(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123541
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】ベビーカーフレームおよびベビーカー
(51)【国際特許分類】
B62B 7/04 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
B62B7/04
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023094454
(22)【出願日】2023-06-08
(62)【分割の表示】P 2020501211の分割
【原出願日】2018-07-12
(31)【優先権主張番号】202017104166.2
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】505222381
【氏名又は名称】サイベックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パウエル、イアイン
(72)【発明者】
【氏名】スパウアー、ジリ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作が簡単で、複雑でなく頑丈な電動ベビーカーフレームと、特にベビーカーを操作する人がベビーカーを簡単に、便利に、直感的に制御できるベビーカーを提供する。
【解決手段】ベビーカーフレーム補助運転用の少なくとも1つのモータ、特に電動モータと、ベビーカーフレームを押すためのプッシャーバー(10)と、前記プッシャーバー(10)に作用する方向および/または力の量および/または力成分を検出するための、および/または前記力または力成分から導出される値、特に力または力成分の経時変化を検出するための力センサ装置と、を有するベビーカーフレーム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーフレームの補助運転用の少なくとも1つのモータ、特に電動モータと、
ベビーカーフレームを押すためのプッシャーバー(10)と、
前記プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分の方向および/または量を検出し、および/またはこの力または力成分から導出された値、特に力または力成分の時間的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置と、
を有することを特徴とするベビーカーフレーム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記プッシャーバー(10)、とくに前記プッシャーバーのハンドル(12)上および/または中に、および/またはプッシャーバー締結領域の中および/または近接して配置されることを特徴とする請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサ装置からの出力が前記少なくとも1つのモータを制御するために使用できるように、前記少なくとも1つのセンサ装置と操作可能に接続された少なくとも1つの制御装置を有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分、および/または少なくとも2つの異なる位置、とくに前記プッシャーバー(10)の第1および第2の側面、とくにハンドル(13)の第1および第2の側面、および/またはとくに両側面に配置された2つの異なるハンドルにおいて、そこから得られる値を検出するように構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項5】
前記センサ装置(16)は、少なくとも1つのトルクセンサおよび/または少なくとも2つのセンサを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項、とくに請求項4に記載のベビーカーフレーム。
【請求項6】
前記制御装置は、特に前記少なくとも1つのセンサ装置からの出力に応じて、例えば個別のステップおよび/または連続的に、前記少なくとも1つのモータの出力を制御および/または調整するように設計され、
および/または、力および/または力成分および/またはそこから導出される値の第1の閾値を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを起動させるように設計され、
および/または、力および/または力成分および/またはそこから導出される値の第2の閾値を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを停止させるかまたは一定電力に維持するように設計されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項、とくに請求項3乃至5のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項7】
前記制御装置は、下向きの作用力の閾値Fdと上向きの作用力の閾値Fuとが任意に同じかまたは異なり、前記下向きの作用力の閾値Fdを超えるとき、および/または、前記上向きの作用力の閾値Fuを超えるときに、および/または、前向きの作用力の閾値Ff2と後向きの作用力の閾値Fr2とが任意に同じかまたは異なり、前記前向きの作用力の閾値Ff2を超えるとき、および/または、前記後向きの作用力の閾値Fr2を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを停止させるかまたは一定電力に維持するように設計され、
前記閾値Ff2および/または前記閾値Fr2が、好ましくは前記閾値Fuおよび/または前記閾値Fdよりも大きい場合、特に前記閾値Fuおよび/または前記閾値Fdよりも少なくとも2倍または5倍または20倍大きい場合、および/または、(以前に超えた後に)前記閾値Ff2,Fr2,Fuおよび/またはFdを下回る場合に、前記モータを(再び)起動させるように設計され、および/または、
前記制御装置は、前向きの作用力の閾値Ff1と後向きの作用力の閾値Fr1とが任意に同じかまたは異なり、前記前向きの作用力の閾値Ff1を超えるとき、および/または、前記後向きの作用力の閾値Fr1を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを起動させるように設計され、
前記前向きの作用力の閾値Ff1は、好ましくは、量に関して前記前向きの作用力の閾値Ff2よりも小さい、および/または、量に関して前記後向きの作用力の閾値Fr2よりも小さい、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項、とくに請求項6に記載のベビーカーフレーム。
【請求項8】
少なくとも1つの速度センサおよび/または少なくとも1つのコーナリングセンサが設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項、とくに請求項3に記載のベビーカーフレーム。
【請求項9】
前記制御装置は、押す力または引く力、または特に水平方向の押す力成分または引く力成分、および前記少なくとも1つのモータの支持力から得られる商が一定になるように、例えば1または1より大きいかまたは1より小さいように設計されるか、または可変であるように、例えば前記支持力が押す力または引く力または押す力成分にほぼ比例して増加するように設計され、および/または、
前記制御装置は、特に水平方向の押す力成分または引く力成分の経時変化からの前記押す力または引く力の経時変化、および前記少なくとも1つのモータの支持力の経時変化から得られる商が一定になるように、例えば1または1より大きいかまたは1より小さいように設計されるか、または可変であるように、例えば前記支持力の経時変化が、前記押す力成分または引く力成分の前記押す力または引く力の経時変化にほぼ比例して増加するように設計されている、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項、とくに請求項3乃至8のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項10】
前記制御装置は、ブレーキ、特に減速ブレーキまたは駐車ブレーキが操作されると、前記少なくとも1つのモータの駆動力が抑制または停止されるように設計されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項、とくに請求項3乃至9のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項11】
