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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123650
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】商品データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20230829BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20230829BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20230829BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
G07G1/06 B
B41J29/13 103
B41J29/42 E
B41J29/38 302
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102417
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2022000599の分割
【原出願日】2018-02-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】菊池 淳
(72)【発明者】
【氏名】須崎 晃子
(72)【発明者】
【氏名】吉富 潤
(72)【発明者】
【氏名】橋本 舜
(57)【要約】
【課題】レシートロールの交換やジャム処理作業の終了後にレシートを速やかに発行することができる商品データ処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】商品データ処理装置は、プリンタユニットと、プリンタユニットを引き出し可能に収容した筐体と、プリンタユニットのカバーの開閉状態を検出する開閉センサと、制御部と、を有する。制御部は、プリンタユニットを筐体から引き出した状態で開閉センサを介してカバーが閉じたことを検出した時点で、プリンタユニットによるレシートの発行が可能な場合に、プリンタユニットによるレシートの発行を許可する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタユニットと、
前記プリンタユニットを引き出し可能に収容した筐体と、
前記プリンタユニットのカバーの開閉状態を検出する開閉センサと、
前記プリンタユニットを前記筐体から引き出した状態で前記開閉センサを介して前記カバーが閉じたことを検出した時点で、前記プリンタユニットによるレシートの発行が可能な場合に、前記プリンタユニットによるレシートの発行を許可する制御部と、
を有する商品データ処理装置。
【請求項2】
前記制御部がレシートの発行を許可したことをオペレータに知らせる報知手段をさらに有する、
請求項1の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記プリンタユニットに設けられている、
請求項2の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記プリンタユニットの上部に設けられ、レシートロールに印字する印字ヘッドを備えている、
請求項1の商品データ処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記開閉センサを介して前記カバーが閉じたことを検出た時点で、前記プリンタユニットによるレシートの発行が可能な場合に、前記プリンタユニットによるレシートの発行を1度だけ許可し、その後、レシートの発行を禁止する、
請求項1の商品データ処理装置。
【請求項6】
プリンタユニットと、
前記プリンタユニットを引き出し可能に収容した筐体と、
前記プリンタユニットの前記筐体への収容状態を検出する収容センサと、
前記プリンタユニットのカバーの開閉状態を検出する開閉センサと、
前記プリンタユニットの異常を検出する異常センサと、
前記異常センサにより前記異常が検出されたことに応じて前記プリンタユニットによる印字を禁止し、前記収容センサにより前記プリンタユニットが前記筐体に収容されていないことが検出され、かつ前記開閉センサにより前記カバーが開いていることが検出された後、前記開閉センサにより前記カバーが閉じていることが検出され、かつ前記異常センサにより前記異常が検出されていない場合に、前記プリンタユニットによる印字を許可する制御部と、
を有する商品データ処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、印字を許可した後、1枚の印刷物の発行のための印字を前記プリンタユニットにより行ってから前記収容センサにより前記プリンタユニットが前記筐体に収容されていることが検出されるまで、前記プリンタユニットによる印字を禁止する、
