(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123512
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】組み換えERWINIAアスパラギナーゼの製造のための方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/55 20060101AFI20230829BHJP
C12N 9/82 20060101ALI20230829BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20230829BHJP
C12N 15/78 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
C12N15/55
C12N9/82 ZNA
C12N15/31
C12N15/78 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023093346
(22)【出願日】2023-06-06
(62)【分割の表示】P 2020523432の分割
【原出願日】2018-10-17
(31)【優先権主張番号】62/578,305
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517192537
【氏名又は名称】フェネックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル・ジェイ・コールマン
(72)【発明者】
【氏名】トーベン・ブルック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み換えErwiniaアスパラギナーゼの製造方法を提供する。
【解決手段】培養培地中でPseudomonadales宿主細胞を培養すること、および組み換えII型アスパラギナーゼをコードする核酸を含む発現構築物からのPseudomonadales宿主細胞の細胞質中で組み換えII型アスパラギナーゼを発現させることを含み、ここで組み換えアスパラギナーゼが、約20%から約40%TCP可溶性II型アスパラギナーゼの収量で細胞質中で製造される、組み換えII型アスパラギナーゼを製造する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培養培地中でPseudomonadales宿主細胞を培養すること、および組み換えII型アスパラギナーゼをコードする核酸を含む発現構築物からのPseudomonadales宿主細胞の細胞質中で組み換えII型アスパラギナーゼを発現させることを含み、ここで組み換えアスパラギナーゼが、約20%から約40%TCP可溶性II型アスパラギナーゼの収量で細胞質中で製造される、組み換えII型アスパラギナーゼを製造する方法。
【請求項2】
組み換えII型アスパラギナーゼが、約10g/Lから約25g/Lの収量で細胞質中で製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
製造される可溶性組み換えII型アスパラギナーゼの量の活性を、活性アッセイを使用して測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
組み換えII型アスパラギナーゼがErwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型(クリサンタスパーゼ)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
組み換えII型アスパラギナーゼをコードする核酸が、配列番号1と少なくとも85%相同な配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
組み換えII型アスパラギナーゼが、配列番号2と少なくとも85%相同なアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
Pseudomonadales宿主細胞がPseudomonas fluorescens細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
宿主細胞が、1以上のネイティブアスパラギナーゼの発現が欠損する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1以上の不完全に発現されたネイティブアスパラギナーゼが、I型アスパラギナーゼ;II型アスパラギナーゼおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
宿主細胞が、1以上のプロテアーゼの発現が欠損する;1以上のフォールディングモジュレーターを過剰発現する;またはその両方である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
培養培地中でPseudomonadales宿主細胞を培養すること、および組み換えII型アスパラギナーゼをコードする核酸を含む発現構築物からの宿主細胞のペリプラズム中で組み換えII型アスパラギナーゼを発現させることを含み、ここで組み換えII型アスパラギナーゼが、約20%から約40%TCP可溶性アスパラギナーゼの収量でペリプラズム中で製造される、組み換えII型アスパラギナーゼを製造する方法。
【請求項12】
組み換えII型アスパラギナーゼが、約5g/Lから約30g/Lの収量でペリプラズム中で製造される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
製造される組み換えII型アスパラギナーゼの量の活性を、活性アッセイを使用して測定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
組み換えII型アスパラギナーゼがErwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型(クリサンタスパーゼ)である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
組み換えII型アスパラギナーゼをコードする核酸が、配列番号1と少なくとも85%相同な配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
組み換えII型アスパラギナーゼが、配列番号2と少なくとも85%相同なアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
Pseudomonadales宿主細胞がPseudomonas fluorescens細胞である、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
宿主細胞が、1以上のアスパラギナーゼの発現が欠損する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
不完全に発現されたアスパラギナーゼが、I型アスパラギナーゼ、II型アスパラギナーゼ、またはその両方から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
発現構築物が、製造される組み換えII型アスパラギナーゼの宿主細胞のペリプラズムへの転移を誘導する分泌リーダーを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
分泌リーダーが、FlgI、Ibps31A、PbpA20V、DsbC、8484、および5193を含む群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定された活性を対照II型アスパラギナーゼの同じ量の測定された活性と同じ活性アッセイを使用して比較することをさらに含み、ここで製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定された活性は対照II型アスパラギナーゼの活性と比較可能である、請求項3または13に記載の方法。
【請求項23】
組み換えII型アスパラギナーゼは、患者における半減期を増加させるように修飾される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
宿主細胞が、1以上のプロテアーゼの発現が欠損する;1以上のフォールディングモジュレーターを過剰発現する;またはその両方である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
宿主細胞が、HslUVプロテアーゼが欠損する;PrtBプロテアーゼが欠損する;Prcプロテアーゼが欠損する;DegPプロテアーゼが欠損する;AprAプロテアーゼが欠損する;Lonプロテアーゼが欠損する;Laプロテアーゼが欠損する;DegP1が欠損する;DegP2が欠損する;DegPS219Aを過剰発現する;またはそれらの組み合わせである、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、参照により本願明細書中に組み込まれる2017年10月27日に提出された米国仮出願番号62/578,305の利益を主張する。
【0002】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる配列表を含有する。2018年10月16日に作成された該ASCIIコピーの名前は38194-749_601_SL.txtで、サイズは71,228バイトである。
【背景技術】
【0003】
本願の背景
クリサンタスパーゼとも呼ばれる細菌Erwinia chrysanthemiからのL-アスパラギナーゼII型は、E.coli由来のネイティブまたはペグ化アスパラギナーゼに対して過敏症または無症状の不活性化を発症している急性リンパ芽球性白血病(ALL)を有する患者の処置のための他の化学治療の薬剤と組み合わせて示される。それは、他の腫瘍性状態の処置にも使用できる。クリサンタスパーゼはErwinia chrysanthemiの発酵により生成され、一連のクロマトグラフィーおよび他の方法により薬物物質を生じる酵素調製物を生じるように処理される細胞ペーストを製造する。Erwinia中で発現された場合、クリサンタスパーゼプレタンパク質は、N末端に存在するネイティブ分泌シグナル配列を使用して、細胞のペリプラズム空間への分泌を行う。ペリプラズムの空間内に局所化されると、該シグナル配列は開裂されて、四量体または活性なクリサンタスパーゼの形態に自然に融合することができる成熟した単量体を生じる。いくつかの場合において、組み換えクリサンタスパーゼは、異種ソースからの種々の分泌シグナルペプチドとの融合を使用して、E.coli中で発現される。
【発明の概要】
【0004】
組み換えII型アスパラギナーゼの製造方法が、本願明細書中で提供される。いくつかの実施形態において、該方法は、培養培地中でPseudomonadales宿主細胞を培養し、細胞質中で約20%TCPから約40%TCP可溶性アスパラギナーゼの収量で製造される組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸を含む発現構築物からのPseudomonadales宿主細胞の細胞質中に組み換えアスパラギナーゼを発現させることを含む。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、細胞質中で約10g/Lから約25g/Lの収量で製造される。いくつかの実施形態において、該方法はさらに、活性アッセイを使用して、製造される可溶性組み換えII型アスパラギナーゼの量の活性を測定することを含む。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸は、宿主細胞中での発現に最適化される。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼはErwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型(クリサンタスパーゼ)である。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸は、配列番号1と少なくとも85%相同である。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、配列番号2と少なくとも85%相同である。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼの発現は、培養培地へのIPTGの添加により誘導される。いくつかの実施形態において、IPTGは、培養培地中で約0.05mMから約2.5mMの濃度である。いくつかの実施形態において、Pseudomonad宿主細胞が約0.1g/gから約0.5g/gの湿潤細胞重量まで成長すると、組み換えアスパラギナーゼの発現が誘導される。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は約5.0から約8.0のpHで培養される。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は約22°Cから約33°Cの温度で培養される。いかなる実施形態においても、本願明細書中では、Pseudomonadales宿主細胞はPseudomonas fluorescens細胞である。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は、1以上のアスパラギナーゼの発現が欠損する。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は、1以上のネイティブアスパラギナーゼの発現が欠損する。いくつかの実施形態において、不完全に発現されたネイティブアスパラギナーゼは、I型アスパラギナーゼである。いくつかの実施形態において、不完全に発現されたネイティブアスパラギナーゼは、II型アスパラギナーゼである。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のプロテアーゼの発現が欠損する。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のフォールディングモジュレーターを過剰発現する。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のネイティブアスパラギナーゼの発現が欠損し、1以上のプロテアーゼの発現が欠損し、および/または1以上のフォールディングモジュレーターを過剰発現する。
【0005】
実施形態において、該方法は、培養培地中でPseudomonadales宿主細胞を培養し、ペリプラズム中で約20%から約40%の収量で製造されるTCP可溶性アスパラギナーゼ(例えば、単量体アスパラギナーゼ)である組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸を含む発現構築物からのPseudomonadales宿主細胞のペリプラズム中に組み換えアスパラギナーゼを発現させることを含む。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、約5g/Lから約20g/Lの収量でペリプラズム中で製造される。いくつかの実施形態において、該方法はさらに、活性アッセイを使用して、製造される組み換えII型アスパラギナーゼの量の活性を測定することを含む。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸は、宿主細胞中での発現に最適化される。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼはErwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型(クリサンタスパーゼ)である。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼをコードする核酸は、配列番号1と少なくとも85%同一である。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、配列番号2と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼの発現は、培養培地へのIPTGの添加により誘導される。いくつかの実施形態において、IPTGは培養培地中で約0.05mMから約2.5mMの濃度である。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞が約0.05g/gから約0.5g/gの湿潤重量に成長すると、組み換えアスパラギナーゼの発現が誘導される。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は約5.0から約8.0のpHで培養される。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は約22°Cから約33°Cの温度で培養される。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞はPseudomonas fluorescens細胞である。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のネイティブアスパラギナーゼの発現が欠損する。いくつかの実施形態において、不完全に発現されたネイティブアスパラギナーゼはI型アスパラギナーゼである。いくつかの実施形態において、不完全に発現されたネイティブアスパラギナーゼはII型アスパラギナーゼである。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のプロテアーゼの発現が欠損する。いくつかの実施形態において、Pseudomonadales宿主細胞は1以上のフォールディングモジュレーターを過剰発現する。いくつかの実施形態において、発現構築物は分泌リーダーを構成する。いくつかの実施形態において、分泌リーダーは、Pseudmonadales分泌リーダーFlgI、Ibps31A、PbpA20V、DsbC、8484、および5193を含む群から選択される。いくつかの実施形態において、分泌リーダーは、製造される組み換えアスパラギナーゼのPseudomonad宿主細胞のペリプラズムへの転移を誘導する。いくつかの実施形態において、該方法はさらに、製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定された活性を、同じ活性アッセイを使用して同じ量の対照II型アスパラギナーゼで測定された活性と比較することを含む。いくつかの実施形態において、対照II型アスパラギナーゼは、少なくとも1か国の患者における使用が商業的に承認されているErwinia II型アスパラギナーゼを含む。いくつかの実施形態において、製造される組み換えII型アスパラギナーゼは、II型アスパラギナーゼ対照試料の活性の約80%から約120%を有する患者における使用のために選択される。いくつかの実施形態において、組み換えII型アスパラギナーゼは、患者における半減期を増加させるように修飾される。実施形態において、宿主細胞は、以下のうちの少なくとも1つから選択される:HslUVプロテアーゼを欠く宿主細胞、PrtBプロテアーゼを欠く宿主細胞、Prcプロテアーゼを欠く宿主細胞、DegPプロテアーゼを欠く宿主細胞、AprAプロテアーゼを欠く宿主細胞、Lonプロテアーゼを欠く宿主細胞、Laプロテアーゼを欠く宿主細胞、DegP1を欠く宿主細胞、DegP2を欠く宿主細胞DegP2、およびDegP2 S219Aを過剰発現する宿主細胞。
【0006】
参照による組み込み
本願明細書中で言及されているすべての出版物、特許、および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、または特許出願が参照により組み込まれることが特異的かつ個別に示されているのと同程度に、参照により本願明細書中に組み込まれる。
【0007】
