(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123657
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】処置のための流体送達システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/44 20060101AFI20230829BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
A61M5/44
A61M5/142 500
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102615
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2021128671の分割
【原出願日】2014-03-13
(31)【優先権主張番号】61/779,371
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512120362
【氏名又は名称】ヌバイラ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ライアン カベクキス
(72)【発明者】
【氏名】エドワード エス.ハーシュマン
(72)【発明者】
【氏名】マーチン エル.マイセ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ストリーター
(72)【発明者】
【氏名】カイル トュルー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード シー.グンダーソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者の処置中に冷却された流体を送達するためのシステム及び関連する方法に関する。
【解決手段】処置システム17が、冷却液を冷やし、患者に送達するための流体冷却供給システム12を備える。流体冷却供給システム12は、冷却デバイスと熱交換器デバイスとを備える。熱交換器デバイスは冷却デバイスに対し付勢され、患者内の処置デバイスと流体連通する。流体冷却供給システムは、熱交換器デバイスと冷却デバイスとの間に所与の付勢力を与えて、熱伝導を生じさせ、改善するための少なくとも1つの付勢メカニズムを備える。患者の気道内に位置決めされたエネルギー送達デバイスを通じて冷却液を循環させ、組織を保護することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸バッグスパイクアセンブリであって、
中を通る第1の管腔を画定する構造を有する第1の管状部材であって、該第1の管腔が第1
の内径を有する、前記第1の管状部材と、
中を通る第2の管腔を画定する構造を有する第2の管状部材であって、該第2の管腔が該
第1の内径よりも小さい第2の内径を有する、前記第2の管状部材と、を備え、
該第2の管状部材が、該第1の管状部材の該第1の管腔内に位置決めされ、該第1の管腔及
び該第2の管腔が同軸となり、それにより第1の通路及び第2の通路を画定するようにし、
該第1の通路及び該第2の通路のうちの一方が、冷却デバイスの流体戻りライン及び流体
容器と流体連通し、冷却剤が該管腔を介して該容器に戻されるようにし、該第1の通路及
び該第2の通路の他方が流体供給ライン及び該流体容器と流体連通し、冷却剤が該容器か
ら該冷却デバイスに供給されるようにする、前記アセンブリ。
【請求項2】
前記供給ライン及び戻りラインのうちの一方を前記第1の通路に結合し、該供給ライン
及び戻りラインのうちの他方を前記第2の通路に結合するためのスパイクアダプタを更に
備え、該スパイクアダプタが、前記第1の管状部材の第1の端部に結合される管状部材を備
え、該アダプタが、該流体戻りラインと該第1の通路及び該第2の通路のうちの一方とが流
体連通するように該流体戻りラインに結合するための第1のポートと、該流体供給ライン
と該第1の通路及び該第2の通路のうちの他方とが流体連通するように該流体供給ラインに
結合するための第2のポートとを有する、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の管状部材が、ハイポチューブであり、前記第1の管状部材が射出成形された非
ベント型スパイク雌ルアーである、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の管状部材が、射出成形プラスチックである、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記スパイクアダプタが、射出成形プラスチックである、請求項2記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の管状部材及び前記第2の管状部材を前記流体容器に結合するための射出成形さ
れたベント型スパイクキャップを更に備える、請求項1記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、2013年3月13日に出願さ
れた、米国仮特許出願第61/779,371号の利益を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、患者の処置中に冷却された流体を送達するためのシステム及び関連
する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
(関連技術の説明)
いくつかの従来の医療処置は、冷却された液体を人体に直接供給することを含む。例え
ば、冷却された液体は、脳等の器官を冷却して、その器官を損傷から保護するために、血
流に供給され得る。
【0004】
他の従来の医療処置は、冷却された液体を、人体を処置するのに用いられるデバイスに
供給することを含む。例えば、肺疾患のためのいくつかの特に有効な処置が、例えば、「
気管支樹を処置するためのシステム、アセンブリ及び方法(Systems, Assemblies, and M
ethods for Treating a Bronchial Tree)」と題する米国特許第8,088,127号、及び「冷
却可能エネルギー放出アセンブリを有する送達デバイス(Delivery Devices With Coolab
le Energy Emitting Assemblies)」と題する米国特許出願公開第2011/0152855号に記載
されている。これらの文書に記載されている1つの例示的な処置では、肺処置システムは
、患者の気道に沿って延在する神経幹に損傷を与えるためにエネルギーを送達する。この
例では、エネルギーは、冷却可能なエネルギー放出器アセンブリに送達され、同時に、非
標的組織の破壊を回避又は制限するために、冷やされた流体がエネルギー放出器アセンブ
リに送達され、エネルギー放出器アセンブリを冷却する。
【0005】
従来の冷却剤供給システムは、通常、容器から患者及び/又は処置デバイスに冷却液を
ポンピングするポンプを備える。行われる治療のタイプに依拠して、従来の冷却剤供給シ
ステムは、5ガロンもの冷却液を収容する比較的大きな容器を備えることができ、この容
器から冷却液が熱治療カテーテルに供給される。大きな容器内に収容される冷却液は、多
くの場合、単に室温に維持される。他の従来の冷却液供給システムは、流体が容器からポ
ンピングされ、患者内のデバイスを通って循環した後、容器に戻る、閉ループシステムを
有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(概要)
処置中に患者の処置部位に冷却液を送達することは、施術者にいくつかの難題を呈する
可能性があることが認識されている。例えば、処置セッション中の所望の間隔にわたって
患者内の処置部位における所望の温度(又は温度範囲)を維持することは困難であり得る。
これは特に、流体が冷やされる時点から、組織を処置するために流体が患者に供給される
時点までに存在し得る熱損失に起因する。
【0007】
従来の冷却液供給システムは、患者内に位置決めされた処置デバイスに供給される冷却
液の温度及び圧力の制御を可能にする十分に小型で効率的な閉ループシステムを提供する
ことができないことが認識されている。更に、従来の冷却液供給システムは高価である可
能性があり、場合によっては、異なる患者の処置間で大規模で時間がかかる滅菌を必要と
する場合がある。その上、従来の冷却液供給システムは、挿入デバイスの大きさ、処置部
位における温度、処置の持続時間、システムの制御可能性に関する要件、及び患者のある
特定の処置に固有である場合がある他の要件に起因して、上記で検討した肺処置等のある
特定の処置中の使用にとって理想的でない場合があることが認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの態様によれば、処置システムは、患者の処置のための流体冷却供給シス
テムを備え、流体を冷やし、冷やされた流体を、患者の内側に位置決めされたエネルギー
送達デバイス等の処置デバイスを通して循環させるように構成される。流体冷却供給シス
テムは、内部に収容される流体又は冷却剤を有する流体容器を備える(又は流体容器に結
合される)ことができる。流体冷却供給システムは、流体を熱処理するためのサーマルプ
レートを有する冷却デバイスを備えることができる。熱交換器は、熱交換器内に収容され
た、又はそこを通って移動する流体から熱伝導を生じさせるために所与の付勢力で冷却デ
バイスに取り外し可能に結合することができる。熱交換器は、伝熱性表面と、カートリッ
ジを通って延在する流体通路とを備える交換式又は使い捨ての熱交換器カートリッジとす
ることができる。カートリッジ内の流体通路の少なくとも一部分は伝熱性表面に隣接して
配置される。流体通路は、冷却デバイスによる流体の熱処理中の流体の通過を可能にする
。したがって、カートリッジが冷却デバイスに結合されると、伝熱性表面及びサーマルプ
レートが互いに対して付勢され、冷却デバイスを動作させることによってカートリッジの
流体通路内に含まれる流体から熱を引き出すようにし;そして冷やされた流体が処置のた
めに患者に供給され得る。
【0009】
1つの態様では、熱交換カートリッジは、伝熱性表面を有するプレートに結合される、
可撓性で、好ましくは使い捨ての熱成形トレイである。可撓性の熱成形トレイは、トレイ
がプレートに結合されると、流体通路を画定する陥凹蛇行構造を備える。通路の第1の端
部は、入り口供給ラインに結合するための入り口ポートを備え、通路の第2の端部は、出
口供給ラインに結合するための出口ポートを備える。陥凹蛇行構造の深さ及び幅は、カー
トリッジ内の流体の所望の滞留時間に基づいて決定され、滞留時間は、流体の流量と、カ
ートリッジの入り口から出口までの流体の所望の温度変化とに基づいて計算される。
【0010】
他の態様では、熱交換器は、バッグ内に収容された、又はそこを通って移動する流体か
ら熱伝導を生じさせるために所与の付勢力で冷却デバイスに取り外し可能に結合されるバ
ッグである。バッグは、バッグが冷却デバイスとプレートとの間に位置決めされるように
プレートによって冷却デバイスに取り外し可能に結合することができるか、又はバッグは
、他の取り付けデバイスによって取り付けることができる。所望の流体温度を達成するよ
うに適切な熱伝導を生じさせる共通機構は、冷却デバイスに対する熱交換器の所与の付勢
力を確保している。このため、バッグは、クランプ、固定具を有するプレート又は他のそ
のようなデバイスによって冷却デバイスに付勢することができる。バッグは、バッグを通
って延在し、バッグ全体を通って蛇行する流体通路を備えることができる。少なくとも、
バッグの一部分は冷却デバイスに隣接して配置され、冷却デバイスを動作させることによ
ってバッグの流体通路内に収容される流体から熱を引き出すように冷却デバイスに対し付
勢され;そして冷やされた流体が処置のために患者に供給され得る。
【0011】
流体冷却供給システムは、流体の体積を患者に供給しかつ/又は循環させるポンプを更
に備えることができる。患者に供給する熱伝導量及び流体体積量並びに圧力を調整するた
めに、少なくとも1つの制御装置を冷却デバイス及びポンプに結合することができる。流
体冷却供給システムは供給経路及び戻り経路も備えることができ、これらの経路は一連の
ライン又はチューブ又は流体進路を含むことができる。供給経路は流体容器を起点とし、
流体容器において、流体を冷やすために流体に熱交換器カートリッジを横切らせ、次に処
置部位における冷却のために患者内の処置デバイスまで横切らせる。戻り経路は患者内の
処置デバイスを起点とし、そして、戻り経路はシステムを通る流体の連続した循環のため
に流体容器に戻るように横切ることができる。このため、流体容器、供給チューブ及び戻
りチューブ、カートリッジの流体通路、並びに処置デバイスは、全て互いに流体連通する
。したがって、冷却デバイスは、患者の処置中にポンプがシステム全体を通って循環させ
る流体を冷やす。
【0012】
本開示の任意の態様において理解することができるように、流体冷却供給システムは、
閉ループシステム又は開ループシステムとすることができる。閉ループシステムでは、流
体は再循環のために連続的に流体容器から供給され、流体容器に戻される。開ループシス
テムでは、流体は流体容器から処置デバイスに供給され、次に、処置デバイスを通って循
環した後廃棄される。
【0013】
上記で導入した流体冷却供給システムのある特定の構成要素に関して、いくつかの態様
によれば、流体容器は流体を保持することが可能なバッグ又は他のデバイスであり得る。
閉ループシステムでは、流体容器は、流体を提供するための供給ポートと、システムを通
って一旦循環した流体を受けるための戻りポートとを有する折り畳み可能バッグ(生理食
塩水又は他の流体を保持及び提供するために用いられるIVバッグ等)であり得る。折り畳
み可能バッグを用いることによって、有利には、流体を流体容器からシステムを通してポ
ンピングした結果、ポンピングが順方向であるか又は逆方向であるかに応じて生じる流体
圧力変化に対応することができる。
【0014】
いくつかの態様では、流体容器は同軸バッグスパイクアセンブリを介して閉ループシス
テムに流体接続することができる。同軸二重スパイクは、雌ルアーの管腔内にこの管腔を
通って挿入されるハイポチューブを備えることができ、それによって内側通路及び外側通
路の同軸構成を画定する。アセンブリは、流体供給ライン及び戻りラインをアセンブリの
内側通路及び外側通路に接続するための2つのポートを有するバッグスパイクアダプタを
更に備えることができる。例えば、内側通路は戻りラインと流体連通し、外側通路は供給
ラインと流体連通する。代替的な実施態様では、外側通路は戻りラインと流体連通し、内
側通路は供給ラインと流体連通する。したがって、同軸バッグスパイクアセンブリは、流
体が流体容器の内外に同時に流れることを可能にすることによって、別個の供給スパイク
及び戻りスパイクの必要性をなくす。これによって、標準的な市販のIVバッグが冷却材容
器として利用されることも可能になる。
【0015】
冷却デバイスは、熱交換器がサーマルプレートに結合されているときの流体からの効果
的な熱伝導のためのサーマルプレートを有する、熱電冷却器(thermoelectric cooler)(以
後「TEC」)等の任意の適切な冷却デバイスであり得る。TECは、当該技術分野において周
知であるように、器具を冷却し、材料又は流体からの熱伝導量を制御するために一般的に
用いられる。TECはペルチェ効果(又は熱電効果)を用いて、2つの異なるタイプの材料の接
合部間の熱束を生成する。したがって、一般的なTECは、プレート間に挟持された複数のp
型半導体及びn型半導体を有する「ホットプレート」及び「コールドプレート」を備える
。電圧が半導体にわたって印加されると、TECはコールドプレートからホットプレートに
熱を伝導し、この熱は例えばヒートシンク及びファンによってホットプレートから消散す
る。したがって、本開示の冷却デバイスは、好ましくは、カートリッジ内に収容される流
体から熱を除去するために熱交換器カートリッジに対し付勢されるサーマル(コールド)プ
レートを有するTECである。冷却器システム、又は熱交換器に結合されるか若しくは熱交
換器を備える他の冷却システム等の、他の冷却デバイス又はシステムを用いて、流体の冷
却の同じ結果が達成され得ることが理解されよう。
【0016】
ポンプは、処置デバイスを通って冷やされた流体を供給し循環させるように構成される
。ポンプは、システムを通過する流体の体積及び圧力を調整するように更に構成すること
ができる。いくつかの態様では、ポンプは、冷却デバイス及びカートリッジに隣接して結
合される蠕動ポンプである。蠕動ポンプは、流体の滅菌状態を維持するために、流体と接
触することなくチューブを通じて流体を引き出し、押し出す機能を有する。1つの例では
、ポンプは、ポンプが負の圧力でカートリッジを通して流体を引き出し、正の圧力で処置
デバイスに冷やされた流体を供給するように、熱交換器カートリッジと患者との間の供給
経路内に(又はカートリッジの下流に)位置決めされる。このようにしてカートリッジの下
流にポンプを位置決めすることにより、いくつかの利点がもたらされる。例えば、カート
リッジ内の結果として生じる負の圧力によって、カートリッジの材料及び設計の選択にお
ける更なる柔軟性が可能になる。カートリッジ内でより小型で薄い構成要素を用いること
ができ、結果としてシステム動作中の流体からの熱伝導が大きくなる。いくつかの態様で
は、エネルギー送達デバイスに供給される正の圧力は少なくとも80psiであり、流体は10p
si以下の圧力で処置デバイスから流体容器及び/又はカートリッジに戻されるが、システ
ムにおける圧力は、システム要件及び患者要件に依拠してそのような値を超えて変動する
ことができる。
【0017】
いくつかの態様では、ポンプは毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速でシステ
ムを通って流体を循環させるように構成されるが、流速はそのような範囲を超えて変動し
てもよい。好ましくは、流速は毎分100ミリリットルである。いくつかの態様では、ポン
プは25psi~150psiの圧力で冷やされた流体を処置デバイスに供給するように構成される
が、流速はそのような範囲を超えて変動してもよい。好ましくは、圧力は80psi~100psi
である。
【0018】
いくつかの態様では、ポンプは前進ギア及び後退ギアを備える。後退ギアは、システム
を通る流体の流れを逆にして、患者の処置の前又は処置中にシステムから気体を除去する
ように適合される。システムから気体又は気泡を除去することによって、処置中の妨げの
ない流体供給が可能になり、カートリッジ内の流体の冷却が最大になる。カートリッジは
水平に対し実質的に垂直に位置決めされ、カートリッジの上側部分に位置決めされた入り
口ポートと、カートリッジの下側部分に位置決めされた出口ポートとを備えることができ
る。この構成を用いて、ポンプ方向を逆にすることにより、システムを通って流体を逆に
駆動し、それによってカートリッジの流体通路から気体を除去する。特に、気体はカート
リッジを通って垂直方向に上昇し、最終的に散逸させるために流体容器に入る。ポンプは
次に、患者の処置中に、ポンプの前進ギアによって冷やされた流体を供給するように係合
され得る。ポンプの通常の前進動作中であっても、カートリッジに存在する場合がある気
体は、カートリッジの特定の配置及び構成に起因して上方に上昇する傾向を有することが
できる。
【0019】
いくつかの態様では、流体通路は、流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に
近接した少なくとも1つの角部を備える。この少なくとも1つの角部は、システムの動作中
、この少なくとも1つの角部の近くに又は近接して気泡がトラップされないように構成さ
れる。角部は、通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部において半径又は面取りを有
することができる。加えて、流体通路は、断面外形の上側の角及び下側の角に丸められた
角部を有する断面外形を有することができる。流体通路の断面積を低減するこれらの特徴
は、そうでない場合はカートリッジの垂直の向きに起因して角に詰まる場合がある気泡の
表面張力を克服するのを支援することができる。
【0020】
1つの態様では、熱交換器カートリッジは、互いに結合された第1のプレート及び第2の
プレートを備える。第1のプレートは、銅、アルミニウム及び/又はステンレス鋼で構成す
ることができる伝熱性表面を備える。伝熱性表面は好ましくは銅で構成され、より好まし
くは、陽極酸化アルミニウム又は銀めっき銅等のめっき金属又は陽極酸化金属で構成され
る。第2のプレートは、ポリマー又はプラスチック等の断熱材を含み、流体通路の少なく
とも一部分を画定する蛇行溝を備える。蛇行溝は、流体からの熱伝導を最大にするために
、サーマルプレートに対し実質的に平坦な外形を有することができる。カートリッジは、
流体を供給する流体容器に結合された入力ポートと、冷やされた流体を供給するために処
置デバイスに結合された出力ポートとを備えることができる。したがって、入力ポート及
び出力ポートは流体通路及び処置デバイスと流体連通する。いくつかの態様では、カート
リッジは、カートリッジ内に収容される容量可変容器を備え、流体がこの容量可変容器か
らのみ引き出され、他のソースからは一切引き出されないようにする。そのような態様で
は、次に、流体は、処置デバイスを通って循環した後、廃棄されてもよく(開ループシス
テム)、又は流体は、容量可変容器の入り口に戻されてもよい(閉ループシステム)。いく
つかの態様では、戻り流体通路は、カートリッジの一部分を通って延在し、戻り流体通路
の少なくとも一部分が伝熱性表面に隣接して配置され、戻り流体通路内の流体が再循環の
ために流体容器に戻される前に事前に冷却されるようにする。
