(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123707
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】次世代無線ネットワークにおけるパケットデータ収束プロトコルの複製
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20230829BHJP
H04W 80/06 20090101ALI20230829BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20230829BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20230829BHJP
【FI】
H04W28/04
H04W80/06
H04W72/231
H04W80/02
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105407
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2021541466の分割
【原出願日】2020-01-16
(31)【優先権主張番号】62/794,192
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】518446879
【氏名又は名称】鴻穎創新有限公司
【氏名又は名称原語表記】FG INNOVATION COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat 2623,26/F Tuen Mun Central Square,22 Hoi Wing Road,Tuen Mun,New Territories,The Hong Kong Special Administrative Region of the People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,チャフン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,チェミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,フンチェン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザ機器上で2つを超える複製経路が設定される場合に、PDU複製に対して適切な制約を有する効率的なPDCP(パケットデータ収束プロトコル)複製方法を提供する。
【解決手段】方法は、ユーザ機器上で、PDCP複製機能をアクティブ化する指示が受信された場合、1つまたは複数の複製されたPDCP PDU(プロトコルデータユニット)を生成し、生成された1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを、1つまたは複数のアクティブRLC(無線リンク制御)エンティティに送信し、そして、1次経路であるRLCエンティティを除く1つまたは複数のアクティブRLCエンティティの少なくとも1つを非アクティブRLCエンティティに切り替えるための複数のフィールドを含むメディアアクセスコントロール(MAC)制御要素(CE)を受信する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)のためのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)プロトコルデータユニット(PDU)を複製する方法であって、
PDCPエンティティのためのPDCP複製設定を、基地局から無線リソース制御(RRC)信号を通じて受信するステップであって、当該設定は、
(i)前記PDCPエンティティと複数の無線リンク制御(RLC)エンティティとの間の関連性と、
(ii)1次経路である前記複数のRLCエンティティのうち1つのRLCエンティティと、
(iii)複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブRLCエンティティであって、1次経路として示されていないRLCエンティティを含むアクティブRLCエンティティとしての、1つまたは複数のRLCエンティティとを示す、前記受信するステップと、
PDCP複製機能をアクティブ化する指示が受信された場合に、前記PDCPエンティティが、1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを生成するステップと、
前記PDCPエンティティが、生成された1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを、1つまたは複数の前記アクティブRLCエンティティに送信するステップと、
前記1次経路であるRLCエンティティを除く1つまたは複数のアクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを非アクティブRLCエンティティに切り替えるための複数のフィールドを備えているメディアアクセスコントロール(MAC)制御要素(CE)を受信するステップとを含み、
前記UEは、複数の専用無線ベアラ(DRB)を用いて設定され、前記複数のDRBの各々は、前記PDCP複製機能を用いて設定され、
受信された前記MAC CEは、複数のビットを有するフィールドを含み、前記フィールドの値は、前記複数のDRBのうちの1つに関連付けられ、
前記MAC CEの複数の前記フィールドは、前記MAC CEに関連付けられた前記DRBを識別するための少なくとも第1のフィールドと、対応するRLCエンティティがアクティブであるか非アクティブであるかを示すための少なくとも第2のフィールドとを含む、方法。
【請求項2】
前記複数のフィールドは、さらに、非アクティブ伝送経路を複製された前記PDUを送信するためのアクティブ伝送経路に切り替えるために、前記非アクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを、アクティブRLCエンティティに切り替えるためのフィールドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PDCPエンティティは、前記1次経路である前記RLCエンティティ及び前記1つまたは複数のアクティブRLCエンティティの両方のための複製されたPDCP PDUのみを生成する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブRLCエンティティに切り替えることを指示するMAC CEを受信した後に、少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブにするステップと、
前記PDCPエンティティが、非アクティブ化されたRLCエンティティへの、複製されたPDCP PDUの送信を停止するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のDRBは、ダウンリンクRRC信号を介して前記基地局によって事前設定され、前記DRBの各々は、固有ID(DRB ID)を用いて設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フィールドの値は、昇順または降順で、複数のDRBの中から1つのDBRのIDと1対1でマッピングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記MAC CEは、特定の論理チャネルアイデンティティ(LCID)を有するMACサブPDUのヘッダによって識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
パケットデータ収束プロトコル(PDCP)プロトコルデータユニット(PDU)を複製するためのコンピュータ実行可能命令を有する1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体と、
前記1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に結合されており、
PDCPエンティティの設定であって、
(i)PDCPエンティティと複数の無線リンク制御(RLC)エンティティとの間の関連性と、
(ii)1次経路である前記複数のRLCエンティティのうち1つのRLCエンティティと、
(iii)複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブRLCエンティティとしての、1つまたは複数のRLCエンティティと、
を示す設定を、基地局から無線リソース制御(RRC)信号を介して受信すること、
PDCP複製機能をアクティブ化する指示が受信された場合に、前記PDCPエンティティが、1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを生成すること、
前記PDCPエンティティが、生成された1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを、1つまたは複数の前記アクティブRLCエンティティに送信すること、および、
1次経路であるRLCエンティティを除く1つまたは複数のアクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを非アクティブRLCエンティティに切り替えるための複数のフィールドを含むメディアアクセスコントロール(MAC)制御要素(CE)を受信すること、を指示するコンピュータ実行可能命令を実行するように構成されている、少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
UEは、複数の専用無線ベアラ(DRB)を含み、受信された前記MAC CEは、前記複数のDRBのうちの1つに関連付けられ
前記MAC CEの複数の前記フィールドは、前記MAC CEに関連付けられた前記DRBを識別するための少なくとも第1のフィールドと、対応するRLCエンティティがアクティブであるか非アクティブであるかを示すための少なくとも第2のフィールドとを含む、
ユーザ機器(UE)。
【請求項9】
前記複数のフィールドは、さらに、非アクティブ伝送経路を複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブ伝送経路に切り替えるために、前記非アクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを、アクティブRLCエンティティに切り替えるためのフィールドである、請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記PDCPエンティティは、前記1次経路である前記RLCエンティティ及び前記1つまたは複数の前記アクティブRLCエンティティの両方のための複製されたPDCP PDUのみを生成する、請求項8に記載のUE。
【請求項11】
前記アクティブRLCエンティティは、前記1次経路として示されないRLCエンティティを含む、請求項8に記載のUE。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブRLCエンティティに切り替えることを指示するMAC CEを受信した後に、少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブにすることと、
前記PDCPエンティティが、非アクティブ化されたRLCエンティティへの、複製されたPDCP PDUの送信を停止することと
を指示する前記コンピュータ実行可能命令を実行するようにさらに構成される、請求項8に記載のUE。
【請求項13】
前記複数のDRBは、ダウンリンクRRC信号を介して前記基地局によって事前設定され、前記DRBの各々は、固有ID(DRB ID)を用いて設定される、請求項8に記載のUE。
【請求項14】
前記MAC CEは、特定の論理チャネルアイデンティティ(LCID)を有するMACサブPDUのヘッダによって識別される、請求項8に記載のUE。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願とのクロスレファレンス)
本出願は、2019年1月18日に出願された米国特許仮出願第62/794,192号、発明の名称「Reliability Improvements on PDCP Duplication(PDCP複製に関する信頼性の改善)」、代理人整理番号US76406(以下、「US76406出願」と呼ぶ)の利益および優先権を主張する。US76406出願の開示は、参照により本出願に完全に組み込まれる。
【0002】
(分野)
