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特開2023-123465ナノ多孔性構造およびそれを組み込んでいるアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123465
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ナノ多孔性構造およびそれを組み込んでいるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/15 20170101AFI20230829BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230829BHJP
   C08K 3/012 20180101ALI20230829BHJP
   H01M 4/133 20100101ALI20230829BHJP
   H01M 4/1393 20100101ALI20230829BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20230829BHJP
【FI】
C01B32/15
C08L101/00
C08K3/012
H01M4/133
H01M4/1393
H01M10/0585
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023090189
(22)【出願日】2023-05-31
(62)【分割の表示】P 2019510367の分割
【原出願日】2017-08-18
(31)【優先権主張番号】62/377,003
(32)【優先日】2016-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/452,087
(32)【優先日】2017-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】505231659
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス、ジェームス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ドン-ポ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ウェンハオ
(57)【要約】
【課題】
開示する様々な実施形態は、炭素複合体構造を含む複合体を形成する方法に関する。
【解決手段】
方法は、前駆体組成物を基材に配置する工程を含む。組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。方法は、前駆体組成物に照射して、炭素複合体構造を形成する工程をさらに含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素複合体構造を備える複合体を形成する方法であって、
前駆体組成物を基材に配置する工程であって、前記基材はリジッド基材またはフレキシブル基材であり、金属、第1のポリマー、または前記第1のポリマーの金属化ポリマーフィルムを備え、前記前駆体組成物が、
ポロゲン成分としての前記前駆体組成物の5~50重量%である第2のポリマーと、
前記前駆体組成物の2~10重量%である光吸収性成分、前記前駆体組成物の1~15重量%である触媒成分、またはその両方と、を備え、前記光吸収性成分は、金属または金属酸化物のマイクロ粒子またはナノ粒子を含み、前記触媒成分は、金属または金属酸化物のナノ粒子を含む、工程と、
200~1000nmの波長と、0.1ミリ秒以上のパルス継続時間と、前記第2のポリマーを分解するのに有効な大きさのエネルギーとを各々有する1つ以上の光パルスを前記前駆体組成物に照射して、
実質的に細長いプロファイルを有する炭素複合体多層構造、
無定形炭素マトリックス、またはその両方
を形成する工程と
を備える方法。
【請求項2】
前記基材が、導電性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のポリマーおよび前記第2のポリマーの少なくとも1つが、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミド、およびその混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のポリマーが、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族化合物)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、またはその混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記金属または金属酸化物ナノ粒子が、ケイ素、炭化ケイ素、鉄、酸化鉄、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、その合金、またはその混合物を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記炭素複合体構造が、少なくとも1層の炭素複合体を備え、前記炭素複合体の個別層が、ナノワイヤおよびナノチューブの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのナノワイヤおよびナノチューブが、約5ナノメートル~約500ナノメートルに及ぶ幅を有する、請求項6
に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つのナノワイヤおよびナノチューブが、約20ナノメートル~約50ナノメートルに及ぶ幅を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
バッテリーであって、
基材、および
請求項1に記載の方法によって形成され、電極を形成するために前記基材に配置されている炭素複合体構造を備えるアノード層
を備える、バッテリー。
【請求項10】
前記炭素複合体多層構造が、約5ナノメートル~約500ナノメートルに及ぶ幅を有するナノワイヤおよびナノチューブの少なくとも1つを備える、請求項9に記載のバッテリー。
【請求項11】
前記炭素複合体構造が、前記基材から伸びる複数の突起から形成されたパターンを備える、請求項9に記載のバッテリー。
【請求項12】
バッテリーを形成する方法であって、
前駆体組成物を基材に配置する工程であって、前記基材はリジッド基材またはフレキシブル基材であり、金属、第1のポリマー、または前記第1のポリマーの金属化ポリマーフィルムを備え、前記前駆体組成物が、
ポロゲン成分としての前記前駆体組成物の5~50重量%である第2のポリマーと、
前記前駆体組成物の2~10重量%である光吸収性成分、前記前駆体組成物の1~15重量%である触媒成分、またはその両方と、を備え、前記光吸収性成分は、1つ以上の金属または金属酸化物のマイクロ粒子またはナノ粒子を含み、前記触媒成分は、1つ以上の金属または金属酸化物のナノ粒子を含む、
工程と、
前記前駆体組成物を鋳型と接触させる工程であって、前記鋳型が、
前記前駆体組成物と接触している複数の突起
を備える工程と、
200~1000nmの波長と、約0.1ミリ秒~約15ミリ秒のパルス継続時間と、前記第2のポリマーを分解するのに有効な大きさのエネルギーとを各々有する1~20個の光パルスを前記前駆体組成物に照射して、
実質的に細長いプロファイルを有する炭素複合体多層構造、
無定形炭素マトリックス、またはその両方
を形成して、アノード層を形成する工程と、
セパレータ層を前記アノード層に配置する工程と、
導体層を前記アノード層に配置して、前記バッテリーを形成する工程と
を備える方法。
【請求項13】
前記前駆体組成物が前記鋳型と接触される前に、前記セパレータ層が前記前駆体組成物に配置され、前記鋳型が前記セパレータ層および前記前駆体組成物と接触される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前駆体組成物を基材に配置する工程であって、前記基材はリジッド基材またはフレキシブル基材であり、金属、第1のポリマー、または前記第1のポリマーの金属化ポリマーフィルムを備え、前記前駆体組成物が、
ポロゲンを形成するよう働き前記前駆体組成物の5~50重量%である第2のポリマーと、
前記前駆体組成物の2~10重量%である光吸収性成分、前記前駆体組成物の1~15重量%である触媒成分、またはその両方であって、前記光吸収性成分は、1つ以上の金属または金属酸化物のマイクロ粒子またはナノ粒子を含み、前記触媒成分は、1つ以上の金属または金属酸化物のナノ粒子を含む、成分と、
前記前駆体組成物の2~15重量%である支持相前駆体と、
溶媒と、
を備える工程と、
前記前駆体組成物に200~1000nmの波長と、400nmと500nmとの間のピーク強度と、約0.1ミリ秒~約15ミリ秒のパルス継続時間と、前記第2のポリマーを分解し前記支持相前駆体を活性化するのに有効な強度のエネルギーとを各々有する1~20個の光パルスを照射する工程と、
階層構造を前記基材に形成する工程と
を備える方法。
【請求項15】
前記基材が、前記前駆体組成物において使用される前記第2のポリマーとは化学的に異なる第1のポリマーを備え、前記第1のポリマーが、前記前駆体組成物において使用される前記第2のポリマーのガラス転移温度、溶融温度および分解温度の少なくとも1つより高いガラス転移温度、高い溶融温度および高い分解温度を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記基材が、前記階層構造の形成後に巻取可能であり、ロール・ツー・ロール加工において使用される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記前駆体組成物において使用される前記第2のポリマーが、2つのブロックを備えるグラフトブロックコポリマーであり、各ブロックが、ポリマー主鎖および前記ポリマー主鎖に共有結合している異なるグラフトポリマーを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記グラフトブロックコポリマーが、(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の光パルスは、1~20個の光パルスである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記パルス継続時間は、約0.1ミリ秒~約15ミリ秒である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記光パルスのエネルギーは、5500mJ/cm~7000mJ/cmである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ多孔性構造およびそれを組み込んでいるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーまたは金属基材上における結合剤不含のメソ多孔性ハイブリッド炭素コーティングは、高表面積電極として使用されて、優れたデバイス性能を達成することが可能である。しかし、そのようなコーティングの直接製作を達成することは、高温炭化プロセスにおける基材分解のため困難である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】様々な実施形態による炭素複合体構造を含むバッテリーの断面図。
図2】様々な実施形態によるバッテリーを作製する方法を示す概略図。
図3】様々な実施形態によるバッテリーを作製する別法を示す概略図。
図4】様々な実施形態による試料を示す透過型電子顕微鏡画像の図。
図5】様々な実施形態による試料を示す透過型電子顕微鏡画像の図。
図6】様々な実施形態による試料を示す透過型電子顕微鏡画像の図。
図7】様々な実施形態によるアノードの様々な循環電流における充放電サイクル50回のレート性能およびクーロン効率を示すグラフ図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示は、炭素複合体構造を含む複合体を形成する方法を提供する。方法は、前駆体組成物を基材に配置する工程を含む。組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。方法は、前駆体組成物に照射して、炭素複合体構造を形成する工程をさらに含む。
【0005】
本開示は、電極をさらに提供する。電極は、細長いプロファイルを有する炭素複合体構造の個別層を含む。電極は、前駆体組成物を基材に配置することによって形成される。組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。前駆体組成物は照射されて、炭素複合体構造を形成する。
【0006】
本開示は、物品をさらに提供する。物品は、細長いプロファイルを有する炭素複合体構造が配置されて電極を形成する基材を含む。電極は、前駆体組成物を基材に配置することによって形成される。組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。前駆体組成物は照射されて、炭素複合体構造を形成する。
【0007】
本開示は、様々な利点を提示し、そのうちには予想外のものもある。様々な実施形態によれば、構造は、リチウムイオンバッテリーの容量などのデバイス性能を大幅に改善することができる貴金属または金属酸化物ナノ粒子(NP)を含めて様々な機能性材料のための支持体になるのによく向いている。例えば、構造は高導電性であり、Liバッテリーアノードとして優れた性能(例えば、約1000mA時/g)を発揮し得る。
【0008】
本開示は、ポロゲンとして機能するポリマー;光吸収性成分、支持相前駆体および溶媒を備える前駆体組成物を基材に配置する工程と、ポリマーを分解し、支持相前駆体を活性化するのに有効な波長および強度の電磁放射線を、前駆体組成物に照射する工程と、階層構造を基材に形成する工程とを含む方法を提供する。
【0009】
本開示は、多孔性構造が配置されている基材を備える物品であって、基材の1平方メートルを超える面積の全体に、多孔性構造が配置されている物品を提供する。
本開示は、バッテリーをさらに提供する。バッテリーは、基材を含む。基材は、アノード層を含む。アノード層は、基材に配置されて電極を形成する炭素複合体構造を含む。
【0010】
本開示は、バッテリーを形成する方法をさらに提供する。方法は、前駆体組成物を基材に配置する工程を含む。前駆体組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。方法は、前駆体組成物を鋳型と接触させる工程をさらに含む。鋳型は、前駆体組成物と接触している複数の突起を含む。方法は、前駆体組成物の温度を上げて、アノード層を形成する工程および前駆体組成物に照射して、アノード層を形成する工程の少なくとも1つをさらに含む。方法は、セパレータ層をアノード層に配置する工程をさらに含む。方法は、導体層をアノード層に配置して、バッテリーを形成する工程をさらに含む。
【0011】
様々な実施形態によれば、比較的低コストの鉄/酸化鉄ナノ粒子は、構造の形成を触媒するためにまたは光の吸収によりナノヒーターとして行動することによって熱を提供するために使用されることが可能である。様々な実施形態によれば、構造は、リチウムイオンバッテリー用のアノードを形成することができる。様々な実施形態によれば、構造は、メソ多孔性構造の高表面積、酸化鉄ナノ粒子によって与えられる高エネルギー密度、黒鉛ナノワイヤによる高伝導率、ならびにフィルムの良好な完全性(結合剤不含)、および無定形炭素マトリックスによって提供される良好な機械的特性を含めて魅力のあるいくつかの特色のため、高性能アノードを形成することができる。
【0012】
様々な実施形態によれば、構造を形成する方法は、前駆体組成物の簡単なコーティングと、次にサブミリ秒の光パルスを使用する炭素成分の所望の炭素相への急速な変換および/またはポロゲンの除去を必要とするものであり、規模が大容量のロール・ツー・ロール加工に容易に拡大され、低温(例えば、400℃未満)で行われることが可能である。ブロックコポリマーなどの画定された構築体を伴うポリマーをポロゲン/テンプレーティング成分として使用すると、極めてよく制御された細孔径および細孔径分布を伴う材料を形成することができる。
【0013】
様々な実施形態によれば、方法は、前駆体組成物から所望の炭素複合体構造に直接変換して、アノード構造を形成することを可能にすることができる。黒鉛中間体から溶液を調合する工程および黒鉛状炭素でコーティングされたナノ粒子を調製する工程を含めて、中間工程は、回避されることが可能である。これらの中間工程は、性能を低下させるおそれがあるポリマーまたは他の結合剤を添加する必要があり得る。しかし、前駆体組成物から炭素複合体多層構造への直接変換によって、中間工程、したがってポリマーまたは結合剤の必要性を回避することができる。
【0014】
様々な実施形態によれば、本明細書に記載されるパターン構造を有するアノードを少なくとも含むバッテリーは、パターンが形成されていないアノードを有する対応するバッテリーに比べて増加した表面積を有することができる。いくつかの例によれば、これにより、バッテリーの出力を増加することができる。
【0015】
図面は、一般に、本文献で述べられている様々な実施形態を、例として説明するものであって、限定するものとして説明するものではない。
本文献全体にわたって、範囲形式で表現された値は、範囲の限界として明瞭に記載されている数値を含むだけでなく、その範囲内に包含されている個別の数値または部分範囲もすべて、各数値および部分範囲が明瞭に記載されているかのように含むと柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」または「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、指摘された範囲内の個別の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)および部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記載は、別段の指摘がない限り「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という記載は、別段の指摘がない限り「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0016】
