(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123868
(43)【公開日】2023-09-05
(54)【発明の名称】プログラム細胞死タンパク質1に対する抗体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230829BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20230829BHJP
A01K 67/027 20060101ALI20230829BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230829BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230829BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230829BHJP
A61K 31/64 20060101ALI20230829BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230829BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230829BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230829BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230829BHJP
C12P 21/08 20060101ALN20230829BHJP
C12N 15/62 20060101ALN20230829BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/30 ZNA
A01K67/027
C07K16/46
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K45/00
A61K31/64
A61P43/00 121
A61P37/04
A61P35/00
A61P31/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K39/395 Q
C12P21/08
C12N15/62
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112796
(22)【出願日】2023-07-10
(62)【分割の表示】P 2020513760の分割
【原出願日】2018-09-07
(31)【優先権主張番号】62/657,323
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/624,843
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/555,156
(32)【優先日】2017-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】508222047
【氏名又は名称】オーガスタ ユニバーシティ リサーチ インスティテュート,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】クリーフ サミール
(72)【発明者】
【氏名】ムクルチアン ミカエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】PD-1、好ましくはヒトまたはマウスPD-1に免疫特異的に結合し、免疫細胞増殖および活性を活性化する免疫応答を誘発または促進する、抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。
【解決手段】本開示の抗体およびその抗原結合フラグメントは、PD-1に免疫特異的に結合し、免疫細胞を抑制するのではなく免疫細胞を活性化する活性化シグナルを免疫細胞に送達する。一実施形態では、開示の抗体およびその抗原結合フラグメントは、免疫細胞上に発現しているPD-1に特異的に結合する。免疫細胞上のPD-1への開示の抗体およびその抗原結合フラグメントの結合は、活性化シグナル、例えば、サイトカイン産生および/または免疫細胞増殖の活性化を増強または促進するシグナルを、免疫細胞内に伝達させる。一実施形態では、免疫細胞は、T細胞、好ましくはCD8+T細胞である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SEQ ID NO:6、7、および8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域(CDR)と
SEQ ID NO:12、13、および14に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
【請求項6】
齧歯類である、請求項5に記載のトランスジェニック動物。
【請求項7】
齧歯類がマウスである、請求項6に記載のトランスジェニック動物。
【請求項8】
SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
【請求項9】
SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
【請求項10】
SEQ ID NO:18、19、および20に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと
SEQ ID NO:24、13、および25に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、請求項10に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項12】
SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、請求項10または11に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項13】
SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
【請求項15】
齧歯類である、請求項14に記載のトランスジェニック動物。
【請求項16】
齧歯類がマウスである、請求項15に記載のトランスジェニック動物。
【請求項17】
SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
【請求項18】
SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
【請求項19】
SEQ ID NO:29、30、および31に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと
SEQ ID NO:35、36、および37に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項20】
SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、請求項19に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項21】
SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、請求項19または20に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項22】
SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項23】
請求項19~22のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
【請求項24】
齧歯類である、請求項23に記載のトランスジェニック動物。
【請求項25】
齧歯類がマウスである、請求項24に記載のトランスジェニック動物。
【請求項26】
SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
【請求項27】
SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
【請求項28】
ヒト、マウス、キメラ、ヒト化、モノクローナル、二重特異性、三重特異性、または多重特異性である、請求項1~4、10~13、または19~22のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項29】
SEQ ID NO:12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRを含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項30】
SEQ ID NO:6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRを含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項31】
SEQ ID NO:12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRと
SEQ ID NO:6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項32】
SEQ ID NO:38に免疫特異的に結合する、抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
【請求項33】
免疫細胞がT細胞である、請求項32に記載の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
【請求項34】
前記T細胞がCD8+T細胞である、請求項33に記載の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
【請求項35】
前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは融合タンパク質がPD-1に結合する、請求項32に記載の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
【請求項36】
免疫細胞の表面上に発現したPD-1上のSEQ ID NO:38に免疫特異的に結合し、かつ、免疫細胞を活性化または刺激するシグナルをPD-1を通して誘発または促進する、抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
【請求項37】
請求項1~4、10~13、19~22、または29~36のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物。
【請求項38】
第2の治療剤をさらに含む、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項37または38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
第2の治療剤がシクロホスファミドを含む、請求項38に記載の医薬組成物。
【請求項41】
免疫応答の誘発、促進、または増強を、それを必要としている対象において行う方法であって、
該対象における免疫応答を誘発、促進、または増強するために、該対象に、有効量の請求項1~4、10~13、19~22、もしくは29~36のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項42】
がんの治療を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象におけるがんを治療するために、該対象に、有効量の請求項1~4、10~13、19~22、もしくは29~36のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項43】
腫瘍負荷の低減を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象における腫瘍負荷を低減するために、該対象に、有効量の請求項1~4、10~13、19~22、もしくは29~36のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項44】
感染症の治療を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象における該感染症を治療するために、該対象に、有効量の請求項1~4、10~13、19~22、もしくは29~36のいずれか一項に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは請求項37~40のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月7日に出願された米国仮特許出願第62/555,156号、2018年2月1日に出願された同第62/624,843号、および2018年4月13日に出願された同第62/657,323号の利益および優先権を主張し、それらの全ては、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0002】
配列表の参照
2018年8月21日に作成され、55.2キロバイトのサイズを有する「064466.071 sequence listing_ST25.txt」と命名されたテキストファイルとして、2018年9月6日に提出された配列表は、米国特許法施行規則1.52(e)(5)に従って参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発明の技術分野
本発明は概して、免疫調節、ならびにPD-1に特異的に結合する抗体およびそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
プログラム細胞死受容体タンパク質(PD-1)/プログラム細胞死受容体タンパク質リガンド1(PD-L1)経路は、がん免疫療法の標的として有望な臨床的成功を示している。PD-1またはPD-L1のいずれかを標的にする現在の抗体は、この相互作用を遮断し、がん細胞に対する免疫応答を高めることができる。PD-1モノクローナル抗体および他の免疫チェックポイント阻害剤を用いた臨床試験の成功は、がん免疫学において新たな道を切り開いている。しかしながら、がん患者の大きいサブセットが新しい免疫療法に応答することができないため、併用療法および予測バイオマーカーの研究が強化されている(Iwai,Y.,et al.,Journal of Biomedical Science,24:26(2017)(非特許文献1))。
【0005】
したがって、本発明の一目的は、PD-1シグナル伝達を調節するための組成物および方法を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、PD-1に特異的に結合し、PD-1シグナル伝達を調節する、抗体およびその抗原結合フラグメントを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、がんを治療するための組成物および方法を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、感染症を治療するための組成物および方法を提供することである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Iwai,Y.,et al.,Journal of Biomedical Science,24:26(2017)
【発明の概要】
【0010】
PD-1、好ましくはヒトまたはマウスPD-1に免疫特異的に結合し、免疫細胞増殖および活性を活性化する免疫応答を誘発または促進する、抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。一実施形態では、開示の抗体およびその抗原結合フラグメントは、免疫細胞上に発現しているPD-1に特異的に結合する。免疫細胞上のPD-1への開示される抗体およびその抗原結合フラグメントの結合は、活性化シグナル、例えば、サイトカイン産生および/または免疫細胞増殖の活性化を増強または促進するシグナルを、免疫細胞内に伝達させる。PD-1を発現する免疫細胞としては、BおよびT細胞、ならびに骨髄由来細胞が挙げられるが、これらに限定されない(Riley,J.,Immunol Rev.229(1):114-125(2009))。一実施形態では、免疫細胞は、T細胞、好ましくはCD8+T細胞である。
【0011】
別の実施形態は、対象に、有効量の開示される抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントを投与して、対象における適応免疫応答を誘発、増強、または促進することによって、適応免疫応答の刺激、促進、または増強を、それを必要としている対象において行う方法を提供する。
【0012】
一実施形態は、SEQ ID NO:6、7、および8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域(CDR)と、SEQ ID NO:12、13、および14に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供し、抗体またはその抗原結合フラグメントは、PD-1に免疫特異的に結合する。
【0013】
一実施形態は、SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0014】
一実施形態は、SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0015】
一実施形態は、SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と、SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と、を有する、抗体またはその任意の抗原結合フラグメントを提供する。
【0016】
一実施形態は、開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちのいずれか1つを発現するように操作されたトランスジェニック動物を提供する。一実施形態では、動物は、マウスである。
【0017】
一実施形態は、SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸を提供する。
【0018】
一実施形態は、SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸を提供する。
【0019】
一実施形態は、SEQ ID NO:18、19、および20に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと、SEQ ID NO:24、13、および25に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0020】
一実施形態は、SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0021】
一実施形態は、SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0022】
一実施形態は、SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と、SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0023】
一実施形態は、SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸を提供する。
【0024】
一実施形態は、SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸を提供する。
【0025】
一実施形態は、SEQ ID NO:29、30、および31に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと、SEQ ID NO:35、36、および37に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0026】
一実施形態は、SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0027】
一実施形態は、SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0028】
一実施形態は、SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と、SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0029】
一実施形態は、SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸を提供する。
【0030】
一実施形態は、SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸を提供する。
【0031】
一実施形態は、SEQ ID NO:12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRを含有する、抗体、またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0032】
別の実施形態は、SEQ ID NO:6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRを含有する、抗体、またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0033】
別の実施形態は、SEQ ID NO:12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRと、SEQ ID NO:6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRと、を含有する、抗体、またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0034】
一実施形態は、SEQ ID NO:38に免疫特異的に結合する、抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質を提供する。一実施形態では、抗体は、PD-1上のSEQ ID NO:38に結合する。一実施形態では、抗体は、免疫細胞の表面上に発現したPD-1に結合し、かつ、免疫細胞を活性化または刺激するシグナルをPD-1を通して誘発または促進する。一実施形態では、活性化または刺激される免疫細胞は、T細胞、例えばCD8+T細胞である。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト、マウス、キメラ、ヒト化、モノクローナル、二重特異性、三重特異性、または多重特異性である。
【0036】
一実施形態は、開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第2の治療剤および/または薬学的に許容される賦形剤を含む。例示的な第2の治療剤は、シクロホスファミドを含む。
【0037】
一実施形態は、対象に、有効量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を投与して、対象における免疫応答を誘発、促進、または増強することによって、免疫応答の誘発、促進、または増強を、それを必要としている対象において行う方法を提供する。
【0038】
一実施形態は、対象に、有効量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を投与して、対象におけるがんを治療することによって、がんの治療を、それを必要としている対象において行う方法を提供する。
【0039】
一実施形態は、対象に、有効量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を投与して、対象における腫瘍負荷を低減することによって、腫瘍負荷の低減を、それを必要としている対象において行う方法を提供する。
【0040】
一実施形態は、対象に、有効量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を投与して、対象における感染症を治療することによって、感染症の治療を、それを必要としている対象において行う方法を提供する。
[本発明1001]
配列番号6、7、および8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域(CDR)と
配列番号12、13、および14に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1002]
配列番号4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、本発明1001の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1003]
配列番号10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、本発明1001または1002の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1004]
配列番号4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
配列番号10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1005]
本発明1001~1004のいずれかの抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
[本発明1006]
齧歯類である、本発明1005のトランスジェニック動物。
[本発明1007]
齧歯類がマウスである、本発明1006のトランスジェニック動物。
[本発明1008]
配列番号4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
[本発明1009]
配列番号10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
[本発明1010]
配列番号18、19、および20に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと
配列番号24、13、および25に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1011]
配列番号16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、本発明1010の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1012]
配列番号22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、本発明1010または1011の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1013]
配列番号16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
配列番号22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1014]
本発明1010~1013のいずれかの抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
[本発明1015]
齧歯類である、本発明1014のトランスジェニック動物。
[本発明1016]
齧歯類がマウスである、本発明1015のトランスジェニック動物。
[本発明1017]
配列番号16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
[本発明1018]
配列番号22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
[本発明1019]
配列番号29、30、および31に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと
配列番号35、36、および37に記載のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1020]
配列番号27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖を含む、本発明1019の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1021]
配列番号33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を含む、本発明1019または1020の抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1022]
配列番号27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖と
配列番号33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖と
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1023]
本発明1019~1022のいずれかの抗体またはその抗原結合フラグメントを発現するように操作された、トランスジェニック動物。
[本発明1024]
齧歯類である、本発明1023のトランスジェニック動物。
[本発明1025]
齧歯類がマウスである、本発明1024のトランスジェニック動物。
[本発明1026]
配列番号27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する重鎖をコードする、核酸。
[本発明1027]
配列番号33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖をコードする、核酸。
[本発明1028]
ヒト、マウス、キメラ、ヒト化、モノクローナル、二重特異性、三重特異性、または多重特異性である、本発明1001~1004、1010~1013、または1019~1022のいずれかの抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1029]
配列番号12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRを含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1030]
配列番号6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRを含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1031]
配列番号12、13、14、24、25、35、36、または37からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの軽鎖CDRと
配列番号6、7、8、18、19、20、29、30、または31からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する3つの重鎖CDRと
を含む、抗体またはその抗原結合フラグメント。
[本発明1032]
配列番号38に免疫特異的に結合する、抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
[本発明1033]
免疫細胞がT細胞である、本発明1032の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
[本発明1034]
前記T細胞がCD8+T細胞である、本発明1033の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