請求項6の商品データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、レシートを発行するプリンタを備えた商品データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品のコード情報を読み取るスキャナ及びレシートを発行するプリンタを一体に備えたPOS(point of sales)端末が知られている。商品のコード情報をスキャナにかざすため、スキャナの手前側には、商品を取り扱うための比較的大きな作業スペースが必要となる。よって、このPOS端末では、プリンタの上方にスキャナを重ねて配置し、プリンタの前方のスペースを作業スペースとして利用している。
【0003】
一方、プリンタのレシートロールが無くなった場合、或いはプリンタでジャムが発生した場合、プリンタをPOS端末の筐体から前方の作業スペースまで引き出して、レシートロールを交換したり、ジャム処理を行なったりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-38649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レシートロールの交換やジャム処理作業は、商品を購入する客を待たせた状態で行うことが多く、できるだけ短時間で作業を終了して、レシートを速やかに客に渡すことが望ましい。
【0006】
しかし、上述した従来のPOS端末のようにプリンタを作業スペースへ引き出して作業する場合、作業終了後にプリンタを筐体内の元の位置に戻してからレシートを発行可能な状態になるため、レシート発行までの時間がその分長くなる。また、プリンタを元の位置に戻した時点でジャムが解消していない場合などには、再びプリンタを引き出してジャム処理作業をする必要があり、作業が煩雑で多くの時間を要することになる。
【0007】
よって、レシートロールの交換やジャム処理作業の終了後にレシートを速やかに発行することができる商品データ処理装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る商品データ処理装置は、プリンタユニットと、プリンタユニットを引き出し可能に収容した筐体と、プリンタユニットのカバーの開閉状態を検出する開閉センサと、制御部と、を有する。制御部は、プリンタユニットを筐体から引き出した状態で開閉センサを介してカバーが閉じたことを検出した時点で、プリンタユニットによるレシートの発行が可能な場合に、プリンタユニットによるレシートの発行を許可する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る商品データ処理装置を示す外観斜視図である。
図2図2は、図1の商品データ処理装置の筐体からプリンタユニットを引き出した状態を示す側面図である。
図3図3は、図2のプリンタユニットのカバーを開いた状態を示す側面図である。
図4図4は、図1の商品データ処理装置のプリンタユニットの制御系を示すブロック図である。
図5図5は、図1の商品データ処理装置のプリンタユニットの第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、図5とともに第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、図1の商品データ処理装置のプリンタユニットの第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
図8図8は、図7とともに第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、実施形態に係る商品データ処理装置100(以下、単に装置100と称する)は、商品を販売する店の店員が対向する前面11を有する筐体10を有する。筐体10の背面側には、背面カバー20が着脱可能に取り付けられている。背面カバー20は、商品を購入する客が通る通路に対向する傾斜した背面21を有する。背面21は、客に対する各種情報を表示する表示面として機能する。
【0011】
筐体10の前面11側には、読み取り対象となる商品を店員が取り扱うための比較的広い作業スペースSを確保する必要がある。筐体10の前面11は、作業スペースSをできるだけ広くするため、鉛直方向に沿った平らな(突起物の無い)平面に形成されている。筐体10の前面11を平らな垂直面にすると、スキャナユニット30の読取窓32に商品のバーコードをかざす際に、商品が突起物にぶつかることがなく、作業性を向上させることができる。
【0012】
作業スペースSと筐体10の間には、商品を入れたカゴが装置100の筐体10に衝突することを防止するための保護ガイド110が取り付けられている。保護ガイド110は、カゴを置く台120の上面121から上方に突出して設けられている。保護ガイド110の形状は図示のものに限らずいかなる形状のものであってもよい。また、保護ガイド110は必須の構成ではない。
【0013】
筐体10内には、スキャナユニット30およびプリンタユニット40が上下に並べて設けられている。本実施形態では、プリンタユニット40をスキャナユニット30の下に並べて筐体10内に収容配置した。このため、装置100の筐体10は、比較的縦長の構造を有する。