本文献において、用語「a」、「an」、または「the」は、文脈上からそうでないことがはっきりしていない限り、1つまたは1つより多くを含むように使用される。用語「または」は、別段の指摘がない限り、非排他的な「または」を指すように使用される。「AおよびBの少なくとも1つ」という記載は、「A、B、またはAおよびB」と同じ意味を有する。さらに、本明細書で採用され、別段の定義がない語法または用語法は、説明するだけの目的であり、限定する目的ではないと理解されるものとする。節の見出しの使用はいずれも、文献の読取を助けることを意図したものであり、限定するものと解釈されるべきではない。節の見出しに関連している情報は、その特定の節の内部または外部に出現してもよい。
【0017】
本明細書に記載される方法において、行為は、時間または操作の順序が明瞭に記載されているときを除いて、本開示の原理から逸脱することなくいずれの順番でも実施されることが可能である。さらに、指定された行為は、明示的な特許請求の文言が、別々に実施されることを詳述していない限り、同時に実施されることが可能である。例えば、特許請求されたXをするという行為および特許請求されたYをするという行為は、単一の操作内で同時に行われることが可能であり、その結果として生じる方法は、特許請求された方法の文言上の範囲内に入ることになる。
【0018】
本明細書で用語「約」は、値または範囲がある程度多様であり、例えば明示された値または範囲の明示された限界の10%以内、5%以内、または1%以内であり得、明示された正確な値または範囲を含む。
【0019】
本明細書で用語「実質的に」は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または少なくとも約99.999%以上、または100%などという大多数、または大部分を指す。
【0020】
本明細書に定義する分子または有機基に関連して本明細書で用語「置換されている」は、その中に含有されている1個または複数の水素原子が、1個または複数の非水素原子で置き換えられている状態を指す。本明細書で用語「官能基」または「置換基」は、分子または有機基に対して置換されることが可能であるまたは置換されている基を指す。置換基または官能基の例としては、ハロゲン(例えば、F、CI、Br、およびI);カルボン酸、カルボキシレート、およびカルボキシレートエステルを含めてヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボキシル基などの基の酸素原子;チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホンアミド基などの基の硫黄原子;アミン、ヒドロキシアミン、ニトリル、ニトロ基、N-オキシド、ヒドラジド、アジド、およびエナミンなどの基の窒素原子;ならびに様々な他の基の他のヘテロ原子が挙げられるが、これらに限定されない。置換炭素(または他の)原子に結合されることが可能である置換基は限定されるものではないが、例えば、F、CI、Br、I、OR、OC(O)N(R)、CN、NO、NO、ONO、アジド、CF、OCF、R、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、N(R)、SR、SOR、SOR、SON(R)、SOR、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CHC(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)、OC(O)N(R)、C(S)N(R)、(CH0~2N(R)C(O)R、(CH0~2N(R)N(R)、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)、N(R)SOR、N(R)SON(R)、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)、N(R)C(S)N(R)、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)、C(O)N(OR)R、およびC(=NOR)Rが挙げられ、ここで、Rは、水素または炭素ベースの部分であり得、例えば、Rは、水素、(C~C40)ヒドロカルビル、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルであり得、または窒素原子もしくは隣接している窒素原子に対して結合している2つのR基は、1個もしくは複数の窒素原子と一緒に、ヘテロシクリルを形成することができる。
【0021】
本明細書で用語「アルキル」は、1~40個の炭素原子、1~約20個の炭素原子、1~12個の炭素、または一部の実施形態において1~8個の炭素原子を有する直鎖および分枝状のアルキル基およびシクロアルキル基を指す。直鎖アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチル基などの1~8個の炭素原子を有するものが挙げられる。分枝アルキル基の例としては、イソプロピル、iso-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2-ジメチルプロピル基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書では、用語「アルキル」は、n-アルキル、イソアルキル、およびアンテイソアルキル基、ならびにアルキルの他の分枝鎖を包含する。代表的な置換アルキル基は、本明細書に列挙されている基のいずれか、例えばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基で1回または複数回置換されることが可能である。
【0022】
本明細書で用語「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合が2個の炭素原子間に存在することを除いて、本明細書に定義される直鎖および分枝鎖ならびに環式アルキル基を指す。したがって、アルケニル基は、2~40個の炭素原子、もしくは2~約20個の炭素原子、もしくは2~12個の炭素原子、または一部の実施形態において、2~8個の炭素原子を有する。例としては、とりわけビニル、-CH=CH(CH)、-CH=C(CH、-C(CH)=CH、-C(CH)=CH(CH)、-C(CHCH)=CH、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で用語「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合が2個の炭素原子間に存在することを除いて、直鎖および分枝鎖アルキル基を指す。したがって、アルキニル基は、2~40個の炭素原子、2~約20個の炭素原子、もしくは2~12個の炭素、または一部の実施形態において、2~8個の炭素原子を有する。例としては、とりわけ-C≡CH、-C≡C(CH)、-C≡C(CHCH)、-CHC≡CH、-CHC≡C(CH)、および-CHC≡C(CHCH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で用語「アリール」は、環中にヘテロ原子を含有しない環式芳香族炭化水素基を指す。したがって、アリール基としては、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニル、インルダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニレニル、アントラセニル、およびナフチル基が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、アリール基は、基の環部分中に約6~約14個の炭素を含有する。アリール基は、本明細書に定義するように、非置換または置換アリール基とすることができる。代表的な置換アリール基は、一置換または1回より多く置換されることが可能であり、フェニル環の2、3、4、5、もしくは6位のいずれか1つにおいて置換されているフェニル基、またはナフチル基の2位~8位のいずれか1つにおいて置換されているナフチル基などであるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書に開示されているのは、基材に配置されている多孔性材料を備える大面積のナノ多孔性ハイブリッドフィルムを急速製造する方法である。一例において、ナノ多孔性ハイブリッドフィルムは、リジッドまたはフレキシブル基材とすることができる基材に配置されている階層構造を有することが可能である。望むなら、市販のリジッドまたはフレキシブル基材が使用されることが可能である。階層構造は、異なる少なくとも2つのタイプの構造的特色から構成される。例えば、多孔性階層構造は、異なる細孔径または細孔形状を有してもよい。
【0026】
本明細書にさらに開示されているのは、黒鉛多層構造を含む複合体を形成する方法である。黒鉛多層構造は、多孔性であり、ハイブリッドフィルムを含むことができる基材に配置されていることが可能である。
【0027】
市販のリジッドまたはフレキシブル基材が、望むなら使用されることが可能であり、導電性材料で作製されることが可能である。
いくつかの例において、前駆体組成物を基材に配置する工程は、前駆体組成物を基材に吹付けまたは刷毛塗りすることによって、前駆体組成物を塗布する工程を含む。別の例において、基材は、基材の端から端まで巻かれることが可能である。前駆体組成物の基材への塗布は、基材が、前駆体組成物で完全コーティングまたは部分コーティングされるように行われることが可能である。例えば、基材の表面積の約5%~約100%は、前駆体組成物でコーティングされることが可能であり、あるいは、基材の表面積の約75%~約100%、約85%~約100%、あるいは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは約100%未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは約100%、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは約100%超は、前駆体組成物でコーティングされることが可能である。
【0028】
基材はリジッド基材とすることができ、またはフレキシブル基材とすることができる。基材は、アルミニウム、ニッケル、銅、およびその合金などの多くの異なる材料を含むことができる。基材は、本明細書に記載されるポリマーも含むことができる。基材は、金属化ポリマーフィルムも含むことができる。金属化ポリマーフィルムの例としては、ある量のアルミニウム、ニッケル、またはクロムが配置されている、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、またはポリエチレンなどのポリマーが挙げられる。基材は、シート、ロッド、または箔の形をとることができ、10平方メートル超、20平方メートル超、または50平方メートル超の表面積を有してもよい。
【0029】
いくつかの例において、基材は(前駆体組成物の照射を行った後)、例えば、ロール・ツー・ロール加工において使用されることが可能であるように、巻取可能(例えば、10GPa未満の弾性率を有するフレキシブル基材)である。したがって、基材を巻いて、約0.10メートル~約10メートル、約0.20メートル~約9メートル、約1メートル~約5メートルに及ぶ直径、あるいは約0.10メートル未満、約0.10メートル、または約0.10メートル超、約0.20、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは約10メートルの直径を有するロールを形成することが可能である。
【0030】
一例において、基材はフレキシブル基材とすることができ、第1のポリマーを含むことができる。本明細書に記載されるように、ポロゲンは、ポリマー(以降、第2のポリマー)も備える。基材において使用される第1のポリマーは、好ましくは前駆体組成物において使用される第2のポリマーと異なる。一実施形態において、基材において使用される第1のポリマーは、第2のポリマーのガラス転移温度、溶融温度および分解温度の少なくとも1つより高いガラス転移温度、高い溶融温度および高い分解温度を有する。一実施形態において、基材において使用される第1のポリマーが、第2のポリマーの分解温度より高い分解温度を有することが望ましいことがあり得る。第1のポリマーも第2のポリマーも、本明細書のポリマーの一覧から選択されることが可能である。
【0031】
基材の第1のポリマーは、基材の約50重量%~約100重量%の範囲、基材の約90重量%~約100重量%の範囲、あるいは基材の約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、または約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超であり得る。
【0032】
前駆体組成物は、ポロゲン成分を含むことができる。ポロゲン成分は、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%、約20重量%~約40重量%、あるいは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%超に及び得る。
【0033】
ポロゲンは、異なる様々な用途に使用されることが可能である成形された構造において細孔を作製するのに使用される、指定された形状およびサイズを有する多量な粒子であり得る。様々な例において、ポロゲンは、ブロックコポリマーまたはホモポリマーとすることができる。フィルムの形成時において、ポロゲンは、最終構造において細孔を作製するのに除去される相である。いくつかの例において、ポロゲンは、熱分解によって除去される。別の例において、ポロゲンは、構造が硬化した後、溶解されてなくなることが可能である。最終構造における細孔は、いずれか適当な範囲になるように形成されることが可能である。例えば、細孔は、約0.5nm~約1000nm、約2nm~約50nmの範囲、あるいは約0.5、20、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、580、600、620、640、660、680、700、720、740、760、780、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、もしくは約1000nm未満、約0.5、20、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、580、600、620、640、660、680、700、720、740、760、780、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、もしくは約1000nm、または約0.5、20、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、520、540、560、580、600、620、640、660、680、700、720、740、760、780、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、もしくは約1000nm超であり得る。
【0034】
ポロゲン成分は、基材の第1のポリマーが存在する場合それとは異なる第2のポリマーを含む。第2のポリマーは、ポロゲン成分の約1重量%~約100重量%、または約90重量%~約100重量%、あるいは約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、または約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超に及ぶ。
【0035】
基材の第1のポリマーおよびポロゲン成分の第2のポリマーは、多くの適当なポリマーから選択されることが可能である。第1および第2のポリマーの例は、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマーのブレンド、熱硬化性ポリマーのブレンド、および熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーのブレンドである。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、交互コポリマー、交互ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、ランダムブロックコポリマー、グラフトコポリマー、星形ブロックコポリマー、アイオノマー、デンドリマー、液晶ポリマー、または前述のポリマーの少なくとも1つを備える組合せとすることができる。第1または第2のポリマーは、半結晶質または無定形でもよい。
【0036】
熱可塑性ポリマーの例は、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミドなど、または前述の有機ポリマーの少なくとも1つを備える混合物である。
【0037】
低下された結晶度のセルロースとブレンドするのに適している熱硬化性ポリマーの例としては、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミドなど、または前述の熱硬化性ポリマーの少なくとも1つを備える混合物が挙げられる。
【0038】
基材において使用されることが可能である第1のポリマーの例は、ポリエステル基材、例えばポリエチレンテレフタレート基材である。適当な第2のポリマーの例は、ブロックコポリマーである。
【0039】
第2のポリマーは、前駆体組成物が第1のポリマー(存在する場合、基材を形成する)上に配置された後に前駆体組成物のための結合剤として機能することができる。本明細書に詳述されているように、前駆体組成物は、基材上に配置された後に乾燥され、第2のポリマーは、前駆体組成物を結合させて、前駆体層を基材に形成するように機能する。
【0040】
一実施形態において、(前駆体組成物において使用される)第2のポリマーは、ブロックコポリマーとすることができる。適当なブロックコポリマーは、相分離を受けると層状、円柱状、両連続状または球状の形態を有するものである。ブロックコポリマーは、ジブロックまたはトリブロックとすることができる。ジブロックは、第1のブロックおよび第2のブロックを有することができ、トリブロックは、第1、第2および第3のブロックを有する。一部の実施形態において、トリブロックの第1および第3のブロックは、互いに化学的に同一であり得る。各ブロックは、ジブロックコポリマーの第1および第2のブロックが互いに異なる限り、以上に提供されたポリマーの一覧から選択されることが可能である。一例において、トリブロックコポリマーの場合、第1および第2のブロックは互いに異なり、場合によっては、第1、第2および第3のブロックは互いに異なることが可能である。
【0041】
前駆体組成物において使用されてもよいブロックコポリマー(第2のポリマー)の例としては、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族化合物)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)など、またはその組合せが挙げられる。