本開示の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される説明的な実施形態を示す以下の詳細な説明および添付の図面を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1.SDS-CGEゲル様画像-Tier 1発現プラスミドスクリーン。DC454(上部パネル)およびDC441(下部パネル)からのクリサンタスパーゼ小規模成長全ブロスソニケート可溶性試料を還元SDS-CGEで分析した。左端のレーンは分子重量マーカーラダー1(上部パネルMWラダー48KD、29KD、下部パネルMWラダー48KD、29KD、21KD)を示し、右端のレーンは同じラダーを示す。左から右に(レーン1から46)、ラダー1のすぐ右から順に、以下の分泌リーダーペプチドがクリサンタスパーゼタンパク質のN末端(他に示されない限り高いRBS)に融合したときに観察される発現パターンを示すレーンである:リーダーなし;DsbD;リーダーA;DsbA;DsbA-培地RBS;Azu;Azu-培地RBS;Lao;Ibp-S31A;TolB;DC432ヌル(プラスミドのみのベクターを保有する野生型宿主株);Tpr;Ttg2C;FlgI;CupC2;CupB2;Pbp;PbpA20V;DsbC;リーダーB;リーダーC;DC432ヌル;リーダーD;リーダーE;リーダーF;リーダーG;リーダーH;PorE;リーダーI;リーダーJ;リーダーK;リーダーL;DC432ヌル;リーダーM;リーダーN;リーダーO;5193;リーダーP;リーダーQ;リーダーR;8484;リーダーS;リーダーT;DC432ヌル。ゲル画像の右側の矢印は、クリサンタスパーゼ標的タンパク質(35kDa)の移動を示す。
【0009】
【
図2】
図2.クリサンタスパーゼ例配列。クリサンタスパーゼ(配列番号2)をコードする例示的な核酸配列は、対応するアミノ酸配列(配列番号1)とともに示される。SapI制限部位を含む完全な核酸配列も示される(配列番号63)。
【0010】
【
図3】
図3.発現プラスミドマップ。該マップは、P.fluorescens中でクリサンタスパーゼを発現させるためのプラスミドの例を示す。
【0011】
【
図4】
図4.SDS-CGEゲル様画像-振とうフラスコ発現分析。可溶性の還元型キャピラリーゲル電気泳動(SDS-CGE)で測定した、異なる成長状態での発現が示される。左から右に、以下の試料中で観察された発現パターンを示すレーンである:ラダー1(分子重量マーカー68、48、29、21、および16KD);I0でのSTR55987(細胞質発現、リーダーなし);I24でのSTR55987(細胞質発現、リーダーなし);I24でのSTR55987(細胞質発現、リーダーなし);I24でのSTR55987(細胞質発現、リーダーなし);I0でのSTR55979(リーダーO);I24でのSTR55979(リーダーO);I24でのSTR55979(リーダーO);I24でのSTR55979(リーダーO);I0でのSTR55980(8484リーダー);I24でのSTR55980(8484リーダー);I24でのSTR55980(8484リーダー);I24でのSTR55980(8484リーダー);I0でのSTR55982(ヌルプラスミド);I24でのSTR55982(ヌルプラスミド);I24のSTR55982(ヌルプラスミド);I24のSTR55982(ヌルプラスミド);ラダー2(ラダー1と同じマーカー);Sigma E.coli AspG 1,000 ug/ml(標準的なE.coli Asp2); Sigma E.coli AspG 500 ug/ml; Sigma E.coli AspG 250 ug/ml; Sigma E.coli AspG 125 ug/ml; Sigma E.coli AspG 62.5 ug/ml;およびラダー3(ラダー1と同じマーカー)、ここでI0試料は誘導時に採取され、I24試料は誘導から24時間後に採取される。
【0012】
【
図5】
図5.STR55978の成長-2リットル発酵。異なる成長状態(状態1-8)下で湿潤細胞重量により測定される成長は、発酵時間の関数として示される。
【0013】
【
図6】
図6.STR55978タンパク質製造-2リットル発酵。還元された可溶性SDS-CGEにより測定された組み換えアスパラギナーゼ力価が示される。
【0014】
【
図7】
図7.マススぺクトロメトリーデータ-振とうフラスコ発現分析。発現された組み換えアスパラギナーゼのインタクトな質量が示される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
概要
Pseudomonas宿主細胞中で、クリサンタスパーゼとしても知られているErwinia chrysanthemiからの可溶性組み換えL-アスパラギナーゼII型を製造する方法が、本願明細書中で開示される。全細胞タンパク質のパーセンテージとしてのクリサンタスパーゼ製造の高いレベル、例えば40%までのTCPクリサンタスパーゼ、例えば、検出可能な分解なく活性な四量体を形成することができるクリサンタスパーゼ単量体が本願明細書中で記載される。クリサンタスパーゼ製造の高い力価、例えば、クリサンタスパーゼ1リットルあたり20グラムまで、例えば、検出可能な分解なく活性な四量体を形成することができるクリサンタスパーゼ単量体が、本願発明の方法を用いて得られる。クリサンタスパーゼを製造するための宿主細胞は、Pseudomonas、例えばPseudomonas fluorescensを含むが、これらに限定されない。クリサンタスパーゼ発現構築物は、選択した宿主株に応じてコドン最適化されることができる。
【0016】
本願発明の方法において有用な核酸構築物は、分泌リーダー-クリサンタスパーゼ融合タンパク質の発現を結果として生じる分泌シグナル(分泌リーダー)、例えばP.fluorescensにネイティブなペリプラズム分泌リーダーをコードする核酸配列に作動可能に連結されたクリサンタスパーゼ遺伝子をコード化することができる。いくつかの実施形態において、ペリプラズムの分泌リーダーは、1以上のFlgI、8484、DsbC、Ibp-S31A、または5193を含む。実施形態において、宿主細胞は、プロテアーゼの不活性化を結果として生じる1以上のプロテアーゼ-コーディング遺伝子中の突然変異を有する。プロテアーゼまたは任意の他の遺伝子産物の不活性化を結果として生じる突然変異は、遺伝子のコード配列または調節配列のいずれかにおける置換、挿入、または欠失突然変異を含むがそれらに限定されないタンパク質不活性化を引き起こすかまたはタンパク質発現を妨げるとして当該技術分野において既知の任意のタイプの突然変異であることができることが理解される。フォールディングモジュレーターの過剰発現は、フォールディングモジュレーター遺伝子のプラスミド発現または染色体組み込みなど、任意の方法を使用して達成できることが理解される。実施形態において、宿主細胞は、少なくとも1つのプロテアーゼ不活性化を有し、少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する。
【0017】
当業者にとって既知のように、アミノ酸配列は、遺伝子コードにおける重複のために、異なるヌクレオチド配列によりコードされることができる。ゆえに、本願発明は、同じアミノ酸配列を有するが異なるヌクレオチド配列によりコードされるペプチドまたはタンパク質の使用を含む。
【0018】
実施形態において、分泌リーダーは、可溶性クリサンタスパーゼを宿主細胞のペリプラズムに輸送する。他の実施形態において、クリサンタスパーゼは細胞質中に保持される。実施形態において、クリサンタスパーゼ精製プロセスは、クリサンタスパーゼ可溶化およびその後のリフォールディングを必要としない。実施形態において、クリサンタスパーゼの少なくとも一部は封入体中で発現されない。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼは、精製のためのいかなるペプチドタグを含まずに発現され、精製時に追加の処理を必要としない。分泌リーダーがアスパラギナーゼタンパク質に融合される実施形態において、分泌リーダーは可溶的に発現されたクリサンタスパーゼから効率的に処理される。他の実施形態において、クリサンタスパーゼのペリプラズム製造のための発現プラスミドは、選択および維持のためにいかなる抗生物質耐性マーカー遺伝子も利用せず、ゆえに、バイオ医薬品の製造に必要なプラスミドDNAのその後の除去のための複雑なプロセスを排除する。他の実施形態において、発酵状態は大容量製造に拡張可能である。本願明細書中で提供される方法は、高いレベルの可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼを生じる。
【0019】
実施形態において、本願発明は、高い収量で可溶性形態の組み換えタンパク質の細胞質的製造のための方法を提供し、ここで、組み換えタンパク質は、そのネイティブ宿主中で低い収量でペリプラズムに製造される。そのネイティブ宿主であるErwinia chrysanthemiにおいて、クリサンタスパーゼはペリプラズム中で製造される。本願発明は、宿主細胞の細胞質に中の可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼの高いレベルの製造を可能にする方法を提供する。実施形態において、本願明細書中で提供される方法は、Pseudomonadales、Pseudomonad、Pseudomonas、またはPseudomonas fluorescens宿主細胞の細胞質中の高いレベルの可溶性および/または活性なクリサンタスパーゼを生じる。
【0020】
組み換えタンパク質の細胞質的製造は、精製を容易にすることができる。より大きなタンパク質(クリサンタスパーゼ四量体は35KDx4、つまり140KD複合体)について、細胞質からの総放出と比較して、ペリプラズムの放出を使用したペリプラズムの空間からの低いパーセント回収が予想される。さらに、ペリプラズムに発現したタンパク質中の分泌リーダーの不完全または不適切な処理は、全体的な低いプロセス収量を結果として生じる標的タンパク質からの分離されなければならない望ましくない産物関連不純物を結果として生じることができる。
【0021】
アスパラギナーゼ
II型L-アスパラギナーゼを含むアスパラギナーゼは、L-アスパラギンのL-アスパラギン酸およびアンモニアへの加水分解を触媒する酵素である(L-アスパラギン+H2O=L-アスパラギン酸+NH3)。II型L-アスパラギナーゼは、ALLおよびいくつかの他の癌を処置するためのマルチ薬剤化学治療のレジメンの一部として使用される。正常細胞はアスパラギンを合成することができるが、特定の癌細胞はアスパラギン合成酵素の欠如のためにアスパラギンを合成することができない。したがって、アスパラギナーゼの患者への投与は、可溶性アスパラギンの加水分解および循環アスパラギンを結果として生じる。これは、正常細胞に対するより少ない効果効果を有する癌細胞の死につながることができる。アスパラギナーゼは、例えば、参照により本願明細書中で組み込まれる、「Drug Discovery and Design: Medical Aspects」、IOS Press, Matsoukas, J.、およびMavromoustakos, T., 編における、PritsaおよびKyriakidis, 2002、「L-Asparaginase: Structure, Properties, and Anti-Tumor Activity」中に記載される。
【0022】
Erwinaze(登録商標)(生物製剤ライセンス申請125359)は、患者におけるすべての処置について米国で商業的に承認されたErwinia chrisanthemiL-アスパラギナーゼII型産物である。その活性な成分は、Erwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型である(参照により本明細書中で組み込まれるErwinaze(登録商標)パッケージインサートを参照)。
【0023】
実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型(例えば、本願明細書中での配列番号1、または分泌リーダー配列を含む配列番号35-49のいずれかに記載されているアミノ酸配列)は、本願発明の方法を使用して製造される。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号1と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一のアミノ酸配列を有する。このアスパラギナーゼは、例えば、米国特許出願番号U.S.2016/0060613において記載される、参照により全体が組み込まれ、細菌ソースからの既知のL-アスパラギナーゼの共通の構造的特徴を含む、「ペグ化L-アスパラギナーゼ」である。US2016/0060613によれば、すべてが2つの隣接するN末端ドメインとC末端ドメインの間に4つの活性な部位を有するホモ四量体であり、すべてが三次および四次構造において高い類似性を有し、L-アスパラギナーゼの触媒部位の配列は、Erwinia chrysanthemi、Erwinia carotovora、およびE.coliL-アスパラギナーゼIIの間で高度に保存されている。実施形態において、タンパク質は、配列番号1の配列を有するErwiniachrysanthemiのL-アスパラギナーゼである。このL-アスパラギナーゼは、シグナルペプチドおよび/またはリーダー配列有りまたは無しのいずれかで、Erwinia chrysanthemi NCPPB 1066(Genbank Accession No. CAA32884、例えば、それぞれが本願明細書中でその全体が参照により組み込まれるMinton, et al., 1986、「Nucleotide sequence of the Erwinia chrysanthemi NCPPB 1066 L-asparaginase gene」、Gene 46(1), 25-35により記述される)として開示されている。
【0024】
実施形態において、本願発明の方法を用いて製造されるクリサンタスパーゼは、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼL-アスパラギナーゼII型酵素の変異体であり、ここで、変異体は、Erwinia chrysanthemi L-アスパラギナーゼII型酵素のL-アスパラギナーゼII型活性の約80%から約120%、またはそれを超える、約85%から約120%、約90%から約120%、約95%から約120%、約98%から約120%、約100%から約120%、約80%から約100%、約80%から約90%、約85%から約115%、約90%から約110%、約95%から約155%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、または少なくとも約100%を有する。
【0025】
実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列を有する核酸によりコードされ、ここでコドンは宿主細胞中での発現のために所望のように最適化される。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号2の配列を有する核酸によりコードされる。いくつかの実施形態において、Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼII型は、配列番号2と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を有する核酸によりコードされる。
【0026】
実施形態において、本願発明の方法を使用して製造されるII型アスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ遺伝子と少なくとも約70%同一である核酸配列によりコードされる。 実施形態において、アスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼと少なくとも約70%同一のアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ核酸配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一の核酸配列を有する。いくつかの実施形態において、組み換えアスパラギナーゼは、野生型Erwinia chrysanthemiアスパラギナーゼ核酸配列と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸によりコードされたアミノ酸配列を有する。本願明細書中でパーセンテージとして表現される「同一性」または「相同性」は、2つの配列間の類似性の尺度を記載する。いくつかの実施形態において、2つの配列間の同一性の程度は、技術分野において既知のコンピュータープログラムおよび数学アルゴリズムを使用して確認される。パーセント配列同一性(相同性)を計算するかかるアルゴリズムは一般に、比較領域にわたる配列のギャップおよび不一致を説明する。例えば、BLAST(例えば、BLAST2.0)検索アルゴリズム(例えば、NCBIを通じて公的に入手可能な入手可能なAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403 (1990)を参照)は、以下のような例示的な検索パラメータを有する:Mismatch-2;ギャップオープン5;ギャップ拡張2。ポリペプチド配列比較について、典型的に、BLASTPアルゴリズムは、PAM100、PAM 250、BLOSUM 62、またはBLOSUM 50などのスコアリングマトリックスと組み合わせて使用される。FASTA(例えば、FASTA2およびFASTA3)およびSSEARCH配列比較プログラムは、同一性の程度を定量化するためにも使用される(Pearson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988); Pearson, Methods Mol Biol. 132:185 (2000); およびSmith et al., J. Mol. Biol. 147:195 (1981))。
【0027】
Erwinia chrysanthemiからの組み換えII型アスパラギナーゼであるクリサンタスパーゼも、Erwinase(登録商標)およびErwinaze(登録商標)として既知である。E.coliに由来する組み換えアスパラギナーゼは、Colaspase(登録商標)、Elspar(登録商標)、Kidrolase(登録商標)、Leunase(登録商標)、およびSpectrila(登録商標)なる名前で既知である。Pegaspargase(登録商標)は、E.coliアスパラギナーゼのペグ化バージョンの名前である。クリサンタスパーゼは、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫の患者に、静脈内、筋肉内、または皮下注射により投与される。
【0028】
患者の使用が商業的に承認されたアスパラギナーゼII型産物は、各国の薬物承認機関から入手可能なアスパラギナーゼ産物の産物情報にアクセスすることにより同定できる。例えば、産物情報および承認記録は、例えばアメリカ食品医薬品局からのElspar(E.coliL-アスパラギンアミドヒドロラーゼ、EC-2型;BLA#101063)およびErwinaze(登録商標)(アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi、BLA#125359)について米国において公的に入手可能であり、参照により本願明細書中で組み込まれる(10903 New Hampshire Avenue、Silver Spring、MD 20993、およびFDAウェブサイトでのオンライン)。欧州における産物情報は、欧州医薬品庁(30 Churchill Place、Canary Wharf、London E14 5EU、United Kingdom、およびEMAウェブサイトでのオンライン)から入手可能である(例えば、それぞれが本願明細書中で参照により組み込まれるOncaspar:ペグ化E.coliL-アスパラギナーゼに関する最初に2016年1月19日に公開されたEPAR産物情報;Spectrila:最初に2016年1月28日に公開されたEPAR産物情報;および国家承認医薬品のリスト、2016年4月27日、欧州医薬品庁を参照)。