[本発明1035]
前記抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは融合タンパク質がPD-1に結合する、本発明1032の抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
[本発明1036]
免疫細胞の表面上に発現したPD-1上の配列番号38に免疫特異的に結合し、かつ、免疫細胞を活性化または刺激するシグナルをPD-1を通して誘発または促進する、抗体もしくはそのエピトープ結合フラグメントまたは融合タンパク質。
[本発明1037]
本発明1001~1004、1010~1013、1019~1022、または1029~1036のいずれかの抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、医薬組成物。
[本発明1038]
第2の治療剤をさらに含む、本発明1037の医薬組成物。
[本発明1039]
薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、本発明1037または1038の医薬組成物。
[本発明1040]
第2の治療剤がシクロホスファミドを含む、本発明1038の医薬組成物。
[本発明1041]
免疫応答の誘発、促進、または増強を、それを必要としている対象において行う方法であって、
該対象における免疫応答を誘発、促進、または増強するために、該対象に、有効量の本発明1001~1004、1010~1013、1019~1022、もしくは1029~1036のいずれかの抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは本発明1037~1040のいずれかの医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1042]
がんの治療を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象におけるがんを治療するために、該対象に、有効量の本発明1001~1004、1010~1013、1019~1022、もしくは1029~1036のいずれかの抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは本発明1037~1040のいずれかの医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1043]
腫瘍負荷の低減を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象における腫瘍負荷を低減するために、該対象に、有効量の本発明1001~1004、1010~1013、1019~1022、もしくは1029~1036のいずれかの抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは本発明1037~1040のいずれかの医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
[本発明1044]
感染症の治療を、それを必要としている対象において行うための方法であって、
該対象における該感染症を治療するために、該対象に、有効量の本発明1001~1004、1010~1013、1019~1022、もしくは1029~1036のいずれかの抗体もしくはその抗原結合フラグメントまたは本発明1037~1040のいずれかの医薬組成物を投与する工程を含む、前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】モノクローナル抗体4G9とヒトPD-1との間の相互作用動態を時間の関数として示すグラフである。グラフは、0、125、250、500、500、および1000nMにおけるヒトPD-1の濃度からのトレースを示す。
【
図2】モノクローナル抗体4G9とマウスPD-1との間の相互作用動態を時間の関数として示すグラフである。グラフは、0、62.5、125、500、500、および1000nMにおけるマウスPD-1の濃度からのトレースを示す。
【
図3】モノクローナル抗体4C12とヒトPD-1との間の相互作用動態を時間の関数として示すグラフである。グラフは、0、125、250、500、500、および1000nMにおけるヒトPD-1の濃度からのトレースを示す。
【
図4】モノクローナル抗体5C2とヒトPD-1との間の相互作用動態を時間の関数として示すグラフである。グラフは、0および1000nMにおけるマウスPD-1の濃度からのトレースを示す。
【
図5】モノクローナル抗体5C2とマウスPD-1との間の相互作用動態を時間の関数として示すグラフである。グラフは、0、62.5、125、250、500、500、および1000nMにおけるヒトPD-1の濃度からのトレースを示す。
【
図6A】アイソタイプ対照抗体または市販の抗PD-1抗体J43で染色されたEL4細胞のフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図6B】二次抗体のみまたは抗体4G9、5C2、および4C12で染色されたEL4細胞のフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図6C】二次抗体のみまたは抗体4G9で染色されたEl4細胞のフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図6D】二次抗体のみまたは抗体5C2で染色されたEl4細胞のフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図6E】二次抗体のみまたは抗体4C12で染色されたEl4細胞のフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図6F】EL4細胞への様々な精製マウスPD-1抗体の結合を示す棒グラフである。
【
図7A】
図7Aおよび
図7Bは、様々な抗体で処理されたCD4 T細胞からの上清中のIFNγ(
図7A)またはIL-2の濃度を示す棒グラフである。X軸は処置群であり、Y軸は濃度(ng/mL)である。
【
図7C】4G9または5C2抗体で処理されたヒトCD4 T細胞からの上清中のIFNγ濃度を示す棒グラフである。X軸は処置群を表し、Y軸は濃度(ng/mL)を表す。
【
図8】様々な抗体で処理されたマウスCD4 T細胞におけるpAKTの細胞内染色のレベルを示す棒グラフである。X軸は処置群を表し、Y軸はpAKT(S473)MFIを表す。
【
図9】様々な抗体中のIgG重鎖および軽鎖を示すウエスタンブロットである。
【
図10】ヒトPD-1-Fcへの4G9および5C2抗体の結合を示す棒グラフである。X軸は抗体濃度を表し、Y軸はOD450を表す。
【
図11】PD-1 KOマウス(
図11A)またはPD-1 WTマウス(
図11B)からのCD4 T細胞におけるPD-1への4G9および5C2抗体の結合を示すフローサイトメトリヒストグラムである。
【
図12】4G9、5C2、市販のAb-1、市販のAb-2で処理されたか、または未処理のCD4 T細胞におけるpS6発現を示す折れ線グラフである。X軸は総タンパク質の濃度(μg/mL)を表し、Y軸はOD450を表す。
【
図13A】TC-1腫瘍実験のための実験設計を示す概略図である。
【
図13B】E7 Vax、4G9、RMP 1-14、E7 Vax+RMP 1-14、E7 Vax+4G9で処理されたか、または未処理のTC-1担がんマウスについての、経時的(日)な平均腫瘍体積(cm
3)を示す折れ線グラフである。X軸は時間(日)を表し、Y軸は平均腫瘍体積(cm
3)を表す。
【
図13C】E7 Vax、4G9、RMP 1-14、E7 Vax+RMP 1-14、E7 Vax+4G9で処理されたか、または未処理のTC-1担がんマウスについての、経時的な生存率を示す折れ線グラフである。
【
図13D】E7 Vax、4C12、5C2、RMP 1-14、E7 Vax+RMP 1-14、E7 Vax+4C12、E7 Vax+5C2で処理されたか、または未処理のTC-1担がんマウスについての、経時的(日)な平均腫瘍体積(cm
3)を示す折れ線グラフである。
【
図14A】TC-1腫瘍実験のための実験設計の概略図である。
【
図14B】E7 Vax、4G9、RMP 1-14、J43、E7 Vax+4G9、E7 Vax+RMP 1-14、E7 Vax+J43で処理されたか、または未処理のTC-1担がんマウスについての、経時的(日)な平均腫瘍体積(cm
3)を示す折れ線グラフである。X軸は時間(日)を表し、Y軸は平均腫瘍体積(cm
3)を表す。
【
図14C】E7 Vax、4G9、4C12、5C2、RMP 1-14、J43、E7 Vax+4G9、E7 Vax+4C12、E7 Vax+5C2、E7 Vax+RMP 1-14、E7 Vax+J43で処理されたか、または未処理のTC-1担がんマウスの経時的な生存率を示す折れ線グラフである。X軸は時間(日)表し、Y軸は生存率を表す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
発明の詳細な説明
I.定義
本明細書で使用される場合、分子は、そのような結合がその同族抗原への抗体の特異性および親和性を示す場合、第2の分子に「免疫特異的に結合する」ことが可能であると言われる。抗体は、そのような結合が免疫グロブリン分子の認識部位を伴う場合、抗原の標的領域または立体構造(「エピトープ」)に免疫特異的に結合することが可能であると言われる。特定の抗原に免疫特異的に結合する抗体は、他の抗原が、例えば、免疫学的測定、BIACORE(登録商標)アッセイ、または当該技術分野において既知の他のアッセイによって決定されるように、抗原認識部位によって認識される何らかの配列または立体構造類似性を有する場合、より低い親和性で他の抗原に結合し得るが、全く無関係の抗原には結合しない。しかしながら、好ましくは、抗体(およびそれらの抗原結合フラグメント)は、他の抗原と交差反応しない。抗体はまた、Fc領域などの抗原認識部位を伴わない分子の他の領域/ドメイン内の結合ドメインにより、FcR受容体など、免疫特異性ではない方法で他の分子に結合し得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、分子は、そのような結合がその同族結合リガンドへの受容体の特異性および親和性を示す場合、第2の分子に「生理学的に特異的に結合する」と言われる。分子は、2つ以上の他の分子に生理学的に特異的に結合することが可能であり得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、「可変領域」抗原認識部位を有する免疫グロブリン分子を示すことが意図される。「可変領域」という用語は、免疫グロブリンのそのようなドメインを、抗体によって広く共有されるドメイン(抗体Fcドメインなど)と区別することが意図される。可変領域は、その残基が抗原結合を担う「超可変領域」を含む。超可変領域は、「相補性決定領域」もしくは「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、典型的には、近似的に軽鎖可変ドメインにおける残基24~34(L1)、50~56(L2)、および89~97(L3)、ならびに近似的に重鎖可変ドメインにおける残基27~35(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3)、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))、および/または「超可変ループ」からの残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基26~32(L1)、50~52(L2)、および91~96(L3)、ならびに重鎖可変ドメインにおける26~32(H1)、53~55(H2)、および96~101(H3)、Chothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901-917)を含む。「フレームワーク領域」または「FR」残基は、本明細書で定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。抗体という用語は、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、合成抗体、キメラ抗体、ラクダ化抗体(例えば、Muyldermans et al.,2001,Trends Biochem.Sci.26:230、Nuttall et al.,2000,Cur.Pharm.Biotech.1:253、Reichmann and Muyldermans,1999,J.Immunol.Meth.231:25、国際公開第WO94/04678号および同第WO94/25591号、米国特許第6,005,079号を参照)、一本鎖Fvs(scFv)(例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)、細胞内抗体、および抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗体に対する抗Idおよび抗-抗Id抗体を含む)を含む。特に、そのような抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)、またはサブクラスの免疫グロブリン分子を含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、抗体の「抗原結合フラグメント」という用語は、抗体の相補性決定領域(「CDR」)および任意に抗体の「可変領域」抗原認識部位を含むフレームワーク残基を含有し、抗原に免疫特異的に結合する能力を示す、抗体の1つ以上の部分を指す。そのようなフラグメントは、Fab’、F(ab’)2、Fv、一本鎖(ScFv)、およびそれらの突然変異体、自然発生変異体、ならびに抗体の「可変領域」抗原認識部位および異種タンパク質(例えば、毒素、異なる抗原の抗原認識部位、酵素、受容体、または受容体リガンドなど)を含む融合タンパク質を含む。
【0046】
本明細書で使用される場合、「フラグメント」という用語は、少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸残基、少なくとも40個の連続アミノ酸残基、少なくとも50個の連続アミノ酸残基、少なくとも60個の連続アミノ酸残基、少なくとも70個の連続アミノ酸残基、少なくとも80個の連続アミノ酸残基、少なくとも90個の連続アミノ酸残基、少なくとも100個の連続アミノ酸残基、少なくとも125個の連続アミノ酸残基、少なくとも150個の連続アミノ酸残基、少なくとも175個の連続アミノ酸残基、少なくとも200個の連続アミノ酸残基、または少なくとも250個の連続アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。
【0047】
「結合分子」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の標的と特異的に相互作用し、それに結合する分子を指すことが意図される。標的は、生体分子または小(化学)分子を含むことができる。標的分子は、抗原または抗原部分を定義し得る。結合分子の例としては、抗体(モノクローナル抗体、二重特異性抗体、ならびに抗体フラグメントを含む)、融合タンパク質、および当業者に既知の他の抗原結合分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「調節する」という用語は、効果、結果、または活性(例えば、シグナル伝達)を変更する能力を指す。そのような調節は、作動的または拮抗的であり得る。拮抗的調節は、部分的であり得る(すなわち、無効にするのではなく、弱める)か、またはそのような活性を完全に無効にする(例えば、中和する)ことができる。調節は、抗体の結合後の受容体の内在化、または標的細胞上での受容体の発現の低減を含むことができる。作動的調節は、活性(例えば、シグナル伝達)を増強するか、またはそうでなければ増加させるもしくは増強することができる。またさらなる実施形態では、そのような調節は、誘導されるシグナル伝達の性質を変更するために、リガンドとその同族受容体との間の相互作用の性質を変更することができる。例えば、分子は、リガンドまたは受容体に結合することによって、他のリガンドまたは受容体に結合するそのような分子の能力を変更し、それによりそれらの全体的な活性を変更することができる。好ましくは、そのような調節は、測定可能な免疫系活性の少なくとも10%の変化、より好ましくは、そのような活性の少なくとも50%の変化、またはそのような活性の少なくとも2倍、5倍、10倍、もしくはさらにより好ましくは、少なくとも100倍の変化を提供するであろう。
【0049】
「実質的に」という用語は、結合または示される効果の文脈で使用される場合、観察される効果が生理学的または治療的に意義があることを示すことが意図される。したがって、例えば、分子は、遮断の程度が生理学的または治療的に意義がある場合(例えば、そのような程度が、60%超の完全性、70%超の完全性、75%超の完全性、80%超の完全性、85%超の完全性、90%超の完全性、95%超の完全性、または97%超の完全性である場合)、リガンドまたは受容体の活性を実質的に遮断することが可能である。同様に、分子は、そのような免疫特異性および特徴が、60%超の同一性、70%超の同一性、75%超の同一性、80%超の同一性、85%超の同一性、90%超の同一性、95%超の同一性、または97%超の同一性である場合、別の分子と実質的に同じ免疫特異性および/または特徴を有すると言われる。)
【0050】
本明細書で使用される場合、「共刺激」シグナルは、陽性の共刺激シグナル(例えば、活性の増強をもたらすシグナル)および陰性の共刺激シグナル(例えば、活性の阻害をもたらすシグナル)を包含する。
【0051】
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、親抗体または参照抗体の同じ標的に免疫特異的に結合するが、親抗体もしくは参照抗体またはその抗原結合フラグメントに対する1、2、3、4、5個、またはそれ以上のアミノ酸残基の置換、付加、欠失、または修飾を含むことによって、親抗体もしくは参照抗体またはその抗原結合フラグメントとはアミノ酸配列が異なる、抗体またはその抗原結合フラグメントを指す。好ましくは、そのような誘導体は、親抗体もしくは参照抗体またはその抗原結合フラグメントと実質的に同じ免疫特異性および/もしくは特徴、または同じ免疫特異性および特徴を有するであろう。アミノ酸置換またはそのような誘導体の付加は、自然発生(すなわち、DNAコード化)または非自然発生アミノ酸残基を含むことができる。「誘導体」という用語は、例えば、エフェクターまたは結合特徴の増強または低下を示す変異体Fc領域を有する抗体などを形成するために、例えば、キメラまたはヒト化変異体、ならびに改変されたCH1、ヒンジ、CH2、CH3、またはCH4領域を有する変異体を包含する。
【0052】
本明細書で使用される場合、「キメラ抗体」は、抗体の異なる部分が非ヒト抗体に由来する可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有する抗体などの異なる免疫グロブリン分子に由来する分子である。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(通常はマウスまたはラット)免疫グロブリンからの1つ以上のCDRを含む免疫グロブリンを指す。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは、「アクセプター」と呼ばれる。定常領域は、存在する必要はないが、存在する場合、それらはヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、すなわち、少なくとも約85~99%、好ましくは約95%以上同一であるべきである。したがって、ヒト化免疫グロブリンの全ての部分は、場合によってはCDRを除き、天然ヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖およびヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体である。例えば、キメラ抗体の可変領域全体が非ヒトであるため、例えば、ヒト化抗体は、典型的なキメラ抗体を包含しないであろう。
【0054】
本明細書で使用される場合、「内因性濃度」という用語は、分子が細胞(その細胞は正常細胞、がん細胞、または感染細胞であり得る)によって天然に(すなわち、発現ベクターまたは組み換えプロモーターの非存在下で)発現するレベルを指す。
【0055】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」、「治療」、および「治療的使用」という用語は、抗PD-1抗体またはその抗原フラグメントによって悪化する疾患または障害の1つ以上の症状の除去、低減、または改善を指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、そのような症状の臨床的に意義のある除去、低減、または改善を媒介するのに十分な治療剤の量を指す。効果は、その規模がレシピエント対象の健康または予後に影響を及ぼすのに十分である場合、臨床的に意義がある。治療有効量は、疾患の発症を遅延または最小化、例えば、がんの拡散を遅延または最小化するのに十分な治療剤の量を指し得る。治療有効量は、疾患の治療または管理において治療的利益を提供する治療剤の量も指し得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「予防剤」という用語は、そのような障害または疾患のいずれかの症状の検出前に障害または疾患の予防に使用され得る薬剤を指す。「予防有効」量は、そのような保護を媒介するのに十分な予防剤の量である。予防有効量は、疾患の予防において予防的利益を提供する予防剤の量も指し得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、細胞の異常な制御されない成長からもたらされる新生物または腫瘍を指す。本明細書で使用される場合、がんは、白血病およびリンパ腫を明示的に含む。「がん」という用語は、遠位部位に転移し、非がん細胞のものとは異なる表現型形質、例えば、軟寒天などの3次元基質におけるコロニーの形成、または3次元基底膜もしくは細胞外マトリクス調製物における管状ネットワークもしくはウェブ状マトリクスの形成を示す可能性を有する細胞を伴う疾患を指す。非がん細胞は、軟寒天においてコロニーを形成せず、3次元基底膜または細胞外マトリクス調製物において明確な球体状構造を形成する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「免疫細胞」は、T細胞、B細胞、単球、樹状細胞、およびマクロファージを含むが、これらに限定されない造血起源の任意の細胞を指す。
【0060】
本明細書で使用される場合、「結合価」は、分子当たりの利用可能な結合部位の数を指す。
【0061】
本明細書で使用される場合、「免疫的」、「免疫学的」、または「免疫」応答という用語は、レシピエント患者におけるペプチドに対する有益な液性(抗体媒介性)および/または細胞(抗原特異的T細胞もしくはそれらの分泌産物によって媒介される)応答の発生である。そのような応答は、免疫原の投与によって誘発される活性応答、または抗体もしくは初回抗原刺激を受けたT細胞の投与によって誘発される受動応答であり得る。細胞免疫応答は、抗原特異的CD4+Tヘルパー細胞および/またはCD8+細胞傷害性T細胞を活性化するためのクラスIまたはクラスII MHC分子と会合したポリペプチドエピトープの提示によって誘導される。応答は、単球、マクロファージ、NK細胞、好塩基球、樹状細胞、星状細胞、小膠細胞、好酸球の活性化、好中球または先天性免疫の他の構成成分の活性化または動員も伴い得る。細胞媒介性免疫学的応答の存在は、増殖アッセイ(CD4+T細胞)またはCTL(細胞傷害性Tリンパ球)アッセイによって決定され得る。免疫原の保護または治療効果への液性および細胞応答の相対的な寄与は、免疫化同系動物からの抗体およびT細胞を別々に単離し、第2の対象における保護または治療効果を測定することによって区別され得る。
【0062】
本明細書で使用される場合、「免疫原性薬剤」または「免疫原」は、任意に補助剤と共に、哺乳動物への投与後にそれ自体に対する免疫学的応答を誘発することが可能である。
【0063】
本明細書で使用される場合、「個体」、「宿主」、「対象」、および「患者」という用語は、本明細書で互換的に使用され、ヒト、齧歯類、例えば、マウスおよびラット、ならびに他の実験動物を含むが、これらに限定されない哺乳動物を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、修飾(例えば、リン酸化またはグリコシル化)にかかわらず、任意の長さのアミノ酸の鎖を指す。ポリペプチドという用語は、タンパク質およびそのフラグメントを含む。ポリペプチドは、「外因性」であり得、それらが細菌細胞によって産生されるヒトポリペプチドなどの、使用される宿主細胞とは「異種」、すなわち、異質であることを意味する。ポリペプチドは、本明細書においてアミノ酸残基配列として開示される。それらの配列は、アミノ酸からカルボキシ末端への方向で左から右へと記載される。標準的な命名法に従って、アミノ酸残基配列は、以下に示されるように3文字または1文字コードのいずれかで呼ばれる。アラニン(Ala、A)、アルギニン(Arg、R)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グルタミン(Gln、Q)、グルタミン酸(Glu、E)、グリシン(Gly、G)、ヒスチジン(His、H)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、メチオニン(Met、M)、フェニルアラニン(Phe、F)、プロリン(Pro、P)、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)、トリプトファン(Trp、W)、チロシン(Tyr、Y)、およびバリン(Val、V)。
【0065】
本明細書で使用される場合、「変異体」という用語は、参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとは異なるが、本質的な特性を保持するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指す。ポリペプチドの典型的な変異体は、別の参照ポリペプチドとはアミノ酸配列が異なる。一般に、相違は、参照ポリペプチドおよび変異体の配列が全体的には密接に類似しており、多くの領域において同一であるように限定される。変異体および参照ポリペプチドは、アミノ酸配列が1つ以上の修飾(例えば、置換、付加、および/または欠失)によって異なり得る。置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされたものであってもなくてもよい。ポリペプチドの変異体は、対立遺伝子変異体などの自然に発生するものであってもよく、または自然に発生することが知られていない変異体であってもよい。
【0066】
開示のポリペプチドの構造において修飾および変更が行われ、依然としてポリペプチドと類似する特徴を有する分子を得ることができる(例えば、保存的アミノ酸置換)。例えば、ある特定のアミノ酸は、明らかな活性の喪失なしに配列において他のアミノ酸に置換され得る。ポリペプチドの生物学的な機能的活性を定義するものがポリペプチドの相互作用能力および性質であるため、ポリペプチド配列においてある特定のアミノ酸配列置換が行われ、それにもかかわらず同様の特性を有するポリペプチドを得ることができる。
【0067】
そのような変更を行う際に、アミノ酸のハイドロパシー指数が考慮され得る。ポリペプチドに相互作用的な生物学的機能を与える際のハイドロパシーアミノ酸指数の重要性は、一般に当該技術分野において理解されている。ある特定のアミノ酸が、類似するハイドロパシー指数またはスコアを有する他のアミノ酸に置換され、依然として類似する生物学的活性を有するポリペプチドをもたらすことができることが既知である。各アミノ酸には、その疎水性および電荷の特徴に基づくハイドロパシー指数が割り当てられている。それらの指数は、イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(-0.4)、トレオニン(-0.7)、セリン(-0.8)、トリプトファン(-0.9)、チロシン(-1.3)、プロリン(-1.6)、ヒスチジン(-3.2)、グルタメート(-3.5)、グルタミン(-3.5)、アスパルテート(-3.5)、アスパラギン(-3.5)、リジン(-3.9)、およびアルギニン(-4.5)である。
【0068】
アミノ酸の相対的なハイドロパシー特徴が、結果として得られるポリペプチドの二次構造を決定し、これがポリペプチドの、酵素、基質、受容体、抗体、抗原、および補因子などの他の分子との相互作用を定義すると考えられる。アミノ酸が、類似するハイドロパシー指数を有する別のアミノ酸によって置換され、依然として機能的に同等のポリペプチドを得ることができることが当該技術分野において既知である。そのような変化において、そのハイドロパシー指数が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、±0.5以内であるものがさらにより特に好ましい。
【0069】
特にそれによって作られる生物学的機能的同等のポリペプチドまたはペプチドが、免疫学的実施形態に使用することが意図される場合、親水性に基づく同様のアミノ酸の置換も行われ得る。以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパルテート(+3.0±1)、グルタメート(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、プロリン(-0.5±1)、トレオニン(-0.4)、アラニン(-0.5)、ヒスチジン(-0.5)、システイン(-1.0)、メチオニン(-1.3)、バリン(-1.5)、ロイシン(-1.8)、イソロイシン(-1.8)、チロシン(-2.3)、フェニルアラニン(-2.5)、トリプトファン(-3.4)。アミノ酸が、類似する親水性値を有する別のものに置換され、依然として生物学的に同等の、特に免疫学的に同等のポリペプチドを得ることができることが理解される。そのような変化において、その親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1以内であるものが特に好ましく、±0.5以内であるものがさらにより特に好ましい。
【0070】
上で概説されるように、アミノ酸置換は一般に、アミノ酸側鎖置換基の相対的類似性、例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づく。様々な上記の特徴を考慮する例示的な置換は、当業者に周知であり、(元の残基:例示的な置換):(Ala:Gly、Ser)、(Arg:Lys)、(Asn:Gln、His)、(Asp:Glu、Cys、Ser)、(Gln:Asn)、(Glu:Asp)、(Gly:Ala)、(His:Asn、Gln)、(Ile:Leu、Val)、(Leu:Ile、Val)、(Lys:Arg)、(Met:Leu、Tyr)、(Ser:Thr)、(Thr:Ser)、(Tip:Tyr)、(Tyr:Trp、Phe)、および(Val:Ile、Leu)を含む。したがって、本開示の実施形態は、上記のようなポリペプチドの機能的または生物学的同等物を企図する。特に、ポリペプチドの実施形態は、目的のポリペプチドと約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有する変異体を含むことができる。
【0071】
「配列同一性パーセント(%)」という用語は、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して最大配列同一性パーセントを達成した後の、参照核酸配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸と同一である候補配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸のパーセンテージとして定義される。配列同一性パーセントを決定する目的のアラインメントは、当該技術分野の技能の範囲内である様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して達成され得る。比較される配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータは、既知の方法によって決定され得る。