前記プッシャーバー(10)および/または前記プッシャーバー(10)の部分、特に前記センサ装置を少なくとも部分的に含む前記プッシャーバー(10)の部分は、特に復元力に抗して、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも10mmの経路にわたって移動可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサ装置は、力および/または力成分の進行、および/または導出値の進行を検出するように設計されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの制御装置は、閉ループ制御装置、特に連続的な閉ループ制御装置であり、任意に前記少なくとも1つのモータの電力の線形調整、好ましくはPID閉ループ制御装置であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのブレーキ装置は、特に減速ブレーキ装置および/または駐車ブレーキ装置が設けられ、
前記減速ブレーキ装置は、好ましくは、制動のためにベビーカーフレームまたはベビーカーの運動エネルギを利用するように、特にそれを電気エネルギに変換するように設計され、および/または、前記制御装置は、好ましくは、所定時間後、好ましくはベビーカーフレームの完全停止後3秒から5分の間に、前記駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように設計され、および/または、
前記制御装置は、好ましくは、前回の走行後に停止または比較的低速に達した後に駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように設計され、および/または、
所定の最低速度に達したときに、前記ベビーカーフレームの運動エネルギを電気エネルギに変換するために、少なくとも1つの前記少なくとも1つのブレーキ装置が作動され、それによって好ましくは前記ベビーカーフレームが前記所定の速度に一定に保たれることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの駐車ブレーキ装置は、電気的/電子的に作動させることができ、手動で解除することができ、かつ/または解除状態で予荷重を負荷することができ、作動状態では予荷重がないか、またはより少ない程度の予荷重を負荷することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項、とくに請求項14に記載のベビーカーフレーム。
【請求項16】
センサ装置、特に力センサ装置が設けられ、前記制御装置は、ベビーカーを操作する人が例えば前記ハンドル(13)を介する手での接触を離したときに、前記少なくとも1つのブレーキ装置、特に前記減速ブレーキ装置および/または前記駐車ブレーキ装置が作動するように設計されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項、とくに請求項14または15のいずれかに記載のベビーカーフレーム。
【請求項17】
前記制御装置は、前記力センサ装置が前記ベビーカーフレームの現在の移動方向に対して少なくとも部分的に向けられた力を検出したときに前記ブレーキ装置が作動するように設計されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項、とくに請求項14乃至16のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項18】
少なくとも1つのディスプレイおよび/または信号装置が提供され、それはモータサポートが存在するかまたは存在する可能性があるという事実をベビーカーフレームのユーザーに報せることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項19】
前記制御装置は、少なくとも1つの車輪の回転の関数として任意に調整されるモータを制御できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項、とくに請求項3乃至18のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項20】
前記センサ装置によって検出されたアナログ信号をデジタル化するように構成され、好ましくは前記センサ装置の上流に接続されるA/Dコンバータ装置が提供されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項、とくに請求項3乃至18のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項21】
請求項1乃至20のいずれか1項に記載のベビーカーフレームであって、
前記ベビーカーフレーム駆動用の複数のモータ、特に電動モータが設けられ、
前記複数のモータの各々1つのモータが、少なくとも2つまたは正確に2つの車輪、例えば1つの左車輪と1つの右車輪に取り付けられ、
好ましくは、押す力または引く力および/またはベビーカーフレームの移動を検出するために、前記モータの個々の作動のための制御装置および/またはセンサ装置を備えることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項22】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載のベビーカーフレームを有するベビーカー、例えば子供用のベビーカー、バギーまたは同様の車両であることを特徴とするベビーカー。
【請求項23】
請求項1乃至21のいずれか1項に記載のベビーカーフレームまたは請求項22に記載のベビーカーを制御する方法であって、
プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分の方向および/または量、および/またはこの力または力成分から導出された値、とくに力または力成分の経時変化を検出することを特徴とするベビーカーフレームまたはベビーカーの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカーフレームおよび対応するモータアシスト付きベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ベビーカーは一般に知られている。電動ベビーカーは、モータの力だけで移動できるように構成されている。さらに、ベビーカーを操作する操作者の駆動力をサポートするが、操作者によって力が加えられない場合にはアシストしないモータアシストをベビーカーに装備することが一般的に知られている。
【0003】
さらに、ベビーカーの2つの車輪の間の車軸にモータを配置することが知られており、そのようなモータは車軸に取り付けられた両方の車輪を駆動するようになっている。
【0004】
ベビーカーの操作者に対して有用な支援を提供する公知のコンセプトがすでにある。しかしながら一方では、これらの公知のコンセプトは、依然としてユーザーに対してやさしくなく、複雑であると考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、操作が簡単で、複雑でなく頑丈な電動ベビーカーフレームと、特にベビーカーを操作する人がベビーカーを簡単に、便利に、直感的に制御できるようにする対応するベビーカーを提供することにある。
【0006】
この目的は、請求項1に記載のベビーカーフレームによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
とくに、本発明の目的は、ベビーカーフレームを駆動するための少なくとも1つのモータ、特に電動モータ、ベビーカーフレームを押すための少なくとも1つのプッシャーバー、および好ましくは少なくとも1つのセンサーデバイス、特に力センサーデバイスを含むベビーカーフレームによって解決される。センサ装置、とくに力センサ装置は、力または力成分、とくにプッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または量、および/または、この力または力成分、特に力または力成分の時間的変化から導出された値を検出するようにつくられていることが好ましい。
【0008】
本発明の一態様では、力および/または力成分(またはこの力または力成分から導出される値)の方向または量(または両方)を検出する力センサ装置が提供される。このようなセンサ装置からの出力に基づいて対応する制御を実行することができる。センサ装置の出力は、特に、測定値の出力および/または複数の測定値からの平均値のアウトプットを意味するものと理解される。
【0009】
次いで、制御は、内部で(ベビーカーフレーム上またはその内部に設けられた制御デバイスによって)および/または外部で別個の制御デバイス(例えば、モバイル端末、特にスマートフォンなど)によって実行され得る。但し、この文脈では、まず重要なのは、力および/または力に関連付けられた値に関連するデータを少しでもつくり出すことができることにある。この点で、必ずしも必須ではないにしても、ベビーカーフレーム(または対応するベビーカー)自体に制御デバイスが装備されていると有利である。
【0010】
全体として、モータアシストを備えた、ユーザーフレンドリーで製造することが容易な本発明のベビーカーフレームを推奨する。
【0011】
量の測定は、少なくとも1つの特定の量(例えば、xyニュートンの特定値として)の測定であるか、あるいは少なくとも力/力成分が閾値を上回る(または場合によっては閾値と等しい)か、又は閾値を下回る(または場合によっては閾値と等しい)かのいずれかであると特に理解されている。