【0029】
いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼの修飾されたバージョンが生成される。一般に、アミノ酸配列に関して、「修飾」なる語は、置換、挿入、伸長、欠失、および誘導体化を単独または組み合わせて含む。特定の実施形態において、クリサンタスパーゼの修飾されたバージョンは、患者に投与されるときの増加した半減期などの増強される特性を有する。いくつかの実施形態において、半減増加された半減期を有するクリサンタスパーゼの修飾されたバージョンがペグ化される。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼは、「非必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含んでもよい。この文脈において、「非必須」アミノ酸残基は、クリサンタスパーゼ(例えば、アナログクリサンタスパーゼ)の活性(例えば、酵素活性)を廃止または実質的に減少させることなく、新規アミノ酸配列において変更、例えば欠失、置換、または誘導体化できる残基である。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼは、「必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含んでもよい。この文脈において、「必須」アミノ酸残基は、新規アミノ酸配列において変更、例えば欠失、置換、または誘導体化されると、参照クリサンタスパーゼの活性が実質的に減少または廃止される残基である。必須アミノ酸残基が変更されるかかる実施形態において、修飾されたクリサンタスパーゼは、提供される方法で目的のクリサンタスパーゼの活性を所有してもよい。置換、挿入、および欠失は、N末端またはC末端であっても、タンパク質の内部であってもよい。例として、タンパク質は、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけての両方で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える置換を含んでもよい。単独でまたは置換と組み合わせて、ペプチドは、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけてのいずれかで1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える挿入を含んでもよい。ペプチドは、単独でまたは置換および/または挿入と組み合わせて、また、ペプチド分子全体に連続的な様式でまたは間隔をあけてのいずれかで再び1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える欠失を含んでもよい。ペプチドは、単独でまたは置換、挿入、および/または欠失と組み合わせて、また、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超えるアミノ酸付加を含んでもよい。
【0030】
置換は、保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖または物理化学的特性(例えば、静電、水素結合、等配電子、疎水性の特徴)を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。アミノ酸は、天然または非天然であってもよい。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは当該技術分野において既知である。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、メチオニン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。置換は、非保存的変化をも含んでもよい。
【0031】
発現系
いくつかの場合において、本願明細書中の方法は、発現構築物からの組み換えクリサンタスパーゼをPseudomonas宿主細胞中で発現させることを含む。いくつかの場合において、発現構築物はプラスミドである。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼ配列をコードするプラスミドは選択マーカーを含む、プラスミドを維持する宿主細胞は選択的な状態で成長する。いくつかの実施形態において、プラスミドは選択マーカーを含まない。いくつかの実施形態において、発現構築物は宿主細胞ゲノム中に組み込まれる。いくつかの実施形態において、発現構築物は、クリサンタスパーゼをペリプラズムに誘導する分泌シグナルに融合したクリサンタスパーゼをコードする。いくつかの実施形態において、分泌シグナルは宿主細胞中で開裂される。いくつかの実施形態において、発現構築物は分泌シグナルをコードせず、クリサンタスパーゼは細胞質に向けられる。
【0032】
Pseudomonas宿主株を含む宿主株において、本願発明の方法において有用な調節配列(例えば、プロモーター、分泌リーダー、およびリボソーム結合部位)を含む異種タンパク質を発現するための方法が、例えば、それぞれが参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許番号7,618,799、「Bacterial leader sequences for increased expression」、米国特許番号7,985,564、「Expression systems with Sec-system secretion」、ともに「Method for Rapidly Screening Microbial Hosts to Identify Certain Strains with Improved Yield and/or Quality in the Expression of Heterologous Proteins」なるタイトルの米国特許番号9,394,571および9,580,719、米国特許番号9,453,251、「Expression of Mammalian Proteins in Pseudomonas fluorescens」、米国特許番号8,603,824、「Process for Improved Protein Expression by Strain Engineering」、および米国特許番号8,530,171、「High Level Expression of Recombinant Toxin Proteins」において記載される。実施形態において、本願発明との関連で使用される分泌リーダーは、米国特許番号7,618,799、7,985,564、9,394,571、9,580,719、9,453,251、8,603,824および8,530,171のいずれかにおいて開示される分泌リーダーである。これらの特許は、異種タンパク質発現を増加させるために、フォールディングモジュレーターを過剰発現するように操作されているか、または異種プロテアーゼ突然変異が導入されている、本願明細書中の方法の実践において有用な細菌宿主株をも記載する。
【0033】
プロモーター
本願明細書中の方法に従って使用されるプロモーターは、構成的プロモーターまたは制御されたプロモーターであることができる。有用な制御されたプロモーターの共通の例は、lacプロモーター(すなわち、lacZプロモーター)、特に米国特許番号4,551,433において記載されるtacおよびtrcプロモーターからDeBoer並びにPtac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5およびT7lacプロモーターに由来するファミリーのものを含む。1つの実施形態において、プロモーターは宿主細胞生物に由来しない。特定の実施形態において、プロモーターはE.coli生物由来である。
【0034】
誘導性プロモーター配列は、本願明細書中の方法に従ってクリサンタスパーゼの発現を制御するために使用される。実施形態において、本願明細書中の方法において有用な誘導性プロモーターは、lacプロモーター(すなわち、lacZプロモーター)、特に米国特許番号4,551,433において記載されるtacおよびtrcプロモーターからDeBoer並びにPtac16、Ptac17、PtacII、PlacUV5およびT7lacプロモーターまでに由来するファミリーのものを含む。1つの実施形態において、プロモーターは宿主細胞生物に由来しない。特定の実施形態において、プロモーターはE.coli生物に由来する。いくつかの実施形態において、lacプロモーターはプラスミドからのクリサンタスパーゼの発現を制御するために使用される。lacプロモーター誘導体またはファミリーメンバー、例えばtacプロモーターの場合、インデューサーはIPTG(「イソプロピルチオガラクトシド」とも呼ばれるイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド)である。特定の実施形態において、Pseudomonas宿主細胞中でlacプロモーターからのクリサンタスパーゼの発現を誘導するために培養にIPTGが添加される。
【0035】
本願明細書中の方法に従った発現系において有用な非lac型プロモーターの共通の例は、例えば、表1に列挙されたものを含む。
【0036】
【0037】
例えば、全て本願明細書中で参照により組み込まれるJ. Sanchez-Romero & V. De Lorenzo,1999, Manual of Industrial Microbiology and Biotechnology (A. Demain & J. Davies, eds.) pp. 460-74 (ASM Press, Washington, D.C.); H. Schweizer, 2001, Current Opinion in Biotechnology, 12:439-445; R. Slater & R. Williams, 2000, Molecular Biology and Biotechnology (J. Walker & R. Rapley, eds.) pp. 125-54 (The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK)、およびL.-M. Guzman, et al., 1995, J. Bacteriol. 177(14): 4121-4130を参照のこと。選択された細菌宿主細胞に対してネイティブなプロモーター、例えば、Pseudomonasアントラニル酸塩または安息香酸オペロンプロモーター(Pant、Pben)のヌクレオチド配列を有するプロモーターは、標的ポリペプチドをコードする導入遺伝子の発現をコントロールするために使用されてもよい。同じ配列内であっても異なる配列内であっても、また同じ生物に由来しても異なる生物に由来しても、1を超えるプロモーターが別のものに共有結合しているタンデムプロモーター、例えばPant-Pbenタンデムプロモーター(インタープロモーターハイブリッド)またはPlac-Placタンデムプロモーターを使用してもよい。
【0038】
制御されたプロモーターは、プロモーターが一部である遺伝子の転写をコントロールするためにプロモーター調節タンパク質を利用する。制御されたプロモーターが本願明細書中で使用される場合、対応するプロモーター調節タンパク質も、本願明細書中の方法に従う発現系の一部であるだろう。プロモーター調節タンパク質の例は以下を含む:アクチベータータンパク質、例えば大腸菌カタボライトアクチベータータンパク質、MalTタンパク質;AraCファミリー転写アクチベーター;リプレッサータンパク質、例えばE.coliLacIタンパク質;および、二重機能調節タンパク質、例えば、E.coli NagCタンパク質。多くの制御された-プロモーター/プロモーター-調節タンパク質ペアは当該技術分野において既知である。1つの実施形態において、目的の標的タンパク質および異種タンパク質の発現構築物は、同じ調節要素のコントロール下にある。
【0039】
プロモーター調節タンパク質は、エフェクター化合物、すなわち、調節タンパク質と可逆的または不可逆的に相互作用して、該タンパク質が放出またはプロモーターのコントロール下にある遺伝子の少なくとも1つのDNA転写調節領域に結合するのを可能にし、それにより該遺伝子の転写の開始においてトランストランスクリプターゼ酵素の作用を許可またはブロックする化合物と相互作用する。エフェクター化合物はインデューサーまたはコリプレッサーのいずれかに分類され、これらの化合物はネイティブエフェクター化合物および無償性インデューサー化合物を含む。多くの制御されたプロモーター/プロモーター-調節タンパク質/エフェクター化合物トリオは当該技術分野において既知である。いくつかの場合において、エフェクター化合物は細胞培養または発酵全体で使用されるが、制御されたプロモーターが使用される1つの実施形態において、宿主細胞バイオマスの所望の量または密度の成長後、適するエフェクター化合物は培養に添加され、目的のタンパク質またはポリペプチドをコードする所望の遺伝子の発現を直接的にまたは直接的に結果として生じる。
【0040】
lacファミリープロモーターが利用される実施形態において、lacI遺伝子は時にシステム中に存在する。通常構成的に発現される遺伝子であるlacI遺伝子は、Lacファミリープロモーターのlacオペレーターに結合するLacリプレッサータンパク質であるLacIタンパク質をコードする。ゆえに、lacファミリープロモーターが利用されると、lacI遺伝子も時に発現系中に含まれて発現される。
【0041】
Pseudomonasにおいて有用なプロモーターシステムは、文献、例えば上記でも参照される米国特許出願公開番号2008/0269070に記載される。
【0042】
他の調節要素
実施形態において、可溶性組み換えクリクリススパーゼは、製造中に細胞の細胞質またはペリプラズムのいずれかに存在する。タンパク質、例えばクリサンタスパーゼの標的化に有用な分泌リーダーは、本願明細書中の他の場所で、および上記で参照される米国特許出願公開番号2008/0193974、米国特許出願公開番号2006/0008877および米国特許出願Ser.No.12/610,207に記載される。いくつかの実施形態において、クリサンタスパーゼをPseudomonadまたはPseudomonas細胞のペリプラズムに輸送する分泌リーダーに融合したクリサンタスパーゼをコードする発現構築物が提供される。いくつかの実施形態において、分泌リーダー分泌リーダーはクリサンタスパーゼタンパク質から開裂される。いくつかの実施形態において、分泌リーダーは、可溶性クリサンタスパーゼの製造を容易にする。
【0043】
実施形態において、発現ベクターは、最適なリボソーム結合配列を含有する。目的のタンパク質の翻訳開始領域を変更することにより翻訳強度を調整することは、あまりにも速い翻訳速度により主に封入体として蓄積する異種細胞質の製造を改善するために使用できる。異種タンパク質の細菌細胞のペリプラズム空間への分泌は、翻訳速度がタンパク質分泌速度と同期するように、タンパク質翻訳レベルを最大化するのではなく最適化することにより増強されることもできる。
【0044】
翻訳開始領域は、リボソーム結合部位(RBS)のすぐ上流から開始コドンのおよそ20ヌクレオチド下流まで延びる配列として定義されている(参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれたMcCarthy et al. (1990) Trends in Genetics 6:78-85)。原核生物において、代替RBS配列は、Shineおよび Dalgarno (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 71:1342-1346, 1974)により記載されるカノニカル、またはコンセンサス、RBS配列(AGGAGG;配列番号50)を使用して翻訳レベルに関して減少する翻訳速度を提供することにより、異種タンパク質の翻訳レベルを最適化するために利用できる。「翻訳速度」または「翻訳効率」により、細胞内のタンパク質へのmRNA翻訳率が意図される。ほとんどの原核生物において、Shine-Dalgarno配列は、16SリボソームRNAのピリミジンに富む領域との相互作用を通じて、mRNA上のスタートコドンに対して30Sリボソーム成分の結合および配置を支援する。(本願明細書中でShine-Dalgarno配列とも呼ばれる)RBSは、転写の開始から下流および翻訳の開始から上流、典型的にスタートコドンの4から14ヌクレオチド上流、より典型的にスタートコドンの8から10ヌクレオチド上流のmRNA上に位置する。翻訳におけるRBS配列の役割のため、翻訳の効率およびRBS配列の効率(または強度)の間には直接的な関係がある。
【0045】
いくつかの実施形態において、RBS配列の修飾は、異種タンパク質の翻訳速度の減少を結果として生じる。翻訳速度のこの減少は、製造されるタンパク質のグラムあたり、または宿主タンパク質のグラムあたりの適切に処理されるタンパク質またはポリペプチドのレベルの増加に対応してもよい。減少した翻訳速度は、組み換え1グラムあたり、または宿主細胞タンパク質1グラムあたりの、製造される回復可能なタンパク質またはポリペプチドの増加したレベルとも相関することができる。減少した翻訳速度は、増加した発現、増加した活性、増加した溶解性、または増加した転座(例えば、ペリプラズムの区画へまたは細胞外空間に分泌される)のいずれの組み合わせにも対応できる。この実施形態において、「増加した」なる語は、目的のタンパク質またはポリペプチドが同じ状態、または実質的に同じ状態下で発現される時の、製造される、適切に処理される、可溶性の、および/または回復可能なタンパク質またはポリペプチドのレベルに対し、ここでポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、カノニカルRBS配列を含む。同じように、「減少した」なる語は、目的のタンパク質またはポリペプチドの翻訳速度に対し、ここで、タンパク質またはポリペプチドをコードする遺伝子は、カノニカルRBS配列を含む。翻訳速度は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、少なくとも約75%またはそれを超えて、または少なくとも約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍またはそれを超えて減少できる。
【0046】
いくつかの実施形態において、本願明細書中で記載されたRBS配列変異体は、高い、中程度、または低い翻訳効率を結果として生じるとして分類できる。1つの実施形態において、配列は、カノニカルRBS配列の翻訳活性と比較して、翻訳活性のレベルに従ってランク付けされる。高いRBS配列は、カノニカル配列の活性の約60%から約100%を有する。中程度のRBS配列は、カノニカル配列の活性の約40%から約60%を有する。低いRBS配列は、カノニカル配列の活性の約40%未満を有する。
【0047】
RBS配列の例が表2に示される。レポーター遺伝子としてCOP-GFPを使用して翻訳強度について配列がスクリーニングされ、コンセンサスRBS蛍光のパーセンテージに従ってランク付けされた。各RBS変異体は、3つの一般的な蛍光ランクの1つに配置された:高い(「Hi」-100%コンセンサスRBS蛍光)、中程度(「Med」-46-51%ofコンセンサスRBS蛍光)、および低い(「Lo」-16-29%コンセンサスRBS蛍光)。
【表2】
【0048】
