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特開2023-123783電子商取引承認システム、電子商取引管理システム、電子商取引の承認方法、電子商取引の方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123783
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】電子商取引承認システム、電子商取引管理システム、電子商取引の承認方法、電子商取引の方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20230829BHJP
   G06Q 20/06 20120101ALI20230829BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20230829BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
G06Q20/06
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023109219
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2022212844の分割
【原出願日】2022-12-29
(71)【出願人】
【識別番号】523210526
【氏名又は名称】Vlightup株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134809
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 亮
(72)【発明者】
【氏名】皆本 祥男
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB22
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】取引元及び取引先の位置又は活動範囲に基づいて電子商取引を承認することによって、暗号資産を用いた電子商取引において、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現するために用いる電子商取引承認システムなどを提供することにある。
【解決手段】承認用サーバ装置30は、電子商取引承認システムとして機能する装置であって、取引元又は取引先となる利用者毎に、各利用者の活動の基準となる活動基準位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動基準位置範囲情報を管理し、取引元と取引先とによって電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行した際に、当該活動位置管理情報を用いることによって、取引元又は取引先の真正性を判定し、当該電子商取引の承認をする承認処理を実行する構成を有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元又は前記取引先となる利用者毎に、各利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引を行うサーバ装置によって前記電子商取引が実行される際に、当該サーバ装置から送信された前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記取引対象者を特定する特定手段と、
前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記サーバ装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理手段が、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、
前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とする電子商取引承認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記現在位置情報には、前記現在位置情報を取得したタイミングを示すタイミング情報が含まれている、電子商取引承認システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電子商取引承認システムにおいて、
前記サーバ装置が、前記電子商取引に関する情報を電子商取引情報として複数のデータベースに分散的に登録し、
前記電子商取引情報が、前記電子商取引が承認された場合に、前記商取引情報を含む、複数の商取引情報と過去の商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化されたブロック情報によって形成されている、電子商取引承認システム。
【請求項4】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行うためのプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元又は前記取引先となる利用者毎に、各利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を管理する管理手段、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引を行うサーバ装置によって前記電子商取引が実行される際に、当該サーバ装置から送信された前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記取引対象者を特定する特定手段、
前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認処理の結果を、前記サーバ装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理手段が、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、
前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行うための電子商取引の承認方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元又は前記取引先となる利用者毎に、各利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を管理し、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引を行うサーバ装置によって前記電子商取引が実行される際に、当該サーバ装置から送信された前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記取引対象者を特定し、
前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行し、
前記承認処理の結果を、前記サーバ装置に提供する、
ことを含み、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とする電子商取引の承認方法。
【請求項6】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理する電子商取引管理システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者となる利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を含む、当該利用者に関する情報を示す利用者関連情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行する取引処理手段と、
前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段と、
を備え、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理手段が、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とする電子商取引管理システム。
【請求項7】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を管理するためのプログラムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者となる利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報をも含む、当該利用者に関する情報を示す利用者関連情報を管理する管理手段、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行する取引処理手段、
前記電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段、及び、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理手段が、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引を行うための電子商取引の方法であって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者となる利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報をも含む、当該利用者に関する情報を示す利用者関連情報を管理し、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行し、
前記電子商取引の承認をする承認処理を実行し、
前記承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する、
ことを含み、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
前記電子商取引が実行されるタイミングとは異なるタイミングに、前記取得した現在位