【0014】
スキャナユニット30は、筐体10の前面11と面一に配置可能な前面31を有する。スキャナユニット30の前面31には、商品のバーコードを読み取るための読取窓32が設けられている。スキャナユニット30は、読取窓32を筐体10の前面11と略平行になる姿勢に配置可能であるとともに、筐体10の前面11に対して読取窓32を下方に傾斜した姿勢に配置可能である。つまり、スキャナユニット30は、読取窓32を任意の角度に傾斜させる図示しないチルト機構を備えている。
【0015】
プリンタユニット40は、筐体10の下方に設けた収容部12に対して挿抜可能に設けられている。つまり、スキャナユニット30の下方に、プリンタユニット40を挿抜可能に収容するための矩形箱状の収容部12が設けられている。収容部12の前面側は、筐体10の前面11に開放している。収容部12の底には、図2および図3に示すように、プリンタユニット40の底面を支える2本のレール43、43(一方のみ図示)が設けられている。
【0016】
2本のレール43、43は、図2および図3に示すように、筐体10の前方の作業スペースSに向けて収容部12から引き出し可能に設けられている。2本のレールは、筐体10から引き出した図示の状態で、プリンタユニット40を筐体10の前面11より手前側(作業スペースS側)に引き出した位置で支持する。また、2本のレール43、43は、プリンタユニット40を収容部12に押し込む際に、プリンタユニット40の底面を支えながら縮んでプリンタユニット40とともに収容部12内に収納される。
【0017】
プリンタユニット40内には、図示しないレシートロールが収容配置されている。レシートロールは、例えば、幅が数十ミリメートル程度で長さが数十メートルの細長いレシート用紙をロール状に巻いたものである。プリンタユニット40の前面41には、レシートロールから切り離したレシートを排出するための排出口42が設けられている。
【0018】
また、プリンタユニット40の上部には、レシートロールの交換及びジャム処理のため、プリンタユニット40の内部にアクセスするための開口部44が設けられている。開口部44には、開口部44を開閉するカバー46が設けられている。図3は、プリンタユニット40を筐体10の収容部12から引き出してカバー46を開いた状態を示す。
【0019】
プリンタユニット40を収容する収容部12は、筐体10の下端より上方に離間した位置に設けられている。これにより、プリンタユニット40にレシートロールを給紙する際に、プリンタユニット40を収容部12から前方に大きく引き出すことができる。つまり、筐体10の前面11側には、上述した保護ガイド110が設けられているため、保護ガイド110が台120の上面から上方に突出した高さより高い位置に収容部12を設け、収容部12から引き出したプリンタユニット40が保護ガイド110に干渉しないようにしている。
【0020】
レシートロールは、交換回数を少なくするため、比較的大径のものが使用される。このため、レシートの排出口42を前面41に有するプリンタユニット40は、レシートロールの径方向、すなわちプリンタユニット40の上下方向および前後方向に所定の大きさを有する。このため、本実施形態では、プリンタユニット40を筐体10の下方に配置し、プリンタユニット40の背面側を背面カバー20の内面に向けて突出させた。
【0021】
つまり、本実施形態では、スキャナユニット30より前後方向の寸法が大きいプリンタユニット40を筐体10の下方に配置した。そして、プリンタユニット40の上にスキャナユニット30を配置した。さらに、スキャナユニット30の前面31およびプリンタユニット40の前面41を筐体10の前面11と略面一に配置した。このため、筐体10の背面側を覆う背面カバー20を図示のように下方に向けて背面側に傾斜したくさび型にした。
【0022】
このように、比較的大きなプリンタユニット40を下方に配置し、比較的小さいスキャナユニット30を上方に配置することで、筐体10を安定して設置することができる。
【0023】
図1に示すように、装置100は、プロセッサを搭載した図示しない制御基板を内蔵した操作パネル50を有する。操作パネル50の制御基板は、装置100を制御する制御部として機能する。この他に、装置100は、オプションとして、操作パネル50の側面に取り付けたキーボード60、およびサブパネル70を備えている。
【0024】
操作パネル50は、前面側(店員側)に操作画面51を有し、筐体10の上端に回動可能に取り付けられている。つまり、操作パネル50は、操作画面51の向きを変更可能な状態で筐体10の上端に取り付けられている。操作パネル50は、スキャナユニット30のさらに上方に配置されている。操作パネル50は、画像を表示可能な操作画面51にタッチセンサを備え、操作画面51に表示されている各種ボタンに店員が指で触れることで各種の入力操作が可能となっている。
【0025】
