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特開2023-123469B型肝炎ウイルス感染のためのRNAi薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123469
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルス感染のためのRNAi薬
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7105 20060101AFI20230829BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 38/21 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230829BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230829BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230829BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20230829BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230829BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20230829BHJP
   C07D 411/04 20060101ALN20230829BHJP
   C07D 473/18 20060101ALN20230829BHJP
   C12N 7/00 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
A61K31/7105 ZNA
A61K31/513
A61K31/522
A61K31/675
A61K38/21
A61K45/00
A61K47/54
A61K48/00
A61P1/16
A61P31/20
A61P43/00 121
C12N15/113 100Z
C07D411/04
C07D473/18
C12N7/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023090659
(22)【出願日】2023-06-01
(62)【分割の表示】P 2022015856の分割
【原出願日】2017-08-04
(31)【優先権主張番号】62/370,754
(32)【優先日】2016-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/534,733
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/540,639
(32)【優先日】2017-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512219840
【氏名又は名称】アローヘッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ヂュー,ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ウッドデル,クリスティーン アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ギヴン,ブルース ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ペイ,タオ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス,デイヴィッド エル.
(72)【発明者】
【氏名】アルメイダ,ローレン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロゼマ,デイヴィッド ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェイクフィールド,ダレン エイチ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】B型肝炎ウイルスの遺伝子発現を阻害するための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのRNA干渉(RNAi)薬が記述される。本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、例えば、コンジュゲートされた標的化リガンドを使用することによって、肝細胞などの細胞に対して標的化され得る。所望により1つ又は複数の追加の治療薬を備えた、1つ又は複数のHBV RNAi薬を含む医薬組成物が、更に記述される。記載されているHBV RNAi薬を、感染した肝臓にインビボで送達することにより、HBV遺伝子発現の阻害と、HBV感染に関係する疾患及び状態の治療とが提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンチセンス鎖及びセンス鎖を含むB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのR
NAi薬であって、前記アンチセンス鎖は、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチ
センス鎖配列に対して少なくとも約85%の同一性を有する配列を含む、RNAi薬。
【請求項2】
前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス配列の少な
くとも16個の連続ヌクレオチドを含む、請求項1に記載のRNAi薬。
【請求項3】
前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列の位
置2~18(5’→3’)のヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記RNAi薬の前記センス鎖の少なくとも1つのヌクレオチド、及び/又は、前記ア
ンチセンス鎖の少なくとも1つのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、及び/又は
修飾ヌクレオシド間連結を有する、請求項1又は2に記載のRNAi薬。
【請求項5】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、それぞれ17~30ヌクレオチド長である、
請求項1~4のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項6】
前記センス鎖が、表2又は表4に提供されるいずれかのセンス鎖配列の少なくとも16
個の連続ヌクレオチドを含み、かつ前記センス鎖が、前記アンチセンス鎖に対して前記1
6個の連続ヌクレオチドにわたって少なくとも約85%の相補性の領域を有する、請求項
1~5のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項7】
前記RNAi薬の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方における全て又は実質的
に全てのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、請求項1~6のいずれかに記載のR
NAi薬。
【請求項8】
前記アンチセンス鎖が、表3に提供されるいずれかの修飾配列のヌクレオチド配列を含
む、請求項1に記載のRNAi薬。
【請求項9】
前記センス鎖が、表4に提供されるいずれかの修飾センス配列のヌクレオチド配列を含
む、請求項1又は8に記載のRNAi薬。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のRNAi薬を含む、HBV遺伝子の発現を阻害するた
めの組成物であって、前記RNAi薬が標的化リガンドにコンジュゲートされている、組
成物。
【請求項11】
前記標的化リガンドがN-アセチル-ガラクトサミンを含む、請求項10に記載の組成
物。
【請求項12】
前記標的化リガンドが(NAG13)、(NAG13)s、(NAG18)、(NAG
18)s、(NAG24)、(NAG24)s、(NAG25)、(NAG25)s、(
NAG26)、(NAG26)s、(NAG27)、(NAG27)s、(NAG28)
、(NAG28)s、(NAG29)、(NAG29)s、(NAG30)、(NAG3
0)s、(NAG31)、(NAG31)s、(NAG32)、(NAG32)s、(N
AG33)、(NAG33)s、(NAG34)、(NAG34)s、(NAG35)、
(NAG35)s、(NAG36)、(NAG36)s、(NAG37)、(NAG37
)s、(NAG38)、(NAG38)s、(NAG39)、又は(NAG39)sであ
る、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記標的化リガンドが、前記RNAi薬の前記センス鎖にコンジュゲートされている、
請求項10~12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、製薬的に許容される賦形剤を更に含む、請求項10~13のいずれかに
記載の組成物。
【請求項15】
前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD0350
1;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD0396
9;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD0397
4;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD0400
1;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD0400
6;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD0417
6;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD0441
4;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD0441
9;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD0442
5;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD0443
0;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD0443
5;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD0444
0;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD0457
1;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD0457
6;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD0458
1;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD0458
7;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD0459
3;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD0459
8;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD0477
3;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD0477
8;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD0487
3;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD0488
2;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD0496
3;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD0507
0;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD0507
5;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD0514
8;AD05149;AD05164;又はAD05165のデュプレックス構造を有す
る、請求項10~14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
前記RNAi薬が、AD04580;AD04585;AD04776;AD0487
2;AD04962;AD04963;AD04982;又はAD05070のデュプレ
ックス構造を有する、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのセンス鎖及びアンチセ
ンス鎖を含む第2のRNAi薬を更に含む、請求項10~16のいずれかに記載の組成物
【請求項18】
前記第2のRNAi薬が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列に
対して少なくとも約85%の同一性を有するアンチセンス配列を含む、請求項17に記載
の組成物。
【請求項19】
前記第2のRNAi薬の前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかの
アンチセンス配列の少なくとも16個の連続ヌクレオチドを含む、請求項18に記載の組
成物。
【請求項20】
前記第2のRNAi薬の前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかの
アンチセンス鎖配列の位置2~18(5’→3’)のヌクレオチドを含む、請求項19に
記載の組成物。
【請求項21】
前記第1のRNAi薬が、HBV遺伝子のSオープンリーディングフレーム(ORF)
を標的とし、かつ、前記第2のRNAi薬が、HBV遺伝子のXオープンリーディングフ
レーム(ORF)を標的とする、請求項17~20のいずれかに記載の組成物。
【請求項22】
前記第1のRNAi薬がHBV遺伝子のX ORFを標的とし、かつ、前記第2のRN
Ai薬が、HBV遺伝子のS ORFを標的とする、請求項17~20のいずれかに記載
の組成物。
【請求項23】
前記第1のRNAi薬が、AD04001;AD04002;AD04003;AD0
4004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD0
4009;AD04010;AD04422;AD04423;AD04425;AD0
4426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD0
4431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD0
4436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD0
4441;AD04442;AD04511;AD04581;AD04583;AD0
4584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD0
4590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD0
4595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD0
4734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD0
4775;AD04822;AD04871;AD04872;AD04873;AD0
4874;AD04875;AD04876;AD04962;及びAD05164から
なる群から選択され、かつ前記第2のRNAi薬が、AD03498;AD03499;
AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;
AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;
AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;
AD03978;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;
AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;
AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04570;
AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;
AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;
AD04776;AD04777;AD04778;AD04823;AD04881;
AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04963;
AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;
AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;
AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;
AD05149;及びAD05165からなる群から選択される、請求項17~21のい
ずれかに記載の組成物。
【請求項24】
前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD05
070である、請求項17~21又は23のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04
982である、請求項17~21又は23のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04
776である、請求項17~21又は23のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
前記第1のRNAi薬がAD04585であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04
580である、請求項17~21のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
1つ又は複数の追加の治療を更に含む、請求項10~27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
前記追加の治療が、ラミブジン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビル
ジソプロキシル、又はエンテカビルである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記追加の治療がインターフェロンである、請求項28に記載の組成物。
【請求項31】
対象におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための方法であって、請求項1
~9のいずれかに記載のRNAi薬を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項32】
対象におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための方法であって、請求項1
0~30のいずれかに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項33】
前記対象が、HBV感染を有するか又は有するリスクがある、請求項31又は32に記
載の方法。
【請求項34】
対象におけるHBV感染及び/又はHBV感染に関連する疾患、障害、又は状態を治療
するための方法であって、請求項1~9のいずれかに記載のRNAi薬の有効量を対象に
投与することを含む、方法。
【請求項35】
対象におけるHBV感染及び/又はHBV感染に関連する疾患、障害、又は状態を治療
するための方法であって、請求項10~30のいずれかに記載の組成物の有効量を対象に
投与することを含む、方法。
【請求項36】
前記組成物が、B型肝炎ウイルス遺伝子の前記発現を阻害するための2つのRNAi薬
の有効量を含む、請求項32、33、又は35に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物の前記有効量が、対象におけるHBsAgのレベルを、前記組成物の投与前
の前記対象のHBsAg発現レベルに比べて、少なくとも約40%低下させるのに十分で
ある、請求項32、33、35、又は36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記組成物の前記有効量が、対象におけるHBeAgのレベルを、前記組成物の投与前
の前記対象のHBeAg発現レベルに比べて、少なくとも約40%低下させるのに十分で
ある、請求項32、33、35、又は36のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記組成物の前記有効量が、対象における血清HBV DNAレベルを、前記組成物の
投与前の前記対象の血清HBV DNAレベルに比べて、少なくとも約40%低下させる
のに十分である、請求項32、33、35、又は36のいずれかに記載の方法。
【請求項40】
HBV感染に関連する前記疾患、障害、又は状態が、慢性肝疾患若しくは障害、肝臓炎
症、線維化状態、増殖性疾患、肝細胞癌、D型肝炎ウイルス感染、又は急性HBV感染で
ある、請求項34又は35に記載の方法。
【請求項41】
前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約1:1の比で投与される、請求項
32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約2:1の比で投与される、請求項
32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約3:1の比で投与される、請求項
32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約4:1の比で投与される、請求項
32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の方法。
【請求項45】
前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約5:1の比で投与される、請求項
32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
前記第1のRNAi薬の前記有効量が約0.5mg/kg~約5mg/kgの間であり
、かつ前記第2のRNAi薬の前記有効量が約0.5mg/kg~約5mg/kgの間で
ある、請求項32、33、35、36、37、38、39、又は40のいずれかに記載の
方法。
【請求項47】
前記RNAi薬の前記有効量が、約0.5mg/kg~約5mg/kgの間である、請
求項31に記載の方法。
【請求項48】
HBV感染の治療のための、請求項1~9のいずれかに記載のRNAi薬の使用。
【請求項49】
HBV感染の治療のための、請求項10~30のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項50】
HBV感染の治療のために医薬品を製造するための、請求項10~30のいずれかに記
載の組成物の使用。
【請求項51】
アンチセンス鎖及びセンス鎖を含むB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのR
NAi薬であって、前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD0350
0;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD0396
8;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD0397
3;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD0397
8;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD0400
5;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD0401
0;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD0441
3;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD0441
8;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD0442
3;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD0442
9;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD0443
4;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD0443
9;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD0457
0;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD0457
5;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD0458
0;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD0458
6;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD0459
2;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD0459
7;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD0477
2;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD0477
7;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD0487
2;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD0488
1;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD0496
2;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD0506
9;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD0507
4;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD0514
7;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群
からのデュプレックス構造におけるそれぞれのセンス鎖又はアンチセンス鎖に同一又は実
質的に同一なセンス鎖又はアンチセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、RNAi
薬。
【請求項52】
前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD0350
1;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD0396
9;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD0397
4;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD0400
1;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD0400
6;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD0417
6;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD0441
4;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD0441
9;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD0442
5;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD0443
0;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD0443
5;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD0444
0;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD0457
1;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD0457
6;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD0458
1;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD0458
7;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD0459
3;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD0459
8;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD0477
3;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD0477
8;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD0487
3;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD0488
2;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD0496
3;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD0507
0;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD0507
5;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD0514
8;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレッ
クス構造におけるそれぞれのセンスに同一又は実質的に同一なセンス鎖を含むデュプレッ
クス構造を有する、請求項51に記載のRNAi薬。
【請求項53】
前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD0350
1;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD0396
9;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD0397
4;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD0400
1;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD0400
6;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD0417
6;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD0441
4;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD0441
9;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD0442
5;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD0443
0;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD0443
5;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD0444
0;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD0457
1;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD0457
6;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD0458
1;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD0458
7;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD0459
3;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD0459
8;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD0477
3;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD0477
8;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD0487
3;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD0488
2;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD0496
3;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD0507
0;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD0507
5;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD0514
8;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレッ
クス構造におけるそれぞれのアンチセンス鎖に同一又は実質的に同一なアンチセンス鎖を
含むデュプレックス構造を有する、請求項52に記載のRNAi薬。
【請求項54】
前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD0350
1;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD0396
9;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD0397
4;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD0400
1;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD0400
6;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD0417
6;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD0441
4;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD0441
9;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD0442
5;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD0443
0;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD0443
5;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD0444
0;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD0457
1;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD0457
6;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD0458
1;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD0458
7;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD0459
3;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD0459
8;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD0477
3;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD0477
8;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD0487
3;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD0488
2;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD0496
3;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD0507
0;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD0507
5;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD0514
8;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレッ
クス構造におけるそれぞれのセンス鎖及びアンチセンス鎖に両方とも同一又は実質的に同
一なセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、請求項53に記載
のRNAi薬。
【請求項55】
前記実質的に同一であることが、正確に同一であるか、少なくとも、又は約85%、8
6%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、9
6%、97%、98%、又は99%である、請求項51~54に記載のRNAi薬。
【請求項56】
前記実質的に同一であることが、少なくとも、又は約85%、86%、87%、88%
