆び、高さ不足等の問題により充電器や充電台の対応する接点との接触不良が発生した場合でも、他の充電ピンにより電気的に接続することができる。別の実施例では、充電ピンは正極と負極を交換することができ、例えば負極に1本、正極に3本の充電ピンがある。他の実施例では、例えば1本の正極充電ピンと2本の負極充電ピン、又は2本の正極充電ピンと一本の負極充電ピンなど、他の数の充電ピンを使用してもよい。正極充電ピンと負極充電ピンの太さは同じでも、違うこともできる。例えば、充電ピンが正極1本と負極3本の場合、正極を負極より太くすることで、数の少ない充電ピンと充電器や充電台との接続信頼性を向上させるとともに極性の異なる充電ピンのインピーダンス整合性を確保する。充電ピンは固定された高さであってもよく、充電器や充電台の接点と接触しやすいように弾性を持たせたものであてもよい。
【0064】
充電ピンは、パネルの上方から見てドットや小さな円形の針型であってもよく、パネルの上方から見て直線セグメント、弧状セグメント、折れ線セグメント、曲線セグメントなど、様々な形状をしてもよい。図7は本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の斜視図である。該実施例では、充電ピンは弧状のシートとなり、パネル上には充電ピンを伸張させる弧状の開口が設けられており、図7では一定の厚さを有する弧状セグメントとして示され、弧度と厚さを設けることで充電ピンと充電器や充電台との接続信頼性を向上させることができる。前述の説明と同様に、この複数本の弧状充電ピンは、操作装置の貫通孔、凹部、又は操作装置の外輪郭の外側等を介してパネルの開口に伸張することができ、その他は同様であり、ここでの説明は省略する。一実施形態では、複数の充電ピンが操縦装置の外側に弧を描くように配置される。この復数の充電ピンと操作装置の外側輪廓との最小距離は同様に2mm以内、例えば0.5~2mmであってもよい。
【0065】
図2に戻って参照すると、一実施例において、充電ピンを固定するために支持板を設けてもよい。他の実施例では、充電ピンを固定するために他の方法を採用してしてもよい。同一の電極が2本以上の充電ピンを有する場合、充電ピンは導電性を有する金属シート又は金属線によって電気的に接続されてもよく、金属シート又は金属線は例えば支持板に同様に固定されてもよい。本発明において、明瞭にするために、充電装置140は、一般に充電ピンを意味し、支持板及び電気的接続手段として機能する金属シート又は金属線は含まれない。具体的には、本明細書において充電装置140の正射影、外輪郭、または最小外接円について言及する場合には、充電ピンの正射影、外輪郭、または最小外接円のみを指し、支持板、金属シート/金属線等の他の部分は含まれない。
【0066】
バッテリ150は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の動作に必要な電力を供給するものであり、例えば1054型(即ち断面径10mmで高さ54mm)のような特定の規格の充電可能なバッテリを使用してもよく、他の規格の充電可能なバッテリを使用してもよい。バッテリ150は、リチウムイオンバッテリであってもよく、他の種類のバッテリであってもよく、本発明に限定されるものではない。
【0067】
アンテナ装置160は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10が無線で動作できるように、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10に対して無線信号を送受信するように構成されている。アンテナ装置160は、例えば、アンテナ装置160が他の金属部品によって遮蔽されず、他の金属部品からできるだけ離れて無線信号の送受信を円滑に行うように、インイヤーウェアラブルデバイス10の装着際にパネル110の下方に近い位置に配置されてもよい。アンテナ装置160は、ダイポールアンテナ、平面逆Fアンテナ、セラミックアンテナ等、様々な形態であってもよく、本発明に限定されるものではない。
【0068】
磁石170は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を充電する際に、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を充電器や充電台に安定的に吸着させるために使用され、充電の接続安定性を高める。一実施例において、磁石170は円形磁石であってもよく、この場合、その中心が操作装置130又はバッテリ150の中心と重なっていてもよい。図2では1個の円形磁石のみを示しているが、当業者であれば、他の数や形状の磁石を採用してもよく、例えば、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10には、磁石170を含まなくてもよいし、2個以上の磁石を採用してもよく、複数の磁石は極性が異なってもよいし、磁石の形状は、円形、楕円形、四角等様々であることが理解できるだろう。カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10に極性の異なる2個のマグネットを採用した場合、充電器や充電台にも対応する設置を行うことができ、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10と充電器や充電台とをより当接させることができる。
