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特開2023-123421ヘッドマウントデバイス用光学モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123421
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ヘッドマウントデバイス用光学モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20230829BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230829BHJP
   G02C 11/00 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
H04N5/64 511A
G02C11/00
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082907
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2021559567の分割
【原出願日】2020-07-27
(31)【優先権主張番号】62/893,396
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/904,602
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ツイッター
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】マリック イヴァン エス
(72)【発明者】
【氏名】クイジャルボ ジャン ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ミラベラ アンナ ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】リン ウェイ-ジウン
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン ジェレミー シー
(72)【発明者】
【氏名】ワン フォレスト シー
(72)【発明者】
【氏名】マージング マリナス
(72)【発明者】
【氏名】トレケル ブレイク エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン エイデン エヌ
(57)【要約】
【課題】ユーザにコンテンツを提示するように構成されているヘッドマウントデバイス用の光学モジュールを提供する。
【解決手段】光学モジュールは、光学モジュール筐体アセンブリと、ディスプレイアセンブリと、眼用カメラと、を含む。光学モジュール筐体アセンブリは、第1の端部と第2の端部とを有する。レンズは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第1の端部に配置されている。ディスプレイアセンブリは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている。ディスプレイアセンブリは、コンテンツを、レンズを通してユーザに表示させるように構成されている。眼用カメラは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている。眼用カメラは、レンズを通して画像を取得するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールであって、
第1の端部及び第2の端部を有する光学モジュール筐体アセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の端部に配置されている、レンズと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の端部に配置されたディスプレイアセンブリであって、前記コンテンツを、前記レンズを通して前記ユーザに表示させるように構成されている、ディスプレイアセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の端部に配置されている眼用カメラであって、前記レンズを通して画像を取得するように構成されている眼用カメラと、
を備える、光学モジュール。
【請求項2】
前記光学モジュール筐体アセンブリが、第2の部分に接続された第1の部分を含み、前記レンズが、前記第1の部分と前記第2の部分との間に保持される、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
前記レンズ上に突出部が画定され、かつ前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分上にチャネルが画定されており、それにより前記突出部が前記チャネル内に位置して前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分を前記チャンネル内に係合させて、前記レンズを前記光学モジュール筐体アセンブリに対して固定し、前記光学モジュール筐体アセンブリに対する前記レンズの移動を抑制する、請求項2に記載の光学モジュール。
【請求項4】
前記レンズ及び前記ディスプレイアセンブリが、前記光学モジュール筐体アセンブリに並置されて接続されている、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項5】
前記光学モジュール筐体アセンブリが、前記レンズと前記ディスプレイアセンブリとの間の内部空間を画定する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項6】
前記内部空間と外部環境との間で空気が移動することを可能にする通気ポートと、
前記内部空間に異物が入り込むことを抑制するフィルタ要素と、
前記内部空間に位置し、前記異物を保持するように構成された塵埃トラップと、
を更に含む、請求項5に記載の光学モジュール。
【請求項7】
前記レンズ上に形成され、較正に使用するために、前記眼用カメラによって取得された画像内で可視である位置合わせマーカ、
を更に含む、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項8】
前記レンズが反射屈折レンズである、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項9】
前記レンズが反射屈折光学系の一部である、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項10】
ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールであって、
内部空間を画定する光学モジュール筐体アセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたレンズと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたディスプレイアセンブリであって、前記コンテンツを、前記レンズを通して前記ユーザに表示させるように構成されている、ディスプレイアセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリの前記内部空間内の、前記レンズと前記ディスプレイアセンブリとの間に位置する赤外線エミッタであって、前記レンズを通して赤外線を放射するように構成されている、赤外線エミッタと、を備える、光学モジュール。
【請求項11】
前記赤外線エミッタが、フレキシブル回路と、前記フレキシブル回路に接続されて赤外線を放射するように構成された放射構成要素と、を含む、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項12】
前記放射構成要素が、前記光学モジュール筐体アセンブリの光軸の周囲にアレイ状に配置されている、請求項11に記載の光学モジュール。
【請求項13】
前記フレキシブル回路が、前記光学モジュール筐体アセンブリを貫通して形成される電気ポートを通って延び、前記フレキシブル回路上に封止要素が形成されて前記電気ポートにおいて前記光学モジュール筐体アセンブリと係合される、請求項11に記載の光学モジュール。
【請求項14】
前記光学モジュール筐体アセンブリは、前記ディスプレイアセンブリに隣接しかつ光が前記ディスプレイアセンブリから前記レンズへ通過することを可能にするように構成されている光経路開口部と、前記光経路開口部の周囲に延び、前記赤外線エミッタが位置する基部表面と、前記基部表面から外側に位置する周壁と、を画定する、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項15】
前記赤外線エミッタによって放射された前記赤外線の反射部分を示す画像を取得するように構成された眼用カメラを更に含む、請求項10から14のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してヘッドマウントデバイスの分野に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年8月29日付出願の米国特許仮出願第62/893,396号の利益を主張し、この出願の内容は、その開示全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ヘッドマウントデバイスは、ディスプレイスクリーンからユーザの眼に光を誘導するディスプレイスクリーン及び光学素子を含む。ユーザの眼のそれぞれに光を別々に誘導することによって、コンテンツを、例えば、コンピュータ生成現実(computer-generated reality、CGR)体験の一部として、立体視でユーザに表示することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様は、ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールである。光学モジュールは、光学モジュール筐体アセンブリと、ディスプレイアセンブリと、眼用カメラと、を含む。光学モジュール筐体アセンブリは、第1の端部と第2の端部とを有する。レンズは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第1の端部に配置されている。ディスプレイアセンブリは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている。ディスプレイアセンブリは、コンテンツを、レンズを通してユーザに表示させるように構成されている。眼用カメラは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている。眼用カメラは、レンズを通して画像を取得するように構成されている。
【0005】