、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%
、又は99%である、請求項51~54のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項57】
前記実質的に同一であることが、約85%、86%、87%、88%、89%、90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%であ
る、請求項51~54のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項58】
前記実質的に同一であることが、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89
%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は
99%である、請求項51~54のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項59】
請求項51~58のいずれかに記載のRNAi薬を含む組成物。
【請求項60】
請求項51~58のいずれかに記載の、少なくとも2つのRNAi薬を含む組成物。
【請求項61】
前記RNAi薬が少なくとも1つのオーバーハングを含む、請求項1~9又は51~5
8のいずれかに記載のRNAi薬。
【請求項62】
前記RNAi薬が前記アンチセンス鎖の3’末端にオーバーハングを含む、請求項61
に記載のRNAi薬。
【請求項63】
前記RNAi薬が、前記アンチセンス鎖の3’末端及び前記センス鎖の3’末端にオー
バーハングを含む、請求項62に記載のRNAi薬。
【請求項64】
前記RNAi薬が1つ又は2つの平滑末端を含む、請求項1~9又は51~58のいず
れかに記載のRNAi薬。
【請求項65】
前記RNAi薬が1つ又は2つのフレイド末端を含む、請求項1~9又は51~58の
いずれかに記載のRNAi薬。
【請求項66】
前記センス鎖が少なくとも1つの逆向き塩基脱落ヌクレオシドを含む、請求項1~9、
51~58、又は61~65のいずれかに記載のRNAi薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国仮特許出願第62/540,639号(2017年8月3日)、同第6
2/534,733号(2017年7月20日)、及び同第62/370,754号(2
016年8月4日)に対して優先権を主張し、これらそれぞれの内容全体が、参照により
本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書で開示されるのは、B型肝炎ウイルスの遺伝子発現を阻害するためのRNA干
渉(RNAi)薬、HBV RNAi薬を含む組成物、及びその使用方法である。
【背景技術】
【0003】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、厳密な肝臓指向性の二本鎖DNAを含むウイルスであ
る。DNAは遺伝物質であるが、その複製周期には、プレゲノムRNAをDNAにコピー
する逆転写工程が含まれる。B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルスの1つのメンバーと
して分類され、ヘパドナウイルス科のファミリーに属する。B型肝炎ウイルスを有する成
人の一次感染は、臓器炎症症状、発熱、黄疸、及び血液中の肝臓トランスアミナーゼの増
加を伴う急性肝炎を引き起こす。ウイルス感染を克服することができない患者は、長年に
わたって慢性疾患が進行し、肝硬変や肝臓癌に至るリスクが高まる。B型肝炎ウイルス感
染した母親から新生児への周産期感染も、慢性肝炎につながる。
【0004】
肝細胞により取り込まれると、そのヌクレオカプシドが核に移動し、DNAが放出され
る。ここでDNA鎖合成が完了し、隙間が補修されて、3.2kbの共有結合閉環状(c
cc)スーパーコイルDNAを生じる。このcccDNAは、5つの主要なウイルスmR
NA(これらは長さ3.5、3.5、2.4、2.1、及び0.7kbである)の転写の
テンプレートとして作用する。全てのmRNAは5’末端がキャップされ、3’末端がポ
リアデニル化されている。5つのmRNA全ての間には、3’末端に配列重複がある。
【0005】
1つの3.5kbのmRNAは、コアタンパク質及びポリメラーゼ生成のテンプレート
として作用する。また、同じ転写物がプレゲノム複製中間体として作用し、これによりウ
イルスのポリメラーゼがDNAへの逆転写を開始することができる。コアタンパク質は、
ヌクレオカプシド形成のために必要となる。他の3.5kbのmRNAは、分泌可能なe
抗原(HBeAg)のプレコアをコードする。複製阻害剤が存在しない場合、血液中のe
抗原の存在量は、肝臓におけるB型肝炎ウイルス複製と相関関係があり、疾患進行をモニ
ターする重要な診断マーカーとなる。
【0006】
2.4kb及び2.1kbのmRNAは、ウイルスの大型、中型、及び小型の表面抗原
の発現のための、オープンリーディングフレーム(「ORF」)のプレS1、プレS2及
びSを擁している。S抗原は、感染性の、完全粒子と関連している。また、感染した患者
の血液は、ゲノムDNA又はポリメラーゼを含まない、S抗原単独に由来する非感染性粒
子も含む。これらの粒子の機能は完全には解明されていない。血液中の検出可能なS抗原
の完全かつ持続的な枯渇は、B型肝炎ウイルスのクリアランスに対する信頼性のある指標
と考えられる。
【0007】
0.7kbのmRNAは、Xタンパク質をコードする。この遺伝子産物は、ウイルス遺
伝子の効率的な転写のために重要であり、宿主遺伝子発現に対する転写活性化因子として
も作用する。後者の活性は、肝臓癌の発達中の肝細胞形質転換に関して重要であると見ら
れる。
【0008】
6か月以上にわたって血液中に検出可能なS抗原、e抗原、及び/又はウイルスDNA
がある患者は、慢性的に感染していると見なされる。逆転写酵素活性の阻害剤としてのヌ
クレオシド類似体は典型的に、多くの患者に対して第1の治療オプションである。ラミブ
ジン、テノホビル、及び/又はエンテカビルの投与は、肝機能の改善と、典型的に最も重
要な利点と考えられる肝臓炎症の低減を伴って、時には検出不能なレベルまでB型肝炎ウ
イルス複製を抑制することが示されている。しかし、治療終了後に完全かつ持続的な寛解
を達成する患者はわずかである。更に、B型肝炎ウイルスは、治療の持続期間が長くなる
につれて、薬剤耐性を生じる。これは特に、B型肝炎及びヒト免疫不全ウイルス(HIV
)に重感染した患者にとっては困難である。両方のウイルスがヌクレオシドアナログ薬(
nucleoside analogue drug)に感受性であり、耐性を同時に生じる可能性がある。
【0009】
第2の治療オプションは、インターフェロンαの投与である。ここで、患者は、6か月
間にわたって高用量のインターフェロンαが投与される。アジア遺伝子型Bは、奏功率が
非常に低い。D型肝炎ウイルス(HDV)又はヒト免疫不全ウイルスとの重感染は、イン
ターフェロンα療法を完全に無効化することが示されている。激しい肝障害及び重い線維
化状態がある患者は、インターフェロンα療法には不適格となる。
【0010】
特定のB型肝炎ウイルス特異的RNA干渉(RNAi)薬は、HBV遺伝子発現の発現
を阻害することがこれまでに示されている。例えば、米国特許出願公開第2013/00
05793号(Chin et al.)(この全体が参照により本明細書に組み込まれ
る)は、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための、特定の二本鎖リボ核酸(ds
RNA)分子を開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
B型肝炎ウイルス(HBV)遺伝子の発現を選択的かつ効率的に阻害することができる
、新しいB型肝炎ウイルス(HBV)特異的RNA干渉(RNAi)薬(本明細書におい
てのRNAi薬、RNAiトリガ、又はトリガとも記載される)が必要とされている。ま
た、HBV感染の治療及びHBVに関連する疾患の予防のために、新しいHBV特異的R
NAi薬を組み合わせることが必要とされている。
【0012】
本明細書に記載されるのは、HBV遺伝子の発現を選択的かつ効率的に減少させること
ができるHBV遺伝子特異的RNAi薬である。記述されるHBV RNAi薬は、HB
V感染の症状及び関連疾患の治療処置及び/又は予防のための方法に使用することができ
、これには、慢性肝疾患/障害、炎症、線維化状態、増殖性疾患(肝細胞癌などの癌を含
む)、D型肝炎ウイルス(HDV)感染、及び急性HBV感染が挙げられるがこれらに限
定されない。いくつかの実施形態において、このHBV RNAi薬は、慢性HBV感染
及び/又はHDV感染に関連する症状及び疾患の治療処置及び/又は予防のための方法に
使用することができる。このような方法は、本明細書に記載の1つ又は複数のHBV R
NAi薬を、対象(例えばヒト又は動物の対象)に投与することを含む。
【0013】
また、本明細書中に記載されるのは、HBV遺伝子の発現を選択的かつ効率的に減少さ
せることができる、1つ又は複数の開示されたHBV RNAi薬を含む組成物である。
この1つ又は複数のHBV RNAi薬を含む組成物は、HBV感染に関連する症状及び
疾患の治療及び/又は予防のために、対象(例えばヒト又は動物の対象)に投与すること
ができる。
【0014】
本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、少なくとも1つのセンス鎖及び1つのア
ンチセンス鎖を含む。センス鎖とアンチセンス鎖とは、部分的に、実質的に、又は完全に
、互いに対して相補的であり得る。本明細書に記載のRNAi薬のセンス鎖とアンチセン
ス鎖の長さは、それぞれ16~30ヌクレオチド長であり得る。いくつかの実施形態にお
いて、センス鎖及びアンチセンス鎖は独立に17~26ヌクレオチド長である。いくつか
の実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖は独立に19~26ヌクレオチド長で
ある。いくつかの実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖は独立に21~26ヌ
クレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖は独立
に21~24ヌクレオチド長である。センス鎖及びアンチセンス鎖は、同じ長さ又は異な
る長さのいずれでもあり得る。本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、既知のHB
V血清型の大部分にわたって保存されている、HBVゲノム中の配列に少なくとも部分的
に相補的であるような、アンチセンス鎖配列を含むように設計されている。本明細書に記
載のRNAi薬は、HBVを発現する細胞に送達されると、in vivo又はin v
itroで、1つ又は複数のHBV遺伝子の発現を阻害する。
【0015】
HBV RNAi薬は、第1の配列を含むセンス鎖(パッセンジャー鎖とも呼ばれる)
と、第2の配列を含むアンチセンス鎖(ガイド鎖とも呼ばれる)とを含む。本明細書に記
載されるHBV RNAi薬のセンス鎖は、HBV mRNAにおける少なくとも16個
の連続ヌクレオチドのヌクレオチド配列に対して少なくとも約85%の同一性を有する、
コアストレッチを含む。いくつかの実施形態において、HBV mRNAにおける配列に
対して少なくとも約85%の同一性を有する、センス鎖コアヌクレオチドストレッチは、
16、17、18、19、20、21、22、又は23ヌクレオチド長である。HBV
RNAi薬のアンチセンス鎖は、HBV mRNA及び対応するセンス鎖における配列に
対して、少なくとも16個の連続ヌクレオチドのコアストレッチにわたって、少なくとも
約85%の相補性を有するヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HB
V mRNA又は対応するセンス鎖の配列に対して少なくとも約85%の相補性を有する
アンチセンス鎖コアヌクレオチド配列は、16、17、18、19、20、21、22、
又は23ヌクレオチド長である。
【0016】
HBV RNAi薬に用いることができるHBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチセ
ンス鎖の例が、表3及び4に提供される。HBV RNAi薬デュプレックスの例が、表
5に提供される。本明細書に開示されるHBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス
鎖からなる、又はこれらに含まれる、19ヌクレオチドのコアストレッチ配列の例が、表
2に提供される。
【0017】
いくつかの実施形態において、1つ又は複数のHBV RNAi薬は、当該技術分野で
周知の任意のオリゴヌクレオチド送達技術を使用して、標的細胞又は組織に送達される。
核酸送達方法には、リポソーム内カプセル封入によるもの、イオントフォレシスによるも
の、又は、他のビヒクル(例えばヒドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノカプセ
ル、及び生体接着性微小球)、タンパク質性ベクター、若しくはDynamic Pol
yconjugate(DPC)に組み込むことによるものが挙げられるが、これらに限
定されない(例えば、国際公開第2000/053722号、同第2008/00223
09号、同第2011/104169号、及び同第2012/083185号を参照、こ
れらそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態において、H
BV RNAi薬は、RNAi薬を標的化基に共有結合させることにより標的細胞又は組
織に送達される。いくつかの実施形態において、この標的化基は、アシアロ糖タンパク質
受容体(ASGPr)リガンドなどの細胞受容体リガンドを含み得る。いくつかの実施形
態において、ASGPrリガンドは、ガラクトース誘導体クラスターを含むか又はこれか
らなる。いくつかの実施形態において、ガラクトース誘導体クラスターは、N-アセチル
-ガラクトサミン三量体又はN-アセチル-ガラクトサミン四量体を含む。いくつかの実
施形態において、ガラクトース誘導体クラスターは、N-アセチル-ガラクトサミン三量
体又はN-アセチル-ガラクトサミン四量体である。
【0018】
標的化基は、HBV RNAi薬のセンス鎖又はアンチセンス鎖の3’又は5’末端に
連結し得る。いくつかの実施形態において、標的化基はセンス鎖の3’又は5’末端に連
結される。いくつかの実施形態において、標的化基はセンス鎖の5’末端に連結される。
いくつかの実施形態において、標的化基はリンカーを介してRNAi薬に連結される。
【0019】
標的化基は、リンカーあり又はなしで、表2、3、及び4に開示されるいずれかのセン
ス鎖及び/又はアンチセンス鎖の5’又は3’末端に連結され得る。リンカーは、標的化
基あり又はなしで、表2、3、及び4に開示されるいずれかのセンス鎖及び/又はアンチ
センス鎖の5’又は3’末端に取り付けられ得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、表5に開示されるデュプレ
ックス配列を有する1つ又は複数のHBV RNAi薬を含む組成物である。
【0021】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、異なるヌクレオチド配列を
有する少なくとも2つのHBV RNAi薬の組み合わせ又はカクテルを含む組成物であ
る。いくつかの実施形態において、2つ以上の異なるHBV RNAi薬が、それぞれ別
個かつ独立に標的化基に連結されている。いくつかの実施形態において、2つ以上の異な
るHBV RNAi薬が、それぞれ、N-アセチル-ガラクトサミンからなる標的化基に
連結されている。いくつかの実施形態において、2つ以上のRNAi薬が組成物に含まれ
る場合、このRNAi薬のそれぞれが同じ標的化基に連結されている。いくつかの実施形
態において、2つ以上のRNAi薬が組成物に含まれる場合、このRNAi薬のそれぞれ
が、異なる標的化基(例えば異なる化学構造を有する標的化基)に連結されている。
【0022】
いくつかの実施形態において、標的化基は、追加のリンカーを使用することなしに、H
BV RNAi薬に連結されている。いくつかの実施形態において、標的化基は、HBV
RNAi薬への連結を促進するために予め存在するリンカーを有するよう設計される。
いくつかの実施形態において、2つ以上のRNAi薬が組成物に含まれる場合、この2つ
以上のRNAi薬は、同じリンカーを用いて標的化基に連結され得る。いくつかの実施形
態において、2つ以上のRNAi薬が組成物に含まれる場合、この2つ以上のRNAi薬
は、異なるリンカーを用いて標的化基に連結される。
【0023】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、異なる配列を有する少なく
とも2つのHBV RNAi薬の組み合わせを含む組成物であり、この各HBV RNA
i薬は、HBV遺伝子の異なる位置又は異なる領域を標的とする。いくつかの実施形態に
おいて、本明細書に記載されるのは、少なくとも2つのHBV RNAi薬の組み合わせ
を含む組成物であり、この各HBV RNAi薬は、異なるHBV転写物を標的とするよ
う設計される(例えば、2つのHBV RNAi薬を含む組成物で、第1のHBV RN
Ai薬は、HBV遺伝子のS ORFに位置するあるヌクレオチド配列に少なくとも部分
的に相補的なアンチセンス鎖を含み、一方、第2のHBV RNAi薬は、HBV遺伝子
のX ORFに位置するあるヌクレオチド配列に少なくとも部分的に相補的なアンチセン
ス鎖を含む)。本明細書で使用されるとき、S ORFに位置するヌクレオチド配列に少
なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖を含むRNAi薬は、配列番号1のHBVゲノ
ムの位置1~1307及び3185~3221の一部を標的とする。本明細書で使用され
るとき、X ORFに位置するヌクレオチド配列に少なくとも部分的に相補的なアンチセ
ンス鎖を含むRNAi薬は、配列番号1のHBVゲノムの位置1308~1930の一部
を標的とする。
【0024】
HBV mRNAは多シストロン性であることが知られており、これにより、複数のポ
リペプチドが翻訳され、それぞれのmRNAがRNA配列内で重複する。よって、HBV
遺伝子を標的とする単一のRNAi薬で、大半の又は全てのHBV転写物の阻害をもたら
すことが可能になる。ただし、理論に拘束されるものではないが、HBV遺伝子の異なる
位置又は領域を標的とする2つ以上のHBV RNAi薬を含む組成物は(特に、2つ以
上のHBV RNAi薬で、一方のHBV RNAi薬がS ORFを標的とし、第2の
HBV RNAi薬がX ORFを標的とする場合)、単一のHBV RNAi薬のみを
含む組成物に比べて付加的な利点を提供する可能性があることが仮定され、この利点には
例えば、(a)全てのHBVウイルス転写物が確実に標的となるようにすること(すなわ
ち、3.5kbプレゲノムRNA、3.5kbプレコアmRNA、2.4kbプレS1
mRNA、2.1kbプレS2/S mRNA、0.7kb X mRNA、並びに、組
み込まれたHBV DNAから生成されるmRNAを発現する任意のS抗原)、(b)よ
り大きな患者集団に潜在的に対処できるようにするため、遺伝子型の包括範囲を拡大する
よう作用すること、及び/又は、(c)siRNA結合部位における突然変異によるウイ
ルス耐性を潜在的に低減すること、が挙げられる。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるのは、HBV RNAのS OR
Fを標的とする1つのHBV RNAi薬(すなわち、S転写物(S、プレS1、及びプ
レS2)、プレゲノムRNA(コア及びポリメラーゼ)、並びにHBVゲノムのプレコア
転写物(HBeAg)を標的とするアンチセンス鎖を有するもの)と、HBV RNAの
X ORFを標的とする1つのHBV RNAi薬(すなわち、HBVゲノムのX転写物
、S転写物(S、プレS1、及びプレS2)、プレゲノムRNA(コア及びポリメラーゼ
)、並びにHBVゲノムのプレコア転写物(HBeAg)を標的とするアンチセンス鎖を
有するもの)との組み合わせを含む組成物である。いくつかの実施形態において、本明細
書に記載される組成物は、HBV遺伝子のS ORFを標的とする配列を含む少なくとも
1つのHBV RNAi薬と、HBV遺伝子のX ORFを標的とする配列を含む第2の
HBV RNAi薬とを含む。
【0026】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、表3のいずれかの配列の配列を含むアンチセンス鎖を有する1つ又は複数のHBV
RNAi薬を投与することを含む。
【0027】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、表4のいずれかの配列の配列を含むセンス鎖を有する1つ又は複数のHBV RN
Ai薬を投与することを含む。
【0028】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、表3のいずれかの配列の配列を含むアンチセンス鎖と、そのアンチセンス鎖に対し
て少なくとも部分的に相補的な表4のいずれかの配列の配列を含むセンス鎖とを有する、
1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与することを含む。
【0029】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、表3のいずれかの配列の配列からなるアンチセンス鎖と、そのアンチセンス鎖に対
して少なくとも部分的に相補的な表4のいずれかの配列の配列からなるセンス鎖とを有す
る、1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与することを含む。
【0030】
本明細書に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の発現を阻害するための方法で
あり、この方法は、表5のデュプレックス構造を有する1つ又は複数のHBV RNAi
薬を投与することを含む。
【0031】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、表3のいずれかの配列の配列を含むアンチ
センス鎖を有する1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与することを含む。
【0032】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、表4のいずれかの配列の配列を含むセンス
鎖を有する1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与することを含む。
【0033】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、表3のいずれかの配列の配列を含むアンチ
センス鎖と、そのアンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相補的な表4のいずれかの
配列の配列を含むセンス鎖とを有する、1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与するこ
とを含む。
【0034】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、表3のいずれかの配列の配列からなるアン
チセンス鎖と、そのアンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相補的な表4のいずれか
の配列の配列からなるセンス鎖とを有する、1つ又は複数のHBV RNAi薬を投与す
ることを含む。
【0035】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、表5のデュプレックス構造を有する1つ又
は複数のHBV RNAi薬を投与することを含む。
【0036】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、(i)表2又は表3のいずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるアンチセ
ンス鎖を有するHBV RNAi薬と、(ii)表2又は表3のいずれかの配列の配列を
含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖を有する第2のHBV RNAi薬とを、投与
することを含む。
【0037】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、(i)表2又は表3のいずれかの配列の配
列を含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖を有するHBV RNAi薬と、(ii)
表2又は表3のいずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖を有す
る第2のHBV RNAi薬とを、投与することを含む。
【0038】
本明細書に開示されるのは、HBV遺伝子の発現を阻害するための方法であり、この方
法は、(i)第1のHBV RNAi薬であって、表2又は表3のいずれかの配列の配列
を含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖と、その第1のHBV RNAi薬のアンチ
センス鎖に対して少なくとも部分的に相補的な表2又は表4のいずれかの配列の配列を含
むか又はこれらからなるセンス鎖とを有する、第1のHBV RNAi薬と、(ii)第
2のHBV RNAi薬であって、表2又は表3のいずれかの配列の配列を含むか又はこ
れらからなるアンチセンス鎖と、その第2のHBV RNAi薬のアンチセンス鎖に対し
て少なくとも部分的に相補的な表2又は表4のいずれかの配列の配列を含むか又はこれら
からなるセンス鎖とを有する、第2のHBV RNAi薬とを、投与することを含む。
【0039】
本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はHBV感染によって生じる疾患若
しくは症状の予防の方法であり、この方法は、(i)第1のHBV RNAi薬であって
、表2又は表3のいずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖と、
その第1のHBV RNAi薬のアンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相補的な表
2又は表4のいずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるセンス鎖とを有する、第
1のHBV RNAi薬と、(ii)第2のHBV RNAi薬であって、表2又は表3
のいずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるアンチセンス鎖と、その第2のHB
V RNAi薬のアンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相補的な表2又は表4のい
ずれかの配列の配列を含むか又はこれらからなるセンス鎖とを有する、第2のHBV R
NAi薬とを、投与することを含む。
【0040】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの
を含む:
a.配列(5’→3’)AUUGAGAGAAGUCCACCAC(配列番号7)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び
、配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAU(配列番号34)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
b.配列(5’→3’)UUUGAGAGAAGUCCACCAC(配列番号8)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び
、配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAA(配列番号35)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
c.配列(5’→3’)AAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号12)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列番号39)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
d.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号13)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUA(配列番号40)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
e.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号17)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号44)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
f.配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号18)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号45)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
g.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGC(配列番号22)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号49)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
h.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGC(配列番号23)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号50)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
i.配列(5’→3’)GACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号27)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUC(配列番号54)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
j.配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号28)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列番号55)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
k.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号29)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号56)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖。
【0041】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物はHBV RNAi薬を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つ以上のHBV RNAi薬を含
み、第1のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)AAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号12)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列番号39)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号13)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUA(配列番号40)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含み、
第2のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)GACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号27)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUC(配列番号54)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号28)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列番号55)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
iii)配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号29
)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖
、及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号56)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つ以上のHBV RNAi薬を含
み、第1のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号17)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号44)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号18)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号45)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含み、
第2のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)GACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号27)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUC(配列番号54)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号28)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列番号55)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
iii)配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号29
)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖
、及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号56)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つ以上のHBV RNAi薬を含
み、第1のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)AAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号12)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列番号39)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCA(配列番号13)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUA(配列番号40)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含み、
第2のHBV RNAi薬は、HBV mRNAのX ORFの一部に少なくとも部分
的に相補的な配列を有するアンチセンス鎖を含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つ以上のHBV RNAi薬を含
み、第1のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号17)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号44)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCC(配列番号18)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号45)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含み、
第2のHBV RNAi薬は、HBV mRNAのX ORFの一部に少なくとも部分
的に相補的な配列を有するアンチセンス鎖を含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つ以上のHBV RNAi薬を含
み、第1のHBV RNAi薬は、HBV mRNAのS ORFの一部に少なくとも部
分的に相補的な配列を有するアンチセンス鎖を含み、また第2のHBV RNAi薬は:
i)配列(5’→3’)GACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号27)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及
び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUC(配列番号54)から
0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
ii)配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号28)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、
及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列番号55)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
iii)配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAG(配列番号29
)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖
、及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号56)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
のいずれかを含む。
【0047】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