【0042】
別の実施形態において、ブロックコポリマーはブロックコポリマーとすることができ、各ブロックは、異なるグラフトポリマーの主鎖に対してグラフト化している主鎖ポリマーを有する。例示的な主鎖ポリマーはポリノルボルネンであり、第1のグラフトおよび第2のグラフトは、以上に詳述された一覧から選択される。一実施形態において、第1のグラフトはポリスチレンであり、第2のグラフトはポリエチレンオキシドである。したがって、例示的なブロックコポリマーは、(ポリノルボルネン-graft(グラフト)-ポリ(スチレン))-block(ブロック)-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))である。そのようなポリマーは、開環メタセシス重合によって生成されることが可能である。
【0043】
いくつかの例において、ブロックコポリマーが、ブラシコポリマーまたはボトルブラシブロックコポリマーであることが望ましい。ポリマーブラシは、基材の表面に繋ぎ止められているポリマーを備える。ブラシまたはボトルブラシブロックコポリマーは、「分子ブラシ」も指し、線状ポリマー主鎖に対して異なる少なくとも2つのタイプのポリマー側鎖が密にグラフト化されている新しいクラスの大型高分子である。ポリマー側鎖の強力な立体反発のため、ボトルブラシブロックコポリマーの主鎖は、高伸長され、蠕虫様分子立体配座が生じる。ボトルブラシは、ポリマー鎖のからみ合いが、蠕虫様高分子間において大幅に低減されることが可能であり、急速自己アセンブリにより秩序立ったナノ構造を創造することが可能になるので、その線状類似体と比べて、ナノテクノロジーにとって優れることが可能である。
【0044】
ブラシまたはボトルブラシは、繋ぎ止められたポリマー層がポリマーおよび溶媒を含む溶媒和状態、または繋ぎ止められた鎖が空いている空間を完全に満たす溶融状態であり得る。これらのポリマー層は、シリコンウェハなどの平坦な基材、またはナノ粒子などの高度に湾曲した基材に繋ぎ止められることが可能である。ブラシは、グラフト化された鎖の高密度によって特徴付けられることが多い。その上、限定された空間は、鎖の強力な伸び、および系の異常な特性を導く。
【0045】
いくつかの例において、ブロックコポリマーのブロックの少なくとも1つは、支持相の前駆体と相互作用することができる官能基を有することができる。官能基は、鎖主鎖から懸垂していてもよく(すなわち、繰返し単位の一部分である)、末端基でもよく、または鎖主鎖から懸垂しており、かつ末端基でもよい。そのような官能基の例は、トリアルコキシシランなどの金属アルコキシドである。一例において、反応性の末端官能基が、コポリマーを基材に繋ぎ止めて、ボトルブラシコポリマーを形成するように使用されることが可能である。
【0046】
溶媒が存在する場合それは、前駆体組成物中に存在している第2のポリマーを可溶化するのに有効な溶媒である。使用されるポリマーおよび他の構成成分の化学的性質に応じて、溶媒は、非プロトン性極性溶媒、無極性プロトン性溶媒、非極性溶媒、またはその組合せとすることができる。
【0047】
非プロトン性極性溶媒の例は、水、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチロラクトン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなど、またはその組合せである。極性プロトン性溶媒は、メタノール、アセトニトリル、ニトロメタン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなど、またはその組合せを含む。非極性溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン、四塩化炭素、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど、またはその組合せが挙げられる。少なくとも1つの極性溶媒および少なくとも1つの非極性溶媒を備える共溶媒も、溶媒の膨潤度を改変し、それによって溶媒のポリマーに対する溶解度を調整するのに利用されてもよい。溶媒は、前駆体組成物の全重量に対して50~90重量%の量で使用されることが可能である。
【0048】
支持相の前駆体(以降、支持相前駆体)は、一般に反応すると骨格構造を生成して、基材に配置されている階層構造を支持する反応性種を備える。支持相前駆体は、金属アルコキシド、多八面体シルセスキオキサン(以降、シルセスキオキサン)、または加熱されると、前駆体組成物の構成成分に構造を提供することができるいずれか他の反応性種を含むことができる。
【0049】
金属アルコキシドの例は、シリコンアルコキシド(例えば、ケイ素トリメトキシシラン、テトラエチルオルトシリケートなど)、チタンアルコキシド(例えば、チタンイソプロポキシドなど)、ジルコニウムアルコキシド(例えば、ジルコニウムイソプロポキシド)、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムsec-ブトキシド)など、またはその組合せである。金属アルコキシドは、前駆体組成物に含まれているとき、官能基およびそれ自体と反応して、骨格の網目または骨格の網目の前駆体を前駆体組成物内に形成することができる。前駆体組成物を加熱すると、ポリマーが分解され、ポリマーの分解により、金属酸化物粒子の多孔性網目が残る。
【0050】
シルセスキオキサンは、構造(RSiO1.5を有し、ここで、Rは、1つまたは複数のタイプの置換基、典型的には有機性の置換基を表す。代替の呼称は「T-樹脂」であり、ケイ素に置換している酸素原子が3個存在すること(三置換)を指摘する。これらの分子は、硬質の耐熱性ケイ素-酸素フレーム構造を有し、その構造および特徴が、シリカガラス(SiOの構造および特徴とシリコーンポリマー(RSiO)の構造および特徴との中間である。前駆体組成物におけるシルセスキオキサン部分は、様々な構造型のうちから選択されることが可能である:以下の式1~3に示されている多面体カゴ、はしご、ランダム、またはその混合物。
【0051】
式(1)は、ランダム型のシルセスキオキサン部分を示す。
【0052】
【化1】

式(2)は、はしご型のシルセスキオキサンを描写する。
【0053】
【化2】

式(3)は、完全および不完全(部分)多面体カゴ型のシルセスキオキサンを描写する。
【0054】
【化3】

前述のように、シルセスキオキサンは、カゴ様構造を有し得る。カゴタイプのシルセスキオキサンの構造は、立方体、6角プリズム、8角プリズム、10角プリズム、12角プリズム、または開放型のカゴ様構造の形さえとることが多い。様々なカゴ型のシルセスキオキサンが、Hybrid Plastics社によって販売名POSSで販売されている。それらは、多面体オリゴマーシルセスキオキサンであると記載され、一般式(RSiO1.5を有し、式中、Rは、有機または無機部分から選択され、nは6、8、10、12、またはそれ以上である。すべてのシルセスキオキサンと同様に、これらの分子は、酸素とケイ素の比が1.5で、硬質の耐熱性ケイ素-酸素フレーム構造を有し、大半が、例えば炭化水素(例えば、ビニル、イソオクチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、イソブチル、または他の炭化水素)、およびエステル、ビニル、エポキシ、アクリレート、ヒドロキシルなどの官能基、または他の官能基を備える外層を提供する共有結合している有機(および時には無機)基を含有する。Si(ここで、n=8)POSS構造が、以下に式(4)で図示される。
【0055】
【化4】

ケイ素原子上のR基の変化により、様々な官能基が、POSSフレーム構造の隅から離れて置かれることが可能である。各R基は、重合に関与して、前駆体組成物の支持相前駆体を硬化することができる反応性基とすることができ、あるいは組成物中に存在している他の種との化学的相溶化を促進することができる非反応性基とすることができる。重合または相溶化を可能にする際における役割に加えて、様々なタイプのR基は、柔軟性または剛性、熱安定性、耐薬品性、硬化速度、屈折率など他の所望の属性を付与するように選択されまたは合わせられることが可能である。例示的な実施形態において、ケイ素原子上のR基は、UV開始重合に関与することができる反応性官能基であり、アクリレート、メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル、チオールもしくはエポキシド、ヒドロキシル、またはその組合せを含む。
【0056】
POSSカゴ型シルセスキオキサン部分の上記の構造を詳述する別の方式は、一般式Rn-mを含み、式中、Rは、コーティングのUV誘導重合を可能にすることができる反応性官能種であり、nは、6、8、10、12またはそれ以上であり、mは、1~nであり、Tは、SiO1.5であり、Yは、組成物中に存在している他の種との化学的相溶化を促進することが可能である非反応性種を表す。例示的な実施形態において、シラン上の様々なR基は同じでも異なってもよく、重合および/または架橋を可能にすることができる反応性官能基であり、アクリレート、メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル、チオールまたはエポキシドを含む。Y基は、C~C24直鎖状、分枝状、または環式アルキル、脂肪族または脂環式エーテルまたはポリエーテル、脂肪族または脂環式エステルまたはポリエステル、脂肪族または脂環式シロキサンまたはポリシロキサン、脂肪族または脂環式カーボネートまたはポリカーボネート、脂肪族または脂環式フルオロカーボンまたは他のハロカーボン、脂肪族または脂環式ウレタンエーテル、ウレタンエステル、またはウレタンカーボネートなどの非反応性基を含む。別の例示的な実施形態において、R基は、主鎖に沿って設置されているあるいは主鎖から離れて設置されたペンダント基として設置されている反応性種を有する低分子量ホモポリマーまたはコポリマーである。
【0057】
別の実施形態において、R基は、2つ以上の反応性官能基、3つ以上の反応性官能基、または4つ以上の反応性官能基を含有する。ジアクリレート化およびトリアクリレート化基は、前駆体層のUV誘導重合を可能にする反応性官能基の例である。
【0058】
例示的なPOSSシルセスキオキサン部分は、アクリレートおよびメタクリレート官能基で官能化されているPOSSシルセスキオキサン(例えば、MA0701-アクリロイソブチルPOSS、MA0702-メタクリルイソブチルPOSS、MA0703-メタクリレートシクロヘキシルPOSS、MA0706-メタクリレートイソブチルPOSS、MA0716-メタクリレートエチルPOSS、MA0717-メタクリルエチルPOSS、MA0718-メタクリレートイソオクチルPOSS、MA0719-メタクリルイソオクチルPOSS、MA0735-メタクリルPOSSカゴ混合物、MA0736-アクリロPOSSカゴ混合物など、またはその組合せ)、エポキシ官能基で官能化されているPOSSシルセスキオキサン(例えば、EP0402-エポキシシクロヘキシルイソブチルPOSS、EP0408-エポキシシクロヘキシルPOSSカゴ混合物、EP0409-グリシジルPOSSカゴ混合物、EP0417-グリシジルエチルPOSS、EP0418-グリシジルイソブチルPOSS、EP0419-グリシジルイソオクチルPOSS、EP0423-トリグリシジルイソブチルPOSS、EP0430-オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルPOSS、EP0435-オクタグリシジルジメチルシリルPOSSなど、またはその組合せ)、チオール官能基で官能化されているPOSSシルセスキオキサン(TH1550-メルカプトプロピルイソブチルPOSS、TH1555-メルカプトプロピルイソオクチルPOSSなど、またはその組合せ)、イソブチルアクリレート、二官能性ヘテロカゴ、イソオクチルアクリレート、二官能性ヘテロカゴ、またはその組合せである。前述のPOSS部分のすべては、Hybrid Plastics社から市販されている。固形物(粉末またはロウ)ではなく液体または油であるPOSSシルセスキオキサンは、MA0718、MA0719、MA0735、MA0736、EP0408、EP0409、EP0423、EP0435、およびTH1555を含む。
【0059】
支持相前駆体は、前駆体組成物の全重量に対して約2重量%~約15重量%、または約4.7重量%~8.6重量%、約5.9重量%~約6.3重量%、あるいは約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは約15重量%未満、約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは約15重量%、または約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは約15重量%超の量で使用されることが可能である。
【0060】
前駆体組成物は、前駆体組成物中に存在しているポリマーを分解し、支持相前駆体を活性化して、支持構造を形成するように特定波長の電磁放射線を選択的に吸収することができる光吸収性成分を含有してもよい。光吸収性組成物は、一般に1つまたは複数の周波数の電磁放射線を吸収して、第2のポリマーを分解するのに十分に温まり、一方で同時に支持相前駆体を反応させることができる金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子を含むことができる。一実施形態において、支持相前駆体は、光吸収性成分上または中に存在している反応性官能基と反応することもできる。
【0061】
光吸収性成分は、金属粒子、炭素質粒子、電気伝導性金属酸化物ナノ粒子、金属ナノ粒子、またはその組合せを含むことができる。光吸収性成分は、反応すると、ナノ粒子に変換される金属粒子、炭素質粒子、電気伝導性金属酸化物ナノ粒子、金属ナノ粒子、またはその組合せの前駆体も含むことができる。反応は、照射熱または他の適当な反応によって誘導されることが可能である。
【0062】
粒子は、ナノサイズまたはマイクロメートルサイズであり得る。粒子の形状には特に制限がなく、例えば、球状、不規則、フラクタル、板状またはウィスカー状でもよい。粒子は、ナノサイズまたはマイクロメートルサイズでもよい。ナノメートルサイズの粒子は、一般に1~100ナノメートルの平均粒径を有し、マイクロメートルサイズの粒子は、101ナノメートル超~約5,000ナノメートルの平均サイズを有する。一例において、粒子がナノ粒子であることが望ましい。本明細書で言及されている平均粒径は、粒子回転半径によって決まる。光吸収性ナノサイズ粒子の適当な例は、金属粒子、カーボンナノチューブ、グラフェンナノ粒子、カーボンブラック、フラーレン、バッキーボールなど、または前述のナノサイズ粒子の少なくとも1つを備える組合せである。
【0063】
金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子は、光を吸収すると、熱を発生することができる光吸収性成分として使用されることが可能である。本明細書にさらに記載されるように、金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子は、光吸収がないときに触媒としても行動することができる。金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子のなかには、もっぱら熱生成物質または触媒として行動することができるものもあれば、触媒と熱生成物質の両方として行動することができるものもある。これらは、導電性金属または合金であり得、有機ポリマーに対して組み込み、それから完成品を製作する際に使用される条件下で溶融しないものである。アルミニウム、銅、マグネシウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、鉄、チタン、金、白金、パラジウムおよびその混合物などの金属は、前駆体組成物に対して導電性充填剤として組み込まれることが可能である。ステンレス鋼、青銅など、物理的な混合物および真の合金は、光吸収性粒子としても機能することが可能である。
【0064】
さらに、これらの金属のホウ化物、炭化物などいくつかの金属間化学化合物(例えば、二ホウ化チタン)は、光吸収性粒子としても機能することが可能である。酸化スズ、酸化インジウムスズなど固体の非金属性導電性充填剤粒子も、任意選択により添加されて、光を吸収することが可能である。固体の金属性および非金属性導電性充填剤は、粉末、引き出されたワイヤー、撚り糸、繊維、チューブ、ナノチューブ、薄片、積層体、血小板、楕円体、円盤、および他の市販の幾何形状体の形で存在することが可能である。
【0065】
光吸収性成分は、様々な波長の電磁放射線を吸収して、熱を発生し、ポリマーを分解する。電磁放射線は、可視光、紫外線、マイクロ波放射線、赤外線、またはその組合せであってもよい。好ましい実施形態において、吸収された放射線は、電磁スペクトルの可視光領域に存在し得る。
【0066】
光吸収性成分は、前駆体組成物の全重量に対して約2重量%~約10重量%、約3.5重量%~約5.5重量%、約4.1重量%~4.5重量%、あるいは約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは約10重量%未満、約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは約10重量%、または約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、もしくは約10重量%超の量で使用されることが可能である。
【0067】
前駆体組成物を含有する物品を製造する一方法において、前駆体組成物は、基材に塗布されて、前駆体層を形成することが可能である。前駆体組成物は、吹付彩色法、静電吹付彩色法、スピンキャスト法、ドクターブレード法、浸漬法など、またはその組合せにより基材に塗布されることが可能である。
【0068】
次いで、前駆体層は高温を使用して乾燥される。高温は、放射線、伝導または対流を使用して達成されることが可能である。高温が使用されて、溶媒を除去し、望むなら、コポリマーの相分離を促進する。適当な高温は、前駆体組成物の成分に依存し、約50℃~約200℃、約60℃~約150℃、約70℃~140℃、あるいは約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、もしくは200℃未満、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、もしくは200℃、または約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、もしくは200℃超である。