【0021】
1つの態様では、流体冷却供給システムは、カートリッジと冷却デバイスとの間に十分
な所与の付勢力を与えるための少なくとも1つの付勢メカニズムを備えることができる。
付勢メカニズムは、カートリッジを冷却デバイスに取り外し可能に結合するように配置さ
れた少なくとも1つの磁石とすることができる。この少なくとも1つの磁石は、冷却デバイ
スのサーマルプレートに隣接する少なくとも1つの対応する磁石に磁気的に結合可能であ
ってもよく、又は冷却デバイスの磁気的に吸引可能な素子に磁気的に結合可能であっても
よい。少なくとも1つの付勢メカニズムは、カートリッジの対向する端部に位置決めされ
た2対の磁石を備えることができ、それぞれ、サーマルプレートに隣接した磁石の対応す
る対に結合可能である。磁石の対応する対は、冷却デバイスのサーマルプレートに結合さ
れた付勢フレームに固定することができる。付勢フレームは、サーマルプレートの外周の
回りに延在することができる。付勢フレームの磁石の対応する対は、カートリッジの磁石
の対に合わせられ、これらの対に吸引可能であり、カートリッジを所与の付勢力でサーマ
ルプレートに対し付勢する。自然に発生する手段及びメカニズムを利用する結果として、
カートリッジの伝熱性表面の表面エリアのほとんど又は全てが、所与の付勢力で冷却デバ
イスのサーマルプレートの表面エリアのほとんど又は全てに対し付勢され、流体の冷却中
に流体から熱を効果的かつ効率的に伝導する。
【0022】
本開示のいくつかの態様では、冷却システムは、十分な所与の力で冷却デバイスに対し
カートリッジを付勢するように働き、流体からの熱伝導を生じさせ改善する機能を備える
。特に、利用可能なTECは、TECによって消散させることが可能な熱束の量によって制限さ
れ;このため、流体の所望の熱伝導はいくつかの用途では幾分限定されている。また、TEC
は、他の冷却デバイスと比較して幾分非効率であることが知られているため、カートリッ
ジの設計、及びポンプの位置のようなシステム内の他の構成要素の構成等の他の態様にお
いて、システムの効率性を低減させることが重要である。更に、互いに対して付勢される
表面の材料の性質に起因して、カートリッジの伝熱性表面と冷却デバイスのサーマルプレ
ートとの間の十分な付勢力が重要である。伝熱性表面は銅とすることができ、サーマルプ
レートは通常、セラミック基板である。顕微鏡の下では、銅表面及びセラミック表面の最
も平滑なものであっても、熱伝導中に十分な付勢力が加えられ維持されない場合、2つの
材料間の伝熱性に影響を及ぼし得る無数の隆起及び谷部を示す。したがって、本開示は、
患者の処置中に流体を効率的に冷やすために、付勢された表面間の面間接触を増大させる
ように冷却デバイスに対しカートリッジを適切に付勢する効果的な手段及び様々なメカニ
ズムを提供する。そのような改善された面接触は、最終的にシステムにおける熱損失を低
減し、それによって、患者内の処置デバイスに一定の制御可能な流体温度が供給される。
これは、肺処置中に冷却システムを動作させるときに特に重要であり、これは、ある特定
の間隔で、処置セッション中の特定の持続時間にわたって一定の流体温度及び一定の流体
圧力を必要とする。
【0023】
1つの態様では、カートリッジは、熱伝導を改善し、熱損失を低減するために、プレス
トレスト構成で形成及び提供することができる。したがって、カートリッジは、冷却デバ
イスから切り離されているとき、第1の状態(プレストレスト)にあり、冷却デバイスに係
合されているとき、第2の状態にあるように製造することができる。第1の状態は、冷却デ
バイスのサーマルプレートに対し凸形状を有する外形を有するようにカートリッジを形成
し、カートリッジの側方アークがカートリッジの左側から右側に延在するようにすること
によって達成される。したがって、カートリッジがサーマルプレートに係合されていると
き(すなわち、例えばカートリッジの左側及び右側で磁石の対を利用することによる)、磁
石の凸形状及び力によって、カートリッジの側面の磁石がカートリッジの外形を「平坦に
する」傾向にあるため、カートリッジの伝熱性表面がサーマルプレートに対し実質的に平
坦な形状の外形を有することになる。このプレストレスト構成は、カートリッジが受け得
る僅かな「座屈」を防止する傾向があり、それによって、結果として、冷却マシンに対し
完全に又は適切に付勢されていない凹型カートリッジとなる。このため、カートリッジの
プレストレスト構成は、伝熱性表面とサーマルプレートとの間により大きな面間接触を与
え、それによって、システムにおける熱損失を低減しながら、結果として熱伝導を改善す
る。これは、患者の処置中に冷却システムを動作させているとき、この特定の肺処置が、
ある特定の間隔で、処置セッション中の特定の持続時間にわたって一定の流体温度及び一
定の流体圧力を必要とするので、特に重要である。
【0024】
患者の処置のために熱交換器カートリッジを取り付け、冷却システムから熱交換器カー
トリッジを取り外すための方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、熱交換器
カートリッジを冷却デバイスのサーマルプレートに付勢することを含む。これらは、本開
示において検討されるのと同じ又は同様の特徴を有するカートリッジ及び冷却デバイス等
である。本方法は、熱交換器カートリッジを冷却デバイスから取り外すことを含み、これ
は、1以上の患者又は処置セッションの処置後に行うことができる。本方法は、代わりの
熱交換器カートリッジを冷却デバイスのサーマルプレートに対し付勢することを含む。カ
ートリッジを付勢する工程は、磁石又は他の付勢メカニズムを係合し、所与の付勢力がカ
ートリッジに加えられ、流体からの効率的な熱伝導を生じさせるようにすることを含むこ
とができる。好ましい構成では、所与の付勢力は少なくとも10ポンドの力であり、10ポン
ド~60ポンドの力であるが、所与の付勢力はそのような値及び範囲を超えて変動してもよ
い。磁石によって与えられる所与の付勢力は、カートリッジの伝熱性表面を冷却デバイス
のサーマルプレートに対し付勢することを可能にする。磁石の構成に起因して、冷却デバ
イスに対しカートリッジを付勢することは自動的に行われ、カートリッジが冷却デバイス
上で各代わりのカートリッジと概ね同じ位置に位置決めされるようにする。これによって
、冷却デバイスに結合された全ての交換可能なカートリッジの位置の一貫性が維持され、
したがって、システム及び代わりのカートリッジの繰り返される使用でのカートリッジ内
の流体を冷やす効率の一貫性を与えるというシステムの1つの利点が提供される。本方法
は、流体を、熱交換器カートリッジを冷却デバイスから取り外す前に患者に送達するため
に熱交換器カートリッジを通してポンピングすることを更に含むことができる。本方法は
、肺処置中に患者の肺組織に隣接して位置決めされた処置デバイス(例えば、エネルギー
送達デバイス)に冷やされた流体を供給することを更に含むことができる。
【0025】
別の態様では、流体冷却供給システムは、流体を冷却するためのサーマルプレートを備
える冷却デバイスと、サーマルプレートに取り外し可能に結合された使い捨て熱交換器カ
ートリッジと、カートリッジ内に収容された流体から熱を伝導するためにカートリッジ及
び冷却デバイスに結合された少なくとも1つの付勢メカニズムとを備えることができる。
カートリッジは、互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを備えることができ
、第1のプレートは、銅、アルミニウム及び/又はステンレス鋼等の伝熱性表面を備え、第
2のプレートは、ポリマー、ABS、ナイロン又はポリカーボネート等の断熱材を備える。第
2のプレートは、磁気吸引可能なカートリッジを参照して検討したカートリッジと同様に
、流体通路を画定する蛇行溝を備えることができる。1つの構成では、カートリッジは、
冷却デバイスに対する付勢のために前板内に受けられる上側角度付き表面及び対応する下
側角度付き表面を備える。カートリッジは、カートリッジを容易に除去及び交換するため
にカートリッジの端部にハンドルを備えることができる。第2のプレートの裏側は、冷却
デバイスを介する流体の改善された熱伝導のための複数の凹部を備えることができる。
【0026】
カートリッジは、システムを通して流体を供給するための流体容器を備えることができ
、流体容器は、カートリッジ内に全体的に収容されてもよく、カートリッジの外側部分に
結合されてもよい。したがって、第2のプレートは、流体通路と流体連通し、カートリッ
ジの上側部分に位置決めされた流体容器を備える。この態様における流体容器は、第2の
プレートの空洞内に位置決めされる折り畳み可能なバッグとすることができる。流体は、
流体容器から処置デバイスに供給され、閉ループシステムにおいて流体容器に返されても
よく、又は開ループシステムにおいて廃棄物として処分されてもよい。流体容器をカート
リッジ自体の内部に設けることによって、システムを設定し動作させるための構成要素及
び工程の数を低減する利点がもたらされ、これによって、未滅菌の構成要素の誤った設置
又は使用に起因するヒューマンエラーのリスクが低減するので、流体の滅菌状態が確保さ
れる。また、外部の流体容器から室温の流体を提供することとは対照的に、動作中に冷却
デバイスによって容器内の流体が冷却されるという利点ももたらされる。
【0027】
少なくとも1つの付勢メカニズムは、カートリッジを冷却デバイスに係合するための第1
の位置と、カートリッジを冷却デバイスから切り離すための第2の位置とを有するカムシ
ステムとすることができる。本開示において更に検討するように、付勢メカニズム(この
カムシステム等)を設けることによって、カートリッジと冷却デバイスとの間の面間接触
を増大させるために、十分な所与の力で冷却デバイスのサーマルプレートに対しカートリ
ッジの伝熱性表面を適切に付勢する効果的な手段がもたらされる。いくつかの態様では、
前板は、冷却デバイスを収容するハウジングの前面に結合される。カムシステム、前板及
びカートリッジは共に動作して、サーマルプレートに対しカートリッジを付勢する。前板
は、冷却デバイスのサーマルプレートを受け、サーマルプレートに対するカートリッジの
付勢を容易にする開口を備える。前板は、カートリッジを摺動可能に受けるような大きさ
にされたスロットを有することができる。前板のスロットは、上側付勢面及び下側付勢面
を備える。上側付勢面及び下側付勢面はそれぞれ、サーマルプレートに対し平行でなく、
カートリッジの上側角度付き表面及び下側角度付き表面に対応することができる。このた
め、スロットは、カートリッジの台形形状の断面外形に対応する台形形状の断面外形を有
することができる。したがって、カートリッジは、カムシステムが切り離される(又はロ
ック解除される)と、前板のスロット内に摺動可能に受け入れ可能であり得る。カートリ
ッジがスロット内に位置決めされると、カムシステムは、カートリッジに、冷却デバイス
に対する所与の付勢力を加えるように係合(又はロック)され、システムの動作中の流体の
冷却を生じさせることができる。
【0028】
いくつかの構成では、カムシステムは、カムレバーと、少なくとも1つのカムローブを
有するカムシャフトと、カートリッジに結合された作動部材と、作動部材に結合され、カ
ムローブに結合可能な少なくとも1つの作動デバイスとを備える。カムレバーは、カムシ
ャフトに直接取り付け可能であるか、又はカムシャフトに動的に連結される。いくつかの
構成では、カムシャフトの長さに沿って4つのカムローブが形成され、互いに空間的に離
間されるが、4つのカムローブは単一のカムローブ又はカムデバイスであってもよい。4つ
のカムローブの位置に対応して、作動部材に結合され、それぞれのカムローブに隣接して
位置決めされた4つの作動デバイスが存在し得る。4つの作動デバイスは、カムレバーが切
り離された状態から係合状態に移動することによってカムシャフトが回転されるときに、
それぞれのカムローブによって下方向に作動される。作動部材は、カートリッジの上側角
度付き表面の角度に対応することができる角度において形成され得る下側作動表面を有す
る。このため、カムシステムを係合させることによって、カートリッジの上側角度付き表
面に対し下側作動表面を付勢することになり、これによって、スロット及びカートリッジ
の台形形状の外形と下側作動表面の角度とに起因して、カートリッジを僅かに下方向に進
め、冷却デバイスに向かって内側に進める傾向がある。スロット及びカートリッジの台形
形状の外形と下側作動表面の角度とは合わせて、カムシステムが係合されているときに所
与の付勢力で横方向に冷却デバイスに対しカートリッジを付勢する傾向がある。
【0029】
交換可能な熱交換器カートリッジを、カムシステムを利用して冷却デバイスに設ける方
法が提供される。本方法は、カムシステムを係合状態に作動させることによって、冷却デ
バイスに対しカートリッジを付勢することを含むことができる。本方法は、カムシステム
を切り離された状態に作動させて、カートリッジに対する付勢力を解放することを含むこ
とができる。本方法は、カートリッジを取り外すことと、カートリッジを代わりのカート
リッジと交換することとを含む。この代わりのカートリッジは、患者の処置中、カムシス
テムを用いて冷却デバイスに付勢することができる。
【0030】
別の態様では、少なくとも1つの付勢メカニズムは、蝶番により冷却デバイスに結合さ
れ、閉位置に向かって付勢され、それによって開き戸と冷却デバイスの冷却表面との間で
カートリッジを挟持する開き戸とすることができる。この実施態様では、1以上の磁石を
扉及び/又は冷却デバイスの対向する表面上で用いて、カートリッジと冷却デバイスとの
間の面間接触を増大させるために十分な力を与えることができる。1つの態様では、カー
トリッジが、通常動作を可能にする向きに挿入されることを確実にするように冷却デバイ
スの1以上のキーと位置合わせするために、カートリッジの少なくとも1つの側縁に画定さ
れる1以上のノッチを有するようにカートリッジを構成することができる。
【0031】
本開示のいくつかの態様によれば、患者の処置のために流体を冷却する方法が提供され
る。本方法は、冷却剤を冷やすために、負の圧力で熱交換器を通じて冷却剤を引き出すこ
とを含むことができる。本方法は、処置デバイスを患者の気管支内に位置決めし、処置中
に患者から熱を伝導するために処置デバイスに冷却剤を供給することを更に含むことがで
きる。本方法は、容器から冷却剤を供給し、閉ループシステムにおいて流体を容器に戻す
ことを含むことができる。代替的に、本方法は、開ループシステムにおいて患者から流体
に熱を伝導した後、容器から冷却剤を供給し、流体を廃棄することを含むことができる。
本方法は、正の圧力で処置デバイスに流体を供給することを含むことができる。本方法は
、冷却剤デバイスに結合された制御装置を用いて冷却剤からの熱伝導量を調整し、ポンプ
に結合された制御装置を用いて患者の処置のために供給する流体の体積量を調整すること
を含むことができる。
【0032】
本開示のいくつかの態様によれば、患者の処置のために流体を冷却する方法が提供され
る。本方法は、冷却デバイスに対し熱交換器を位置決めすることを含む。熱交換器は、本
開示において検討されるカートリッジの特徴のうちのいくつか又は全てを含むことができ
る。本方法は、気体が熱交換器内を上昇するように実質的に垂直の向きに熱交換器を位置
決めすることを含むことができる。本方法は、熱交換器の下側にポンプを位置決めし、熱
交換器及びシステムから実質的に気体を除去するように熱交換器を通じて流体を逆の様式
でポンピングすることを含むことができる。本方法は、本開示において検討されるように
、冷却された流体を患者に提供するための工程のうちのいくつか又は全てを更に含むこと
ができる。
【0033】
本開示によるいくつかの態様では、患者を処置するためのシステムが提供される。シス
テムは、流体を冷やし、冷やされた流体を正の圧力で患者に送達するために、負の圧力で
熱交換器を通して流体を引き出すように構成された流体冷却供給デバイスを備えることが
できる。流体冷却供給デバイスは、冷却デバイス、ポンプ、制御装置、ハウジング及び前
板等の、本開示において検討される特徴のうちのいくつか又は全てを含むことができる。
同様に、熱交換器は、本開示において検討されるカートリッジの特徴のうちのいくつか又
は全てを備えることができる。システムは、患者内に位置決めされ、流体冷却供給デバイ
スに結合されたエネルギー送達デバイスを備えることができ、流体冷却供給デバイスが冷
やされた流体を、エネルギー送達デバイスを通して循環させ、患者の処置中にエネルギー
送達デバイスを冷却するようにする。エネルギー送達デバイスは、患者の標的組織にエネ
ルギーを送達するように適合された電極を備えることができる。エネルギー送達デバイス
は、電極に隣接して配置された冷却部材を備えることができる。冷却部材は、流体冷却供
給デバイスからの流体の循環を可能にするように構成することができる。電極及び冷却部
材は、患者の気道の壁に隣接して配置され、電極へのエネルギーの送達及び冷却部材を通
した冷やされた流体の循環によって神経組織を損傷させ、組織を保持しながら患者におけ
る神経系信号が減衰するようにする。システムは、冷却デバイスの下部にあり、エネルギ
ー送達デバイスを通して流体を正の圧力で循環させるように構成されたポンプを備えるこ
とができる。本方法は、本開示において検討される、冷却された流体を患者に提供するた
めの工程のうちのいくつか又は全てを更に含むことができる。
【0034】
本開示のいくつかの態様では、流体冷却供給システムによって(又は本開示において説
明される任意の他のシステム及び方法によって)供給される流体の温度は、エネルギー送
達デバイス又は他の処置デバイスの場所において所与の温度又は範囲で提供することがで
きる。エネルギー送達デバイスエネルギーにおける温度は、患者の処置中、20℃以下に維
持されることが好ましい。好ましい構成では、エネルギー送達デバイスにおける温度は、
患者の処置中、20℃~-5℃に維持される。更により好ましい構成では、エネルギー送達デ
バイスにおける温度は、患者の処置中、5℃~-2℃に維持される。一方、システム及び患
者の要件に応じて温度はそのような範囲を超えて変動してもよい。いくつかの態様では、
流体は患者の処置の処置部分中の選択された時間量にわたって、又は患者の処置プロセス
全体の間、所与の温度で患者に供給される。いくつかの構成では、所与の温度を有する流
体を提供するために特定の処置部分について選択される時間量は最大で120秒である。い
くつかの構成では、特定の処置部分について選択される時間量は60秒未満である。いくつ
かの構成では、所与の温度を有する流体を提供するために特定の処置部分について選択さ
れる時間量は60秒~120秒である。いくつかの構成では、所与の温度を有する流体を提供
するために特定の処置部分について選択される時間量は少なくとも120秒である。しかし
ながら、選択される時間量は、システム及び患者の要件に応じて、そのような値及び範囲
を超えて変動してもよい。いくつかの構成では、熱交換器カートリッジ内に収容される流
体は、カートリッジを出る際に、少なくとも20℃の温度まで冷却することができ、より好
ましくは、流体は、カートリッジを出る際に、5℃~-5℃の温度まで冷却されるが、カー
トリッジ内の流体の温度は、そのような温度及び範囲を超えて変動してもよい。
【0035】
いくつかの態様では、患者を処置する方法が提供される。本方法は、本開示において検
討される冷却デバイス及び熱交換器カートリッジ等の、患者に流体を送達するための流体
熱交換器を有する冷却デバイスを提供することを含むことができる。本方法は、患者の気
道内に送達デバイスのアブレーションアセンブリを位置決めし、アブレーションアセンブ
リが気道の壁に対し並置されるようにすることを含むことができる。アブレーションアセ
ンブリは、エネルギーを送達するように適合された電極を備えることができる。本方法は
、流体熱交換器を、互いに流体連通するようにアブレーションアセンブリに結合すること
を含むことができる。本方法は、流体熱交換器内の流体を、冷却デバイスを用いて冷やし
、送達デバイスを通して流体熱交換器からの流体を循環させることによって組織を処置す
ることを含むことができる。本方法は、同時に、アブレーションアセンブリの電極からエ
ネルギーを送達して、患者の気道に隣接する組織を処置することを含むことができる。し
たがって、本方法は、気道に隣接する神経幹の神経組織に損傷を与え、気管支樹の一部分
に伝達される神経系信号が減衰されるようにすることを含むことができる。本開示におい
て検討されるように、流体は、負の圧力で流体熱交換器を通して引き出され、正の圧力で
送達デバイスに供給され得る。本開示において更に検討されるように、処置中、熱交換器
内の流体は所与の温度で冷却デバイスによって冷却され、流体は、所与の温度で、選択さ
れた時間量にわたって、送達デバイスに供給される(又は送達デバイスを通って循環する)
。
【0036】
本開示を詳細に調べた当業者であれば、流体冷却供給システム及び熱交換器カートリッ
ジに関する本方法及び本システムは、本明細書において更に検討するように、患者の処置
中に患者内に位置決めされた処置デバイスを通して冷やされた流体を循環させた結果を依
然として達成しながら、様々な態様において組み合わせることができることを理解するで
あろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
(図面のいくつかの図の短い説明)
【
図1】1つの態様による流体冷却送達システムを有する処置システムの斜視図である。
【
図2】1つの態様による流体冷却送達システムの部分展開図である。
【
図3】患者に結合された流体冷却送達システムの概略図である。
【
図4】1つの態様による、処置セッション中の流体冷却送達システムの前面図及び処置システムの概略図である。
【
図5】1つの態様による、処置セッション中の、患者内に位置決めされたエネルギー送達デバイスに結合された流体冷却送達システムの概略図である。
