IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電気機器 図1
  • 特開-電気機器 図2
  • 特開-電気機器 図3
  • 特開-電気機器 図4
  • 特開-電気機器 図5
  • 特開-電気機器 図6
  • 特開-電気機器 図7
  • 特開-電気機器 図8
  • 特開-電気機器 図9
  • 特開-電気機器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123887
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20230830BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20230830BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20230830BHJP
   B29C 45/14 20060101ALN20230830BHJP
【FI】
H05K5/02 Z
G01B11/24 F
G01N21/84 Z
B29C45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020125794
(22)【出願日】2020-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】青野 英明
(72)【発明者】
【氏名】入山 明浩
(72)【発明者】
【氏名】大門 健三
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
4E360
4F206
【Fターム(参考)】
2F065AA02
2F065AA06
2F065AA16
2F065AA20
2F065AA22
2F065AA25
2F065FF22
2F065JJ12
2F065RR08
2F065TT02
2G051AA90
2G051AB02
2G051AB05
2G051AC22
2G051CA11
4E360AB16
4E360EC05
4E360ED27
4E360EE02
4E360GB46
4E360GC08
4F206AD03
4F206AH33
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB17
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定できる。
【解決手段】第1の部材(10)と、当該第1の部材に対して接合時に流動的な状態で接合された第2の部材(20)とを有する電気機器(1)であって、前記第1の部材は、前記第1の部材を所定の方向から見たときに、前記所定の方向に沿った前記第1の部材の形状、及び前記所定の方向に沿った前記第1の部材と前記第2の部材との接合のされ方の少なくとも何れかが、接合箇所における前記第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造を有している
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、当該第1の部材に対して接合時に流動的な状態で接合された第2の部材とを有する電気機器であって、
前記第1の部材は、
前記第1の部材を所定の方向から見たときに、
前記所定の方向に沿った前記第1の部材の形状、及び
前記所定の方向に沿った前記第1の部材と前記第2の部材との接合のされ方
の少なくとも何れかが、接合箇所における前記第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造を有している
ことを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記第1の部材には、前記所定の方向に沿った段差を有する段差部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記第1の部材の前記段差部には前記所定の方向から視認可能な文字が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記第1の部材には、前記所定の方向とは垂直でない法線を有する傾斜部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【請求項5】
前記傾斜部は、前記所定の方向に沿った中心軸を有する円錐形形状に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電気機器。
【請求項6】
前記傾斜部は、傾斜が一定ではない曲面部を備えている
ことを特徴とする請求項4に記載の電気機器。
【請求項7】
前記傾斜部は、前記所定の方向から視認可能に構成されており、
前記第1の部材には、前記所定の方向とは反対方向から視認可能な他の傾斜部も形成されている
ことを特徴とする請求項4又は6に記載の電気機器。
【請求項8】
前記第1の部材の前記傾斜部には、前記所定の方向から視認可能なスリットが複数形成されている
ことを特徴とする請求項4、6、7の何れか1項に記載の電気機器。
【請求項9】
前記第1の部材には、前記所定の方向から視認可能な穴が複数形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、成型品の品質検査装置が知られている。そのような品質検査装置では、レーザーの点光源を用いて正常品の光のパターンを記録し、そのパターン形状と被検査品のパターンとの差を比較することにより品質の良否を判定する構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-11318号公報(1994年1月21日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術では、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定できないという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、成型品の成型品質を目視により容易に判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電気機器は、第1の部材と、当該第1の部材に対して接合時に流動的な状態で接合された第2の部材とを有する電気機器であって、前記第1の部材は、前記第1の部材を所定の方向から見たときに、前記所定の方向に沿った前記第1の部材の形状、及び前記所定の方向に沿った前記第1の部材と前記第2の部材との接合のされ方の少なくとも何れかが、接合箇所における前記第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造を有している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る電気機器の内部構造を示す模式図である。
