IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グァンドン オッポ モバイル テレコミュニケーションズ コーポレーション リミテッドの特許一覧

特開2023-123784クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体
<>
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図1
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図2
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図3
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図4
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図5
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図6
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図7
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図8
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図9
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図10
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図11
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図12
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図13
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図14
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図15
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図16
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図17
  • 特開-クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123784
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/593 20140101AFI20230829BHJP
   H04N 19/186 20140101ALI20230829BHJP
   H04N 19/105 20140101ALI20230829BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20230829BHJP
【FI】
H04N19/593
H04N19/186
H04N19/105
H04N19/176
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109271
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2021537035の分割
【原出願日】2019-01-02
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】フオ、チュンイェン
(72)【発明者】
【氏名】マー、イェンチュオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シューアイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フーチョン
(72)【発明者】
【氏名】リー、シンウェイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】現在のクロマブロックを復元することができ、コーデック効率を向上させるクロマイントラ予測方法、復号化器およびコンピュータ記憶媒体を提供する。
【解決手段】クロマイントラ予測方法は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得すること(101)と、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得すること(102)と、を含み、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復号化器に適用される、クロマイントラ予測方法であって、
現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータを解析し、前記現在のクロマブロックの予測モードがダイレクトモード(DM)であることを決定することと、
前記コードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応する線形モード(LM)を取得することと、
最適化候補モードに従って、クロマ予測モードセットを決定することと、
前記クロマ予測モードセットに従って、前記現在のクロマブロックのイントラ予測モードを決定することであって、前記クロマ予測モードセットは、DM、LM、LM_TおよびLM_Lのうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記イントラ予測モードに従って、前記現在のクロマブロックの再構築値を決定することと、を含み、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モード、平面(Planar)モード、垂直(VER)モードまたは水平(HOR)モードのいずれかである場合、前記クロマ予測モードセットは、インデックス番号が66である角度モードを含む、前記クロマイントラ予測方法。
【請求項2】
前記クロマイントラ予測方法はさらに、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、同時に、予測方向インデックス番号が66である対角角度モードと予測方向インデックス番号が2である対角角度モードに対して、それぞれ1つの角度を調整して、最適化候補モードとすることを含む、
請求項1に記載のクロマイントラ予測方法。
【請求項3】
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モードである場合、少なくとも、平面(Planar)モードおよび前記最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを決定し、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが平面(Planar)モードである場合、少なくとも、直流(DC)モードおよび前記最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを決定する、
請求項1に記載のクロマイントラ予測方法。
【請求項4】
符号化器に適用される、クロマイントラ予測方法であって、
現在のクロマブロックの予測モードがダイレクトモード(DM)であることを決定することと、
前記現在のクロマブロックに対応する線形モード(LM)を取得することと、
最適化候補モードに従って、クロマ予測モードセットを決定することと、
前記クロマ予測モードセットから前記現在のクロマブロックのイントラ予測モードを決定することであって、前記クロマ予測モードセットは、DM、LM、LM_TおよびLM_Lのうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記イントラ予測モードに従って、前記現在のクロマブロックの再構築値を決定することと、を含み、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モード、平面(Planar)モード、垂直(VER)モードまたは水平(HOR)モードのいずれかである場合、前記クロマ予測モードセットは、インデックス番号が66である角度モードを含む、前記クロマイントラ予測方法。
【請求項5】
前記クロマイントラ予測方法はさらに、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、同時に、予測方向インデックス番号が66である対角角度モードと予測方向インデックス番号が2である対角角度モードに対して、それぞれ1つの角度を調整して、最適化候補モードとすることを含む、
請求項4に記載のクロマイントラ予測方法。
【請求項6】