【0072】
本明細書における目的のために、所与のヌクレオチドまたはアミノ酸配列Cの、所与の核酸配列Dへの、それとの、またはそれに対する配列同一性%(これは代替的には、所与の配列Dへの、それとの、またはそれに対するある特定の配列同一性%を有するか、または含む所与の配列Cと表現され得る)は、以下の通り計算される:
分率W/Z×100
式中、Wは、配列アラインメントプログラムによってそのプログラムのCおよびDのアラインメントにおいて完全な一致としてスコアリングされるヌクレオチドまたはアミノ酸の数であり、Zは、Dにおけるヌクレオチドまたはアミノ酸の総数である。配列Cの長さが配列Dの長さと等しくない場合、C対Dの配列同一性%がD対Cの配列同一性%とは等しくならないことが理解されるであろう。
【0073】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、標準的な薬学的担体、例えば、リン酸緩衝食塩溶液、水、および乳剤、例えば、油/水または水/油乳剤、ならびに様々なタイプの湿潤剤のうちのいずれかを包含する。
【0074】
本明細書で使用される場合、「抗原決定基」および「エピトープ」という用語は、互換的に使用され、抗体によって認識される構造を指す。
【0075】
本明細書で使用される場合、「立体構造エピトープ」は、抗原のアミノ酸配列の不連続セクションを含むエピトープである。抗体は、抗原の3D表面特徴、形状、または三次構造に基づく立体構造エピトープに結合する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「線状エピトープ」は、抗原からのアミノ酸の連続配列によって形成されるエピトープである。線状エピトープは、典型的には、約5~約10個の連続アミノ酸残基を含む。抗体は、抗原の一次配列に基づく線状エピトープに結合する。
【0077】
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」とも呼ばれる「パラトープ」は、抗原を認識し、それに結合する、抗体の一部である。
【0078】
II.組成物
PD-1に免疫特異的に結合する抗体およびその抗原結合フラグメントが提供される。PD-1は抑制免疫応答のみを促進するという既存のパラダイムに反して(Riley,J.,Immunol Rev.229(1):114-125(2009))、開示される抗体およびその抗原結合フラグメントは、PD-1に免疫特異的に結合し、免疫細胞を抑制するのではなく免疫細胞を活性化する活性化シグナルを免疫細胞に送達する。
【0079】
A.プログラム死受容体タンパク質1(PD-1)
開示される抗体およびその抗原結合フラグメントは、PD-1に免疫特異的に結合する。抗体およびその抗原結合フラグメントは、例えば、以下に提供されるアミノ酸配列を有するPD-1に結合することができる。
【0080】
ヒトPD-1およびマウスPD-1のアミノ酸配列は、当該技術分野において既知であり、例えば、以下を含む。
【0081】
ヒトPD-1
アクセッション:AJS10360であり、これは、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【0082】
マウスPD-1
であり、これは、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【0083】
B.抗体組成物
開示される抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、任意のクラスの免疫グロブリン全体(すなわち、無傷抗体)、そのフラグメント、および抗体の少なくとも抗原結合可変ドメインを含有する合成タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、開示される抗体は、抗体軽鎖、ならびに抗体重鎖の少なくとも可変ドメインの両方を含有する。他の実施形態では、そのような分子は、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、およびCH4領域(特に、CH1およびヒンジ領域、またはCH1、ヒンジ、およびCH2領域、またはCH1、ヒンジ、CH2、およびCH3領域)のうちの1つ以上をさらに含むことができる。抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、およびIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン、ならびにIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む任意のアイソタイプから選択され得る。いくつかの実施形態では、定常ドメインは、抗体が細胞傷害活性を示すことが望ましい場合に補体結合定常ドメインであり、クラスは、典型的にはIgG1である。他の実施形態では、そのような細胞傷害活性が望ましくない場合、定常ドメインは、IgG2またはIgG4クラスのものであり得る。抗体は、2つ以上のクラスまたはアイソタイプからの配列を含むことができ、所望のエフェクター機能を最適化するための特定の定常ドメインの選択は、当該技術分野の技能の範囲内である。
【0084】
可変ドメインは、抗体によって配列が異なり、各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合および特異性に使用される。しかしながら、変動性は通常、抗体の可変ドメインを通して均一に分布していない。それは典型的には、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方における相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは各々、主として3つのCDRによって接続されたベータ-シート構造を取る4つのFR領域を含み、これは、ベータ-シート構造を接続し、場合によってはその一部を形成するループを形成する。各鎖におけるCDRは、FR領域によって一緒にごく近接して保持され、他の鎖からCDRと共に抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。
【0085】
いくつかの実施形態は、生物活性を有する抗PD-1抗体のフラグメントを提供する。フラグメントは、他の配列に付着しているかどうかにかかわらず、特定の領域または特定のアミノ酸残基の挿入、欠失、置換、または他の選択された修飾を含んでもよく、ただし、そのフラグメントの活性が、非修飾抗体または抗体フラグメントと比較して有意に改変または低下していないことを条件とする。
【0086】
別の実施形態は、PD-1に特異的な一本鎖抗体を提供する。一本鎖抗体の産生のための方法は、当業者に周知である。一本鎖抗体は、短ペプチドリンカーを使用して重鎖および軽鎖の可変ドメインを一緒に融合し、それにより単一分子上で抗原結合部位を再構成することによって作られ得る。一方の可変ドメインのC末端がもう一方の可変ドメインのN末端に15~25個のアミノ酸のペプチドまたはリンカーによってテザリングされる一本鎖抗体可変フラグメント(scFvs)は、抗原結合または結合の特異性を著しく破壊することなく開発されている。リンカーは、重鎖および軽鎖がそれらの適切な立体構造配向において一緒に結合することを可能にするように選択される。
【0087】
別の実施形態は、2つのscFvを連結することによって操作され得る二価一本鎖可変フラグメント(ジ-scFv)を提供する。これは、2つのVHおよび2つのVL領域を有する単一のペプチド鎖を産生し、タンデムscFvをもたらすことによって行われ得る。ScFvはまた、2つの可変領域が一緒に折り畳まれるには短すぎるリンカーペプチド(約5個のアミノ酸)を用いて設計され得、scFvを二量体化させる。このタイプは、ダイアボディとして既知である。ダイアボディは、対応するscFvより最大40倍低い解離定数を有することが示されており、それらがそれらの標的に対してもはるかに高い親和性を有することを意味する。さらに短いリンカー(1または2個のアミノ酸)は、三量体(トリアボディまたはトリボディ)の形成をもたらす。テトラボディもまた産生されている。それらは、それらの標的に対してダイアボディよりもさらに高い親和性を示す。
【0088】
別の実施形態は、免疫細胞に活性化シグナルを誘発するPD-1に特異的なモノクローナル抗体を提供する。モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られ得、すなわち、集団内の個々の抗体は、抗体分子の小さいサブセット内に存在し得る考えられる自然発生突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定の種由来の、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか、またはそれに相同である一方で、その鎖(複数可)の残りの部分が、別の種由来の抗体、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、ならびにそのような抗体のフラグメントにおける対応する配列と同一であるか、またはそれに相同である、「キメラ」抗体を含む(それらが所望の拮抗活性を示す限り)。
【0089】
1.キメラ抗体およびヒト化抗体
別の実施形態は、開示される配列のうちの1つ以上を含むキメラ抗PD-1抗体およびその抗原結合フラグメントを提供し、PD-1に結合し、活性化シグナルを、PD-1を発現する免疫細胞に伝達させるそれらの機能的変異体もまた提供される。
【0090】
キメラ抗体を産生するための方法は、当該技術分野において既知である。例えば、Morrison,1985,Science 229:1202、Oi et al.,1986,Bio Techniques 4:214、Gillies et al.,1989,J.Immunol.Methods 125:191-202、ならびに米国特許第6,311,415号、同第5,807,715号、同第4,816,567号、および同第4,816,397号を参照されたい。非ヒト種からの1つ以上のCDRおよびヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク領域を含むキメラ抗体は、例えば、CDRグラフティング(EP239,400、国際公開第WO91/09967号、および米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号、および同第5,585,089号)、ベニアリングまたは再表面形成(EP592,106、EP519,596、Padlan,1991,Molecular Immunology 28(4/5):489-498、Studnicka et al.,1994,Protein Engineering 7:805、およびRoguska et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:969)、ならびに鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)を含む、当該技術分野において既知の様々な技法を使用して産生され得る。
【0091】
開示される抗PD-1抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトもしくはヒト化抗体、またはその抗原結合フラグメントであり得る。多くの非ヒト抗体(例えば、マウス、ラット、またはウサギ由来のもの)は、ヒトにおいて自然に抗原性であり、したがってヒトに投与される場合に望ましくない免疫応答を引き起こす可能性がある。したがって、方法におけるヒトまたはヒト化抗体の使用は、ヒトに投与される抗体が望ましくない免疫応答を引き起こす可能性を低下させるのに役立つ。
【0092】
免疫化後に内因性免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体の完全レパートリーを産生することが可能であるトランスジェニック動物(例えば、マウス)が用いられ得る。例えば、キメラおよび生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖連結領域(J(H))遺伝子のホモ接合型欠失は、内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。そのような生殖系列突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原チャレンジ後にヒト抗体の産生をもたらすであろう。
【0093】
任意に、抗体は、他の種において生成され、ヒトにおける投与のために「ヒト化」される。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそのフラグメント(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合部分配列など)である。ヒト化抗体は、レシピエント抗体の相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラット、またはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置き換えられる、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体でもインポートされたCDRまたはフレームワーク配列でも見られない残基も含有し得る。一般に、ヒト化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含有するであろう。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンの少なくとも一部分も含有するであろう。
【0094】
非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、欧州特許第EP239,400号、同第EP592,106号、および同第EP519,596号、国際公開第WO91/09967号および同第WO93/17105号、米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号、同第5,565,332号、同第5,585,089号、同第5,766,886号、および同第6,407,213号、Padlan,1991,Molecular Immunology 28(4/5):489-498、Studnicka et al.,1994,Protein Engineering 7(6):805-814、Roguska et al.,1994,PNAS 91:969-973、Tan et al.,2002,J.Immunol.169:1119-1125、Caldas et al.,2000,Protein Eng.13:353-360、Morea et al.,2000,Methods 20:267-79、Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272:10678-10684、Roguska et al.,1996,Protein Eng.9:895-904、Couto et al.,1995,Cancer Res.55(23 Supp):5973s-5977s、Couto et al.,1995,Cancer Res.55:1717-22、Sandhu,1994,Gene 150:409-10、Pedersen et al.,1994,J.Mol.Biol.235:959-973、Jones et al.,1986,Nature 321:522-525、Reichmann et al.,1988,Nature 332:323-329、およびPresta,1992,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596)を参照されたい。
【0095】
一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からそれに導入された1個以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、多くの場合「インポート」残基と呼ばれ、これは典型的には、「インポート」可変ドメインに由来する。抗体ヒト化技法は一般に、抗体分子の1つ以上のポリペプチド鎖をコードするDNA配列を操作するための組み換えDNA技術の使用を伴う。ヒト化は、齧歯類CDRまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列の代わりに用いることによって本質的に実施され得る。したがって、非ヒト抗体(またはそのフラグメント)のヒト化形態は、無傷ヒト可変ドメインに実質的に満たないものが、非ヒト種からの対応する配列によって置換された、キメラ抗体またはフラグメントである。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基および場合によってはいくつかのFR残基が、齧歯類抗体における類似部位からの残基によって置換されている、ヒト抗体である。
【0096】
ヒト化抗体の作製に使用される軽および重の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低減するために非常に重要であり得る。「最良適合」法に従って、齧歯類抗体の可変ドメインの配列は、既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリ全体に対してスクリーニングされる。齧歯類の配列に最も近いヒト配列は、次いで、ヒト化抗体のためのヒトフレームワーク(FR)として受容される。別の方法は、軽鎖または重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを使用する。同じフレームワークがいくつかの異なるヒト化抗体に使用され得る。
【0097】
抗体は、抗原に対する高親和性および他の好ましい生物学的特性を保持しながら、ヒト化されることがさらに重要である。この目標を達成するために、ヒト化抗体は、親配列およびヒト化配列の3次元モデルを使用する、親配列および様々な概念的ヒト化産物の分析のプロセスによって調製され得る。3次元免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択される候補免疫グロブリン配列の起こり得る3次元立体構造を例示および表示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの表示の調査は、候補免疫グロブリン配列の機能化における残基の可能性のある役割の分析、すなわち、候補免疫グロブリンのその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。この方法では、FR残基は、所望の抗体の特徴、例えば、標的抗原(複数可)に対する増加した親和性が達成されるように、コンセンサス配列およびインポート配列から選択され、組み合わされ得る。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすのに直接的かつ最も実質的に関与する。
【0098】
ヒト、ヒト化、またはキメラ抗体誘導体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリン(ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことができる。そのような抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンの少なくとも一部分も含むことができる。そのような抗体の定常ドメインは、抗体の提案されている機能、特に必要とされ得るエフェクター機能に関して選択され得る。いくつかの実施形態では、そのような抗体の定常ドメインは、ヒトIgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMドメインであるか、またはそれらを含むことができる。特定の実施形態では、特にIgG1およびIgG3アイソタイプのヒトIgG定常ドメインは、ヒト化抗体誘導体が治療的使用を目的とし、抗体依存性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)活性などの抗体エフェクター機能が必要とされる場合に使用される。代替の実施形態では、IgG2およびIgG4アイソタイプは、治療的目的のためであり、抗体エフェクター機能が必要とされない場合に使用される。米国特許出願公開第2005/0037000号および同第2005/0064514号に開示されるものなど、抗体エフェクター機能を改変する1つ以上のアミノ酸修飾を含むFc定常ドメイン。
【0099】
ヒト化抗体のフレームワークおよびCDR領域は、親配列に正確に対応する必要はなく、例えば、ドナーCDRまたはコンセンサスフレームワークは、少なくとも1個の残基の置換、挿入、または欠失によって突然変異し得、これにより、その部位におけるCDRまたはフレームワーク残基は、コンセンサスまたはドナー抗体のいずれにも対応しない。いくつかの実施形態では、そのような突然変異は、広範ではない。通常、ヒト化抗体残基の少なくとも75%、より多くの場合は90%、または95%超が、親フレームワーク領域(FR)およびCDR配列の残基に対応するであろう。ヒト化抗体は、CDRグラフティング(欧州特許第EP239,400号、国際公開第WO91/09967号、および米国特許第5,225,539号、同第5,530,101号、および同第5,585,089号)、ベニアリングまたは再表面形成(欧州特許第EP592,106号および同第EP519,596号、Padlan,1991,Molecular Immunology 28(4/5):489-498、Studnicka et al.,1994,Protein Engineering 7(6):805-814、およびRoguska et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.91:969-973)、鎖シャッフリング(米国特許第5,565,332号)、ならびに例えば、米国特許第6,407,213号、同第5,766,886号、同第5,585,089号、国際公開第WO9317105号、Tan et al.,2002、J.Immunol.169:1119-25,Caldas et al.,2000、Protein Eng.13:353-60,Morea et al.,2000、Methods 20:267-79,Baca et al.,1997、J.Biol.Chem.272:10678-84,Roguska et al.,1996、Protein Eng.9:895-904,Couto et al.,1995、Cancer Res.55(23 Supp):5973s-5977s,Couto et al.,1995、Cancer Res.55:1717-22,Sandhu,1994、Gene 150:409-10,Pedersen et al.,1994、J.Mol.Biol.235:959-73,Jones et al.,1986、Nature 321:522-525,Riechmann et al.,1988,Nature 332:323、およびPresta,1992,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596に開示される技法が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野において既知の様々な技法を使用して産生され得る。
【0100】
多くの場合、フレームワーク領域内のフレームワーク残基は、CDRドナー抗体からの対応する残基で置換されて、抗原結合を変える、例えば、改善するであろう。これらのフレームワーク置換は、当該技術分野において周知の方法によって、例えば、抗原結合に重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワーク残基の相互作用のモデリング、および特定の位置における異常なフレームワーク残基を同定するための配列比較によって同定される。(例えば、Queen et al.,米国特許第5,585,089号、米国公開第2004/0049014号および同第2003/0229208号、米国特許第6,350,861号、同第6,180,370号、同第5,693,762号、同第5,693,761号、同第5,585,089号、および同第5,530,101号、ならびにRiechmann et al.,1988,Nature 332:323を参照)。
【0101】
開示されるマウス抗ヒトSiglec-15抗体のヒト、キメラ、またはヒト化誘導体は、ヒトにおけるインビボ方法に使用され得る。マウス抗体または他の種の抗体は、多くの使用のために有利に用いられ得る(例えば、インビトロまたは原位置検出アッセイ、急性インビボ使用など)。そのようなヒトまたはヒト化抗体は、1つ以上の非ヒトCDRにおけるアミノ酸残基置換、欠失、または付加を含むことができる。ヒト化抗体誘導体は、非誘導体ヒト化抗体と比較して、実質的に同じ結合、より強い結合、またはより弱い結合を有することができる。特定の実施形態では、CDRの1、2、3、4、または5個のアミノ酸残基が、置換、欠失、または付加(すなわち、変異)されている。完全ヒト抗体は、ヒト対象の治療処理に特に望ましい。
【0102】
そのようなヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン配列に由来する抗体ライブラリを使用するファージ提示法を含む、当該技術分野において既知の様々な方法によって作製され得る(米国特許第4,444,887号および同第4,716,111号、ならびに国際公開第WO98/46645号、同第WO98/50433号、同第WO98/24893号、同第WO98/16654号、同第WO96/34096号、同第WO96/33735号、および同第WO91/10741を参照)。そのようなヒト抗体は、機能的内因性免疫グロブリンを発現させることができないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現させることができる、トランスジェニックマウスを使用して産生され得る。
【0103】
例えば、ヒト重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子複合体は、ランダムに、またはマウス胚性幹細胞への相同組み換えによって導入され得る。あるいは、ヒト可変領域、定常領域、および多様性領域が、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子に加えて、マウス胚性幹細胞に導入され得る。マウス重鎖および軽鎖免疫グロブリン遺伝子は、相同組み換えによるヒト免疫グロブリン遺伝子座の導入とは別にまたは同時に、非機能的な状態にされ得る。特に、JH領域のホモ接合型欠失は、内因性抗体産生を防止する。修飾された胚性幹細胞は、増殖され、胚盤胞中に微量注射され、キメラマウスを産生する。次いで、キメラマウスは、交配されて、ヒト抗体を発現させるホモ接合型子孫を産生する。トランスジェニックマウスは、選択された抗原、例えば、ポリペプチドの全てまたは一部分を用いる従来の方法を使用して免疫化される。抗原に対するモノクローナル抗体は、従来のハイブリドーマ技術を使用して免疫化トランスジェニックマウスから得られ得る(例えば、米国特許第5,916,771を参照)。トランスジェニックマウスが有するヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化中に再配置され、その後スイッチングおよび体細胞突然変異を受ける。したがって、そのような技法を使用して、治療的に有用なIgG、IgA、IgM、およびIgE抗体を産生することが可能である。ヒト抗体を産生するためのこの技術の概要については、Lonberg and Huszar(1995,Int.Rev.Immunol.13:65-93(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる))を参照されたい。ヒト抗体およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのこの技術、ならびにそのような抗体を産生するためのプロトコルのさらなる考察について、例えば、国際公開第WO98/24893号、同第WO96/34096号、および同第WO96/33735号、ならびに米国特許第5,413,923号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、同第5,569,825号、同第5,661,016号、同第5,545,806号、同第5,814,318号、および同第5,939,598号(それらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照されたい。加えて、企業は、上記と同様の技術を使用して選択された抗原に対するヒト抗体を提供することに取り組むことができる。
【0104】
ヒトアクセプターフレームワーク配列をコードするDNA配列としては、ヒト生殖系列VHセグメントVH1-18およびJH6、ならびにヒト生殖系列VLセグメントVK-A26およびJK4からのFRセグメントが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、CDRのうちの1つ以上が、常用の組み換えDNA技法を使用してフレームワーク領域内に挿入される。フレームワーク領域は、自然発生もしくはコンセンサスフレームワーク領域、およびヒトフレームワーク領域であり得る(例えば、ヒトフレームワーク領域のリストについては、Chothia et al.,1998,“Structural Determinants In The Sequences Of Immunoglobulin Variable Domain,”J.Mol.Biol.278:457-479を参照)。
【0105】
C.抗体配列
1.4C12重鎖配列
一実施形態は、ハイブリドーマ4C12から単離されたマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0106】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0107】
下線付きの配列は、相補性決定領域(CDR)に対応する。二重下線の配列は、定常領域に対応する。破線の下線付きの配列は、リーダー配列に対応する。
【0108】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0109】
一実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0110】
一重下線は、リーダー配列に対応する。二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0111】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0112】
4C12重鎖のCDR1のアミノ酸配列は、
である。
【0113】
4C12重鎖のCDR2のアミノ酸配列は、
である。
【0114】
4C12重鎖のCDR3のアミノ酸配列は、
である。
【0115】
一実施形態は、SEQ ID NO:4または5による重鎖を有する抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0116】
別の実施形態は、SEQ ID NO:3と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、および抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0117】
一実施形態は、SEQ ID NO:6、7、および8からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する抗体を提供する。
【0118】
2.4C12軽鎖配列
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0119】
破線の下線は、リーダー配列を表す。一重下線は、CDRを表す。二重下線は、定常領域を表す。
【0120】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0121】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