本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュール筐体アセンブリは、第2の部分に接続された第1の部分を含み、レンズが、第1の部分と第2の部分との間に保持される。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズ上に突出部が画定され、かつ光学モジュール筐体アセンブリの第1の部分上にチャネルが画定されており、それにより突出部がチャネル内に位置して光学モジュール筐体アセンブリの第1の部分をチャンネル内に係合させて、レンズを光学モジュール筐体アセンブリに対して固定し、光学モジュール筐体アセンブリに対するレンズの移動を抑制する。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズ及びディスプレイアセンブリは、光モジュールハウジングアセンブリに並列配置で接続されている。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光モジュールハウジングアセンブリは、レンズとディスプレイアセンブリとの間の内部空間を画定する。
【0006】
本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュールはまた、内部空間と外部環境との間で空気が移動することを可能にする通気ポートと、内部空間に異物が入り込むことを抑制するフィルタ要素と、を含む。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュールはまた、内部空間に位置し、異物を保持するように構成された塵埃トラップをも含む。
【0007】
本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュールはまた、レンズ上に形成され、較正に使用するために眼カメラによって取得された画像内に可視である位置合わせマーカも含む。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズは反射屈折レンズである。本開示の第1の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズは反射屈折光学系の一部である。
【0008】
本開示の第2の態様は、ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールである。光学モジュールは、内部空間を画定する光学モジュール筐体アセンブリと、光学モジュール筐体アセンブリに接続されたレンズと、光学モジュール筐体アセンブリに接続されたディスプレイアセンブリと、を含む。ディスプレイアセンブリは、コンテンツを、レンズを通してユーザに表示させるように構成されている。赤外線エミッタは、光学モジュール筐体アセンブリの内部空間内の、レンズとディスプレイアセンブリとの間に位置する。赤外線エミッタは、レンズを通して赤外線を放射するように構成されている。
【0009】
本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、赤外線エミッタは、フレキシブル回路と、フレキシブル回路に接続され、赤外線を放射するように構成された放射構成要素とを含む。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、放射構成要素は、光学モジュール筐体アセンブリの光軸の周囲にアレイ状に配置されている。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、フレキシブル回路は、光学モジュール筐体アセンブリを貫通して形成される電気ポートを通って延び、フレキシブル回路上に封止要素が形成され、電気ポートにおいて光学モジュール筐体アセンブリと係合される。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュール筐体アセンブリは、ディスプレイアセンブリに隣接し、かつ、光がディスプレイアセンブリからレンズへ通過することを可能にするように構成されている光経路開口部と、光経路開口部の周囲に延び、赤外線エミッタが位置する基部表面と、基部表面から外側に位置する周壁と、を画定する。
【0010】
本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュールはまた、赤外線エミッタによって放射された赤外線の反射部分を示す画像を取得するように構成された眼用カメラを含む。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、眼用カメラは、光学モジュール筐体アセンブリに接続され、レンズを通して画像を取得するように構成されている。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、光学モジュールはまた、レンズ上に形成され、較正に使用するために眼用カメラによって取得された画像内で可視である位置合わせマーカをも含む。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズは反射屈折レンズである。本開示の第2の態様による光学モジュールのいくつかの実施態様では、レンズは反射屈折光学系の一部である。
【0011】
本開示の第3の態様は、ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイスである。ヘッドマウントデバイスは、筐体と、筐体内に位置する第1の光学モジュールと、筐体内に位置する第2の光学モジュールと、を含む。瞳孔間距離調整アセンブリは、第1の光学モジュールと第2の光学モジュールとを筐体に対して支持して、第1の光学モジュールと第2の光学モジュールとの間の距離の調節を可能にする。ヘッドマウントデバイスはまた、第1の光学モジュールに接続され、瞳孔間距離調整アセンブリによって第1の光学モジュールと調和して移動可能である第1の前面カメラと、第2の光学モジュールに接続され、瞳孔間距離調整アセンブリによって第2の光学モジュールと調和して移動可能である第2の前面カメラと、を備える。瞳孔間距離調整アセンブリによる第1の光学モジュールと第2の光学モジュールとの間の距離の調整はまた、第1の前面カメラと第2の前面カメラとの間の距離を調整する。
【0012】
本開示の第3の態様によるヘッドマウントデバイスのいくつかの実施態様では、筐体は、第1の前面カメラ及び第2の前面カメラが環境の画像を取得することができる、1つ以上の光学透過パネルを含む。
【0013】
本開示の第3の態様によるヘッドマウントデバイスのいくつかの実施態様では、第1の前面カメラの光軸は、第1の光学モジュールの光軸と位置合わせされており、第2の前面カメラの光軸は、第2の光学モジュールの光軸と位置合わせされている。
【0014】
本開示の第3の態様によるヘッドマウントデバイスのいくつかの実施態様では、第1の前面カメラは、第1の光学モジュールに対して固定された関係で接続され、第2の前面カメラは、第2の光学モジュールに対して固定された関係で接続されている。
【0015】
本開示の第3の態様に係るヘッドマウントデバイスのいくつかの実施態様では、瞳孔間距離調整アセンブリは、第1の光学モジュールと第2の光学モジュールとの間の距離を調節している間、第1の光学モジュールの光軸と第2の光学モジュールの光軸との間の第1の間隔を、第1の前面カメラの光軸と第2の前面カメラの光軸との間の第2の間隔に概ね等しく保つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ヘッドマウントデバイスのハードウェア構成の一実施例を示すブロック図である。
図2】デバイス筐体及び支持構造体を含むヘッドマウントデバイスを示す上面図である。
図3】デバイス筐体を示す、図2の線A-Aに沿った背面図である。
図4】ヘッドマウントデバイスの光学モジュールを示す斜視図である。
図5】一実施例に係る、光学モジュールの構成要素を示す分解側面図である。
図6】一実施例に係るレンズを示す正面図である。
図7】レンズを示す図6の線B-Bに沿った断面図である。
図8】光学モジュール筐体アセンブリの筐体本体を示す正面図である。
図9】筐体本体を示す、図8の線C-Cに沿った断面図である。
図10】光学モジュール筐体アセンブリの保持具を示す正面図である。
図11】保持具を示す図10の線D-Dに沿った断面図である。
図12】赤外線エミッタを示す正面図である。
図13】赤外線エミッタの一部分及び筐体本体の周壁を示す断面図である。
図14】光学モジュールを示す断面図である。
図15】眼用カメラの光軸が光学モジュールの光軸に向かって角度付けされている代替的実施態様による光学モジュールを示す断面図である。
図16】赤外線エミッタが光学モジュール筐体アセンブリの筐体本体の外側に位置している、代替的実施態様による光学モジュールを示す断面図である。
図17】一実施形態に係るディスプレイモジュールを示す側面図である。
図18】それぞれ光学モジュールのうちの1つを支持する、瞳孔間調整機構を示す上面図である。
図19】瞳孔間調整機構のうちの1つを示す側面図である。
図20】光学モジュールのそれぞれによって支持されている前面カメラを示す上面断面図である。
図21】光学モジュールジャンパボードによる、眼用カメラ及び赤外線エミッタのコンピューティングデバイスへの接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の開示は、ユーザにコンピュータ生成現実(CGR)コンテンツを表示するために使用されるヘッドマウントデバイスに関する。ヘッドマウントデバイスは、典型的にはユーザの眼の近くに配置されたディスプレイデバイス及び関連光学構成要素を有して、ユーザが頭部に装着することが意図されている。いくつかのヘッドマウントデバイスは、ディスプレイスクリーンとレンズアセンブリとの間の特定の距離(又は比較的小範囲の距離)と、レンズアセンブリとユーザーの眼との間の特定のおおよその距離とを必要とする光学アーキテクチャを利用する。本明細書のシステム及び方法は、これらの距離の著しい縮小に順応する光学モジュール及びヘッドマウントデバイスの構造的特徴に関連するものであり、これによって装置の全体的なパッケージサイズを縮小する。
【0018】
図1は、ヘッドマウントデバイス100のハードウェア構成の一実施例を示すブロック図である。ヘッドマウントデバイス100は、ユーザの頭部に装着されることを意図し、ユーザにコンテンツを表示するように構成された構成要素を含む。ヘッドマウントデバイス100に含まれる構成要素は、ユーザの頭部及び手などのユーザの身体の部分の動きを追跡するように構成されてもよい。ヘッドマウントデバイスの構成要素によって取得される動き追跡情報を、コンテンツの生成及びユーザへの表示の態様を制御する入力として利用し、それによって、ユーザに表示されるコンテンツが、仮想環境及び仮想オブジェクトを見たり相互作用したりすることができるCGR体験の一部であり得るようにすることができる。図示の例では、ヘッドマウントデバイス100は、デバイス筐体102、フェイスシール104、支持構造体106、プロセッサ108、メモリ110、記憶デバイス112、通信デバイス114、センサ116、電源118、及び光学モジュール120を含む。ヘッドマウントデバイス100は、ユーザの眼にコンテンツを表示するための2つの光学モジュール120を含む。光学モジュール120はそれぞれ、光学モジュール筐体122、ディスプレイアセンブリ124、及びレンズアセンブリ126を含み得る。
【0019】
デバイス筐体102は、ヘッドマウント装置に含まれる様々な他の構成要素を支持する構造である。デバイス筐体102は、ヘッドマウントデバイス100の特定の構成要素がデバイス筐体102内に収容され、それによって損傷から保護されるような閉鎖構造であってもよい。
【0020】