図2図1に示す電気機器の製造手順を示す模式図である。
図3図1に示す電気機器の第1の部材と第2の部材との接合例を3つ示す模式図である。
図4図1に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す他の模式図である。
図5】本発明の実施形態2に係る電気機器における第1の部材と第2の部材との接合例を3つ示す模式図である。
図6図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を1つ示す模式図である。
図7図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す他の模式図である。
図8図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す更に他の模式図である。
図9図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す更に他の模式図である。
図10】本発明の実施形態3に係る電気機器における第1の部材と第2の部材との接合例を3つ示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図10を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る電気機器1の内部構造を示す模式図である。電気機器1の一例として、例えば携帯端末が挙げられる。また、本実施形態において、電気機器1を成型品とも呼ぶ場合がある。図1において、符号10は、電気機器1を構成する第1の部材を示し、符号20は、電気機器1を構成する第2の部材を示す。
【0011】
なお、第1の部材10の一例として、例えば金属からなる部材が挙げられ、第2の部材10の一例として、例えば溶融時に流動性がある樹脂からなる部材が挙げられる。また、第1の部材10は、必要に応じて多種多様の形状を有するように加工される。
【0012】
また、本実施形態において、図1に示すように、電気機器1の幅方向をx軸方向とし、電気機器1の長手方向をy軸方向とし、x軸方向およびy軸方向と垂直な方向をz軸方向とする。また、図2以降の図面には、適宜にxyz軸を有する三次元座標系を示している。
【0013】
図2は、図1に示す電気機器1の製造手順を示す模式図である。電気機器1の加工工程において、図2に示すように、まず加工用部品(ワーク)となる第1の部材10を用意し、可動部101と固定部102からなる金型100のワーク載置部1021にセットする。
【0014】
次に、溶融状の樹脂(第2の部材)を金型100に例えば射出成型することにより、金型100において、第2の部材20を第1の部材10に接合させる。なお、図2における下段の部分に示すように、第2の部材20を灰色により強調表示している。
【0015】
なお、図2において、ワーク載置部1021が2つ示されているが、ワーク載置部1021の数量は2に限定されず、適宜に設計することが可能である。
【0016】
(第1の部材の構成)
図3は、図1に示す電気機器1の第1の部材10と第2の部材20との接合例を3つ示す模式図である。
【0017】
図3に示すように、電気機器1は、第1の部材10と第2の部材20とを有する。本実施形態において、第2の部材20が第1の部材10に対して接合時に溶融して流動的な状態で接合することとする。
【0018】
また、本実施形態において、第1の部材10は、第1の部材10を所定の方向から見たときに、前記所定の方向に沿った第1の部材10の形状、及び前記所定の方向に沿った第1の部材10と第2の部材20との接合のされ方の少なくとも何れかが、接合箇所における第2の部材20の形状又は配置によって視認可能となるような構造を有している。
【0019】
なお、ここでいう「所定の方向」とは、z軸の負の方向を指し、後述する「所定の方向の反対方向」とは、z軸の正の方向を指す。
【0020】
上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することが可能になる。
【0021】
(第1の部材に段差部が形成される構成)
以下、第1の部材10の具体的な構成を説明する。
【0022】
図3に示す各接合例において、第1の部材10は同じ形状を有するが、第1の部材10に接合する第2の部材20、20a、20bは、各例において、それぞれ互いに異なる形状を有する。
【0023】
なお、図3において、符号11は、第1の部材10に形成される、図示の所定の方向に沿った段差を有する段差部を示す。また、当該段差部11は、上記「接合箇所における第2の部材20の形状又は配置によって視認可能となるような構造」の一例としての様態である。
【0024】
図3の上段左側に示す構成例は、第1の部材10に対し、第2の部材20が、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図3における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0025】
図3の上段中央に示す構成例は、第2の部材20aが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図3における基準構成例とも呼ぶ。
【0026】
図3の上段右側に示す構成例は、第2の部材20bが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図3における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0027】
第1のNG構成例では、第2の部材20は、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10に接合する。換言すれば、第2の部材20は第1の部材10の段差部11を乗り越えないように第1の部材10に接合する。
【0028】