置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理として、当該実行した活動範囲判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定し、前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否することを特徴とする電子商取引の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引承認システム、電子商取引管理システム、電子商取引の承認方法、電子商取引の方法、及び、プログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、WWW(world wide web)を介したインターネットバンクサービス又はオンラインストア等のサービスにおいて、所謂、なりすましに代表される不正使用が急増している。
【0003】
また、近年、ブロックチェーン技術の発達によって、ビットコインなどの暗号資産の投資対象及び投機対象としての人気が高まっているだけでなく、当該暗号資産が、法定通貨に代えて電子商取引などの商取引に用いられることも多くなってきている。
【0004】
しかしながら、最近では、暗号資産の利用については、マネーロンダリング又は不正取引の温床にもなっているので、暗号資産に基づく電子商取引においては、暗号資産の受け取り側の住所を登録する商取引方法が要求されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】一般社団法人日本暗号資産取引業協会,“当協会が定める自主規制記憶におけるトラベルルール対応についてのお知らせ”,[online],2022年3月1日[2022年12月20日検索],インターネット<https://jvcea.or.jp/news/main-info/20220301-001/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に記載の商取引方法などであっては、暗号資産の送付側、又は、受け取り側がそもそも不正利用者である場合には、暗号資産の受け取り側の住所が登録されていたとしても、マネーロンダリング又は不正取引を解消することは難しい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、取引元及び取引先の位置又は活動範囲に基づいて電子商取引を承認することによって、暗号資産を用いた電子商取引において、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現するために用いる電子商取引承認システムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
取引元と取引先とによって暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に当該電子商取引の承認を行う電子商取引承認システムであって、
記憶手段に予め登録された情報であって、前記取引元又は前記取引先となる利用者毎に、各利用者の活動の基準となる活動位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を管理する管理手段と、
前記取引元と前記取引先とによって前記電子商取引を行うサーバ装置によって前記電子商取引が実行される際に、当該サーバ装置から送信された前記取引元及び前記取引先の少なくともいずれか一方の取引対象者に関する取引対象者情報に基づいて、前記取引対象者を特定する特定手段と、
前記特定された取引元と前記取引先との電子商取引の承認をする承認処理を実行する承認処理手段と、
前記承認処理の結果を、前記サーバ装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記承認処理手段が、前記承認処理として、
前記電子商取引の承認を実行する際に、前記取引対象者の現在の位置情報を示す承認時取引対象者位置情報を取得する取引位置取得処理を実行し、
前記取得した承認時取引対象者位置情報と、前記取引対象者となる利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行し、
当該実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、前記電子商取引の承認の可否を判定する構成を有している。
【0009】
なお、本発明は、上記の各処理を実行するプログラム若しくは電子商取引の承認方法、上記の電子商取引承認システムを利用して電子商取引を行う電子商取引管理システム、又は、その各処理を行うプログラム若しくは電子商取引の方法によっても実現可能である。
【0010】
この構成により、本発明は、取引元及び取引先の居所又は活動範囲に基づいて当該取引元及び取引先の真正性を判定することができるので、電子商取引における承認又は承認拒否を行うことができる。
【0011】
特に、本発明は、取引元及び取引先の取引者としての真正性に基づいて、暗号資産を用いた電子商取引又は暗号資産自体の取引が実行される際のキャッシュフロー、又は、当該電子商取引の対象になった商品の履歴(トラッキング)を確実に特定することができる。
【0012】
すなわち、本発明は、取引元及び取引先の位置又は活動範囲に基づいて電子商取引を承認することによって、
(A1)暗号資産について中央管理者が実存しないことによる不利益(法定通貨などの価値保証による安定性の欠落)、
(A2)非対面に基づく商取引の信用性リスクの低下(取引元及び取引先が実在するかなどの情報の信頼性の低下)、及び、
(A3)当該信用性リスクの低下に基づく不正取引の発生(資産及び資金の搾取、又は、マネーロンダリング(資金洗浄)への利用)、
などのリスクを防止することができる。
【0013】
したがって、本発明は、暗号資産を用いた電子商取引において、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0014】
なお、「暗号資産」とは、インターネットなどのネットワーク上で授受可能な財産的価値であり、商取引において代金の支払い等に使用可能、法定通貨と相互に交換可能、及び、電子的に記録され、移転可能な資産を示す。
【0015】
例えば、代表的な暗号資産としては、ビットコイン、又は、イーサリアムなどが知られている。ただし、本実施形態の「暗号資産」には、「円」、「ドル」、「ユーロ」又は「元」などのデジタル形式によって発行される法定通貨(電子的な法定通貨)が含まれてもよい。
【0016】
また、「電子商取引」とは、ネットワーク又はコンピュータ上での電子的な手段によって、商品の売買又はサービスなどの商取引を行うこと、商品もしくはサービスの対価として、暗号資産を交換する商取引を行うこと、又は、暗号資産の取得の対価として、法定通
貨に交換する商取引(すなわち、暗号資産そのものを売買する商取引)を行うことを示す。
【0017】
そして、「取引元」とは、電子商取引において商品などの取引対象物の提供又は取引を提案する取引を行う利用者であり、「取引先」とは、当該電子商取引において代金の支払いと引き換えに提案された取引対象物を得る取引を行う利用者である。
【0018】
さらに、「活動位置」とは、利用者の活動が行われる実空間上において主に衛星測位によって得られる地理的な位置を示し、「活動範囲」とは、利用者の活動が行われる実空間上の地理的な範囲を示す。
【0019】
上記に加えて、「電子商取引情報」には、資金若しくは商品の種別、過去の取引元及び取引先の情報を含む流通経路、過去の取引日又は日時、過去の取引量、及び、過去の取引金額などの情報が含まれる。
【0020】
また、「取引対象者条件」とは、例えば、取引元又は取引先の承認時の取引対象者位置が、当該取引対象者として登録されている活動位置と一致すること若しくは一致するとみなされる位置であること、又は、当該取引対象者として登録されている活動範囲内に属すること、などの条件が少なくとも含まれる。
【0021】
(2)また、本発明は、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得し、前記取得した現在位置情報を、該当する前記利用者の活動位置範囲の履歴情報として、前記記憶手段に登録し、
前記承認処理手段が、
前記取得した承認時取引対象者位置情報及び既に登録されている前記取引対象者の履歴情報の少なくともいずれか一方の情報と、当該取引対象者としての利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、に基づく前記条件判定処理を前記承認処理として実行する、構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明は、電子商取引の承認時に、取引元又は取引先について継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができるので、取引元又は取引先の活動位置又は活動範囲の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0023】
なお、「所与のタイミング」には、例えば、利用者としての電子商取引を行うサービスに登録する際、利用者として初回に当該サービスを利用する際、又は、当該サービス提供事業者が要求されたタイミングなどが含まれる。
【0024】
そして、「予め定められたタイミング毎」には、1日若しくは1週間に1回、又は、電子商取引を行うサービスにログインする毎などが含まれる。
【0025】
また、「取引対象者判定処理」には、上記の取引対象者条件に加えて、又は、代えて、所与のタイミング又は予め定められたタイミング毎に取得された取引対象者の利用者の活動位置範囲が、履歴情報として予め定まる位置又は範囲と一致するか若しくは一致するとみなされるか否かを判定することが含まれる。
【0026】
(3)また、本発明は、
前記管理手段が、
所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得し、
前記取得した現在位置情報と、該当する利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
前記承認処理手段が、
前記承認処理として、前記活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれか一方の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否する、構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明は、常時、取引元又は取引先について継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができるので、取引元又は取引先の活動位置又は活動範囲の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0028】
