(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123408
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】超低温用潜熱蓄熱材及び超低温における温度制御輸送用容器
(51)【国際特許分類】
C09K 5/06 20060101AFI20230829BHJP
F25D 3/00 20060101ALI20230829BHJP
F28D 20/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
C09K5/06 Z
F25D3/00 B ZAB
F25D3/00 D
F28D20/02 D
C09K5/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023027009
(22)【出願日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】10 2022 104 371.1
(32)【優先日】2022-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520366880
【氏名又は名称】ファ-クー-テック アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ボルハイム
(72)【発明者】
【氏名】ペーター フック
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ヒーブラー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ラスゲーバー
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ペーリンガー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファニー ターフェルマイアー
【テーマコード(参考)】
3L044
【Fターム(参考)】
3L044AA04
3L044BA02
3L044CA11
3L044DC04
3L044KA01
3L044KA04
(57)【要約】
【課題】超低温用途の潜熱蓄熱材を提供する。
【解決手段】少なくとも1種のリチウム塩、少なくとも1種の溶媒、及び少なくとも1種の核剤を含む超低温用途の潜熱蓄熱材であって、少なくとも1種の核剤は、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、フッ化バリウム、硝酸ナトリウム、及び/又は水酸化リチウムの1つ又はこれらの組み合わせから選択される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のリチウム塩、少なくとも1種の溶媒、及び少なくとも1種の核剤を含む超低温用途の潜熱蓄熱材であって、前記少なくとも1種の核剤が、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、フッ化バリウム、硝酸ナトリウム、及び/又は水酸化リチウムの1つ又はこれらの組み合わせから選択される、潜熱蓄熱材。
【請求項2】
前記少なくとも1種のリチウム塩が、臭化リチウム及び/又は塩化リチウムを含む、請求項1に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項3】
前記少なくとも1種の溶媒が、水を含む、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項4】
20重量%~45重量%の範囲の前記少なくとも1種のリチウム塩を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項5】
前記潜熱蓄熱材の融解温度TSが-60℃≧TS≧-85℃の範囲、特に-60℃≧TS≧-75℃の範囲にあるように、前記少なくとも1種のリチウム塩の割合及び/又は組成、並びに前記少なくとも1種の溶媒の割合及び/又は組成が選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項6】
前記潜熱蓄熱材の結晶化温度TK及び前記潜熱蓄熱材の融解温度TSについて、以下:0K≧TK-TS≧-15K、特に0K≧TK-TS≧-10K、が適用されるように、前記少なくとも1種の核剤の割合及び/又は組成が選択される、請求項5に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項7】