【
図5A】
図5の線5A-5Aに沿って見た、
図5の処置デバイスの供給管腔及び戻り管腔の断面図である。
【
図6A】1つの態様による、熱交換器カートリッジの等角図である。
【
図6B】1つの態様による、熱交換器の展開図である。
【
図6C】1つの態様による、熱交換器の展開図である。
【
図7A】冷却デバイスから切り離した第1の状態のカートリッジを示す、1つの態様による熱交換器の側面図である。
【
図7B】第2の状態の、冷却デバイスに係合された熱交換器を示す、
図7Aの熱交換器の側面図である。
【
図8】1つの態様による、処置セッション中の流体冷却送達システムの斜視図である。
【
図9】1つの態様による流体冷却送達システムの部分展開図である。
【
図10】1つの態様による、処置セッション中の流体冷却送達システムの概略図である。
【
図11A】切り離されたカムシステム及び取り外された熱交換器を示す、1つの態様による流体冷却送達システムの一部の背面斜視図である。
【
図11B】係合されたカムシステム及び設置された熱交換器を示す、
図11Aの背面斜視図である。
【
図14】1つの態様による流体冷却送達システムを有する処置システムの斜視図である。
【
図15】1つの態様による、処置セッション中の流体冷却送達システムの前面図及び処置システムの概略図である。
【
図16】1つの態様による流体冷却送達システムの部分展開図である。
【
図17】1つの態様による開き戸アセンブリの背面斜視図である。
【
図18】1つの態様による、処置セッション中に患者内に位置決めされたエネルギー送達デバイスに結合された流体冷却送達システムの概略図である。
【
図19A】1つの態様による熱交換器カートリッジの前面斜視図である。
【
図19B】1つの態様による熱交換器カートリッジの背面斜視図である。
【
図20】1つの態様による同軸二重スパイクアセンブリの背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(詳細な説明)
本開示によれば、
図1~
図7Bは、患者の処置のための流体冷却供給システムを有する処
置システムの第1の態様を示し、
図8~
図13Cは、患者の処置のための流体冷却供給システ
ムを有する処置システムの第2の態様を示し、
図14~
図20は、患者の処置のための流体冷
却供給システムを有する処置システムの第3の態様を示す。第1の態様及び第2の態様を参
照して説明される様々な構成は、更なる構成及び態様に組み合わせることができることが
理解されよう。これについては、特定の構成に関して本開示で更に検討され得る。
【0039】
図1及び
図2は、処置システム17に結合された流体冷却供給システム12を備えるシステム
10を示す。
図2は、
図1の流体冷却供給システム12のある特定の構成要素の部分展開図を示
す。
【0040】
図1の例において、流体冷却供給システム12は処置システム17に結合される。処置シス
テム17は、患者内に少なくとも部分的に位置決め可能とすることができる(
図4)。流体冷
却供給システム12は、流体を冷やし、流体をポンピングし、処置システム17を通じて流体
を供給するように構成される。閉ループシステムでは、流体冷却供給システム12は、流体
容器22と、流体24と、冷却システム26と、熱交換器カートリッジ28と、供給ライン14及び
戻りライン16とを備えることができ、これらは共に協働して、処置中に冷却された流体を
、処置システム17を通して循環させる。供給ライン14は、流体容器22を起点とし、カート
リッジ28を通ってポンプ30に沿って延在する。供給ライン14は、ポンプ30の動作中の供給
ライン14の振動を減衰させるためのパルスダンパー37を通って延在することができる。最
終的に、供給ライン14は、患者内に位置決め可能な処置システム17内に延在する。供給ラ
イン14と流体連通する戻りライン16は、処置システム17を起点とし、処置中に流体を再循
環させるために患者内から容器22に戻るように延在する。
【0041】
図2は、冷却システム26の一部分の展開図を更に示す。冷却システム26は、ハウジング3
2と、冷却デバイス36と、熱交換器カートリッジ28と、制御装置42と、ポンプ30とを備え
ることができる。ハウジング32は、第1の部分31と、第2の部分33と、第1の部分31に結合
された前板34とを備える。ハウジング32の第1の部分31及び第2の部分33は、互いに取り外
し可能に取り付けられ、システムの様々な構成要素を構造的に支持及び収容するように構
成される。冷却デバイス36は、前板34を少なくとも部分的に通って延在するサーマルプレ
ート38を有する。前板34は、ハウジング32の第1の部分31のフロントエリアに固定される
。前板34及びハウジング32は協働して、冷却デバイス36を構造的に支持し、サーマルプレ
ート38を実質的に垂直に位置決めする。前板34は、冷却デバイス36のサーマルプレート38
を受け、サーマルプレート38に対しカートリッジ28を付勢するのを容易にするための開口
34aを備える(
図7B)。ハウジング32は、冷却デバイス36の更なる支持のために冷却デバイ
ス36と前板34との間に位置決めされ、前板34を通ってサーマルプレート38が出て行くこと
を可能にするスペーサ40を更に備える。
【0042】
冷却デバイス36は、例えば、サーマルプレート38と、ホットプレート39と、フィン46と
、ファン48とを備える従来のTECとすることができる。ハウジングの前面部分31は、サー
マルプレート38がハウジング32の外に延在するように冷却デバイス36を受ける開口35を備
える。冷却デバイス36の支持プレート47は、冷却デバイス36を適切に位置決めするように
ハウジング32の第1の部分31に固定することができる。支持プレート47は、更なる構造的
支持のためにスペーサ40及び前板34に更に固定することができる。
【0043】
スペーサ40は、前板34と冷却デバイス36との間に結合される。スペーサ40は、サーマル
プレート38が出て行くことを可能にし、前板34の開口34aに隣接してサーマルプレート38
を位置決めする開口40aを備える。スペーサ40は、サーマルプレート38及びホットプレー
ト39の外周の回りに延在する。したがって、スペーサ40の外面49及びサーマルプレート38
の平面51は、互いに対し実質的に平面であり(
図7B)、このため、カートリッジ28はサーマ
ルプレート38に付勢され得る。
【0044】
熱交換器カートリッジ28は、第1の板41及び第2の板43を備える。磁石99が第2の板43に
位置決めされる(
図6A)。スペーサ40は、熱交換器カートリッジ28の磁石99を係合するため
に対応する位置に位置決めされた4つの磁石53を備える。このため、第2の板43の磁石99は
、カートリッジ28をサーマルプレート38に取り外し可能に結合するために、スペーサ40内
の磁石53に磁気的に結合される。このため、第1の板41は、所与の付勢力でサーマルプレ
ート38の平面51に付勢され、カートリッジ28に収容される流体の熱伝導を生じさせる(
図6
A~
図6C及び
図7B)。
【0045】
制御装置プレート55は、ハウジング32の第1の部分31のフロントエリアに固定すること
ができる。制御装置プレート55は、ポンプ30を受けるための開口57を備えることができる
。ポンプ30は、使用可能な蠕動ポンプ等を用いて供給ライン14に結合するためのカバー50
及び回転デバイス59を有する蠕動ポンプとすることができる。流体供給チューブは、回転
デバイスと接触してポンプ内に配置される。回転デバイス上のカム表面によって、流体供
給ラインにおいて流体の周期的な加圧が生じる。ポンプ30は、ポンプ30の上流側及び下流
側にクランプ機構を備え、ポンプ方向が逆になったときに流体供給ラインが回転デバイス
内に引き込まれないことを確実にすることができる。本例では、ポンプ30はカートリッジ
28の下流に位置決めされ、処置システムの通常動作中に、カートリッジ28が負の流体圧力
を受け、処置システム17が正の流体圧力を受けるようにする。
【0046】
パルスダンパー37は、制御装置プレート55に取り外し可能に取り付けることができる。
ダンパー37は、例えば、入り口及び出口を備えるチャンバーとすることができる。チャン
バーは、ポンプの直接下流に、ある流体体積を蓄積する。ダンパーは、ポンプの回転デバ
イスによって生成される圧力振動を平滑化するという点で、信号フィルタリングデバイス
におけるコンデンサと同様の方法で機能する。
【0047】
制御装置システム60は、制御デバイス62と、流体温度、圧力及び速度を制御するための
制御装置42とを備える。制御デバイス62は、制御装置プレート55上に設けられ、制御装置
42に結合される。施術者は、制御デバイス62を操作してシステムを制御することができる
。制御装置42はポンプ30に機能的に結合され、ポンプ30の速度及び方向を調整し、それに
よって、システムを通って循環する流体の流れ方向及び体積量を調整することができる(
図3)。制御装置42は冷却デバイス36にも機能的に結合され、カートリッジ28内の流体の温
度を調整し、それによって処置システム17を通って循環する流体の温度を調整し、それに
よって処置デバイス及び/又は患者の組織の温度を更に調整することができる(
図4)。流体
及び組織の温度、組織インピーダンス、及び処置デバイスへの流体供給を検出するセンサ
ー(例えば、圧力センサー、温度センサー、熱電対、接触センサー等)からのフィードバッ
クに基づいて性能を最適化することができる。したがって、患者組織の表面温度が過度に
熱くなる場合、表面組織を保護しながら深部の損傷を生成するために、冷却デバイス36に
よって流体冷却を増大させることができ、かつ/又は電極電流を減少させることができる
。
【0048】
図3は、本開示の1つの態様による処置システム101の概略図である。処置システム101は
、冷却システム26と、熱交換器28と、流体容器22とを有する流体冷却供給システム12を備
える。流体冷却供給システム12は、冷却デバイス36と、制御装置42と、ポンプ30とを備え
る。熱交換器28は、流体容器22と、冷却デバイス36と、ポンプ30とに結合される。供給経
路66及び戻り経路68は流体冷却供給システム12から延在し、患者64内に位置決めすること
ができる処置デバイス20に結合される。供給経路66は流体容器22を起点とし、熱交換器28
を通じて延在し、次にポンプ30を通り、その後、患者64内を延在して処置デバイス20に結
合される。戻り経路68は、システム101を通る流体の再循環のために、処置デバイス20を
起点とし、流体容器22において終端する。代替的に、戻り経路68は開ループシステムにお
いて廃棄物容器67に結合することができる。
【0049】
示される例では、ポンプ30は、流体容器22から熱交換器28を通して負の圧力で流体を引
き出す。流体は、熱交換器28を通って移動するときに、冷却デバイス36によって冷やされ
る。次に、流体は供給経路66を介して正の圧力でポンプ30によって処置デバイス20に供給
される。流体は、処置デバイス20を通って循環され、処置デバイス20から戻される。いく
つかの態様では、熱交換器28は、流体交換器28内に流体容器22を備えることができる(
図6
C)。
【0050】
この例では、ポンプ30は、矢印Pによって示されるように、前進ギア及び後退ギアを備
える。前進ギアは、流体容器22から、熱交換器28を通して流体を引き出し、冷やされた流
体を、処置デバイス20を通して循環させる。逆に、後退ギアは、熱交換器28を通して流体
を逆方向に押し出し、システム101の一部分に存在し得る気体を排出する。いくつかの態
様では、ポンプ30は、処置デバイスへの流体送達量を制御するために、ポンプの速度を可
変制御するための制御装置に結合される。このため、処置デバイスの大きさ及び付加圧力
は、可変速制御装置によって制御することができる。更に、非接触圧力測定デバイスは、
ポンプに電気的に結合され、例えば、非接触圧力測定デバイスによって測定された圧力に
応答してポンプの速度を変動させること等によってシステム圧力を調整するために、流体
経路の高圧側に近接して位置決めされ得る。
【0051】
いくつかの態様では、ポンプ30aは処置デバイス20の下流に設けられ、処置デバイス20
から流体を引き出す。したがって、ポンプ30及び補助ポンプ30aは協働して、システムを
通して冷やされた流体を循環させるように機能する。ポンプ30aは、処置デバイス20から
最大で14psiの流体圧力を引き出すことができる。したがって、処置デバイス20の下流の
圧力は、約10psi~20psi等、より低くすることができる一方で、処置デバイス20の上流の
圧力は、約80psi~100psi等、より高くすることができる。処置デバイスの下流の追加ポ
ンプを提供するそのような構成によって、患者の処置領域における冷却が改善する。なぜ
なら、1つのポンプで流体を押し出し、一方で別のポンプで流体を引き出すことを同時に
行うことにより、処置デバイスを通る流量が増大するためである。更に、処置デバイス20
からポンプ30aを介して流体を引き出すことによって、そのような追加のポンプを用いな
い場合よりも処置デバイス20における流体圧力を低くすることができる。いくつかの態様
では、ポンプ30aは、システムを通して流体を循環させる唯一のポンプ又はデバイスであ
る。そのような構成は、処置デバイスの下流で更に流体圧力を下げることができる。
【0052】
図4は、本開示の1つの態様による処置システム201を示す。処置システム201は、流体冷
却供給システム12と、肺処置システム19とを備えることができる。流体冷却供給システム
12は、供給ライン14及び戻りライン16によって肺処置システム19に結合することができる
。肺処置システム19は、制御部分68と、操向機構70と、ビデオシステム72とを有する可撓
性の気管支鏡18を備えることができる。可撓性の気管支鏡18は、患者の身体の外部の制御
セクション76から、気管78を通って、患者の肺81の左主気管支80内の処置部位の処置デバ
イス20まで延在する挿入管74を備えることができる。処置デバイス20は、左主気管支80内
に位置決めされ得るか、又は右主気管支内、葉気管支内、及び中間管気管支内等の他の場
所に位置決めされ得る。処置デバイス20は、蛇行した気道を通って、例えば、葉の一部、
葉全体、複数の葉、又は一方の肺若しくは双方の肺の除神経等の、多岐にわたる様々な手
順を行うようにナビゲートされ得る。いくつかの実施態様では、葉気管支は、肺葉を除神
経するように処置される。処置の有効性に基づいて、外科医は追加の葉を同時に又は連続
して処置することができる。
【0053】
操向機構70は気管支鏡18に結合され得、供給ライン14及び戻りライン16を受けて、気管
支鏡18内へ、最終的には処置デバイス20へラインが出て行くことを可能にすることができ
る(
図5)。気管支鏡18はビデオシステム72に結合することができ、ビデオシステム72は、
挿入管74が制御部68の助けにより操向されるときに、施術者がモニター82上で患者を通る
挿入管74の移動を観察することを可能にする。ビデオシステム72は、施術者が、流体が処
置デバイス20に供給されるか否かを判断することを可能にすることができる。気管支鏡18
を制御部68に結合して、処置デバイス20に送達されるエネルギー量等の、処置のいくつか
又は全ての態様を制御することができる。
【0054】
流体冷却供給システム12は、
図1~
図3を参照して説明したシステムに関連して同じ特徴
又は同様の特徴を有することができる。流体冷却供給システム12の供給ライン14は、流体
容器22を起点とし、熱交換器28及びポンプ30を通る。供給ライン14は、ダンパー37を通り
、次に処置デバイス20への流体供給のための操向機構70を通って延在する。戻りライン16
は処置デバイス20を起点とし、操向機構70から流体容器22に戻るように延在する。したが
って、ポンプ30は、流体が冷却デバイス36によって冷やされている間、流体容器22から熱
交換器28を通って流体を引き出すことができる(
図3)。流体は、熱交換器28の流体通路114
を通って進むことができる。次に、流体は、供給ライン14を介して正の圧力で処置デバイ
ス20に供給することができる。流体は、処置デバイス20を通って循環され、閉ループシス
テムにおいて処置デバイス20から流体容器22に返され得る。冷却デバイス36及びポンプ30
は制御装置デバイス62によって手動で制御され得る。
【0055】
図5は、本開示の一態様による処置システム301を示す。システム301は、患者内に位置
決めされた処置デバイス20’を通って流体を循環させるための、処置デバイス20’に結合
された流体冷却供給システム12を備える。説明のために、処置デバイス20’は、気管支80
内に位置決めされた側面図に示される。例として、処置デバイス20’と流体連通した供給
経路66及び戻り経路68を有する
図3の流体冷却供給システム12の概略図が示される。流体
冷却供給システム12は、例えば
図3を参照して説明された特徴及び
図8を参照して説明され
る特徴と同じ特徴のうちのいくつか又は全てを含むので、
図5を参照して詳細には説明し
ない。
【0056】
いくつかの態様では、処置デバイス20’は、細長部材91の遠位端から延在する拡張可能
部材82を備える。
図5Aは、線5A-5Aに沿って見た細長部材91の断面図を示す。細長部材91
は、供給管腔93及び戻り管腔95を備えることができる。供給管腔93は、流体冷却供給シス
テム12の供給経路66と流体連通し、戻り管腔95は、戻り経路68と流体連通する。流体供給
通路97も細長部材91の遠位端から、拡張可能部材82の外周の一部の回りを通って拡張可能
部材82の遠位端まで延在する。流体供給通路97の近位端は、供給管腔93と流体連通してお
り、流体供給通路97の遠位端は、拡張可能部材82の内部と流体連通している。戻り管腔95
は、拡張可能部材82の近位端において拡張可能部材82の内部と流体連通している。戻り管
腔95は、細長部材91において供給管腔93を取り囲むことができる。供給管腔93内の流体は
、戻り管腔95内の冷却流体よりも高い圧力にあり、かつ低い温度である。有利には、戻り
管腔95内に供給管腔93を配置することによって、処置デバイス20’の送達サイズが低減さ
れ、供給管腔93における熱損失が低減する。流体供給通路97の外側表面に、患者の気管支
80に隣接して損傷92を形成するための電極90が付けられる。
【0057】
流体は、電極90へのエネルギー送達中に、流体冷却供給システム12によって処置デバイ
ス20’を通して循環される。流体は、供給管腔93から、流体供給通路97を通って拡張可能
部材82まで連続して循環され、次に戻り管腔95から出る。流体供給通路97及び拡張可能部
材82を通って循環する流体は、気道の内壁と、気道壁内に、気道の内壁から径方向に間隔
を開けて位置する標的処置領域との間の組織領域を保護する。この例では、処置デバイス
20はエネルギーを用いて標的領域に損傷を与える。本明細書において用いられるとき、「
エネルギー」という用語は、限定ではないが、熱エネルギー、極低温エネルギー(例えば
、冷却エネルギー)、電気エネルギー、音響エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、無
線周波数エネルギー、パルス式高電圧エネルギー、機械エネルギー、イオン化放射、光学
的エネルギー(例えば、光エネルギー)、マイクロ波及びそれらの組み合わせ、並びに組織
を処置するのに適した他のタイプのエネルギーを含むように広義に解釈される。いくつか
の実施態様では、処置デバイスはエネルギー及び1以上の物質(例えば、放射性シード、放
射性材料等)、処置薬等を送達する。
図5及び
図5Aに示す例では、処置デバイスは、それぞ
れ超音波、マイクロ波、電気エネルギー及び/又は無線周波数(RF)エネルギーを出力する
ように動作可能な1以上の電極90を備えることができる。
【0058】
いくつかの態様では、流体は、電極90に直接隣接する流体冷却供給システム12によって
循環される。したがって、電極90に隣接して供給管腔及び戻り管腔を位置決めすることが
でき、これらは電極90の表面にわたって高質量の流量の冷やされた流体を提供することが
できる。
【0059】
別の例では、拡張可能部材内に、冷却された流体を循環させるように構成されるエネル
ギー送達部が配置される。例えば、超音波エネルギー送達デバイス又はマイクロ波アンテ
ナを膨張可能なバルーン内に配置することができ、これを通じて、冷却された流体が循環
される。
【0060】
エネルギー送達デバイスを通る冷やされた流体の連続した流れにより、エネルギー送達
部が、患者の組織を通って同じ量のエネルギーを送達しながら、はるかに深部の損傷を形
成することが可能になる。このため、標的領域における神経組織がより効果的にかつ効率
的に損傷を受けるので、本開示において説明されるように、処置デバイス全体にわたって
連続して冷やされた流体を提供しない場合よりも、標的領域において処置がより迅速でよ
り効果的になる。
【0061】
上記で言及したように、
図1~
図5Bを参照して検討した熱交換器は、代わりにバッグ等
の弾性体であり得る。このバッグは、バッグ内に収容された、又はそこを通って移動する
液体から熱伝導を生じさせるために所与の付勢力を用いて冷却デバイスに取り外し可能に
結合される。バッグは、本明細書において検討されるカートリッジと同じ又は類似した特
徴を含むことができる。例えば、バッグは蛇行パターンを有する流体通路を有することが
できる。バッグは、患者内に位置決めされた処置デバイスと流体連通する出口ポートを有
することができる。本開示の別の場所で更に説明するように、患者の選択された送達温度
まで流体を冷やすための所与の力を用いてバッグを付勢するように構成される少なくとも
1つの付勢メカニズムがバッグに結合され得る。少なくとも1つの付勢のメカニズムは、冷
却デバイスに取り外し可能に取り付けられたプレートとすることができ、バッグが冷却デ
バイスとプレートとの間に位置決めされるようにするか、又はバッグが、物体に対し付勢