そして、第1の部材10を図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10の段差部11全体が視認される。図において、段差部11の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wにて示す。なお、説明の便宜上、図3において、所定の方向における段差部11の段差間の一部の境界線を省略する場合がある。以下も同様である。
【0029】
一方、基準構成例では、第2の部材20aは、図示するように、所望の位置において第1の部材10に接合する。換言すれば、第2の部材20aは第1の部材10の段差部11における最左端の段差を乗り越えるように第1の部材10に接合する。
【0030】
そして、第1の部材10を図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10の段差部11の最左端の段差を除く右側の2つの段差が視認される。図において、段差部11の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Waにて示す。
【0031】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20bは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10に接合する。換言すれば、第2の部材20bは第1の部材10の段差部11における最左端の段差および中部の段差を乗り越えるように第1の部材10に接合する。
【0032】
そして、第1の部材10を図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10の段差部11の最右端の段差のみが視認される。図において、段差部11の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wbにて示す。
【0033】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0034】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0035】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0036】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0037】
なお、図3において、段差部11が3つの段差を有する例を挙げたが、段差の数量は3に限定されず、2または3以上であってもよい。
【0038】
〔実施形態1の変形例1〕
(第1の部材の段差部に判定用文字が形成される構成)
図4は、図1に示す電気機器1における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す他の模式図である。また、図4に示す構成は、図3に示す構成と比較すると、図4に示す第1の部材10bに図示の所定の方向から視認可能な文字が形成されている点のみで異なる。このため、説明の便宜上、上記図3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0039】
図4の上段左側に示す構成例は、第1の部材10bに対し、第2の部材20が、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図4における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0040】
図4の上段中央に示す構成例は、第2の部材20aが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図4における基準構成例とも呼ぶ。
【0041】
図4の上段右側に示す構成例は、第2の部材20bが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図4における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0042】
第1のNG構成例では、第2の部材20は、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10bに接合する。換言すれば、第2の部材20は第1の部材10bの段差部を乗り越えないように第1の部材10bに接合する。
【0043】
そして、第1の部材10bを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10bの段差部全体が視認される。図において、段差部の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wにて示す。しかも、図示するように、段差部における最左端の段差、および中部の段差にそれぞれ例えばNG判定用の「not」、OK判定用の「OK」が予め形成されている。このため、この接合例では、NG判定用の「not」、OK判定用の「OK」の両方が視認される。
【0044】
一方、基準構成例では、第2の部材20aは、図示するように、所望の位置において第1の部材10bに接合する。換言すれば、第2の部材20aは第1の部材10bの段差部における最左端の段差を乗り越えるように第1の部材10bに接合する。
【0045】
そして、第1の部材10bを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10bの段差部が最左端の段差を除く右側の2つの段差が視認される。図において、段差部の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Waにて示す。更に、この接合例では、NG判定用の「not」が視認されず、OK判定用の「OK」のみが視認される。
【0046】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20bは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10bに接合する。換言すれば、第2の部材20bは第1の部材10bの段差部における最左端の段差および中部の段差を乗り越えるように第1の部材10bに接合する。
【0047】
そして、第1の部材10bを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10bの段差部の最右端の段差のみが視認される。図において、段差部11の視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wbにて示す。この接合例では、NG判定用の「not」、OK判定用の「OK」の両方が視認されなくなる。