下線は、リーダー配列を表す。二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0122】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0123】
4C12軽鎖のCDR1のアミノ酸配列は、
である。
【0124】
4C12軽鎖のCDR2のアミノ酸配列は、
である。
【0125】
4C12軽鎖のCDR3のアミノ酸配列は、
である。
【0126】
一実施形態は、SEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0127】
別の実施形態は、SEQ ID NO:9と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0128】
一実施形態は、SEQ ID NO:12、13、および14からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する抗体を提供する。
【0129】
別の実施形態は、SEQ ID NO:4または5と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖、およびSEQ ID NO:10または11と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれらの軽鎖および重鎖の組み合わせを有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0130】
別の実施形態は、SEQ ID NO:6、7、および8からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる重鎖CDRと、SEQ ID NO:12、13、および14からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる軽鎖CDRとを有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0131】
3.2B5重鎖配列
一実施形態は、ハイブリドーマ2B5から単離されたマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0132】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0133】
下線付きの配列は、相補性決定領域(CDR)に対応する。二重下線の配列は、定常領域に対応する。破線の下線付きの配列は、リーダー配列に対応する。
【0134】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0135】
一実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0136】
一重下線は、リーダー配列に対応する。二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0137】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
一実施形態は、SEQ ID NO:16または17による重鎖を有する抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0142】
別の実施形態は、SEQ ID NO:15と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0143】
一実施形態は、SEQ ID NO:18、19、および20からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する抗体を提供する。
【0144】
4.2B5軽鎖配列
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0145】
破線の下線は、リーダー配列を表す。一重下線は、CDRを表す。二重下線は、定常領域を表す。
【0146】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0147】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
下線は、リーダー配列を表す。二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0148】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
一実施形態は、SEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0153】
別の実施形態は、SEQ ID NO:21と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0154】
一実施形態は、SEQ ID NO:24、13、および25からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する抗体を提供する。
【0155】
別の実施形態は、SEQ ID NO:16または17と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖、およびSEQ ID NO:22または23と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれらの軽鎖および重鎖の組み合わせを有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0156】
別の実施形態は、SEQ ID NO:18、19、および20からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる重鎖CDRと、SEQ ID NO:24、13、および25からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる軽鎖CDRとを有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0157】
6.4G9重鎖配列
一実施形態は、ハイブリドーマ4G9から単離されたマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0158】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0159】
下線付きの配列は、相補性決定領域(CDR)に対応する。二重下線の配列は、定常領域に対応する。破線の下線付きの配列は、リーダー配列に対応する。
【0160】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0161】
一実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0162】
一重下線は、リーダー配列に対応する。二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0163】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの重鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRに対応し、破線の下線は、定常領域に対応する。
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
一実施形態は、SEQ ID NO:27または28による重鎖を有する4G9抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0168】
別の実施形態は、SEQ ID NO:26と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる重鎖を有する、4G9抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0169】
一実施形態は、SEQ ID NO:29、30、および31からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する4G9抗体を提供する。
【0170】
7.4G9軽鎖配列
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0171】
破線の下線は、リーダー配列を表す。一重下線は、CDRを表す。二重下線は、定常領域を表す。
【0172】
核酸は、ベクター、例えば、発現ベクター内にあり得る。核酸は、染色体外であるか、または宿主細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞の染色体に挿入され得る。
【0173】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
下線は、リーダー配列を表す。二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0174】
別の実施形態は、以下と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸を有する、リーダー配列なしの軽鎖を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
二重下線は、CDRを表す。破線の下線は、定常領域を表す。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
一実施形態は、SEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する軽鎖を有する、4G9抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0179】
別の実施形態は、SEQ ID NO:32と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有する核酸によってコードされる軽鎖を有する、4G9抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0180】
一実施形態は、SEQ ID NO:35、36、および37からなる群から選択される3つの異なるCDRを有する4G9抗体を提供する。
【0181】
別の実施形態は、SEQ ID NO:27または28と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖、およびSEQ ID NO:33または34と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、またはそれらの軽鎖および重鎖の組み合わせを有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0182】
別の実施形態は、SEQ ID NO:29、30、および31からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる重鎖CDRと、SEQ ID NO:35、36、および37からなる群から選択されるアミノ酸を有する3つの異なる軽鎖CDRとを有する、4G9抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。
【0183】
D.PD-1活性化エピトープ
エピトープ特異的PD-1結合部分が、本明細書に開示される。一実施形態では、開示される結合部分は、PD-1に免疫特異的に結合し、PD-1媒介シグナル伝達を活性化する。
【0184】
開示されるPD-1エピトープは、SEQ ID NO:1のアミノ酸96~110によって形成され、以下のアミノ酸配列を有する。
【0185】
1.抗体
一実施形態は、免疫細胞の表面上のSEQ ID NO:38に免疫特異的に結合し、免疫細胞を活性化する、抗体またはそのエピトープ結合フラグメントを提供する。一実施形態では、好ましい免疫細胞は、T細胞、より具体的にはCD8+T細胞である。別の実施形態では、抗体またはそのエピトープ結合フラグメントは、免疫細胞の表面上のPD-1のSEQ ID NO:38に免疫特異的に結合し、かつ、免疫細胞を活性化するための活性化シグナルをPD-1を通して促進または誘発する。
【0186】
エピトープ特異的抗体は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、マウス抗体、キメラ抗体、またはそれらのフラグメントであり得る。例示的な抗体およびそれらの産生方法は、以下で考察される。
【0187】
2.融合タンパク質
一実施形態では、エピトープ特異的PD-1結合部分は、融合タンパク質である。上記の開示されるPD-1エピトープ抗体またはエピトープ結合フラグメントのうちの1つ以上の全てまたは一部は、他のポリペプチドに結合されて融合タンパク質を形成することができる。融合ポリペプチドは、直接、または第2のポリペプチドに融合されたリンカーペプチド配列を介して、第2のポリペプチドに融合された開示されるPD-1エピトープ抗体またはエピトープ結合フラグメントのうちの1つ以上の全てまたは一部を含む、第1の融合パートナーを有する。融合タンパク質は、2つ以上の融合タンパク質を二量体化または多量体化するように機能するドメインを任意に含有する。ペプチド/ポリペプチドリンカードメインは、別個のドメインであり得るか、あるいは融合タンパク質の他のドメイン(第1のポリペプチドまたは第2のポリペプチド)のうちの1つの中に含有され得るかのいずれかである。同様に、融合タンパク質を二量体化または多量体化するように機能するドメインは、別個のドメインであり得るか、あるいは融合タンパク質の他のドメイン(第1のポリペプチド、第2のポリペプチド、またはペプチド/ポリペプチドリンカードメイン)のうちの1つの中に含有され得るかのいずれかである。一実施形態では、二量体化/多量体化ドメインおよびペプチド/ポリペプチドリンカードメインは、同じである。
【0188】
本明細書に開示される融合タンパク質は、下記式Iのものである:
N-R1-R2-R3-C
式中、「N」は、融合タンパク質のN末端を表し、「C」は、融合タンパク質のC末端を表し、「R1」は、開示されるPD-1エピトープ抗体もしくはエピトープ結合フラグメント、またはそれらの機能的変異体もしくはフラグメントの全てまたは一部であり、「R2」は、任意のペプチド/ポリペプチドリンカードメインであり、「R3」は、第2のポリペプチドである。あるいは、R3が、開示されるPD-1エピトープ抗体もしくはエピトープ結合フラグメント、またはそれらの機能的変異体もしくはフラグメントの全てまたは一部であり、R1が、第2のポリペプチドである。
【0189】
二量体化または多量体化は、二量体化または多量体化ドメインを通して2つ以上の融合タンパク質の間または中で発生し得る。あるいは、融合タンパク質の二量体化または多量体化は、化学架橋によって発生し得る。形成される二量体または多量体は、ホモ二量体/ホモ多量体またはヘテロ二量体/ヘテロ多量体であり得る。
【0190】
3.アプタマー
いくつかの実施形態では、エピトープ特異的結合部分は、アプタマーである。アプタマーは、好ましくは特異的な方法で標的分子と相互作用する分子である。一実施形態では、アプタマーは、免疫細胞の表面上のSEQ ID NO:38に結合し、かつ、免疫細胞を活性化するための活性化シグナルをPD-1を通して促進または誘発する。典型的には、アプタマーは、ステムループまたはGカルテットなどの定義された二次および三次構造に折り畳まれる15~50塩基長に及ぶ小さい核酸である。アプタマーは、タンパク質、細胞、小有機分子、またはペプチドに結合することができる。アプタマーは、ATPおよびテオフィリンなどの小分子、ならびに逆転写酵素およびトロンビンなどの大分子に結合することができる。アプタマーは、10-12M未満の標的分子からのKdで非常に強固に結合することができる。アプタマーは、10-6、10-8、10-10、または10-12未満のKdで標的分子に結合することが好ましい。アプタマーは、特異性が非常に高い標的分子に結合することができる。例えば、標的分子と、分子上の単一の位置のみで異なる別の分子との間の結合親和性の10,000倍を超える差を有するアプタマーが単離されている。アプタマーは、バックグラウンド結合分子に対するKdよりも少なくとも10、100、1000、10,000、または100,000倍低い、標的分子に対するKdを有することが好ましい。例えば、ポリペプチドの比較を行う場合、バックグラウンド分子は、異なるポリペプチドであることが好ましい。様々な異なる標的分子に結合するアプタマーの作製および使用方法の代表的な例は、当該技術分野において既知である。
【0191】
4.小分子
いくつかの実施形態では、エピトープ特異的結合部分は、小分子であり得る。「小分子」という用語は一般に、約100ダルトン超および約2,500ダルトン未満、好ましくは100~2000、より好ましくは約100~約1250、より好ましくは約100~約1000、より好ましくは約100~約750、より好ましくは約200~約500ダルトンの分子量を有する小有機化合物を指す。PD-1の活性化エピトープの小分子アゴニストは、常用のスクリーニング方法を使用して同定され得る。いくつかの実施形態では、スクリーニングアッセイは、試験化合物の大型ライブラリのランダムスクリーニングを含むことができる。アッセイは、PD-1誘発免疫応答またはT細胞の活性化の決定を含むことができる。
【0192】
E.医薬組成物
開示される抗体およびその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物が提供される。抗体およびその抗原結合フラグメントを含有する医薬組成物は、非経口(筋肉内、腹腔内、静脈内(IV)、または皮下注射)による投与のためであり得る。
【0193】
いくつかのインビボアプローチでは、本明細書に開示される組成物は、対象に治療有効量で投与される。本明細書で使用される場合、「有効量」または「治療有効量」という用語は、治療されている障害の1つ以上の症状を治療、阻害、もしくは軽減するか、またはそうでなければ所望の薬理学的および/もしくは生理学的効果を提供するのに十分な投与量を意味する。正確な投与量は、対象依存変数(例えば、年齢、免疫系の健康状態など)、疾患、および行われている治療などの様々な要因に従って変動するであろう。
【0194】
開示される抗体およびその抗原結合フラグメントについて、さらなる研究が行われるとき、様々な患者における様々な状態の治療に適した投与量レベルに関する情報が出現し、当業者は、レシピエントの治療の背景、年齢、および一般的な健康状態を考慮して、適切な投与を確認することが可能になるであろう。選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路、および所望の治療期間に依存する。開示される抗体およびその抗原結合フラグメントについて、一般に、毎日、体重の0.001~20mg/kgの投与量レベルが哺乳動物に投与される。一般に、静脈内注射または注入について、投与量はより低い場合がある。
【0195】
ある特定の実施形態では、抗体およびその抗原結合フラグメントは、例えば、直接的な治療される部位への注射によって、局所投与される。典型的には、注射は、全身投与によって達成され得るものよりも大きい増加した局在化濃度の免疫調節剤組成物をもたらす。免疫調節剤組成物は、治療される部位外でのポリペプチドの受動拡散を低減することによって、ポリペプチド組成物の局在化濃度の増加を補助するために、上記のようなマトリクスと組み合わされ得る。
【0196】
1.非経口投与のための製剤
いくつかの実施形態では、開示される抗体および抗原結合フラグメントを含有する組成物は、非経口注射によって、水溶液中で投与される。製剤はまた、懸濁剤または乳剤の形態であり得る。一般に、有効量の抗体またはその抗原結合フラグメントを含み、任意に薬学的に許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤、および/または担体を含む、医薬組成物が提供される。そのような組成物は、任意に下記:希釈剤、滅菌水、様々な緩衝剤含有量(例えば、トリス-HCl、アセテート、ホスフェート)、pH、およびイオン強度の緩衝食塩水;ならびに添加剤、例えば、洗浄剤および可溶化剤(例えば、TWEEN 20(ポリソルベート-20)、TWEEN 80(ポリソルベート-80))、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、ならびに防腐剤(例えば、チメルソール、ベンジルアルコール)およびバルク化物質(例えば、ラクトース、マンニトール)について1つ以上を含む。非水性溶媒またはビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油およびコーン油などの植物油、ゼラチン、ならびにエチルオレエートなどの注射可能な有機エステルである。製剤は、凍結乾燥され、使用直前に再溶解/再懸濁され得る。製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、滅菌剤を組成物に組み込むことによって、組成物を照射することによって、または組成物を加熱することによって、滅菌され得る。
【0197】
2.経口投与のための製剤
いくつかの実施形態では、抗体組成物は、経口送達のために製剤化される。抗体の経口剤形は、タンパク質分解に抵抗し、感染症の治療のために胃腸管内に局所的により大きい割合の免疫反応性抗体を送達することができるか、または全身状態の治療もしくは予防のために抗体の吸収を可能にすることができる(Reilly,RM,et al.Clin Pharmacokinet.,32(4):313-23(1997)、Victoria S Jasion and Bruce P Burnett,Nutr J.;14:22(2015)、およびPhilippart,M.,et al.,Drug Res(Stuttg)66(03):113-120(2016))。
【0198】
経口固体剤形は、一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.1990(Mack Publishing Co.Easton Pa.18042)at Chapter 89に記載されている。固体剤形には、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤もしくはロゼンジ剤、カシェ剤、ペレット剤、散剤、または顆粒剤、あるいは材料をポリ乳酸、ポリグリコール酸などのポリマー化合物の微粒子状調製物に、またはリポソームに組み込むものが含まれる。そのような組成物は、開示されるものの物理状態、安定性、インビボ放出率、およびインビボクリアランス率に影響を及ぼし得る。例えば、本明細書に参照により組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.(1990,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.18042)pages 1435-1712を参照されたい。組成物は、液体形態で調製され得るか、または乾燥粉末(例えば、凍結乾燥)形態であり得る。組成物を製剤化するために、リポソームまたはプロテイノイドカプセル化が使用され得る。リポソームカプセル化が使用され得、リポソームは、様々なポリマーで誘導体化され得る(例えば、米国特許第5,013,556号)。また、Marshall,K.In:Modern Pharmaceutics Edited by G.S.Banker and C.T.Rhodes Chapter 10,1979も参照されたい。一般に、製剤は、ペプチド(またはその化学修飾形態)および胃環境においてペプチドを保護し、腸において生物学的活性材料を放出する不活性成分を含むであろう。
【0199】
抗体およびその抗原結合フラグメントは、誘導体の経口送達が有効であるように化学修飾され得る。一般に、企図される化学修飾は、少なくとも1つの部分の構成成分分子自体への付着であり、部分は、胃もしくは腸からの血流への取り込み、または直接的な腸粘膜への取り込みを可能にする。また望ましいものは、構成成分(複数可)の全体的な安定性の増加および体内の循環時間の増加である。PEG化は、薬学的な使用のための例示的な化学修飾である。使用され得る他の部分には、プロピレングリコール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリプロリン、ポリ-1,3-ジオキソラン、およびポリ-1,3,6-チオキソカンが含まれる[例えば、Abuchowski and Davis(1981)“Soluble Polymer-Enzyme Adducts,”in Enzymes as Drugs.Hocenberg and Roberts,eds.(Wiley-Interscience:New York,N.Y.)pp.367-383、およびNewmark,et al.(1982)J.Appl.Biochem.4:185-189を参照されたい]。
【0200】
別の実施形態は、不活性希釈剤;湿潤剤、乳化剤、および懸濁剤などの補助剤;ならびに甘味剤、香味剤、および芳香剤を含む他の構成成分を含有し得る、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、およびシロップ剤を含む、経口投与のための液体剤形を提供する。
【0201】
経口製剤について、放出の位置は、胃、小腸(十二指腸、空腸、もしくは回腸)、または大腸であり得る。いくつかの実施形態では、放出は、薬剤(もしくは誘導体)の保護によって、または腸内などの胃環境を超えた薬剤(もしくは誘導体)の放出によってのいずれかで、胃環境の有害作用を回避するであろう。完全な胃の抵抗性を確実にするために、少なくともpH5.0まで不浸透性のコーティングは必須である。腸溶コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例は、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D(商標)、Aquateric(商標)、セルロースアセテートフタレート(CAP)、Eudragit L(商標)、Eudragit S(商標)、およびShellac(商標)である。これらのコーティングは、混合フィルムとして使用され得る。
【0202】
3.制御送達ポリマーマトリクス
本明細書に開示される抗体およびその抗原結合フラグメントはまた、制御放出製剤で投与され得る。抗体およびその抗原結合フラグメントは、拡散機構または浸出機構のいずれか、例えば、ガムによる放出を可能にする不活性マトリクスに組み込まれ得る。ゆっくり変性するマトリクスも製剤に組み込まれ得る。制御放出の別の形態は、Oros治療システム(Alza Corp.)に基づき、すなわち、抗体またはその抗原結合フラグメントは、水を入れて浸透効果によって薬物を単一の小開口を通して押し出すことを可能にする半透膜に封入される。
【0203】
制御放出ポリマーデバイスは、ポリマーデバイス(ロッド、シリンダー、フィルム、ディスク)の埋め込みまたは注射(マイクロ粒子)後の全身長期放出のために作製され得る。マトリクスは、薬剤が固体ポリマーマトリクスまたはマイクロカプセル内で分散される場合、コアがポリマーシェルとは異なる材料を有し、ペプチドがコアにおいて分散または懸濁され、これが本質的に液体または固体であり得る場合、マイクロスフェアなどのマイクロ粒子の形態であり得る。本明細書で具体的に定義されない限り、マイクロ粒子、マイクロスフェア、およびマイクロカプセルは、互換的に使用される。あるいは、ポリマーは、数ナノメートル~4センチメートルまでの範囲の薄いスラブもしくはフィルム、粉砕もしくは他の標準的な技法によって製造される粉末、またはハイドロゲルなどのゲルとしても鋳造され得る。
【0204】
非生分解性または生分解性のいずれかのマトリクスは、融合ポリペプチドまたは融合ポリペプチドをコードする核酸の送達に使用され得るが、いくつかの実施形態では、生分解性マトリクスが好ましい。これらは天然または合成ポリマーであり得るが、いくつかの実施形態は、分解および放出プロファイルのより良好な特徴付けによって、合成ポリマーが好ましい。ポリマーは、放出が望ましい期間に基づいて選択される。場合によっては、線形放出が最も有用であり得るが、他では、パルス放出または「バルク放出」がより有効な結果を提供し得る。ポリマーは、(典型的には最大約90重量%の水を吸収する)ハイドロゲルの形態であり得、任意に多価イオンまたはポリマーと架橋され得る。
【0205】
マトリクスは、溶媒蒸発、スプレー乾燥、溶媒抽出、および当業者に既知の他の方法によって形成され得る。生体分解可能なマイクロスフェアは、例えば、Mathiowitz and Langer,J.Controlled Release,5:13-22(1987)、Mathiowitz,et al.,Reactive Polymers,6:275-283(1987)、およびMathiowitz,et al.,J.Appl.Polymer Sci.,35:755-774(1988)によって記載されるように、薬物送達のためのマイクロスフェアを作製するために開発された方法のうちのいずれかを使用して調製され得る。
【0206】
デバイスは、埋め込みまたは注射の範囲を治療するための局所放出のために製剤化され得、これは典型的には、全身の治療、または全身送達のための投与量よりもはるかに低い投与量を送達するであろう。これらは、筋肉、脂肪内へと皮下に埋め込まれ得るかもしくは注射され得るか、または嚥下され得る。
【0207】
III.製造方法
A.抗体の作製方法
開示される抗体は、細胞培養、ファージ、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジー、類人猿が挙げられるが、これらに限定されない様々な動物において生成され得る。一実施形態では、様々な動物は、ヒトまたはヒト化抗体を産生するように遺伝子操作されたトランスジェニック動物であり得る。したがって、一実施形態では、抗体は、哺乳動物抗体である。ファージ技法は、初期抗体を単離するために、または改変された特異性もしくは親和性特徴を有する変異体を生成するために使用され得る。そのような技法は、常用であり、当該技術分野において周知である。一実施形態では、抗体は、当該技術分野において既知の組み換え手段によって産生される。例えば、組み換え抗体は、抗体をコードするDNA配列を含むベクターで宿主細胞を形質転換することによって産生され得る。1つ以上のベクターが、宿主細胞中に少なくとも1つのVLおよび1つのVH領域を発現させるDNA配列を形質転換するために使用される。抗体生成および産生の組み換え手段の例示的な記載としては、Delves,Antibody Production:Essential Techniques(Wiley,1997)、Shephard,et al.,Monoclonal Antibodies(Oxford University Press,2000)、Goding,Monoclonal Antibodies:Principles And Practice(Academic Press,1993)、Current Protocols In Immunology(John Wiley & Sons、最新版)が挙げられる。
【0208】
開示される抗体は、所望の機能を媒介する際の抗体のより大きい有効性を増加させるように、組み換え手段によって修飾され得る。したがって、抗体が組み換え手段を使用して置換によって修飾され得ることは、本発明の範囲内である。典型的には、置換は、保存的置換であるであろう。例えば、抗体の定常領域内の少なくとも1つのアミノ酸は、異なる残基で置き換えられ得る。例えば、米国特許第5,624,821号、米国特許第6,194,551号、出願第WO9958572号、およびAngal,et al.,Mol.Immunol.30:105-08(1993)を参照されたい。アミノ酸における修飾には、アミノ酸の欠失、付加、および置換が含まれる。場合によっては、そのような変化は、望ましくない活性、例えば、補体依存性細胞傷害を低減するために行われる。しばしば、抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質に共有結合的または非共有結合的のいずれかで結合することによって標識される。幅広い標識および共役技法が既知であり、科学文献および特許文献の両方で広く報告されている。これらの抗体は、タンパク質、ポリペプチドへの結合についてスクリーニングされ得る。例えば、Antibody Engineering:A Practical Approach(Oxford University Press,1996)を参照されたい。