(4)また、本発明は、
前記現在位置情報には、前記現在位置情報を取得したタイミングを示すタイミング情報が含まれている、構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、時系列に活動位置又は活動範囲、及び、時刻を認識することができるので、矛盾の無い活動位置又は活動範囲、及び、時刻の変化であるかを含めて継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができる。
【0030】
したがって、本発明は、取引元又は取引先の活動位置又は活動範囲、及び、時刻の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真正で信頼性の高い取引を実現することができる。
【0031】
なお、「タイミング情報」には、例えば、GPSなどの位置情報と同期した日付を示す情報、日時を示す情報、又は、時刻を示す情報を含む。
【0032】
(5)また、本発明は、
前記サーバ装置が、前記電子商取引に関する情報を電子商取引情報として複数のデータベースに分散的に登録し、
前記電子商取引情報が、前記電子商取引が承認された場合に、前記商取引情報を含む、複数の商取引情報と過去の商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化されたブロック情報によって形成されている、構成を有している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一の実施形態における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
図2】一の実施形態の商取引管理サーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図3】一の実施形態の承認用サーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図4】一の実施形態の商取引管理サーバ装置において実行される電子商取引に関する各処理とともに、承認用サーバ装置によって実行される承認処理について説明するための図である。
図5】一の実施形態のユーザ位置関連情報記憶部に記憶される活動位置範囲情報(活動基準位置情報)の一例を示す図である。
図6】一の実施形態のユーザ位置関連情報記憶部に記憶される活動位置範囲情報(活動基準範囲情報)の一例を示す図である。
図7】一の実施形態の承認用サーバ装置によって実行される承認処理に関する動作を示すフローチャートである。
図8】一の実施形態の変形例4における電子商取引システムの構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
なお、以下に説明する実施の形態は、電子商取引を管理する商取引管理サーバ装置と、電子商取引を行うユーザが利用する端末装置と、当該電子商取引の承認を行う承認用サーバ装置と、を有し、電子商取引の情報を分散的に複数のデータベースに登録するネットワークを利用した電子商取引システムに対して本願の電子商取引承認システム及び電子商取引管理システムなどを適用した場合の実施形態である。
【0036】
[1]電子商取引システム
まず、図1を用いて本実施形態の電子商取引システムSの概要及びシステム構成について説明する。
【0037】
なお、図1は、本実施形態における電子商取引システムSの構成を示すシステム構成図である。
【0038】
また、図が煩雑になることを防止するために、図1においては、一部のユーザによって利用される端末装置20及び一部のデータベース50のみを示している。すなわち、実際の電子商取引システムSにおいては、図1に示しているよりも多数の端末装置20及びデータベース50が存在している。
【0039】
(システム概要)
本実施形態の電子商取引システムSは、図1に示すように、ネットワーク又はコンピュータ上での電子的な手段によって、商品の売買又はサービスなどの商取引を、暗号資産を用いて実現するためのシステムでる。
【0040】
そして、電子商取引システムSは、電子商取引において商品などの取引対象物の提供又は取引を提案する取引を行う利用者(すなわち、取引元)と、当該電子商取引において代金の支払いと引き換えに提案された取引対象物を得る取引を行う利用者(すなわち、取引先)と、の商取引を実現するための構成を有している。
【0041】
特に、本実施形態の電子商取引システムSは、取引元及び取引先の真正性に基づいて、暗号資産を用いた電子商取引が実行される際のキャッシュフロー、又は、当該電子商取引の対象になった商品の履歴(トラッキング)を確実に特定するため、暗号資産を用いた電子商取引において、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現可能な構成を有している。
【0042】
(システム構成)
本実施形態の電子商取引システムSは、図1に示すように、電子商取引を管理するための各種の処理を実行する商取引管理サーバ装置10と、インターネットなどのネットワークを介して商取引管理サーバ装置10に接続され、電子商取引を行う利用者であるユーザが利用する端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)と、商取引管理サーバ装置10と連動し、電子商取引の承認を行うための各処理を実行する承認用サーバ装置30と、から構成される。
【0043】
商取引管理サーバ装置10は、例えば、API(アプリケーションプログラミングイン
タフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して電子証取引に関する各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0044】
また、商取引管理サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0045】
具体的には、商取引管理サーバ装置10は、取引元と取引先との電子商取引の管理を行うとともに、承認用サーバ装置30によって電子商取引が承認された場合に、該当する電子商取引情報をデータベース(以下、「DB」ともいう。)50に登録するための構成を有している。
【0046】
また、本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、ブロックチェーンなどの改ざんが困難な分散型台帳技術を用いて電子商取引情報を複数のデータベース50に登録する構成を有している。
【0047】
特に、商取引管理サーバ装置10は、商取引情報を、複数の商取引情報と過去の商取引情報から定められたハッシュ値とに基づいてブロック化したブロック情報を生成し、当該ブロック情報を各データベース50に登録する構成を有している。
【0048】
端末装置20は、ユーザによって利用されるPC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型情報通信端末装置、スマートフォン、携帯型電話機、又は、HMDなどの情報処理装置によって構成される通信端末装置である。
【0049】
また、端末装置20は、インターネット(WAN)やLANなどのネットワークを介して商取引管理サーバ装置10に接続可能な装置であり、商取引管理サーバ装置10と有線又は無線によって通信回線を確立して各種のデータの授受を行う構成を有している。
【0050】
また、端末装置20は、ユーザによって入力された入力情報などの商取引管理サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、ユーザの現在位置を取得する機能、及び、商取引管理サーバ装置10から受信したデータを用いて表示制御を行う表示機能を備える構成を有している。
【0051】
承認用サーバ装置30は、商取引管理サーバ装置10と同様に、例えば、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)や所定のプラットフォーム等を利用して電子証取引に関する各種の処理を実行する情報処理装置である。
【0052】
また、承認用サーバ装置30は、商取引管理サーバ装置10と同様に、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0053】
そして、承認用サーバ装置30は、取引元及び取引先の位置情報に基づいて、当該取引元及び取引先の真正性を判定することによって該当する電子商取引の承認を行う承認処理を実行する構成を有している。
【0054】
データベース50は、ネットワークNに接続可能なハードディスクドライブなどの各種のデータベース(広義には記憶装置、メモリ)によって構成されていてもよいし、PC(パーソナルコンピュータ)又はサーバ装置などのネットワークNに接続される情報処理装置とともに形成されているものであってもよい。
【0055】
[2]商取引管理サーバ装置
次に、図2を用いて本実施形態の商取引管理サーバ装置10について説明する。
【0056】
なお、図2は、本実施形態の商取引管理サーバ装置10の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【0057】
本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、図2に例示するように、処理部100と、記憶部170と、情報記憶媒体180と、通信部196と、を有している。
【0058】
なお、商取引管理サーバ装置10は、図2の各部を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0059】
記憶部170は、処理部100などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。
【0060】
具体的には、記憶部170は、各種の処理を実行する際に用いるワークエリア使用される主記憶部171と、ユーザ情報が記憶されたユーザ情報記憶部172と、を含む。
【0061】
なお、本実施形態の記憶部170は、主記憶部171及びユーザ情報記憶部172などの構成の一部を省略する構成としてもよい。
【0062】
情報記憶媒体180は、コンピュータにより読み取り可能であり、この情報記憶媒体180にはプログラムやデータなどが格納されている。すなわち、情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0063】