力を呈するクランプ又は他のデバイス等の他の付属デバイスによって冷却デバイスに対し
付勢され得るようにする。バッグは冷却デバイスに隣接して位置決めされ、2ミリメート
ル~4ミリメートルの厚みを有する膜を備えることができるが、この厚みは、バッグの材
料に依拠して2ミリメートル未満とすることができる。更に、バッグは冷却デバイスの上
に水平に位置決めすることができ、金属プレート等の重りをバッグの上に位置決めして、
流体を所望の流体温度まで冷却するのに十分な付勢力を与えることができる。バッグと冷
却デバイスとの間の所与の付勢力は、5ポンド~10ポンドの力としてもよく、そのような
範囲を超えて変動してもよい。
【0062】
他の実施態様では、カートリッジ及びバッグを一緒に用いることができる。例えば、カ
ートリッジは、流体を収容するように構成されるバッグを受けるスロットを有することが
できる。バッグは、スロット内に挿入することができ、流体をバッグ内に挿入し、それに
よってスロット内でバッグを膨張させることができる。これによって、バッグとカートリ
ッジの熱表面との間で、冷却デバイスによる流体の熱伝導を生じさせるのに十分な所与の
付勢力が与えられる。カートリッジは、例えばこの冷却デバイスに対し隣接して位置決め
される。
【0063】
図6A及び
図6Bは、本開示の1つの態様による熱交換器カートリッジ28を示す。
図6Aは、
互いに固定された第1のプレート41及び第2のプレート43を有するカートリッジ28を示す。
第1のプレート41は、好ましくは、銅等の伝熱性材料で構成され、冷却デバイス36に対し
付勢するための伝熱性表面98を備える(
図1及び
図2)。第1のプレート41は、銅材料の上に
、熱交換器カートリッジ28内の流体と冷却デバイス36との間の熱伝導を改善するための、
0.5ミクロン~1ミクロンの銀材料を含むことができる。これによって、流体が熱交換器
カートリッジ28において接触するための生体適合性のある不活性表面ももたらされる。第
2のプレート43は、好ましくは、ポリマー、ABS、ナイロン又はポリカーボネート等の断熱
材で構成される。断熱発泡体又は天然コルク断絶材をカートリッジ28の内部又はカートリ
ッジ28の外面に設置して、流体をカートリッジ28の周りの周囲大気温度から断熱してもよ
い。
【0064】
カートリッジ28は、カートリッジに固定された4つの磁石99を含むことができる少なく
とも1つの付勢メカニズムを有することができる。第2のプレート43のそれぞれの角部にお
いて磁石99をボア100内に固定することができる。代替的に、本開示において更に検討さ
れるように、1つの長い磁石又は複数の磁石をカートリッジの様々な部分に沿って固定し
、冷却デバイスに対し同じ付勢力を達成することができる。カートリッジ28の4つの角に
磁石99を固定することによって、第1のプレート41の伝熱性表面98と冷却デバイス36のサ
ーマルプレート38との間の改善された面間接触がもたらされる。なぜなら、磁石は、サー
マルプレート38に対し付勢されると、伝熱性表面98の表面エリアのほとんど又は全てに沿
って均一な付勢力を与える傾向にあり、それによって、処置中の流体からの一貫した効率
的な熱伝導を改善及び維持するためである(
図7B)。
【0065】
カートリッジ28は、第2のプレート43の第1の端部106の上側部分104に位置決めされた入
り口ポート102と、第2のプレート43の第2の端部112の下側部分110に位置決めされた出口
ポート108とを更に備える。入り口ポート102は、流体容器に結合可能とすることができ、
出口ポート108は患者内に位置決めされた処置デバイスに結合可能とすることができる。
【0066】
図6Bの参照を続けると、第2のプレート43は、入り口ポート102及び出口ポート108に流
体連通した流体通路114を備える。流体通路114は、上側部分104から下側部分110まで垂直
にカートリッジ全体にわたって蛇行し、それによってシステム内の任意の気体が流体通路
114の上側部分に向かって上昇する傾向を有することができる。流体通路114は、流体が中
を横切る実質的に平坦な断面エリアを有するように形成される(
図6D)。これによって、流
体が実質的に薄く平坦に第1のプレート41の隣を横切り、それによって熱力学原理によっ
て流体からの熱伝導を最大にすることができるので、処置中の流体からの熱伝導を改善す
るという1つの利点がもたらされる。第2のプレート43は、伝熱性表面98が第2のプレート4
3の付勢表面118と実質的に同一平面であり平坦であるように第1のプレート41を受けるよ
うに形成された外周凹部116を更に備える。外周凹部116は、第1のプレート41を第2のプレ
ート43に固定するための接着剤を受けることができる封止通路120を備えることができる(
図6D及び
図6E)。したがって、第1のプレート41は、第1のプレート41の様々な部分にわた
って第2のプレート43に固定することができ、これによって、吸引力又は他の力に起因す
る第1のプレート41の隆起又は歪みを防止又は低減することができる。結果として、カー
トリッジの特定の構成に起因して第1のプレート41とサーマルプレート38との間の表面間
のより大きな接触が維持されるので、熱伝導が増大する。
【0067】
図6Cは、本開示の1つの態様による熱交換器カートリッジ28’を示している。カートリ
ッジ28’は、
図6A及び
図6Bを参照したのと同じ又は同様の特徴を備えることができる。カ
ートリッジ28’は、第1のプレート41’及び第2のプレート43’と、第2のプレート43’の
それぞれの角におけるボア100に位置決めされた4つの磁石99とを備える。このため、カー
トリッジ28’は、
図6A及び
図6Bを参照して検討したものと同じ又は類似の特徴のうちの多
くを備えるが、以下の少なくとも1つの顕著な違いを有する:第2のプレート43’は、完全
にカートリッジ28’の空洞124内に収容される流体容器122を備え、外部流体容器が流体冷
却供給システムを動作させる必要がないようにする。流体容器122から、流体通路114’は
、最上部から最下部まで垂直にカートリッジ全体にわたって蛇行し、それによってシステ
ム内の任意の気体が流体通路114’の上側部分、そして流体容器122に向かって上昇する傾
向を有することができる。流体容器122をカートリッジ28’の内部に設けることによって
、施術者が処置間に扱い、接続及び接続解除しなくてはならない様々な供給管及び接続部
を有する外部容器を提供する必要がもはやなくなるので、滅菌状態が改善されるという利
点がもたらされる。流体容器122をカートリッジ28’の内部に提供することによって、冷
却デバイスの迅速な取り付け、処置中の流体の滅菌使用、及び処置間のカートリッジの容
易な取り外し及び交換のための、容易に製造し、施術者に供給することができる使い捨て
カートリッジを有するという利点が更にもたらされる。いくつかの態様では、小さなバッ
グを空洞124内に位置決めし、流体通路114’に結合することができる。このようにして、
流体がバッグから引き出されるとバッグは折り畳まれるので、動作中に流体通路114’内
の流体圧力が一定に保たれる。
【0068】
いくつかの実施態様では、本開示において検討する各カートリッジにおける流体通路の
角部は、
図6Cにおける角部121の陰影線によって示されるような比較的大きな半径を有す
ることができる。角部121は、流体通路の水平の側壁及び垂直の側壁間の漸進的な遷移を
与え、そうでなければ流体通路の角に詰まる場合がある気泡の表面張力を克服するのに役
立つ。これによって、カートリッジが、例えばより小さな半径の角を有する場合よりも、
流体通路における気泡が少なくなるので、カートリッジ内の流体圧力が増大することにな
る。
【0069】
図6Dは、
図6Aの線6D-6Dに沿って見た熱交換器カートリッジ28の断面図を示す。
図6Eは
、
図6Dの一部を示す。
図6D及び
図6Eに示す特徴は、
図6Cを参照するのと同じ又は同様の特
徴を備えることができる。カートリッジ28は、互いに固定された第1のプレート41及び第2
のプレート43を備える。第2のプレート43は、カートリッジ28全体にわたって第1のプレー
ト43の隣を蛇行する流体通路114を備える。第2のプレート43は、第1のプレート41を第2の
プレート43に固定するための接着剤を受けることができる外周凹部116及び封止通路120を
備える。したがって、第1のプレート41は、第1のプレート41の様々な部分にわたって第2
のプレート43に固定することができ、これによって、吸引力又は他の力に起因する第1の
プレート41の歪みを防止又は低減することができる。
図1~
図5を参照して示し検討した構
成によって、比較的薄い第1のプレート41(本明細書において更に検討される)が可能にな
り、これによって、流体を冷やす流体通路114内の流体からの熱伝導が改善される。
【0070】
第1のプレート41は、カートリッジ28とサーマルプレート38との間に実質的に平坦な面
を維持するための厚みTを有することができる。真空下に設置したとき、第1のプレート41
が特定の金属には薄すぎる場合、第1のプレート41は複数の場所に波形表面を呈する場合
があり、この場所に沿って流体通路114が位置決めされる。これによって、伝熱性表面41
と、サーマルプレート38の平面51との間にエアポケットが生成される場合があり、これに
よって、結果として流体からの熱伝導が不良になる。いくつかの実施態様では、第1のプ
レート41の厚みTは0.005インチと0.01インチとの間であるが、厚みTはそのような範囲を
超えて変動することができる。好ましくは、厚みTは0.01インチである。
【0071】
更に、流体通路114の断面外形は、直角外形を有すること(
図6D)と比較して、半径を有
する角Rを備えることができる(
図6E)。角Rは、説明のために、流体通路の下側角部に示さ
れるが、角Rは、理想的には流体通路の上側部分に形成され、特に、流体通路が1つの垂直
通路区域から水平通路区域に遷移する上側の角の近くで(
図6C)、そうでなければ直角であ
る角に気泡がトラップされることを防ぐ。丸い角を設けることによって、通路が例えば直
角の角を有する場合よりも、流体通路内の気泡が少なくなるので、カートリッジにおける
流体圧力を増大させることができる。
【0072】
図7A及び
図7Bは、1つの態様による熱交換器カートリッジ28の上面図を示す。カートリ
ッジ28は、
図1~
図6Eを参照するカートリッジと同じ又は同様の特徴を有することができ
る。したがって、カートリッジは、互いに固定された第1のプレート141及び第2のプレー
ト143を備えることができる。第1のプレート141は伝熱性表面98を備えることができる。
カートリッジ28の対向する端部において磁石99をカートリッジ28に固定することができる
。同様に、サーマルプレート38及びホットプレート39を有する冷却デバイス36も、
図1~
図4を参照して説明したのと同じ又は同様の特徴を有することができる。サーマルプレー
ト38は、カートリッジ29の伝熱性表面98に対し付勢する平面51を備える。サーマルプレー
ト38及びホットプレート39の外周の回りにスペーサ40が延在することができる(
図2)。ス
ペーサ40は、カートリッジ磁石99に対して対応する位置に位置決めされる磁石53を備える
ことができる。スペーサ40は、サーマルプレート38の平面51と実質的に平面である外面49
を備え、これらは合わせて同一面上の面領域を提供し、この上にカートリッジ28が付勢す
ることができる。
【0073】
カートリッジ28は、サーマルプレート38から切り離されているときに第1の状態Aにあり
(
図7A)、サーマルプレート38に係合されているときに第2の状態Bにある(
図7B)ように製造
又は形成され得る。したがって、
図7Aは、第1の状態A(プレストレスト構成)におけるカー
トリッジ28を示す。これは、サーマルプレート38の平面51に対し凸形状を有する外形のカ
ートリッジ28の第1のプレート141及び第2のプレート143を形成することによって達成され
る。したがって、カートリッジ28の第1の端部106及び第2の端部112は、カートリッジの中
央エリア115から僅かに離れて位置決めすることができ、これはカートリッジ28の端部106
、112に示す距離Xによって示される。
図7Bに示すように、カートリッジ28が冷却デバイス
36に係合されると、プレストレスト形状及び磁力に起因して、カートリッジ28はサーマル
プレート38と同一面で付勢される。このため、カートリッジ28は、磁力に起因して平坦化
する傾向があるので、サーマルプレート38に対し実質的に平坦な外形を有する。そのよう
な構成及び付勢手段は、冷却デバイス36の第1のプレート141の伝熱性表面98とサーマルプ
レート38との間の改善された面間接触を与え、それによって、熱損失を低減しながら改善
された熱伝導をもたらす。熱伝導を改善し、熱損失を低減することは、患者の処置中に重
要である。なぜなら、本開示において検討される肺処置システム等のいくつかの処置シス
テムは、処置中の所与の時間量について所与の流体温度及び所与の流体圧力を必要とし得
るためである。
【0074】
図8及び
図9は、本開示の1つの態様による処置システム210を示す。
図8は、供給ライン2
14及び戻りライン216によって互いに結合された流体冷却供給システム212及び肺処置シス
テム217を有する処置システム210を示す。
図9は、
図8の流体冷却供給システム12のいくつ
かの構成要素の部分展開図を示す。
【0075】
図8~
図13Bに示す処置システム210は、
図1~
図7Bを参照して説明し示したシステムの特
徴と同じ又は同様の特徴を有することができる。したがって、肺処置システム217は、処
置デバイス20と、制御部68と、操向機構70と、ビデオシステム72とを有する可撓性の気管
支鏡18を備えることができる。可撓性の気管支鏡18は、患者の身体の外部にある制御区間
76から、気管78を通って、患者の肺81の左主気管支80内の処置部位まで延在する挿入管74
を備えることができる。処置デバイス20は、左主気管支80内に位置決めされ得るか、又は
右主気管支内、葉気管支内、及び中間管気管支内等の他の場所に位置決めされ得る。処置
デバイス20は、蛇行した気道を通って、例えば、葉の一部、葉全体、複数の葉、又は一方
の肺若しくは双方の肺の除神経等の、多岐にわたる様々な手順を行うようにナビゲートさ
れ得る。いくつかの実施態様では、葉気管支は、肺葉を除神経するように処置される。処
置の有効性に基づいて、外科医は追加の葉を同時に又は連続して処置することができる。
【0076】
操向機構70は気管支鏡18に結合され得、供給ライン214及び戻りライン216を受けて、気
管支鏡18へ、最終的には処置デバイス20へラインが出て行くことを可能にすることができ
る。気管支鏡18はビデオシステム72に結合することができ、ビデオシステム72は、挿入管
74が制御部68の助けにより操向されるときに、施術者がモニター82上で患者を通る挿入管
74の進行を観察することを可能にする。ビデオシステム72は、施術者が、流体が流体冷却
供給システム212から処置デバイス20に供給されるか否かを判断することを可能にするこ
とができる。更に、気管支鏡18を制御部68に結合して、処置デバイス20に送達されるエネ
ルギー量等の、処置のいくつか又は全ての態様を制御することができる。したがって、気
管支鏡18の処置デバイス20は、流体冷却供給システム212の供給ライン214及び戻りライン
216に流体連通している。したがって、流体冷却供給システム212は、流体を冷却し、流体
をポンピングし、処置デバイス20を通して流体を循環させるように適合される。
【0077】
図8及び
図9の参照を継続すると、いくつかの態様では、流体冷却供給システム212は:前
板234を有するハウジング232と;前板234を通って延在するサーマルプレート238を有する
冷却デバイス236と;流体をポンピングするためのポンプ230と;前板234に結合され、冷却
デバイス236に対し付勢された熱交換器カートリッジ228と;カートリッジ228をサーマルプ
レート238に対し付勢するために前板234に結合されたカムシステム237と;ポンプ230及び
冷却デバイス236に結合された制御装置242と、を備えることができる。
【0078】
ハウジング232は、互いに、かつシステムの様々な構成要素を構造的に支持及び収納す
るように固定される第1の部分231と第2の部分233とを備えることができる。第1の部分231
は、冷却デバイス236の前面部分を受け、支持するための開口235を備えることができる。
冷却デバイス236は、一般的に入手可能なTECのように、サーマルプレート238と、ホット
プレート239と、フィン246と、ファン248とを備える。サーマルプレート238は、カートリ
ッジ228に対し付勢するための平面251を備えることができる。冷却デバイス236は、ハウ
ジング232の第1の部分231に固定された支持プレート247を備えることができる。スペーサ
240は、冷却デバイス236の更なる支持のために、及び前板234を通ってサーマルプレート2
38が出て行くことを可能にするために、冷却デバイス236と前板234との間に固定すること
ができる。
【0079】
いくつかの態様では、カートリッジ228は前板234に摺動可能に結合され、冷却デバイス
236のサーマルプレート238に対して付勢される(
図11A及び
図11B)。以下で更に検討するよ
うに、カートリッジ228は、カートリッジ228内に含まれる流体容器222を備えることがで
きるか、又はシステムは、カートリッジ228の外側に、カートリッジ228と流体連通した外
部流体容器を有することができる。示す態様では、カートリッジは供給ライン214に結合
された出口ポート208を備える。供給ライン214は、ポンプ230に沿って、次に気管支鏡18
を通って、患者内の処置デバイス20に更に結合される。したがって、供給ライン214は処
置デバイス20と流体連通し、同様に処置デバイス20と流体連通した戻りライン216は、閉
ループシステムにおける処置中の流体の再循環のために、挿入管74からカートリッジ228
に戻るように延在する。代替的に、戻りライン216は、開ループシステムにおいて廃棄物
容器219まで延在することができる。
【0080】
図9の参照を継続すると、前板234は、ハウジング232のフロント部分231に取り付けられ
る。前板234及びハウジング232は協働して、冷却デバイス236及びポンプ230を構造的に支
持する。前板234は、冷却デバイス236のサーマルプレート238を受け、冷却デバイス236に
対するカートリッジ228の付勢を容易にするための開口243を備える。前板234は、ポンプ2
30の一部を受けるための開口244を備えることができる。ポンプ230は、供給ライン214に
結合するためのカバー250及び回転デバイス259を備えることができる。重要なことに、ポ
ンプ230は、カートリッジ228の下流に位置決めされ、カートリッジ228内の流体が負の流
体圧力を受けるようにし、処置デバイス20に供給される流体が、処置システムの通常動作
中に正の流体圧力を受けるようにする。前板234は、システムの態様を制御するために制
御装置242に結合された制御デバイス262を備えることができる。制御装置242はポンプ230
に結合され、ポンプ230の速度及び方向を調整し、それによって、システムを通って循環
する流体の流れ方向及び体積を調整することができる。制御装置242は冷却デバイス236に
も結合され、カートリッジ228内の流体の温度を調整し、それによって処置システム20を
通って循環する流体の温度を更に調整し、それによって処置中の患者組織の温度を調整す
ることができる。
図8及び
図9を参照して検討される処置デバイス20は、
図1~
図7B、特に
図5を参照して検討された特徴と同じ又は同様の特徴を備えることができることが理解さ
れよう。
【0081】
図10は、
図8及び
図9のいくつか又は全ての特徴を備えることができる1つの態様による
処置システム310の概略図を示す。処置システム310は、患者264内に位置決めされる処置
デバイス20に結合された流体冷却供給システム212を備える。流体冷却供給システム212は
、冷却デバイス236と、熱交換器228と、ポンプ230と、制御装置242とを備える。制御装置
242は、温度及び液体循環を調整するために冷却デバイス236及びポンプ230に結合され得
る。熱交換器228は、冷却デバイス236に取り外し可能に結合され得る。供給経路266は、
熱交換器228内に完全に収容される流体容器222を起点とする。供給経路266は、冷やされ
た流体を患者264に供給するために、熱交換器228及びポンプ230を通って延在し、処置デ
バイス20において終端する。戻り経路268は、処置デバイス20を起点とし、再循環のため
に流体容器222に戻るか、又は廃棄物容器219に戻ることができる。したがって、流体は、
ポンプ230によって負の圧力で、容器222から熱交換器228を通って引き出すことができる
。流体は、熱交換器228を通って進むときに冷却デバイス236によって冷やされる。流体は
、ポンプ230によって正の圧力で処置デバイス20に供給される。流体は次に、処置デバイ
ス20を通って循環され、患者の264の外側の処置デバイス20から戻され得る。
【0082】
ポンプ230は、矢印Pによって示されるように、処置中に熱交換器228を通して流体を引
き出し、前方に押し出すための前進ギア及び後退ギアを備えることができる。前進ギアは
、システム310の通常動作中に熱交換器228から流体を引き出す。逆に、後退ギアは、熱交
換器228を通して流体を逆方向に押し出し、システム310に存在する場合がある気体を排出
することができる。ポンプ230の速度及び方向は制御装置242によって制御することができ
る。
【0083】
いくつかの態様では、ポンプ230は、処置デバイスの流体送達量を制御するために、ポ
ンプの速度を可変制御するための制御装置に結合される。このため、処置デバイスの大き
さ及び付加圧力は、可変速制御装置によって制御することができる。更に、非接触圧力測