【0069】
メインボード120は、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、収音装置180、スピーカ組立体190、無線通信モジュール等を含むカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の主要な部品を装着して接続するためのものである。これらの部品は、ボルト、溶接、接着等の手段で直接又は間接的に(例えば各種の固定部品又はその他の部品により)メインボード120に固定することができ、各部品の接続は、メインボード120上の印刷配線、ワイヤ、フライワイヤ、ボールピン等の種々の手段により行うことができる。図2に示す実施例では、メインボード120は、硬質メインボードであり、磁石170とバッテリ150との間に設けられてもよいが、磁石170がない場合には、操作装置130とバッテリ150との間に設けられてもよいし、充電装置140の支持板とバッテリ150との間に設けられてもよい。一実施例では、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10にフレキシブルなメインボードを採用してもよいが、図8を参照して詳細に説明する。
【0070】
図2に戻って参照すると、一実施例において、収音装置180は、2つの収音装置181、182を含んでもよい。収音装置181、182は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の機能に応じて、同じタイプの音を拾うこともできるし、異なるタイプの音を拾うこともでき、例えば、収音装置181は通話音及び環境音の拾音用とし、収音装置182は環境音の拾音用とすることができる。2つ以上の収音装置で音を拾うことで、異なる収音装置で拾った音を処理することができ、音や音場増強、ノイズ低減などの効果が得られる。他の実施例では、他の数の収音装置180、例えば1つ、3つ、またはそれ以上が使用されてもよい。収音装置180は、例えばMEMSマイクロフォンのようなマイクロフォン等、インイヤーウェアラブルデバイスに適した任意のタイプの収音装置であってもよい。
【0071】
スピーカ組立体190は、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の音声を出力する音声出力装置を備えていてもよく、音声出力装置は、可動式鉄製スピーカであってもよいし、可動式コイルスピーカやコイル鉄製スピーカなどであってもよい。通常、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10のカスタム筐体500には、スピーカ組立体190の音声出力装置から出力された音がカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着したユーザの耳に届くように、音を通すための開口が設けられている。一実施例において、スピーカ組立体190は、スピーカ組立体190の音声出力装置から出力される音声の周波数音響特性を検出し、この周波数音響特性に基づいて音声出力装置の出力を調整する第3収音装置をさらに備えてもよい。
【0072】
無線通信モジュールは、ワイヤレスイヤホン10の信号を処理して無線通信を可能にする。無線通信モジュールは、メインボード120上に配置されてもよく、他の場所に配置されてもよい。無線通信モジュールは、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の無線動作が可能であれば、ブルートゥース(登録商標)モジュールであってもよく、他のタイプの無線通信モジュールであってもよい。無線通信モジュールは、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の中央処理処理(CPU)に集積されてもよく、個別のモジュールであってもよい。
【0073】
カスタム筐体500は、上述したように、ユーザの耳に耳型を取り、それに基づいて製造されたものであってもよく、製造方法は3Dプリンタであってもよいし、その他の製造方法であってもよい。一実施例において、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10は、ユーザがカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着している間、通気するために、カスタム筐体500に設けられた通気管路を備えてもよい。カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着する際のユーザーの耳道と外部空間との気圧のバランスをとることができ、耳内部の圧力の高まりや内外圧のアンバランスによる不快感を低減することができるように、通気管路の一端はカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の外耳道に突き出す凸部に、他端はカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス500のパネル110に近い部分に配置されてもよい。