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが直流(DC)モードである場合、少なくとも、平面(Planar)モードおよび前記最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを決定し、
前記ダイレクトモード(DM)に対応する輝度予測モードが平面(Planar)モードである場合、少なくとも、直流(DC)モードおよび前記最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを決定する、
請求項4に記載のクロマイントラ予測方法。
【請求項7】
プロセッサ、プロセッサ実行可能命令を記憶するメモリ、通信インターフェース、および前記プロセッサ、前記メモリ、前記通信インターフェースを接続するバスを備える、復号化器であって、
前記プロセッサは、前記命令を実行して、請求項1-3のいずれか一項に記載のクロマイントラ予測方法を実施する、前記復号化器。
【請求項8】
プロセッサ、プロセッサ実行可能命令を記憶するメモリ、通信インターフェース、および前記プロセッサ、前記メモリ、前記通信インターフェースを接続するバスを備える、符号化器であって、
前記プロセッサは、前記命令を実行して、請求項4-6のいずれか一項に記載のクロマイントラ予測方法を実施する、前記符号化器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願実施例は、ビデオ符号化分野のイントラ予測技術に関し、特に、クロマイントラ予測方法および装置、並びにコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代ビデオ符号化規格H.266またはバーサタイルビデオ符号化(VVC:Versatile Video Coding)では、輝度およびクロマの独立分割ブロックを符号化することをサポートし、1つのクロマブロックは、複数の輝度ブロックに対応する可能性がある。しかしながら、既存のダイレクトモード(DM:Direct Mode)は、現在のクロマブロック中心領域の部分的なテクスチャ特徴しか反映できず、1つのクロマブロックが、複数の同じ位置の輝度ブロックに対応する場合、単一のDMを直接に使用してクロマ予測を実行することは不合理であり、例えば、DMが、直流(DC:Direct Current)モードまたは平面(Planar)モードである場合、現在のクロマブロックが、平坦で滑らかであると見なすことができるが、対応する複数の輝度ブロックが、平坦でない場合、DMのみを介してクロマイントラ予測を実行すると、イントラ予測の精度を大幅に低減され、それにより、コーデック効率を低下させる。クロマ予測モードには、さらに、デフォルト候補とする水平、垂直方向があるが、この場合、水平、垂直予測方向を全体的に満たすクロマブロックも少なく、それにより、候補位置を浪費し、コーデック効率を向上させるに役立たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願実施例は、クロマイントラ予測方法、復号化器およびコンピュータ記憶媒体を提供し、イントラ予測の精度を効果的に向上させる同時に、コーデック効率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願実施例の技術的解決策は、以下のように実現される。
【0005】
本願実施例は、クロマイントラ予測方法を提案し、前記方法は、
現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから前記現在のクロマブロックに対応するダイレクトモード(DM)を取得することと、
前記DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得することと、を含み、ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0006】
本願実施例は、復号化器を提案し、前記復号化器は、取得部を備え、
前記取得部は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、前記DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得するように構成され、ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0007】
本願実施例は、復号化器を提案し、前記復号化器は、プロセッサ、前記プロセッサ実行可能な命令を記憶するメモリ、通信インターフェース、および前記プロセッサ、前記メモリおよび前記通信インターフェースを接続するバスを備え、前記命令が、実行されるとき、前記プロセッサは、実行されるときに、上記のクロマイントラ予測方法を実現する。
【0008】
本願実施例は、プログラムを記憶する、コンピュータ可読記憶媒体を提案し、復号化器に適用され、前記プログラムは、プロセッサによって実行されるとき、上記のクロマイントラ予測方法を実現する。
【発明の効果】
【0009】
本願実施例は、クロマイントラ予測方法、復号化器およびコンピュータ記憶媒体を提供し、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】イントラ予測を示す図面である。
図2】67のイントラ予測モードを示す図面である。
図3】イントラ予測方法を示す図面である。
図4】垂直予測を示す図面である。
図5】水平予測を示す図面である。
図6】クロマイントラ候補モードセットを示す図面である。
図7】クロマブロックおよび輝度ブロックを示す図面1である。
図8】クロマブロックおよび輝度ブロックを示す図面2である。
図9】ビデオ符号化の例示的なフローチャートである。
図10】ビデオ復号化の例示的なフローチャートである。
図11】本願実施例によるクロマイントラ予測方法の例示的な実現フローチャートである。
図12】最適化候補モードを確立することを示す図面1である。
図13】最適化候補モードを確立することを示す図面2である。
図14】最適化候補モードを確立することを示す図面3である。
図15】最適化候補モードを確立することを示す図面4である。
図16】最適化候補モードを確立することを示す図面5である。
図17】本願実施例による復号化器の構成の例示的な構造図1である。
図18】本願実施例による復号化器の構成の例示的な構造図2である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願実施例における図面を参照して、本願実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明する。ここで説明される具体的な実施例は、関連付けされるアプリケーションを説明するためにのみ使用され、当該アプリケーションを限定するものではないことを理解されたい。さらに、説明を簡単にするために、図面には、関するアプリケーションに関連付けされる部分のみを示す。
【0012】
ビデオ符号化では、空間または時間で既存の再確立画像を使用して現在の処理ブロックの予測値を構築し、実の値と予測値の差のみを伝送して、伝送されるデータ量を減少する目的を達成する。ここで、イントラ予測は、写真内または写真領域内の空間関連性を使用する。現在、処理ブロックのイントラ予測は、処理された隣接処理ブロックのピクセルに依存して実行でき、例えば、現在の処理ブロックの上段および左列を使用して、現在の処理ブロックの予測値を構築し、図1は、イントラ予測の概略図であり、図1に示されたように、隣接処理ブロックのピクセルを使用して、現在の処理ブロックの各ピクセルを予測する。
【0013】
イントラ予測を実行するとき、予測方向の選択も重要である。具体的には、隣接符号化ブロックのピクセルを使用して現在の処理ブロックの予測値を構築するとき、複数の予測方向を採用できる。例えば、図2は、67のイントラ予測モードを示す図面である、図2に示されたように、67のイントラ予測モードは、具体的には、予測方向インデックス番号が、2ないし66の65の予測方向を含み、さらに、インデックス番号が、0であるPlanarモードおよびインデックス番号が、1であるDCモードを含む。
【0014】
本願の実施例において、上記の図2に基づいて、図3は、イントラ予測方法を示す図面であり、図3に示されたように、66である予測方向インデックス番号で各ピクセル予測値を構築する場合、参照番号が、0ないし16であるピクセルは、現在の処理ブロックの上段データである。現在の処理ブロックの各ピクセルは、右上の対角線のピクセルに従って満たされる。
【0015】
本願の実施例において、Planarモードは、主に、画像テクスチャが比較的に滑らかで、プロセスが比較的緩やかな領域に使用され、その予測方法は、現在の処理ブロックに対応する復元された隣接処理ブロックピクセル値を使用して、参照ピクセル値とし、さらに、線形補間および平均化の計算を実行することである。
【0016】