定デバイスは、ポンプに電気的に結合され、例えば、非接触圧力測定デバイスによって測
定された圧力に応答してポンプの速度を変動させること等によってシステム圧力を調整す
るために、流体経路の高圧側に近接して位置決めされ得る。
【0084】
図11A~
図13Cは、流体冷却供給システム212の前板234、カムシステム237及びカートリ
ッジ228のいくつかの態様を示す。
図11A及び
図11Bは、前板234及びカートリッジ228の後
方斜視図を示す。前板はカムシステム237を備えることができ、カムシステム237は、係合
状態Eと切り離された状態Dとの間で作動されると、カートリッジ228の除去を可能にする
。
図12Aは前板234の側面図を示し、
図12Bは、前板234と、カムシステム237と、カートリ
ッジ228と、冷却デバイス236との、
図11Bの線12B-12Bに沿って見た断面図を示す。
図13A
~
図13Cは、カートリッジ228の様々な図を示す。
【0085】
図11A及び
図11Bの参照を継続すると、カートリッジ228は、互いに固定された第1のプレ
ート241と第2のプレート243とを備える。第1のプレート241は、冷却デバイスのサーマル
プレートに対し付勢するための伝熱性表面298を備える(
図9及び
図12B)。前板234は、開口
243及び受容面245を備える。開口243は、冷却デバイス236のサーマルプレートに対するカ
ートリッジ228の付勢を容易にするような大きさにされ得る。受容面245は、サーマルプレ
ート238が開口243を部分的に通って延在することができるように冷却デバイス236の一部
分を受けるような大きさにされる。前板234は、カートリッジ228を通って流体をポンピン
グするためのポンプを受ける開口244も有することができる。前板234は、カートリッジ22
8を冷却デバイスに付勢するために、カムシステム237を収容し、支持することができる。
いくつかの構成では、カムシステム237は、4つのカムローブ342を有するカムシャフト340
に結合されたカムレバー338を備える。カムレバー338は、カムシャフト340に直接取り付
けてもよく、又は他の構成ではカムシャフト340に動的に連結してもよい。カムシャフト3
40の長さに沿って4つのカムローブ342が形成され、互いに空間的に分離される。カムシス
テム237は、作動部材344及び作動デバイス346を備えることができる。各作動デバイス346
は、ピストンロッド354と、それぞれのピストンロッド354の下方に位置決めされたバネ35
6とで構成され得る。作動デバイス346は、作動部材344のそれぞれのボア348内に少なくと
も部分的に位置決めすることができ、カムローブ342の回転によってピストン354が下方向
に作動するように、それぞれのカムローブ342に隣接して位置決めすることができる(
図12
B)。
【0086】
カムシステム237が切り離された状態Dにあるとき、カムシステム237は、前板234がカー
トリッジ228を摺動可能に受けることを可能にするように位置決めされる。カートリッジ2
28が前板234内に完全に係合されると、カムシステム237は、カートリッジ228を前板234内
に固定し、カートリッジ228を冷却デバイス236のサーマルプレート38に付勢する(
図12B)
ために、矢印Cによって示される下方回転方向においてカムレバー338及びカムシャフト34
0を回転させることによって、係合状態Eに作動され得る。このため、カムローブ342は、
係合状態Eに動かされると、作動デバイス346のそれぞれのピストンロッド354に対し同時
に付勢する。これは作動デバイス346を矢印Fによって示される方向に下方に進める傾向に
あり、これは作動部材344を概ね矢印Gによって示される方向にカートリッジ228に対して
進める傾向にある。これについては以下で更に検討する(
図12B)。逆に、カムシステム237
が、カートリッジ228を除去するために係合状態Eから切り離された状態Dまで動かされる
と、カムレバー338を矢印Bによって示す方向に作動させることにより、カムシャフト340
及びカムローブ342が同様の方向に回転し、これは作動デバイス346に加わる力を除去する
傾向にあり、これは、カートリッジ228が除去され得るように、作動部材344によって加え
られる力を除去する傾向にある(
図11A)。上記で検討したように、カートリッジと冷却デ
バイスとの間で所与の十分な付勢力を与えると、カートリッジと冷却デバイスとの間の面
間接触が改善し、これは、患者に供給するためのカートリッジを通って横切る流体の効果
的で効率的な冷却に役立つ。
【0087】
図12Aは、本開示の1つの態様による
図11Aの前板234の左側面図を示す。前板234は、カ
ムシステム237が切り離された状態Dにあるときに、カートリッジ228を緩く受けるような
大きさにされたスロット358を備える。前板234は、カートリッジ228を密に受けるような
大きさにされた上側付勢面360及び下側付勢面362を備える。上側付勢面360は、サーマル
プレート238の平面251に実質的に平行でない角度で形成される(
図12B)。同様に、下側付
勢面362は、サーマルプレート238の平面251に実質的に平行でない角度で形成される。こ
のため、スロット358は、カートリッジ228を受けるための台形形状の断面外形を有するこ
とができ、カートリッジ228も、対応する台形形状の断面外形を有することができる(
図13
C)。
図12Aは、供給ライン214の通過を可能にするための切り離された状態Dのカムレバー3
38及び凹部364を更に示す(
図8及び
図9)。
【0088】
図12Bは、前板234と、前板234内に位置決めされたカートリッジ228と、カートリッジ22
8に隣接して位置決めされた冷却デバイス236及びサーマルプレート238と、係合状態Eにあ
るカムシステム237との断面図を示す。カムシステム237に関して、作動部材344は、サー
マルプレート238の平面251に対してある角度で形成される下側作動面366を備える。上記
で更に検討したように、カムシステム237をカムレバー338及びカムシャフト340を介して
係合するとき、カムローブ342は作動デバイス346を下方に進め、したがって、作動デバイ
ス346は作動部材344を矢印Fによって示す方向に下方に進める。結果として、下側作動面3
66はカートリッジ228の上側角度表面(upper angular surface)368を付勢し、同時に、下
側付勢面362はカートリッジ228の下側角度表面374を付勢し、これは、カートリッジ228を
矢印Gによって示す方向に内側に進める傾向にある。この構成及び動作の結果として、流
体からの熱伝導を生じさせ、カートリッジ228と冷却デバイス236との間の面間接触を改善
する所与の力で、カートリッジ228がサーマルプレート238に対し概ね側方に付勢される。
これは一部には、スロット358及びカートリッジ228の台形形状の外形に起因して、及び作
動部材344の角度表面に起因して達成され、これらは合わせて、矢印Gによって示される方
向にそれぞれの角度付き表面に沿って定位置にカートリッジ228を「摺動」させる傾向に
ある。このため、カムシステム237、前板234及びカートリッジ228は、カートリッジ228内
に収容される流体からの熱伝導を生じさせるようにカートリッジ228をサーマルプレート2
38に対し付勢するように協働して動作するような大きさにされる。
【0089】
図13Aは本開示の1つの態様によるカートリッジ228の正面斜視図である。カートリッジ2
28は、上記で検討したように前板234のスロット358への容易なカートリッジ228の挿入及
び除去のためにカートリッジの左端に位置決めされるハンドル370を備える。カートリッ
ジ228は、前板234へのカートリッジ228の挿入を許容するそれぞれの角度で形成される上
側角度表面368及び下側角度表面374を備える。カートリッジ228は、複数の横材375によっ
て画定される複数の空洞372を更に備える。空洞372は、システムの動作中にカートリッジ
228内の流体からの熱伝導を改善するような大きさにされ、フロント部分カートリッジに
沿って形成される。
【0090】
図13Bは、本開示の1つの態様によるカートリッジ228の背面斜視図を示す。カートリッ
ジ228は、互いに取り付けられた第1のプレート241と第2のプレート243とを備える。第1の
プレート241は、好ましくは銅材料で構成され、冷却デバイスに付勢するための伝熱性表
面298を備える(
図12B)。第1のプレート241は、熱交換器カートリッジ228内の流体と冷却
デバイス236との間の熱伝導を改善するために、銅材料の上に0.5ミクロン~1ミクロンの
銀材料を含むことができる。これによって、流体が熱交換器カートリッジ228において接
触するための生体適合性のある不活性表面ももたらされる。第2のプレート43は、好まし
くは、ABS、ナイロン又はポリカーボネート等の断熱材で構成される。断熱発泡体又は天
然コルク断絶材をカートリッジ28内又はカートリッジ28の外面に設置して、流体をカート
リッジ28の周りの周囲大気温度から断熱してもよい。第2のプレート243は、カートリッジ
228の上側部分376に位置決めされる流体容器322を備える。流体通路314が第2のプレート2
34上に形成され、流体容器322と流体連通する。流体通路314は、最上部から最下部まで垂
直にカートリッジ全体にわたって蛇行し、それによってシステム内の任意の気体が流体通
路314の上側部分376に向かって流体容器322内に上昇する傾向を有することができる。第2
のプレート243は、第1のプレート241を受けるように陥凹した封止表面240を備えることが
できる。封止表面240は、第1のプレート241を第2のプレート243に固定するための接着剤
を受けることができる。このため、第1のプレート241は、第1のプレート241の様々な部分
にわたって第2のプレート243に固定され、これによって、第1のプレート241に作用する吸
引力又は他の力に起因する銅プレートの歪みを防止することができる。
【0091】
第2のプレート243は、カートリッジ228の下側部分378に位置決めされ、流体通路314及
び流体容器322と流体連通する出口ポート308を備えることができる。出口ポート308は、
流体を患者に供給するための供給ラインに結合することができる。いくつかの態様では、
カートリッジ228は流体容器322と流体連通する入り口ポート302を備えることができる。
出口部分302は、患者内からの流体を戻すための戻りラインに結合可能とすることができ
る。いくつかの態様では、流体容器322は流体通路314及び出口ポート308と流体連通する
折り畳み可能なバッグを収容することができ、それによってシステムが受ける流体圧力は
低減されるか又は最小限にされる。いくつかの態様では、カートリッジ228はカートリッ
ジ内に収容される流体容器322を有しなくてもよい;カートリッジ228は単に、
図1に示すよ
うに外部容器に結合された流体通路を有してもよい。
【0092】
図13Cは、
図13A及び
図13Bの13C-13Cに沿って見たカートリッジ228の断面図を示す。カ
ートリッジ228は、互いに取り付けられた第1のプレート241と第2のプレート243とを備え
る。第1のプレート243は、流体容器322及び流体通路314に隣接して位置決めされた伝熱性
表面298を備える。第2のプレート243は、カートリッジ228の上側部分376に位置決めされ
た流体容器322と、流体容器322に流体連通した流体通路314とを備える。カートリッジ228
は、複数の横材375によって画定される複数の空洞372を備えることができる(
図13A)。空
洞372は、第2のプレートの平均厚を低減するような大きさにされ、フロント部分カートリ
ッジに沿って形成される。この結果、冷却システムの動作中のカートリッジ228内の流体
からの熱伝導が改善する。カートリッジ228は、上側角度表面368と、下側角度表面374と
を備える。カートリッジ228は、上記で更に検討したように、冷却マシン236への付勢のた
めに前板234のスロット358へのカートリッジ228の挿入を可能にする外形を有する。
【0093】
第1のプレート241は、カートリッジ228とサーマルプレート238との間に平坦な面を維持
するための厚みTを有することができる。真空下に設置したとき、第1のプレート241が特
定の金属には薄すぎる場合、第1のプレート241は複数の場所に波形表面を呈する場合があ
り、この場所に沿って流体通路314が位置決めされる。これによって、伝熱性表面251と、
サーマルプレート238の平面との間にエアポケットが生成される場合があり、これによっ
て、結果として流体からの熱伝導が不良になる。いくつかの実施態様では、第1のプレー
ト241の厚みTは0.005インチ~0.01インチであるが、厚みTはそのような範囲を超えて変動
することができる。好ましくは、厚みTは0.01インチである。
【0094】
図1~
図5Aを参照して上記で検討したように、
図8~
図13Cを参照して検討される熱交換
器カートリッジは、代わりにバッグ等の弾性体であり得る。このバッグ等は、バッグ内に
収容された、又はそこを通って移動する液体から熱伝導を生じさせるために所与の付勢力
を用いて冷却デバイスに取り外し可能に結合される。バッグは、本開示において検討され
るカートリッジと同じ又は同様の特徴を含むことができる。例えば、バッグは蛇行パター
ンを有する流体通路を有することができる。バッグは、患者内に位置決めされた処置デバ
イスと流体連通する出口ポートを有することができる。本開示の別の場所で更に説明する
ように、患者の選択された送達温度まで流体を冷やすための所与の力を用いてバッグを付
勢するように構成される少なくとも1つの付勢メカニズムが冷却デバイスに結合され得る
。少なくとも1つの付勢のメカニズムは、上記で説明したカムシステム237とすることがで
きる。したがって、流体を保持するための流体チャンバーを有するバッグは、スロット、
及びプレート等の付勢部材に挿入することができ、カムシステムによって、バッグに対し
て付勢部材を付勢し、それによってバッグを所与の付勢力で冷却デバイスに対し付勢する
ように作動させることができる。このため、バッグは、
図8~
図13Cを参照して説明したの
と同様に又は同じく、カムシステム及び付勢プレートをバッグから切り離して、バッグの
取り外しを可能にすることによって、別のバッグと交換可能とすることができる。
【0095】
図14~
図20は、処置システム417に結合された流体冷却供給システム412を備えるシステ
ム410を備える。
図14~
図20に示す処置システム410は、
図1~
図7B及び
図8~
図13Cを参照
して説明し示したシステムの特徴と同じ又は同様の特徴を有することができる。
【0096】
図14の例では、流体冷却供給システム412は処置システム417に結合される。上記で説明
したように、処置システム417は少なくとも部分的に患者464内に位置決め可能とすること
ができる(
図15)。流体冷却供給システム412は、流体を冷やし、流体をポンピングし、処
置システム417を通して流体を供給するように構成される。閉ループシステムでは、流体
冷却供給システム412は、流体容器422と、流体424と、冷却システム426と、熱交換器カー
トリッジ428と、供給ライン414と、戻りライン416とを備えることができ、これらは合わ
せて、処置中に処置システム417を通して、冷却された流体を循環させるように協働する
。供給ライン414は流体容器422を起点とし、カートリッジ428を通って、ポンプ430に沿っ
て延在する。供給ライン414は、ポンプ430の動作中の供給ライン414の振動を減衰させる
ためのパルスダンパー(図示せず)を通って延在することができる。最終的に、供給ライン
414は、患者内に位置決め可能な処置システム417内に延在する。供給ライン414と流体連
通する戻りライン416は、処置システム417を起点とし、処置中に流体を再循環させるため
に患者内から容器422に戻るように延在する。いくつかの実施態様では、供給ライン414及
び戻りライン416は、同軸二重スパイク423(
図15~
図16)によって流体容器422に接続され
る。これについては以下で更に詳細に検討する。
【0097】
図15を参照すると、先の実施態様の説明と同様に、いくつかの態様では、肺処置システ
ム417は、処置デバイス420と、制御部468と、操向機構470と、ビデオシステム472とを有
する可撓性の気管支鏡418を備えることができる。可撓性の気管支鏡418は、患者の身体の
外側の制御区間476から、気管478を通って、患者の肺481の左主気管支480内の処置部位ま
で延在する挿入管474を備えることができる。処置デバイス420は、左主気管支480内に位
置決めされ得るか、又は右主気管支内、葉気管支内、及び中間管気管支内等の他の場所に
位置決めされ得る。処置デバイス420は、蛇行した気道を通って、例えば、葉の一部、葉
全体、複数の葉、又は一方の肺若しくは双方の肺の除神経等の、多岐にわたる様々な手順
を行うようにナビゲートされ得る。いくつかの実施態様では、葉気管支は、肺葉を除神経
するように処置される。処置の有効性に基づいて、外科医は追加の葉を同時に又は連続し
て処置することができる。
【0098】
操向機構470は気管支鏡418に結合され得、供給ライン414及び戻りライン416を受けて、
気管支鏡418へ、最終的には処置デバイス420へのラインが出て行くことを可能にすること
ができる。気管支鏡418はビデオシステム472に結合することができ、ビデオシステム472
は、挿入管474が制御部468の助けにより操向されるときに、施術者がモニター482上で患
者を通る挿入管474の移動を観察することを可能にする。ビデオシステム472は、施術者が
、流体が流体冷却供給システム412から処置デバイス420に供給されるか否かを判断するこ
とを可能にすることができる。更に、気管支鏡418は、処置デバイス420に送達されるエネ
ルギー量等の、処置のいくつか又は全ての態様を制御するように制御部468に結合され得
る。したがって、気管支鏡418の処置デバイス420は、流体冷却供給システム412の供給ラ
イン414及び戻りライン416に流体連通している。したがって、流体冷却供給システム412
は、流体を冷却し、流体をポンピングし、処置デバイス420を通って流体を循環させるよ
うに適合される。
【0099】
図14~
図15の流体冷却供給システム412のいくつかの構成要素の部分展開図を示す
図16
を参照すると、先の実施態様の説明と同様に、いくつかの態様では、流体冷却供給システ
ム412は:前板434を有するハウジング432と;前板434を通って延在するサーマルプレート43
8を有する冷却デバイス436と;流体をポンピングするためのポンプ430と;前板434に取り外
し可能に結合され、冷却デバイス436に対し付勢されかつ冷却デバイス436と接触する熱交
換器カートリッジ428と;カートリッジ428をサーマルプレート438に対し付勢するために蝶
番によりハウジング423の前板434に結合された開き戸437と;ポンプ430及び冷却デバイス4
36に結合された制御装置442(
図18)とを備えることができる。
【0100】
ハウジング432は、互いに固定され、システムの様々な構成要素を構造的に支持及び収
容するための第1の部分431と第2の部分433とを備えることができる。第1の部分431は、冷
却デバイス436の前面部分を受け、支持するための開口435を備えることができる。冷却デ
バイス436は、一般的に入手可能なTECのように、サーマルプレート438と、ホットプレー
ト439と、フィン446と、ファン448とを備える。サーマルプレート438は、カートリッジ42
8に対し付勢するための平面451を備えることができる。冷却デバイス436は、ハウジング4
32の第1の部分431に固定された支持プレート447を備えることができる。
【0101】
前板434は、ポンプ430の一部を受けるための開口444を備えることができる。ポンプ430
は、供給ライン414に結合するためのカバー450及び回転デバイス459を備えることができ
る。ポンプ430は、カートリッジ428の下流に位置決めされ、カートリッジ428内の流体が
負の流体圧力を受けるようにし、処置デバイス420に供給される流体が、処置システムの
通常動作中に正の流体圧力を受けるようにする。
【0102】
図16の参照を継続すると、前板434は、ハウジング432のフロント部分431に取り付けら
れる。前板434及びハウジング432は協働して、冷却デバイス436及びポンプ430を構造的に
支持する。前板434は、冷却デバイス436のサーマルプレート438を受けるための開口443を
備える。いくつかの実施態様では、開き戸437が前板434に対し開位置と閉位置との間で回
転する。開位置において、カートリッジ428を開口443に挿入するか又は開口443から除去
することができる。閉位置において、カートリッジ428は冷却デバイス436のサーマルプレ
ート438に対し付勢される。
【0103】
図17は、本開示の1つの態様による開き戸アセンブリ440の背面斜視図を示す。いくつか
の実施態様では、開き戸437は、開き戸437を閉位置に固定するための複数の磁石453(
図17
)を備えることができる少なくとも1つの付勢メカニズムを有することができる。磁石453
は、開き戸437内で画定されるボア455内に固定することができる。代替的に、1つの長い
磁石又は複数の磁石を、開き戸437又は前板434の様々な部分に沿って固定して、本開示に
おいて検討されるのと同じ付勢力を達成することができる。付勢力は、熱交換器カートリ
ッジ428と冷却デバイス436のサーマルプレート438との間に改善された面間接触を与え、
これによって、処置中に流体からの一貫した効率的な熱伝導を改善及び維持する。
【0104】
開き戸アセンブリ440は、ハウジング432の前板434又は第1の部分431に開き戸437を結合