【0069】
相分離に続いて、前駆体層が配置されている基材は、所望の波長の電磁放射線にかけられて、前駆体組成物の加熱を促進する。前駆体組成物中の光吸収性成分は、光を吸収し、局部的に300℃超、400℃超、または450℃超の温度に温まる。この局部的な熱の発生は、第2のポリマー(前駆体層中に存在しているポリマー)の分解を促進するが、第1のポリマー(基材中に存在しているポリマー)には影響しない。基材中に存在しているポリマーは、入射放射線に対して透過性である。熱の発生は、階層構造を支持する多孔性骨格構造の形成を容易にする支持相における反応も促進する。階層構造は、炭素複合体とすることができる。炭素複合体は、炭素複合体多層構造を形成するための1層または複数層を含むことができる。炭素複合体は、無定形炭素マトリックスも含むことができる。いくつかの例において、炭素複合体は、炭素複合体多層構造または無定形炭素マトリックスの一方のみまたは両方を含むことができる。
【0070】
いくつかの例において、炭素複合体多層構造の1層または複数層は、細長いプロファイルを有することができる黒鉛多層構造(例えば、シート)を形成するための個別の細長い黒鉛材料(グラフェン)層を含むことができる。例えば、炭素複合体多層構造の個別層は、ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノリボンとすることができる。黒鉛多層構造の個別層の幅は、約5ナノメートル~約70ナノメートル、約20ナノメートル~約50ナノメートル、あるいは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル超に及び得る。
【0071】
炭素複合体構造は、前駆体組成物を基材に配置する工程を含む方法により形成されることが可能である。前駆体組成物は、ポロゲン成分、炭素成分、および触媒成分を含む。前駆体組成物は、流体または固体の形をとることができる。前駆体組成物が基材上に配置された後、前駆体組成物は電磁放射線で照射される。照射すると、触媒は、炭素成分から黒鉛ナノワイヤ、ナノリボン、またはナノチューブを成長させる反応を触媒する。あるいは、前駆体組成物は、ナノヒーターとして行動して、炭素源を局部的に加熱して、無定形炭素マトリックスを形成することができる光吸収性種成分を含むことができる。
【0072】
炭素複合体構造を形成するために、前駆体組成物は、炭素成分を含む。炭素成分は、黒鉛ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノワイヤの炭素源を提供する。炭素源は、無定形炭素マトリックスを成長させるための供給源でもあり得る。炭素成分は、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%、約20重量%~約40重量%、あるいは約20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%未満、約20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%、または約20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%超に及び得る。炭素成分は、1つまたは複数の炭素含有分子を含むことができる。適当な炭素含有分子の例としては、フェノールホルムアルデヒド樹脂(Resol)、グルコース、セルロース、4-ヒドロキシ安息香酸、およびその混合物が挙げられる。いくつかの例において、炭素成分は、黒砂糖、大麦糖、カラメル、庶糖、コーンシロップ、デンプン、糖蜜、糖蜜ラフィネート(糖廃棄物)、グルカン、ガラクタン、キシラン、および糖廃棄物の少なくとも1つを含む。いくつかの例において、炭素質材料は、粉末状活性炭、顆粒状活性炭、カーボンブラック、炭素繊維、炭素ハニカムもしくは板構造、エアロゲル炭素フィルム、熱分解チャー、または処理されなければならない煙道ガス流中のフライアッシュより大きい質量平均粒径を有する活性炭もしくは再生活性炭を含む。適当な炭素源の別の例としては、いずれか適当な個数の炭素原子を有する置換または非置換炭化水素、例えば置換もしくは非置換アルカン、アルケン、アルキン、またはその組合せ、例えば置換もしくは非置換(C~C40)アルカン、(C~C40)アルケン、(C~C40)アルキン、(C~C40)アリールまたはその混合物のいずれか1つまたは組合せが挙げられる。炭素成分は、固相、気相、または水性相とすることができる。要するに、炭素成分は、約40重量%の炭素~約90重量%の炭素、約60重量%の炭素~約80重量%の炭素、あるいは約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90重量%未満の炭素、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90重量%の炭素、または約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90重量%超の炭素を含むことができる。
【0073】
いくつかの例において、前駆体組成物は、炭素複合体のドーパントとして行動することができる窒素源も含むことができる。窒素源の例としては、アミド(例えば、ジシアンジアミド)、アミン(例えば、グルコサミンまたはメラミン)、ピロール(例えば、ポリピロールまたは尿素)が挙げられる。窒素源は、存在する場合、約0.1重量%~約30重量%、約1重量%~約10重量%の範囲、あるいは約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、10、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、もしくは約30重量%未満、約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、10、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、もしくは約30重量%、または約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、10、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、もしくは約30重量%超であり得る。
【0074】
炭素複合体構造を形成するために、前駆体組成物は、触媒成分も含む。触媒成分は、炭素成分からの黒鉛ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノワイヤの形成を促進する。触媒成分は、前駆体組成物の約0.01重量%~約50重量%、約1重量%~約15重量%、あるいは約0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%未満、約0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%、または約0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%超に及び得る。触媒成分は、化学反応を通して行動することができ、または電磁放射線を吸収することによって熱を放出するナノヒーターとして行動することができる。ナノヒーターは、無定形炭素マトリックスを形成することができる。
【0075】
触媒成分は、少なくとも1つの金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子を含む。少なくとも1つの金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子は、触媒成分の約50重量%~約100重量%、約90重量%~約100重量%、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、または約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超に及び得る。触媒成分の金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子は、約1~約100ナノメートル、約1~約50ナノメートル、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100ナノメートル未満、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100ナノメートル、または約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100ナノメートル超に及ぶサイズを有することができる。
【0076】
金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子は、1つまたは複数の金属を含むことができる。適当な金属または金属酸化物の例としては、ケイ素、炭化ケイ素、鉄、酸化鉄、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、その合金、またはその混合物が挙げられる。酸化鉄の例としては、FeO、Fe、Fe、Fe、Fe、Fe2532、Fe1319、Fe、(Fe(OH))、および(Fe(OH))の少なくとも1つが挙げられる。
【0077】
操作時に、炭素成分および触媒成分を含む前駆体組成物は、基材に被着されると、電磁放射線で照射される。触媒成分が金属酸化物であるいくつかの例において、照射によって、金属酸化物を金属に還元する。電磁放射線は、光源から供給されることが可能である。光源の適当な例は、キセノンフラッシュランプである。前駆体組成物は、一連のパルスによる光で照射されることが可能である。例えば、前駆体組成物は、1~20パルス、2~15パルス、または3~6パルスで照射されることが可能である。各パルスは、約0.1ミリ秒~約15ミリ秒、約0.25ミリ秒~約0.5ミリ秒、約0.1、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは15ミリ秒未満、約0.1、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは15ミリ秒、または約0.1、0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、もしくは15ミリ秒超持続することが可能である。各光パルスのエネルギーは、約5500mJ/cm~約7000mJ/cm、約6042mJ/cm~約6781mJ/cm、5500、6000、6500、もしくは7000mJ/cm未満、5500、6000、6500、もしくは7000mJ/cm、または5500、6000、6500、もしくは7000mJ/cm超に及び得る。
【0078】
前駆体組成物の照射により、少なくとも炭素複合体多層構造の個別層を形成することができる。炭素複合体多層構造の個別層は、黒鉛ナノワイヤ、黒鉛ナノチューブ、および黒鉛ナノリボンの1つまたは複数を含む複合構造とすることができる。ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノリボンは、ナノ規模の幅を有することによって特徴付けられる。例えば、ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノリボンは、約5ナノメートル~約500ナノメートル、約20ナノメートル~約50ナノメートル、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル、または約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは70ナノメートル超に及ぶ幅を有することができる。いくつかの例において、幅は1マイクロメートル(1ミクロン)以上であり得る。
【0079】
ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノリボンは、照射すると触媒成分により炭素成分から成長される。ナノワイヤ、ナノチューブ、またはナノリボンの個別層が、相互に積み重ねられる。最終構造において、個別層の少なくとも一部は、触媒成分の金属ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子に少なくとも部分的に外接することができる。
【0080】
炭素複合体構造は、無定形炭素マトリックスも含むことができる。無定形炭素マトリックスは、ナノ粒子が熱を放出するときいくつかの炭素源(例えば、Resol)の熱変換より形成されることが可能である。適当な温度において、Siのナノ粒子は、Resolから無定形炭素マトリックスを生成するのに好都合であり得る。炭素複合体構造は、触媒成分からの残留ナノ粒子も含むことができる。
【0081】
炭素複合体構造のいくつかの例において、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンと無定形炭素の混合物があり得る。しかし、別の例において、炭素複合体構造は、もっぱらナノリボン、ナノチューブ、ナノリボン、または無定形炭素を含むことができる。
【0082】
炭素複合体構造は、異なる物品における異なる多くの使用に適応されることが可能である。例えば、炭素複合体構造は、アノードを形成することができる。アノードは、リチウムイオンバッテリーなどのバッテリーの一部分となり得る。アノードは、コンデンサー、またはセンサーなどの他の電子製品において使用されることも可能である。これらの例において、炭素複合体炭素多層構造は、成分の約0.01重量%~約50重量%、約5重量%~約60重量%、あるいは0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%未満、0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%、または0.01、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、もしくは50重量%超に及び得る。炭素複合体構造は、導電性、絶縁性、または容量性の機能を有する公知のナノ粒子添加剤など追加の成分を含むことができる。
【0083】
図1は、炭素複合体構造を含むバッテリー50の断面図である。図1に示されているように、バッテリー50は、アノード52、セパレータ54、およびカソード56を含む。バッテリー50は、アノード52が搭載されている基材をさらに含むことができる。アノード52は、適当な多くの形状およびデザインを有することができる。例えば、アノード52は平坦とすることができる。あるいは、図1に示されているように、アノード52、したがって炭素複合体構造は、パターン形成された構造を形成することができる。図1に示されているパターン形成された構造は、z方向に伸びる複数の突起60から形成されたパターンのアノード52を示す。少なくとも2つの突起60の間における個別の突起の幅Wは、実質的に同じであるようにカスタマイズ可能である。あるいは、少なくとも2つの突起間の幅は、互いに対して異なることが可能である。個別の突起60の幅は、約900nm~約900μm、約800nm~約10μmの範囲、あるいは約900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、もしくは約900μm未満、約900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、もしくは約900μm、または約900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、800μm、もしくは約900μm超であり得るが、これらに限定されない。
【0084】
突起の少なくとも1つのy方向の長さは、幅の約1.5倍~約20倍大きい範囲、幅の約5倍~約15倍大きい範囲であり得、あるいは幅の約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、もしくは約20倍未満、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、もしくは約20倍、または約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、もしくは約20倍超大きいことが可能である。
【0085】
隣接している突起60の間の距離またはピッチは、約2000nm~約500μm、約1600nm~約10μmの範囲、あるいは約2000nm、1900nm、1800nm、1700nm、1600nm、1500nm、1400nm、1300nm、1200nm、1100nm、1000nm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、もしくは約500μm未満、約2000nm、1900nm、1800nm、1700nm、1600nm、1500nm、1400nm、1300nm、1200nm、1100nm、1000nm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、もしくは約500μm、または約2000nm、1900nm、1800nm、1700nm、1600nm、1500nm、1400nm、1300nm、1200nm、1100nm、1000nm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、100μm、200μm、300μm、400μm、もしくは約500μm超であり得る。
【0086】
図1に示されているように、突起60は、(z方向から見て)正方形をしているプロファイルを有する。しかし、他の形状も可能である。例えば、突起60のプロファイルは、円形、卵形とすることができ、または三角形、長方形、五角形、六角形、七角形、および八角形などの別の多角形形状とすることができる。
【0087】