a.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGCCUUAU(配
列番号149)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むア
ンチセンス鎖、又は
b.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGCCU(配列番号
150)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセ
ンス鎖、又は
c.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGC(配列番号15
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
d.配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCCUU(配列番号15
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
e.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGUU(配列番号15
4)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
f.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACG(配列番号16
0)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
g.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号16
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
h.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号
163)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセ
ンス鎖、又は
i.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACGA(配列番号1
70)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
j.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号17
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
k.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号1
72)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
l.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
73)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
m.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCAUU(配列番号17
4)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
n.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACUU(配列番号1
75)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
o.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCUU(配列番号17
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
p.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCACUU(配列番号
179)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセ
ンス鎖、又は
q.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCACC(配列番号1
80)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
r.配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号18
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
s.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号18
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
t.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号1
83)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
u.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCUC(配列番号1
84)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
v.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号18
5)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
w.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号1
86)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
x.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCU(配列番号18
7)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
y.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCG(配列番号18
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
z.配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号18
9)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
aa.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
90)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
bb.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
91)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
cc.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCG(配列番号1
92)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
dd.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCG(配列番号1
93)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
ee.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGG(配列番号1
94)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、
を含み、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相
補的なセンス鎖を更に含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

a.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGCCUUAU(配
列番号149)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなる
アンチセンス鎖、又は
b.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGCCU(配列番号
150)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチ
センス鎖、又は
c.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGC(配列番号15
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
d.配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCCUU(配列番号15
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
e.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGUU(配列番号15
4)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
f.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACG(配列番号16
0)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
g.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号16
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
h.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号
163)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチ
センス鎖、又は
i.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACGA(配列番号1
70)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
j.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号17
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
k.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号1
72)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
l.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
73)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
m.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCAUU(配列番号17
4)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
n.配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACUU(配列番号1
75)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
o.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCUU(配列番号17
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
p.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCACUU(配列番号
179)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチ
センス鎖、又は
q.配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCACC(配列番号1
80)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
r.配列(5’→3’)UGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号18
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
s.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号18
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
t.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号1
83)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
u.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCUC(配列番号1
84)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
v.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCUU(配列番号18
5)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
w.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCUU(配列番号1
86)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
x.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCU(配列番号18
7)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
y.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGCG(配列番号18
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス
鎖、又は
z.配列(5’→3’)AACCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号18
9)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセン
ス鎖、又は
aa.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
90)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
bb.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCU(配列番号1
91)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
cc.配列(5’→3’)ACCAAUUUAUGCCUACAGCCG(配列番号1
92)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、又は
dd.配列(5’→3’)UCCAAUUUAUGCCUACAGCCG(配列番号1
93)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
ee.配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACAGGG(配列番号1
94)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列からなるアンチセ
ンス鎖、
を含み、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相
補的なセンス鎖を更に含む。
【0049】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

i.配列(5’→3’)usAfscCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfcA
fgGfccsusuAu(配列番号61)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチ
ドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
ii.配列(5’→3’)usAfscCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfc
AfgGfcscsu(配列番号62)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
iii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuA
fcAfgGfccsu(配列番号63)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
iv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuAf
cAfgGfsc(配列番号64)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異な
る配列を含むアンチセンス鎖、又は
v.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfc
Afgusu(配列番号68)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配
列を含むアンチセンス鎖、又は
vi.配列(5’→3’)usAfscscaauUfuAfuGfcCfuacag
csc(配列番号85)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配列を含
むアンチセンス鎖、又は
vii.配列(5’→3’)usAfsusugagAfgAfaGfuCfcacc
acsg(配列番号94)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配列を
含むアンチセンス鎖、又は
viii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgAfgAfaGfuCfc
AfcCfaCfgsa(配列番号98)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
ix.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcA
fgcsc(配列番号102)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配
列を含むアンチセンス鎖、又は
x.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcAf
gcusu(配列番号103)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配
列を含むアンチセンス鎖、又は
xi.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcA
fgccsu(配列番号104)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる
配列を含むアンチセンス鎖、又は
xii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfc
Afgccusu(配列番号105)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異
なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xiii.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfuGf
cCfuAfcAfgusu(配列番号107)から0個、1個、2個又は3個のヌクレ
オチドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xiv.配列(5’→3’)cPrpusAfsusUfgAfgAfgAfaGfu
CfcAfcCfaCfsg(配列番号108)から0個、1個、2個又は3個のヌクレ
オチドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xv.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfcC
fausu(配列番号109)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる配
列を含むアンチセンス鎖、又は
xvi.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfc
Cfacsg(配列番号110)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異なる
配列を含むアンチセンス鎖、又は
xvii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAf
cCfacsusu(配列番号111)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xviii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcA
fcCfacsgsa(配列番号112)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xix.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfc
Cfacusu(配列番号120)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異な
る配列を含むアンチセンス鎖、又は
xx.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaGf
uCfcusu(配列番号125)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異な
る配列を含むアンチセンス鎖、
xxi.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaG
fuCfcasc(配列番号126)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異
なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxii.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfa
GfuCfcacusu(配列番号127)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチ
ドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxiii.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAf
aGfuCfcacsc(配列番号128)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチ
ドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxiv.配列(5’→3’)usGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfa
GfuCfcusu(配列番号129)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxv.配列(5’→3’)usGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaG
fuCfcasc(配列番号130)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異
なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxvi.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcusu(配列番号131)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxvii.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUf
aCfaGfccusu(配列番号132)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチ
ドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxviii.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcU
faCfaGfccusc(配列番号133)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオ
チドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxix.配列(5’→3’)usCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcusu(配列番号134)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxx.配列(5’→3’)usCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfaC
faGfccusu(配列番号135)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxi.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfuGf
cCfuAfcAfgcsc(配列番号136)から0個、1個、2個又は3個のヌクレ
オチドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgscsc(配列番号137)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチ
ドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxiii.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfu
GfcCfuAfcAfgscsc(配列番号138)から0個、1個、2個又は3個の
ヌクレオチドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxiv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgcsu(配列番号139)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfu
AfcAfgcsg(配列番号140)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが
異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxvi.配列(5’→3’)asAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgcsc(配列番号141)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxvii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfUfAfuGfc
CfuAfcAfgusu(配列番号142)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオ
チドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxviii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfc
CfuAfcAfgCfsc(配列番号143)から0個、1個、2個又は3個のヌクレ
オチドが異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xxxix.配列(5’→3’)asCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcCfsu(配列番号144)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xl.配列(5’→3’)usCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaCfa
GfcCfsu(配列番号145)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異な
る配列を含むアンチセンス鎖、又は
xli.配列(5’→3’)asCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaCf
aGfccsg(配列番号146)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異な
る配列を含むアンチセンス鎖、又は
xlii.配列(5’→3’)usCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaC
faGfccsg(配列番号147)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチドが異
なる配列を含むアンチセンス鎖、又は
xliii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfggsg(配列番号148)から0個、1個、2個又は3個のヌクレオチド
が異なる配列を含むアンチセンス鎖、
を含み、式中、a、g、c及びuは2’-O-メチル(2’-OMe)修飾ヌクレオチ
ド、Af、Cf、Gf、及びUfは2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、sはホスホロチオ
エートヌクレオシド間連結であり、残りのヌクレオチドモノマーはホスホジエステル結合
により連結され、cPrpuは5’-シクロプロピルホスホネート-2’-O-メチル修
飾ヌクレオチドであり、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくと
も部分的に相補的なセンス鎖を更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

i.配列(5’→3’)usAfscCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfcA
fgGfccsusuAu(配列番号61)からなるアンチセンス鎖、又は
ii.配列(5’→3’)usAfscCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfc
AfgGfcscsu(配列番号62)からなるアンチセンス鎖、又は
iii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuA
fcAfgGfccsu(配列番号63)からなるアンチセンス鎖、又は
iv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuAf
cAfgGfsc(配列番号64)からなるアンチセンス鎖、又は
v.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfuAfc
Afgusu(配列番号68)からなるアンチセンス鎖、又は
vi.配列(5’→3’)usAfscscaauUfuAfuGfcCfuacag
csc(配列番号85)からなるアンチセンス鎖、又は
vii.配列(5’→3’)usAfsusugagAfgAfaGfuCfcacc
acsg(配列番号94)からなるアンチセンス鎖、又は
viii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgAfgAfaGfuCfc
AfcCfaCfgsa(配列番号98)からなるアンチセンス鎖、又は
ix.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcA
fgcsc(配列番号102)からなるアンチセンス鎖、又は
x.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcAf
gcusu(配列番号103)からなるアンチセンス鎖、又は
xi.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfcA
fgccsu(配列番号104)からなるアンチセンス鎖、又は
xii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuuuauGfcCfuAfc
Afgccusu(配列番号105)からなるアンチセンス鎖、又は
xiii.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfuGf
cCfuAfcAfgusu(配列番号107)からなるアンチセンス鎖、又は
xiv.配列(5’→3’)cPrpusAfsusUfgAfgAfgAfaGfu
CfcAfcCfaCfsg(配列番号108)からなるアンチセンス鎖、又は
xv.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfcC
fausu(配列番号109)からなるアンチセンス鎖、又は
xvi.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfc
Cfacsg(配列番号110)からなるアンチセンス鎖、又は
xvii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAf
cCfacsusu(配列番号111)からなるアンチセンス鎖、又は
xviii.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcA
fcCfacsgsa(配列番号112)からなるアンチセンス鎖、又は
xix.配列(5’→3’)usAfsusUfgAfgagaaGfuCfcAfc
Cfacusu(配列番号120)からなるアンチセンス鎖、又は
xx.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaGf
uCfcusu(配列番号125)からなるアンチセンス鎖、
xxi.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaG
fuCfcasc(配列番号126)からなるアンチセンス鎖、又は
xxii.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfa
GfuCfcacusu(配列番号127)からなるアンチセンス鎖、又は
xxiii.配列(5’→3’)asGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAf
aGfuCfcacsc(配列番号128)からなるアンチセンス鎖、又は
xxiv.配列(5’→3’)usGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfa
GfuCfcusu(配列番号129)からなるアンチセンス鎖、又は
xxv.配列(5’→3’)usGfsasAfaAfuUfgAfgAfgAfaG
fuCfcasc(配列番号130)からなるアンチセンス鎖、又は
xxvi.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcusu(配列番号131)からなるアンチセンス鎖、又は
xxvii.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUf
aCfaGfccusu(配列番号132)からなるアンチセンス鎖、又は
xxviii.配列(5’→3’)asCfscsAfaUfuUfaUfgCfcU
faCfaGfccusc(配列番号133)からなるアンチセンス鎖、又は
xxix.配列(5’→3’)usCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcusu(配列番号134)からなるアンチセンス鎖、又は
xxx.配列(5’→3’)usCfscsAfaUfuUfaUfgCfcUfaC
faGfccusu(配列番号135)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxi.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfuGf
cCfuAfcAfgcsc(配列番号136)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgscsc(配列番号137)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxiii.配列(5’→3’)cPrpusAfscsCfaAfuUfuAfu
GfcCfuAfcAfgscsc(配列番号138)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxiv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgcsu(配列番号139)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxv.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCfu
AfcAfgcsg(配列番号140)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxvi.配列(5’→3’)asAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfgcsc(配列番号141)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxvii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfUfAfuGfc
CfuAfcAfgusu(配列番号142)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxviii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfc
CfuAfcAfgCfsc(配列番号143)からなるアンチセンス鎖、又は
xxxix.配列(5’→3’)asCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfa
CfaGfcCfsu(配列番号144)からなるアンチセンス鎖、又は
xl.配列(5’→3’)usCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaCfa
GfcCfsu(配列番号145)からなるアンチセンス鎖、又は
xli.配列(5’→3’)asCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaCf
aGfccsg(配列番号146)からなるアンチセンス鎖、又は
xlii.配列(5’→3’)usCfscAfaUfuUfaUfgCfcUfaC
faGfccsg(配列番号147)からなるアンチセンス鎖、又は
xliii.配列(5’→3’)usAfscsCfaAfuUfuAfuGfcCf
uAfcAfggsg(配列番号148)からなるアンチセンス鎖、
を含み、式中、a、g、c及びuは2’-O-メチル(2’-OMe)修飾ヌクレオチ
ド、Af、Cf、Gf、及びUfは2’-フルオロ修飾ヌクレオチド、sはホスホロチオ
エートヌクレオシド間連結であり、残りのヌクレオチドモノマーはホスホジエステル結合
により連結され、cPrpuは5’-シクロプロピルホスホネート-2’-O-メチル修
飾ヌクレオチドであり、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくと
も部分的に相補的なセンス鎖を更に含む。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

a.配列(5’→3’)UUGCCUGUAGGCAUAAAUUGGUAUT(配列
番号275)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセン
ス鎖、又は
b.配列(5’→3’)UAUAUGCCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配
列番号276)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセ
ンス鎖、又は
c.配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(配列番号27
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

d.配列(5’→3’)CGUGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列番号28
5)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

e.配列(5’→3’)CGUGGUGGACUUCUCUCAAUA(配列番号28
9)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

f.配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号292)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
g.配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号29
4)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

h.配列(5’→3’)UCGUGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列番号3
00)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
i.配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号30
2)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

j.配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(配列番号3
03)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
k.配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(配列番号
304)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖
、又は
l.配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号30
6)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