するための複数の蝶番460も備えることができる。1つの実施態様では、開き戸アセンブリ
437は2つの蝶番460を備えることができ、これによって開き戸437が、前板434、又は開位
置と閉位置との間のハウジング432の第1の部分431に対し回転可能に移動することが可能
になる。
【0105】
1つの実施態様では、開き戸437は、熱交換器カートリッジ428の一部分を受け、収納す
るような大きさにされた切り欠き461によって画定することができる。1つの実施態様では
、開き戸437は、入り口ポート402及び出口ポート408を受け、収納するような大きさにさ
れた1以上の切り欠き462と、熱交換器カートリッジ428の関連する気泡除去装置とを備え
ることができる。
【0106】
図18は、本発明の1つの実施態様による、
図5の処置システム310の概略図に類似した、
処置システム410の概略図を示す。処置システム410は、患者464内に位置決めされた処置
デバイス420に結合された流体冷却供給システム412を備える。一実施態様では、
図5に類
似して、処置デバイス420は、それぞれ超音波、マイクロ波、電気エネルギー及び/又は無
線周波数(RF)エネルギーを出力するように動作可能な1以上の電極90を備えることができ
る。
【0107】
流体冷却供給システム412は、冷却デバイス436と、熱交換器428と、ポンプ430と、制御
装置442とを備える。制御装置442は、温度及び流体の循環を調整するために冷却デバイス
436及びポンプ430に結合することができる。熱交換器428は、冷却デバイス436に取り外し
可能に結合することができる。流体供給ライン414は流体容器422を起点とする。流体供給
ライン414は、冷やされた流体を患者464に供給するために、熱交換器428へと続き、ポン
プ430を通って、処置デバイス420において終端する。流体戻りライン416は、処置デバイ
ス420から続き、再循環のために流体容器422に戻り、かつ/又は廃棄物容器419に戻ること
ができる。したがって、流体は、ポンプ430によって負の圧力で、容器422から熱交換器42
8を通して引き出すことができる。流体は、熱交換器428を通って進むときに冷却デバイス
436によって冷やされる。流体は、ポンプ430によって正の圧力で処置デバイス420に供給
される。流体は次に、処置デバイス420を通って循環され、患者の464の外側の処置デバイ
ス420から戻され得る。
【0108】
制御部468(
図15)は、システムの態様を制御するために制御装置442に結合され得る。制
御装置442は、ポンプ430の速度及び方向を調整し、それによって、システムを通って循環
する流体の流れ方向及び体積を調整するために、ポンプ430に結合され得る。制御装置442
はまた、カートリッジ428内の流体の温度を調整し、それによって処置デバイス420を通っ
て循環する流体の温度を更に調整し、それによって処置中の患者の組織の温度を調整する
ために、冷却デバイス436に結合され得る。
【0109】
ポンプ430は、矢印Pによって示すように、処置中に熱交換器428を通して液体を引き出
し、前方に押し出すための前進ギア及び後退ギアを備えることができる。前進ギアは、シ
ステム410の通常動作中に熱交換器428から流体を引き出す。逆に、後退ギアは、熱交換器
428を通して流体を逆方向に押し出し、システム410に存在し得る気体を排出することがで
きる。ポンプ430の速度及び方向は制御装置442によって制御することができる。
【0110】
いくつかの態様では、ポンプ430は、処置デバイスへの流体送達量を制御するために、
ポンプの速度を可変制御するための制御装置に結合される。このため、処置デバイスの大
きさ及び付加圧力は、可変速制御装置によって制御することができる。更に、非接触圧力
測定デバイスは、ポンプに電気的に結合され、例えば、非接触圧力測定デバイスによって
測定された圧力に応答してポンプの速度を変動させること等によってシステム圧力を調整
するために、流体経路の高圧側に近接して位置決めされ得る。
【0111】
図19A及び
図19Bはそれぞれ、本開示の1つの態様による熱成形熱交換器カートリッジ428
の正面斜視図及び背面斜視図を示す。熱交換器カートリッジ428は、第1のプレート441に
結合又は接合された可撓性の熱成形トレイ443を備える。プレート441に結合されたトレイ
443は、処置デバイスに導入するために入り口供給ライン414a(冷却されていない流体)及
び出口供給ライン414b(冷却された流体)を流体結合するための流体通路450を画定する。
【0112】
第1のプレート441は、好ましくは銅材料で構成され、冷却デバイス436の平面451に付勢
するための伝熱性表面498を備える(
図16)。例えば、第1のプレート441は、熱交換器カー
トリッジ428内の流体と冷却デバイス436との間の熱伝導を改善、最適化するために、例え
ば、めっき、コーティング(例えば導電性インク又はコーティング)及び/又はラミネート(
例えば、薄膜)することによって銅材料の上に堆積された導電材料を備えることができる
。導電材料は、銀、パリレン、アルミニウム又はこれらの組み合わせを含むことができる
。第1のプレート441は、カートリッジ428とサーマルプレート438との間に平坦な面を維持
するための厚みTを有することができる。ポンプが逆のとき等、真空下に設置したときに
、第1のプレート441が特定の金属には薄すぎる場合、第1のプレート441は複数の場所に波
形表面を呈する場合があり、この場所に沿って流体通路450が位置決めされる。これによ
って、第1のプレート441と、サーマルプレート438との間にエアポケットが生成される場
合があり、これによって結果として接触不良が生じ、したがって流体からの熱伝導が不良
になる。また、トレイの凹部が完全に折り畳まれ、それによって流体通路の遮蔽が生じる
可能性もある。いくつかの実施態様では、第1のプレート441の厚みTは0.005インチ~0.01
5インチであるが、厚みTはそのような範囲を超えて変動することができる。好ましくは、
厚みTは約0.010インチ(すなわち10ミリインチ)である。
【0113】
1つの特定の実施態様では、プレート441は、0.5ミクロン~1ミクロンの銀材料でコー
ティングされた約10ミリインチの厚みを有する銅プレートを備える。これによって、流体
が熱交換器カートリッジ428において接触するための生体適合性のある不活性表面がもた
らされる。任意選択で、銀材料の少なくとも一部分の上にパリレンコーティングが設けら
れ、障壁特性を与え、プレート441に対しトレイ443を封止又は接着するのに役立つ。
【0114】
熱成形トレイ443は、好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレンテレフタレー
ト(PET)等の透明又は半透明の熱成形材料で構成される。トレイ443の材料は、滅菌等の高
温適用下でプレート441に接着されたままであるように十分な可撓性を呈する。トレイ443
の厚みは、トレイ443に十分な剛性を与えるように最適化され、それによって、真空引き
されるようにシステムに逆方向圧力がかけられるとき、トレイは、カートリッジ428の熱
交換特性を損なうことも大幅に弱めることもないように、変形せず波打たない。任意選択
で、カートリッジ428の内部又はカートリッジ428の外面上に断熱発泡体又は天然コルク断
熱材(図示せず)を設置して、流体をカートリッジ428の周りの周囲大気温度から断熱する
ことができる。
【0115】
トレイ443は、封止表面又はフランジ440によってトレイ443の外周から内側に離間され
る縁部又は凹部452を更に備える。封止表面440は、UV活性化接着剤若しくはUV硬化接着剤
又はエポキシ等の接着剤を受け、プレート441及びトレイ443を合わせて固定することがで
きる。任意の余分な接着剤は凹部452内に収集され、流体通路450を妨げないようにする。
このため、第1のプレート441は第1のプレート441の様々な周辺部分にわたってトレイ443
に固定され、第1のプレート441に作用する吸引力又は他の力に起因した銅プレートの歪み
を防ぐ。1つの実施態様では、第1のプレート441及びトレイ443は、UV硬化接着剤を用い、
アセンブリをUV照射に曝すことによって接合される。トレイ材料の透明性により、接着剤
を適切に硬化させるためにUV照射に十分に曝すことが可能になる。
【0116】
流体通路450は、トレイ443に形成される陥凹エリアと第1のプレート441との間の空間と
して画定される。流体通路は、流体通路450を通過する流体を冷却しながら、流体容器422
とポンプ430及び最終的には処置デバイス420との間の流体連通をもたらすように作用する
。一実施態様では、流体通路450は、示されるように7回の通過等の、所望の回数の通過で
カートリッジ428全体にわたって蛇行する。通過の回数並びに通路450の深さ及び幅は、流
体を所望の温度まで冷却するためのカートリッジ428内の流体の所望の滞留時間に基づい
て選択される。例えば、流体容器450は、生理食塩水等の冷却剤が、約100mL/minの流速で
、室温(25℃)から約0.1℃~10℃まで、より具体的には約1℃~6℃まで、更に具体的には
3℃~5℃まで冷却されるための適切な滞留時間をもたらすような寸法にされる。
【0117】
図19Aを参照すると、入り口ポート402が流体通路450の第2の端部450aに形成され、入り
口供給ライン414aと流体連通し、入り口供給ライン414aは流体容器422と流体連通する。
出口ポート408は流体通路450の第2の端部450bに形成され、出口供給ライン414bと流体連
通する。供給ライン414のこの部分は、ポンプ430と流体連通し、次に気管支鏡418を通っ
て患者内の処置デバイス420につながる。いくつかの態様では、入り口ポート402及び出口
ポート408は、流体通路450の深さよりも深い深さから開始し、流体通路の深さに等しい深
さまで下方に傾斜する、傾斜した外形を有することができる。これによって、システム内
に気泡を収集するためのヘッド空間を有して入り口流体をプールすることが可能になる。
換言すれば、システム内の任意の気体は、ポート402及び408のヘッド空間まで上昇する傾
向にある。
【0118】
熱交換器カートリッジ428は、カートリッジ428が、開き戸437と冷却デバイス436のサー
マルプレート438との間の空間に挿入されることを可能にする外形を有する。例えば、使
用時に、カートリッジ428は、開き戸437が開いているとき、開口443内に挿入することが
できる。開き戸437が閉じているとき、カートリッジ428は、冷却デバイス436のサーマル
プレート438に対し付勢され、それによって、上記で更に検討したように、開き戸437と冷
却デバイス436のサーマルプレート438との間でカートリッジ428を挟持する。いくつかの
実施態様では、カートリッジ428の横に、前板434に画定された開口443を更に配置するこ
とができる。いくつかの実施態様では、熱交換器カートリッジ428は、カートリッジ428の
1以上のエッジ内に画定される1以上のノッチ479を含むことができる。ノッチ479は、カー
トリッジ428が通常動作を可能にする向きに挿入されることを確実にする目的で、前板434
の割りピン481を受けるような大きさにすることができる。
【0119】
次に
図20を参照すると、本開示の1つの態様による、流体容器422をシステム410に結合
するための同軸バッグスパイクアセンブリ423の斜視図が示される。いくつかの実施態様
では、供給ライン414及び戻りライン416は、同軸バッグスパイクアセンブリ423(例えば、
図15~
図16も参照されたい)を介して単一場所内の流体容器422に接続することができる。
この実施態様では、戻りライン416は、内側通路425と流体連結し、供給ライン414は、内
側通路425と同軸の外側通路427と流体連結する。内側通路425及び外側通路427の双方が流
体容器422及び流体容器422内の流体424と流体連結するが、互いに分離されている。一方
、逆の構成も考慮することができる。
【0120】
1つの実施態様では、アセンブリ423は、ハイポチューブ429の内径431よりも大きな内径
502を有する射出成形された非ベント型スパイク雌ルアー500の管腔を通って挿入される内
径431を有するハイポチューブ429を備え、同軸の外側通路427及び内側通路425を生成する
。アセンブリ423は、流体容器422を外側通路及び内側通路425と流体連結するための、雌
ルアー500の第1の端部に結合された射出成形されたベント型スパイクキャップ504を更に
備えることができる。アセンブリ423はまた、入り口供給ライン414を外側通路427に結合
するための第1のポート508と、出口供給ライン316をハイポチューブ429の内側通路425に
結合するための第2のポート510とを有する射出成形バッグスパイクアダプタ506を備える
。逆の構成(すなわち、入り口供給ライン414を第2のポート510に結合し、出口供給ライン
416を第1のポート508に結合する)も考慮することができる。
【0121】
ハイポチューブの内径431は、好ましくは、処置システム417における背圧を制御するか
、又は処置デバイスの拡張可能部材における圧力を有効にするような大きさにされる。任
意選択で、供給ライン414及び/又は戻りライン416に沿った任意の場所で様々なクランプ(
図示せず)を用いて、容器422に出入りする流体の供給流及び/又は戻り流を更に調整する
ことができる。したがって、同軸二重スパイク423は、流体424が流体容器に同時に出入り
し、容器422における同じ位置を流れることを可能にすることによって、別個の供給スパ
イク及び戻りスパイクの必要性をなくす。
【0122】
上記で説明した様々な実施態様及び態様は、更なる実施態様及び態様を提供するように
組み合わせることができる。上記で詳述した記載を踏まえて、実施態様に対しこれらの変
更及び他の変更を行うことができる。本明細書に記載されている態様、実施態様、特徴、
システム、デバイス、材料、方法及び技法は、いくつかの実施態様では、2010年11月11日
に出願された米国特許第8,088,127号、国際出願第PCT/US2010/056424号(国際公開第2011/
060200号)、2010年10月27日に出願された、米国特許出願第12/913,702号、2010年11月11
日に出願された、米国特許出願第12/944,666号、2011年4月6日に出願された米国特許出願
第13/081,406号及び米国仮特許出願第61/543,759号に記載されている実施態様、特徴、シ
ステム、デバイス、材料、方法及び技法のうちの任意の1以上と同様であってもよい。こ
れらの出願のそれぞれが、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる。更に、本明
細書において説明される態様、実施態様、特徴、システム、デバイス、材料、方法及び技
は、いくつかの実施態様において、上述した出願及び特許に開示された実施態様、特徴、
システム、デバイス、材料、方法及び技法のうちの任意の1以上と連結して適用又は使用
されてもよい。
【0123】
文脈上異なる解釈を要する場合を除き、明細書及び後続の特許請求の範囲全体を通じて
、「含む、備える(comprise)」という語並びに「comprises」及び「comprising」等のそ
の変形は、制限のない(open)包含的な意味で解釈され、すなわち「含むが限定されない」
として解釈されるものとする。
【0124】
概して、以下の特許請求の範囲において、用いられる用語は、明細書及び特許請求の範
囲において開示される特定の実施態様及び態様に請求項を限定するように解釈されるべき
ではなく、そのような請求項が権利を与えられる全ての可能な実施態様及び態様を、その
均等物の全範囲と共に含むように解釈されるべきである。したがって、請求項は開示によ
って限定されない。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
患者の処置のためのシステムであって、
熱交換器を通して流体を負の圧力で引き出して該流体を冷やし、該冷やされた流体を正
の圧力で該患者に送達するように構成される流体冷却供給デバイスと、
該患者内に位置決めされるエネルギー送達デバイスであって、該流体冷却供給デバイス
に結合され、該流体冷却供給デバイスが、該患者の処置中に、該エネルギー送達デバイス
を通して該冷やされた流体を循環させ、該エネルギー送達デバイスを冷却するようにする
、前記エネルギー送達デバイスと、
を備える前記システム。
(構成2)
前記流体冷却供給デバイスが、前記熱交換器と前記エネルギー送達デバイスとの間の供
給経路内に位置決めされたポンプを更に備え、該ポンプが、該熱交換器を通して前記流体
を引き出すように構成され、かつ、該エネルギー送達デバイスを通して該流体を循環させ
るように構成される、構成1記載のシステム。
(構成3)
前記流体冷却供給デバイスに結合される熱交換器カートリッジを更に備え、該熱交換器
カートリッジが、伝熱性表面と、該カートリッジを通って延在する流体通路とを有し、該
流体通路の少なくとも一部分が、該伝熱性表面に隣接して配置され、該流体通路は前記エ
ネルギー送達デバイスと流体連通する、構成1記載のシステム。
(構成4)
前記流体冷却供給デバイスによって送達される前記流体の温度が、前記患者の処置中、
前記エネルギー送達デバイスにおける温度が20℃以下に維持されるようになっている、構
成1記載のシステム。
(構成5)
前記流体冷却供給デバイスによって送達される前記流体の温度が、前記患者の処置中、
前記エネルギー送達デバイスにおける温度が20℃~-5℃に維持されるようになっている、
構成1記載のシステム。
(構成6)
前記流体冷却供給デバイスによって送達される前記流体の温度が、前記患者の処置中、
前記エネルギー送達デバイスにおける温度が5℃~-2℃に維持されるようになっている、
構成1記載のシステム。
(構成7)
前記流体冷却供給デバイスによって送達される前記流体の温度が、前記エネルギー送達
デバイスにおける温度が20℃~-5℃に維持されるような温度であり、該エネルギー送達デ
バイスにおける該温度が、前記患者の処置の処置部分中の選択された時間量にわたって維
持される、構成1記載のシステム。
(構成8)
前記処置部分のための前記選択された時間量が60秒未満である、構成7記載のシステム
。
(構成9)
前記処置部分のための前記選択された時間量が60秒~120秒である、構成7記載のシステ
ム。
(構成10)
前記エネルギー送達デバイスが、前記患者の標的組織にエネルギーを送達するように適
合された電極を備え、該エネルギー送達デバイスが、処置中、前記流体が前記流体冷却供
給デバイスから該エネルギー送達デバイスを通って循環し、該電極を冷却することを可能
にする少なくとも1つの管腔を備える、構成1記載のシステム。
(構成11)
前記エネルギー送達デバイスが、冷却部材に結合された電極を備え、該電極及び該冷却
部材が、前記患者の気道壁に隣接して配置され、該電極へのエネルギーの送達及び該冷却
部材を通る冷やされた流体の循環により神経組織を損傷するようにし、それによって該患
者における神経系信号が減衰される、構成1記載のシステム。
(構成12)
前記エネルギー送達デバイスが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で前記
冷やされた流体を前記患者に送達するように構成される、構成1記載のシステム。
(構成13)
前記流体冷却供給デバイスが、戻り経路において前記エネルギー送達デバイスの下流に
位置決めされたポンプを更に備え、該ポンプが、前記熱交換器及び前記エネルギー送達デ
バイスを通して前記流体を引き出すように構成される、構成1記載のシステム。
(構成14)
前記流体冷却供給デバイスが、前記熱交換器と前記エネルギー送達デバイスとの間の供
給経路内に位置決めされたポンプであって、該熱交換器を通して前記流体を引き出すよう
に構成され、該エネルギー送達デバイスを通して該流体を循環させるように構成される、
前記ポンプと、戻り経路において該エネルギー送達デバイスの下流に位置決めされ、該ポ
ンプと協働して流体を循環させるように構成される補助ポンプとを更に備える、構成1記
載のシステム。
(構成15)
前記流体冷却供給デバイスに結合された弾性体を更に備え、該弾性体が該弾性体を通っ
て延在する流体通路を有し、該流体通路の少なくとも一部分が、前記伝熱性表面に隣接し
て配置され、該流体通路が前記エネルギー送達デバイスと流体連通する、構成1記載のシ
ステム。
(構成16)
前記弾性体に取り外し可能に結合される付勢デバイスを更に備え、該付勢デバイスが、
所与の力で該弾性体を付勢して、前記流体を選択された温度未満の温度まで冷やすように
構成される、構成15記載のシステム。
(構成17)
前記弾性バッグが伝熱性表面を有し、前記流体通路の少なくとも一部分が該伝熱性表面
に隣接して配置される、構成15記載のシステム。
(構成18)
患者を処置する方法であって、
流体を冷やし、該患者に送達するための冷却システムを設けることであって、該冷却シ
ステムは流体熱交換器を有することと、
該患者の気道内に送達デバイスのアブレーションアセンブリを、該アブレーションアセ
ンブリが該気道の壁に対して並置されるように位置決めすることであって、該アブレーシ
ョンアセンブリは電極を有することと、
該流体熱交換器を該アブレーションアセンブリに結合し、該流体熱交換器及び該アブレ
ーションアセンブリが互いに流体連通するようにすることと、
該冷却デバイスを用いて該流体熱交換器内の該流体を冷やすことと、
該流体熱交換器から該送達デバイスを通って該流体を循環させ、同時に該電極にエネル
ギーを送達することによって組織を熱処理することであって、該患者の該気道に隣接して
位置する該組織を処置することと、
を含む前記方法。
(構成19)
組織を熱処理することが、神経幹の神経組織に損傷を与え、気管支樹の一部分に伝達さ
れる前記神経形信号が減衰されるようにすることを更に含む、構成18記載の方法。
(構成20)