【0012】
プッシャーバーは、好ましくは単一の部品として(オプションとして、互いに対して移動可能な個々の部品を備えて)構成される。プッシャーバーは、とくに水平ハンドルを備えていてもよい。あるいは、プッシャーバーは、例えば互いに分離された複数のハンドルを備えた複数の部品(例えば2つの部品)として構成されてもよい。
【0013】
特に、力センサ装置は、少なくとも2つの異なる力の方向(例えば、前後方向および/または上下方向)が検出可能であり、必要に応じて、その量または少なくとも4つの方向(例えば、前方、後方、上方および下方)が決定できるようになっている。任意に、少なくとも2つの異なる量(> 0)、好ましくは少なくとも4つの異なる量、例えば力の量の連続体(力成分またはそれから導出される値)が力センサ装置で検出されるようにしてもよい。いずれにしても、ベビーカーおよびベビーカーフレームを駆動するためのモータを制御するために有利に使用できるような種類の力センサ装置によって情報がシンプルに提供されるようになっている。
【0014】
本発明のさらなる(任意に独立した)態様によれば、ベビーカーフレームを駆動するために複数のモータ、特に電動モータが設けられるベビーカーフレーム(任意に前述のタイプのもの)が提案される。好ましくは、少なくとも2つまたは正確に2つの車輪のそれぞれに1つのモータが割り当てられる(例えば、1つの左車輪と1つの右車輪、または第1のサイド車輪と第2のサイド車輪)。制御装置は、モータを個別に制御するために提供されることが好ましい。代替的に又は追加的に、押圧力を検出するため、および/またはベビーカーフレームを移動させるために、センサ装置が提供されるようにしてもよい。とくに曲がるときの押し心地は、(例えば、1つのモータのみに差動歯車が含まれる場合などのような場合に)複雑な対策を講じる必要なしに、複数のモータ(特に、少なくとも2つまたは正確に2つ)によって改善することができる。
【0015】
ここで、とくに断りのない限り、押すまたは押す力は、特定の動作(アクション)および/または前方および後方の両方に向けられ得る力を意味するものと理解されるべきである(後者の場合、引く力または牽引力について説明することも可能である)。
【0016】
(2つの)力が比べられ、かつ(2つの)力が等しいか異なることが示されている限りにおいて、これは、文脈から方向が指定されていることが明らかでない場合(「逆方向の力」の場合など)、一般に「力の方向および/または量に関して等しいかまたは異なる」の略語として理解されるべきである。その場合、等しいかまたは異なる力に関する表示(インディケーション)は、力の量に関連する必要がある。
【0017】
少なくとも1つの(力)センサ装置は、プッシャーバー、特にプッシャーバーのハンドル、および/またはプッシャーバーのハンドル内、および/またはプッシャーバーの固定領域内および/または近くに配置することができる。プッシャーバー締結領域は、とくにプッシャーバーがベビーカーフレームの本体に取り付けられる領域であると理解される。プッシャーバー締結領域に近い配置は、とくにプッシャーバーに対して10cm未満の距離、好ましくは5cm未満の距離(相対的に移動するプッシャーバーの場合、特に最小距離はここを意味する)の配置であると理解される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、上記のタイプ(および以下の明細書本文)のベビーカーフレームを含むベビーカー、例えば子供用のベビーカーやバギーまたは同様の乗り物が提案される。
【0019】
本発明の独立した態様によれば、プッシャーバーに作用する力および/または力成分の方向および/または量、および/または、この力および/または力成分、特に力または力成分の時間的変化から導出された値が検出される、特に上述した(および以下の明細書本文の)タイプのベビーカーフレームまたは上述した(および以下の明細書本文の)タイプのベビーカーを制御する方法が提案される。ベビーカーフレームおよび/またはベビーカーの機能的特性が前述および以下の明細書本文で説明されている限り、それらは対応する方法のステップを実行できることを意味するものと理解されるべきである。この点で、(例えば、力センサ装置のような)対応する装置のデバイス特性は、本発明方法に関して必ずしも決定的なものではなく、むしろ本発明方法では(例えば、力の方向および/または力の量の検出など)そのままのステップを行う。もちろん、前述および以下の明細書本文で説明されているように(例えば、力センサ装置のような)対応するデバイス特性も、方法の範囲内に存在することができる。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つのセンサの出力が少なくとも1つのモータを制御するために使用されるように、少なくとも1つの(力)センサ装置と操作可能に接続する少なくとも1つの制御装置が設けられる。このようにして、力(または、例えば、現在の移動のような他の値)のシンプルで信頼できる検出を行うことができる。
【0021】
一変形形態では、少なくとも1つのセンサ装置は、少なくとも2つの異なる位置でプッシャーバーに作用する力および/または力成分および/またはそれから導き出される値を検出するように設計されている。とくに、この検出は、プッシャーバーの第1のサイド(例えば、左側)および第2のサイド(例えば、右側)、特にハンドルの第1のサイド(たとえば、左側)および第2のサイド(例えば、右側)、および/または、2つの異なるハンドル、特にいずれか一方側のハンドルに配置された箇所で行うことができる。ここでおよび以下の明細書本文で左側または右側が言及されている限り、これは、ベビーカーフレームまたはベビーカーを操作する操作者の視点から決定される左側または右側をそれぞれ特に示すものである。
【0022】
ある特定の変形例では、センサ装置は、動き(モーション)の方向および/または動きの方向と反対(各々の場合では水平)および/または上方および/または下方(各々の場合では垂直)の力成分を決定するように設計されている。代替的または追加的に、対応する時間的な導出物(および/または経時変化)のコンポーネントが決定されてもよい。
【0023】
作用力(および/または力成分および/または力導出値)がいくつかの異なる箇所で検出された場合に、制御装置は、対応する駆動輪(およびオプションで取り付けられたモータ)が例えば(特に水平な)衝突力(および/またはその経時変化)の値と持続時間に応じて作動するように、および/または(特に水平方向の)力(および/またはその経時変化)が同じ方向に作用するかどうかに依存するように、構成されてもよい。駆動輪(またはそれに対応して取り付けられたモータ)は、その側面に存在する力(および/またはこの力の経時変化)および/または他の(反対側の)側面にある力(および/またはその経時変化)に応じて作動する。
【0024】
制御装置は、好ましくは、例えば少なくとも1つのセンサ装置からの出力に基づいて、例えば別個のステップおよび/または連続的に、少なくとも1つのモータの電力を制御および/または調整するように設計される。
【0025】
制御装置は、力および/または力成分および/またはそこから導出される値の第1の閾値を超えたときに少なくとも1つのモータが始動されるようにさらに設計されてもよい。モータの起動とは、モータがベビーカーフレームを駆動するための電力の供給を受ける状況を指すものと特に理解される。この意味では、モータのスイッチオン(例えば、アイドリング状態)は未だモータの起動とは見なされない。但し、モータの起動とは、最初にモータをスイッチオンにすること(エネルギの供給)を指す場合もあり得る。
【0026】
制御装置は、力および/または力成分(たとえば上向きまたは下向きの成分)および/またはそこから導出される値の第2の閾値を超えると、少なくとも1つのモータが停止または一定の電力に維持されるように設計されてもよい。モータの停止とは、モータがベビーカーをもはや駆動しなくなった状態にモータをおくことを意味するものと特に理解される。モータは、オプションで(アイドリングモードなどで)運転を継続できる。但し、最終的なスイッチオフ(たとえば、モータへのエネルギ供給の中断)を意味することも理解できる。第2の閾値は、量に関して第1の閾値より大きくしてもよい。
【0027】
制御装置は、力の閾値FdとFuが任意に(量に関して)同じかまたは異なる場合であって、下向きに作用する力の閾値Fdを超えるとき、および/または、上向きに作用する力の閾値Fuを超えるときに、および/または、作用力の閾値Ff2とFr2が任意に(量に関して)同じか異なる場合であって、力の閾値FdとFuが前向きの作用力の閾値Ff2を超えるとき、および/または、力の閾値FdとFuが後向きの作用力の閾値Fr2を超えるときに、少なくとも1つのモータが停止されるかまたは一定の電力に維持されるように設計され、作用力の閾値Ff2および/またはFr2が力の閾値Fuおよび/またはFdよりも好ましくは大きい場合、特に2倍または5倍または20倍大きい/それより大きいように、さらに設計されてもよい。このような制御装置は、好ましくは、作用力の閾値Ff2、作用力の閾値Fr2、力の閾値Fuおよび/または力の閾値Fdを(以前に超えた後に)下回るときに、モータを(再び)起動させるように設計される。