セパレータ54は、アノード52とカソード56の間に配置されている。セパレータは、アノード52の形状と大体一致しているように形作られる。セパレータ54は、一般に誘電材料を含む。誘電材料は、ポリマー、マイクロ粒子、ナノ粒子、および結合剤の少なくとも1つを含むことができる。いくつかの例において、マイクロ粒子は、セパレータ54の約30重量%~約100重量%の範囲、セパレータ層の約90重量%~約100重量%の範囲、あるいはセパレータ54の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、セパレータ54の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、またはセパレータ54の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超である。マイクロ粒子は、ポリメチル尿素、メラミンホルムアルデヒド樹脂、リチウムポリアクリレート、ポリアミド、ポリ(リチウム2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、擬ベーム石(AlO(OH))、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ化カリウム(KF)、フッ化リチウム(LiF)、ゼオライトおよび炭酸カルシウム(CaCO)のマイクロ粒子から選択されることが可能である。さらに、いくつかの例において、ナノ粒子は、セパレータ54の約30重量%~約100重量%の範囲、セパレータ層の約90重量%~約100重量%の範囲、あるいはセパレータ54の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、セパレータ54の約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、または約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超である。ナノ粒子は、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、擬ベーム石(AlO(OH))、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ化カリウム(KF)、フッ化リチウム(LiF)、メソ多孔性アルミノシリケート(AlSiO)、メソ多孔性ニオブ-タンタル複合体酸化物およびメソ多孔性マグネシウム-タンタル複合体酸化物のナノ粒子から選択されることが可能である。結合剤は、セパレータ54の約10重量%~約90重量%の範囲、セパレータ層の約30重量%~約50重量%の範囲、あるいはセパレータ54の約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、もしくは約90重量%未満、約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、もしくは約90重量%、または約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、もしくは約90重量%超であり得る。ポリマーは、誘電特性をもついずれか適当なポリマーから選択されることが可能である。その例としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリシロキサンのホモポリマーおよびコポリマーを挙げることができる。
【0088】
結合剤は、ポリビニルアルコール、カルボキシル基改変ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリアクリル酸、リチウムポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、エチルヒドロキシエチルセルロース、スチレン-ブタジエン樹脂、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、エチル-ビニルアセテートコポリマーおよびポリエステルを含むことができる。
【0089】
カソード56が、セパレータ54に配置されている。カソード56は、一般にセパレータ54のプロファイルと一致している。カソードは、酸化リチウムを含むことができる。酸化リチウムは、カソード56の約50重量%~約100重量%の範囲、約90重量%~約100重量%の範囲、またはカソード56の約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%未満、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%、または約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、もしくは100重量%超であり得る。酸化リチウムの例としては、酸化コバルトリチウム(LiCoO)、酸化ニッケルリチウム(LiNiO)、酸化マンガンリチウム(LiMn)、およびオリビン型リン酸リチウム鉄(LiFePO)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
バッテリー50は、適当な多くの方法により形成されることが可能である。適当な方法の一例が、図2に示されている。図2は、バッテリー50を形成する熱ナノインプリント方法を示す概略図である。図2に示されているように、方法70は、操作72を含む。操作72において、少なくとも本明細書に記載されるポロゲン成分、炭素成分、触媒成分を含む前駆体組成物73が、基材74に被着される。鋳型75は、前駆体組成物73の上を覆って置かれ、降下される。鋳型75は、アノード52において突起60を形成する複数の空洞76で形作られている。空洞76は、前駆体組成物73と接触すると、そこに突起60を形成する。
【0091】
操作80において、鋳型75は、前駆体組成物73上の正しい位置に保持される。次いで、鋳型75および任意選択により基材74は加熱されて、アノード52を形成する。熱の適用により、本明細書に記載される炭素複合体マイクロ構造を形成することができる。操作82において、鋳型75は、十分に加熱した後に除去される。これにより、基材74に形成された、突起60を含むアノード52が残る。操作84で、アノード53は、過剰の材料を除去するように任意選択により加工される。別の操作において、セパレータ54は、アノード54に被着され、カソード56は、セパレータ54に被着される。セパレータ54は、化学蒸着などのいずれか適当な方法を使用して気相からアノード53に被着またはコーティングされることが可能である。
【0092】
代替の例において、セパレータ54を、操作72で前駆体組成物73に被着させることが可能である。これにより、アノード52およびセパレータ54が同時に形成されることが可能になる。
【0093】
図3は、バッテリー50を形成する代替方法を示す。図3は、バッテリー50を形成する電磁放射線ナノインプリント方法を示す概略図である。図3に示されているように、方法90は、操作92を含む。操作92において、光架橋性であり、少なくとも本明細書に記載されるポロゲン成分、炭素成分、触媒成分を含む前駆体組成物73Aが、基材74に被着される。鋳型75Aは、前駆体組成物73Aの上を覆って置かれ、降下される。鋳型75Aは、アノード52において突起60を形成する複数の空洞76で形作られている。鋳型75Aは、実質的に透明である。空洞76は、前駆体組成物73Aと接触すると、そこに突起60を形成する。
【0094】
操作94において、鋳型75は、前駆体組成物73上の正しい位置に保持される。次いで、鋳型75および任意選択により基材74は、電磁放射線(例えば、紫外線)に曝露されて、アノード52を形成する。電磁放射線の適用により、本明細書に記載される炭素複合体マイクロ構造を形成することができる。代替の例において、鋳型75Aは、電磁放射線への曝露と組み合わせて加熱されることが可能である。操作96において、鋳型75は、十分に加熱した後に除去される。これにより、基材74に形成された、突起60を含むアノード52が残る。操作98で、アノード53は、過剰の材料を除去するように任意選択により加工される。別の操作において、セパレータ54は、アノード54に被着され、カソード56は、セパレータ54に被着される。
【0095】
代替の例において、セパレータ54を、操作98で前駆体組成物73Aに被着させることが可能である。これにより、アノード52およびセパレータ54が同時に形成されることが可能になる。
【0096】
(実施例)
本開示の様々な実施形態は、実例として提示されている以下の実施例を参照してよりよく理解されることが可能である。本開示は、本明細書に与えられている実施例に限定されない。
【0097】
(実施例1)
ナノ多孔性材料の形成
機能性ナノ粒子(NP)を含む階層的ナノ多孔性ハイブリッド材料が、触媒作用、分離、感知、ならびにエネルギー貯蔵および変換を含めて様々な用途のために製作された。これらの材料内の細孔径は、低分子界面活性剤およびブロックコポリマー(BCP)を含めて犠牲軟質テンプレートの自己アセンブリにより操作されることが可能である。
【0098】
階層的大面積ナノ多孔性フィルムをフレキシブル基材に急速調製すると、軽量で携帯可能なデバイスの製作が可能になるだけでなく、ロール・ツー・ロール加工などの大規模製造方法を採用することによって、製作コストが低減する。この実施例において、光熱加工により市販のポリエチレンテレフタレート(PET)基材にシリカ、炭素、および金の階層的ナノ多孔性ハイブリッドフィルムの急速で大面積の合成を実現する簡単な方法。光吸収性薄膜は、強力な局在表面プラズモン共鳴(LSPR)により光エネルギーを熱に変換するためのナノヒーターとしての金NP、メソ孔を創造するための犠牲(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))(PS-b-PEO)ブラシBCP、および多孔性構造の骨格を形成するためのシリカ源として架橋された多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)を含む。PS-b-PEOブラシBCP(Mn=1583kg/mol、PDI=1.06、fPEO=48.4重量%)は、本発明者らの報告された合成手順に従って逐次開環メタセシス重合(ROMP)によって合成された。PSおよびPEO側鎖の分子量はそれぞれ、3.5および2.0kg/molである。直径約2nmの金NPは、PEOドメインとの強力な水素結合相互作用を発揮する4-メルカプトフェノールでコーティングされた。ロッドコーティングおよび熱アニーリングを行って、NPのより大きいサイズ(>10nm)への熟成が可能になり、かつPOSSの架橋を開始することによって、薄膜が大面積にわたって調製された。543nmの強力なLSPRピークが、アニーリング後に観察され、その後の光熱加工のためにフィルムの高光吸収効率を提供する。比較のために、小さいNP(2nm)を含有するアニーリングされていない試料では、明らかなLSPRが同定されることは可能でない。POSSカゴの架橋は、加熱するとPOSSにおいてカルボン酸と第二級アミン基の間でイミドが形成されることにより達成され、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)によって検証された。球状様形態が、溶媒蒸発時において球として出現するPSおよびマトリックスとしての金NP/POSSに組み込まれているPEOドメインとの自己アセンブリにより形成された。これは、アニーリングされた試料からの薄切片のX線小角散乱(SAXS)、電界放射型走査電子顕微鏡検査(FESEM)、および断面透過電子顕微鏡検査(TEM)により確認された。未染色試料のPSおよびPEOは同様の電子密度を有するので、TEM画像で観察されるコントラストは、もっぱらPEOドメインに存在する金NPおよびPOSSが原因である。球状構造のドメイン間隔は、SAXSによって決定して約84nmである。よく画定された多孔性構造を創造するために、BCPテンプレートが除去され、架橋されたPOSSマトリックスは、加熱するとシリカに酸化される。
【0099】
光熱加工では、発光は、200~1000nmの広い波長範囲で400と500nmの間のピーク強度である。光強度は、電圧および/またはパルス継続時間の変化により精密に調節可能である。最適な方法は、同じパルスを継続0.3ミリ秒で3回反復する工程を含む。光熱加工を行わない対照試料ならびにそれぞれ異なるパルスエネルギー1785、1837および1891mJ/cmを使用して得られた試料1~3を含む代表的な4つの試料のFTIRスペクトル。1800~1200cm-1の範囲の複数の吸収ピークは、有機成分に帰属されるものであり、パルスエネルギーの増加とともに次第に消失される。有機物の除去は、C-H伸縮に対応する3100~2800cm-1の範囲におけるピークが欠落していることによっても確認された。パルスエネルギーが増加するにつれて、O-Si-O伸縮ピークのブルーシフトが観察され、POSSカゴの開口および網目様シリカ構造への酸化を指摘する。対照的に、同じパルスエネルギーを使用するキセノンフラッシュランプに曝露された金を含まない試料については、FTIRの明白な変化もFESEM画像のナノ多孔性構造の証拠も観察されず、金NPが光エネルギーを熱に変換し、ナノ多孔性構造の創造を可能にしたことを示唆している。POSSの酸化は、X線光電子分光法(XPS)に従って対照試料と試料3の間のケイ素(Si)の2p軌道の結合エネルギーのわずかな変化(102.2対103.0eV)によってさらに確認された。一般に、パルスエネルギーの増加とともにシリカ(11.2対37.3重量%)、炭素(0対18.0重量%)および金NP(23.3対43.0重量%)の重量百分率が有意に増加し、有機残渣は65.5重量%から1.70重量%へと著しく減少したことが観察され、本発明者らの合成法の効率が高いことを指摘した。パルスエネルギーを1837から1891mJ/cmに変化させるとき、シリカ重量百分率の異常な増加が観察されたことは特筆に値する。これは、空気中においてより高い光強度で酸化された多数のPOSSカゴによってうまく説明されることが可能であり、FTIRにおいて観察されたO-Si-O伸縮ピークの明白なブルーシフトおよびXPSデータと一致する。これは、金重量百分率が46.7から43.0重量%に減少した理由でもある。POSSカゴの効率的な酸化は、良好な機械的特性を有する多孔性ハイブリッド材料の創造を可能にする。さらに、高濃度の金NPを含有するハイブリッド材料は、強力なLSPRを発揮し、感知を含めて多くの潜在的な用途にとって有用である。光熱処理後の試料については、LSPRピークのブルーシフトが観察され、金NPの周囲の化学的環境(有機物対空気/シリカ/炭素)に対する感度が高いことを指摘し、センサー用途に有望である。
【0100】
試料1~3の多孔性構造は、FESEMおよびTEMによって特徴付けられた。細孔径は、ImageJを使用して、400超の細孔の画像分析により得られた。約44~48nmに及ぶ十分に制御された均一な細孔が、約ミリ秒規模の急速光熱加工時において得られたハイブリッドコーティングの表面に形成された。比較のために、ランダムな多孔性構造は、テンプレートとしてPEOホモポリマーを使用して、調製された試料中で観察され、ナノ多孔性構造が、自己アセンブリされたBCPナノ複合体の球状様形態を複製することにより形成されたことを示唆している。興味深いことに、50nm超のマクロ孔が相互接続している泡状様多孔性構造が、断面FESEM顕微鏡写真によって指摘された試料3の表面下で観察された。これは、おそらく光熱加工時における気体生成物の急速な発散に起因する。同様の多孔性構造は、大量の気体が遊離された表面における一部の小亀裂区域でも観察された。比較のために、試料1および2では、フィルム表面下の材料は多孔性でない。さらに、表面細孔と以下のマクロ孔の間の接続は、高倍率のFESEM顕微鏡写真で明確に見られることが可能である。高負荷の金NP(43.0重量%)は、凝集することなく多孔性構造の骨格に十分に分散されている。得られた大きな表面細孔を有する多孔性階層構造は、分離または感知用途のために生体大分子の浸透を促進することが可能である。
【0101】
TEMのためのエネルギー分散型X線分光分析(EDS)が、試料3の多孔性構造の元素分布をさらに検証するのに使用された。TEMは、金NPが画像の明領域として出現するEDSマッピングのための面積の高角環状暗視野走査TEM(HAADF-STEM)顕微鏡写真を示す。ケイ素(Si)、酸素(O)、炭素(C)、および金(Au)は、XPS結果と一致していることがEDSスペクトルで確認される。独特な物理的特性を有するハイブリッドに至る経路を提供する多孔性フィルムにおけるすべての元素の均一分布が観察された。
【0102】
要するに、実施例1は、急速な光熱加工によって大面積ナノ多孔性ハイブリッドフィルムをフレキシブル基材に合成する確固とした戦略を提供する。この方法により、ポリマー基材を損傷することなく、トップコーティングのみの選択的加熱が可能になる。レーザー書き込みと比べて、この技法は、大面積フィルムを作製することに大きな利点があり、ロール・ツー・ロール製造と両立可能である。さらに、表面上の大きいメソ孔および真下の泡状様マクロ孔を有する多孔性階層構造は、1ミリ秒未満の短時間で創造された。独特な多孔性構造に高濃度の金NPを含有するハイブリッドフィルムは、センサーおよび触媒用途に適用されることが可能である。この戦略は、超コンデンサー、センサー、濾過、および触媒用途を含めて多くの適用のための高表面積およびよく制御された細孔径を有する広範囲の機能性添加剤を含有する様々な多孔性ハイブリッドフィルムの合成に移転されることが可能である。
【0103】
(実施例2)
黒鉛層の形成
メソ多孔性炭素またはそのハイブリッド材料は、高比表面積、よく調節された細孔径、高伝導率および化学安定性を含めて魅力のある多くの特色を発揮し、分離、触媒作用、感知、およびエネルギー貯蔵における様々な重要な用途にとって興味の対象となり得る。ブロックコポリマー(BCP)および低分子界面活性剤は、犠牲テンプレートとして使用されて、調節可能な形態、細孔径、および多孔度を有するメソ多孔性構造を発生することが可能である。得られたナノ多孔性構造は、リチウムイオンバッテリーの容量などのデバイス性能を大いに改善することができる貴金属または金属酸化物ナノ粒子(NP)を含めて様々な機能性材料のための魅力のある支持体である。
【0104】
メソ多孔性炭素またはハイブリッドの構築体では、厚さ数マイクロメートル~何十マイクロメートルの膜は、光学、電子、電気化学、および感知デバイスにおける実用にとって大きな重要性をもつ。メソ多孔性炭素の調製方法は、不活性雰囲気中、高温(>800℃)で数時間の炭化および黒鉛化を必要とすることがあり得る。厳しい条件は、ロール・ツー・ロール加工による工業規模製作に対して重大な課題になり得る。多孔性炭素をシリコンウェハに合成するのにレーザービーム書き込みが採用されており、基材は光エネルギーを吸収し、トップフィルムを加熱して、炭化を可能にする。しかし、フィルムをある程度黒鉛化するのに、ファーネス中でのさらなる加熱が必要とされることがあり得、この方法が使用されて、炭素膜を低温基材に製作することはあり得ない。CO赤外レーザーを使用してポリイミドを加熱することによって、多孔性グラフェンフィルムを生成およびパターニングする一工程手法が報告されているが、得られた炭素のメソ多孔性構造は制御されておらず、数種のポリマー材料だけが光を効率的に吸収して、炭化することができる。どちらの場合も、機能性添加剤が多孔性構造内に組み込まれて、多孔性炭素の有用性をかなり拡大することはあり得ない。さらに、ビームサイズが限定されているので、レーザーを使用したメソ多孔性膜の急速で大面積の調製を実現することは、依然としてやりがいのあることである。
【0105】
