(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023123919
(43)【公開日】2023-09-06
(54)【発明の名称】浮体のガス処理方法及び浮体
(51)【国際特許分類】
B63B 57/04 20060101AFI20230830BHJP
B63B 25/08 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B63B57/04
B63B25/08 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022027396
(22)【出願日】2022-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】津村 健司
(72)【発明者】
【氏名】清野 龍
(72)【発明者】
【氏名】吉田 篤史
(72)【発明者】
【氏名】高松 皆光
(57)【要約】
【課題】コスト削減することが可能な浮体のガス処理方法及び浮体を提供する。
【解決手段】浮体のガス処理方法は、排出ガスを除害可能な複数台の処理装置を準備する処理装置準備工程と、前記処理装置準備工程で準備した複数台の前記処理装置の中から、一つの浮体で排出される前記排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記処理装置を選択する処理装置選択工程と、前記処理装置選択工程で選択した台数分の前記処理装置を前記浮体と、前記浮体とは異なる他の浮体との少なくとも一方に設置する処理装置設置工程と、前記処理装置設置工程で設置した前記処理装置を用いて前記浮体の前記排出ガスを処理する処理工程と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体に設けられたガスタンクの内部を不活性ガスに置き換える際に排出される排出ガスを除害する浮体のガス処理方法であって、
前記排出ガスを除害可能な複数台の処理装置を準備する処理装置準備工程と、
前記処理装置準備工程で準備した複数台の前記処理装置の中から、一つの浮体で排出される前記排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記処理装置を選択する処理装置選択工程と、
前記処理装置選択工程で選択した台数分の前記処理装置を前記浮体と、前記浮体とは異なる他の浮体との少なくとも一方に設置する処理装置設置工程と、
前記処理装置設置工程で設置した前記処理装置を用いて前記浮体の前記排出ガスを処理する処理工程と、
を含む
浮体のガス処理方法。
【請求項2】
前記処理装置設置工程では、
前記処理装置選択工程で選択した前記処理装置が複数台である場合に、前記複数台の前記処理装置を前記ガスタンクに並列に接続する
請求項1に記載の浮体のガス処理方法。
【請求項3】
前記処理工程が完了した後に、前記処理装置を前記浮体から撤去する処理装置撤去工程と、
前記処理装置撤去工程で撤去した前記処理装置を保管する処理装置保管工程と、
を含む
請求項1又は2に記載の浮体のガス処理方法。
【請求項4】
前記ガスタンクの内部に不活性ガスを供給可能な複数台の不活性ガス供給装置を準備する不活性ガス供給装置準備工程と、
前記不活性ガス供給装置準備工程で準備した複数台の前記不活性ガス供給装置の中から、一つの浮体で必要になる前記不活性ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記不活性ガス供給装置を選択する不活性ガス供給装置選択工程と、
前記不活性ガス供給装置選択工程で選択した台数分の前記不活性ガス供給装置を前記浮体と、前記浮体とは異なる他の浮体との少なくとも一方に設置する不活性ガス供給装置設置工程と、
前記不活性ガス供給装置設置工程で設置した前記不活性ガス供給装置を用いて前記ガスタンクに前記不活性ガスを供給する供給工程と、
を含む
請求項1から3の何れか一項に記載の浮体のガス処理方法。
【請求項5】
前記供給工程が完了した後に、前記不活性ガス供給装置を前記浮体から撤去する不活性ガス供給装置撤去工程と、
前記不活性ガス供給装置撤去工程で撤去した前記不活性ガス供給装置を保管する不活性ガス供給装置保管工程と、
を含む
請求項4に記載の浮体のガス処理方法。
【請求項6】
浮体本体と、
前記浮体本体に設けられ、液化ガスを貯留可能なガスタンクと、
前記浮体本体に対して着脱可能に設置され、前記ガスタンクから排出される排出ガスを除害する複数の処理装置と、を備え、
前記複数の処理装置は、前記ガスタンクに対して並列に接続される
浮体。
【請求項7】
浮体本体と、
前記浮体本体に対して着脱可能に設置され、他の浮体に設けられている液化ガスを貯留可能なガスタンクから排出される排出ガスを除害する複数の処理装置と、
を備え、
前記複数の処理装置は、前記ガスタンクに対して並列に接続される
浮体。
【請求項8】
前記処理装置は、前記浮体本体に積み重ねて積載可能なコンテナに収容されている請求項6又は7に記載の浮体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浮体のガス処理方法及び浮体に関する。
【背景技術】
【0002】
LPG(liquefied petroleum gas)やLNG(liquefied natural gas)、アンモニア等を貯留するタンクを有した船舶においては、定期点検等でドックに入る際に、タンクの中をガスフリーにする必要が有る。その際、LPG、LNG及びアンモニア等に酸素が触れることを防止するため、一般に、不活性な窒素ガスなどの不活性ガスに置き換えてタンク内をイナートガスで満たすイナーティング工程が行われる。このイナーティング工程は、点検等の後にタンクへ貯蔵する前にも行われ、この場合、タンク内の空気がイナートガスに置き換えられる。特許文献1には、油輸送船の油槽内にイナートガスを供給可能な船舶が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようにタンクを備えた浮体では、イナーティング工程によってタンクから排出される排出ガスをそのまま大気放出すると、周囲環境に影響を及ぼす可能性が有るため、これらを燃焼させる等の除害処理をするガス処理設備が浮体上に設けられている。
しかしながら、ガス処理設備は、イナーティング工程で発生する排出ガス量に応じた大型のガス処理装置が必要になる。また、タンクをガスフリーにする頻度は、2から3年に一度など低頻度である。そのため、浮体上のスペース確保が困難になると共に、重心を下げてスタビリティーを改善することが困難になる。という課題がある。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、船上スペースの有効活用ならびにスタビリティーの改善が可能な浮体のガス処理方法及び浮体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
本開示の第一態様によれば、浮体のガス処理方法は、浮体に設けられたガスタンクの内部を不活性ガスに置き換える際に排出される排出ガスを除害する浮体のガス処理方法であって、前記排出ガスを除害可能な複数台の処理装置を準備する処理装置準備工程と、前記処理装置準備工程で準備した複数台の前記処理装置の中から、一つの浮体で排出される前記排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記処理装置を選択する処理装置選択工程と、前記処理装置選択工程で選択した台数分の前記処理装置を前記浮体と、前記浮体とは異なる他の浮体との少なくとも一方に設置する処理装置設置工程と、前記処理装置設置工程で設置した前記処理装置を用いて前記浮体の前記排出ガスを処理する処理工程と、を含む。