本願明細書中の方法の実践において有用な発現構築物は、タンパク質コード配列に加えて、それに作動可能に連結された以下の調節要素を含む:プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、転写ターミネーター、および翻訳開始および停止シグナル。有用なRBSは、例えば米国特許出願公開番号2008/0269070および米国特許出願.Ser.No.12/610,207に従って、発現系中で宿主細胞として有用ないずれかの種から得られる。多くの具体的で多様なコンセンサスRBS、例えば、D. Frishman et al., Gene 234(2):257-65 (8 Jul. 1999);およびB. E. Suzek et al., Bioinformatics 17(12):1123-30 (December 2001)に記載され、参照されるものは既知である。加えて、ネイティブまたは合成いずれかのRBS、例えばEP 0207459 (合成RBS);O. Ikehata et al., Eur. J. Biochem. 181(3):563-70 (1989)に記載されるものは使用してもよい。さらに、方法、パラメーター、および翻訳と転写要素、および本願明細書中の方法において有用な他の要素の例は、例えば、米国特許番号5,055,294 からGilroyおよび米国特許番号5,128,130からGilroy et al.;米国特許番号5,281,532から Rammler et al.;米国特許番号 4,695,455および 4,861,595からBarnes et al.;米国特許番号4,755,465からGray et al.;および米国特許番号5,169,760からWilcoxに記載される。
【0049】
宿主株
Pseudomonadsを含む細菌宿主、および密接に関連する細菌生物は、本願明細書中の方法の実践における使用のために検討される。特定の実施形態において、Pseudomonad宿主細胞はPseudomonas fluorescensである。いくつかの場合において、宿主細胞はE.coli細胞である。
【0050】
本願明細書中の方法の実践において有用な宿主細胞および構築物は、当該技術分野において既知の試薬および方法を用いて同定または作成され、文献、例えば、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2009/0325230、「タンパク質発現系」に記載される。この公開は、染色体lacI遺伝子インサートを含む栄養要求性のPseudomonas fluorescens宿主細胞中への核酸構築物の導入による組み換えポリペプチドの製造を記載する。核酸構築物は、宿主細胞中の核酸の発現を誘導することができるプロモーターに作動可能に連結された組み換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み、また栄養要求性選択マーカーをコードするヌクレオチド配列も含む。栄養要求性選択マーカーは、栄養要求性宿主細胞に原栄養性を回復させるポリペプチドである。実施形態において、細胞はプロリン、ウラシル、またはそれらの組み合わせに対して栄養要求性である。実施形態において、宿主細胞はMB101(ATCC寄託PTA-7841)に由来する。両方が本願明細書中で参照によりその全体が組み込まれる米国特許出願公開番号2009/0325230、「Protein Expression Systems」、およびSchneider, et al., 2005、「Auxotrophic markers pyrF and proC, in some cases, replace antibiotic markers on protein production plasmids in high-cell-density Pseudomonas fluorescens fermentation」、Biotechnol. Progress 21(2): 343-8は、株MB101中のpyrF遺伝子を欠失させることにより構築されたウラシルに対して栄養要求性の製造宿主株を記載する。pyrF遺伝子は、株MB214(ATCC寄託PTA-7840)からクローン化され、pyrF欠失を補完して原栄養性を回復するプラスミドを生成した。特定の実施形態において、P.fluorescens宿主細胞中の二重pyrF-proC二重栄養要求性選択マーカーシステムが使用される。記載されるpyrF欠失製造宿主株は、本願明細書中の方法の実践において有用であるとして本願明細書中で記載されるものを含む他の所望のゲノム変化を導入するための背景としてしばしば使用される。
【0051】
実施形態において、本願発明の方法に有用な宿主細胞は、少なくとも1つのプロテアーゼの発現が欠損する、少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する、またはその両方である。実施形態において、宿主細胞はプロテアーゼの発現が欠損せず、フォールディングモジュレーターを過剰発現せず、したがってプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーター発現に関して野生型である。これらの実施形態のいずれにおいても、加えて、宿主細胞はネイティブL-アスパラギナーゼが欠損する。実施形態において、ネイティブL-アスパラギナーゼの欠損は、当該技術分野において既知の任意の適切な方法を使用して、ネイティブL-アスパラギナーゼ遺伝子を欠失または他の方法で不活性化することにより生成される。実施形態において、宿主細胞は、ネイティブI型L-アスパラギナーゼ、ネイティブII型L-アスパラギナーゼ、またはその両方が欠損する。実施形態において、宿主細胞は、プロテアーゼおよびフォールディングモジュレーター発現に関して野生型であり、ネイティブI型L-アスパラギナーゼおよびネイティブII型L-アスパラギナーゼが欠損する。例えば、本願発明の方法において有用な宿主細胞は、既知の方法を使用して、MB101から当業者により生成できる。実施形態において、宿主細胞は、MB101中のネイティブI型L-アスパラギナーゼ遺伝子、ネイティブII型L-アスパラギナーゼ遺伝子、またはその両方を欠失または他の方法で不活性化することにより生成される。
【0052】
本願発明の方法において有用な製造宿主株は、当該技術分野において既知のおよび文献に記載の多くの適する方法のいずれかを使用して、例えば、pyrF遺伝子、および/またはネイティブI型L-アスパラギナーゼ遺伝子、および/またはネイティブII型L-アスパラギナーゼ遺伝子を不活性化することにより、公的に入手可能な宿主細胞、例えば、P.fluorescens MB101を使用して生成できることは、当業者には理解されるだろう。原栄養性回復プラスミドは、株、例えば株MB214からのpyrF遺伝子を保有するプラスミドに、当該技術分野において既知のおよび文献に記載される多くの適する方法のいずれかを使用して形質転換できることもまた理解される。加えて、かかる株において、当該技術分野で周知の方法を使用して、プロテアーゼは不活性化され、フォールディングモジュレーター過剰発現構築物は導入することができる。
【0053】
実施形態において、宿主細胞は、Pseudomonadales目である。宿主細胞がPseudomonadales目である場合、それはPseudomonas属を含むファミリーPseudomonadaceaeのメンバーであってもよい。ガンマプロテオバクテリア宿主は、Escherichia coli種のメンバーおよびPseudomonas fluorescens種のメンバーを含む。Pseudomonadales目、ファミリーPseudomonadaceae、またはPseudomonas属の宿主細胞は、当業者により同定可能であり、文献(例えば、Bergey's Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015))に記載される。
他のPseudomonas生物も有用であってもよい。Pseudomonadsおよび密接に関連する種は、Bergey’s Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015)に記載されるファミリーおよび/または属に属するプロテオバクテリアの群を含むグラム陰性プロテオバクテリア亜群1を含む。表3は、生物のこれらのファミリーおよび属を示す。
【表3】
【0054】
Pseudomonasおよび密接に関連する細菌は、一般に「Gram(-)プロテオバクテリア亜群1」または「グラム陰性好気性桿菌および球菌」(Bergey's Manual of Systematics of Archaea and Bacteria(オンライン公開、2015))として定義される群の一部である。Pseudomonas宿主株は、文献、例えば上記で引用される米国特許出願公開番号2006/0040352に記載される。
【0055】
「グラム陰性プロテオバクテリア亜群1」はまた、分類において使用される基準に従ってこの見出しに分類されるであろうプロテオバクテリアを含む。見出しはまた、Acidovorax、Brevundimonas、Burkholderia、Hydrogenophaga、Oceanimonas、Ralstonia、および Stenotrophomonas属、Xanthomonas属に属する生物の再群化により生み出されるSphingomonas属(およびそれ由来のBLASTomonas属)、Bergey’s Manual of Systematics of Archaea and Bacteria (オンライン公開、2015)において定義されるAcetobacteに属する生物を再群化することにより生み出されたAcidomonas属などの以前にこのセクションに分類されていたが、もはや分類されていない群を含む。加えて宿主は、それぞれAlteromonas haloplankti、Alteromonas nigrifaciens、およびAlteromonas putrefaciensとして分類されるPseudomonas、Pseudomonas enalia (ATCC 14393)、Pseudomonas nigrifaciensi(ATCC 19375)、およびPseudomonas putrefaciens (ATCC 8071)属からの細胞を含む。同じように、例えばPseudomonas acidovorans(ATCC 15668)およびPseudomonas testosteroni(ATCC 11996)は、それぞれComamonas acidovoransおよびComamonas testosteroniとして再分類されており;Pseudomonas nigrifaciens(ATCC 19375)およびPseudomonas piscicida(ATCC 15057)は、それぞれPseudoalteromonas nigrifaciensおよびPseudoalteromonas piscicidaとして再分類されている。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群1」はまた、ファミリー:Pseudomonadaceae、(今はしばしばPseudomonadaceaeの「Azotobacter群」なる異名により呼ばれる)Azotobacteraceae、Rhizobiacea、および(今はしばしば「Methylococcaceae」なる異名により呼ばれる)Methylomonadaceaeのいずれかに属するものとして分類されたプロテオバクテリアも含む。結果として、本願明細書中で他の方法で記載された属に加えて、「グラム陰性プロテオバクテリア亜属1」に含まれるプロテオバクテリア1属は、さらに以下を含む:1)Azorhizophilus属のアゾトバクター群細菌;2)細胞ビブリオ、Oligella、およびTeredinibacter属のPseudomonadaceaeファミリー細菌;3)Chelatobacter、Ensifer、(「Candidatus Liberibacter」とも呼ばれる)Liberibacter、およびSinorhizobium属のRhizobiaceaeファミリー細菌;4)Methylobacter、Methylocaldum、Methylomicrobium、Methylosarcina、およびMethylosphaera属のMethylococcaceaeファミリー細菌。
【0056】
いくつかの場合において、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリア亜群16」から選択される。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群16」は、(括弧中に示される例示的な株のATCCまたは他の寄託番号を有する)以下のPseudomonas種のプロテオバクテリアの群として定義される:Pseudomonas abietaniphila (ATCC 700689); Pseudomonas aeruginosa (ATCC 10145); Pseudomonas alcaligenes (ATCC 14909); Pseudomonas anguilliseptica (ATCC 33660); Pseudomonas citronellolis (ATCC 13674); Pseudomonas flavescens (ATCC 51555); Pseudomonas mendocina (ATCC 25411); Pseudomonas nitroreducens (ATCC 33634); Pseudomonas oleovorans (ATCC 8062); Pseudomonas pseudoalcaligenes (ATCC 17440); Pseudomonas resinovorans (ATCC 14235); Pseudomonas straminea (ATCC 33636); Pseudomonas agarici (ATCC 25941); Pseudomonas alcaliphila; Pseudomonas alginovora; Pseudomonas andersonii; Pseudomonas asplenii (ATCC 23835); Pseudomonas azelaica (ATCC 27162); Pseudomonas beyerinckii (ATCC 19372); Pseudomonas borealis; Pseudomonas boreopolis (ATCC 33662); Pseudomonas brassicacearum; Pseudomonas butanovora (ATCC 43655); Pseudomonas cellulosa (ATCC 55703); Pseudomonas aurantiaca (ATCC 33663); Pseudomonas chlororaphis (ATCC 9446, ATCC 13985, ATCC 17418, ATCC 17461); Pseudomonas fragi (ATCC 4973); Pseudomonas lundensis (ATCC 49968); Pseudomonas taetrolens (ATCC 4683); Pseudomonas cissicola (ATCC 33616); Pseudomonas coronafaciens; Pseudomonas diterpeniphila; Pseudomonas elongata (ATCC 10144); Pseudomonasflectens (ATCC 12775); Pseudomonas azotoformans; Pseudomonas brenneri; Pseudomonas cedrella; Pseudomonas corrugata (ATCC 29736); Pseudomonas extremorientalis; Pseudomonas fluorescens (ATCC 35858); Pseudomonas gessardii; Pseudomonas libanensis; Pseudomonas mandelii (ATCC 700871); Pseudomonas marginalis (ATCC 10844); Pseudomonas migulae; Pseudomonas mucidolens (ATCC 4685); Pseudomonas orientalis; Pseudomonas rhodesiae; Pseudomonas synxantha (ATCC 9890); Pseudomonas tolaasii (ATCC 33618); Pseudomonas veronii (ATCC 700474); Pseudomonas frederiksbergensis; Pseudomonas geniculata (ATCC 19374); Pseudomonas gingeri; Pseudomonas graminis; Pseudomonas grimontii; Pseudomonas halodenitrificans; Pseudomonas halophila; Pseudomonas hibiscicola (ATCC 19867); Pseudomonas huttiensis (ATCC 14670); Pseudomonas hydrogenovora; Pseudomonas jessenii (ATCC 700870); Pseudomonas kilonensis; Pseudomonas lanceolata (ATCC 14669); Pseudomonas lini; Pseudomonas marginata (ATCC 25417); Pseudomonas mephitica (ATCC 33665); Pseudomonas denitrificans (ATCC 19244); Pseudomonas pertucinogena (ATCC 190); Pseudomonas pictorum (ATCC 23328); Pseudomonas psychrophila; Pseudomonas filva (ATCC 31418); Pseudomonas monteilii (ATCC 700476); Pseudomonas mosselii; Pseudomonas oryzihabitans (ATCC 43272); Pseudomonas plecoglossicida (ATCC 700383); Pseudomonas putida (ATCC 12633); Pseudomonas reactans; Pseudomonas spinosa (ATCC 14606); Pseudomonas balearica; Pseudomonas luteola (ATCC 43273);. Pseudomonas stutzeri (ATCC 17588); Pseudomonas amygdali (ATCC 33614); Pseudomonas avellanae (ATCC 700331); Pseudomonas caricapapayae (ATCC 33615); Pseudomonas cichorii (ATCC 10857); Pseudomonas ficuserectae (ATCC 35104); Pseudomonas fuscovaginae; Pseudomonas meliae (ATCC 33050); Pseudomonas syringae (ATCC 19310); Pseudomonas viridiflava (ATCC 13223); Pseudomonas thermocarboxydovorans (ATCC 35961); Pseudomonas thermotolerans; Pseudomonas thivervalensis; Pseudomonas vancouverensis (ATCC 700688); Pseudomonas wisconsinensis; および Pseudomonas xiamenensis。1つの実施形態において、クリサンタスパーゼの発現のための宿主細胞は、Pseudomonas fluorescensである。
【0057】