Planarモードと比較して、DCモードは、主に、フラットな画像、滑らかなテクスチャ、およびグラデーションが多すぎない領域に使用され、具体的な予測方法は、現在の処理ブロックの上部の復号化された最後のラインの参照ピクセルと、現在の処理ブロックの左側の復号化された右端列の参照ピクセルに従って予測する。これから分かるように、イントラ予測では、PlanarモードおよびDCモードは、両方とも、比較的にフラットな予測ブロックを構築する方式であり、それぞれ、DCモードは、上段左列の参照ピクセルの平均値を使用してすべてのクロマブロックを満たし、Planarモードは、緩やかな方式を採用してクロマブロックを満たす。
【0017】
上記の図2では、2つの特別な方向モード、即ち、予測方向インデックス番号が、50であるVERモード(即ち、垂直予測)、および予測方向インデックス番号が、18であるHORモード(即ち、水平予測)がある。
【0018】
図4は、垂直予測を示す図面であり、図5は、水平予測を示す図面であり、図4および5に示されたように、予測方向が、垂直予測である場合、上段の対応するピクセルに垂直するピクセル値に従って、垂直予測を実行することが出、予測方向が、水平予測である場合、左列の対応するピクセルに水平するピクセル値に従って、水平予測を実行することができる。
【0019】
輝度イントラ予測を実行するとき、上記の図2内の0ないし66のモードに従って、それぞれ予測し、その後、現在の処理ブロックとの差が最も小さい、即ち、最もマッチングされる予測方向を選択して、予測値を構築することができる。符号化端は、差および予測方向をコードストリームに書き込む。復号化端は、コードストリームを取得した後解析して、予測方向インデックス番号を取得した後、輝度予測値を計算でき、コードストリームによって解析された差信号と加算して、輝度の再確立値を取得できる。
【0020】
しかしながら、クロマイントラ予測と輝度イントラ予測モードは、異なり、コーデックの複雑さを軽減するために、クロマイントラ予測を実行するとき、予測方向の一部のみを抽出して処理する。例えば、VVCにおいて、クロマイントラ候補モードセットは、1つまたは複数の、線形モデル予測(LM:Linear Model Prediction)、左側の線形モデル予測(LM_T)モード、右側の線形モデル予測(LM_L)モード、DCモード、Planarモード、垂直(VER)モードおよび水平(HOR)モードなどのクロマイントラ予測モードを含み得る。
【0021】
図6は、クロマイントラ候補モードセットを示す図面であり、図6に示されたように、クロマイントラ候補モードセットは、異なるモードを含み得、先行技術は、異なるモードのうちの1つを選択することにより、クロマイントラ予測を実行することができ、例えば、DMは、対応する輝度中心ブロックの予測モードを表すことができ、クロスコンポーネント線形モデル予測(CCLM:Cross-component Linear Model Prediction)は、(a*輝度値+b)の方案を使用して予測信号を構築することを表すことができ、ここで、aおよびbは、両方とも自然数であり、DMが、DCモード、Planarモード、VERモードまたはHORモードのうちの任意の1つのモードである場合、当該モードを予測方向インデックス番号が66である角度モードに置き換えることができる。
【0022】
さらに、コーデックフレームワークが、輝度とクロマの独立分割をサポートすると、即ち、両方の分割が、一致しなくてもよいことにより、1つのクロマブロックが、複数の輝度ブロックに対応する場合があり、図7は、クロマブロックおよび輝度ブロックを示す図面1であり、図8は、クロマブロックおよび輝度ブロックを示す図面2であり、図7および8に示されたように、図7内のクロマブロックに対応する、図8内の輝度ブロックは、5個の独立符号化(異なる灰度で表示)の一部を含む。DMにおけるCRは、クロマブロックの部分的なテクスチャ特徴のみを反映できるため、クロマブロックが、複数の同じ位置の輝度ブロックに対応する場合、単一のDM予測を直接に使用することは、不合理であり、例えば、示された図7では、輝度中心ブロックの予測モードが、DCモードまたはPlanarモードに選択された場合、現在のブロックが、平坦であると見なす必要があるが、図7内の現在の輝度ブロックは、平坦でない可能性がある。クロマ予測モードには、さらに、デフォルト候補とする水平、垂直方向があるが、この場合、水平、垂直予測方向を全体的に満たすクロマブロックも少なく、それにより、候補位置を浪費し、コーデック効率を向上させるに役立たない。
【0023】
本願の実施例において、上記のクロマイントラ予測方法は、ビデオ符号化ハイブリッドフレームワーク内のイントラ予測部に適用でき、VVCに適用できる以外に、さらに、他の任意のビデオ符号化ハイブリッドフレームワークに適用でき、本願は、VVCで例示的に説明するが、限定しない。具体的には、上記のクロマイントラ予測方法は、符号化端および復号化端に同時に作用することができる。例えば、図9は、ビデオ符号化の例示的なフローチャートであり、図9に示されたように、ビデオ符号化は、イントラ推定、イントラ予測および動き補償などの複数の具体的なステップを含み得、ここで、本願によるクロマイントラ予測方法は、イントラ予測部に適用されることができ、図10は、ビデオ復号化の例示的なフローチャートであり、図10に示されたように、ビデオ復号化は、フィルタリング、イントラ予測および動き補償などの複数の具体的なステップを含み得、ここで、本願により提供されるクロマイントラ予測方法は、イントラ予測部に適用されることができる。
【0024】
以下、本願実施例における図面を参照して、本願実施例における技術的解決策を明確且つ完全に説明する。
【0025】
一実施例において、本願実施例は、クロマイントラ予測方法を提供し、図11は、本願実施例によるクロマイントラ予測方法の例示的な実現フローチャートであり、図11に示されたように、本願の実施例において、前記復号化器が、クロマイントラ予測を実行する方法は、以下のステップを含み得る。
【0026】
ステップ101において、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得する。
【0027】
本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得することができる。
【0028】
本願の実施例において、復号化器は、まず、ビデオビットストリームを受信し、その後、受信されたビデオビットストリームから、現在の符号化ブロックに対応するコードストリームデータを取得することができることに留意されたい。
【0029】
本願の実施では、復号化器は、現在の符号化ブロックに対応するコードストリームデータを取得した後、前記コードストリームデータから現在のクロマブロックに対応する残差データを取得することもできる。
【0030】
本願の実施例において、符号化器が、輝度イントラ予測モードを選択するとき、複数のモードに従ってそれぞれ予測することができ、例えば、上記の図2内の0ないし66のモードに従ってそれぞれ予測し、その後、最もマッチングされる予測方向を選択して、予測値を構築することができることに留意されたい。しかしながら、符号化器が、クロマイントラ予測モードを選択するとき、前記0ないし66のモードをすべて予測しなく、予測方向の一部のみを抽出して予測および選択する。そのため、復号化器は、前記コードストリームデータを取得した後、前記コードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応する1つのクロマイントラ候補セット、即ち、前記クロマブロックに対応するクロマ予測モードセットをさらに構築することができる。
【0031】
本願の実施例において、クロマ予測モードセットは、少なくとも1つのクロマイントラ予測モードを含み得、例えば、前記クロマ予測モードセットは、DM、LM、LM_T、LM_L、DC、Planar、および他の方向性予測モードなどのモードを含み得る。
【0032】
本願の実施例において、現在のクロマブロックは、正方形のクロマブロックであってもよいし、長方形のクロマブロックであってもよいし、本願実施例は、具体的に限定しない。
【0033】
ステップ102において、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0034】
本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得した後、前記DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、復号化器は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得することができる。ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してイントラクロマ予測を実行するために使用されることができる。
【0035】