【0048】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0049】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0050】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0051】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0052】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0053】
(第1の部材に傾斜部が形成される構成)
図5は、本実施形態に係る電気機器における第1の部材と第2の部材との接合例を3つ示す模式図である。
【0054】
図5に示す各接合例において、第1の部材10cは同じ錐台状の形状を有するが、第1の部材10cに接合する第2の部材20d、20e、20fは、各例において、それぞれ互いに異なる形状を有する。なお、図5において、符号12は、第1の部材10cに形成される、図示の所定の方向とは垂直でない法線を有する傾斜部を示す。また、当該傾斜部12は、上記「接合箇所における第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造」の他の例としての様態である。
【0055】
図5の上段左側に示す構成例は、第1の部材10cに対し、第2の部材20dが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図5における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0056】
図5の上段中央に示す構成例は、第2の部材20eが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図5における基準構成例とも呼ぶ。
【0057】
図5の上段右側に示す構成例は、第2の部材20fが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図5における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0058】
第1のNG構成例では、第2の部材20dは、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10cに接合する。換言すれば、第2の部材20dは第1の部材10cの傾斜部12を乗り越えないように第1の部材10cに接合する。
【0059】
そして、第1の部材10cを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10cの傾斜部12の一部と図示の所定の方向側の面とが視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wdにて示す。なお、説明の便宜上、図5において、所定の方向における傾斜部12と図示の所定の方向側の面との境界線が省略されている。
【0060】
一方、基準構成例では、第2の部材20eは、図示するように、所望の位置において、第2の部材20dの上面が第1の部材10cの図示の所定の方向側の面と面一の状態となるように第1の部材10cに接合する。
【0061】
そして、第1の部材10cを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10cの傾斜部12全体が第2の部材20eに覆われ、第1の部材10cの図示の所定の方向側の面のみが視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Weにて示す。
【0062】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20fは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10cに接合する。換言すれば、第2の部材20fは第1の部材10cの傾斜部12を乗り越え、第1の部材10cの図示の所定の方向側の面の一部を覆うように第1の部材10cに接合する。
【0063】
そして、第1の部材10cを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10cの図示の所定の方向側の面の、第2の部材20fに覆われていない部分が視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wfにて示す。
【0064】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0065】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0066】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0067】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0068】
〔実施形態2の変形例1〕
(第1の部材は円錐形形状に形成される構成)
図6は、図1に示す電気機器1における第1の部材と第2の部材の接合例を1つ示す模式図である。
【0069】
図6の上段に示す第1の部材10aと第2の部材20cの接合例において、所定の方向に沿った中心軸を有する円錐形形状を呈する第1の部材10aの頂点は、第2の部材20cのz軸方向の上側に位置する面と面一の状態となっている。この接合例では、図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10aの頂点が点状に見える。
【0070】
一方、図6の下段に示すように、第2の部材20cが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10aに接合した場合、第1の部材10aを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10aの第2の部材20cから張り出す部分が円状に見える。
【0071】
一例をあげると、図示のように、例えば第2の部材20cのz軸方向の上側に位置する面が図示の一点鎖線に重ね合うように接合された場合、第1の部材10aを図示の所定の方向から見たときに、第2の部材20cから張り出す第1の部材10aの部分が直径Φ(10a)の円状に見える。