【0028】
さらに、制御装置は、力の閾値Ff1とFr1とが任意に(量に関して)同じかまたは異なる場合であって、前方に作用する力の閾値Ff1を超える場合、および/または、後方に作用する力の閾値Fr1を超える場合に、(および/または任意に、下向きに作用する力の閾値を超えるとき、および/または、上向きに作用する力の閾値を超える場合、ここで、下向きに作用する力の閾値と上向きに作用する力の閾値は、任意に同じかまたは異なる)少なくとも1つのモータを起動させるように設計され、ここで、好ましくは力の閾値Ff1は作用力の閾値Ff2よりも(量で)小さいことが好ましく、および/または、好ましくは力の閾値Fr1は作用力の閾値Fr2よりも(量で)小さいように、さらに設計されてもよい。
【0029】
代替的または追加的に、制御装置は、2つの側面の一方の(水平)力が正で、他方の側面の(水平)力が負の場合(この場合は旋回軌道または湾曲した軌道に対応する場合がある)、および/または一方の側の(水平)力の経時変化が正で、他方の側の(水平)力の経時変化が負の場合(この場合は、結果としてベビーカーの旋回軌道または湾曲した軌道になる)、駆動輪(および/または対応して取り付けられたモータ)は、駆動輪(モータ)の一方のみがサポートを提供するように、および/または支持力が所定の値を超えないように作動するか、あるいは両方のモータからのサポートを(完全に)停止させるか、または少なくとも大幅に削減されるように作動する。
【0030】
ベビーカーフレームは、少なくとも1つの速度センサ、および/または少なくとも1つの曲がり軌道センサを有する。速度センサは、(基板に対するベビーカーフレームの)現在の速度の量(およびオプションで方向)を決定できるように特に設計されている。曲がり軌道センサは、(ベビーカーフレームが走行する経路内の)ターン曲がりまたはベンド曲がりの曲率を決定できるように設計されることが好ましい。制御装置は、特定の速度を超えたとき、および/または曲がり軌道の曲率が特定の値を下回ったときに、対応するモータの支持が停止するように任意に設計することができる。これによりベビーカーを操作する際の全体的な信頼性と安全性が向上する。
【0031】
制御装置は、押す力または(特に水平の)押す力成分および少なくとも1つのモータの支持力から得られる商が一定であるように、例えば1以上または2以上または3以上または1未満であるように設計されてもよく、あるいは、モータの支持力から得られる商が可変であるように、例えば支持力が押す力または(特に水平の)押す力成分にほぼ直線的に増減するように設計されてもよい。この支持力は、例えば、押す力とともに多項式的または指数関数的または対数的に増加するようにしてもよい。
【0032】
さらに、制御装置は、押す力の経時変化または(特に水平の)押す力成分の経時変化および少なくとも1つのモータの支持力の経時変化から得られる商が一定であるように、例えば1以上または2以上または3以上または1未満であるように設計されてもよく、あるいは、モータの支持力の経時変化から得られる商が可変であるように、例えば、支持力の経時変化が押す力または押す力成分の経時変化にほぼ比例して増減するように設計されてもよい。例えば、支持力の経時変化は、押す力の経時変化または押す力成分の経時変化とともに多項式的または指数関数的または対数的に増加するようにしてもよい。
【0033】
支持力(または支持力の経時変化)は、特に好ましくは、押す力または押す力成分とともに(または押す力の経時変化または押す力成分の経時変化とともに)比例して(まさに)大きく増加する。
【0034】
上記(および以下の明細書本文)で説明した閾値および限界(リミット)は、予め決定された固定値を有するか、または、例えば自己学習アルゴリズムによって経時的に変更されるようにしてもよい。
【0035】
制御装置は、好ましくは、ブレーキ、特に減速ブレーキ(常用ブレーキ)または駐車ブレーキが作動するときに、少なくとも1つのモータの駆動力が抑制されるかまたは停止されるように設計される。
【0036】
プッシャーバーおよび/またはプッシャーバーの部分(特に少なくとも部分的にセンサ装置を含むプッシャーバーのセクション)は、特に好ましくは復元力に抗して、係合解除動作(アクション)を実行する必要なしに、好ましくは移動(ムーブメント)の範囲にわたって自由に移動可能(ムーバブル)であることが好ましい。
【0037】
この意味での移動(ムーブメント)という用語は、ベビーカーフレームを操作者の身長に合わせるためのプッシャーバーの(純粋に)高さ調節のための移動をとくに意味するのと理解されるべきではなく、特に力の測定に特に使用される可能性のある(および/または)モータサポートが有効であるというユーザーへのフィードバックとして機能する(自由な)移動をとくに意味するものと理解されるべきである。この範囲では、一方では(ユーザーがそのように認識できる)モータの効果的なサポートと、プッシャーバー(またはプッシュセクション)の移動によって、「二重フィードバック」が存在する可能性がある。このようにして、特に力の測定が実行され、同時に、同じ移動動作によって二重フィードバック機能が保証される。これをピエゾセンサ(比較的コンパクトなセンサ装置)と比較してみると、この場合、比較的良いフィードバックがユーザーに与えられ、ユーザーにとってベビーカーの操作が容易になる(また、ユーザーは、特定の状況下では比較的小さいモータサポートのみを検出することに依存する必要がない)。
【0038】
プッシャーバー(またはプッシャーセクション)の(自由な)移動は、例えば、少なくとも2mm、または少なくとも10mm、または少なくとも20mmとすることができる。例えば、力センサ装置を単純なピエゾセンサと比較してみると、本発明のほうがより正確な情報を提供できるため、改善が明確に達成される。ちなみに、ピエゾセンサは(1mm未満の)比較的小さい相対的な移動しか検出することができない。
【0039】
したがって、並進移動の場合、これは特に移動経路を指し示し、回転移動または旋回の場合、これは、すべてのポイントの最も大きい距離を移動する旋回セクション上のポイントの移動経路を指し示している。一変形形態では、プッシャーバーまたはプッシャーバーの上部セクション(例えば、ハンドル)は、締結領域まわりに旋回可能であってもよい。代替的に(または追加的に)、プッシャーバーの(上部)セクションは、下部セクションに対して並進的に変位可能であってもよい。さらに、プッシャーバー全体が(並進的に)変位可能であってもよい。
【0040】
少なくとも1つのセンサ装置は、力(または力成分)の進行および/またはそこから導出される値の(時間的な)進行を検出するように設計されてもよい。このようにして、制御をさらに改善することができる。例えば、その後、力(または力成分)の閾値および/またはそれらの経時変化および時間の閾値を規定することを可能にするようにしてもよく、前記時間の閾値は、(入射)力(または力成分)および/またはその経時変化の持続時間であり、力(または力成分)の閾値(閾値)および/または、またはそれらの経時変化を超えている(または下回っている)。
【0041】
経時変化は、(数学的な意味で)力(または力成分)の時間的な導出物を意味するものと一般に理解することができる。しかし、経時変化は、ΔF/Δt(例えば、100ミリ秒から1秒までの範囲のターミナル非極小Δtインスタンス)であると理解することもできる。
【0042】
少なくとも1つの制御装置は、好ましくは閉ループ制御装置、特に少なくとも1つのモータの出力の連続的調整(オプションで線形調整)のための閉ループ制御装置、好ましくはPID閉ループ制御装置( PIDは比例積分微分を指す)である。
【0043】
好ましくは、少なくとも1つのブレーキ装置、とくに減速ブレーキ装置および/または駐車ブレーキ装置が設けられている。減速ブレーキ装置は、好ましくは、制動のために(子供を伴う)ベビーカーフレームまたはベビーカーの運動エネルギを利用する(特にそれを電気エネルギに変換する)ように設計されている。代替的または追加的に、制御装置は、(前の移動に続いて)ベビーカーフレームが(完全に)停止した後に、所定時間後、好ましくは3秒から5分まで(好ましくは10秒から30秒まで)の間の時間が経過した後に、駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように、提供および設計されてもよい。代替的または追加的に、制御装置は、前の走行に引き続いて停止または比較的低速に達した後に、駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように、提供および設計されてもよい。
【0044】