本願の実施例において、クロマ予測モードセットは、クロマの予測のために使用され、具体的には、復号化器は、クロマ予測モードセットを介して現在のクロマブロックに対してクロマ予測を実行することができ、それにより、前記現在のクロマブロックに対応するクロマを復元することができることに留意されたい。
【0036】
本願の実施例において、復号化器が、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得した後、前記復号化器は、前記DMが、DCモードまたはPlanarモードであるか否かを決定できる。
【0037】
本願の実施例において、復号化器が、DMが、DCモードまたはPlanarモードであると決定した場合、前記符号化器は、最適化候補モードに従ってモードを追加することができ、それにより、クロマ予測モードセットを取得できることに留意されたい。
【0038】
本願の実施例において、復号化器が、前記コードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを決定した後、まず、前記DMを読み取り分析することができ、それにより、前記DMが、DCモードまたはPlanarモードであるか否かを決定できる。
【0039】
本願の実施において、PlanarモードおよびDCモードは、両方とも平坦な予測ブロックを構築する方式であるため、DMのとき、輝度中心ブロックが、DCモードまたはPlanarモードとして選択された場合、当該輝度ブロックは、平坦であると見なすことができることに留意されたい。しかしながら、実際の場合はそうでなく、例えば、VVCでは、輝度とクロマの独立分割ブロックを符号化することをサポートし、1つのクロマブロックは、複数の輝度ブロックに対応する可能性があり、そのため、DMは、中心領域の部分的なテクスチャ特徴のみを反映でき、つまり、当該輝度ブロックが、平坦でない可能性がある。つまり、DMが、PlanarモードまたはDCモードである場合、単一なDMを直接に使用して予測することは、不合理であり、精度が低下させる。クロマ予測モードには、さらに、デフォルト候補とする水平、垂直方向があるが、この場合、水平、垂直予測方向を全体的に満たすクロマブロックも少なく、それにより、候補位置を浪費し、コーデック効率を向上させるに役立たない。
【0040】
本願の実施において、表1は、イントラ予測方向設計表の初期状態であり、表1に示されたように、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、予測方向の初期状態は、DCモードまたはPlanarモードであり、表2は、イントラ予測方向設計表の後続状態であり、表2に示されたように、対応する輝度中心ブロックが、PlanarモードまたはDCモードである場合、すべての輝度ブロックが、1つのイントラ予測方向を採用する場合、現在のブロックは、平坦である可能性が高いことを示し、平坦ブロックの効率を保証するために、別の平坦モードを入力することに留意されたい。ここで、DMおよびCCLMは、重要な符号化道具であるため、優先順位を付ける必要がある。
【表1】
【表2】
【0041】
現在、輝度ブロックを介してDCモードまたはPlanarモードの平坦情報のみを取得できる。しかし、実際には、この場合に対応するクロマブロックは、複数の輝度ブロック領域をカバーする可能性があり、その中に、方向のあるテクスチャ情報を含み、これらのテクスチャ情報の方向は、異なる確率で分布される。
【0042】
一方、先行技術において、DMが、DCモード、Planarモード、VERモードまたはHORモードのうちの任意の1つのモードである場合、当該モードを予測方向インデックス番号が、66である方向性モードに置き換えることができる。
【0043】
しかし、実際の適用において、予測方向インデックス番号が、18、50であるVERモードおよびHORモードは、比率が大きいが、すべてのクロマブロックにわたるテクスチャの確率は、非常に小さく、それに比べて、予測方向インデックス番号が、34、66および2である対角角度モードおよびその近くの方向モードは、より大きい確率でクロマブロックを正しく予測することができる。
【0044】
そのため、DMは、クロマブロックの部分的なテクスチャ特徴のみを反映できないため、クロマブロックが、複数の同じ位置の輝度ブロックに対応する場合、単一なDM予測を直接に使用し、水平、垂直、および予測方向インデックス番号が66であることに対応する対角モードを補足として、クロマ予測モードセットを構築することは、不合理であり、そのため、復号化器は、最適化候補モードに従って、クロマ予測モードセットに対して最適化構築を実行する必要がある。同時に、実際の適用において、予測方向インデックス番号が、34、66および2である対角角度モードおよびその近くの方向モードは、より大きい確率でクロマブロックを正しく予測することができるため、これらの予測方向モードを使用して元の水平、垂直予測方向モードなどを置き換え、さらにDMを補足する。
【0045】
本願の実施例において、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、復号化器は、最適化候補モードに従って、さらに、クロマ予測するためのクロマ予測モードセットを取得することができる。
【0046】
本願の実施例において、復号化器は、候補モードとして少なくとも1つのモードを事前に設定でき、即ち、前記復号化器に、最適化候補モードが事前に設定されていることに留意されたい。
【0047】
本願の実施例において、予測方向インデックス番号が、34、66および2である対角角度モードは、現在のクロマに対応する輝度領域の小さいブロックでは、予測するために使用されるため、前記最適化候補モードには、予測方向インデックス番号が、34、66および2であるモードが記憶されることができる。例えば、現在のクロマブロックが、正方形のクロマブロックである場合、即ち、現在のクロマブロックの対角角度モードが、予測方向インデックス番号が、34、66および2であるモードである場合、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得するとき、まず、予測方向インデックス番号が、34であるモードをクロマ予測モードセットに追加し、その後、別の対角角度方向、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードのうちの1つをクロマ予測モードセットに追加することができる。
【0048】
本願の実施例において、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードは、1つの傾きの2つの方向に属するため、復号化器は、予測方向インデックス番号が、2であるモードを時計回りの方向に1つの角度を調整して最適化候補モードとし、例えば、予測方向インデックス番号が、6であるモードに調整することができる。その同時に、復号化器は、予測方向インデックス番号が、66であるモードを反時計回りの方向に1つの角度を調整して最適化候補モードとし、例えば、予測方向インデックス番号が、61であるモードに調整することもできる。さらに、復号化器は、さらに、予測方向インデックス番号が、66であるモードと、予測方向インデックス番号が、2であるモードを1つの角度を同時に調整して最適化候補モードとすることができる。
【0049】
本願の実施例において、より多くの対角角度モードが予測するために使用される以外に、対角角度モードの近くの他の派生角度も予測するために使用され、そのため、前記最適化候補モードは、予測方向インデックス番号が、32、64および4であるモードを含み得る。例えば、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得するとき、まず、予測方向インデックス番号が、34であるモードをクロマ予測モードセットに追加し、その後、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードのうちの1つのモードをクロマ予測モードセットに追加することができる。
【0050】
まとめると、本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードを確立するとき、少なくとも1つの対角角度モードを最適化候補モードに決定することができ、少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを最適化候補モードとして決定することもでき、さらに、少なくとも1つの対角角度モードおよび少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを前記最適化候補モードとして決定することもできる。ここで、前記復号化器は、まず、派生角度を決定することができ、具体的には、前記復号化器は、まず、DMに対応するインデックス番号Mを決定することができ、ここで、Mは、0より大きい整数であり、その後、前記復号化器は、変換パラメータNを取得することができ、最後に、MおよびNに従って派生角角度モードに対応するインデックス番号をさらに決定して、派生角角度モードを取得することができ、ここで、前記Nは、0より大きい整数である。