キーボード60は、カードリーダ61を備えている。キーボード60は、乗算キー、小計キーなどを有する。カードリーダ61は、クレジットカードやポイントカードに記録されたデータを読み取る。図1では、磁気カードを読み取り可能なカードリーダを示してあるが、接触式ICカードや非接触式ICカードを読み取り可能なものであってもよい。
【0026】
サブパネル70は、アーム72を介して筐体10の側方に突出して取り付けられている。アーム72は、サブパネル70の操作面71を客に向けた図示の姿勢や操作面71を店員に向けた姿勢にサブパネル70を回動可能に支持している。サブパネル70は、客が操作する端末として使用可能であるとともに、店員が操作する補助端末としても使用可能である。
【0027】
図4は、上述したプリンタユニット40の要部回路構成を示すブロック図である。プリンタユニット40は、操作パネル50に接続され、操作パネル50からのプリント要求に応じてレシートを発行する。
【0028】
プリンタユニット40は、プロセッサ81、メインメモリ82、印字ヘッド83、LEDランプ84、レシートロールセンサ85、ジャムセンサ86、収容センサ87、開閉センサ88、インタフェースユニット89、及び伝送路90等を備える。プロセッサ81、メインメモリ82、印字ヘッド83、LEDランプ84、レシートロールセンサ85、ジャムセンサ86、収容センサ87、開閉センサ88、およびインタフェースユニット89は、伝送路90を介して接続される。
【0029】
プリンタユニット40においては、プロセッサ81及びメインメモリ82を伝送路90で接続することによって、プリンタユニット40を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。なお、プリンタユニット40は、伝送路90に接続された補助記憶ユニットをさらに備え、この補助記憶ユニットを補助記憶部分として含んで上記のコンピュータが構成されてもよい。当該補助記憶ユニットとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)が用いられる。補助記憶ユニットとしては、HDD(hard disc drive)又はSSD(solid state drive)などを適用することもできる。
【0030】
プロセッサ81は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ81は、オペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラムに従って、プリンタユニット40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0031】
メインメモリ82は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ82は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ82は、プロセッサ81が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ82は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ81によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0032】
印字ヘッド83は、プロセッサ81による指示の下に任意の画像や文字をレシートロールに対してプリントする。印字ヘッド83は、例えば、周知のサーマルヘッドである。印字ヘッド83は、プリンタユニット40の上部に設けたカバー46の内側に取り付けられている。つまり、印字ヘッド83は、プリンタユニット40とともに収容部12から引き出し可能となっている。このため、プリンタユニット40を収容部12から引き出した状態でもカバー46を閉じた状態であればレシート用紙への印字が可能である。
【0033】
LEDランプ84は、オペレータに対し、プリンタユニット40の状態を知らせるための報知手段として機能する。LEDランプ84は、プリンタユニット40の前面41に設けられている。LEDランプ84は、プリンタユニット40が印字可能な状態にある場合に緑色で点灯するように制御され、プリンタユニット40が印字禁止状態である場合に赤色で点灯するように制御される。
【0034】
レシートロールセンサ85は、プリンタユニット40内にレシートロールが正常に装着されていることを検出する。ジャムセンサ86は、プリンタユニット40においてレシート用紙のジャムが発生していることを検出する。レシートロールセンサ85及びジャムセンサ86は、プリンタユニット40の異常を検出する異常センサとして機能する。
【0035】
収容センサ87は、プリンタユニット40の筐体10への収容状態を検出する。つまり、収容センサ87は、プリンタユニット40が装置100の収容部12内に正常に装着されていることを検出する。具体的には、収容センサ87は、プリンタユニット40が収容部12に装着されていることを検出するとともに、プリンタユニット40が装置100の筐体10から引き出された図2、3の状態であることを検出する。