【0007】
本開示の第二態様によれば、浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に設けられ、液化ガスを貯留可能なガスタンクと、前記浮体本体に対して着脱可能に設置され、前記ガスタンクから排出される排出ガスを除害する複数の処理装置と、を備え、前記複数の処理装置は、前記ガスタンクに対して並列に接続される。
【0008】
本開示の第三態様によれば、浮体は、浮体本体と、前記浮体本体に対して着脱可能に設置され、他の浮体に設けられている液化ガスを貯留可能なガスタンクから排出される排出ガスを除害する複数の処理装置と、を備え、前記複数の処理装置は、前記ガスタンクに対して並列に接続される。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る浮体のガス処理方法及び浮体によれば、船上スペースの有効活用ならびにスタビリティーの改善をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この第一実施形態の浮体の概略構成を示す構成図である。
【
図2】本開示の第一実施形態における浮体のタンク内点検準備関連機器の概略構成を示す図である。
【
図3】本開示の第一実施形態における浮体の排出ガス処理作業のフローチャートである。
【
図4】本開示の第一実施形態における不活性ガス供給作業のフローチャートである。
【
図5】本開示の第二実施形態における
図2に相当する図である。
【
図6】本開示の第二実施形態における浮体の排出ガス処理作業のフローチャートである。
【
図7】本開示の第二実施形態における不活性ガス供給作業のフローチャートである。
【
図8】本開示の第一実施形態の変形例における
図2に相当する図である。
【
図9】本開示の第二実施形態の変形例における
図5に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本開示の第一実施形態における浮体のガス処理方法及び浮体を図面に基づき説明する。
本実施形態における浮体としては、液化ガスであるアンモニアを燃料とするいわゆるアンモニア燃料船を一例に説明する。
【0012】
〈第一実施形態〉
図1は、この第一実施形態の浮体の概略構成を示す構成図である。なお、
図1において、浮体の船首尾方向AFを矢印で示している。
図1に示すように、第一実施形態における浮体1は、浮体本体2と、カーゴタンク3と、エンジン4と、上部構造5と、ガス燃料タンク(ガスタンク)6と、不活性ガス供給装置20と、処理装置21と、を備えている。
【0013】
浮体本体2は、一対の舷側7(
図1中、右舷側のみ示す)と、船底8と、上甲板9と、を有している。上甲板9は、最も上方に位置する全通甲板であって、この実施形態における浮体本体2では、暴露甲板である。また、浮体本体2の内部には、カーゴホールド10と、主機室11とが区画されている。さらに、浮体本体2は、船尾2Aの下方にスクリュー12と舵13とを備えている。
【0014】
カーゴホールド10は、カーゴタンク3を収容する空間である。この実施形態で例示する浮体1は、船首2Fから船尾2Aに向かって複数(より具体的には、3つ)のカーゴホールド10が並んで配置されている。これらカーゴホールド10は、仕切壁10aによって、それぞれ船首尾方向AFに区画されている。
【0015】
主機室11は、エンジン4を収容する区画であり、カーゴホールド10よりも船尾2A側に配置されている。また、主機室11は、上部構造5の下方に配置されている。この実施形態における主機室11は、二重底を形成する内側の底板14と、その一つ上に形成された甲板15とにより上下が区画されている。
【0016】
カーゴタンク3は、例えば、液化ガス(アンモニア、LPG、LNG等)を積荷として貯蔵可能なタンクである。カーゴタンク3は、上述した複数のカーゴホールド10にそれぞれ一つずつ収容されている。すなわち、カーゴタンク3も、カーゴホールド10と同様に船首尾方向AFに並んで複数配置されている。
【0017】
エンジン4は、アンモニアを燃料として駆動可能とされている。エンジン4は、スクリュー12を回転させて推力を発生させる。エンジン4は、上述した主機室11に収容されている。ここで、エンジン4の燃料は、アンモニアのみに限られず、アンモニアと他の燃料(軽油等)との併用(バイフューエル)や、混合(デュアルフューエル)等であってもよい。さらに、エンジン4は、スクリュー12を駆動するものに限られない。例えば、エンジン4によって発電機を駆動するようにしても良い。このエンジン4は、通常は、ガス燃料タンク6に貯蔵されたアンモニアを用いて駆動される。
【0018】
上部構造5は、上甲板9の上に形成されており、船橋や居住区等を備えている。この上部構造5は、船首尾方向でカーゴホールド10よりも船尾2A側となる位置で、且つ主機室11の上方となる位置に配置されている。
【0019】
ガス燃料タンク6は、上述したエンジン4の燃料である液化アンモニアを貯蔵する。この実施形態におけるガス燃料タンク6は、上甲板9の上に設置されている場合を例示している。また、この実施形態の浮体1において、ガス燃料タンク6は、円柱状の圧力タンクである、いわゆるType-Cタンクであり、その長手方向が船首尾方向AFと一致する姿勢で配置されている場合を例示している。なお、ガス燃料タンク6は、上記の形状、個数及び配置に限られるものでは無い。
【0020】
不活性ガス供給装置20は、浮体本体2に対して着脱可能に設置されている。不活性ガス供給装置20は、ガス燃料タンク6をガスフリーにするタンク内点検準備の際、ガス燃料タンク6に対して不活性ガスを供給可能に構成されている。不活性ガスとしては、窒素を例示できる。また不活性ガス供給装置20はガス燃料タンク6内の不活性ガスを空気に置換する空気を供給可能に構成されても良い。
【0021】
本実施形態の不活性ガス供給装置20は、上甲板9の上に着脱可能に設置されている場合を例示している。また、本実施形態の不活性ガス供給装置20は、ISO規格の海上コンテナに収容されている場合を例示しているが、ISO規格の海上コンテナに収容されたものに限られない。
【0022】
処理装置21は、浮体本体2に対して着脱可能に設置されている。処理装置21は、ガス燃料タンク6をガスフリーにするイナーティングの際に、ガス燃料タンク6から排出される排出ガスを除害可能に構成されている。ここで、排出ガスの除害を行う手法としては、処理装置21に導入された排出ガスを燃焼させる燃焼除害を例示できる。
【0023】
本実施形態の処理装置21は、上甲板9の上に着脱可能に設置されている場合を例示している。より具体的には、本実施形態の処理装置21は、上記の不活性ガス供給装置20と同様に、ISO規格の海上コンテナに収容されている。処理装置21が海上コンテナに収容されている場合、海上コンテナ内には、例えば、燃焼除害装置(図示せず)、燃焼除害装置の燃料を貯留する燃料タンク(図示せず)など、排出ガスを除害するための装置が一式収容される。
【0024】