0.01重量%~30重量%の範囲、特に0.5重量%~5重量%の範囲の前記少なくとも1種の核剤を含む、請求項6に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項8】
内部空間(2)を完全に囲む容器壁(1)と、請求項1~7のいずれか一項に記載の潜熱蓄熱材を含む少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)と、を含む超低温における温度制御輸送用容器(0)であって、前記少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)が、前記内部空間及び/又は前記容器壁内に配置される、容器(0)。
【請求項9】
前記容器壁(1)に配置された少なくとも1つの真空断熱要素(4)を含む、請求項8に記載の容器(0)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの独立請求項に係る、超低温用潜熱蓄熱材及び超低温で温度制御された輸送用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
超低温用途は、特に、-50℃~-85℃の温度範囲、より詳細には-60℃~-85℃の温度範囲における超低温用途を含み得る。
【0003】
潜熱蓄熱材は、相変化材料(PCM)としても知られている。これらは、加熱/冷凍用途のために、定義された温度範囲において、通常は固体と液体との間の凝集状態の変化を利用する材料を指す。潜熱蓄熱材の材料組成は、所望の温度範囲に対応するように設計されている。
【0004】
相変化を可逆的に利用できる、すなわち融解及び結晶化の遷移(液体と固体の凝集状態の間の変化)を繰り返し受けることができ、潜熱蓄熱材によって吸収又は放出されるエンタルピーを加熱/冷凍用途に利用できる。相変化を起こすときに、潜熱蓄熱材は、その相変化温度付近の狭い温度範囲で高い熱エネルギー貯蔵能力を提供する。
【0005】
潜熱蓄熱材を頻繁に使用して、材料を一定の温度で保存及び/又は輸送する。例としては、ワクチンなどの医薬品、又は食品の輸送が挙げられ、これらは温度に敏感である。特に、多くの医薬品や医療品は、特に低温での保存を必要とする。ある例では、COVID-19に対するmRNAワクチンは、使用時まで劣化を防ぐために、超低温範囲に相当する約-80℃~-60℃の温度範囲で保存する必要がある。他の例としては、組織や血液のサンプル、又は血漿や血漿誘導体の輸送が挙げられる。このような輸送品の世界的な輸送のための、このような低温での確実な保管は、対応するロジスティクスプロセスにとって最大の障害の1つとなる。
【0006】
ここで、潜熱蓄熱要素用の潜熱蓄熱材は、例えば、輸送中に温度に敏感な材料を所望の温度範囲に保つために包装システムに組み込まれ、ドライアイス(-78.5℃で相変化)などの他の冷却剤と比較して、技術的、経済的、生態的に有利な解決法となる。
【0007】
様々なn-アルカンなどのポリマーを含む潜熱蓄熱材は、例えば、先行技術から公知である。例えば、US 9 556 373 B2には、例えばn-テトラデカン、n-ヘキサデカン又はn-オクタデカンを含むPCMを含むゲルが開示されている。また、混合物中の様々なn-アルカンの相対的な割合を使用して、相変化温度を調整できることが開示されている。しかしながら、このような潜熱蓄熱材は、超低温での使用、特に-50℃~-85℃の間の温度範囲における超低温用途には適していない。
【0008】
一般に、超低温用途の潜熱蓄熱材は(他の温度範囲の用途でも)、激しい過冷却を示すことが多い。この場合、核剤を使用することで、過冷却を防止するか、少なくとも低減することができる。しかしながら、適切な核剤を発見することは困難である。過冷却とは、液体凝集状態の潜熱蓄熱材が、結晶化によって固体凝集状態に変化することなく、その融解温度よりもはるかに低く冷却され得ることを意味する。したがって、相転移に伴うエンタルピーも放出されず、蓄冷密度は著しく低下する。一般的な冷凍機の助けを得て、このような材料に必要な低い核生成温度を達成することは、しばしば不可能であるか、困難でしかない。仮に達成できた場合でも、これら核生成温度を過度に下げるために必要な追加エネルギー消費は、技術的、経済的及び生態的観点から不利になる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、特に、有利な核剤の存在により融解温度と結晶化温度が互いに特に近接する、超低温用途の潜熱蓄熱材を提供し、さらに、超低温で温度制御された輸送用容器を提供する。