制動装置は、好ましくは、(ブレーキが完全に停止しているときに)駐車位置を維持するための減速ブレーキ(常用ブレーキ)および駐車ブレーキの両方が存在するように、2段階で特に構成することができる。減速ブレーキは、ベビーカーが摩擦によって(1つまたは複数の車輪で)制動されるように(運動エネルギが熱に変換されるように)構成することができる。但し、好ましくは少なくとも1つのモータをジェネレータとして使用して、ベビーカーを減速させることができる(運動エネルギは電気エネルギに変換され、1つ以上のバッテリーを充電することができる)。減速ブレーキのために、任意の作動装置、例えば(プッシャーバーまたはハンドル上の)手動操作レバーまたは指操作レバー、または他の装置(例えば、回転可能なハンドルまたはフットペダルなど)を提供することができる。オプションとして、グラフィカルユーザーインターフェイス(例えば、ディスプレイ、特にタッチスクリーン)をベビーカーに接続し、および/または外部デバイス(例えば、対応するアプリを備えたスマートフォン)への接続を可能にするレシーバーを含めることも可能である。作動装置(または受信機)は、減速ブレーキを作動させるために、すなわちユーザーが望むブレーキ力(ゼロまたはゼロより大きくてもよく、特にゼロよりも大きい2つ以上または5つ以上の値を想定してもよい)を適用するために、(適切な手段により)減速ブレーキに接続されるようにしてもよい。減速ブレーキは、作動装置が作動している限りずっと作動し続けるか、またはベビーカーが完全に停止し、かつオプションで駐車ブレーキが有効になるまで作動し続ける。
【0045】
駐車ブレーキは、1つまたは複数の車輪が回転するのを阻止する戻り止め機構として設計することができる。例えば、駐車ブレーキは、車輪の側面に設けられたストレージ装置またはロック装置(例えば溝)と協働するピンを有することができる。
【0046】
駐車ブレーキは、オプションとして、特に減速ブレーキによって、ベビーカーフレームとベビーカーが停止した直後または所定の時間後に(自動的に)作動させることができる。
【0047】
少なくとも1つの駐車ブレーキ装置は、電気的または電子的に(のみ)作動可能であることが好ましく、あるいは手動で(のみ)解放可能であることが好ましい。
【0048】
駐車ブレーキ装置は、解除状態では予荷重を負荷されてもよく、作動状態では予荷重がないか、またはより少ない程度の予荷重(のみ)を負荷するようにしてもよい。これらの手段によって移動中の安全性が向上する。
【0049】
駐車ブレーキの作動は、様々な方法で、例えばスイッチを介して、例えばスライド式スイッチまたは圧力スイッチ、またはフットペダル等を介して行うことができる。
【0050】
とくに、駐車ブレーキが作動状態で予荷重が負荷されている場合、駐車ブレーキの解除は手動で(のみ)可能であるが、任意にブレーキの作動は任意に電子的または電気的に(のみ)可能になる。
【0051】
ベビーカーを操作する人が、例えば手およびハンドルを介して接触を解除するときに作動するように、センサ装置、特に力センサ装置を提供し、制御装置、少なくとも1つのブレーキ装置、特に減速ブレーキ装置および/または駐車ブレーキ装置を設計することができる。減速ブレーキは、ベビーカーを操作している人がベビーカーと(もはや)接触していないが、ベビーカーがまだ動いていると判断された場合に、好ましくは、増加した(最大の)力で作動し、および/または駐車ブレーキ(緊急ブレーキ)も作動させるのが望ましい。
【0052】
一変形実施形態では、制御装置は、力センサ装置がベビーカーフレームの現在の移動方向に対して(少なくとも部分的に)向けられた力を検出するときにブレーキ装置が作動するように設計される。代替的に、そのような場合、上述したようなモータサポートがもたらされてもよい。好ましくは、モータは、制動移動の場合に発電機として使用される。
【0053】
いくつかの変形実施形態では、所定の最低速度に達したときに、ベビーカーフレームの運動エネルギを電気エネルギに変換するためにブレーキ装置を作動させることができる。これに関連して、ベビーカーフレームは、(これにより)所定の速度に常に維持されることが好ましい。とくに、この変形実施形態の設計によりモータにアイドリング機能がない場合には、高速で高電圧が発生し、電子機器を損傷する可能性がある。さらに、そのようなメカニズムは、特定の速度を超える意図しない加速を防ぐことができるので、安全性が改善される。
【0054】
少なくとも1つのディスプレイおよび/または信号装置を設けて、ベビーカーフレームのユーザーに、モータサポートが有効であるか、または有効であるという事実を報せることができる。オプションで、第1のディスプレイおよび/または信号装置は、モータサポートが現在有効であることを表示し、第2のディスプレイおよび/または信号装置は、さらなるパラメーター(たとえば、最高速度など)に依存してモータサポートが有効であるという意味で、モータサポートが有効(パラメーターが要件を満たしている場合)またはそうでないことを表示するようにしてもよい。
【0055】
ベビーカーまたはベビーカーフレームの制御装置は、好ましくは、少なくとも1つの車輪、好ましくは後輪の回転に応じてモータを制御し、任意に調整できるように構成される。特に、(プッシャーバーに作用する力に加えて)ベビーカーまたはベビーカーフレームのモータ/モータ(サポートドライブ)の制御、特にレギュレーションは、いずれかの(リア)ホイール(または少なくとも1つ(リア)ホイール)が回転することに依存していてもよい。また、後輪が回転していない場合、力が掛かったとき(または力の閾値を超えたとき)には、サポートが有効でないことが望ましい。
【0056】
センサ装置によって検出されたアナログ信号をデジタル化するように構成され、好ましくはセンサ装置の上流に接続されるA/Dコンバータが提供されることが好ましい。この場合、(プッシャーバーに配置された)センサ装置はアナログ信号を検出することができる。これは、検出(A/Dコンバーター)後に(オプションで直接、さらに中間処理を行わずに)デジタル化し、好ましくは、その後にのみ、モータまたはモータを制御/調整するための制御装置に転送することができる。これに関連して、センサ装置によって比較的小さな電圧差のみが生成される可能性があり、デジタル信号は周囲の影響(例えば、センサ装置とモータと間の不確定な接触抵抗)からの干渉を受けにくいという事実を有利に考慮することができる。この場合、マイクロコントローラは、プッシャーバー内のセンサと一緒に(特に、空間的に近接して)配置され、A/D変換を実行し、それによって、好ましくはデジタル信号が、特にチェックディジット(またはチェックディジットブロック)が、オプションで制御情報とともに、1つまたはそれ以上の実際のコントローラ(モータ(オプションで複数のモータ)の制御デバイス(例えば、車軸))に送信される。そこでは、チェック、特にチェックサムが作成され、信号がさらに処理され、モータの作動について評価される。このようにして、不正なデータパケットは除外され、(例えば、送信エラーが発生した場合などでは)制御に使用されない場合がある。
【0057】
いくつかの変形例では、ベビーカーまたはベビーカーフレームの制御装置は、押す力が存在しない場合、または押す力が対応する力の閾値を下回った場合、および/またはベビーカーとベビーカーフレームが(完全な)停止状態にあるか、特定の速度を下回った場合、ロッキング機能がオンになるように構成されてもよい。
【0058】
(ドライブ)サポートが提供されていない場合、1つまたは複数のモータがアイドリングモードであるという変形例に応じて提供される。
【0059】
全体として、本発明のベビーカーおよび/またはベビーカーフレームは、ベビーカーを押す(または引く)ときに便利な支持を可能にすることができる。特に、(状況に関係なく)ユーザーが(最大で)適用しなければならない力を(実質的に)規定する値Ff1および/またはFr1を設定することができる。停止しているベビーカーから始める場合、ユーザーは押す(または引く)ことを開始する。直ちに、押す力または引く力の水平成分がゼロより大きくなる。規定値Ff1に到達した時点で、(最小電力で)モータはユーザーをサポートし始める。例えば、押したり引いたりする力の水平成分がさらに増加すると(すなわち、ΔFinh/Δt> 0)、支持力も増加する(すなわち、ΔFs/Δt> 0)。このようにして、力の水平成分は(少なくともオーバーシュートが無視される場合)規定値Ff1に対して(実質的に)一定に保たれる。勿論、モータサポートを停止する条件が存在する場合、より大きな力が必要になる場合がある。
【0060】
力の閾値Fuは、0~25Nの範囲、好ましくは5N~15Nの範囲とすることができる。力の閾値Fdは、10N~50Nの範囲、好ましくは20N~40Nの範囲とすることができる。規定値Ff1は、0~25Nの範囲、好ましくは5N~15Nの範囲とすることができる。規定値Fr1は、0~25Nの範囲、好ましくは5N~15Nの範囲とすることができる。作用力の閾値Ff2および/またはFr2は、25N~500Nの範囲、好ましくは50N~200Nの範囲とすることができる。
【0061】
閾値Ff1, Fr1, Ff2および/またはFr2は、例えばグラフィカル・ユーザー・インターフェースのようなインターフェースを介して、および/またはスマートフォン(およびスマートフォンのアプリ)を介して、ユーザーによって指定されるようにしてもよい。安全性の問題を回避するため、および/またはバッテリーの寿命を延ばすために、(メーカーによって異なる)最小値と最大値を指定することができるようにしてもよい。
【0062】
さらなる変形例は、従属クレームに記載されている。
【0063】
以下の明細書本文では、例示的な実施形態を使用して本発明を説明し、図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】