【0209】
例えば、所望の生物活性を有する好適な抗体は、増殖、移動、付着、軟寒天成長、血管新生、細胞間コミュニケーション、アポトーシス、輸送、シグナル伝達が挙げられるが、これらに限定されないインビトロアッセイ、および腫瘍成長の阻害などのインビボアッセイを使用して同定され得る。本明細書に提供される抗体は、診断用途にも有用であり得る。捕捉または非中和抗体として、それらは、抗原の受容体結合または生物活性を阻害することなく特異的抗原に結合する能力についてスクリーニングされ得る。中和抗体として、抗体は、競合結合アッセイに有用であり得る。
【0210】
開示される組成物および方法に使用され得る抗体は、任意のクラスの免疫グロブリン全体(すなわち、無傷抗体)、そのフラグメント、および抗体の少なくとも抗原結合可変ドメインを含有する合成タンパク質を含む。可変ドメインは、抗体によって配列が異なり、各特定の抗体のその特定の抗原に対する結合および特異性に使用される。しかしながら、変動性は通常、抗体の可変ドメインを通して均一に分布していない。それは典型的には、軽鎖および重鎖可変ドメインの両方における相補性決定領域(CDR)または超可変領域と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク(FR)と呼ばれる。天然の重鎖および軽鎖の可変ドメインは各々、主として3つのCDRによって接続されたベータ-シート構造を取る4つのFR領域を含み、これは、ベータ-シート構造を接続し、場合によってはその一部を形成するループを形成する。各鎖におけるCDRは、FR領域によって一緒にごく近接して保持され、他の鎖からCDRと共に抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。
【0211】
生物活性を有する抗体のフラグメントもまた開示される。フラグメントは、他の配列に付着しているかどうかにかかわらず、特定の領域または特定のアミノ酸残基の挿入、欠失、置換、または他の選択された修飾を含み、ただし、そのフラグメントの活性が、非修飾抗体または抗体フラグメントと比較して有意に改変または低下していないことを条件とする。
【0212】
技法は、開示される抗体およびその抗原結合フラグメントに基づいた一本鎖抗体の産生にも適応され得る。一本鎖抗体の産生のための方法は、当業者に周知である。一本鎖抗体は、短ペプチドリンカーを使用して重鎖および軽鎖の可変ドメインを一緒に融合し、それにより単一分子上で抗原結合部位を再構成することによって作られ得る。一方の可変ドメインのC末端がもう一方の可変ドメインのN末端に15~25個のアミノ酸のペプチドまたはリンカーによってテザリングされる一本鎖抗体可変フラグメント(scFvs)は、抗原結合または結合の特異性を著しく破壊することなく開発されている。リンカーは、重鎖および軽鎖がそれらの適切な立体構造配向において一緒に結合することを可能にするように選択される。
【0213】
一実施形態は、2つのscFvを連結することによって操作され得る二価一本鎖可変フラグメント(ジ-scFv)を提供する。これは、2つのVHおよび2つのVL領域を有する単一のペプチド鎖を産生し、タンデムscFvをもたらすことによって行われ得る。ScFvはまた、2つの可変領域が一緒に折り畳まれるには短すぎるリンカーペプチド(約5個のアミノ酸)を用いて設計され得、scFvを二量体化させる。このタイプは、ダイアボディとして既知である。ダイアボディは、対応するscFvより最大40倍低い解離定数を有することが示されており、それらがそれらの標的に対してもはるかに高い親和性を有することを意味する。さらに短いリンカー(1または2個のアミノ酸)は、三量体(トリアボディまたはトリボディ)の形成をもたらす。テトラボディもまた産生されている。それらは、それらの標的に対してダイアボディよりもさらに高い親和性を示す。
【0214】
別の実施形態は、実質的に均質な抗体の集団から得られるモノクローナル抗体を提供し、すなわち、集団内の個々の抗体は、抗体分子の小さいサブセット内に存在し得る考えられる自然発生突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部分が、特定の種由来の、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか、またはそれに相同である一方で、その鎖(複数可)の残りの部分が、別の種由来の抗体、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体、ならびにそのような抗体のフラグメントにおける対応する配列と同一であるか、またはそれに相同である、「キメラ」抗体を含む(それらが所望の拮抗活性を示す限り)。
【0215】
モノクローナル抗体は、モノクローナル抗体を産生する任意の手順を使用して作製され得る。ハイブリドーマ法では、マウスまたは他の適切な宿主動物が典型的には、免疫化剤で免疫化されて、免疫化剤に特異的に結合する抗体を産生するか、または産生することが可能であるリンパ球を誘導する。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫化され得る。
【0216】
開示される抗体はまた、組み換えDNA法によって作製され得る。開示される抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することが可能であるオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離および配列され得る。抗体または活性抗体フラグメントのライブラリもまた、ファージ提示技法を使用して生成およびスクリーニングされ得る。
【0217】
タンパク質化学を使用した抗体の作製方法もまた、当該技術分野において既知である。抗体を含むタンパク質を産生する一方法は、タンパク質化学技法によって2つ以上のペプチドまたはポリペプチドを一緒に連結することである。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、Fmoc(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)またはBoc(tert-ブチルオキシカルボニル)化学のいずれかを使用して、現在利用可能な実験設備を使用して化学的に合成され得る。(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)。当業者は、抗体に対応するペプチドまたはポリペプチドが、例えば、標準的な化学反応によって合成され得ることを容易に理解することができる。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、合成され得、合成樹脂から開裂されず、一方、抗体のもう一方のフラグメントは、合成され、その後に樹脂から開裂され、それによりもう一方のフラグメント上では機能的に遮断されている末端基を曝露することができる。ペプチド縮合反応によって、これらの2つのフラグメントは、それらのカルボキシル末端およびアミノ末端のそれぞれにおけるペプチド結合を介して共有結合されて、抗体またはそのフラグメントを形成することができる。あるいは、ペプチドまたはポリペプチドは独立して、上記のようにインビボで合成される。いったん単離されると、これらの独立したペプチドまたはポリペプチドは連結されて、同様のペプチド縮合反応を介して抗体またはその抗原結合フラグメントを形成し得る。
【0218】
例えば、クローンまたは合成ペプチドセグメントの酵素的ライゲーションは、比較的短いペプチドフラグメントが結合されて、より大きいペプチドフラグメント、ポリペプチド、または全タンパク質ドメインを産生することを可能にする。あるいは、より短いペプチドフラグメントから大きいペプチドまたはポリペプチドを合成的に構築するために、合成ペプチドのネイティブケミカルライゲーションが利用され得る。この方法は、2段階化学反応からなる。第1のステップは、非保護合成ペプチド-アルファ-チオエステルと、アミノ末端Cys残基を含有する別の非保護ペプチドセグメントとを化学選択的に反応させて、初期共有結合生成物としてチオエステル連結中間体を得ることである。反応条件の変更なく、この中間体は、自発的で迅速な分子内反応を受けて、ライゲーション部位において天然ペプチド結合を形成する。
【0219】
B.単離核酸分子の産生方法
一実施形態は、開示される抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸を提供する。核酸は、抗体全体、またはその抗原結合フラグメント、またはその軽鎖、重鎖、組み合わせ、またはそのCDRをコードすることができる。
【0220】
単離核酸分子は、一般的な分子クローニングおよび化学核酸合成技法が挙げられるが、これらに限定されない標準的な技法によって産生され得る。例えば、変異体ポリペプチドをコードする単離核酸を得るために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法が使用され得る。PCRは、標的核酸が酵素的に増幅される技法である。典型的には、目的の領域の末端またはそれを越えた領域からの配列情報が、増幅されるテンプレートの反対側の鎖と配列が同一であるオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために用いられ得る。PCRは、総ゲノムDNAまたは総細胞RNAからの配列を含む、DNAならびにRNAからの特異的配列を増幅するために使用され得る。プライマーは典型的には、14~40ヌクレオチド長であるが、10ヌクレオチド~数百ヌクレオチド長に及ぶことができる。一般のPCR技法は、例えば、PCR Primer:A Laboratory Manual,ed.by Dieffenbach and Dveksler,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1995に記載されている。RNAをテンプレート源として使用する場合、相補的DNA(cDNA)鎖を合成するために、逆転写酵素が使用され得る。リガーゼ連鎖反応、鎖置換増幅、自家持続配列複製、または核酸配列ベースの増幅もまた、単離核酸を得るために使用され得る。例えば、Lewis(1992)Genetic Engineering News 12:1、Guatelli et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874-1878、およびWeiss(1991)Science 254:1292-1293を参照されたい。
【0221】
単離核酸は、単一の核酸分子として、または一連のオリゴヌクレオチドとしてのいずれかで化学的に合成され得る(例えば、3’→5’方向への自動化DNA合成のためのホスホロアミダイト技術を使用して)。例えば、所望の配列を含有する長いオリゴヌクレオチド(例えば、100ヌクレオチド超)の1つ以上の対が合成され得、各対は、このオリゴヌクレオチド対がアニールされる場合に二重鎖が形成されるように、相補性の短いセグメント(例えば、約15ヌクレオチド)を含有する。DNAポリメラーゼが使用されて、オリゴヌクレオチドを伸長させて、オリゴヌクレオチド対当たり単一の二本鎖核酸分子をもたらすことができ、それは次いで、ベクターにライゲーションされ得る。単離核酸はまた、突然変異誘発によって得られ得る。タンパク質をコードする核酸は、PCRを介したオリゴヌクレオチド指定突然変異誘発および/または部位特異的突然変異誘発を含む、標準的技法を使用して変異され得る。Short Protocols in Molecular Biology.Chapter 8,Green Publishing Associates and John Wiley & Sons,edited by Ausubel et al,1992を参照されたい。
【0222】
IV.使用方法
開示される抗体およびその抗原結合フラグメントは、免疫応答の調節を、それを必要としている対象において行うために使用され得る。一実施形態は、第2の治療剤を任意に含めて、開示される抗体およびその抗原フラグメントを投与することによって、PD-1を発現する免疫細胞、例えばT細胞を活性化して、PD-1を発現する免疫細胞を増殖させ、その生物学的活性を増強する方法を提供する。
【0223】
A.免疫応答刺激
1.治療戦略
対象における免疫応答を誘発または増強する方法が提供される。典型的には、方法は、PD-1に免疫特異的に結合し、かつ、免疫細胞を活性化するための刺激または活性化シグナルをPD-1を通して誘発、促進、または増強するために、対象に、有効量の開示される抗体およびその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を投与する工程を含む。免疫応答は、例えば、免疫細胞、T細胞増殖によるT細胞活性化、サイトカインの分泌を誘発、促進、または増強し得る。開示される抗体またはその抗原結合フラグメントは、T細胞枯渇および/またはT細胞アネルギーを克服するために有効量で、それを必要としている対象に投与され得る。T細胞枯渇またはT細胞アネルギーの克服は、既知の技法を使用してT細胞機能を測定することによって決定され得る。
【0224】
方法は、刺激免疫応答を誘発、促進、または増強するために、インビボまたはエクスビボで使用され得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸は、対象に直接投与される。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、エクスビボで細胞(例えば、免疫細胞)と接触させられ、処理細胞は、対象に投与される(例えば、養子移入)。抗体またはその抗原結合フラグメントは、より強固な免疫応答が可能になることを可能にすることができる。開示される組成物は、免疫細胞上のPD-1を通して活性化シグナルを引き起こし、T細胞を伴う免疫応答を刺激または増強するために有用である。
【0226】
2.治療される対象
a.がんの治療
開示される抗体およびその組成物ならびに方法は、がんを治療するために使用され得る。概して、これら作用物質は、PD-1を通して活性化シグナルを誘発、促進、または増強する量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントを対象に投与することによって、対象におけるがんに対する免疫応答を刺激または増強するために使用される。方法は、がんの1つ以上の症状を低減することができる。
【0227】
開示される抗体またはそのフラグメントによって活性化される免疫細胞は、対象における細胞を死滅させ、腫瘍負荷を低減することができる。「がん細胞」という用語は、前悪性および悪性の両方のがん細胞を包含するよう意図される。いくつかの実施形態では、がんは、局所にとどまっている良性腫瘍を指す。他の実施形態では、がんは、隣接する身体構造に侵入し、破壊し、遠位部位に広がっている悪性腫瘍を指す。さらに他の実施形態では、がんは、特定のがん抗原に関連する(例えば、汎がん抗原(KS 1/4)、卵巣がん抗原(CA125)、前立腺特異抗原(PSA)、がん胎児性抗原(CEA)、CD19、CD20、HER2/neuなど)。
【0228】
本明細書に開示される方法および抗体組成物は、以下が挙げられる(が、これらに限定されない)様々ながんおよび他の異常増殖疾患の治療または予防に有用である:膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、および皮膚を含むがん;扁平上皮細胞がんを含む;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫を含む、リンパ球系列の造血器腫瘍;急性および慢性骨髄性白血病および前骨髄球性白血病を含む骨髄細胞系列の造血器腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;悪性黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、神経芽腫、および神経膠腫を含む他の腫瘍;星状細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、および神経鞘腫を含む中枢および末梢神経系の腫瘍;繊維肉腫、横紋筋肉腫、および骨肉腫を含む間葉由来の腫瘍;ならびに悪性黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞がん、および奇形癌腫を含む他の腫瘍。
【0229】
アポトーシスの異常によって引き起こされるがんもまた、開示される方法および組成物によって治療され得る。そのようながんとしては、濾胞性リンパ腫、p53突然変異を伴うがん、乳房、前立腺および卵巣のホルモン依存性腫瘍、ならびに家族性腺腫性ポリポージスなどの前がん病変、ならびに骨髄異形成症候群が挙げられ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、悪性腫瘍もしくは増殖異常変化(異形成および形成異常など)、または過剰増殖性障害が、本方法および組成物によって、卵巣、膀胱、乳房、結腸、肺、皮膚、膵臓、または子宮において治療または予防される。他の特定の実施形態では、肉腫、悪性黒色腫、または白血病が、本方法および組成物によって治療または予防される。
【0230】
本明細書に開示される方法および組成物によって治療または予防され得る特定のがんおよび関連障害としては、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、赤白血病の白血病、および骨髄異形成症候群、慢性骨髄性(顆粒性)白血病、慢性リンパ性白血病、有毛細胞性白血病などであるがこれらに限定されない慢性白血病が挙げられるが、これらに限定されない白血病;真性多血症;ホジキンまたは非ホジキンリンパ腫(例えば、びまん性未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陰性、大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL);びまん性未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性、大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL);未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性、ALK+未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、急性骨髄性リンパ腫(AML)などであるがこれらに限定されないリンパ腫);くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫および髄外性形質細胞腫などであるがこれらに限定されない多発性骨髄腫;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症;良性単クローン性ガンマグロブリン血症;重鎖病;骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性骨巨細胞腫、骨線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、管肉腫(血管肉腫)、繊維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫などであるがこれらに限定されない骨および結合組織肉腫;神経膠腫、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、希突起神経膠腫、非神経膠腫瘍、聴神経腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫などであるがこれらに限定されない脳腫瘍;腺がん、小葉(小細胞)がん、管内がん、髄様乳がん、粘液性乳がん、管状乳がん、乳頭状乳がん、パジェット病、および炎症性乳がんなどであるがこれらに限定されない乳がん;褐色細胞腫および副腎皮質がんが挙げられるが、これらに限定されない副腎がん;乳頭状または濾胞性甲状腺がん、髄様甲状腺がん、および未分化甲状腺がんなどであるがこれらに限定されない甲状腺がん;インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、およびカルチノイドまたは膵島細胞腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない膵がん;クッシング病、プロラクチン分泌性腫瘍、先端巨大症、および尿崩症が挙げられるが、これらに限定されない下垂体がん;虹彩黒色腫、脈絡膜黒色腫、および線毛体黒色腫などの眼内黒色腫、ならびに網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない眼がん;扁平上皮がん、腺がん、および悪性黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない膣がん;扁平上皮がん、悪性黒色腫、腺がん、基底細胞がん、肉腫、およびパジェット病が挙げられるが、これらに限定されない外陰がん;扁平上皮がんおよび腺がんが挙げられるが、これらに限定されない子宮頸がん;子宮内膜がんおよび子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定されない子宮がん;卵巣上皮がん、境界腫瘍、胚細胞腫瘍、および間質腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない卵巣がん;扁平上皮がん、腺がん、腺様嚢胞がん、粘表皮がん、腺扁平上皮がん、肉腫、悪性黒色腫、形質細胞腫、疣贅性がん、および燕麦細胞(小細胞)がんが挙げられるが、これらに限定されない食道がん;腺がん、菌状(ポリープ状)、潰瘍化、表層進展性、びまん性拡大型、悪性リンパ腫、脂肪肉腫、繊維肉腫、およびがん肉腫が挙げられるが、これらに限定されない胃がん;結腸がん;直腸がん;肝細胞がんおよび肝芽腫が挙げられるが、これらに限定されない肝臓がん、腺がんが挙げられるが、これに限定されない胆嚢がん;乳頭状、結節性、およびびまん性が挙げられるが、これらに限定されない胆管がん;非小細胞肺がん、扁平上皮がん(類表皮がん)、腺がん、大細胞がん、および小細胞肺がんが挙げられるが、これらに限定されない肺がん;胚細胞腫瘍、精上皮腫、未分化、古典的(典型的)、精母細胞、非セミノーマ、胎生期がん、奇形腫がん、絨毛がん(卵黄嚢腫瘍)が挙げられるが、これらに限定されない精巣がん、腺がん、平滑筋肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定されない前立腺がん;陰茎がん;扁平上皮がんが挙げられるが、これに限定されない口腔がん;基底がん;腺がん、粘表皮がん、および腺様嚢胞が挙げられるが、これらに限定されない唾液腺がん;扁平上皮がんおよび疣贅性が挙げられるが、これらに限定されない咽頭がん;基底細胞がん、扁平上皮がん、および悪性黒色腫、表層進展性悪性黒色腫、結節性悪性黒色腫、悪性黒子悪性黒色腫、末端黒子型悪性黒色腫が挙げられるが、これらに限定されない皮膚がん;腎細胞がん、腺がん、副腎腫、繊維肉腫、移行上皮がん(腎盤および/または尿管);ウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない腎臓がん;移行細胞がん、扁平上皮がん、腺がん、がん肉腫が挙げられるが、これらに限定されない膀胱がんが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、がんとしては、粘液肉腫、骨肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽細胞腫、上皮がん、嚢胞腺がん、気管支原生がん、汗腺がん、脂腺がん、乳頭状がん、および乳頭腺がんが挙げられる(そのような疾患の総説については、Fishman et al.,1985,Medicine,2d Ed.,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia and Murphy et al.,1997,Informed Decisions:The Complete Book of Cancer Diagnosis,Treatment,and Recovery,Viking Penguin,Penguin Books U.S.A.,Inc.,United States of Americaを参照)。
【0231】
b.感染症の治療
開示される抗体組成物および方法は、感染症および感染性疾患を治療するために使用され得る。概して、これら作用物質は、PD-1を通して活性化または刺激シグナルを送る量の開示される抗体またはその抗原結合フラグメントのうちの1つ以上を対象に投与することによって、対象における感染症に対する免疫応答を刺激または増強するために使用される。方法は、感染症の1つ以上の症状を低減することができる。
【0232】
感染症または疾患は、細胞内に入り、すなわち、細胞傷害性Tリンパ球によって攻撃される細菌、ウイルス、原生動物、蠕虫、または他の微生物病原体によって引き起こされ得る。
【0233】
感染症または疾患は、急性または慢性であり得る。急性感染症は、典型的には、短期間の感染症である。急性微生物感染症の間、免疫細胞は、免疫調節受容体を発現させ始める。したがって、いくつかの実施形態では、方法は、急性感染症に対する免疫刺激応答を高めることを含む。
【0234】
感染症は、例えば、Candida albicans、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes、Streptococcus pneumoniae、Neisseria meningitidis、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、Acinetobacter baumannii、Pseudomonas aeruginosa、またはMycobacteriumによって引き起こされ得るが、これらに限定されない。
【0235】
いくつかの実施形態では、開示される抗体組成物は、慢性感染症、例えば、T細胞枯渇またはT細胞アネルギーが生じ、感染症を長期間にわたって宿主にとどまらせる感染症を治療するために使用される。
【0236】
治療される例示的な感染症は、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトTリンパ好性ウイルス(HTLV)、ヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、またはヒトパピローマウイルスによって引き起こされる慢性感染症である。
【0237】
ウイルス感染症は、主にT細胞によって除去されるため、T細胞活性の増加は、感染性ウイルス因子のより迅速かつ徹底的な除去が動物またはヒト対象に有益である状況で治療的に有用である。したがって、開示される組成物は、免疫不全(例えば、HIV)、乳頭腫(例えば、HPV)、ヘルペス(例えば、HSV)、脳炎、インフルエンザ(例えば、ヒトインフルエンザウイルスA)、および感冒(例えば、ヒトライノウイルス)、ならびに例えば、HTLV、肝炎ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ワクシニアウイルス、および狂犬病ウイルスによって引き起こされる他のウイルス感染症が挙げられるが、これらに限定されない局所または全身ウイルス感染症の治療のために投与され得る。分子は、局所投与されて、ヘルペス病変もしくは帯状疱疹、または生殖器疣などのウイルス性皮膚疾患を治療することができる。分子はまた、全身投与されて、AIDS、インフルエンザ、感冒、または脳炎が挙げられるが、これらに限定されない全身性ウイルス疾患を治療することができる。
【0238】
治療され得る代表的な感染症としては、Actinomyces、Anabaena、Bacillus、Bacteroides、Bdellovibrio、Bordetella、Borrelia、Campylobacter、Caulobacter、Chlamydia、Chlorobium、Chromatium、Clostridium、Corynebacterium、Cytophaga、Deinococcus、Escherichia、Francisella、Halobacterium、Heliobacter、Haemophilus、HemophilusインフルエンザB型(HIB)、Hyphomicrobium、Legionella、Leptspirosis、Listeria、Meningococcus A、B、およびC、Methanobacterium、Micrococcus、Myobacterium、Mycoplasma、Myxococcus、Neisseria、Nitrobacter、Oscillatoria、Prochloron、Proteus、Pseudomonas、Phodospirillum、Rickettsia、Salmonella、Shigella、Spirillum、Spirochaeta、Staphylococcus、Streptococcus、Streptomyces、Sulfolobus、Thermoplasma、Thiobacillus、およびTreponema、Vibrio、Yersinia、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalisおよびSchistosoma mansoniが挙げられるが、これらに限定されない微生物によって引き起こされる感染症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0239】
開示される組成物および方法を使用して治療され得る他の微生物としては、Klebsiella、Serratia、Pasteurellaなどの細菌;コレラ、破傷風、ボツリヌス中毒症、炭疽、ペスト、およびライム病と関連する病原体;またはCandida(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど)、Cryptococcus、Aspergillus(fumigatus、nigerなど)、Genus Mucorales(mucor、absidia、rhizophus)、Sporothrix(schenkii)、Blastomyces(dermatitidis)、Paracoccidioides(brasiliensis)、Coccidioides(immitis)およびHistoplasma(capsulatuma)、Entamoeba、histolytica、Balantidium coli、Naegleria fowleri、Acanthamoeba sp.、Giardia lambia、Cryptosporidium種、Pneumocystis carinii、Plasmodium vivax、Babesia microti、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Toxoplasma gondiなど)、Sporothrix、Blastomyces、Paracoccidioides、Coccidioides、Histoplasma、Entamoeba、Histolytica、Balantidium、Naegleria、Acanthamoeba、Giardia、Cryptosporidium、Pneumocystis、Plasmodium、Babesia、もしくはTrypanosomaなどの真菌もしくは寄生病原体が挙げられる。
【0240】
V.免疫応答を高めるための併用療法
開示される抗体およびその抗原結合フラグメントならびにその組成物は、単独で、または1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて、それを必要としている対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、抗体およびその抗原結合フラグメントならびに追加の治療剤は、別々であるが同時に投与される。抗体およびその抗原結合フラグメントならびに追加の治療剤はまた、同じ組成物の一部としても投与され得る。他の実施形態では、抗体およびその抗原結合フラグメントならびに第2の治療剤は、別々に、かつ異なる時間においてであるが、同じ治療計画の一部として投与される。追加の治療剤は、開示される抗体およびその抗原結合フラグメントの投与の前、後、またはそれと交互に投与され得る。