フェイスシール104は、デバイス筐体102に接続され、ユーザの顔との接触がありそうな、デバイス筐体102の周辺部の周囲の領域に位置する。フェイスシール104は、ユーザーの顔の一部に適合して、デバイス筐体102のユーザーの頭部に対する動きを規制する程度に支持構造体106に張力がかけられ得るように機能する。フェイスシール104はまた、ユーザーの周囲の物理的環境からユーザーの目に到達する光の量を低減するように機能してもよい。フェイスシール104は、ユーザの額、こめかみ、及び頬などのユーザの顔の領域に接触してもよい。フェイスシール104は、連続気泡フォーム又は独立気泡フォームなどの圧縮可能材料から形成されてもよい。
【0021】
支持構造体106は、デバイス筐体102に接続されている。支持構造体106は、デバイス筐体102をユーザの頭部に対して定位置に固定するように機能する構成要素又は構成要素の集合であり、デバイス筐体102のユーザの頭部に対する移動を抑制し、使用中、快適な位置を維持する。支持構造体106は、剛性構造体、弾性可撓性ストラップ、又は非弾性可撓性ストラップを使用して実装することができる。
【0022】
プロセッサ108は、コンピュータプログラム命令を実行するように動作可能、かつコンピュータプログラム命令によって記述された動作を実行するように動作可能なデバイスである。プロセッサ108は、中央処理装置などの従来のデバイスを使用して実装され、かつプロセッサ108に特定の機能を実行させるコンピュータ実行可能命令を与えられてもよい。プロセッサ108は、限定された機能のセットを実装する専用プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路又はフィールドプログラマブルゲートアレイ)であってもよい。メモリ110は、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性の高速短期情報記憶デバイスであってもよい。
【0023】
記憶デバイス112は、コンピュータプログラム命令及び他のデータの長期記憶を可能にすることを意図している。記憶デバイス112として使用するのに好適なデバイスの例としては、フラッシュメモリモジュール、ハードドライブ、又はソリッドステートドライブなどの様々な種類の不揮発性情報記憶デバイスが挙げられる。
【0024】
通信デバイス114は、他のデバイスとの有線又は無線通信をサポートする。任意の好適な有線又は無線通信プロトコルを使用することができる。
【0025】
センサ116は、ヘッドマウントデバイス100に組み込まれて、CGRコンテンツを生成する際に使用するためのプロセッサ108への入力を提供する構成要素である。センサ116は、動きの追跡(例えば、頭部の追跡、及び任意選択的に6段階の自由度におけるハンドヘルドコントローラの追跡)を容易にする構成要素を含む。センサ116はまた、任意の方法でユーザ体験を生成及び/又は向上させるためにデバイスによって使用される追加のセンサを含んでもよい。センサ116は、カメラ、赤外線カメラ、赤外線エミッタ、深度カメラ、構造光感知装置、加速度計、ジャイロスコープ、及び磁力計などの従来の構成要素を含んでもよい。センサ116はまた、例えば、ユーザ識別及び権限付与に使用するために、人の物理的又は生理学的特徴に対して動作可能なバイオメトリックセンサを含んでもよい。バイオメトリックセンサは、指紋スキャナ、網膜スキャナ、及びフェイススキャナ(例えば、画像及び/又は三次元表面表現を得るように動作可能な、二次元及び三次元走査構成要素)を含んでもよい。他の種類のデバイスをセンサ116に組み込むことができる。センサ116によって生成される情報は、プロセッサ108などのヘッドマウントデバイス100の他の構成要素に入力として提供される。
【0026】
電源118は、ヘッドマウント装置100の構成要素に電力を供給する。いくつかの実施態様では、電源118は、電力への有線接続である。いくつかの実施態様では、電源118は、充電式電池などの任意の好適なタイプの電池を含み得る。電池を含む実施態様では、ヘッドマウントデバイス100は、有線又は無線による再充電を容易にする構成要素を含み得る。
【0027】
ヘッドマウントデバイス100のいくつかの実施態様では、これらの構成要素の一部又は全部は、取り外し可能な別個のデバイスに含まれてもよい。例えば、プロセッサ108、メモリ110及び/又は記憶デバイス112、通信デバイス114、並びにセンサ116は、ヘッドマウントデバイス100の他の部分に(例えば、ドッキングによって)接続されたスマートフォンなどのデバイスに組み込まれてもよい。
【0028】
ヘッドマウントデバイス100のいくつかの実施態様では、プロセッサ108、メモリ110、及び/又は記憶デバイス112が省略されており、対応する機能は、ヘッドマウントデバイス100と通信する外部デバイスによって実行される。そのような実施態様では、ヘッドマウントデバイス100は、通信デバイス114を使用して確立される有線接続又は無線接続を使用して外部デバイスとのデータ転送接続をサポートする、構成要素を含み得る。
【0029】
光学モジュールに含まれる構成要素は、CGR体験をサポートする方法でコンテンツをユーザに表示する機能をサポートする。光学モジュール120は、本明細書で更に説明するように、それぞれが、光学モジュール筐体122、ディスプレイアセンブリ124、及びレンズアセンブリ126を含む複数の構成要素を含むアセンブリである。
【0030】
光学モジュールのそれぞれには、他の構成要素をも含まれていてもよい。図2図3には図示されていないが、光学モジュール120は、光学モジュール120の位置を調節することを可能にする調整アセンブリによって支持されてもよい。一例として、光学モジュール120はそれぞれ、光学モジュール120が互いに向かって又は互いから離れる方向に横方向に摺動することを可能にする瞳孔間距離調整機構によって支持されていてもよい。別の例として、光学モジュール120は、光学モジュール120とユーザの眼との間の距離の調節を可能にする、アイレリーフ距離調整機構によって支持されてもよい。
【0031】
図2は、デバイス筐体102、フェイスシール104、及び支持構造体106を含むヘッドマウントデバイス100を示す上面図である。図3図2の線A-Aに沿った背面図である。図示された例では、デバイス筐体102は、典型的な人の頭部の幅と同様であるように選択される幅と、典型的な人の額から鼻の基部まで延びるように選択された高さとを有する略矩形構造である。この構成は一例であり、他の形状及びサイズが使用されてもよい。
【0032】
アイチャンバ328は、デバイス筐体102によって画定され、その外周においてフェイスシール104で縁取られている。アイチャンバ328は、ヘッドマウントデバイス100の外部に対して、ユーザの顔がアイチャンバ328に近接して位置し得るように開いており、それ以外はデバイス筐体102によって囲まれている。フェイスシール104は、アイチャンバ328に隣接するデバイス筐体102の一部の周囲又は周辺部の全てに延びてもよい。フェイスシール104は、ヘッドマウント装置100の周囲の環境からの光の一部がアイチャンバ328に入り、ユーザーの眼に到達することを排除するように機能し得る。
【0033】
図示された例では、支持構造体106は、デバイス筐体102の左右の側面に接続され、ユーザの頭部の周囲に延びることを意図したヘッドバンド型の装置である。支持構造体106の他の構成、例えば、デバイス筐体102の上部に接続され、デバイス筐体102の上方でユーザの額に係合し、かつユーザの頭部の周囲に延びる構造体によってデバイス筐体102が支持される後光(halo)型構成、又は構造体がユーザの頭部の上に延びるモヒカン刈り型構成などが使用されてもよい。図示されていないが、支持構造体106は、機械式又は電気機械式であり得る、受動的又は能動的な調節構成要素を含むことができ、これにより、支持構造体106の一部が拡張し、また収縮して、支持構造体106のユーザ頭部に対する適合を調節することを可能とする。
【0034】
光学モジュール120は、デバイス筐体102内に位置し、外側に向かってアイチャンバ328内に延びる。光学モジュール120の一部は、ユーザが光学モジュール120によって表示されるコンテンツを見ることができるように、アイチャンバ328内に配置される。光学モジュール120は、ユーザの眼に近接することが意図されるアイチャンバ328内の位置に配置される。一例として、ヘッドマウントデバイス100は、光学モジュール120のレンズアセンブリ126の一部を、ユーザの眼から約15ミリメートルに配置するように構成されてもよい。
【0035】
図4は、光学モジュール筐体122、ディスプレイアセンブリ124、及びレンズアセンブリ126を含む光学モジュール120のうちの1つを示す斜視図である。ディスプレイアセンブリ124及びレンズアセンブリ126はそれぞれ、光学モジュール筐体122に接続されている。図示した実施例では、レンズアセンブリ126は、光学モジュール120の前端に配置され、ディスプレイアセンブリ124は、光学モジュール120の後端に配置される。光学モジュール筐体122は、ディスプレイアセンブリ124とレンズアセンブリ126との間の内部空間を画定し、封止されて外部汚染物質から保護された環境内で、光がディスプレイアセンブリ124からレンズアセンブリ126へ移動することを可能としつつ、傷つきやすい構成要素を損傷から保護する。
【0036】
ディスプレイアセンブリ124は、CGRコンテンツをユーザに出力するために、プロセッサ108から受信した信号に従って、かつ/又は通信デバイス114を使用して外部デバイスから受信した信号に従って、画像などのコンテンツを表示するように構成されたディスプレイスクリーンを含む。一例として、ディスプレイアセンブリ124は、受信信号に応答して静止画像及び/又はビデオ画像を出力することができる。ディスプレイアセンブリ124は、例として、LEDスクリーン、LCDスクリーン、OLEDスクリーン、マイクロLEDスクリーン、又はマイクロOLEDスクリーンを含んでもよい。
【0037】
レンズアセンブリ126は、CGRコンテンツを見ることを可能にする方法で、光をユーザの眼に向ける1つ以上のレンズを含む。いくつかの実装態様では、レンズアセンブリ126は、小さいパッケージサイズで所望の光学特性を達成するために反射及び屈折の両方を利用する、反射屈折光学系である。いくつかの実装態様では、反射は、単一レンズの材料層間の境界における内部反射によって達成され得る。したがって、いくつかの実装態様では、レンズアセンブリ126は、単一の多層反射屈折レンズを使用して実装されてもよい。
【0038】
レンズアセンブリ126は、部分的に光学モジュール筐体122内に配置されてもよい。本明細書で更に説明されるように、光学モジュール筐体122は、レンズアセンブリを所望の位置及び向きに保持するように構成された2つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0039】
図5は、第1の実施例による光学モジュール520の構成要素を示す分解側面図である。図5は、様々な特徴部間の位置関係を示すことを意図した概略図であり、光学モジュール520の構成要素の具体的な構造詳細を含んでいない。光学モジュール520は、ヘッドマウントディスプレイ(例えば、ヘッドマウントデバイス100)のコンテキストで実装することができ、光学モジュール120の説明及び本明細書における更なる説明に従って実装することができる。光学モジュール520は、光学モジュール筐体アセンブリ522、ディスプレイアセンブリ524、レンズ526、眼用カメラ530、及び赤外線エミッタ532を含む。本明細書で更に説明するように、これらの構成要素は、ディスプレイアセンブリを使用して生成された画像が光軸521に沿ってユーザに投影されるように、光学モジュール520の光軸521に沿って配置される。