【0010】
本発明は、少なくとも1種のリチウム塩、少なくとも1種の溶媒、及び少なくとも1種の核剤を含む、超低温用途の潜熱蓄熱材を包含し、少なくとも1種の核剤は、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、フッ化バリウム、硝酸ナトリウム、及び/又は水酸化リチウムの1つ又はこれらの組み合わせから選択される。
【0011】
これらの核剤を使用することにより、潜熱蓄熱材は、融解温度に近い結晶化温度を有することができる。これに関連して、少なくとも1種の核剤は、上記の物質の1種以上を個別に、又は混合して含むことができる。この点について、リチウム塩として臭化リチウムを有し、溶媒として水を有する化合物、特に炭酸ナトリウム及び炭酸リチウムは、-50℃≧T≧-85℃の温度範囲における結晶化及び超低温用途に特に有利であることが判明している。さらに、潜熱蓄熱材は、上記物質から選択される核剤を、その物質の塩の形態で直接添加するか、(他の塩の添加によって)液相に溶解した潜熱蓄熱材に存在する対応イオンからの反応(例えば、沈殿から)によって含む。
【0012】
好ましい態様によれば、少なくとも1種のリチウム塩は、臭化リチウム及び/又は塩化リチウムを含む。
【0013】
好ましい態様によれば、少なくとも1種の溶媒は、水を含む。
【0014】
臭化リチウム及び水を使用することにより、融解温度TSが-75℃~-60℃の範囲にある潜熱蓄熱材を提供することができる。
【0015】
有利な態様によれば、潜熱蓄熱材は、20重量%~45重量%の範囲にある少なくとも1種のリチウム塩を含む。
【0016】
これらの組成物は、-50℃≧T≧-85℃の温度範囲における超低温用途に特に有利であることが証明されている。
【0017】
特に有利な態様によれば、潜熱蓄熱材の融解温度TSが-60℃≧TS≧-85℃の範囲、特に-60℃≧TS≧-75℃の範囲にあるように、少なくとも1種のリチウム塩の割合及び/又は組成、並びに少なくとも1種の溶媒の割合及び/又は組成が、選択される。
【0018】
例示的な実施形態は、
図2及び
図3に関して説明される。
【0019】
好ましい態様によれば、潜熱蓄熱材の結晶化温度TK及び潜熱蓄熱材の融解温度TSについて、以下:0K≧TK-TS≧-15K、特に0K≧TK-TS≧-10K、が適用されるように、核剤の割合及び/又は組成が選択される。
【0020】
したがって、潜熱蓄熱材の激しい過冷却が発生しないため、潜熱蓄熱材を経済的かつ環境的に有利に使用することができる。
【0021】
更なる有利な態様によれば、潜熱蓄熱材は、0.01重量%~30重量%の範囲、特に0.5重量%~5重量%の範囲にある少なくとも1種の核剤を含む。
【0022】
核剤のこの濃度は、潜熱蓄熱材が冷却されるとき、結晶化工程が開始されることなく、過冷却にならないことを保証するものである。この点について、0.5重量%~1.0重量%の間の範囲にある割合の炭酸ナトリウム及び/又は炭酸リチウムが、特に有利であることが証明されている。
【0023】
本発明は、内部空間を完全に囲む容器壁と、上記のような潜熱蓄熱材を含む少なくとも1つの潜熱蓄熱要素と、を含む超低温における温度制御輸送用容器を更に包含し、少なくとも1つの潜熱蓄熱要素は、内部空間及び/又は容器壁内に配置される。
【0024】
上記のような潜熱蓄熱材を含む少なくとも1つの潜熱蓄熱体を含む容器により、容器は、-50℃≧T≧-85℃の温度範囲、特に-60℃≧T≧-85℃の温度範囲にある超低温用途、例えば温度制御された輸送に適している。特に、これにより、輸送期間中、内部空間の空気を-50℃≧T≧-85℃の温度範囲、特に-60℃≧T≧-85℃の温度範囲に維持することを可能にする。
【0025】
このような容器は、特に超低温用途のドライアイスを使用する他の容器と比較して、技術的、経済的、及び環境的に有利である。
【0026】
有利な態様によれば、容器は、容器壁に配置された少なくとも1つの真空断熱要素を含む。
【0027】
容器壁に少なくとも1つの真空断熱要素を配置することによって、容器の断熱性能が大幅に向上し、超低温での輸送期間を延長することができる。
【0028】
以下では、例示的な実施形態によって本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明によらない潜熱蓄熱材の例示的な実施形態の冷却及び加熱の時間的進行を示している。
【
図2】
図2は、本発明による潜熱蓄熱材の第1の例示的な実施形態の冷却及び加熱の時間的進行を示している。
【
図3】