図1は、本発明に係るベビーカーフレームを示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のベビーカーフレームを側方から見て示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の記述説明では、同一の部品と同等の効果を有する部品には同じ参照符号を用いる。
【0066】
図1に本発明に係るベビーカーフレームを概略斜視図で示す。矢印Fdは、ハンドル13(プッシャーバー10の水平部分)に作用する下向きの力を示す。矢印Fuは、ハンドル13に作用する上向きの力を示す。矢印F1atは、横方向の力を示す。ハンドル13は、プッシャーバー10の下部に対して回転可能に支持されている。
【0067】
本発明では、ハンドル13の高さ調節を行うために、ハンドル13を様々な位置に回転(およびロック)することができるようになっている。
【0068】
(対応する関節を備えた)回転軸受12が、回転可能なハンドル13とプッシャーバー10の下部との間に設けられている。
【0069】
プッシャーバー10(の全体)は、(とくにベビーカーフレームを折り畳むことができるようにするために)ベビーカーフレームの本体上の回転軸受11に回転式に支持されていることが好ましい。
【0070】
ハンドル13に作用するユーザーからの力(特にFuおよびFd)を検出するために、好ましくは1つまたは複数のセンサ装置が回転軸受11および/または回転軸受12に設けられている。加えて、前方に向けられた力Ffおよび後方に向けられた力Fr(
図2を参照)は、好ましくはそのような種類のセンサ装置またはそのような種類のセンサ装置で検出されることができるようになっている。モータ(詳しくは図示されていない)は、ホイールハブ21に配置されることが好ましい。代替的に、車軸22に(とくにホイールハブ21に隣接する車軸の部分に)モータを配置するようにしてもよい。
【0071】
この時点で、上記のすべての部分は、それ自体の利点および任意の組み合わせ、特に図面に示されている詳細の両方で、本発明に本質的なものであるとして請求されることに留意すべきである。それに対する変更修正は当業者に一般的に知られている。
【符号の説明】
【0072】
10…プッシャーバー、11…回転軸受、12…回転軸受、13…ハンドル(プッシャーバーの水平部分)、21…ホイールハブ、22…車軸
【手続補正書】
【提出日】2023-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベビーカーフレームの補助運転用の少なくとも1つのモータと、
ベビーカーのフレームを押すためのプッシャーバー(10)と、
以下の(i)~(iv)のうちの1つまたは複数を検出するための少なくとも1つの力センサ装置と、
(i) 前記プッシャーバー(10)に作用する力の方向、
(ii) 前記プッシャーバー(10)に作用する力の量、
(iii) 前記プッシャーバー(10)に作用する力成分、
(iv) 前記力または前記力成分のいずれかから導出された値、
前記少なくとも1つの力センサ装置と操作可能に接続された少なくとも1つの制御装置と、
を具備し、
ディスプレイおよび/または信号装置、および駐車ブレーキ装置のうちのいずれか一方または両方をさらに有し、
前記制御装置、前記ディスプレイおよび/または信号装置、および前記駐車ブレーキ装置は、以下の(a)~(c)のうちの1つまたは複数を満たすように構成されている、
(a)モータサポートが存在するか又は存在する可能性があるという事実をベビーカーフレームの使用者に対して警報を発する前記少なくとも1つのディスプレイおよび/または信号装置が設けられている、
(b)前記制御装置は、ベビーカーフレームの完全停止後3秒から5分の間に前記駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように構成されている、
(c)前記制御装置は、以前の走行に引き続いて停止または比較的低速に達した後に、前記駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように構成されている、
ことを特徴とするベビーカーフレーム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの制御装置は、前記少なくとも1つの力センサ装置からの出力が前記少なくとも1つのモータを制御するために使用できるように、前記少なくとも1つの力センサ装置と操作可能に接続されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項3】
(i-2) 前記少なくとも1つの力センサ装置のうちの1つまたは複数が前記プッシャーバー(10)上に配置される、
(ii-2) 前記少なくとも1つの力センサ装置のうちの1つまたは複数が前記プッシャーバー(10)内に配置される、
(iii-2) 前記少なくとも1つの力センサ装置のうちの1つまたは複数がプッシャーバー締結領域に配置される、
(iv-2) 前記少なくとも1つの力センサ装置のうちの1つまたは複数がプッシャーバー締結領域の近くに配置される、
前記少なくとも1つの力センサ装置は、前記(i-2),(ii-2),(iii-2),(iv-2)のうちの1つまたは複数を満たすように配置されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの力センサ装置は、少なくとも2つの異なる位置で前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかを検出するように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項5】
前記力センサ装置(16)は、少なくとも2つのセンサを含む、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項6】
(i-3) 前記少なくとも1つの制御装置は、前記少なくとも1つのモータの電力を制御するように構成され、および
(ii-3) 前記少なくとも1つの制御装置は、前記少なくとも1つのモータの電力を調整するように構成され、
前記少なくとも1つの制御装置は、前記(i-3)および(ii-3)のうちの一方または両方を実行するように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御装置は、第1の閾値および第2の閾値のうちの一方または両方を有し、
(a-2)前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが前記第1の閾値を超えたときに、前記少なくとも1つのモータが起動される、
(b-2)前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが前記第2の閾値を超えたときに、前記少なくとも1つのモータが停止されるか、または一定の電力に維持される、
前記少なくとも1つの制御装置は、前記(a-2)および前記(b-2)のうちの一方または両方を実行するように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項8】
前記制御装置は、下向きの力の閾値Fd、上向きの力の閾値Fu、前方作用力の閾値Ff1、後方作用力の閾値Fr1、前方向作用力の閾値Ff2、および逆作用力の閾値Fr2のうちの1つまたはいくつかを有し、
(a-3) 前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが前記閾値Fd、前記閾前記値Fu、前記閾値Ff2、前記閾値Ff2、および前記閾値Fr2のうちの1つまたはいくつかを超えたときに前記少なくとも1つのモータが停止されるか又は一定の電力に維持され、および、前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが前記閾値Ff1および前記閾値Fr1のうちの一方または両方を超えたときに前記少なくとも1つのモータが起動される、
(b-3)前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが前記閾値Fd、前記閾値Fu、前記閾値Ff2、前記閾値Ff2および前記閾値Fr2のうちの1つまたはいくつかを超えたときに、前記少なくとも1つのモータが停止されるか又は一定の電力に維持され、および、前記閾値Ff2、前記閾値Fr2、前記閾値Fuおよび前記閾値Fdのうちの少なくとも1つを以前に超えた後に、前記(i)~(iv)のうちの1つまたはいくつかが下回ったときに前記少なくとも1つのモータが再起動される、
前記少なくとも1つの制御装置は、前記(a-3)および(b-3)のうちの一方または両方を実行するように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項9】
少なくとも1つの速度センサおよび/または少なくとも1つの曲がり軌道センサの一方または両方が設けられている、請求項1または5のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項10】