【0051】
本願の実施例において、復号化器が、MおよびNに従って、派生角角度モードに対応するインデックス番号を決定するとき、前記Mおよび前記Nに対して加算演算することができ、前記Mおよび前記Nに対して減算演算を実行して、最終的に、派生角角度モードに対応するインデックス番号を取得することができる。ここで、Nの値は、3、5または7であり得るが、これらの値に限定されない。例えば、DMに対応するインデックス番号Mが、1であると(即ち、DMが、DCモードである)、復号化器は、1+5または1-5によって取得される角度方向を派生角角度モードに対応するインデックス番号とすることができる。予測モードは、通常、負の数で示されないため、特定のマッピング方法を使用して、計算して得られた値を有効表示範囲にマッピングすることができる。例えば、具体的な計算式は、(M+62-N)%64+2であり得、60を取得する。
【0052】
本願の実施例において、非正方形ブロックの広角モードに対して、さらに、その有効予測方向範囲に従って、予測方向インデックス番号が、66および2のモードのうちの1つの方向を選択して候補とし、別の番号に対応する角度を調整して候補とすることができる。
【0053】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得した後、即ち、ステップ102の後、復号化器が、クロマイントラ予測を実行する方法は、以下のステップを含み得る。
【0054】
ステップ103において、クロマ予測モードセットに従って復号化処理を実行して、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行する。
【0055】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得した後、前記クロマ予測モードセットに従って復号化処理を実行して、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行することができる。
【0056】
本願の実施例において、復号化器が、クロマ予測モードセットを取得した後、さらに、前記クロマ予測モードセットを介して、前記現在のクロマブロックに対して復号化処理を実行することができ、それにより、前記現在のクロマブロックを復元し得ることができる。
【0057】
本願の実施例において、復号化器が、受信されたビデオビットストリームから、現在の符号化ブロックに対応するコードストリームデータを取得し、前記コードストリームデータからDMを取得する同時に、前記復号化器は、さらに、前記コードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応する残差データを取得できることに留意されたい。
【0058】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得した後の同時に、前記コードストリームデータから現在のクロマブロックに対応する残差データを取得した後、前記クロマ予測モードセットに基づいて、前記残差データに対してクロマイントラ予測復号化を実行することができ、それにより、前記現在のクロマブロックを復元することができる。
【0059】
本願実施例によるクロマイントラ予測方法において、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
【0060】
上記の実施例によれば、本願の別の実施例において、復号化器が、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得した後、前記DMのDMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、前記復号化器は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する必要があると見なされ、それにより、復号化の精度を向上させることができる。
【0061】
本願の実施において、PlanarモードおよびDCモードは、両方とも平坦な予測ブロックを構築する方式であるため、DMのとき、輝度中心ブロックが、DCモードまたはPlanarモードとして選択された場合、当該輝度ブロックは、平坦であると見なすことができることに留意されたい。しかしながら、実際の場合はそうでなく、VVCでは、輝度とクロマの独立分割ブロックを符号化することをサポートし、1つのクロマブロックは、複数の輝度ブロックに対応する可能性があり、そのため、DMは、中心領域の部分的なテクスチャ特徴のみを反映でき、つまり、当該輝度ブロックが、平坦でない可能性がある。つまり、DMが、PlanarモードまたはDCモードである場合、単一なDMを直接に使用して予測することは、不合理であり、精度が低下させる。クロマ予測モードには、さらに、デフォルト候補とする水平、垂直方向があるが、この場合、水平、垂直予測方向を全体的に満たすクロマブロックも少なく、それにより、候補位置を浪費し、コーデック効率を向上させるに役立たない。そのため、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する必要がある。具体的には、復号化器は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する前に、さらに、コードストリームデータから現在のクロマブロックに対応する線形モード(LM)を取得する必要がある。
【0062】
本願の実施において、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する方法は、具体的に以下のステップを含み得る。
【0063】
ステップ201において、DMおよびLMをクロマ予測モードセットに充填する。
【0064】
ステップ202において、最適化候補モードに従って、クロマ予測モードセットを充填する。
【0065】
本願の実施例において、復号化器は、まず、DMおよびLMをクロマ予測モードセットにそれぞれ追加することができ、それにより、まず、前記クロマ予測モードセット内の2つのモードを決定することができる。その後、前記復号化器は、最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを充填し続け、最終的にクロマ予測モードセットを取得することができる。
【0066】
本願の実施例において、復号化器が、DMおよびLMをクロマ予測モードセットに追加するとき、具体的には、DMに対応するモードの予測方向インデックス番号、およびLMに対応するモードの予測方向インデックス番号を予測モードセットに追加することである。例えば、DMが、DCモードであり、LMに対応するモードの予測方向インデックス番号が、15である場合、復号化器は、まず、予測方向インデックス番号1および15をクロマ予測モードセットにそれぞれ追加し、その後、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを充填することができる。具体的には、DMが、DCモードであるため、復号化器は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを充填するプロセスで、Planarモードの予測方向インデックス番号0をクロマ予測モードセットに補足する。
【0067】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを充填するとき、具体的には、以下のステップを含み得ることに留意されたい。
【0068】
ステップ202aにおいて、DMが、DCモードである場合、Planarモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに充填する。
【0069】
本願の実施例において、現在のクロマブロックに対応するDMが、DCモードである場合、復号化器は、Planarモードを修正し置き換える必要なく、そのため、Planarモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに充填し、割り当てられたビット数が、同じである場合、特定の順序にする必要ない。
【0070】
本願の実施例において、復号化器が、Planarモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加するとき、具体的には、Planarモードに対応する予測方向インデックス番号、および他の最適化候補モードに対応する予測方向インデックス番号を予測モードセットに追加することであることに留意されたい。例えば、他の最適化候補モードが、32および61の予測方向インデックス番号に対応する場合、復号化器は、予測方向インデックス番号0、132および61をクロマ予測モードセットにそれぞれ追加することができる。
【0071】