図3は、本発明による潜熱蓄熱材の第2の例示的な実施形態の冷却及び加熱の時間的進行を示している。
【
図4】
図4は、超低温で温度制御された輸送用容器を通る断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
まず、本発明によらない潜熱蓄熱材の例示的な実施形態の冷却及び加熱の過程を、
図1を参照してより詳細に説明する。ここで、本発明によらない潜熱蓄熱材の例示的な実施形態は、45重量%の臭化リチウムと、60重量%の水と、を含む。さらに、潜熱蓄熱材は、核剤を含まない。
【0031】
時間的進行は、この潜熱蓄熱材の冷却及び加熱の際に、結晶化プラトー及び融解プラトーが形成されないことを証明する。この潜熱蓄熱材は、-85℃の温度まで数時間かけて冷却するまで、結晶化が観察されない。このことは、潜熱蓄熱材が-85℃未満に過冷却されたことを示している。このことは、本発明によらないこの潜熱蓄熱材が、特に-50℃≧T≧-85℃の間の超低温範囲での潜熱蓄熱用途には適さないことを証明する。
【0032】
また、不適切な核剤及び/又は核剤を不適切な濃度で含む潜熱蓄熱材も、同様に適用される。
【0033】
図2は、本発明による潜熱蓄熱材の第1の例示的な実施形態の冷却及び加熱の時間的進行を示している。
【0034】
ここで、潜熱蓄熱材は、45重量%の臭化リチウムと、60重量%の水と、を含む。さらに、潜熱蓄熱材は、核剤としての0.5重量%の炭酸リチウムを含む。
【0035】
時間的進行から、冷却時に約-80℃で結晶化し、加熱時に約-68℃で融解プラトーが形成されることが明らかである。このように、この潜熱蓄熱材は、結晶化温度(TC)及び融解温度(TS)が近接している。
【0036】
したがって、特定の潜熱蓄熱材は、-50℃≧T≧-85℃、特に-60℃≧T≧-85℃の超低温範囲における用途の冷凍及び加熱エネルギーの潜熱蓄熱に適している。
【0037】
図3は、本発明による潜熱蓄熱材の第2の例示的な実施形態の冷却及び加熱の時間的進行を示している。
【0038】
ここで、潜熱蓄熱材は、40重量%の臭化リチウムと、60重量%の水と、を含む。さらに、潜熱蓄熱材は、核剤としての1.0重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0039】
時間的進行から、冷却時に約-76℃で結晶化し、加熱時に約-68℃で融解プラトーが形成されることが明らかである。このように、この潜熱蓄熱材は、結晶化温度及び融解温度が近接している。
【0040】
したがって、特定の潜熱蓄熱材は、-50℃≧T≧-85℃、特に-60℃≧T≧-85℃の超低温範囲における用途の冷凍及び加熱エネルギーの潜熱蓄熱に適している。
【0041】
図4は、超低温で温度制御された輸送用容器0を通る断面図を示している。
【0042】
この容器は、側壁及び蓋部を有する容器壁1を含む。容器壁1は、内部空間2を完全に包囲している。真空断熱要素4は、各容器壁1(側壁及び蓋部)の内側に配置されている。これにより、容器の最適な断熱性が提供され、真空断熱要素4がない容器と比較して超低温での輸送期間が延長される。
【0043】
潜熱蓄熱要素3は、内部空間2の内側及び容器壁1の蓋部にそれぞれ配置されている。潜熱蓄熱要素3は、したがって、上述のような潜熱蓄熱材を含み、-50℃≧T≧-85℃の間の超低温範囲における冷凍及び加熱エネルギーの潜熱蓄熱に適切である。
【0044】
このように、容器0は、内部空間2の空気が、輸送期間中、-50℃≧T≧-85℃の間の温度範囲に維持されるため、例えば温度制御された輸送などの超低温用途にも適切である。
【0045】
このような容器0は、潜熱蓄熱体3の形態の潜熱蓄熱材が容易に運搬可能かつ再利用可能であるため、特に他の超低温用途のドライアイスを使用する容器と比較して技術的、経済的、及び環境的に有利である。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
このような容器0は、潜熱蓄熱体3の形態の潜熱蓄熱材が容易に運搬可能かつ再利用可能であるため、特に他の超低温用途のドライアイスを使用する容器と比較して技術的、経済的、及び環境的に有利である。本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
少なくとも1種のリチウム塩、少なくとも1種の溶媒、及び少なくとも1種の核剤を含む超低温用途の潜熱蓄熱材であって、前記少なくとも1種の核剤が、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、フッ化バリウム、硝酸ナトリウム、及び/又は水酸化リチウムの1つ又はこれらの組み合わせから選択される、潜熱蓄熱材。