本開示は、概して、無線通信に関し、とりわけ、次世代無線ネットワークにおけるパケットデータ収束プロトコル(PDCP;Packet Data Convergence Protocol)の複製に関する信頼性を改善することに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、高信頼低遅延(URLLC;Ultra Reliable Low Latency Communication)サービス向けのデータパケット送信などのために、より高い信頼性を達成するために、新無線(NR;New Radio)のための3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって、無線アクセスネットワーク(RAN;Radio Access Network)のための新しいPDCP複製機構が導入されている。PDCP層における複製機構は、同じPDCPプロトコルデータユニット(PDU;Protocol Data Units)を、例えば、無線リンク制御(RLC;Radio Link Control)層などの下位層に2回提出することを含む。2回の提出とは、1回目に、1次RLCエンティティ(またはベアラ)に提出すること、および、2回目に、例えば2次RLCエンティティなどの付加的RLCエンティティに提出することである。したがって、PDCP複製機構は、PDUの生成回数、および、異なるRCLエンティティなどへのPDUの送信回数を不必要に増加させることがあり、その結果、全体的なスペクトル効率を低下させることがある。当技術分野では、ユーザ機器(UE;User Equipment)上で2つを超える複製経路が設定される場合に、PDU複製に対して適切な制約を有する効率的なPDCP複製機構が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、次世代無線ネットワークにおけるPDCP複製の信頼性を改善することを目的とする。
【0005】
本出願の第1の態様では、UEのためにPDCP PDUを複製する方法が提供される。本方法は、PDCPエンティティのためのPDCP複製設定を、基地局から無線リソース制御(RRC)信号を介して受信するステップと、1つまたは複数の複製PDCP PDUを生成するステップと、生成された1つまたは複数の複製PDCP PDUを送信するステップと、メディアアクセスコントロール(MAC;medium access control)制御要素(CE;control element)を受信するステップとを含む。設定を受信するステップにおいて、前記設定は、(i)PDCPエンティティと複数のRLCエンティティとの間の関連性と、(ii)1次経路である複数のRLCエンティティのうち1つのRLCエンティティと、(iii)複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブRLCエンティティであって、1次経路として示されていないRLCエンティティを含むアクティブRLCエンティティとしての、1つまたは複数のRLCエンティティとを示す。生成するステップにおいて、PDCPエンティティは、PDCP複製機能をアクティブ化する指示が受信された場合に、1つまたは複数の複製PDCP PDUを生成する。送信するステップにおいて、PDCPエンティティは、生成された1つまたは複数の複製PDCP PDUを、1つまたは複数のアクティブRLCエンティティに送信する。メディアアクセスコントロール制御要素を受信するステップにおいて、該メディアアクセスコントロール制御要素は、1次経路であるRLCエンティティを除く1つまたは複数のアクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを、非アクティブRLCエンティティに切り替えるための複数のフィールドを備えている。
【0006】
第1の態様の一実施形態では、上述の複数のフィールドは、さらに、複製PDCP PDUを送信するために非アクティブ伝送経路をアクティブ伝送経路に切り替えることを目的として、少なくとも1つの非アクティブRLCエンティティをアクティブRLCエンティティに切り替えることに対応している。
【0007】
第1の態様の他の実施形態では、PDCPエンティティは、アクティブRLCエンティティのための複製されたPDCP PDUのみを生成する。
【0008】
第1の態様の実施形態は、さらに、少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブRLCエンティティに切り替えることを指示するMAC CEを受信した後、少なくとも1つのアクティブRLCエンティティを非アクティブにするステップと、PDCPエンティティが、非アクティブ化されたRLCエンティティへの、複製されたPDCP PDUの送信を停止するステップとを含む。
【0009】
第1の態様の他の実施形態では、UEは、PDCP複製機能を用いて設定される複数の専用無線ベアラ(DRB;dedicated radio bearers)を用いて設定され、受信されたMAC CEは2ビット以上のフィールドを備え、当該フィールドの値は、複数のDRBのうちの1つに関連付けられる。
【0010】
第1の態様の他の実施形態では、複数のDRBは、ダウンリンクRRC信号を介して基地局によって事前設定され、DRBの各々は、固有ID(DRB ID)を用いて設定される。
【0011】
第1の態様の他の実施形態では、フィールドの値は、昇順または降順で、複数のDRBの中から1つのDBR(DRB ID)と1対1でマッピングされる。
【0012】
第1の態様の他の実施形態では、MAC CEの複数のフィールドは、MAC CEに関連付けられたDRBを識別するための少なくとも第1のフィールドと、対応するRLCエンティティがアクティブであるか非アクティブであるかを示すための少なくとも第2のフィールドとを含む。
【0013】
第1の態様の他の実施形態では、MAC CEは、特定の論理チャネルアイデンティティ(LCID;logical channel identity)を有するMACサブPDUのヘッダによって識別される。
【0014】
本出願の第2の態様において、PDCP PDUを複製するためのコンピュータ実行可能命令を有する1つ以上の一時的でないコンピュータ読み取り可能媒体を備えるUEと、少なくとも1つのプロセッサとが提供される。プロセッサは、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体に結合され、PDCPエンティティの設定をRRC信号を介して基地局から受信すること、PDCP複製機能をアクティブ化する指示が受信された場合に、PDCPエンティティが、1つまたは複数の複製PDCP PDUを生成すること、PDCPエンティティが、生成された1つまたは複数の複製PDCP PDUを、1つまたは複数のアクティブRLCエンティティに送信すること、および、1次経路であるRLCエンティティを除く1つまたは複数のアクティブRLCエンティティのうちの少なくとも1つを非アクティブRLCエンティティに切り替えるための複数のフィールドを備えているメディアアクセスコントロール(MAC;medium access control)制御要素(CE;control element)を受信すること、を指示するコンピュータ実行可能命令を実行するように構成される。前記設定は、(i)PDCPエンティティと複数のRLCエンティティとの間の関連性と、(ii)1次経路である複数のRLCエンティティのうち1つのRLCエンティティと、(iii)複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブRLCエンティティとしての、1つまたは複数のRLCエンティティとを示す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
例示的な開示の態様は、添付の図面と共に読まれるとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。様々な特徴は、一定の縮尺で描かれておらず、様々な特徴の寸法は議論を明確にするために任意に増減されてもよい。
【
図1】本出願の例示的な実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN;radio access network)における二重接続性(DC;dual connectivity)およびキャリアアグリゲーション(CA;carrier aggregation)のための2つのPDCP複製機構を示す図である。
【
図2】本出願の例示的な実施形態による、複合複製アプローチを用いたPDCP複製機構を示す図である。
【
図3】本出願の例示的な実施形態による、2つを超える数のRLCエンティティに関連付けられたPDCPエンティティを示す図である。
【
図4】本出願の例示的な実施形態による、PDCPエンティティ上の1つ以上の伝送経路を設定または再設定するための、MAC CEフォーマット/構造を示す図である。
【
図5】本出願の例示的な実施形態による、PDCPエンティティ上の1つ以上の伝送経路を設定または再設定するための、MAC CEフォーマット/構造を示す図である。
【
図6】本出願の例示的な実施形態による、PDCPエンティティ上に1つ以上の伝送経路を設定または再設定し、MAC CEに関連付けられたDRBを識別するための、MAC CEフォーマット/構造を示す図である。
【
図7】本出願の例示的な実施形態による、PDP複製のためにUEによって実行される方法(または処理)を示すフローチャートである。
【
図8】本出願の例示的な一実施形態による、無線通信のためのノードを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、本開示における例示的な実施形態に関連する特定の情報を含む。本開示における図面およびそれらの添付の詳細な説明は、単に例示的な実施形態に向けられている。しかし、本開示は、これらの例示的な実施形態のみに限定されるものではない。本開示の他の変形および実施形態は、当業者には想起されるであろう。特に断らない限り、図中の同様のまたは対応する要素は、同様のまたは対応する参照番号によって示されてもよい。さらに、本開示における図面および例示は、概して、一定の縮尺ではなく、実際の相対的な寸法に対応することを意図していない。
【0017】
一貫性および理解の容易さのために、同様の特徴は(いくつかの例では、図示されていないが)、例示的な図では同じ数字によって識別される。しかし、異なる実施形態における特徴は、他の点で異なっていてもよく、したがって、図面に示されるものに狭く限定されるものではない。
【0018】
本明細書では、「1つの実施形態において」、または、「本実施形態のいくつかにおいて」などの語句が用いられるが、これらは、1以上の同じ実施態様を指すこともあるが、異なる実施形態を指すことがある。「結合された(coupled)」という用語は、直接的であろうと、介在する構成要素を介して間接的であろうと、接続されたものとして定義され、必ずしも物理的接続に限定されない。「~を備える(comprising)」という用語が使用される場合、当該用語は、「~を含む(include)が、含まれるものは必ずしもこれに限定されない」ということを意味し、特に、そのように記載された組み合わせ、グループ、シリーズ、および均等物におけるオープンエンドの包含またはメンバーシップを示す。「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」または「以下のうちの少なくとも1つであって、以下とは、A、BおよびCである」という表現は、「Aのみ、または、Bのみ、または、Cのみ、または、A、BおよびCの任意の組み合わせ」ということを意味している。
【0019】
さらに、説明および非限定の目的のために、機能エンティティ、技法、プロトコル、標準などの特定の詳細が、説明される技術の理解を提供するために記載される。他の例では、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないように、周知の方法、技術、システム、アーキテクチャなどの詳細な説明は省略される。
【0020】
当業者は、本開示に記載されている任意のネットワーク機能またはアルゴリズムが、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実行されてもよいことを直ちに理解するだろう。記載された機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせであり得るモジュールに対応してもよい。ソフトウェアのインプリメンテーションは、メモリまたは他の種類の記憶装置などのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を含んでもよい。例えば、通信処理能力を有する1つ以上のマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータは、対応する実行可能命令でプログラム化され、記載されているネットワーク機能またはアルゴリズムを実行してもよい。上記マイクロプロセッサまたは汎用コンピュータは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックアレイでできていてもよい、および/または、1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いてもよい。本明細書に記載されている例示的な実施態様のうちのいくつかがコンピュータハードウェアにインストールされ、該ハードウェア上で実行されるソフトウェアを対象としているが、ファームウェアとして、あるいは、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実行される代替の例示的な実施態様は十分、本開示の範囲内である。