m.配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号3
07)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
n.配列(5’→3’)AAUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号
308)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖
、又は
o.配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号318)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
p.配列(5’→3’)GGUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号3
19)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
q.配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号320)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
r.配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号32
1)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

s.配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号322)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
t.配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号323
)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
u.配列(5’→3’)GAGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号3
24)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
v.配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号325)
から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
w.配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号326
)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又は
x.配列(5’→3’)AGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号32
7)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

y.配列(5’→3’)CGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号32
8)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

z.配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列番号32
9)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、又

aa.配列(5’→3’)AGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号3
30)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセン
ス鎖、又は
bb.配列(5’→3’)AGGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号3
31)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
cc.配列(5’→3’)CGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号3
32)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
dd.配列(5’→3’)CGGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号3
33)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
又は
ee.配列(5’→3’)CCCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号3
34)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖、
を含み、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相
補的なアンチセンス鎖を更に含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は以下のもの

a.核酸塩基配列(5’→3’)UUGCCUGUAGGCAUAAAUUGGUAU
T(配列番号275)からなるセンス鎖、又は
b.核酸塩基配列(5’→3’)UAUAUGCCUGUAGGCAUAAAUUGG
UA(配列番号276)からなるセンス鎖、又は
c.核酸塩基配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(配列
番号278)からなるセンス鎖、又は
d.核酸塩基配列(5’→3’)CGUGGUGGACUUCUCUCAAUU(配列
番号285)からなるセンス鎖、又は
e.核酸塩基配列(5’→3’)CGUGGUGGACUUCUCUCAAUA(配列
番号289)からなるセンス鎖、又は
f.核酸塩基配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号
292)からなるセンス鎖、又は
g.核酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列
番号294)からなるセンス鎖、又は
h.核酸塩基配列(5’→3’)UCGUGGUGGACUUCUCUCAAUU(配
列番号300)からなるセンス鎖、又は
i.核酸塩基配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列
番号302)からなるセンス鎖、又は
j.核酸塩基配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(配
列番号303)からなるセンス鎖、又は
k.核酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUAUU(
配列番号304)からなるセンス鎖、又は
l.核酸塩基配列(5’→3’)UGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列
番号306)からなるセンス鎖、又は
m.核酸塩基配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配
列番号307)からなるセンス鎖、又は
n.核酸塩基配列(5’→3’)AAUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(
配列番号308)からなるセンス鎖、又は
o.核酸塩基配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号
318)からなるセンス鎖、又は
p.核酸塩基配列(5’→3’)GGUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配
列番号319)からなるセンス鎖、又は
q.核酸塩基配列(5’→3’)GGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列番号
320)からなるセンス鎖、又は
r.核酸塩基配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCA(配列
番号321)からなるセンス鎖、又は
s.核酸塩基配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番号
322)からなるセンス鎖、又は
t.核酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配列番
号323)からなるセンス鎖、又は
u.核酸塩基配列(5’→3’)GAGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配
列番号324)からなるセンス鎖、又は
v.核酸塩基配列(5’→3’)GCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番号
325)からなるセンス鎖、又は
w.核酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配列番
号326)からなるセンス鎖、又は
x.核酸塩基配列(5’→3’)AGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列
番号327)からなるセンス鎖、又は
y.核酸塩基配列(5’→3’)CGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列
番号328)からなるセンス鎖、又は
z.核酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUU(配列
番号329)からなるセンス鎖、又は
aa.核酸塩基配列(5’→3’)AGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配
列番号330)を含むセンス鎖、又は
bb.核酸塩基配列(5’→3’)AGGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配
列番号331)からなるセンス鎖、又は
cc.核酸塩基配列(5’→3’)CGGCUGUAGGCAUAAAUUGGU(配
列番号332)からなるセンス鎖、又は
dd.核酸塩基配列(5’→3’)CGGCUGUAGGCAUAAAUUGGA(配
列番号333)からなるセンス鎖、又は
ee.核酸塩基配列(5’→3’)CCCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配
列番号334)からなるセンス鎖、
を含み、このHBV RNAi薬は、各アンチセンス鎖に対して少なくとも部分的に相
補的なアンチセンス鎖を更に含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCAC
CACUU(配列番号175)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUC
UCAAUAUU(配列番号307)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる
核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)
UACCAAUUUAUGCCUACAGUU(配列番号154)から0個、1個、2個
又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3
’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号292)から0個、1個、2個
又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)UAUUGAGAGAAGU
CCACCACUU(配列番号175)からなるアンチセンス鎖、及び、核酸塩基配列(
5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号307)からな
るセンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)UACC
AAUUUAUGCCUACAGUU(配列番号154)からなるアンチセンス鎖、及び
、核酸塩基配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号29
2)からなるセンス鎖を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGU
CCAC(配列番号171)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基
配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAA
UUUUCU(配列番号302)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸
塩基配列を含むセンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UA
CCAAUUUAUGCCUACAGCG(配列番号188)から0個、1個、2個又は
3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)
CGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号328)から0個、1個、2個
又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAG
AAGUCCAC(配列番号171)からなるアンチセンス鎖、及び、核酸塩基配列(5
’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)からなるセ
ンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)UACCAA
UUUAUGCCUACAGCG(配列番号188)からなるアンチセンス鎖、及び、核
酸塩基配列(5’→3’)CGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号32
8)からなるセンス鎖を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGU
CCAC(配列番号171)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基
配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAA
UUUUCU(配列番号302)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸
塩基配列を含むセンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UA
CCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は
3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)
GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号294)から0個、1個、2個
又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAG
AAGUCCAC(配列番号171)からなるアンチセンス鎖、及び、核酸塩基配列(5
’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)からなるセ
ンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)UACCAA
UUUAUGCCUACAGCC(配列番号162)からなるアンチセンス鎖、及び、核
酸塩基配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAUUGGUA(配列番号29
4)からなるセンス鎖を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGU
CCAC(配列番号171)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基
配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAA
UUUUCU(配列番号302)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸
塩基配列を含むセンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UA
CCAAUUUAUGCCUACAGCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は
3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)
GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号307)から0個、1個、2
個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
第1のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)AGAAAAUUGAGAG
AAGUCCAC(配列番号171)からなるアンチセンス鎖、及び、核酸塩基配列(5
’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)からなるセ
ンス鎖を含み、第2のHBV RNAi薬は、核酸塩基配列(5’→3’)UACCAA
UUUAUGCCUACAGCC(配列番号162)からなるアンチセンス鎖、及び、核
酸塩基配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号3
07)からなるセンス鎖を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACUU(配列番号175)から0個
、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配
列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号307)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、こ
の第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUA
CAGUU(配列番号154)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号292)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCG(配列番号188)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)CGCUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号328)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含む。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号294)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含む。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUC
AAUAUU(配列番号307)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸
塩基配列を含むセンス鎖を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)UAUUGAGAGAAGUCCACCACUU(配列番号175)から0個
、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配
列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUCAAUAUU(配列番号307)か
ら0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、こ
の第2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUA
CAGUU(配列番号154)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)CUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号292)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含み、この第1のHBV RNAi薬及び第2のHBV RNA
i薬のセンス鎖は、N-アセチル-ガラクトサミンを含む標的化リガンドにコンジュゲー
トされる。
【0066】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCG(配列番号188)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)CGCUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号328)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含み、この第1のHBV RNAi薬及び第2のHBV RNA
i薬のセンス鎖は、N-アセチル-ガラクトサミンを含む標的化リガンドにコンジュゲー
トされる。
【0067】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GGCUGUAGGCAUAAAU
UGGUA(配列番号294)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩
基配列を含むセンス鎖を含み、この第1のHBV RNAi薬及び第2のHBV RNA
i薬のセンス鎖は、N-アセチル-ガラクトサミンを含む標的化リガンドにコンジュゲー
トされる。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明に開示されるのは、細胞におけるHBV遺伝子の
発現を阻害するための組成物であり、この組成物は、2つのHBV RNAi薬を含み、
センス鎖内のヌクレオチドの全て又は実質的に全てが修飾されているか、並びに/あるい
は、第1及び/又は第2のHBV RNAi薬の、アンチセンス鎖のヌクレオチド全て又
は実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、この第1のHBV RNAi薬は、配列(5
’→3’)AGAAAAUUGAGAGAAGUCCAC(配列番号171)から0個、
1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むアンチセンス鎖、及び、配列
(5’→3’)GUGGACUUCUCUCAAUUUUCU(配列番号302)から0
個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第
2のHBV RNAi薬は、配列(5’→3’)UACCAAUUUAUGCCUACA
GCC(配列番号162)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸塩基配
列を含むアンチセンス鎖、及び、配列(5’→3’)GUGGUGGACUUCUCUC
AAUAUU(配列番号307)から0個、1個、2個又は3個の核酸塩基が異なる核酸
塩基配列を含むセンス鎖を含み、この第1のHBV RNAi薬及び第2のHBV RN
Ai薬のセンス鎖は、N-アセチル-ガラクトサミンを含む標的化リガンドにコンジュゲ
ートされる。
【0069】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はH
BV感染によって生じる疾患若しくは症状の予防の方法であり、この方法は、これらを必
要としている対象に、有効量のAD04872及び有効量のAD05070を投与するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD05070の比は、約2:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD05070の比は、約3:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD05070の比は、約1:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD05070の比は、約4:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD05070の比は、約5:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD05070の比は、約1:
2である。
【0070】
いくつかの実施形態において、約1mg/kg(mpk)のAD04872と約1mg
/kgのAD05070が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施
形態において、約1.5mg/kgのAD04872と約1.5mg/kgのAD050
70が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約2
.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD05070が、これらを必
要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.0mg/kgのA
D04872と約1.0mg/kgのAD05070が、これらを必要としている対象に
投与される。いくつかの実施形態において、約3.2mg/kgのAD04872と約0
.8mg/kgのAD05070が、これらを必要としている対象に投与される。いくつ
かの実施形態において、約2.7mg/kgのAD04872と約1.3mg/kgのA
D05070が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態におい
て、約4.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD05070が、こ
れらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.3mg/
kgのAD04872と約1.7mg/kgのAD05070が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、約0.05~約5mg/kgのAD
04872と、約0.05~約5mg/kgのAD05070が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、約AD04872と約AD0507
0とが、別々に投与される(例えば、別の注射内)。いくつかの実施形態において、AD
04872の各用量と、AD05070の各用量が、一緒に投与される(例えば、同じ注
射内)。いくつかの実施形態において、AD04872の各用量と、AD05070の各
用量が、単一の医薬組成物に調製される。
【0071】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はH
BV感染によって生じる疾患若しくは症状の予防の方法であり、この方法は、これらを必
要としている対象に、有効量のAD04872及び有効量のAD04776を投与するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04776の比は、約2:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04776の比は、約3:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04776の比は、約4:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04776の比は、約1:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04776の比は、約5:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04776の比は、約1:
2である。
【0072】
いくつかの実施形態において、約1mg/kg(mpk)のAD04872と約1mg
/kgのAD04776が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施
形態において、約1.5mg/kgのAD04872と約1.5mg/kgのAD047
76が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約2
.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD04776が、これらを必
要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.0mg/kgのA
D04872と約1.0mg/kgのAD04776が、これらを必要としている対象に
投与される。いくつかの実施形態において、約3.2mg/kgのAD04872と約0
.8mg/kgのAD04776が、これらを必要としている対象に投与される。いくつ
かの実施形態において、約2.7mg/kgのAD04872と約1.3mg/kgのA
D04776が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態におい
て、約4.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD04776が、こ
れらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.3mg/
kgのAD04872と約1.7mg/kgのAD04776が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、約0.05~約5mg/kgのAD
04872と、約0.05~約5mg/kgのAD04776が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、AD04872とAD04776の
各用量が、別々に投与される(例えば、別の注射内)。いくつかの実施形態において、A
D04872とAD04776の各用量が、一緒に投与される(例えば、同じ注射内)。
いくつかの実施形態において、AD04872とAD04776の各用量が、単一の医薬
組成物に調製される。
【0073】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はH
BV感染によって生じる疾患若しくは症状の予防の方法であり、この方法は、これらを必
要としている対象に、有効量のAD04872及び有効量のAD04982を投与するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04982の比は、約2:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04982の比は、約3:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04982の比は、約4:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04982の比は、約1:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04872対AD04982の比は、約5:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04872対AD04982の比は、約1:
2である。
【0074】
いくつかの実施形態において、約1mg/kg(mpk)のAD04872と約1mg
/kgのAD04982が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施
形態において、約1.5mg/kgのAD04872と約1.5mg/kgのAD049
82が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約2
.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD04982が、これらを必
要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.0mg/kgのA
D04872と約1.0mg/kgのAD04982が、これらを必要としている対象に
投与される。いくつかの実施形態において、約3.2mg/kgのAD04872と約0
.8mg/kgのAD04982が、これらを必要としている対象に投与される。いくつ
かの実施形態において、約2.7mg/kgのAD04872と約1.3mg/kgのA
D04982が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態におい
て、約4.0mg/kgのAD04872と約1.0mg/kgのAD04982が、こ
れらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態において、約3.3mg/
kgのAD04872と約1.7mg/kgのAD04982が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、約0.05~約5mg/kgのAD
04872と、約0.05~約5mg/kgのAD04982が、これらを必要としてい
る対象に投与される。いくつかの実施形態において、AD04872とAD04982の
各用量が、別々に投与される(例えば、別の注射内)。いくつかの実施形態において、A
D04872とAD04982の各用量が、一緒に投与される(例えば、同じ注射内)。
いくつかの実施形態において、AD04872とAD04982の各用量が、単一の医薬
組成物に調製される。
【0075】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、HBV感染の治療、又はH
BV感染によって生じる疾患若しくは症状の予防の方法であり、この方法は、これらを必
要としている対象に、有効量のAD04580及び有効量のAD04585を投与するこ
とを含む。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04580対AD04585の比は、約2:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04580対AD04585の比は、約3:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04580対AD04585の比は、約4:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04580対AD04585の比は、約5:
1である。いくつかの実施形態において、これらを必要としている対象に投与されるAD
04580対AD04585の比は、約1:1である。いくつかの実施形態において、こ
れらを必要としている対象に投与されるAD04580対AD04585の比は、約1:
2である。いくつかの実施形態において、約1mg/kg(mpk)のAD04580と
約1mg/kgのAD04585が、これらを必要としている対象に投与される。いくつ
かの実施形態において、約1.5mg/kgのAD04580と約1.5mg/kgのA
D04585が、これらを必要としている対象に投与される。いくつかの実施形態におい
て、約0.05~約5mg/kgのAD04580と、約0.05~約5mg/kgのA
D04585が、これらを必要としている対象に投与される。
【0076】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG37)sに連結したAD05070
からなるか又はこれを含む:
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】
【化3】
【0080】
【化4】
【0081】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG25)sに連結したAD05070
からなるか又はこれを含む:
【0082】
【化5】
【0083】
【化6】
【0084】
【化7】
【0085】
【化8】
【0086】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有する遊離酸として示される(NAG37)sに連結したAD05070からな
るか又はこれを含む:
【0087】
【化9】
【0088】
【化10】
【0089】
【化11】
【0090】
【化12】
【0091】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG31)sに連結したAD04580
からなるか又はこれを含む:
【0092】
【化13】
【0093】
【化14】
【0094】
【化15】
【0095】
【化16】
【0096】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG25)sに連結したAD04585
からなるか又はこれを含む:
【0097】
【化17】
【0098】
【化18】
【0099】
【化19】
【0100】
【化20】
【0101】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG37)sに連結したAD04872
からなるか又はこれを含む:
【0102】
【化21】
【0103】
【化22】
【0104】
【化23】
【0105】
【化24】
【0106】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有するナトリウム塩として示される(NAG25)sに連結したAD04872
からなるか又はこれを含む:
【0107】
【化25】
【0108】
【化26】
【0109】
【化27】
【0110】
【化28】
【0111】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、以下に示
す構造を有する遊離酸として示される(NAG37)sに連結したAD04872からな
るか又はこれを含む:
【0112】
【化29】
【0113】
【化30】
【0114】
【化31】
【0115】
【化32】
【0116】
いくつかの実施形態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望に
より、1つ又は複数の追加の(すなわち、第2、第3などの)治療と組み合わせられる。
第2の治療は、別のHBV RNAi薬であり得る(例えば、HBVゲノムの別の配列を
標的とするHBV RNAi薬)。追加の治療は更に、小分子薬、抗体、抗体フラグメン
ト、及び/又はワクチンであり得る。HBV RNAi薬は、1つ又は複数の追加の治療
を伴っても伴わなくても、1つ又は複数の賦形剤と組み合わせて、医薬組成物を形成する
ことができる。
【0117】
いくつかの実施形態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望に
より、1つ又は複数の追加の治療と組み合わせられ、この追加の治療はヌクレオシド阻害
剤又はヌクレオチド阻害剤である。いくつかの実施形態において、記載されているHBV
RNAi薬(複数可)は所望により、1つ又は複数の追加の治療と組み合わせられ、こ
の追加の治療はエンテカビル、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソ
プロキシル、ラミブジン、又はその他の抗ウイルス治療である。いくつかの実施形態にお
いて、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望により、1つ又は複数の追加
の治療と組み合わせられ、この追加の治療はインターフェロンである。いくつかの実施形
態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望により、1つ又は複数
の追加の治療と組み合わせられ、この追加の治療はインターフェロンαである。いくつか
の実施形態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望により、1つ
又は複数の追加のHBV治療と組み合わせられ、この追加の治療はHBVワクチンである
【0118】
いくつかの実施形態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は所望に
より、1つ又は複数の追加の治療と、単一の用量形態に組み合わせられる(すなわち、単
回注射に含まれるカクテル)。いくつかの実施形態において、記載されているHBV R
NAi薬(複数可)は、1つ又は複数の所望による追加の治療とは別個に投与され得る。
いくつかの実施形態において、記載されているHBV RNAi薬(複数可)は、皮下注
射経由で、これらを必要としている対象に投与され、かつ、1つ又は複数の所望による追
加の治療は経口投与され、これらは合わせて、HBV感染に関連する疾患及び状態のため
の治療レジメンを提供する。いくつかの実施形態において、記載されているHBV RN
Ai薬(複数可)は、皮下注射経由で、これらを必要としている対象に投与され、かつ、
1つ又は複数の所望による追加の治療は、別の皮下注射経由で投与される。
【0119】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるのは、HBV RNAi薬をin
vivoで肝細胞に送達するための組成物であって、この組成物は、標的化基にコンジ
ュゲート又は連結されたHBV RNAi薬を含む。いくつかの実施形態において、この
標的化基はアシアロ糖タンパク質受容体リガンドである。いくつかの実施形態において、
HBV RNAi薬をin vivoで肝細胞に送達するための組成物が記述され、この
組成物は、N-アセチル-ガラクトサミン標的化リガンドに連結されたHBV RNAi
薬を含む。
【0120】
いくつかの実施形態において、記載されているHBV RNAi薬の1つ又は複数が、
製薬的に許容される担体又は希釈剤中で哺乳類に投与される。いくつかの実施形態におい
て、この哺乳類はヒトである。
【0121】
B型肝炎ウイルスRNAi薬(複数可)の使用は、HBV感染に関連する疾患/障害の
治療的処置及び/又は予防的処置のための方法を提供する。記載されているHBV RN
Ai薬は、RNA干渉を媒介して、B型肝炎ウイルスの複製及び/又は病原に必要な1つ
又は複数の遺伝子の発現を阻害する。特に、例えば、HBV RNAi薬は、細胞、組織
、又は哺乳類における、ウイルスポリメラーゼ、コアタンパク質、表面抗原、e抗原、及
び/又はXタンパク質を阻害し得る。HBV RNAi薬は、HBV感染の治療に使用す
ることができる。HBV RNAi薬は更に、HBV感染に関連する慢性肝疾患/障害、
炎症、線維化状態、及び増殖性疾患(癌など)の治療又は予防に使用することができる。
いくつかの実施形態において、この方法は更に、対象におけるD型肝炎ウイルス(HDV
)の治療を含む。そのような方法は、HBVに感染しているヒト又は動物に対して、HB
V RNAi薬を投与することを含む。更に、HBV RNAi薬を肝細胞にin vi
voで送達するための組成物が記述される。
【0122】
1つ又は複数のHBV RNAi薬を含む医薬組成物は、局所的又は全身的治療が望ま
しいかどうかに応じて、数多くの方法で投与することができる。投与は、静脈内投与、動
脈内投与、皮下投与、腹腔内投与、真皮下投与(例えば、インプラントされたデバイスを
介して)、及び実質内投与であり得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態に
おいて、本明細書に記載の医薬組成物は、皮下注射によって投与される。
【0123】
記載されているHBV RNAi薬及び/又は組成物は、HBV感染の治療処置、又は
、HBV感染に起因する疾患若しくは状態の治療処置のための方法に使用することができ
る。このような方法には、本明細書に記載のHBV RNAi薬を、対象(例えばヒト又
は動物の対象)に投与することが挙げられる。
【0124】
本明細書で使用されるとき、用語「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は
、連結されたヌクレオシドのポリマーを意味し、このそれぞれが独立に修飾又は非修飾で
あり得る。
【0125】
本明細書で使用されるとき、「RNAi薬」又は「RNAiトリガ」は、配列特異的な
方法で標的メッセンジャーRNA(mRNA)のmRNA転写物の翻訳を遅延又は阻害す
ることができる、RNA又はRNA様(例えば、化学修飾RNA)オリゴヌクレオチド分
子を含む組成物を意味する。本明細書で使用されるとき、RNAi薬は、RNA干渉メカ
ニズム(すなわち、哺乳類細胞のRNA干渉経路機構(RNA誘導サイレンシング複合体
、RISC)との相互作用によりRNA干渉を引き起こす)を介して、あるいは任意の代
替的なメカニズム(複数可)又は経路(複数可)によって、作用し得る。RNAi薬とい
う語は、本明細書で使用されるとき、主にRNA干渉メカニズムを介して作用すると考え
られるが、本開示のRNAi薬は、いかなる特定の経路又は作用メカニズムにも拘束され
るものではなく、またこれらに制限されるものではない。本明細書に開示されるRNAi
薬はセンス鎖及びアンチセンス鎖を含み、これには、短干渉RNA(siRNA)、二本
鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短ヘアピンRNA(shRN
A)、及びダイサー基質が挙げられるがこれらに制限されない。本明細書に記載のRNA
i薬のアンチセンス鎖は、標的となるmRNAに少なくとも部分的に相補的である。RN
Ai薬は、修飾ヌクレオチド及び/又は1つ若しくは複数の非ホスホジエステル結合を含
み得る。
【0126】
本明細書で使用されるとき、所与の遺伝子の発現に関する用語「サイレンス」、「低減
」、「阻害」、「ダウンレギュレーション」又は「ノックダウン」とは、その遺伝子の発
現が、遺伝子から転写されたRNAのレベル、あるいは、その遺伝子が転写される細胞、
細胞群、組織、臓器、又は対象において、mRNAから翻訳されたポリペプチド、タンパ