本実施形態の処理装置21は、上記不活性ガス供給装置20の上に積み重ねて設置(スタッキング)されている。これら不活性ガス供給装置20及び処理装置21は、岸壁などに設けられたコンテナ荷役用のクレーンを用いて、浮体本体2に対して設置及び撤去が可能となっている。なお、処理装置21のコンテナサイズと不活性ガス供給装置20のコンテナサイズとが同一の場合を示しているが、これらコンテナサイズは、同一に限られない。
【0025】
本実施形態の浮体本体2の上甲板9には、これら処理装置21と不活性ガス供給装置20とを積載する専用スペース16が予め確保されている。そして、上甲板9は、これら処理装置21及び不活性ガス供給装置20を支持可能に補強されている。図示を省略するが、上記専用スペース16の周囲には、処理装置21とガス燃料タンク6とを連通させるための配管(図示せず)、及び不活性ガス供給装置20とガス燃料タンク6とを連通させるための配管の各接続端部(図示せず)を設けてもよい。
【0026】
図2は、本開示の第一実施形態における浮体のタンク内点検準備関連機器の概略構成を示す図である。
図2に示すように、本実施形態の浮体1は、複数のガス燃料タンク6と、これらガス燃料タンク6からの排出ガスを導く排出ガス配管25と、複数のガス燃料タンク6に不活性ガスを導く不活性ガス供給管26と、を有している。
【0027】
排出ガス配管25は、排出ガス枝管27と、排出ガス主配管28を備えている。排出ガス枝管27は、複数のガス燃料タンク6からそれぞれ延びている。これら排出ガス枝管27は、排出ガス主配管28に合流接続されている。排出ガス主配管28は、その端部に、複数の処理装置21に対して排出ガスを分配する分配接続部30を備えている。
【0028】
一方で、処理装置21は、それぞれ排出ガスを導入するための導入ライン31を備えている。導入ライン31の入口端31sは、分配接続部30に着脱可能とされている。
図2では、ガス燃料タンク6以外の配管パージにより排出される流体やカーゴタンク3から排出される気化ガスなどを処理する小型処理装置33が、別途設けられている場合を例示している。なお、浮体1が二つのガス燃料タンク6を備える場合を一例にして説明したが、ガス燃料タンク6を一つだけ設けたり、三つ以上設けたりしてもよい。なお、
図2では、導入ライン31の入口端31sを一つだけ示しているが、三つの導入ライン31は、それぞれ入口端31sを有しており、これら三つの入口端31sが分配接続部30にそれぞれ接続される(第二実施形態も同様)。
【0029】
浮体本体2には、ガス燃料タンク6で排出される排出ガスの量に応じた一台以上の処理装置21が設置されている。ガス燃料タンク6で排出される排出ガスの量は、ガス燃料タンク6の容量が大きいほど多くなり、ガス燃料タンク6の容量が小さいほど少なくなる。本実施形態の浮体1では、複数台(具体的には、3台)の処理装置21が設置されるとともに、これら複数台の処理装置21がガス燃料タンク6に対して並列に接続されている。これら複数台の処理装置21の処理能力(体積流量)の合計は、一つの浮体1で排出される排出ガスの量(体積流量)を上回っている。また、本実施形態では、一つの浮体1に設置される複数台の処理装置21の処理能力(体積流量)の合計と、一つの浮体1で排出される排出ガスの量との差分は、一台の処理装置21の処理能力よりも小さくなっている。
【0030】
不活性ガス供給管26は、供給主配管36と供給枝管37とを備えている。供給主配管36は、その入口端36sに合流接続部32を備えている。供給枝管37は、供給主配管36に分岐接続され、供給主配管36とガス燃料タンク6とを連通している。
一方で、不活性ガス供給装置20は、不活性ガスを供給するための供給ライン38を備えている。供給ライン38の出口端38oは、不活性ガス供給管26の合流接続部32に着脱可能とされている。なお、
図2では、供給ライン38の出口端38oを一つだけ示しているが、三つの供給ライン38は、それぞれ出口端38oを有しており、これら三つの出口端38oが合流接続部32にそれぞれ接続される(第二実施形態も同様)。
【0031】
浮体本体2には、一つの浮体1で行うタンク内点検準備に必要な不活性ガス量(体積流量)に応じた少なくとも一台以上の不活性ガス供給装置20が設置されている。上記のタンク内点検準備に必要な不活性ガス量は、ガス燃料タンク6の容量が大きいほど多くなり、ガス燃料タンク6の容量が小さいほど少なくなる。本実施形態の浮体1では、複数台(具体的には、3台)の不活性ガス供給装置20が設置されると共に、これら複数台の不活性ガス供給装置20がガス燃料タンク6に対して並列に接続されている。
【0032】
(浮体のガス処理方法)
次に、本実施形態における浮体1のガス処理方法について図面を参照しながら説明する。本実施形態の浮体のガス処理方法は、処理装置21による排出ガス処理作業と、不活性ガス供給装置20による不活性ガス供給作業とを並行して行っている。
(排出ガス処理作業)
図3は、本開示の第一実施形態における浮体の排出ガス処理作業のフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態における浮体のガス処理方法における排出ガス処理作業は、少なくとも処理装置準備工程(ステップS11)と、処理装置選択工程(ステップS12)と、処理装置設置工程(ステップS13)と、処理工程(ステップS14)と、を含んでいる。本実施形態における浮体のガス処理方法は、更に、処理装置撤去工程(ステップS15)と、処理装置保管工程(ステップS16)と、を含んでいる。
【0033】
まず、処理装置準備工程(ステップS11)では、排出ガスを除害可能な複数台の処理装置21を準備する。より具体的には、ウォーミングアップ、タンク内点検準備を行うことでガス燃料タンク6から排出される排出ガスに含まれるアンモニアガスを除害可能な多数の処理装置21を準備する。この準備した処理装置21は、所定の保管場所に保管され、使用する際に所定の保管場所から持ち出されて、使用後に所定の保管場所へ戻されるように運用される。そして、浮体1が定期点検等でドックに入るなど、ガス燃料タンク6をガスフリーにする際に、処理装置選択工程(ステップS12)へ進む。
【0034】
処理装置選択工程(ステップS12)では、上記の処理装置準備工程(ステップS11)で準備した複数台の処理装置21の中から、一つの浮体で排出される排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の処理装置21を選択する。すなわち、ウォーミングアップ、タンク内点検準備が行われる一つの浮体で使用する処理装置21の台数を決定し、当該台数の処理装置21を、保管されている多数の処理装置21の中から選択する。これら選択した処理装置21は、上記のウォーミングアップ、タンク内点検準備が行われる浮体1へ向けて運搬される。
【0035】
処理装置設置工程(ステップS13)では、上記の処理装置選択工程(ステップS12)で選択した台数分の処理装置21を浮体1に設置する。本実施形態では、浮体1の上甲板9の上の専用スペース16に処理装置21を設置する。また、複数台の処理装置21を設置する場合には、上甲板9上に設置された処理装置21の上に他の処理装置21を積み重ねて(スタッキングして)設置する。また、複数台の処理装置21を設置する場合には、ガス燃料タンク6に対して複数台の処理装置21を並列に接続する。
【0036】