なお、処理部100は、この情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)から読み出されたデータに基づいて本実施形態の種々の処理を行うことができる。
【0064】
例えば、情報記憶媒体180は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ等のフラッシュメモリ、磁気テープ、又は、メモリ(ROM)、メモリカード等である。
【0065】
通信部196は、外部(例えば、端末装置20又は承認用サーバ装置30)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0066】
処理部100は、記憶部170に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0067】
なお、本実施形態の処理部100が、情報記憶媒体180に格納されているプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムやデータを一時的に記憶部170に格納し、そのプログラムやデータに基づいて処理を行ってもよい。
【0068】
また、処理部100(プロセッサ)は、記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。そして、処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0069】
具体的には、処理部100は、通信制御部101、商取引管理制御部102、ユーザ情報管理制御部103、及び、タイマ管理部110を含む。
【0070】
通信制御部101は、ネットワークを介して端末装置20及び承認用サーバ装置30などと通信回線を確立し、相互に通信を行う。
【0071】
商取引管理制御部102は、取引先及び取引元のユーザの端末装置20と連動し、取引を管理するための処理を実行する。
【0072】
具体的には、商取引管理制御部102は、例えば、取引元のユーザから販売する商品などの取引対象物の管理をしつつ、購入を希望する取引先のユーザと取引に関する処理、当該取引が成立した場合に、対価の支払いを実行するための各種の処理を実行する。
【0073】
特に、商取引管理制御部102は、承認用サーバ装置30と連動し、例えば、商品の販売の取引などの電子商取引が実行される際に、承認用サーバ装置30における電子商取引の承認処理の結果を受信し、受信した結果に基づいて、取引が成立した後の各処理、又は、取引が不成立に関する各処理を実行する。
【0074】
ユーザ情報管理制御部103は、取引元又は取引先の利用者としての各ユーザの情報を管理する。
【0075】
具体的には、ユーザ情報管理制御部103は、例えば、商品などの取引対象物を販売する際に必要な各情報、及び、当該取引対象物を購入する際に必要な各情報のユーザ情報記憶部172への登録及び更新などの管理を行う。
【0076】
タイマ管理部110は、現在日時や所定のタイミングからの計測を行う機能を有しており、所定のタイミングが到来した場合に、現在時刻や計測結果を出力する。
【0077】
[3]承認用サーバ装置
次に、図3を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30について説明する。
【0078】
なお、図3は、本実施形態の承認用サーバ装置30の構成を示す機能ブロック図の一例である。
【0079】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、図3に例示するように、処理部300と、記憶部370と、情報記憶媒体380と、通信部396と、を有している。
【0080】
なお、承認用サーバ装置30は、図3の各部を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0081】
記憶部370は、処理部300などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。
【0082】
具体的には、記憶部370は、各種の処理を実行する際に用いるワークエリア使用される主記憶部371と、各ユーザの位置情報、活動範囲又はその双方が記憶されたユーザ位置範囲情報が記憶されるユーザ位置関連情報記憶部372と、を含む。
【0083】
特に、ユーザ位置関連情報記憶部372には、ユーザ毎に、ユーザ識別情報(UID)に対応付けて、経度及び緯度の情報から構成される各ユーザの活動の基準となる位置(以下、「活動基準位置」という。)の情報(以下、「活動基準位置情報」という。)、当該活動基準位置を中心に所定の範囲又は地域(以下、「活動基準範囲」という。)の情報(以下、「活動基準範囲情報」という。)、又は、双方が、活動基準位置範囲情報として記憶される。
【0084】
なお、本実施形態の記憶部370は、主記憶部371及びユーザ位置関連情報記憶部372などの構成の一部を省略する構成としてもよい。
【0085】
情報記憶媒体380は、コンピュータにより読み取り可能であり、この情報記憶媒体180にはプログラムやデータなどが格納されている。すなわち、情報記憶媒体380には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0086】
なお、処理部300は、この情報記憶媒体380に格納されるプログラム(データ)から読み出されたデータに基づいて本実施形態の種々の処理を行うことができる。
【0087】
例えば、情報記憶媒体380は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ等のフラッシュメモリ、磁気テープ、又は、メモリ(ROM)、メモリカード等である。
【0088】
通信部396は、商取引管理サーバ装置10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0089】
処理部300は、記憶部170に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。なお、本実施形態の処理部300が、情報記憶媒体380に格納されているプログラムやデータを読み出し、読み出したプログラムやデータを一時的に記憶部170に格納し、そのプログラムやデータに基づいて処理を行ってもよい。
【0090】
また、処理部300(プロセッサ)は、記憶部370内の主記憶部をワーク領域として各種処理を行う。そして、処理部300の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェア、又は、プログラムにより実現できる。
【0091】
具体的には、処理部300は、通信制御部301、位置情報管理部302、承認処理部303、タイマ管理部310及び情報提供部311を含む。
【0092】
通信制御部301は、ネットワークを介して商取引管理サーバ装置10などと通信回線を確立し、相互に通信を行う。
【0093】
位置情報管理部302は、取引元又は取引先の利用者としての位置情報、活動範囲情報及び、これらの履歴情報を管理する。
【0094】
具体的には、位置情報管理部302は、各ユーザとしての活動の基準となる位置の情報(すなわち、活動基準位置情報)又は活動範囲の情報(すなわち、活動基準範囲)、の取引元又は取引先としての位置情報などの取引対象物を販売する際に必要な各情報、及び、当該取引対象物を購入する際に必要な各情報のユーザ情報記憶部172への登録及び更新などの管理を行う。
【0095】
承認処理部303は、電子商取引が実行された際に、商取引管理サーバ装置10と連動し、当該電子商取引の取引元、取引先又は双方の位置情報などに基づいて当該電子商取引を承認するか否かを判定する承認処理を実行する。
【0096】
タイマ管理部310は、現在日時や所定のタイミングからの計測を行う機能を有しており、所定のタイミングが到来した場合に、現在時刻や計測結果を出力する。
【0097】
情報提供部311は、承認処理による判定結果を示す承認判定結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0098】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、図4を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される承認処理について説明する。
【0099】
なお、図4は、本実施形態の商取引管理サーバ装置10において実行される電子商取引に関する各処理とともに、承認用サーバ装置30によって実行される承認処理について説明するための図である。
【0100】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、図4に示すように、商取引管理サーバ装置10において実行される電子商取引が、当該電子商取引の取引元及び取引先の少なくともいずれか一方のユーザの活動位置又は活動範囲、及び、時刻に基づいて、正当な取引であるか承認する承認処理を実行する構成を有している。
【0101】
すなわち、本実施形態の承認用サーバ装置30は、取引元と取引先とによってビットコイン、又は、イーサリアムなどの暗号資産に基づく所与の電子商取引が実行される際に、取引元と取引先の位置情報に基づいて、当該電子商取引の承認を行うための装置である。
【0102】
具体的には、本実施形態の商取引管理サーバ装置10は、図4に示すように、電子用取引サービスに登録しているユーザに関するユーザ関連情報を管理しつつ、端末装置20から送信された取引元及び取引先のユーザの指示に基づいて、電子商取引サービスへの登録処理及び電子商取引に関する処理を実行する構成を有している。
【0103】
また、本実施形態の承認用サーバ装置30は、図4に示すように、商取引管理サーバ装置10において電子商取引に関する処理が実行された際に、当該商取引管理サーバ装置10を介して端末装置20から送信されたユーザの現在位置の情報を受信し、当該受信した情報に基づいて、取引元及び取引先の少なくともいずれか一方の真正性を判定し、当該電子商取引の承認をする承認処理を実行する構成を有している。
【0104】
特に、承認用サーバ装置30は、
(A1)暗号資産について中央管理者が実存しないことによる不利益(法定通貨などの価値保証による安定性の欠落)、
(A2)非対面に基づく商取引の信用性リスクの低下(取引元及び取引先が実在するかなどの情報の信頼性の低下)、及び、
(A3)当該信用性リスクの低下に基づく不正取引の発生(資産及び資金の搾取、又は、マネーロンダリング(資金洗浄)への利用)、