【0036】
開閉センサ88は、プリンタユニット40のカバー46の開閉状態を検出する。具体的には、開閉センサ88は、カバー46がプリンタユニット40の開口部44を塞ぐ閉位置に配置されていることを検出するとともに、カバー46が開口部44を全開にする図3に示す開位置に配置されていることを検出する。
【0037】
カバー46は、プリンタユニット40を図2に示す位置に引き出した状態で図3に示すように開くことができる。言い換えると、カバー46は、プリンタユニット40を装置100の筐体10の収容部12内に収容した状態では開くことができない。
【0038】
インタフェースユニット89には、操作パネル50が例えば通信ケーブルを介して接続される。インタフェースユニット89は、操作パネル50との間での各種データの送受信を行う。インタフェースユニット89としては、例えばUSB(universal serial bus)等の周知の規格に準拠した既製のデバイスを用いることができる。
【0039】
伝送路90は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続された各部の間で授受されるデータ及び制御信号を伝送する。
【0040】
以下、上述したプリンタユニット40の第1の動作例について、図5を参照して説明する。
【0041】
プリンタユニット40が、操作パネル50からの要求に応じてレシートを発行することが可能な動作状態に設定されると、プロセッサ81は、メインメモリ82に記憶されたファームウェア又はアプリケーションプログラムに従って以下に説明する情報処理を実行する。
【0042】
Act1として、プロセッサ81は、レシート用紙切れであるか否かを判断する。レシート用紙切れであるか否かは、レシート用紙を搬送する経路にレシート用紙を検出するセンサを設け、このセンサの出力により判断する。或いは、プリンタユニット40内に収容配置したレシートロールのレシート用紙の残量を確認し、予め設定したしきい値と比較することで、レシート用紙切れであるか否かを判断してもよい。この場合、レシート用紙の残量は、例えば、新たなレシートロールに交換した後、装置100によるレシート発行枚数をカウントし、予め設定したレシートの平均長さとレシート発行枚数を乗算することで算出することができる。プロセッサ81は、Act1でレシート用紙切れを判断した場合(Act1;YES)、Act3へと進む。
【0043】
Act1でレシート用紙切れではないことを判断した場合(Act1;NO)、プロセッサ81は、Act2として、ジャムセンサ86を介してジャムの有無を検出して、プリンタユニット40にてレシート用紙のジャムが発生しているか否かを判断する。プロセッサ81は、Act2でジャムが発生していることを判断した場合(Act2;YES)、Act3へと進む。一方、Act2でジャムが発生していないことを判断した場合(Act2;NO)、プロセッサ81は、Act1に戻る。
【0044】
Act3として、プロセッサ81は、まず、プリンタユニット40によるレシート用紙への印字を禁止する。次に、プロセッサ81は、Act4として、LEDランプ84を赤色で点灯させるとともに、操作画面51を介してエラー表示をするための信号を操作パネル50へ送信する。この際、エラー表示は、レシートロール切れやジャム発生をオペレータに報知する内容である。
【0045】
そして、プロセッサ81は、Act5として、レシートロールの交換或いはジャム処理のため、プリンタユニット40が筐体10の収容部12から引き出されたか否かを判断する。このとき、プロセッサ81は、収容センサ87を介して、プリンタユニット40が図2に図示した引き出し位置へ引き出された状態であるか否かを検出する。Act5でプリンタユニット40が引き出された状態であることを判断した場合(Act5;YES)、プロセッサ81は、Act6へ進む。
【0046】
Act6として、プロセッサ81は、開閉センサ88を介して、プリンタユニット40のカバー46が図3に示す状態に開かれたか否かを判断する。Act6でカバー46が開かれた状態であることを判断した後(Act6;YES)、Act7として、プロセッサ81は、開閉センサ88を介して、プリンタユニット40のカバー46が閉じられたか否かを判断する。Act7でカバー46が閉じられたことをプロセッサ81が判断するまで(Act7;NO)、すなわちカバー46が開かれている状態のとき、オペレータは、レシートロールの交換作業やジャム処理作業を実施する。
【0047】
Act7でカバー46が閉じられたことを判断すると(Act7;YES)、プロセッサ81は、Act8として、レシートロールセンサ85を介して、レシートロールがプリンタユニット40内の所定位置に正常に装着されているか否かを判断する。また、Act7でカバー46が閉じられたことを判断すると(Act7;YES)、プロセッサ81は、Act9として、ジャムセンサ86を介して、プリンタユニット40内でレシート用紙のジャムが無いことを確認する。
【0048】