処理工程(ステップS14)では、上記の処理装置設置工程(ステップS13)で設置した処理装置21を用いて浮体1の排出ガスを処理する。すなわち、ウォーミングアップ、タンク内点検準備によってガス燃料タンク6から排出された排出ガスを、処理装置21へ導いて、処理装置21により燃焼除害などの除害処理を行った後、大気放出する。なお、本実施形態は、浮体1に常設された不活性ガス供給装置20を使用するのではなく、処理装置21と同様に、保管されている不活性ガス供給装置20を使用しているため、処理工程(ステップS14)は、後述する不活性ガス供給装置20による供給工程(ステップS24)が実施されるタイミングに合わせて実施される。
【0037】
処理装置撤去工程(ステップS15)では、上記の処理工程(ステップS14)が完了した後に、処理装置21を浮体から撤去する。ここで、処理工程(ステップS14)は、定期点検等で浮体がドックに入る前に、ガス燃料タンク6内の気体を不活性ガスに置き換えて、さらにこの不活性ガスを空気に置き換えた時点で完了する。
【0038】
その後、処理装置保管工程(ステップS16)では、上記の処理装置撤去工程(ステップS15)で撤去した処理装置21を保管する。すなわち、浮体1から撤去された処理装置21を運搬して、上述した所定の保管場所に、他の多数の処理装置21と共に保管する。
【0039】
(不活性ガス供給作業)
図4は、本開示の第一実施形態における不活性ガス供給作業のフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態における浮体のガス処理方法は、上記の排出ガス処理作業に加えて、不活性ガス供給作業を行う。不活性ガス供給作業は、不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)と、不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)と、不活性ガス供給装置設置工程(ステップS23)と、供給工程(ステップS24)と、を含んでいる。さらに、本実施形態の不活性ガス供給作業は、不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)と、不活性ガス供給装置保管工程(ステップS26)と、を含んでいる。
【0040】
まず、不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)では、ガス燃料タンク6の内部に不活性ガスを供給可能な複数台の不活性ガス供給装置20を準備する。この準備した不活性ガス供給装置20は、所定の保管場所に保管され、使用する際に所定の保管場所から持ち出されて、使用後に所定の保管場所へ戻されるように運用される。そして、浮体1が定期点検等でドックに入るなど、ガス燃料タンク6をガスフリーにする際に、不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)へ進む。
【0041】
不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)では、上記の不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)で準備した複数台の不活性ガス供給装置20の中から、一つの浮体1で必要になる不活性ガスの量に応じた少なくとも一台以上の不活性ガス供給装置20を選択する。すなわち、タンク内点検準備が行われる一つの浮体1で使用する不活性ガス供給装置20の台数を決定し、当該台数の不活性ガス供給装置20を、保管されている多数の不活性ガス供給装置20の中から選択する。これら選択した不活性ガス供給装置20は、上記のタンク内点検準備が行われる浮体1へ向けて運搬される。なお、不活性ガス供給装置20の保管場所と、上述した処理装置21の保管場所とは同一の保管場所であってもよい。
【0042】
不活性ガス供給装置設置工程(ステップS23)では、上記の不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)で選択した台数分の不活性ガス供給装置20を浮体1に設置する。本実施形態では、浮体1の上甲板9の上の専用スペース16に不活性ガス供給装置20を設置する。また、複数台の不活性ガス供給装置20を設置する場合には、上甲板9上に設置された不活性ガス供給装置20の上に他の処理装置21を積み重ねて(スタッキングして)設置してもよい。さらに、不活性ガス供給装置20を処理装置21の上に積み重ねたり、不活性ガス供給装置20の上に処理装置21を積み重ねたりしてもよい。また、複数台の不活性ガス供給装置20を設置する場合には、ガス燃料タンク6に対して複数台の不活性ガス供給装置20を並列に接続する。
【0043】
供給工程(ステップS24)では、上記の供給工程(ステップS24)で設置した不活性ガス供給装置20を用いて浮体1のガス燃料タンク6へ不活性ガスを供給する。なお、この供給工程(ステップS24)による不活性ガス供給作業開始後にガス燃料タンク6から排出ガスが排出されるため、上述した処理工程(ステップS14)では、この排出ガスを処理する。
【0044】
不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)では、上記の供給工程(ステップS24)が完了した後に、不活性ガス供給装置20を浮体1から撤去する。ここで、供給工程(ステップS24)は、定期点検等を終えた浮体が、ガス燃料タンク6内の空気を不活性ガスに置き換えた時点で完了するが、定期点検後の空気を不活性ガスに置換する作業を燃料ガス取入れ基地等で実施する場合は、ガス燃料タンク6内の不活性ガスを空気に置換した時点で完了する。
【0045】
その後、不活性ガス供給装置保管工程(ステップS26)では、上記の不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)で撤去した不活性ガス供給装置20を保管する。すなわち、浮体1から撤去された不活性ガス供給装置20を運搬して、上述した所定の保管場所に、他の多数の不活性ガス供給装置20と共に保管する。
【0046】
(作用効果)
上記第一実施形態によれば、例えば、定期点検時などにガス燃料タンク6をガスフリーにする必要がある際にだけ、ガス燃料タンク6から排出される排出ガス量に応じた台数の処理装置21を、浮体1に設置して、浮体1の排出ガスを処理することが可能となる。そのため、ガス燃料タンク6内から排出される排出ガスを処理するための大型の処理装置を浮体1に常時備え付ける必要が無くなるため、初期設備投資、設置スペース、重心が上がる事を抑えることができる。また、排出ガスを処理するための処理設備を備えた陸上設備や処理設備を備えたバンカー船を占有することもなくなる。
【0047】
上記第一実施形態では、更に、複数台の処理装置21をガス燃料タンク6に並列に接続しているため、小型の処理装置21を用いつつガス燃料タンク6から排出される排出ガスを迅速に処理することが可能となる。また、複数の処理装置21を並列に接続して用いるため、一つの大型の処理装置21を用いる場合と同等の処理性能を確保しつつ、一つ当たりの処理装置21の大きさを低減できる。したがって、処理装置21の着脱作業に掛かる作業者の負担を軽減できる。
【0048】
上記第一実施形態では、更に、排出ガスの処理が完了した後には、処理装置21を浮体1から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガス燃料タンク6をガスフリーにする必要が生じた場合に、保管されている処理装置21を使用することができる。したがって、処理装置21の稼働率を向上することができる。