【0021】
コンピュータ読み取り可能な媒体としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM、登録商標))、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD ROM)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、またはコンピュータ読み取り可能な命令を記憶することができる任意の他の同等の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
無線通信ネットワークアーキテクチャ(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)システム、LTEアドバンスト(LTE-A)システム、LTEアドバンストProシステム、または、5G NR無線アクセスネットワーク(RAN))は、少なくとも1つの基地局(BS)、少なくとも1つのユーザ装置(UE)、およびネットワークへの接続を提供する1つ以上の任意のネットワーク要素を典型的に含む。上記UEは、上記ネットワーク(例えば、コアネットワーク(CN)、進化型パケットコア(EPC)ネットワーク、発展型ユニバーサル無線地上波アクセスネットワーク(E-UTRAN)、5Gコア(5GC)またはインターネット)と、1つまたは複数の上記基地局によって確立された無線アクセスネットワーク(RAN)を通じて、通信する。
【0023】
本出願において、UEとしては、移動局、携帯端末または携帯機器、ユーザ通信無線端末が挙げられるが、これらに限定されないことに留意されたい。例えば、UEは、携帯無線装置であってもよく、該携帯無線装置としては、無線通信能力を有する携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、センサ、車両、または個人用デジタル補助装置(PDA)が挙げられるが、これらに限定されない。上記UEは、無線アクセスネットワークにおける1つ以上のセルと、電波インタフェース上で、信号を送受信するよう構成されている。
【0024】
基地局は、以下の無線アクセス技術(RAT)のうち少なくとも1つにしたがって、通信サービスを提供するように構成されてもよい。上記無線アクセス技術(RAT)としては、マイクロ波アクセスのための世界相互運用性(WiMAX)、グローバルモバイル通信システム(GSM(登録商標);Global System for Mobile communications、2Gと称されることが多い)、GSM進化型対応のGSM拡張データレート(EDGE;Enhanced Data rates for GSM Evolution)無線アクセスネットワーク(GERAN)、汎用パケット無線サービス(GRPS;General Packet Radio Service)、基本広帯域符号分割多重接続(W-CDMA)に基づいたユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS、3Gと称されることが多い)、高速パケットアクセス(HSPA)、LTE、LTE-A、eLTE(evolved LTE、例えば、5GCに接続されたLTEなど)、新無線(NR、5Gと称されることが多い)および/またはLTE-A Proが挙げられる。しかし、本出願の範囲は、上述のプロトコルに限定すべきではない。
【0025】
基地局は、UMTSにおけるようなノードB(NB)、LTEまたはLTE-Aにおけるような発展型ノードB(eNB)、UMTSにおけるような無線ネットワークコントローラ(RNC)、GSM/GERANにおけるような基地局コントローラ(BSC)、5GCに関連するE-UTRA基地局におけるようなng-eNB、5G-RANにおけるような次世代ノードB(gNB)、およびセル内の無線通信を制御し、無線リソースを管理することができる任意の他の装置を含むことができるが、これらに限定されない。基地局は、無線インタフェースを介して1つまたは複数のUEにサービスを提供してもよい。
【0026】
基地局は、無線アクセスネットワークを形成する複数のセルを使用して、特定の地理的エリアに無線カバレッジを提供するように動作可能である。基地局は、セルの動作をサポートする。各セルは、その無線カバレッジ内の少なくとも1つのUEにサービスを提供するように動作可能である。より具体的には、各セル(しばしばサービングセルと称される)は、その無線カバレッジ内の1つまたは複数のUEにサービスを提供する(例えば、各セルは、ダウンリンクおよび任意でアップリンクパケット送信のために、その無線カバレッジ内の少なくとも1つのUEにダウンリンクおよび任意でアップリンクリソースをスケジューリングする)。基地局は、複数のセルを介して無線通信システム内の1つまたは複数のUEと通信することができる。セルは、近接サービス(ProSe;Proximity Service)またはビークル・トゥ・エブリシング(V2X)サービスをサポートするために、サイドリンク(SL)リソースを割り当ててもよい。各セルは、他のセルと重複するカバレージフィールドを有してもよい。
【0027】
上述のように、NRのフレーム構造は、高信頼性、高データ速度、および低レイテンシ要件を満たしながら、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、超信頼通信、および低レイテンシ通信(URLLC)などの様々な次世代(例えば、5G)通信要件に対応するためのフレキシブルな構成をサポートする。3GPP(3rd Generation Partnership Project)で合意された直交周波数分割多重(OFDM)技術は、NR波形のための基準として機能してもよい。アダプティブサブキャリアスペーシング、チャネル帯域幅、およびサイクリックプレフィックス(CP)などのスケーラブルOFDM数秘学も使用してもよい。さらに、NRには(1)低密度パリティ検査(LDPC)符号および(2)ポーラ符号の2つの符号化方式が考えられる。符号化スキーム適応は、チャネル条件および/またはサービスアプリケーションに基づいて構成され得る。
【0028】
さらに、単一のNRフレームの送信時間間隔TX、ダウンリンク(DL)送信データ、ガード期間、およびアップリンク(UL)送信データが少なくとも含まれるべきであると考えられる。ここで、DL送信データ、ガード期間、UL送信データのそれぞれの部分もまた、例えば、NRのネットワークダイナミクスに基づいて構成可能であるべきであると考えられる。さらに、サイドリンクリソースは、ProSeサービスまたはV2XサービスをサポートするためにNRフレームで提供されてもよい。
【0029】
さらに、本明細書中の用語「システム」および「ネットワーク」は、互換的に使用され得る。本明細書中の用語「および/または」は、関連する各対象の関係性を表現しているに過ぎず、3つの関係性が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在すること、AおよびBが同時に存在すること、またはBが単独で存在することを示すことができる。加えて、本明細書中の文字「/」は一般に、前者および後者の関連する各対象が、「または」の関係にあることを示している。
【0030】
上述のように、次世代(例えば、5G NR)無線ネットワークは、より多くの容量、データ、およびサービスをサポートすることが想定される。多重接続性が設定されたUEは、アンカーとしてのマスタノード(MN)に接続して、データ配信のために1つ以上の2次ノード(SN)に接続してもよい。これらのノードの各々は、1つまたは複数のセルを含むセルグループによって形成されてもよい。例えば、MNは、マスタセルグループ(MCG;Master Cell Group)によって形成されてもよいし、SNは、2次セルグループ(SCG;Secondary Cell Group)によって形成されてもよい。換言すれば、二重接続性(DC;dual connectivity)が設定されたUEの場合、MCGは、PCellおよびゼロ以上の2次セルを含む1つまたは複数のサービングセルの集合である。一方、SCGは、PSCellおよびゼロ以上の2次セルを含む1つまたは複数のサービングセルの集合である。UEがSCGに設定されている場合、UEは、2つのMACエンティティに設定され得る。1つは、MCGのMACエンティティであり、もう1つは、SCGのMACエンティティである。
【0031】
さらに、キャリアアグリゲーション(CA)が可能なUEの場合、2つ以上のコンポーネントキャリア(CC)が互いにアグリゲートされ得る。そのようなUEは、UEの能力に応じて、1つまたは複数のCC上で、同時に、受信または送信を行ってもよい。CAは、連続CCおよび非連続CCの両方に対してサポートされる。CAが配備されるとき、フレームタイミングおよびSFNは、統合され得る各セルに亘って調整される。
【0032】
上述したように、1次セル(PCell)は、1次周波数上で動作するMCGセルであってもよい。1次周波数上では、UEは、初期接続確立手順を実行するか、または、接続再確立手順を開始する。MR-DCモードでは、PCellは、MNに属していてもよい。1次SCGセル(PSCell)は、UEが、例えば同期手順を用いて再設定を実行するときなどのランダムアクセスを実行するSCGセルであってもよい。MR-DCでは、PSCellは、SNに属していてもよい。特殊セル(SpCell)は、メディアアクセスコントロール(MAC)エンティティがMCGに関連付けられているかSCGに関連付けられているかに応じて、MCGのPCellまたはSCGのPSCellと称され得る。そうでなければ、用語「特殊セル」は、PCellを意味していてもよい。特殊セルは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH;Physical Uplink Control Channel)の送信、および、競合ベースのランダムアクセスをサポートしてもよく、常にアクティブ化されていてもよい。さらに、CA/DCで設定されていないRRC_CONNECTED状態にあるUEの場合、UEは、1つのサービングセル(SCell)のみと通信してもよい。サービングセルは、1次セルであってもよい。一方、UEがCA/DCで設定されているRRC_CONNECTED状態にある場合、1以上の特殊セルおよびすべての2次セルを含むサービングセルの集合は、UEと通信してもよい。
【0033】
図1は、本出願の例示的な実施形態による、無線アクセスネットワーク(RAN)における二重接続性(DC)およびキャリアアグリゲーション(CA)のための2つのPDCP複製機構を示す図である。
図1に示すように、DC複製101の機構では、無線ベアラ経路は、PDCPエンティティ110と、例えば1次RLCエンティティなどのRLCエンティティ115と、例えばマスタセルグループMAC(M-MAC)エンティティなどのMACエンティティ125と、を含む。DC複製101の機構では、PDCP複製が、例えば、RRC信号を介して上述の無線ベアラ経路に対して設定される場合、無線ベアラが複製されたPDCP PDUを処理するために、付加的RLCエンティティ(例えば、2次RLCエンティティ)120が追加されてもよい(例えば、付加的RLCエンティティ120を、PDCP複製機構を用いて設定されているPDCPエンティティ110に関連付けることができる)。
【0034】
同様に、CA複製102においては、PDCPエンティティ150と、例えば1次RLCエンティティなどのRCLエンティティ155と、例えばM-MACエンティティなどのMACエンティティ165とを含む無線ベアラ経路に対して、PDCP複製が設定される場合、無線ベアラが複製したPDCP PDUを処理するために、例えば2次RLCエンティティなどの付加的RLCエンティティ160が追加されてもよい(例えば、付加的RLCエンティティ160は、PDCP複製を用いて設定されているPDCPエンティティ150に関連付けることができる)。RLCベアラは、無線ベアラの下位層部分を含んでいてもよいということに留意されたい。該下位層部分は、PDCPエンティティとRLCエンティティとの間の関連付けと、RLCエンティティそれ自身と、RLCエンティティとMACエンティティとの間に関連付けられた論理チャネル(LCH;logical channel)とを含む。RLCエンティティとMACエンティティとの間のLCHは、MACエンティティをRLCエンティティに関連付けるサービスアクセスポイントを含んでいてもよい。
【0035】
PDCP層における複製(例えば、PDCP複製機能)は、同一のPDCP PDUを、下位層に2回提出することを含んでいてもよい。2回提出することとは、1次RLCエンティティ115または1次RLCエンティティ155上で1回目に提出すること、および、付加的RLCエンティティ120または付加的RLCエンティティ160上で2回目に提出することである。その際、PDCP PDUの2つのコピー(例えば、元のPDCP PDU、および、それに対応する複製されたPDCP PDU)は、同一のキャリア上で送信されなくてもよい。