【0072】
逆に、第2の部材20cは、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10aに接合した場合、第1の部材10aを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10aの頂点が見えなくなる。
【0073】
ここで、本変形例において、第1の部材10aと第2の部材20cとが図6の上段に示すように接合された状態を基準状態とすると、この状態における成型品は作業者によって良品と判定される。
【0074】
これに対し、第2の部材20cが所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10aに接合した状態は、作業者の視認により、上記の良品とは明確に識別され、不良品と判定される。
【0075】
また、第2の部材20cが所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10aに接合した状態における成型品は、作業者の視認により、上記の良品とは明確に識別され、不良品と判定される。
【0076】
このように、上記の構成によっても、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0077】
〔実施形態2の変形例2〕
(第1の部材の傾斜部が曲面状で且つ2つがある構成)
上記実施形態2において、斜視時に平面状を有する1つの傾斜部12を例示したが、傾斜部の形状と数量はこれに限定されず、傾斜部は他の形状且つ2以上であってもよい。一例として、例えば傾斜部は、傾斜が一定ではない曲面部を備えていてもよい。
【0078】
図7は、図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す他の模式図である。また、図7に示す構成は、図5に示す構成と比較すると、図7に示す第1の部材10dに、傾斜部として曲面部12a、12bが形成されている点で異なる。このため、説明の便宜上、上記図5にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0079】
図7の上段左側に示す構成例は、第1の部材10dに対し、第2の部材20gが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図7における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0080】
図7の上段中央に示す構成例は、第2の部材20hが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図7における基準構成例とも呼ぶ。
【0081】
図7の上段右側に示す構成例は、第2の部材20iが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図7における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0082】
第1のNG構成例では、第2の部材20gは、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10dに接合する。換言すれば、第2の部材20gは第1の部材10dの図示の所定の方向側の曲面部12aを乗り越えず、かつ図示の所定の方向の反対方向側の曲面部12bを乗り越えて第1の部材10dの図示の所定の方向の反対方向側の面の一部を覆うように第1の部材10dに接合する。
【0083】
そして、第1の部材10dを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10dの曲面部12aと図示の所定の方向側の面全体が視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の中段において符号Wg1にて示す。
【0084】
また、第1の部材10dを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10dの図示の所定の方向の反対方向側の面の一部が視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wg2にて示す。
【0085】
一方、基準構成例では、第2の部材20hは、図示するように、所望の位置において第1の部材10dに接合する。換言すれば、第2の部材20hは、第2の部材20hの上面が第1の部材10dの図示の所定の方向側の面と面一、かつ第2の部材20hの下面が第1の部材10dの図示の所定の方向の反対方向側の面と面一の状態となるよう第1の部材10dに接合する。
【0086】
そして、第1の部材10dを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10dの曲面部12a全体が第2の部材20hに覆われ、第1の部材10dの図示の所定の方向側の面のみが視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の中段において符号Wh1にて示す。
【0087】
また、第1の部材10dを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10dの曲面部12b全体が第2の部材20hに覆われ、第1の部材10dの図示の所定の方向の反対方向側の面のみが視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wh2にて示す。
【0088】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20iは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10dに接合する。換言すれば、第2の部材20iは第1の部材10dの図示の所定の方向の反対方向側の曲面部12bを乗り越えず、かつ図示の所定の方向側の曲面部12aを乗り越えて第1の部材10dの図示の所定の方向側の面の一部を覆うように第1の部材10dに接合する。
【0089】
そして、第1の部材10dを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10dの図示の所定の方向側の面の一部が視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の中段において符号Wi1にて示す。