【0049】
上記第一実施形態では、更に、定期点検時などにガス燃料タンク6をガスフリーにする必要がある際にだけ、必要な不活性ガス量に応じた台数の不活性ガス供給装置20を、浮体1に設置して、浮体1のガス燃料タンク6の内部に不活性ガスを供給することが可能となる。そのため、過剰な容量の不活性ガス供給装置20を浮体1に常時備え付ける必要が無くなる。また、不活性ガス供給装置を備えた陸上設備や不活性ガス供給装置を備えたバンカー船を占有することもなくなる。
【0050】
上記第一実施形態では、更に、不活性ガスの供給が完了した後には、不活性ガス供給装置20を浮体1から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガス燃料タンク6をガスフリーにする必要が生じた場合に、保管されている不活性ガス供給装置20を使用することができる。したがって、不活性ガス供給装置20の稼働率を向上することができる。
【0051】
上記第一実施形態では、更に、処理装置21が積み重ねて浮体本体2に積載可能な海上コンテナに収容されていることで、岸壁などに設けられたコンテナ荷役用のクレーンなどを用いて処理装置21の設置や撤去を行うことができるため、浮体1への設置作業や、撤去作業を容易に行うことが可能となる。
【0052】
(第一実施形態の変形例)
なお、第一実施形態では、不活性ガス供給装置20を着脱可能に設置する場合について説明したが、浮体1が常設の不活性ガス供給装置を有している場合には、不活性ガス供給装置20に代えて、この常設された不活性ガス供給装置(図示せず)を用いてもよい(以下、第二実施形態も同様)。
【0053】
〈第二実施形態〉
次に、本開示の第二実施形態における浮体のガス処理方法及び浮体を図面に基づき説明する。この第二実施形態における浮体のガス処理方法は、上述した第一実施形態と、処理装置21の設置場所のみが異なる。そのため、第二実施形態の説明では、上述した第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
この第二実施形態の浮体101は、浮体本体2と、カーゴタンク3と、エンジン4と、上部構造5と、ガス燃料タンク(ガスタンク)6と、を備えている。
【0054】
図5は、本開示の第二実施形態における
図2に相当する図である。
図5に示すように、第二実施形態の浮体101は、複数のガス燃料タンク6と、これらガス燃料タンク6からの排出ガスを導く排出ガス配管25と、複数のガス燃料タンク6に不活性ガスを導く不活性ガス供給管26と、を有している。
【0055】
排出ガス配管25は、排出ガス枝管27と、排出ガス主配管28とを備えている。排出ガス枝管27は、複数のガス燃料タンク6からそれぞれ延びている。これら排出ガス枝管27は、排出ガス主配管28に合流接続されている。排出ガス主配管28は、浮体101に設けられた第一外部配管接続部40に接続されている。第一外部配管接続部40は、浮体本体2の外部の配管を接続するためのものであり、例えば、浮体本体2のバンカーステーション等に設置されている。
【0056】
不活性ガス供給管26は、供給主配管36と供給枝管37とを備えている。供給主配管36の入口端36sは、第二外部配管接続部41に接続されている。供給枝管37は、供給主配管36に分岐接続され、供給主配管36とガス燃料タンク6とを連通している。第二外部配管接続部41も、例えば、浮体本体2のバンカーステーション等に設置されている。
【0057】
この第二実施形態の処理装置21は、浮体本体2の外部に着脱可能に設置されている。さらに、この第二実施形態の不活性ガス供給装置20も、処理装置21と同様に、浮体101の浮体本体2外部に着脱可能に設置されている。この第二実施形態の処理装置21と不活性ガス供給装置20とは、浮体101とは異なる他の浮体200に着脱可能に設置されている。他の浮体200としては、バージ(艀)、貨物船、処理船などを例示できる。
【0058】
他の浮体200に設置された処理装置21は、それぞれ排出ガスを導入するための導入ライン31を備えている。導入ライン31の入口端31sは、他の浮体200に設置された分配接続部30に着脱可能に接続されている。分配接続部30は、上述した浮体101の第一外部配管接続部40と、ホースなどの第一接続配管42を介して着脱可能に接続されている。このような分配接続部30と第一接続配管42と第一外部配管接続部40とによって、他の浮体200の導入ライン31は、浮体101の排出ガス配管25に接続可能とされており、その結果、他の浮体200の処理装置21は、浮体101のガス燃料タンク6に接続可能とされている。
【0059】
他の浮体200には、ガス燃料タンク6で排出される排出ガスの量に応じた一台以上の処理装置21が設置されている。第二実施形態の他の浮体200では、第一実施形態の浮体1と同様に、複数台(具体的には、3台)の処理装置21が設置されるとともに、これら複数台の処理装置21がガス燃料タンク6に対して並列に接続されている場合を例示している。これら複数台の処理装置21の処理能力(体積流量)は、上述した第一実施形態と同様であり、一つの浮体1で排出される排出ガスを処理可能な処理能力となっている。
【0060】
他の浮体200に設置された不活性ガス供給装置20は、それぞれ不活性ガスを供給するための供給ライン38を備えている。供給ライン38の出口端38oは、他の浮体200に設置された合流接続部32に着脱可能に接続されている。合流接続部32は、第二外部配管接続部41と、ホースなどの第二接続配管43を介して接続可能となっている。このような合流接続部32と第二接続配管43と第二外部配管接続部41とによって、他の浮体200の供給ライン38は、浮体101の不活性ガス供給管26に接続可能とされており、その結果、他の浮体200に設置された不活性ガス供給装置20は、浮体101のガス燃料タンク6に接続可能とされている。
【0061】
(浮体のガス処理方法)
次に、第二実施形態における浮体101のガス処理方法について図面を参照しながら説明する。第二実施形態の浮体101のガス処理方法は、第一実施形態における浮体1のガス処理方法に対し、処理装置21及び不活性ガス供給装置20を他の浮体200に設置する点でのみ相違する。したがって、第一実施形態と同一の工程については、同一符号を付して説明すると共に、重複説明を省略する。なお、第一実施形態と同様に、以下の処理装置21による排出ガス処理作業と、不活性ガス供給装置20による不活性ガス供給作業とは並行して行っている。
【0062】
(排出ガス処理作業)
図6は、本開示の第二実施形態における浮体の排出ガス処理作業のフローチャートである。
図6に示すように、第二実施形態における浮体のガス処理方法における排出ガス処理作業は、少なくとも処理装置準備工程(ステップS11)と、処理装置選択工程(ステップS12)と、処理装置設置工程(ステップS113)と、処理工程(ステップS14)と、を含んでいる。本実施形態における浮体のガス処理方法は、更に、処理装置撤去工程(ステップS115)と、処理装置保管工程(ステップS16)と、を含んでいる。
【0063】
まず、第一実施形態と同様に、処理装置準備工程(ステップS11)と処理装置選択工程(ステップS12)とを実施する。つまり、排出ガスを除害可能な複数台の処理装置21を準備して、準備した複数台の処理装置21の中から、一つの浮体101で排出される排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の処理装置21を選択する。