【0036】
2つのRLCベアラの論理チャネルは、例えばCA機構における単一のMACエンティティに関連付けられてもよいし、あるいは、例えばDC機構における異なるMACエンティティに関連付けられてもよい。DC機構における2つのMACエンティティは、2つのセルグループに関連付けられてもよい。一方は、マスタCG(MCG)であり、もう一方は、2次CG(SCG)である。以下では、MCGに関連付けられているMACをM-MAC(例えば、M-MACエンティティ125)と称し得る。SCGに関連付けられているMACをS-MAC(例えば、2次セルグループMAC(S-MAC)エンティティ130)と称し得る。DC機構およびCA機構におけるPDCP複製は、それぞれ、DC複製101およびCA複製102と称し得る。
【0037】
2つの関連するRLCベアラのうちの1つは、PDCP PDUを送信するための1次経路(例えば、primaryPathなど)として設定されてもよい。そして、もう1つのRLCベアラは、2次伝送経路として設定されてもよい。1次伝送経路および2次伝送経路のRLCエンティティは、それぞれ、1次RLCエンティティ115(または155)および2次RLCエンティティ120(または160)のことを指していてもよい。MCGに対応するMACエンティティに関連付けられているRLCエンティティは、1次伝送経路として設定されるように制限されないことに留意されたい。1次伝送経路およびMCG/SCGの設定は、基地局(例えば、gNB)によって独立して行われてもよい。セルグループについて、例えば基地局などから受信された設定は、同じMACエンティティによってサービスされるべきすべてのサービングセルを設定してもよい。RLCエンティティの各々は、1つのCGに関連付けられてもよい。複数のRLCエンティティは、同じCGに属することができる。
【0038】
本実施形態のいくつかは、2つより多い数の複製経路を有するPDCP複製機構を提供してもよい。すなわち、PDCP複製機構をCA複製またはDC複製のいずれかに制限するのではなく、CA機構とDC機構とを組み合わせることによって、例えば典型的にはCA機構から得られる周波数ダイバーシティ、および、例えば典型的にはDC機構から得られる空間ダイバーシティを、より柔軟な方法で連携して利用してもよい。
【0039】
本実施形態のいくつかは、本明細書において複合複製機構と称されるPDCP複製機構を提供する。当該複合複製機構は、CA複製機構とDC複製機構とを組み合わせてもよい。CA複製の特徴は、PDCPエンティティに関連付けられている複数のRLCエンティティを表現してもよい。また、関連付けられたRLCベアラは、本実施形態のいくつかにおいて、同一のMACエンティティに関連付けられてもよい。DC複製の特徴は、すべての関連付けられたRLCベアラの中で、少なくとも1つのRLCベアラがUEの1つのMACエンティティに関連付けられ、さらに少なくとも1つのRLCベアラがUEの別のMACエンティティに関連付けられていることを表現してもよい。
【0040】
PDCPエンティティが複合複製で設定されると、複数(例えば、少なくとも3つ)のRLCベアラがPDCPエンティティに関連付けられるように設定されてもよい。関連付けられたRLCベアラのうち、少なくとも2つのRLCベアラが、同じMACエンティティに関連付けられるようにさらに設定されてもよく、そして、残りのRLCベアラが、別のMACエンティティに関連付けられてもよい。
図2には示されていないが、本実施形態のいくつかは、2つより多いMACエンティティを有する複合複製機構、または、3つより多いRLCエンティティを有する複合複製機構を提供してもよい。
【0041】
図2は、本出願の例示的な実施形態による、複合複製アプローチを使用するPDCP複製機構示す
図200である。
図2に示すように、PDCPエンティティ210は、複合複製を用いて設定されてもよく、3つのRLCエンティティ220、330、および240に関連付けられてもよい。RLCエンティティ220は、M-MACエンティティ250に関連付けられてもよく、RLCベアラ230および240は、S-MACエンティティ260に関連付けられてもよい。
【0042】
図2は、複合複製のトポロジの一例に過ぎないことに留意されたい。また、トポロジは、M-MACエンティティ250に関連付けられているRLCエンティティ220および230と、S-MACエンティティ260に関連付けられているRLCエンティティ240とを含んでいてもよい。さらに、上述したように、PDCPエンティティ210は3つより多くのRLCベアラに関連付けられてもよく、および/または、複合複製は、UEのPDCPエンティティを設定してもよい。UEは、多重接続性を備えるように設定されてもよいし(例えば、UEは2つより多いgNBとのRRC接続を有するように設定されていてもよい)、あるいは、マルチRAT二重接続性(例えば、E-UTRAとNRノード間の二重接続性)を備えるように設定されてもよい。多重接続性において、UEは、2つより多くのMACエンティティを用いて設定されてもよく、ここで、各MACエンティティは、1つの基地局(例えば、gNBまたはeNB)との1つのRRC接続に対応していてもよい。
【0043】
基地局が、UEのアクセスストレイタム(AS;access stratum)層を、ダウンリンクRRCメッセージを通じて設定/再設定する場合、いくつかのPDCPエンティティに関連する設定、および、RLCベアラに関連する設定が、ダウンリンクRRCメッセージに含まれてもよい。ダウンリンクRRCメッセージは、RRCReconfiguration、RRCResume、RRCReestablishment、RRCSetup、または任意のユニキャストメッセージなどの設定パラメータを含んでいてもよい。PDCPに関連する設定は、PDCP-ConfigパラメータなどのPDCPエンティティ専用情報要素(IE;information element)内に含まれていてもよい。RLCベアラに関連する設定は、RLC-BearerConfigパラメータなどのRLCベアラ専用IEであってもよい。
【0044】
上述したように、本実施形態のいくつかは、3つより多くのRLCベアラを有する複合複製機構を提供してもよい。
図3は、本出願の例示的実施形態による、2つより多くのRLCベアラに関連付けられたPDCPエンティティを示す
図300である。
図3に示されるように、PDCPエンティティ310は、3つのRLCエンティティ、RLC1、RLC2、およびRLC3に関連付けられ、3つのRLCエンティティのそれぞれは、MACエンティティに関連付けられてもよい。
【0045】
本実施形態のいくつかは、PDCP PDU伝送経路の選択機構を提供する。上述したように、UEのPDCPエンティティは、基地局によって送信されたダウンリンクRRCメッセージを受信することによって、PDCP複製を用いて設定されてもよい。また、PDCPエンティティは、1つまたは複数のRLCベアラに関連付けられるように設定されてもよい。本実施形態のいくつかでは、2つより多くのRLCベアラは、例えば、gNBによって、PDCPエンティティに関連付けられるように設定されてもよい。例えば、gNBによって3つのRLC-BearerConfigパラメータを介して設定された、合計3つのRLCベアラが、PDCPエンティティに関連付けられていてもよい。複製による無線リソースの消費を低減するために、複製機能がアクティブ化されると、本実施形態のいくつかにおいて、PDCPエンティティは、同一のPDCP PDUを、関連付けられた(例えば3つの)RLCベアラ(または、RLCエンティティ)のすべてに、提出しないようにしてもよい。したがって、関連するすべてのRLCベアラ(例えば3つのRLCベアラ)のうち、特定の数(例えば、NumofCopies)のRLCベアラ(例えば、2つのRLCベアラ)のみが、PDCP PDUのコピーを送信するために採用されてもよい。
【0046】
図2の例を参照すると、NumofCopiesパラメータが2つとして設定され、複製がアクティブ化されると、PDCPエンティティは、3つのRLCエンティティのうちの2つ(例えば、PDCPに関連付けられたすべてのRLCエンティティのうちの2つ)に対して、同じPDCP PDUのみを送信してもよい。すべての関連するRLCエンティティのうちの2つのみにPDCP PDUを提出する(例えば、NumofCopiesを2つに設定する)ことによって、要求される信頼性が達成され得る、ということを考慮する一方で、無線リソースの消費が、関連付けられたRLCベアラの数と共に線形的に増加することを防止できる。
【0047】
本実施形態のいくつかでは、基地局からNumofCopies設定を受信する前に、UEは、例えば、初期アクセスの手続中に、または、RRC接続状態の間に。NumofCopies_Capを含む特定のアップリンクRRCメッセージ/IEを介して、NumofCopies_Cap IEを基地局に報告してもよい。NumofCopies_Cap IEを報告することによって、UEは、UEがサポートし得るNumofCopiesの最大個数についてのUEの性能を、基地局に対して示すことができる。他の代替的な実施形態では、NumofCopies_Capは、複製機構タイプごと(例えば、CA複製、DC複製、および/または複合複製ごと)にあってもよいし、無線アクセス技術(RAT)ごと(例えば、NR、E-UTRAN、UTRANごと)にあってもよいし、接続数(例えば、gNB(またはeNBまたは基地局)との同時接続数が、2つ、3つ、またはそれ以上であるRRC接続)ごとにあってもよいし、あるいは、報告される無線ベアラのタイプごと(例えば、SRBまたはDRBごと)にあってもよい。複製機能は、UEの電力消費を増加させる可能性があり、UEは、UEの電力条件にしたがって、あるいは、他の基準に基づいて、例えば、最大サポート数を減らすようにNumofCopiesを再ネゴシエーションしてもよいことに留意されたい。したがって、ネゴシエーションは、初期アクセス段階に限定されなくてもよい。
【0048】
本実施形態のいくつかは、UEがアップリンク伝送経路の選択をどのように行うのかを決定するためのいくつかの要因を考慮してもよい。例えば、伝送経路の選択は、部分的または全体的に、UEのPDCPエンティティによって行われてもよい。あるいは、上述の選択は、基地局から指示されてもよい。伝送経路のローディング、リソースの可用性および/またはチャネル状態は、静的でなくてもよく、伝送経路を動的に切り替えることが有利であることもあり得る。また、複製がアクティブ化された後の期間は、伝送経路が示されなくてもよい。
【0049】
本実施形態のいくつかは、デフォルトの伝送経路を決定するための機構を提供する。基地局は、例えば1つまたは複数のユニキャストRRC(再)設定メッセージ/信号を介するなどして複製がアクティブ化されたときにPDCPエンティティによって適用され得るデフォルトの伝送経路を、複製がアクティブ化される前に明示的または非明示的に示してもよい。その後、そのような実施形態のうちのいくつかでは、複製機能が動作している(例えば、アクティブ化されている)間に、基地局は、例えば物理(PHY)層またはMAC層などのRRCおよび/または下位層の信号を介して切り替わる伝送経路をさらに示してもよい。上述のように、複製による無線リソースの消費を低減するために、複製機能がアクティブ化されると、PDCPエンティティは、特定の数のRLCエンティティのみに同じPDCP PDUを提出するようにしてもよい。ただし、複製がアクティブになってから一定期間、PDCPエンティティが伝送経路を認識していない場合がある。したがって、本実施形態のいくつかは、PDCP PDUに提出するためのデフォルト(または初期)の伝送経路を事前に設定しておいてもよい。
【0050】
本実施形態のいくつかでは、デフォルトの伝送経路は、非明示的にUEによって決定されてもよい。例えば、UEは、PDCPエンティティに関連付けられたRLCエンティティに対してMACエンティティから提供されるLCIDまたはLCHの論理チャネルグループ(LCG)にしたがって、デフォルトの伝送経路を選択してもよい。ある実施形態では、PDCPエンティティは、LCIDの最小値または最大値を有するLCHのNumofCopiesを選択してもよい。他の実施形態では、PDCPエンティティは、特定のMACエンティティによって提供されるLCH、または、特定のセルグループに属するLCHの中で、最小または最大のLCIDを有するLCHのNumofCopiesを選択してもよい。
【0051】
ある実施形態では、PDCPエンティティは、LCG IDの最小値または最大値を有するLCHのNumofCopiesを選択してもよい。あるいは、上述の実施形態の組み合わせが使用されてもよい。例えば、基地局によって、MACエンティティに対して、4つのRLCエンティティに提供するように設定された4つのLCH(例えば、LCH1、2、3および4)があり、4つのRLCエンティティすべてがPDCPエンティティに関連付けられてもよい。LCH1、2、3、および4のLCIDは、それぞれ1、2、3、および4であってもよい。例えば、NumofCopiesが2に設定されていて、PDCPエンティティがLCHの中でLCIDが最小のNumofCopiesを持つLCHを選択するという規則が適用されている場合、LCH1および2が選択されてもよい。