【0090】
また、第1の部材10dを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10dの曲面部12bと図示の所定の方向の反対方向側の面全体が視認される。図において、視認可能部分のx軸方向の幅を、当該図の下段において符号Wi2にて示す。
【0091】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0092】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0093】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0094】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0095】
〔実施形態2の変形例3〕
(第1の部材の傾斜部にスリットが形成される構成)
図8は、図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す更に他の模式図である。また、図8に示す構成は、図5に示す構成と比較すると、図8に示す第1の部材10eに図示の所定の方向から視認可能なスリット121a、121bが形成されている点のみで異なる。このため、説明の便宜上、上記図5にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0096】
図8の上段左側に示す構成例は、第1の部材10eに対し、第2の部材20jが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図8における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0097】
図8の上段中央に示す構成例は、第2の部材20kが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図8における基準構成例とも呼ぶ。
【0098】
図8の上段右側に示す構成例は、第2の部材20mが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図8における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0099】
第1のNG構成例では、第2の部材20jは、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10eに接合する。換言すれば、第2の部材20jは第1の部材10eの、z軸方向において下部に位置するスリット121aを乗り越えないように第1の部材10eに接合する。
【0100】
そして、第1の部材10eを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10eの、スリット121a、121bを含む傾斜部12の一部と図示の所定の方向側の面とが視認される。なお、説明の便宜上、図8において、所定の方向における傾斜部12と図示の所定の方向側の面との境界線が省略されている。
【0101】
一方、基準構成例では、第2の部材20kは、図示するように、所望の位置において、第1の部材10eのスリット121aを覆い、かつ第1の部材10eのスリット121bを覆わないように第1の部材10eに接合する。
【0102】
そして、第1の部材10eを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10eの傾斜部12に形成されたスリット121aが第2の部材20kに覆われ、第1の部材10eのスリット121bと図示の所定の方向側の面とが視認される。
【0103】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20mは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10eに接合する。換言すれば、第2の部材20mは第1の部材10eの、z軸方向において上部に位置するスリット121bを乗り越えるように第1の部材10eに接合する。
【0104】
そして、第1の部材10eを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10eの傾斜部12に形成されたスリット121a、121b両方が第2の部材20mに覆われ、第1の部材10eの傾斜部12の、第2の部材20mに覆われていない部分と図示の所定の方向側の面とが視認される。
【0105】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0106】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0107】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0108】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0109】
なお、図8において、傾斜部12が2つのスリットを有する例を挙げたが、スリットの数量は2に限定されず、2以上であってもよい。
【0110】
〔実施形態2の変形例4〕
(第1の部材に2つの傾斜部かつ各傾斜部に1つのスリットがある構成)
上記変形例2において、第1の部材が1つの傾斜部12を有する構成を例示したが、傾斜部の数量はこれに限定されず、傾斜部は2であってもよい。一例として、例えば傾斜部は、所定の方向から視認可能に構成されており、第1の部材には、所定の方向とは反対方向から視認可能な他の傾斜部も形成されていてもよい。
【0111】
図9は、図5に示す電気機器における第1の部材と第2の部材の接合例を3つ示す更に他の模式図である。また、図9に示す構成は、図8に示す構成と比較すると、図9に示す第1の部材10fに2つの傾斜部が形成、かつ各傾斜部に1つのスリットがある点で異なる。このため、説明の便宜上、上記図8にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0112】
図9の上段左側に示す構成例は、第1の部材10fに対し、第2の部材20nが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図9における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0113】