この実施例において、キセノンフラッシュランプからのサブミリ秒の光パルスを介した急速な光熱加工により、大面積多孔性シリカが調製されることが可能であることが実証される。しかし、得られた材料は導電性でなく、リチウムイオンバッテリーなどの現実の用途における電極として使用されることはあり得ない。この実施例はポリマーおよび金または鉄/酸化鉄を含有する金属基材上の大面積メソ多孔性ハイブリッド炭素膜は、光熱加工方法を使用して容易に製作されることが可能であるを説明する。
【0106】
この製作スキームは、穏やかな条件での光吸収性フィルムの選択的炭化が可能になり、ロール・ツー・ロール製造など工業規模の加工方法と両立可能である。有利なことには、高密度黒鉛ナノワイヤは、おそらく鉄NPをナノワイヤ成長のための触媒として用いる急速加熱方法において創造されることが可能である。鉄NPは、異なる光熱処理に応じて、酸化鉄NPを加熱の初期段階で還元することによって生成され、次いで最終生成物中において酸化鉄に酸化されることが可能である。得られたハイブリッド材料は、メソ多孔性構造の高表面積、酸化鉄NPの寄与による高エネルギー密度、黒鉛ナノワイヤに由来する高伝導率、ならびにフィルムの良好な完全性(結合剤不含)、および無定形炭素マトリックスによって提供される良好な機械的特性を含めて魅力のあるいくつかの特色のため、リチウムイオンバッテリー用のアノードとすることができる。
【0107】
(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))(PS-b-PEO)ブラシBCPは、よく制御された細孔を急速自己アセンブリにより創造するためのテンプレートとして使用される。金系では、4-メルカプトフェノールでコーティングされたNP(約2nm)とレゾールは両方とも、水素結合相互作用によって駆り立てられて、PEOドメイン内に選択的に組み込まれ、球としてのPSをおよびマトリックスとしてのPEO/金/レゾールを有する球状形態をもたらす。bcc球状形態は、X線小角散乱(SAXS)によって検証され、ドメイン間隔は約79nm(d=2π/q)である。試料の透過型電子顕微鏡検査(TEM)により、金NPがナノ複合体フィルム内によく分散されていることが確認された。アニーリングされた試料の吸収スペクトルで、金NPの610nmにおける強力な局在プラズモン共鳴(LSPR)が観察され、その後の光熱加工時において効率的な光吸収が可能になる。光熱処理より前に、空気中での熱分解を開示するのに熱重量分析が採用され、混合物中に約24重量%の金が存在することを指摘する。光エネルギー密度は、電圧および/またはパルス継続時間の変化により精密に調節可能である。ITO-PET上のフィルムに関する最適な実験では、パルス継続時間は0.3ミリ秒に固定され、光強度は単に印加電圧を変化するだけで調節された。この方法は、同じ光パルスを1秒の時間間隔で3回反復する工程を含む。
【0108】
エネルギー密度1582mJ/cmの光パルスを使用する光熱処理の前後の試料のフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルは、有機成分に帰属された吸収ピークはすべて、光熱加工後に存在しないことを示し、ほぼ完全な炭化が1ミリ秒未満の加熱期間で達成されたことを指摘する。得られた炭素試料のラマンスペクトルは、D(1306cm-1)およびG(1569cm-1)ピークが重なり合っていることを示し、ファーネス炭化を使用して調製された無定形炭素のラマンスペクトルと同様である。これは、高分解能TEMおよびX線回折(XRD)スペクトルによってさらに確認された。電界放射型走査電子顕微鏡検査は、金NPまたはクラスターが明領域として出現する炭素膜の表面積に形成された均一なメソ孔を示した。細孔径は、ImageJを使用する画像分析に従って約41nmであり、線状BCPを使用して調製されたメソ多孔性材料の細孔径より著しく大きい。当然、細孔径および形状は、BCPナノ複合体の組成を調整することによって調節されることが可能である。断面SEMは、前駆体組成物の球状形態を複製することによって炭素膜の内部のよく制御された多孔性構造を示す。高負荷のよく分散された金NPを含有するメソ多孔性構造は、TEMによってさらに特徴付けられた。さらに、エネルギー分散型X線分光分析(EDS)を使用して、メソ多孔性構造における元素組成(金約53重量%)および分布をさらに検証した。
【0109】
金属表面上のメソ多孔性炭素膜は、超コンデンサー、バッテリー、およびセンサーのための結合剤不含電極として使用されることが可能であり、金属基材が集電体として機能する。光熱加工によるメソ多孔性炭素/金膜の急速な創造を実証するのに、アルミニウム箔を第一に選んだ。6042~6781mJ/cmの異なるエネルギーの光パルスの6回反復が、炭素膜を調製するために使用された。炭素含有量は、まず増加し、次いで減少し、6331mJ/cmの光エネルギーで得られた試料において炭素の最高百分率は98.5%であり、最低の酸素レベルは1.45%である。シート抵抗は、光強度が6042から6781mJ/cmへと増加するとともに67.1から16.7kΩへと著しく減少する。6478mJ/cmの光エネルギー密度で調製された試料のSEM顕微鏡写真は、アルミニウム表面で得られた厚さ3μmまでの大面積の炭素膜を示す。興味深い多孔性階層構造が、断面SEMにより検証された。表面積は、平均細孔径約31nmの均一なメソ多孔性サブ層の上にある厚さ約300nmの泡状様層を示す。
【0110】
光熱方法の一般性および規模適応性を探求するために、金は、炭化のためのナノヒーターとして低コストの鉄/酸化鉄NP(約7nm)で置き換えられた。光熱加工系のためのシミュレーションソフトウエアのSimPulseは、強力な光パルスで処理されるとき異なる材料によって到達されることが可能である温度に関して短時間の評価を可能にする。酸化鉄は、金の温度よりはるかに高い温度を達成することがわかった。さらに、酸化鉄は、リチウムイオンバッテリー用のアノードとして使用されるとき高い理論エネルギー密度(約1000mA時/g)を発揮する。前駆体組成物は、ニッケル箔に調製された。金系と同様に、4-ヒドロキシ安息香酸(HBA)でコーティングされた鉄/酸化鉄NPは、水素結合によりPS-b-PEO BCPのPEOドメイン内に選択的に組み込まれる。前駆体組成物の断面SEMにおいて、球状形態が観察された。TGAは、約24重量%の酸化鉄が残されている、前駆体の多工程の分解を指摘する。6572mJ/cmのエネルギーの光パルスが、最適な光熱処理のために選択された。異なる炭化段階を開示するのに異なる反復回数(4、8、12回)の光処理が使用された。
【0111】
FTIRスペクトルは、4回反復で処理された試料において不完全な炭化を指摘し、より多くの反復回数(8および12回)によって完全な炭化が達成されることが可能である。シート抵抗は、パルスが増加すると180から0.29kΩに著しく減少し、効率的な炭化が急速な光熱加熱時において達成されたことを指摘する。
【0112】
酸化鉄(γ-Fe)は、X線回折(XRD)を使用して確認された。SEMは、上面の泡状様構造およびBCP形態から生じた真下のよく画定された多孔性構造を示した。図4に示されているように、網目様炭素ナノワイヤは、鉄/酸化鉄NPで装飾されたTEMにおいて明白であり、SEMに観察されたワイヤー様の特色と一致している。図5に示されているように、高分解能TEMは、ナノワイヤにおいてよく秩序だった黒鉛構造を示し、格子間隔が0.32nmであり、完全充填グラフェンシート間の層間隔(0.33nm)に非常に近い。黒鉛ナノワイヤは、鉄NPからのカーボンナノチューブ成長の機構と同様であるミリ秒加熱方法において鉄NPを触媒として用いて、おそらく発生される。図6は、単層~10層超のグラフェンからなるNPの周囲の高密度炭素ワイヤーを示す。この作業における光熱方法は、リチウムイオンバッテリーを含む多くの重要な用途のための黒鉛炭素材料の急速で規模適応性のある低コストな製造への簡単な経路を提供する。
【0113】
ハイブリッドメソ多孔性炭素フィルムは、リチウムイオンバッテリー用のアノードとして試験される。800mA時/gを超える超高エネルギー密度が、1サイクル目の放電では70mA/gの電流密度で観察され、アノードの高表面積および結合剤不含アノード内における効率的なリチウムイオン輸送を示唆する。初期の定電流サイクリング試験により、報告された最高の数値の1つである約948mA時/gという高比容量のアノードの安定な性能が確認された。比較のために、メソ多孔性炭素のいくつかの調製方法は、不活性雰囲気中、高温(>800℃)で数時間の炭化および黒鉛化を必要とすることがあり得る。厳しい条件は、ロール・ツー・ロール加工による工業規模製作に対して重大な課題になる。典型的には、従来の方法を使用して調製されたグラファイト粉末は、リチウムイオンバッテリー用の金属表面にコーティングを調製するためにポリマー結合剤と混合される必要がある。しかし、ポリマー結合剤は、膜伝導率を減少し、リチウム輸送用の多孔性経路を遮断することができる。ここで報告された方法は、リチウムイオンバッテリー用の高性能アノードハイブリッド材料の工業規模生成への費用効果が高い経路を提供する。
【0114】
材料は、リチウムイオンバッテリー用のアノードとして試験された。0.8V(対Li/Li)における別個のリチオ化プラトーが実証され、酸化鉄の反応性が良好であったことを指摘した。200mA/gの電流下において、複合体電極は、1回目の放電で1550mA時/gという高い比容量を発揮した。図7に示されているように、この高容量は比較的低いクーロン効率と一緒に、多孔性複合体の高表面積および界面において得られた寄生不可逆反応を指摘した。これらの反応は、固体電解質界面(SEI)形成、およびことによると炭素マトリックスの反応のような腐食を含む。複合体電極の容量は、初期の4~5サイクルのリチオ化/脱リチオ化の後すぐに安定化し、炭素/フェライトベースの電極について報告された容量すべてのうちで最高値の1つである約900mA時/gの比容量を発生した。観察された粒子に巻きつけられた黒鉛炭素層は、酸化鉄の体積変化に適合し、粒子が無定形炭素マトリックスに対して接続されたままでいるのを助けるようにフレキシブルなカゴとして機能する。電流密度が300mA/gおよび400mA/gに増加すると、電極は、600mA時/gおよび450mA時/gの容量を実証した。大規模に生成されることが可能である他の電極材料、例えばグラファイトと比較して、実際の試験において炭素/鉄/酸化鉄複合体の容量は、グラファイトの理論容量(370mA時/g)をはるかに超える。本明細書に記載される方法および材料は、リチウムイオンバッテリーおよび他のバッテリー用の高性能で結合剤不含のアノードの工業規模生成への有効な経路を提供する。
【0115】
(実施例3)
パターン形成されたアノードを有するバッテリーの形成
市販のFeOナノ粒子水分散体(粒径30~100nm、20重量%、Sigma Aldrich社)は、ジメチルホルムアミド(DMF)分散体に交換された第1の溶媒であった。DMFおよび元の分散体は、1:1の体積比で混合された。次いで、混合物は、窒素流下に一晩置かれて、水蒸発を可能にした。交換された分散体は、DMF中おおよそ20重量%のFeOであった。市販の(酸触媒)ノボラックフェノール樹脂およびプルロニック127界面活性剤は、別々にDMFに溶解されて、約100mg/mlの固体濃度に達した。FeO/炭素前駆体インクは、FeO:フェノール樹脂:プルロニック127=5:1:1の重量比で3つの要素を混合するだけで調製された。混合物は、直ちに浴中に浸され、超音波処理され、30分間スターバー混合された。
【0116】
ガラス基材は、脱イオン水で清浄され、窒素流中で乾燥された。酸化鉄、フェノール樹脂、プルロニック127およびフマル酸ジメチル(質量比5:1:1:45)を含む前駆体混合物は、相対湿度4%のグローブボックス中でガラス基材に対してスピンコーティング(800rpm、30秒)された。別の例において、前駆体混合物は、溶媒を含まず、酸化鉄、フェノール樹脂、およびプルロニック127(質量比5:1:1)を含むことが可能である。次いで、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)スタンプで形成された鋳型が、フィルム上に置かれた。鋳型上の標的とされるインプリント寸法は、幅2μm、高さ4μmおよびピッチ10μmの一連のラインパターンであった。ホットプレートで60℃にて短時間加熱した後、PDMSスタンプは、剥ぎ取られ、インプリントは、オーブンに移され、120℃でもう1時間焼かれて、フェノール樹脂の架橋が可能になった。
【0117】
前駆体混合物が、光硬化されることが可能である場合、鋳型は透明であり、光熱加工は、Novacentrix Pulse Forge 1300フォトニック硬化システムで実施される。パルス継続時間は、0.6ミリ秒に固定され、500Vの電圧が加えられ、4800mJ/cmの最適な光エネルギーをもたらした。この方法は、同じ光パルスを1秒の時間間隔で3回反復する工程を含むものであった。
【0118】
(実施例4)
アノードおよびセパレータ二重層の形成
市販のFeOナノ粒子水分散体(粒径30~100nm、20重量%、Sigma Aldrich社)は、ジメチルホルムアミド(DMF)分散体に交換された第1の溶媒であった。これをするために、DMFおよび元の分散体は、1:1の体積比で混合される。次いで、混合物は、窒素流下に一晩置かれて、水蒸発を可能にした。交換された分散体は、DMF中おおよそ20重量%のFeOである。市販の(酸触媒)ノボラックフェノール樹脂およびプルロニック127界面活性剤は、別々にDMFに溶解されて、約100mg/mlの固体濃度に達する。FeO/炭素前駆体インクは、3つの要素を一緒に混合することによって調製された。一実証において、FeO:フェノール樹脂:プルロニック127の重量比は、5:1:1である。混合物は、直ちに浴中超音波処理され、30分間スターバー混合された。
【0119】
あるいは、アルカリ触媒フェノール樹脂(レゾールフェノール樹脂)が使用された場合、すべての要素は、水/エタノールに溶解された。調製は、実施例3に記載されているのと同じ手順に従う。FeO水分散体は、受け取ったままの状態で使用されることが可能である。
【0120】
セパレータ層は、Evonik Corp.社から供給される表面積が175~225m/gの親水性ヒュームドシリカであるAerosil 200を含み、高せん断で水に分散された。インプリンティングに適したチキソトロープレオロジーを有する2~8%の清澄で均一な分散体が得られる。この層は、Pulse Forge 1300の光スペクトルに対してもほとんど透過性である。
【0121】
二重層インプリンティングは、前駆体フィルムをインジウム/酸化スズ(ITO)コーティングガラスにスピンコーティングする工程を含むものであった。流延されたままの前駆体フィルムは、60℃のホットプレート上に5分間置かれる。加熱すると、インクの固体濃度は、溶媒が蒸発するにつれて増加した。これによって、インク粘度の急速な増加が起こった。その後、複合体電解質は、アニーリングされたフィルムに対して流延された。二重層フィルムは、プレート上でもう5分加熱されて、上方層を濃縮する。次いで、フィルムをNanonexインプリンティングシステムに移し込み、高弾性鋳型(h-PDMSまたはPTFE)は、二重層フィルム上に置かれた。インプリンティングは、加圧下に110℃で5分間保持され、次に鋳型からの取り出しが行われた。あるいは、または鋳型を加熱することに加えて、二重層が、光熱加工された。
【0122】
光熱加工は、Novacentrix Pulse Forge 1300フォトニック硬化システムで実施された。光強度は、印加電圧および/またはパルス継続時間を変化することによって調節された。一実証において、パルス継続時間は、0.6ミリ秒に固定され、500Vの電圧が加えられ、4800mJ/cmの最適な光エネルギーをもたらした。この方法は、同じ光パルスを1秒の時間間隔で3回反復する工程を含むものであった。エネルギーが低下すると、生成物中の大量の有機残渣につながり、エネルギーが増加すると、インプリンティングされたパターンを破壊する可能性がある。
【0123】
アノードセパレータ二重層が、バッテリーをアセンブリするのに使用された。バッテリーをアセンブリするために、NMP中で市販のLiCoO、カーボンブラックおよびPVDF結合剤を8:1:1の比で混合し、次に浴中超音波処理を行うことによって、対向電極(カソード)スラリーが調製された。スラリーは、流延され、二重層構造構に平坦化された。これによって、櫛型カソード/アノードアレイが形成された。次いで、アルミニウム集電体が、LiCoOカソードに対してスパッタリングされた。フルセルの定電流充電/放電が、市販のポテンシオスタット(Maccor 4304)によって試験された。エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)混合物溶媒(1/1(体積))中過塩素酸リチウム(LiClO)またはヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)が、液体電解質として使用された。0.1C~10Cにおける容量が測定された。
【0124】
採用されてきた用語および表現は、記載の用語として使用されるのであって、限定の用語として使用されるのではなく、そのような用語および表現の使用において、示され、記載された特色またはその一部のいずれか均等物を排除する意図はなく、様々な改変が本開示の実施形態の範囲内で可能であることが認識されている。したがって、本開示は、具体的な実施形態および任意選択の特色によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示されている概念の改変および変化は、当業者によって行われることが可能であること、そのような改変および変化は、本開示の実施形態の範囲内であると考えられることと理解されたい。
【0125】
追加の実施形態
以下の例示的実施形態が提供され、その番号付けは、重要性のレベルを意味するものと解釈すべきでない。
【0126】
実施形態1は、炭素複合体構造を備える複合体を形成する方法であって、
前駆体組成物を基材に配置する工程であって、前駆体組成物が、
ポロゲン成分、
支持相前駆体成分、
炭素成分、
光吸収性成分、および
触媒成分
の少なくとも1つを備える工程と、
前駆体組成物に照射して、
実質的に細長いプロファイルを有する炭素複合体多層構造、および
無定形炭素マトリックス
の少なくとも1つを形成する工程と
を備える方法を提供する。
【0127】
実施形態2は、基材が、金属およびポリマーの少なくとも1つを備える、実施形態1の方法を提供する。
実施形態3は、金属が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つである、実施形態2の方法を提供する。
【0128】