そして、Act8でレシートロールが正常に装着されていることを判断し、且つAct9でジャムが無いことを判断した場合(Act8;YES、Act9;YES)、プロセッサ81は、Act10として、Act3で設定した印字禁止を解除してレシートロールへの印字を許可し、Act11へ進む。
【0049】
Act11として、プロセッサ81は、LEDランプ84を緑色で点灯させるとともに、操作画面51を介して表示していたエラー表示を終了するための信号を操作パネル50へ送信する。これにより、LEDランプ84が緑色で点灯する。
【0050】
この状態で、プリンタユニット40は、図2に示す位置に引き出されたままであるが、レシートロールへの印字が可能な状態となり、レシートの発行が可能な状態となる。つまり、第1の動作例によると、プリンタユニット40がレシートを発行可能な状態で且つカバー46が閉じられた状態であれば、プリンタユニット40を引き出したままレシートの発行が可能であり、客にレシートを速やかに発行することができる。
【0051】
また、第1の動作例によると、プリンタユニット40を引き出した状態でも、プリンタユニット40に異常が無い状態でカバー46が閉じられると、レシートの発行が可能であることを報知するLEDランプ84を緑色で点灯させる。このため、オペレータは、プリンタユニット40を収容部12へ収容する前にプリンタユニット40が正常に動作可能であることを判断することができ、レシートロールの交換作業やジャム処理作業の終了を速い段階で知ることができる。これにより、プリンタユニット40を収容部12へ押し込んでから動作確認する必要がなく、客に対してレシートを速やかに発行することができる。
【0052】
次に、プリンタユニット40の第2の動作例について、図6を参照して説明する。なお、Act1~Act11は上述した第1の動作例と略同じであるため、ここではその説明の大部分を省略する。
【0053】
第2の動作例では、プロセッサ81は、Act8でレシートロール有りを判断し且つAct9でジャム無しを判断した後、Act10として、Act3で設定した印字禁止を解除してレシートの発行を一枚だけ許可する。このとき、プロセッサ81は、Act3で印字禁止にする直前にスキャンした商品のコード情報に基づくレシートの発行を一枚だけ許可し、Act11へ進む。
【0054】
そして、プロセッサ81は、Act11として、LEDランプ84を緑色で点灯させるとともに、操作画面51を介して表示していたエラー表示を終了するための信号を操作パネル50へ送信し、Act12へ進む。Act12として、プロセッサ81は、レシートを一枚だけ発行し、Act13へ進む。
【0055】
この後、プロセッサ81は、Act13として、プリンタユニット40によるレシート用紙への印字を禁止し、Act14へ進む。そして、Act14として、プロセッサ81は、収容センサ87を介して、プリンタユニット40が収容部12へ収容されたか否かを判断し、プリンタユニット40が収容部12へ収容された場合(Act14;YES)に、Act15へ進む。
【0056】
最後に、Act15として、プロセッサ81は、Act13で設定した印字禁止状態を解除し、Act1へ戻る。
【0057】
以上のように、第2の動作例によると、プリンタユニット40を引き出したままの状態で一枚だけレシートの発行を許可するようにしたため、レシートロールの交換作業或いはジャム処理作業の終了を待っている客に対してレシートを速やかに発行することができる。
【0058】
また、第2の動作例によると、一度だけレシートを発行した後、プリンタユニット40を収容部12へ収容するまで、プリンタユニット40による印字を禁止するようにしたため、プリンタユニット40を引き出した状態のまま処理を続けることを防止することができる。
【0059】
以上述べた実施形態の商品データ処理装置によれば、プリンタユニット40におけるレシートロールの交換作業やジャム処理作業の後、プリンタユニット40を筐体10から引き出した状態のまま、レシートの発行が可能となる。このため、レシートロールの交換やジャム処理作業の終了後にレシートを速やかに発行することができ、利便性を向上させることができる。
【0060】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0061】
例えば、上述した実施形態では、レシートの発行を許可したことをオペレータに知らせる報知手段としてLEDランプ84を用いた場合について説明したが、これに限らず、音声案内を発生させるスピーカを報知手段として用いても良い。
【符号の説明】
【0062】
10…筐体、11…前面、12…収容部、30…スキャナユニット、40…プリンタユニット、42…排出口、43…レール、44…開口部、46…カバー、50…操作パネル、51…操作画面、81…プロセッサ、82…メインメモリ、83…印字ヘッド、84…LEDランプ、85…レシートロールセンサ、86…ジャムセンサ、87…収容センサ、88…開閉センサ、89…インタフェースユニット、90…伝送路、100…商品データ処理装置、S…作業スペース。
図1
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