いくつかの場合において、宿主細胞は、「グラム陰性プロテオバクテリア亜群17」から選択される。「グラム陰性プロテオバクテリア亜群17」は、例えば以下のPseudomonas種に属するものを含む「fluorescent Pseudomonads」として当該技術分野において既知のプロテオバクテリアの群として定義される: Pseudomonas azotoformans; Pseudomonas brenneri; Pseudomonas cedrella; Pseudomonas cedrina; Pseudomonas corrugata; Pseudomonas extremorientalis; Pseudomonas fluorescens; Pseudomonas gessardii; Pseudomonas libanensis; Pseudomonas mandelii; Pseudomonas marginalis; Pseudomonas migulae; Pseudomonas mucidolens; Pseudomonas orientalis; Pseudomonas rhodesiae; Pseudomonas synxantha; Pseudomonas tolaasii;およびPseudomonas veronii。
【0058】
プロテアーゼ
1つの実施形態において、本願明細書中で提供される方法は、1以上のプロテアーゼ遺伝子中の1以上の突然変異(例えば、部分的または完全な欠失)を含むPseudomonas宿主細胞を使用して、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質を製造することを含む。いくつかの実施形態において、プロテアーゼ遺伝子中の突然変異は、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の生成を促進する。
【0059】
例示的な標的プロテアーゼ遺伝子は、以下のように分類されるそれらのプロテアーゼを含む:アミノペプチダーゼ;ジペプチダーゼ;ジペプチジルペプチダーゼおよびトリペプチジルペプチダーゼ;ペプチジルジペプチダーゼ;セリン型カルボキシペプチダーゼ;メタロカルボキシペプチダーゼ;システイン型カルボキシペプチダーゼ;オメガペプチダーゼ;セリンプロテイナーゼ;システインプロテイナーゼ;アスパラギン酸プロテイナーゼ;メタロプロテイナーゼ;または未知のメカニズムのプロテイナーゼ。
【0060】
アミノペプチダーゼは、サイトゾルアミノペプチダーゼ(ロイシルアミノペプチダーゼ)、膜アラニルアミノペプチダーゼ、シスチニルアミノペプチダーゼ、トリペプチドアミノペプチダーゼ、プロリルアミノペプチダーゼ、アルギニルアミノペプチダーゼ、グルタミルアミノペプチダーゼ、x-プロアミノペプチダーゼ、細菌性ロイシルアミノペプチダーゼ、好熱性アミノペプチダーゼ、クロストリジウムアミノペプチダーゼ、サイトゾルアラニルアミノペプチダーゼ、リシルアミノペプチダーゼ、x-trpアミノペプチダーゼ、トリプトファニルアミノペプチダーゼ、メチオニルアミノペプチダーゼ、d-立体特異的アミノペプチダーゼ、アミノペプチダーゼeyを含む。ジペプチダーゼは、x-hisジペプチダーゼ、x-argジペプチダーゼ、x-methyl-hisジペプチダーゼ、cys-glyジペプチダーゼ、glu-gluジペプチダーゼ、プロ-xジペプチダーゼ、x-プロジペプチダーゼ、met-xジペプチダーゼ、非立体特異的ジペプチダーゼ、サイトゾル非特異的ジペプチダーゼ、膜ジペプチダーゼ、ベータ-ala-hisジペプチダーゼを含む。ジペプチジルペプチダーゼおよびトリペプチジルペプチダーゼは、ジペプチジルペプチダーゼi、ジペプチジルペプチダーゼii、ジペプチジルペプチダーゼiii、ジペプチジルペプチダーゼiv、ジペプチジルジペプチダーゼ、トリペプチジルペプチダーゼI、トリペプチジルペプチダーゼIIを含む。ペプチジルジペプチダーゼは、ペプチジルジペプチダーゼaおよびペプチジルジペプチダーゼbを含む。セリン型カルボキシペプチダーゼは、リソソームプロ-xカルボキシペプチダーゼ、セリン型D-ala-D-alaカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼC、カルボキシペプチダーゼDを含む。メタロカルボキシペプチダーゼは、カルボキシペプチダーゼa、カルボキシペプチダーゼB、リジン(アルギニン)カルボキシペプチダーゼ、gly-Xカルボキシペプチダーゼ、アラニンカルボキシペプチダーゼ、ムラモイルペンタペプチドカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼh、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼM、ムラモイルテトラペプチドカルボキシペプチダーゼ、zinc d-ala-d-alaカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼA2、膜プロ-xカルボキシペプチダーゼ、チューブリニル-tyrカルボキシペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼtを含む。オメガペプチダーゼは、アシルアミノアシル-ペプチダーゼ、ペプチジル-グリシンアミダーゼ、ピログルタミル-ペプチダーゼI、ベータ-アスパルチル-ペプチダーゼ、ピログルタミル-ペプチダーゼII、n-ホルミルメチオニル-ペプチダーゼ、プテロイルポリ-[ガンマ]-グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ、ガンマ-glu-Xカルボキシペプチダーゼ、アシルムラモイル-alaペプチダーゼを含む。セリンプロテイナーゼは、キモトリプシン、キモトリプシンc、メトリジン、トリプシン、トロンビン、凝固因子Xa、プラスミン、エンテロペプチダーゼ、アクロシン、アルファ-溶菌プロテアーゼ、グルタミル,エンドペプチダーゼ、カテプシンG、凝固因子viia、凝固因子ixa、ククミシ、プロリルオリゴペプチダーゼ、凝固因子xia、ブラキウリン、血漿カリクレイン、組織カリクレイン、膵エラスターゼ、白血球エラスターゼ、凝固因子xiia、キマーゼ、補体成分c1r55、補体成分c1s55、古典的補体経路c3/c5変換酵素、補体因子I、補体因子D、代替補体経路c3/c5変換酵素、セレビシン、ヒポデルミンC、リシルエンドペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ1a、ガンマ-レニ、ベノビンab、ロイシルエンドペプチダーゼ、トリプターゼ、スクテラリン、ケキシン、サブチリシン、オリジン、エンドペプチダーゼk、サーモマイコリン、テルミターゼ、エンドペプチダーゼSO、T-プラスミノーゲンアクチベーター、プロテインC、膵エンドペプチダーゼE、膵エラスターゼii、IGA特異的セリンエンドペプチダーゼ、U-プラスミノーゲン、アクチベーター、ベノビンA、フリン、ミエロブラスチン、セメノゲラーゼ、グランザイムAまたは細胞毒性Tリンパ球プロテイナーゼ1、グランザイムBまたは細胞毒性Tリンパ球プロテイナーゼ2、ストレプトグリシンA、トレプトグリシンB、グルタミルエンドペプチダーゼII、オリゴペプチダーゼB、リムルス凝固因子c、リムルス凝固因子、リムルス凝固酵素、オムプチン、リプレッサーlexa、細菌リーダーペプチダーゼI、トガビリン、フラビリンを含む。システインプロテイナーゼは、カテプシンB、パパイン、フィシン、キモパパイン、アスクレパイン、クロストリパイン、ストレプトパイン、アクチニド、カテプシン1、カテプシンH、カルパイン、カテプシンt、グリシル,エンドペプチダーゼ、癌プロコアグラント、カテプシンS、ピコルナイン3C、ピコルナイン2A、カリカイン、アナナイン、ステムブロメライン、フルートブロメライン、レグマイン、ヒストリセイン、インターロイキン1-ベータ変換酵素を含む。アスパラギン酸プロテイナーゼは、ペプシンA、ペプシンB、ガストリクシン、キモシン、カテプシンD、ネオペンテシン、レニン、レトロペプシン、プロ-オピオメラノコルチン変換酵素、アスペルギロペプシンI、アスペルギロペプシンII、ペニシロペプシン、リゾプスペプシン、エンドチアペプシン、ムコロペプシン、カンジダペプシン、サッカロペプシン、ロドトルラペプシン、フィサロペプシン、アクロシリンドロペプシン、ポリポロペプシン、ピクノポロペプシン、シタリドペプシンa、シタリドペプシンb、キサントモナペプシン、カテプシンe、バリアペプシン、細菌リーダーペプチダーゼI、シュードモナペプシン、プラスメプシンを含む。メタロプロテイナーゼは、アトロリジンa、微生物コラゲナーゼ、ロイコリシン、間質性コラゲナーゼ、ネプリライシン、エンベリシン、iga特異的メタロエンドペプチダーゼ、プロコラーゲンN-エンドペプチダーゼ、チメットオリゴペプチダーゼ、ニューロリシン、ストロメライシン1、メプリンA、プロコラーゲンC-エンドペプチダーゼ、ペプチジル-lysメタロエンドペプチダーゼ、アスタシン、ストロメライシン,2、マトリリシンゼラチナーゼ、エアロモノリシン、プソイドリシン、サーモリシン、バシロリシン、オーレオリシン、コッコリシン、ミコリシン、ベータ-溶解メタロエンドペプチダーゼ、ペプチジル-aspメタロエンドペプチダーゼ、好中球コラゲナーゼ、ゼラチナーゼB、リーシュマノリシン、サッカロリシン、オートリシン、ジュウテロリシン、セラリシン、アトロリシンB、アトロリシンC、アトロキサーゼ、アトロリシンE、アトロリシンF、アダマリシン、ホリリシン、ルベリシン、ボトロパシン、ボロリシン、オフィオリシン、トリメレリシンI、トリメトリシンII、ムクロリシン、ピトリリシン、インシュリシン、O-シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼ、ルセリシン、ミトコンドリア媒介ペプチダーゼ、ダクチリシン、ナルジリシン、マグノリシン、メプリンB、ミトコンドリア処理ペプチダーゼ、マクロファージエラスターゼ、コリオリシン、トキシリシンを含む。未知のメカニズムのプロテイナーゼは、サーモプシンおよび多触媒エンドペプチダーゼ複合体を含む。
【0061】
特定のプロテアーゼは、プロテアーゼおよびシャペロン様活性の両方を有する。これらのプロテアーゼがタンパク質収量および/または質に悪影響を及ぼしている場合、それらのプロテアーゼ活性を特異的に欠失させることはしばしば有用であり、それらのシャペロン活性がタンパク質収量および/または質にプラスの影響を与えてもよい場合、それらは過剰発現される。これらのプロテアーゼは、Hsp100(Clp/Hsl)ファミリーメンバーRXF04587.1(clpA)、RXF08347.1、RXF04654.2(clpX)、RXF04663.1、RXF01957.2(hslU)、RXF01961.2(hslV);ペプチジル-プロリルシス-トランスイソメラーゼファミリーメンバーRXF05345.2(ppiB);メタロペプチダーゼM20ファミリーメンバーRXF04892.1(アミノヒドロラーゼ);メタロペプチダーゼM24ファミリーメンバーRXF04693.1(メチオニンアミノペプチダーゼ)およびRXF03364.1(メチオニンアミノペプチダーゼ);およびセリンペプチダーゼS26シグナルペプチダーゼIファミリーメンバーRXF01181.1(シグナルペプチダーゼ)を含むが、これらに限定されない。
【0062】
実施形態において、クリサンタスパーゼを発現するのに有用な宿主株は、本発明の方法において、(例えば、欠失、部分的欠失、またはノックアウトから結果として生じる)プロテアーゼ欠損または不活性化を有するおよび/または、例えばプラスミドまたは細菌染色体からのフォールディングモジュレーターを過剰発現するPseudomonas宿主株、例えば、P.fluorescensである。実施形態において、宿主株は、Lon、HslUV、DegP1、DegP2、Prc、AprA、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAから選択された少なくとも1つのプロテアーゼが欠損する。実施形態において、宿主株は、LepB、Tig、およびDsbAC-Skpから選択されたフォールディングモジュレーターを過剰発現する(つまり、DsbA、DsbC、およびSkpの組み合わせ;Skpは本願明細書中で配列番号60として記載されるコード配列の例とともに配列番号59として記載されるOmpHRXF4702.1である)。DsbAC-Skpオーバーエクスプレッサー宿主において、フォールディングモジュレーターDsbA、DsbC、およびSkp(それぞれ米国特許番号.9,394,571の配列番号25および26および本願明細書中の配列番号60)は、オペロンから発現できる。実施形態において、宿主株は、Lon、HslUV、DegP1、DegP2、Prc、AprA、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAから選択された少なくとも1つのプロテアーゼが欠損し、LepB、Tig、およびDsbAC-Skpから選択された少なくとも1つのフォールディングモジュレーターを過剰発現する。上記実施形態のいずれかにおいて、宿主株は栄養要求性マーカーpyrFおよびproCを発現し、プロテアーゼ欠損を有する、および/またはフォールディングモジュレーターを過剰発現する。実施形態において、宿主株は当該技術分野において既知の任意の他の適当な選択マーカーを発現する。上記実施形態のいずれかにおいて、アスパラギナーゼ、例えば、ネイティブI型および/またはII型アスパラギナーゼは、宿主株中で不活性化されている。実施形態において、宿主株は以下のPseudomonadales宿主細胞である:LonおよびHslU/Vが欠損する;Lon、DegP1、DegP2、Prc、およびAprAが欠損する;Lon、DegP1、DegP2 S219A、Prc1、およびAprAが欠損し、そしてDsbAC-Skpを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてTigを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLepBを過剰発現する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLonおよびHslU/Vが欠損する;AspG1および/またはAspG2が欠損し、そしてLon、DegP1、DegP2、Prc、およびAprAが欠損する宿主細胞;または、AspG1および/またはAspG2、Lon、DegP1、DegP2、Prc1、およびAprAが欠損し、そしてDsbAC-Skpを過剰発現する宿主細胞。
【0063】
これらおよび他のプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーターは、当該技術分野において既知であり、文献、例えば米国特許番号8,603,824に記載される。例えば、特許の表DはTig(tig、トリガーファクター、FKBPタイプppiase(ec 5.2.1.8)RXF04655、UniProtKB-P0A850(TIG_E.COLI))を記載する。「Method for Rapidly Screening Microbial Hosts to Identify Certain Strains with Improved Yield and/or Quality in the Expression of Heterologous Proteins」と題され、本願明細書中でその全体が参照により組み込まれるWO2008/134461および米国特許番号9,394,571は、Tig(RXF04655.2、そこで配列番号34)、LepB(RXF01181.1、そこで配列番号56)、DegP1(RXF01250、そこで配列番号57)、AprA(RXF04304.1、そこで配列番号86)、Prc1(RXF06586.1、そこで配列番号120)、DegP2、(RXF07210.1、そこで配列番号124)、Lon(RXF04653、そこで配列番号92);DsbA(RXF01002.1、そこで配列番号25)、およびDsbC(RXF03307.1、そこで配列番号26)を記載する。これらの配列および他のプロテアーゼおよびフォールディングモジュレーターのものも、米国特許番号9,580,719(そこで93-98列中の配列番号の表)に記載される。例えば、米国特許番号9,580,719は、HslU(RXF01957.2)およびHslV(RXF01961.2)をコードする配列を、それぞれ配列番号18および19として提供する。
【0064】
コドン最適化
1つの実施形態において、本願明細書中の方法は、目的の株におけるコドンの使用のために最適化された構築物からの組み換えクリサンタスパーゼの発現を含む。実施形態において、株は、Pseudomonas宿主細胞、例えば、Pseudomonas fluorescensである。細菌宿主中での発現を改善するためにコドンを最適化する方法は、当該技術分野において既知であり、文献に記載される。例えば、Pseudomonas宿主株中での発現のためのコドンの最適化は、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2007/0292918、「Codon Optimization Method」に記載される。
【0065】
異種発現系において、最適化工程は、宿主が外来タンパク質を製造する能力を改善してもよい。タンパク質発現は、転写、mRNA処理、および翻訳の安定性および開始に影響を与える因子を含む因子の宿主により支配される。ポリヌクレオチド最適化工程は、宿主が外来タンパク質を製造する能力を改善する工程、ならびに研究者が発現構築物を効率的に設計するのを支援する工程を含んでもよい。最適化戦略は、例えば、翻訳開始領域の修飾、mRNA構造要素の変更、および異なるコドンバイアスの使用を含んでもよい。細菌宿主における異種タンパク質の発現を改善するために核酸配列を最適化する方法は、当該技術分野において既知であり、文献に記載される。例えば、Pseudomonas宿主株中での発現のためのコドンの最適化は、例えば、参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許出願公開番号2007/0292918、「Codon Optimization Method」に記載される。
【0066】
最適化は、異種遺伝子の多数の配列特徴のいずれにも対処する。特定の例として、まれなコドン誘導翻訳の一時停止は、しばしば、減少した異種タンパク質発現を結果として生じる。まれなコドン誘導翻訳の一時停止は、宿主生物においてはほとんど使用されず、入手可能なtRNAプールに欠損しているためタンパク質翻訳に負の効果を有してもよい目的のポリヌクレオチド内のコドンの存在を含む。宿主生物における最適な翻訳を改善する1つの方法は、合成ポリヌクレオチド配列から除去されるまれな宿主コドンを時に結果として生じるコドン最適化を実施することを含む。
【0067】
代替の翻訳開始はまた、減少した非同一のタンパク質発現の減少を時に結果として生じる。代替の翻訳開始は、リボソーム結合部位(RBS)として機能することができるモチーフを誤って含有する合成ポリヌクレオチド配列を含む。いくつかの場合において、これらの部位は、遺伝子内部部位から切断されたタンパク質の翻訳の開始を結果として生じる。精製中に除去することがしばしば困難な切断されたタンパク質の製造の可能性を減少させる1つの方法は、最適化されたポリヌクレオチド配列から推定内部RBS配列を排除することを含む。
【0068】
反復誘発性のポリメラーゼのずれは、減少した異種タンパク質発現をしばしば結果として生じる。反復誘発性のポリメラーゼのずれは、フレームシフト突然変異を時に結果として生じるDNAポリメラーゼのずれまたは途絶を引き起こすことが示されているヌクレオチド配列の反復を含む。かかる反復はまた、RNAポリメラーゼのずれをしばしば引き起こす。高いG+C含量バイアスを有する生物において、GまたはCヌクレオチド反復から構成されるより高い程度の反復が時にある。したがって、RNAポリメラーゼのずれを誘発する可能性を減少させる1つの方法は、GまたはCヌクレオチドの拡張反復を変更することを含む。
【0069】
二次構造への干渉はまた、減少した異種タンパク質発現を時に結果として生じる。二次構造は、RBS配列または開始コドンをしばしば隔離し、タンパク質発現の減少に相関される。ステムループ構造はまた、転写の休止および減衰にもしばしば関与する。最適化されたポリヌクレオチド配列は通常、RBSおよびヌクレオチド配列の遺伝子コード領域内の最小限の二次構造を含有し、改善された転写および翻訳を可能にする。
【0070】
異種タンパク質発現に時に影響する別の特徴は、制限部位の存在である。宿主発現ベクターへの転写ユニットの後続のサブクローニングに干渉する制限部位を除去することにより、ポリヌクレオチド配列が最適化される。
【0071】