などのリスクを防止するために、取引元及び取引先の活動位置又は活動範囲及び時刻に基づいて電子商取引を承認する構成を有している。
【0105】
より具体的には、承認用サーバ装置30は、図4に示すように、予め登録された情報であって、取引元又は取引先となるユーザ毎に、各ユーザの活動の基準となる活動位置(以下、「活動基準位置」ともいう。)又は当該ユーザの基準となる活動範囲(以下、「活動基準範囲」ともいう。)の情報を示す活動位置範囲情報を管理する構成を有している。
【0106】
また、承認用サーバ装置30は、図4に示すように、
(B1)取引元と取引先とによって電子商取引を行う商取引管理サーバ装置10によって
電子商取引が実行される際に、当該商取引管理サーバ装置10から送信された取引元及び取引先の少なくともいずれか一方に関する取引対象者情報に基づいて、取引対象者を特定する特定処理、
(B2)特定した取引対象者の電子商取引の承認をする承認処理、及び、
(B3)承認処理の結果を、商取引管理サーバ装置10に提供する提供処理、
を実行する構成を有している。
【0107】
そして、承認用サーバ装置30は、承認処理として、図4に示すように、
(B2-1)電子商取引の承認を実行する際に、取引対象者の現在の位置情報を示す承認時取引対象者位置情報を取得する取引位置取得処理を実行し、
(B2-2)取得した承認時取引対象者位置情報と、取引対象者となる利用者の前記登録された活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引対象者条件を具備するか否かを判定する条件判定処理を実行し、
当該実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、電子商取引の承認の可否を判定する、構成を有している。
【0108】
なお、商取引管理サーバ装置10は、電子商取引が承認されると、当該承認された電子商取引の情報を、電子商取引情報として、複数のデータベース50に分散的に登録する構成を有している。
【0109】
特に、商取引管理サーバ装置10は、電子商取引情報として、資金若しくは商品の種別、過去の取引元及び取引先の情報を含む流通経路、過去の取引日又は日時、過去の取引量、及び、過去の取引金額などの情報を登録する。
【0110】
また、図4には、GPS衛星40から送信されたGPS信号に基づく位置情報の取得、当該取得した位置情報の、商取引管理サーバ装置10を介して承認用サーバ装置30への送信、電子商取引サービスへの登録指示の送信、及び、商取引に対する取引指示の送信、承認処理の結果の受信、及び、当該商取引の取引結果の受信を行う端末装置20A及び20Bの例が示されている。
【0111】
特に、図4には、端末装置20Aとしてノート型(ラップトップ型)パーソナルコンピュータ及び端末装置20BとしてユーザPが所有するスマートフォンが用いられている例が示されている。
【0112】
そして、図4には、電子商取引サービスへの登録処理、電子商取引に関する各処理を実行するために用いるユーザ関連情報の管理、及び、電子商取引に関する各処理を実行する商取引管理サーバ装置10の例が示されている。
【0113】
さらに、図4には、商取引管理サーバ装置10からの活動位置範囲情報の登録要求、端末装置20の現在位置の情報、又は、承認処理の実行要求に基づく、活動位置範囲情報(活動基準位置及び活動基準範囲の情報)の管理、取引元及び取引先の特定処理、電子商取引の承認処理(取引位置情報取得処理及び各判定処理)、又は、承認処理の結果を提供する提供処理を実行する承認用サーバ装置30の例が開示されている。
【0114】
本実施形態の承認用サーバ装置30は、このような構成を有することによって、取引元及び取引先の取引者としての真正性に基づいて、暗号資産を用いた電子商取引が実行される際のキャッシュフロー、又は、当該電子商取引の対象になった商品の履歴(トラッキング)を確実に特定することができるようになっている。
【0115】
そして、本実施形態の承認用サーバ装置30は、暗号資産を用いた電子商取引において
、公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができるようになっている。
【0116】
[4.2]活動位置範囲情報他
次に、図5を用いて本実施形態の活動位置範囲情報、承認時取引元位置情報及び承認時取引先位置情報について説明する。
【0117】
なお、図5は、本実施形態のユーザ位置関連情報記憶部372に記憶される活動位置範囲情報(活動基準位置情報)の一例を示す図であり、図6は、本実施形態のユーザ位置関連情報記憶部372に記憶される活動位置範囲情報(活動基準範囲情報)の一例を示す図である。
【0118】
(活動位置範囲情報)
活動位置範囲情報には、各利用者の活動の基準となる活動基準位置の情報(すなわち、活動基準位置情報)、及び、当該利用者の基準となる活動範囲の情報(すなわち、活動基準範囲情報)が含まれる。
【0119】
活動基準位置とは、利用者の活動が行われる実空間上の地理的な位置を示し、例えば、商品又はサービスの売買を行う電子商取引サービスへの会員登録などを実行する場合に利用者によって入力された位置、又は、会員登録時に取得された利用者の現在位置を用いる。
【0120】
例えば、活動基準位置は、赤道を0度として地球上予め定められる緯度、及び、当該赤道に直角に交差するように北極及び南極を結ぶ大円からなる子午線によって定められる経度から構成される。
【0121】
そして、活動基準位置情報は、ユーザの電子商取引サービスへの新規登録時に、商取引管理サーバ装置10を介して各ユーザの端末装置20の操作入力などの下、ユーザ識別情報毎に、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶される。
【0122】
例えば、活動基準位置情報は、図5に示すように、
(A1)ユーザ識別情報としてのユーザID(UID)、及び、
(A2)活動基準位置としての経度及び緯度、
が含まれる。
【0123】
なお、利用者の活動基準位置情報は、例えば、電子商取引サービスへの登録時の現在位置の情報として、GPS衛星を用いたGPS測位システムを利用して取得される。
【0124】
一方、活動基準範囲とは、利用者の活動が行われる実空間上の地理的な範囲を示し、活動基準位置と同様に、利用者によって入力された地理的な範囲、又は、会員登録時に取得された現在位置に基づいて予め定められた範囲を用いる。
【0125】
例えば、現在位置に基づいて予め定められた範囲とは、区市町村、都道府県又は国などの当該現在位置が属する地域的な範囲、又は、当該現在位置から所定の範囲内などを用いる。
【0126】
そして、活動基準範囲情報は、活動基準位置と同様に、ユーザの電子商取引サービスへの新規登録時に、商取引管理サーバ装置10を介して各ユーザの端末装置20の操作入力などの下、ユーザ識別情報毎に、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶される。
【0127】
例えば、活動基準範囲情報は、図6に示すように、
(A1)ユーザ識別情報としてのユーザID(UID)、
(A2)活動基準位置としての経度及び緯度、及び、
(A3)活動範囲、
が含まれる。
【0128】
(承認時取引元位置情報及び承認時取引先位置情報)
承認時取引元位置情報とは、電子商取引が実行された際の取引元のユーザの端末装置20の現在位置を示し、緯度及び経度から構成される。
【0129】
また、承認時取引先位置情報とは、電子商取引が実行された際の取引先のユーザの端末装置20の現在位置を示し、緯度及び経度から構成される。
【0130】
[4.3]位置情報の管理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される処理であって、取引元及び取引先の位置情報の管理について説明する。
【0131】
位置情報管理部302は、取引元又は取引先の利用者としての活動基準位置情報又は活動基準範囲情報、及び、活動位置又は活動範囲、及び、時刻の履歴情報を管理する。
【0132】
特に、位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10と連動し、ユーザの電子商取引サービスへの登録時に、各ユーザの活動の基準となる活動基準位置の情報(活動基準位置情報)又は当該利用者の基準となる活動範囲の情報(活動基準範囲情報)を示す活動位置範囲情報を取得し、ユーザ位置関連情報記憶部372に登録する。
【0133】
なお、位置情報管理部302は、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得したユーザの現在位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報を各ユーザの位置の履歴を示す履歴情報としてユーザ位置関連情報記憶部372に登録してもよい。
【0134】
特に、位置情報管理部302は、電子商取引の取引元又は取引先となる可能性のあるユーザの継続的に活動位置及び活動範囲を認識し、これらを承認処理に利用するために、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得したユーザの現在位置を示す位置情報を履歴情報としてユーザ位置関連情報記憶部372に登録してもよい。
【0135】
そして、位置情報管理部302は、所与のタイミングとして、例えば、ユーザとしての電子商取引サービスに登録する際の他に、ユーザとして初回に当該電子商取引サービスを利用する際、当該電子商取引サービス提供事業者によって要求されたタイミング(例えば、1回又はサービスを利用するタイミング)などを用いる。
【0136】
また、位置情報管理部302は、予め定められたタイミングとして、例えば、1日若しくは1週間に1回、又は、電子商取引を行うサービスにログインするタイミングなどを用いる。
【0137】
[4.4]特定処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される処理であって、電子商取引が実行される特定処理について説明する。
【0138】
位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10と連動し、承認処理を実行する際の取引元及び取引先のユーザ(すなわち、取引対象者)を特定する特定処理を実行する。
【0139】
具体的には、位置情報管理部302は、通信制御部301を介して商取引管理サーバ装
置10から送信された取引元のユーザのユーザ識別情報(例えば、UID)及び取引先のユーザのユーザ識別情報を受信する。