【0040】
レンズ526は、本明細書においては単一の要素として記載されているが、レンズ526は、光学素子のアセンブリの一部であってもよく、又はレンズアセンブリ126に関して説明されるような光学素子のアセンブリであってもよいことを理解されたい。したがって、例えば、レンズ526は、反射屈折レンズであってもよく、又はレンズ526は、反射屈折光学系の一部であってもよい。
【0041】
光学モジュール筐体アセンブリ522は、互いに接続された複数の部品を含んでもよい。図示された実施例では、光学モジュール筐体アセンブリ522は、筐体本体534及びリテーナ536を含む。筐体本体534は、ヘッドマウントディスプレイの筐体内の他の構造体に接続されるように構成されている(例えば、ヘッドマウントデバイス100のデバイス筐体102内)。筐体本体534はまた、ディスプレイアセンブリ524、眼用カメラ530、及び赤外線エミッタ532を含む、光学モジュール520の他の構成要素が取り付けられ得る構造をも提供する。筐体本体534及びリテーナ536などの光学モジュール筐体アセンブリ522の一次部分は、プラスチック又はアルミニウムなどの剛性材料から作製されてもよい。光学モジュール筐体アセンブリ522は、光軸521を中心に配置され、可視光及び赤外線の両方が、光学モジュール筐体アセンブリ522の表面に入射し得る。このため、光学モジュール筐体アセンブリ522の一部は、電磁放射線の可視波長及び赤外線波長の両方が低い反射率を呈する材料(例えば、塗料又は他のコーティング材料)でコーティングされてもよい。
【0042】
リテーナ536は、光学モジュール520の筐体本体534の外側(例えば、ユーザに面した)端に接続されている。例として、リテーナ536は、締結具によって、又は接着剤によって、筐体本体534に接続されてもよい。光学モジュール筐体アセンブリ522のリテーナ536及び筐体本体534は、本明細書で更に説明されるように、レンズ526がリテーナ536と筐体本体534との間に保持されるように構成されている。リテーナ536及び筐体本体534は、光軸521に沿って環状構成を有し、ディスプレイアセンブリ524からの光がレンズ526を通過し、ユーザーに向かうことを可能にする。
【0043】
ディスプレイアセンブリ524は、封止部538、ベゼル540、ディスプレイモジュール542、熱界面544、及びヒートシンク546を含む。ディスプレイアセンブリ524は、光学モジュール筐体アセンブリ522に接続されている。一例として、ディスプレイアセンブリ524は、(例えば、検査及び/又は修理を可能にするために)光学モジュール筐体アセンブリ522からのディスプレイアセンブリ524の取り外しを可能にするねじ又は他の締結具によって、光学モジュール筐体アセンブリ522に接続されていてもよい。封止部538は、ディスプレイアセンブリ524と光学モジュール筐体アセンブリ522との境界面における異物(例えば、塵埃)の侵入を防止するように構成された任意の好適な種類の封止材である。ベゼル540は、ディスプレイモジュール542を支持し、それを損傷から保護する構造部品である。一例として、ベゼル540は、ディスプレイモジュール542及びヒートシンク546を捕捉するために、(例えば、ねじ又は他の締結具によって)ヒートシンク546に接続されてもよい。封止部538は、ベゼル540及び光学モジュール筐体アセンブリ522と係合して、それらの間の境界面を封止してもよい。
【0044】
封止部538及びベゼル540は、光軸521に沿った中央開口部を有する環状構成を有して、ディスプレイモジュール542からレンズ526への発光の遮断を回避する。
【0045】
ディスプレイモジュール542は、(例えば、画像を画定するために発光素子のグリッドを使用して光を放出することにより)画像を表示するディスプレイスクリーンを含む。ディスプレイモジュール542は、発光ダイオードベースのディスプレイ技術、有機発光ダイオードベースのディスプレイ技術、及びマイクロ発光ダイオードベースのディスプレイ技術を含む、任意の好適なディスプレイ技術を使用して実装することができる。いくつかの実装態様では、強度を提供し、取り付け機構として機能し、封止界面として機能するために、カバーガラスの層がディスプレイモジュール542のディスプレイ表面に(例えば、ラミネート加工によって)取り付けられている。
【0046】
熱界面544は、ディスプレイモジュール542とヒートシンク546との間に位置する熱伝導性及び非導電性材料であり、ディスプレイモジュール542からヒートシンク546への熱伝達を促進する。熱界面544は、それがない場合にディスプレイモジュール542とヒートシンク546との間に存在して熱伝達の効率を低下させることとなる間隙を埋めることができる柔軟な材料である。一例として、熱界面は、ディスプレイモジュール542又はヒートシンク546に適用される分配可能な熱ゲルであってもよい。室温加硫によって適用される材料などの、再加工可能な材料が熱界面544に使用されてもよい。
【0047】
ヒートシンク546は、熱を容易に伝導し、周囲環境に熱を放出するように構成された(例えば、金属から形成される)剛性構造である。一例として、ヒートシンク546は、熱放散を促進するために、フィンなどの表面積を増加させる構造を組み込んでもよく、かつ/又は発熱構成要素(例えば、ディスプレイモジュール542)から熱を奪って伝える熱パイプなどの特徴部を含んでもよい。
【0048】
図6は、一実施例に係るレンズ526を示す正面図であり、図7は、レンズ526を示す図6の線B-Bに沿った断面図である。レンズ526は、レンズ526に入射する光を屈折及び/又は反射するように構成された光学素子(又は複数の光学素子、例えば、複数のレンズの組み合わせ)である。図示の例では、レンズ526は、成形された透明プラスチックから形成されているが、ガラスが用いられてもよい。光の屈折及び/又は反射を引き起こす表面構成(例えば、凸部及び凹部)は、簡略化及び明瞭さのために図に示されておらず、これらの特徴は、光学システムの所望の性能のために必要に応じて定義されてもよい。
【0049】
レンズ526は、レンズ本体648と、レンズ本体648から外側に延びる突出部649とを含む。レンズ本体648は、(ユーザーに向いた)外側表面750から(ディスプレイアセンブリ524に向いた)内側表面751まで延びている。レンズ本体648は、典型的には、光学モジュール520の光軸521に沿って測定したときにレンズ本体648の高さよりも大きい幅(又は幅の範囲)を有する。レンズ本体648は、(光軸521に沿った端部から見たとき)、概ね円筒形、楕円形、丸みのある矩形、又は不規則な形状で形成されてもよい。突出部649は、レンズ本体648の高さ(光軸521の方向)の10%~50%などの、レンズ本体648の高さよりも低い高さを有してもよい。本明細書で説明するように、突出部649は、光学モジュール筐体アセンブリ522に対するレンズ526の位置合わせ及び保持を容易にする。
【0050】
図示された例では、レンズ本体648の周壁は、テーパ状にされることなく外側表面750から内側表面751まで延び、そのことで、周壁は、概ね光軸521と整列しており、外側表面750と内側表面751とが、形状及びサイズにおいて概ね(例えば、突出部649などのわずかな偏差を除いて)同じである。他の実装態様では、レンズ本体648の周壁はテーパ状であってもよい。例えば、レンズ本体648の周壁は、外側表面750から内側表面751まで延びる移動方向に、光軸521から徐々に離れるテーパ状にされていてもよく、それにより外側表面750のサイズが内側表面751のサイズよりも小さくなる。
【0051】
図8は、光学モジュール筐体アセンブリ522の筐体本体534を示す正面図であり、図9は、筐体本体534を示す、図8の線C-Cに沿った断面図である。筐体本体534は、基部852と、基部852を貫通して形成される光経路開口部853と、光経路開口部853の周囲に延びる周壁854とを含む。
【0052】
基部852は、光学モジュール520の光軸521に対して概ね垂直に延びる。基部852は、他の構成要素を光学モジュール筐体アセンブリ522に取り付けることを可能にする機構を組み込んでもよい。一例として、ディスプレイアセンブリ524は、基部852に(例えば、締結具又は接着剤によって)取り付けられてもよい。別の例として、眼用カメラ530は、(例えば、締結具又は接着剤によって)基部852に取り付けられてもよい。
【0053】
周壁854は、概してユーザに向かって、かつ光学モジュール520の光軸521と概ね整列する方向で、基部852から外向きに延びる。光軸521に沿って見たとき、周壁854は、本明細書で更に説明されるように、レンズ526を支持及び保持する構造の一部であるため、周壁854の形状及びサイズは、レンズ526の外周の形状及びサイズと同様である。通気ポート855は、周壁854を貫通して形成され、例えば、光学モジュール520の光軸521に対して概ね垂直な方向に、周壁854の内側表面と外側表面との間に延びてもよい。電気ポート856は、周壁854を貫通して形成され、例えば、光学モジュール520の光軸521に対して概ね垂直な方向に、周壁854の内側表面と外側表面との間に延びてもよい。
【0054】
基部表面857は、基部852上に画定され、周壁854から内側に位置する。基部表面857は、光がディスプレイアセンブリ524からレンズ526へ移動することを可能にするために筐体本体534によって画定される開口部である、光経路開口部853に隣接し、その周囲に延びる。カメラ開口部858は、基部表面857を貫通して形成され、光経路開口部853に隣接しているが、これとは別個である。カメラ開口部858は、基部表面857を貫通して、概ねユーザーに向かって延びる。例として、カメラ開口部858は、基部表面857を貫通して、光学モジュール520の光軸521と概ね整列する方向、又は光学モジュール520の光軸521に対する平行線と45度以内で延びてもよい。
【0055】
図10は、光学モジュール筐体アセンブリ522のリテーナ536を示す正面図であり、図11は、リテーナ536を示す図10の線D-Dに沿った断面図である。リテーナ536は、光経路開口部1061の周囲に延びる周壁1060を含む。周壁1060は、光経路開口部1061を縁取りしてその周囲に延びる上部内周部1062を含む。上部内周部1062は、レンズ526のレンズ本体648を受容するように構成されている。チャネル1063は、上部内周部1062に形成され、光経路開口部1061に開口している。チャネル1063のサイズ及び位置は、レンズ526の突出部649のサイズ及び位置に対応しており、それにより、突出部649はチャネル1063内に受容されて、レンズ526を筐体本体534に対して固定し、相対移動を抑制することができる。周壁1060は、光経路開口部1061を縁取りしてその周囲に延びる下部内周部1064を含む。下部内周部1064は、筐体本体534の周壁854に接続するように構成されている。
【0056】