ク質又はタンパク質サブユニットのレベルによって測定される際、その細胞、細胞群、組
織、臓器、又は対象が、本明細書に記載されるRNAi薬などのオリゴマー化合物で治療
されたときに、そのように治療されていない第2の細胞、細胞群、組織、臓器、又は対象
に比べて、低減されていることを意味する。
【0127】
本明細書で使用されるとき、用語「配列」又は「ヌクレオチド配列」は、核酸塩基又は
ヌクレオチドの連続又は順序を意味し、標準命名法を用いて文字の連続で記述される。
【0128】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオチド塩基」又は「核酸塩基」は、複素環式ピリ
ミジン又はプリン化合物であり、これは全ての核酸の標準構成要素であり、ヌクレオチド
(アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、及びウラシル(U
))を形成する塩基を含む。核酸塩基は更に修飾されてよく、これには、ユニバーサル塩
基、疎水性塩基、無差別塩基(promiscuous base)、サイズ拡大塩基、及びフッ素化塩基
が挙げられるがこれらに限定されない。
【0129】
本明細書で使用されるとき、別途記載のない限り、用語「相補的」とは、第1のヌクレ
オチド配列(例えば、RNAi薬のセンス鎖又は標的mRNA)について第2のヌクレオ
チド配列(例えば、RNAi薬のアンチセンス鎖又は単鎖アンチセンスオリゴヌクレオチ
ド)との関連で記述するのに使用されるとき、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌク
レオチド又はポリヌクレオチドが、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又
はポリヌクレオチドと、特定の条件下において、ハイブリダイズ(哺乳類生理学的条件下
(又は類似のin vitro条件下)において塩基対水素結合を形成)して、デュプレ
ックス又は二重らせん構造を形成できることを意味する。相補的配列には、ワトソンクリ
ック塩基対又は非ワトソンクリック塩基対が含まれ、また、少なくとも上記のハイブリダ
イゼーション要件が充足される限りにおいて、天然ヌクレオチド若しくは修飾ヌクレオチ
ド又はヌクレオチド模倣体が含まれる。配列同一性又は相補性は、修飾に依存しない。例
えば、a及びAfはU(又はT)に対して相補的であり、同一性又は相補性を判定する目
的ではAと同一である。
【0130】
本明細書で使用されるとき、「完璧に相補的」又は「完全に相補的」とは、第1のポリ
ヌクレオチドの連続配列中の塩基の全て(100%)が、第2のポリヌクレオチドの連続
配列中の同じ数の塩基にハイブリダイズすることを意味する。連続配列は、第1又は第2
のヌクレオチド配列の全部又は一部を含み得る。
【0131】
本明細書で使用されるとき、「部分的に相補的」とは、ハイブリダイズした核酸塩基配
列の対において、第1のポリヌクレオチドの連続配列中の塩基の、全てではないが少なく
とも70%が、第2のポリヌクレオチドの連続配列中の同じ数の塩基にハイブリダイズす
ることを意味する。
【0132】
本明細書で使用されるとき、「実質的に相補的」とは、ハイブリダイズした核酸塩基配
列の対において、第1のポリヌクレオチドの連続配列中の塩基の、全てではないが少なく
とも約85%が、第2のポリヌクレオチドの連続配列中の同じ数の塩基にハイブリダイズ
することを意味する。用語「相補的」、「完全に相補的」、及び「実質的に相補的」は、
本明細書において、二本鎖RNAi薬のセンス鎖とアンチセンス鎖との間、RNAi薬の
アンチセンス鎖と標的mRNAの配列との間、又は、単鎖アンチセンスオリゴヌクレオチ
ドと標的mRNAの配列との間でマッチする塩基に関して使用され得る。
【0133】
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に同一」又は「実質的に同一性」は、核酸配
列に適用される際、核酸配列が、参照配列と比較して、少なくとも約85%以上、好まし
くは少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の配列同一性を有する
配列を含むことを意味する。配列同一性の百分率は、比較ウィンドウにわたって2つの最
適に揃えられた配列を比較することによって決定される。この百分率は、同じ核酸塩基が
両方の配列に生じる位置の数を求めることにより、一致した位置の数を得て、一致した位
置の数をウィンドウ内の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性の割合
(%)を得ることによって計算される。本明細書に開示される発明は、例えば表2、3、
及び4において本明細書に開示されるヌクレオチド配列と実質的に同一なヌクレオチド配
列を包含する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される配列は、例えば表1
、2、3及び4において本明細書に開示される配列と、正確に同一であるか、又は少なく
とも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、9
4%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一である。
【0134】
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」、「治療」、及び同様の語は、対象にお
ける疾患又は状態の1つ又は複数の症状の回数、重篤度、及び/又は頻度の軽減又は緩和
を提供するために行われる方法又は工程を意味する。
【0135】
本明細書で使用されるとき、オリゴマー化合物に関して「細胞に導入する」という語句
は、このオリゴマー化合物を細胞内に機能的に送達することを意味する。「機能的に送達
」という語句は、オリゴマー化合物が期待される生物学的活性(遺伝子発現の配列特異的
阻害)を有することを可能にする手段で、細胞内にそのオリゴマー化合物を送達すること
を意味する。
【0136】
別途記載のない限り、記号
【0137】
【化33】
の使用は、本明細書で使用されるとき、本明細書に記載される本発明の範囲に従ってそ
こに連結され得る任意の基(複数可)を意味する。
【0138】
本明細書で使用されるとき、用語「異性体」は、同一の分子式を有するが、それらの原
子の結合の性質又は配列が異なるか、又は空間における原子の配置が異なる、化合物を意
味する。空間におけるその原子の配置において異なる異性体を、「立体異性体」と呼ぶ。
互いの鏡像ではない立体異性体を、「ジアステレオマー」と呼び、重ね合わせられない鏡
像である立体異性体を、「エナンチオマー」又は時に光学異性体と呼ぶ。4つの非同一置
換基に結合した炭素原子は、「キラル中心」と呼ばれる。
【0139】
本明細書で使用されるとき、特定のコンフォメーションを有するものとして構造中で特
定されている場合を除き、非対称中心が存在し、よってエナンチオマー、ジアステレオマ
ー、又はその他の立体異性配置が生じるような各構造について、本明細書に開示される各
構造は、そのような可能な異性体全てを表わすことが意図され、これにはその光学的に純
粋な形態及びラセミ体が含まれる。例えば、本明細書に開示される構造は、ジアステレオ
マーの混合物、並びに単独の立体異性体を包含することが意図される。
【0140】
本出願の請求項に使用されるとき、「からなる」という語句は、請求項に特定されてい
ない要素、工程、又は成分を除外する。本出願の請求項に使用されるとき、「から本質的
になる」という語句は、特定される材料又は工程、並びに、請求される特許の基本的かつ
新しい特徴(複数可)に実質的に影響しないものに、特許請求の範囲を制限する。
【0141】
本明細書に開示される化合物及び組成物は、その化合物又は組成物が置かれている環境
に応じて、特定の原子(例えば、N、O、又はS原子)をプロトン化状態又は脱プロトン
化状態で有し得ることが、当業者には容易に理解され評価されるであろう。したがって、
本明細書で使用されるとき、本明細書に開示される構造は、特定の官能基(例えば、OH
、SH、又はNH)がプロトン化又は脱プロトン化し得ることが想定される。本明細書の
開示は、当業者には容易に理解され得るように、環境(例えばpH)に基づくプロトン化
の状態にかかわらず、開示された化合物及び組成物を包含することが意図される。
【0142】
特に定義されない限り、本明細書で用いる技術的及び科学的な用語は全て、当業者によ
って共通に解釈されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様又
は同等の方法及び材料を本発明を実施又は試験するために使用することが可能であるが、
好適な方法及び材料を以下に記載する。本明細書において言及される出版物、特許出願、
特許、及びその他の参考文献は全て、その全体が参照により組み込まれるものとする。矛
盾がある場合には、定義を含め、本明細書が適用される。加えて、材料、方法、及び実施
例は、単に例示的なものであり、限定することを意図するものではない。
【0143】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」、並びに特許請求
の範囲から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0144】
本明細書に記述されるのは、B型肝炎ウイルス(HBV)の発現を阻害するためのRN
Ai薬である(本明細書においてHBV RNAi薬又はHBV RNAiトリガと呼ば
れる)。各HBV RNAi薬は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。センス鎖とアン
チセンス鎖はそれぞれ、16~30ヌクレオチド長であり得る。いくつかの実施形態にお
いて、センス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ、17~26ヌクレオチド長であり得る。
センス鎖及びアンチセンス鎖は、同じ長さ又は異なる長さのいずれでもあり得る。いくつ
かの実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ独立に17~26ヌクレ
オチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ
独立に17~21ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖及びア
ンチセンス鎖の両方が、それぞれ21~26ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態
において、センス鎖は約19ヌクレオチド長、アンチセンス鎖は約21ヌクレオチド長で
ある。いくつかの実施形態において、センス鎖は約21ヌクレオチド長、アンチセンス鎖
は約23ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖及びアンチセン
ス鎖の両方が、それぞれ26ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、RN
Ai薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ独立に17、18、19、20、21、
22、23、24、25、又は26ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において
、二本鎖RNAi薬は、約16、17、18、19、20、21、22、23又は24ヌ
クレオチドのデュプレックス長を有する。センス鎖とアンチセンス鎖との間の、完全又は
実質的に相補性の領域は、典型的に15~25(例えば、15、16、17、18、19
、20、21、22、23、24、又は25)ヌクレオチド長であり、これは、アンチセ
ンス鎖の5’末端位置又はその近くに生じる(例えば、この領域は、アンチセンス鎖の5
’末端から、完全又は実質的に相補的でない0、1、2、3、又は4個のヌクレオチドに
よって隔てられていてよい)。
【0145】
センス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ、核酸塩基16~23個の長さであるコアスト
レッチ配列を含む。アンチセンス鎖コアストレッチ配列は、HBV mRNA標的に存在
するヌクレオチド配列(時に例えば、標的配列と呼ばれる)に対して、100%(完全に
)相補的又は少なくとも約85%(実質的に)相補的である。センス鎖コアストレッチ配
列は、アンチセンス鎖のコアストレッチ配列に対して100%(完全に)相補的又は少な
くとも約85%(実質的に)相補的であり、よって、センス鎖コアストレッチ配列は、H
BV mRNA標的に存在するヌクレオチド配列(標的配列)に対して、完全に同一又は
少なくとも約85%同一である。センス鎖コアストレッチ配列は、対応するアンチセンス
コア配列と同じ長さであってよく、又は異なる長さであってもよい。いくつかの実施形態
において、アンチセンス鎖コアストレッチ配列は、16、17、18、19、20、21
、22、又は23ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖コアス
トレッチ配列は、16、17、18、19、20、21、22、又は23ヌクレオチド長
である。
【0146】
HBV RNAi薬を形成するのに使用されるセンス鎖及びアンチセンス鎖ヌクレオチ
ド配列の実施例が、表3及び4に提供される。表3及び4のヌクレオチド配列を含むRN
Ai薬デュプレックスの実施例が、表5に提供される。
【0147】
HBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖がアニーリングしてデュプレックス
を形成する。HBV RNAi薬のセンス鎖とアンチセンス鎖とは、部分的に、実質的に
、又は完全に、互いに対して相補的であり得る。相補的デュプレックス領域において、セ
ンス鎖コアストレッチ配列は、アンチセンスコアストレッチ配列に対して、少なくとも約
85%相補的、又は100%相補的である。いくつかの実施形態において、センス鎖コア
ストレッチ配列は、アンチセンス鎖コアストレッチ配列の対応する16、17、18、1
9、20、又は21個のヌクレオチド配列に対して、少なくとも約85%又は100%相
補的な、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、
少なくとも20個、又は少なくとも21個のヌクレオチドの配列を含む(すなわち、HB
V RNAi薬のセンス鎖及びアンチセンスコアストレッチ配列は、少なくとも85%の
塩基が対になった、又は100%の塩基が対になった、少なくとも16個、少なくとも1
7個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、又は少なくとも21個
のヌクレオチド領域を有する)。
【0148】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬のアンチセン
ス鎖は、表2又は表3のいずれかのアンチセンス鎖配列から、0、1、2、又は3個のヌ
クレオチドが異なる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RN
Ai薬のセンス鎖は、表2又は表4のいずれかのセンス鎖配列から、0、1、2、又は3
個のヌクレオチドが異なる。
【0149】
本明細書に記載されるHBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖の長さは、独
立に16~30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖及びアン
チセンス鎖は独立に17~26ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、セ
ンス鎖及びアンチセンス鎖は19~26ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態にお
いて、記載されるRNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖は独立に17、18、19、
20、21、22、23、24、25、又は26ヌクレオチド長である。センス鎖及びア
ンチセンス鎖は、同じ長さ又は異なる長さのいずれでもあり得る。いくつかの実施形態に
おいて、センス鎖及びアンチセンス鎖はそれぞれ26ヌクレオチド長である。いくつかの
実施形態において、センス鎖は23ヌクレオチド長、アンチセンス鎖は21ヌクレオチド
長である。いくつかの実施形態において、センス鎖は22ヌクレオチド長、アンチセンス
鎖は21ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、センス鎖は21ヌクレオ
チド長、アンチセンス鎖は21ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、セ
ンス鎖は19ヌクレオチド長、アンチセンス鎖は21ヌクレオチド長である。
【0150】
センス鎖及び/又はアンチセンス鎖は、任意にかつ独立に、コア配列の3’末端、5’
末端、又は3’末端と5’末端の両方に、追加の1、2、3、4、5、又は6個のヌクレ
オチド(延長部)を含み得る。アンチセンス鎖の追加のヌクレオチドがある場合は、HB
V mRNAの対応する配列に対して相補的であってもよく、また相補的でなくてもよい
。センス鎖の追加のヌクレオチドがある場合は、HBV mRNAの対応する配列に対し
て同一であってもよく、また同一でなくてもよい。アンチセンス鎖の追加のヌクレオチド
がある場合は、対応するセンス鎖の追加のヌクレオチドがある場合、これに対して相補的
であってもよく、また相補的でなくてもよい。
【0151】
本明細書で使用されるとき、延長部は、センス鎖コアストレッチ配列及び/又はアンチ
センス鎖コアストレッチ配列の5’及び/又は3’末端に、1、2、3、4、5、又は6
個のヌクレオチドを含む。センス鎖の延長部ヌクレオチドは、対応するアンチセンス鎖の
ヌクレオチド(コアストレッチ配列ヌクレオチド、又は延長部ヌクレオチドのいずれか)
に対して、相補的であってもよく、また相補的でなくてもよい。逆に、アンチセンス鎖の
延長部ヌクレオチドは、対応するセンス鎖のヌクレオチド(コアストレッチ配列ヌクレオ
チド、又は延長部ヌクレオチドのいずれか)に対して、相補的であってもよく、また相補
的でなくてもよい。いくつかの実施形態において、RNAi薬のセンス鎖及びアンチセン
ス鎖の両方が、3’及び5’延長部を含む。いくつかの実施形態において、一方の鎖の1
つ又は複数の3’延長部ヌクレオチドは、他方の鎖の1つ又は複数の5’延長部ヌクレオ
チドと、塩基対となる。他の実施形態において、一方の鎖の1つ又は複数の3’延長部ヌ
クレオチドは、他方の鎖の1つ又は複数の5’延長部ヌクレオチドと、塩基対とはならな
い。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、3’延長部を有するアンチセ
ンス鎖と、5’延長部を有するセンス鎖とを有する。
【0152】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1、2、3、4、5、又は6ヌ
クレオチド長の3’延長部を有するアンチセンス鎖を含む。他の実施形態において、HB
V RNAi薬は、1、2、又は3ヌクレオチド長の3’延長部を有するアンチセンス鎖
を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のアンチセンス鎖延長部ヌクレオチ
ドは、ウラシル又はチミジンヌクレオチド、又は、対応するHBV mRNA配列に対し
て相補的なヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、3’アンチセンス鎖延長
部は、AUA、UGCUU、CUG、UG、UGCC、CUGCC、CGU、CUU、U
GCCUA、CUGCCU、UGCCU、UGAUU、GCCUAU、T、TT、U、U
U(それぞれ5’→3’で記載)を含むか又はこれらからなるが、これらに限定されない
【0153】
いくつかの実施形態において、アンチセンス鎖の3’末端は、追加の塩基脱落ヌクレオ
シド(Ab)を含み得る。いくつかの実施形態において、Ab又はAbAbが、アンチセ
ンス鎖の3’末端に追加され得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1、2、3、4、又は5ヌクレ
オチド長の5’延長部を有するアンチセンス鎖を含む。他の実施形態において、HBV
RNAi薬は、1又は2ヌクレオチド長の5’延長部を有するアンチセンス鎖を含む。い
くつかの実施形態において、1つ又は複数のアンチセンス鎖延長部ヌクレオチドは、対応
するHBV mRNA配列に対して相補的なウラシル又はチミジンヌクレオチド又はヌク
レオチドを含む。いくつかの実施形態において、5’アンチセンス鎖延長部は、UA、T
U、U、T、UU、TT、CUC(それぞれ5’→3’で記載)を含むか又はこれらから
なるが、これらに限定されない。アンチセンス鎖は、記述される5’アンチセンス鎖延長
部(存在する場合)と組み合わせて、上述の3’延長部のいずれかの者を有し得る。
【0155】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1、2、3、4、又は5ヌクレ
オチド長の3’延長部を有するセンス鎖を含む。いくつかの実施形態において、1つ又は
複数のセンス鎖延長部ヌクレオチドは、アデノシン、ウラシル、又はチミジンヌクレオチ
ド、ATジヌクレオチド、又はHBV mRNA配列のヌクレオチドに対応するヌクレオ
チドを含む。いくつかの実施形態において、3’センス鎖延長部は、T、UT、TT、U
U、UUT、TTT、又はTTTT(それぞれ5’→3’で記載)を含むか又はこれらか
らなるが、これらに限定されない。
【0156】
いくつかの実施形態において、センス鎖の3’末端は、追加の塩基脱落ヌクレオシドを
含み得る。いくつかの実施形態において、UUAb、UAb、又はAbが、センス鎖の3
’末端に追加され得る。いくつかの実施形態において、センス鎖の3’末端に追加された
1つ又は複数の塩基脱落ヌクレオシドが、逆向きになり得る(invAb)。いくつかの
実施形態において、1つ又は複数の逆向き塩基脱落ヌクレオシドが、標的化リガンドと、
RNAi薬のセンス鎖の核酸塩基配列との間に挿入され得る。いくつかの実施形態におい
て、1つ又は複数の逆向き塩基脱落ヌクレオシドを、RNAi薬のセンス鎖の末端(複数
可)位置又はその近くに含めることによって、RNAi薬の活性強化又は他の望ましい特
性が可能になり得る。
【0157】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1、2、3、4、5,又は6ヌ
クレオチド長の5’延長部を有するセンス鎖を含む。いくつかの実施形態において、1つ
又は複数のセンス鎖延長部ヌクレオチドは、ウラシル又はアデノシンヌクレオチド、又は
HBV mRNA配列のヌクレオチドに対応するヌクレオチドを含む。いくつかの実施形
態において、センス鎖5’延長部は、CA、AUAGGC、AUAGG、AUAG、AU
A、A、AA、AC、GCA、GGCA、GGC、UAUCA、UAUC、UCA、UA
U、U、UU(それぞれ5’→3’で記載)であり得るが、これらに限定されない。セン
ス鎖は、3’延長部及び/又は5’延長部を有し得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、センス鎖の5’末端は、追加の塩基脱落ヌクレオシド(
Ab)又は複数の塩基脱落ヌクレオシド(AbAb)を含み得る。いくつかの実施形態に
おいて、センス鎖の5’末端に追加された1つ又は複数の塩基脱落ヌクレオシドが、逆向
きになり得る(invAb)。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の逆向き塩基
脱落ヌクレオシドが、標的化リガンドと、RNAi薬のセンス鎖の核酸塩基配列との間に
挿入され得る。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の逆向き塩基脱落ヌクレオシ
ドを、RNAi薬のセンス鎖の末端(複数可)位置又はその近くに含めることによって、
RNAi薬の活性強化又は他の望ましい特性が可能になり得る。
【0159】
HBV RNAi薬を形成するのに使用されるヌクレオチド配列の実施例が、表3及び
4に提供される。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のアンチセンス鎖は
、表3の配列のいずれかのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HB
V RNAi薬のアンチセンス鎖は、表3の配列のいずれかの1-17、2-15、2-
17、1-18、2-18、1-19、2-19、1-20、2-20、1-21、2-
21、1-22、2-22、1-23、2-23、1-24、2-24、1-25、2-
25、1-26、又は2-26のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において
、HBV RNAi薬のセンス鎖は、表4の配列のいずれかのヌクレオチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセンス鎖は、表4の配列のいずれか
の1-18、1-19、1-20、1-21、1-22、1-23、1-24、1-25
、1-26、2-19、2-20、2-21、2-22、2-23、2-24、2-25
、2-26、3-20、3-21、3-22、3-23、3-24、3-25、3-26
、4-21、4-22、4-23、4-24、4-25、4-26、5-22、5-23
、5-24、5-25、5-26、6-23、6-24、6-25、6-26、7-24
、7-25、7-25、8-25、8-26のヌクレオチド配列を含む。
【0160】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるRNAi薬のセンス鎖及びアンチ
センス鎖は、同じヌクレオチド数を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載
されるRNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、異なるヌクレオチド数を含む。いく
つかの実施形態において、RNAi薬のセンス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の3’末
端は、平滑末端を形成する。いくつかの実施形態において、RNAi薬のセンス鎖の3’
末端及びアンチセンス鎖の5’末端は、平滑末端を形成する。いくつかの実施形態におい
て、RNAi薬の両端は、平滑末端を形成する。いくつかの実施形態において、RNAi
薬のいずれの末端も平滑末端ではない。本明細書で使用されるとき、平滑末端とは、RN
Ai薬の二本鎖の端で、2本のアニーリングされた鎖の末端ヌクレオチドが相補的である
(相補的塩基対を形成している)ことを意味する。いくつかの実施形態において、RNA
i薬のセンス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の3’末端は、フレイド末端(frayed end
)を形成する。いくつかの実施形態において、RNAi薬のセンス鎖の3’末端及びアン
チセンス鎖の5’末端は、フレイド末端を形成する。いくつかの実施形態において、RN
Ai薬の両端は、フレイド末端を形成する。いくつかの実施形態において、RNAi薬の
いずれの端も、フレイド末端ではない。本明細書で使用されるとき、フレイド末端とは、
RNAi薬の二本鎖の端で、2本のアニーリングされた鎖の末端ヌクレオチドが対を形成
する(すなわちオーバーハングを形成しない)が、相補的ではない(すなわち、非相補的
対を形成する)ことを意味する。本明細書で使用されるとき、オーバーハングとは、二本
鎖RNAi薬の一方の鎖の末端にある、1つ又は複数の非対ヌクレオチドのストレッチで
ある。非対ヌクレオチドは、センス鎖上又はアンチセンス鎖上にあってよく、3’又は5
’オーバーハングのいずれかを形成する。いくつかの実施形態において、RNAi薬は、
平滑末端及びフレイド末端、平滑末端及び5’オーバーハング末端、平滑末端及び3’オ
ーバーハング末端、フレイド末端及び5’オーバーハング末端、フレイド末端及びa3’
オーバーハング末端、2つの5’オーバーハング末端、2つの3’オーバーハング末端、
5’オーバーハング末端及び3’オーバーハング末端、2つのフレイド末端、又は2つの
平滑末端を含む。
【0161】
ヌクレオチド塩基(核酸塩基)は、複素環式ピリミジン又はプリン化合物であり、これ
は全ての核酸の構成要素であり、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チ
ミン(T)、及びウラシル(U)を含む。本明細書で使用されるとき、用語「ヌクレオチ
ド」は、修飾ヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド模倣体、塩基脱落部位(Ab)、又は
代理置換部分)を含み得る。修飾ヌクレオチドは、様々なポリヌクレオチド又はオリゴヌ
クレオチド構造体に使用されるとき、化合物の血清安定性を高めると同時に、細胞中でそ
の化合物の活性を維持することができ、更に、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド
構造体の投与時に、ヒト体内でのインターフェロン活性を活性化する可能性を最小限に抑
えることができる。
【0162】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、塩、混合塩、又は遊離酸として
調製又は提供される。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬はナトリウム塩
として調製される。このような形態は、本明細書で開示される本発明の範囲内である。
【0163】
修飾ヌクレオチド
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1つ又は複数の修飾ヌクレオチ
ドを含む。本明細書で使用されるとき、「修飾ヌクレオチド」は、リボヌクレオチド(2
’-ヒドロキシルヌクレオチド)以外のヌクレオチドである。いくつかの実施形態におい
て、少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80
%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少な
くとも99%、又は100%)のヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである。本明細書で
使用されるとき、修飾ヌクレオチドには、デオキシリボヌクレオチド、ヌクレオチド模倣
体、塩基脱落ヌクレオチド(本明細書においてAbと表わされる)、2’-修飾ヌクレオ
チド、3’-3’連結(逆向き)ヌクレオチド(本明細書においてinvdN、invN
、invn、invAbと表わされる)、非天然塩基含有ヌクレオチド、架橋ヌクレオチ
ド、ペプチド核酸(PNA)、2’,3’-secoヌクレオチド模倣体(アンロックト
核酸塩基類似体、本明細書においてNUNA又はNUNAと表わされる)、ロックトヌク
レオチド(本明細書においてNLNA又はNLNAと表わされる)、3’-O-メトキシ
(2’ヌクレオシド間連結)ヌクレオチド(本明細書において3’-OMenと表わされ
る)、2’-F-アラビノヌクレオチド(本明細書においてNfANA又はNfANA
表わされる)、5’-Me、2’-フルオロヌクレオチド(本明細書において5Me-N
fと表わされる)、モルホリノヌクレオチド、ビニルホスホネートデオキシリボヌクレオ
チド(本明細書においてvpdNと表わされる)、ビニルホスホネート含有ヌクレオチド
、及びシクロプロピルホスホネート含有ヌクレオチド(cPrpN)が挙げられるがこれ
らに限定されない。2’-修飾ヌクレオチド(すなわち、糖五員環の2’位置にヒドロキ
シル基以外の基があるヌクレオチド)には、2’-O-メチルヌクレオチド(本明細書に
おいてヌクレオチド配列中で小文字の「n」と表わされる)、2’-デオキシ-2’-フ
ルオロヌクレオチド(本明細書においてNf、また2’-フルオロヌクレオチドと表わさ
れる)、2’-デオキシヌクレオチド(本明細書においてdNと表わされる)、2’-メ
トキシエチル(2’-O-2-メトキシルエチル)ヌクレオチド(本明細書においてNM
又は2’-MOEと表わされる)、2’-アミノヌクレオチド、及び2’-アルキルヌク
レオチドが挙げられるがこれらに限定されない。所与の化合物中の全ての位置を均一に修
飾する必要はない。逆に、複数の修飾を、単一のHBV RNAi薬、又は更にはその単
一のヌクレオチド中に組み込むことができる。HBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチ
センス鎖は、当該技術分野で周知の方法により、合成及び/又は修飾することができる。
あるヌクレオチドでの修飾は、別のヌクレオチドでの修飾とは無関係である。
【0164】
修飾核酸塩基には、合成及び天然のヌクレオ塩基が含まれ、これには、5-置換ピリミ
ジン、6-アザピリミジン及びN-2、N-6及びO-6置換プリン、(例えば、2-ア
ミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、又は5-プロピニルシトシン)、5-
メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキ
サンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-アルキル(例えば、6-メ
チル、6-エチル、6-イソプロピル、又は6-n-ブチル)誘導体、アデニン及びグア
ニンの2-アルキル(例えば、2-メチル、2-エチル、2-イソプロピル、又は2-n
-ブチル)及びその他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオ
シトシン、5-ハロウラシル、シトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシト
シン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(プソイド
ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-スルフヒドリル、8-チオ
アルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば
、5-ブロモ)、5-トリフルオロメチル、及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7
-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7
-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、及び3-デアザアデニン
が挙げられる。
【0165】
いくつかの実施形態において、RNAi薬の全て又は実質的に全てのヌクレオチドが修
飾ヌクレオチドである。本明細書で使用されるとき、実質的に全てのヌクレオチドが修飾
ヌクレオチドであるRNAi薬は、リボヌクレオチドとなるセンス鎖及びアンチセンス鎖
の両方において、4個以下の(すなわち、0、1、2、3、又は4個の)ヌクレオチドを
有するRNAi薬である。本明細書で使用されるとき、実質的に全てのヌクレオチドが修
飾ヌクレオチドであるセンス鎖は、リボヌクレオチドとなるセンス鎖において、2つ以下
の(すなわち、0、1、又は2個の)修飾ヌクレオチドを有するセンス鎖である。本明細
書で使用されるとき、実質的に全てのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドであるアンチセン
ス鎖は、リボヌクレオチドとなるセンス鎖において、2つ以下の(すなわち、0、1、又
は2個の)修飾ヌクレオチドを有するアンチセンス鎖である。いくつかの実施形態におい
て、RNAi薬の1つ又は複数のヌクレオチドがリボヌクレオチドである。
【0166】
修飾ヌクレオシド間連結
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬の1つ又は複数のヌクレオチドは、
非標準的な連結又は骨格鎖により連結している(すなわち、修飾ヌクレオシド間連結又は
修飾骨格鎖)。いくつかの実施形態において、修飾ヌクレオシド間連結は、リン酸塩非含
有の共有結合ヌクレオシド間連結である。修飾ヌクレオシド間連結又は骨格鎖には、5’
-ホスホロチオエート基(本明細書において小文字の「s」と表わされる)、キラルホス
ホロチオエート、チオホスフェート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミ
ノアルキル-ホスホトリエステル、アルキルホスホネート(例えば、メチルホスホネート
又は3’-アルキレンホスホネート)、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロ
アミダート(例えば、3’-アミノホスホロアミダート、アミノアルキルホスホロアミダ
ート、又はチオノホスホロアミダート)、チオノアルキル-ホスホネート、チオノアルキ
ルホスホトリエステル、モルホリノ連結、通常の3’-5’連結を有するボラノホスフェ
ート、ボラノホスフェートの2’-5’連結類似体、又は逆向きの極性を有するボラノホ
スフェート(隣接するヌクレオシド対単位が、3’-5’対5’-3’、又は2’-5’
対5’-2’)が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、修
飾ヌクレオシド間連結又は骨格鎖は、リン原子を有さない。リン原子を有さない修飾ヌク
レオシド間連結には、短鎖アルキル又はシクロアルキル糖間連結、混合ヘテロ原子及びア
ルキル又はシクロアルキル糖間連結、あるいは、1つ又は複数の短鎖ヘテロ原子又は複素
環式糖間連結が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、修飾
ヌクレオシド間骨格鎖には、シロキサン骨格鎖、スルフィド骨格鎖、スルホキシド骨格鎖
、スルホン骨格鎖、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格鎖、メチレンホルムアセ
チル及びチオホルムアセチル骨格鎖、アルケン含有骨格鎖、スルファメート骨格鎖、メチ
レンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格鎖、スルホネート及びスルホンアミド骨格鎖、ア
ミド骨格鎖、及びN、O、S、及びCH成分を有するその他の骨格鎖が挙げられるがこ
れらに限定されない。
【0167】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセンス鎖は、1、2、3、4、5
、又は6個のホスホロチオエート連結を含み得、HBV RNAi薬のアンチセンス鎖は
1、2、3、4、5、又は6個のホスホロチオエート連結を含み得、又は、センス鎖及び
アンチセンス鎖の両方が独立に1、2、3、4、5、又は6個のホスホロチオエート連結
を含み得る。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセンス鎖は、1、2、
3、又は4個のホスホロチオエート連結を含み得、HBV RNAi薬のアンチセンス鎖
は1、2、3、又は4個のホスホロチオエート連結を含み得、又は、センス鎖及びアンチ
センス鎖の両方が独立に1、2、3、又は4個のホスホロチオエート連結を含み得る。
【0168】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセンス鎖は、少なくとも2つのホ
スホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも
2つのホスホロチオエートヌクレオシド間連結は、センス鎖の3’末端から位置1~3の
ヌクレオチド間にある。いくつかの実施形態において少なくとも2つのホスホロチオエー
トヌクレオシド間連結は、センス鎖の5’末端から位置1~3、2~4、3~5、4~6
、4~5、又は6~8のヌクレオチド間にある。いくつかの実施形態において、HBV
RNAi薬のアンチセンス鎖は、4つのホスホロチオエートヌクレオシド間連結を含む。
いくつかの実施形態において、この4つのホスホロチオエートヌクレオシド間連結は、セ
ンス鎖の5’末端から位置1~3のヌクレオチド間、及び、5’末端から位置19~21
、20~22、21~23、22~24、23~25、又は24~26のヌクレオチド間
にある。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、センス鎖に少なくとも2
つのホスホロチオエートヌクレオシド間連結と、アンチセンス鎖に3つ又は4つのホスホ
ロチオエートヌクレオシド間連結とを含む。
【0169】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1つ又は複数の修飾ヌクレオチ
ド、及び1つ又は複数の修飾ヌクレオシド間連結を含む。いくつかの実施形態において、
2’-修飾ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシド間連結と組み合わせられる。
【0170】
HBV RNAi薬
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、下記の表
1に示すHBVゲノムの位置にある又はその近くにあるHBV遺伝子を標的とする。いく
つかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬のアンチセンス鎖は
、表1に開示される標的HBV 19-mer配列に対して完全に、実質的に、又は少な
くとも部分的に相補的なコアストレッチ配列を含む。
【0171】
【表1】
【0172】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、アンチセンス鎖(5’→3’)
の位置19が、表1に開示される19-mer標的配列の位置1と塩基対を形成すること
ができるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、
アンチセンス鎖(5’→3’)の位置1が、表1に開示される19-mer標的配列の位
置19と塩基対を形成することができるアンチセンス鎖を含む。
【0173】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、アンチセンス鎖(5’→3’)
の位置2が、表1に開示される19-mer標的配列の位置18と塩基対を形成すること
ができるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、
アンチセンス鎖(5’→3’)の位置2~18が、表1に開示される19-mer標的配
列の位置18~2に位置する各相補的塩基それぞれと塩基対を形成することができるアン
チセンス鎖を含む。
【0174】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、以下の表2に示すコア19-m
erヌクレオチド配列を含む。
【0175】
【表2】
【0176】
表2のヌクレオチド配列を含むか又はこれらからなるHBV RNAi薬のセンス鎖及
びアンチセンス鎖は、修飾ヌクレオチド又は非修飾ヌクレオチドであり得る。いくつかの
実施形態において、表2のヌクレオチド配列を含むか又はこれらからなるセンス鎖配列及
びアンチセンス鎖配列を有するHBV RNAi薬は、全て又は実質的に全て修飾ヌクレ
オチドである。
【0177】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬のアンチセン
ス鎖は、表2のいずれかのアンチセンス鎖配列から、0、1、2、又は3個のヌクレオチ
ドが異なる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬の
センス鎖は、表2のいずれかのセンス鎖配列から、0、1、2、又は3個のヌクレオチド
が異なる。
【0178】
修飾HBV RNAi薬アンチセンス鎖配列、並びにその基盤となる非修飾配列が、表
3に提供される。修飾HBV RNAi薬のセンス鎖、並びにその基盤となる非修飾配列
が、表4に提供される。HBV RNAi薬の形成において、表3及び4に列記されてい
る非修飾配列のそれぞれにおける各ヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドであり得る。
【0179】
本明細書で使用されるとき(表3及び4を含む)、修飾ヌクレオチド、標的化基、及び
連結基を示すのに、下記の命名法が使用される。当業者には容易に理解され得るように、
配列により別途記載のない限り、オリゴヌクレオチド中に存在するとき、モノマーは5’
-3’-ホスホジエステル結合により相互に連結される。
A=アデノシン-3’-ホスフェート
C=シチジン-3’-ホスフェート
G=グアノシン-3’-ホスフェート
U=ウリジン-3’-ホスフェート
n=任意の2’-OMe修飾ヌクレオチド
a=2’-O-メチルアデノシン-3’-ホスフェート
as=2’-O-メチルアデノシン-3’-ホスホロチオエート
c=2’-O-メチルシチジン-3’-ホスフェート
cs=2’-O-メチルシチジン-3’-ホスホロチオエート
g=2’-O-メチルグアノシン-3’-ホスフェート
gs=2’-O-メチルグアノシン-3’-ホスホロチオエート
t=2’-O-メチル-5-メチルウリジン-3’-ホスフェート
ts=2’-O-メチル-5-メチルウリジン-3’-ホスホロチオエート
u=2’-O-メチルウリジン-3’-ホスフェート
us=2’-O-メチルウリジン-3’-ホスホロチオエート
Nf=任意の2’-フルオロ修飾ヌクレオチド
Af=2’-フルオロアデノシン-3’-ホスフェート
Afs=2’-フルオロアデノシン-3’-ホスホロチオエート
Cf=2’-フルオロシチジン-3’-ホスフェート
Cfs=2’-フルオロシチジン-3’-ホスホロチオエート
Gf=2’-フルオログアノシン-3’-ホスフェート
Gfs=2’-フルオログアノシン-3’-ホスホロチオエート
Tf=2’-フルオロ-5’-メチルウリジン-3’-ホスフェート
Tfs=2’-フルオロ-5’-メチルウリジン-3’-ホスホロチオエート
Uf=2’-フルオロウリジン-3’-ホスフェート
Ufs=2’-フルオロウリジン-3’-ホスホロチオエート
dN=任意の2’-デオキシリボヌクレオチド
dT=2’-デオキシチミジン-3’-ホスフェート
UNA=2’,3’-secoヌクレオチド模倣体(アンロックト核酸塩基類似体)
LNA=ロックトヌクレオチド
NfANA=2’-F-アラビノヌクレオチド
NM=2’-メトキシエチルヌクレオチド
AM=2’-メトキシエチルアデノシン-3’-ホスフェート
AMs=2’-メトキシエチルアデノシン-3’-ホスホロチオエート
TM=2’-メトキシエチルチミジン-3’-ホスフェート
TMs=2’-メトキシエチルチミジン-3’-ホスホロチオエート
R=リビトール
(invdN)=任意の逆向きデオキシリボヌクレオチド(3’-3’連結ヌクレオチ
ド)
(invAb)=逆向き(3’-3’連結)塩基脱落デオキシリボヌクレオチド、表6
参照
(invAb)s=逆向き(3’-3’連結)塩基脱落デオキシリボヌクレオチド-5
’-ホスホロチオエート、表6参照
(invn)=任意の逆向き2’-OMeヌクレオチド(3’-3’連結ヌクレオチド