【0064】
処理装置設置工程(ステップS113)では、処理装置選択工程(ステップS12)で選択した台数分の処理装置21を浮体101とは異なる他の浮体200に設置する。第二実施形態では、例えば、処理装置21を他の浮体200のカーゴスペース(図示せず)などに設置する。他の浮体200がコンテナ運搬船等であれば、他のコンテナにスタッキングするなどして設置してもよい。また、第一実施形態と同様に、複数台の処理装置21を設置する場合、処理装置21同士を積み重ねて(スタッキングして)設置してもよい。
【0065】
処理装置設置工程(ステップS113)では、更に、他の浮体200に設置された処理装置21を、浮体101のガス燃料タンク6に接続する。具体的には、例えば、他の浮体200を浮体101の近くに曳航又は自力航走により移動させて、導入ライン31を分配接続部30に接続し、分配接続部30と第一外部配管接続部40とを第一接続配管42により接続する。他の浮体200に複数の処理装置21を設置する場合には、複数の導入ライン31を分配接続部30に接続する。これにより、ガス燃料タンク6に対して、複数の処理装置21が並列に接続された状態となる。
【0066】
処理工程(ステップS14)では、処理装置設置工程(ステップS113)で設置した処理装置21を用いて、第一実施形態と同様に浮体101の排出ガスを処理する。すなわち、ウォームアップ、タンク内点検準備によってガス燃料タンク6から排出された排出ガスを、他の浮体200に設置された処理装置21へ導いて、処理装置21により燃焼除害などの除害処理を行った後、大気放出する。
【0067】
処理装置撤去工程(ステップS115)では、上記の処理工程(ステップS14)が完了した後に、処理装置21を他の浮体200から撤去する。具体的には、分配接続部30と第一外部配管接続部40とから第一接続配管42を取り外すと共に、他の浮体200から処理装置21を撤去する。処理装置21を他の浮体200から撤去する作業は、例えば、他の浮体200を浮体101の近くから曳航又は自力航走により移動させて着岸させて行ってもよいが、例えば、他の浮体200から撤去した処理装置21を他の小型船舶などに乗せ換えて運搬するようにしてもよい。
【0068】
その後、処理装置保管工程(ステップS16)では、第一実施形態と同様に、上記の処理装置撤去工程(ステップS115)で撤去した処理装置21を保管する。すなわち、他の浮体200から撤去された処理装置21を運搬して、上述した所定の保管場所に、他の多数の処理装置21と共に保管する。
【0069】
(不活性ガス供給作業)
図7は、本開示の第二実施形態における不活性ガス供給作業のフローチャートである。
図7に示すように、第二実施形態の浮体のガス処理方法では、上記の排出ガス処理作業に加えて、不活性ガス供給作業を行う。不活性ガス供給作業は、不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)と、不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)と、不活性ガス供給装置設置工程(ステップS23)と、供給工程(ステップS24)と、を含んでいる。さらに、本実施形態の不活性ガス供給作業は、不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)と、不活性ガス供給装置保管工程(ステップS26)と、を含んでいる。
【0070】
まず、第一実施形態と同様に、不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)と、不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)とを実施する。すなわち、ガス燃料タンク6の内部に不活性ガスを供給可能な複数台の不活性ガス供給装置20を準備し、準備した複数台の不活性ガス供給装置20の中から、一つの浮体101で必要になる不活性ガスの量に応じた少なくとも一台以上の不活性ガス供給装置20を選択する。
【0071】
不活性ガス供給装置設置工程(ステップS123)では、上記の不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)で選択した台数分の不活性ガス供給装置20を他の浮体200に設置する。この第二実施形態では、不活性ガス供給装置20を、他の浮体200のカーゴスペースなどに設置する。他の浮体200がコンテナ運搬船等であれば、他のコンテナにスタッキングするなどして設置してもよい。また、第一実施形態と同様に、処理装置21に積み重ねて(スタッキングして)もよく、さらに複数台の不活性ガス供給装置20を設置する場合には、不活性ガス供給装置20同士を積み重ねて設置してもよい。
【0072】
不活性ガス供給装置設置工程(ステップS123)では、更に、他の浮体200に設置された不活性ガス供給装置20を、浮体101のガス燃料タンク6に接続する。具体的には、例えば、他の浮体200を浮体101の近くに曳航又は自力航走により移動させて、供給ライン38を合流接続部32に接続し、合流接続部32と第二外部配管接続部41とを第二接続配管43により接続する。他の浮体200に複数の不活性ガス供給装置20を設置する場合には、複数の供給ライン38を合流接続部32に接続する。これにより、ガス燃料タンク6に対して、複数の不活性ガス供給装置20が並列に接続された状態となる。
【0073】
供給工程(ステップS24)では、上記の供給工程(ステップS24)で他の浮体200に設置した不活性ガス供給装置20を用いて、第一実施形態と同様に浮体101のガス燃料タンク6へ不活性ガスを供給する。すなわち、ガス燃料タンク6内の気体を不活性ガス供給装置20から供給される不活性ガスに置き換える。
【0074】
不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS125)では、上記の供給工程(ステップS24)が完了した後に、不活性ガス供給装置20を他の浮体200から撤去する。ここで、供給工程(ステップS24)は、例えば、定期点検等で浮体101がドックを出て、ガス燃料タンク6内の空気を不活性ガスに置き換えた時点で完了する。
【0075】
その後、不活性ガス供給装置保管工程(ステップS26)では、第一実施形態と同様に、上記の不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)で撤去した不活性ガス供給装置20を保管する。すなわち、浮体から撤去された不活性ガス供給装置20を運搬して、上述した所定の保管場所に、他の多数の不活性ガス供給装置20と共に保管する。なお、他の浮体200から保管場所までの運搬は、不活性ガス供給装置20と処理装置21とを混載して運搬してもよい。
【0076】
(作用効果)
上記第二実施形態によれば、上述した第一実施形態の作用効果に加えて、浮体101が着岸していない状態でも、ガス燃料タンク6をガスフリーにすることが可能となる。
【0077】
上記第二実施形態では、更に、排出ガスの処理が完了した後には、処理装置21を他の浮体200から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガス燃料タンク6をガスフリーにする必要が生じた場合に、保管されている処理装置21を使用することができる。また、処理装置21を撤去した他の浮体200は、処理装置21以外を運搬するなど他の用途にも使用できる。したがって、処理装置21及び他の浮体200の稼働率を向上することができる。