図12は、赤外線エミッタ532を示す正面図である。赤外線エミッタ532は、フレキシブル回路1266、放射構成要素1267、電気コネクタ1268、及び封止要素1269を含む。フレキシブル回路1266は、その上に導電体が形成されたフレキシブル基板である。フレキシブル基板は、非導電性ポリマーフィルムであってもよい。導電体は、銅から形成された導電トレースであってもよい。一実施例として、フレキシブル回路1266は、フィルムの隣接する層の間に導電トレースが形成された非導電性ポリマーフィルムの複数の層によって形成されてもよい。本明細書で更に説明するように、フレキシブル回路1266の形状は、赤外線エミッタが光学モジュール筐体アセンブリ522内に位置するか、又はそれに接続され得るように、光学モジュール筐体アセンブリ522の一部分の形状に適合するようにアレンジされてもよい。図示した実施例では、フレキシブル回路1266は、光学モジュール520の光軸521の周囲にフレキシブル回路1266が延びることを可能にするC字形状を有しており、その結果、放射構成要素1267を、光学モジュール520のディスプレイアセンブリ524とレンズ526との間の光の経路(光が移動し得る経路)を遮断することなく、光軸521の周囲に配列することができるように構成されている。
【0057】
放射構成要素1267は、1つ以上の波長帯域内で赤外線を放射するように構成された構成要素である。放射構成要素1267によって放射され、ユーザの眼によって反射される赤外線は、撮像目的で使用するために眼用カメラ530によって撮像され得る。
【0058】
放射構成要素1267は、例えば、赤外線発光ダイオードであってもよい。一実装態様では、放射構成要素1267は、第1の波長帯域の赤外線を放射するように構成された構成要素の第1の群と、第2の波長帯域の赤外線を放射するように構成された構成要素の第2の群とを含む。第1及び第2の波長帯域は、異なる撮像目的に対応してもよい。一例として、第1の波長帯域は、虹彩スキャナによるバイオメトリック識別に使用するように構成されてもよく(例えば、850ナノメートルを含む波長帯域)、第2の波長帯域は、視線方向追跡で使用するように構成されてもよい(例えば、940ナノメートルを含む波長帯域)。
【0059】
赤外線エミッタ532の電気コネクタ1268は、任意の好適な種類の標準的な構成要素であり、他の構成要素への接続を可能とし、電力、及び任意選択的に動作コマンドを赤外線エミッタ532に提供する。封止要素1269は、フレキシブル回路1266上に、電気コネクタ1268と放射構成要素1267との間で形成される。フレキシブル回路と、光学モジュール筐体アセンブリ522の筐体本体534の周壁854の一部分とを示す断面図である図13で最も良く分かるように、フレキシブル回路1266は、封止要素1269を貫通して延び、封止要素1269によって囲まれている。封止要素1269は、光学モジュール筐体アセンブリ522の一部と係合するように構成された弾性可撓性材料から形成されている。それにより、フレキシブル回路1266は、異物(例えば、塵埃粒子)が光学モジュール筐体アセンブリ522の内部に入り得る経路を提供することなく、光学モジュール筐体アセンブリ522の内部から出ることが可能となる。一実施例として、封止要素1269は、フレキシブル回路が封止要素1269を貫通して延びるように、フレキシブル回路1266上にオーバーモールドされたシリコーンから形成されてもよい。図示された実施例では、フレキシブル回路1266は、筐体本体534の電気ポート856を貫通して延び、それによって、封止要素1269は電気ポート856内に位置し、筐体本体534及び電気ポート856に係合して封止部を画定し、電気ポート856を占有して異物の侵入を防止する。
【0060】
図14は、光学モジュール520を示す断面図である。
【0061】
レンズ526は、筐体本体534とリテーナ536との間に配置されている。筐体本体534は、レンズ526が筐体本体534とリテーナ536との間に位置するように、リテーナ536に接続される。したがって、筐体本体534とリテーナ536は、レンズ526の筐体本体534及びリテーナ536に対する移動を抑制するように、レンズ526と係合している。(例えば、ヘッドマウントデバイス100が落下した場合に)レンズ526を損傷から保護するために、接着剤の層が、レンズ526と筐体本体534及び/又はリテーナ536の一部との間に存在し得る。この目的に使用される接着剤は、レンズ526を所望の整列位置に固定するために強く、振動又は衝撃の際にレンズ526への衝撃を和らげ、かつレンズ526がその元の位置に戻ることを可能にする可撓性及び弾性を有する。
【0062】
通気ポート855は、筐体本体534の周壁854を貫通して形成され、空気が光学モジュール520の内部空間1470に入り、内部空間1470から出ることを可能にする。内部空間1470は、光学モジュール筐体アセンブリ522内において、レンズ526とディスプレイアセンブリ524との間に、筐体本体534と保持具536によって画定される。内部空間1470は、外部環境から通気ポート855を除いて封止されている。通気ポート885は、内部空間1470と、光学モジュール520の周囲に位置する外部環境との間で、空気が移動することを可能にする通路である。内部空間1470内に空気が入り、かつそこから出ることを可能にすることにより、内部空間1470内の空気圧は、周囲(例えば、光学モジュール520の外側)と同じ、又はほぼ同じ気圧に留まる。内部空間1470から異物を排除するために、フィルタ要素1471が通気ポート885に接続され、そのことで通気ポート855を通過するいかなる空気もフィルタ要素1471を通過しなければならない。フィルタ要素1471は、異物が通気ポート885を通って内部空間に入るのを(例えば、フィルタ材料の孔径よりも大きい異物の侵入を防止することによって)抑制するように構成されている。例として、フィルタ要素1471は、通気ポート855内又はその上に位置してもよい。フィルタ要素1471は、内部空間1470から小さな粒子(例えば、粉塵粒子)を排除することを意図した小さい孔径を有する。一実施例として、フィルタ要素1471は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルタ材料から形成されてもよい。内部空間1470の内側に存在する粒子を捕捉するために、内部空間1470内に塵埃トラップ1472を、例えば、筐体本体534の内部表面に接続して配置してもよい。塵埃トラップ1472は、その表面上に異物を保持することで、光学収差を生じ得る表面上に異物が沈降しないように構成されている。一実施例として、塵埃トラップ1472は、内部空間1470内の浮遊粒子が固着され得る接着剤材料がコーティングされたシートなどの接着要素であってもよく、それによって、粒子がディスプレイアセンブリ524又はレンズ526に付着することを防止する。このような付着は、ユーザが知覚可能な光学収差(例えば、画素落ちに類似した視覚的アーチファクト)を生じさせ得る。
【0063】
眼用カメラ530は、画像を取得するように構成された静止画像カメラ又はビデオカメラである。使用時には、眼用カメラ530によって取得される画像は、ユーザの眼の一部又は全ての視覚的表現を含み、取得された画像は、バイオメトリック識別(例えば、ユーザの眼の画像に基づいてユーザの識別情報を確認する)及び視線追跡のために使用され得る。本明細書で論じられる実装態様では、眼用カメラ530は、赤外光(すなわち、電磁スペクトルの赤外線部分内の電磁放射線)に敏感である。したがって、眼用カメラ530は、赤外線エミッタ532による赤外線放射の反射部分を示す画像を得るように構成されてもよく、これらの赤外線放射の反射部分は、画像に表現されると、ユーザの眼の特徴を観察し識別するために有用であり、ヘッドマウント装置100によって実行されるソフトウェアに実装されたマシンビジョン方式のシステムを使用して実施することができる。代替的実装態様では、眼用カメラ530は、代わりに、可視スペクトルカメラを使用して実装されてもよく、又は赤外線スペクトルカメラに加えて可視スペクトルカメラを使用して補足されてもよい。
【0064】
眼用カメラ530は、眼用カメラ530の光軸1431がカメラ開口部858を通って延びるように、筐体本体534のカメラ開口部858に隣接して光学モジュール筐体アセンブリ522の筐体本体534に接続される。図示の例では、眼用カメラ530は、眼用カメラ530の光軸1431が光学モジュール520の光軸521と実質的に整列するように配向されている。しかしながら、眼用カメラ530は、レンズ526の外周付近に配置され、したがって、光学モジュール520の光軸521からオフセットして外側に配置されている。したがって、筐体本体534及び/又は眼用カメラ530は、代替的実施態様による光学モジュール520を示す断面図である図15に示すように、眼用カメラ530の光軸1431が光学モジュール520の光軸521に向かって(例えば、傾斜した取り付け表面によって)角度付けされるように構成されてもよい。
【0065】
図14に戻ると、いくつかの実装態様では、位置合わせマーカ1465がレンズ526上に形成されてもよい。位置合わせマーカ1465は、眼用カメラ530によって取得される画像において知覚され、位置させることができる任意のマーキングの様式である。位置合わせマーカ1465は、眼用カメラ530によって取得された画像において、較正に使用するために見ることができる。ヘッドマウントデバイス100は、視覚収差を引き起こし得る製造条件、ユーザ属性、及び/又は他の要因を考慮にいれるために較正される。初期較正中に位置合わせマーカ1465の位置が決定され、記憶される。例えば、ヘッドマウントデバイス100が落下した場合、レンズ526は、光学モジュール筐体アセンブリ522などの他の構成要素に対して移動し得る。レンズ526の変化した位置は、眼用カメラ530によって取得された画像内のレンズ526の位置を、較正時に眼用カメラ530によって取得された画像内のレンズ526の位置と比較することによって特定することができる。レンズ位置が変化したと判定したことに応答して、較正が再び行われ、レンズ526の位置のずれから生じ得る任意の視覚収差に再び対処がなされる。
【0066】
赤外線エミッタ532は、筐体本体534の基部表面857上に位置し、光学モジュール筐体アセンブリ522内において、レンズ526とディスプレイアセンブリ524との間に、筐体本体534と保持具536によって画定される内部空間1470内の光軸521の周囲に延びる。ディスプレイアセンブリ524は、筐体本体534の光経路開口部853に隣接して、光学モジュール筐体アセンブリ522の筐体本体534に接続されている。
【0067】
一実装態様では、光学モジュール520は、光学モジュール筐体アセンブリ522、ディスプレイアセンブリ524、レンズ526、及び眼用カメラ530を含む。レンズ526は、光学モジュール筐体アセンブリ522の第1の端部に配置され、ディスプレイアセンブリ及び眼用カメラ530は、光学モジュール筐体アセンブリ522の第2の端部に配置され、内部空間1470は、光学モジュール筐体アセンブリ522内にて第1の端部と第2の端部との間で画定される。レンズ526は、レンズ526を通してユーザーの眼の画像を得ることができるように配置される。レンズ526は、例えばディスプレイアセンブリ524に対して並置されるようにディスプレイアセンブリ524に隣接して配置されて、光学モジュール筐体アセンブリ522に接続していてもよい。
【0068】
一実装態様では、光学モジュール520は、光学モジュール筐体アセンブリ522、ディスプレイアセンブリ524、レンズ526、及び赤外線エミッタ532を含む。レンズ526は、光学モジュール筐体アセンブリ522の第1の端部に配置され、ディスプレイアセンブリは、光学モジュール筐体アセンブリ522の第2の端部に配置され、内部空間1470は、光学モジュール筐体アセンブリ522内にて第1の端部と第2の端部との間で画定される。赤外線エミッタ532は、レンズ526とディスプレイアセンブリ524との間の内部空間1470に配置される。赤外線エミッタ532は、レンズ526を通してユーザの眼に赤外線を投射することができるように配置される。光学モジュール520はまた、赤外線エミッタ532が眼用カメラ530とレンズ526との間に(例えば、光軸521に沿って)配置されるように、光学モジュール筐体アセンブリ522に接続された眼用カメラ530を含む。