例えば、最適化プロセスはしばしば、宿主により非相同に発現される所望のアミノ酸配列を同定することにより始まる。アミノ酸配列から候補ポリヌクレオチドまたはDNAが設計される。合成DNA配列の設計中、コドンの使用頻度は、宿主発現生物のコドンの使用と比較され、まれな宿主コドンは合成配列から除去される。加えて、合成候補DNA配列は、望ましくない酵素の制限部位を除去するおよび任意の所望のシグナル配列、リンカーまたは非翻訳領域を加えるかまたは除去するために、時に修飾される。合成DNA配列は、G/C反復およびステムループ構造など、翻訳プロセスに干渉してもよい二次構造の存在について、しばしば分析される。候補DNA配列を合成する前に、最適化された配列設計は、しばしばチェックされて、配列が所望のアミノ酸配列を正しくコードすることを確認する。最終的に、候補DNA配列は、当該技術分野において既知の技術などのDNA合成技術を使用して合成される。
【0072】
本願明細書の別の実施形態において、P.fluorescensなどの宿主生物における一般的なコドンの使用は、異種ポリヌクレオチド配列の発現を最適化するためにしばしば利用される。宿主発現系における特定のアミノ酸にとって好ましいとはめったに考えられないコドンのパーセンテージおよび分布が評価される。5%および10%使用の値は、まれなコドンの決定のためのカットオフ値としてしばしば使用される。例えば、表4に列挙されるコドンは、P.fluorescensMB214ゲノム中で5%未満の計算された出現を有し、P.fluorescens宿主中で発現される最適化された遺伝子において一般に回避される。
【表4】
【0073】
本開示は、使用されているPseudomonas宿主細胞における発現のために最適化された任意の配列を含む、任意のクリサンタスパーゼコード配列の使用を検討する。使用のために検討された配列は、限定されないが、以下を除くように最適化を含む、所望の任意の程度でしばしば最適化される:Pseudomonas宿主細胞中で5%未満で出現するコドン、Pseudomonas宿主細胞中で10%未満で出現するコドン、まれなコドン誘導翻訳休止、推定上の内部RBS配列、GまたはCヌクレオチドの拡張反復、干渉二次構造、制限部位、またはそれらの組み合わせ。
【0074】
さらに、本願明細書中で提供された方法の実践において有用な任意の分泌リーダーのアミノ酸配列は、任意の適する核酸配列によりコードされる。E.coli中での発現のためのコドン最適化は、例えば、Welch, et al., 2009, PLoS One、「Design Parameters to Control Synthetic Gene Expression in Escherichia coli」、 4(9): e7002, Ghane, et al., 2008, Krishna R. et al., (2008) Mol Biotechnology 「Optimization of the AT-content of Codons Immediately Downstream of the Initiation Codon and Evaluation of Culture Conditions for High-level Expression of Recombinant Human G-CSF in Escherichia coli」、38:221-232により記載される。
【0075】
高いスループットスクリーン
いくつかの実施形態において、高いスループットスクリーンは、可溶性組み換えクリサンタスパーゼを発現するための最適な状態を決定するためにしばしば行われる。スクリーンにおいて変化する状態は、例えば、宿主細胞、宿主細胞の遺伝的背景(例えば、異なるプロテアーゼの欠失)、発現構築物中のプロモーターのタイプ、コードされたクリサンタスパーゼに融合した分泌リーダーのタイプ、成長の温度、誘導性プロモーターを使用した場合の誘導のOD、追加されたインデューサーの量(例えば、lacZプロモーターまたはその誘導体を使用した場合の誘導に使用されるIPTGの量)、タンパク質誘導の持続時間、培養物への誘導剤の添加に続く成長の温度、培養の攪拌速度、プラスミド維持のための選択の方法、容器内の培養の体積、および細胞溶解の方法を含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、宿主株のライブラリー(または「アレイ」)が提供され、ここで、ライブラリー中の各株(または「宿主細胞の集団」)は、宿主細胞内の1以上の標的遺伝子の発現を調節するために遺伝的に修飾されている。「最適な宿主株」または「最適な発現系」は、アレイ中の表現型上で別個の宿主細胞の他の集団と比較して目的の発現されたタンパク質の量、質、および/または場所に基づいて、しばし同定または選択される。ゆえに、最適な宿主株は、希望の仕様に従って目的のポリペプチドを製造する株である。所望の仕様は、製造されるポリペプチドに応じて変化するが、仕様は、タンパク質の質および/または量、タンパク質が(例えば封入体中に)隔離されているか分泌されているか、タンパク質のフォールディングなどを含む。例えば、最適な宿主株または最適な発現系は、可溶性異種タンパク質の量、回復可能な異種タンパク質の量、適切に処理される異種タンパク質の量、適切にフォールディングされた非同一のタンパク質の量、活性な非同一のタンパク質の量、および/または指標株、すなわち比較のために使用される株により製造されるものに対する特定の絶対レベルまたは特定のレベルの異種タンパク質の総量により特徴付けられる収量を製造する。
【0077】
異種タンパク質の発現において改善された収量および/または質を有する株を同定するために微生物宿主をスクリーニングする方法は、例えば、米国特許出願公開番号20080269070に記載される。
【0078】
細菌成長状態
本願明細書中の方法において有用な成長状態は、約4°Cから約42°Cの温度および約5.7から約8.8のpHをしばしば含む。lacZプロモーターまたはその誘導体を有する発現構築物を使用する場合、培養物に終濃度約0.01mMから約1.0mMでIPTGを加えることにより発現がしばしば誘導される。
【0079】
培養物のpHは、pH緩衝液および当業者に既知な方法を使用して時に維持される。培養中のpHのコントロールは、アンモニア水を使用してしばしば達成される。実施形態において、培養物のpHは約5.7から約8.8である。特定の実施形態において、pHは約5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、または8.8である。他の実施形態において、pHは約5.7から5.9、5.8から6.0、5.9から6.1、6.0から6.2、6.1から6.3、6.2から6.5、6.4から6.7、6.5から6.8、6.6から6.9、6.7から7.0、6.8から7.1、6.9から7.2、7.0から7.3、7.1から7.4、7.2から7.5、7.3から7.6、7.4から7.7、7.5から7.8、7.6から7.9、7.7から8.0、7.8から8.1、7.9から8.2、8.0から8.3、8.1から8.4、8.2から8.5、8.3から8.6、8.4から8.7、または8.5から8.8である。さらに他の実施形態において、pHは約5.7から6.0、5.8から6.1、5.9から6.2、6.0から6.3、6.1から6.4、または6.2から6.5である。特定の実施形態において、pHは約5.7から約6.25である。いくつかの実施形態において、pHは約5.0から約8.0である。
【0080】
実施形態において、成長温度は約4°Cから約42°Cに維持される。特定の実施形態において、成長温度は約4°C、約5°C、約6°C、約7°C、約8°C、約9°C、約10°C、約11°C、約12°C、約13°C、約14°C、約15°C、約16°C、約17°C、約18°C、約19°C、約20°C、約21°C、約22°C、約23°C、約24°C、約25°C、約26°C、約27°C、約28°C、約29°C、約30°C、約31°C、約32°C、約33°C、約34°C、約35°C、約36°C、約37°C、約38°C、約39°C、約40°C、約41°C、または約42°Cである。他の実施形態において、成長温度は約25°Cから約27°C、約25°Cから約28°C、約25°Cから約29°C、約25°Cから約30°C、約25°Cから約31°C、約25°Cから約32°C、約25°Cから約33°C、約26°Cから約28°C、約26°Cから約29°C、約26°Cから約30°C、約26°Cから約31°C、約26°Cから約32°C、約27°Cから約29°C、約27°Cから約30°C、約27°Cから約31°C、約27°Cから約32°C、約26°Cから約33°C、約28°Cから約30°C、約28°Cから約31°C、約28°Cから約32°C、約29°Cから約31°C、約29°Cから約32°C、約29°Cから約33°C、約30°Cから約32°C、約30°Cから約33°C、約31°Cから約33°C、約31°Cから約32°C、約30°Cから約33°C、または約32°Cから約33°Cに維持される。実施形態において、成長温度は約22°Cから約33°Cに維持される。他の実施形態において、温度は培養中に変化する。特定の実施形態において、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする構築物からの発現を誘導する薬剤が培養に加えられる前に温度が約30°Cから約32°Cに維持され、発現を誘導する薬剤の添加、例えばIPTGが培養に加えられる後に、温度が約25°Cから約27°Cに下げられる。1つの実施形態において、目的のポリペプチドまたはタンパク質をコードする構築物からの発現を誘導する薬剤を培養に加える前に温度が約30°Cに維持され、発現を誘導する薬剤の添加後、温度が約25°Cに下げられる。
【0081】
誘導
本願明細書中で他に記載されるように、誘導性プロモーターは、組み換えクリサンタスパーゼ、例えば、lacプロモーターの発現をコントロールするために発現構築物中でしばしば使用される。lacプロモーター誘導体またはファミリーメンバー、例えばtacプロモーターの場合、エフェクター化合物は、PTG様無償性インデューサー(「イソプロピルチオガラクトシド」とも呼ばれるイソプロピル-β-D-1-チオガラクトピラノシド)などのインデューサーである。実施形態において、lacプロモーター誘導体が使用され、細胞密度が約25から約160のOD575により同定されるレベルに達したときに、IPTGの約0.01mMから約1.0mMの終濃度への添加により、クリサンタスパーゼ発現が誘導される。実施形態において、クリサンタスパーゼの培養誘導時のOD575は、約25、約50、約55、約60、約65、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180である。他の実施形態において、OD575は、約80から約100、約100から約120、約120から約140、約140から約160である。他の実施形態において、OD575は約80から約120、約100から約140、または約120から約160である。他の実施形態において、OD575は約80から約140、または約100から160である。細胞密度は他の方法でしばしば測定され、他の単位で、例えば単位体積あたりの細胞数で表される。例えば、Pseudomonas fluorescens培養物の約25から約160のOD25は、1mLあたりおよそ2.5x1010から約1.6x1011のコロニー形成単位または11から70g/L乾燥細胞重量、または約0.05g/gから約0.4g/g湿潤細胞重量と同等である。実施形態において、OD575の細胞密度の測定値は、1x109に等しい1のOD575の変換でCFUの測定値に変換される;0.002g/gに等しい1のOD575の変換で湿潤細胞重量の測定値に変換される;0.44g/Lに等しい1のOD575の変換で乾燥細胞重量の測定値に変換される。実施形態において、クリサンタスパーゼ発現は、細胞密度が約0.05g/gから約0.4g/gの湿潤重量に達したときに、IPTGの約0.01mMから約1.0mMの終濃度への添加により誘導される。実施形態において、湿潤細胞重量は、約0.05g/g、約0.1g/g、約0.15g/g、約0.2g/g、約0.25g/g、約0.30g/g、約0.35g/g、約0.40g/g、約0.05g/gから約0.1g/g、約0.05g/gから約0.15g/g、約0.05g/gから約0.20g/g、約0.05g/gから約0.25g/g、約0.05g/gから約0.30g/g、約0.05g/gから約0.35g/g、約0.1g/gから約0.40g/g、約0.15g/gから約0.40g/g、約0.20g/gから約0.40g/g、約0.25g/gから約0.40g/g、約0.30g/gから約0.40g/g、または約0.35g/gから約0.40g/gである。実施形態において、湿潤細胞重量は約0.1g/gから約0.5g/gである。実施形態において、培養誘導時の細胞密度は、細胞密度または測定の単位の決定のために使用される方法にかかわらず、OD575での吸光度により本願明細書中で特定された細胞密度と同等である。当業者は、任意の細胞培養に適する変換を行う方法を知っているであろう。
【0082】
実施形態において、培養の最終IPTG濃度は、約0.01mM、約0.02mM、約0.03mM、約0.04mM、約0.05mM、約0.06mM、約0.07mM、約0.08mM、約0.09mM、約0.1mM、約0.2mM、約0.3mM、約0.4mM、約0.5mM、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mM、約0.9mM、または約1mMである。他の実施形態において、培養物の最終IPTG濃度は、約0.08mMから約0.1mM、約.1mMから約0.2mM、約.2mMから約0.3mM、約.3mMから約0.4mM、約.2mMから約0.4mM、約0.08から約0.2mM、または約0.1から1mMである。実施形態において、IPTGは、約0.05mMから約2.5mMの培養培地中の濃度である。
【0083】
非lac型プロモーターが使用される実施形態において、本願明細書中でおよび文献で記載されるように、他のインデューサーまたはエフェクターがしばしば使用される。1つの実施形態において、プロモーターは構成的プロモーターである。
【0084】
誘導剤の添加後、培養物は、その間組み換えクリサンタスパーゼが発現される一定期間、例えば約24時間しばしば成長される。誘導剤の添加後、培養物は、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、約24時間、約36時間、または約48時間、しばしば成長される。培養物に誘導剤を添加した後、培養物は約1から48時間、約1から24時間、約10から24時間、約15から24時間、または約20から24時間成長される。細胞培養物はしばしば、遠心分離により濃縮され、培養ペレットは、その後の溶解手順に適する緩衝液または溶液に再懸濁される。
【0085】
実施形態において、細胞は、高圧機械的細胞破壊のための装置(例えば、Microfluidics Microfluidizer、Constant Cell Disruptor、Niro-SoaviホモジナイザーまたはAPV-Gaulinホモジナイザーである商業的に入手可能なもの)を使用して破壊される。クリサンタスパーゼを発現する細胞は、例えば超音波処理を使用して、しばしば破壊される。細胞を溶解するための当該技術分野において既知の任意の適する方法は、可溶性画分を放出するためにしばしば使用される。例えば、実施形態において、細胞壁溶解酵素およびEDTAなどの化学および/または酵素細胞溶解試薬がしばしば使用される。冷凍または以前に保存された培養物の使用も、本願明細書中の方法において検討される。培養物は時に、溶解前にOD正規化される。例えば、細胞は、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、または約20のOD600にしばしば正規化される。
【0086】
遠心分離は、任意の適する装置および方法を使用して実施される。不溶性画分から不溶性画分を分離する目的での細胞培養またはライセートの遠心分離は、当技術分野において周知である。例えば、溶解された細胞は時に、20,800×gで20分間(4°Cで)遠心分離され、手動または自動液体処理を使用して上清が除去される。ペレット(不溶性)画分は、緩衝化溶液、例えば、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7.4に再懸濁される。再懸濁はしばしば、例えば、オーバーヘッドミキサーに接続されたインペラー、磁気攪拌棒、ロッキングシェーカーなどの装置を使用して行われる。
【0087】
「可溶性画分」、すなわちライセートの遠心分離後に得られる可溶性上清、および「不溶性画分」、すなわちライセートの遠心分離後に得られるペレットは、培養物の溶解および遠心分離の結果である。
【0088】
発酵形式
1つの実施形態において、発酵は組み換えクリサンタスパーゼの製造方法において使用される。本開示による発現系は、任意の発酵形式において培養される。例えば、バッチ、フェッドバッチ、半連続、および連続発酵モードは、本願明細書中で採用されてもよい。
【0089】
実施形態において、発酵培地は、富栄養培地、最少培地、およびミネラル塩培地から選択されてもよい。他の実施形態において、最少培地またはミネラル塩培地のいずれかが選択される。特定の実施形態において、ミネラル塩培地が選択される。
【0090】
ミネラル塩培地は、ミネラル塩および、グルコース、スクロース、またはグリセロールなどの炭素源からなる。ミネラル塩培地の例は、例えば、M9培地、Pseudomonas培地(ATCC179)、およびDavisおよびMingioli培地(B D Davis&E S Mingioli (1950)J.Bact.60:17-28を参照)を含む。ミネラル塩培地を作るために使用されるミネラル塩は、例えば、リン酸カリウム、硫酸アンモニウムまたは塩化アンモニウム、硫酸マグネシウムまたは塩化マグネシウム、および塩化カルシウム、ホウ酸塩、および鉄、銅、マンガンおよび亜鉛の硫酸塩などの微量ミネラルから選択されるものを含む。典型的に、ミペプトン、トリプトン、アミノ酸、または酵母エキスなどの有機窒素源は、ミネラル塩培地中に含まれていない。代わりに、無機窒素源が使用され、これは、例えば、アンモニウム塩、アンモニア水、およびガス状アンモニアの中から選択されてもよい。ミネラル塩培地は典型的に、炭素源としてグルコースまたはグリセロールを含有する。ミネラル塩培地と比較して、最少培地は、ミネラル塩および炭素ソースをしばしば含有するが、例えば、アミノ酸、ビタミン、ペプトン、または他の成分を、最小限のレベルで添加されるものの、低いレベルで、しばしば補足される。培地は、当該技術分野、例えば、上記参照により参照され、組み込まれる米国特許出願公開番号2006/0040352に記載される方法を使用してしばしば調製される。本願明細書中の方法において有用な培養手順およびミネラル塩培地の詳細は、Riesenberg, D et al., 1991、「High cell density cultivation of Escherichia coli at controlled specific growth rate」、J. Biotechnol. 20 (1):17-27により記載される。
【0091】
発酵は、任意の規模で実施してもよい。本開示による発現系は、任意の規模での組み換えタンパク質発現に有用である。ゆえに、例えば、マイクロリットル規模、ミリリットル規模、センチリットル規模、およびデシリットル規模の発酵体積を使用してもよく、1リットル規模およびより大きな発酵体積がしばしば使用される。
【0092】
実施形態において、発酵体積は、約1リットル以上である。実施形態において、発酵体積は約0.5リットルから約100リットルである。実施形態において、発酵体積は約0.5リットル、約1リットル、約2リットル、約3リットル、約4リットル、約5リットル、約6リットル、約7リットル、約8リットル、約9リットル、または約10リットルである。実施形態において、発酵体積は約0.5リットルから約2リットル、約0.5リットルから約5リットル、約0.5リットルから約10リットル、約0.5リットルから約25リットル、約0.5リットルから約50リットル、約0.5リットルから約75リットル、約10リットルから約25リットル、約25リットルから約50リットル、または約50リットルから約100リットルである。他の実施形態において、発酵体積は、5リットル、10リットル、15リットル、20リットル、25リットル、50リットル、75リットル、100リットル、200リットル、500リットル、1,000リットル、2,000リットル、5,000リットル、10,000リットル、または50,000リットル以上である。