【0078】
上記第二実施形態では、更に、浮体101が着岸していない状態でも、ガス燃料タンク6に不活性ガスを供給することが可能となる。
【0079】
上記第二実施形態では、更に、不活性ガスの供給が完了した後には、不活性ガス供給装置20を他の浮体200から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガス燃料タンク6に不活性ガスを供給する必要が生じた場合に、保管されている不活性ガス供給装置20を使用することができる。また、不活性ガス供給装置20を撤去した他の浮体200は、不活性ガス供給装置20以外を運搬するなど他の用途にも使用できる。したがって、不活性ガス供給装置20及び他の浮体200の稼働率を向上することができる。
【0080】
〈他の実施形態〉
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上記の実施形態では、浮体1,101が主機等により航行可能な船舶である場合について説明したが、浮体であれば船舶に限られない。
【0081】
第二実施形態では、単一の他の浮体200に複数の処理装置21を設置する場合について説明したが、他の浮体200を複数用意して、これら複数の他の浮体200のそれぞれに処理装置21を設置したり、複数の他の浮体200のそれぞれに不活性ガス供給装置20を設置したりしてもよい。
【0082】
また、第一実施形態では、処理装置21を浮体1に設置し、第二実施形態では、処理装置21を他の浮体200に設置した場合について説明した。しかし、上記構成に限られず、例えば、第一実施形態の構成と第二実施形態の構成とを組み合わせてもよい。すなわち、複数の処理装置21を設ける場合に、浮体1と他の浮体200とにそれぞれ処理装置21を設けて、これら処理装置21をガス燃料タンク6に並列に接続するようにしてもよい。
【0083】
さらに、第一、第二実施形態では、処理装置21及び不活性ガス供給装置20を積み重ね可能なコンテナに収容する場合について説明した。しかし、処理装置21及び不活性ガス供給装置20は、コンテナに収容される態様や、積み重ね可能な態様に限られない。
【0084】
また、第一、第二実施形態では、ガスタンクが燃料ガスを貯留するガス燃料タンク6である場合を一例にして説明したが、ガスタンクは、ガス燃料タンク6に限られない。例えば、カーゴタンク3であったり、他のタンクであったりしてもよい。
【0085】
さらに、第一、第二実施形態では、ガス燃料タンク6をガスフリーにする際に、不活性ガス供給装置20から不活性ガスを供給する場合について説明したが、ガス燃料タンク6に貯留されていた貯留物が酸素と接触しても差し支えない場合には、不活性ガスに代えて外気を取り込むようにしてもよい。
【0086】
また、第一、第二実施形態では、処理装置21と不活性ガス供給装置20とを別のコンテナに収容する場合について説明したが、処理装置21と不活性ガス供給装置20とを同じコンテナに収容するようにしてもよい。
【0087】
さらに、不活性ガス供給装置20は、海上コンテナに収容される形態に限られない。不活性ガス供給装置20は、例えば、液体窒素を貯留可能なISO規格のタンクコンテナと、液体窒素を気化するベーパライザーと、を組み合わせた構成であってもよい。
また、処理装置21は、燃焼除害装置、燃焼除害装置の燃料を貯留する燃料タンクなど、排出ガスを燃焼除害するための装置一式を海上コンテナ内に収容する場合について例示した。しかし、処理装置21は、燃焼方式に限られない。例えば、液化ガスを貯留可能なISO規格のタンクコンテナであったり、液化ガスを吸収可能な液体を貯留可能なISO規格のタンクコンテナであったりしてもよい。また、処理装置21は、上記液化ガスを貯留可能なISO規格のタンクコンテナと、液化ガスを吸収可能な液体を貯留可能なISO規格のタンクコンテナとを組み合わせた構成であってもよい。
【0088】
また、第一、第二実施形態では、処理装置21で用いる配管系統と、不活性ガス供給装置20で用いる配管系統とを、個別に設ける場合について説明した。しかし、不活性ガス供給装置20による不活性ガスの供給と、ガスタンクからの排出ガスの排出と、を同時に行わない場合には、一つの配管系統を設けて、この配管系統を処理装置21と不活性ガス供給装置20とによって共用するようにしてもよい。
【0089】
さらに、処理装置21及び不活性ガス供給装置20が、曝露部である上甲板9の上に設置される場合について説明した。しかし、これら処理装置21及び不活性ガス供給装置20が設置される場所は、半曝露部や室内であってもよい。
【0090】
図8は、本開示の第一実施形態の変形例における
図2相当する図である。
図9は、本開示の第二実施形態の変形例における
図5に相当する図である。
図8、
図9に示すように、処理装置21の排熱を利用するなどして、ガス燃料タンク6内の温度を上昇させる昇温系統50を設けるようにしてもよい。ここでは、不活性ガス供給装置20によりガス燃料タンク6へ供給する気体を加熱することが可能となっている。このようにすることで、ガス燃料タンク6内の残液を処理したり、ガス燃料タンク6内の壁面温度を上昇させたりするなどの工程を行うことが可能となる。
【0091】
<付記>
実施形態に記載の浮体のガス処理方法及び浮体は、例えば以下のように把握される。
【0092】
(1)第1の態様によれば浮体のガス処理方法は、浮体1,101に設けられたガスタンク6の内部を不活性ガスに置き換える際に排出される排出ガスを除害する浮体1,101のガス処理方法であって、前記排出ガスを除害可能な複数台の処理装置21を準備する処理装置準備工程(ステップS11)と、前記処理装置準備工程(ステップS11)で準備した複数台の前記処理装置21の中から、一つの浮体1,101で排出される前記排出ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記処理装置21を選択する処理装置選択工程(ステップS12)と、前記処理装置選択工程(ステップS12)で選択した台数分の前記処理装置21を前記浮体1,101と、前記浮体1,101とは異なる他の浮体200との少なくとも一方に設置する処理装置設置工程(ステップS13)と、前記処理装置設置工程で設置した前記処理装置21を用いて前記浮体1,101の前記排出ガスを処理する処理工程(ステップS14)と、を含む。
浮体1,101の例としては、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等の船舶、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等が挙げられる。
【0093】
これにより、例えば、定期点検時などにガスタンク6をガスフリーにする必要がある際にだけ、ガスタンク6から排出される排出ガス量に応じた台数の処理装置21を、浮体1,101又は浮体1,101とは異なる他の浮体200に設置して、浮体1,101の排出ガスを処理することが可能となる。そのため、ガスタンク6内から排出される排出ガスを処理するための大型の処理装置を浮体1,101に常時備え付ける必要が無くなる。また、処理設備を備えた陸上設備や処理設備を備えたバンカー船を占有することもなくなる。また、使用するときにだけ処理装置21を設置すればよいため、浮体1,101及び他の浮体200の重量を低減して、例えば、浮体1,101及び他の浮体200を移動させる際の燃料消費を低減できる。