s=ホスホロチオエート連結
vpdN=ビニルホスホネートデオキシリボヌクレオチド
(5Me-Nf)=5’-Me、2’-フルオロヌクレオチド
cPrp=シクロプロピルホスホネート、表6参照
epTcPr=表6参照
epTM=表6参照
【0180】
当業者には、所与のオリゴヌクレオチド配列の3’末端にある末端ヌクレオチドは典型
的に、ex vivoでホスフェート部分の代わりに、所与のモノマーのそれぞれの3’
位置に、ヒドロキシル(-OH)基を有することが容易に理解されよう。よって例えば、
上記AD05070の構造表示に示されているように、AM06606-ASのアンチセ
ンス鎖の3’末端にある「g」修飾ヌクレオチドは、3’位置にあるヒドロキシル基を有
する。本明細書に開示されるHBV RNAi薬、及びHBV RNAi薬の組成物の記
述には、本明細書で別途記載のない限り、当業者によるそのような理解が使用される。
【0181】
標的化基及び連結基には、(PAZ)、(NAG13)、(NAG13)s、(NAG
18)、(NAG18)s、(NAG24)、(NAG24)s、(NAG25)、(N
AG25)s、(NAG26)、(NAG26)s、(NAG27)、(NAG27)s
、(NAG28)、(NAG28)s、(NAG29)、(NAG29)s、(NAG3
0)、(NAG30)s、(NAG31)、(NAG31)s、(NAG32)、(NA
G32)s、(NAG33)、(NAG33)s、(NAG34)、(NAG34)s、
(NAG35)、(NAG35)s、(NAG36)、(NAG36)s、(NAG37
)、(NAG37)s、(NAG38)、(NAG38)s、(NAG39)、(NAG
39)sが挙げられ、これらの化学構造は表6に提供される。各センス鎖及び/又はアン
チセンス鎖は、上記の任意の標的化基又は連結基、並びに他の標的化基又は連結基を有し
得、これらは配列の5’及び/又は3’末端にコンジュゲートされる。
【0182】
【表3-1】
【0183】
【表3-2】
【0184】
【表3-3】
【0185】
【表4-1】
【0186】
【表4-2】
【0187】
【表4-3】
【0188】
本明細書に記載のHBV RNAi薬は、センス鎖でアンチセンス鎖をアニーリングす
ることによって形成される。表4に記載される配列を含むセンス鎖は、表3に記載される
配列を含む任意のアンチセンス鎖に対し、この2つの配列が、連続する16、17、18
、19、20、又は21個のヌクレオチド配列にわたって少なくとも約85%の相補性の
領域を有する限りにおいて、ハイブリダイズさせることができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬のアンチセン
ス鎖は、表3のいずれかのアンチセンス鎖配列から、0、1、2、又は3個のヌクレオチ
ドが異なる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるHBV RNAi薬の
センス鎖は、表4のいずれかのセンス鎖配列から、0、1、2、又は3個のヌクレオチド
が異なる。
【0190】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のアンチセンス鎖は、表3の配列の
いずれかのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬
のアンチセンス鎖は、表3の配列のいずれかの1-17、2-17、1-18、2-18
、1-19、2-19、1-20、2-20、1-21、2-21、1-22、2-22
、1-23、2-23、1-24、2-24、1-25、2-25、1-26、又は2-
26(5’末端→3’末端)のヌクレオチド配列を含む。
【0191】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセンス鎖は、表4の配列のいずれ
かのヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のセン
ス鎖は、表4の配列のいずれかの1-17、2-17、3-17、4-17、1-18、
2-18、3-18、4-18、1-19、2-19、3-19、4-19、1-20、
2-20、3-20、4-20、1-21、2-21、3-21、4-21、1-22、
2-22、3-22、4-22、1-23、2-23、3-23、4-23、1-24、
2-24、3-24、4-24、1-25、2-25、3-25、4-25、1-26、
2-26、3-26、又は4-26(5’末端→3’末端)のヌクレオチド配列を含む。
【0192】
本明細書に開示されるHBV RNAi薬について、アンチセンス鎖の位置1(5’末
端→3’末端)のヌクレオチドは、HBV遺伝子に対して完全に相補的であってもよいし
、HBV遺伝子に対して非相補的であってもよい。いくつかの実施形態において、アンチ
センス鎖の位置1(5’末端→3’末端)のヌクレオチドは、U、A、又はdTである。
いくつかの実施形態において、アンチセンス鎖の位置1(5’末端→3’末端)のヌクレ
オチドは、センス鎖と、A:U又はU:A塩基対を形成する。
【0193】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬のアンチセンス鎖は、表3のいずれ
かのアンチセンス鎖配列の、2-18又は2-19(5’末端→3’末端)のヌクレオチ
ド配列を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAiのセンス鎖は、表4のセ
ンス鎖配列のいずれかの、1-17又は1-18(5’末端→3’末端)のヌクレオチド
配列を含む。
【0194】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、(i)表3のいずれかのアンチ
センス鎖配列の、2-18又は2-19(5’末端→3’末端)のヌクレオチド配列を含
むアンチセンス鎖と、(ii)表4のセンス鎖配列のいずれかの、1-17又は1-18
(5’末端→3’末端)のヌクレオチド配列を含むセンス鎖とを含む。
【0195】
表4に記載される配列を含むセンス鎖は、表3に記載される配列を含む任意のアンチセ
ンス鎖に対し、この2つの配列が、連続する16、17、18、19、20、又は21個
のヌクレオチド配列にわたって少なくとも約85%の相補性の領域を有する限りにおいて
、ハイブリダイズさせることができる。代表的な配列対が、表5に示すデュプレックスI
D番号に例示されている。
【0196】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、本明細書に示すデュプレックス
ID番号の任意のものを含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、本
明細書に示すいずれかのデュプレックスID番号からなる。いくつかの実施形態において
、HBV RNAi薬は、本明細書に示すいずれかのデュプレックスID番号のセンス鎖
及び/又はアンチセンス鎖ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態において、HB
V RNAi薬は、本明細書に示すいずれかのデュプレックスID番号のセンス鎖及び/
又はアンチセンス鎖ヌクレオチド配列と、標的化基及び/又は連結基(この標的化基及び
/又は連結基は、センス鎖又はアンチセンス鎖に共有結合連結(すなわちコンジュゲート
)している)とを含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、本明細書
に示すいずれかのデュプレックスID番号のセンス鎖及びアンチセンス鎖の修飾ヌクレオ
チド配列を含む。いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、本明細書に示す
いずれかのデュプレックスID番号のセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖の修飾ヌクレオ
チド配列と、標的化基及び/又は連結基(この標的化基及び/又は連結基は、センス鎖又
はアンチセンス鎖に共有結合連結している)とを含む。
【0197】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのアンチセンス
鎖/センス鎖デュプレックスのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖及びセンス鎖を
含み、更に、アシアロ糖タンパク質受容体リガンド標的化基を含む。
【0198】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのデュプレック
スのいずれかのアンチセンス鎖及び/又はセンス鎖ヌクレオチド配列のヌクレオチド配列
を有するアンチセンス鎖及びセンス鎖を含み、更に、(PAZ)、(NAG13)、(N
AG13)s、(NAG18)、(NAG18)s、(NAG24)、(NAG24)s
、(NAG25)、(NAG25)s、(NAG26)、(NAG26)s、(NAG2
7)、(NAG27)s、(NAG28)、(NAG28)s、(NAG29)、(NA
G29)s、(NAG30)、(NAG30)s、(NAG31)、(NAG31)s、
(NAG32)、(NAG32)s、(NAG33)、(NAG33)s、(NAG34
)、(NAG34)s、(NAG35)、(NAG35)s、(NAG36)、(NAG
36)s、(NAG37)、(NAG37)sからなる群から選択される標的化基を含む
【0199】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのデュプレック
スのアンチセンス鎖及びセンス鎖ヌクレオチド配列の修飾ヌクレオチド配列を有するアン
チセンス鎖及びセンス鎖を含む。
【0200】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのデュプレック
スのいずれかのアンチセンス鎖及び/又はセンス鎖ヌクレオチド配列の修飾ヌクレオチド
配列を有するアンチセンス鎖及びセンス鎖を含み、更に、アシアロ糖タンパク質受容体リ
ガンド標的化基を含む。
【0201】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのデュプレック
スを含む。
【0202】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、表5のいずれかのデュプレック
スからなる。
【0203】
【表5-1】
【0204】
【表5-2】
【0205】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、塩、混合塩、又は遊離酸として
調製又は提供される。本明細書に記載のRNAi薬は、HBV遺伝子を発現する細胞に送
達されると、in vivoで、1つ又は複数のHBV遺伝子の発現を阻害又はノックダ
ウンする。
【0206】
標的化基、連結基、及び送達ビヒクル
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、1つ又は複数の非ヌクレオチド
基にコンジュゲートされており、これには標的化基、連結基、送達ポリマー、又は送達ビ
ヒクルが挙げられるがこれらに限定されない。この非ヌクレオチド基は、RNAi薬の標
的化、送達又は接合を増強することができる。表6には、標的化基及び連結基の例が提供
されている。非ヌクレオチド基は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖のいずれかの3’
及び/又は5’末端に共有結合連結され得る。いくつかの実施形態において、HBV R
NAi薬は、センス鎖の3’及び/又は5’末端に連結された非ヌクレオチド基を含む。
いくつかの実施形態において、非ヌクレオチド基は、HBV RNAi薬のセンス鎖の5
’末端に連結される。非ヌクレオチド基は、リンカー/連結基を介して、直接又は間接的
にRNAi薬に連結され得る。いくつかの実施形態において、非ヌクレオチド基は、動揺
性、分割化能、又は反転可能な結合又はリンカーを介して、RNAi薬に連結される。
【0207】
いくつかの実施形態において、非ヌクレオチド基は、RNAi薬又はコンジュゲート(
これに非ヌクレオチド基が取り付けられて、細胞特異的若しくは組織特異的な分布と、コ
ンジュゲートの細胞特異的取り込みとを改善する)の薬物動態又は体内分布特性を向上さ
せる。いくつかの実施形態において、非ヌクレオチド基は、RNAi薬のエンドサイトー
シスを向上させる。
【0208】
標的化基又は標的化部分は、それが取り付けられたコンジュゲートの細胞特異的分布及
び細胞特異的取り込みを改善して、コンジュゲートの薬物動態又は体内分布特性を向上さ
せる。標的化基は、一価、二価、三価、四価、又はそれ以上の価数を有し得る。代表的な
標的化基には、細胞表面分子に親和性を有する化合物、細胞受容体リガンド、ハプテン、
抗体、モノクローナル抗体、抗体フラグメント、及び細胞表面分子に親和性を有する抗体
模倣体が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、標的化基は
、リンカー(例えば、PEGリンカー、又は1つ、2つ、若しくは3つの塩基脱落及び/
又はリビトール(塩基脱落リボース)基)を用いて、RNAi薬に連結される。いくつか
の実施形態において、標的化基はガラクトース誘導体クラスターを含む。
【0209】
本明細書に記載されるHBV RNAi薬は、5’末端に反応性基(例えばアミン基)
を有するよう合成され得る。この反応性基は、その後、当該技術分野で典型的な方法を使
用して、標的化部分を取り付けるのに使用することができる。
【0210】
いくつかの実施形態において、標的化基はアシアロ糖タンパク質受容体リガンドを含む
。いくつかの実施形態において、アシアロ糖タンパク質受容体リガンドは、1つ又は複数
のガラクトース誘導体を含むか又はこれらからなる。本明細書で使用されるとき、ガラク
トース誘導体という用語は、ガラクトースと、アシアロ糖タンパク質受容体に対する親和
性がガラクトース以上である親和性を有するガラクトース誘導体との、両方を含む。ガラ
クトース誘導体には、ガラクトース、ガラクトサミン、N-ホルミルガラクトサミン、N
-アセチル-ガラクトサミン、N-プロピオニル-ガラクトサミン、N-n-ブタノイル
-ガラクトサミン、及びN-イソ-ブタノイルガラクトス-アミン(例えば、Iobst
,S.T.and Drickamer,K.J.B.C.1996、271、6686
を参照)が挙げられるがこれらに限定されない。肝臓に対するオリゴヌクレオチド及び他
の分子のin vivo標的化に有用な、ガラクトース誘導体、及びガラクトース誘導体
のクラスターは、当該技術分野で周知である(例えば、Baenziger and F
iete,1980,Cell,22,611~620;Connolly et al
.,1982,J.Biol.Chem.,257,939~945を参照)。ガラクト
ース誘導体は、肝細胞の表面上に発現されているアシアロ糖タンパク質受容体(ASGP
r)に対する結合を介して、in vivoで、肝細胞に対し分子を標的化するのに使用
されている。ASGPrリガンドがASGPr(複数可)に結合することによって、肝細
胞に対する細胞特異的標的化と、分子の肝細胞へのエンドサイトーシスとが促進される。
ASGPrリガンドは、単量体(例えば、単一のガラクトース誘導体を有する)、又は多
量体(例えば、複数のガラクトース誘導体を有する)であり得る。ガラクトース誘導体又
はガラクトース誘導体クラスターは、当該技術分野で周知の方法を使用して、RNAiポ
リヌクレオチドの3’又は5’末端に取り付けることができる。標的化基(例えばガラク
トース誘導体クラスター)の調製は、例えば、米国特許出願第15/452,324号及
び同第15/452,423号に記述されており、これらの両方の内容全体が本明細書に
組み込まれる。
【0211】
本明細書で使用されるとき、ガラクトース誘導体クラスターは、2~4つの末端ガラク
トース誘導体を有する分子を含む。末端ガラクトース誘導体は、そのC-1炭素を介して
分子に取り付けられる。いくつかの実施形態において、ガラクトース誘導体クラスターは
、ガラクトース誘導体三量体である(三分枝型ガラクトース誘導体、又は三価ガラクトー
ス誘導体とも呼ばれる)。いくつかの実施形態において、ガラクトース誘導体クラスター
はN-アセチル-ガラクトサミンを含む。いくつかの実施形態において、ガラクトース誘
導体クラスターは3つのN-アセチル-ガラクトサミンを含む。いくつかの実施形態にお
いて、ガラクトース誘導体クラスターは、ガラクトース誘導体四量体である(四分枝型ガ
ラクトース誘導体、又は四価ガラクトース誘導体とも呼ばれる)。いくつかの実施形態に
おいて、ガラクトース誘導体クラスターは4つのN-アセチル-ガラクトサミンを含む。
【0212】
本明細書で使用されるとき、ガラクトース誘導体三量体は、それぞれ中心分岐点に連結
された3つのガラクトース誘導体を含む。本明細書で使用されるとき、ガラクトース誘導
体四量体は、それぞれ中心分岐点に連結された4つのガラクトース誘導体を含む。ガラク
トース誘導体は、糖のC-1炭素を介して中心分岐点に取り付けられ得る。いくつかの実
施形態において、ガラクトース誘導体は、リンカー又はスペーサーを介して分岐点に連結
される。いくつかの実施形態において、リンカー又はスペーサーは、例えばPEG基など
の、可撓性の親水性スペーサーである(例えば、米国特許第5,885,968号;Bi
essen et al.J.Med.Chem.1995 Vol.39 p.153
8~1546を参照)。いくつかの実施形態において、PEGスペーサーはPEGスペ
ーサーである。この分岐点は、3つのガラクトース誘導体の取り付けが可能であり、更に
、RNAi薬に分岐点を取り付けることが可能であるような、任意の小分子であり得る。
分岐点基の例は、ジリジン又はジグルタミン酸塩である。分岐点のRNAi薬への取り付
けは、リンカー又はスペーサーを介して行うことができる。いくつかの実施形態において
、リンカー又はスペーサーは、可撓性の親水性スペーサー(例えばPEGスペーサーが挙
げられるがこれらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、
剛性のリンカー(例えば環状基)を含む。いくつかの実施形態において、ガラクトース誘
導体は、N-アセチル-ガラクトサミンを含むか又はこれからなる。いくつかの実施形態
において、ガラクトース誘導体クラスターは、ガラクトース誘導体四量体からなり、これ
は例えば、N-アセチル-ガラクトサミン四量体であり得る。
【0213】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬をin vivoで肝細胞に送達す
るための医薬組成物が記述される。このような医薬組成物には、例えば、ガラクトース誘
導体クラスターにコンジュゲートされたHBV RNAi薬が含まれ得る。いくつかの実
施形態において、ガラクトース誘導体クラスターは、ガラクトース誘導体三量体(これは
例えば、N-アセチル-ガラクトサミン三量体であり得る)、又はガラクトース誘導体四
量体(これは例えば、N-アセチル-ガラクトサミン四量体であり得る)からなる。
【0214】
標的化基には、(PAZ)、(NAG13)、(NAG13)s、(NAG18)、(
NAG18)s、(NAG24)、(NAG24)s、(NAG25)、(NAG25)
s、(NAG26)、(NAG26)s、(NAG27),(NAG27)s、(NAG
28),(NAG28)s、(NAG29),(NAG29)s、(NAG30),(N
AG30)s、(NAG31)、(NAG31)s、(NAG32)、(NAG32)s
、(NAG33)、(NAG33)s、(NAG34)、(NAG34)s、(NAG3
5)、(NAG35)s、(NAG36)、(NAG36)s、(NAG37)、(NA
G37)s、(NAG38)、(NAG38)s、(NAG39)、及び(NAG39)
sが挙げられるがこれらに限定されない。他の標的化基(ガラクトースクラスター標的化
リガンドを含む)は当該技術分野で周知である。
【0215】
いくつかの実施形態において、連結基がRNAi薬にコンジュゲートされる。この連結
基は、標的化基又は送達ポリマー又は送達ビヒクルに対する薬物の共有結合連結を促進す
る。連結基は、RNAi薬のセンス鎖又はアンチセンス鎖の3’又は5’末端に連結する
ことができる。いくつかの実施形態において、連結基はRNAi薬のセンス鎖に連結する
。いくつかの実施形態において、連結基は、RNAi薬のセンス鎖の5’又は3’末端に
コンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、連結基は、RNAi薬のセンス鎖
の5’末端にコンジュゲートされる。連結基の例としては、反応性基(例えば一次アミン
及びアルキン)、アルキル基、塩基脱落ヌクレオシド、リビトール(塩基脱落リボース)
、及び/又はPEG基が挙げられるがこれらに限定されない。
【0216】
リンカー又は連結基は、1つ又は複数の共有結合によって、対象の1つの化学基(RN
Ai薬など)又はセグメントを、対象の別の化学基(例えば標的化基又は送達ポリマー)
又はセグメントに連結する、2つの原子間の接続である。動揺性連結は、動揺性結合を含
む。連結は、2つの結合原子間の距離を増大させるスペーサーを任意に含むことができる
。スペーサーは、この連結に可撓性及び/又は長さを更に付加することができる。スペー
サーには、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アラ
ルケニル基、及びアラルキニル基が挙げられ得るがこれらに限定されない。このそれぞれ
が1つ又は複数のヘテロ原子、複素環、アミノ酸、ヌクレオチド、及び糖類を含み得る。
スペーサー基は当該技術分野で周知であり、上述のリストは本明細書の範囲を制限するこ
とを意味するものではない。
【0217】
表3及び4に記載されているHBV RNAi薬のヌクレオチド配列は、修飾か非修飾
かを問わず、3’又は5’標的化基及び/又は連結基を含み得る。3’又は5’標的化基
及び/又は連結基を含む表3及び4に記載されているHBV RNAi薬いずれかの配列
のものが、代替的に、3’又は5’標的化基及び/又は連結基を含まなくてもよく、ある
いは、表3に示されるものを含むがこれらに限定されない別の3’又は5’標的化基及び
/又は連結基を含んでもよい。表5に記載されているいずれかのHBV RNAi薬デュ
プレックスが、修飾か非修飾かを問わず、標的化基及び/又は連結基を更に含んでよく、
これには、表3に示されているものが含まれるがこれらに限定されず、更に、この標的化
基又は連結基は、HBV RNAi薬デュプレックスのセンス鎖又はアンチセンス鎖のい
ずれかの3’又は5’末端に取り付けられ得る。
【0218】
表6には、標的化基及び連結基の例が提供されている。表4は、5’又は3’末端に連
結される標的化基又は連結基を有するHBV RNAi薬のセンス鎖の、いくつかの実施
形態を提供する。
【0219】
【表6-1】
【0220】
【表6-2】
【0221】
【表6-3】
【0222】
【表6-4】
【0223】
【表6-5】
【0224】
【表6-6】
【0225】
【表6-7】
【0226】
【表6-8】
【0227】
【表6-9】
【0228】
【表6-10】
【0229】
【表6-11】
【0230】
【表6-12】
【0231】
【表6-13】
【0232】
表6における上記構造の各々において、上記構造及び本明細書に提供される記述の観点
で、当業者には理解されるように、NAGは、取り付けられるN-アセチル-ガラクトサ
ミン又は他のASGPrリガンドを含む。例えば、いくつかの実施形態において、表6に
提供される構造のNAGは、次の構造で表される:
【0233】
【化34】
【0234】
各(NAGx)は、ホスフェート基を介して(例えば(NAG25)、(NAG30)
、及び(NAG31)のように)、又はホスホロチオエート基を介して(例えば(NAG
25)s、(NAG29)s、(NAG30)s、(NAG31)s、又は(NAG37
)sのように)、又は別の連結基を介して、HBV RNAi薬に取り付けることができ
る。
【0235】
【化35】
【0236】
当該技術分野で周知の他の連結基を用いてもよい。
【0237】
送達ビヒクル
いくつかの実施形態において、細胞又は組織にRNAi薬を送達するために、送達ビヒ
クルを使用することができる。送達ビヒクルは、細胞又は組織へのRNAi薬の送達を改
善する化合物である。送達ビヒクルには、ポリマー(例えば、両親媒性ポリマー、膜活性
ポリマー)、ペプチド、メリチンペプチド、メリチン様ペプチド(MLP)、脂質、可逆
性修飾ポリマー又はペプチド、又は可逆性修飾膜活性ポリアミンを挙げることができ、又
はこれらからなるが、これらに限定されない。
【0238】
いくつかの実施形態において、RNAi薬は、脂質、ナノ粒子、ポリマー、リポソーム
、ミセル、DPC、又は当該技術分野で利用可能な他の送達システムと組み合わせること
ができる。RNAi薬は更に、標的化基、脂質(コレステロール及びコレステリル誘導体
を含むがこれらに限定されない)、ナノ粒子、ポリマー、リポソーム、ミセル、DPC(
例えば国際公開第2000/053722号、同第2008/0022309号、同第2
011/104169号、及び同第2012/083185号、同第2013/0328
29号、同第2013/158141号を参照;これらはそれぞれ参照により本明細書に
組み込まれる)、又は当該技術分野で利用可能な他の送達システムに化学的にコンジュゲ
ートされ得る。
【0239】
医薬組成物及び製剤
本明細書で開示されるHBV RNAi薬は、医薬組成物又は製剤として調製され得る
。いくつかの実施形態において、医薬組成物には、少なくとも1つのHBV RNAi薬
が含まれる。これらの医薬組成物は、標的細胞内、細胞群、組織、又は生体内の標的mR
NAの発現を阻害するのに特に有用である。この医薬組成物は、標的mRNAのレベルを
低下又は標的遺伝子の発現を阻害することにより助けが得られるであろう疾患又は障害を
有する対象を治療するために使用することができる。この医薬組成物は、標的mRNAの
レベルを低下又は標的遺伝子の発現を阻害することにより助けが得られるであろう疾患又
は障害の発症リスクがある対象を治療するために使用することができる。一実施形態にお
いて、本方法は、本明細書に記載される、標的化リガンドに連結されたHBV RNAi
薬を、治療対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の製
薬的に許容される賦形剤(ビヒクル、担体、希釈剤、及び/又は送達ポリマーを含む)が
、HBV RNAi薬を含む医薬組成物に添加されて、ヒトへのin vivo送達に適
した医薬製剤が形成される。
【0240】
本明細書で開示されるHBV RNAi薬を含む医薬組成物及び方法は、本明細書に記
載されたHBV RNAi薬の治療有効量を対象に投与することを含み、細胞、細胞群、
細胞群、組織又は対象における標的mRNAのレベルを減少させることができ、これによ
り対象の標的mRNAの発現を阻害することができる。
【0241】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬を含む記載されている医薬組成物は
、HBV感染に関係する臨床症状を治療又は管理するために使用される。いくつかの実施
形態において、治療的又は予防的に有効な量の1つ又は複数の医薬組成物が、このような
治療、予防又は管理を必要とする対象に投与される。いくつかの実施形態において、開示
されているいずれかのHBV RNAi薬の投与を使用して、対象における疾患の症状の
数、重篤度、及び/又は頻度を減少させることができる。
【0242】
HBV RNAi薬を含む、記載された医薬組成物は、HBV mRNAの発現を減少
又は阻害することにより助けが得られるであろう疾患又は障害を有する対象における少な
くとも1つの症状を治療するために使用することができる。いくつかの実施形態において
、対象には、HBV RNAi薬を含む1つ又は複数の医薬組成物の治療有効量が投与さ
れ、これにより症状を治療する。他の実施形態において、対象に、予防的有効量の1つ又
は複数のHBV RNAi薬を投与することによって、少なくとも1つの症状を予防する
【0243】
投与経路は、HBV RNAi薬を身体に接触させる経路である。一般に、哺乳類の治
療のための薬物及び核酸の投与方法は、当該技術分野で周知であり、本明細書に記載され
る組成物の投与に適用することができる。本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、
特定の経路に適切に合わせた、調製の任意の好適な経路を介して投与することができる。
これにより、本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、静脈内、筋肉内、皮内、皮下
、関節内、又は腹腔内などの注射により投与することができる。いくつかの実施形態にお
いて、本明細書に記載される医薬組成物は、皮下注射を介して投与される。
【0244】
本明細書に記載のHBV RNAi薬を含む医薬組成物は、当該技術分野で周知のオリ
ゴヌクレオチド送達技術を用いて、細胞、細胞群、腫瘍、組織、又は対象に送達すること
ができる。一般に、核酸分子を送達するための当該技術分野で知られる任意の好適な方法
(in vitro又はin vivo)が、本明細書に記載の組成物と共に使用するた
めに適合され得る。例えば、送達は、局所的投与(例えば直接注射、植え込み、局所投与
)、全身投与、皮下投与、静脈内、腹腔内、又は非経口的経路によるものであってよく、
これには、頭蓋内(例えば、心室内、実質内、及び髄腔内)、筋肉内、経皮的、気道(エ
アロゾル)、鼻、口腔、直腸、又は局所(頬側及び舌下を含む)投与が挙げられる。特定
の実施形態において、この組成物は皮下又は静脈内の注入又は注射によって投与される。
【0245】
したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、1つ又は
複数の製薬的に許容される賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態において、本明細書に
記載の医薬組成物は、対象に投与するために製剤することができる。
【0246】
本明細書で使用されるとき、医薬組成物又は医薬品には、薬理学的有効量の少なくとも
1つの記載される治療用化合物と、1つ又は複数の製薬的に許容される賦形剤とが含まれ
る。製薬的に許容される賦形剤(賦形剤)とは、薬物送達システムに意図的に含まれる原
薬(API、治療用製品、例えばHBV RNAi薬)以外の物質である。賦形剤は、意
図された用量で治療効果を発揮しないか、発揮することが意図されていないものである。
賦形剤は、a)製造中に薬物送達システムの処理を助けるよう、b)APIの安定性、生
物学的利用能、又は患者の受容性を保護、支援、又は強化するよう、c)製品識別を補助
する、及び/又は、d)保管時又は使用時の、全体的な安全性、有効性、APIの送達の
他の属性を強化するよう、作用し得る。製薬的に許容される賦形剤は、不活性物質であっ
てよく、また不活性物質でなくてもよい。
【0247】
賦形剤としては、吸収促進剤、抗付着剤、抗泡剤、抗酸化剤、結合剤、緩衝剤、担体、
コーティング剤、着色剤、送達促進剤、送達ポリマー、デキストラン、デキストロース、
希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、香料剤、滑剤、保湿剤、潤滑剤、油類、ポリ
マー、防腐剤、生理食塩水、塩、溶媒、糖、懸濁剤、持続的放出マトリックス、甘味料、
増粘剤、張性剤、ビヒクル、撥水剤、及び湿潤剤が挙げられるがこれらに限定されない。
【0248】
注射による使用に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)又は分散液、及
び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。静脈内投与用では、適当
な担体として、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF社、
ニュージャージー州パーシッパニー)、又はリン酸緩衝生理食塩水が挙げられる。組成物
は製造及び保存条件下で安定であるべきであり、細菌及び真菌類などの微生物の汚染作用
に対抗して保存されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例え
ばグリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び
それらの適当な混合物を含んだ溶媒又は分散媒であってよい。例えばレシチンなどのコー
ティングの使用により、分散液の場合には必要な粒径の維持により、また、界面活性剤の
使用により、適正な流動性を保つことができる。多くの場合、組成物中に、例えば糖類、
マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、及び塩化ナトリウムなどの等張剤を
含むことが好ましい。組成物中に、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンな
どの吸収を遅らせる物質を含有させることによって、注射用組成物の長期的な吸収をもた
らすことができる。
【0249】
滅菌注入用溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した成分の1つ又
は組み合わせと共に適切な溶媒に添加した後、濾過による滅菌を行うことにより調製する
ことができる。一般に分散液は、活性化合物を基本の分散媒及び上記に挙げた必要な他の
成分を含有する滅菌賦形剤に組み込むことにより調製される。滅菌注射溶液の調製用の滅
菌粉末の場合、調製の方法には、予め滅菌濾過されたその溶液から有効成分及び任意の更
なる所望の成分の粉末を生じる真空乾燥及び凍結乾燥が挙げられる。
【0250】
関節内投与に適した製剤は、例えば水性微結晶懸濁液の形態などの、微結晶形態であり
得る薬物の滅菌水性調製物の形態であり得る。リポソーム製剤又は生分解性ポリマー系も
、関節内及び眼内投与の両方のための薬剤を投与するのに使用することができる。
【0251】
活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤
などの、化合物が身体から速やかに排出されるのを防ぐ担体と共に、調製することができ
る。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエ
ステル、及びポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。か
かる製剤の調製方法は当業者には明らかであろう。リポソーム懸濁液も、薬学的に許容さ
れる担体として使用することができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,81
1号に記載されるような当業者には周知の方法に従って調製することができる。
【0252】
HBV RNAi薬は、投与を容易とし、用量を均一とするために投与単位形態として
製剤化することができる。投与単位形態とは、治療対象のための単位投与量として適した
物理的に異なる単位を指し、各単位には、要求される医薬担体と関連して所望の治療効果
を生じるように計算された活性化合物の所定量が含まれる。本開示の投与単位形態に対す
る仕様は、活性化合物の固有の特性と、達成されるべき治療効果と、個々における治療の
ためにそのような活性化合物を配合する当分野で固有の制限、によって決定され、直接依
存する。
【0253】
医薬組成物は、医薬組成物において一般に見られる他の付加的成分を含むことができる
。このような付加的成分には、かゆみ止め、皮膚収斂剤、局所麻酔薬、又は抗炎症剤(例