【0052】
本実施形態のいくつかでは、デフォルトの伝送経路は、例えばDefaultPathなどの特定のIEによって、または、例えばmoreThanOneRLC変数のように、3GPPのTS 38.331に記載されているような、既存のIEを再利用することによって、明示的に示されてもよい。本実施形態のいくつかでは、デフォルトの伝送経路は、DefaultPath IEによって示されてもよく、DefaultPath IEは、既存のmoreThanOneRLC IEに含まれてもよい。以下に示す表1、表2、表3では、デフォルトの伝送経路に関連付けられたセルグループおよび論理チャネルがDefaultPath IE内に示されている。本実施形態のいくつかでは、セルグループおよび論理チャネルは、それぞれ、UE固有のセルグループID(例えば、CellGroupID)およびセルグループ固有の論理チャネルID(例えば、LogicalChannelIdentity)を介して示されてもよい。
【0053】
【表1】
ある実施形態では、表1に示すように、デフォルトの伝送経路は、DefaultPathおよびprimaryPath IEによって示される論理チャネルを有するRLCエンティティであってもよい。PDCP設定IEの中には複数のDefaultPath IEが含まれ得ること、または、複数の論理チャネルが単一のDefaultPath IEによって示される得ることに留意されたい。本実施形態のいくつかにおいて、複数のDefaultPath IEの場合、基地局は、1つの伝送経路を1つのDefaultPath IEで示してもよい。本実施形態のいくつかにおいて、さらに、基地局は、例えば、以下の表3で導入されるTransPathToAddModListなどのように、特定のIE内の各伝送経路のすべてのDefaultPath IEをリスト化してもよい。換言すれば、複数のDefaultPath IEをUEに設定する間、各DefaultPath IEは、1つのRLCベアラを示していてもよく、複数のDefaultPath IEによって示されるすべてのRLCベアラは、デフォルトの伝送経路として考慮されてもよい。本実施形態のいくつかでは、PDCP複製がアクティブ化された後、PDCPエンティティがPDCP PDUを提出している間に、すべてのデフォルト伝送経路がPDCP PDUを提出するために使用されてもよい。
【0054】
本実施形態のいくつかでは、以下の表2に示すように、デフォルトの伝送経路は、TransPathToAddModList IEによって示される論理チャネルに関連付けられたすべてのRLCベアラを含んでいてもよい。TransPathToAddModList IEは、論理チャネルのリストを示してもよい。したがって、TransPathToAddModList IEによって示される1つまたは複数の論理チャネルがあってもよい。さらに、本実施形態のいくつかでは、PDCP複製で設定されるPDCPエンティティに対して設定することが可能な論理チャネルの最大数を表すために、maxTransPath IEがアドレス指定されてもよい。maxTransPath IEは、UEによって、PDCP複製のためのUEの性能として、基地局に報告されてもよい。
【0055】
UEは、maxTransPath IEを含む特定のアップリンクRRCメッセージ/IEを介して初期アクセス手続中またはRRC接続状態の間に、maxTransPath IEを基地局に報告してもよいことに留意されたい。maxTransPath IEを報告することにより、UEは、UEがサポートし得る伝送経路の最大数に関するUEの性能を基地局に対して示すことができる。いくつかの代替的な実施形態では、maxTransPath IEは、複製機構タイプごと(例えば、CA複製、DC複製、および/または複合複製ごと)にあってもよいし、RATごと(例えば、NR、E-UTRAN、UTRANごと)にあってもよいし、接続数(例えば、基地局(例えば、eNB)との同時接続数が、2つ、3つ、またはそれ以上であるRRC接続)ごとにあってもよいし、あるいは、報告される無線ベアラのタイプごと(例えば、SRBまたはDRBごと)にあってもよい。
【0056】
【表2】
論理チャネルの関連リストは、設定された論理チャネルのリストを示し得るTransPathToReleaseList IEによって、デフォルトの伝送経路から除去/解放されてもよい。TransPathToReleaseList IEがUEによって受信されると、UEは、TransPathToReleaseList IEに含まれる論理チャネルに関連付けられたRLCベアラをデフォルトの伝送経路から削除することを考慮してもよい。TransPathToAddModList IEまたはTransPathToReleaseList IEのいずれかによって示される論理チャネルは、さらに、特定のIE(例えば、TransPath)を通じて、包含/設定されてもよい。論理的には、primaryPath IEのための設計と同様に、TransPath IEは、それぞれ、CellGroupIDおよびLogicalChannelIdentityを示していてもよい。TransPath IEは、PDCP-Config、moreThanOneRLC、またはその他のIE に含まれていてもよい。他の実施形態では、TransPath IEは、DefaultPath IEによって置き換えられてもよく、TransPathToAddModList IEおよび/またはTransPathToReleaseList IEに含まれてもよい。
【0057】
【表3】
本実施形態のいくつかでは、デフォルトの伝送経路は、RLCベアラに関連する設定IE(例えば、RLC-BearerConfig IE)によっても示され得る。例えば、上の表3に示すように、RLC-BearerConfigを介して対応する論理チャネルを設定する間、基地局は、RLCベアラが(デフォルト)伝送経路と見なされるか否かを、RLC-BearerConfig IEに含まれる特定のIE(例えば、DefaultLCH)によってさらに示すことができる。したがって、デフォルトLCH IEによって示される(例えば、フィールド内で真として示される)RLCベアラのみが、デフォルト伝送経路と見なされてもよい。他のいくつかの実施形態では、デフォルトの伝送経路は、RLCBearerPair IE(例えば、RLCベアラペアID)によって示されてもよい。換言すれば、上述されたようなDefaultLCH、TransPathまたはDefaultPathにおいて、基地局は、CellGroupIDまたはLogicalChannelIdentityの代わりに、RLCBearerPairまたはRLCベアラIDを介して、デフォルトの伝送経路を示してもよい。RLCBearerPairとRLCベアラIDについて以下に説明する。本実施形態のいくつかでは、特定のセルグループ(例えば、マスタセルグループまたは2次セルグループ)に属する伝送経路は、デフォルトの伝送経路として、非明示的に示され/考慮されてもよい。
【0058】
本実施形態のいくつかは、基地局によって示される伝送経路を完全に柔軟に動的に切り替えるための機構を提供する。PDCPエンティティは、PDCP複製がアクティブ化される前に、複数のRLCベアラに関連付けられるように設定され得るが、関連付けられたRLCベアラの一部のみが(例えば、上述のように)デフォルトの伝送経路として示されてもよい。当該RLCベアラは、PDCP複製がアクティブ化された直後に適用されてもよい。次いで、伝送経路は、例えば、複製がアクティブ化されている間に、複数の関連付けられたRLCベアラ間で切り替えられてもよい。したがって、PDCP複製がアクティブになると、事前に示された特定のRLCベアラのみが、PDCPエンティティによって伝送経路として適用されてもよい。
【0059】
しかしながら、個々の伝送経路または伝送経路ペアのローディング、リソースの可用性および/またはチャネル状態は、静的でなくてもよく、伝送経路は、基地局からダウンリンク信号を受信することによってさらに動的に切り替えられてもよい。ダウンリンク信号は、RRC、MAC、および/またはPHY層の信号であってもよい。本実施形態のいくつかは、以下に説明するように、伝送経路がどのように切り替えられるかに関していくつかの代替案を提供する。
【0060】
例えば、RLCエンティティ(再)設定またはPDCPエンティティ(再)設定などのようなRRC(再)設定の間、基地局は、設定されたRLCベアラの全部または一部をいくつかのRLCベアラペアにペアリングしてもよい。PDCP複製がアクティブ化された後、伝送経路は、RLCベアラペアごとに動的に切り替えられてもよい。したがって、特定のダウンリンク信号が基地局から受信されると、UEは、予め定義された切り替え規則またはダウンリンク信号内の指示に基づいて、伝送経路を1つのRLCベアラペアから別のRLCベアラペアへと切り替えてもよい。以下、基地局によるRLCベアラのペアリングについて説明する。
【0061】
基地局は、特定のIE(例えば、RLCBearerPair)を介して、設定された各RLCベアラのためのペアインデックスを示してもよい。換言すれば、基地局の設定/指示にしたがって、設定されたRLCベアラペアは、ゼロ、1つ、または複数のRLCベアラペアに属してもよい。特定のIEは、RLC-BearerConfig、PDCP-config、またはLogicalChannelConfigパラメータに含まれていてもよい。
【0062】
以下の表4の実施形態に示すように、RLCベアラを設定する間、基地局は、設定する当該RCLベアラが、どのRLCベアラペア属し得るのかを示してもよい。RLCBearerPair IEは、RLCベアラが属するRLCベアラペアのID(例えば、RLCベアラペアID)を示していてもよい。さらに、PDCP複製で設定されたPDCPエンティティに対してUEが設定されている(または設定されている可能性がある)RLCベアラペアの最大数を表すために、maxRLCBearerPairパラメータが適用されてもよい。maxRLCBearerPairは、PDCP複製に関するUEの性能として、UEから基地局に対して報告されてもよい。表4に示すものと同様に、RLCBearerPair IEは、PDCP-config IEやLogicalChannelConfig IEなどの他のIEにも含まれていてもよい。
【0063】
【表4】
UEは、初期アクセスの手続の間(またはRRC接続状態の間)に、maxRLCBearerPairに含まれる特定のアップリンクRRCメッセージ/IEを介して、maxRLCBearerPair IEを基地局に報告してもよい。maxRLCBearerPair IEを報告することによって、UEは、UEがサポートし得るRLCベアラペアの最大数に関してUEの性能を基地局に示すことができる。本実施形態のいくつかでは、maxRLCBearerPair IEは、複製機構タイプごと(例えば、CA複製、DC複製、および/または複合複製ごと)にあってもよいし、RATごと(例えば、NR、E-UTRAN、UTRANごと)にあってもよいし、接続数(例えば、基地局(例えば、eNB)との同時接続数が、2つ、3つ、またはそれ以上であるRRC接続)ごとにあってもよいし、あるいは、報告される無線ベアラのタイプごと(例えば、SRBまたはDRBごと)にあってもよい。
【0064】
RLCベアラペアが設定され、PDCP複製がアクティブ化された後、基地局は、基地局から任意のサービングセルを介してUEに送信されるダウンリンクMAC PDUへと多重化され得る特定のタイプのMAC CEを介して1つ以上の伝送経路の切り替えを実行するように、UEに指示してもよい。特定のMAC CEは、Transmission Path Switching(TPS)MAC CEであってもよい。例えば、RLCベアラの2つのペア(RLCベアラペア0とRLCベアラペア1など)は、PDCP複製のためのPDCPエンティティと関連付けられるように設定され、かつ、RLCベアラペア0がデフォルトの伝送経路として設定されている場合、PDCP複製がアクティブになると、PDCPは、RLCベアラペア0を適用してPDCP PDUを送信してもよい。しかしながら、RLCベアラペア0からRLCベアラペア1への切り替えを示すTPS MAC CEが受信される場合、PDCPエンティティはPDCP PDU送信のためにRLCベアラペア0の適用を停止して、PDCP PDU送信のためにRLCベアラペア1を適用することになる。上述の例では、RLCベアラペアの切り替え動作は、RLCベアラペア0を非アクティブ化し、次いでRLCベアラペア1をアクティブ化するように実施され得る。
【0065】
本実施形態のいくつかでは、PDCPエンティティの各々に対して設定されるRLCベアラペアの数は定数(例えば、2つ)であってもよく、TPS MAC CEは長さがバイト単位で配列された(例えば、8ビットの倍数である)ビット文字列であってもよい。
図4は、本出願の例示的実施形態による、PDCPエンティティ上の1つまたは複数の伝送経路を(再)設定するためのMAC CEフォーマット/構造を示す図である。
図4に示すように、1つのオクテット400のTPS MAC CEは、特定のLCIDを持つMACサブPDUのヘッダによって識別される。TPS MAC CEは、固定長であり、8つのDフィールドD