したがって、船上スペースの有効活用ならびにスタビリティーの改善をすることが可能となる。
【0094】
(2)第2の態様によれば浮体のガス処理方法は、(1)の浮体のガス処理方法であって、前記処理装置設置工程(ステップS13)では、前記処理装置選択工程(ステップS12)で選択した前記処理装置21が複数台である場合に、前記複数台の前記処理装置21を前記ガスタンク6に並列に接続する。
これにより、ガスタンク6から排出される排出ガスを迅速に処理することができる。
【0095】
(3)第3の態様によれば浮体のガス処理方法は、(1)又は(2)の浮体のガス処理方法であって、前記処理工程(ステップS14)が完了した後に、前記処理装置21を前記浮体1,101から撤去する処理装置撤去工程(ステップS15)と、前記処理装置撤去工程(ステップS15)で撤去した前記処理装置21を保管する処理装置保管工程(ステップS16)と、を含む。
これにより、排出ガスの処理が完了した後には、処理装置21を浮体1,101から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガスタンク6をガスフリーにする必要が生じた場合に、保管されている処理装置21を使用することができる。
【0096】
(4)第4の態様によれば浮体のガス処理方法は、(1)から(3)の何れか一つの浮体のガス処理方法であって、前記ガスタンク6の内部に不活性ガスを供給可能な複数台の不活性ガス供給装置20を準備する不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)と、前記不活性ガス供給装置準備工程(ステップS21)で準備した複数台の前記不活性ガス供給装置20の中から、一つの浮体1,101で必要になる前記不活性ガスの量に応じた少なくとも一台以上の前記不活性ガス供給装置20を選択する不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)と、前記不活性ガス供給装置選択工程(ステップS22)で選択した台数分の前記不活性ガス供給装置20を前記浮体1,101と、前記浮体1,101とは異なる他の浮体200との少なくとも一方に設置する不活性ガス供給装置設置工程(ステップS23)と、前記不活性ガス供給装置設置工程(ステップS23)で設置した前記不活性ガス供給装置20を用いて前記ガスタンク6に前記不活性ガスを供給する供給工程(ステップS24)と、を含む。
これにより、例えば、定期点検時などにガスタンク6をガスフリーにする必要があり不活性ガスを供給する必要が生じた際にだけ、必要な不活性ガス量に応じた台数の不活性ガス供給装置20を、浮体1,101又は浮体1,101とは異なる他の浮体200に設置して、浮体1,101のガスタンク6の内部に不活性ガスを供給することが可能となる。そのため、不活性ガス供給装置20を浮体1,101に常時備え付ける必要が無くなる。また、不活性ガス供給装置20を備えた陸上設備や不活性ガス供給装置20を備えたバンカー船を占有することもなくなる。また、浮体1,101及び他の浮体200の重量を低減できるため、例えば、浮体1,101及び他の浮体200を移動させる際の燃料消費を低減できる。
【0097】
(5)第5の態様によれば浮体のガス処理方法は、(4)の浮体のガス処理方法であって、前記供給工程(ステップS24)が完了した後に、前記不活性ガス供給装置20を前記浮体1,101から撤去する不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)と、前記不活性ガス供給装置撤去工程(ステップS25)で撤去した前記不活性ガス供給装置20を保管する不活性ガス供給装置保管工程(ステップS26)と、を含む。
これにより、不活性ガスの供給が完了した後には、不活性ガス供給装置20を浮体1,101から撤去して保管すればよいため、別の浮体でガスタンク6に不活性ガスを供給する必要が生じた場合に、保管されている不活性ガス供給装置20を使用することができる。
【0098】
(6)第6の態様によれば浮体は、浮体本体2と、前記浮体本体2に設けられ、液化ガスを貯留可能なガスタンク6と、前記浮体本体2に対して着脱可能に設置され、前記ガスタンク6から排出される排出ガスを除害する複数の処理装置21と、を備え、前記複数の処理装置21は、前記ガスタンク6に対して並列に接続される。
これにより、処理装置21を使用しない場合には、浮体本体2から撤去することができる。そのため、処理装置21を、別の浮体の浮体本体に設置して用いることもできる。さらに、複数の処理装置21を並列に接続して用いるため、一つの大型の処理装置21を用いる場合と同等の処理性能を確保しつつ、一つ当たりの処理装置21大きさを低減できるため、処理装置21の着脱作業に掛かる作業者の負担を軽減できる。
【0099】
(7)第7の態様によれば浮体は、浮体本体2と、前記浮体本体2に対して着脱可能に設置され、他の浮体200に設けられている液化ガスを貯留可能なガスタンク6から排出される排出ガスを除害する複数の処理装置21と、を備え、前記複数の処理装置21は、前記ガスタンク6に対して並列に接続される。
これにより、浮体1,101に設けられている複数の処理装置21を用いて他の浮体200に設けられているガスタンク6から排出された排出ガスを迅速に処理することが可能となる。また、複数の処理装置21を並列に接続して用いるため、一つの大型の処理装置を用いる場合と同等の処理性能を確保しつつ、一つ当たりの処理装置21大きさを低減できるため、処理装置21の着脱作業に掛かる作業者の負担を軽減できる。
【0100】
(8)第8の態様によれば浮体は、(6)又は(7)の浮体であって、前記浮体本体2に対して着脱可能に設置され、前記ガスタンク6へ不活性ガスを供給可能な不活性ガス供給装置20を備える。
これにより、不活性ガス供給装置20を使用しない場合には、浮体本体2から撤去することができる。そのため、不活性ガス供給装置20を、別の浮体の浮体本体2に設置して用いることもできる。
【0101】
(9)第9の態様によれば浮体は、(6)から(8)の何れか一つの浮体であって、前記処理装置21は、前記浮体本体2に積み重ねて積載可能なコンテナに収容されている。
これにより、岸壁などに設けられたコンテナ荷役用のクレーンなどを用いて処理装置21の設置や撤去を行うことができるため、浮体1,101への設置作業や、撤去作業を容易に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1,101…浮体 2…浮体本体 2A…船尾 2F…船首 3…カーゴタンク 4…エンジン 5…上部構造 6…ガス燃料タンク 7…舷側 8…船底 9…上甲板 10…カーゴホールド 10a…仕切壁 11…主機室 12…スクリュー 13…舵 14…底板 15…甲板 16…専用スペース 20…不活性ガス供給装置 21…処理装置 25…排出ガス配管 26…不活性ガス供給管 27…排出ガス枝管 28…排出ガス主配管 29…端部 30…分配接続部 31…導入ライン 31s…入口端 32…合流接続部 33…小型処理装置 36…供給主配管 37…供給枝管 38…供給ライン 40…第一外部配管接続部 41…第二外部配管接続部 42…第一接続配管 43…第二接続配管 200…他の浮体