(i-4) 押す力または引く力または押す力成分または引く力成分のうちのいずれかと前記少なくとも1つのモータのモータサポート力とから導かれる商が一定であるか又は可変であり、および、前記モータサポート力は、前記押す力または前記引く力のいずれかにほぼ比例して増加するか、または前記押す力成分にほぼ比例して増加する、
(ii-4) 前記押す力または前記引く力のいずれかの経時変化と前記少なくとも1つのモータの前記モータサポート力の経時変化とから導かれる商が一定であるか又は可変であるか、あるいは前記押す力成分または前記引く力成分のいずれかの経時変化と前記少なくとも1つのモータの前記モータサポート力の経時変化とから導かれる商が一定であるか又は可変であり、および、前記モータサポート力の経時変化は、前記押す力または前記引く力のいずれかの経時変化にほぼ比例して増加するか、あるいは前記押す力成分または前記引く力成分のいずれかの経時変化にほぼ比例して増加する、
前記少なくとも1つの制御装置は、前記(i-4)および(ii-4)のうちの一方または両方を実行するように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項11】
前記制御装置は、減速ブレーキ装置および前記駐車ブレーキ装置の一方または両方が操作されるときに、少なくとも1つのモータの駆動力が抑制されるかまたは停止されるように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項12】
前記プッシャーバー(10)および/または前記プッシャーバー(10)の一部の一方または両方が移動可能である、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの力センサ装置は、以下の(i-5)~(iii-5)のうちの1つまたはいくつかの進行を検出するように構成されている、
(i-5) 前記力、
(ii-5) 前記力成分、
(iii-5) 前記力または前記力成分から導出された値、
請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの制御装置は閉ループ制御装置である、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項15】
(i-6)前記減速ブレーキ装置は、ベビーカーフレームまたはベビーカーの運動エネルギを制動に使用し、それを電気エネルギに変換するように構成されている、
(ii-6)所定の最低速度に達すると、前記減速ブレーキ装置が作動してベビーカーフレームの運動エネルギを電気エネルギに変換し、これによりベビーカーフレームを一定速度に維持する、
前記減速ブレーキ装置は、前記(i-6)および前記(ii-6)の一方または両方を実行するように構成されている、請求項11に記載のベビーカーフレーム。
【請求項16】
(i-7) 前記駐車ブレーキ装置は、電気的/電子的に作動させることができ、かつ手動で解除することができる、
(ii-7) 前記駐車ブレーキ装置は、電気的/電子的に作動させることができ、かつ解除状態では予荷重が負荷され、作動状態では予荷重が負荷されないか又は予荷重の負荷がより少ない状態にある、
前記駐車ブレーキ装置は、前記(i-7)および前記(ii-7)のいずれか一方または両方が作動されるように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項17】
前記制御装置は、ベビーカーを操作する人が接触を解除するときに、前記減速ブレーキ装置および/または前記駐車ブレーキ装置の一方または両方が作動するように構成されている、請求項1または11のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項18】
前記制御装置は、前記力センサ装置がベビーカーフレームの現在の移動方向に対して少なくとも部分的に向けられた力を検出したときに、前記減速ブレーキ装置および前記駐車ブレーキのうちの一方または両方が作動するように構成されている、請求項1または11のいずれか1項に記載のベビーカーフレーム。
【請求項19】
前記制御装置は、少なくとも1つの車輪の回転に応じてモータを制御できるように構成されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項20】
前記センサ装置によって検出されたアナログ信号をデジタル化するように構成されたA/Dコンバータ装置が設けられている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項21】
ベビーカーフレームを駆動するために複数のモータが設けられており、それぞれ1つのモータが少なくとも2つまたは正確に2つの車輪に取り付けられており、
前記モータを個別に作動させるための制御装置、および/または押す力または引く力またはベビーカーフレームの移動のいずれかを検出するためのセンサ装置が配設されている、請求項1に記載のベビーカーフレーム。
【請求項22】
請求項1に記載のベビーカーフレームを有することを特徴とするベビーカー。
【請求項23】
請求項1に記載のベビーカーフレームまたは請求項22に記載のベビーカーを制御する方法であって、
前記少なくとも1つのセンサ装置によって以下の(i-8)~(iv-8)のうちの1つまたは複数を検出する、
(i-8) 前記プッシャーバー(10)に作用する力の方向、
(ii-8) 前記プッシャーバー(10)に作用する力の量、
(iii-8) 前記プッシャーバー(10)に作用する力成分、
(iv-8) 前記力または前記力成分のいずれかから導出された値、
ことを特徴とするベビーカーフレームの制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
この時点で、上記のすべての部分は、それ自体の利点および任意の組み合わせ、特に図面に示されている詳細の両方で、本発明に本質的なものであるとして請求されることに留意すべきである。それに対する変更修正は当業者に一般的に知られている。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]ベビーカーフレームの補助運転用の少なくとも1つのモータ、特に電動モータと、
ベビーカーフレームを押すためのプッシャーバー(10)と、
前記プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分の方向および/または量を検出し、および/またはこの力または力成分から導出された値、特に力または力成分の時間的変化を検出するための少なくとも1つの力センサ装置と、
を有することを特徴とするベビーカーフレーム。
[2]前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記プッシャーバー(10)、とくに前記プッシャーバーのハンドル(12)上および/または中に、および/またはプッシャーバー締結領域の中および/または近接して配置されることを特徴とする[1]に記載のベビーカーフレーム。
[3]前記少なくとも1つのセンサ装置からの出力が前記少なくとも1つのモータを制御するために使用できるように、前記少なくとも1つのセンサ装置と操作可能に接続された少なくとも1つの制御装置を有することを特徴とする[1]または[2]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[4]前記少なくとも1つのセンサ装置は、前記プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分、および/または少なくとも2つの異なる位置、とくに前記プッシャーバー(10)の第1および第2の側面、とくにハンドル(13)の第1および第2の側面、および/またはとくに両側面に配置された2つの異なるハンドルにおいて、そこから得られる値を検出するように構成されることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[5]前記センサ装置(16)は、少なくとも1つのトルクセンサおよび/または少なくとも2つのセンサを含むことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1、とくに[4]に記載のベビーカーフレーム。
[6]前記制御装置は、特に前記少なくとも1つのセンサ装置からの出力に応じて、例えば個別のステップおよび/または連続的に、前記少なくとも1つのモータの出力を制御および/または調整するように設計され、
および/または、力および/または力成分および/またはそこから導出される値の第1の閾値を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを起動させるように設計され、