【0241】
対象は、第2の治療剤の投与の1、2、3、4、5、6時間以上、または1、2、3、4、5、6、7日以上前に第1の治療剤を投与され得る。いくつかの実施形態では、対象は、第2の薬剤の第1の投与前1、2、3、4、5、6、7、14、21、28、35、または48日毎に第1の薬剤の1つ以上の用量を投与され得る。抗体およびその抗原結合フラグメントは、第1または第2の治療剤であり得る。
【0242】
抗体およびその抗原結合フラグメントならびに追加の治療剤は、治療計画の一部として投与され得る。例えば、第1の治療剤が4日毎に対象に投与され得る場合、第2の治療剤は、1日目、2日目、3日目、もしくは4日目、またはそれらの組み合わせにおいて投与され得る。第1の治療剤または第2の治療剤は、全治療計画全体を通し繰り返し投与され得る。
【0243】
例示的な追加の治療剤としては、サイトカイン、化学療法薬、放射性核種、他の免疫治療薬、酵素、抗生物質、抗ウイルス剤(特に、単独で、あるいはHIVまたはBもしくはC型肝炎の治療のためのヌクレオシドと組み合わせたプロテアーゼ阻害剤)、抗寄生虫剤(蠕虫、原生動物)、成長因子、成長阻害剤、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、抗体およびその生物活性フラグメント(ヒト化、一本鎖、およびキメラ抗体を含む)、抗原およびワクチン製剤(補助剤を含む)、ペプチド薬、抗炎症薬、先天性免疫系を活性するためにトル様受容体に結合するリガンド(CpGオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これに限定されない)、適応免疫系を動員および最適化する分子、細胞傷害性Tリンパ球の作用を活性化または上方制御する他の分子、ナチュラルキラー細胞およびヘルパーT細胞、ならびに抑制因子または制御性T細胞を不活性化または下方制御する他の分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0244】
追加の治療剤は、治療される状態、障害、または疾患に基づいて選択される。例えば、免疫調節剤は、免疫応答を増強もしくは促進するか、または免疫応答を低減または阻害するように機能する1つ以上の追加の薬剤と同時投与され得る。
【0245】
A.抗菌剤
一実施形態では、抗体およびその抗原結合フラグメントは、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、または精油などの抗菌剤と組み合わせて対象に投与され得る。別の実施形態では、開示される抗体およびその抗原結合フラグメントは、疾患の治療および予防、また大きい火傷、開放骨折、偶発的切断、または他の創傷のようなひどい外傷性損傷の状況下で、防止または予防の役割に使用され得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、対象は、さらなる細菌、真菌、またはウイルス性合併症を予防するために、入院時に抗体およびその抗原結合フラグメントならびに/または抗菌剤を投与される。抗生物質は、標的病原体を標的にすることができ、抗体およびその抗原結合フラグメントは、免疫系を刺激して高められた応答を提供して、さらなる感染症または疾患を治療または予防することができる。
【0247】
1.化学療法薬
抗体およびその抗原結合フラグメントは、1つ以上の化学療法薬およびアポトーシス促進剤と組み合わされ得る。代表的な化学療法薬としては、アムサクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンパスターゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、サトラプラチン、ストレプトゾシン、テガフール-ウラシル、テモゾロマイド、テニポシド、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアポトーシス促進剤としては、フルダラビンタウロスポリン、シクロヘキシミド、アクチノマイシンD、ラクトシルセラミド、15d-PGJ(2)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0248】
2.他の免疫調節剤
a.PD-1アンタゴニスト
いくつかの実施形態では、抗体およびその抗原結合フラグメントは、PD-1アンタゴニストと同時投与される。プログラム死-1(PD-1)は、T細胞上で誘発されたときに負の免疫応答を送達する受容体のCD28ファミリーのメンバーである。PD-1とそのリガンドのうちの1つ(B7-H1またはB7-DC)との間の接触は、T細胞増大ならびに/またはT細胞応答の強度および/もしくは持続時間を減少させる阻害応答を誘発する。好適なPD-1アンタゴニストは、米国特許第8,114,845号、同第8,609,089号、および同第8,709,416号に記載されており、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に具体的に組み込まれ、PD-1のリガンドに結合し、遮断してPD-1受容体へのリガンドの結合に干渉するかもしくは阻害するか、またはPD-1受容体を通した阻害シグナル伝達を誘発することなく、PD-1受容体に直接結合し遮断するかのいずれかを行う、化合物または薬剤を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、PD-1受容体アンタゴニストは、阻害シグナル伝達を引き起こすことなくPD-1受容体に直接結合し、またPD-1受容体のリガンドに結合して、PD-1受容体を通したシグナル伝達の誘因からリガンドを低減または阻害する。PD-1受容体に結合し、阻害シグナルの伝達を引き起こすリガンドの数および/または量を低減することによって、より少ない細胞が、PD-1シグナル伝達によって送達される負のシグナルによって弱められ、より強固な免疫応答が達成され得る。
【0250】
PD-1シグナル伝達は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によって示されるペプチド抗原にごく近接しているPD-1リガンド(B7-H1またはB7-DCなど)に結合することによって引き起こされると考えられている(例えば、Freeman,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A,105:10275-10276(2008)を参照)。したがって、T細胞膜上のPD-1およびTCRの共ライゲーションを防止するタンパク質、抗体、または小分子も、有用なPD-1アンタゴニストである。
【0251】
いくつかの実施形態では、PD-1受容体アンタゴニストは、特に、TCRとPD-1の共ライゲーションがそのような結合の後に続かない場合、PD-1のリガンドまたはPD-1自体に結合することによって、PD-1受容体シグナル伝達を低減するか、またはそれに介入し、それにより、PD-1受容体を通した阻害シグナル伝達を引き起こさない、小分子アンタゴニストまたは抗体である。本発明の方法によって企図される他のPD-1アンタゴニストとしては、PD-1またはPD-1のリガンドに結合する抗体、および他の抗体が挙げられる。
【0252】
好適な抗PD-1抗体としては、以下の米国特許第7332582号、同第7488802号、同第7521051号、同第7524498号、同第7563869号、同第7981416号、同第8088905号、同第8287856号、同第8580247号、同第8728474号、同第8779105号、同第9067999号、同第9073994号、同第9084776号、同第9205148号、同第9358289号、同第9387247号、同第9492539号、同第9492540号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されず、それらの全ては、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0253】
また、Berger et al.,Clin.Cancer Res.,14:30443051(2008)も参照されたい。
【0254】
例示的な抗PD-L1抗体としては、以下の米国特許第8383796号、同第9102725号、同第9273135号、同第9393301号、および同第9580507号に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されず、それらの全ては、参照によりそれらの全体が具体的に本明細書に組み込まれる。
【0255】
抗B7-DC(抗PD-L2とも称される)抗体に関しては、米国特許第7,411,051号、同第7,052,694号、同第7,390,888号、同第8188238号、および同第9255147号を参照されたい。
【0256】
他の例示的なPD-1受容体アンタゴニストとしては、PD-L2ポリペプチド(これらの相同体および変異体を含む)、ならびに上記のうちのいずれかの活性フラグメント、およびこれらのうちのいずれかを組み込む融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、ヒトIgGなどの抗体のFc部分に結合されたB7-DCの可溶性部分を含み、ヒトB7-DCの膜貫通部分の全てまたは一部を組み込まない。
【0257】
PD-1アンタゴニストはまた、例えば、マウスまたはヒトなどの霊長類からの、哺乳動物PD-L1のフラグメントであり得、フラグメントは、PD-1に結合し遮断するが、PD-1を通した阻害シグナル伝達をもたらさない。フラグメントはまた、融合タンパク質、例えばIg融合タンパク質の一部であり得る。
【0258】
他の有用なポリペプチドであるPD-1アンタゴニストは、PD-1受容体のリガンドに結合するものを含む。これらは、PD-L1またはB7-DCなどのPD-1リガンドに結合し、内因性PD-1受容体への結合を防止し、それにより阻害シグナル伝達を防止することができる、PD-1受容体タンパク質、またはその可溶性フラグメントを含む。PD-L1はまた、タンパク質B7.1に結合することが示されている(Butte et al.,Immunity,Vol.27,pp.111-122,(2007))。そのようなフラグメントはまた、天然リガンドへの結合を増加させるA99L突然変異などの突然変異を含む、PD-1タンパク質の可溶性ECD部分を含む(Molnar et al.,PNAS,105:10483-10488(2008))。PD-L1リガンドに結合し、内因性PD-1受容体への結合を防止し、それにより阻害シグナル伝達を防止することができるB7-1またはその可溶性フラグメントもまた有用である。
【0259】
PD-1およびPD-L1アンチセンス核酸、DNAおよびRNAの両方、ならびにsiRNA分子はまた、PD-1アンタゴニストとも呼ばれる。そのようなアンチセンス分子は、T細胞上のPD-1の発現、ならびにPD-L1および/またはPD-L2などのT細胞リガンドの産生を防止する。例えば、siRNA(例えば、約21ヌクレオチド長の(PD-1をコードする遺伝子に特異的である)、またはPD-1リガンドをコードする(オリゴヌクレオチドが容易に商業的に購入され得る)は、ポリエチレンイミンなどの担体との複合体を形成し(Cubillos-Ruiz et al.,J.Clin.Invest.119(8):2231-2244(2009)を参照)、PD-1ならびにPD-1のリガンドを発現させ、かつこれらの受容体およびリガンドの発現を低減する細胞によって容易に取り込まれて、T細胞における阻害シグナル伝達の減少を達成して、それによりT細胞を活性化する。
【0260】
b.CTLA4アンタゴニスト
免疫応答におけるT細胞の効果を媒介するのに有用な他の分子もまた、追加の治療剤として企図される。いくつかの実施形態では、分子は、CTLA4のアンタゴニスト、例えば、アンタゴニスト抗CTLA4抗体である。本発明の方法での使用について企図される抗CTLA4抗体の一例は、PCT/US2006/043690(Fischkoff et al.,WO/2007/056539)に記載される抗体を含む。
【0261】
抗PD-1、抗B7-H1、および抗CTLA4抗体の投与量は、当該技術分野において既知であり、例えば、0.1~100mg/kgの範囲であり得、より短い範囲は、1~50mg/kgまたは10~20mg/kgである。ヒト対象の適切な用量は、5~15mg/kgであり得、10mg/kgの抗体(例えば、ヒト抗PD-1抗体)が具体的な実施形態である。
【0262】
本発明の方法に有用な抗CTLA4抗体の具体的な例は、例えば、約10mg/kgの用量で投与されるヒト抗CTLA4抗体のイピリムマブ、および例えば、約15mg/kgの用量で投与されるヒト抗CTLA4抗体である。2009年12月にオンラインで公開されたSammartino,et al.,Clinical Kidney Journal,3(2):135-137(2010)も参照されたい。
【0263】
他の実施形態では、アンタゴニストは、小分子である。一連の小有機化合物は、B7-1リガンドに結合して、CTLA4への結合を防止することが示されている(Erbe et al.,J.Biol.Chem.,277:7363-7368(2002)を参照)。そのような小有機物は、単独で、または抗CTLA4抗体と一緒に投与されて、T細胞の阻害シグナル伝達を低減し得る。
【0264】
3.増強剤
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、増強剤を含む。増強剤は、場合により2つ以上の機序によって、免疫応答上方制御剤の有効性を高めるように作用するが、正確な作用機序は、本発明の広い実施に不可欠ではない。
【0265】
いくつかの実施形態では、増強剤は、シクロホスファミドである。シクロホスファミド(CTX、Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))は、オキサアザホスホリン剤であり、類似体としては、イホスファミド(IFO、Ifex)、ペルホスファミド、トロホスファミド(trophosphamide)(トロホスファミド(trofosfamide);Ixoten)、ならびにそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、プロドラッグ、および代謝産物が挙げられる(その全体が組み込まれる米国特許出願第2007/0202077号)。イホスファミド(MITOXANA(登録商標))は、シクロホスファミドの構造類似体であり、その作用機序は、シクロホスファミドのものと同一または実質的に同様であるとみなされる。ペルホスファミド(4-ヒドロペルオキシシクロホスファミド)およびトロホスファミドもまた、シクロホスファミドに構造的に関連したアルキル化剤である。例えば、ペルホスファミドは、DNAをアルキル化し、それによりDNA複製ならびにRNAおよびタンパク質合成を阻害する。新しいオキサアザホスホリン誘導体は、選択性および応答を改善し、宿主毒性を低減しようとする試みで設計および評価されている(Liang J,Huang M,Duan W,Yu XQ,Zhou S.Design of new oxazaphosphorine anticancer drugs.Curr Pharm Des.2007;13(9):963-78.Review)。これらは、マホスファミド(NSC 345842)、グルフォスファミド(D19575、ベータ-D-グルコシルイソホスホルアミドマスタード)、S-(-)-ブロモフォスファミド(CBM-11)、NSC 612567(アルドホスファミドペルヒドロチアジン)、およびNSC 613060(アルドホスファミドチアゾリジン)を含む。マホスファミドは、4-ヒドロキシ-CPAの化学的に安定した4-チオエタンスルホン酸塩であるオキサアザホスホリン類似体である。グルフォスファミドは、IFOのアルキル化代謝産物であるイソホスホルアミドマスタードがベータ-D-グルコース分子にグリコシド連結されたIFO誘導体である。追加のシクロホスファミド類似体は、「Cyclophosphamide analogs useful as anti-tumor agents」と題する米国特許第5,190,929号に記載され、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0266】
CTX自体は非毒性であるが、その代謝産物の一部は、DNA架橋を誘発する細胞傷害性アルキル化剤であり、より高い用量では鎖が破壊する。多くの細胞は、それらが高レベルの解毒酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)を発現させるため、CTXに耐性がある。リンパ球(造血幹細胞ではない)が低レベルのALDHのみを発現させるため、CTXは、増殖リンパ球を標的にし、サイクリング細胞は、DNAアルキル化剤に最も感受性がある。
【0267】
一実施形態では、低用量のCTXが開示される抗体およびその抗原結合フラグメントと組み合わせて使用される。低用量のCTX(200mg/kg未満)は、がんのヒトおよびマウスモデルにおける抗腫瘍免疫応答の刺激を含む、免疫刺激効果を有することができる(Brode & Cooke Crit Rev.Immunol.28:109-126(2008))。これらの低用量は、治療量以下であり、直接的な抗腫瘍活性を有しない。対照的に、高用量のCTXは、抗腫瘍応答を阻害する。いくつかの機序が、抗腫瘍免疫応答の増強作用におけるCTXの役割を説明し得る。(a)CD4+CD25+FoxP3+Treg(および具体的に、特に抑制的であり得る増殖Treg)の枯渇、(b)Bリンパ球の枯渇、(c)腫瘍細胞成長の抑制をもたらす一酸化窒素(NO)の誘発、(d)CD11b+Gr-1+MDSCの動員および拡大。これらの一次効果は、多くの二次効果を有し、例えば、以下のTreg枯渇マクロファージは、より多くのIFN-γおよびより少ないIL-10を産生する。CTXはまた、I型IFN発現を誘発し、リンパ球の恒常的増殖を促進することが示されている。
【0268】
Treg枯渇は、ほとんどの場合、CTXが抗腫瘍免疫応答を強化する機序として挙げられる。この結論は、部分的に養子移入実験の結果に基づく。AB1-HA腫瘍モデルにおいて、9日目のCTX処置は、75%の治癒率をもたらす。12日目の精製Tregの移入は、CTX応答のほぼ完全に阻害した(van der Most et al.Cancer Immunol.Immunother.58:1219-1228(2009))。同様の結果が、HHD2腫瘍モデルにおいて見られ、CTX前処置後のCD4+CD25+Tregの養子移入は、ワクチンに対する治療応答を除去した(Taieb,J.J.Immunol.176:2722-2729(2006))。
【0269】
多くのヒト臨床試験は、低用量CTXが、抗腫瘍免疫応答の促進のための安全で、良好な耐容性を示し、かつ有効な薬剤であることを実証している(Bas,& Mastrangelo Cancer Immunol.Immunother.47:1-12(1998))。
【0270】
一実施形態では、抗腫瘍免疫応答を強化するためのCTXの最適な用量は、Tregレベルを正常範囲未満に低下させることによって全T細胞計数を下げるが、治療量以下である用量である(Machiels et al.Cancer Res.61:3689-3697(2001)を参照)。
【0271】
いくつかの実施形態では、CTXは、300mg/m2の用量で免疫増強剤として使用される。別の実施形態では、平均の雄(6フィート、170ポンド(78kg)、1.98m2の体表面積を有する)300mg/m2に対して、CTXの用量は、8mg/kg、または624mgの総タンパク質である。がんのマウスモデルにおいて、15~150mg/kgの範囲の用量で有効性が見られ、これは、30gのマウスにおける0.45~4.5mgの総タンパク質に関連する(Machiels et al.Cancer Res.61:3689-3697(2001)、Hengst et al Cancer Res.41:2163-2167(1981)、Hengst Cancer Res.40:2135-2141(1980))。
【0272】
ヒト患者などの霊長類などのより大きい哺乳動物について、そのようなmg/m2用量が使用され得るが、有限の時間間隔で投与される単位用量もまた使用され得る。そのような単位用量は、有限期間にわたって毎日投与されてもよく、最大3日、または最大5日、または最大7日、または最大10日、または最大15日、または最大20日、または最大25日などは全て、本発明によって具体的に企図される。同じ計画が、本明細書に列挙される他の増強剤にも適用され得る。
【0273】
他の実施形態では、増強剤は、スニチニブ(SUTENT(登録商標))、抗TGFβ、またはイマチニブ(GLEEVAC(登録商標))などの制御性Tリンパ球(T-reg)の活性および/または数を低減する薬剤である。列挙された治療計画はまた、補助剤の投与も含み得る。
【0274】
有用な増強剤としては、有糸分裂阻害剤、例えば、パクリタキソール、アロマターゼ阻害剤(例えば、Letrozole)、および血管新生阻害剤(VEGF阻害剤、例えば、Avastin、VEGF-Trap)(例えば、Li et al.,Vascular endothelial growth factor blockade reduces intratumoral regulatory T cells and enhances the efficacy of a GM-CSF-secreting cancer immunotherapy.Clin Cancer Res.2006 Nov 15;12(22):6808-16を参照)、アントラサイクリン、オキサリプラチン、ドキソルビシン、TLR4アンタゴニスト、およびIL-18アンタゴニストも挙げられる。
【0275】
VI.トランスジェニック動物
一実施形態は、SEQ ID NO:6、7、および8に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと、SEQ ID NO:12、13、および14によるアミノ酸を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを産生するトランスジェニック動物を提供する。一実施形態では、トランスジェニック動物は、齧歯類、例えばマウスである。
【0276】
別の実施形態は、SEQ ID NO:18、19、および20に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと、SEQ ID NO:24、13、および25からなる群から選択されるアミノ酸を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを産生するトランスジェニック動物を提供する。一実施形態では、トランスジェニック動物は、齧歯類、例えばマウスである。
【0277】
別の実施形態は、SEQ ID NO:29、30、および31に記載のアミノ酸配列を有する重鎖CDRと、SEQ ID NO:35、36、および37によるアミノ酸を有する軽鎖CDRと、を有する、抗体またはその抗原結合フラグメントを産生するトランスジェニック動物を提供する。一実施形態では、トランスジェニック動物は、齧歯類、例えばマウスである。
【0278】
抗体を産生するトランスジェニック動物の作製方法は、当該技術分野において既知である。例えば、A.Jakobovits,Curr Opin Biotechnol.,6(5):561-6(1995)およびBruggemann,M.,et al.,.Arch Immunol Ther Exp(Warsz).,63(2):101-108(2015)、Jakobovits,A.,et al.,“From XenoMouse technology to panitumumab,the first fully human antibody product from transgenic mice.”Nat Biotechnol.25(10):1134-43 (2007)、Lonberg N.(2005)“Human antibodies from transgenic animals.”Nat Biotechnol.23(9):1117-25、ならびに米国特許第9,708,635号、同第9,686,970号、同第9,499,838号、同第9,445,581号、同第9,388,446号、同第8,835,712号、同第8,703,485号、同第8,232,449号、同第7,795,494号、および同第5,939,598号を参照されたい。
【実施例0279】
実施例1:抗PD-1抗体産生
結果
抗PD-1抗体の産生は、クローン4G9、4C12、および5C2を産生し、これらを特徴付けのために選択した。
【0280】
実施例2:抗PD-1抗体とPD-1との間の相互作用動態
材料および方法
クローン4G9、4C12、および5C2からの抗体を、GEから入手可能なBiocore(商標)システムを使用して特徴付けた。分析物は、マウスまたはヒトPD-1であり、リガンドは、抗PD-1抗体であった。分析物濃度は、示される場合、0、62.5、125、250、500、および1000nMであった。
【0281】
結果
図1および表1は、ヒトPD-1との4G9の相互作用分析を示す。平衡会合定数(K
A)は、9.52×10
5(1/M)であった。平衡解離定数(K
D)は、1.05×10
-6(M)であった。
【0282】
【0283】
図2および表2は、マウスPD-1との4G9の相互作用分析を示す。平衡会合定数(K
A)は、1.94×10
5(1/M)であった。平衡解離定数(K
D)は、5.15×10
-6(M)であった。
【0284】
【0285】
図3および表3は、ヒトPD-1との4C12の相互作用分析を示す。平衡会合定数(K
A)は、3.14×10
6(1/M)であった。平衡解離定数(K
D)は、3.19×10
-7(M)であった。
【0286】
【0287】
図4および表4は、ヒトPD-1との5C2の相互作用分析を示す。平衡会合定数(K
A)は、2.02×10
5(1/M)であった。平衡解離定数(K
D)は、4.95×10
-6(M)であった。
【0288】
【0289】
図5および表5は、マウスPD-1との5C2の相互作用分析を示す。平衡会合定数(K
A)は、1.18×10
6(1/M)であった。平衡解離定数(K
D)は、8.50×10
-7(M)であった。
【0290】
【0291】
実施例3:EL4細胞への抗PD-1抗体の結合
材料および方法
PD-1を構成的に発現するマウスEL4細胞を蛍光活性化セルソーターで使用して、細胞への4G9、5C2、および4C12の結合を評価した。
【0292】
結果
図6Aは、市販の抗PD-1がEL4細胞に結合し、対照アイソタイプ抗体がEL4細胞に結合しないことを示すフローサイトメトリヒストグラムである。
図6Bは、4G9、5C2、および4C12がEL4細胞に結合し、二次抗体単独が結合しないことを示すフローサイトメトリヒストグラムである。
図6Cは、4G9抗PD-1抗体がEL4細胞に結合し、二次抗体単独が結合しないことを示すフローサイトメトリヒストグラムである。
図6Dは、5C2抗PD-1抗体がEL4細胞に結合し、二次抗体単独が結合しないことを示すフローサイトメトリヒストグラムである。
図6Eは、4C12抗PD-1抗体がEL4細胞に結合し、二次抗体単独が結合しないことを示すフローサイトメトリヒストグラムである。
【0293】
実施例4:抗PD-1抗体のアゴニスト活性
材料および方法
マウスCD4 T細胞
精製したマウスCD4 T細胞を抗CD3/抗CD28 Abで48時間刺激し、次いで抗PD-1 Ab(10ug/mL)を添加して、さらに48時間プロテインAビーズと共に培養した。いくつかの試料において、抗PD-L1 Abを添加して、PD-1/PD-L1相互作用を遮断して、試験Abのアゴニスト効果を分析した。CBAアッセイを使用して、上清中のIFNγおよびIL-2濃度を検出した。
【0294】
ヒトCD4 T細胞
精製したヒトCD4 T細胞を抗CD3/抗CD28 Abで48時間刺激し、次いで抗PD-1 Ab(1または10ug/mL)を添加して、さらに48時間プロテインAビーズと共に培養した。CBAアッセイを使用して、上清中のIFNγ濃度を検出した。
【0295】
結果
図7Aおよび7Bは、抗PD-1抗体5C2、4C12、および4G9で処理された刺激CD4 T細胞が、未処理細胞または抗PD-L1抗体で処理された細胞と比較して、上清中でIFNγおよびIL-2の濃度がより高かったことを示す。
図7Cは、抗PD-1抗体4G9および5C2で処理された刺激ヒトCD4 T細胞が、未処理細胞またはアイソタイプ対照抗体で処理された細胞と比較して、IFNγ上清の濃度がより高かったことを示す。
【0296】
実施例5:ハイブリドーマはAktリン酸化を増強する
材料および方法
pAKT(S473)の細胞内染色をT細胞活性化のマーカーとして使用した。
【0297】
結果
ペプチドEで免疫化されたマウスからのハイブリドーマは、マウスCD4 T細胞におけるAkt(S473)のリン酸化を増強した(
図8)。
【0298】
実施例6:3つの抗PD-1抗体の特徴付け
材料および方法
ハイブリドーマ5C2、4C12、および4G9からの精製した抗体を特徴付けた。
【0299】
結果
3つの抗PD-1抗体の各々のアイソタイプを決定した。5C2および4C12は両方、IgG1アイソタイプであり、4G9は、IgG2bアイソタイプであることがわかった(
図9)。ハイブリドーマシークエンシングは、5C2および4C12抗体に対して100%の配列同一性を示した。
【0300】
実施例7:4G9および5C2はヒトPD-1に特異的に結合する
材料および方法:
ELISAアッセイを使用して、ヒトPD-1-Fcへの4G9および5C2の結合を決定した。
【0301】
結果:
図10は、ヒトPD-1-Fcへの4G9および5C2抗体の結合を評価するためのELISAアッセイの結果を示す。4G9および5C2は両方、ヒトPD-1に特異的に結合する。
図11Aは、4G9および5C2がPD-1 KO CD4 T細胞に結合しないが、野生型マウスからのCD4 T細胞に結合することを示す、フローサイトメトリヒストグラムである(
図11B)。
【0302】
実施例8:シグナル伝達
材料および方法:
マウスCD4 T細胞を48時間予め刺激して、次いで精製した4G9および5C2抗体で処理されるPD-1発現を確実にした。ELISAキット(Cell Signaling Tech)を使用して、pS6の濃度を決定した。
【0303】
結果:
遮断抗体(RMP1-14およびJ43)とは対照的に、4G9および5C2は、S6経路を通してT細胞を活性化した。(PD-1発現を確実にするために)48時間予め刺激したマウスCD4 T細胞を、精製した4G9および5C2抗体で処理することによって、線形範囲内のpS6が有意に増加した(ELISAキット、Cell Signaling Tech、未処理と比較して*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001)。この現象は、PD-1/PD-L1相互作用を遮断する市販のAb-1(RMP1-14)およびAb-2(J43)による処理がpS6増加をもたらさないため、PD-1/PD-L1遮断よりもむしろ直接的活性化によるものである。
【0304】
実施例8:インビボ有効性評価
材料および方法:
図13Aは、この実験で使用されるTC-1腫瘍モデルの概略図である。簡単に述べると、0日目に、TC-1腫瘍細胞をマウスに皮下注射した。腫瘍注射後10日目(D10)、17日目(D17)、および24日目(D24)に、マウスをワクチン(E7+PADRE+Quil A)で処理した。10日目、14日目、17日目、21日目、24日目、および28日目に、マウスを抗PD-1抗体で処理した。
【0305】
結果:
抗PD-1抗体4G9、4C12、および5C2は、E7ワクチンと組み合わされたときに腫瘍体積を低減し、生存率を高めた(
図13B~13D)。
【0306】
実施例9:インビボ有効性評価-抗EpE抗体
材料および方法:
エピトープEに対する抗体を生成し、上の実施例8および
図14Aに記載のTC-1腫瘍モデルで試験した。
【0307】
結果:
エピトープEに対して生成された抗体、4G9で処理されたマウスは、伝統的なチェックポイント阻害剤、抗PD1遮断抗体RMP1-14およびJ43と比較して、有意により低い腫瘍体積およびより高い生存率を示した(
図14B~14C)。
【0308】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Augusta University Research Institute, Inc.