えば、抗ヒスタミン薬、ジフェンヒドラミンなど)が挙げられるがこれらに限定されない
。また、本明細書で定義されるRNAi薬を発現する又は含む細胞、組織又は単離された
器官を、「医薬組成物」として使用され得ることも想到される。本明細書で使用されると
き、「薬理学的有効量」、「治療有効量」又は単に「有効量」とは、薬理学的、治療的、
又は予防的結果を生じるRNAi薬の量である。
【0254】
一般に、活性化合物の有効量は、約0.1~約100mg/体重kg/日、例えば、約
1.0~約50mg/体重kg/日の範囲にある。いくつかの実施形態において、活性化
合物の有効量は、1回の投与当たり約0.25~約5mg/体重kgの範囲にある。いく
つかの実施形態において、活性成分の有効量は、1回の投与当たり約0.5~約3mg/
体重kgの範囲にある。投与量は、患者の全体的な健康状態、送達される化合物の相対的
な生物学的効力、薬物の製剤形態、製剤における賦形剤の存在及び種類、並びに投与経路
などの不確定要素に依存する可能性が高い。また、投与される初期投与量は、望ましい血
液レベル又は組織レベルを急速に達成するために上記の上限レベルを超えて増加させるこ
とができ、又は、初期投与量は最適量よりも少なくすることができることが、理解されよ
う。
【0255】
疾患の治療のため、又は疾患の治療のための医薬品又は組成物の形成のために、HBV
RNAi薬を含む本明細書に記述される医薬組成物は、賦形剤又は第2の治療薬若しく
は治療(第2の又は他のRNAi薬、小分子薬、抗体、抗体フラグメント、及び/又はワ
クチンが挙げられるがこれらに限定されない)と組み合わせることができる。
【0256】
記述されるHBV RNAi薬は、製薬的に許容される賦形剤又はアジュバントに添加
された場合、キット、容器、パック、又はディスペンサにパッケージ化することができる
。本明細書に記載の医薬組成物は、予め充填されたシリンジ又はバイアルにパッケージ化
されていてもよい。
【0257】
治療と発現阻害の方法
本明細書に開示されるHBV RNAi薬は、化合物を投与することにより助けが得ら
れるであろう疾患又は障害を有する対象(例えば、ヒト又は哺乳類)を治療するために使
用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるRNAi薬は
、HBV mRNAの発現を低減又は阻害することにより助けが得られるであろう疾患又
は障害を有する対象(例えば、ヒト)を治療するために使用することができる。対象には
、任意の1つ又は複数のRNAi薬の治療有効量が投与される。対象は、ヒト、患者、又
はヒト患者であり得る。対象は、成人、青年、小児、乳児であり得る。HBV RNAi
薬を含む記述される医薬組成物は、疾患の治療処置のための方法を提供するのに使用する
ことができる。このような方法は、本明細書に記載される医薬組成物をヒト又は動物に投
与することを含む。
【0258】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるHBV RNAi薬は、HBVに
感染した対象を治療するのに使用される。いくつかの実施形態において、記載されている
HBV RNAi薬は、HBV感染を有する対象における少なくとも1つの症状を治療す
るのに使用される。対象には、任意の1つ又は複数の記述されるRNAi薬の治療有効量
が投与される。
【0259】
いくつかの実施形態において、対象は、HBV感染及びHDV感染の両方を有する。い
くつかの実施形態において、本明細書に記載されるHBV RNAi薬は、HBVとHD
Vの両方に感染した対象を治療するのに使用される。いくつかの実施形態において、記載
されているHBV RNAi薬は、HBV又はHDV感染を有する対象における少なくと
も1つの症状を治療するのに使用される。対象には、任意の1つ又は複数の記述されるR
NAi薬の治療有効量が投与される。
【0260】
いくつかの実施形態において、HBV RNAi薬は、対象がHBVに感染している臨
床症状を治療又は管理するために使用される。対象には、本明細書に記載の1つ又は複数
のHBV RNAi薬又はHBV RNAi薬含有組成物の治療的量又は有効量が投与さ
れる。いくつかの実施形態において、本方法は、本明細書に記載のHBV RNAi薬を
含む組成物を、治療対象に投与することを含む。
【0261】
いくつかの実施形態において、記述されるHBV RNAi薬が投与される対象におけ
るHBV遺伝子の遺伝子発現レベル及び/又はmRNAレベルは、HBV RNAi薬を
投与される前の対象、又はHBV RNAi薬を投与されていない対象に比べて、少なく
とも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50
%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96
%、97%、98%、99%、又は99%超、低減される。対象における遺伝子発現レベ
ル及び/又はmRNAレベルは、対象の細胞、細胞群、及び/又は組織において低減され
得る。いくつかの実施形態において、記述されるHBV RNAi薬が投与される対象に
おけるHBV遺伝子の発現タンパク質レベルは、HBV RNAi薬を投与される前の対
象、又はHBV RNAi薬を投与されていない対象に比べて、少なくとも約5%、10
%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60
%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98
%、99%、又は99%超、低減される。対象内のタンパク質レベルは、対象の細胞、細
胞群、組織、血液、及び/又はその他の体液において低減され得る。例えば、いくつかの
実施形態において、記述されるHBV RNAi薬が投与される対象におけるB型肝炎表
面抗原(HBsAg)の量又はレベルは、HBV RNAi薬を投与される前の対象、又
はHBV RNAi薬を投与されていない対象に比べて、少なくとも約5%、10%、1
5%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、6
5%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、9
9%、又は99%超、低減される。いくつかの実施形態において、記述されるHBV R
NAi薬が投与される対象におけるB型肝炎e抗原(HBeAg)の量又はレベルは、H
BV RNAi薬を投与される前の対象、又はHBV RNAi薬を投与されていない対
象に比べて、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、4
0%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、9
0%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99%超、低減される。いくつか
の実施形態において、記述されるHBV RNAi薬が投与される対象における血清HB
V DNAの量又はレベルは、HBV RNAi薬を投与される前の対象、又はHBV
RNAi薬を投与されていない対象に比べて、少なくとも約5%、10%、15%、20
%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70
%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は
99%超、低減される。血清HBV DNAの存在、HBV遺伝子発現、HBV mRN
A、又はHBVタンパク質の量若しくはレベルの低減は、当該技術分野で周知の方法によ
り評価され得る。HBV mRNAの量若しくはレベル、発現タンパク質の量若しくはレ
ベル、及び/又は血清HBV DNAの量若しくはレベルにおける低減若しくは減少は、
本明細書において総称的に、HBVの低減若しくは減少、又は、HBV発現の阻害若しく
は低減と呼ばれる。
【0262】
細胞及び組織と非ヒト生物
本明細書に記載のHBV RNAi薬の少なくとも1つを含む細胞、組織、及び非ヒト
生物が想到される。この細胞、組織、又は非ヒト生物は、細胞、組織、又は非ヒト生物に
対してRNAi薬を送達することにより生成される。
【0263】
ここで、上述の実施形態及び項目が、以下の非限定的な実施例で例示される。
【実施例0264】
実施例1.HBV RNAi薬の合成
以下の手順に従って、表5に示すHBV RNAi薬デュプレックスを合成した。
A.合成。オリゴヌクレオチド合成に使用される固相上のホスホロアミダイト技術に基
づいて、HBV RNAi薬のセンス鎖及びアンチセンス鎖を合成した。規模に応じて、
MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)、a MerMad
e12(登録商標)(Bioautomation)、又はOP Pilot 100(
GE Healthcare)が使用された。制御された多孔質ガラス(CPG、500
Å又は600Å、Prime Synthesis、Aston、PA、USAから入手
)でできた固体支持体上で、合成を実施した。全てのRNA及び2’修飾ホスホロアミダ
イトは、Thermo Fisher Scientific(Milwaukee、W
I、USA)から購入した。具体的には、以下の2’-O-メチルホスホロアミダイトが
使用された:(5’-O-ジメトキシトリチル-N-(ベンゾイル)-2’-O-メチ
ル-アデノシン-3’-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホス
ホロアミダイト、5’-O-ジメトキシ-トリチル-N-(アセチル)-2’-O-メ
チル-シチジン-3’-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピル-アミノ)ホ
スホロアミダイト、(5’-O-ジメトキシトリチル-N-(イソブチリル)-2’-
O-メチル-グアノシン-3’-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミ
ノ)ホスホロアミダイト、及び5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O-メチル-ウリ
ジン-3’-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホロアミダ
イト。2’-デオキシ-2’-フルオロ-ホスホロアミダイトは、2’-O-メチルアミ
ダイトと同じ保護基を有していた。塩基脱落(3’-O-ジメトキシトリチル-2’-デ
オキシリボース-5’-O-(2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホス
ホロアミダイトは、ChemGenes(Wilmington、MA、USA)から購
入した。ホスホロアミダイトを含む標的化リガンドを、無水ジクロロメタン又は無水アセ
トニトリル(50mM)に溶かし、一方、他の全てのアミダイトは無水アセトニトリル(
50mM)に溶かし、分子ふるい(3Å)を加えた。5-ベンジルチオ-1H-テトラゾ
ール(BTT、アセトニトリル中250mM)又は5-エチルチオ-1H-テトラゾール
(ETT、アセトニトリル中250mM)を、活性化剤溶液として使用した。結合時間は
12分間(RNA)、15分間(標的化リガンド)、90秒間(2’OMe)、及び60
秒間(2’F)であった。ホスホロチオエート連結を導入するために、3-フェニル1,
2,4-ジチアゾリン-5-オン(POS、PolyOrg,Inc.,Leomins
ter,MA,USAから入手)の無水アセトニトリル中100mM溶液を用いた。
B.支持体結合オリゴマーの切断及び脱保護。固相合成を完了させた後、乾燥させた固
体支持体を、水中40重量%メチルアミンと、28%水酸化アンモニウム溶液(Aldr
ich)との体積1:1の溶液で、1.5時間30℃で処理した。この溶液を蒸発させ、
固体残留物を水中で再構成した(下記参照)。
C.精製。TSKgel SuperQ-5PW 13μmカラム及びShimadz
u LC-8システムを用いて、アニオン交換HPLCにより粗オリゴマーを精製した。
緩衝液Aは、20mM Tris、5mM EDTA、pH9.0であり、20%アセト
ニトリルを含有していた。緩衝液Bは、緩衝液Aと同じものに、1.5M塩化ナトリウム
を加えたものであった。260nmでUVトレースが記録された。適切な分画をプールし
てから、Sephadex G-25 fineを詰めたGE Healthcare
XK 26/40カラムを用いて、サイズ排除HPLCに通し、濾過DI水又は100m
M重炭酸アンモニウム(pH 6.7)及び20%アセトニトリルをランニング緩衝液と
して用いた。
D.アニーリング。相補的鎖を、1×リン酸塩緩衝生理食塩水(Corning、Ce
llgro)中の等モル量のRNA溶液(センス及びアンチセンス)を合わせて混合し、
RNAi薬を形成した。一部のRNAi薬を凍結乾燥し、-15~-25℃で保管した。
1×リン酸塩緩衝生理食塩水中でUV-Visスペクトロメーターを用いて溶液吸光度を
測定することによりデュプレックス濃度を求めた。次に、260nmでの溶液吸光度に換
算係数及び希釈係数を掛けて、デュプレックス濃度を求めた。特に明記しない限り、換算
係数は全て0.037mg/(mL・cm)であった。いくつかの実験において、実験的
に求められた吸光係数から換算係数を計算した。
【0265】
実施例2.pHBVモデルマウス。
【0266】
6~8週齢の雌のNOD.CB17-Prkdscid/NcrCrl(NOD-SC
ID)マウスを一時的にin vivoでMC-HBV1.3によりトランスフェクトし
た。これは、流体力学的尾静脈注射(Yang PL et al.”Hydrodyn
amic injection of viral DNA:a mouse mode
l of acute hepatitis B virus infection,”
PNAS USA 2002 Vol.99:p.13825~13830)により、
HBV RNAi薬又は対照の投与の30~45日前に投与された。MC-HBV1.3
は、プラスミド誘導ミニサークルであり、これは、プラスミドpHBV1.3及びHBV
1.3.32トランスジェニックマウス(GenBankアクセッション番号V0146
0)におけるものと同じ末端重複ヒトB型肝炎ウイルス配列HBV1.3を含む(Gui
dotti LG et al.,「High-level hepatitis B
virus replication in transgenic mice,」J
Virol 1995 Vol.69,p6158~6169)。5又は10μgのMC
-HBV1.3のリンゲル溶液を、動物の体重の10%の合計体積、マウスの尾静脈に注
射して、慢性HBV感染のpHBVモデルを形成した。前述のように、27ゲージ針で5
~7秒間かけて溶液を注射した(Zhang G et al.,「High leve
ls of foreign gene expression in hepatoc
ytes after tail vein injection of naked
plasmid DNA.」Human Gene Therapy 1999 Vol
.10,p1735~1737)。投与前(投与前1日目、-1日目、又は-2日目のい
ずれか)に、B型肝炎表面抗原(HBsAg)の血清中HBsAg発現レベルをELIS
Aにより測定し、マウスを平均HBsAg発現レベルに従ってグループ分けした。
【0267】
分析:HBV RNAi薬投与前後の様々な時点で、血清HBsAg、血清HBeAg
、血清HBV DNA、又は肝臓HBV RNAを測定することができる。HBV発現レ
ベルは、投与前発現レベルと、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)を注射された対照マ
ウスとに対して正規化された。
【0268】
i)血清採取:マウスを2~3%イソフルランで麻酔し、顎下領域から血清分離管(S
arstedt AG & Co.、Numbrecht、Germany)に血液試料
を採取した。血液を周囲温度に20分間置いて凝固させた。この管を8,000×gで3
分間遠心分離し、血清を分離して、4℃で保管した。
【0269】
ii)血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベル:血清を採取し、脱脂粉乳5%を含
むPBSで10~8000倍に希釈した。10μg HBsAg発現プラスミドpRc/
CMV-HBs(Aldevron,Fargo,ND)でトランスフェクトしたICR
マウス(Harlan Sprague Dawley)の血清から、脱脂乳溶液で希釈
した二次HBsAg標準を調製した。HBsAgレベルを、GS HBsAg EIA
3.0キット(Bio-Rad Laboratories,Inc.,Redmond
,WA)を用いて、メーカーによる記述に従って測定した。遺伝子組換えHBsAgタン
パク質(aywサブタイプ、これもPBS中脱脂乳で希釈)を、一次標準として使用した
(Aldevron)。
【0270】
MC-HBV1.3における処置に関連しない低下を説明するために、各動物のHBs
Ag発現は、PBSが注射されたマウス対照群に対して正規化された。最初に、ある時点
における各動物のHBsAgレベルを、その動物の処置前発現レベルで割って、「処置前
に対して正規化された」発現の比率を求めた。次いで、個々の動物の「処置前に対して正
規化された」比を、正常なPBS対照群における全マウスの平均の「処置前に対して正規
化された」比で割ることにより、特定の時点での発現を対照群に対して正規化した。
【0271】
iii)血清B型肝炎e抗原(HBeAg)レベル:5%脱脂粉乳で4~20倍に希釈
した血清を使用し、メーカー(DiaSorin)の記述されているようにHBeAg酵
素結合免疫アッセイ(ELISA)でHBeAg分析を実施した。抗原の量を、アッセイ
の直線範囲で測定し、HBeAgタンパク質標準(Fitzgerald Indust
ries International,catalog # 30-AH18,Act
on,MA)に対して定量した。
【0272】
MC-HBV1.3における処置に関連しない低下を説明するために、各動物のHBe
Ag発現は、PBSが注射されたマウス対照群に対して正規化された。血清中のHBeA
gを評価するために、HBeAgを、プールされた群又はサブ群の血清試料から分析する
。最初に、各プールされた群又はサブ群のHBeAgレベルを、同じ群又はサブ群の処置
前発現レベルで割って、「処置前に対して正規化された」発現比を求めた。特定の時点で
の発現が、対照群に対して正規化された。これは、群又はサブ群の「処置前に対して正規
化された」比を、正常なPBS対照群の全試料の平均の「処置前に対して正規化された」
比で割ることにより得られた。
【0273】
iv)血清HBV DNAレベル:群又はサブ群のマウスから得た等体積の血清を最終
体積100μLまでプールした。QIAamp MinElute Virus Spi
n Kit(Qiagen,Valencia,CA)を用い、メーカーの説明に従って
、DNAを血清試料から分離した。各試料に0.9%滅菌生理食塩水を添加して、最終体
積200μLとした。血清試料を、緩衝液及びプロテアーゼの入った管に加えた。少量の
DNAの単離を補助するため、担体RNAを添加した。1ngのpHCR/UbC-SE
APプラスミドDNA(Wooddell CI,et al.「Long-term
RNA interference from optimized siRNA ex
pression constructs in adult mice.」Bioch
em Biophys Res Commun(2005)334,117~127)を
、回収対照として加えた。15分間56℃でインキュベートした後、エタノールで核酸を
溶解液から沈殿させ、溶液全体をカラムに通した。洗浄後、試料を50μLの緩衝液AV
Eに溶出させた。
【0274】
pHBVマウスモデル血清から分離されたDNAのHBVゲノムのコピー数をqPCR
により測定した。S遺伝子(GenBank登録番号V01460の塩基353-777
)内のHBVゲノムの短いセグメントをコードするプラスミドpSEAP-HBV353
-777を使用して、6つの対数標準曲線を作成した。pHCR/UbC-SEAPの検
出に基づき、平均から2標準偏差下のDNAの回収率を有する試料は省いた。TaqMa
n化学系プライマー及びfluor/ZEN/IBFQ付きプローブを利用する。
【0275】
7500 Fast又はStepOne Plus Real-Time PCRシス
テム(Life Technologies)でqPCRアッセイを実施した。血清中の
HBV DNAを評価するために、プールされた群の血清試料から、一重又は二重精製工
程でDNAを単離した。HBV DNA及び回収対照プラスミドの定量を、3回実施され
たqPCR反応により測定した。HBV及びpHCR/UbC-SEAPを定量するプロ
ーブを、各反応に含めた。
【0276】
実施例3.pHBVモデルマウスにおけるHBV RNAi薬
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。1日目、各マウスに、リン
酸緩衝生理食塩水(「PBS」)中に配合されたHBV RNAi薬2mg/kg(mp
k)を含有する200μLの単回皮下注射、又は、対照として使用されるHBV RNA
i薬を含まないリン酸緩衝生理食塩水200μLの単回皮下注射を投与した。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。試験されるHBV RNAi薬には
、以下の表7に示すデュプレックス数を有するものが含まれた。注射を、首及び肩領域に
わたる緩んだ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)で行った。各群で3匹のマウ
スを試験した(n=3)。
【0277】
8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述の実施例2に示す手
順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した。実験のデータを以
下の表に示す:
【0278】
【表7】
【0279】
RNAi薬AD04178、AD04579、AD04580、AD04570、AD
04572、AD04573、AD04574、AD04575、AD04419、及び
AD04578をそれぞれ、上述の表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置178
1~1789のXオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なア
ンチセンス鎖配列を有するように設計した。HBV RNAi薬はそれぞれ、測定された
全時点にわたって、PBS対照に比べてHBsAgの実質的な減少を示した。例えば、A
D04580は、処置前及びPBS対照に対して正規化されたとき、8日目でS抗原レベ
ルが95%超の減少を示した(0.048±0.007 HBsAgレベル)。
【0280】
加えて、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、8、15
、22、29、36、43及び50日目に採取された血清試料のPBS、AD04579
、及びAD04580群について測定した。各群からの血清をプールし、重複分離で血清
からDNAを単離した。データを以下の表に示す:
【0281】
【表8】
【0282】
表8のデータは、調べたRNAi薬の両方とも、PBS群に比べてHBV DNAレベ
ルを実質的に低下させ、AD04580は最下値で1ログのノックダウンよりもわずかに
上回る達成を示した(例えば、15日目で0.0869±0.0117平均血清DNAレ
ベル)。
【0283】
実施例4.pHBVモデルマウスにおけるHBV RNAi薬
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。1日目、各マウスに、リン
酸緩衝生理食塩水(「PBS」)中に配合されたHBV RNAi薬2mg/kg(mp
k)を含有する200μLの単回皮下投与、又は、対照として使用されるHBV RNA
i薬を含まないリン酸緩衝生理食塩水200μLの単回皮下投与を行った。各HBV R
NAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセチ
ル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。投与されるHBV RNAi薬には、
以下の表9に示されるものが含まれた。注射は、首及び肩領域にわたる緩んだ皮膚の、皮
膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験した(n=3)
【0284】
8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述の実施例2に示す手
順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した。実験のデータを以
下の表に示す:
【0285】
【表9】
【0286】
RNAi薬AD04010、AD04581、AD04591、AD04434、AD
04583、AD04584、AD04585、AD04586、AD04588、及び
AD04438を、表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置257~275のSオ
ープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を
有するように設計した。上記の表9に示すHBV RNAi薬はそれぞれ、測定された全
時点にわたって、PBS対照と比較して、HBsAgの実質的な減少を示した。例えば、
AD04585は8日目で約90%のHBsAg減少、15日目、で95%の減少、22
日目で97%の減少、及び29日目で95%の減少を示した。
【0287】
加えて、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、8、15
、22、29、36、43及び50日目に採取された血清試料のPBS及びAD0458
5群について測定した。各群からの血清をプールし、重複分離で血清からDNAを単離し
た。データを以下の表に示す:
【0288】
【表10】
【0289】
表10に示すデータは、HBV RNAi薬AD04585が、PBS群に比べて、H
BV DNAレベルの減少をもたらしたことを示している。
【0290】
実施例5.pHBVモデルマウスにおけるHBV RNAi薬の用量応答及び組み合わ
せ。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表11に
示すものを含む様々な群に分けられ、マウスには表11に示す投与レジメンに従って20
0μL皮下注射が行われた。
【0291】
【表11】
【0292】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表11に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0293】
8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目、50日目、及び57日
目に血清を採取し、上述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBs
Ag)レベルを測定した。実験のデータを以下の表に示す:
【0294】
【表12】
【0295】
HBV RNAi薬AD04580及びAD04585はそれぞれ、測定された全時点
にわたって、HBsAg PBS対照と比較して、個々にHBsAgの低下を示した。更
に、AD04585及びAD04580の併用処置も、HBVゲノムの異なる領域を標的
とした上述の実施例に示されているように、測定された全時点にわたって、PBS対照と
比較して、HBsAgの低下を示した。
【0296】
加えて、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、8、15
、22、29及び36日目に採取された血清試料の表11の群のそれぞれについて測定し
た。各群からの血清をプールし、重複反応で血清からDNAを単離した。データを以下の
表に示す:
【0297】
【表13】
【0298】
表13のデータは、試験されたRNAi薬が、個別及び組み合わせの両方とも、PBS
群に比べて、HBV DNAレベルの減少をもたらしたことを示している。再投与又は投
与量の増加は、更なるHBV DNAの減少をもたらした。
【0299】
実施例6.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:用量応答及び併用試験。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表14に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表14に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0300】
【表14】
【0301】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表14に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0302】
投与前の-1日目、及び次いで8日目、15日目、22日目、29日目、及び36日目
に血清を採取し、上述の実施例2に示す手順に従って、血清HBsAgレベルを測定した
。実験のデータを以下の表15に示す。平均HBsAgは、HBsAgの正規化された平
均値を反映している:
【0303】
【表15】
【0304】
試験されたHBV RNAi薬は、測定された全時点にわたって、PBS対照に比べて
HBsAgの減少を示した。更に、AD04872(表1及び2に示すように、HBVゲ
ノムの位置261~279のS ORFに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセン
ス鎖配列を含む)と、AD04981又はAD04963のいずれか(この両方とも、表
1及び2に示すように、HBVゲノムの位置1781~1799のX ORFに対して少
なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を含む)との併用処置は、実施例6の群H
、I、及びJに示されており、これらは、2つのRNAi薬(一方はHBVゲノムのS
ORFを標的とし、他方はHBVゲノムのX ORFを標的とするもの)の併用処置が、
同様に、測定された全時点にわたって、PBS対照に比べてHBsAgの減少を示した。
【0305】
加えて、血清B型肝炎e抗原(HBeAg)レベルもまた評価した。それぞれの群のマ
ウスから得た試料を最初にプールし、結果として得られた血清試料を一重項状態でアッセ
イを行った。実験のデータを以下の表に示す:
【0306】
【表16】
【0307】
表16に示すように、AD04872(HBVゲノムのS ORFを標的とする)と、
AD04981又はAD04963(両方ともHBVゲノムのX ORFを標的とする)
のいずれかとの組み合わせは、AD04872単独投与に比べて、HBeAgレベルの更
なる減少を示した。
【0308】
実施例7.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:追加用量応答及び併用試験。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表17に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表17に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0309】
【表17】
【0310】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表17に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。-1日目及び8日目に、各群
で4匹のマウスを試験し(n=4)、次いで、各群で1匹のマウスを安楽死させ、組織学
的評価を行った。22日目及び29日目に、各群で3匹のマウスを試験した(n=3)。
【0311】
投与前の-1日目、及び次いで8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採
取し、上述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベル
を測定した。実験のデータを以下の表18に示す:
【0312】
【表18】
【0313】
試験されたHBV RNAi薬は、測定された全時点にわたって、PBS対照に比べて
HBsAgの減少を示した。
【0314】
加えて、血清B型肝炎e抗原(HBeAg)レベルもまた評価した。それぞれの群のマ
ウスから得た試料を最初にプールし、結果として得られた血清試料を一重項状態でアッセ
イを行った。実験のデータを以下の表に示す:
【0315】
【表19】
【0316】
【表20】
【0317】
表19-1は、HBeAgと対照とを比較したノックダウン倍率を反映する。これは、
対照(PBS)群の正規化HBeAgレベル/それぞれのRNAi薬(複数可)群の正規
化HBeAgレベル(すなわち、1.000/HBeAgレベル)として計算される。表
19-1に示すデータは、AD04872(上述のように、HBVゲノムの位置261~
279のS ORFに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を含む)と
、AD04982(HBVゲノムの位置1781~1799のX ORFに対して少なく
とも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を含む)との組み合わせは、個々のRNAi薬
単独投与に比べて、HBeAgレベルの更なる減少を示した(例えば、表19及び19-
1の群H及びIを参照)。更に、この実施例からのデータは、AD04872とAD04
982との組み合わせが、AD04872及びAD04982を個別に投与した場合のH
BeAgの減少倍率(fold decrease)の合計よりも、更に大きなHBeAg減少倍率を
もたらしたことを示している。例えば、群I(3.0mg/kg AD04872+2.
0mg/kg AD04982の投与)は15日目にHBeAgの減少倍率が17.0で
あり、これは、群G(3.0mg/kg AD04872)の減少倍率4.6と、群D(
2.0mg/kg AD04982)の減少倍率3.2との和よりも大きい。
【0318】
更に、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、-1、8、
15、22、29、及び36日目に採取された血清試料の表17の群のそれぞれについて
測定した。血清HBV DNAが、各時点で各動物から単離された。データを以下の表に
示す:
【0319】
【表21】
【0320】
表20のデータは、試験されたRNAi薬が、個別及び組み合わせの両方とも、PBS
群に比べて、HBV DNAレベルの減少をもたらしたことを示しており、AD0487
2(S ORFを標的とする)とAD04982(X ORFを標的とする)との組み合
わせが、同量のAD04872単独と同程度に、血清HBV DNAを低下させたことを
更に示している。
【0321】
実施例8.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:更なる用量応答及び併用試験