および/または、力および/または力成分および/またはそこから導出される値の第2の閾値を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを停止させるかまたは一定電力に維持するように設計されている、ことを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか1、とくに[3]乃至[5]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[7]前記制御装置は、下向きの作用力の閾値Fdと上向きの作用力の閾値Fuとが任意に同じかまたは異なり、前記下向きの作用力の閾値Fdを超えるとき、および/または、前記上向きの作用力の閾値Fuを超えるときに、および/または、前向きの作用力の閾値Ff2と後向きの作用力の閾値Fr2とが任意に同じかまたは異なり、前記前向きの作用力の閾値Ff2を超えるとき、および/または、前記後向きの作用力の閾値Fr2を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを停止させるかまたは一定電力に維持するように設計され、
前記閾値Ff2および/または前記閾値Fr2が、好ましくは前記閾値Fuおよび/または前記閾値Fdよりも大きい場合、特に前記閾値Fuおよび/または前記閾値Fdよりも少なくとも2倍または5倍または20倍大きい場合、および/または、(以前に超えた後に)前記閾値Ff2,Fr2,Fuおよび/またはFdを下回る場合に、前記モータを(再び)起動させるように設計され、および/または、
前記制御装置は、前向きの作用力の閾値Ff1と後向きの作用力の閾値Fr1とが任意に同じかまたは異なり、前記前向きの作用力の閾値Ff1を超えるとき、および/または、前記後向きの作用力の閾値Fr1を超えるときに、前記少なくとも1つのモータを起動させるように設計され、
前記前向きの作用力の閾値Ff1は、好ましくは、量に関して前記前向きの作用力の閾値Ff2よりも小さい、および/または、量に関して前記後向きの作用力の閾値Fr2よりも小さい、ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか1、とくに[6]に記載のベビーカーフレーム。
[8]少なくとも1つの速度センサおよび/または少なくとも1つのコーナリングセンサが設けられていることを特徴とする請求項1[1]乃至[7]のいずれか1、とくに[3]に記載のベビーカーフレーム。
[9]前記制御装置は、押す力または引く力、または特に水平方向の押す力成分または引く力成分、および前記少なくとも1つのモータの支持力から得られる商が一定になるように、例えば1または1より大きいかまたは1より小さいように設計されるか、または可変であるように、例えば前記支持力が押す力または引く力または押す力成分にほぼ比例して増加するように設計され、および/または、
前記制御装置は、特に水平方向の押す力成分または引く力成分の経時変化からの前記押す力または引く力の経時変化、および前記少なくとも1つのモータの支持力の経時変化から得られる商が一定になるように、例えば1または1より大きいかまたは1より小さいように設計されるか、または可変であるように、例えば前記支持力の経時変化が、前記押す力成分または引く力成分の前記押す力または引く力の経時変化にほぼ比例して増加するように設計されている、ことを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか1、とくに[3]乃至[8]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[10]前記制御装置は、ブレーキ、特に減速ブレーキまたは駐車ブレーキが操作されると、前記少なくとも1つのモータの駆動力が抑制または停止されるように設計されていることを特徴とする[1]乃至[9]のいずれか1、とくに[3]乃至[9]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[11]前記プッシャーバー(10)および/または前記プッシャーバー(10)の部分、特に前記センサ装置を少なくとも部分的に含む前記プッシャーバー(10)の部分は、特に復元力に抗して、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも10mmの経路にわたって移動可能であることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[12]前記少なくとも1つのセンサ装置は、力および/または力成分の進行、および/または導出値の進行を検出するように設計されていることを特徴とする[1]乃至[11]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[13]前記少なくとも1つの制御装置は、閉ループ制御装置、特に連続的な閉ループ制御装置であり、任意に前記少なくとも1つのモータの電力の線形調整、好ましくはPID閉ループ制御装置であることを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[14]前記少なくとも1つのブレーキ装置は、特に減速ブレーキ装置および/または駐車ブレーキ装置が設けられ、
前記減速ブレーキ装置は、好ましくは、制動のためにベビーカーフレームまたはベビーカーの運動エネルギを利用するように、特にそれを電気エネルギに変換するように設計され、および/または、前記制御装置は、好ましくは、所定時間後、好ましくはベビーカーフレームの完全停止後3秒から5分の間に、前記駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように設計され、および/または、
前記制御装置は、好ましくは、前回の走行後に停止または比較的低速に達した後に駐車ブレーキ装置が自動的に作動するように設計され、および/または、
所定の最低速度に達したときに、前記ベビーカーフレームの運動エネルギを電気エネルギに変換するために、少なくとも1つの前記少なくとも1つのブレーキ装置が作動され、それによって好ましくは前記ベビーカーフレームが前記所定の速度に一定に保たれることを特徴とする[1]乃至[13]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[15]前記少なくとも1つの駐車ブレーキ装置は、電気的/電子的に作動させることができ、手動で解除することができ、かつ/または解除状態で予荷重を負荷することができ、作動状態では予荷重がないか、またはより少ない程度の予荷重を負荷することを特徴とする[1]乃至[14]のいずれか1、とくに[14]に記載のベビーカーフレーム。
[16]センサ装置、特に力センサ装置が設けられ、前記制御装置は、ベビーカーを操作する人が例えば前記ハンドル(13)を介する手での接触を離したときに、前記少なくとも1つのブレーキ装置、特に前記減速ブレーキ装置および/または前記駐車ブレーキ装置が作動するように設計されていることを特徴とする[1]乃至[15]のいずれか1、とくに[14]または[15]のいずれかに記載のベビーカーフレーム。
[17]前記制御装置は、前記力センサ装置が前記ベビーカーフレームの現在の移動方向に対して少なくとも部分的に向けられた力を検出したときに前記ブレーキ装置が作動するように設計されていることを特徴とする[1]乃至[16]のいずれか1、とくに[14]乃至[16]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[18]少なくとも1つのディスプレイおよび/または信号装置が提供され、それはモータサポートが存在するかまたは存在する可能性があるという事実をベビーカーフレームのユーザーに報せることを特徴とする[1]乃至[17]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[19]前記制御装置は、少なくとも1つの車輪の回転の関数として任意に調整されるモータを制御できるように構成されていることを特徴とする[1]乃至[18]のいずれか1、とくに[3]乃至[18]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[20]前記センサ装置によって検出されたアナログ信号をデジタル化するように構成され、好ましくは前記センサ装置の上流に接続されるA/Dコンバータ装置が提供されることを特徴とする[1]乃至[19]のいずれか1、とくに[3]乃至[18]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[21][1]乃至[20]20のいずれか1に記載のベビーカーフレームであって、
前記ベビーカーフレーム駆動用の複数のモータ、特に電動モータが設けられ、
前記複数のモータの各々1つのモータが、少なくとも2つまたは正確に2つの車輪、例えば1つの左車輪と1つの右車輪に取り付けられ、
好ましくは、押す力または引く力および/またはベビーカーフレームの移動を検出するために、前記モータの個々の作動のための制御装置および/またはセンサ装置を備えることを特徴とする[1]乃至[20]のいずれか1に記載のベビーカーフレーム。
[22][1]乃至[21]のいずれか1に記載のベビーカーフレームを有するベビーカー、例えば子供用のベビーカー、バギーまたは同様の車両であることを特徴とするベビーカー。
[23][1]乃至[21]のいずれか1に記載のベビーカーフレームまたは[22]に記載のベビーカーを制御する方法であって、
プッシャーバー(10)に作用する力および/または力成分の方向および/または量、および/またはこの力または力成分から導出された値、とくに力または力成分の経時変化を検出することを特徴とするベビーカーフレームまたはベビーカーの制御方法。
【外国語明細書】