<120> Antibodies to Programmed Cell Death Protein 1
<150> US 62/555,156
<151> 2017-09-07
<150> US 62/624,843
<151> 2018-02-01
<150> US 62/657,323
<151> 2018-04-13
<160> 38
<170> PatentIn version 3.5
<210> 1
<211> 288
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<400> 1
Met Gln Ile Pro Gln Ala Pro Trp Pro Val Val Trp Ala Val Leu Gln
1 5 10 15
Leu Gly Trp Arg Pro Gly Trp Phe Leu Asp Ser Pro Asp Arg Pro Trp
20 25 30
Asn Pro Pro Thr Phe Ser Pro Ala Leu Leu Val Val Thr Glu Gly Asp
35 40 45
Asn Ala Thr Phe Thr Cys Ser Phe Ser Asn Thr Ser Glu Ser Phe Val
50 55 60
Leu Asn Trp Tyr Arg Met Ser Pro Ser Asn Gln Thr Asp Lys Leu Ala
65 70 75 80
Ala Phe Pro Glu Asp Arg Ser Gln Pro Gly Gln Asp Cys Arg Phe Arg
85 90 95
Val Thr Gln Leu Pro Asn Gly Arg Asp Phe His Met Ser Val Val Arg
100 105 110
Ala Arg Arg Asn Asp Ser Gly Thr Tyr Leu Cys Gly Ala Ile Ser Leu
115 120 125
Ala Pro Lys Ala Gln Ile Lys Glu Ser Leu Arg Ala Glu Leu Arg Val
130 135 140
Thr Glu Arg Arg Ala Glu Val Pro Thr Ala His Pro Ser Pro Ser Pro
145 150 155 160
Arg Pro Ala Gly Gln Phe Gln Thr Leu Val Val Gly Val Val Gly Gly
165 170 175
Leu Leu Gly Ser Leu Val Leu Leu Val Trp Val Leu Ala Val Ile Cys
180 185 190
Ser Arg Ala Ala Arg Gly Thr Ile Gly Ala Arg Arg Thr Gly Gln Pro
195 200 205
Leu Lys Glu Asp Pro Ser Ala Val Pro Val Phe Ser Val Asp Tyr Gly
210 215 220
Glu Leu Asp Phe Gln Trp Arg Glu Lys Thr Pro Glu Pro Pro Val Pro
225 230 235 240
Cys Val Pro Glu Gln Thr Glu Tyr Ala Thr Ile Val Phe Pro Ser Gly
245 250 255
Met Gly Thr Ser Ser Pro Ala Arg Arg Gly Ser Ala Asp Gly Pro Arg
260 265 270
Ser Ala Gln Pro Leu Arg Pro Glu Asp Gly His Cys Ser Trp Pro Leu
275 280 285
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<211> 288
<212> PRT
<213> Mus musculus
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Met Trp Val Arg Gln Val Pro Trp Ser Phe Thr Trp Ala Val Leu Gln
1 5 10 15
Leu Ser Trp Gln Ser Gly Trp Leu Leu Glu Val Pro Asn Gly Pro Trp
20 25 30
Arg Ser Leu Thr Phe Tyr Pro Ala Trp Leu Thr Val Ser Glu Gly Ala
35 40 45
Asn Ala Thr Phe Thr Cys Ser Leu Ser Asn Trp Ser Glu Asp Leu Met
50 55 60
Leu Asn Trp Asn Arg Leu Ser Pro Ser Asn Gln Thr Glu Lys Gln Ala
65 70 75 80
Ala Phe Cys Asn Gly Leu Ser Gln Pro Val Gln Asp Ala Arg Phe Gln
85 90 95
Ile Ile Gln Leu Pro Asn Arg His Asp Phe His Met Asn Ile Leu Asp
100 105 110
Thr Arg Arg Asn Asp Ser Gly Ile Tyr Leu Cys Gly Ala Ile Ser Leu
115 120 125
His Pro Lys Ala Lys Ile Glu Glu Ser Pro Gly Ala Glu Leu Val Val
130 135 140
Thr Glu Arg Ile Leu Glu Thr Ser Thr Arg Tyr Pro Ser Pro Ser Pro
145 150 155 160
Lys Pro Glu Gly Arg Phe Gln Gly Met Val Ile Gly Ile Met Ser Ala
165 170 175
Leu Val Gly Ile Pro Val Leu Leu Leu Leu Ala Trp Ala Leu Ala Val
180 185 190
Phe Cys Ser Thr Ser Met Ser Glu Ala Arg Gly Ala Gly Ser Lys Asp
195 200 205
Asp Thr Leu Lys Glu Glu Pro Ser Ala Ala Pro Val Pro Ser Val Ala
210 215 220
Tyr Glu Glu Leu Asp Phe Gln Gly Arg Glu Lys Thr Pro Glu Leu Pro
225 230 235 240
Thr Ala Cys Val His Thr Glu Tyr Ala Thr Ile Val Phe Thr Glu Gly
245 250 255
Leu Gly Ala Ser Ala Met Gly Arg Arg Gly Ser Ala Asp Gly Leu Gln
260 265 270
Gly Pro Arg Pro Pro Arg His Glu Asp Gly His Cys Ser Trp Pro Leu
275 280 285
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 3
atgagatgga gctgtatcat cctcttcttg gtagcaacag ctacaggtgt ccactcccag 60
gtccaactgc agcagcctgg ggctgaactg gtgaagcctg gggcttcagt gaaggtgtcc 120
tgcaaggctt ctggctacac cttcaccagc tactggatgc actgggtgaa gcagaggcct 180
ggccaaggcc ttgagtggat tggaaggatt catccttctg atagtgatac taactacaat 240
caaaagttca agggcaaggc cacattgact gtagacaaat cctccagcac agcctacatg 300
cagctcagca gcctgacatc tgaggactct gcggtctatt actgtgcacc ctatggtaac 360
tacgcctccg ggtttgctta ctggggccaa gggactctgg tcactgtctc tgcagccaaa 420
acgacacccc catctgtcta tccactggcc cctggatctg ctgcccaaac taactccatg 480
gtgaccctgg gatgcctggt caagggctat ttccctgagc cagtgacagt gacctggaac 540
tctggatccc tgtccagcgg tgtgcacacc ttcccagctg tcctgcagtc tgacctctac 600
actctgagca gctcagtgac tgtcccctcc agcacctggc ccagccagac cgtcacctgc 660
aacgttgccc acccggccag cagcaccaag gtggacaaga aaattgtgcc cagggattgt 720
ggttgtaagc cttgcatatg tacagtccca gaagtatcat ctgtcttcat cttcccccca 780
aagcccaagg atgtgctcac cattactctg actcctaagg tcacgtgtgt tgtggtagac 840
atcagcaagg atgatcccga ggtccagttc agctggtttg tagatgatgt ggaggtgcac 900
acagctcaga cgaaaccccg ggaggagcag atcaacagca ctttccgttc agtcagtgaa 960
cttcccatca tgcaccagga ctggctcaat ggcaaggagt tcaaatgcag ggtcaacagt 1020
gcagctttcc ctgcccccat cgagaaaacc atctccaaaa ccaaaggcag accgaaggct 1080
ccacaggtgt acaccattcc acctcccaag gagcagatgg ccaaggataa agtcagtctg 1140
acctgcatga taacaaactt cttccctgaa gacattactg tggagtggca gtggaatggg 1200
cagccagcgg agaactacaa gaacactcag cccatcatgg acacagatgg ctcttacttc 1260
gtctacagca agctcaatgt gcagaagagc aactgggagg caggaaatac tttcacctgc 1320
tctgtgttac atgagggcct gcacaaccac catactgaga agagcctctc ccactctcct 1380
ggtaaatga 1389
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<211> 462
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 4
Met Arg Trp Ser Cys Ile Ile Leu Phe Leu Val Ala Thr Ala Thr Gly
1 5 10 15
Val His Ser Gln Val Gln Leu Gln Gln Pro Gly Ala Glu Leu Val Lys
20 25 30
Pro Gly Ala Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe
35 40 45
Thr Ser Tyr Trp Met His Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu
50 55 60
Glu Trp Ile Gly Arg Ile His Pro Ser Asp Ser Asp Thr Asn Tyr Asn
65 70 75 80
Gln Lys Phe Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Val Asp Lys Ser Ser Ser
85 90 95
Thr Ala Tyr Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val
100 105 110
Tyr Tyr Cys Ala Pro Tyr Gly Asn Tyr Ala Ser Gly Phe Ala Tyr Trp
115 120 125
Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ala Ala Lys Thr Thr Pro Pro
130 135 140
Ser Val Tyr Pro Leu Ala Pro Gly Ser Ala Ala Gln Thr Asn Ser Met
145 150 155 160
Val Thr Leu Gly Cys Leu Val Lys Gly Tyr Phe Pro Glu Pro Val Thr
165 170 175
Val Thr Trp Asn Ser Gly Ser Leu Ser Ser Gly Val His Thr Phe Pro
180 185 190
Ala Val Leu Gln Ser Asp Leu Tyr Thr Leu Ser Ser Ser Val Thr Val
195 200 205
Pro Ser Ser Thr Trp Pro Ser Gln Thr Val Thr Cys Asn Val Ala His
210 215 220
Pro Ala Ser Ser Thr Lys Val Asp Lys Lys Ile Val Pro Arg Asp Cys
225 230 235 240
Gly Cys Lys Pro Cys Ile Cys Thr Val Pro Glu Val Ser Ser Val Phe
245 250 255
Ile Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Val Leu Thr Ile Thr Leu Thr Pro
260 265 270
Lys Val Thr Cys Val Val Val Asp Ile Ser Lys Asp Asp Pro Glu Val
275 280 285
Gln Phe Ser Trp Phe Val Asp Asp Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr
290 295 300
Lys Pro Arg Glu Glu Gln Ile Asn Ser Thr Phe Arg Ser Val Ser Glu
305 310 315 320
Leu Pro Ile Met His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Phe Lys Cys
325 330 335
Arg Val Asn Ser Ala Ala Phe Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser
340 345 350
Lys Thr Lys Gly Arg Pro Lys Ala Pro Gln Val Tyr Thr Ile Pro Pro
355 360 365
Pro Lys Glu Gln Met Ala Lys Asp Lys Val Ser Leu Thr Cys Met Ile
370 375 380
Thr Asn Phe Phe Pro Glu Asp Ile Thr Val Glu Trp Gln Trp Asn Gly
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Glu Ala Gly Asn Thr Phe Thr Cys Ser Val Leu His Glu Gly Leu His
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Asn His His Thr Glu Lys Ser Leu Ser His Ser Pro Gly Lys
450 455 460
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<223> Synthetic
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Gln Val Gln Leu Gln Gln Pro Gly Ala Glu Leu Val Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr
20 25 30
Trp Met His Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Arg Ile His Pro Ser Asp Ser Asp Thr Asn Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Val Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Pro Tyr Gly Asn Tyr Ala Ser Gly Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly
100 105 110
Thr Leu Val Thr Val Ser Ala Ala Lys Thr Thr Pro Pro Ser Val Tyr
115 120 125
Pro Leu Ala Pro Gly Ser Ala Ala Gln Thr Asn Ser Met Val Thr Leu
130 135 140
Gly Cys Leu Val Lys Gly Tyr Phe Pro Glu Pro Val Thr Val Thr Trp
145 150 155 160
Asn Ser Gly Ser Leu Ser Ser Gly Val His Thr Phe Pro Ala Val Leu
165 170 175
Gln Ser Asp Leu Tyr Thr Leu Ser Ser Ser Val Thr Val Pro Ser Ser
180 185 190
Thr Trp Pro Ser Gln Thr Val Thr Cys Asn Val Ala His Pro Ala Ser
195 200 205
Ser Thr Lys Val Asp Lys Lys Ile Val Pro Arg Asp Cys Gly Cys Lys
210 215 220
Pro Cys Ile Cys Thr Val Pro Glu Val Ser Ser Val Phe Ile Phe Pro
225 230 235 240
Pro Lys Pro Lys Asp Val Leu Thr Ile Thr Leu Thr Pro Lys Val Thr
245 250 255
Cys Val Val Val Asp Ile Ser Lys Asp Asp Pro Glu Val Gln Phe Ser
260 265 270
Trp Phe Val Asp Asp Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr Lys Pro Arg
275 280 285
Glu Glu Gln Ile Asn Ser Thr Phe Arg Ser Val Ser Glu Leu Pro Ile
290 295 300
Met His Gln Asp Trp Leu Asn Gly Lys Glu Phe Lys Cys Arg Val Asn
305 310 315 320
Ser Ala Ala Phe Pro Ala Pro Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Thr Lys
325 330 335
Gly Arg Pro Lys Ala Pro Gln Val Tyr Thr Ile Pro Pro Pro Lys Glu
340 345 350
Gln Met Ala Lys Asp Lys Val Ser Leu Thr Cys Met Ile Thr Asn Phe
355 360 365
Phe Pro Glu Asp Ile Thr Val Glu Trp Gln Trp Asn Gly Gln Pro Ala
370 375 380
Glu Asn Tyr Lys Asn Thr Gln Pro Ile Met Asp Thr Asp Gly Ser Tyr
385 390 395 400
Phe Val Tyr Ser Lys Leu Asn Val Gln Lys Ser Asn Trp Glu Ala Gly
405 410 415
Asn Thr Phe Thr Cys Ser Val Leu His Glu Gly Leu His Asn His His
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<212> PRT
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<223> Synthetic
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Arg Ile His Pro Ser Asp Ser Asp Thr Asn Tyr Asn Gln Lys Phe Lys
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Gly
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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Tyr Gly Asn Tyr Ala Ser Gly Phe Ala Tyr
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
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<223> Synthetic
<400> 9
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ggtgttgacg gagacattgt gatgacccag tctcacaaat tcatgtccac atcagtagga 120
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ggagtccctg atcgcttcac aggcagtgga tctgggacag attatactct caccatcagc 300
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acgttcggtg gaggcaccaa gctggaaatc aaacgggctg atgctgcacc aactgtatcc 420
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aatggcgtcc tgaacagttg gactgatcag gacagcaaag acagcaccta cagcatgagc 600
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actcacaaga catcaacttc acccattgtc aagagcttca acaggaatga gtgttag 717
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> synthetic
<400> 10
Met Gly Ile Lys Met Glu Ser Gln Ile Gln Ala Phe Val Phe Val Phe
1 5 10 15
Leu Trp Leu Ser Gly Val Asp Gly Asp Ile Val Met Thr Gln Ser His
20 25 30
Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly Asp Arg Val Ser Ile Thr Cys Lys
35 40 45
Ala Ser Gln Asp Val Ser Thr Ala Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro
50 55 60
Gly Gln Ser Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Trp Ala Ser Thr Arg His Thr
65 70 75 80
Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Thr
85 90 95
Leu Thr Ile Ser Ser Val Gln Ala Glu Asp Leu Ala Leu Tyr Tyr Cys
100 105 110
Gln Gln His Tyr Ser Thr Pro Trp Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu
115 120 125
Glu Ile Lys Arg Ala Asp Ala Ala Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro
130 135 140
Ser Ser Glu Gln Leu Thr Ser Gly Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu
145 150 155 160
Asn Asn Phe Tyr Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly
165 170 175
Ser Glu Arg Gln Asn Gly Val Leu Asn Ser Trp Thr Asp Gln Asp Ser
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Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Met Ser Ser Thr Leu Thr Leu Thr Lys Asp
195 200 205
Glu Tyr Glu Arg His Asn Ser Tyr Thr Cys Glu Ala Thr His Lys Thr
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Ser Thr Ser Pro Ile Val Lys Ser Phe Asn Arg Asn Glu Cys
225 230 235
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 11
Asp Ile Val Met Thr Gln Ser His Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Ser Ile Thr Cys Lys Ala Ser Gln Asp Val Ser Thr Ala
20 25 30
Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Trp Ala Ser Thr Arg His Thr Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Thr Leu Thr Ile Ser Ser Val Gln Ala
65 70 75 80
Glu Asp Leu Ala Leu Tyr Tyr Cys Gln Gln His Tyr Ser Thr Pro Trp
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg Ala Asp Ala Ala
100 105 110
Pro Thr Val Ser Ile Phe Pro Pro Ser Ser Glu Gln Leu Thr Ser Gly
115 120 125
Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Lys Asp Ile
130 135 140
Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg Gln Asn Gly Val Leu
145 150 155 160
Asn Ser Trp Thr Asp Gln Asp Ser Lys Asp Ser Thr Tyr Ser Met Ser
165 170 175
Ser Thr Leu Thr Leu Thr Lys Asp Glu Tyr Glu Arg His Asn Ser Tyr
180 185 190
Thr Cys Glu Ala Thr His Lys Thr Ser Thr Ser Pro Ile Val Lys Ser
195 200 205
Phe Asn Arg Asn Glu Cys
210
<210> 12
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 12
Lys Ala Ser Gln Asp Val Ser Thr Ala Val Ala
1 5 10
<210> 13
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 13
Trp Ala Ser Thr Arg His Thr
1 5
<210> 14
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 14
Gln Gln His Tyr Ser Thr Pro Trp Thr
1 5
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<211> 1773
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 15
atggaatgga gcagagtctt tatctttctc ctatcagtaa ctgcaggtgt tcactcccag 60
gtccagctgc agcagtctgg agctgagctg gtaaggcctg ggacttcagt gaaggtgtcc 120
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ccaaatgtct tccccctcgt ctcctgcgag agccccctgt ctgataagaa tctggtggcc 480
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aacaacactg aagtcatcca gggtatcaga accttcccaa cactgaggac agggggcaag 600
tacctagcca cctcgcaggt gttgctgtct cccaagagca tccttgaagg ttcagatgaa 660
tacctggtat gcaaaatcca ctacggaggc aaaaacaaag atctgcatgt gcccattcca 720
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ggccctgcac cacgcaagtc taaactcatc tgcgaggcca cgaacttcac tccaaaaccg 840
atcacagtat cctggctaaa ggatgggaag ctcgtggaat ctggcttcac cacagatccg 900
gtgaccatcg agaacaaagg atccacaccc caaacctaca aggtcataag cacacttacc 960
atctctgaaa tcgactggct gaacctgaat gtgtacacct gccgtgtgga tcacaggggt 1020
ctcaccttct tgaagaacgt gtcctccaca tgtgctgcca gtccctccac agacatccta 1080
accttcacca tccccccctc ctttgccgac atcttcctca gcaagtccgc taacctgacc 1140
tgtctggtct caaacctggc aacctatgaa accctgaata tctcctgggc ttctcaaagt 1200
ggtgaaccac tggaaaccaa aattaaaatc atggaaagcc atcccaatgg caccttcagt 1260
gctaagggtg tggctagtgt ttgtgtggaa gactggaata acaggaagga atttgtgtgt 1320
actgtgactc acagggatct gccttcacca cagaagaaat tcatctcaaa acccaatgag 1380
gtgcacaaac atccacctgc tgtgtacctg ctgccaccag ctcgtgagca actgaacctg 1440
agggagtcag ccacagtcac ctgcctggtg aagggcttct ctcctgcaga catcagtgtg 1500
cagtggcttc agagagggca actcttgccc caagagaagt atgtgaccag tgccccgatg 1560
ccagagcctg gggccccagg cttctacttt acccacagca tcctgactgt gacagaggag 1620
gaatggaact ccggagagac ctatacctgt gttgtaggcc acgaggccct gccacacctg 1680
gtgaccgaga ggaccgtgga caagtccact ggtaaaccca cactgtacaa tgtctccctg 1740