【0069】
レンズ526は、例えばディスプレイアセンブリ524に対して並置されるようにディスプレイアセンブリ524に隣接して配置されて、光学モジュール筐体アセンブリ522に接続していてもよい。
【0070】
図14に示す実装態様では、赤外線エミッタ532は、内部空間1470内において、筐体本体534の基部表面857上に位置する。図16は、赤外線エミッタ532が光学モジュール筐体アセンブリ522の筐体本体534の外側に位置している、代替的実施態様による光学モジュール520を示す断面図である。この実装態様では、赤外線エミッタ532は、筐体本体534の外面に(例えば、接着剤によって)接続されており、それによって、ディスプレイアセンブリ524に隣接して配置され、ディスプレイアセンブリ524の周囲に延びている。
【0071】
赤外線透過性パネル1673が筐体本体534内に形成され、赤外線エミッタ532によって放射される赤外線が、光学モジュール筐体アセンブリ522及びレンズ526を通って移動することを可能とする。赤外線透過性パネル1673は、赤外線が著しい損失を伴わずに通過することを可能にする材料から形成される。例として、赤外線透過性パネル1673は、ガラス又は赤外線透過性プラスチックから形成することができる。図示の実施例では、赤外線透過性パネル1673は、基部表面857を貫通して形成された開口を通って延びている。赤外線透過性パネル1673は、赤外線エミッタ532の放射構成要素1267の全てに隣接して、基部表面857に沿って延びる単一のパネルであってもよく、又は放射構成要素1267の個々のものに隣接して、基部表面857を貫通して形成された別個の開口を通って延びる複数のパネルであってもよい。いくつかの実装態様では、赤外線透過性パネル1673を省略し、光学モジュール筐体アセンブリ522(例えば、筐体本体534)の一部又は全部を赤外線透過性材料から形成することができる。
【0072】
図14図16に示す実施例では、光学モジュール120は、眼用カメラ530によって表される単一の眼用カメラを含むものとして示される。代わりに、光学モジュール120は、2つ以上の眼用カメラ(例えば、2つの眼用カメラ)を含むことができ、各眼用カメラは、ユーザの眼から反射された赤外線を示す画像を取得するように構成されている。眼用カメラ(複数)は、異なる位置(例えば、ユーザの眼の向かい合う両側)に配置され、異なる角度の向きに配向されていてもよい。複数の眼用カメラによって出力される画像は、ユーザの眼のより完全な視野を提供することができる。
【0073】
図17は、一実装態様に係るディスプレイモジュール542を示す側面図である。ディスプレイモジュール542は、シリコンウェハ1775と、シリコンウエハ1775上に位置する表示素子層1776(例えば、有機発光ダイオード層)を含む。表示素子層1776は、ガラス層1777によって被覆されてもよい。ディスプレイコネクタ1778は、第1の部分1779及び第2の部分1780を含む。ディスプレイコネクタ1778の第1の部分1779は、シリコンウェハ1775に形成された個々の導体を、ディスプレイコネクタ1778の第1の部分1779上に形成された個々の導体と接続する電気接続部1781によってシリコンウェハ1775に接続される、可撓性コネクタ(例えば、2層可撓性コネクタ)である。一例として、電気接続部1781は、電気通信を可能にしながら、ディスプレイコネクタ1778をシリコンウェハ1775に結合する異方性フィルムを含んでもよい。
【0074】
ディスプレイコネクタ1778の第2の部分1780は、一般に「リジッドフレックス」コネクタと呼ばれる種類の多層(例えば、6層)可撓性コネクタである。第2の部分1780は、第2の部分1780の多層構造の層のうちの1つ以上を除去することによって画定される空洞1782を含んでもよい。ドライバ集積回路1783は、ドライバ集積回路1783を保護するために空洞1782内に位置している。ドライバ集積回路1783の機能は、(例えば、符号化又は多重化された)第1の形式で表示信号を受信し、ディスプレイモジュール542の表示素子層1776が画像を出力するために使用可能な、第2の形式に解釈することである。コネクタ1784(例えば、マイクロ同軸コネクタ)は、ディスプレイコネクタ1778の第2の部分1780上に位置し、かつそれに電気的に接続することができ、それにより、ディスプレイモジュール542を他の構成要素(例えば、表示されるコンテンツを提供するコンピューティングデバイスに)接続することができる。
【0075】
図18は、瞳孔間距離調整機構1885を示す平面図であり、瞳孔間距離調整機構1885のそれぞれが、光学モジュール520(すなわち、左及び右の光学モジュール)のうちの1つをデバイス筐体102に対して支持している。瞳孔間距離調整機構1885は、光学モジュール520の間の間隔を、ユーザの眼の間の間隔と一致させるために、ユーザの左眼及び右眼にコンテンツを表示する光学モジュール520間の距離を調整するように構成された瞳孔間距離調整アセンブリの一例である。
【0076】
光学モジュール520は、光学モジュール520のそれぞれの光軸521がデバイス筐体102の前後方向に概ね延びるように支持されてもよい。瞳孔間距離調整機構1885は、制御信号に応答して、光学モジュール520を支持ロッド1886に沿って移動させるように構成された支持ロッド1886及びアクチュエータアセンブリ1887を含む。アクチュエータアセンブリ1887は、移動をもたらすために、送りねじ又はベルトなどの構成要素によって光学モジュール520に接続される、電動モータなどの従来の動き制御構成要素を含んでもよい。取り付けブラケット1888は、例えば、取り付けブラケット1888を貫通して形成された開口1889を通って延びることによって、支持ロッド1886が取り付けブラケット1888に接続されるように、光学モジュール520に接続されてもよい。瞳孔間距離調整機構1885はまた、取り付けブラケット1888及び/又は光学モジュール520の、支持ロッド1886に対する意図しない動きを低減又は排除するために、取り付けブラケット1888と係合するばねなどの付勢要素を含むこともできる。支持ロッド1886は、デバイス筐体102の横方向(例えば、左右)寸法に対して、外側に移動するとユーザに向かって移動するように角度付けされていてもよい。一実施例として、支持ロッドは、横方向寸法に対して5度だけ角度付けされてもよい。
【0077】
図19は、瞳孔間距離調整機構1885のうちの1つを示す側面図である。支持ロッド1886は、上部及び下部支持ロッドを、光学モジュール520を支持する光学モジュールのそれぞれのために含んでもよく、各光学モジュール520の光軸521は、5度など、わずかに下向きに角度付けされている。ばね1990(例えば、板ばね)が、取り付けブラケット1888の開口1889内に取り付けられて、支持ロッド1886から前方に位置しており、光学モジュール520をユーザに向けて付勢することができる。
【0078】
図20は、光学モジュール520のそれぞれによって支持されている前面カメラ2091を示す上面断面図である。開口部又は光透過性パネル2092(例えば、透明プラスチック)がデバイス筐体102内に含まれ、それにより、前面カメラ2091が光透過性パネル2092を通して周囲環境の画像を得ることができる。単一のパネル又は別個のパネルを、光透過性パネル2092のために使用してもよく、それによって、デバイス筐体102は、光透過性パネル2092のうちの1つ以上を含んでもよい。このようにして、デバイス筐体102は、光透過性パネル2092のうちの1つ以上を含んでもよく、それを通じて、前面カメラは、ユーザ視点をシミュレートする視点からの環境画像を取得することができる。
前面カメラ2091は、光学モジュール520のうちの対応する1つに接続され、それによって支持されてもよい。前面カメラ2091は、光学モジュール520のうちの対応する1つの光軸521上に位置し、かつ整列されるように配置することができる(例えば、前面カメラ2091の光軸は、光学モジュール520の光軸と実質的に整列され得る)。前面カメラ2091は、ユーザから離れる方向に配向され、かつ瞳孔間距離調整機構1885によって移動されるように支持されている。したがって、ユーザが光学モジュール520間の瞳孔間距離を調整すると、前面カメラ2091間の距離も調整される。したがって、ユーザに表示されるときの前面カメラ2091からの画像は、ユーザ自身の瞳孔間距離でキャプチャされているため、立体視でより正確に提示される。したがって、いくつかの実装態様では、前面カメラ2091のうちの第1のものの光軸は、光学モジュール520のうちの第1のものの光軸と整列され、前面カメラ2091のうちの第2のものの光軸は、光学モジュール520のうちの第2のものの光軸と整列される。したがって、いくつかの実装態様では、前面カメラ2091のうちの第1のものは、光学モジュール520のうちの第1のものに対して固定された関係で接続され、前面カメラ2091のうちの第2のものは、光学モジュール520のうちの第2のものに対して固定された関係で接続されている。したがって、いくつかの実装態様では、瞳孔間距離調整機構は、光学モジュール520間の距離の調整中、光学モジュール520のうちの第1のものの光軸と、光学モジュール520のうちの第2のものの光軸との間の第1の間隔は、前面カメラ2091のうちの第1のものの光軸と、前面カメラ2091のうちの第2のものの光軸との間の第2の間隔に、概ね等しい。
【0079】
図21は、眼用カメラ530及び赤外線エミッタ532の、光学モジュールジャンパボード2194による、コンピューティングデバイス2193への接続を示す図である。コンピューティングデバイス2193は、例えば、ヘッドマウントデバイス100のプロセッサ108を組み込んだコンピューティングデバイスであってもよい。光学モジュールジャンパボード2194は、コンピューティングデバイス2193へのデータ接続を有し、それを経由して、眼用カメラ530及び赤外線エミッタ532との信号及びデータが送受信される。光学モジュールジャンパボード2194はまた、眼用カメラ530及び赤外線エミッタ532のそれぞれに対して別個のデータ接続を有する。追加の構成要素が光学モジュール520に含まれ得、追加の別個の接続によって光学モジュールジャンパボード2194に接続され得る。光学モジュールジャンパボード2194は、光学モジュール520に装着されてもよく、それによって、瞳孔間距離調整中に光学モジュール520と調和して移動する。結果として、光学モジュール(例えば、コンピューティングデバイス2193)に取り付けられていない構成要素に対して行われる電気接続の数及びサイズが減少する。光学モジュールジャンパボード2194は、例として、リジッドフレックス回路基板、フレキシブル回路基板、又はプリント部品基板であってもよい。
【0080】
物理的環境とは、人々が電子システムの助けなしに、感知及び/又は相互作用することができる物理的世界を指す。物理的な公園などの物理的環境には、物理的な木々、物理的な建物、及び物理的な人々などの物理的物品が挙げられる。人々は、視覚、触覚、聴覚、味覚、及び臭覚などを介して、物理的環境を直接感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0081】