ステップ202bにおいて、DMが、Planarモードである場合、DCモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに充填する。
【0072】
本願の実施例において、現在のクロマブロックに対応するDMが、Planarモードである場合、復号化器は、DCモードを修正し置き換える必要なく、そのため、DCモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに充填し、割り当てられたビット数が、同じである場合、特定の順序にする必要はない。
【0073】
本願の実施例において、復号化器が、DCモードおよび最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加するとき、具体的には、DCモードに対応する予測方向インデックス番号、および他の最適化候補モードに対応する予測方向インデックス番号を予測モードセットに追加することであることに留意されたい。例えば、他の最適化候補モードが、2および60の予測方向インデックス番号に対応する場合、復号化器は、予測方向インデックス番号1、2および60をクロマ予測モードセットにそれぞれ追加することができる。
【0074】
本願の実施例において、さらに、復号化器が、最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加する方法は、以下のステップを含み得る。
【0075】
ステップ301において、最適化候補モードのうちの少なくとも1つのモードの優先度を決定する。
【0076】
本願の実施例において、復号化器は、まず、最適化候補モードのうちの少なくとも1つのモードの優先度を決定することができる。
【0077】
本願の実施例において、最適化候補モードは、少なくとも1つのモードであり得、具体的には、前記少なくとも1つのモードの予測方向インデックス番号は、すべて異なることに留意されたい。
【0078】
本願の実施例において、復号化器は、少なくとも1つのモードの実際に使用される確率に従って、優先度を決定することができることに留意されたい。
【0079】
ステップ302において、優先度の高い順に従って、最適化候補モードをクロマ予測モードセットにそれぞれ追加する。
【0080】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードのうちの少なくとも1つのモードの優先度を決定した後、優先度の高い順に従って、さらに、最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加することができる。
【0081】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加するプロセスでは、まず、優先度の最も高い最適化候補モードを追加し、その後、優先度の高い順に従って、次の最適化候補モードを選択してクロマ予測モードセットを構築することができる。
【0082】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードをクロマ予測モードセットに追加するとき、具体的には、最適化候補モードに対応する予測方向インデックス番号を予測モードセットに追加することであることに留意されたい。
【0083】
つまり、復号化器が、プリセットの最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを構築することができる場合、予測の精度を向上させることができる。
【0084】
本願実施例によるクロマイントラ予測方法において、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
【0085】
本願の実施例において、現在のクロマブロックは、正方形クロマブロックと非正方形クロマブロックを含む。その基で、復号化器が、最適化候補モードを確立するとき、少なくとも1つの対角角度モードを最適化候補モードに決定することができ、少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを最適化候補モードとして決定することもでき、さらに、前記少なくとも1つの対角角度モードおよび前記少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを前記最適化候補モードとして決定することもできる。
【0086】
本願の実施例において、復号化器は、少なくとも1つの対角角度モードを最適化候補モードとして決定することができる。具体的には、現在のクロマブロックが、正方形のクロマブロックである場合、即ち、現在のクロマブロックの対角角度モードが、予測方向インデックス番号が、34、66および2であるモードである場合、予測方向インデックス番号が、34、66および2である対角角度モードは、予測するために使用される。図12は、最適化候補モードを確立することを示す図面1であり、図12に示されたように、復号化器は、まず、1つの対角角度の予測モード、即ち、予測方向インデックス番号が、34であるモードを前記最適化候補モードとして決定することができ、その後、別の対角角度方向、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードのうちの任意の1つを前記最適化候補モードとして決定することができる。
【0087】
本願の実施例において、復号化器は、少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを最適化候補モードとして決定することもできる。具体的には、現在のクロマブロックが、正方形のクロマブロックである場合、即ち、現在のクロマブロックの対角角度モードが、予測方向インデックス番号が、34、66および2であるモードである場合、より多くの対角角度モードが予測するために使用される以外に、対角角度モードの近の他の派生角度も予測するために使用される。図13は、最適化候補モードを確立することを示す図面2であり、図13に示されたように、復号化器は、まず、1つの派生角度の予測モード、即ち、予測方向インデックス番号が、32であるモードを前記最適化候補モードとして決定することができ、その後、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードのうちの任意の1つを前記最適化候補モードとして決定することができる。
【0088】
本願の実施例において、復号化器は、まず少なくとも1つの派生角角度モードを決定することができ、具体的には、前記復号化器は、まず、DMに対応するインデックス番号Mを決定することができ、ここで、Mは、0より大きい整数であり、その後、前記復号化器は、変換パラメータNを取得することができ、最後に、MおよびNに従って派生角角度モードに対応するインデックス番号をさらに決定して、派生角角度モードを取得することができ、ここで、前記Nは、0より大きい整数である。
【0089】
本願の実施例において、復号化器が、MおよびNに従って、派生角角度モードに対応するインデックス番号を決定するとき、前記Mおよび前記Nに対して加算演算することができ、前記Mおよび前記Nに対して減算演算を実行して、最終的に、派生角角度モードに対応するインデックス番号を取得することができる。ここで、Nの値は、3、5または7であり得る。例えば、上記の図2によれば、DMに対応するインデックス番号Mが、0である場合(即ち、DMが、Planarモードである場合)、復号化器は、0+5または0-5によって取得される角度方向を派生角角度モードに対応するインデックス番号とすることができる。予測モードは、通常、負の数で示されないため、特定のマッピング方法を使用して、計算して得られた値を有効表示範囲にマッピングすることができる。例えば、具体的な計算式は、(M+62-N)%64+2であり得、60を取得する。この場合、予測方向角度5モードおよび予測方向角度60モードである派生角角度モードを取得することができる。
【0090】
本願の実施例において、予測方向インデックス番号が、66および2であるモードは、1つの傾きの2つの方向に属するため、復号化器は、予測方向インデックス番号が、2であるモードを時計回りの方向に1つの角度を調整して最適化候補モードとすることができ、例えば、図14は、最適化候補モードを確立することを示す図面3であり、図14に示されたように、復号化器は、予測方向インデックス番号が、2であるモードを予測方向インデックス番号が、6であるモードに調整する。同時に、復号化器は、予測方向インデックス番号が、66であるモードを反時計回りの方向に1つの角度を調整して最適化候補モードとすることもでき、例えば、図15は、最適化候補モードを確立することを示す図面4であり、図15に示されたように、復号化器は、予測方向インデックス番号が、66であるモードを予測方向インデックス番号が、61であるモードに調整する。さらに、復号化器は、同時に予測方向インデックス番号が、66であるモードと、予測方向インデックス番号が、2であるモードを1つの角度をそれぞれ調整して最適化候補モードとすることもでき、例えば、図16は、最適化候補モードを確立することを示す図面5であり、図16に示されたように、復号化器は、予測方向インデックス番号が、66であるモードを予測方向インデックス番号が、Bであるモードに調整し、予測方向インデックス番号が、2であるモードを予測方向インデックス番号が、Aであるモードに調整する。