【0140】
また、位置情報管理部302は、受信した取引元及び取引先のユーザのユーザ識別情報(以下、「受信ユーザ識別情報」という。)に基づいて、ユーザ位置関連情報記憶部372を検索する。
【0141】
そして、位置情報管理部302は、受信ユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報であって、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶されているユーザ識別情報を検出すると、当該検出したユーザ識別情報を有するユーザを、取引元のユーザ、又は、取引先のユーザとして、特定する。
【0142】
[4.5]承認処理
(承認処理の基本原理)
承認処理部303は、電子商取引が実行される毎に、商取引管理サーバ装置10から送信された各電子商取引の取引ユーザである取引元及び取引先が真正であるか否かを判定し、当該取引元及び取引先が真正である場合に、該当する電子商取引を承認する承認処理を実行する。
【0143】
特に、承認処理部303は、取引元及び取引先の真正性として、実社会において社会生活を営むユーザ(会社などの組織も含む。)として実存し、反社会的勢力に属していないユーザであることを判定する。
【0144】
具体的には、承認処理部303は、
(A1)特定処理によって特定した取引元及び取引先の現在位置を取得する取引位置取得処理、
(A2)取得した取引元の現在位置に基づいて当該取引元の真正性を判定する取引元判定処理、及び、
(A3)取引元と同様に、取得した取引先の現在位置に基づいて当該取引先の真正性を判定する取引先判定処理、
を実行する。
【0145】
そして、承認処理部303は、取引元判定処理によって取引元が真正であり、取引先判定処理によって取引先が真正であると判定した場合に、該当する電子商取引を承認し、取引元又は取引先が真正でないと判定した場合には、該当する電子商取引を承認せずに承認拒否する。
【0146】
なお、承認処理部303は、例えば、取引元又は取引先の一方が公的機関などの既に真正性が判定されているユーザの場合には、取引元又は取引先の一方のみ取得処理及び真正性の判定を実行してもよい。
【0147】
(取引位置取得処理)
承認処理部303は、取引元及び取引先のユーザの端末装置20の電子商取引を実行した際の現在位置情報を承認時取引元位置情報又は承認時取引先位置情報として商取引管理サーバ装置10から取得する。
【0148】
例えば、承認処理部303は、取引先(すなわち、買い手)の承認時取引先位置情報としては、電子商取引を実行したタイミングの位置、及び、取引元(すなわち、売り手)の承認時取引元位置情報として、当該取引先が電子商取引を実行したタイミングの現在位置を取得する。
【0149】
なお、承認処理部303は、該当する端末装置20から直接承認時取引元位置情報又は承認時取引先位置情報として取得してもよい。
【0150】
(条件判定処理1:取引元判定処理)
承認処理部303は、取引元判定処理としては、取得した承認時取引元位置情報と、取引元となる利用者の登録された活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引元条件を具備するか否かを判定する。
【0151】
特に、承認処理部303は、取引元条件として、例えば、取引元の承認時の取引元位置が、当該取引元の登録されている活動基準位置と一致すること若しくは一致するとみなされる位置であること、又は、当該取引元の登録されている活動基準範囲内に属すること、などの条件を用いる。
【0152】
具体的には、承認処理部303は、取引元の承認時の取引元位置が、取引元の登録されている活動基準位置と完全一致する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定する。
【0153】
また、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置が、取引元の登録されている活動基準位置から予め定められた範囲内(例えば100m以内)の場合には、取引元の承認時の取引元位置が、取引元の登録されている活動基準位置と一致するとみなし、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0154】
さらに、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置が、同一地域又は所定の地点(地域の官公庁が配置された地点などの地域の代表地点)から予め定められた範囲内(例えば10km)など予め定められた活動基準範囲内に属する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0155】
その一方、承認処理部303は、取引元条件を具備しなかった場合には、取引元が真正でないと判定する。
【0156】
なお、承認処理部303は、承認時に取得した取引元位置情報に加えて、又は、代えて、上記のように、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得した取引元としてのユーザの履歴情報に基づいて、取引元判定処理を実行してもよい。
【0157】
この場合には、承認処理部303は、取得した承認時取引元位置情報によって示される位置及び既にユーザ位置関連情報記憶部372に登録されている取引元としての履歴情報によって示されるユーザの過去の各位置(活動位置)と、当該取引元のユーザとして登録された活動基準位置又は活動基準範囲と、に基づいて、取引元判定処理を実行する。
【0158】
すなわち、この場合には、電子商取引の承認時に、取引元について継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができるので、取引元の活動位置又は活動範囲、及び、時刻の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができるようになっている。
【0159】
具体的には、この場合には、承認処理部303は、取引元の承認時の取引元位置とともに各履歴情報における各活動位置が、取引元の登録されている活動基準位置と完全一致する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定する。
【0160】
また、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置とともに各履
歴情報における各活動位置が、取引元の登録されている活動基準位置から予め定められた範囲内(例えば100m以内)の場合には、取引元の承認時の取引元位置及び過去の活動位置が、取引元の登録されている活動基準位置と一致するとみなし、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0161】
さらに、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置とともに各履歴情報における各活動位置が、同一地域又は所定の地点(地域の官公庁が配置された地点などの地域の代表地点)から予め定められた範囲内(例えば10km)など予め定められた活動基準範囲内に属する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0162】
(条件判定処理2:取引先判定処理)
承認処理部303は、取引先判定処理としては、取得した承認時取引先位置情報と、取引先となる利用者の登録された活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引先条件を具備するか否かを判定する。
【0163】
特に、承認処理部303は、取引先条件として、例えば、取引先の承認時の取引先位置が、当該取引先の登録されている活動基準位置と一致すること若しくは一致するとみなされる位置であること、又は、当該取引先の登録されている活動基準範囲内に属すること、などの条件を用いる。
【0164】
具体的には、承認処理部303は、取引先判定処理と同様に、取引先の承認時の取引先位置が、取引先の登録されている活動基準位置と完全一致する場合には、取引先条件を具備したと判定し、取引先が真正であると判定する。
【0165】
また、承認処理部303は、上記に代えて、取引先の承認時の取引先位置が、取引先の登録されている活動基準位置から予め定められた範囲内(例えば100m以内)の場合には、取引先の承認時の取引先位置が、取引先の登録されている活動基準位置と一致するとみなし、取引先条件を具備したと判定し、取引先が真正であると判定してもよい。
【0166】
さらに、承認処理部303は、上記に代えて、取引先の承認時の取引先位置が、同一地域又は所定の地点(地域の官公庁が配置された地点などの地域の代表地点)から予め定められた範囲内(例えば10km)など予め定められた活動基準範囲内に属する場合には、取引先条件を具備したと判定し、取引先が真正であると判定してもよい。
【0167】
その一方、承認処理部303は、取引先判定処理と同様に、取引先条件を具備しなかった場合には、取引先が真正でないと判定する。
【0168】
なお、承認処理部303は、取引元判定処理と同様に、承認時に取得した取引先位置情報に加えて、又は、代えて、上記のように、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得した取引先としてのユーザの履歴情報に基づいて、取引先判定処理を実行してもよい。
【0169】
すなわち、この場合には、取引元判定処理と同様に、電子商取引の承認時に、取引先について継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができるので、取引先の活動位置又は活動範囲、及び、時刻の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができるようになっている。
【0170】
この場合には、承認処理部303は、取得した承認時取引元位置情報によって示される位置及び既にユーザ位置関連情報記憶部372に登録されている取引先としての履歴情報
によって示されるユーザの過去の各活動位置と、当該取引先のユーザとして登録された活動基準位置又は活動基準範囲と、に基づいて、取引先判定処理を実行する。
【0171】
具体的には、この場合には、承認処理部303は、取引先の承認時の取引先位置とともに各履歴情報における各活動位置が、取引先の登録されている活動基準位置と完全一致する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定する。