前記流体を前記送達デバイスに供給するために、前記流体熱交換器を通して前記流体を
負の圧力で引き出すことを更に含む、構成18記載の方法。
(構成21)
組織を処置することが、前記冷やされた流体を前記送達デバイスに正の圧力で供給する
ことを更に含む、構成18記載の方法。
(構成22)
前記流体を循環させることが、前記流体を前記送達デバイスに供給し、前記患者の処置
中、該送達デバイスにおける温度が20℃以下に維持されるようにすることを含む、構成18
記載の方法。
(構成23)
前記流体を循環させることが、該流体を前記送達デバイスに供給し、前記患者の処置中
、前記送達デバイスにおける温度が20℃~-5℃に維持されるようにすることを含む、構成
18記載の方法。
(構成24)
前記流体を循環させることが、該流体を前記送達デバイスに供給し、前記患者の処置中
、前記送達デバイスにおける温度が5℃~-2℃に維持されるようにすることを含む、構成1
8記載の方法。
(構成25)
前記流体を冷やすことが、前記患者の処置中、前記熱交換器内の前記流体からの熱を5
℃以下の温度になるまで伝導することを含む、構成18記載の方法。
(構成26)
前記流体を冷やすことが、前記患者の処置中、前記熱交換器内の前記流体からの熱を5
℃~-2℃の温度になるまで伝導することを含む、構成18記載の方法。
(構成27)
前記患者の複数の組織処置の各々の間の選択された間隔にわたって、前記送達デバイス
における選択された温度を維持することを更に含む、構成18記載の方法。
(構成28)
組織処置ごとの前記選択された間隔が60秒未満である、構成27記載の方法。
(構成29)
前記選択された温度が20℃~-5℃である、構成27記載の方法。
(構成30)
前記流体を、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速でポンピングすることを含
む、構成18記載の方法。
(構成31)
前記流体を、25psi~150psiの圧力で前記患者に送達することを含む、構成18記載の方
法。
(構成32)
前記流体熱交換器を、前記冷却システムの冷却デバイスに付勢することを含み、該流体
熱交換器が、弾性体を通って延在する流体通路を有する弾性体を備え、該流体通路が前記
アブレーションアセンブリと流体連通する、構成18記載の方法。
(構成33)
前記流体熱交換器を、前記冷却システムの冷却デバイスに対し付勢することを含み、該
流体熱交換器が、カートリッジを通って延在する流体通路を有する該カートリッジを備え
、該流体通路が前記アブレーションアセンブリと流体連通する、構成18記載の方法。
(構成34)
患者の処置のために流体を熱処理するための流体冷却システムであって、
サーマルプレートを備える冷却デバイスと、
該冷却デバイスに取り外し可能に結合された熱交換器であって、伝熱性表面と、該熱交
換器を通って延在する流体通路とを有し、該流体通路の少なくとも一部分が、該伝熱性表
面に隣接して配置される、前記熱交換器と、
該熱交換器を該冷却デバイスに対し取り外し可能に結合するように配置された少なくと
も1つの付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が該冷却デバイスの該サーマルプレート
に対して付勢され、該流体からの熱を伝導するようにする、前記少なくとも1つの付勢メ
カニズムと、
を備える前記システム。
(構成35)
前記熱交換器が、使い捨て熱交換器カートリッジであり、前記少なくとも1つの付勢メ
カニズムが2対の付勢メカニズムを備え、各対が前記カートリッジの対向する端部に位置
決めされる、構成34記載のシステム。
(構成36)
前記カートリッジが、前記冷却デバイスから切り離されているときに第1の状態にあり
、該冷却デバイスに係合しているときに第2の状態にあるように形成され、該第1の状態が
、該カートリッジの前記伝熱性表面が前記サーマルプレートに対し凸形状の第1の外形を
有することを含み、該第2の状態が、該カートリッジの該伝熱性表面が該サーマルプレー
トに対し実質的に平坦な形状の第2の外形を有し、該カートリッジの該伝熱性表面及び該
サーマルプレートが、前記流体からの熱伝導を生じさせるために互いに対し実質的に付勢
されるようにすることを含む、構成35記載のシステム。
(構成37)
前記冷却デバイスが、前記カートリッジが前記冷却デバイスに係合されているとき、該
カートリッジの前記少なくとも1つの付勢メカニズムに結合された少なくとも1つの対応す
る付勢メカニズムを備える周辺部分を備える、構成35記載のシステム。
(構成38)
前記少なくとも1つの付勢メカニズム及び前記少なくとも1つの対応する付勢メカニズム
がそれぞれ、互いに吸引可能な複数の磁石で構成され、前記カートリッジと前記冷却デバ
イスとの間に所与の付勢力を加えて、前記流体からの熱伝導を生じさせるようにする、構
成37記載のシステム。
(構成39)
前記カートリッジが、互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを備え、前記
第1のプレートが、少なくとも0.01インチ以下の厚みを有する前記伝熱性表面を備える、
構成35記載のシステム。
(構成40)
前記第2のプレートが、断熱材を備え、前記流体通路を画定する溝を備える、構成39記
載のシステム。
(構成41)
前記流体通路が、該流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に近接した少なく
とも1つの角部を備え、前記少なくとも1つの角部が、前記システムの動作中、該少なくと
も1つの角部に近接して気泡がトラップされないように構成される、構成35記載のシステ
ム。
(構成42)
前記カートリッジが、互いに流体連通し、かつ前記患者内に位置決めされた処置デバイ
スに流体を供給するための前記流体通路に流体連通する入力ポート及び出力ポートを更に
備える、構成35記載のシステム。
(構成43)
前記カートリッジ内に収容される容量可変容器を更に備え、前記流体が前記容器の出口
から引き出され、前記患者に供給されるようにする、構成35記載のシステム。
(構成44)
前記カートリッジの自動アライメント及び前記冷却デバイスに対する該カートリッジの
自動付勢のための自己アライメント手段を更に備える、構成35記載のシステム。
(構成45)
前記流体からの熱伝導量を調整するために前記冷却デバイスに結合された少なくとも1
つの制御装置を更に備える、構成34記載のシステム。
(構成46)
前記システムを通って循環する流体量を調整するように構成されるポンプを更に備え、
該ポンプが前記熱交換器に隣接して位置決めされ、該熱交換器が負の流体圧力を含む、構
成34記載のシステム。
(構成47)
前記ポンプが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で前記流体を循環させる
ように構成される、構成46記載の方法。
(構成48)
前記ポンプが、25psi~150psiの圧力で前記流体を前記患者に送達するように構成され
る、構成46記載の方法。
(構成49)
戻り経路において前記患者内に位置決めされた処置デバイスの下流に位置決めされたポ
ンプを更に備え、該ポンプが、前記熱交換器から前記処置デバイスを通じて前記流体を引
き出すように構成される、構成46記載の方法。
(構成50)
前記熱交換器の前記流体通路及び前記患者内に位置決めされた処置デバイスと流体連通
した供給ラインを更に備える、構成34記載のシステム。
(構成51)
前記流体通路と流体連通した供給ラインを更に備え、前記供給ラインの少なくとも一部
が前記患者の内部に位置決めされ、該患者の気管支の内部に位置決めされた処置デバイス
と流体連通する、構成34記載のシステム。
(構成52)
気管支鏡及び処置デバイスを有する肺処置システムを更に備え、該処置デバイスが、前
記患者の肺組織に隣接して位置決めされ、前記熱交換器が、該処置デバイスと流体連通し
て、処置中に、冷やされた流体を該患者に供給する、構成34記載のシステム。
(構成53)
前記熱交換器が弾性体である、構成34記載のシステム。
(構成54)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記弾性体に取り外し可能に結合されたプレ
ートであり、該プレートが、該弾性体が該プレートと前記サーマルプレートとの間に位置
決めされるように、該弾性体に取り外し可能に結合される、構成53記載のシステム。
(構成55)
前記弾性体が、互いに流体連通し、かつ前記患者内に位置決めされた処置デバイスに流
体を供給するための前記流体通路に流体連通する入力ポート及び出力ポートを備える、構
成53記載のシステム。
(構成56)
患者の処置のために流体を熱処理するための使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面、及び該カートリッジを通って延在する流体通路であって、該流体通路の少
なくとも一部分が、該伝熱性表面に隣接して配置される、前記伝熱性表面及び流体通路と
、
該カートリッジを冷却デバイスに取り外し可能に結合するように配置された少なくとも
1つの付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が該流体を伝導的に冷却するようにする、
前記少なくとも1つの付勢メカニズムと、
を備える前記カートリッジ。
(構成57)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが2対の磁石を備え、各対が前記カートリッジの対
向する端部に位置決めされ、各対が、該カートリッジと前記冷却デバイスとの間の面間接
触を改善して熱交換効率を増大させるように該冷却デバイスに吸引可能である、構成56記
載のカートリッジ。
(構成58)
前記冷却デバイスから切り離されているときに第1の状態にあり、該冷却デバイスに係
合しているときに第2の状態にあるように形成される、構成56記載のカートリッジ。
(構成59)
前記第1の状態が、前記カートリッジが実質的に凸形状の外形を有することを含み、前
記第2の状態が、該カートリッジが実質的に長方形の外形を有することを含む、構成58記
載のカートリッジ。
(構成60)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記冷却デバイスに吸引可能な複数の磁石で
構成され、前記カートリッジに所与の付勢力を加えて、前記流体からの熱伝導を生じさせ
るようにする、構成56記載のカートリッジ。
(構成61)
互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを更に備え、該第1のプレートが前
記伝熱性表面を備え、該第1のプレートが、少なくとも0.01インチ以下の厚みを有する、
構成56記載のカートリッジ。
(構成62)
前記第2のプレートが、断熱材で構成され、前記流体通路を画定する溝を備える、構成6
1記載のカートリッジ。
(構成63)
前記流体通路が、該流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に近接した少なく
とも1つの角部を備え、前記少なくとも1つの角部が、前記システムの動作中、該少なくと
も1つの角部に近接して気泡がトラップされないように構成される、構成56記載のカート
リッジ。
(構成64)
互いに流体連通し、かつ該流体通路に流体連通する入力ポート及び出力ポートを更に備
える、構成56記載のカートリッジ。
(構成65)
前記カートリッジ内に収容される容量可変容器を更に備え、前記流体が該容器から引き
出され、前記患者に供給されるようにする、構成56記載のカートリッジ。
(構成66)
前記冷却デバイスに係合されているときの、前記カートリッジの自動アライメント及び
自動付勢のための自己アライメント手段を更に備える、構成56記載のカートリッジ。
(構成67)
患者の処置のために流体を熱処理するための液体冷却システムであって、
サーマルプレートを備える冷却デバイスと、
該冷却デバイスに取り外し可能に結合された使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面と、該カートリッジを通って延在する流体通路とを有し、該流体通路の少なく
とも一部分が、該伝熱性表面に隣接して配置される、前記使い捨て熱交換器カートリッジ
と、
該カートリッジを該冷却デバイスに取り外し可能に結合するように配置される少なくと
も1つの付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が該冷却デバイスの該サーマルプレート
に対して付勢され、該流体からの熱を伝導するようにする、前記少なくとも1つの付勢メ
カニズムと、
を備える前記システム。
(構成68)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記カートリッジを前記冷却デバイスに係合
させるための第1の位置と、該カートリッジを該冷却デバイスから切り離すための第2の位
置との間で動作可能なカムシステムを備える、構成67記載のシステム。
(構成69)
前記カムシステムが、カムレバーと、少なくとも1つのカムローブを有するカムシャフ
トとを備える、構成68記載のシステム。
(構成70)
前記カムシステムの前記第1の位置が、前記カートリッジの前記伝熱性表面が前記サー
マルプレートに対し付勢されて熱伝導を生じさせるようなロック構成であり、前記第2の
位置が、該カートリッジを前記冷却デバイスから取り外すことができるようなロック解除
構成である、構成68記載のシステム。
(構成71)
前記冷却デバイス及び前記カムシステムに結合された前板を更に備え、該前板が、摺動
可能に前記カートリッジを受けるような大きさにされたスロットを有する、構成67記載の
システム。
(構成72)
前記前板が、上側付勢面及び下側付勢面を備え、該上側付勢面及び該下側付勢面がそれ
ぞれ前記サーマルプレートに対し平行でなく、前記カートリッジが、対応する上側の角度
付き表面と、対応する下側の角度付き表面とを備え、該対応する上側の角度付き表面及び
該対応する下側の角度付き表面がそれぞれ、該サーマルプレートに対し平行でなく、各々
が該前板の該上側付勢面及び該下側付勢面にそれぞれ平行であり、該カートリッジが前記
スロット内に摺動可能に受けられるようにする、構成71記載のシステム。
(構成73)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記カートリッジを前記冷却デバイスに係合
するための第1の位置と、該カートリッジを該冷却デバイスから切り離すための第2の位置
との間で動作可能なカムシステムを備え、前記第1の位置が、前記カムシステムが前記前
板の前記上側付勢面に対し付勢することを含み、前記伝熱性表面及び前記サーマルプレー
トが所与の力で互いに付勢されるようにする、構成72記載のシステム。
(構成74)
前記カートリッジが、互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを備え、前記
第1のプレートが前記伝熱性表面を備え、前記第2のプレートが、断熱材と、前記流体通路
を画定する溝とを備える、構成67記載のシステム。
(構成75)
前記流体通路が、該流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に近接した少なく
とも1つの角部を備え、前記少なくとも1つの角部が、前記システムの動作中、該少なくと
も1つの角部に近接して気泡がトラップされないように構成される、構成67記載のシステ
ム。
(構成76)
前記第2のプレートが容量可変容器を備え、前記流体が該容器から引き出され、前記患
者に供給されるようにする、構成74記載のシステム。
(構成77)
前記システムを通って循環する流体量を調整するように構成されるポンプを更に備え、
該ポンプが前記カートリッジに隣接して位置決めされ、該カートリッジ内の前記流体が負
の流体圧力を有するようにする、構成67記載のシステム。
(構成78)
前記ポンプが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で前記流体を循環させる
ように構成される、構成77記載のシステム。
(構成79)
前記ポンプが、25psi~150psiの圧力で前記流体を送達するように構成される、構成77
記載のシステム。
(構成80)
前記患者内に位置決めされた処置デバイスの下流に位置決めされたポンプを更に備え、
該ポンプが、前記処置デバイスを通じて前記流体を引き出すように構成される、構成67記
載のシステム。
(構成81)
前記カートリッジの前記流体通路及び前記患者内に位置決めされた処置デバイスと流体
連通した供給ラインを更に備える、構成67記載のシステム。
(構成82)
前記流体通路と流体連通した供給ラインを更に備え、該供給ラインの少なくとも一部が
前記患者の内部に位置決めされ、前記患者の気管支の内部に位置決めされた処置デバイス
と流体連通する、構成67記載のシステム。
(構成83)
気管支鏡及び処置デバイスを有する肺処置システムを更に備え、該処置デバイスが、前
記患者の肺組織に隣接して位置決めされ、前記カートリッジが、該処置デバイスと流体連
通して、処置中に、冷やされた流体を該患者に供給する、構成67記載のシステム。
(構成84)
患者の処置のために流体を冷却する方法であって、
冷却デバイスのサーマルプレートに対し熱交換器カートリッジを付勢することであって
、該熱交換器カートリッジが、流体通路と、該熱交換器カートリッジを該冷却デバイスに
取り外し可能に取り付けるための少なくとも1つの付勢メカニズムとを有することと、
該熱交換器カートリッジを該冷却デバイスから取り外すことと、
該冷却デバイスの該サーマルプレートに対し、代わりの熱交換器カートリッジを付勢す
ることであって、該代わりの熱交換器カートリッジが、流体通路と、該代わりの熱交換器
カートリッジを該冷却デバイスに取り外し可能に取り付けるための少なくとも1つの付勢
メカニズムを有することと、
を含む前記方法。
(構成85)
前記カートリッジを付勢することが、磁力を利用することによって、該カートリッジと
前記冷却デバイスとの間に所与の付勢力を加えることを含む、構成84記載の方法。
(構成86)
前記所与の付勢力が、少なくとも10ポンドの力である、構成85記載の方法。
(構成87)
前記所与の付勢力が、10ポンド~60ポンドの力である、構成85記載の方法。
(構成88)
前記カートリッジを付勢することが、該カートリッジの伝熱性表面を前記サーマルプレ
ートに対し付勢することを含み、該伝熱性表面の少なくとも一部分が該カートリッジの前
記流体通路に隣接する、構成84記載の方法。
(構成89)
前記患者への流体送達のために前記熱交換器カートリッジを通して前記流体をポンピン
グすることを更に含む、構成84記載の方法。
(構成90)
肺処置中に、前記患者の肺組織に隣接して位置決めされた処置デバイスに、冷やされた
流体を供給することを更に含む、構成84記載の方法。
(構成91)
前記熱交換器カートリッジを付勢することが、カムシステムを作動させて係合状態にし
、該カートリッジを前記サーマルプレートに対し付勢することを更に含む、構成84記載の
方法。
(構成92)
前記熱交換器カートリッジを取り外すことが、前記カムシステムを作動させて切り離さ
れた状態にし、該カートリッジを前記サーマルプレートから切り離すことを含む、構成84
記載の方法。
(構成93)
前記カムシステムを作動させることが、カムレバー及びカムシャフトを前記係合状態に
動かし、前記カードリッジを前記サーマルプレートに対し付勢することを含む、構成91記
載の方法。
(構成94)
患者の処置のために流体を熱処理するための液体冷却システムであって、
サーマルプレートを備える冷却デバイスと、
該冷却デバイスに結合された熱交換器であって、伝熱性表面と、該熱交換器を通って延
在する流体通路とを備え、該流体通路の少なくとも一部分が、該伝熱性表面に隣接して配
置される、前記熱交換器と、
該熱交換器の該流体通路の下流側に位置決めされるポンプであって、流体を、該流体通
路を通して負の圧力で引き出して、該流体を正の圧力で処置デバイスに提供するように適
合された、前記ポンプと、
を備える前記システム。
(構成95)
前記ポンプが、前進ギア及び後退ギアを備え、該後退ギアが、前記熱交換器を通して前
記流体の流れを逆にし、前記システムから気体を除去するように適合された、構成94記載
のシステム。
(構成96)
前記ポンプが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で流体を提供する、構成9
4記載のシステム。
(構成97)
前記ポンプが、25psi~150psiの圧力で前記流体を送達するように構成される、構成94
記載のシステム。
(構成98)
前記熱交換器が、前記熱交換器プレートに対し、実質的に垂直に位置決めされる、構成
94記載のシステム。
(構成99)
前記正の圧力が少なくとも80psiである、構成94記載のシステム。
(構成100)
前記熱交換器に返される前記流体が10psi以下である、構成94記載のシステム。
(構成101)
前記処置デバイスの下流に位置決めされた補助ポンプを更に備え、該ポンプが、前記熱
交換器から該処置デバイスを通して前記流体を引き出すように構成される、構成94記載の
システム。
(構成102)
前記熱交換器が、互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを有するカードリ
ッジであり、前記第1のプレートが前記伝熱性表面を備え、前記第2のプレートが、前記流
体通路を画定する溝を備える、構成94記載のシステム。
(構成103)
前記流体通路が、該流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に近接した少なく
とも1つの角部を備え、前記少なくとも1つの角部が、前記システムの動作中、該少なくと
も1つの角部に近接して気泡がトラップされないように構成される、構成102記載のシステ
ム。
(構成104)