図9の上段中央に示す構成例は、第2の部材20pが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図9における基準構成例とも呼ぶ。
【0114】
図9の上段右側に示す構成例は、第2の部材20qが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図9における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0115】
第1のNG構成例では、第2の部材20nは、図示するように、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれた位置において第1の部材10fに接合する。換言すれば、第2の部材20nは第1の部材10fの図示の所定の方向側のスリット121cを乗り越えず、かつ図示の所定の方向の反対方向側のスリット121dを乗り越えて第1の部材10fの図示の所定の方向の反対方向側の面と面一となるように第1の部材10fに接合する。
【0116】
そして、第1の部材10fを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10fの傾斜部12に形成されたスリット121cと図示の所定の方向側の面全体とが視認される。
【0117】
また、第1の部材10fを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10fの図示の所定の方向の反対方向側の面のみが視認される。
【0118】
一方、基準構成例では、第2の部材20pは、図示するように、所望の位置において第1の部材10fに接合する。換言すれば、第2の部材20pは、第1の部材10fのスリット121c、121d両方を覆い、かつ第1の部材10fの図示の所定の方向側の面と、第1の部材10fの図示の所定の方向の反対方向側の面とを覆わないよう第1の部材10fに接合する。
【0119】
そして、第1の部材10fを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10fの傾斜部12に形成されたスリット121cが第2の部材20pに覆われ、第1の部材10fの図示の所定の方向側の面と、図示の所定の方向側の第2の部材20pに覆われていない傾斜部12の一部とが視認される。
【0120】
また、第1の部材10fを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10fの傾斜部12に形成されたスリット121dが第2の部材20pに覆われ、第1の部材10fの図示の所定の方向の反対方向側の面と、図示の所定の方向の反対方向側の第2の部材20pに覆われていない傾斜部12の一部とが視認される。
【0121】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20qは、図示するように、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれた位置において第1の部材10fに接合する。換言すれば、第2の部材20qは第1の部材10fの図示の所定の方向の反対方向側のスリット121dを乗り越えず、かつ図示の所定の方向側のスリット121cを乗り越えて第1の部材10fの図示の所定の方向側の面と面一となるように第1の部材10fに接合する。
【0122】
そして、第1の部材10fを図示の所定の方向から見たときに、第1の部材10fの図示の所定の方向側の面のみが視認される。
【0123】
また、第1の部材10fを図示の所定の方向の反対方向から見たときに、第1の部材10fの傾斜部12に形成されたスリット121dと図示の所定の方向の反対方向側の面全体とが視認される。
【0124】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0125】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0126】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0127】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0128】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0129】
(第1の部材に穴が形成される構成)
図10は、本実施形態に係る電気機器における第1の部材と第2の部材との接合例を3つ示す模式図である。また、本実施形態において、第1の部材が所定の方向に沿って変形することを想定している。
【0130】
本実施形態において、図10に示すように、第1の部材と第2の部材とが図中のx軸方向に沿って並べて接合する。換言すれば、第1の部材と第2の部材とが図中のzy平面に平行な境界を介して接合する。なお、図10において、符号13は、第1の部材に形成される、図示の所定の方向から視認可能な穴を示す。また、穴13が複数形成されている。また、当該穴13は、上記「接合箇所における第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造」の他の例としての様態である。
【0131】
なお、本実施形態において、「穴」とは、第1の部材10g、10h、10iを貫通する貫通孔であってもよいし、第1の部材を貫通しない凹みとして形成されたものであってもよい。
【0132】
図10の上段左側に示す構成例は、第1の部材10gに対し、第2の部材20rが、所望の位置よりもz軸の負の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図10における第1のNG構成例とも呼ぶ。
【0133】
図10の上段中央に示す構成例は、第2の部材20sが、所望の位置に接合された場合を示している。当該構成例は良品の構成例であり図10における基準構成例とも呼ぶ。
【0134】
図10の上段右側に示す構成例は、第2の部材20tが、所望の位置よりもz軸の正の方向にずれて接合された場合を示している。当該構成例は不良品の構成例であり図10における第2のNG構成例とも呼ぶ。
【0135】