【0091】
本願の実施例において、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを構築するとき、対角角度モードおよび派生角角度モードを自由に組み合わせることができ、例えば、3つの最適化候補モードを介してクロマ予測モードセットを構築する必要がある場合、1つの対角角度モードと2つの派生角角度モードをクロマ予測モードセットに追加することができ、2つの対角角度モードと1つの派生角角度モードをクロマ予測モードセットに追加することもでき、または2つの派生角角度モードをクロマ予測モードセットに追加することができ、3つの対角角度モードをクロマ予測モードセットに追加することもできることに留意されたい。例えば、復号化器が、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを構築するとき、予測方向の方向性モード6、61、66をクロマ予測モードセットに追加することができ、予測方向の方向性モード6、61、34をクロマ予測モードセットに追加することもでき、さらに、予測方向の方向性モード6、61、40をクロマ予測モードセットに追加することもでき、本願実施例は、具体的に限定しない。
【0092】
本願の実施例において、長方形ブロックの広角モードに対して、さらに、その有効予測方向範囲に従って、予測方向インデックス番号が、66および2のモードのうちの1つの方向を選択して候補とし、別の番号に対応する角度を調整して候補とすることができる。
【0093】
本願によるクロマイントラ予測方法において、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
【0094】
上記の実施例によれば、本願の別の実施例において、図17は、本願実施例による復号化器の構成の例示的な構造図1であり、図17に示されたように、本願実施例による復号化器1は、取得部11、復号化部12、確立部13および受信部14を備えることができる。
【0095】
前記取得部11は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、前記DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得するように構成され、ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0096】
本願の実施例において、前記取得部11は、さらに、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する前に、前記コードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応する線形モード(LM)を取得するように構成される。
【0097】
本願の実施例において、前記取得部11は、具体的には、前記DMおよび前記LMを前記クロマ予測モードセットに充填し、前記最適化候補モードに従って、前記クロマ予測モードセットを充填するように構成され、
本願の実施例において、前記取得部11は、さらに具体的には、前記DMが、前記DCモードである場合、前記Planarモードおよび前記最適化候補モードを前記クロマ予測モードセットに充填し、前記DMが、前記Planarモードである場合、前記DCモードおよび前記最適化候補モードを前記クロマ予測モードセットに充填するように構成される。
【0098】
本願の実施例において、前記最適化候補モードは、少なくとも1つのモードを含み、ここで、前記少なくとも1つのモードの予測方向のインデックス番号は異なる。
【0099】
本願の実施例において、前記確立部13は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得する前に、前記最適化候補モードを確立するように構成される。
【0100】
本願の実施例において、前記確立部13は、具体的には、少なくとも1つの対角角度モードを前記最適化候補モードとして決定し、または、前記少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを前記最適化候補モードとして決定し、または、前記少なくとも1つの対角角度モードおよび前記少なくとも1つの対角角度モードの派生角角度モードを前記最適化候補モードとして決定するように構成される。
【0101】
本願の実施例において、前記取得部11は、さらに、前記最適化候補モードを確立する前に、前記DMに対応するインデックス番号Mを決定し、変換パラメータNを取得し、前記Mおよび前記Nに従って、派生角角度モードに対応するインデックス番号を決定して、前記派生角角度モードを取得するように構成され、ここで、前記M、Nは、0より大きい整数である。
【0102】
本願の実施例において、前記取得部11は、具体的には、前記Mおよび前記Nに対して加算演算を実行して、前記派生角角度モードに対応するインデックス番号を取得し、または、前記Mおよび前記Nに対して減算演算を実行して、前記派生角角度モードに対応するインデックス番号を取得するように構成される。
【0103】
本願の実施例において、前記Nは、3、5または7を含む。
【0104】
本願の実施例において、前記現在のクロマブロックは、正方形クロマブロックと非正方形クロマブロックを含む。
【0105】
本願の実施例において、前記受信部14は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得する前に、ビデオビットストリームを受信して前記コードストリームデータを取得するように構成される。
【0106】
本願の実施例において、前記復号化部12は、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得した後、前記クロマ予測モードセットに従って復号化処理を実行して、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するように構成される。
【0107】
本願の実施例において、前記取得部11は、さらに、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行する前に、前記コードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応する残差データを取得するために、前記クロマ予測モードセットに従って復号化処理を実行するように構成される。
【0108】
本願の実施例において、前記復号化部12は、具体的には、前記クロマ予測モードセットに基づいて、前記残差データに対してクロマイントラ予測復号化を実行して、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するように構成される。
【0109】
本願の実施例において、前記取得部11は、さらに、ビデオビットストリームを受信して前記コードストリームデータを取得した後、前記コードストリームデータによって取得される前記現在のクロマブロックに対応する予測モードに、同じ予測モードがある場合、前記最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得して、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するように構成される。
【0110】
図18は、本願実施例による復号化器の構成の例示的な構造図2であり、図18に示されるように、本願実施例による復号化器1は、さらに、プロセッサ15、プロセッサ15実行可能命令を記憶するメモリ16、通信インターフェース17、プロセッサ15、メモリ16および通信インターフェース17を接続するように構成されるバス18と、を備える。
【0111】
本願の実施例において、前記プロセッサ15は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、デジタル信号処理装置(DSPD:Digital Signal Processing Device)、プログラマブルロジック装置(PLD:Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field ProgRAMmable Gate Array)、中央プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサのうちの少なくとも1つであり得る。異なる機器に対して、前記プロセッサの機能を実現するために使用される電子デバイスは、他でもあり得、本願実施例は、具体的に限定しないことを理解されたい。装置1は、さらに、メモリ16を備え、当該メモリ16は、プロセッサ15と接続でき、ここで、メモリ16は、実行可能なプログラムコードを記憶するように構成され、当該プログラムコードは、コンピュータ動作命令を含み、メモリ16は、高速RAMメモリを含み得、少なくとも2つのディスクメモリなどの、非揮発性メモリも含み得る。