実施形態4は、基材が、導電性材料を備える、実施形態1乃至3のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態5は、基材が、実質的にロッド形状である、実施形態1乃至4のいずれか1つの方法を提供する。
【0129】
実施形態6は、基材が、金属箔を備える、実施形態1乃至5のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態7は、箔が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つを備える、実施形態1乃至6のいずれか1つの方法を提供する。
【0130】
実施形態8は、基材が、第1のポリマーを備える、実施形態1乃至7のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態9は、第1のポリマー成分が、基材の約50重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態8の方法を提供する。
【0131】
実施形態10は、第1のポリマーが、基材の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態8の方法を提供する。
実施形態11は、ポロゲン成分が、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態1乃至10のいずれか1つの方法を提供する。
【0132】
実施形態12は、ポロゲン成分が、前駆体組成物の約20重量%~約40重量%に及ぶ、実施形態1乃至11のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態13は、ポロゲン成分が、第2のポリマーを備える、実施形態1乃至12のいずれか1つの方法を提供する。
【0133】
実施形態14は、第2のポリマーが、ポロゲン成分の約1重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態13の方法を提供する。
実施形態15は、第2のポリマー成分が、ポロゲン成分の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態13の方法を提供する。
【0134】
実施形態16は、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも1つが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはその混合物である、実施形態13の方法を提供する。
【0135】
実施形態17は、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも1つが、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミド、およびその混合物から選択される、実施形態13の方法を提供する。
【0136】
実施形態18は、第2のポリマーが、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族化合物)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、またはその混合物である、実施形態13の方法を提供する。
【0137】
実施形態19は、第2のポリマーが、2つのブロックを備えるグラフトブロックコポリマーであり、各ブロックが、ポリマー主鎖およびポリマー主鎖に共有結合している異なるグラフトポリマーを有する、実施形態13の方法を提供する。
【0138】
実施形態20は、グラフトブロックコポリマーが、(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))を備える、実施形態19の方法を提供する。
【0139】
実施形態21は、炭素成分が、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態1乃至20のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態22は、炭素成分が、前駆体組成物の約20重量%~約40重量%に及ぶ、実施形態1乃至21のいずれか1つの方法を提供する。
【0140】
実施形態23は、炭素成分が、置換または非置換(C~C40)アルキル、(C~C40)アルケニル、(C~C40)アルキニル、(C~C40)アリールおよびその混合物の少なくとも1つを備える、実施形態22の方法を提供する。
【0141】
実施形態24は、炭素成分が、気相、固相、または液相である、実施形態22の方法を提供する。
実施形態25は、炭素成分が、約40重量%の炭素~約90重量%の炭素を備える、実施形態22の方法を提供する。
【0142】
実施形態26は、触媒成分が、前駆体組成物の約0.01重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態1乃至25のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態27は、触媒成分が、前駆体組成物の約1重量%~約15重量%に及ぶ、実施形態1乃至26のいずれか1つの方法を提供する。
【0143】
実施形態28は、触媒成分および光吸収成分の少なくとも1つが、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子を備える、実施形態1乃至27のいずれか1つの方法を提供する。
【0144】
実施形態29は、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子が、触媒成分および光吸収成分の約50重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態28の方法を提供する。
実施形態30は、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子が、触媒成分および光吸収成分の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態28の方法を提供する。
【0145】
実施形態31は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、約1~約100ナノメートルに及ぶサイズを有する、実施形態28の方法を提供する。
実施形態32は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、約1~約50ナノメートルに及ぶサイズを有する、実施形態28の方法を提供する。
【0146】
実施形態33は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、ケイ素、炭化ケイ素、鉄、酸化鉄、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、その合金、またはその混合物を備える、実施形態28の方法を提供する。
【0147】
実施形態34は、酸化鉄が、FeO、Fe、Fe、Fe、Fe、Fe2532、Fe1319、Fe、(Fe(OH))、および(Fe(OH))の少なくとも1つである、実施形態33の方法を提供する。
【0148】
実施形態35は、前駆体組成物が、電磁放射線で照射される、実施形態1乃至34のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態36は、電磁放射線が、キセノンフラッシュランプから供給される、実施形態1乃至35のいずれか1つの方法を提供する。
【0149】
実施形態37は、炭素複合体多層構造の個別層が、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノリボン、無定形炭素マトリックス、および金属または金属酸化物ナノ粒子の少なくとも1つを備える、実施形態1乃至36のいずれか1つの方法を提供する。
【0150】
実施形態38は、少なくとも1つのナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンが、約5ナノメートル~約500ナノメートルに及ぶ幅を有する、実施形態37の方法を提供する。
【0151】
実施形態39は、少なくとも1つのナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンが、約20ナノメートル~約50ナノメートルに及ぶ幅を有する、実施形態37の方法を提供する。
【0152】
実施形態40は、炭素複合体多層構造の個別層が、触媒成分および光吸収成分の少なくとも1つに外接する、実施形態1乃至39のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態41は、炭素複合体多層構造および無定形炭素マトリックスの少なくとも1つが、アノードの一部分である、実施形態1乃至40のいずれか1つの方法を提供する。
【0153】
実施形態42は、基材が、前駆体組成物の照射時において分解を実質的に免れている、実施形態1乃至41のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態43は、炭素複合体構造が、複合体の約0.01重量%~複合体の約50重量%に及ぶ、実施形態1乃至42のいずれか1つの方法を提供する。
【0154】
実施形態44は、支持相前駆体が、金属アルコキシド、金属酸化物、多八面体のシルセスキオキサン、またはその組合せを備える、実施形態1乃至43のいずれか1つの方法を提供する。
【0155】
実施形態45は、前駆体組成物が、
支持相前駆体、
光吸収性成分、および
炭素成分
を備え、炭素成分がフェノールーホルムアルデヒド樹脂である、実施形態1乃至44のいずれか1つの方法を提供する。
【0156】
実施形態46は、
基材、および
電極を形成するために基材に配置されている炭素複合体構造を備えるアノード層
を備えるバッテリーであって、炭素複合体構造が、ナノワイヤ、ナノチューブ、ナノリボン、無定形炭素マトリックス、および金属または金属酸化物ナノ粒子の少なくとも1つを備えるバッテリーを提供する。
【0157】
実施形態47は、バッテリーが、リチウムイオンバッテリーである、実施形態46のバッテリーを提供する。
実施形態48は、基材が、金属およびポリマーの少なくとも1つを備える、実施形態1乃至47のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0158】
実施形態49は、金属が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つである、実施形態48のバッテリーを提供する。
実施形態50は、基材が、導電性材料を備える、実施形態46乃至49のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0159】
実施形態51は、基材が、実質的にロッド形状である、実施形態46乃至50のいずれか1つのバッテリーを提供する。
実施形態52は、基材が、金属箔を備える、実施形態46乃至51のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0160】
実施形態53は、箔が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つを備える、実施形態46乃至52のいずれか1つのバッテリーを提供する。
実施形態54は、基材が、第1のポリマーを備える、実施形態46乃至53のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0161】
実施形態55は、第1のポリマー成分が、基材の約50重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態54のバッテリーを提供する。
実施形態56は、第1のポリマーが、基材の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態54のバッテリーを提供する。
【0162】
実施形態57は、第1のポリマーが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはその混合物である、実施形態56のバッテリーを提供する。
実施形態58は、第1のポリマーが、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミド、およびその混合物から選択される、実施形態56のバッテリーを提供する。
【0163】
実施形態59は、炭素複合体構造が、約5ナノメートル~約500ナノメートルに及ぶ幅を有するナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンの少なくとも1つを備える、実施形態46乃至58のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0164】
実施形態60は、少なくとも1つのナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンが、約20ナノメートル~約50ナノメートルに及ぶ幅を有する、実施形態59のバッテリーを提供する。
【0165】
実施形態61は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、ケイ素、炭化ケイ素、鉄、酸化鉄、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、その合金、またはその混合物を備える、実施形態46乃至60のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0166】
実施形態62は、バッテリーが、複数のチャンバを備える、実施形態46乃至61のいずれか1つのバッテリーを提供する。
実施形態63は、炭素複合体構造が、基材から伸びる複数の突起から形成されたパターンを備える、実施形態46乃至62のいずれか1つのバッテリーを提供する。
【0167】
実施形態64は、第1の個別の突起のx方向における第1の幅が、第2の個別の突起のx方向における第2の幅と異なる、実施形態63のバッテリーを提供する。
実施形態65は、個別の突起のx方向における幅が、約900nm~約900μm.の範囲である、実施形態63のバッテリーを提供する。
【0168】
実施形態66は、個別の突起のx方向における幅が、約800nm~約10μmの範囲である、実施形態63のバッテリーを提供する。
実施形態67は、第1の個別の突起および第2の個別の突起の少なくとも1つのy方向における長さが、幅の約1.5倍~約20倍大きい範囲である、実施形態63のバッテリーを提供する。
【0169】
実施形態67は、隣接している個別の突起間の距離が、約2000nm~約500μmの範囲である、実施形態63のバッテリーを提供する。
実施形態68は、隣接している個別の突起間の距離が、約1600nm~約10μmの範囲である、実施形態63のバッテリーを提供する。
【0170】
実施形態69は、個別の突起のプロファイルが、円、楕円、または多角形の形状から選択される、実施形態63のバッテリーを提供する。
実施形態70は、多角形の形状が、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、および八角形から選択される、実施形態69のバッテリーを提供する。
【0171】
実施形態71は、アノード層上に配置されたセパレータ層をさらに備える、実施形態46乃至70のいずれか1つのバッテリーを提供する。
実施形態72は、セパレータ層が、マイクロ粒子、ナノ粒子、および結合剤の少なくとも1つを備える、実施形態71のバッテリーを提供する。
【0172】
実施形態73は、マイクロ粒子が、セパレータ層の約30重量%~約100重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
実施形態74は、マイクロ粒子が、セパレータ層の約90重量%~約100重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0173】
実施形態75は、マイクロ粒子が、ポリメチル尿素、メラミンホルムアルデヒド樹脂、リチウムポリアクリレート、ポリアミド、ポリ(リチウム2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、擬ベーム石(AlO(OH))、二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ化カリウム(KF)、フッ化リチウム(LiF)、ゼオライトおよび炭酸カルシウム(CaCO)から選択される粒子を備える、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0174】
実施形態76は、ナノ粒子が、セパレータ層の約30重量%~約100重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
実施形態77は、ナノ粒子が、セパレータ層の約90重量%~約100重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0175】
実施形態78は、ナノ粒子が、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、擬ベーム石(AlO(OH))、酸化ニオブ(Nb)、酸化タンタル(Ta)、二酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ化カリウム(KF)、フッ化リチウム(LiF)、メソ多孔性アルミノシリケート(AlSiO)、メソ多孔性ニオブ-タンタル複合体酸化物およびメソ多孔性マグネシウム-タンタル複合体酸化物から選択される粒子を備える、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0176】
実施形態79は、結合剤が、セパレータ層の約10重量%~約90重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
実施形態80は、結合剤が、セパレータ層の約30重量%~約50重量%の範囲である、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0177】
実施形態81は、結合剤が、ポリビニルアルコール、カルボキシル基改変ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリアクリル酸、リチウムポリアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、エチルヒドロキシエチルセルロース、スチレン-ブタジエン樹脂、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、エチル-ビニルアセテートコポリマーおよびポリエステルから選択される、実施形態72のバッテリーを提供する。