【0093】
タンパク質分析
実施形態において、本願明細書中で提供される方法により製造される組み換えクリサンタスパーゼタンパク質が分析される。組み換えクリサンタスパーゼは時に、例えばバイオレイヤー干渉法、SDS-PAGE、ウェスタンブロット、ファーウェスタンブロット、ELISA、吸光度、またはマススぺクトロメトリー(例えばタンデムマススぺクトロメトリー)により分析される。
【0094】
いくつかの実施形態において、生成される組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の濃度および/または量は、例えば、Bradfordアッセイ、吸光度、クマシー(Coosmassie)染色、マススぺクトロメトリーなどにより決定される。
【0095】
本明細書中で記載される不溶性画分および可溶性画分におけるタンパク質収量は、当業者に既知の方法、例えば、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)、およびウェスタンブロット分析によりしばしば決定される。可溶性画分は、例えばバイオレイヤー干渉法を使用してしばしば評価される。
【0096】
アスパラギナーゼ単量体は、例えば、細胞ライセート、細胞ソニケートにおいて、およびさらなる精製の際、活性な四量体を形成することができる。細菌発現系、例えば、E.coliまたはPseudomonas宿主株における組み換えアスパラギナーゼの発現に続き、組み換えタンパク質は、当該技術分野において既知の任意の適切な方法を使用して、例えば、宿主細胞タンパク質を除去するために精製できる。精製方法は、例えば、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、またはこれらの組み合わせおよび/または他の既知の方法を含む。アスパラギナーゼタンパク質精製は、文献、例えばそれぞれが参照によりその全体が本願明細書中で組み込まれる米国特許番号5,310,670、「Method for the purification of Erwinia L-asparaginase」および米国特許番号8,323,948、「Asparaginases and uses thereof」に記載される。発現実験に基づいて、P.fluorescens中で発現されたII型アスパラギナーゼは、ソニケートにおける活性な四量体のアスパラギナーゼ酵素として存在する。
【0097】
実施形態において、未精製または精製されたアスパラギナーゼ試料の量の測定可能な特性(例えば、活性なおよび/またはインタクトなタンパク質を示す活性、サイズ、長さ、または他の特性)を、アスパラギナーゼ標準試料(例えば、商業的に得られたアスパラギナーゼ)の同じ量の測定可能な特性と比較される。試料中のアスパラギナーゼタンパク質の量は、タンパク質測定のための当該技術分野において既知の任意の適当なアッセイにより決定できると理解される。
【0098】
タンパク質収量の有用な尺度は、例えば、培養体積あたりの組み換えタンパク質の量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養のリットル)、溶解後に得られた不溶性ペレット中で測定される組み換えタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、抽出上清中の組み換えタンパク質の量/不溶性画分中のタンパク質の量)、可溶性組み換えタンパク質のパーセントまたは画分、活性なタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、活性なタンパク質の量/アッセイ中で使用されるタンパク質の量)、総細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、タンパク質/細胞の量、およびパーセント乾燥バイオマスを含む。
【0099】
実施形態において、本願明細書中の方法は、約20%から約90%の可溶性組み換えクリサンタスパーゼタンパク質、例えば単量体または四量体の収量を得るために使用される。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%総細胞タンパク質、約25%総細胞タンパク質、約30%総細胞タンパク質、約31%総細胞タンパク質、約32%総細胞タンパク質、約33%総細胞タンパク質、約34%総細胞タンパク質、約35%総細胞タンパク質、約36%総細胞タンパク質、約37%総細胞タンパク質、約38%総細胞タンパク質、約39%総細胞タンパク質、約40%総細胞タンパク質、約41%総細胞タンパク質、約42%総細胞タンパク質、約43%総細胞タンパク質、約44%総細胞タンパク質、約45%総細胞タンパク質、約46%総細胞タンパク質、約47%総細胞タンパク質、約48%総細胞タンパク質、約49%総細胞タンパク質、約50%総細胞タンパク質、約51%総細胞タンパク質、約52%総細胞タンパク質、約53%総細胞タンパク質、約54%総細胞タンパク質、約55%総細胞タンパク質、約56%総細胞タンパク質、約57%総細胞タンパク質、約58%総細胞タンパク質、約59%総細胞タンパク質、約60%総細胞タンパク質、約65%総細胞タンパク質、約70%総細胞タンパク質、約75%総細胞タンパク質、約80%総細胞タンパク質、約85%総細胞タンパク質、または約90%総細胞タンパク質である。いくつかの実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%から約25%総細胞タンパク質、約20%から約30%総細胞タンパク質、約20%から約35%総細胞タンパク質、約20%から約40%総細胞タンパク質、約20%から約45%総細胞タンパク質、約20%から約50%総細胞タンパク質、約20%から約55%総細胞タンパク質、約20%から約60%総細胞タンパク質、約20%から約65%総細胞タンパク質、約20%から約70%総細胞タンパク質、約20%から約75%総細胞タンパク質、約20%から約80%総細胞タンパク質、約20%から約85%総細胞タンパク質、約20%から約90%総細胞タンパク質、約25%から約90%総細胞タンパク質、約30%から約90%総細胞タンパク質、約35%から約90%総細胞タンパク質、約40%から約90%総細胞タンパク質、約45%から約90%総細胞タンパク質、約50%から約90%総細胞タンパク質、約55%から約90%総細胞タンパク質、約60%から約90%総細胞タンパク質、約65%から約90%総細胞タンパク質、約70%から約90%総細胞タンパク質、約75%から約90%総細胞タンパク質、約80%から約90%総細胞タンパク質、約85%から約90%総細胞タンパク質、約20%から約40%総細胞タンパク質、約25%から約40%総細胞タンパク質、約35%から約40%総細胞タンパク質、約20%から約35%総細胞タンパク質、約20%から約30%総細胞タンパク質、または約20%から約25%総細胞タンパク質である。いくつかの実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約20%約40%総細胞タンパク質である。
【0100】
実施形態において、本願明細書中の方法は、約20%から約90%総細胞タンパク質の、可溶性組み換えクリサンタスパーゼタンパク質、例えば単量体または四量体の収量を得るために使用される。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約1グラム/リットル、約2グラム/リットル、約3グラム/リットル、約4グラム/リットル、約5グラム/リットル、約6グラム/リットル、約7グラム/リットル、約8グラム/リットル、約9グラム/リットル、約10グラム/リットル、約11グラム/リットル、約12グラム/リットル、約13グラム/リットル、約14グラム/リットル、約15グラム/リットル、約16グラム/リットル、約17グラム/リットル、約18グラム/リットル、約19グラム/リットル、約20グラム/リットル、約21グラム/リットル、約22グラム/リットル、約23グラム/リットル約24グラム/リットル、約25グラム/リットル、約26グラム/リットル、約27グラム/リットル、約28グラム/リットル、約30グラム/リットル、約35グラム/リットル、約40グラム/リットル、約45グラム/リットル約50グラム/リットル約1グラム/リットルから約5グラム/リットル、約1グラムから約10グラム/リットル、約10グラム/リットルから約12グラム/リットル、約10グラム/リットルから約13グラム/リットル、約10グラム/リットルから約14グラム/リットル、約10グラム/リットルから約15グラム/リットル、約10グラム/リットルから約16グラム/リットル、約10グラム/リットルから約17グラム/リットル、約10グラム/リットルから約18グラム/リットル、約10グラム/リットルから約19グラム/リットル、約10グラム/リットルから約20グラム/リットル、約10グラム/リットルから約21グラム/リットル、約10グラム/リットルから約22グラム/リットル、約10グラム/リットルから約23グラム/リットル、約10グラム/リットルから約24グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約30グラム/リットル、約10グラム/リットルから約40グラム/リットル、約10グラム/リットルから約50グラム/リットル、約10グラム/リットルから約12グラム/リットル、約12グラム/リットルから約14グラム/リットル、約14グラム/リットルから約16グラム/リットル、約16グラム/リットルから約18グラム/リットル、約18グラム/リットルから約20グラム/リットル、約20グラム/リットルから約22グラム/リットル、約22グラム/リットルから約24グラム/リットル、約23グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約11グラム/リットルから約25グラム/リットル、約12グラム/リットルから約25グラム/リットル、約13グラム/リットルから約25グラム/リットル、約14グラム/リットルから約25グラム/リットル、約15グラム/リットルから約25グラム/リットル、約16グラム/リットルから約25グラム/リットル、約17グラム/リットルから約25グラム/リットル、約18グラム/リットルから約25グラム/リットル、約19グラム/リットルから約25グラム/リットル、約20グラム/リットルから約25グラム/リットル、約21グラム/リットルから約25グラム/リットル、約22グラム/リットルから約25グラム/リットル、約23グラム/リットルから約25グラム/リットル、または約24グラム/リットルから約25グラム/リットルである。実施形態において、可溶性組み換えタンパク質収量は、約10gram/リットルから約13グラム/リットル、約12グラム/リットルから約14グラム/リットル、約13グラム/リットルから約15グラム/リットル、約14グラム/リットルから約16グラム/リットル、約15グラム/リットルから約17グラム/リットル、約16グラム/リットルから約18グラム/リットル、約17グラム/リットルから約19グラム/リットル、約18グラム/リットルから約20グラム/リットル、約20グラム/リットルから約22グラム/リットル、約22グラム/リットルから約24グラム/リットル、または約23グラム/リットルから約25グラム/リットルである。実施形態において、可溶性組み換えタンパク質収量は、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約12グラム/リットルから約24グラム/リットル、約14グラム/リットルから約22グラム/リットル、約16グラム/リットルから約20グラム/リットル、または約18グラム/リットルから約20グラム/リットルである。実施形態において、抽出されたタンパク質収量は、約5グラム/リットルから約15グラム/リットル、約5グラム/リットルから約25グラム/リットル、約10グラム/リットルから約15グラム/リットル、約10グラム/リットルから約25グラム/リットル、約15グラム/リットルから約20グラム/リットル、約15グラム/リットルから約25グラム/リットル、または約18グラム/リットルから約25グラム/リットルである。特定の実施形態において、可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量は、約10グラム/リットルから約25グラム/リットルである。
【0101】
実施形態において、可溶性画分中に検出される組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%から約100%である。実施形態において、この量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%または約99%、または約100%である。実施形態において、この量は、製造される総組み換えクリサンタスパーゼの量の約10%から約20%、20%から約50%、約25%から約50%、約25%から約50%、約25%から約95%、約30%から約50%、約30%から約40%、約30%から約60%、約30%から約70%、約35%から約50%、約35%から約70%、約35%から約75%、約35%から約95%、約40%から約50%、約40%から約95%、約50%から約75%、約50%から約95%、約70%から約95%、または約80から約100%である。
【0102】
いくつかの実施形態において、可溶性組み換えアスパラギナーゼの量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質のパーセンテージとして表される。所与の細胞密度での細胞培養の組み換えアスパラギナーゼタンパク質の重量/体積で表されるデータは、総細胞タンパク質のパーセント組み換えタンパク質として表されるデータに変換できる。例えば、所与の細胞密度での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量を知って、体積タンパク質収量を%総細胞タンパク質に変換することは、当業者の能力の範囲内である。この数は、1)所与の細胞密度での培養の細胞重量/体積、および2)総タンパク質に含まれる細胞重量のパーセントがわかっている場合に決定できる。例えば、OD550が1.0の場合、E.coliの乾燥細胞重量は0.5グラム/リットルであると報告される(「Production of Heterologous Proteins from Recombinant DNA Escherichia coli in Bench Fermentors」、Lin, N.S.,およびSwartz, J.R., 1992, METHODS:A Companion to Methods in Enzymology 4:159-168)。細菌細胞は、多糖類、脂質、核酸、ならびにタンパク質で構成される。E.coli細胞は、タンパク質がE.coli細胞の重量で52.4%を占めると評価するDa Silva, N.A., et al., 1986, 「Theoretical Growth Yield Estimates for Recombinant Cells」、Biotechnology and Bioengineering,Vol. XXVIII:741-746、およびE.coli中のタンパク質含量を乾燥細胞重量で55%と報告するChief Frederick C. Neidhardt, Vol. 1, pp. 3-6における「Escherichia coli and Salmonella typhimurium Cellular and Molecular Biology」、1987,編を含むがこれらに限定されない参照により、約52.4%から55%タンパク質であると報告される。上記の測定値(つまり、乾燥細胞重量0.5グラム/リットル、および55%細胞重量のタンパク質)を使用して、E.coliについて1.0のA550での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、275μg総細胞タンパク質/ml/A550として計算される。湿潤細胞重量に基づく細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の計算は、例えば、E.coliについての1.0のA600が、1.7グラムの湿潤細胞重量/リットル、および0.39グラムの乾燥細胞重量/リットルを結果として生じるというGlazyrinaら(参照により本願明細書中で組み込まれるMicrobial Cell Factories 2010, 9:42)による決定を使用することができる。例えば、乾燥細胞重量比較のためにこの湿潤細胞重量、および上記の55%乾燥細胞重量としてのタンパク質を使用して、E.coliについて1.0のA600での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、215μg総細胞タンパク質/ml/A600として計算できる。Pseudomonas fluorescensについて、所与の細胞密度での細胞培養の体積あたりの総細胞タンパク質の量は、E.coliで見出されたものに類似する。P.fluorescensは、E.coliと同様に、グラム陰性の桿菌である。Edwards, et al., 1972、「Continuous Culture of Pseudomonas fluorescens with Sodium Maleate as a Carbon Source」、Biotechnology and Bioengineering, Vol. XIV, 123-147ページにより報告されたP.fluorescensATCC11150の乾燥細胞重量は、0.5グラム/リットル/A500である。これは、Alinが1.0のE.coliについて、E.coliについて1.0のA550でLinらにより報告された重量と同じである。500nmおよび550nmで行われた光散乱測定は非常に類似すると予想される。P.fluorescensHK44についての総細胞タンパク質に含まれる細胞重量のパーセントは、例えば、Yarwood, et al., July 2002、「Noninvasive Quantitative Measurement of Bacterial Growth in Porous Media under Unsaturated-Flow Conditions」、Applied and Environmental Microbiology 68(7):3597-3605により55%として記載される。このパーセンテージは、上記の参照によるE.coliについて所与のものと類似または同じである。
【0103】
実施形態において,製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%から約95%である.実施形態において,この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%を超える。実施形態において、この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%である。実施形態において、この量は、培養物中の製造される総可溶性タンパク質の約5%から約95%、約10%から約85%、約20%から約75%、約30%から約65%、約40%から約55%、約1%から約95%、約5%から約30%、約1%から約10%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、約40%から約50%、約50から約60%、約60%から約70%、または約80%から約90%である。
【0104】