0-D
7を含む単一のオクテット400を含む。
【0066】
本実施形態のいくつかでは、MACエンティティに対するTPS MAC CEは、以下のように定義されてもよい。Diフィールドは、データ無線ベアラi(DRB i)のPDCP複製に関連するRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。ここで、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。
【0067】
Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア0がアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア1が非アクティブ化されることを示すために、0に設定されてもよい。Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア1がアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア0が非アクティブ化されることを示すために、1に設定されてもよい。すなわち、PDCPは、該当するDiフィールドが0の場合には、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペア0を適用し、該当するDiフィールドが1の場合には、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペア1を適用してもよい。
【0068】
本実施形態のいくつかでは、PDCPエンティティに関連付けられているすべてのRLCベアラのうち、2つのRLCベアラのみがRLCベアラペアとして設定されてもよく、残りのRLCベアラは、いずれのRLCベアラペアに属するようにも設定されていなくてよい。PDCPは、対応するDiフィールドが0に設定されている場合、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペアを適用しなくてもよく、PDCPは、対応するDiフィールドが1に設定されている場合、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペアを適用することになる。本実施形態のいくつかでは、Diフィールドは、PDCPがデフォルトのRLCベアラまたはデフォルトのRLCベアラペアをPDCP PDUの伝送経路として適用すべきであることを示すために、0に設定されてもよい。Diフィールドは、PDCPがデフォルトのRLCベアラまたはデフォルトのRLCベアラペアをPDCP PDUの伝送経路として適用すべきでないことを示すために、1に設定されてもよい。
【0069】
本実施形態のいくつかでは、TPS MAC CEのサイズは、DRBの各PDCPエンティティ(複製機能)に対して設定されたRLCベアラペアの数と、UE内の2つより多くの伝送経路の設定/動作をサポートし得るDRBのPDCPエンティティ(複製機能)の数とに依存してもよい。
図5は、本出願の例示的実施形態による、PDCPエンティティ上の1つまたは複数の伝送経路を(再)設定するためのMAC CEフォーマット/構造を示す図である。TPS MAC CEは、
図5に示すように、バイト単位で配列された(例えば、8ビットの倍数である)ビット文字列であってもよい。
【0070】
図5に示す例では、UEは、2つ以上の伝送経路の設定/動作をサポートすることが可能なDRBの最大8つのPDCPエンティティ(複製機能)をサポートしてもよい。DRBのPDCPエンティティ(複製機能)は、4つのRLCベアラペアで設定してもよく、
図5における各D
0-D
7フィールドは、2ビットを有していてもよい。
【0071】
Diフィールドは、データ無線ベアラi(DRB i)のPDCP複製に関連するRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。ここで、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペアxがアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製の設定された/関連付けられたRLCベアラペアの残りが非アクティブ化されることを示すために、xに設定されてもよい。
【0072】
各D
iフィールドのビット数は、DRBの各PDCPエンティティ(複製機能)を用いて設定されたRLCベアラペアの数に依存してもよい。例えば、DRBのPDCPエンティティ(複製機能)ごとに設定されたRLCベアラペアの数が8つに設定されている場合、D
iは3桁のフィールドになってもよい。また、TPS MACに含まれるD
iフィールドの数は、UE内の2つより多くの伝送経路の設定/動作をサポートし得るDRBのPDCPエンティティ(複製機能)の数に依存してもよい。したがって、TPS MAC CEのフォーマットは、Dフィールドの各々が3、4、またはそれ以上のビットを含むことができるという差を除いて、
図5に示されるフォーマットに類似していてもよい。
【0073】
フォーマットは、予め決定/予め定義され、基地局によって動的に決定されるべきではないことに留意されたい。一部の予約ビットは、バイト単位の配列のためにTPS MAC CEに含めることもできる。TPS MAC CEの各フォーマット(例えば、Diフィールドのビット数)は、TPS MAC CEのMACサブPDUのヘッダ内のLCIDによって区別されてもよい。あるいは、基地局は、UEに対応するTPS MAC CEについて1つのフォーマットのみを適用してもよい。例えば、TPS MAC CEのDiフィールドは、常に2ビットであってもよい。結果として、UEによってサポートされるRLCベアラ/RLCベアラペアの最大数は4であってもよい。ただし、2つのRLCベアラペアのみで設定されているPDCPエンティティの場合、基地局は、対応するDiを00に設定することによって最初のペアを示し、対応するDiを01に設定することによって2番目のペアを示してもよい。
【0074】
さらに、一実施形態では、適用されるべきTPS MAC CEのフォーマットをネゴシエートするようにPDCP複製が設定/アクティブ化される前に、UEと基地局との間の事前RRC信号交換が適用され得る。他の実施形態では、UEは、UEが報告したRLCベアラ/RLCベアラペアの最大数にしたがって、または、基地局がPDCPエンティティに設定するRLCベアラ/RLCベアラペアの数にしたがって、TPS MAC CEの対応するフォーマットを非明示的に適用してもよい。
【0075】
図2に示される実施形態のようないくつかの実施形態の場合、D
iフィールドはデータ無線ベアラi(DRB i)のPDCP複製に関連するRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示すことがある。ここで、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。
【0076】
Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペアxがアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製の設定された/関連付けられたRLCベアラペアの残りの部分が非アクティブ化されることを示すためにxに設定されてもよい。各Diフィールドのビット数は、DRBの各PDCPエンティティ(複製機能)を用いて設定されたRLCベアラペアの数に依存してもよい。例えば、DRBのPDCPエンティティ(複製機能)ごとに設定されたRLCベアラペアの数が8つに設定されている場合、Diは3桁のフィールドとなる。また、TPS MACに含まれるDiフィールドの数は、UE内の2つより多くの伝送経路の設定/動作をサポートし得るDRBのPDCPエンティティ(複製機能)の数に依存してもよい。一部の予約ビットは、バイト単位の配列のためにTPS MAC CEに含めることもできる。
【0077】
本実施形態のいくつかでは、TPS MAC CEは、DRB
iフィールドを含んでいてもよい。DRB
iフィールドは、RLCベアラペアの切り替えを要求し得るDRBを示してもよい。
図6は、本出願の例示的実施形態による、PDCPエンティティ上の1つまたは複数の伝送経路を(再)設定するためのMAC CEフォーマット/構造を示す図である。DRB
iフィールド610は、DRB IDを直接的に示してもよいし、あるいは、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順を表してもよい。
【0078】
例えば、000に設定されたDRBフィールドは、対応するPDCPエンティティがPDCP PDCP複製機能で設定され得るDRB IDの最小値を持つDRBに関連付けられてもよく、001に設定されたDRBフィールドは、対応するPDCPエンティティがPDCP PDCP複製機能で設定され得るDRB IDの2番目に小さい値を持つDRBに関連付けられてもよい。他の実施形態では、000に設定されたDRBフィールドは、対応するPDCPエンティティがPDCP複製機能で設定され得るDRB IDの最大値を持つDRBに関連付けられてもよく、001に設定されたDRBフィールドは、対応するPDCPエンティティがPDCP複製機能で設定され得るDRB IDの2番目に大きい値を持つDRBに関連付けられてもよい。「D」フィールド620は、DRBiによって示されるDRBのPDCP複製に関連付けられたRLCベアラまたはRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。Dフィールド620は、どのRLCベアラがアクティブ化されるべきかを示してもよく、また、示されていないRLCベアラが非アクティブ化されるべきであることを示してもよい。一部の予約ビットは、バイト単位の配列のためにTPS MAC CEに含めることもできる。
【0079】
上述の実施形態のいくつかは、
図6の実施形態に適用されてもよい。例えば、DRBの各PDCPエンティティ(複製機能)に対して設定されるRLCベアラおよび/またはRLCベアラペアの数と、UE内の2つより多くの伝送経路の設定/動作をサポートし得るDRBのPDCPエンティティ(複製機能)の数に応じて、DRBiのサイズおよびDのサイズは可変であってよい。
【0080】
TPS MAC CEのいくつかまたはすべてのフォーマットが同時にサポートされてもよく、TPS MAC CEのMACサブヘッダに含まれる異なるLCIDを介してUEによって識別されてもよいことに留意されたい。
図4、
図5、および
図6のDフィールドは、PDCP複製のRLCベアラのアクティブ化/非アクティブ化のステータスとして表され得ることにも留意されたい。例えば、
図4では、iは、PDCP複製で設定された無線ベアラ用に設定されたLCHのLCIDの昇順/降順である。D
iフィールドは、PDCP複製の対応するRLCベアラが非アクティブ化されることを示すために0に設定されてもよい。D
iフィールドは、PDCP複製の対応するRLCベアラがアクティブ化されることを示すために1に設定されてもよい。
【0081】
この具体例では、無線ベアラは、MAC CEのサブヘッダによって示されてもよい。例えば、
図5において、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。対応するD
iが00に設定されている場合、DRBのPDCPエンティティの関連するすべてのRLCベアラのうち、LCIDが最小のLCHに関連付けられたRLCベアラ(ペア)がアクティブ化されてもよく、残りのRLCベアラが非アクティブ化されてもよい(デフォルト経路/必須経路を除く)。DRBのPDCPエンティティの関連するすべてのRLCベアラのうち、2番目に小さいLCIDを持つLCHに関連付けられたRLCベアラ(ペア)は、対応するD
iが01に設定されている場合にアクティブ化されてもよく、残りのRLCベアラ(デフォルト経路/必須経路を除く)は非アクティブ化されてもよい。
【0082】
例えば、
図6において、DRBiフィールド610は、DRB IDを直接示してもよいし、あるいは、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順を表すことができる。Dフィールド620は、DRBiによって示されるDRBのPDCP複製に関連するRLCベアラのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。DRBのPDCPエンティティの関連するすべてのRLCベアラのうち、最小のLCIDを持つLCHに関連付けられたRLCベアラ(ペア)は、対応するD
iが00に設定されている場合にアクティブ化されてもよく、残りのRLCベアラは非アクティブ化されてもよい(いくつかの実施形態では、デフォルト経路/必須経路の場合を除く)。DRBのPDCPエンティティの関連するすべてのRLCベアラのうち、2番目に小さいLCIDを持つLCHに関連付けられたRLCベアラ(ペア)は対応するD
iが01に設定されている場合にアクティブ化されてもよく、残りのRLCベアラ(TPS MAC CEによって示されるRLCベアラ以外)は、非アクティブ化されてもよい(いくつかの実施形態では、デフォルト/必須の場合を除くこともあるし、あるいは、除かないこともある)。