[態様2]
前記少なくとも1種のリチウム塩が、臭化リチウム及び/又は塩化リチウムを含む、態様1に記載の潜熱蓄熱材。
[態様3]
前記少なくとも1種の溶媒が、水を含む、態様1又は2に記載の潜熱蓄熱材。
[態様4]
20重量%~45重量%の範囲の前記少なくとも1種のリチウム塩を含む、態様1~3のいずれか一態様に記載の潜熱蓄熱材。
[態様5]
前記潜熱蓄熱材の融解温度T
S
が-60℃≧T
S
≧-85℃の範囲、特に-60℃≧T
S
≧-75℃の範囲にあるように、前記少なくとも1種のリチウム塩の割合及び/又は組成、並びに前記少なくとも1種の溶媒の割合及び/又は組成が選択される、態様1~4のいずれか一態様に記載の潜熱蓄熱材。
[態様6]
前記潜熱蓄熱材の結晶化温度T
K
及び前記潜熱蓄熱材の融解温度T
S
について、以下:0K≧T
K
-T
S
≧-15K、特に0K≧T
K
-T
S
≧-10K、が適用されるように、前記少なくとも1種の核剤の割合及び/又は組成が選択される、態様5に記載の潜熱蓄熱材。
[態様7]
0.01重量%~30重量%の範囲、特に0.5重量%~5重量%の範囲の前記少なくとも1種の核剤を含む、態様6に記載の潜熱蓄熱材。
[態様8]
内部空間(2)を完全に囲む容器壁(1)と、態様1~7のいずれか一態様に記載の潜熱蓄熱材を含む少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)と、を含む超低温における温度制御輸送用容器(0)であって、前記少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)が、前記内部空間及び/又は前記容器壁内に配置される、容器(0)。
[態様9]
前記容器壁(1)に配置された少なくとも1つの真空断熱要素(4)を含む、態様8に記載の容器(0)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のリチウム塩、少なくとも1種の溶媒、及び少なくとも1種の核剤を含む超低温用途の潜熱蓄熱材であって、前記少なくとも1種の核剤が、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、フッ化バリウム、硝酸ナトリウム、及び/又は水酸化リチウムの1つ又はこれらの組み合わせから選択される、潜熱蓄熱材。
【請求項2】
前記少なくとも1種のリチウム塩が、臭化リチウム及び/又は塩化リチウムを含む、請求項1に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項3】
前記少なくとも1種の溶媒が、水を含む、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項4】
20重量%~45重量%の範囲の前記少なくとも1種のリチウム塩を含む、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項5】
前記潜熱蓄熱材の融解温度TSが-60℃≧TS≧-85℃の範囲、特に-60℃≧TS≧-75℃の範囲にあるように、前記少なくとも1種のリチウム塩の割合及び/又は組成、並びに前記少なくとも1種の溶媒の割合及び/又は組成が選択される、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項6】
前記潜熱蓄熱材の結晶化温度TK及び前記潜熱蓄熱材の融解温度TSについて、以下:0K≧TK-TS≧-15K、特に0K≧TK-TS≧-10K、が適用されるように、前記少なくとも1種の核剤の割合及び/又は組成が選択される、請求項5に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項7】
0.01重量%~30重量%の範囲、特に0.5重量%~5重量%の範囲の前記少なくとも1種の核剤を含む、請求項6に記載の潜熱蓄熱材。
【請求項8】
内部空間(2)を完全に囲む容器壁(1)と、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱材を含む少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)と、を含む超低温における温度制御輸送用容器(0)であって、前記少なくとも1つの潜熱蓄熱要素(3)が、前記内部空間及び/又は前記容器壁内に配置される、容器(0)。
【請求項9】
前記容器壁(1)に配置された少なくとも1つの真空断熱要素(4)を含む、請求項8に記載の容器(0)。
【外国語明細書】