対照的に、コンピュータ生成現実(CGR)環境は、人々が電子システムを介して感知及び/又は相互作用する全体的又は部分的シミュレーション環境を指す。CGRでは、人の身体運動のサブセット又はその表現が追跡され、それに応答して、CGR環境内でシミュレートされた1つ以上の仮想オブジェクトの1つ以上の特性が、少なくとも1つの物理学の法則でふるまうように調節される。例えば、CGRシステムは、人の頭部の回転を検出し、それに応答して、そのようなビュー及び音が物理的環境においてどのように変化するかと同様の方法で、人に提示されるグラフィックコンテンツ及び音場を調節することができる。状況によっては(例えば、アクセス性の理由から)、CGR環境における仮想オブジェクト(単数又は複数)の特性(単数又は複数)に対する調節は、身体運動の表現(例えば、音声コマンド)に応答して行われてもよい。
【0082】
人は、視覚、聴覚、触覚、味覚及び嗅覚を含むこれらの感覚のうちのいずれか1つを使用して、CGRオブジェクトを感知し、かつ/又はCGRオブジェクトと相互作用してもよい。例えば、人は、3D空間において点音源の知覚を提供する、3D又は空間的広がりを有するオーディオ環境を作り出すオーディオオブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。別の例では、オーディオオブジェクトは、コンピュータ生成オーディオを含め、又は含めずに、物理的環境から周囲音を選択的に組み込むオーディオ透過性を可能にすることができる。いくつかのCGR環境では、人は、オーディオオブジェクトのみを感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
【0083】
CGRの例としては、仮想現実及び複合現実が挙げられる。
【0084】
仮想現実(virtual reality、VR)環境とは、1つ以上の感覚について、コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたシミュレーション環境を指す。VR環境は、人が感知及び/又は相互作用することができる複数の仮想オブジェクトを含む。例えば、木、建物、及び人々を表すアバターのコンピュータ生成画像は、仮想オブジェクトの例である。人は、コンピュータ生成環境内に人が存在することのシミュレーションを通じて、かつ/又はコンピュータ生成環境内での人の身体運動のサブセットのシミュレーションを通じて、VR環境における仮想オブジェクトを感知し、かつ/又はそれと相互作用することができる。
【0085】
コンピュータ生成感覚入力に全面的に基づくように設計されたVR環境とは対照的に、複合現実(mixed reality、MR)環境は、コンピュータ生成感覚入力(例えば、仮想オブジェクト)を含むことに加えて、物理的環境からの感覚入力又はその表現を組み込むように設計されたシミュレーション環境を指す。仮想の連続体上では、複合現実環境は、一方の端部における完全な物理的環境と、他方の端部における仮想現実環境との間であるがこれらを含まない、任意の場所である。
【0086】
いくつかのMR環境では、コンピュータ生成感覚入力は、物理的環境からの感覚入力の変更に応答し得る。また、MR環境を提示するためのいくつかの電子システムは、仮想オブジェクトが現実のオブジェクト(すなわち、物理的環境からの物理的物品又はその表現)と相互作用することを可能にするために、物理的環境に対する位置及び/又は向きを追跡することができる。例えば、システムは、仮想の木が物理的な地面に対して静止して見えるように、動きを考慮することができる。
【0087】
複合現実の例としては、拡張現実及び拡張仮想が挙げられる。
【0088】
拡張現実(augmented reality、AR)環境は、1つ以上の仮想オブジェクトが物理的環境上又はその表現上に重ねられたシミュレーション環境を指す。例えば、AR環境を提示するための電子システムは、人が物理的環境を直接見ることができる透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。システムは、透明又は半透明のディスプレイ上に仮想オブジェクトを提示するように構成されていてもよく、それによって、人はシステムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。或いは、システムは、不透明ディスプレイと、物理的環境の表現である、物理的環境の画像又は動画をキャプチャする1つ以上の撮像センサとを有してもよい。システムは、画像又は動画を仮想オブジェクトと合成し、その合成物を不透明ディスプレイ上に提示する。人は、システムを使用して、物理的環境の画像又は動画によって物理的環境を間接的に見て、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。本明細書で使用するとき、不透明ディスプレイ上に示される物理的環境の動画は、「パススルービデオ」と呼ばれ、システムが、1つ以上の撮像センサ(単数又は複数)を使用して、物理的環境の画像をキャプチャし、不透明ディスプレイ上にAR環境を提示する際にそれらの画像を使用することを意味する。更に代替的に、システムは、仮想オブジェクトを、物理的環境に、例えば、ホログラムとして又は物理的表面上に投影するプロジェクションシステムを有してもよく、それによって、人は、システムを使用して、物理的環境上に重ねられた仮想オブジェクトを知覚する。
【0089】
拡張現実環境はまた、物理的環境の表現がコンピュータ生成感覚情報によって変換されるシミュレーション環境を指す。例えば、パススルービデオを提供する際に、システムは、1つ以上のセンサ画像を変換して、撮像センサによってキャプチャされた遠近法とは異なる選択された遠近法(例えば、視点)による面付けを行うことができる。別の例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに変更(例えば、拡大)することによって変換されてもよく、それにより、変更された部分を元のキャプチャ画像を表すが非写実的であるバージョンとすることができる。更なる例として、物理的環境の表現は、その一部分をグラフィカルに除去又は曖昧化することによって変換されてもよい。
【0090】
拡張仮想(augmented virtuality、AV)環境は、物理的環境からの1つ以上の感覚入力を仮想環境又はコンピュータ生成環境が組み込む、シミュレートされた環境を指す。感覚入力は、物理的環境の1つ以上の特性の表現であり得る。例えば、AVの公園には仮想の木及び仮想の建物があり得るが、顔がある人々は、物理的な人々が撮られた画像から写実的に再現される。別の例として、仮想オブジェクトは、1つ以上の撮像センサによって撮像された物理的物品の形状又は色を採用してもよい。更なる例として、仮想オブジェクトは、物理的環境における太陽の位置と一致する影を採用することができる。
【0091】
多種多様の電子システムが存在することによって、人が様々なCGR環境を感知し、かつ/又はCGR環境と相互作用できるようになる。例としては、ヘッドマウントシステム、プロジェクションベースシステム、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、統合表示機能を有する車両フロントガラス、統合表示機能を有する窓、人の眼の上に配置されるように設計されたレンズとして形成されたディスプレイ(例えば、コンタクトレンズ類)、ヘッドホン/イヤフォン、スピーカアレイ、入力システム(例えば、触覚フィードバックを有する又は有さない、ウェアラブルコントローラ又はハンドヘルドコントローラ)、スマートフォン、タブレット、及びデスクトップ/ラップトップコンピュータ、が挙げられる。ヘッドマウントシステムは、1つ以上のスピーカ(単数又は複数)及び一体型不透明ディスプレイを有してもよい。代替的に、ヘッドマウントシステムは、外部の不透明ディスプレイ(例えば、スマートフォン)を受け入れるように構成されていてもよい。ヘッドマウントシステムは、物理的環境の画像若しくは動画をキャプチャするための1つ以上の撮像センサ、及び/又は物理的環境の音声をキャプチャするための1つ以上のマイクロフォンを組み込んでいてもよい。ヘッドマウントシステムは、不透明ディスプレイではなく、透明又は半透明のディスプレイを有してもよい。透明又は半透明のディスプレイは、画像を表す光が人の眼に向けられる媒体を有してもよい。ディスプレイは、デジタル光投影、OLED、LED、uLED、液晶オンシリコン、レーザスキャン光源、又はこれらの技術の任意の組み合わせを利用することができる。媒体は、光導波路、ホログラム媒体、光結合器、光反射器、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。一実施形態では、透明又は半透明のディスプレイは、選択的に不透明になるように構成されていてもよい。プロジェクションベースシステムは、グラフィカル画像を人間の網膜上に投影する網膜投影技術を採用することができる。プロジェクションシステムはまた、例えば、ホログラムとして、又は物理的表面上に、仮想オブジェクトを物理的環境内に投影するように構成されていてもよい。
【0092】
上述のように、本技術の一態様は、ヘッドマウントデバイスの適合性と快適さを調整するために、様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することである。本開示は、いくつかの例において、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0093】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、ヘッドマウント装置をユーザに対して能動的に調整することを可能にする適合性及び快適さに関連する情報を記憶するユーザプロファイルが確立されてもよい。これにより、そのような個人情報データの使用は、ユーザ体験を向上させる。