実施形態において、製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼ、例えば単量体または四量体の量は、乾燥細胞重量(DCW)の約0.1%から約50%である。実施形態において、この量は、DCWの約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%を超える。実施形態において、この量は、DCWの約0.1%、0.5%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、または50%である。実施形態において、この量は、培養物中で製造される総可溶性タンパク質の約5%から約50%、約10%から約40%、約20%から約30%、約1%から約20%、約5%から約25%、約1%から約10%、約10%から約20%、約20%から約30%、約30%から約40%、または約40%から約50%である。
【0105】
実施形態において、これらのタンパク質測定のいずれかで記載される細胞質的に製造された可溶性組み換えクリサンタスパーゼの収量または量(例えば、培養体積あたりの組み換えタンパク質の量(例えば、タンパク質のグラムまたはミリグラム/培養のリットル)、溶解後に得られた不溶性ペレット中で測定された組み換えタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、抽出物上清中の組み換えタンパク質の量/不溶性画分中のタンパク質の量)、可溶性組み換えタンパク質のパーセントまたは画分、活性なタンパク質のパーセントまたは画分(例えば、活性なタンパク質の量/アッセイにおいて使用されるタンパク質の量)、総細胞タンパク質(tcp)のパーセントまたは画分、タンパク質の量/細胞、およびパーセント乾燥バイオマス)は、類似または実質的に類似の状態下(状態は、例えば、宿主細胞、宿主細胞の遺伝的背景(例えば、異なるプロテアーゼの欠失)、発現構築物中のプロモーターのタイプ、成長の温度、誘導性プロモーターが使用される場合の誘導のOD、インデューサーの量(例えば、lacZプロモーターまたはその誘導体が使用される場合の誘導のために使用されるIPTGの量)、タンパク質誘導の持続時間、培養物への誘導剤の添加に続く成長の温度、培養の攪拌速度、プラスミド維持のための選択の方法、容器内の培養の体積、および細胞溶解の方法を含む)で得られたペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼの量に対して同等または増加している。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1:1(つまり1)から約5:1(つまり5)である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、少なくとも約1である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、最大で約5である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1から約1.25、約1から約1.5、約1から約1.75、約1から約2、約1から約2.5、約1から約3、約1から約3.5、約1から約4、約1から約4.5、約1から約5、約1.25から約1.5、約1.25から約1.75、約1.25から約2、約1.25から約2.5、約1.25から約3、約1.25から約3.5、約1.25から約4、約1.25から約4.5、約1.25から約5、約1.5から約1.75、約1.5から約2、約1.5から約2.5、約1.5から約3、約1.5から約3.5、約1.5から約4、約1.5から約4.5、約1.5から約5、約1.75から約2、約1.75から約2.5、約1.75から約3、約1.75から約3.5、約1.75から約4、約1.75から約4.5、約1.75から約5、約2から約2.5、約2から約3、約2から約3.5、約2から約4、約2から約4.5、約2から約5、約2.5から約3、約2.5から約3.5、約2.5から約4、約2.5から約4.5、約2.5から約5、約3から約3.5、約3から約4、約3から約4.5、約3から約5、約3.5から約4、約3.5から約4.5、約3.5から約5、約4から約4.5、約4から約5、または約4.5から約5である。実施形態において、類似または実質的に類似の状態下で得られた細胞質的に製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼのペリプラズムに製造される可溶性組み換えクリサンタスパーゼに対する収量比は、約1、約1.25、約1.5、約1.75、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、または約5である。
【0106】
溶解性および活性
タンパク質の「溶解性」および「活性」は、関連する性質であるが、一般に異なる手段により決定される。タンパク質、特に疎水性タンパク質の溶解性は、疎水性アミノ酸残基がフォールディングされたタンパク質の外側に不適切に配置されていることを示す。例えば以下に記載されるような異なる方法を使用してしばしば評価されるタンパク質活性は、適切なタンパク質コンフォメーションの別の指標である。本明細書中で使用される「可溶性、活性な、または両方」は、当業者に既知の方法により、可溶性、活性な、または可溶性および活性両方であると決定されるタンパク質を指す。
【0107】
活性アッセイ
クリサンタスパーゼ活性を評価するためのアッセイは、当該技術分野において既知であり、蛍光測定法、比色分析、化学発光法、分光光度法、および当業者に入手可能な他の酵素アッセイを含むが、これらに限定されない。これらのアッセイは、クリサンタスパーゼ調製物の活性または有効性を商業的なまたは他のクリサンタスパーゼ調製物と比較するために使用できる。
【0108】
実施形態において、活性または有効性は、アッセイされた総量と比較して、抽出物上清中のパーセント活性なタンパク質により表される。これは、アッセイにより使用されるタンパク質の総量に対する、アッセイにより活性であると決定されるタンパク質の量に基づく。他の実施形態において、活性または有効性は、標準または対照タンパク質と比較したタンパク質の%活性または有効性レベルにより表される。これは、標準試料中の活性なタンパク質の量に対する、上清抽出試料中の活性なタンパク質の量に基づく(ここで各試料からの同じ量のタンパク質が、アッセイにおいて使用される)。
【0109】
実施形態において、製造されるクリサンタスパーゼとの比較のために活性または有効性アッセイにおいて使用される標準または対照タンパク質は、Erwinaze(登録商標)中の活性な成分、または臨床使用のために承認され、当該技術分野において既知の任意のクリサンタスパーゼ産物中の活性な成分である。実施形態において、製造されるクリサンタスパーゼの測定された活性または有効性は、クリサンタスパーゼ活性または有効性を測定する同じ方法を使用して、標準または対照クリサンタスパーゼの同じ量中で測定された活性または有効性と比較される。
【0110】
実施形態において、本願明細書中の方法は、活性または有効性アッセイを使用して、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の量の活性または有効性を測定することをさらに含む。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼタンパク質の約40%から約50%、約50%から約60%、約60%から約70%、約70%から約80%、約80%から約90%、約90%から約100%、約50%から約100%、約60%から約100%、約70%から約100%、約80%から約100%、約40%から約90%、約40%から約95%、約50%から約90%、約50%から約95%、約50%から約100%、約60%から約90%、約60%から約95%、約60%から約100%、約70%から約90%、約70%から約95%、約70%から約100%、または約70%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。
【0111】
他の実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼの約75%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。実施形態において、組み換えクリサンタスパーゼの約75%から約80%、約75%から約85%、約75%から約90%、約75%から約95%、約80%から約85%、約80%から約90%、約80%から約95%、約80%から約100%、約85%から約90%、約85%から約95%、約85%から約100%、約90%から約95%、約90%から約100%、または約95%から約100%は、活性、可溶性、またはその両方であると決定される。
【0112】
実施形態において、本願明細書中で記載される組み換えII型アスパラギナーゼを製造または発現する方法は、製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性を測定すること、および製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定される活性または有効性を同じアッセイを使用して同じ量の対照II型アスパラギナーゼ中で測定された活性または有効性と比較することをさらに含み、ここで製造される組み換えII型アスパラギナーゼの測定された活性または有効性は、対照II型アスパラギナーゼの活性または有効性と比較可能である。実施形態において、比較可能な活性または有効性は100%として定義される(1.0とも表せる)、つまり、製造される組み換えII型アスパラギナーゼおよび対照II型アスパラギナーゼの活性または有効性が等しい。実施形態において、対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約80%から約120%である。実施形態において、活性または有効性は約85%から約115%である。実施形態において、活性または有効性は約90%から約110%である。実施形態において、活性または有効性は約70%から約130%である。実施形態において、活性または有効性は約65%から約135%である。実施形態において,対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約または少なくとも約65%、約または少なくとも約66%、約または少なくとも約67%、約または少なくとも約68%、約または少なくとも約69%、約または少なくとも約70%、約または少なくとも約71%、約または少なくとも約72%、約または少なくとも約73%、約または少なくとも約74%、約または少なくとも約75%、約または少なくとも約75%、約または少なくとも約76%、約または少なくとも約77%、約または少なくとも約78%、約または少なくとも約79%、約または少なくとも約80%、約または少なくとも約81%、約または少なくとも約82%、約または少なくとも約83%、約または少なくとも約84%、約または少なくとも約85%、約または少なくとも約86%、約または少なくとも約87%、約または少なくとも約88%、約または少なくとも約89%、約または少なくとも約90%、約または少なくとも約91%、約または少なくとも約92%、約または少なくとも約93%、約または少なくとも約94%、約または少なくとも約95%、約または少なくとも約96%、約または少なくとも約97%、約または少なくとも約98%、約または少なくとも約99%、約または少なくとも約100%、約または少なくとも約101%、約または少なくとも約102%、約または少なくとも約103%、約または少なくとも約104%、約または少なくとも約105%、約または少なくとも約106%、約または少なくとも約107%、約または少なくとも約108%、約または少なくとも約109%、約または少なくとも約110%、約または少なくとも約111%、約または少なくとも約112%、約または少なくとも約113%、約または少なくとも約114%、約または少なくとも約115%、約または少なくとも約116%、約または少なくとも約117%、約または少なくとも約118%、約または少なくとも約119%、約または少なくとも約120%、約または少なくとも約121%、約または少なくとも約122%、約または少なくとも約123%、約または少なくとも約124%、約または少なくとも約125%、約または少なくとも約126%、約または少なくとも約127%、約または少なくとも約128%、約または少なくとも約129%、約または少なくとも約130%、約または少なくとも約131%、約または少なくとも約132%、約または少なくとも約133%、約または少なくとも約134%、または約または少なくとも約135%である。実施形態において、対照II型アスパラギナーゼと比較される製造される組み換えII型アスパラギナーゼの活性または有効性は、約68%から約132%、約70%から約130%、約72%から約128%、約75%から約125%、約80%から約120%、約85%から約115%、約65%から約110%、約68%から約110%、約70%から約110%、約72%から約110%、約78%から約110%、約80%から約110%、約90%から約110%、約95%から約105%、約85%から約110%、約90%から約110%、約95%から約110%、約96%から約110%、約97%から約110%、約98%から約110%、約99%から約110%、約100%から約110%、約65%から約105%、約68%から約105%、約70%から約105%、約72%から約105%、約80%から約105%、約85%から約105%、約90%から約105%、約95%から約105%、約96%から約105%、約97%から約105%、約98%から約105%、約99%から約105%、約100%から約105%、約65%から約100%、約68%から約100%、約70%から約100%、約72%から約100%、約75%から約100%、約78%から約100%、約80%から約100%、約81%から約100%、約82%から約100%、約83%から約100%、約84%から約100%、約85%から約100%、約86%から約100%、約87%から約100%、約88%から約100%、約89%から約100%、約90%から約100%、約91%から約100%、約92%から約100%、約93%から約100%、約94%から約100%、約95%から約100%、約96%から約100%、約97%から約100%、約98%から約100%、約99%から約100%、約95%から約99%、約96%から約99%、約97%から約99%、約70%から約135%、約75%から約135%、約80%から約135%、約85%から約135%、約90%から約135%、約75%から約130%、約80%から約130%、約85%から約130%、約90%から約130%、約80%から約125%、約85%から約125%、約90%から約125%、約85%から約120%、約90%から約120%、または約95%から約120%である。
【0113】
実施例
以下の実施例は、本開示の種々の実施形態を説明する目的のために与えられ、いかなる形でも本開示を限定することは意図されない。本実施例は、本願明細書中に記載され方法とともに、現在代表的な実施形態であり、例示的であり、範囲を制限することは意図されない。そこでの変化および特許請求の範囲により定義される開示の精神の範囲内に包含される他の使用は、当業者に発生するだろう。
【実施例0114】
実施例1:プロジェクト概要
プロジェクトを、発現株を構築することにより開始した。クリサンタスパーゼタンパク質をコードする遺伝子を、P.fluorescens中での発現のために最適化し、40の発現ベクターのそれぞれに合成してライゲートし、1の細胞質および39のペリプラズムクリサンタスパーゼタンパク質発現戦略を促進した。プラスミドを、結果として240の固有の発現株を生じる24のP.fluorescens宿主株(プロテアーゼ欠失(PD)株、フォールディングモジュレーター過剰発現(FMO)株、プロテアーゼ欠失プラスフォールディングモジュレーター過剰発現(PD/FMO)株、および野生型(WT)株からなる)に形質転換した。
【0115】
各株を、ハイスループット(HTP)成長および発現プロトコルに従って、96ウェル形式で二重成長および誘導した。96ウェル規模での240の発現株の最初のスクリーニングは、可溶性クリサンタスパーゼタンパク質単量体の高い発現が達成されることを実証した。96ウェルスクリーニングにおいて特定された上位15の株からの試料のSDS-CGE分析に基づき、E.coliL-アスパラギナーゼ(Sigma)標準曲線と比較した場合、可溶性クリサンタスパーゼ単量体の推定される力価は、およそ0.7から1.9g/Lの範囲だった。選択される発現株からの振とうフラスコ成長試料をさらに分析して、(商業的に入手可能な活性アッセイキットを使用して)活性ならびに(LC-MSにより)インタクトな質量を確認した。SDS-CGE分析により決定される単量体クリサンタスパーゼタンパク質の高い力価および検出可能でない分解に基づいて、2L規模での発酵評価のために、発現株STR55978を選択した。
【0116】
2Lの発酵規模で、選択されたSTR55978発現株を、8の異なる誘導状態下で培養した。誘導変数は、誘導での湿潤細胞重量、IPTG濃度、pHおよび温度を含んだ。キャプチャークロマトグラフィーを、選択した発酵ペーストからのライセート試料で実施し、次いで生成されたキャプチャー溶出液を、複数の方法を使用して分析し、タンパク質同一性、活性および純度を評価した。
各発現株を、M9塩1%グルコース(Teknova)の2mL中に接種した。培養物を、振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。各発現株について一晩成長させた培養の2%接種材料を、Trace Element(Teknova)を補足した2x200mL HTP-YE培地中で継代培養した。フラスコを振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。誘導前、20μLを980μLの水で希釈することにより、フラスコのOD600を記録した。イソプロピル-β-D-1チオガラクトピラノシド(IPTG)を各フラスコに0.3mMの終濃度で添加して、クリサンタスパーゼタンパク質の発現を誘導した。フラスコを振とうしながら30°Cで24時間インキュベートした。各株について、2の培養フラスコを組み合わせて採取し、フラスコのOD600を記録した。誘導後、400μLを1XPBSで1:3に希釈し、次いで還元SDS-CGEおよび追加の分析のために凍結した。各株について、~400mLの培養を遠心分離した(15,900xgで4°Cで30分間)。湿潤重量を記録した後、ペレットを-80°Cで凍結した。
エレクトロスプレーインターフェースを有するQ-Tofマイクロ質量分析計(Waters Xevo)に連結された相互接続オートサンプラー、カラムヒーター、UV検出器、およびHPLC(Waters Acquity)を使用して、試料をLC-MS分析に供した。ガードカラム(Zorbax5μm、300SB-CN、4.6x12.5mm、Agilent)が取り付けられたCNカラム(Zorbax5μm、300SB-CN、Agilent)を50°Cの分離のために使用した。使用したHPLC緩衝液は、緩衝液A(0.1%ギ酸)および緩衝液B(100%アセトニトリル0.1%ギ酸)であった。一般的なグラジエントを使用した。5%Bおよび95%緩衝液Aでロードした後、タンパク質試料を、0.2mL/minで以下の逆相グラジエントに供した:カラムを45分間で5-60%B、その後の60%から95%Bへの2分グラジエント、その後の3分間で95%B、および5分間で5%Bで終わる(60分総方法時間)グラジエントに供した。
MSの前に、UV吸光度を180~500nmから回収した。MSソースをポジティブで使用した。MSスキャンを、秒あたり2スキャンで600-2600m/zの範囲を使用して実行した。MSおよびUVデータを、MassLynxソフトウェア(Waters)を使用して分析した。MS総イオン電流(TIC)のUVクロマトグラムクロマトグラムを生成した。ターゲットピークのMSスペクトルを合計した。これらのスペクトルを、MaxEnt1(Waters)スキャニングを使用して、チャネルあたり1Daの分解能で30,000~40,000の分子量範囲について、デコンボリューションした。