上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表21に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表21に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0322】
【表22】
【0323】
加えて、マウスは下記のスケジュールに従って安楽死させる予定である:
・11日目:群2A、3A、4A、5A、6A、7A及び8Aのマウス2匹、及び群9
のマウス1匹を安楽死。
・14日目:群2A、3A、4A、5A、6A、7A、及び8Aのマウス2匹を安楽死

・21日目:群2B、3B、4B、5B、6B、7B、及び8Bのマウス2匹を安楽死

・28日目:群1、2B、3B、4B、5B、6B、7B、及び8Bのマウス2匹、及
び群10及び12の全てのマウス(4匹)を安楽死。
【0324】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表21に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。上記の表14に示すように、
各群の4匹のマウスを試験し(n=4)、ただし群10、11、12及び13については
3匹のマウスを試験した(n=3)。
【0325】
投与前の-1日目、及び次いで8日目、14日目、21日目、及び28日目に血清を採
取し、上述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベル
を測定した。実験のデータを以下の表に示す:
【0326】
【表23】
【0327】
試験されたHBV RNAi薬は、単独と組み合わせの両方において、測定された全時
点にわたって、PBS対照に比べてHBsAgの実質的な減少を示した。
【0328】
実施例9.RNAi薬の送達。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。1日目、各マウスに、リン
酸緩衝生理食塩水(「PBS」)中に配合されたHBV RNAi薬10mg/kg(m
pk)を含有する200μLの単回皮下注射、又は、対照として使用されるHBV RN
Ai薬を含まないリン酸緩衝生理食塩水200μLの単回皮下注射を投与した。試験され
るHBV RNAi薬には、以下の表23に示すデュプレックス数を有するものが含まれ
た。これらはそれぞれ、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされた
N-アセチル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわ
たる緩んだ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウス
を試験した(n=3)。
【0329】
投与前、及び次いで8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述
の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した
。実験のデータを以下の表に示す:
【0330】
【表24】
【0331】
上記の表23に示すHBV RNAi薬はそれぞれ、HBVゲノムの位置1781~1
799でX ORFに少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を含んでいた。各
RNAi薬が、PBS対照に比べて有意なノックダウンを示した。
【0332】
実施例10.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:更なる併用試験。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表24に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表24に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0333】
【表25】
【0334】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表24に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0335】
血清を、投与の前、及び-1日目、8日目、15日目、22日目、29日目、36日目
、43日目、50日目、57日目、及び64日目に採取した。血清B型肝炎表面抗原(H
BsAg)レベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、測定した。実験のデータを以
下に示す:
【0336】
【表26】
【0337】
HBV RNAi薬AD04585及びAD04771を、表1及び2に示すように、
HBVゲノムの位置257~275のSオープンリーディングフレームに対して少なくと
も部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。HBV RNAi薬A
D04580及びAD04776を、表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置17
81~1799のXオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的な
アンチセンス鎖配列を有するように設計した。試験されたHBV RNAi薬は、単独と
組み合わせの両方において、測定された全時点にわたって、PBS対照に比べてHBsA
gの減少を示した。それぞれの後続の用量が、HBsAg低減の最下値を更に低下させた
【0338】
加えて、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、-1、8
、15、22、29、及び36、43及び50日目に採取された血清試料の、表24の群
C(3.0mg/kg AD04585)、群E(3.0mg/kg AD04580)
、及び群G(1.5mg/kg AD04585+1.5mg/kg AD04580)
について測定した。血清HBV DNAが、これらの時点のそれぞれで各動物から単離さ
れた。データを以下の表に示す:
【0339】
【表27】
【0340】
表26のデータは、試験されたHBV RNAi薬が、個別及び組み合わせの両方とも
、PBS群に比べて、HBV DNAレベルの減少をもたらしたことを示している。
【0341】
実施例11.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:併用試験。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表27に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表27に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0342】
【表28】
【0343】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表24に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0344】
投与前の-1日目、及び次いで8日目、15日目、22日目、29日目、及び36日目
に血清を採取し(ただし群L(AD04882)及び群M(AD04885)を除く)、
上述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定
した。実験のデータを以下の表に示す:
【0345】
【表29】
【0346】
RNAi薬AD04962を、表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置257~
275のSオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセ
ンス鎖配列を有するように設計した。RNAi薬AD04872を、表1及び2に示すよ
うに、HBVゲノムの位置261~279のSオープンリーディングフレームに対して少
なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。RNAi薬AD
04963を、表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置1781~1799のXオ
ープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を
有するように設計した。RNAi薬AD04882及びAD04885を、表1及び2に
示すように、HBVゲノムの位置1780~1798のXオープンリーディングフレーム
に対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。上記
の表9に示すHBV RNAi薬はそれぞれ、測定された全時点にわたって、個別と組み
合わせの両方で、PBS対照と比較して、HBsAgの減少を示した。再投与により、H
BsAgの更なる低下が得られた。
【0347】
加えて、群L及びMを除く全ての群について、血清B型肝炎e抗原(HBeAg)レベ
ルもまた評価した。それぞれの群のマウスから得た試料を最初にプールし、結果として得
られた血清試料を一重項状態でアッセイを行った。実験のデータを以下の表に示す:
【0348】
【表30】
【0349】
更に、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、8、15、
22、及び29日目に採取された血清試料の表27の群のそれぞれについて測定した。血
清HBV DNAが、各時点で各動物から単離された。データを以下の表に示す:
【0350】
【表31】
【0351】
表30のデータは、試験されたRNAi薬が、個別及び組み合わせの両方とも、PBS
群に比べて、HBV DNAレベルの減少をもたらしたことを示している。再投与により
、HBV DNAの更なる低下が得られた。
【0352】
実施例12.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表31に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表31に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0353】
【表32】
【0354】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表24に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0355】
血清を、投与前、次いで8日目、15日目、及び22日目に採取した。群A(PBS)
、群B(2.0mg/kg AD04871)、群C(2.0mg/kg AD0487
2)、群D(2.0mg/kg AD04874)、群E(2.0mg/kg AD04
875)、及び群F(2.0mg/kg AD04876)は更に、29日目、36日目
、43日目、及び50日目に血清を採取した。血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベ
ルを、上述の実施例2に示す手順に従って、測定した。実験のデータを以下の表に示す:
【0356】
【表33】
【0357】
HBV RNAi薬AD04871、AD04872、AD04874、AD0487
5、及びAD04876を、表1及び2に示すように、HBVゲノムの位置261~27
9のSオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス
鎖配列を有するようにそれぞれ設計した。これらのHBV RNAi薬のそれぞれが、P
BS対照に比べて実質的なHBsAg低下を示した。例えば、AD04871(群B)、
AD04872(群C)及びAD04874(群D)、及びAD04876(群F)ぞれ
ぞれの単回投与量2mg/kgでは、対照に比べて、15日目~43日目に測定された各
時点において、HBsAgが90%超の低下を示した。HBV RNAi薬AD0488
1、AD04883、AD04884をそれぞれ、表1及び2に示すように、HBVゲノ
ムの位置1780~1798のXオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分
的に相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。
【0358】
実施例13.X領域ノックアウトモデルマウスにおけるHBV RNAi薬の用量応答
及び組み合わせ。
HBV mRNAのS ORFに位置する領域に少なくとも部分的に相補的なアンチセ
ンス鎖配列を含むRNAi薬と、HBV mRNAのX ORFに位置する領域に少なく
とも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を含む第2のRNAi薬との組み合わせの影響
を評価する別の手段として、表1及び2に示すように位置1780及び1781を標的と
するHBV RNAi薬に対して、結合部位をノックアウトしたHBVゲノムを含むプラ
スミドを生成した(以下、X領域ノックアウトマウスと呼ぶ)。このモデルは、これらの
RNAi薬の結合部位内で、pHBV1.3プラスミドの10個の塩基を突然変異させる
ことによって生成された。HBV mRNAの残りの部分(S領域を含む)は機能的なま
まであった。よって、このHBVマウスモデルにおいて、本明細書に開示されるHBVゲ
ノムの位置1780及び1781を標的とするアンチセンス鎖を有するHBV RNAi
薬を含めると、発現のサイレンシングに関して無効となることが期待される。
【0359】
マウスは、以下の表33に示すものを含む様々な群に分けられ、マウスには以下の表に
示す投与レジメンに従って200μL皮下注射が行われた。
【0360】
【表34】
【0361】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表33に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0362】
5日目、8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述の実施例2
に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した。更に36
日目及び43日目に、群1~5について血清を採取した。実験のデータを以下の表34に
示す:
【0363】
【表35】
【0364】
予想されたように、群6(3.0mg/kgのHBV RNAi薬AD04963の単
回投与量であり、HBVゲノムの位置1781~1799のXオープンリーディングフレ
ームに対して少なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖を含む)は、HBsAgのノッ
クダウンをもたらすことができなかった。加えて、群2~5のそれぞれが、PBS対照に
比べて実質的なHBsAgのノックダウンをもたらし、群3及び群5の両方は、最下値(
22日目)でHBsAgの2ログ超の低下を示した。
【0365】
実施例14.X領域ノックアウトモデルマウスにおけるHBV RNAi薬の用量応答
及び組み合わせ。
上述の実施例13に記載のX領域ノックアウトマウスモデルを使用した。マウスは、以
下の表31に示すものを含む様々な群に分けられ、各マウスには、表35に示す投与レジ
メンに従って、単回200μL皮下注射を投与した。
【0366】
【表36】
【0367】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表35に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。表35に示す各群で3匹のマ
ウスを試験した(n=3)。
【0368】
1日目(投与前)、8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述
の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した
。実験のデータを以下の表に示す:
【0369】
【表37】
【0370】
表36は、単独で投与されたHBV RNAi薬AD04872、並びに、AD048
72(HBVゲノムの位置261~279のSオープンリーディングに対して少なくとも
部分的に相補的なアンチセンス鎖を含む)とAD05070(HBVゲノムの位置178
1~1799のXオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に相補的なア
ンチセンス鎖を含む)との組み合わせが、測定された各時点にわたって、PBS対照に比
べてHBsAgの有意なノックダウンをもたらしたことを示している。このX領域ノック
アウトモデルにおける突然変異した標的部位に対するHBV RNAi薬AD05070
を0.7mg/kg~2mg/kg追加した場合、2mg/kg HBV RNAi薬A
D04872の活性を低下させなかった。
【0371】
加えて、上述の実施例2に示す手順に従って、8、15、及び22日目に採取された血
清試料で血清HBV DNAレベルを測定した。各群からの血清をプールし、一重項状態
で血清からDNAを単離した。データを以下の表に示す:
【0372】
【表38】
【0373】
このX領域ノックアウトモデルにおける突然変異した標的部位に対するHBV RNA
i薬AD05070を0.7mg/kg~2mg/kg追加した場合、2mg/kg H
BV RNAi薬AD04872の活性を低下させなかった。
【0374】
実施例15.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表38に
示すものを含む様々な群に分けられ、各マウスには、表38に示す投与レジメンに従って
、単回200μL皮下注射を投与した。
【0375】
【表39】
【0376】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表38に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0377】
血清を、投与前の-1日目、次いで8日目、15日目、22日目、29日目、36日目
、43日目、及び50日目に採取した。血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを、
上述の実施例2に示す手順に従って、測定した。実験のデータを以下の表39に示す。平
均HBsAgは、HBsAgの正規化された平均値を反映している:
【0378】
【表40】
【0379】
RNAi薬AD04776、AD05069、AD05070、AD05071、AD
05073、及びAD05074をそれぞれ、表1及び2に示すように、HBVゲノムの
位置1781~1799のXオープンリーディングフレームに対して少なくとも部分的に
相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。RNAi薬AD05075、AD
05076、AD05077、及びAD05078をそれぞれ、表1及び2に示すように
、HBVゲノムの位置1780~1798のXオープンリーディングフレームに対して少
なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖配列を有するように設計した。
【0380】
表39は、単独で投与されたHBV RNAi薬AD04776、AD05069、A
D05070、AD05071、AD05073、及びAD05074、又はそれらのA
D04872(HBVゲノムの位置261~279のSオープンリーディングに対して少
なくとも部分的に相補的なアンチセンス鎖を含む)との組み合わせが、測定された各時点
にわたって、PBS対照に比べてHBsAgの有意なノックダウンをもたらしたことを示
している。
【0381】
実施例16.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬:用量応答及び併用試験。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表40に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表40に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0382】
【表41】
【0383】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表40に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で6匹のマウスを試験し
た(n=6)。
【0384】
投与前、及び次いで8日目、15日目、22日目、及び29日目に血清を採取し、上述
の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定した
。実験のデータを以下の表41に示す:
【0385】
【表42】
【0386】
試験されたHBV RNAi薬は、個別と組み合わせの両方において、測定された全時
点にわたって、PBS対照に比べてHBsAgの減少を示した。HBsAg発現は、22
日目に再投与された全ての群で更に低下した。
【0387】
加えて、血清B型肝炎e抗原(HBeAg)レベルもまた評価した。8日目の測定につ
いては、各群の全6匹のマウスの血清試料がプールされ、結果として得られた試料を一重
項状態でアッセイを行った。-1日目、15日目、22日目、及び29日目の測定につい
ては、各群の6匹のマウスが各群内で対にされ、それぞれの血清試料がプールされ、各群
につき3つのサブ群を形成した。各群の3つのサブ群それぞれの血清試料について、アッ
セイが行われた。実験のデータを以下の表42に示す:
【0388】
【表43】
【0389】
試験されたHBV RNAi薬は、個別と組み合わせの両方において、測定された全時
点にわたって、生理食塩水対照に比べてHBeAgの減少を示した。HBeAg発現は、
22日目に再投与された全ての群で更に低下した。
【0390】
更に、血清HBV DNAレベルを、上述の実施例2に示す手順に従って、-1、8、
15、及び22日目に採取された血清試料の表40の群のそれぞれについて測定した。各
対のマウスの血清をプールし、単一分離で各血清プールからDNAを単離した。データを
以下の表に示す:
【0391】
【表44】
【0392】
試験されたHBV RNAi薬は、個別と組み合わせの両方において、測定された全時
点にわたって、生理食塩水対照に比べて血清HBV DNAを低下させているが、ただし
、群11及び12では、8日目で血清HBV DNAの低下がなかったことが示された。
【0393】
実施例17.pHBVマウスにおけるHBV RNAi薬。
上述の実施例2に記載のpHBVマウスモデルを使用した。マウスは、以下の表44に
示すように様々な群に分けられ、各マウスには、表44に示す投与レジメンに従って、単
回200μL皮下注射を投与した。
【0394】
【表45】
【0395】
各マウスに200μLの単回皮下投与が行われた。これには、表44に示されるように
、リン酸緩衝生理食塩水中に配合された所定量のHBV RNAi薬、又は対照としてH
BV RNAi薬を含まない200μLのリン酸緩衝生理食塩水が含まれた。各HBV
RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の5’末端にコンジュゲートされたN-アセ
チル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んでいた。注射は、首及び肩領域にわたる緩ん
だ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射)に行った。各群で3匹のマウスを試験し
た(n=3)。
【0396】
投与前、及び次いで8日目、14日目、21日目、及び29日目及び36日目に血清を
採取し、上述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベ
ルを測定した。実験のデータを以下の表45に示す:
【0397】
【表46】
【0398】
試験されたHBV RNAi薬組み合わせは、測定された全時点にわたって、生理食塩
水対照に比べてHBsAgの減少を示した。AD04872を含む組み合わせは、AD0
4872の代わりにAD04585を用いた同等の組み合わせよりも、大きな低下を示し
た。
【0399】
加えて、上述の実施例2に示す手順に従って、8、14、21、及び29日目に採取さ
れた血清試料で血清HBV DNAレベルを測定した。血清HBV DNAが、各時点で
各動物から単離された。データを以下の表46に示す:
【0400】
【表47】
【0401】
試験されたHBV RNAi薬組み合わせは、測定された全時点にわたって、生理食塩
水対照に比べて血清HBV DNAの減少を示した。AD04872を含む組み合わせは
、AD04872の代わりにAD04585を用いた同等の組み合わせよりも、大きな低
下を示した。これらの大きな低下は、22日目及び29日目に観察された。
【0402】
実施例18.HBV感染ヒト化マウスモデルにおけるHBV RNAi薬。
この試験では、雄のFRG(登録商標)(C57BL/6バックグラウンド(Yecu
ris)の遺伝子型Fah-/-/Rag2-/-/Il2rg-/-三重ノックアウト
マウス)が1~2箇月齢のときに、ヒト肝細胞を移植した。ヒト肝細胞は、マウス肝細胞
の増殖を抑制するために、定期的なNTBC処理を用いて約6箇月間肝臓に再増殖させた
。9箇月齢で、マウスに、4×10個のゲノム/kg HBV遺伝子型Cの静脈内接種
を行った。これがヒト肝細胞を感染させた。2~3箇月後、血清HBV DNAレベルが
プラトーに達し、ヒト肝細胞が最大限に感染したことが示された(マウス肝細胞はHBV
に感染できない)。HBV RNAi薬による処置の開始時にマウスは1歳であり、よっ
て寿命の終わりに近かった。
【0403】
処置前の血清試料を-10日目及び-3日目に採取した。1日目に、各マウスに、1日
1回、水中に溶解させた0.01mg/kgのエンテカビルで、1日1回強制経口投与を
行い、HBVの複製を阻害した。マウスの安楽死の日まで、エンテカビルの1日1回の投
与を継続した。エンテカビル投与により、慢性的に感染したヒト患者の血清HBV DN
Aは低減するが、HBsAgは低減しないことが予想された。
【0404】
マウスを、下記の表47に示すものを含む様々な群に分けた:
【0405】
【表48】
【0406】
各マウスには更に、リン酸緩衝生理食塩水に調剤された量のHBV RNAi薬(複数
可)を含む体重20グラム当たり100μLの皮下投与、あるいは、HBV RNAi薬
を含まない同量のリン酸緩衝生理食塩水を含む体重20グラム当たり100μLの皮下投
与を、上記の表47に示すスケジュールに従って、1日目及び29日目(29日目にまだ
生存している場合)に行った。各HBV RNAi薬は、表4及び5に示す、センス鎖の
5’末端にコンジュゲートされたN-アセチル-ガラクトサミン標的化リガンドを含んで
いた。注射は、首及び肩領域にわたる緩んだ皮膚の、皮膚と筋肉の間(すなわち皮下注射
)に行った。
【0407】
8日目、15日目、22日目、29日目、36日目、及び40日目に血清を採取し、上
述の実施例2に示す手順に従って、血清B型肝炎表面抗原(HBsAg)レベルを測定し
た。実験のデータを以下の表に示す:
【0408】
【表49】
【0409】
加えて、上述の実施例2に示す手順に従って、-10、-3、8、15、22、29、
36、及び40日目に採取された血清試料で血清HBV DNAレベルを測定した。デー
タを以下の表49に示す:
【0410】
【表50】
【0411】
予想されたように、エンテカビルの投与は、HBV RNAi薬がない場合とある場合
の両方において、ウイルス複製を低減させた。
【0412】
他の実施形態
本発明はこの詳細な説明と関連して記載されてきたが、前述の説明は本発明の範囲を例
示したものであって、発明の範囲を限定することを意図したものではなく、発明の範囲は
添付の特許請求の範囲により定義されると理解される。他の態様、利点、及び変更は、以
下の特許請求の範囲内である。
【配列表】
2023123469000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-06-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0412
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0412】
他の実施形態
本発明はこの詳細な説明と関連して記載されてきたが、前述の説明は本発明の範囲を例示したものであって、発明の範囲を限定することを意図したものではなく、発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定義されると理解される。他の態様、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲内である。

以下の態様を包含し得る。
[1] アンチセンス鎖及びセンス鎖を含むB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのRNAi薬であって、前記アンチセンス鎖は、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列に対して少なくとも約85%の同一性を有する配列を含む、RNAi薬。
[2] 前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス配列の少なくとも16個の連続ヌクレオチドを含む、上記[1]に記載のRNAi薬。
[3] 前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列の位置2~18(5’→3’)のヌクレオチドを含む、上記[1]に記載の組成物。
[4] 前記RNAi薬の前記センス鎖の少なくとも1つのヌクレオチド、及び/又は、前記アンチセンス鎖の少なくとも1つのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、及び/又は修飾ヌクレオシド間連結を有する、上記[1]又は[2]に記載のRNAi薬。
[5] 前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、それぞれ17~30ヌクレオチド長である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のRNAi薬。
[6] 前記センス鎖が、表2又は表4に提供されるいずれかのセンス鎖配列の少なくとも16個の連続ヌクレオチドを含み、かつ前記センス鎖が、前記アンチセンス鎖に対して前記16個の連続ヌクレオチドにわたって少なくとも約85%の相補性の領域を有する、上記[1]~[5]のいずれかに記載のRNAi薬。
[7] 前記RNAi薬の前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖の両方における全て又は実質的に全てのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである、上記[1]~[6]のいずれかに記載のRNAi薬。
[8] 前記アンチセンス鎖が、表3に提供されるいずれかの修飾配列のヌクレオチド配列を含む、上記[1]に記載のRNAi薬。
[9] 前記センス鎖が、表4に提供されるいずれかの修飾センス配列のヌクレオチド配列を含む、上記[1]又は[8]に記載のRNAi薬。
[10] 上記[1]~[9]のいずれかに記載のRNAi薬を含む、HBV遺伝子の発現を阻害するための組成物であって、前記RNAi薬が標的化リガンドにコンジュゲートされている、組成物。
[11] 前記標的化リガンドがN-アセチル-ガラクトサミンを含む、上記[10]に記載の組成物。
[12] 前記標的化リガンドが(NAG13)、(NAG13)s、(NAG18)、(NAG18)s、(NAG24)、(NAG24)s、(NAG25)、(NAG25)s、(NAG26)、(NAG26)s、(NAG27)、(NAG27)s、(NAG28)、(NAG28)s、(NAG29)、(NAG29)s、(NAG30)、(NAG30)s、(NAG31)、(NAG31)s、(NAG32)、(NAG32)s、(NAG33)、(NAG33)s、(NAG34)、(NAG34)s、(NAG35)、(NAG35)s、(NAG36)、(NAG36)s、(NAG37)、(NAG37)s、(NAG38)、(NAG38)s、(NAG39)、又は(NAG39)sである、上記[11]に記載の組成物。
[13] 前記標的化リガンドが、前記RNAi薬の前記センス鎖にコンジュゲートされている、上記[10]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14] 前記組成物が、製薬的に許容される賦形剤を更に含む、上記[10]~[13]のいずれかに記載の組成物。
[15] 前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165のデュプレックス構造を有する、上記[10]~[14]のいずれかに記載の組成物。
[16] 前記RNAi薬が、AD04580;AD04585;AD04776;AD04872;AD04962;AD04963;AD04982;又はAD05070のデュプレックス構造を有する、上記[15]に記載の組成物。
[17] 前記組成物が、B型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む第2のRNAi薬を更に含む、上記[10]~[16]のいずれかに記載の組成物。
[18] 前記第2のRNAi薬が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列に対して少なくとも約85%の同一性を有するアンチセンス配列を含む、上記[17]に記載の組成物。
[19] 前記第2のRNAi薬の前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス配列の少なくとも16個の連続ヌクレオチドを含む、上記[18]に記載の組成物。
[20] 前記第2のRNAi薬の前記アンチセンス鎖が、表2又は表3に提供されるいずれかのアンチセンス鎖配列の位置2~18(5’→3’)のヌクレオチドを含む、上記[19]に記載の組成物。
[21] 前記第1のRNAi薬が、HBV遺伝子のSオープンリーディングフレーム(ORF)を標的とし、かつ、前記第2のRNAi薬が、HBV遺伝子のXオープンリーディングフレーム(ORF)を標的とする、上記[17]~[20]のいずれかに記載の組成物。
[22] 前記第1のRNAi薬がHBV遺伝子のX ORFを標的とし、かつ、前記第2のRNAi薬が、HBV遺伝子のS ORFを標的とする、上記[17]~[20]のいずれかに記載の組成物。
[23] 前記第1のRNAi薬が、AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04822;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04962;及びAD05164からなる群から選択され、かつ前記第2のRNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04776;AD04777;AD04778;AD04823;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;及びAD05165からなる群から選択される、上記[17]~21]のいずれかに記載の組成物。
[24] 前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD05070である、上記[17]~[21]又は[23]のいずれかに記載の組成物。
[25] 前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04982である、上記[17]~[21]又は[23]のいずれかに記載の組成物。
[26] 前記第1のRNAi薬がAD04872であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04776である、上記[17]~[21]又は[23]のいずれかに記載の組成物。
[27] 前記第1のRNAi薬がAD04585であり、かつ前記第2のRNAi薬がAD04580である、上記[17]~[21]のいずれかに記載の組成物。
[28] 1つ又は複数の追加の治療を更に含む、上記[10]~[27]のいずれかに記載の組成物。
[29] 前記追加の治療が、ラミブジン、テノホビル、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシル、又はエンテカビルである、上記[28]に記載の組成物。
[30] 前記追加の治療がインターフェロンである、上記[28]に記載の組成物。
[31] 対象におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための方法であって、上記[1]~[9]のいずれかに記載のRNAi薬を前記対象に投与することを含む、方法。
[32] 対象におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するための方法であって、上記[10]~[30]のいずれかに記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
[33] 前記対象が、HBV感染を有するか又は有するリスクがある、上記[31]又は[32]に記載の方法。
[34] 対象におけるHBV感染及び/又はHBV感染に関連する疾患、障害、又は状態を治療するための方法であって、上記[1]~[9]のいずれかに記載のRNAi薬の有効量を対象に投与することを含む、方法。
[35] 対象におけるHBV感染及び/又はHBV感染に関連する疾患、障害、又は状態を治療するための方法であって、上記[10]~[30]のいずれかに記載の組成物の有効量を対象に投与することを含む、方法。
[36] 前記組成物が、B型肝炎ウイルス遺伝子の前記発現を阻害するための2つのRNAi薬の有効量を含む、上記[32]、[33]、又は[35]に記載の方法。
[37] 前記組成物の前記有効量が、対象におけるHBsAgのレベルを、前記組成物の投与前の前記対象のHBsAg発現レベルに比べて、少なくとも約40%低下させるのに十分である、上記[32]、[33]、[35]、又は[36]のいずれかに記載の方法。
[38] 前記組成物の前記有効量が、対象におけるHBeAgのレベルを、前記組成物の投与前の前記対象のHBeAg発現レベルに比べて、少なくとも約40%低下させるのに十分である、上記[32]、[33]、[35]、又は[36]のいずれかに記載の方法。
[39] 前記組成物の前記有効量が、対象における血清HBV DNAレベルを、前記組成物の投与前の前記対象の血清HBV DNAレベルに比べて、少なくとも約40%低下させるのに十分である、上記[32]、[33]、[35]、又は[36]のいずれかに記載の方法。
[40] HBV感染に関連する前記疾患、障害、又は状態が、慢性肝疾患若しくは障害、肝臓炎症、線維化状態、増殖性疾患、肝細胞癌、D型肝炎ウイルス感染、又は急性HBV感染である、上記[34]又は[35]に記載の方法。
[41] 前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約1:1の比で投与される、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は40]のいずれかに記載の方法。
[42] 前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約2:1の比で投与される、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は[40]のいずれかに記載の方法。
[43] 前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約3:1の比で投与される、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は[40]のいずれかに記載の方法。
[44] 前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約4:1の比で投与される、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は[40]のいずれかに記載の方法。
[45] 前記第1のRNAi薬と前記第2のRNAi薬とが約5:1の比で投与される、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は[40]のいずれかに記載の方法。
[46] 前記第1のRNAi薬の前記有効量が約0.5mg/kg~約5mg/kgの間であり、かつ前記第2のRNAi薬の前記有効量が約0.5mg/kg~約5mg/kgの間である、上記[32]、[33]、[35]、[36]、[37]、[38]、[39]、又は[40]のいずれかに記載の方法。
[47] 前記RNAi薬の前記有効量が、約0.5mg/kg~約5mg/kgの間である、上記[31]に記載の方法。
[48] HBV感染の治療のための、上記[1]~[9]のいずれかに記載のRNAi薬の使用。
[49] HBV感染の治療のための、上記[10]~[30]のいずれかに記載の組成物の使用。
[50] HBV感染の治療のために医薬品を製造するための、上記[10]~[30]のいずれかに記載の組成物の使用。
[51] アンチセンス鎖及びセンス鎖を含むB型肝炎ウイルス遺伝子の発現を阻害するためのRNAi薬であって、前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレックス構造におけるそれぞれのセンス鎖又はアンチセンス鎖に同一又は実質的に同一なセンス鎖又はアンチセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、RNAi薬。
[52] 前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレックス構造におけるそれぞれのセンスに同一又は実質的に同一なセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、上記[51]に記載のRNAi薬。
[53] 前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレックス構造におけるそれぞれのアンチセンス鎖に同一又は実質的に同一なアンチセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、上記[52]に記載のRNAi薬。
[54] 前記RNAi薬が、AD03498;AD03499;AD03500;AD03501;AD03738;AD03739;AD03967;AD03968;AD03969;AD03970;AD03971;AD03972;AD03973;AD03974;AD03975;AD03976;AD03977;AD03978;AD04001;AD04002;AD04003;AD04004;AD04005;AD04006;AD04007;AD04008;AD04009;AD04010;AD04176;AD04177;AD04178;AD04412;AD04413;AD04414;AD04415;AD04416;AD04417;AD04418;AD04419;AD04420;AD04421;AD04422;AD04423;AD04425;AD04426;AD04427;AD04428;AD04429;AD04430;AD04431;AD04432;AD04433;AD04434;AD04435;AD04436;AD04437;AD04438;AD04439;AD04440;AD04441;AD04442;AD04511;AD04570;AD04571;AD04572;AD04573;AD04574;AD04575;AD04576;AD04577;AD04578;AD04579;AD04580;AD04581;AD04583;AD04584;AD04585;AD04586;AD04587;AD04588;AD04590;AD04591;AD04592;AD04593;AD04594;AD04595;AD04596;AD04597;AD04598;AD04599;AD04734;AD04771;AD04772;AD04773;AD04774;AD04775;AD04776;AD04777;AD04778;AD04822;AD04823;AD04871;AD04872;AD04873;AD04874;AD04875;AD04876;AD04881;AD04882;AD04883;AD04884;AD04885;AD04962;AD04963;AD04981;AD04982;AD04983;AD05069;AD05070;AD05071;AD05072;AD05073;AD05074;AD05075;AD05076;AD05077;AD05078;AD05147;AD05148;AD05149;AD05164;又はAD05165からなる群からのデュプレックス構造におけるそれぞれのセンス鎖及びアンチセンス鎖に両方とも同一又は実質的に同一なセンス鎖及びアンチセンス鎖を含むデュプレックス構造を有する、上記[53]に記載のRNAi薬。
[55] 前記実質的に同一であることが、正確に同一であるか、少なくとも、又は約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である、上記[51]~[54]に記載のRNAi薬。
[56] 前記実質的に同一であることが、少なくとも、又は約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である、上記[51]~[54]のいずれかに記載のRNAi薬。
[57] 前記実質的に同一であることが、約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である、上記[51]~[54]のいずれかに記載のRNAi薬。
[58] 前記実質的に同一であることが、少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である、上記[51]~[54]のいずれかに記載のRNAi薬。
[59] 上記[51]~[58]のいずれかに記載のRNAi薬を含む組成物。
[60] 上記[51]~[58]のいずれかに記載の、少なくとも2つのRNAi薬を含む組成物。
[61] 前記RNAi薬が少なくとも1つのオーバーハングを含む、上記[1]~[9]又は[51]~[58]のいずれかに記載のRNAi薬。
[62] 前記RNAi薬が前記アンチセンス鎖の3’末端にオーバーハングを含む、上記[61]に記載のRNAi薬。
[63] 前記RNAi薬が、前記アンチセンス鎖の3’末端及び前記センス鎖の3’末端にオーバーハングを含む、上記[62]に記載のRNAi薬。
[64] 前記RNAi薬が1つ又は2つの平滑末端を含む、上記[1]~[9]又は[51]~[58]のいずれかに記載のRNAi薬。
[65] 前記RNAi薬が1つ又は2つのフレイド末端を含む、上記[1]~[9]又は[51]~[58]のいずれかに記載のRNAi薬。
[66] 前記センス鎖が少なくとも1つの逆向き塩基脱落ヌクレオシドを含む、上記[1]~[9]、[51]~[58]、又は[61]~[65]のいずれかに記載のRNAi薬。
【外国語明細書】