第1のNG構成例では、第2の部材20rに対しは、図示するように、第1の部材10gが、第1の部材10gのy軸方向における両端部が第2の部材20rのy軸方向における両端部よりも低く、かつ第1の部材10gのy軸方向における中央部が第2の部材20rのy軸方向における中央部よりも高くなるように変形した場合、第2の部材20rのy軸方向における両端部が第1の部材10gのy軸方向における両端部を乗り越えて第1の部材10gに接合する。
【0136】
この場合、図示のように、第1の部材10gのy軸方向における両端部に形成された穴13の一部または全部が、第2の部材20rのy軸方向における両端部に覆われるようになる。
【0137】
そして、第1の部材10gを図示の所定の方向から見たときに、図の下段に示すように、第1の部材10gに形成された一部の穴13が部分的に視認されるようになる。
【0138】
一方、基準構成例では、第2の部材20sに対しは、図示するように、第1の部材10hが、第1の部材10hの所定の方向側の面と第2の部材20sの所定の方向側の面とが面一となる、即ち第1の部材が所定の方向に沿って変形していない場合、図示のように、第1の部材10gに形成された複数の穴13が、第2の部材20rに覆われなくなる。
【0139】
そして、第1の部材10hを図示の所定の方向から見たときに、図の下段に示すように、第1の部材10gに形成された全ての穴13が視認されるようになる。
【0140】
また、第2のNG構成例では、第2の部材20tに対しは、図示するように、第1の部材10jが、第1の部材10jのy軸方向における中央部が第2の部材20tのy軸方向における中央部よりも低くなるように変形した場合、第2の部材20tのy軸方向における中央部が第1の部材10jのy軸方向における中央部を乗り越えて第1の部材10jに接合する。
【0141】
この場合、図示のように、第1の部材10jのy軸方向における中央部に形成された穴13の一部または全部が、第2の部材20tのy軸方向における中央部に覆われるようになる。
【0142】
そして、第1の部材10jを図示の所定の方向から見たときに、図の下段に示すように、第1の部材10gに形成された一部の穴13が部分的に視認されるようになる。
【0143】
上述の基準構成例は、作業者によって、第1のNG構成例及び第2のNG構成の何れとも視認によって明確に識別可能である。
【0144】
また、上述の第1のNG構成例及び第2のNG構成は、作業者によって、基準構成例と明確に識別可能である。
【0145】
したがって、上記の構成によれば、作業者は、基準構成例を明確に良品判定し、第1のNG構成例、及び第2のNG構成例を明確に不良品判定することができる。
【0146】
このように、上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器1の成型品質を目視により容易に判定することができる。より具体的には、作業者の視認方向に沿った成型品の位置ずれを目視により容易に判定することができる。
【0147】
なお、図10において、穴13が5つ示されているが、穴13の数量は5に限定されず、適宜に設計することが可能である。また、穴の形状または深さも適宜に設計することが可能である。
【0148】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電気機器(1)は、第1の部材と、当該第1の部材に対して接合時に流動的な状態で接合された第2の部材とを有する電気機器であって、前記第1の部材は、前記第1の部材を所定の方向から見たときに、前記所定の方向に沿った前記第1の部材の形状、及び前記所定の方向に沿った前記第1の部材と前記第2の部材との接合のされ方の少なくとも何れかが、接合箇所における前記第2の部材の形状又は配置によって視認可能となるような構造を有している。
【0149】
上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器の成型品質を目視により容易に判定することが可能になる。
【0150】
本発明の態様2に係る電気機器(1)は、上記態様1において、前記第1の部材には、前記所定の方向に沿った段差を有する段差部が形成されていてもよい。
【0151】
上記の構成によれば、成型品、例えばその一例である電気機器の成型品質を目視により容易に判定することができる。
【0152】
本発明の態様3に係る電気機器(1)は、上記態様2において、前記第1の部材の前記段差部には前記所定の方向から視認可能な文字が形成されていてもよい。
【0153】
上記の構成によれば、態様2と同様な効果を奏する。
【0154】
本発明の態様4に係る電気機器(1)は、上記態様1において、前記第1の部材には、前記所定の方向とは垂直でない法線を有する傾斜部が形成されていてもよい。
【0155】
上記の構成によれば、態様2~3と同様な効果を奏する。
【0156】
本発明の態様5に係る電気機器(1)は、上記態様4において、前記傾斜部は、前記所定の方向に沿った中心軸を有する円錐形形状に形成されていてもよい。
【0157】
上記の構成によれば、態様2~4と同様な効果を奏する。
【0158】
本発明の態様6に係る電気機器(1)は、上記態様4において、前記傾斜部は、傾斜が一定ではない曲面部を備えていてもよい。
【0159】
上記の構成によれば、態様4と同様な効果を奏する。
【0160】
本発明の態様7に係る電気機器(1)は、上記態様4又は6において、前記傾斜部は、前記所定の方向から視認可能に構成されており、前記第1の部材には、前記所定の方向とは反対方向から視認可能な他の傾斜部も形成されていてもよい。
【0161】
上記の構成によれば、態様4又は6と同様な効果を奏する。
【0162】
本発明の態様8に係る電気機器(1)は、上記態様4、6、7の何れにおいて、前記第1の部材の前記傾斜部には、前記所定の方向から視認可能なスリットが複数形成されていてもよい。
【0163】
上記の構成によれば、態様4、6、7と同様な効果を奏する。
【0164】
本発明の態様9に係る電気機器(1)は、上記態様1において、前記第1の部材には、前記所定の方向から視認可能な穴が複数形成されていてもよい。
【0165】
上記の構成によれば、態様2~8と同様な効果を奏する。
【0166】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0167】
1 電気機器
10、10a~10j 第1の部材
11 段差部
12 傾斜部
12a、12b 曲面部(傾斜部)
121a~121d スリット
13 穴
20、20a~20t 第2の部材
100 金型
101 可動部
102 固定部
1021 ワーク載置部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10