【0112】
本願の実施例において、バス18は、通信インターフェース17、プロセッサ15およびメモリ16およびこれらのコンポーネント間の通信を接続するように構成される。
【0113】
本願の実施例において、メモリ16は、命令およびデータを記憶するように構成される。
【0114】
さらに、本願の実施例において、前記プロセッサ15は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、前記DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得するように構成され、ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0115】
実際の適用において、前記メモリ16は、ランダムアクセス第1メモリ(RAM:Random-Access Memory)などの揮発性第1メモリ(volatile memory)であり得、または、読み取り専用第1メモリ(ROM:Read-Only Memory)、フラッシュ第1メモリ(flash memory)、ハードディスク(Hard Disk Drive、HDD)またはソリッドステートハードディスク(SSD:Solid-State Drive)などの、不揮発性第1メモリ(non-volatile memory)であり得、または上記のタイプの第1メモリの組み合わせであり得、プロセッサ15に命令およびデータを提供する。
【0116】
さらに、本実施例における各機能モジュールは、1つの処理ユニットに統合され得、各ユニットが、物理的に別々に存在することもでき、2つまたは2つ以上のユニットを1つのユニットに統合することができる。前記統合されるユニットは、ハードウェアの形を使用して実装されることができ、ソフトウェア機能モジュールの形を使用して実装されることもできる。
【0117】
統合されるユニットが、ソフトウェア機能モジュールの形で実装され、独立した製品として販売または使用されていない場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができ、このような理解に基づいて、本実施例の技術的解決策は、本質でまたは先行技術に対して貢献のある部分、または当該技術的解決策の全部または一部は、ソフトウェア製品の形で具現されることができ、前記コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶されて、一台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク機器などであリ得る)、またはprocessor(プロセッサ)が、本実施例の方法のステップの全部または一部を実行させるために、いくつかの命令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等のプログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0118】
本願実施例による装置において、当該復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
【0119】
本願実施例は、プログラムを記憶する、第1コンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該プログラムは、プロセッサによって実行されるとき、上記のクロマイントラ予測方法を実現する。
【0120】
具体的には、本実施例におけるクロマイントラ予測方法に対応するプログラム命令は、光ディスク、ハードディスク、Uディスクなどの記憶媒体に記憶され得、記憶媒体中の1つのクロマイントラ予測方法に対応するプログラム命令が、電子機器によって読み取されるかまたは実行されるとき、
現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、前記現在のクロマブロックに対応するDMを取得するステップと、
前記DMが、直流(DC)モードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得ステップと、を含み、
ここで、前記クロマ予測モードセットは、前記現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。
【0121】
当業者は、本願の実施例を、方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供できることを理解するであろう。したがって、本願は、ハードウェアの実施例、ソフトウェアの実施例、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせの実施例の形を採用することができる。さらに、本願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(ディスクメモリおよび光学メモリなどを含むが、これらに限定されない)で実施されるコンピュータプログラム製品の形を採用することができる。
【0122】
本願は、本願の実施例に係る方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品の例示的な実現フローチャートおよび/またはブロック図を参照して説明される。コンピュータプログラム命令によって、例示的な実現フローチャートおよび/またはブロック図の各プロセスおよび/またはブロック、および例示的な実現フローチャートおよび/またはブロック図のプロセスおよび/またはブロックの組み合わせを実現することができることを理解するであろう。1つの機械を生成するために、これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供することにより、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令を、例示的な実現フローチャートの1つのプロセスまたは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックに指定される機能を実行するための装置を生成させる。
【0123】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方法で動作することができるコンピュータ可読メモリに記憶することもでき、前記コンピュータ可読メモリに記憶される命令に、命令装置を備える製品を生成させるようにし、前記命令装置は、例示的な実現フローチャートの1つのプロセスまたは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックで指定される機能を具現する。
【0124】
これらのコンピュータプログラム命令は、さらにコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードすることもでき、コンピュータまたは他のプログラマブル装置に一連の操作ステップを実行させて、コンピュータで実現される処理を生成するようにし、それにより、コンピュータまたは他のプログラマブル装置で実行される命令は、例示的な実現フローチャートの1つのプロセスまたは複数のプロセスおよび/またはブロック図の1つのブロックまたは複数のブロックで指定される機能を具現するためのステップを提供する。
【0125】
上記は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本願実施例は、クロマイントラ予測方法、復号化器およびコンピュータ記憶媒体を提供し、復号化器は、現在のクロマブロックに対応するコードストリームデータから、現在のクロマブロックに対応するDMを取得し、DMが、直流DCモードまたは平面(Planar)モードである場合、最適化候補モードに従ってクロマ予測モードセットを取得し、ここで、クロマ予測モードセットは、現在のクロマブロックに対してクロマ再構築を実行するために使用される。これから分かるように、本願の実施例において、復号化器は、現在のクロマブロックのコードストリームデータからDMを取得した後、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合、最適化候補モードを使用してクロマ予測モードセットを構築し、その後、クロマ予測モードセットに従って、現在のクロマブロックを復元することができ、それにより、DMが、DCモードまたはPlanarモードである場合に、存在するクロマイントラ予測精度が低い問題を解决することができ、さらに、コーデック効率を向上させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18