前記熱交換器が膜を有する弾性体であり、前記膜が前記伝熱性表面である、構成94記載
のシステム。
(構成105)
前記弾性体が、前記流体通路を画定する蛇行する溝を備える、構成104記載のシステム
。
(構成106)
患者の処置のために流体を冷却する方法であって、
熱交換器を通して冷却剤を負の圧力で引き出して、該冷却剤を冷やすことと、
該冷やされた冷却剤を、正の圧力で該患者内に位置決めされた処置デバイスに供給する
ことと、
該処置デバイスを通して該冷却剤を循環させることと、
を含む前記方法。
(構成107)
前記正の圧力が少なくとも80psiである、構成106記載の方法。
(構成108)
前記熱交換器への戻り圧力が10psi以下である、構成106記載の方法。
(構成109)
前記流体からの熱伝導量を調整することを更に含む、構成106記載の方法。
(構成110)
前記患者の処置のために供給する前記流体の体積量を調整することを更に含む、構成10
6記載の方法。
(構成111)
冷却デバイスに対し前記熱交換器を付勢することを更に含む、構成106記載の方法。
(構成112)
前記処置デバイスを、前記循環される冷やされた流体を受けるように前記患者の気管支
内部に位置決めすることを更に含む、構成106記載の方法。
(構成113)
前記熱交換器の下流側にポンプを位置決めすることと、
該ポンプを用いて該熱交換器を通して前記流体を逆にポンピングして、該熱交換器から
実質的に気体を除去することと、
を更に含む、構成106記載の方法。
(構成114)
前記冷やされた冷却剤を前記処置デバイスに供給することが、該冷やされた冷却剤を、
ポンプを用いて押し出すことを含み、該冷やされた冷却剤を循環させることが、該冷却剤
を、補助ポンプを用いて該処置デバイスから引き出すことを含む、構成106記載の方法。
(構成115)
前記冷やされた冷却剤が、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で循環される
、構成106記載の方法。
(構成116)
前記冷やされた流体が、25psi~150psiの圧力で前記処置デバイスに供給される、構成1
06記載の方法。
(構成117)
冷却デバイスに対し前記熱交換器を付勢することを含み、該熱交換器が、前記処置デバ
イスと連通した流体通路を有するカートリッジである、構成106記載の方法。
(構成118)
冷却デバイスに対し前記熱交換器を付勢することを含み、該熱交換器が、前記処置デバ
イスと流体連通した流体通路を有する弾性体である、構成106記載の方法。
(構成119)
患者の処置のために流体を熱処理するための液体冷却システムであって、
サーマルプレートを備える冷却デバイスと、
該冷却デバイスに取り外し可能に結合された弾性体であって、伝熱性表面と、該弾性体
を通って延在する流体通路とを有し、該流体通路の少なくとも一部分が、該伝熱性表面に
隣接して配置される、前記弾性体と、
該弾性体を該冷却デバイスに取り外し可能に結合するように配置される少なくとも1つ
の付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が該冷却デバイスの該サーマルプレートに対し
て付勢され、該流体からの熱を伝導するようにする、前記少なくとも1つの付勢メカニズ
ムと、
を備える前記システム。
(構成120)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記弾性体を前記冷却デバイスに係合させる
ための第1の位置と、該弾性体を該冷却デバイスから切り離すための第2の位置との間で動
作可能なカムシステムを備える、構成119記載のシステム。
(構成121)
前記カムシステムが、カムレバーと、少なくとも1つのカムローブを有するカムシャフ
トとを備える、構成120記載のシステム。
(構成122)
前記カムシステムの前記第1の位置が、前記弾性体の前記伝熱性表面が前記サーマルプ
レートに対し付勢されて熱伝導を生じさせるようなロック構成であり、前記第2の位置が
、該弾性体を前記冷却デバイスから取り外すことができるようなロック解除構成である、
構成120記載のシステム。
(構成123)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記弾性体を前記冷却デバイスに係合するた
めの第1の位置と、該弾性体を該冷却デバイスから切り離すための第2の位置との間で動作
可能なカムシステムを備え、前記第1の位置が、前記サーマルプレートに対し該弾性体を
所与の力で付勢する前記カムシステムを備える、構成119記載のシステム。
(構成124)
前記システムを通って循環する流体量を調整するように構成されるポンプを更に備え、
該ポンプが前記弾性体に隣接して位置決めされ、該弾性体内の前記流体が負の流体圧力を
有するようにする、構成119記載のシステム。
(構成125)
前記ポンプが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で前記流体を循環させる
ように構成される、構成124記載のシステム。
(構成126)
前記ポンプが、25psi~150psiの圧力で前記流体を送達するように構成される、構成124
記載のシステム。
(構成127)
前記弾性体の前記流体通路及び前記患者内に位置決めされた処置デバイスと流体連通し
た供給ラインを更に備える、構成119記載のシステム。
(構成128)
前記流体通路に流体連通した供給ラインを更に備え、前記供給ラインの少なくとも一部
が前記患者の内部に位置決めされ、該患者の気管支の内部に位置決めされた処置デバイス
と流体連通する、構成119記載のシステム。
(構成129)
気管支鏡及び処置デバイスを有する肺処置システムを更に備え、該処置デバイスが、前
記患者の肺組織に隣接して位置決めされ、前記弾性体が、該処置デバイスと流体連通して
、処置中に、冷やされた流体を該患者に供給する、構成119記載のシステム。
(構成130)
患者の処置のために流体を冷却する方法であって、
冷却デバイスのサーマルプレートに対し弾性体を付勢することであって、該弾性体が、
流体通路を有し、該弾性体が、少なくとも1つの付勢メカニズムによって該サーマルプレ
ートに対し付勢されることと、
該弾性体を該冷却デバイスから取り外すことと、
該冷却デバイスの該サーマルプレートに対し、該少なくとも1つの付勢メカニズムを用
いて代わりの弾性体を付勢することと、
を含む前記方法。
(構成131)
前記弾性体を付勢することが、所与の付勢力を該弾性体に加えることを含む、構成130
記載の方法。
(構成132)
前記所与の付勢力が、少なくとも10ポンドの力である、構成131記載の方法。
(構成133)
前記所与の付勢力が、10ポンド~60ポンドの力である、構成131記載の方法。
(構成134)
前記患者への流体送達のために前記弾性体を通して前記流体をポンピングすることを更
に含む、構成130記載の方法。
(構成135)
肺処置中に、前記患者の肺組織に隣接して位置決めされた処置デバイスに、冷やされた
流体を供給することを更に含む、構成130記載の方法。
(構成136)
前記弾性体を付勢することが、カムシステムを作動させて係合状態にし、該弾性体を前
記サーマルプレートに対し付勢することを更に含む、構成130記載の方法。
(構成137)
前記弾性体を取り外すことが、前記カムシステムを作動させて切り離された状態にし、
該弾性体を前記サーマルプレートから切り離すことを含む、構成130記載の方法。
(構成138)
前記カムシステムを作動させることが、カムレバー及びカムシャフトを前記係合状態に
動かし、前記サーマルプレートに対し前記弾性体を付勢することを含む、構成137記載の
方法。
(構成139)
患者の処置のために流体を熱処理するための使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面を有するプレートと、
内部に凹部又は溝が画定された熱成形トレイであって、該熱成形トレイが該伝熱性表面
に結合され、それによって該カートリッジを通って延在する流体通路を画定する、前記熱
成形トレイと、
を備え、該カートリッジが冷却デバイスに取り外し可能に結合可能であるように構成され
、該伝熱性表面が該流体を伝導的に冷却するようにする、前記カートリッジ。
(構成140)
前記プレートが少なくとも0.01インチ以下の厚みを有する、構成139記載のカートリッ
ジ。
(構成141)
前記プレートが銅を含み、前記伝熱性表面が銀層を含む、構成140記載のカートリッジ
。
(構成142)
前記銀層が約0.5ミクロン~1ミクロンの厚みを有する、構成141記載のカートリッジ。
(構成143)
前記流体通路の第1の端部に結合され、前記流体通路及び前記カートリッジの外部の流
体容器に流体連通した入り口ポートと、該流体通路の第2の端部に結合され、該流体通路
及び該カートリッジの外部のポンピングメカニズムに流体連通した出口ポートとを更に備
える、構成139記載のカートリッジ。
(構成144)
前記入り口ポート及び前記出口ポートがそれぞれ、傾斜付きの又は台形断面外形を有し
、前記システムの動作中に前記ポートのうちの少なくとも1つに気泡がトラップされるよ
うにする、構成143記載のカートリッジ。
(構成145)
前記カートリッジの少なくとも1つのエッジが、冷却デバイスに係合されると、該カー
トリッジの自動アライメントのための自己アライメント手段を有する、構成139記載のカ
ートリッジ。
(構成146)
前記流体通路が、前記カートリッジの長さ及び幅に沿って蛇行し、複数回の通過を成す
、構成139記載のカートリッジ。
(構成147)
前記トレイが、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレンテレフタレート(PET)を含む熱成
形可能な材料で形成される、構成139記載のカートリッジ。
(構成148)
患者の処置のために流体を熱処理するための流体冷却システムであって、
開位置と閉位置との間で移動可能な開き戸を備えるハウジングと、
少なくとも部分的に該ハウジング内に搭載される冷却デバイスであって、サーマルプレ
ートを備える、前記冷却デバイスと、
該冷却デバイスに取り外し可能に結合される使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面を有するプレートと、内部に凹部又は溝が画定された熱成形トレイとを備え、
該熱成形トレイが該伝熱性表面に結合され、それによって該カートリッジを通って延在す
る流体通路を画定する、前記使い捨て熱交換器カートリッジと、
該カートリッジを該冷却デバイスに取り外し可能に結合するように配置される少なくと
も1つの付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が該冷却デバイスの該サーマルプレート
に対して付勢され、該流体からの熱を伝導するようにする、前記少なくとも1つの付勢メ
カニズムと、
を備える前記システム。
(構成149)
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記冷却プレートに吸引可能な1以上の磁石を
備え、前記カートリッジと前記冷却デバイスとの間に所与の付勢力を加えて、前記流体か
らの熱伝導を生じさせるようにする、構成148記載のシステム。
(構成150)
前記システムを通って循環する流体量を調整するように構成されるポンプを更に備え、
該ポンプが前記カートリッジに隣接して位置決めされ、該カートリッジ内の前記流体が負
の流体圧力を有するようにする、構成148記載のシステム。
(構成151)
前記ポンプが、毎分70ミリリットル~160ミリリットルの流速で前記流体を循環させる
ように構成される、構成148記載のシステム。
(構成152)
前記ポンプが、25psi~150psiの圧力で前記流体を送達するように構成される、構成151
記載のシステム。
(構成153)
前記患者内に位置決めされた処置デバイスの下流に位置決めされたポンプを更に備え、
該ポンプが、該処置デバイスを通して前記流体を引き出すように構成される、構成148記
載のシステム。
(構成154)
前記カートリッジの前記流体通路及び前記患者内に位置決めされた処置デバイスと流体
連通した供給ラインを更に備える、構成148記載のシステム。
(構成155)
前記流体通路と流体連通した供給ラインを更に備え、該供給ラインの少なくとも一部が
前記患者の内部に位置決めされ、該患者の気管支の内部に位置決めされた処置デバイスと
流体連通する、構成148記載のシステム。
(構成156)
気管支鏡及び処置デバイスを有する肺処置システムを更に備え、該処置デバイスが、前
記患者の肺組織に隣接して位置決めされ、前記カートリッジが、該処置デバイスと流体連
通して、処置中に、冷やされた流体を該患者に供給する、構成148記載のシステム。
(構成157)
容器供給ラインを介して前記流体通路と流体連通した容量可変流体容器を更に備える、
構成148記載のシステム。
(構成158)
流体が流体容器からポンピングされ、患者内のデバイスを通って循環した後、該容器に
戻る閉ループシステムである、構成148記載のシステム。
(構成159)
前記流体容器が、同軸バッグスパイクアセンブリを介して、該容器における単一の場所
で流体供給ライン及び流体戻りラインと流体連通する、構成158記載のシステム。
(構成160)
前記同軸バッグスパイクアセンブリが、中を通る第1の管腔及び第1の内径を有する第1
の管状部材と、中を通る第2の管腔及び該第1の内径よりも小さい第2の内径を有する第2の
管状部材とを備え、該第2の管状部材が、該第1の管状部材の該第1の管腔内に位置決めさ
れ、該第1の管腔及び該第2の管腔が同軸となり、それにより第1の通路及び第2の通路を画
定するようにする、構成159記載のシステム。
(構成161)
前記第1の通路及び前記第2の通路のうちの一方が流体戻りラインと流体連通し、用いら
れる冷却剤が該通路を介して前記容器に戻されるようにし、該第1の通路及び該第2の通路
の他方が流体供給ラインと流体連通し、冷却剤が該容器から前記流体通路に供給されるよ
うにする、構成160記載のシステム。
(構成162)
前記第1の管腔及び前記第2の管腔の各々が、スパイクアダプタを介してそれぞれの供給
ライン及び戻りラインに結合され、前記アダプタが、前記第1の管状部材の第1の端部に結
合される管状部材を備え、該アダプタが、前記流体戻りラインと前記第1の通路及び前記
第2の通路のうちの一方とが流体連通するように該流体戻りラインに結合するための第1の
ポートと、前記流体供給ラインと該第1の通路及び該第2の通路のうちの他方とが流体連通
するように該流体供給ラインに結合するための第2のポートとを有する、構成161記載のシ
ステム。
(構成163)
前記第2の管状部材がハイポチューブであり、前記第1の管状部材が非ベント型雌ルアー
である、構成160記載のシステム。
(構成164)
同軸バッグスパイクアセンブリであって、
中を通る第1の管腔を画定する構造を有する第1の管状部材であって、該第1の管腔が第1
の内径を有する、前記第1の管状部材と、
中を通る第2の管腔を画定する構造を有する第2の管状部材であって、該第2の管腔が該
第1の内径よりも小さい第2の内径を有する、前記第2の管状部材と、
を備え、
該第2の管状部材が、該第1の管状部材の該第1の管腔内に位置決めされ、該第1の管腔及
び該第2の管腔が同軸となり、それにより第1の通路及び第2の通路を画定するようにし、
該第1の通路及び該第2の通路のうちの一方が冷却デバイスの流体戻りライン及び流体容
器と流体連通し、冷却剤が該管腔を介して該容器に戻されるようにし、該第1の通路及び
該第2の通路の他方が流体供給ライン及び流体容器と流体連通し、該冷却剤が該容器から
該冷却デバイスに供給されるようにする、前記アセンブリ。
(構成165)
前記供給ライン及び前記戻りラインのうちの一方を前記第1の通路に結合し、該供給ラ
イン及び該戻りラインのうちの他方を前記第2の通路に結合するためのスパイクアダプタ
を更に備え、該スパイクアダプタが、前記第1の管状部材の第1の端部に結合される管状部
材を備え、該アダプタが、該流体戻りラインと該第1の通路及び該第2の通路のうちの一方
とが流体連通するように該流体戻りラインに結合するための第1のポートと、該流体供給
ラインと該第1の通路及び該第2の通路のうちの他方とが流体連通するように該流体供給ラ
インに結合するための第2のポートとを有する、構成164記載のアセンブリ。
(構成166)
前記第2の管状部材がハイポチューブであり、前記第1の管状部材が非ベント型雌ルアー
である、構成164記載のアセンブリ。
(構成167)
前記第1の管状部材が射出成形プラスチックである、構成164記載のアセンブリ。
(構成168)
前記スパイクアダプタが射出成形プラスチックである、構成165記載のアセンブリ。
(構成169)
前記第1の管状部材及び前記第2の管状部材を前記流体容器に結合するためのベント型ス
パイクキャップを更に備える、構成164記載のアセンブリ。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の処置のために流体を、サーマルプレートを備える冷却デバイスで熱処理するための使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面、及び該カートリッジを通って延在する流体通路であって、該流体通路の少なくとも一部分が、該伝熱性表面に隣接して配置される前記流体通路、並びに
該カートリッジを該冷却デバイスの該サーマルプレートに取り外し可能に結合するように配置された少なくとも1つの付勢メカニズムであって、該伝熱性表面が、該流体を伝導的に冷却するようにする、前記少なくとも1つの付勢メカニズムを備え、
該流体通路は、該伝熱性表面が該サーマルプレートに対して付勢されているときに、該流体が、約100mL/分の流速で該流体通路を通って、約15~35℃の温度差動を受けるのに十分な滞留時間をもたらすような寸法にされる、前記カートリッジ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、2対の磁石を備え、各対が前記カートリッジの対向する端部に位置決めされ、各対が、該カートリッジと前記冷却デバイスとの間の面間接触を改善して熱交換効率を増大させるように該冷却デバイスに吸引可能である、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記冷却デバイスから切り離されているときに第1の状態にあり、かつ該冷却デバイスに係合しているときに第2の状態にあるように形成される、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第1の状態が、前記カートリッジが実質的に凸形状の外形を有することを含み、かつ前記第2の状態が、該カートリッジが実質的に長方形の外形を有することを含む、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの付勢メカニズムが、前記冷却デバイスに吸引可能な複数の磁石で構成され、前記カートリッジに所与の付勢力を加えて、前記流体からの熱伝導を生じさせるようにする、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
互いに結合された第1のプレート及び第2のプレートを更に備え、該第1のプレートが前記伝熱性表面を備え、該第1のプレートが、少なくとも0.01インチ以下の厚みを有する、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記第2のプレートが、断熱材で構成され、かつ前記流体通路の一部を画定する溝を備える、請求項6記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記流体通路が、該流体通路の第1の側壁と第2の側壁との間の遷移部に近接した少なくとも1つの角部を備え、該少なくとも1つの角部が、システムの動作中、該少なくとも1つの角部に近接して気泡がトラップされないように構成される、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項9】
互いに流体連通し、かつ該流体通路に流体連通する入力ポート及び出力ポートを更に備える、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記カートリッジ内に収容される容量可変容器を更に備え、前記流体が該容器から引き出され、前記患者に供給されるようにする、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記冷却デバイスに係合されているときの、前記カートリッジの自動アライメント及び自動付勢のための自己アライメント手段を更に備える、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項12】
患者の処置のために流体を、サーマルプレートを備える冷却デバイスで熱処理するための使い捨て熱交換器カートリッジであって、
伝熱性表面を有するプレートと、内部に凹部又は溝が画定された熱成形カバーであって、該伝熱性表面に結合され、それによって該カートリッジを通って延在する流体通路を画定する、前記熱成形カバーと、を備え、
該カートリッジが、該冷却デバイスに取り外し可能に結合可能であるように構成され、該伝熱性表面が、該冷却デバイスの該サーマルプレートに対して付勢されて、該流体からの熱を伝導するようにし、かつ
該カートリッジが、該流体通路の第1の端部に隣接して位置決めされ、かつ該第1の端部と流体連通する第1のポートを備え、該第1のポートが、該流体通路と平行であり、かつそれからオフセットしている軸に沿って、該第1の端部で流体供給ラインに接続されるように構成される、前記カートリッジ。
【請求項13】
前記プレートに結合される1以上の磁石を更に備え、該磁石が、前記サーマルプレートに吸引可能であり、前記カートリッジと前記冷却デバイスとの間に所与の付勢力を加えて、前記流体からの熱伝導を生じさせるようにする、請求項12記載のカートリッジ。