【0172】
また、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置とともに各履歴情報における各活動位置が、取引元の登録されている活動基準位置から予め定められた範囲内(例えば100m以内)の場合には、取引元の承認時の取引元位置及び過去の活動位置が、取引元の登録されている活動基準位置と一致するとみなし、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0173】
さらに、承認処理部303は、上記に代えて、取引元の承認時の取引元位置とともに各履歴情報における各活動位置が、同一地域又は所定の地点(地域の官公庁が配置された地点などの地域の代表地点)から予め定められた範囲内(例えば10km)など予め定められた活動基準範囲内に属する場合には、取引元条件を具備したと判定し、取引元が真正であると判定してもよい。
【0174】
[4.6]提供処理
次に、本実施形態の承認用サーバ装置30において実行される承認処理の結果を、商取引管理サーバ装置10に提供する提供処理について説明する。
【0175】
情報提供部311は、承認処理によって承認拒否した場合には、当該承認処理による承認拒否の結果を示す結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0176】
また、情報提供部311は、承認処理によって承認が成功した場合には、当該承認処理による承認が成功した結果を示す結果情報を商取引管理サーバ装置10に提供する。
【0177】
なお、情報提供部311は、承認処理の結果情報を、商取引管理サーバ装置10を介して、又は、直接、該当するユーザ(すなわち、取引元及び取引先のユーザ)の端末装置20に提供してもよい。
【0178】
そして、商取引管理サーバ装置10は、承認が失敗した結果情報の場合には、該当する端末装置20にその旨を通知し、該当する電子商取引を不成立として終了させる。
【0179】
また、商取引管理サーバ装置10は、承認が成功した結果情報の場合には、該当する端末装置20にその旨を通知しつつ、該当する電子商取引を成立させて該当する電子商取引情報を所定のフォーマットに変換させて複数のデータベース50に分散登録する。
【0180】
[5]本実施形態における動作
次に、図7を用いて本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される承認処理に関する動作について説明する。
【0181】
なお、図7は、本実施形態の承認用サーバ装置30によって実行される承認処理に関する動作を示すフローチャートである。
【0182】
本動作においては、複数のユーザに対する活動の基準となる活動基準位置情報がユーザ位置範囲情報として予め登録されているものとする。
【0183】
また、本動作において、商取引管理サーバ装置10は、該当する端末装置20と電子商取引に関する各処理を実行しているものとし、各端末装置20から取引元及び取引先のユーザの識別情報及び現在位置情報が既に取得されているものとする。
【0184】
まず、承認処理部303は、商取引管理サーバ装置10から電子商取引の承認要求を受信すると(ステップS101)、位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10から取引元及び取引先を特定するためのそれぞれのユーザ識別情報を取引先情報及び取引先情報として取得する(ステップS102)。
【0185】
次いで、位置情報管理部302は、取得した取引元及び取引先のユーザ識別情報に基づいて、ユーザ位置関連情報記憶部372を検索し、当該ユーザ識別情報に基づく活動基準位置情報が当該ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0186】
このとき、位置情報管理部302は、取得した取引元及び取引先のユーザ識別情報の双方が、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶されている基準位置情報のユーザ識別情報として記憶されていると判定した場合には、ステップS104の処理に移行する。
【0187】
また、情報提供部311は、取得した取引元及び取引先のユーザ識別情報の双方が、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶されている基準位置情報のユーザ識別情報として記憶されていないと判定された場合には、電子商取引の承認を拒否する旨の通知を商取引管理サーバ装置10に送信して(ステップS111)本動作を終了させる。
【0188】
次いで、位置情報管理部302は、ユーザ位置関連情報記憶部372に記憶されたユーザ識別情報を有する取引元及び取引先を、電子商取引を実行する取引元のユーザ及び取引先のユーザとして、特定する特定処理を実行する(ステップS104)。
【0189】
次いで、承認処理部303は、商取引管理サーバ装置10から特定された取引元のユーザ及び取引先のユーザの電子商取引を実行する際に取得した現在位置を示す承認時取引元位置情報及び承認時取引先位置情報を取得する取引位置取得処理を実行する(ステップS105)。
【0190】
次いで、承認処理部303は、取得した承認時取引元位置情報と、取引元の活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引元条件を具備するか否かを判定する取引元判定処理を実行する(ステップS106)。
【0191】
このとき、承認処理部303は、比較の結果が所与の取引元条件を具備したと判定した場合には、ステップS107の処理に移行し、比較の結果が所与の取引元条件を具備したと判定していないと判定した場合には、ステップS111の処理に移行して本動作を終了させる。
【0192】
次いで、承認処理部303は、取得した承認時取引先位置情報と、取引先の活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引先条件を具備するか否かを判定する取引先判定処理を実行する(ステップS107)。
【0193】
このとき、承認処理部303は、比較の結果が所与の取引先条件を具備したと判定した場合には、ステップS108の処理に移行し、比較の結果が所与の取引先条件を具備したと判定していないと判定した場合には、ステップS111の処理に移行して本動作を終了させる。
【0194】
次いで、情報提供部311は、該当する電子商取引が承認成功したことを示す通知を商取引管理サーバ装置10に送信して(ステップS108)本動作を終了させる。
【0195】
[6]変形例
[6.1]変形例1
次に、本実施形態の変形例1として上記の商取引管理サーバ装置10が上記実施形態における承認用サーバ装置30の各機能を有している場合について説明する。
【0196】
本変形例の商取引管理サーバ装置10は、管理しているユーザに関するユーザ関連情報を用いて取引元と取引先とによって電子商取引に関する処理を実行する取引処理として実行した際に、取引元又は取引先の真正性を判定し、当該電子商取引の承認をする承認処理を実行する構成を有している。
【0197】
具体的には、商取引管理サーバ装置10は、予め登録された情報であって、取引元又は取引先の活動基準位置又は当該利用者の活動範囲の情報を示す活動位置範囲情報を管理する構成を有している。
【0198】
また、商取引管理サーバ装置10は、
(A1)取引元と取引先とによって電子商取引に関する処理を実行する取引処理、
(A2)電子商取引の承認をする承認処理、及び、
(A3)承認された電子商取引の電子商取引情報を複数のデータベースに分散的に登録する登録処理、
を実行する構成を有している。
【0199】
そして、商取引管理サーバ装置10は、承認処理として、上記実施形態と同様に、
(A2-1)電子商取引の承認を実行する際に、承認時取引元位置情報と、承認時取引先位置情報と、を取得する取引位置取得処理、並びに、
(A2-2)取得した承認時取引元位置情報と、取引元の利用者関連情報の活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引元条件を具備するか否かを判定する取引元判定処理、及び、取得した承認時取引先位置情報と、取引先の利用者関連情報の活動位置範囲情報と、を比較し、当該比較の結果が所与の取引先条件を具備するか否かを判定する取引先判定処理、の少なくともいずれか一方の条件判定処理、
を実行し、当該実行した条件判定処理の判定結果に基づいて、電子商取引の承認の可否を判定する構成を有している。
【0200】
[6.2]変形例2
次に、本実施形態の変形例2として、継続的に取引元又は取引先となるユーザの真正性を判定し、その結果に基づいて承認処理を実行する場合について説明する。
【0201】
(本変形例の特徴)
本変形例は、上記の実施形態においては、承認時に取得した取引元及び取引先の位置情報に基づいて承認処理を実行する点に代えて、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得したユーザの位置情報に基づいて継続的に取引元又は取引先となるユーザの真正性を判定し、その結果に基づいて承認処理を実行する点に特徴がある。
【0202】
すなわち、本変形例の承認用サーバ装置30は、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に取得したユーザの位置情報に基づいて、電子商取引を実行する前の段階において、取引元又は取引先となり得るユーザの真正性について判定する構成を有している。
【0203】
具体的には、承認用サーバ装置30は、
(A1)所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、各ユーザの現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行し、
(A2)取得した現在位置情報と、該当するユーザの登録された活動位置範囲情報と、を比較し、各利用者の活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行し、
(A3)承認処理として、活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が否定された利用者が少なくとも取引元及び取引先のいずれかの場合には、対象の電子商取引の承認を拒否する構成を有している。
【0204】