atcatgtctg acacaggcgg cacctgctat tga 1773
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<211> 590
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 16
Met Glu Trp Ser Arg Val Phe Ile Phe Leu Leu Ser Val Thr Ala Gly
1 5 10 15
Val His Ser Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg
20 25 30
Pro Gly Thr Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe
35 40 45
Thr Asn Tyr Leu Ile Glu Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu
50 55 60
Glu Trp Ile Gly Val Ile Asn Pro Gly Ser Gly Gly Thr Asn Tyr Asn
65 70 75 80
Glu Lys Phe Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser
85 90 95
Thr Ala Tyr Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val
100 105 110
Tyr Phe Cys Ala Arg Ser Ala Gln Ala Pro Asp Tyr Trp Gly Gln Gly
115 120 125
Thr Thr Leu Thr Val Ser Ser Glu Ser Gln Ser Phe Pro Asn Val Phe
130 135 140
Pro Leu Val Ser Cys Glu Ser Pro Leu Ser Asp Lys Asn Leu Val Ala
145 150 155 160
Met Gly Cys Leu Ala Arg Asp Phe Leu Pro Ser Thr Ile Ser Phe Thr
165 170 175
Trp Asn Tyr Gln Asn Asn Thr Glu Val Ile Gln Gly Ile Arg Thr Phe
180 185 190
Pro Thr Leu Arg Thr Gly Gly Lys Tyr Leu Ala Thr Ser Gln Val Leu
195 200 205
Leu Ser Pro Lys Ser Ile Leu Glu Gly Ser Asp Glu Tyr Leu Val Cys
210 215 220
Lys Ile His Tyr Gly Gly Lys Asn Lys Asp Leu His Val Pro Ile Pro
225 230 235 240
Ala Val Ala Glu Met Asn Pro Asn Val Asn Val Phe Val Pro Pro Arg
245 250 255
Asp Gly Phe Ser Gly Pro Ala Pro Arg Lys Ser Lys Leu Ile Cys Glu
260 265 270
Ala Thr Asn Phe Thr Pro Lys Pro Ile Thr Val Ser Trp Leu Lys Asp
275 280 285
Gly Lys Leu Val Glu Ser Gly Phe Thr Thr Asp Pro Val Thr Ile Glu
290 295 300
Asn Lys Gly Ser Thr Pro Gln Thr Tyr Lys Val Ile Ser Thr Leu Thr
305 310 315 320
Ile Ser Glu Ile Asp Trp Leu Asn Leu Asn Val Tyr Thr Cys Arg Val
325 330 335
Asp His Arg Gly Leu Thr Phe Leu Lys Asn Val Ser Ser Thr Cys Ala
340 345 350
Ala Ser Pro Ser Thr Asp Ile Leu Thr Phe Thr Ile Pro Pro Ser Phe
355 360 365
Ala Asp Ile Phe Leu Ser Lys Ser Ala Asn Leu Thr Cys Leu Val Ser
370 375 380
Asn Leu Ala Thr Tyr Glu Thr Leu Asn Ile Ser Trp Ala Ser Gln Ser
385 390 395 400
Gly Glu Pro Leu Glu Thr Lys Ile Lys Ile Met Glu Ser His Pro Asn
405 410 415
Gly Thr Phe Ser Ala Lys Gly Val Ala Ser Val Cys Val Glu Asp Trp
420 425 430
Asn Asn Arg Lys Glu Phe Val Cys Thr Val Thr His Arg Asp Leu Pro
435 440 445
Ser Pro Gln Lys Lys Phe Ile Ser Lys Pro Asn Glu Val His Lys His
450 455 460
Pro Pro Ala Val Tyr Leu Leu Pro Pro Ala Arg Glu Gln Leu Asn Leu
465 470 475 480
Arg Glu Ser Ala Thr Val Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Ser Pro Ala
485 490 495
Asp Ile Ser Val Gln Trp Leu Gln Arg Gly Gln Leu Leu Pro Gln Glu
500 505 510
Lys Tyr Val Thr Ser Ala Pro Met Pro Glu Pro Gly Ala Pro Gly Phe
515 520 525
Tyr Phe Thr His Ser Ile Leu Thr Val Thr Glu Glu Glu Trp Asn Ser
530 535 540
Gly Glu Thr Tyr Thr Cys Val Val Gly His Glu Ala Leu Pro His Leu
545 550 555 560
Val Thr Glu Arg Thr Val Asp Lys Ser Thr Gly Lys Pro Thr Leu Tyr
565 570 575
Asn Val Ser Leu Ile Met Ser Asp Thr Gly Gly Thr Cys Tyr
580 585 590
<210> 17
<211> 571
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 17
Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Thr
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Thr Asn Tyr
20 25 30
Leu Ile Glu Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Val Ile Asn Pro Gly Ser Gly Gly Thr Asn Tyr Asn Glu Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Ser Ala Gln Ala Pro Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Thr Leu
100 105 110
Thr Val Ser Ser Glu Ser Gln Ser Phe Pro Asn Val Phe Pro Leu Val
115 120 125
Ser Cys Glu Ser Pro Leu Ser Asp Lys Asn Leu Val Ala Met Gly Cys
130 135 140
Leu Ala Arg Asp Phe Leu Pro Ser Thr Ile Ser Phe Thr Trp Asn Tyr
145 150 155 160
Gln Asn Asn Thr Glu Val Ile Gln Gly Ile Arg Thr Phe Pro Thr Leu
165 170 175
Arg Thr Gly Gly Lys Tyr Leu Ala Thr Ser Gln Val Leu Leu Ser Pro
180 185 190
Lys Ser Ile Leu Glu Gly Ser Asp Glu Tyr Leu Val Cys Lys Ile His
195 200 205
Tyr Gly Gly Lys Asn Lys Asp Leu His Val Pro Ile Pro Ala Val Ala
210 215 220
Glu Met Asn Pro Asn Val Asn Val Phe Val Pro Pro Arg Asp Gly Phe
225 230 235 240
Ser Gly Pro Ala Pro Arg Lys Ser Lys Leu Ile Cys Glu Ala Thr Asn
245 250 255
Phe Thr Pro Lys Pro Ile Thr Val Ser Trp Leu Lys Asp Gly Lys Leu
260 265 270
Val Glu Ser Gly Phe Thr Thr Asp Pro Val Thr Ile Glu Asn Lys Gly
275 280 285
Ser Thr Pro Gln Thr Tyr Lys Val Ile Ser Thr Leu Thr Ile Ser Glu
290 295 300
Ile Asp Trp Leu Asn Leu Asn Val Tyr Thr Cys Arg Val Asp His Arg
305 310 315 320
Gly Leu Thr Phe Leu Lys Asn Val Ser Ser Thr Cys Ala Ala Ser Pro
325 330 335
Ser Thr Asp Ile Leu Thr Phe Thr Ile Pro Pro Ser Phe Ala Asp Ile
340 345 350
Phe Leu Ser Lys Ser Ala Asn Leu Thr Cys Leu Val Ser Asn Leu Ala
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370 375 380
Leu Glu Thr Lys Ile Lys Ile Met Glu Ser His Pro Asn Gly Thr Phe
385 390 395 400
Ser Ala Lys Gly Val Ala Ser Val Cys Val Glu Asp Trp Asn Asn Arg
405 410 415
Lys Glu Phe Val Cys Thr Val Thr His Arg Asp Leu Pro Ser Pro Gln
420 425 430
Lys Lys Phe Ile Ser Lys Pro Asn Glu Val His Lys His Pro Pro Ala
435 440 445
Val Tyr Leu Leu Pro Pro Ala Arg Glu Gln Leu Asn Leu Arg Glu Ser
450 455 460
Ala Thr Val Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Ser Pro Ala Asp Ile Ser
465 470 475 480
Val Gln Trp Leu Gln Arg Gly Gln Leu Leu Pro Gln Glu Lys Tyr Val
485 490 495
Thr Ser Ala Pro Met Pro Glu Pro Gly Ala Pro Gly Phe Tyr Phe Thr
500 505 510
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515 520 525
Tyr Thr Cys Val Val Gly His Glu Ala Leu Pro His Leu Val Thr Glu
530 535 540
Arg Thr Val Asp Lys Ser Thr Gly Lys Pro Thr Leu Tyr Asn Val Ser
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Leu Ile Met Ser Asp Thr Gly Gly Thr Cys Tyr
565 570
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<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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Asn Tyr Leu Ile Glu
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<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 19
Val Ile Asn Pro Gly Ser Gly Gly Thr Asn Tyr Asn Glu Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly
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<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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Ser Ala Gln Ala Pro Asp Tyr
1 5
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<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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ggtgttgaag gagacattgt gatgacccag tctcacaaat tcatgtccac atcagtagga 120
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caacagaaac cagggcaatc tcctaaacta ctgatttact gggcatccac ccggcacact 240
ggagtccctg atcgcttcac aggcagtgga tctgggacag atttcactct caccattagc 300
aatgtgcagt ctgaagactt ggcagattat ttctgtcagc aatatagcag ctatccattc 360
acgttcggct cggggacaaa gttggaaata aaacgggctg atgctgcacc aactgtatcc 420
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actcacaaga catcaacttc acccattgtc aagagcttca acaggaatga gtgttag 717
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 22
Met Gly Ile Lys Met Glu Thr His Ser Gln Val Phe Val Tyr Met Leu
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Leu Trp Leu Ser Gly Val Glu Gly Asp Ile Val Met Thr Gln Ser His
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Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr
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Ser Thr Ser Pro Ile Val Lys Ser Phe Asn Arg Asn Glu Cys
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<223> Synthetic
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Asp Arg Val Ser Ile Thr Cys Lys Ala Ser Gln Asp Val Ser Thr Ala
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Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Thr Leu Thr Ile Ser Ser Val Gln Ala
65 70 75 80
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gatgacttca agggacggtt tgccttctct ttggaaacct ctgccagcac tgcctatttg 300
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ccatcagtct atccactggc ccctgggtgt ggagatacaa ctggttcctc tgtgactctg 480
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cacccagcca gcagcaccac ggtggacaaa aaacttgagc ccagcgggcc catttcaaca 720
atcaacccct gtcctccatg caaggagtgt cacaaatgcc cagctcctaa cctcgagggt 780
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cccaaggtca cgtgtgtggt ggtggatgtg agcgaggatg acccagacgt ccggatcagc 900
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aacagtacta tccgggtggt cagtgccctc cccatccagc accaggactg gatgagtggc 1020
aaggagttca aatgcaaggt caacaacaaa gacctcccat cacccatcga gagaaccatc 1080
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cagttgtcca ggaaagatgt cagtctcact tgcctggtcg tgggcttcaa ccctggagac 1200
atcagtgtgg agtggaccag caatgggcat acagaggaga actacaagga caccgcacca 1260
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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Thr Ala Tyr Leu Gln Ile Asn Asn Leu Lys Asn Glu Asp Thr Ala Thr
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Tyr Phe Cys Ala Arg Gly Gly Arg Gly Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly
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Thr Leu Val Thr Val Ser Ala Ala Lys Thr Thr Pro Pro Ser Val Tyr
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Pro Leu Ala Pro Gly Cys Gly Asp Thr Thr Gly Ser Ser Val Thr Leu
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Gly Cys Leu Val Lys Gly Tyr Phe Pro Glu Ser Val Thr Val Thr Trp
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Asn Ser Gly Ser Leu Ser Ser Ser Val His Thr Phe Pro Ala Leu Leu
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Gln Ser Gly Leu Tyr Thr Met Ser Ser Ser Val Thr Val Pro Ser Ser
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Thr Trp Pro Ser Gln Thr Val Thr Cys Ser Val Ala His Pro Ala Ser
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Ser Thr Thr Val Asp Lys Lys Leu Glu Pro Ser Gly Pro Ile Ser Thr
225 230 235 240
Ile Asn Pro Cys Pro Pro Cys Lys Glu Cys His Lys Cys Pro Ala Pro
245 250 255
Asn Leu Glu Gly Gly Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Asn Ile Lys
260 265 270
Asp Val Leu Met Ile Ser Leu Thr Pro Lys Val Thr Cys Val Val Val
275 280 285
Asp Val Ser Glu Asp Asp Pro Asp Val Arg Ile Ser Trp Phe Val Asn
290 295 300
Asn Val Glu Val His Thr Ala Gln Thr Gln Thr His Arg Glu Asp Tyr
305 310 315 320
Asn Ser Thr Ile Arg Val Val Ser Ala Leu Pro Ile Gln His Gln Asp
325 330 335
Trp Met Ser Gly Lys Glu Phe Lys Cys Lys Val Asn Asn Lys Asp Leu
340 345 350
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370 375 380
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Ile Ser Val Glu Trp Thr Ser Asn Gly His Thr Glu Glu Asn Tyr Lys
405 410 415
Asp Thr Ala Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Tyr Phe Ile Tyr Ser
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Lys Leu Asp Ile Lys Thr Ser Lys Trp Glu Lys Thr Asp Ser Phe Ser
435 440 445
Cys Asn Val Arg His Glu Gly Leu Lys Asn Tyr Tyr Leu Lys Lys Thr
450 455 460
Ile Ser Arg Ser Pro Gly Lys
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 28
Gln Ile Gln Leu Val Gln Ser Gly Pro Glu Leu Lys Lys Pro Gly Glu
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Thr Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Thr Tyr
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Gly Met Thr Trp Val Lys Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Lys Trp Met
35 40 45
Gly Trp Ile Asn Thr Tyr Ser Gly Val Pro Thr Tyr Ala Asp Asp Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Phe Ala Phe Ser Leu Glu Thr Ser Ala Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Ile Asn Asn Leu Lys Asn Glu Asp Thr Ala Thr Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Gly Gly Arg Gly Phe Ala Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val
100 105 110
Thr Val Ser Ala Ala Lys Thr Thr Pro Pro Ser Val Tyr Pro Leu Ala
115 120 125
Pro Gly Cys Gly Asp Thr Thr Gly Ser Ser Val Thr Leu Gly Cys Leu
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Val Lys Gly Tyr Phe Pro Glu Ser Val Thr Val Thr Trp Asn Ser Gly
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Ser Leu Ser Ser Ser Val His Thr Phe Pro Ala Leu Leu Gln Ser Gly
165 170 175
Leu Tyr Thr Met Ser Ser Ser Val Thr Val Pro Ser Ser Thr Trp Pro
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Gly Gly Pro Ser Val Phe Ile Phe Pro Pro Asn Ile Lys Asp Val Leu
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Met Ile Ser Leu Thr Pro Lys Val Thr Cys Val Val Val Asp Val Ser
260 265 270
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275 280 285
Val His Thr Ala Gln Thr Gln Thr His Arg Glu Asp Tyr Asn Ser Thr
290 295 300
Ile Arg Val Val Ser Ala Leu Pro Ile Gln His Gln Asp Trp Met Ser
305 310 315 320
Gly Lys Glu Phe Lys Cys Lys Val Asn Asn Lys Asp Leu Pro Ser Pro
325 330 335
Ile Glu Arg Thr Ile Ser Lys Ile Lys Gly Leu Val Arg Ala Pro Gln
340 345 350
Val Tyr Ile Leu Pro Pro Pro Ala Glu Gln Leu Ser Arg Lys Asp Val
355 360 365
Ser Leu Thr Cys Leu Val Val Gly Phe Asn Pro Gly Asp Ile Ser Val
370 375 380
Glu Trp Thr Ser Asn Gly His Thr Glu Glu Asn Tyr Lys Asp Thr Ala
385 390 395 400
Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Tyr Phe Ile Tyr Ser Lys Leu Asp
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Ile Lys Thr Ser Lys Trp Glu Lys Thr Asp Ser Phe Ser Cys Asn Val
420 425 430
Arg His Glu Gly Leu Lys Asn Tyr Tyr Leu Lys Lys Thr Ile Ser Arg
435 440 445
Ser Pro Gly Lys
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<223> Synthetic
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Trp Ile Asn Thr Tyr Ser Gly Val Pro Thr Tyr Ala Asp Asp Phe Lys
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Gly
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
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Gly Gly Arg Gly Phe Ala Tyr
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<223> Synthetic
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tcaacttcac ccattgtcaa gagcttcaac aggaatgagt gttag 705
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<211> 234
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 33
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Ala Ser Arg Gly Asp Ile Leu Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ile Leu Ser
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Pro Lys Asp Ile Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg Gln
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Asp Ile Leu Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ile Leu Ser Val Ser Pro Gly
1 5 10 15
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20 25 30
Ile His Trp Tyr Gln Gln Arg Thr Asn Gly Ser Pro Arg Leu Leu Ile
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50 55 60
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100 105 110
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Gly Ala Ser Val Val Cys Phe Leu Asn Asn Phe Tyr Pro Lys Asp Ile
130 135 140
Asn Val Lys Trp Lys Ile Asp Gly Ser Glu Arg Gln Asn Gly Val Leu
145 150 155 160
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Arg Ala Ser Gln Ser Ile Gly Thr Ser Ile His
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<210> 38
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Synthetic
<400> 38
Thr Tyr Leu Cys Gly Ala Ile Ser Leu Ala Pro Lys Ala Gln Ile
1 5 10 15