【0178】
実施形態75は、セパレータ層上に配置されたカソード層をさらに備える、実施形態46乃至74のいずれか1つのバッテリーを提供する。
実施形態76は、カソード層が、酸化リチウムを備える、実施形態75のバッテリーを提供する。
【0179】
実施形態77は、酸化リチウムが、カソード層の約50重量%~約100重量%の範囲である、実施形態76のバッテリーを提供する。
実施形態78は、酸化リチウムが、カソード層の約90重量%~約100重量%の範囲である、実施形態76のバッテリーを提供する。
【0180】
実施形態79は、酸化リチウムが、酸化金属リチウム(LiCoO)、酸化ニッケルリチウム(LiNiO)、酸化マンガンリチウム(LiMn)、オリビン型リン酸リチウム鉄(LiFePO)から選択される材料を備える、実施形態76のバッテリーを提供する。
【0181】
実施形態80は、バッテリーを形成する方法であって、
前駆体組成物を基材に配置する工程であって、前駆体組成物が、
ポロゲン成分、
支持相前駆体成分、
炭素成分、
光吸収性成分、および
触媒成分
を備える工程と、
前駆体組成物を鋳型と接触させる工程であって、鋳型が、
前駆体組成物と接触している複数の突起
を備える工程と、
前駆体組成物の温度を上げて、アノード層を形成する工程および前駆体組成物に照射して、アノード層を形成する工程の少なくとも1つと、
セパレータ層を前記アノード層に配置する工程と、
導体層を前記アノード層に配置して、バッテリーを形成する工程と
を備える方法を提供する。
【0182】
実施形態81は、前駆体層が鋳型と接触される前に、セパレータ層が前駆体層に配置され、鋳型がセパレータ層および前駆体組成物と接触される、実施形態80の方法を提供する。
【0183】
実施形態82は、基材が、金属およびポリマーの少なくとも1つを備える、実施形態80または81の方法を提供する。
実施形態83は、金属が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つである、実施形態82の方法を提供する。
【0184】
実施形態84は、基材が、導電性材料を備える、実施形態80乃至83のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態85は、基材が、実質的にロッド形状である、実施形態80乃至84のいずれか1つの方法を提供する。
【0185】
実施形態86は、基材が、金属箔を備える、実施形態80乃至85のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態87は、箔が、アルミニウム、ニッケル、および銅の少なくとも1つを備える、実施形態80乃至86のいずれか1つの方法を提供する。
【0186】
実施形態88は、基材が、第1のポリマーを備える、実施形態80乃至87のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態89は、第1のポリマー成分が、基材の約50重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態88の方法を提供する。
【0187】
実施形態90は、第1のポリマーが、基材の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態88の方法を提供する。
実施形態91は、ポロゲン成分が、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態80乃至90のいずれか1つの方法を提供する。
【0188】
実施形態92は、ポロゲン成分が、前駆体組成物の約20重量%~約40重量%に及ぶ、実施形態80乃至91のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態93は、ポロゲン成分が、第2のポリマーを備える、実施形態80乃至92のいずれか1つの方法を提供する。
【0189】
実施形態94は、第2のポリマーが、ポロゲン成分の約1重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態93の方法を提供する。
実施形態95は、第2のポリマー成分が、ポロゲン成分の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態93の方法を提供する。
【0190】
実施形態96は、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも1つが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、またはその混合物である、実施形態93の方法を提供する。
【0191】
実施形態97は、第1のポリマーおよび第2のポリマーの少なくとも1つが、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミド、およびその混合物から選択される、実施形態93の方法を提供する。
【0192】
実施形態98は、第2のポリマーが、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族化合物)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、またはその混合物である、実施形態93の方法を提供する。
【0193】
実施形態99は、第2のポリマーが、2つのブロックを備えるグラフトブロックコポリマーであり、各ブロックが、ポリマー主鎖およびポリマー主鎖に共有結合している異なるグラフトポリマーを有する、実施形態93の方法を提供する。
【0194】
実施形態100は、グラフトブロックコポリマーが、(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))を備える、実施形態99の方法を提供する。
【0195】
実施形態101は、炭素成分が、前駆体組成物の約5重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態80乃至100のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態102は、炭素成分が、前駆体組成物の約20重量%~約40重量%に及ぶ、実施形態80乃至100のいずれか1つの方法を提供する。
【0196】
実施形態103は、炭素成分が、置換または非置換C~C40アルキル、C~C40アルケニル、C~C40アルキニル、およびその混合物の少なくとも1つを備える、実施形態102の方法を提供する。
【0197】
実施形態104は、炭素成分が、気相、固相、または液相である、実施形態102の方法を提供する。
実施形態105は、炭素成分が、約40重量%の炭素~約90重量%の炭素を備える、実施形態102の方法を提供する。
【0198】
実施形態106は、触媒成分が、前駆体組成物の約0.01重量%~約50重量%に及ぶ、実施形態80乃至105のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態107は、触媒成分が、前駆体組成物の約1重量%~約15重量%に及ぶ、実施形態80乃至106のいずれか1つの方法を提供する。
【0199】
実施形態108は、触媒成分が、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子を備える、実施形態80乃至107のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態109は、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子が、触媒成分の約50重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態108の方法を提供する。
【0200】
実施形態110は、少なくとも1つの金属または金属酸化物ナノ粒子が、触媒成分の約90重量%~約100重量%に及ぶ、実施形態108の方法を提供する。
実施形態111は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、約1~約100ナノメートルに及ぶサイズを有する、実施形態108の方法を提供する。
【0201】
実施形態112は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、約1~約50ナノメートルに及ぶサイズを有する、実施形態108の方法を提供する。
実施形態113は、金属または金属酸化物ナノ粒子が、ケイ素、炭化ケイ素、鉄、酸化鉄、銅、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、その合金、またはその混合物を備える、実施形態108の方法を提供する。
【0202】
実施形態114は、酸化鉄が、FeO、Fe、Fe、Fe、Fe、Fe2532、Fe1319、Fe、(Fe(OH))、および(Fe(OH))の少なくとも1つである、実施形態113の方法を提供する。
【0203】
実施形態115は、前駆体組成物が、電磁放射線で照射される、実施形態80乃至114のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態116は、電磁放射線が、キセノンフラッシュランプから供給される、実施形態80乃至115のいずれか1つの方法を提供する。
【0204】
実施形態117は、炭素複合体構造が、ナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンの少なくとも1つを備える少なくとも1層を備える、実施形態80乃至116のいずれか1つの方法を提供する。
【0205】
実施形態118は、少なくとも1つのナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンが、約5ナノメートル~約500ナノメートルに及ぶ幅を有する、実施形態117の方法を提供する。
【0206】
実施形態119は、少なくとも1つのナノワイヤ、ナノチューブ、およびナノリボンが、約20ナノメートル~約50ナノメートルに及ぶ幅を有する、実施形態117の方法を提供する。
【0207】
実施形態120は、炭素複合体構造が、触媒成分に外接する、実施形態80乃至119のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態121は、炭素複合体構造が、アノードの一部分である、実施形態80乃至120のいずれか1つの方法を提供する。
【0208】
実施形態122は、基材が、前駆体組成物の照射時において分解を実質的に免れている、実施形態80乃至121のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態123は、炭素複合体構造が、複合体の約0.01重量%~複合体の約50重量%に及ぶ、実施形態80乃至122のいずれか1つの方法を提供する。
【0209】
実施形態124は、鋳型が、実質的に透明である、実施形態80乃至123のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態125は、
基材に、前駆体組成物を配置する工程であって、前駆体組成物が
ポロゲンを形成するよう働くポリマー、光吸収性成分、支持相前駆体、および溶媒
を備える工程と、
ポリマーを分解し、支持相前駆体を活性化するのに有効な波長および強度の電磁放射線を、前駆体組成物に照射する工程と、
階層構造を基材に形成する工程と
を備える方法を提供する。
【0210】
実施形態126は、基材が、電磁放射線に対して透過性であり、電磁放射線が、主に光吸収性成分によって吸収される、実施形態125の方法を提供する。
実施形態127は、基材が、前駆体組成物において使用されるポリマーとは化学的に異なる第1のポリマーを備え、第1のポリマーが、前駆体組成物において使用されるポリマーのガラス転移温度、溶融温度および分解温度の少なくとも1つより高いガラス転移温度、高い溶融温度および高い分解温度を有する、実施形態125または126の方法を提供する。
【0211】
実施形態128は、基材が、10GPa未満の弾性率を有するフレキシブル基材である、実施形態125乃至127のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態129は、基材が、階層構造の形成後に巻取可能であり、ロール・ツー・ロール加工において使用される、実施形態125乃至128のいずれか1つの方法を提供する。
【0212】
実施形態130は、第1のポリマーおよび前駆体組成物において使用されるポリマーが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマーのブレンド、熱硬化性ポリマーのブレンド、および熱可塑性ポリマーと熱硬化性ポリマーのブレンドであり、ポリアセタール、ポリアクリリック、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルクロリド、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジノフェノチアジン、ポリベンゾチアゾール、ポリピラジノキノキサリン、ポリピロメリトイミド、ポリキノキサリン、ポリベンゾイミダゾール、ポリオキシインドール、ポリオキソイソインドリン、ポリジオキソイソインドリン、ポリトリアジン、ポリピリダジン、ポリピペラジン、ポリピリジン、ポリピペリジン、ポリトリアゾール、ポリピラゾール、ポリピロリジン、ポリカルボラン、ポリオキサビシクロノナン、ポリジベンゾフラン、ポリフタリド、ポリアセタール、ポリアンヒドリド、ポリビニルエーテル、ポリビニルチオエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルケトン、ポリビニルハリド、ポリビニルニトリル、ポリビニルエステル、ポリスルホネート、ポリスルフィド、ポリチオエステル、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、ポリ尿素、ポリホスファゼン、ポリシラザン、ポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリアクリルアミド、エポキシポリマー、不飽和ポリエステルポリマー、ポリイミドポリマー、ビスマレイミドポリマー、ビスマレイミドトリアジンポリマー、シアネートエステルポリマー、ビニルポリマー、ベンゾオキサジンポリマー、ベンゾシクロブテンポリマー、アクリリック、アルキド、フェノール-ホルムアルデヒドポリマー、ノボラック、レゾール、メラミン-ホルムアルデヒドポリマー、尿素-ホルムアルデヒドポリマー、ヒドロキシメチルフラン、イソシアネート、不飽和ポリエステルイミド、またはその組合せの群から選択される、実施形態127の方法を提供する。
【0213】
実施形態131は、前駆体組成物において使用されるポリマーが、ブロックコポリマーであり、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族化合物)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(スチレン-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-トリメチルシリルメチルメタクリレート)、またはその組合せからなる群から選択される、実施形態125乃至130のいずれか1つの方法を提供する。
【0214】
実施形態132は、前駆体組成物において使用されるポリマーが、2つのブロックを備えるグラフトブロックコポリマーであり、各ブロックが、ポリマー主鎖およびポリマー主鎖に共有結合している異なるグラフトポリマーを有する、実施形態125乃至131のいずれか1つの方法を提供する。
【0215】
実施形態133は、グラフトブロックコポリマーが、(ポリノルボルネン-graft-ポリ(スチレン))-block-(ポリノルボルネン-graft-ポリ(エチレンオキシド))を備える、実施形態132の方法を提供する。
【0216】
実施形態134は、光吸収性成分が、光を吸収し、温まるナノ粒子を備え、ナノ粒子が、金属ナノ粒子、炭素質ナノ粒子、電気伝導性金属酸化物ナノ粒子、またはその組合せである、実施形態125乃至133のいずれか1つの方法を提供する。
【0217】
実施形態135は、金属ナノ粒子が、1~100ナノメートルのサイズを有し、アルミニウム、銅、マグネシウム、クロム、スズ、ニッケル、銀、鉄、チタン、金、白金、パラジウム、またはその混合物からなる群から選択され、炭素質ナノ粒子が、カーボンナノチューブ、グラフェンナノ粒子、カーボンブラック、フラーレン、バッキーボールなど、またはその組合せからなる群から選択される、実施形態134の方法を提供する。
【0218】
実施形態136は、前駆体組成物を、50~200℃の温度に加熱することによって乾燥する工程をさらに備える、実施形態125乃至135のいずれか1つの方法を提供する。
【0219】
実施形態137は、照射により、光吸収性成分の温度を300℃を超える温度に上げる、実施形態125乃至136のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態138は、支持相前駆体が、金属アルコキシド、金属酸化物、多八面体のシルセスキオキサン、またはその組合せを備える、実施形態125乃至137のいずれか1つの方法を提供する。
【0220】
実施形態139は、支持相前駆体が、熱によって活性化され、反応して、多孔性の支持相を形成する、実施形態138の方法を提供する。
実施形態140は、支持相前駆体がポリマーでない、実施形態138の方法を提供する。
【0221】
実施形態141は、
基材、および
そこに配置されている多孔性構造
を備える物品であって、基材の1平方メートルを超える面積の全体に、多孔性構造が配置されている物品を提供する。
【0222】
実施形態142は、多孔性構造が配置されている基材が、5平方メートルを超える面積を有する、実施形態141の物品を提供する。
実施形態143は、多孔性構造が配置されている基材が、10平方メートルを超える面積を有する、実施形態141または142の物品を提供する。
【0223】
実施形態144は、多孔性構造が、階層構造を有する、実施形態141乃至143のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態145は、多孔性構造が、金属酸化物および/または多八面体のシルセスキオキサンを備える、実施形態141乃至144のいずれか1つの物品を提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7