【0083】
図7は、本出願の例示的な実施形態による、PDP複製のためにUEによって実行される方法(または処理)700を示すフローチャートである。処理700は、UEのプロセッサまたはマイクロコントローラなどのコントローラによって実行され得る。処理700は、アクション710において、基地局からRRC信号を介して、PDCPエンティティのためのPDCP複製設定を受信することによって開始されてもよい。設定は、PDCPエンティティと複数の無線リンク制御(RLC)ベアラとの間の関連付けを示していてもよい。設定は、複数のRLCベアラ(またはエンティティ)のうちの1つのRLCベアラ(またはエンティティ)を、1次経路であるとしてさらに示してもよい。また、この設定は、複製されたPDCP PDUを送信するためのアクティブRLCベアラ(またはエンティティ)として、1つまたは複数のRLCベアラ(またはエンティティ)を示してもよい。アクティブRLCベアラは、1次経路として示されていないRLCベアラを含んでいてもよい。
【0084】
処理700は、アクション720において、PDCP複製機能アクティブ化指示が受信されたか否かを判定してもよい。処理700は、PDCP複製機能アクティブ化指示が受信されていないと判定した場合、アクション720に戻って、PDCP複製機能アクティブ化指示を待機してもよい。一例では、アクション720におけるアクティブ化指示は、アクション710のPDCP複製に含まれていてもよい。別の例では、アクション720におけるアクティブ化指示は、アクティブ化されたPDCP複製機能の初期状態を示し得る特定のIEであってもよい。当該指示は、アクション710のPDCP複製に含まれていてもよい。
【0085】
そうでなければ、処理700は、PDCP複製機能アクティブ化指示が受信されたと判定した場合、アクション730において、1つまたは複数の複製されたPDCP PDUをPDCPエンティティによって生成してもよい。処理700は、アクション740において、PDCPエンティティによって、生成された1つまたは複数の複製されたPDCP PDUを、1つまたは複数のアクティブRLCベアラ(またはエンティティ)に送信してもよい。
【0086】
処理700は、アクション750において、1次経路であるRLCベアラを除いた少なくとも1つまたは複数のアクティブRLCベアラ(またはエンティティ)を非アクティブRLCベアラ(またはエンティティ)に切り替えるための複数のフィールドを含むMAC CEを受信してもよい。
【0087】
本実施形態のいくつかでは、処理700は、少なくとも1つのアクティブRLCベアラを非アクティブRLCベアラに切り替えることを指示するMAC CEを受信した後、少なくとも1つのアクティブRLCベアラを非アクティブにしてもよい。そして、処理700は、PDCPエンティティによって、複製されたPDCP PDUを非アクティブ化されたRLCベアラに送信することを停止してもよい。そうすることによって、本実施形態のいくつかでは、処理700は、非アクティブ伝送経路(例えば、トランスポートチャネル(PDCPエンティティとRLCエンティティとの間のチャネル)と、関連する非アクティブRLCエンティティと、関連する論理チャネル(RLCエンティティとMACエンティティとの間のチャネルと)を、複製されたPDUを送信するためのアクティブ伝送経路に切り替えることができる。
【0088】
本実施形態のいくつかでは、複数のフィールドは、非アクティブRLCベアラのうちの少なくとも1つをアクティブRLCベアラに切り替えるためにさらに使用されてもよい。本実施形態のいくつかでは、PDCPエンティティがアクティブRLCベアラのための複製PDCP PDUのみを生成してもよい。本実施形態のいくつかでは、UEは、PDCPDCP複製機能により設定された複数のDRBで設定されてもよい。受信されたMAC CEは、1より多くのビットを有するフィールドを含んでいてもよく、該フィールドの値は、複数のDRBのうちの1つに関連付けられてもよい。
【0089】
本実施形態のいくつかでは、フィールドの値は、昇順または降順で、複数のDRBのうちで、DBRのIDに対して1対1でマッピングされてもよい。本実施形態のいくつかでは、MAC CEの複数のフィールドは、MAC CEに関連するDRBを識別するための少なくとも第1のフィールドと、対応するRLCベアラがアクティブであるか非アクティブであるかを示すための少なくとも第2のフィールドとを含んでいてもよい。本実施形態のいくつかでは、MAC CEは、特定のLCIDを有するMAC PDUサブヘッダによって識別されてもよい。
【0090】
本実施形態のいくつかは、基地局(例えば、gNB)によって示される伝送経路を部分的に柔軟に切り替えるための機構を提供する。これらの実施形態では、伝送経路または伝送経路の一部が固定されていてもよい。上述した動的な伝送経路切替機構と同様に、伝送経路は部分的に切り替えられてもよい。RRC(再)設定中(例えば、RLCベアラ(再)設定またはPDCPエンティティ(再)設定中)、基地局は、さらに、設定された/関連付けられた1つまたは複数のRLCベアラが必須伝送経路であることを示してもよい。必須伝送経路が設定され、PDCP複製がアクティブ化された後、基地局は、TPS MAC CEを介して必須でない伝送経路の切り替えを実行するUEのみを示してもよい。
【0091】
例えば、PDCP複製のためにPDCPエンティティと関連付けるように設定された3つのRLCベアラ(例えば、RLCベアラ0、1および2)があり、RLCベアラ0は、必須伝送経路として設定されてもよい。PDCP複製がアクティブ化されると、PDCPは、RLCベアラ0および別の事前に示されたRLCベアラ(例えば、RLCベアラ1)を適用して、PDCP PDUを送信してもよい。しかしながら、RLCベアラ1からRLCベアラ2への切り替えを示すTPS MAC CEが受信される場合、PDCPエンティティは、RLCベアラ0を伝送経路として維持しながら、PDCP PDU送信のためのRLCベアラ1の適用を停止することになり、PDCP PDU送信のためにRLCベアラ2を適用することになる。
【0092】
上の表1および/または表3に示されるものと同様に、必須伝送経路は、セルグループを示すためのCellGroupIDおよび論理チャネルを示すためのLogicalChannelIdentityを含む特定のIE(例えば、MandatoryPath)で示されてもよい。他の実施形態では、必須伝送経路は、表1に導入されたDefaultPath、および/または、表2に導入されたTransPath、および/または、表3に導入されたDefaultLCH、および/または、NR PDCP複製に導入されたprimaryPathを再使用することによっても示され得る。
【0093】
本実施形態のいくつかでは、
図4、
図5、および
図6に導入されたTPS MAC CEは、別のRLCベアラ(ペア)が必須の伝送経路に加えて、伝送経路として適用されるべきかどうかを示すために、基地局によって適用され得る。例えば、
図4に示すように、1つのオクテット400のTPS MAC CEは、特定の論理チャネルアイデンティティ(LCID)を持つMAC PDUサブヘッダによって識別されてもよい。それは固定サイズを持ち、8つのDフィールドを持つ単一のオクテットを含む。TPS MAC CEは、MACエンティティについて次のように定義されてもよい。
【0094】
Diフィールドは、データ無線ベアラi(DRB i)のPDCP複製に関連するRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。ここで、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア0がアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア1が非アクティブ化されることを示すために0に設定されてもよい。Diフィールドは、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア1がアクティブ化されること、および、DRB iのPDCP複製のRLCベアラペア0が非アクティブ化されることを示すために1に設定されてもよい。換言すれば、PDCPは、対応するDiフィールドが0に設定されている場合、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペア0を適用してもよく、対応するDiフィールドが1に設定されている場合、PDCP PDUを送信するための伝送経路としてRLCベアラペア1を適用してもよい。
【0095】
図6に示すように、TPS MAC CEは、DRBがRLCベアラペアを切り替えることを要求できることを示し得るDRBiフィールド610を含んでいてもよい。DRBiフィールドは、DRB IDを直接示してもよいし、あるいは、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順を表してもよい。Dフィールド620は、DRBiによって示されるDRBのPDCP複製に関連するRLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。一部の予約ビットは、バイト単位の配列のためにTPS MAC CEに含まれていてもよい。上述した機構のいくつかは、この実施形態にも適用することができる。例えば、DRBのPDCPエンティティ(複製機能)の各々のために設定されたRLCベアラペアの数と、UE内で2つより多くの伝送経路の設定/動作をサポートすることができるDRBのPDCPエンティティ(複製機能)の数とに応じて、DRBiのサイズ及びDのサイズは可変であってもよい。
【0096】
本実施形態のいくつかでは、必須伝送経路は、必須伝送経路として非明示的に示され/考慮され得る特定のセルグループ(例えば、マスタセルグループまたは2次セルグループ)に属してもよい。上述の実施形態は、上述のNumofCopiesパラメータを使用して実施されてもよいことに留意されたい。UEのPDCPエンティティは、基地局によって送信されたダウンリンクRRCメッセージを受信することによって、PDCP複製およびNumofCopiesで設定されてもよい。PDCPエンティティは、対応するRLCベアラとの関連付けのために設定されてもよい。複製がアクティブ化されている間、PDCPエンティティは、上述の実施形態に続いて示された/決定された伝送経路(例えば、RLCベアラまたはRLCエンティティ)のうち、関連するRLCエンティティのNumofCopiesにのみPDCP PDUを提出することになる。
【0097】
また、
図4、
図5、および
図6に導入されたTPS MAC CEは、以下のように実施されてもよいことにも留意されたい。PDCP複製関連の設定が設定された後、PDCP複製がアクティブ化されていない間、
図4、
図5、および
図6に導入されたTPS MAC CEは、(無線ベアラの)PDCP複製をアクティブ化することをUEに指示し、TPS MAC CEによって示された伝送経路を伝送経路として適用するために、基地局によって適用されてもよい。
【0098】
本実施形態のいくつかは、2段階の複製アクティブ化および非アクティブ化を提供してもよい。上述のように、(例えば、URLLCサービスのためのデータパケット送信上で)より高い信頼性を達成するために、2つより多くの複製経路(例えば、RLCベアラ)を有するPDCP複製は、3GPPによってNRに導入されてもよい。ただし、PDCPエンティティは、複数の設定された/関連付けられたRLCベアラを適用することを常に要求されなくてもよい。
【0099】
各伝送経路のローディング、リソース可用性、および/またはチャネル状態が静的でない可能性があることを考慮すると、2つの伝送経路(例えば、NR PDCP複製として)と2つより多くの伝送経路との間で切り替えるように、PDCP複製動作を基地局に制御させる適切な機構を有することが有利である。例えば、3GPPの技術仕様38.321で説明されているNR PDCP複製アクティブ化および非アクティブ化機構に準拠することによって、基地局は、「複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CE」によって、DRBのPDCP複製機能をアクティブ化および非アクティブ化してもよい。
【0100】
複製がアクティブ化された後でさえ信頼性が達成され得ない場合、基地局は、いくつかの事前定義された/事前設定された設定および/または規則にしたがって、別の特定のMAC CEを介して、PDCP複製機能の伝送経路として、より多くのRLCベアラをさらにアクティブ化してもよい。すなわち、PDCPエンティティは、複製アクティブ化MAC CEが受信されると、特定のRLCベアラ(例えば、本実施形態において導入されたデフォルトの伝送経路)を伝送経路として適用するだけでよい。その後、UEは、何らかの事前定義された/事前設定された設定および/または規則に従う別の特定のMAC CEを介して、伝送経路として追加のRLCベアラ(ペア)を適用するように指示されてもよい。追加のRLCベアラ(ペア)は、本明細書では、予備RLCベアラ(ペア)と呼ばれる。