【0074】
一実施例では、カスタム筐体500は、ユーザがカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着する場合に外耳道または耳甲介腔および外耳道に位置する第1凸部510と、ユーザの耳甲介舟に位置する第2凸部520とを備えていてもよい。図8はユーザーの耳の構造図であり、図8および本明細書の説明を参照すると、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10を装着した場合の、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10の各部とユーザーの耳との位置関係が分かる。第1凸部510は開口を有していてもよく、スピーカ組立体190は第1凸部510内の開口に近い箇所に位置する。すなわち、スピーカ組立体190の音声出力装置が出力する音声が、第1凸部510の開口を通ってユーザの耳に入る。一実施例において、カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス10をユーザが装着している間、パネル110のユーザの耳方向への射影はユーザの耳の輪郭内にあり、ここでの耳の輪郭とは、主に、耳の外側の輪郭(耳輪など)と、耳と顔が接する線とにより形成された範囲を言う。一実施例において、パネル110のユーザの耳方向への射影は、大部分(50~65%)がユーザの耳甲介腔内にあり、ごく一部(30~45%)がユーザの耳甲介舟内にあり、さらに、他のごく一部が耳甲介腔および耳甲介舟以外且つ耳の輪郭以内の範囲内にある。
【0075】
図9は、本発明の一実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス20の分解図である。図9に示すように、本実施例に係るカスタム・インイヤーウェアラブルデバイス20は、パネル組立体200とカスタム筐体500とを備えています。パネル組立体200は、パネル210、メインボード220、操作装置230、充電装置240、バッテリ250、アンテナ装置260、磁石270、収音装置280、スピーカ組立体290、無線通信モジュール(図示せず)などを備えてもよい。メインボード220を除いて、図9に示すパネル組立体200、パネル210、操作装置230、充電装置240、バッテリ250、アンテナ装置260、磁石270、収音装置280、スピーカ組立体290及び無線通信モジュールは、図2に示すパネル組立体100、パネル110、操作装置130、充電装置140、バッテリ150、アンテナ装置160、磁石170、収音装置180、スピーカ部190及び無線通信モジュールと同様であってもよいので、簡略化のため詳細な説明を省略する。
【0076】
図9に示すように、メインボード220は折り畳み型回路基板やフレキシブル回路基板であってもよく、バッテリ250の周囲を少なくとも部分的に囲んでいてもよい。折り畳み型回路基板やフレキシブル回路基板を採用することで、各部品の配置の柔軟性を向上させ、各部品が占めるスペースを減少させることができる。
【0077】
上記ではカスタマイズ型のインイヤーウェアラブルデバイスについて本発明の技術的態様を詳細に説明したが、当業者であれば、非カスタマイズ型のインイヤーウェアラブルデバイスでも上記技術的態様を採用できることを理解するだろう。インイヤーウェアラブルが非カスタマイズ型の場合、パネル組立体と筐体はいずれも非カスタマイズ型の組立体、すなわち標準サイズの組立体にすることができる。非カスタマイズ型のインイヤーウェアラブルデバイスの場合も、本発明の技術を利用することで、操作装置や充電装置などの部品が占めるスペースを小さくすることができ、パネル組立体やデバイスのサイズを小さくすることができる。
【0078】
本発明の上述した実施例は、本発明を明確に説明するために単に例示したものであって、本発明の実施形態を限定するものではないことは明らかである。他の異なる形態の変化または変更は、上記の説明に基づいて当業者にとっても可能である。ここでは、すべての実施形態を網羅することができなく、またその必要もない。本発明の精神および原則の範囲内で行われるいかなる修正、均等置換および改善等は、いずれも本発明の請求の範囲内に含まれるものとする。
【0079】
さらに、用語「第1」、「第2」などは、単に目的のために使用され、相対的な重要性を示すまたは示唆するものとしては理解されない。
【符号の説明】
【0080】
10、20 カスタム・インイヤーウェアラブルデバイス
100、200 パネル組立体
110、210 パネル
120、220 メインボード
130、230 操作装置
140、240 充電装置
150、250 バッテリ
160、260 アンテナ装置
170、270 磁石
180、280 収音装置
181、281 第1収音装置
182、282 第2収音装置
190、290 スピーカ組立体
500 カスタム筐体
501 キャビティ
510 第1突出部
520 第2突出部
600 耳挿入検出センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9