この構成により、本変形例の承認用サーバ装置30は、常時、取引元又は取引先について継続的に活動位置及び活動範囲を認識することができるので、取引元又は取引先の活動位置又は活動範囲、及び、時刻の偽装を難しくさせ、暗号資産を用いた電子商取引において、より公正かつ真性で信頼性の高い取引を実現することができるようになっている。
【0205】
(現在位置取得処理)
位置情報管理部302は、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎に、前記利用者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する現在位置取得処理を実行する。
【0206】
具体的には、位置情報管理部302は、例えば、ユーザとして電子商取引サービスに登録する際、ユーザとして初回に当該電子商取引サービスを利用する際、又は、当該電子商取引引きサービス提供事業者によって要求されたタイミングなどの所与のタイミングに現在位置取得処理を実行する。
【0207】
また、位置情報管理部302は、1日毎若しくは1週間毎、又は、電子商取引サービスにログインする毎などの予め定められたタイミング毎に現在位置取得処理を実行する。
【0208】
そして、位置情報管理部302は、商取引管理サーバ装置10を介して各ユーザの端末装置20から送信された各現在位置情報を取得し、当該取得した現在位置情報を各ユーザに対応付けて履歴情報としてユーザ位置関連情報記憶部372に登録する。
【0209】
なお、位置情報管理部302は、各ユーザの端末装置20から直接位置情報を取得してもよい。
【0210】
(活動範囲判定処理)
位置情報管理部302は、所与のタイミング、又は、所定のタイミング毎であって、ユーザ毎に、該当するユーザの既に取得した(登録されている)現在位置情報と、登録された該当するユーザの活動位置範囲情報と、を比較し、各ユーザの活動範囲の真正性を判定する活動範囲判定処理を実行する。
【0211】
具体的には、位置情報管理部302は、例えば、現在地情報が所定数記憶されたタイミング、又は、電子商取引に向けての問い合わせが発生したタイミングなどの所与のタイミングに活動範囲判定処理を実行する。
【0212】
また、位置情報管理部302は、1日毎若しくは1週間毎、又は、電子商取引サービスにログインする毎など予め定められたタイミング毎に活動範囲判定処理を実行する。
【0213】
そして、位置情報管理部302は、既にユーザ位置関連情報記憶部372に登録されている履歴情報によって示される各ユーザの過去の各活動位置と、各ユーザの活動基準位置又は活動基準範囲と、に基づいて、ユーザ毎に活動範囲判定処理を実行する。
【0214】
特に、位置情報管理部302は、各履歴情報におけるユーザの各活動位置が、該当するユーザの活動基準位置と完全一致する場合には、当該ユーザが真正であると判定する。
【0215】
また、位置情報管理部302は、上記に代えて、各履歴情報におけるユーザの各活動位置が、該当するユーザの活動基準位置から予め定められた範囲内(例えば100m以内)の場合には、過去の活動位置が、登録されている活動基準位置と一致するとみなし、当該ユーザが真正であると判定してもよい。
【0216】
さらに、位置情報管理部302は、上記に代えて、各履歴情報におけるユーザの各活動位置が、同一地域又は所定の地点(地域の官公庁が配置された地点などの地域の代表地点)から予め定められた範囲内(例えば10km)など予め定められた活動基準範囲内に属する場合には、ユーザが真正であると判定してもよい。
【0217】
(承認処理)
承認処理部303は、活動範囲判定処理によって活動範囲の真正性が認められたユーザが取引元及び取引先の場合には、対象の電子商取引を承認し、活動範囲の真正性が否定されたユーザが少なくとも取引元及び取引先のいずれかの場合には、対象の電子商取引の承認を拒否する承認処理を実行する。
【0218】
なお、本変形例の承認処理部303は、上記の承認処理に加えて、当該承認処理によって承認を拒否しない場合(すなわち、活動範囲の真正性が認められたユーザが取引先、取引元又は双方である場合)には、上記実施形態と同様に、承認時取引元位置情報、承認時取引先位置情報又は双方の情報に基づいて承認処理を実行する。ただし、本変形例の承認処理部303は、承認時取引元位置情報、承認時取引先位置情報又は双方の情報に基づいて承認処理を実行せず、活動範囲の真正性が認められたユーザが取引先、取引元又は双方である場合には、そのまま承認を成功させてもよい。
【0219】
[6.3]変形例3
次に、本実施形態の変形例3として、本実施形態又は上記の変形例において、ユーザの位置情報を定期的に取得する場合であって当該位置情報を取得したタイミングを特定し、当該タイミングを示すタイミング情報を承認処理、又は、活動範囲判定処理に用いる場合について説明する。
【0220】
(本変形例の概要)
本変形例の承認用サーバ装置30は、所与のタイミングに又は予め定められたタイミング毎にユーザの位置情報を取得する際に、当該位置情報を取得した際の日時などのタイミングを特定し、当該特定したタイミングを含む各位置情報に基づいて、承認処理を実行する構成を有している。
【0221】
(承認処理)
承認処理部303は、複数の位置情報を用いて取引元又は取引先としての承認処理を実行する場合に、取引元又は取引先としてのユーザの時系列の活動位置又は活動範囲、又は、時刻が矛盾の無いか否かを判定する。
【0222】
例えば、承認処理部303は、各活動位置とその次の活動位置を示す位置情報に対応付けられたタイミング情報から、移動時間を算出し、当該算出した各移動時間が自動車、電車又は飛行機などの移動手段の利用も含めて成立するか否かを判定する。
【0223】
そして、承認処理部303は、算出した各移動時間の少なくともいずれかが自動車、電車又は飛行機などの移動手段の利用も含めて成立するか否かを判定する。
【0224】
このとき、承認処理部303は、算出した各移動時間の全てが成立した場合には、他の成立条件を具備していることを条件に、該当する電子商取引を承認し、算出した各移動時間の少なくともいずれかが不成立の場合には、対象の電子商取引の承認を拒否する承認処理を実行する。
【0225】
(活動範囲判定処理)
位置情報管理部302は、複数の位置情報を用いてユーザの真正性を判定する場合に、承認処理部303の承認処理と同様に、各位置情報を取得した際のタイミングを示すタイミング情報を用いてもよい。
【0226】
例えば、位置情報管理部302は、承認処理部303と同様に、各活動位置とその次の活動位置を示す位置情報に対応付けられたタイミング情報から、それぞれ、移動時間を算出し、当該算出した各移動時間が自動車、電車又は飛行機などの移動手段の利用も含めて成立するか否かを判定する。
【0227】
そして、位置情報管理部302は、承認処理部303と同様に、算出した各移動時間の少なくともいずれかが自動車、電車又は飛行機などの移動手段の利用も含めて成立するか否かを判定する。
【0228】
このとき、位置情報管理部302は、算出した各移動時間の全てが成立した場合には、他の成立条件を具備していることを条件に、該当するユーザが真正であると判定し、算出した各移動時間の少なくともいずれかが不成立の場合には、該当するユーザが真正でないと判定する活動範囲判定処理を実行する。
【0229】
[6.4]変形例4
次に、図8を用いて本実施形態の変形例4の複数のサーバ装置から構成される電子商取引システムSについて説明する。
【0230】
なお、図8は、実施形態の変形例4における電子商取引システムSの構成を示すシステム構成図である。
【0231】
上記実施形態又は上記の変形例においては、複数の商取引管理サーバ装置10、又は、複数の承認用サーバ装置30によって電子商取引システムSが構成されていてもよい。
【0232】
すなわち、複数の商取引管理サーバ装置10によって電子商取引システムSが構成されている場合には、電子商取引システムSは、図8に示すように、取引元の端末装置20Aと上記の取引元に関する処理を実行する商取引管理サーバ装置10Aと、取引先の端末装置20Bと上記の取引先に関する処理を実行する承認用サーバ装置30を有している。
【0233】
そして、商取引管理サーバ装置10Aと商取引管理サーバ装置10Bとは、ネットワークNを介して通信回線を確立して相互に各種の処理を連動し、電子商取引に関する各種の処理を実行する。
【0234】
また、複数の承認用サーバ装置30によって電子商取引システムSが構成されている場合には、電子商取引システムSは、図8に示すように、上記の取引元に関する処理を実行する商取引管理サーバ装置10Aと連動して取引元に対する承認処理を行う承認用サーバ装置30Aと、上記の取引先に関する処理を実行する商取引管理サーバ装置10Bと連動して取引先に対する承認処理を行う承認用サーバ装置30Bと、を有している。
【0235】
[6.5]変形例5
次に、本実施形態の変形例5の複数のサーバ装置から構成される電子商取引システムSについて説明する。
【0236】
上記実施形態では、電子商取引情報を商取引管理サーバ装置10によってデータベース50に分散登録させているが、承認用サーバ装置30によって、ユーザ位置関連情報記憶部372に登録させてもよい。
【0237】
すなわち、本変形例の承認用サーバ装置30は、資金若しくは商品の種別、過去の取引元及び取引先の情報を含む流通経路、過去の取引日又は日時、過去の取引量、及び、過去の取引金額などの情報を電子商取引情報として取引が実行される毎に、ユーザ位置関連情報記憶部372に登録させてもよい。
【0238】
[C]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0239】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0240】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0241】
S :電子商取引システム
10 :商取引管理サーバ装置
20 :端末装置
30 :承認用サーバ装置
40 :GPS衛星
50 :データベース
100 :処理部
101 :通信制御部
102 :商取引管理制御部
103 :ユーザ情報管理制御部
110 :タイマ管理部
170 :記憶部
171 :主記憶部
172 :ユーザ情報記憶部
180 :情報記憶媒体
196 :通信部
300 :処理部
301 :通信制御部
302 :位置情報管理部
303 :承認処理部
304 :情報提供部
310 :タイマ管理部
370 :記憶部
371 :主記憶部
372 :ユーザ位置関連情報記憶部
380 :情報記憶媒体
396 :通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8