【0094】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。更には、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護して安全化し、その個人情報データへのアクセスを有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を遵守することを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更には、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーのポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability and Accountability Act、HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法によって管理することができ、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0095】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するように、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を提供することができると想到する。例えば、ヘッドマウントディスプレイの自動的な調整を可能とするユーザプロファイルを記憶する場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成され得る。別の実施例では、ユーザが、特定のアプリケーションの使用に関するデータを提供しないように選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、アプリケーション使用に関するデータが維持される期間を制限する、又はアプリケーション使用プロファイルの構築を完全に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを想到する。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0096】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなった時点で削除することによって、危険性を最小限に抑えることができる。更には、適用可能な場合、特定の健康関連アプリケーションを含めて、ユーザのプライバシーを保護するために、データの非特定化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0097】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、実施不可能となるものではない。例えば、適合性及び快適さに関連するパラメータは、ヘッドマウントデバイスが使用される都度、例えば、ユーザがデバイスを頭部に装着するときにユーザの顔を走査することによって、かつその後情報を記憶すること、又は特定のユーザーと関連付けることなしに、決定することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2023-06-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールであって、
第1の端部及び第2の端部を有する光学モジュール筐体アセンブリであって、前記光学モジュール筐体アセンブリが、第2の部分に接続された第1の部分を含む、光学モジュール筐体アセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の端部に配置されている、レンズであって、前記レンズが、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分と、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の部分との間のチャネル内に前記レンズの突出部を固定することにより、光軸に沿って保持される、レンズと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の端部に配置されたディスプレイアセンブリであって、前記コンテンツを、前記レンズを通して前記ユーザに表示させるように構成されている、ディスプレイアセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の端部に配置されている眼用カメラであって、前記レンズを通して画像を取得するように構成されている眼用カメラと、
を備える、光学モジュール。
【請求項2】
前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分は、前記光軸の周囲で延長した第1の周壁部分を含み、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第2の部分は、前記光軸の周囲で延長した第2の周壁部分を含み、前記第1の周壁部分及び前記第2の周壁部分は前記レンズと係合し、前記レンズは、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分及び前記第2の部分に対する移動が抑制されている、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
前記レンズの前記一部は、前記レンズの本体から外側に延長した突出部を含み、かつ前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分の周壁上にチャネルが画定されており、それにより前記突出部が前記チャネル内に位置して前記光学モジュール筐体アセンブリの前記第1の部分を前記チャンネル内に係合させて、前記光学モジュール筐体アセンブリに対して前記レンズを位置合わせし、前記レンズを前記光学モジュール筐体アセンブリに対して固定し、前記光学モジュール筐体アセンブリに対する前記レンズの移動を抑制する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項4】
前記レンズ及び前記ディスプレイアセンブリが、前記光学モジュール筐体アセンブリに並置されて接続され、前記レンズは、ディスプレイアセンブリの隣に配置されている、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項5】
前記光学モジュール筐体アセンブリが、前記光軸に沿って、前記レンズと前記ディスプレイアセンブリとの間の密封した内部空間を画定する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項6】
前記内部空間と外部環境との間で空気が移動することを可能にする通気ポートと、
前記内部空間に異物が入り込むことを抑制するフィルタ要素と、
前記内部空間に位置し、前記異物を保持するように構成された塵埃トラップと、
を更に含む、請求項5に記載の光学モジュール。
【請求項7】
前記レンズ上に形成され、前記眼用カメラによって取得された画像内で可視である位置合わせマーカ、を更に含み、前記画像内の前記位置合わせマーカの位置は、較正に使用するために前記画像に基づいて確認される、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項8】
前記レンズが反射屈折レンズである、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項9】
前記レンズが反射屈折光学系の一部である、請求項1から7のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【請求項10】
ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールであって、
内部空間を画定する光学モジュール筐体アセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたレンズと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたディスプレイアセンブリであって、前記コンテンツを、前記レンズを通して前記ユーザに表示させるように構成されている、ディスプレイアセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリの前記内部空間内の、前記レンズと前記ディスプレイアセンブリとの間に位置する赤外線エミッタであって、前記レンズを通して赤外線を放射し、前記レンズの方へ配向するように構成されている、赤外線エミッタと、
前記レンズの方へ配向し、前記レンズを通して画像を取得するように構成されたカメラであって、前記画像が、前記赤外線エミッタによって放射される前記赤外線放射の反射部分を示す、カメラと、を備える、光学モジュール。
【請求項11】
前記赤外線エミッタが、フレキシブル回路と、前記フレキシブル回路に接続されて赤外線を放射するように構成された放射構成要素と、を含む、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項12】
前記放射構成要素が、前記光学モジュール筐体アセンブリの光軸の周囲にアレイ状に配置されている、請求項11に記載の光学モジュール。
【請求項13】
前記フレキシブル回路が、前記光学モジュール筐体アセンブリを貫通して形成される電気ポートを通って延び、前記フレキシブル回路上に封止要素が形成されて前記電気ポートにおいて前記光学モジュール筐体アセンブリと係合される、請求項11に記載の光学モジュール。
【請求項14】
前記光学モジュール筐体アセンブリは、前記ディスプレイアセンブリに隣接しかつ光が前記ディスプレイアセンブリから前記レンズへ通過することを可能にするように構成されている光経路開口部と、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記内部空間内に配置され、前記光経路開口部の周囲に延び、前記赤外線エミッタが位置する基部表面と、前記基部表面から外側に位置する周壁と、を画定する、請求項10に記載の光学モジュール。
【請求項15】
前記カメラは、前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている、請求項10から14のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにコンテンツを提示するように構成されたヘッドマウントデバイス用の光学モジュールであって、
内部空間を画定する光学モジュール筐体アセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたレンズと、
前記光学モジュール筐体アセンブリに接続されたディスプレイアセンブリであって、前記コンテンツを、前記レンズを通して前記ユーザに表示させるように構成されている、ディスプレイアセンブリと、
前記光学モジュール筐体アセンブリの前記内部空間内の、前記レンズと前記ディスプレイアセンブリとの間に位置する赤外線エミッタであって、前記レンズを通して赤外線を放射し、前記レンズの方へ配向するように構成されている、赤外線エミッタと、
前記レンズの方へ配向し、前記レンズを通して画像を取得するように構成されたカメラであって、前記画像が、前記赤外線エミッタによって放射される前記赤外線放射の反射部分を示す、カメラと、を備える、光学モジュール。
【請求項2】
前記赤外線エミッタが、フレキシブル回路と、前記フレキシブル回路に接続されて赤外線を放射するように構成された放射構成要素と、を含む、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
前記放射構成要素が、前記光学モジュール筐体アセンブリの光軸の周囲にアレイ状に配置されている、請求項2に記載の光学モジュール。
【請求項4】
前記フレキシブル回路が、前記光学モジュール筐体アセンブリを貫通して形成される電気ポートを通って延び、前記フレキシブル回路上に封止要素が形成されて前記電気ポートにおいて前記光学モジュール筐体アセンブリと係合される、請求項2に記載の光学モジュール。
【請求項5】
前記光学モジュール筐体アセンブリは、前記ディスプレイアセンブリに隣接しかつ光が前記ディスプレイアセンブリから前記レンズへ通過することを可能にするように構成されている光経路開口部と、前記光学モジュール筐体アセンブリの前記内部空間内に配置され、前記光経路開口部の周囲に延び、前記赤外線エミッタが位置する基部表面と、前記基部表面から外側に位置する周壁と、を画定する、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項6】
前記カメラは、前記光学モジュール筐体アセンブリに接続され、前記光学モジュール筐体アセンブリの第2の端部に配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学モジュール。
【外国語明細書】