【0101】
本実施形態のいくつかは、予備の伝送経路設定のための機構を提供する。
【0102】
UEのPDCPエンティティは、基地局によって送信されたダウンリンクRRCメッセージを受信することによって、PDCP複製で設定されてもよい。PDCPエンティティは、複数の対応するRLCベアラとの関連付けのために設定されてもよい。NR PDCP複製とは異なり、本実施形態のいくつかでは、基地局は、PDCPエンティティに関連付けられるように、2つより多くのRLCベアラを設定してもよい。しかしながら、対応するNR複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEが受信され、NR複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEが、複製に対応するDRBがアクティブ化されたことを示していた場合、2つの特定の設定された/関連付けられたRLCベアラのみが、伝送経路として適用され得る。
【0103】
2つの特定のRLCベアラは、(例えば、DefaultPath IEによって示される)表1において上述された設定IE、(例えば、TransPath IEによって示される)表2において上述された設定IE、(例えば、DefaultLCH IEによって示される)表3において上述された設定IE、および/または、(例えば、RLCBearerPair IEによって示される)表4において上述された設定IE、を再使用することによって示されてもよい。
【0104】
基地局の事前設定された伝送経路は、PDCP複製機能がNR複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEによってアクティブ化された後に適用されてもよい。また、基地局は、(例えば、DefaultPath IEによって示される)表1に掲載された設定IE、(例えば、TransPath IEによって示される)表2に掲載された設定IE、(例えば、DefaultLCH IEによって示される)表3に掲載された設定IE、および/または、(例えば、RLCBearerPair IEによって示される)表4に掲載された設定IE、を再使用して、予備伝送経路(例えば、RLCベアラ/RLCベアラペア)をUEに示してもよい。当該予備伝送経路は、新しい多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEが受信され、かつ、該新しい多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEが、追加の伝送経路となるべき(事前に設定された)予備RLCベアラ(例えば、予備RLCベアラ(ペア))を追加的に適用することをUEに指示している場合に、伝送経路としてさらに適用される必要がある。なお、本実施形態の多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEは、UEに予備伝送経路を非アクティブ化することを指示してもよいことに留意されたい。
【0105】
本実施形態の多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEのフォーマットは、
図4のフォーマットを再使用してもよい。本実施形態の多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEは、固定サイズを有していてもよく、8つのDフィールドを有する単一のオクテット400を含んでいてもよい。MACエンティティの多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEは、次のように定義されてもよい。D
iフィールドは、DRB IのPDCP複製に関連付けられた予備のRLCベアラ/RLCベアラペアのアクティブ化/非アクティブ化のステータスを示してもよい。ここで、iは、PDCP複製で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連するRLCエンティティで設定されたDRBの中で、DRB IDの昇順/降順である。他の実施形態では、iは、PDCP複製機構で設定されたDRBおよびUEのMACエンティティに関連付けられた予備のRLCベアラ/RLCベアラペアで設定されたDRBのうちの、DRB IDの昇順/降順であってもよい。
【0106】
Diフィールドは、DRB iのPDCP複製の予備のRLCベアラ/RLCベアラペアがアクティブ化されることを示すために1に設定されてもよい。Diフィールドは、DRB iのPDCP複製の予備のRLCベアラ/RLCベアラペアが非アクティブ化されることを示すために0に設定されてもよい。
【0107】
他の実施形態では、基地局は、
図5および
図6に導入された機構を適用して、事前設定された特定のRLCベアラ/RLCベアラペアを予備伝送経路としてアクティブ化/非アクティブ化するようにUEに指示してもよい。上述したように、D
iフィールドは、RLCベアラ/RLCベアラペアのいずれを予備伝送経路としてアクティブ化/非アクティブ化する必要があるかを示してもよい。
【0108】
また、本実施形態の多経路複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEは、2つの事前設定されたRLCベアラをアクティブ化するだけでなく、PDCP複製機能に対応する予備RLCベアラ/RLCベアラペアもアクティブ化するようにUEに指示するために、基地局によって適用されてもよい。PDCP複製機能が2つの事前設定されたRLCベアラをアクティブにすると、予備のRLCベアラ/RLCベアラペアは、アクティブ化されてもよい。また、NR複製アクティブ化/非アクティブ化MAC CEは、2つの事前設定されたRLCベアラと予備のRLCベアラ/RLCベアラペアとの両方を同時に非アクティブ化するようにUEに指示するために、基地局によって適用されてもよい。
【0109】
本実施形態のいくつかでは、特定のセルグループ(例えば、マスタセルグループまたは2次セルグループ)に属する予備ではない伝送経路は、非予備伝送経路として非明示的に示され/考慮されてもよい。あるいは、特定のセルグループ(例えば、マスタセルグループまたは2次セルグループ)に属する予備伝送経路は、予備伝送経路として非明示的に示され/考慮されてもよい。
【0110】
本実施形態のいくつかは、PDP開始の初期状態を指定してもよい。NR PDCP複製機能で説明したpdcp-Duplication IEと同様に、特定のIE(例えば、extra-path IE)が、予備のRLCベアラ/RLCベアラペア(例えば、予備伝送経路)の初期状態を示すために導入されてもよい。表5に示すように、表2のtranspathの実施形態と同様に、extra-path IEは、このIEが受信された時の予備伝送経路のステータスが設定され、アクティブ化されているか否かを示してもよい。このフィールドの存在は、複製が予備伝送経路に設定されているか否かを示していてもよい。このフィールドの値は、フィールドが存在するとき、予備伝送経路の初期状態を示していてもよい。真に設定すると、予備伝送経路がアクティブ化されてもよい。
【0111】
【表5】
また、伝送経路/RLCベアラ/RLCベアラペアの各々は、基地局からRRCダウンリンクメッセージ内の特定のIEを介して、対応する設定を受信中に、初期状態(例えば、伝送経路/RLCベアラ/RLCベアラペアがPDCP PDUの提出に適用されるか否か)を指示されてもよいことに留意されたい。
【0112】
図8は、本出願の一例示的実施形態による無線通信のためのノードのブロック図を示す。
図8に示すように、ノード800は、トランシーバ820、プロセッサ826、メモリ828、1つまたは複数の表示コンポーネント834、および少なくとも1つのアンテナ836を含み得る。また、ノード800は、無線周波数(RF)スペクトル帯域モジュールと、基地局通信モジュールと、ネットワーク通信モジュールと、システム通信管理モジュールと、入力/出力(I/O)ポートと、I/Oコンポーネントと、電源(
図8には明示的に示されていない)とを含み得る。これらの構成要素のそれぞれは、1つまたは複数のバス840を介して、直接的または間接的に互いに通信してもよい。
【0113】
送信機822および受信機824を有するトランシーバ820は、時間および/または周波数リソース分割情報を送信および/または受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、トランシーバ820は、使用可能、使用不可能、および柔軟に使用可能なサブフレームおよびスロットフォーマットを含むが、これらに限定されない、様々なタイプのサブフレームおよびスロットで送信するように構成され得る。トランシーバ820はデータを受信し、信号を制御するように構成され得る。
【0114】
ノード800は、様々なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体はノード800によってアクセス可能であり、揮発性および不揮発性媒体、取り外し可能および取り外し不可能媒体の両方を含む、任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、一例として、コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータのような情報を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可媒体の両方を含む。
【0115】
コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置が含まれる。コンピュータ記憶媒体は、伝搬データ信号を含まない。通信媒体は、典型的には、コンピュータ読み取り可能命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波または他のトランスポート機構などの変調されたデータ信号で具現化し、任意の情報配信媒体を含む。「変調されたデータ信号」という語は、その特性のうちの1つまたは複数が信号内に符号化されるように設定または変更された信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、RF、赤外線、および他の無線媒体などの無線媒体とを含む。上記のいずれかの組み合わせは、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内にも含まれるべきである。
【0116】
メモリ828は、揮発性および/または不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含み得る。メモリ828は、取り外し可能媒体、取り外し不可能媒体、またはそれらの組み合わせであってもよい。例示的なメモリは、ソリッドステートメモリ、ハードドライブ、光ディスクドライブなどを含む。
図8に示すように、メモリ828は、コンピュータ読み取り可能であって、コンピュータ実行可能な命令832(例えば、ソフトウェアコード)を記憶してもよい。命令832は、実行されると、例えば、
図1から
図8を参照して本明細書に記載された様々な機能をプロセッサ826に実行させるように構成されている。あるいは、命令832は、プロセッサ826によって直接実行可能でなくてもよく、(例えば、コンパイルされ実行されるときに)ノード800に、本明細書に記載される様々な機能を実行させるように構成されていてもよい。
【0117】
プロセッサ826は、インテリジェントハードウェアデバイス、例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、ASICなどを含み得る。プロセッサ826は、メモリを含んでもよい。プロセッサ826は、メモリ828から受信したデータ830および命令832、ならびにトランシーバ820、ベースバンド通信モジュール、および/またはネットワーク通信モジュールを介した情報を処理することができる。また、プロセッサ826は、コアネットワークへの伝送に対応するネットワーク通信モジュール宛ての、アンテナ836を介した伝送のためにトランシーバ820に送信されるべき情報を、処理することができる。
【0118】
1つまたは複数の表示コンポーネント834は、人または他のデバイスにデータ指示を出力する。例えば、1つまたは複数の表示コンポーネント834は、表示デバイス、スピーカー、印刷コンポーネント、振動コンポーネント等を含む。
【0119】
上記の説明から、様々な技術が、それらの概念の範囲から逸脱することなく、本出願で説明される概念を実行するために使用され得ることが明らかである。さらに、概念は、特定の実施形態を特に参照して説明されてきたが、当業者は、それらの概念の範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、説明された実施形態は、すべての点において、例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。また、本出願は、上述の特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの再構成、修正、および置換が可能であることを理解されたい。